説明

ヒストンデアセチラーゼ阻害剤

本開示は、式Iで表される化合物、及びそれらを調製する方法を提供する。該化合物は、ヒストンデアセチラーゼの阻害剤として作用する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般式(I)で表されるヒストンデアセチラーゼの阻害剤であるヒドロキサメート化合物に関する。より具体的には、本開示は、トリアゾールを含む化合物及びそれらを調製する方法に関する。これらの化合物は、増殖性障害、及びヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の調節不全に関与するか、それに関連するか、又はそれと関連付けられる他の疾患の治療のための薬剤として有用であり得る。
【0002】
式(I):
【化1】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Xは、存在しないか、又はシクロアルキル、−(CH−、−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH)−及び−(CH−NR−SO−(CH)−を含む群から選択され、
nは、0〜6から選択される整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Yは、存在しないか、又は−CH−、−CHCH−、−CH=CH−、C〜Cシクロアルキル(これらはそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【0003】
本開示はまた、一般式(I)で表される上記化合物を調製するプロセスを提供する。
【背景技術】
【0004】
本開示は、式(I)で表される有望な化合物、特に抗がん剤として使用することができる医薬組成物に関する。本開示による一般式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩は、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害し、かつ分化を誘導する能力を有し、悪性腫瘍、自己免疫疾患、皮膚疾患、感染症のような細胞成長に関与する疾患のための治療剤又は改良剤として有用である。
【0005】
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の分野は、開発の新局面に移行中である。過去10年間にわたって示されたヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を取り巻く研究活動の水準の指数関数的な成長は今日、病院で、特に腫瘍学の分野で成功を生み出し始めてきた。
【0006】
HDAC阻害剤は、転写活性を調節させるそれらの能力によって駆動されている。結果として、この薬効分類(therapeutic class)は、血管新生及び細胞周期を阻止し、アポトーシス及び分化を促進することが可能である。腫瘍増殖のこれらの重要な成分を標的とすることによって、HDAC阻害剤は、動きの速い抗がん剤市場において不屈の位置を占める可能性を有する。
【0007】
HDAC阻害剤はそれ自体、標的とされる抗がん活性を示すが、この種が腫瘍学においてかかる重要な役割を果たし得る主な理由は、HDAC阻害が、既存の作用物質及び他の新たに標的とされる治療の有効性を改善することが可能であるということである。過去数年間にわたって、一握りのHDAC阻害剤が病院に関わっており(have entered)、これらの候補物は比較的安全であるというのが全体的な意見である。
【0008】
がんは、世界中で死をもたらす二番目に主要な疾患である。アメリカがん学会(American cancer society)は、2007年に59万人の死亡を見積もった。主要な型は、肺がん30%、乳がん15%、結腸及び直腸がん10%、前立腺がん9%並びに膵臓がん、卵巣がん及び白血病がそれぞれ6%を占める。2020年までに毎年の新たな症例が1千6百万になると推定される。がんは、毎年7百万人の死、すなわち世界的に見て死亡全体の12.5%を引き起こしている。
【0009】
ヒストンアセチル化/脱アセチル化は、クロマチン再構築、遺伝子転写及び遺伝子発現の調節に必須である。HDAC(EC番号3.5.1)は、ε−N−アセチルリシンアミノ酸からアセチル基を除去する酵素種である。
【0010】
HDACは、それらの酵母オルソログRpd3、HdaI及びSir2に対するそれらの配列相同性に基づいてクラスI、クラスII、クラスIII及びクラスIVに分類される[非特許文献1]。
【0011】
HDACの基本的な生化学的機能は、遺伝子調節、細胞周期、血管新生、分化及びアポトーシスにおいて重要な役割を果たすヒストンタンパク質並びに多数の非ヒストン基質タンパク質のリシン残基を脱アセチル化することである[非特許文献2]。
【0012】
一般的に、ヒストンアセチル化のレベルの増加は転写活性の増加に関連付けられるのに対して、アセチル化のレベルの減少は、遺伝子発現の抑制に関連付けられる[非特許文献3]。
【0013】
HDACの異常活性及び過剰発現が、幾つかのがん細胞株で報告された[非特許文献4及び非特許文献5]。
【0014】
HDAC阻害剤は、他の抗がん薬を上回る患者に対する安全性及び有効性の両方をもたらし得る標的ベースの非細胞毒性剤として働く[非特許文献6]。
【0015】
HDAC阻害剤は、アポトーシスの有効な誘導体としてがん療法にとって有望な作用物質である。HDAC阻害剤(HDACI)の幾つかの構造種が同定されており、非特許文献7で概説されている。より具体的には、特許文献1及び特許文献2は、HDAC阻害活性を伴うアルカノイルヒドロキサメートについて報告している。現在臨床開発中のHDACIは、汎HDACI(ボリノスタット、ベリノスタット及びLBH589)及び幾らかアイソタイプ選択性の作用物質(ロミデプシン、MS−275及びMGCDO 103)を含む。CTCLの治療に関して2006年10月にFDAによるゾリンザ(ボリノスタット、SAHA)の認可を得て、また様々ながんに関して認可待ちの他のヒストンデアセチラーゼ阻害剤を用いて、このことが、クロマチン機能の変更が疾患状態の病態生理学において役割を果たし得るより広範囲の疾患状態に対するヒストンデアセチラーゼ阻害剤の研究を促すと期待される。
