説明

パターンの密着性評価方法およびパターンの密着性評価装置

【課題】半導体製造に用いられるレジストパターンやフォトマスクの遮光膜パターンなどの微細パターンと下地基板との密着性の評価において、微細パターンにせん断などを生じさせずに定量的に密着性を測定する密着性評価方法、および評価装置を提供する。
【解決手段】原子間力顕微鏡のカンチレバーに設けられた探針を基板表面から離して走査し、前記基板表面に形成されたパターンの密着性を計測するパターンの密着性評価方法において、前記探針が、前記探針を前記カンチレバーに取り付ける基部と前記パターンと接触する先端部とで構成され、前記基部と先端部とは頸部を形成し、前記基部は、前記カンチレバーから前記頸部に向かう垂直方向において連続した傾斜面をなし、前記先端部は、前記パターンの側面と接触する側の最大幅が前記頸部の幅と同じか又は大きい形状を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体やフォトマスクの製造に用いられる微細なレジストパターンやフォトマスクの遮光膜パターンなどの数10nm〜数100nm幅の微細なパターンと、それらのパターンを設けた基板との密着性を定量的に測定するパターンの密着性評価方法、およびパターンの密着性を測定する評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハーフピッチ65nmから45nmへと進展する半導体素子の高集積化・超微細化を実現するために、フォトリソグラフィにおいては、露光装置での高解像技術として、投影レンズの開口数を高くした高NA化技術、投影レンズと露光対象の間に高屈折率媒体を介在させて露光を行なう液浸露光技術、変形照明搭載露光技術などの開発が急速に進められており、半導体やその製造に用いるフォトマスクにおいては、レジストや薄膜のますます微細なパターンが求められている。高品質の半導体やフォトマスクを得るために、これらの微細パターンは、そのパターンを形成する基板への密着性が重要となり、定量的で直接的な微細パターンの密着性の評価方法が必要とされている。
【0003】
従来、半導体基板やフォトマスク基板上に設けられたレジストパターンや薄膜パターンの基板への密着性評価方法としては、一般的には、クロスカット法やスクラッチ法が知られている。
【0004】
クロスカット法は、日本工業規格のK5600−5−6に示されており、薄膜試料表面に碁盤目状に傷を付け、その上に粘着性テープを貼付し、次いで粘着性テープを剥離し、剥離した升目数や剥離残りの状態を数え、その数で評価する方法である。この方法は、簡便で容易であり、密着性を評価する手法の中でも代表的な一つである。しかし、クロスカット法は、定性的評価が出来るものの、定量的評価には不向きであり、またミクロンメータ以下の微細パターンの密着性を評価するには適していない。
【0005】
スクラッチ法は、絶縁膜など薄膜の密着性評価方法として古くから知られており、圧子を用いて薄膜表面を引っ掻き、剥離が発生した時点の圧子荷重をもって密着強度とするものである。薄膜試料の界面破壊または変形時の垂直方向の加重(臨界加重)と水平方向の力(水平荷重)を測定し、界面の密着性の強さを定量化するものである。
【0006】
近年では、より微細なパターンの測定を目的として、カンチレバーと称する片持ち梁の一端に探針を設けたプローブを有する原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:以後、AFMと記す)を用い、プローブに一定の加重をかけて、試料表面を探針で走査するナノスクラッチ法と呼ばれる微細パターンの密着力測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、AFMのプローブ探針を基板面から離して非接触で走査し、基板上のレジストのラインパターンの側面と探針とを接触させ、探針の水平方向の力(水平加重)でレジストを剥離し、密着性を調べるDPAT(Direct Peeling method with Atomic force microscope Tip)法と称される密着力測定方法が提案されている(非特許文献1参照)。図6は、非特許文献1に記載されている密着力測定に用いられている従来の探針61の側面模式図であり、円錐形の探針の先端の曲率半径は約8nmである。
【特許文献1】特開2006−294904号公報
【非特許文献1】A.Kawai,et al.,Microelectronic Engineering,83(2006)659−662
