説明

パーソナルケア組成物の刺激軽減法

【課題】陰イオン型界面活性剤を含むパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する。
【解決手段】界面活性剤を結合できる疎水性修飾材料を陰イオン型界面活性剤と配合することによって眼球および皮膚への刺激を軽減したパーソナルケア組成物を製造でき、前記組成物を毛髪および皮膚に接触させて、低刺激クレンジングできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、それぞれ2003年8月28日申請の米国特許出願番号第10/650,226号、同第10/650,495号、同第10/650,573号および同第10/650,398号の一部継続出願であり、現在、係属中である。前述の各出願を参照することによって本明細書に組み入れる。
【0002】
本発明は、多様なパーソナルケア組成物に伴う刺激特性の軽減法と、前記組成物の使用法に関する。
【背景技術】
【0003】
陽イオン型、陰イオン型、両性および非イオン型界面活性剤のような合成洗浄剤は、多様な洗剤およびクレンジング組成物に汎用されている。例えばシャンプーを含む前記組成物の多数に対して、該組成物に混入させる場合、比較的高い泡量および泡安定性を付与または提供する界面活性剤を使用するのが望ましい。感知するシャンプーの毛髪洗浄効率に前記の泡の性状が直接関連することが一般に認識されている。即ち、生じる泡量が多く、泡の安定性が高いほど、感知するシャンプーのクレンジング作用がより効率的になる。
【0004】
陰イオン型界面活性剤は、優れたクレンジング性状と発泡性状を呈するので、多くのパーソナルクレンジング組成物に組み入れられる。しかし、これらの陰イオン型界面活性剤は、皮膚および眼球に顕著な刺激を与える傾向もある。よりマイルドなクレンジング組成物を製造するため、該クレンジング組成物中の陰イオン型界面活性剤の一部を非イオン型および/または両性界面活性剤などの他の界面活性剤に取り替えることは周知である。例えば、米国特許第4,726,915号参照。マイルドなクレンジング組成物を製造する別の手法は、界面活性剤複合体を得るために、陰イオン界面活性剤を両性または陽イオン界面活性剤と結合させることである。例えば、米国特許第4,443,362号;同第4,726,915号;同第4,186,113号;および同第4,110,263号参照。不利な点としては、前記の両方法で製造されるマイルドなクレンジング組成物は、発泡およびクレンジング性能が劣る傾向がある。
【0005】
さらに、最近の文献、Moore, P.;Shiloach, A.;Puvvada, S.;Blankschtein, D. Journal of Cosmetic Science, 54, 2003, 143-159("Mooreら")は、クレンジング界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の表皮への浸透を減少させるための水と比較的低濃度(パーソナルケアクレンジング組成物に典型的なレベルよりも有意に低い)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の溶液へのポリエチレンオキサイド(PEO)の添加を記述している。Mooreらは、該界面活性剤の遊離ミセルをPEOに結合させることによって、PEOが、遊離SDSミセルに比較して、さらに大型のミセルをSDSと形成し、この大型ミセルが小型遊離ミセルほど容易に角質層に浸透できない、と仮定している。このように、Mooreらは、皮膚への界面活性剤の浸透が緩和され、この界面活性剤の浸透低下が皮膚刺激の軽減を招くことができると主張している。
【0006】
それにもかかわらず、出願人らは、PEOが、十分に界面活性剤をそれに結合せず、Mooreらの文献に開示されたレベルよりも高い界面活性剤レベルを含む組成物に添加すると、刺激の有意または十分な軽減を提供しないことを認めた。普通のパーソナルケア組成物は、Mooreらの開示レベルよりも高い界面活性剤レベルを含む傾向があるので、出願人らは、パーソナルケア組成物の刺激を緩和する他の方法に伴う短所をMooreらの説が十分に克服していないと認識した。
【0007】
【特許文献1】米国特許4,443,362号
【特許文献2】米国特許4,726,915号
【特許文献3】米国特許4,186,113号
【特許文献4】米国特許4,110,263号
【特許文献5】米国特許6,433,061号
【特許文献6】米国特許4,380,637号
【特許文献7】米国特許4,215,064号
【特許文献8】米国特許4,617,414号
【特許文献9】米国特許4,233,192号
【特許文献10】米国特許4,382,036号
【特許文献11】米国特許4,372,869号
【非特許文献1】Moore, P.;Shiloach, A.;Puvvada, S.;Blankschtein, D. Journal of Cosmetic Science, 54, 2003, 143-159
【非特許文献2】Invittox Protocol No.86(1994年5月)
【非特許文献3】Holmberg, K.;Jonsson, B.;Kronberg, B.:Lindman, B. Surfactants and Polymers in Aqueous Solutioin, Wiley & Sons, p.347
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の観点から、出願人らは、皮膚および/または眼球への刺激を緩和し、泡の性状および/またはそれに伴う他の審美的性状に有害な影響を与えないパーソナルケア組成物の製造法の必要性を認識した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、多様なパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する方法であって、該方法が先行技術の短所を克服する軽減法を提供する。特に、本発明の特定の実施態様に従って、出願人らは、有利なことに、界面活性剤を結合できる疎水性修飾材料を陰イオン界面活性剤と配合し、皮膚および/または眼球への刺激が比較的低く、発泡/泡安定性が比較的高いパーソナルケア組成物を製造できることを発見した。
【発明の効果】
【0010】
本発明のある実施態様は、陰イオン界面活性剤を含むパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する方法であって、該方法が、界面活性剤を結合できる疎水性修飾材料を陰イオン界面活性剤と配合し、刺激軽減組成物の総重量に換算して約3.5重量%から7.5重量%未満までの陰イオン界面活性剤を含む刺激軽減パーソナルケア組成物を製造することを含む方法を提供する。
【0011】
本発明の別の実施態様によれば、提供するのは、本発明に従って製造する組成物である。
【0012】
本発明のなおも別の実施態様によれば、提供するのは、陰イオン界面活性剤と界面活性剤に結合できる疎水性修飾材料を含む刺激軽減組成物と哺乳類の皮膚または毛髪を接触させる段階を含む刺激を軽減した皮膚または毛髪のクレンジング法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書で述べる全パーセントは、他に指示がない限り、組成物の総重量に基づいた重量/重量%である。
【0014】
刺激軽減に関して、特定の組成物に関連する「TEP値」は、Invittox Protocol No.86(1994年5月)に記述された経上皮透過性試験(Trans-Epithelial Permeability Test、「TEP試験」によって普通に数値を測定したものであり、該組成物に伴う皮膚および/または眼球への刺激に直接相関することを、出願人らは認めた。前記Invittox Protocol No.86については、参照することで本明細書に組み入れ、下述の実施例でさらに詳細に説明する。さらに具体的には、TEP値が低めの組成物に比較して、組成物のTEP値が高いほど、皮膚および眼球への刺激を弱める傾向があり、該組成物は、高めの皮膚および/または眼球への刺激レベルを生じる傾向がある。出願人らは、本方法が、驚くほど高いTEP数値/それに伴う弱めの刺激を示すパーソナルケア組成物の製造に適していることを認めた。例えば、特定の実施態様において、本方法は、少なくとも約1.5以上のTEP値を有する組成物を製造する。特定のさらに好ましい実施態様では、本発明に従って製造する組成物は、少なくとも約2以上、さらに好ましくは少なくとも約2.5以上、はるかに好ましくは少なくとも約3以上、なおもさらに好ましくは少なくとも3.5以上のTEP値を示す。特定の特に好ましい実施態様では、前記化合物は、少なくとも約4.0以上、はるかに好ましくは約4.5以上のTEP値を示す。
【0015】
さらに、本方法によって製造した陰イオン界面活性剤と疎水性修飾材料を含む組成物が、疎水性修飾材料無添加の比較可能な組成物に比較して刺激軽減を示す時点を決定し、その程度を表示するため、出願人らは、本明細書で、本発明の組成物の「Delta TEP」という用語を、(a)(i)陰イオン界面活性剤および疎水性修飾材料を含む本発明の組成物および(ii)前記組成物に比較可能な組成物のTEP値を測定し;(b)陰イオン界面活性剤/疎水性修飾材料組成物のTEP値から比較可能組成物のTEP値を差し引くことによって得られる数値と定義する。陰イオン界面活性剤および疎水性修飾材料を含む特定の組成物の「比較可能組成物」は、本明細書で使用する場合、陰イオン界面活性剤/疎水性修飾材料組成物の疎水性修飾ポリマーを比較可能組成物中で同一相対重量%の水に代える点を除いて、陰イオン界面活性剤/疎水性修飾材料組成物と同一の相対重量%の同一成分から成る組成物を意味する。例えば、7%陰イオン界面活性剤、15%両性界面活性剤、5%疎水性修飾ポリマー、5%グリセリンおよび68%水(全%は、組成物の総重量に換算した重量%である)から成る陰イオン界面活性剤/疎水性修飾材料組成物に対する比較可能組成物は、7%陰イオン界面活性剤、15%両性界面活性剤、5%グリセリンおよび73%水から成る組成物である。さらに、下述のように、実施例10の組成物は、実施例11〜15で形成される陰イオン界面活性剤/疎水性修飾ポリマー組成物に対する比較可能組成物である。
