説明

パック電池の製造方法

【課題】電池にブレーカを溶接する発熱による弊害を皆無とする。凸部電極の上にブレーカを載せて固定しながら、この配置によってブレーカによる電池の熱検出を理想的な状態として、電池の温度上昇時には電流を速やかに遮断する。
【解決手段】パック電池の製造方法は、正負の電極板39を収納している外装缶31の開口部31Aを封口板32で閉塞している素電池30と、この素電池30の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41を溶接して、このブレーカ40を素電池30と直列に接続する。さらに、この製造方法は、封口板32の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41を溶接した後、ブレーカ40を溶接している封口板32を外装缶31の開口部31Aに固定して、電極板39を収納している外装缶31の開口部31Aを封口板32で閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらかじめ設定している温度よりも高くなると電流を遮断するブレーカを内蔵しているパック電池の製造方法に関し、とくに、素電池の封口板にブレーカを接続しているパック電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パック電池は、電池温度が異常に高くなると電流を遮断するブレーカを内蔵して安全性を向上できる。とくに、リチウムイオン電池を内蔵するパック電池は、異常な使用状態で充放電されると温度が異常に高くなるので、ブレーカを内蔵して異常な状態で電流を遮断して安全に使用できるようにしている。
【0003】
パック電池に内蔵できるブレーカとして、電池の温度を検出して電流を遮断するブレーカが開発されている。(特許文献1参照)
図1に示すブレーカは、バイメタル108を可動接点金属板106とする通電タイプのブレーカである。このブレーカは、両端に接続端子144、146を設けて、接続端子144、146を電池と直列に接続して電池の電流を遮断する。とくに、このブレーカは、電池の封口板に直接に接続されて、電池の温度を速やかに検出し、電池温度が異常に高くなると速やかに電流を遮断する。
【0004】
以上のブレーカを内蔵するパック電池は、図2に示す以下の工程で組み立てられる。
(1)ブレーカ140の一方の接続端子144に、板状の接続リード137をスポット溶接して接続する。
(2)ブレーカ140の他方の接続端子146に、L字状の接続リード138をスポット溶接して接続する。
(3)板状の接続リード136を素電池130の封口板132にスポット溶接して接続し、L字状の接続リード138を回路基板135に接続している接続リード136にスポット溶接して接続し、さらに、接続リード137を素電池130の凸部電極133に溶接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−100054号公報
【特許文献2】特開2006−338927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のパック電池は、ブレーカを溶接する発熱が電池に悪影響を与える。ブレーカを溶接する封口板が溶接熱で加熱されて、電極などに熱の弊害を与えるからである。さらに、電池の凸部電極にブレーカの接続リードを溶接するときに、接続リードの上面に一対の溶接電極を押圧してシリーズ溶接する必要がある。凸部電極の内面に溶接電極を押圧できないからである。この溶接方法は、接続リードと凸部電極とに積層方向に溶接電流を流すことができず、接続リードに沿って無効電流が流れて確実に安定して溶接するのが難しい欠点もある。
【0007】
本発明は、このような欠点を解消すること、すなわち電池にブレーカを溶接する発熱による弊害を皆無とし、また、必要ならば、凸部電極の上にブレーカを載せて固定することが可能となり、この配置によってブレーカによる電池の熱検出を理想的な状態として、電池の温度上昇時には電流を速やかに遮断できるパック電池の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
本発明のパック電池の製造方法は、正負の電極板39を収納している外装缶31の開口部31Aを封口板32で閉塞している素電池30と、この素電池30の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41を溶接して、このブレーカ40を素電池30と直列に接続する。さらに、この製造方法は、封口板32の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41を溶接した後、ブレーカ40を溶接している封口板32を外装缶31の開口部31Aに固定して、電極板39を収納している外装缶31の開口部31Aを封口板32で閉塞する。
本明細書において、ブレーカの端子とは、ブレーカの端子である接続端子と、この接続端子に溶接している接続リードを含む広い意味に使用する。
【0009】
以上のパック電池の製造方法は、電池にブレーカを溶接する工程における溶接熱による電池の弊害を皆無にできる特徴がある。それは、以上の製造方法が、電池の封口板にブレーカを溶接するのではなく、電池として組み立てられる前の封口板にブレーカを溶接して、ブレーカの溶接された封口板を電池の外装缶に溶接して電池を組み立てるからである。すなわち、ブレーカを溶接する封口板は、電池の外装缶には固定されておらず、封口板の発熱が電池の電極板などに熱障害を与えることがない。
【0010】
また、以上のパック電池の製造方法は、必要ならば凸部電極の上にブレーカを載せて固定することが可能となり、この配置によってブレーカによる電池の熱検出を理想的な状態として、電池の温度上昇時には電流を速やかに遮断できる特徴がある。この特徴は、封口板の裏面に溶接電極を当てて、凸部電極にブレーカを溶接できることで実現できる。封口板にブレーカを載せて溶接するとき、一方の溶接電極をブレーカの端子に、他方の溶接電極を凸部電極の裏面に押圧して、ブレーカを凸部電極に溶接できる。
【0011】
本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカ40に無通電タイプのブレーカ40Aを使用することができる。
【0012】
本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカ40の一方の端子41を、スポット溶接又はレーザー溶接して封口板32に溶接することができる。
本明細書において、スポット溶接は、シリーズ溶接を含む意味に使用する。
【0013】
本発明のパック電池の製造方法は、素電池30が、封口板32に絶縁して凸部電極33Aを固定しており、この凸部電極33Aにブレーカ40の一方の端子41を溶接することができる。
【0014】
本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカ40が、下面に露出端子42を有し、この下面の露出端子42を凸部電極33Aの上面に溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aの上に固定することができる。
【0015】
本発明のパック電池の製造方法は、素電池30とブレーカ40に接続している回路基板35を備えるパック電池の製造方法であって、ブレーカ40が上面と下面とに露出端子42を有し、下面の露出端子42を凸部電極33Aに溶接して、上面の露出端子42を接続リード36を介して回路基板35に接続することができる。
【0016】