【0016】
今後数年間にわたって、第一世代のHDAC阻害剤が臨床上の有益性をもたらす一方で、第二世代の阻害剤は特異性を改善することができると専門家らは考えている。この種は、新たな種のがん治療として浮上する。本発明者らは、がん細胞増殖を阻害する強力なHADC阻害剤として新規のトリアゾールベースのヒドロキサム酸(hydroxymic acid)誘導体を設計した。これらの知見により、腫瘍細胞のHDACの阻害が、がんに関する選択的かつ新規の非細胞毒性療法を表すことが示唆される。
【0017】
1)特許文献3は、一般式:
【化2】

(Rは、H、ハロ又は直鎖C〜Cアルキルであり、Rは、H、C〜C10、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール等から選択され、R及びRは同じであるか若しくは異なり、独立して、H、C〜Cアルキル、アシル若しくはアシルアミノであるか、又はR及びRはそれらが結合している炭素と共に、C=O、C=S等を表すか、又はRはそれが結合している窒素と共に、及びRはそれが結合している炭素と共に、C〜Cヘテロシクロアリール、ヘテロアリール、ポリヘテロアリール、非芳香族ポリ複素環又は混合アリール及び非アリールポリ複素環を形成し、Rは、H、C〜Cアルキル等から選択され、n、n、n及びnは、同じであるか又は異なり、独立して、0〜6から選択され、各炭素は、任意にかつ独立して、R及び/又はRで置換していてもよく、X及びYは、同じであるか又は異なり、独立して、H、ハロ、C〜Cアルキル等から選択される)
の構造を有するヒストンデアセチラーゼ阻害剤としての下記の不飽和ヒドロキサメート又はその薬学的に許容可能な塩を開示している。
【0018】
2)特許文献4は、式:
【化3】

(式中、破線は、単結合又は二重結合を示し、n及びmはそれぞれ独立して、1、2又は3であり、nとmとの合計が2、3又は4であり、式中、Xは(CHであり、ここで、CHはそれぞれ独立して、C(O)、S(O)、S(O)、O又はNRで1回又は複数回、置き換えられてもよく、ここで、Rは、H、アルキル、アリール、複素環、Cj−4アルキル及びC3〜6シクロアルキルから成る群から選択され、jは、0〜6の整数であり、Rは、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル及びアリールから成る群から選択され、ここでシクロアルキル及びアリールは更に、独立して、アリール、複素環、C1〜4アルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ピロリジニル又はCFで1回又は複数回、置換されてもよい)
で表されるヒストンデアセチラーゼ阻害剤化合物(その薬学的に許容可能な塩を含む)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開第98/55449号
【特許文献2】米国特許第5,369,108号
【特許文献3】国際公開第02/22577号
【特許文献4】国際公開第2008076954号
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】A.J. de Ruijter, Biochem. J. 370, 737-749(2003)
【非特許文献2】Adam G. Inche Drug Discov Today. 11, 97-109(2006)
【非特許文献3】Wade P.A. Hum. Mol. Genet. 10, 693-698(2001)
【非特許文献4】J H Choi J H Jpn J Cancer Res 92, 1300-4(2001)
【非特許文献5】Samir K. Patra Biochem Biophys Res Commun. 287, 705-13(2001)
【非特許文献6】M A Glozak, Oncogene 26, 5420-5432(2007)
【非特許文献7】Marks, P.A. et al., J. Natl. Cancer Inst., 92(2000), 1210-1215
【発明の概要】
【0021】
したがって、本開示は、式(I):
【化4】

(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、Xは、存在しないか、又はシクロアルキル、−(CH−、−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH)−及び−(CH−NR−SO−(CH)−を含む群から選択され、nは、0〜6から選択される整数であり、R及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、Yは、存在しないか、又は−CH−、−CHCH−、−CH=CH−、C〜Cシクロアルキル(これらはそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ;式II:
【化5】