【0016】
上記の観点から、用語「刺激軽減組成物」は、本明細書で使用する場合、一般に、1種類の陰イオン界面活性剤と界面活性剤を結合できる1種類以上の疎水性修飾材料を含む組成物を指し、該組成物は、本明細書に組み入れたInvittox Protocolによって測定した場合に正のDelta TEP(即ち、該組成物は、比較可能な組成物よりも高いTEPを有する)を有する 。特定の本発明の好ましい刺激軽減組成物は、少なくとも約+0.5のDelta TEPを有する組成物を含む。特定のさらに好ましい刺激軽減組成物は、少なくとも約+0.75、さらに好ましくは少なくとも約+1のDelta TEPを有する組成物を含む。特定の特に好ましい刺激軽減組成物は、少なくとも約+1.2、さらに好ましくは少なくとも+1.5、さらに好ましくは少なくとも約+1.8であるDelta TEPを有する組成物を含む。
【0017】
用語「疎水性修飾材料」は、本明細書で使用する場合、一般に、該材料に結合または混入された1個以上の疎水性成分を有するいずれかの材料を指す。特定のタイプの好ましい疎水性修飾材料の例は、疎水性修飾ポリマーを含む。前記ポリマーは、例えば、1個以上の疎水性モノマーと、任意に、1個以上のコモノマーを重合し、混入した疎水性成分を有するポリマーを形成することによって、および/または、疎水性成分を含む化合物とポリマー材料を反応させて、上記化合物を該ポリマーに結合させることによって形成できる。特定の疎水性修飾ポリマーと前記ポリマー製造法は、米国特許6,433,061号に記述されている。該特許は、Marchantらに発行されており、これを参照することによって本明細書に組み入れている。
【0018】
界面活性剤を結合できる様々な疎水性修飾材料はいずれも、本発明の使用に適する。出願人らは特定の実施理論に拘束されることを望まないが、即席法での使用に適した疎水性修飾材料が作用し、少なくとも部分的に、界面活性剤(遊離(非結合)界面活性剤分子および/または、特に、界面活性剤遊離(非結合)ミセル)を結合し、皮膚および/または眼球を刺激する組成物に生じる刺激惹起遊離ミセルの濃度を低下させることによって、パーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する、と考えられる。即ち、出願人らは、特定の組成物に含まれる相対量の界面活性剤遊離ミセルがその組成物に伴う皮膚/眼球への相対刺激に影響を与え、遊離ミセル量が高いほど、高レベルの刺激を引き起こす傾向があり、遊離ミセルレベルが低いほど、より軽度の刺激を引き起こす傾向があることを認めた。疎水性修飾材料は、界面活性剤および/または界面活性剤ミセルを該材料に結合させることによって、組成物中の非結合界面活性剤ミセル濃度を低下させ、遊離ミセルが形成される前、および/または、特定レベルの刺激が達成される前に、高めの濃度の界面活性剤を該組成物中に添加することを可能にする。遊離ミセル形成前に必要な界面活性剤の濃度のこの望ましい移行を図1にさらに詳細に図示する。
【0019】
図1は、2種類の組成物、即ち、本発明の疎水性修飾材料を含む組成物と疎水性修飾材料無添加の比較可能組成物への陰イオン界面活性剤の添加に関連する理想的表面張力データ曲線を示すグラフ10である。曲線11は、陰イオン界面活性剤レベルを増加させながら前記組成物に添加し、普通の張力測定技術(その例を以下で述べる)によって測定した、疎水性修飾材料無添加組成物の表面張力の変化を示す。曲線15は、漸増レベルの陰イオン界面活性剤を増加させて前記組成物に添加した場合の、疎水性修飾材料を含む組成物の表面張力の変化を示す。曲線11では、該界面活性剤は、界面活性剤を溶液に添加するに伴い、本質的に表面部分全体を覆うまで気/液界面に集中することによって、該溶液の表面張力を低下させる傾向がある。この点、即ち、以下で界面活性剤の「臨界ミセル濃度(CMC)」とした第12点以後、前記組成物に添加する本質的にすべての界面活性剤が、溶液中に遊離ミセルを形成し、この形成は、該溶液の表面張力にそれほどの影響を与えないが、前記組成物に伴う刺激を増加させる傾向がある。比較すると、曲線15に示すように、疎水性修飾材料を含む溶液に陰イオン界面活性剤を添加するにつれ、該界面活性剤は、気/液界面に整列し、CMC、第16点が曲線11に比較して有意に高い界面活性剤濃度に移動するまで疎水性修飾材料に結合し、その点で、添加した界面活性剤は遊離ミセルを形成する傾向がある。
【0020】
上記の観点から、出願人らは、界面活性剤への結合における特定の疎水性修飾材料の効果の1つの目安を、陰イオン界面活性剤と疎水性修飾材料を配合し、刺激軽減組成物を形成することによって達成される「Delta CMC」として表すことができる、と認識した。「Delta CMC」は、本明細書で使用する場合、(a)(i)陰イオン界面活性剤および疎水性修飾材料を含む特定の本発明の組成物と、(ii)(i)の組成物の比較可能組成物についてCMCを決定し、以下の実施例に規定するReverse Titration Tensiometry Test(逆滴定張力測定試験)手順を使って該CMC値を決定し;(b)組成物(ii)について得られたCMC値を組成物(i)について得られた数値から差し引くことによって得られる数値と定義する。特定の実施態様では、生じる刺激軽減組成物に関連するDelta CMCが正の数値であるように、本方法で使用する疎水性修飾材料を選択するのが好ましい。特定のさらに好ましい実施態様では、約+16以上、さらに好ましくは約+80以上、はるかに好ましくは約+300以上のDelta CMCを有する刺激軽減組成物を得るように、疎水性修飾材料を選択する。
【0021】
界面活性剤を結合でき、本発明での使用に適した疎水性修飾材料の例は、疎水性修飾ポリマー、例えば疎水性修飾アクリル酸ポリマー、並びに、疎水性修飾セルロース材、疎水性修飾デンプン、それらのうちの2種類以上の組み合わせなどを含む。
【0022】
本発明での使用に適した疎水性修飾アクリル酸ポリマーは、ランダム、ブロック、スター、グラフトコポリマーなどの形態であることができる。特定の実施態様では、疎水性修飾アクリル酸ポリマーは、架橋陰イオンアクリル酸コポリマーであることができる。前記コポリマーは、少なくとも1種類の酸性モノマーと少なくとも1種類の疎水性エチレン不飽和モノマーから合成できる。適切な酸性モノマーの例は、塩基によって中和できるエチレン不飽和酸性モノマーを含む。適切な疎水性エチレン不飽和モノマーの例は、少なくとも3個の炭素原子の炭素鎖長を有する疎水炭素鎖を含有するモノマーを含む。
【0023】
別の実施例では、疎水性修飾架橋陰イオンアクリル酸コポリマーは、少なくとも1種類の不飽和カルボン酸モノマー;少なくとも1種類の疎水性モノマー;アルキルメルカプタン、チオエステル、アミノ酸-メルカプタン-含有化合物またはペプチド断片、またはそれらの組み合わせを含む疎水性連鎖移動剤;架橋剤;および、任意に、立体安定化剤から誘導する組成物を含み、この場合、前記不飽和カルボン酸モノマー量は、米国特許6,433,061号の記述のように、前記不飽和モノマーおよび前記疎水性モノマーの総重量に換算して約60重量%〜約98重量%である。前記特許を、参照することによって本明細書に組み入れる。ある実施態様で、前記ポリマーは、登録商標「Carbopol Aqua SF-1」でNoveon, Inc.から市販されているアクリレートコポリマーである。
【0024】
様々な疎水性修飾セルロース化合物またはデンプンは、いずれも、本発明での使用に適している。適切な疎水性修飾セルロース化合物の例は、疎水性修飾ヒドロキシエチルセルロース(例えば、Hercules Inc.(Wilmington, DE)から「Natrosol Plus」として市販されている)などを含む。適切な疎水性修飾デンプンの例は、疎水性修飾リン酸ヒドロキシプロピルデンプン(例えば、National Starch(Bridgewater, NJ)から「Structure XL」として市販されている)などを含む。
【0025】
特定の本発明の好ましい実施態様では、疎水性修飾材料は、疎水性修飾アクリル酸ポリマー、さらに好ましくは疎水性修飾架橋陰イオンアクリル酸コポリマーを含む。
【0026】
様々な陰イオン型界面活性剤は、いずれも、疎水性修飾材料と配合して、本発明の好ましい実施態様に従って刺激軽減組成物を形成できる。特定の実施態様によれば、適切な陰イオン型界面活性剤は、以下のクラスの界面活性剤から選択するものを含む:硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルモノグリセリルエーテル、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、スルホコハク酸アルキル、スルホコハク酸アルキルエーテル、アルキルスルホサクシナメート、スルホコハク酸アルキルアミド、カルボン酸アルキル、カルボン酸アルキルアミドエーテル、コハク酸アルキル、脂肪族アシルサルコシン、脂肪族アシルアミノ酸、脂肪族アシルタウレート、スルホ酢酸脂肪族アルキル、リン酸アルキルおよびそれらのいずれかの2種類以上の混合物。特定の好ましい陰イオン型界面活性剤は以下の化合物またはそれらの混合物を含み:
次式の硫酸アルキル
R'−CH2OSO3X';
次式の硫酸アルキルエーテル
R'(OCH2CH2)vOSO3X'
次式の硫酸アルキルモノグリセリルエーテル
【化1】