本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカ40を、プラスチック製の絶縁ケース2と外装金属板3とで形成してなる外装ケース1と、この外装ケース1の絶縁ケース2に固定してなる固定接点5を有する固定接点金属板4と、絶縁ケース2に固定されて、固定接点5と対向する位置に可動接点7を有する可動接点金属板6と、この可動接点金属板6をオンからオフに切り換えるバイメタル8と、このバイメタル8を加温するヒーター9とを備える無通電タイプのブレーカ40Aとすることができる。このブレーカ40は、外装金属板3と固定接点金属板4とが対向する位置にあって絶縁ケース2に固定され、固定接点金属板4と外装金属板3との間には、固定接点金属板4側から順番に、ヒーター9と、バイメタル8と、可動接点金属板6とを配置することができる。バイメタル8は中央凸に湾曲する形状であって、可動接点7を固定接点5に接触させる状態で中央突出部を可動接点金属板6側に突出させる姿勢でヒーター9と可動接点金属板6との間に配設することができる。絶縁ケース2は、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとを設けて、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとの間には収納スペース20を設けて、この収納スペース20には、ヒーター9とバイメタル8と可動接点金属板6の可動部分6Aを収納して、第1の外壁11Aには固定接点金属板4を固定して、第2の外壁11Bには可動接点金属板6の非可動部分6Bを固定することができる。さらに、ブレーカ40は、外装金属板3を絶縁ケース2に固定して収納スペース20の開口部を閉塞し、外装金属板3を可動接点金属板6の非可動部分6Bに接触状態に積層して絶縁ケース2に固定すると共に、この外装金属板3は外側面を露出させる外装金属板側の露出端子42Aを下面に設けて、外装金属板側の露出端子42Aを凸部電極33Aの上面に溶接することができる。
【0017】
本発明のパック電池の製造方法は、外装金属板3と可動接点金属板4とを積層部分で溶接して電気接続することができる。
【0018】
本発明のパック電池の製造方法は、固定接点金属板4が、絶縁ケース2から露出する固定接点側の露出端子42Bをブレーカ40の上面に設けて、固定接点側の露出端子42Bを接続リード36を介して回路基板35に接続することができる。
【0019】
本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカ40が、プラスチック製の絶縁ケース2と外装金属板3とで形成してなる外装ケース1と、この外装ケース1の絶縁ケース2に固定してなる固定接点5を有する固定接点金属板4と、絶縁ケース2に固定されて、固定接点5と対向する位置に可動接点7を有する可動接点金属板6と、この可動接点金属板6をオンからオフに切り換えるバイメタル8と、このバイメタル8を加温するヒーター9とを備える無通電タイプのブレーカ40Aとすることができる。このブレーカ40は、外装金属板3と固定接点金属板4とが対向する位置にあって絶縁ケース2に固定され、固定接点金属板4と外装金属板3との間には、固定接点金属板4側から順番に、ヒーター9と、バイメタル8と、可動接点金属板6とを配置することができる。バイメタル8は中央凸に湾曲する形状であって、可動接点7を固定接点5に接触させる状態で中央突出部を可動接点金属板6側に突出させる姿勢でヒーター9と可動接点金属板6との間に配設することができる。絶縁ケース2は、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとを設けて、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとの間には収納スペース20を設けて、この収納スペース20には、ヒーター9とバイメタル8と可動接点金属板6の可動部分6Aを収納して、第1の外壁11Aには固定接点金属板4を固定して、第2の外壁11Bには可動接点金属板6の非可動部分6Bを固定することができる。さらに、ブレーカ40は、外装金属板3を絶縁ケース2に固定して収納スペース20の開口部を閉塞し、固定接点金属板4に絶縁ケース2から露出する固定接点側の露出端子42Bをブレーカ40の下面に設けて、固定接点側の露出端子42Bを凸部電極33Aの上面に溶接することができる。
【0020】
本発明のパック電池の製造方法は、外装金属板3を可動接点金属板6の非可動部分6Bに接触状態に積層して絶縁ケース2に固定すると共に、この外装金属板3は外側面を露出させる外装金属板側の露出端子42Aを上面に設けて、外装金属板側の露出端子42Aを、回路基板35に接続している接続リード36に溶接することができる。
【0021】
本発明のパック電池の製造方法は、外装金属板3と可動接点金属板4とを積層部分で溶接して電気接続することができる。
【0022】
本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカ40の下面に設けている露出端子42が、絶縁ケース2の外側に突出する突出端子43を備え、この突出端子43を素電池30の凸部電極33Aに接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来のブレーカを示す断面図である。
【図2】従来のパック電池の組み立て工程を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる製造方法で製造されるパック電池の一部拡大断面図である。
【図4】図3に示すパック電池の一部断面分解正面図である。
【図5】図3に示すパック電池の組み立て工程を示す斜視図である。
【図6】ブレーカを凸部電極に溶接する一例を示す概略断面図である。
【図7】ブレーカを凸部電極に溶接する他の一例を示す概略断面図である。
【図8】ブレーカを凸部電極に溶接する他の一例を示す概略断面図である。
【図9】ブレーカを凸部電極に溶接する他の一例を示す概略断面図である。
【図10】本発明の他の実施例にかかる製造方法で製造されるパック電池の一部拡大断面図である。
【図11】本発明の他の実施例にかかる製造方法で製造されるパック電池の一部拡大断面図である。
【図12】本発明の他の実施例にかかる製造方法で製造されるパック電池の一部拡大断面図である。
【図13】ブレーカの一例を示す斜視図である。
【図14】図13に示すブレーカの垂直縦断面図である。
【図15】図14に示すブレーカのオフ状態を示す断面図である。
【図16】図14に示すブレーカのXVI−XVI線断面図である。
【図17】図14に示すブレーカのXVII−XVII線断面図である。
【図18】図14に示すブレーカのXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】連結リブの他の一例を示す断面図であって、図14のXIX−XIX線断面に相当する図である。
【図20】連結リブの他の一例を示す断面図であって、図14のXVI−XVI線断面に相当する図である。
【図21】本発明の他の実施例にかかるパック電池に使用する無通電タイプのブレーカの斜視図である。
【図22】図21に示す無通電タイプのブレーカの垂直縦断面図である。
【図23】図22に示す無通電タイプのブレーカのXXIII−XXIII線断面図である。
【図24】図21に示す無通電タイプのブレーカの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池の製造方法を例示するものであって、本発明はパック電池の製造方法を以下の方法に特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0025】
本発明の製造方法で組み立てられるパック電池は、図3ないし図5に示すように、素電池30の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41(詳細には後述するが、ブレーカの端子である接続端子4X、6Xと、この接続端子4X、6Xに溶接している接続リードを含む意味に使用する)を溶接して、ブレーカ40を素電池30と直列に接続している。素電池30は、正負の電極板39を収納している外装缶31の開口部31Aを封口板32で閉塞している。