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の特許文献1に記載されているようなナノスクラッチ法では、測定で得られた情報と薄膜の剥離に起因すると考えられる不良品情報との間に、しばしば、大きなズレがあることがあり、十分に満足できる測定情報が得られないことがあった。また、非特許文献1に記載されているDPAT法は、被測定対象である基板表面の微細なパターンの側面と探針が接触し、パターンに圧力がかかったときに、パターンが基板から剥離もしくは剥離して倒れる以前に、レジスト自体が探針によりせん断されてしまい、正確な密着性のデータが得られないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、半導体製造に用いられるレジストパターンやフォトマスクの遮光膜パターンなどの微細パターンとパターンが形成された下地の基板との密着性の評価において、微細パターンにせん断などを生じさせずに定量的に密着性を測定するパターンの密着性評価方法、およびパターンの密着性を測定する評価装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るパターンの密着性評価方法は、原子間力顕微鏡のカンチレバーに設けられた探針を基板表面から離して非接触で走査し、前記基板表面に形成されたパターンの側面と前記探針とを接触させ、前記探針の水平方向の力でパターンを基板から剥離して密着性を計測するパターンの密着性評価方法において、 前記探針が、前記探針を前記カンチレバーに取り付ける基部と前記パターンと接触する先端部とで構成され、前記基部と先端部とは頸部を形成し、前記基部は、前記カンチレバーから前記頸部に向かう垂直方向において連続した傾斜面をなし、前記先端部は、前記パターンの側面と接触する側の最大幅が前記頸部の幅と同じか又は大きい形状を有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明に係るパターンの密着性評価方法は、請求項1に記載のパターンの密着性評価方法において、前記探針の先端部の形状が、直方体形、立方体形、球形、円柱形、角柱形、および前記基板に面した側の底面が大きい円錐台形、多角錐台形、フレアー形のうちのいずれか1種の形状であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の発明に係るパターンの密着性評価方法は、請求項1または請求項2に記載のパターンの密着性評価方法において、前記探針が、シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、ポリシリコン、カーボンナノチューブ、サファイアおよびダイヤモンドよりなる群から選ばれたうちのいずれか1種の材料からなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4の発明に係るパターンの密着性評価方法は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパターンの密着性評価方法において、前記パターンがレジストのラインパターンあるいはドットパターンであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5の発明に係るパターンの密着性評価装置は、原子間力顕微鏡のカンチレバーに設けられた探針を基板表面から離して非接触で走査し、前記基板表面に形成されたパターンの側面と前記探針とを接触させ、前記探針の水平方向の力でパターンを基板から剥離して密着性を計測するパターンの密着性評価装置において、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターンの密着性評価方法に記載の探針を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、プローブの探針の先端形状を広げ、計測すべきパターンとの接触面積を大きくすることにより、パターン側面に探針の圧力がかかったときに、パターン自体のダメージが低減されてせん断などを生じさせずに、パターンを基板から剥離もしくは剥離して倒壊させ、パターンの密着性を定量化して測定する評価方法である。本発明のパターンの密着性評価方法によれば、レジストパターンなどの基板への接着・剥離特性が定量的に計測できるようになり、パターン形成やパターン形成前の洗浄などのプロセス条件を改善して条件の最適化が容易になり、品質向上、良品率向上が可能となる。
【0015】