次式の硫酸アルキルモノグリセリド
【化2】

次式の硫酸アルキルモノグリセリド
【化3】

次式のスルホン酸アルキル
R'−SO3X'
次式のスルホン酸アルキルアリール
【化4】

次式のスルホコハク酸アルキル
【化5】

次式のスルホコハク酸アルキルエーテル
【化6】

次式のアルキルスルホサクシナメート
【化7】

次式のスルホコハク酸アルキルアミド
【化8】

次式のカルボン酸アルキル
R'−(OCH2CH2)w−OCH2CO2X'
次式のカルボン酸アルキルアミドエーテル
【化9】

次式のコハク酸アルキル
【化10】

次式の脂肪族アシルサルコシネート
【化11】

次式の脂肪族アシルアミノ酸
【化12】

次式の脂肪族アシルタウレート
【化13】

次式のスルホ酢酸脂肪族アルキル
【化14】

次式のリン酸アルキル
【化15】

式中、
R'は、約7〜約22個、好ましくは約7〜約16個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R'1は、約1〜約18個、好ましくは約8〜約14個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R'2は、天然または合成I-アミノ酸置換基であり、
X'は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンおよび約1〜約3個の置換基で置換されたアンモニウムイオンから成る群から選択し、該置換基はそれぞれ、同一であるまたは異なることができ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基および約2〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基から成る群から選択し、
vは1〜6の整数であり;
wは0〜20の整数である。
【0027】
特定の実施態様に従って、本発明の陰イオン型界面活性剤は、好ましくは1種類以上の硫酸アルキルエーテルまたはそれらの混合物を含む。特定のさらに好ましい実施態様では、本発明の陰イオン型界面活性剤は、トリデセス硫酸ナトリウムを含む。トリデセス硫酸ナトリウムは、一般に次式C13H27(OCH2CH2)nOSO3Naに従い、式中、nは1〜4の数値である硫酸化エトキシル化トリデシルアルコールのナトリウム塩であり、「Cedapal TD-403M」の登録商標でIllinois州NorthfieldのStepan 社から市販されている。出願人らは、本発明に従って、組成物に伴う刺激を有意に軽減する組成物を得るために、トリデセス硫酸ナトリウムを特に有利に使用できると認識した。
【0028】
刺激軽減組成物の製造に適した疎水性修飾材料と陰イオン型は、本発明に従ってどんな量でも配合できる。特定の実施態様によれば、十分量の疎水性修飾材料を使用して、組成物中の活性疎水性修飾材料重量として0%以上から約8%までを含む刺激軽減組成物を製造する。好ましくは、十分量の疎水性修飾材料を使って、約0.01〜約5%、さらに好ましくは約0.01〜約4%、一層好ましくは約0.1〜約4%、一層好ましくは約0.1〜約3%の活性疎水性修飾材料を組成物中に含む刺激軽減組成物を製造する。本発明で使用する陰イオン型界面活性剤量は、組成物中に好ましくは約0.1%〜約12.5%、さらに好ましくは約0.5〜約8.5%、一層好ましくは約1〜約8%の総活性イオン型界面活性剤を含む刺激軽減組成物の製造に十分な量である。特定の他の好ましい実施態様では、活性陰イオン型界面活性剤量は、組成物中に好ましくは約3.5%〜約7.3%、さらに好ましくは約3.5以上〜約7.3以下 %、さらに好ましくは約3.5〜7%、一層好ましくは4〜7%の総活性イオン型界面活性剤を含む刺激軽減組成物の製造に十分な量である。
【0029】
疎水性修飾材料と陰イオン型界面活性剤は、2種類以上の液体を配合するいずれかの普通の方法により、本発明に従って配合できる。例えば、少なくとも1種類の疎水性修飾材料を含む、本質的に少なくとも1種類の疎水性修飾材料から成る、あるいは、少なくとも1種類の疎水性修飾材料から成る1種類以上の組成物と、少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤を含む、本質的に少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤から成る、あるいは、少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤から成る1種類以上の組成物は、順序を問わず、機械攪拌プロペラ、パドルなどの普通の装置を使った、疎水性修飾材料または陰イオン型界面活性剤を含む組成物の一方の他方への組成物への流し込み、混合、滴加、ピペッティング、ポンピングなどによって配合できる。特定の実施態様によれば、該配合工程は、陰イオン型界面活性剤を含む組成物の疎水性修飾材料を含む組成物への、または該組成物との配合を含む。特定の他の実施態様によれば、配合工程は、疎水性修飾材料を含む組成物の陰イオン型界面活性剤を含む組成物への、または、該組成物との配合を含む。
【0030】
本発明に従って製造した刺激軽減組成物、並びに、本発明に従った配合工程で配合した疎水性修飾材料または陰イオン型界面活性剤を含むいずれかの組成物は、さらに、通常、1種類以上の非イオン型、両性および/または陽イオン型界面活性剤、パールセント剤または乳白剤、増粘剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、および着色剤や香料、防腐剤、pH調整剤など、該組成物の外観、感触および香りを改良する添加剤を含むことができる。
【0031】
多様な非イオン型界面活性剤はいずれも、本発明での使用に適している。適切な非イオン型界面活性剤の例は、脂肪アルコール酸またはアミドエトキシレート、モノグリセリドエトキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、アルキルポリグリセリド、それらの混合物などを含むが、それらに制約されない。特定の好ましい非イオン型界面活性剤は、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体を含み、この場合、該ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体は、(1) (a)炭素原子約8〜約22個、好ましくは約10〜約14個を含有する脂肪酸と、(b)ソルビトール、ソルビタン、グルコース、α-メチルグルコシド、1分子当たりグルコース残基を平均約1〜約3個有するポリグルコース、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびそれらの混合物から選択するポリオールから誘導し、(2)平均約10〜約120個、好ましくは約20〜約80個のオキシエチレン単位を含有し、(3)ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体1モル当たり平均約1〜約数3個の脂肪酸残基を有する。前記の好ましいポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体の例は、PEG-80ソルビタンラウレートおよびポリソルベート20を含むが、それらに制約されない。PEG-80ソルビタンラウレートは、平均約80モルのエチレンオキサイドでエトキシル化したラウリン酸のソルビタンモノエステルであり、「Atlas G-4280」の登録商標でDelaware州WilmingtonのICI Surfactantsから市販されている。ポリソルベート20は、約20モルのエチレンオキサイドと縮合したソルビトールと無水ソルビトールの混合物のラウレートモノエステルであり、「Tween 20」の登録商標でDelaware州WilmingtonのICI Surfactantsから市販されている。
【0032】
別のクラスの適切な非イオン型界面活性剤は、長鎖アルキルグルコシドまたはポリグルコシドを含み、これらは、(a)炭素原子約6〜約22個、好ましくは約8〜約14個を含有する長鎖アルコールの(b)グルコースまたはグルコース含有ポリマーとの縮合生成物である。好ましいアルキルグルコシドは、アルキルグルコシド1分子当たりグルコース残基約1〜約6個を含む。好ましいグルコシドは、デシルグルコシドで、これは、デシルアルコールのグルコースポリマーとの縮合生成物で、New Jersey州HobokenのHenkel Corporationから「Plantaren 2000」の登録商標で市販されている。
【0033】
「両性」という用語は、本明細書で使用する場合、1)例えば、アミノ(塩基性)、酸(例、カルボン酸、酸性)の両官能基を含有するアミノ酸などの酸性および塩基性両部位を含有する分子;または2)同一分子内に正および負の電荷の両方を有する両性イオン分子を意味するものとする。後者の電荷は、前記組成物のpHに依存する、あるいは、依存しないことかできる。両性イオン材料の例は、アルキルベタインおよびアミドアルキルベタインを含むが、それらに制約されない。本両性界面活性剤は、対イオンを含めずに本明細書に開示している。本発明の組成物のpH条件下では、正負の電荷のバランスが取れているため、電気的に中性であるか、それらが、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの対イオンなどの対イオンを有することを、当業者は容易に認識するだろう。
【0034】
本発明での使用に適した両性界面活性剤の例は、アルキルアンフォアセテート(モノまたはジ)などのアンフォカルボキシレート;アルキルベタイン;アミドアルキルベタイン;アミドアルキルスルタイン;アンフォフォスフェート;フォスフォベタインおよびピロフォスフォベタインなどのリン酸化イミダゾリン;カルボキシアルキルアルキルポリアミン;アルキルイミノ-ジプロピオネート;アルキルアンフォグリシネート(モノまたはジ);アルキルアンフォプロピオネート(モノまたはジ)、); N-アルキルβ-アミノプロピオン酸;アルキルポリアミノカルボキシレート;およびそれらの混合物を含むが、それらに制約されない。
【0035】
適切なアンフォカルボキシレート化合物の例は、次式の化合物で:
A-CONH(CH2)xN+R5R6R7
式中、
Aは、炭素原子約7〜約21個、例えば、約10〜約16個を有するアルキルまたはアルケニル基で;
Xは、約2〜約6の整数で;
R5は、水素、または、炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基で;
R6は、炭素原子約2〜約3個を含有するヒドロキシアルキル基であるか、次式の基団で:
R8-O-(CH2)nCO2-
式中、
R8は、炭素原子約2〜約3個を含有するアルキレン基で、nは、1または2で;
R7は、炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基で;
適切なアルキルベタインの例は、次式の化合物で:
B-N+R9R10(CH2)pCO2-
式中、
Bは、炭素数約8〜約22個、例えば約8〜約16個、を有するアルキルまたはアルケニル基で;
R9およびR10は、それぞれ独立して、炭素原子約1〜約4個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基で;
pは、1または2である。
【0036】
本発明の使用に好ましいベタインは、ラウリルベタインで、英国、West MidlandsのAlbright & Wilson,Ltdから「Empigen BB/J」として市販されている。
【0037】
適切なアミドアルキルベタインの例は、次式の化合物を含み:
D-CO-NH(CH2)q-N+R11R12(CH2)mCO2-
式中、
Dは、炭素原子約7〜約21個、例えば約7〜約15個、を有するアルキルまたはアルケニル基で;
R11およびR12は、それぞれ独立して、炭素原子約数1〜約4個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり;
qは、約2~約6の整数で;mは、1または2である。
【0038】
あるアミドアルキルベタインは、コカミドプロピルベタインで、Virginia州HopewellのGoldschmidt Chemical Corporationから「Tegobetaine L7」の登録商標で市販されている。
【0039】
適切なアミドアルキルスルタインの例は、次式の化合物で、
【化16】

式中、
Eは、炭素原子約7〜約21個、例えば約7〜約15個、を有するアルキルまたはアルケニル基で;
R14およびR15は、それぞれ独立して、炭素原子約数1〜約4個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり;
rは、約2~約6の整数で;
R13は、炭素原子約2〜約3個を含有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0040】
ある実施態様では、アミドアルキルスルタインは、コカミドプロピルヒドロキシスルタインで、New Jersey州CranburyのRhone-Poulenc Inc.から「Mirataine CBS」の登録商標で市販されている。
【0041】
適切なアンフォフォスフェート化合物の例は、次式の化合物で:
【化17】

式中、
Gは、炭素原子約7〜約21個、例えば約7〜約15個、を有するアルキルまたはアルケニル基で;
sは、約2~約6の整数で;
R16は、水素または炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基で;
R17は、炭素原子約2〜約3個を含有するヒドロキシアルキル基または次式の基団で:
R19-O-(CH2)t- CO2-
式中、
R19は、炭素原子約2〜約3個を含有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基で;
tは、1または2で;
R18は、炭素原子約2〜約3個を含有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0042】
ある実施態様では、前記アンフォフォスフェート化合物は、New Jersey州PatersonのMona Industriesから「Monateric 1023」の登録商標で市販されているラウロアンフォPG-アセテートフォスフェートナトリウムであり、また、米国特許4,380,637号に開示されている化合物である。本特許は、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0043】
適切なフォスフォベタインの例は、次式の化合物を含み:
【化18】

式中、
E、r、R1、R2およびR3は、上記のとおりである。ある実施態様では、該フォスフォベタイン化合物は、米国特許4,215,064、4,617,414および4,233,192号に開示されており、これらはすべて、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0044】
適切なピロフォスフォベタインの例は、次式の化合物を含み:
【化19】

式中、
E、r、R1、R2およびR3は、上記のとおりである。ある実施態様では、該ピロフォスフォベタイン化合物は、米国特許4,382,036、4,372,869および4,617,414号に開示されており、これらはすべて、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0045】
適切なカルボキシアルキルアルキルポリアミンの例は、次式の化合物を含み:
【化20】

