説明

パターン分類を使用した、無線端末が屋内にあるかどうかの推定

【課題】 無線端末が屋内にあるか否かを推定する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】 例示的実施形態は、複数の入力/出力マッピングでトレーニングされたパターン分類器を使用し、各マッピングは個々の位置に対応し、マッピングの出力は、当該位置が屋内であるかどうかを示すブール値であり、マッピングの入力は、その位置についての経験信号データと予測信号データに基づく。例示的実施形態によると、トレーニングされたパターン分類器に基づいてコンピュータ実行可能プログラムが生成される。コンピュータ実行可能プログラムは、無線端末から報告される経験データと、おおよそ或いは不正確である可能性のあるその端末の位置の推定(例えばセル識別子(Cell−ID)、GPS等に基づく)とに基づいて、無線端末が屋内にあるか否かを推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般には無線通信に関し、より詳細には、無線端末が屋内にあるかどうかを推定する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]図1は、従来技術に係る無線通信システム100の主要構成要素を示す図である。無線通信システム100は、図に示すように相互に接続された、無線端末101、基地局102−1、102−2、102−3、及び無線交換局111を備える。無線通信システム100は、地理的領域120の全域に周知の方式で無線通信サービスを提供する。
【0003】
[0003]有線の通信と比べた無線通信の主要な利点は、無線通信システムのユーザに与えられる移動性である。一方、無線通信の主要な不都合点は、ユーザが移動することができるため、関係者がユーザの位置を容易に特定できない可能性があるである。
【0004】
[0004]そのような関係者には、無線端末のユーザと遠隔地の相手の両方が含まれる。無線端末のユーザが自身の位置を知りたい理由には様々ある。例えば、遠隔にいる相手に自分のいる場所を知らせたい場合がある。
【0005】
[0005]遠隔地にいる相手がユーザの位置を知りたい理由には様々ある。例えば、無線端末から911番への緊急通話を受けた者が、無線端末のある場所に救急サービスの車両を派遣することができるように、無線端末の位置を知りたい場合がある。
【0006】
[0006]従来技術では、無線端末の位置を推定する各種技術が知られている。
【0007】
[0007]1つの技術によると、無線端末の位置は、当該無線端末があるセルの中心として推定される。この技術は、無線端末や無線通信システムに追加的なハードウェアを追加する必要がない点で有利であり、これは、この第1の技術を低コストで旧来のシステムに実施できることを意味する。しかし、この第1の技術が正確なのは数キロメートルまでであり、したがって、より高い精度が求められる用途(例えば救急サービスの派遣等)には一般には許容できない。
【0008】
[0008]第2の技術によると、位置を特定しようとする無線端末から送信された信号の到着の角度又は到着の時間を各種受信機において三角法で求めることによって無線端末の位置が推定される。この技術は、数百メートル内まで正確であり、旧来の無線端末に使用できる点で有利である。しかし、一般には通信システムの基地局にハードウェアを追加する必要があり、それに高費用を要する点で不都合である。
【0009】
[0009]第3の技術によると、無線端末に内蔵されたGPS(全地球測位システム)受信機などの無線ナビゲーション装置によって無線端末の位置が推定される。この技術は、数十メートル内まで正確であり、通信システムの基本設備に追加的ハードウェアを追加する必要がない点で有利である。しかし、GPSの2つの短所は、無線ナビゲーション装置を備えない旧来の無線端末では使用できない点と、屋内ではしばしば機能しない点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[0010]場合によっては、無線端末が屋内に位置するのかどうかを知ることが望ましいことがある。困っている通話者の所へ救急関係者が派遣される場合等、場合によっては、特に無線端末の位置の推定が不正確であるときに、無線端末の位置の推定に加えてこの情報があると望ましいことがある。一方、場合によっては、位置の推定なしでこの情報が十分に役立つこともある。
【0011】
[0011]当然のことであるが、無線端末の位置の正確な推定を入手する機構(例えばGPS(全地球測位システム)等)が存在し、建物の地理的な境界が分かっている場合は、無線端末が屋内にあるのか屋外にあるのかを判定するのは容易なことである。しかし、建物の位置に関する情報は、常に入手できるとは限らない。さらに、無線端末は、正確な位置の推定を得るのに必要なハードウェア又はソフトウェアを備えていない可能性もある。そして、無線端末が実際に必要なハードウェア及びソフトウェアを備えている場合でも、無線端末が屋内にあるときには、信号の侵入損失のためにGPSや三角測量等の位置推定技術が十分に機能しない可能性がある。
【0012】
[0012]したがって、上記のような問題を克服することが可能な、無線端末が屋内にあるかどうかを推定する技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
[0013]本発明は、無線端末が屋内にあるか否かを推定する技術を提供する。詳細には、例示的実施形態では、学習アルゴリズムを介して複数の入力/出力マッピングでトレーニングされたパターン分類器(例えばニューラルネットワーク、決定木、サポートベクタマシン(SVM)等)を用いる。例示的実施形態によると、各マッピングは個々の位置に対応し、マッピングの出力は、当該位置が屋内であるかどうかを示すブール値であり、マッピングの入力は、以下に示すその位置についての経験データである、
・その位置で送信が識別される基地局の数(すなわちその位置で「認識可能な(visible)」基地局の数)