(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換され得る)を含む群から選択され、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、nは、1に等しい整数であり、Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)で表される化合物を調製するプロセスであって、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−ベンゼンをアミンへ変換すること、ヨウ化銅の存在下で、該アミンを4−アジドメチル−安息香酸メチルエステルとカップリングさせることであって、トリアゾール化合物を得る、カップリングさせること、及び該トリアゾール化合物を塩基と反応させることであって、式IIで表される化合物を得る、反応させることを含む、化合物を調製するプロセス;結合剤、崩壊剤、希釈剤、潤滑剤、可塑剤、浸透促進剤及び可溶化剤を含む群から選択される薬学的に許容可能な添加剤(複数も可)と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物;ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法であって、式(I)で表される化合物、又は式(I)で表される化合物のプロドラッグ、又は任意に薬学的に許容可能な添加剤と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物と、HDACを接触させることを含む、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法;並びにHDAC阻害により疾患を治療する方法であって、生物学的に好適な量の式(I)で表される化合物、式(I)で表される化合物のプロドラッグ、任意に薬学的に許容可能な添加剤(複数も可)と共に式(I)を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体へ投与することを含む、HDAC阻害により疾患を治療する方法を提供する。
【0022】
本開示を容易に理解し、かつ実際の効果に当てはめる(put into)ことができるように、ここでは、添付の図面を参照して説明されるような例示的な実施形態について言及する。以下の詳細な説明と共に図面は、本明細書中に組み込まれかつ本明細書の一部をなし、本開示による実施形態を更に説明しかつ様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】雄Balb/cマウスにおける実施例13及びSAHAの経口薬物動態を示す図である。
【図2】ヌードマウス中のA549異種移植片における腫瘍成長阻害に対する化合物の影響を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、式(I):
【化6】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Xは、存在しないか、又はシクロアルキル、−(CH−、−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH)−及び−(CH−NR−SO−(CH)−を含む群から選択され、
nは、0〜6から選択される整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Yは、存在しないか、又は−CH−、−CHCH−、−CH=CH−、C〜Cシクロアルキル(これらはそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグに関する。
【0025】
本開示の別の実施形態では、一般式(II):
【化7】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【0026】
本開示の更に別の実施形態では、一般式(III):
【化8】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【0027】
本開示の更に別の実施形態では、一般式(IV):
【化9】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【0028】
本開示の更に別の実施形態では、一般式(V):
【化10】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【0029】
本開示の更に別の実施形態では、一般式(VI):
【化11】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換され得る)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【0030】
本開示は、式II:
【化12】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換され得る)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
で表される化合物を調製するプロセスであって、
a)1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−ベンゼンをアミンへ変換すること、
b)ヨウ化銅の存在下で、該アミンを4−アジドメチル−安息香酸メチルエステルとカップリングさせることであって、トリアゾール化合物を得る、カップリングさせること、及び
c)好適な塩基の存在下で、該トリアゾール化合物をヒドロキシルアミンと反応させることであって、式IIで表される化合物を得る、反応させること
を含む、化合物を調製するプロセスにも関する。
【0031】
本開示の更に別の実施形態では、塩基が、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びn−ブチルリチウムを含む群、好ましくはナトリウムメトキシドから選択される。
【0032】
本開示は、結合剤、崩壊剤、希釈剤、潤滑剤、可塑剤、浸透促進剤及び可溶化剤を含む群から選択される薬学的に許容可能な添加剤(複数も可)と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0033】