【0026】
図3ないし図5のパック電池は、素電池30を角形電池としている。角形電池の外装缶31は、開口部31Aを細長い長方形とし、あるいは細長い長方形の両端を湾曲形状とする筒状に金属板をプレス加工して製作される。封口板32は、外装缶31の開口部31Aに沿う形状に加工された金属板である。外装缶31と封口板32とは、アルミニウムやアルミニウム合金、あるいはその他の金属板で製作される。さらに、封口板32は、金属板の中央部に、絶縁シート38を介して凸部電極33Aを気密に固定している。この角形電池は、外装缶31の開口部31Aと金属板である封口板32との境界にレーザービームを照射して、封口板32を外装缶31にレーザー溶接する。ただし、角形電池は、カシメ加工して、封口板を外装缶の開口部に気密に固定することもできる。
【0027】
角形電池である素電池30は、外装缶31の内部に電極板39を収納し、リード板49を介して一方の電極板39を凸部電極33Aに接続した後、外装缶31の開口部31Aを封口板32で密閉する。この封口板32は、ブレーカ40を溶接して固定する状態で、外装缶31の開口部31Aに固定される。さらに、開口部31Aが封口板32で密閉された外装缶31の内部に電解液を充填する。
【0028】
パック電池は、封口板32の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41を溶接した後、ブレーカ40を溶接している封口板32を外装缶31の開口部31Aに固定して組み立てられる。ブレーカ40の端子41は、スポット溶接して、あるいはレーザー溶接して封口板32の一方の電極33に溶接される。図3ないし図5のパック電池は、ブレーカ40の一方の端子41を、封口板32の凸部電極33Aに溶接して固定している。
【0029】
図3のブレーカ40は、下面に露出端子42を設けて、下面の露出端子42を凸部電極33Aの上面に溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aの上に固定している。さらに、この図のブレーカ40は、下面と上面の両面に露出端子42を設けて、下面の露出端子42を凸部電極33Aに溶接して、上面の露出端子42を接続リード36を介して回路基板35に接続している。
【0030】
下面の露出端子42を凸部電極33Aに溶接する状態を図6ないし図8に示す。これ等の図のブレーカ40は、一方の端子41を封口板32の凸部電極33Aに溶接しているが、本発明のパック電池の製造方法は、ブレーカの一方の端子を封口板の金属板に溶接することもできる。
【0031】
図6に示す溶接方法は、ブレーカ40を凸部電極33Aの上に載せて、一方の溶接電極61をブレーカ40の上面の露出端子42に押圧して、他方の溶接電極62を凸部電極33Aの裏面に押圧し、この状態で一対の溶接電極61、62に溶接電流を流して、ブレーカ40の下面の露出端子42を凸部電極33Aに溶接する。この方法は、下面の露出端子42をブレーカ40の外装ケース1の外側に突出させることなく、下面の露出端子42を凸部電極33Aに溶接できる。
【0032】
図7の溶接方法も、ブレーカ40を凸部電極33Aの上に載せて固定するが、このブレーカ40は、下面の露出端子42に外装ケース1の外側に突出する突出端子43を設けている。この突出端子43が封口板32の凸部電極33Aに積層され、突出端子43と凸部電極33Aとの積層部を溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aに固定する。この溶接方法は、一方の溶接電極61をブレーカ40の突出端子43の上面に押圧して、他方の溶接電極62を凸部電極33Aの裏面に押圧し、一対の溶接電極61、62で凸部電極33Aと突出端子43との積層部を挟着し、この状態で一対の溶接電極61、62に溶接電流を流して、ブレーカ40の突出端子43を凸部電極33Aに溶接する。この方法は、ブレーカ40に溶接電流を流すことなく、下面の露出端子42の突出端子43を凸部電極33Aに溶接できる。
【0033】
図8の溶接方法も、ブレーカ40を凸部電極33Aの上に載せて固定する。また、このブレーカ40も、下面の露出端子42に外装ケース1の外側に突出する突出端子43を設けている。この突出端子43が封口板32の凸部電極33Aに積層され、突出端子43と凸部電極33Aとの積層部を溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aに固定する。この溶接方法は、一対の溶接電極61、62をブレーカ40の突出端子43の上面に押圧し、この状態で一対の溶接電極61、62に溶接電流を流して、ブレーカ40の突出端子43の2カ所を凸部電極33Aに溶接する。この方法も、ブレーカ40に溶接電流を流すことなく、下面の露出端子42の突出端子43を凸部電極33Aに溶接できる。
【0034】
図9の溶接方法も、ブレーカ40を凸部電極33Aの上に載せて固定する。また、このブレーカ40も、下面の露出端子42に外装ケース1の外側に突出する突出端子43を設けている。突出端子43を封口板32の凸部電極33Aに積層し、突出端子43と凸部電極33Aとの積層部をレーザー溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aに固定する。この溶接方法は、突出端子43と凸部電極33Aとの境界に沿ってレーザービームを照射して、突出端子43を凸部電極33Aにレーザー溶接する。この方法は、ブレーカ40と凸部電極33Aに溶接電流を流すことなく下面の露出端子42Aを凸部電極33Aに溶接できる。
【0035】
ブレーカ40は、上面の露出端子42にリード板36を溶接している。このリード板36は、回路基板35にハンダ付けして接続している。
【0036】
パック電池は、素電池30と直列にブレーカ40を接続している。このパック電池は、電池の温度が設定温度よりも高くなると、ブレーカ40がオフに切り換えられて電流を遮断する。ブレーカ40は、可動接点金属板6をバイメタルとしない無通電タイプのブレーカ40Aである。ただし、ブレーカには、可動接点金属板をバイメタルとする通電タイプのブレーカも使用できる。
【0037】
無通電タイプのブレーカ40Aは、電池や周囲温度が高温になり、あるいはパック電池が異常な状態で使用されるときに、バイメタル8を変形させて電流を遮断する。とくに、本発明のパック電池に内蔵される無通電タイプのブレーカ40Aは、バイメタル8を加温するヒーター9を内蔵するので、このヒーター9でバイメタル8を加温して電流を遮断した状態に保持する用途に最適である。
【0038】
図3ないし図5、及び図10ないし図12に示すパック電池は、素電池30と、この素電池30の一方の電極33に一方の端子41を接続して、素電池30と直列に接続しているブレーカ40と、素電池30とブレーカ40に接続リード36を介して接続している回路基板35とを備える。図のブレーカ40は、他方の端子41に接続リード36を介して回路基板35を接続している。
【0039】
図13ないし図18に示す無通電タイプのブレーカ40Aは、外装ケース1に、固定接点金属板4と、可動接点金属板6とを固定して、可動接点金属板6を変形させるバイメタル8と、このバイメタル8を加温するヒーター9とを内蔵している。
【0040】