・その位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値、及び
・その位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の干渉測定値、
と、以下に示すその位置についての予測される(すなわち理論上の)データである、
・その位置で送信が識別可能な基地局の予測数(すなわちその位置で「認識可能な」基地局の予測数)、及び
・その位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度
とに基づく。
【0014】
[0014]トレーニング時に、パターン分類器は、屋内であるトレーニングセットの位置と、屋外であるトレーニングセットの位置との区別を学習する。トレーニング工程が効果的であると、パターン分類器は、比較的高い精度で、トレーニングセットにない他の位置が屋内であるか屋外であるかの予測もできるようになる。この予測能力は、一般化(Generalization)と呼ばれ、パターン分類器がトレーニング時に規則を推論し、パターンを識別した結果である。
【0015】
[0015]例示的実施形態によると、パターン分類器がトレーニングされると、トレーニングされたパターン分類器に基づいてコンピュータ実行可能プログラムが生成される。実行時に、コンピュータ実行可能プログラムは、無線端末から報告される経験データと、おおよそ或いは不正確である可能性のあるその端末の位置の推定(例えばセル識別子(Cell−ID)、全地球測位システム(GPS)等に基づく)とを受け取り、それらの情報に基づいて、端末が屋内にあるか否かを推定する。
【0016】
[0016]例示的実施形態は、無線端末が屋内にあるか否かを、少なくとも部分的に、(i)前記無線端末において送信が識別される基地局の数、(ii)前記無線端末における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値、(iii)前記無線端末において送信が識別可能な基地局の予測数、及び(iv)前記無線端末における基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度、に基づいて推定することを備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】[0017]従来技術による無線通信システム100の主要構成要素を示す図である。
【図2】[0018]本発明の例示的実施形態による無線通信システム200の主要構成要素を示す概略図である。
【図3】[0019]本発明の例示的実施形態による、図2に示すデータベース220の内容を示す図である。
【図4】[0020]本発明の例示的実施形態の主要タスクのフローチャートである。
【図5】[0021]本発明の例示的実施形態による、図4に示すタスク401の詳細なフローチャートである。
【図6a】[0022]1つの特性と理想的な無線機についての歪み関数D(A,K,Q)を示す図である。
【図6b】[0023]例示的な実際の無線機の歪み関数のグラフである。
【図6c】[0024]図6bに示す歪み関数D(A,K,Q)の較正関数C(R,K,Q)のグラフである。
【図7】[0025]本発明の例示的実施形態による、図4に示すタスク404で生成されるコンピュータ実行可能プログラムの実行のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0026]本明細書の目的で、以下の用語とその変化形を次のように定義する。
・用語「位置」は、ゼロ次元の点、1次元の線、2次元の面積、又は3次元の体積と定義される。
【0019】
[0027]図2に、本発明の例示的実施形態に係る無線通信システム200の主要構成要素の概略図を示す。図2に示すように、無線通信システム200は、図示のように互いに接続された、無線端末201、基地局202−1、202−2、202−3、無線交換局211、サーバ210、及びデータベース220を備える。例示的実施形態は、周知の方式で、地理的領域120全域に無線通信サービスを提供し、無線端末201が屋内にあるかどうかを推定する。例示的実施形態によると、地理的領域120は、ゼロ個を含む任意数の建物(図2には図示せず)を含むことができる。
【0020】
[0028]例示的実施形態によると、一般には「UMTS」と呼ばれるUniversal Mobile Telecommunications Systemに従い、無線端末201に無線通信サービスが提供される。ただし、本開示を読めば、当業者には、1つ又は複数の周波数帯を利用する1つ又は複数の他のエアインタフェース標準(例えばGlobal System Mobile(GSM)、CDMA−2000、IS−136 TDMA、IS−95 CDMA、3G Wideband CDMA、IEEE 802.11 WiFi、802.16 WiMax、Bluetooth等)に従って動作する本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0021】
[0029]無線端末201は、UMTSに準拠し、また、以下に添付図面と共に説明するタスクを行うために必要なハードウェア及びソフトウェアを備える。無線端末201は、移動することが可能であり、地理的領域120内の任意の屋内又は屋外の位置にありうる。無線通信システム200は1つのみの無線端末を備えるが、当業者には、本開示を読めば、任意数の無線端末を備える本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0022】
[0030]基地局202−1、202−2、及び202−3は、無線を介して周知の方式で無線交換局211及び無線端末201と通信する。当業者には周知のように、基地局は、一般に、アクセスポイント、ノード、ネットワークインタフェース等の各種の代替の名称でも呼ばれる。例示的実施形態は3つの基地局を備えるが、当業者には、本開示を読めば、任意数の基地局を備える本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0023】