式中、
Iは、炭素原子約8〜約22個、例えば、約8〜約16個を有するアルキルまたはアルケニル基で;
R22は、炭素原子約2〜約3個を有するカルボキシアルキル基で;
R21は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレン基で、
uは、約1〜約4の整数である。
【0046】
本発明での使用に適した陽イオン型界面活性剤のクラスは、アルキル四級化合物(モノ、ジまたはトリ)、ベンジル四級化合物、エステル四級化合物、エトキシル化四級化合物、アルキルアミンおよびそれらの混合物を含み、前記アルキル基は、炭素原子約6個〜約30個を有し、炭素原子約8〜約22個が好ましい。
【0047】
シリコーンなどの水に不溶性の添加剤を懸濁でき、および/または、入手した製品がコンディショニングシャンプーであると消費者に示す傾向のある様々な市販パールセントまたは乳白剤は、本発明での使用に適している。該パールセントまたは乳白剤は、前記組成物の総重量換算で、約1%〜約10%、例えば約1.5%〜約7%または約2%〜約5%の量で存在できる。適切なパールセントまたは乳白剤の例は、(a)炭素原子約16〜約22個を有する脂肪酸と(b)エチレンまたはプロピレングリコールのモノまたはジエステル;(a)炭素原子約16〜約22個を有する脂肪酸と(b)式HO-(JO)a-Hで、式中、Jが炭素原子約2〜約3個を有するアルキレン基で、aが2または3であるポリアルキレングリコールのモノまたはジエステル;炭素原子約16〜約22個を含有する脂肪アルコール;式KCOOCH2Lで、式中、KおよびLが独立して炭素原子約15〜約21個を含有する脂肪酸エステルを含むが、それらに制約されず;該シャンプー組成物に不溶性の無機固体、およびそれらの混合物を含むが、それらに制約されない。
【0048】
前記パールセントまたは乳白剤は、New Jersey州HobokenのHenkel Corporationから「Euperlan PK-3000」の登録商標で市販中のものなど、既製安定化水性分散液としてマイルドクレンジング組成物に導入できる。この材料は、ジステアリン酸グリコール(エチレングリコールとステアリン酸のジエステル)、Laureth-4(CH3(CH2)10CH2(OCH2CH2)4OH)およびコカミドプロピルベタインの配合物で、それぞれ約25〜約30:約3〜約15:約20〜約25の重量%比であることができる。
【0049】
本パーソナルクレンジング組成物に適正な粘度を付与できる様々な市販増粘剤はいずれも、本発明での使用に適している。該増粘剤は、使用する場合、該組成物のBrookfield粘度を約500〜約10,000センチポアズの数値まで上昇させるのに十分な量でシャンプー組成物中に存在する必要がある。適切な増粘剤の例は、通常、1)式HO-(CH2CH2O)zHで、式中、zが約3〜約200の整数であるポリエチレングリコールと2)炭素原子約16個〜約22個を含有する脂肪酸のモノまたはジエステル;エトキシル化ポリオールの脂肪酸エステル;脂肪酸とグリセリンのモノおよびジエステル;ヒドロキシアルキルセルロース;アルキルセルロース;ヒドロキシアルキルアルキルセルロース;およびそれらの混合物を含む。好ましい増粘剤は、ポリエチレングリコールエステル、さらに好ましくはIllinois州NorthfieldのStepan CompanyまたはイタリアBolognaのComiel, S.p.Aから「PEG 6000 DS」の登録商標で市販されているPEG-150ジステアレートを含む。
【0050】
光沢などの追加属性を毛髪に付与する揮発性シリコーンのような様々な市販の二次コンディショナーはいずれも、本発明での使用に適している。ある実施態様では、揮発性シリコーンコンディショニング剤は、大気圧で、約220℃未満の沸点を有する。該揮発性シリコーンコンディショナーは、前記組成物の総重量換算で約0%〜約3%、例えば約0.25%〜約2.5%または約0.5%〜約1.0%の量で存在できる。適切な揮発性シリコーンの例は、通常、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシクロシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、シクロメチコン液、例えばMichigan州MidlandのDow Corning社から「DC-345」の登録商標で市販されているポリジメチルシクロシロキサン、およびそれらの混合物を含み、好ましくはシクロメチコン液を含む。
【0051】
本パーソナルクレンジング組成物に保湿およびコンディショニング効果を提供できる様々な市販保湿剤はいずれも、本発明での使用に適している。該保湿剤は、前記組成物の総重量換算で約0%〜約10%、例えば約0.5%〜約5%または約0.5%〜約3%の量で存在できる。適切な保湿剤の例は、通常、1)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびそれらの混合物を含む群から選択する水溶性液体ポリオール;2)式HO-(R"O)b-Hで、式中、R"が炭素原子約2個〜約3個を有するアルキレン基で、bが約2〜約10の整数であるポリアルキレングリコール;3)式CH3-C6H10O5-(OCH2CH2)c-OHで、式中、cが約5〜約25の整数であるメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル;4)尿素;5)それらの混合物を含み、グリセリンが好ましい保湿剤である。
【0052】
適切なキレート化剤の例は、本発明の組成物を保護、防腐できる化合物である。好ましくは、キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)であり、さらに好ましくはMichigan州MidlandのDow Chemical Companyから「Versene 100XL」の登録商標で市販中のEDTA四ナトリウムであり、前記組成物の総重量換算で約0%〜約0.5%または約0.05%〜約0.25%の量で存在する。
【0053】
適切な防腐剤は、Michigan州MidlandのDow Chemical社から「Dowicil 200」の登録商標で市販中のQuaternium-15(クォータニウム-15)を含み、前記組成物の総重量換算で約0%〜約0.2%または約0.05%〜約0.10%の量で存在する。
【0054】
本発明の方法は、さらに、上記の配合工程の前、後または該配合工程と同時に、上述の任意の成分1種類以上を疎水性修飾材料および/または陰イオン型界面活性剤を含む組成物と混合または該組成物に導入する様々な工程のいずれかを含むことができる。特定の実施態様では、混合の順序は重要ではないが、他の実施態様では、特定の成分、例えば香料および非イオン型界面活性剤などを予め混合した後に、疎水性修飾材料および/または陰イオン型界面活性剤を含む組成物に前記成分を添加するのが好ましい。
【0055】
本発明によって製造する刺激軽減組成物は、好ましくはシャンプー、洗剤、浴用剤、ジェル、ローション、クリームなどのパーソナルケア製品として、または、パーソナルケア製品中で使用する。上述のように、出願人らは、予想外にも、即席法によって、皮膚および/または眼球への刺激を軽減した、望ましい発泡特性を有する前記パーソナルケア製品の配合が可能であることを発見した。
【0056】
特定の他の好ましい実施態様に従って、本発明は、陰イオン型界面活性剤と該陰イオン型界面活性剤を結合できる疎水性修飾材料を含む刺激軽減組成物を哺乳類の皮膚または毛髪に接触させる段階を含む、皮膚または毛髪の刺激軽減クレンジング法を提供する。