外装ケース1は、プラスチック製の絶縁ケース2と外装金属板3とで形成している。外装ケース1は、絶縁ケース2の底部13に固定接点金属板4をインサート成形して固定して、上面に外装金属板3を固定している。絶縁ケース2は、両端部分に、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとを突出するように設けて、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとの間に収納スペース20を設けている。この収納スペース20は、インサート成形して固定している固定接点金属板4で底面を閉塞して、外装金属板3で上面を閉塞している。したがって、外装ケース1は、底面側の表面には固定接点金属板4が露出し、上面側の表面には外装金属板3が露出している。外装金属板3は、プラスチック製の絶縁ケース2にインサート成形して固定されず、ほぼ全面を上面側に露出させている。
【0041】
絶縁ケース2は、収納スペース20の両側に、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bの間を連結する対向壁12を設けて、この対向壁12と外壁11とで収納スペース20の周囲を囲む外周壁10を構成している。したがって、収納スペース20は、周囲を外周壁10で囲み、底面を固定接点金属板4で閉塞し、さらに上面を外装金属板3で閉塞して内部を閉塞された中空状としている。
【0042】
絶縁ケース2は、第1の外壁11Aに固定接点金属板4の一部を、図14と図15においては固定接点金属板4の中間部4Bを第1の外壁11Aの途中にインサート成形して固定している。したがって、固定接点金属板4は、第1の外壁11Aを貫通する状態で絶縁ケース2に固定され、収納スペース20の内部に露出する部分を固定接点5とし、外部に引き出される部分を接続端子4Xとしている。
【0043】
絶縁ケース2は、第2の外壁11Bに可動接点金属板6の非可動部分6Bを固定している。図14と図15の無通電タイプのブレーカ40Aは、第2の外壁11Bの上端面に可動接点金属板6の非可動部分6Bを固定している。可動接点金属板6は、接着して第2の外壁11Bに固定され、あるいは外装金属板3に挟まれて第2の外壁11Bの上端面に固定される。図の外装ケース1は、外装金属板3の一端部を、可動接点金属板6の非可動部分6Bに接触状態に積層して絶縁ケース2に固定している。この構造は、外装金属板3を可動接点金属板6に直接に積層して固定するので、全体をより薄くできる。
【0044】
さらに、図14ないし図16の断面図に示す絶縁ケース2は、収納スペース20にヒーター9を配置する収納凹部21を設けている。収納凹部21は収納スペース20の中央部にあって、その底面を固定接点金属板4の先端部4Aで閉塞している。収納凹部21は、ここにヒーター9を挿入できるように、内形をヒーター9の外形よりもわずかに大きくしている。また、収納凹部21は、外周縁に沿って突出部14を設けている。収納凹部21に挿入されるヒーター9は、突出部14の上面からわずかに突出して、上面に湾曲するバイメタル8を熱結合状態に載せている。
【0045】
収納スペース20は、収納凹部21の底面を固定接点金属板4で閉塞し、収納凹部21の外側底面を絶縁ケース2のプラスチックで閉塞している。絶縁ケース2は、収納凹部21の外側で収納スペース20の底を閉塞しているプラスチック製の底部13に、固定接点金属板4をインサート成形して絶縁ケース2に固定している。
【0046】
収納スペース20の上面を閉塞している外装金属板3は、インサート成形することなく、その両端部分を絶縁ケース2の外壁11に固定している。図13ないし図15の無通電タイプのブレーカ40Aは、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとの上端面に外装金属板3の両端部を固定している。外装金属板3は、第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとに一体的に成形して設けている連結リブ15を介して、絶縁ケース2に固定している。図14と図15の絶縁ケース2は、鎖線で示すように、外装金属板3を連結する連結リブ15を、外壁11の先端面から突出して設けている。外装金属板3には、連結リブ15を貫通させる貫通孔25を設けてあり、連結リブ15を貫通孔25に挿通して、外装金属板3を絶縁ケース2に固定している。連結リブ15は、貫通孔25に挿入される状態で、その先端を加熱押圧して押し潰し、あるいは超音波振動で押し潰して、外装金属板3を確実に絶縁ケース2の外壁11の先端面、すなわち上面に固定している。以上の構造は、外装金属板3を絶縁ケース2の正確な位置に確実に、しかも簡単に固定できる。ただし、外装金属板は、絶縁ケースの先端面である上面に接着して固定することもできる。接着して絶縁ケースに固定される外装金属板も、貫通孔を設け、この貫通孔に挿入される連結リブを外壁に設け、連結リブを貫通孔に挿入することで、絶縁ケースの定位置に確実に固定できる。
【0047】
外装金属板3は四隅部に貫通孔25を設けており、各々の貫通孔25に挿通される連結リブ15を絶縁ケース2の外壁11の先端面に設けている。図17は、外装金属板3を固定している第1の外壁11Aの横断面図を、図18は第2の外壁11Bの横断面図を示している。図17に示す第1の外壁11Aは、収納スペース20の両側に設けている対向壁12の上端面から突出して連結リブ15を設けている。連結リブ15は、図の右側に示す形状に成形され、貫通孔25に挿入される状態で、左側に示すように、先端を押し潰して、外装金属板3を固定する。図17に示す第1の外壁11Aは、収納スペース20の両側に設けている対向壁12の上面に連結リブ15を設けているが、第1の外壁11Aは、図14のXIX−XIX線で示す位置において、図19の横断面図に示すように、第1の外壁11Aの上面に連結リブ15を設けて、外装金属板3を固定することもできる。さらに、外装ケース1は、図14のXVI−XVI線で示す位置において、図20の横断面図に示すように、対向壁12の上面に連結リブ15を突出して設け、この連結リブ15を挿入する貫通孔25を外装金属板3に設けて、外装金属板3の中間部分を絶縁ケース2に固定することもできる。
【0048】
さらに、図16ないし図18の横断面図に示す外装金属板3は、対向壁12の外面に沿うように折曲している折曲側壁22を両側に設けて、この折曲側壁22と対向壁12とを係止構造で連結している。図の外装金属板3は、折曲側壁22と対向壁12の係止構造を、対向壁12の外側に突出して設けている係止凸部16と、折曲側壁22に設けられて、係止凸部16を案内して係止される係止孔26とで構成している。係止凸部16は、挿入方向に向かって次第に突出する傾斜面16Aを設けて、係止凸部16をスムーズに係止孔26に案内できる形状としている。
【0049】
さらに、図19の係止構造は、折曲側壁22の先端縁に内側に折曲している係止片27を設け、この係止片27を案内する係止凹部17を絶縁ケース2の対向壁12の外側面に設け、係止片27を係止凹部17に案内して、外装金属板3を絶縁ケース2に係止構造で固定している。
【0050】
さらに、図20の係止構造は、折曲側壁22の先端縁に内側に折曲している係止片27を設け、この係止片27を対向壁12の底面に引っ掛けて、外装金属板3を絶縁ケース2に係止構造で固定している。これ等の係止構造は、折曲側壁22を弾性変形させて、絶縁ケース2に係止構造で連結し、連結状態においては、折曲側壁22の弾性的な復元力でもって、係止凸部16や係止片27を係止孔26や係止凹部17や底面に引っ掛ける位置に保持する。
【0051】
さらに、外装金属板3は、表面に絶縁膜(図示せず)を設けている。この絶縁膜は、外装金属板3の表面に、絶縁塗料を塗布して設けている。ただ、絶縁層は、外装金属板の表面に絶縁シートを付着して設けることもできる。このように、外装金属板3に絶縁膜を設けた無通電タイプのブレーカ40Aは、外装金属板3の表面を絶縁膜で絶縁できるので、機器に接触状態で内蔵できる。
【0052】
絶縁ケース2の収納スペース20には、底から順番に、ヒーター9とバイメタル8と可動接点金属板6の可動部分6Aを収納して、絶縁ケース2の第1の外壁11Aには固定接点金属板4の中間部4Bを固定して、第2の外壁11Bには可動接点金属板6の非可動部分6Bを固定している。