[0031]本発明の例示的実施形態によると、基地局202−1、202−2、202−3は、地上にあり、移動せず、地理的領域120内にある。当業者には、本開示を読めば、基地局が地表に対して移動しているか否かに関係なく、また地理的領域120内にあるか否かに関係なく、基地局の一部又は全てが空中にある、海洋にある、又は宇宙にある、本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0024】
[0032]無線交換局211は、以下に添付図面と共に説明するように、無線端末201への通信サービスの提供と、サーバ210との間の情報の流れを調整するスイッチを備える。当業者には周知のように、無線交換局は、一般には、モバイル交換局、移動電話交換局、ルータ等の他の名称でも呼ばれる。
【0025】
[0033]例示的実施形態は1つの無線交換局を備えるが、当業者には、本開示を読めば、任意数の無線交換局を備える本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。例えば、無線端末が2つ以上の無線交換局と情報をやりとりできる場合、それらの無線交換局は、当該無線端末の位置を推定するのに有用な情報を交換し、共有することができる。例えば、無線交換局は、IS−41プロトコルメッセージであるHandoffMeasurementRequest及びHandoffMeasurementReueqest2を使用して他方から信号強度の測定値を得ることができる。2つ以上の無線交換局を使用することは、無線交換局によってサービスされる地理的範囲が狭い場合(例えばローカルエリアネットワーク等)、或いは複数の無線交換局が1つの共通のエリアにサービス提供する場合に特に一般的である。
【0026】
[0034]例示的実施形態によると、無線端末201にサービス提供する全ての基地局は、無線交換局211に関連付けられる。当業者には、本開示を読めば、任意数の基地局が任意数の無線交換局に関連付けられる本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0027】
[0035]例示的実施形態によると、無線交換局211は地理的領域210の外部にある。当業者には、本開示を読めば、これに代えて無線交換局211の一部又は全てが地理的領域210内にある本発明の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0028】
[0036]サーバ210は、下記で図4〜図7に基づいて説明するように、以下を行うことが可能なデータ処理システムである。
・データベース220への書き込み及びデータベース220からの読み出し
・データベース220の内容に基づくパターン分類器のトレーニング
・トレーニングされたパターン分類器のシミュレーションを行うコンピュータ実行可能プログラムの生成
・生成したコンピュータ実行可能プログラムの実行
・無線交換局211との通信
・別のエンティティ(例えば図2に図示しない位置サーバ等)からの無線端末の位置の推定の受け取り、又は位置の推定自体の生成、或いはその両方
【0029】
[0037]データベース220は、下記で図3との関連で詳しく説明するように、地理的領域120内の複数の位置について測定及び予測される信号特性を記憶する。例示的実施形態によると、データベース220はリレーショナルデータベースであるが、当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態では、データベース220は、別の種のデータベース(例えばオブジェクト指向データベース、階層データベース等)とすることができ、或いは、一般にデータベースによって提供されるクエリ処理の種類に必ずしも対応しない別の種類のデータストア(例えば非構造化ファイル、ランダムアクセスメモリの単純な連続ブロック等)とすることもできる。
【0030】
[0038]図3は、本発明の例示的実施形態によるデータベース220の内容を示す。図3に示すように、データベース220は、8つの列301〜308を備える表300を保持している。例示的実施形態によると、表300の各行は、地理的領域120内の個々の位置に対応する。
【0031】
[0039]列301は、地理的領域120内の各位置の緯度を格納する。
【0032】
[0040]列302は、地理的領域120内の各位置の経度を格納する。
【0033】
[0041]列303は、地理的領域120内の各位置で送信が識別される基地局の数を格納する。基地局の数は、経験的に判定される(例えば無線端末から報告される、地理的領域120内の運転試験時に報告される等)。すなわち、列303の値は、各位置においていくつの基地局が経験的に認識可能かを示す。当業者には理解されるように、本発明の一部の実施形態では、列303の内容は、その位置で認識可能な基地局の数に加えて、それらの基地局のうちその位置にある無線端末とアクティブに通信する基地局の数も示すこともできる。
【0034】
[0042]列304は、経験的に決定された、地理的領域120内の各位置における基地局からの送信信号の信号強度の測定値を格納する。
【0035】
[0043]列305は、経験的に決定された、地理的領域120内の各位置における基地局からの送信信号の干渉の測定値を格納する。
【0036】
[0044]列306は、地理的領域120内の各位置における基地局からの送信信号の予測信号強度を格納する。例示的実施形態によると、予測信号強度は、全ての位置を屋外の位置としてモデル化した、事前に計算された伝搬マップから得られる。当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態では、予測信号強度は、何らかの他の方式で求めることもできる(例えば数学的モデルを介して、或いは異なる種類の伝搬マップから等)。
【0037】