【0057】
哺乳類の皮膚および/または毛髪への普通の接触手段は、いずれも本発明に従って使用できる。特定の好ましい実施態様では、該接触段階は、本発明の刺激軽減組成物のヒトの皮膚および/またはヒトの毛髪への塗布を含む。
【0058】
本発明のクレンジング法は、さらに、例えば泡立て、リンス段階などを含めて、毛髪および皮膚のクレンジングに普通に関連する様々な任意の追加段階をいずれも含むことができる。
【0059】
実施の形態
以下の経上皮透過性(「TEP」)および張力測定試験を即席法および以下の実施例で使用する。特に、上述のように、TEP試験は、組成物が本発明に記載の刺激軽減組成物となる時点を決定するために使用しており、また、張力測定試験は、界面活性剤の結合に対する特定の疎水性修飾材料の適合性を決定するために使用できる。
【0060】
経上皮透過性試験(「TEP試験」)
Invittox Protocol No.86(1994年5月)に記述のInvittox Protocol No.86、「経上皮透過性(TEP)アッセイ」に従って、一定の配合物に予想される眼球および/皮膚への刺激を測定する。該プロトコルは、参照することによって本明細書に組み入れた。一般に、ある製品の眼球および/または皮膚刺激能は、該細胞層を通過するフルオレセインの漏洩について検定しながら細胞層の透過性に対する該製品の作用を決定することによって評価できる。培地またはアッセイ用緩衝液を穴下部に含有する24穴平板中の多孔質挿入物上で、単層のMadin-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞を増殖、融合させる。製品の刺激能は、該製品の希釈液に15分間曝露した後の細胞単層中の透過性バリアの損傷度を測定して評価する。バリア損傷は、分光分析で測定し、30分後に通過して穴下部に漏洩したフルオレセインナトリウム量によって検定する。フルオレセイン漏洩量を被験材料の濃度に対してプロットし、EC50(最大染料漏洩量の50%を生じる被験材料濃度、即ち、透過性バリアの50%損傷)を決定する。スコアが高いほど、配合物がよりマイルドな配合物であることを示す。
【0061】
多孔質膜上で増殖させたMDCK細胞層の被験サンプルへの曝露は、刺激物質が眼球に接触する際に起こる初回事象のモデルである。生体内では、細胞間の強固な接着の存在によって、角膜上皮最外層が選択的透過性バリアを形成する。ある刺激物質に曝露されると、その強固な接着は分離し、それによって透過性バリアが除かれる。上皮下層および支質に液体が吸収され、コラーゲン層板を分離させ、白濁を生じる。TEPアッセイは、多孔質挿入物上に増殖させたMDCK層の細胞間の強固な接着の分解に対する刺激物質の作用を測定する。細胞層および多孔質膜を通過して穴下部に漏洩するマーカー染料(フルオレセインナトリウム)量を分光分析で測定することによって損傷を評価する。
【0062】
張力測定滴定試験
界面活性剤溶液の表面張力を測定する周知の方法は、Wilhelmy平板法(Holmberg, K.;Jonsson, B.;Kronberg, B.:Lindman, B. Surfactants and Polymers in Aqueous Solutioin, Wiley & Sons, p.347)である。この方法では、平板を液体に沈め、平板への液体によって加わる下向きの力を測定する。その後、平板への力と平板の寸法に基づいて、その液体の表面張力を決定できる。次に、一定範囲の濃度での表面張力を測定することによって、臨界ミセル濃度(CMC)を決定できることも、周知である。
【0063】
Wilhelmy平板法用器具は、市販されている。以下の実施例で、一定範囲の濃度での表面張力を決定するために、プラチナWilhelmy平板によるKruss K12張力計(Kruss 米国、Mathews, NC)を使用する。本試験は、正(forward)または逆(reverse)滴定で実施できる。いずれの場合も、サンプル容器は、初期溶液を含有し、その中で、Wilhelmy平板で表面張力を測定する。次に、第二液をそのサンプル容器に投入し、攪拌した後、Wilhelmy平板で再度試験する。Kruss USAが用いた従来法に従って、滴定開始前に初めにサンプル容器中に投入された溶液を以後イニシャル溶液と呼び、これに第二液を投入するのであるが、滴定中にサンプル容器に投入する溶液を以後既知濃度(dosing)溶液と呼ぶ。
【0064】
正滴定(forward titration)では、イニシャル溶液の濃度は、既知濃度(dosing)溶液濃度よりも低い。正滴定試験中のこの実施例では、イニシャル溶液は、HLPC用水(Fischer Scientific, NJ)で、トリデセス硫酸ナトリウム無添加であった。既知濃度(dosing)溶液は、トリデセス硫酸ナトリウムおよびHLPC用水溶液で、トリデセス硫酸ナトリウム濃度は5750 mg/Lであった。予め、既知濃度(dosing)界面活性剤溶液の大量原液4Lを調製した;トリデセス硫酸名トリム(Stepan Company, Northfield, IL)をHLPC用水(Fischer Scientific, NJ)に添加し、5750 mg/Lの濃度とした。
【0065】
正滴定開始時、イニシャル溶液50mlをサンプル容器に添加した。このイニシャル溶液の表面張力を測定した後、一定容量の既知濃度(dosing)溶液をサンプル容器に添加した。該溶液を少なくとも5分間攪拌し、その後、次の表面張力測定値を得た。全サンプルのCMCを十分に上回るトリデセス硫酸ナトリウム0mg/Lから3500mg/Lまで、全滴定を実施した。この手順に従った試験操作を以後Forward Titration Tensiometry Test(正滴定張力測定試験)と呼ぶ。
【0066】
別法として、逆滴定では、イニシャル溶液濃度は既知濃度(dosing)溶液濃度よりも高い。以下の実施例の逆滴定試験中、該既知濃度(dosing)溶液は、HLPC用水(Fischer Scientific, NJ)で、界面活性剤を含まず、0mg/Lであった。全濃度配合物(例えば、表1のもの)をHLPC用水(Fischer Scientific, NJ)で希釈し、約5重量%の希釈溶液とした。次に、この5%希釈溶液をサンプル容器に添加し、イニシャル溶液とした。このイニシャル溶液の表面張力を測定した後、一定容量の既知濃度(dosing)溶液を該サンプル容器に添加した。該溶液を少なくとも5分間攪拌した後、次の表面張力測定値を得た。希釈が少なくとも0.0008%に達するまで、この既知濃度溶液投入、攪拌、その後の測定を繰り返した。この手順に従った試験操作を以後Reverse Titration tensiometry Test(逆滴定張力測定試験)と呼ぶ。
【0067】
張力測定生データから、以下の方法で、各サンプルについてCMCを決定した。最初に、例えば直線21として図2に示すように、高濃度、即ちグラフの最低値を上回り、表面張力が本質的に一定である領域に該当する濃度で、横線の方程式を前記データの一部に当てはめた。その後、例えば直線22として図2に示すように、予め導いた横線以上の表面張力を有する低濃度で、前記データに直線方程式を当てはめる。次に、これらの2つの直線/方程式23の交点をそのサンプルのCMCと定めた。
【0068】
実施例1−4:クレンジング組成物の調製
表1に挙げる材料および量に従って実施例1〜4のクレンジング組成物を調製した。
【表1】