また、本発明の微細パターンの密着性評価装置によれば、微細なパターンの密着性を容易に簡便な方法で測定することができる評価装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る微細なパターンの密着性評価方法および微細なパターンの密着性評価装置について説明する。
【0017】
図1は、本発明のパターンの密着性評価方法に用いる探針のパターンと接する側の側面模式図であり、6種類の探針11a、11b、11c、11d、11e、11fを例示している。探針の走査方向は紙面に垂直な方向である。図1の側面模式図において、各探針は基部12a、12b、12c、12d、12e、12fと被計測物である試料と接触する先端部13a、13b、13c、13d、13e、13fとで構成されている。基部と先端部とは頸部14a、14b、14c、14d、14e、14fを形成している。
【0018】
図1に示す各探針の基部の幅広の上端側(紙面上側)がカンチレバーに取り付ける側である。本発明に用いる探針の基部は、カンチレバーから頸部に向かう垂直方向において連続した傾斜面をなしている。各探針の先端部13a、13b、13c、13d、13e、13fは計測するパターン(図示はしてない)との接触面積が大きくなるように広げられた形状を有しており、パターンの側面と接触する側の最大幅が頸部の幅と同じか又は大きい形状を有する。図1に示す例では、図1(d)、(e)の探針が、先端部の最大幅が頸部の幅と同じ場合を示し、図1(a)、(b)、(c)、(f)の探針が、先端部の最大幅が頸部の幅よりも大きい場合を示す。
【0019】
本発明に用いる探針の基部の形状は、頸部となる箇所までは従来のAFMの探針と同様の形状である円錐形、角錐形などの形状が用いられる。本発明においては、探針の基部と先端部との境界を頸部と称しており、頸部を境に探針の長手方向の形状が変わるものであり、探針の先端部は、パターンの側面と接触する側の最大幅が頸部の幅と同じか又は大きい形状を有するものである。
【0020】
図1に示すように、本発明に用いる探針の先端部の形状は、直方体形(13b)、立方体形、球形(13c)、円柱形(13d)、角柱形(13e)、および前記基板に面した側の底面が大きい円錐台形(13a)、多角錐台形、フレアー形(13f)のうちのいずれか1種の形状が用いられる。先端部の形状が、円錐台形、多角錐台形、フレアー形の場合には、図1(a)、図1(f)に示すように、基板に面した側の底面が大きい幅広の方が基板側面との接触面積を大きくし得る可能性が高まるのでより好ましい。また、球形の場合には、基部との接点となる頸部の断面が平面となった略球形の場合も本発明の球形の範囲に含まれるものである。上記のいずれの形状においても、探針の先端部とパターンとの接触面積を広くとるために、探針の先端部の大きさは、任意の大きさを選択することができる。
【0021】
本発明に用いる探針は、探針の基部、先端部ともにシリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、ポリシリコン、カーボンナノチューブ、サファイアあるいはダイヤモンドなどを材料として作製される。探針の基部の長さは約3μm〜30μm程度が用いられ、探針の先端部の長さは10μm〜20μm程度で用いられる。探針の頸部は探針の基部と先端部との境界の呼称であるので、特に長さは必要としない。例えば、探針基部の形状が円錐形状の場合には、頸部の断面の半径は30nm〜500nm程度で用いられる。
【0022】
本発明に用いる探針の基部と先端部は、各々を別々に加工して製作した後に、貼り合わせることにより頸部を介して一体化したり、あるいは一つの材料を加工して、基部、頸部、先端部を有する探針を得ることができる。
【0023】
図2に、本発明の微細パターンの密着性の評価方法に用いるAFM型の微細パターンの密着性評価装置の一例としての測定原理図(図2(a))と、測定用の探針周辺の模式図(図2(b))を示す。図2(a)に示すように、カンチレバー構造を有する微小な探針21を試料基板22に徐々に近づけていくと、ある距離で両者の間に引力あるいは斥力が働き、探針21を備えたカンチレバー23に歪みが生じる。歪みはカンチレバー23の背面に当てられたレーザ光24の反射角の変化により光センサー25で検出され、探針21を試料基板22表面で走査したときにカンチレバー23の歪み量が一定となるように、探針21と試料基板22間の距離が制御される。試料基板22表面の走査(X方向、Y方向)と、探針21と試料基板22間の距離の制御(Z方向)はピエゾスキャナー26により行われ、各スキャナーに印加された電圧を解析処理することで試料基板22表面の像が得られる。探針を測定すべきパターンの所定の位置に移動したら、密着性の測定を行う。
【0024】