[0045]列307は、地理的領域120内の各位置で送信が識別されることが可能な基地局の予測数(すなわち「認識可能な」基地局の予測数)を格納する。当業者には理解されるように、認識可能な基地局の予測数は、レイトレーシング、伝搬分析、数学的モデリング等の各種方式で求めることが可能である。
【0038】
[0046]列308は、各位置が屋内であるか屋外であるかを示す値を格納する。当業者には理解されるように、本発明の一部の実施形態では、列308の値はブール値であり、他の実施形態では、列308は、ブール値に代えて、或いは恐らくはブール値に加えて、確率又は信頼度の尺度に対応する[0,1]の実数等の非ブール値を格納することもできる。
【0039】
[0047]当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態では、データベース220は別の方式で情報を表すこともでき(例えばデカルト座標で位置を表すことができる等)、或いは例示的実施形態の1つ又は複数の経験データを省略することもでき、或いは例示的実施形態の1つ又は複数の予測データを省略することもでき、或いは例示的実施形態の経験データに加えて他の経験データを格納することもでき、或いは例示的実施形態の予測データに加えて他の予測データを格納することもでき、本開示を読めば、当業者には、データベース220のそのような代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。さらに当業者には明らかなように、本発明の他の実施形態では、データベース220は、情報を格納及び編成するために代替のスキーマを用いてもよく、また、当業者には本開示を読めば、そのようなデータベース220の代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0040】
[0048]図4は、本発明の例示的実施形態の主要なタスクのフローチャートである。当業者には、本開示を読めば、図4に示すタスクの中で同時に行うことが可能なタスク、又は図とは異なる順序で行うことが可能なタスクが明らかになろう。
【0041】
[0049]例示的実施形態によると、図4の方法のタスクはサーバ210によって行われるが、当業者には明らかなように、本発明の他の実施形態では、図4のタスクの1つ又は複数は、別のエンティティ(例えば無線交換局211、図2には図示しないデータ処理システム等)によって行うこともでき、また、当業者には本開示を読めば、そのような代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0042】
[0050]タスク401で、サーバ210はデータベース220にデータを取り込む。タスク401については、図5との関連で以下に詳細に説明する。
【0043】
[0051]タスク402で、サーバ210は、データベース220の内容に基づいて入力/出力マッピングのトレーニングセットSを生成する。各マッピングの入力は、以下に基づくベクトルである。
(i)表300のいずれかの行の列303〜307の値、及び、任意で
(ii)表300の1つ又は複数の追加的な行の列306及び307の値
各マッピングの出力は、上記の項目(i)の行の列308の値に基づく。例示的実施形態によると、項目(ii)の任意選択の行は、項目(i)の位置から特定の距離内に、対応する位置がある行である。これにより、不正確な位置の推定は一般には特定の点を中心とする円になり、円の半径は不正確さの大きさ(例えば誤差の限界、信頼度の限界等)を反映するという事実をとらえる。
【0044】
[0052]例示的実施形態によると、入力ベクトルは、以下の要素を含む。
・選択された行の列303に示される、送信が識別される基地局の数(すなわち認識可能な基地局の経験的数)。
・選択された行304の信号強度の測定値(複数可)に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差、個々の測定値の一部又は全て等)。
・選択された行の列305の干渉の測定値(複数可)に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差、個々の測定値の一部又は全て等)。
・選択された(及び任意で追加的な)1つ又は複数の行の列306の予測信号強度(複数可)に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差、個々の信号強度の一部又は全て等)。
・選択された(及び任意で追加的な)1つ又は複数の行の列307に示される、送信が識別可能な基地局の予測数(すなわち認識可能な基地局の予測数)。
・列304の信号強度の測定値(複数可)と列306の予測信号強度(複数可)の両方に基づく1つ又は複数の値(例えば測定信号強度と予測信号強度との差の統計的尺度、相関係数等)。
【0045】
[0053]当業者には理解されるように、入力ベクトルの要素は各種方式で表すことができる(例えば正規化された値、未処理値、量子化された値等)。当業者にはさらに理解されるように、本発明の他の実施形態では、例示的実施形態の入力要素のうち1つ又は複数は省略することもでき、或いは、例示的実施形態の入力要素に加えて1つ又は複数の異なる入力要素を用いることもでき(例えばタイミング情報、想定可能な位置における屋内地点の割合等)、或いはその両方が可能であり、当業者には、本開示を読めば、そのような代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。さらに当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態は、代替の方式で位置の推定誤差をモデル化することができ(例えば円以外の範囲を使用する等)、或いは位置の推定誤差を全く使用しないこともでき(すなわち上記の項目(ii)の追加的な行を省略する)、当業者には、本開示を読めば、そのような代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。さらに、データの集まりからのトレーニングセットの抽出、及びパターン分類器に供給する入力と適切なデータ表現方式の判断は、それ自体が技術であり、効果的なトレーニングのために非常に重要であることが当技術分野でよく知られている。