表1の組成物を以下のとおりに調製した:
水(50.0部)をビーカーに添加した。ポリマー(実施例1のPEG 8000、実施例2のPolyox WSR 205、実施例3のCarbopol ETD 2020および実施例4のCarbopol Aqua SF1)をこの水に混合しながら添加した。そこへ、以下の成分を別個に添加し、生じる混合物が均質になるまで混合した:Tegobetaine L7V、Monateric 949J、Cedepal TD403LD、Glycerin 917、Polymer JR400、Dowicil 200およびVersene 100XL。次に、生じた溶液のpHを20%クエン酸溶液(実施例2)か20%水酸化ナトリウム溶液(実施例1、3、4)で、約6.3〜6.6の最終pHが得られるまで調整した。次に、残りの水をそこに添加した。
【0069】
クレンジング組成物のマイルドさの比較:実施例1〜4に従って調製した組成物を上記のTEP試験に従って、マイルドさについて検討した。これらの試験結果を下記の表2に示す:
【表2】

この実施例は、全材料が、等しく、クレンジング界面活性剤組成物の皮膚および眼球刺激を緩和できるわけではないことを実証している。
【0070】
実施例5〜8:張力測定滴定組成物の調製
実施例5〜9の組成物を表3に挙げる材料および量に従って調製した:
【表3】

表3の組成物を次のとおりに調製した:
HPLC用水(50.0部)をビーカーに添加した。ポリマー(実施例1のPEG 8000、実施例2のPolyox WSR 205、実施例3のCarbopol ETD 2020および実施例4のCarbopol Aqua SF1)をこの水に混合しながら添加した。次に、生じた溶液のpHを20%水酸化ナトリウム溶液で、約7.0の最終pHが得られるまで調整した。その後、残りの水をそこに添加した。
【0071】
臨界ミセル濃度値:正滴定(forward titration)張力測定実施例を使って、臨界ミセル濃度(CMC)値について、実施例5〜9に従って調製した組成物を試験した。イニシャル溶液は、実施例5〜9のいずれかの50mlであった。既知濃度(dosing)溶液は、HPLC用水中トリデセス硫酸ナトリウム5750mg/Lであった。42種類の濃度を試験し、その場合、トリデセス硫酸ナトリウム濃度をイニシャル溶液中の0mg/Lから最終測定時の3711mg/Lまで増加させた。
この試験結果を下記の表4に示す:
【表4】