図3は、上記の微細パターンの密着性評価装置を用いてパターンの密着性を評価する方法を説明する模式図である。図3では、探針とパターンを設けた基板以外は省略してある。図3(a)に示すように、測定に用いる探針31は、図1(b)に示した探針と同じく、被計測試料である基板34に向かう垂直方向において基部は傾斜面をなすとともに、探針31の先端部33近くに頸部を有し、探針31の先端部33は直方体形状をしている。この直方体形状の先端部33の最大面積を有する一平面がパターン32の側面と平行になるように、探針31を配置する。次に、探針31を水平方向に動かし(図3(a)の矢印)、パターン32の側面に接触させて水平方向の力(水平荷重)を加える。このとき、探針31の先端部はパターン32が形成された基板34表面から離している。もしも探針31の先端部が基板34の表面と接触していると、水平方向の力に加えて垂直方向の力の影響も考慮しなければならず、密着性の計測データの解析がより複雑になるからである。
【0025】
パターン32に探針31から加えられた力が一定限度を越えると、パターン32は基板34から剥離したり、あるいは剥離して倒れることにより、パターン32の密着力が計測できる。本発明のパターンの密着性評価方法によれば、パターン32をせん断せずに基板から剥離し、信頼性の高い密着性データを得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
【0027】
<測定サンプル>
石英基板上に酸化クロム/窒化クロムの2層スパッタ膜を成膜してクロムブランクスとし、その上にネガ型電子線レジストNEB−22(住友化学(株)製)を膜厚400nmで塗布した。このレジスト膜を設けたブランクスに電子線描画を行い、現像し、一辺が200nm〜500nmの多数の正方形ドット状のレジストパターンを形成した。
【0028】
<剥離特性の評価>
剥離特性を評価するAFMの装置として、L−trace(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いた。このAFM装置のカンチレバーに設ける探針としては、図1(d)および図1(f)に示す円柱状およびフレアー状の探針先端部形状を有する探針を用いた。円柱状探針は、基部の長さ20μm、頸部の半径200nm、円柱状先端部の半径200nm、長さ15μmである。フレアー状探針は、基部の長さ20μm、頸部の半径200nm、フレアー状先端部の最大幅300nmでオーバーハングが20nm、長さ15μmである。円柱状探針、フレアー状探針のいずれもシリコンを材料として一体化して作製したものである。
【0029】
また、比較のために、図6に示す従来の円錐形状の探針先端部形状を有する探針(商品名:SI−DF40P(セイコーインスツルメンツ製))を用いた。従来の探針は、長さ14μm、円錐の角度は約30°、先端の曲率半径8nmである。従来の円錐形状探針もシリコンを材料として作製したものである。
【0030】
次に、上記の各々の探針を備えたカンチレバーを用いて、まず、AFMによりレジストパターンの拡大像を観察し、密着性評価を行うレジストパターンの形状像を取得した。
【0031】
続いて、上記レジストパターンのエッジから1μm離れた位置に探針先端部を移動し、下記条件により、探針を石英基板表面から離して非接触で走査し、石英基板表面に形成されたレジストパターンの側面と探針先端部とを接触させ、探針の水平方向の力でレジストパターンを剥離して倒壊させ、その際のフリクショナルカーブを測定し、パターンが倒壊したときの力を求め、この値を密着力とした。図1(f)に示したフレアー形探針を用いたときのレジストパターンの倒壊に要した力(密着力)は、100〜5000nNであった。
走査距離:2μm
走査速度:400nm/sec
走査角度(パターン側面に対し):90度
探針先端部と試料表面との距離:30nm
【0032】
次に、AFM観察を行い、レジストパターンの形状像を取得した。図4は、図1(f)に示したフレアー形の探針形状を有する本発明の密着性評価方法に用いる探針により、上記のAFM装置で撮影したクロムブランクス上のレジストパターンの平面拡大写真である。図4(a)は、紙面上方向に探針を走査する前のパターン(矢印で示す)の状態であり、図4(b)は、パターンを走査後で、倒壊したパターンは元の位置よりも少しずれている状態が観察される。
【0033】
同様に、図1(d)に示す円柱状探針でもレジストパターンを倒壊させることができ、そのときのレジストパターンの倒壊に要した力(密着力)は、上記のフレアー状探針の場合とほぼ同様の、100〜5000nNであった。
【0034】