【0046】
[0054]タスク403で、サーバ210は、周知の方式で、適切な学習アルゴリズムに従ってトレーニングセットSでパターン分類器Pをトレーニングする。本発明の例示的実施形態によると、パターン分類器Pは、当技術分野でサポートベクタマシン(SVM)として知られる種類のパターン分類器である。当業者には理解されるように、これに代えて各種の他のパターン分類器を使用することもでき(例えばニューラルネットワーク、決定木、遺伝子アルゴリズム等)、そのようなパターン分類器のトレーニング方法は当技術分野でよく知られている。
【0047】
[0055]タスク404で、サーバ210はコンピュータ実行可能プログラムXを生成する。コンピュータ実行可能プログラムXは、入力のセットを受け付け、入力のセットに基づいて入力ベクトルを生成し、トレーニング済みのパターン分類器Pの実行を入力ベクトルでシミュレーションし、パターン分類器Pによって生成された出力値を出力する。所与のパターン分類器に基づいてこのようなコンピュータ実行可能プログラムを生成する方法は、当技術分野でよく知られている。
【0048】
[0056]タスク405で、コンピュータ実行可能プログラムXがサーバ210で起動される。上記で指摘したように、本発明の他の実施形態では、コンピュータ実行可能プログラムXは、何らかの他のエンティティに配置され、そこで起動されることもでき(例えば無線交換局211、図2に図示しないデータ処理システム、無線端末等)、当業者には、本開示を読めば、そのような代替実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。タスク405の後、図4の方法は終了する。
【0049】
[0057]図5は、本発明の例示的実施形態によるタスク401の詳細なフローチャートである。当業者には、本開示を読めば、図5に示すサブタスクの中で同時に行うことが可能なサブタスク、又は図とは異なる順序で行うことが可能なサブタスクが明らかになろう。
【0050】
[0058]サブタスク501で、サーバ210は、複数の位置についての経験データを受信する。このデータは、各位置について、送信が識別される基地局の数(すなわち経験的に求められる、各位置で認識可能な基地局の数)、各位置における基地局からの送信信号の信号強度の測定値、各位置における基地局からの送信信号の干渉の測定値、及び、任意で、各位置において無線端末がアクティブに通信している認識可能な基地局の数、を含む。
【0051】
[0059]当業者には理解されるように、これらの測定値はしばしば誤差があり、誤差の一部は予測可能な要因により、一部は予測不能な要因による場合がある。測定誤差の性質又は大きさが予測できない場合は、誤差を補償するためにできることはほとんどない。しかし、予測可能な測定誤差は補正することができ、一部の測定誤差の性質と大きさは実際に予測可能であることが当技術分野で知られている。例えば、測定値を得るために使用される無線機は、固定量(例えば−2dB)だけ信号の強度を不正確に測定し、報告することが知られている場合がある。したがって、可能であれば、測定値に基づいてパターン分類器Pをトレーニングする前にそのような系統誤差を補正すると有利である。歪み関数に基づいて補正を行う技術について、以下、図6a〜6cを用いて説明する。
【0052】
[0060]特定の無線機についての歪み関数D(A,K,Q)は、特性Q(例えば信号強度)についての報告測定値Rを、その特性についての実際の値Aと、測定を行う無線機の定義特徴Kとに関係付ける。
R=D(A,K,Q) (式1)
例示的実施形態によると、信号特性値を測定して報告する無線機の歪み関数D(A,K,Q)は、無線機の製造者によって提供される。本開示を読めば、当業者には、無線機の製造者の助けを借りずに無線機の歪み関数D(A,K,Q)を生成する方法が明らかになろう。
【0053】
[0061]理想的な無線機は、受信する特性の値を完璧に測定し、報告する。1つの特性及び理想的な無線機についての歪み関数D(A,K,Q)を図6aに示す。図6aのグラフから明らかなように、理想的な無線機の主要な特徴は、測定の報告値Rが、無線機の位置における特性Aの実際値と正確に等しいことである(すなわち測定又は報告の誤差がない)。
【0054】
[0062]それに対して、実際の無線機は、通例は、受信する信号の特性を完璧には測定しない。これは特に、誤差が大きい可能性のある信号強度を測定する場合にそうである。例えば、図6bに、例示的な実際の無線機の歪み関数のグラフを示す。この場合、報告される測定値は、一部の値については高過ぎ、他の値については低過ぎ、1つの値についてしか正確でない。
【0055】
[0063]報告された測定値中の各誤差の性質と大きさは、歪み関数D(A,K,Q)に固有であり、したがって、歪み関数が分かると、較正(キャリブレーション)関数(C(R,K,Q)と表す)を歪み関数から導出することができる。較正関数が得られると、測定値に較正関数を適用して歪み誤差を除去し、それにより特性の実際値を復元することができる。
【0056】
[0064]一般に、較正関数C(R,K,Q)は、特性Qの較正された測定値を、特性Qの報告測定値Rと、測定を行う無線機の定義特徴Kとに関係付ける。
R’=D(R,K,Q) (式2)
ここで、R’は、測定値Rの較正後の値を表す。
【0057】
[0065]較正関数C(R,K,Q)は、歪み関数D(A,K,Q)の逆のものである。すなわち、較正関数C(R,K,Q)の重要な特徴は、式
R’=A=C(D(A,K,Q),K,Q) (式3)
を満たして、較正後の測定値R’が、測定及び報告を行う無線機が理想的なものであった場合に得られる報告測定値Rになるようにすることである。
【0058】
[0066]図6cは、図6bに示す歪み関数D(A,K,Q)についての較正関数C(R,K,Q)のグラフを示す。当業者には、本開示を読めば、D(A,K,Q)からC(R,K,Q)を導出する方法が明らかになろう。