【0053】
固定接点金属板4は、インサート成形して絶縁ケース2に固定している。固定接点金属板4は、先端部4Aを収納スペース20の底部13に埋設し、中間部4Bを収納スペース20の底部13から絶縁ケース2の第1の外壁11Aに埋設するようにインサート成形して、絶縁ケース2に固定している。図14と図15の固定接点金属板4は、収納凹部21の底部を閉塞する部分よりも、第1の外壁11Aに埋設される部分を高くするように段差部4Dを設けて、段差部4Dを絶縁ケース2の底部13に埋設して、段差部4Dの後端側を底部13の上面に露出させて、この露出部を固定接点5としている。
【0054】
ヒーター9は、通電されることによって発熱して、バイメタル8を加熱する。ヒーター9は、対向面を長円形あるいは長方形とする厚みのあるPTCヒーターで、上面と下面に電極を設けている。ただし、ヒーターには必ずしもPTCヒーターを使用する必要はなく、通電されてバイメタル8を加熱できる全てのヒーターを使用することができる。上下面に電極を設けているヒーター9は、下面を固定接点金属板4に接触して、上面をバイメタル8を介して可動接点金属板6に接触できるようにしている。このヒーター9は、可動接点金属板6の可動接点7が固定接点5に接触するオン状態では、可動接点金属板6とバイメタル8とが非接触状態となって通電されず、可動接点金属板6の可動接点7が固定接点5から離れてオフ状態となる状態では、可動接点金属板6に接触するバイメタル8と固定接点金属板4とを介して通電されて発熱し、バイメタル8を加熱する。加熱されるバイメタル8は、図15に示すように、可動接点7を固定接点5から離すオフ状態に保持する。この無通電タイプのブレーカ40Aは、オフ状態に切り換えられた状態で、可動接点7をオフ状態に保持するので、パック電池に安全に使用できる。それは、パック電池が異常な状態で使用されて設定温度よりも高くなり、無通電タイプのブレーカ40Aがオフに切り換えられた後は、パック電池の電池からヒーター9に通電され続けてバイメタル8が加熱されるので、ブレーカ40がオン状態に復帰することなく、電池が放電されるまで電流を遮断する状態に保持できるからである。
【0055】
バイメタル8は、加熱して変形するように、熱膨張率が異なる金属を積層したものである。バイメタル8は、ヒーター9と可動接点金属板6との間に配設され、加熱されて反転するように変形して、可動接点7を固定接点5から離してブレーカ40をオフ状態に切り換える。バイメタル8は、中央凸に湾曲する形状であって、熱変形しない状態、すなわち、可動接点7を固定接点5に接触させる状態では、図14に示すように、中央突出部を可動接点金属板6側に突出させる姿勢とし、熱変形して反転するように変形する状態では、図15に示すように、中央突出部をヒーター9側に突出させる姿勢となる。バイメタル8は、図15に示すように、熱変形して反転する状態では、中央突出部をヒーター9に接触させると共に、両端部分を可動接点金属板6に接触させて押圧し、可動部分6Aを押し上げて可動接点7を固定接点5から離してオフに切り換える。
【0056】
可動接点金属板6は、図14と図15に示すように、中間部分である非可動部分6Bを第2の外壁11Bの上端面に固定して、先端側の可動部分6Aを収納スペース20の内部に配設し、後端部を外装ケース1の外部に引き出して接続端子6Xとしている。可動接点金属板6は、非可動部6Bを接着して第2の外壁11Bの上端面に固定している。さらに、可動接点金属板6は、図14、図15、及び図18に示すように、第2の外壁11Bと外装金属板3とで非可動部6Bを挟着して第2の外壁11Bの上端面に固定している。図に示す無通電タイプのブレーカ40Aは、外装金属板3の一端部を、可動接点金属板6の非可動部分6Bに接触状態に積層している。したがって、外装金属板3を可動接点金属板6の接点として使用することもできる。ただ、可動接点金属板は、外装金属板との間を絶縁しながら積層することもできる。
【0057】
可動接点金属板6は、収納スペース20に配置される可動部分6Aを弾性変形できる金属板としている。さらに、可動接点金属板6は、この可動部分6Aの先端部であって固定接点5と対向する面に可動接点7を設けている。この可動接点金属板6は、バイメタル8が熱変形しない状態では、可動接点7が固定接点5に接触してオン状態となり、バイメタル8が熱変形する状態では、バイメタル8に押される可動部分6Aが弾性変形して、可動接点7が固定接点5から離れてオフ状態となる。図14と図15に示す無通電タイプのブレーカ40Aは、バイメタル8が熱変形しない状態で、可動接点7を確実に固定接点5に接触できるように、可動部分6Aの後端部を下方に押圧する押圧凸部23を外装金属板3の内面から突出して設けている。この可動接点金属板6は、可動部分6Aの後端部が押圧凸部23で下向きに押圧されることで、可動部分6Aの先端部が下方に付勢されて、先端の可動接点7を確実に固定接点5に接触させる。
【0058】
さらに、図14ないし図16の可動接点金属板6は、下面に突出部6Cを設けており、この突出部6Cにバイメタル8の両端部を接触させて互いに押圧するようにしている。図に示す突出部6Cは、外形を円弧状としており、バイメタル8の両端部を横方向に摺動させることなく確実に接触させて互いに押圧できるようにしている。図に示す可動接点金属板6は、バイメタル8の両端部と対向する下面に複数の突出部6Cを設けている。この構造は、幅のあるバイメタル8であっても確実に接触させて互いに押圧できる。
【0059】
さらに、図21ないし図24に示すブレーカ40は、外装金属板3を連結プラスチック52に固定し、連結プラスチック52を絶縁ケース2に固定して、外装金属板3を絶縁ケース2に固定している。外装金属板3は、連結プラスチック52にインサート成形して固定される。インサート成形される外装金属板3は、連結プラスチック52を成形する金型の成形室に仮止めされ、成形室に溶融状態のプラスチックを注入して連結プラスチック52に固定される。連結プラスチック52は、超音波溶着して絶縁ケース2に固定されて、絶縁ケース2と連結プラスチック52とで外装ケース1を構成している。ただ、連結プラスチックは、接着して、あるいは嵌合構造で絶縁ケースに固定することもできる。連結プラスチック52は、外装金属板3の周囲にあって、絶縁ケース2の両端部に設けている第1の外壁11Aと第2の外壁11Bとに固定され、さらに対向壁12に固定される。外装金属板3は、外周部を除く部分を露出させて露出端子42としている。図21ないし図23に示すように、外装金属板3と連結プラスチック52は、上面を同一平面としている。このブレーカ40は、露出端子42に接続リードを確実に接触して溶接できる。すなわち、連結プラスチック52が突出して、溶接される接続リードを露出端子42から離すことがなく、露出端子42に確実に安定して接続リードを溶接できる。外装金属板3は、連結プラスチック52と上面を同一平面とするために、上面の外周部に低くなる段差部3aを設けて、段差部3aに連結プラスチック52を成形している。
【0060】
図3ないし図5、及び図10まいし図12のパック電池は、角形電池の素電池30を備える。素電池30は、金属製の外装缶31の開口部31Aを、金属製の封口板32で閉塞して、内部に正負の電極板39と電解液とを収納している。封口板32はレーザー溶接して外装缶31の開口部31Aを気密に閉塞している。封口板32は、凸部電極33Aを中央部に設けている。凸部電極33Aは、絶縁して封口板32に固定される。素電池30は、リチウムイオン電池である。ただし、素電池には、リチウムイオン電池に代わってニッケル水素電池などの全ての二次電池とすることができる。リチウムイオン電池は、凸部電極33Aを負極、封口板32と外装缶31を正極とし、ニッケル水素電池は、凸部電極を正極、封口板を負極とする。