本開示の更に別の実施形態では、式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物、式(V)で表される化合物、及び式(VI)で表される化合物を含む群から選択される。
【0034】
本開示の更に別の実施形態では、上記組成物が、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液、エアロゾル及び懸濁液を含む群から選択される形態である。
【0035】
本開示は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法であって、式(I)で表される化合物、又は式(I)で表される化合物のプロドラッグ、又は任意に薬学的に許容可能な添加剤と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物と、HDACを接触させることを含む、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法にも関する。
【0036】
本開示は、HDAC阻害により疾患を治療する方法であって、生物学的に好適な量の式(I)で表される化合物、式(I)で表される化合物のプロドラッグ、任意に薬学的に許容可能な添加剤(複数も可)と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体へ投与することを含む、HDAC阻害により疾患を治療する方法にも関する。
【0037】
本開示の更に別の実施形態では、式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物、式(V)で表される化合物、及び式(VI)で表される化合物を含む群から選択される。
【0038】
本開示の更に別の実施形態では、被験体が、人間を含む動物である。
【0039】
ここで、本開示の実施形態に関してより詳細に言及され、その1つ又は複数の実施例が以下で記載される。実施例はそれぞれ、本開示の説明の目的で提供されるものであり、本開示を限定するものではない。実際に、本開示の範囲又は精神を逸脱することなく、本開示において、様々な修正及び変更が成され得ることは、当業者に明らかである。例えば、一実施形態の一部として説明又は記載される特徴は、更なる実施形態をもたらすために別の実施形態で使用することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に納まるようなかかる修正及び変更を含むと意図される。本開示の他の目的、特徴及び態様は、以下の詳細な説明で開示されるか、又は以下の詳細な説明から明らかである。本論述は、単に例示的な実施形態の説明であり、本開示のより広範囲の態様を限定するものと意図されないことが、当業者に理解されよう。
【0040】
略記及び定義
「アルキル」という用語は、特定数の炭素原子を有する分岐状及び直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含すると意図される。本開示の例示的なアルキル基は、1個〜10個の炭素原子を有する。分岐状は、線状アルキル鎖に結合したメチル、エチル又はプロピルのような低級アルキル基を意味する。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル及びt−ブチルが挙げられる。
【0041】
「シクロアルキル」基という用語は、単環式、二環式又は多環式であり得る環状アルキル基を指す。例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。別記されない限り、シクロアルキル基は通常、3個〜約10個の炭素原子を有する。典型的な架橋シクロアルキルとしては、アダマンチル、ノルアダマンチル、ビシクロ[1.1.0]ブタニル、ノルボラニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルナジエニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプタジエニル)、トリクロロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタジエニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、ビシクロ[2.2.2]オクタジエニル、ビシクロ[5.2.0]ノナニル、ビシクロ[4.3.2]ウンデカニル、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「シクロアルキルアルキル」基という用語は、単環式又は多環式であり得る(C〜C10)シクロアルキル−(C〜C10)アルキル基である。例示的なシクロアルキルアルキル基としては、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクルブロピルプロピル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチル、シクロオクチルメチル、シクロオクチルエチル、シクロオクチルプロピル、ビシクロ[3.2.1]オクタニルメチル、ビシクロ[3.2.1]オクタニルメチル、ビシクロ[3.2.1]オクタジエニルメチル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルメチル等が挙げられる。
【0043】
「ヘテロシクリル」という用語は、O、S又はNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する、約5個〜約10個の炭素原子を有する非芳香族の飽和単環式又は多環式環系である。例示的なヘテロシクリル基としては、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル等が挙げられる。