【0059】
[0067]サブタスク502で、サーバ210は、必要であれば、上記のように、サブタスク501で受信した測定値を、その測定値を得た無線機に基づいて補正する。
【0060】
[0068]サブタスク503で、サーバ210は、複数の位置について、予測される(すなわち理論上の)信号強度と基地局の認識可能性とを決定する。例示的実施形態によると、予測信号強度は、全ての位置を屋外の位置としてモデル化した、事前に計算された伝搬マップから得られる。当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態では、予測信号強度は何らかの他の方式で求めることもできる(例えば数学的モデルを介して、或いは異なる種類の伝搬マップから等)。同様に、当業者には理解されるように、予測される基地局の認識可能性(すなわち、ある位置で送信が識別可能な基地局の予測数)も、レイトレーシング、伝搬分析、数学的モデリング等の各種方式で求めることができる。さらに当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態では、サブタスク501で得られる経験データは、サブタスク503で予測推定値をより精緻にするため、また、タスク403でパターン分類器をトレーニングするために利用することもできる。
【0061】
[0069]サブタスク504で、サーバ210は、サブタスク501及び502で得た(可能性としては補正された)経験データとサブタスク503で得た予測データとを、周知の方式でデータベース220の表300に取り込む。サブタスク504の後、タスク401が完了し、処理はタスク402に進む。
【0062】
[0070]図7は、本発明の例示的実施形態により、タスク404で生成されるコンピュータ実行可能プログラムXの実行のフローチャートである。
【0063】
[0071]タスク701で、コンピュータ実行可能プログラムXは、以下のものを受け取る。
(項目1)地理的領域120内の無線端末(例えば無線端末201等)で送信が識別される基地局の数、及び任意で、それらの基地局のうち当該無線端末がアクティブに通信を行っている基地局の数
(項目2)その無線端末における基地局からの送信信号の信号強度の測定値(複数可)
(項目3)当該無線端末における基地局からの1つ又は複数の送信信号の干渉の測定値(複数可)
当業者には理解されるように、本発明の一部の実施形態では、サーバ210は、無線交換局211を介して無線端末からこれらのデータを受信することができ、他の実施形態では、サーバ210は、別のエンティティ(例えば図2に図示しないデータ処理システム等)からこれらのデータの一部又は全てを受信することもでき、或いは、無線端末自体から(例えばデータ接続を介して)直接受信することもできる。いずれの場合も、当業者には、本開示を読めば、タスク701を行う本発明の実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0064】
[0072]タスク702で、コンピュータ実行可能プログラムXは、必要であれば、タスク701で受信したデータの1つ又は複数を補正する。
【0065】
[0073]例示的実施形態によると、報告される測定値R、特徴K、及び特性Qの各種組み合わせに対して複数の較正関数C(R,K,Q)の値を格納する較正表が用いられる。例えば、項目(1)〜(3)が無線端末によって測定及び報告される場合は、下記の表1に示すような較正表が用いられることができる。
【表1】

【0066】
[0074]特徴Kの目的は、無線端末からの報告測定値を較正する際に使用すべき較正関数を特定することであり、したがって、特徴Kは、無線端末のための実際の較正関数を示すと同時に、経済面で妥当でなければならない。
【0067】
[0075]例えば、特徴Kは、これらに限定されないが、以下である。
i.無線端末の一意の識別子(例えば無線端末の電子連続番号(「ESN」))、無線端末の国際移動局識別子(「IMSI」)、無線端末の一時国際移動局識別子(「TIMSI」)、移動局識別子(「MSID」)、無線端末のディレクトリ番号(「DN」等)、又は
ii.無線端末の機種(例えばTimeport26c等)、又は
iii.無線端末のメーカー(すなわち製造会社)(例えばモトローラ(Motorola)(登録商標)、サムスン(Samsung)(登録商標)、ノキア(Nokia)(登録商標)等)、又は
iv.無線端末201の無線周波数回路の識別子(例えば、モトローラ RF回路設計465LFRB等)、又は
v.無線端末の1つ又は複数の構成要素の識別子(例えばアンテナの部品番号、測定コンポーネントの部品番号等)、又は
viii.i、ii、iii、iv、v、vi、viiの任意の組み合わせ
【0068】
[0076]最も正確な特徴は、特定の無線端末の一意の識別子である。これは、その特定の無線端末のために生成された較正関数を使用して、その端末において測定誤差を補正することができるためである。しかし、全ての無線端末をテストして各自の一意の歪み関数を決定することが必要となるため、これが経済面で実現可能である可能性は低い。
【0069】
[0077]一方、無線端末の製造元だけを特徴Kとして使用することは、経済面では妥当であるが、1つの製造会社の無線端末全てのための単一の較正関数で、非常に正確な較正後の信号強度測定値が得られる見込みは低い。
【0070】
[0078]妥協案として、例示的実施形態では無線端末の製造元と機種の組み合わせを特徴Kとして使用する。これは、同じ製造者及び機種の無線端末間の変動の量は小さく、その機種向けの単一の較正関数で、その製造元及び機種の全ての無線端末について許容できる正確さの較正後測定値を得られると考えられるためである。
【0071】
[0079]当業者には理解されるように、本発明の他の実施形態では、例示的実施形態とは異なる較正関数C(R,K,Q)の特徴Kを用いることができ、或いは、表形式以外の方式で較正関数C(R,K,Q)を表すこともでき、或いはタスク702を完全に省略してしまうこともでき(すなわち報告される測定値を、手間をかけて補正することさえしない)、当業者には、本開示を読めば、そのような実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0072】