【0061】
パック電池は、素電池30と直列にブレーカ40を接続している。ブレーカ40は、素電池30の温度が設定温度よりも高くなるとオン状態からオフ状態に切り換えられて、素電池30の電流を遮断する。また、過電流が流れる状態にあっても、オフ状態に切り換えられて、素電池30の電流を遮断する。図3ないし図5、及び図10ないし図12のパック電池は、素電池30の凸部電極33Aと回路基板35との間にブレーカ40を接続している。回路基板35は、素電池30の過充電や過放電を防止する保護回路などを実現する回路を実装している。また、回路基板35は、パック電池の出力端子(図示せず)も設けている。この回路基板35は、接続リード36とブレーカ40を介して素電池30に接続している。ここで、図に示すパック電池は、接続リード36をリード板としているが、接続リードはリード線とすることもできる。
【0062】
ブレーカ40は、素電池30と回路基板35との間に接続される。図3ないし図5、及び図10ないし図12のパック電池に内蔵されるブレーカ40は、上下の両面に露出端子42を設けている。図3ないし図5のブレーカ40は、上面に外装金属板側の露出端子42Aを設けて、下面に固定接点側の露出端子42Bを設けている。外装金属板側の露出端子42Aは外装金属板3の露出部に設けている。この外装金属板3は、可動接点金属板6の非可動部分6Bに接触状態に積層して絶縁ケース2に固定され、外側面を露出して外装金属板側の露出端子42Aとしている。外装金属板3と可動接点金属板6は積層部分で溶接して電気接続している。固定接点側の露出端子42Bは、固定接点金属板4を絶縁ケース2から露出させて設けている。固定接点金属板4は、両端部分を除く部分を露出させて固定接点側の露出端子42Bとして、ブレーカ40の下面に配置している。
【0063】
このパック電池は、ブレーカ40の下面の固定接点側の露出端子42Bを封口板32の凸部電極33Aに溶接し、上面の外装金属板側の露出端子42Aを回路基板35に接続している接続リード36に溶接している。図において、回路基板35に接続している接続リード36はリード板であって、L字状に折曲されて、水平方向に折曲している折曲片36Aをブレーカ40の外装金属板側の露出端子42Aに溶接している。この接続リード36は、ハンダ付けして回路基板35に接続している。
【0064】
図3ないし図5のパック電池は、以下の工程で組み立てられる。
(1)電池として組み立てられる前の封口板32、すなわち、外装缶31に固定される前の封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を溶接して固定する。このパック電池は、図5の(a)に示すように、封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を載せ、ブレーカ40の固定接点側の露出端子42Bを凸部電極33Aの上面に接触させる状態で、図6に示すように、一方の溶接電極61をブレーカ40の上面の外装金属板側の露出端子42Aに押圧し、他方の溶接電極62を凸部電極33Aの裏面に押圧して、一対の溶接電極61、62に溶接電流を流す。この状態で、溶接電流は、溶接電極61→外装金属板側の露出端子42A(外装金属板3)→ブレーカ40→固定接点側の露出端子42B(固定接点金属板4)→凸部電極33A→溶接電極62に流れて、下面の固定接点側の露出端子42Bを凸部電極33Aに溶接する。
(2)外装缶31の内部に電極板39を収納し、図5の(b)に示すように、リード板49を介して一方の電極板39を封口板32の凸部電極33Aに接続する。
(3)さらに、外装缶31の開口部31Aを、ブレーカ40が固定された封口板32で密閉する。封口板32は、外装缶31の開口部31Aにレーザー溶接して固定し、あるいは、カシメ加工して外装缶の開口部に気密に固定する。
(4)開口部31Aが封口板32で密閉された外装缶31の内部に電解液を充填する。
(5)図5の(c)で示すように、回路基板35に接続している接続リード36を、封口板32とブレーカ40上面の外装金属板側の露出端子42Aとに溶接して固定する。
【0065】
図10のパック電池のブレーカ40は、固定接点金属板4を絶縁ケース2の両端から外側に突出させて、下面の固定接点側の露出端子42Bに外装ケース1の外側に突出する突出端子43を設けている。このブレーカ40は、突出端子43を封口板32の凸部電極33Aに積層し、突出端子43と凸部電極33Aとの積層部を溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aの上面に固定している。
【0066】
図10のパック電池は、以下の工程で組み立てられる。
(1)電池として組み立てられる前の封口板32、すなわち、外装缶31に固定される前の封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を溶接して固定する。このパック電池は、封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を載せ、下面の固定接点側の露出端子42Bの外側に突出する突出端子43を凸部電極33Aの上面に接触させる状態で、図7に示すように、一方の溶接電極61を突出端子43の上面に押圧して、他方の溶接電極62を凸部電極33Aの裏面に押圧し、一対の溶接電極61、62で凸部電極33Aと突出端子43との積層部を挟着し、この状態で一対の溶接電極61、62に溶接電流を流して、ブレーカ40の突出端子43を凸部電極33Aに溶接する。図に示すブレーカ40は、外装ケースの両端から突出端子43を突出させているので、両方の突出端子43を凸部電極33Aに溶接して固定する。
ただ、突出端子を備えるブレーカは、図8に示すように、一対の溶接電極61、62をブレーカ40の突出端子43の上面に押圧し、この状態で一対の溶接電極61、62に溶接電流を流して、ブレーカ40の突出端子43の2カ所を凸部電極33Aに溶接することもできる。
さらにまた、突出端子を備えるブレーカは、図9に示すように、突出端子43と凸部電極33Aとの積層部をレーザー溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aに固定することもできる。
(2)外装缶31の内部に電極板を収納し、リード板を介して一方の電極板を封口板32の凸部電極33Aに接続する。
(3)さらに、外装缶31の開口部31Aを、ブレーカ40が固定された封口板32で密閉する。封口板32は、外装缶31の開口部31Aにレーザー溶接して固定し、あるいは、カシメ加工して外装缶の開口部に気密に固定する。
(4)開口部31Aが封口板32で密閉された外装缶31の内部に電解液を充填する。
(5)図10に示すように、回路基板35に接続している接続リード36を、封口板32とブレーカ40上面の外装金属板側の露出端子42Aとに溶接して固定する。
【0067】
図11のパック電池は、図3のパック電池に内蔵するブレーカ40を上下反転して封口板32の凸部電極33Aに接続している。このブレーカ40は、下面に外装金属板3を、上面に固定接点金属板4を配置して、外装金属板3と固定接点金属板4の両方に露出端子42を設けている。下面の外装金属板側の露出端子42Aは、封口板32の凸部電極33Aに溶接し、上面の固定接点側の露出端子42Bは、回路基板35に接続しているL字状接続リード36の折曲片36Aに溶接している。このブレーカ40は、外装金属板3を可動接点金属板6の非可動部分6Bに接触状態に積層してこれに接続し、その一部を露出させる状態として外装金属板側の露出端子42Aを下面に設けている。外装金属板3と可動接点金属板6は、積層部分で溶接して電気接続している。固定接点金属板4も絶縁ケース2から露出して固定接点側の露出端子42Bを上面に設けている。固定接点側の露出端子42Bは、回路基板35に接続しているL字状接続リード36の折曲片36Aに溶接し、外装金属板側の露出端子42Aは、素電池30の凸部電極33Aに溶接している。