一方、図5に、尖鋭な先端形状を有する図6に示す従来の探針を用いた場合のレジストパターンの形状像を示す。図5(a)は、紙面上方向に探針を走査する前のパターン(矢印で示す)の状態であり、図4(b)は、パターンを走査後である。従来の探針を用いた場合には、図4(b)に示すように、探針の走査によりレジストパターンが切削されてしまい、レジストパターンを倒壊させることはできず、正確な密着性のデータを得ることができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のパターンの密着性評価方法に用いる探針の側面模式図である。
【図2】本発明のパターンの密着性評価方法に用いるAFM型のパターンの密着性評価装置の一例としての測定原理図と、測定用の探針周辺の模式図である。
【図3】本発明のパターンの密着性評価装置を用いてパターンの密着性を評価する方法を説明する模式図である。
【図4】図1(f)に示した本発明の密着性評価方法に用いる探針により、クロムブランクス上のレジストパターンを走査したときのAFMによる平面拡大写真である。
【図5】図6に示す従来の探針により、クロムブランクス上のレジストパターンを走査したときのAFMによる平面拡大写真である。
【図6】従来の密着力測定に用いられている探針の側面模式図である。
【符号の説明】
【0036】
11a、11b、11c、11d、11e、11f 探針
12a、12b、12c、12d、12e、12f 探針の基部
13a、13b、13c、13d、13e、13f 探針の先端部
14a、14b、14c、14d、14e、14f 探針の頸部
21 探針
22 試料基板(被計測物)
23 カンチレバー
24 レーザ光
25 光センサー
26 ピエゾスキャナー
27a X、Y軸走査システム
27b Z軸サーボシステム
28 コンピュータ
29 プリアンプ
30 モニター
31 探針
32 パターン(被計測物)
33 探針の先端部
34 基板
61 従来の探針

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子間力顕微鏡のカンチレバーに設けられた探針を基板表面から離して非接触で走査し、前記基板表面に形成されたパターンの側面と前記探針とを接触させ、前記探針の水平方向の力でパターンを基板から剥離して密着性を計測するパターンの密着性評価方法において、
前記探針が、前記探針を前記カンチレバーに取り付ける基部と前記パターンと接触する先端部とで構成され、前記基部と先端部とは頸部を形成し、
前記基部は、前記カンチレバーから前記頸部に向かう垂直方向において連続した傾斜面をなし、
前記先端部は、前記パターンの側面と接触する側の最大幅が前記頸部の幅と同じか又は大きい形状を有することを特徴とするパターンの密着性評価方法。
【請求項2】
前記探針の先端部の形状が、直方体形、立方体形、球形、円柱形、角柱形、および前記基板に面した側の底面が大きい円錐台形、多角錐台形、フレアー形のうちのいずれか1種の形状であることを特徴とする請求項1に記載のパターンの密着性評価方法。
【請求項3】
前記探針が、シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、ポリシリコン、カーボンナノチューブ、サファイアおよびダイヤモンドよりなる群から選ばれたうちのいずれか1種の材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターンの密着性評価方法。
【請求項4】
前記パターンがレジストのラインパターンあるいはドットパターンであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパターンの密着性評価方法。
【請求項5】
原子間力顕微鏡のカンチレバーに設けられた探針を基板表面から離して非接触で走査し、前記基板表面に形成されたパターンの側面と前記探針とを接触させ、前記探針の水平方向の力でパターンを基板から剥離して密着性を計測するパターンの密着性評価装置において、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターンの密着性評価方法に記載の探針を用いたことを特徴とするパターンの密着性評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−229161(P2009−229161A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72904(P2008−72904)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】