[0080]タスク703で、コンピュータ実行可能プログラムXは、無線端末の位置の推定を受け取る。当業者には理解されるように、タスク703で受け取られる位置の推定は、セル識別子(Cell−ID)、GPS、無線周波(RF)フィンガープリント法、三角測量等の各種の可能な技術の1つを介して得ることができる。さらに、本発明の一部の実施形態では、位置の推定は無線端末から発信されることができ、他の実施形態では、位置の推定は別のエンティティ(例えば無線交換局211、1つ又は複数の基地局102−i、位置特定サーバ、或いは図2に図示しない他の種のデータ処理システム等)から発信されることもできる。さらに当業者には理解されるように、本発明の一部の実施形態では、位置の推定は単一の位置であってもよく、一方、本発明の他の実施形態では、位置の推定は複数の位置を含むこともできる(例えば複数の位置を含む円等)。いずれの場合も、当業者には、本開示を読めば、タスク703を行う本発明の実施形態を作成し、使用する方法が明らかになろう。
【0073】
[0081]タスク704で、コンピュータ実行可能プログラムXは、1つ又は複数の推定位置各々について、データベース220の表300で以下のものを参照する。
(項目4)その位置における基地局からの送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度(すなわちその位置についての列306の値)、及び
(項目5)その位置で認識可能な基地局の予測数(すなわちその位置についての列307の値)
【0074】
[0082]タスク705で、コンピュータ実行可能プログラムXは、項目(1)〜(5)に基づいて値を生成し、それらの値を、トレーニングされたパターン分類器Pの自身の実装に供給する。例示的実施形態によると、生成された値は、以下を含む。
・項目(1)
・項目(2)の信号強度の測定値に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差、個々の測定値の一部又は全て等)。
・項目(3)の1つ又は複数の干渉測定値に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差、個々の測定値の一部又は全て等)
・推定される位置全てについての項目(4)の予測信号強度に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差、個々の信号強度の一部又は全て等)
・推定される位置全てについての項目(5)の認識可能な基地局の予測数に基づく1つ又は複数の値(例えば平均、中央値、最頻値、分散、高次統計モーメント、最大値と最小値の差等)、及び
・項目(2)の信号強度の測定値と項目(4)の予測信号強度の両方に基づく1つ又は複数の値(例えば測定信号強度と予測信号強度の差の統計的尺度、相関係数等)
【0075】
[0083]タスク706で、コンピュータ実行可能プログラムXは、トレーニングされたパターン分類器Pの自身の実装によって生成された屋内/屋外フラグを出力する。タスク706の後、コンピュータ実行可能プログラムXの実行は、タスク701に戻って続行し、次の反復を行う。
【0076】
[0084]本開示は、例示的実施形態の一例のみを教示するものであり、本開示を読めば当業者により本開示の多数の変形形態を容易に考案することができ、本開示の範囲は特許請求の範囲によって決定されることを理解されたい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末が屋内にあるか否かを、少なくとも部分的に、
(i)前記無線端末において送信が識別される基地局の数、
(ii)前記無線端末における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値、
(iii)前記無線端末において送信が識別可能な基地局の予測数、及び
(iv)前記無線端末における基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度、
に基づいて推定するステップを含む方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数の予測信号強度が、全ての位置を屋外としてモデル化した伝搬マップに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記推定が、前記1つ又は複数の信号強度測定値の統計モーメントに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記推定が、前記1つ又は複数の信号強度測定値の最大値と最小値の差に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記推定が、前記無線端末における基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の干渉測定値にも基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記推定が、前記1つ又は複数の干渉測定値の統計モーメントに基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記推定が、前記無線端末がアクティブに通信している基地局の数にも基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
データベースに基づいてコンピュータ実行可能プログラムを生成するステップを含む方法であって、前記データベースは、
(i)第1の位置で送信が識別される基地局の数に基づく第1の値、
(ii)前記第1の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値に基づく第2の値、