【0068】
図11のパック電池は、以下の工程で組み立てられる。
(1)電池として組み立てられる前の封口板32、すなわち、外装缶31に固定される前の封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を溶接して固定する。このパック電池は、封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を載せ、下面の外装金属板側の露出端子42Aを凸部電極33Aの上面に接触させる状態で、図6の溶接方法と同様に、一方の溶接電極をブレーカ40の上面の固定接点側の露出端子42Bに押圧し、他方の溶接電極を凸部電極33Aの裏面に押圧して、一対の溶接電極に溶接電流を流して、下面の外装金属板側の露出端子42Aを凸部電極33Aに溶接する。
(2)外装缶31の内部に電極板を収納し、リード板を介して一方の電極板を封口板32の凸部電極33Aに接続する。
(3)さらに、外装缶31の開口部31Aを、ブレーカ40が固定された封口板32で密閉する。封口板32は、外装缶31の開口部31Aにレーザー溶接して固定し、あるいは、カシメ加工して外装缶の開口部に気密に固定する。
(4)開口部31Aが封口板32で密閉された外装缶31の内部に電解液を充填する。
(5)図11に示すように、回路基板35に接続している接続リード36を、封口板32とブレーカ40上面の固定接点側の露出端子42Bとに溶接して固定する。
【0069】
さらに、図12のパック電池のブレーカ40は、図11のブレーカ40と同様に、下面に外装金属板3を、上面に固定接点金属板4を配置して、外装金属板3と固定接点金属板4の両方に露出端子42を設けると共に、下面の外装金属板側の露出端子42Aに絶縁ケース2の両端から突出する突出端子43を設けて、この突出端子43を凸部電極33Aに溶接している。
【0070】
図12のパック電池は、以下の工程で組み立てられる。
(1)電池として組み立てられる前の封口板32、すなわち、外装缶31に固定される前の封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を溶接して固定する。このパック電池は、封口板32の凸部電極33Aにブレーカ40を載せ、下面の外装金属板側の露出端子42Aの外側に突出する突出端子43を凸部電極33Aの上面に接触させる状態で、図7の溶接方法と同様に、一方の溶接電極を突出端子43の上面に押圧して、他方の溶接電極を凸部電極33Aの裏面に押圧し、一対の溶接電極61で凸部電極33Aと突出端子43との積層部を挟着し、この状態で一対の溶接電極に溶接電流を流して、ブレーカ40の突出端子43を凸部電極33Aに溶接する。
ただ、このブレーカも、図8または図9に示す溶接方法で、外装金属板側の露出端子42Aの突出端子43を凸部電極33Aに溶接することができる。
(2)外装缶31の内部に電極板を収納し、リード板を介して一方の電極板を封口板32の凸部電極33Aに接続する。
(3)さらに、外装缶31の開口部31Aを、ブレーカ40が固定された封口板32で密閉する。封口板32は、外装缶31の開口部31Aにレーザー溶接して固定し、あるいは、カシメ加工して外装缶の開口部に気密に固定する。
(4)開口部31Aが封口板32で密閉された外装缶31の内部に電解液を充填する。
(5)図12に示すように、回路基板35に接続している接続リード36を、封口板32とブレーカ40上面の固定接点側の露出端子42Bとに溶接して固定する。
【0071】
以上のパック電池は、ブレーカ40の露出端子42を封口板32の凸部電極33Aに直接に溶接して、素電池30の一方の電極33にブレーカ40の一方の端子41を接続しているが、本発明の方法で製造されるパック電池は、ブレーカ40の露出端子42を直接に凸部電極33Aの上面に溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aの上面に載せる状態で固定する構造には特定しない。パック電池は、図示しないが、ブレーカを封口板の表面であって、凸部電極と異なる部分に配置することもできる。このブレーカは、接続端子(図14及び図15において、4X、6Xで表示)を直接に凸部電極に接続し、あるいは、接続リード(図示せず)を介して凸部電極に接続することもできる。すなわち、パック電池は、ブレーカの固定接点金属板の接続端子を素電池の凸部電極に接続して、上面に設けている外装金属板側の露出端子を回路基板に接続している接続リードに溶接して接続することができ、あるいは、ブレーカを上下反転して、外装金属板の接続端子を素電池の凸部電極に接続して、上面に設けている固定接点側の露出端子を回路基板に接続している接続リードに溶接して接続することもできる。
【0072】
図22のパック電池は、下面の突出外装金属板側の露出端子42Aを凸部電極33Aに溶接して、ブレーカ40を凸部電極33Aの上面に固定した後、回路基板35に接続している接続リード36を封口板32とブレーカ40上面の外装金属板側の露出端子42とに溶接して組み立てられる。
【0073】
以上のパック電池の製造工程において、ブレーカ40と接続リード36、または封口板32と接続リード36は、スポット溶接して接続され、あるいはレーザー溶接して接続される。
【符号の説明】
【0074】
1…外装ケース
2…絶縁ケース
3…外装金属板 3a…段差部
4…固定接点金属板 4A…先端部
4B…中間部
4D…段差部
4X…接続端子
5…固定接点
6…可動接点金属板 6A…可動部分
6B…非可動部分
6C…突出部
6X…接続端子
7…可動接点
8…バイメタル
9…ヒーター
10…外周壁
11…外壁 11A…第1の外壁
11B…第2の外壁
12…対向壁
13…底部
14…突出部
15…連結リブ
16…係止凸部 16A…傾斜面
17…係止凹部
20…収納スペース
21…収納凹部
22…折曲側壁
23…押圧凸部
25…貫通孔
26…係止孔
27…係止片
30…素電池
31…外装缶 31A…開口部
32…封口板
33…電極 33A…凸部電極
34…絶縁層
35…回路基板
36…接続リード 36A…折曲片
38…絶縁シート
39…電極板
40…ブレーカ 40A…無通電タイプのブレーカ
41…端子
42…露出端子 42A…外装金属板側の露出端子
42B…固定接点側の露出端子
43…突出端子
49…リード板
52…連結プラスチック
61…溶接電極
62…溶接電極
106…可動接点金属板
108…バイメタル
130…素電池
132…封口板
133…凸部電極
135…回路基板
136…接続リード
137…接続リード
138…接続リード
140…ブレーカ
144…接続端子
146…接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正負の電極板(39)を収納している外装缶(31)の開口部(31A)を封口板(32)で閉塞している素電池(30)と、この素電池(30)の一方の電極(33)にブレーカ(40)の一方の端子(41)を溶接して、このブレーカ(40)を前記素電池(30)と直列に接続しているパック電池の製造方法であって、
前記封口板(32)の一方の電極(33)に前記ブレーカ(40)の一方の端子(41)を溶接した後、ブレーカ(40)を溶接している封口板(32)を外装缶(31)の開口部(31A)に固定して、電極板(39)を収納している外装缶(31)の開口部(31A)を封口板(32)で閉塞することを特徴とするパック電池の製造方法。
【請求項2】
前記ブレーカ(40)に無通電タイプのブレーカ(40A)を使用する請求項2に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項3】