【0072】
CMCは、遊離ミセルが形成し始める界面活性剤濃度(この実施例では、トリセデス硫酸ナトリウム)である。CMC未満の界面活性剤濃度では、界面活性剤は、遊離ミセルとして存在しないが、CMC以上では、遊離ミセルが溶液中に存在する。実施例5において、CMCを測定し、ポリマー無添加で、125mg/Lであると分かった。表4に示すように、Delta CMCは、実施例5の組成物(材料無添加)と関連する。実施例6の場合、PEG 8000の添加により、測定したCMCは83であり、これは、ポリマーなし、界面活性剤のみの実施例5のCMCよりも低い。
【0073】
実施例7では、溶液へのPolyox WSR 205の添加は、実施例5の材料無添加の溶液に比較して、CMCの有意でない変化を生じた。しかし、Carbopol ETD 2020の添加は、CMCへの有意な作用を示し、材料無添加でCMCを124mg/Lから169m/Lまで増加させた;これは、2番目に大きなDelta CMCである。実施例8のCarbopol SF-1は、最高CMCと最大Delta CMCを有する。
【0074】
この実施例は、特定の材料の添加が溶液中の界面活性剤のCMCを変化させ得ることを示す。該溶液中のCMCの増加は、より高い濃度で遊離ミセル形成開始が起こっていることを示唆している。実施例5では、トリデセス硫酸塩124mg/Lで遊離ミセルが形成し始めるが、実施例9では、トリデセス硫酸塩400mg/Lまで遊離ミセルは形成され始めていない。
【0075】
特定の材料(即ち、実施例8および9)の添加に伴うCMCのより高濃度への移行は、界面活性剤が該材料と結合し、それによって、遊離モノマー濃度を減少させるために起こると考えられる。該遊離モノマー濃度は、前記材料と結合する界面活性剤の量に比例して減少する。Delta CMCの大きさは、前記材料が界面活性剤と結合できる界面活性剤の量、または、界面活性剤を結合する前記材料の効率を示す。
【0076】
PEG 8000(実施例1および6)を添加すると、最低TEPスコア、最も強い刺激、最低CMCを生じた。Polyox WSR 205(実施例2および7)を添加すると、2番目に低いTEPスコアと2番目に低いCMCを生じた。Carbopol ETD 2020(実施例3および8)を添加すると、2番目に高いTEPスコアと2番目に大幅なCMCの移行を生じた。Carbopol Aqua SF-1(実施例4および9)を添加すると、最高TEPスコアとCMCの最大移行を生じた。驚くべきことに、材料の添加によって引き起こされるCMC移行幅と該組成物のマイルドさの間の関係/相関が発見された。CMCのより大幅な移行を生じる材料または材料群の添加は、組成物のマイルドさを改善する。CMCの十分な増加を引き起こす材料の添加は、刺激軽減の組成物を生じる。
【0077】
実施例9では、Carbopol Aqua SF-1の濃度は、500mg/Lで、CMCは、トリデセス硫酸ナトリウム400mg/Lであったが、SF-1を含まないトリデセス硫酸ナトリウムのCMCは、125mg/Lであった。そのため、実施例9の材料は、該材料500mg毎にトリデセス硫酸ナトリウム275mgもしくは1.0gのAqua SF-1当たり0.183gのトリデセス硫酸ナトリウムと結合した。ある材料の界面活性剤結合効率は、該材料の質量当たりのDelta CMCである。より高い効率を有する材料は、より多量の界面活性剤と結合し、より大きなDelta CMCを生じる。
【0078】
実施例10〜15:クレンジング組成物の調製
実施例10〜15のクレンジング組成物を表5に挙げる材料および量に従って調製した。
【0079】
【表5】

表5の組成物は、それぞれ個別に以下のとおりに調製した:
水(50.0部)をビーカーに添加した。実施例11〜15については、Carbopol Aqua SF-1をこの水に添加し、混合した。(実施例10の場合、この工程を省略した)その後、混合しながらAtlas G-4280をそこへ添加した。次に、実施例10〜15に関して、生じる各混合物が均質になるまで混合しながら、以下の成分を別個にそこへ添加した:Tegobetaine L7V、Cedepal TD403LD、Glycerin 917、Polymer JR400、Dowicil 200およびVersene 100XL。その後、生じた溶液のpHを20%水酸化ナトリウム溶液か20%クエン酸溶液で、約6.3〜6.6の最終pHが得られるまで調整した。残りの水をそこに添加した。
【0080】
クレンジング組成物のマイルドさの比較:次に、実施例10〜15に従って調製した組成物を、上記のTEP試験に従って試験した。表6は、各実施例の組成物のTEP値を示す:
【表6】

実施例10に示すように、Carbopol Aqua SF1無添加で、比較的大量の陰イオン型界面活性剤(有効成分6.0%)を含有する組成物は、比較的低いTEP値を記録し、それによって、刺激性ありと考えられた。しかし、実施例11で明らかなように、該組成物へのCarbopol Aqua SF1添加時、TEPスコアが改善された。実施例12〜15は、さらに、該組成物へのCarbopol Aqua SF-1添加量を増加させるにつれ、各組成物のTEP値が、概して、付随的に改善されることを示した。また、表6には、実施例10の比較可能組成物(Carbopol Aqua SF-1無添加)に対するDelta TEPスコアも表示している。
【0081】
これらの実施例は、Carbopol Aqua SF1の存在が、界面活性剤のそれへの結合によって、皮膚および眼球へのマイルドさを有意に改善し、一般に、前記のマイルドさが、コポリマー量の増加と共に改善されることを指摘していた。TEPスコア増加(68%)は、大半が、実施例10のわずか0.9%Carbopol Aqua SF-1の添加で起こる。
【0082】
クレンジング組成物の臨界ミセル濃度の比較:次に、実施例10〜15に従って調製した組成物を、臨界ミセル濃度について、上記の逆滴定張力測定試験(Reverse Titration Tensiometry Test)に従って試験した。表7に各実施例の組成物のCMC値を挙げる:
【表7】