【0044】
「アルキルアミノアルキル」という用語は、下記の代表例等として定義される:
【化13】

【0045】
「アルコキシ」という用語は、炭素原子の鎖を意味すると意図され、「アルキル−O−」として定義され、ここでアルキル基は上記で定義される通りである。本明細書中で記載され、かつ特許請求されるアルコキシ基の炭素原子の鎖は飽和されており、直鎖又は分岐状であってもよい。非限定的な例では、「C〜Cアルコキシ」は、1個〜4個の炭素原子を有する炭素鎖を有するアルコキシ基(直鎖又は分岐状を含む)を意味する。例示的なC〜Cアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
【0046】
本明細書中で使用される場合、「アリール」という用語は、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは約6個〜約10個の炭素原子を含む芳香族若しくは部分的に芳香族の単環式又は多環式環系を意味する。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフチル及びインダニルが挙げられる。
【0047】
「アリールアルキル」という用語は、アリール−(C〜C10)アルキル基であり、ここでアリール基及び(C〜C10)アルキル基は記で定義される通りである。例示的なアリールアルキル基としては、ベンジル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、プロピル−2−フェニルエチル等が挙げられる。
【0048】
「ヘテロアリール」という用語は、約5個〜約14個の環原子、好ましくは約5個〜約10個の環原子を含む芳香族の単環式又は多環式環系を意味し、ここで該環原子の1つ又は複数は、炭素以外の元素、例えば窒素、酸素又は硫黄(単独で又は組み合わせて)である。ヘテロアリール語基(root)名称の前の接頭辞のアザ、オキサ又はチアは、それぞれ少なくとも1つの窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−オキシドへと任意に酸化され得る。適切なヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、チアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル等が挙げられる。
【0049】
本明細書中で使用する場合、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール−(C〜C10)アルキル基であり、ここでヘテロアリール基及び(C〜C10)アルキル基は上記で定義される通りである。例示的なヘテロアリールアルキル基としては、メチルピリジン等が挙げられる。
【0050】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を意味する。
【0051】
「任意に置換される」という用語は、置換が任意であり、したがって、指定された原子又は分子が無置換である可能性がある。置換が望ましい事象では、かかる置換は、指定された原子上の任意数の水素が、指示された基からの選択されたもので置き換えられることを意味するが、但し、指定された原子の正常な原子価を超過せず、置換が、安定な化合物をもたらすものとする。
【0052】
薬学的に許容可能な塩としては、塩基付加塩、例えば、Li塩、Na塩及びK塩のようなアルカリ金属塩;Ca及びMgのようなアルカリ土類金属塩;リシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、α−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、コリン等のような有機塩基の塩、アンモニウム又は置換アンモニウム塩、アルミニウム塩が挙げられる。また、塩としてはグリシン、アラニン、シスチン、システイン、リシン、アルギニン、フェニルアラニン、グアニジン等のようなアミノ酸塩が挙げられる。塩には、適切である場合には酸付加塩が含まれることもあり、酸付加塩は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン化水素塩、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルミチン酸塩(palmoates)、メタスルホン酸塩、トシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩等である。薬学的に許容可能な溶媒和物は、水和物であり得るか、又はアルコールのような他の結晶化溶媒を含み得る。
【0053】
類縁体という用語は、1つ又は複数のC原子、N原子、O原子又はS原子が親構造と異なる化合物を包含する。したがって、親構造中のN原子の1つがS原子で置き換えられている化合物は、親化合物の類縁体である。
【0054】
立体異性体という用語は、原子が空間中に配置される様式が互いに異なるが、それ以外のその化学式及び構造が同一である異性体を包含する。立体異性体としては、エナンチオマー及びジアステレオ異性体が挙げられる。
【0055】
互変異性体という用語は、平衡状態にある容易に相互変換可能な立体異性形態の化合物を包含する。エノール−ケト互変異性がその例である。
【0056】
多型という用語は、化学的に同一の構造を有する結晶学的に異なった形態の化合物を包含する。
【0057】
薬学的に許容可能な溶媒和物という用語は、溶質化合物の分子又はイオンとの溶媒分子の組合せを包含する。誘導体という用語は、1つ又は複数の官能基を変換する簡素な化学プロセスによって、例えば酸化、水素化、アルキル化、エステル化、ハロゲン化等によって、式(I)で表される化合物、その類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、水和物、薬学的に許容可能な塩又は薬学的に許容可能な溶媒和物から得られる化合物を指す。用語は一度記載されれば、本特許全体にわたって、それに関しては同じ意味が適用される。