前記ブレーカ(40)の一方の端子(41)を、スポット溶接又はレーザー溶接して封口板(32)に溶接する請求項1又は2に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項4】
前記素電池(30)が、封口板(32)に絶縁して凸部電極(33A)を固定しており、この凸部電極(33A)に前記ブレーカ(40)の一方の端子(41)を溶接している請求項1ないし3のいずれかに記載されるパック電池の製造方法。
【請求項5】
前記ブレーカ(40)が、下面に露出端子(42)を有し、この下面の露出端子(42)を前記凸部電極(33A)の上面に溶接して、ブレーカ(40)を凸部電極(33A)の上に固定する請求項4に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項6】
前記素電池(30)と前記ブレーカ(40)に接続している回路基板(35)を備えるパック電池の製造方法であって、
前記ブレーカ(40)が上面と下面とに露出端子(42)を有し、下面の露出端子(42)を前記凸部電極(33A)に溶接して、上面の露出端子(42)を接続リード(36)を介して回路基板(35)に接続する請求項5に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項7】
前記ブレーカ(40)が、プラスチック製の絶縁ケース(2)と外装金属板(3)とで形成してなる外装ケース(1)と、この外装ケース(1)の絶縁ケース(2)に固定してなる固定接点(5)を有する固定接点金属板(4)と、前記絶縁ケース(2)に固定されて、固定接点(5)と対向する位置に可動接点(7)を有する可動接点金属板(6)と、この可動接点金属板(6)をオンからオフに切り換えるバイメタル(8)と、このバイメタル(8)を加温するヒーター(9)とを備える無通電タイプのブレーカ(40A)で、
このブレーカ(40)は、前記外装金属板(3)と前記固定接点金属板(4)とは対向する位置にあって前記絶縁ケース(2)に固定され、前記固定接点金属板(4)と前記外装金属板(3)との間には、固定接点金属板(4)側から順番に、前記ヒーター(9)と、前記バイメタル(8)と、可動接点金属板(6)とを配置しており、
前記バイメタル(8)は中央凸に湾曲する形状であって、可動接点(7)を固定接点(5)に接触させる状態で中央突出部を可動接点金属板(6)側に突出させる姿勢で前記ヒーター(9)と前記可動接点金属板(6)との間に配設され、
前記絶縁ケース(2)は、第1の外壁(11A)と第2の外壁(11B)とを設けて、第1の外壁(11A)と第2の外壁(11B)との間には収納スペース(20)を設けて、この収納スペース(20)には、前記ヒーター(9)と前記バイメタル(8)と前記可動接点金属板(6)の可動部分(6A)を収納して、第1の外壁(11A)には前記固定接点金属板(4)を固定して、第2の外壁(11B)には前記可動接点金属板(6)の非可動部分(6B)を固定しており、
さらに、前記外装金属板(3)は、前記絶縁ケース(2)に固定されて、前記収納スペース(20)の開口部(31A)を閉塞しており、
前記外装金属板(3)が、前記可動接点金属板(6)の非可動部分(6B)に接触状態に積層されて絶縁ケース(2)に固定されると共に、この外装金属板(3)は外側面を露出させる外装金属板側の露出端子(42A)を下面に設けており、
前記外装金属板側の露出端子(42A)を前記凸部電極(33A)の上面に溶接する請求項5に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項8】
前記外装金属板(3)と前記可動接点金属板(6)とを積層部分で溶接して電気接続する請求項7に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項9】
前記固定接点金属板(4)が絶縁ケース(2)から露出する固定接点側の露出端子(42B)をブレーカ(40)の上面に設けており、
前記固定接点側の露出端子(42B)を接続リード(36)を介して回路基板(35)に接続する請求項7または8に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項10】
前記ブレーカ(40)が、プラスチック製の絶縁ケース(2)と外装金属板(3)とで形成してなる外装ケース(1)と、この外装ケース(1)の絶縁ケース(2)に固定してなる固定接点(5)を有する固定接点金属板(4)と、前記絶縁ケース(2)に固定されて、固定接点(5)と対向する位置に可動接点(7)を有する可動接点金属板(6)と、この可動接点金属板(6)をオンからオフに切り換えるバイメタル(8)と、このバイメタル(8)を加温するヒーター(9)とを備える無通電タイプのブレーカ(40A)で、
このブレーカ(40)は、前記外装金属板(3)と前記固定接点金属板(4)とは対向する位置にあって前記絶縁ケース(2)に固定され、前記固定接点金属板(4)と前記外装金属板(3)との間には、固定接点金属板(4)側から順番に、前記ヒーター(9)と、前記バイメタル(8)と、可動接点金属板(6)とを配置しており、
前記バイメタル(8)は中央凸に湾曲する形状であって、可動接点(7)を固定接点(5)に接触させる状態で中央突出部を可動接点金属板(6)側に突出させる姿勢で前記ヒーター(9)と前記可動接点金属板(6)との間に配設され、
前記絶縁ケース(2)は、第1の外壁(11A)と第2の外壁(11B)とを設けて、第1の外壁(11A)と第2の外壁(11B)との間には収納スペース(20)を設けて、この収納スペース(20)には、前記ヒーター(9)と前記バイメタル(8)と前記可動接点金属板(6)の可動部分(6A)を収納して、第1の外壁(11A)には前記固定接点金属板(4)を固定して、第2の外壁(11B)には前記可動接点金属板(6)の非可動部分(6B)を固定しており、
さらに、前記外装金属板(3)は、前記絶縁ケース(2)に固定されて、前記収納スペース(20)の開口部(31A)を閉塞しており、
前記固定接点金属板(4)が、前記絶縁ケース(2)から露出する固定接点側の露出端子(42B)をブレーカ(40)の下面に設けており、
前記固定接点側の露出端子(42B)を前記凸部電極(33A)の上面に溶接する請求項5に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項11】
前記外装金属板(3)が、前記可動接点金属板(6)の非可動部分(6B)に接触状態に積層されて絶縁ケース(2)に固定されると共に、この外装金属板(3)は外側面を露出させる外装金属板側の露出端子(42A)を上面に設けており、
前記外装金属板側の露出端子(42A)を、前記回路基板(35)に接続している接続リード(36)に溶接する請求項10に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項12】
前記外装金属板(3)と可動接点金属板(6)とを積層部分で溶接して電気接続する請求項11に記載されるパック電池の製造方法。
【請求項13】
前記ブレーカ(40)の下面に設けている露出端子(42)が、前記絶縁ケース(2)の外側に突出する突出端子(43)を備え、この突出端子(43)を前記素電池(30)の凸部電極(33A)に接続する請求項5ないし請求項12のいずれかに記載されるパック電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−73849(P2013−73849A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213339(P2011−213339)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(591016334)大塚テクノ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】