この一連の実施例10〜15は、Carbopol Aqua SF-1量を0から6%(有効成分として0〜1.8%)に増加させるにつれ、Delta CMCがより高い数値に増加することを示している。特定の理論に拘束されるものではないが、我々は、Carbopol Aqua SF-1濃度の増加によって起こるこのDelta CMCの増加がCarbopol Aqua SF-1の界面活性剤結合能に起因すると考える。組成物に添加するCarbopol Aqua SF-1が多いほど(実施例10〜15)、より多くの界面活性剤がそれに結合する。Carbopol Aqua SF-1に結合する界面活性剤は、遊離モノマー濃度に寄与しないので、CMCはより高値に移行する。
【0083】
同様に、表6に示すように、前記組成物のマイルドさ(TEP値)は、一般に、Carbopol Aqua SF-1の濃度の増加につれて、増加する。やはり、実施例10〜15で、我々は、CMCおよびDelta CMCの増加と組成物のマイルドさの改善(TEP/Delta TEP)の間の相関を認めている。
【0084】
本発明の具体的な実施態様は以下のとおりである。
(1) 少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤を含むパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する方法であって、前記方法が、トリデセス硫酸ナトリウムを含む少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤と界面活性剤を結合できる疎水性修飾材料を配合し、刺激軽減パーソナルケア組成物を製造する工程を含む方法。
(2) 前記刺激軽減組成物が少なくとも約1のDelta TEPを有することを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(3) 前記刺激軽減組成物が少なくとも約1.2のDelta TEPを有することを特徴とする実施態様2に記載の方法。
(4) 前記刺激軽減組成物が少なくとも約1.8のDelta TEPを有することを特徴とする実施態様3に記載の方法。
(5) 前記刺激軽減組成物が少なくとも約16のDelta CMCを有することを特徴とする実施態様1に記載の方法。
【0085】
(6) 前記刺激軽減組成物が少なくとも約80のDelta CMCを有することを特徴とする実施態様5に記載の方法。
(7) 前記刺激軽減組成物が少なくとも約300のDelta CMCを有することを特徴とする実施態様6に記載の方法。
(8) 前記疎水性修飾材料を、疎水性修飾アクリル酸ポリマー、疎水性修飾セルロース化合物、疎水性修飾デンプンおよびそれらのうちの2種類以上の組み合わせから成る群から選択することを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(9) 前記疎水性修飾材料が疎水性修飾アクリル酸ポリマーを含むことを特徴とする実施態様8に記載の方法。
(10) 前記疎水性修飾アクリル酸ポリマーを、少なくとも1種類の不飽和カルボン酸モノマー;少なくとも1種類の疎水性モノマー;アルキルメルカプタン、チオエステル、アミノ酸-メルカプタン-含有化合物、ペプチド断片、またはそれらの組み合わせを含む疎水性連鎖移動剤;架橋剤;および、任意に、立体安定化剤から誘導し、前記不飽和カルボン酸モノマー量が、前記不飽和モノマーおよび前記疎水性モノマーの総重量に換算して約60重量%〜約98重量%であることを特徴とする実施態様9に記載の方法。
【0086】
(11) 前記の少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤が、さらに、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルモノグリセリルエーテル、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、スルホコハク酸アルキル、スルホコハク酸アルキルエーテル、アルキルスルホサクシナメート、スルホコハク酸アルキルアミド、カルボン酸アルキル、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、コハク酸アルキル、脂肪族アシルサルコシン、脂肪族アシルアミノ酸、脂肪族アシルタウレート、スルホ酢酸脂肪族アルキル、リン酸アルキルおよびそれらのいずれかの2種類以上の混合物から成る群から選択する少なくとも1種類の陰イオン界面活性剤を含むことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(12) 前記の刺激軽減組成物が約0.1〜約12.5%陰イオン型界面活性剤を含むことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
(13) 前記の刺激軽減組成物が約0.5〜約8.5%陰イオン型界面活性剤を含むことを特徴とする実施態様12に記載の方法。
(14) 前記の刺激軽減組成物が約1〜約8%陰イオン型界面活性剤を含むことを特徴とする実施態様13に記載の方法。
(15) 前記の刺激軽減組成物が、さらに、非イオン型、両性および陽イオン型界面活性剤、パールセント剤、乳白剤、増粘剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、香料、防腐剤およびpH調整剤から成る群から選択する1種類以上の材料を含むことを特徴とする実施態様1に記載の方法。
【0087】
(16) 少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤を含むパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する方法であって、前記方法が、トリデセス硫酸ナトリウムを含む少なくとも1種類の陰イオン界面活性剤と界面活性剤を結合できる疎水性修飾アクリル酸ポリマーを配合し、少なくとも約1.2のDelta TEPと少なくとも約80のDelta CMCを有する刺激軽減パーソナルケア組成物を製造する工程を含み、前記の刺激軽減組成物が、さらに、非イオン型、両性および陽イオン型界面活性剤、パールセント剤、乳白剤、増粘剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、香料、防腐剤およびpH調整剤およびそれらのうちの2種類以上の組み合わせから成る群から選択する少なくとも1種類の材料を含むパーソナルケア組成物の刺激軽減法。
(17) トリデセス硫酸ナトリウムを含む少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤と疎水性修飾材料を配合し、少なくとも約1.5のTEP値を有する組成物を製造する工程を含む組成物の製造法。
(18) 前記組成物が少なくとも約2.5のTEP値を有することを特徴とする実施態様17に記載の方法。
(19) 前記組成物が少なくとも約3.5のTEP値を有することを特徴とする実施態様18に記載の方法。
(20) 前記組成物が少なくとも約4のTEP値を有することを特徴とする実施態様19に記載の方法。
【0088】
(21) 前記の疎水性修飾材料を、疎水性修飾アクリル酸ポリマー、疎水性修飾セルロース化合物、疎水性修飾デンプンおよびそれらのうちの2種類以上の組み合わせから成る群から選択することを特徴とする実施態様17に記載の方法。
(22) 前記の疎水性修飾材料が疎水性修飾アクリル酸ポリマーを含むことを特徴とする実施態様17に記載の方法。
(23) 前記組成物が少なくとも約1のDelta TEPを有することを特徴とする実施態様17に記載の方法。
(24) 前記組成物が少なくとも約1.8のDelta TEPを有することを特徴とする実施態様23に記載の方法。
(25) 前記組成物が少なくとも約16のDelta CMCを有することを特徴とする実施態様24に記載の方法。
【0089】
(26) 前記組成物が少なくとも約300のDelta CMCを有することを特徴とする実施態様25に記載の方法。
(27) 実施態様1に従って製造した刺激軽減組成物を哺乳類の皮膚または毛髪に接触させる段階を含む皮膚または毛髪の刺激軽減クレンジング法。
(28) 実施態様16に従って製造した刺激軽減組成物を哺乳類の皮膚または毛髪に接触させる段階を含む皮膚または毛髪の刺激軽減クレンジング法。
(29) 実施態様17に従って製造した刺激軽減組成物を哺乳類の皮膚または毛髪に接触させる段階を含む皮膚または毛髪の刺激軽減クレンジング法。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】2種類の溶液への陰イオン界面活性剤の添加に関連する理想的張力測定データのグラフである。
【図2】本発明のある実施態様に従った組成物について算出した張力測定データおよびCMC測定値のグラフである。
【図3】本発明のある実施態様に従った組成物について算出した張力測定データおよびDelta CMC測定値のグラフである。
【符号の説明】
【0091】
10 グラフ
11 曲線
15 曲線
21 直線
22 直線
23 方程式

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤を含むパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する方法であって、前記方法が、トリデセス硫酸ナトリウムを含む少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤と界面活性剤を結合できる疎水性修飾材料を配合し、刺激軽減パーソナルケア組成物を製造する工程を含む方法。
【請求項2】
前記疎水性修飾材料を、疎水性修飾アクリル酸ポリマー、疎水性修飾セルロース化合物、疎水性修飾デンプンおよびそれらのうちの2種類以上の組み合わせから成る群から選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記疎水性修飾材料が疎水性修飾アクリル酸ポリマーを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記疎水性修飾アクリル酸ポリマーを、少なくとも1種類の不飽和カルボン酸モノマー;少なくとも1種類の疎水性モノマー;アルキルメルカプタン、チオエステル、アミノ酸-メルカプタン-含有化合物、ペプチド断片、またはそれらの組み合わせを含む疎水性連鎖移動剤;架橋剤;および、任意に、立体安定化剤から誘導し、前記不飽和カルボン酸モノマー量が、前記不飽和モノマーおよび前記疎水性モノマーの総重量に換算して約60重量%〜約98重量%であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤が、さらに、硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、硫酸アルキルモノグリセリルエーテル、スルホン酸アルキル、スルホン酸アルキルアリール、スルホコハク酸アルキル、スルホコハク酸アルキルエーテル、アルキルスルホサクシナメート、スルホコハク酸アルキルアミド、カルボン酸アルキル、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、コハク酸アルキル、脂肪族アシルサルコシン、脂肪族アシルアミノ酸、脂肪族アシルタウレート、スルホ酢酸脂肪族アルキル、リン酸アルキルおよびそれらのいずれかの2種類以上の混合物から成る群から選択する少なくとも1種類の陰イオン界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の刺激軽減組成物が、さらに、非イオン型、両性および陽イオン型界面活性剤、パールセント剤、乳白剤、増粘剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、香料、防腐剤およびpH調整剤から成る群から選択する1種類以上の材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1種類の陰イオン型界面活性剤を含むパーソナルケア組成物に伴う刺激を軽減する方法であって、前記方法が、トリデセス硫酸ナトリウムを含む少なくとも1種類の陰イオン界面活性剤と界面活性剤を結合できる疎水性修飾アクリル酸ポリマーを配合し、少なくとも約1.2のDelta TEPと少なくとも約80のDelta CMCを有する刺激軽減パーソナルケア組成物を製造する工程を含み、前記の刺激軽減組成物が、さらに、非イオン型、両性および陽イオン型界面活性剤、パールセント剤、乳白剤、増粘剤、二次コンディショナー、保湿剤、キレート化剤、着色剤、香料、防腐剤およびpH調整剤およびそれらのうちの2種類以上の組み合わせから成る群から選択する少なくとも1種類の材料を含むパーソナルケア組成物の刺激軽減法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−63078(P2006−63078A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−237673(P2005−237673)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】