(iii)前記第1の位置で送信が識別可能な基地局の予測数に基づく第3の値、
(iv)前記第1の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度に基づく第4の値、
(v)第2の位置で送信が識別される基地局の数に基づく第5の値、
(vi)前記第2の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値に基づく第6の値、
(vii)前記第2の位置で送信が識別可能な基地局の予測数に基づく第7の値、及び
(viii)前記第2の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度に基づく第8の値、
を含み、
前記コンピュータ実行可能プログラムが、
(i)無線端末において送信が識別される基地局の数、及び
(ii)前記無線端末における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値
を入力として受け付け、
前記コンピュータ実行可能プログラムが、前記無線端末が屋内にあるか否かの推定を出力する、方法。
【請求項9】
前記コンピュータ実行可能プログラムは、複数の入力/出力マッピングでトレーニングされたパターン分類器に基づき、各前記入力/出力マッピングは、個々の位置に関連付けられ、前記複数の入力/出力マッピングは、前記第1〜第4の値を、前記第1の位置が屋内であるかどうかを示す第1のブール値に対応付けた第1のマッピングを含み、前記複数の入力/出力マッピングは、前記第5〜第8の値を、前記第2の位置が屋内であるかどうかを示す第2のブール値に対応付けた第2のマッピングを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パターン分類器がサポートベクタマシンである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の位置及び第2の位置における前記予測信号強度が、全ての位置を屋外としてモデル化した伝搬マップに基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の値が、前記第1の位置における前記1つ又は複数の信号強度測定値の統計モーメントである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の値が、前記第1の位置における前記1つ又は複数の信号強度測定値の最大値と最小値の差である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記データベースは、
(ix)前記第1の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の干渉測定値に基づく第9の値、及び
(x)前記第2の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の干渉測定値に基づく第10の値
も含み、
前記コンピュータ実行可能プログラムは、
(iii)前記無線端末における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の干渉測定値
も入力として受け付ける、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
(a)複数の入力/出力マッピングでパターン分類器をトレーニングするステップであって、各前記入力/出力マッピングは、個々の位置に関連付けられ、各前記入力/出力マッピングの出力は、前記個々の位置が屋内であるか否かの推定を含み、各前記入力/出力マッピングの入力は、
(i)前記個々の位置で送信が識別される基地局の数に基づく第1の値、
(ii)前記個々の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の信号強度測定値に基づく第2の値、
(iii)前記個々の位置で送信が識別可能な基地局の予測数に基づく第3の値、及び
(iv)前記個々の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の予測信号強度に基づく第4の値、
を含む、ステップと、
(b)前記トレーニングされたパターン分類器に基づいてコンピュータ実行可能プログラムを生成するステップと
を含む方法。
【請求項16】
各前記入力/出力マッピングの入力が、
(v)信号強度の測定値と予測信号強度の両方に基づく第5の値
も含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各前記入力/出力マッピングの入力が、
(v)前記個々の位置における、基地局からの1つ又は複数の送信信号の、1つ又は複数の干渉測定値に基づく第5の値
も含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
各前記入力/出力マッピングの入力が、
(v)前記個々の位置にある無線端末とアクティブに通信する基地局の数に基づく第5の値
も含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記予測信号強度が、全ての位置を屋外としてモデル化した伝搬マップに基づく、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の値が、前記1つ又は複数の信号強度測定値の統計モーメントである、請求項15に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−158459(P2011−158459A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−160937(P2010−160937)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(506016646)ポラリス ワイアレス,インク. (16)
【Fターム(参考)】