【0058】
略語一覧
mg−ミリグラム
μg−マイクログラム
ng−ナノグラム
mL−ミリリットル
μL−マイクロリットル
mM−ミリモル
μΜ−マイクロモル
nM−ナノモル
m/z−質量/電荷比
amu−原子質量単位
msec−ミリ秒
h−時間
b.w.−体重
v/v−体積比
CC−検量線
LLOQ−定量の下限
ULLOQ−定量の上限
NaEDTA−エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
LC−MS/MS−タンデム質量分析検出を伴う液体クロマトグラフィ
MRM−多重反応モニタリング
IS−内部標準
r−相関係数
QC−品質管理サンプル
%CV−変動係数パーセント
STDV−標準偏差
PK−薬物動態
max−最大濃度
max−最大時間
AUC0tot−0〜時間までの曲線下面積
AUC0toinf−0〜無限大までの曲線下面積
AUClast−0〜最後までの曲線下面積
AUCextrap−外挿した曲線下面積
1/2−半減期
CL−クリアランス
Vd−分布容積
MRT−平均保持時間
AURC last−0〜最後までの回復濃度下面積
SAHA−ヒドロキサム酸サブエロイルアニリド
HDAC−ヒストンデアセチラーゼ。
【0059】
本開示は、式(I):
【化14】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Xは、存在しないか、又はシクロアルキル、−(CH−、−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH)−及び−(CH−NR−SO−(CH)−を含む群から選択され、
nは、0〜6から選択される整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Yは、存在しないか、又は−CH−、−CHCH−、−CH=CH−、C〜Cシクロアルキル(これらはそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグを提供する。
【0060】
本開示は、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体であって、一般式(II):
【化15】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
の構造を有する、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグを提供する。
【0061】
本開示は、一般式(I)で表される化合物であって、一般式(III):
【化16】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
の構造を有する、一般式(I)で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグを提供する。
【0062】
本開示は、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体であって、一般式(IV):
【化17】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
の構造を有する、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグを提供する。
【0063】
本開示は、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体であって、一般式(V):
【化18】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択される)
の構造を有する、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグを提供する。
【0064】
本開示は、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体であって、式(VI):
【化19】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換され得る)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
の構造を有する、一般式(I)で表されるトリアゾール誘導体、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグを提供する。
【0065】
代表的な化合物は以下を含むが、それに限定されない:
1. N−ヒドロキシ−4−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ベンズアミド
2. 4−[4−(4−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
3. 4−[4−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
4. N−ヒドロキシ−4−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ベンズアミド
5. 4−(4−ビフェニル−4−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
6. N−ヒドロキシ−4−[4−(4−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−ベンズアミド
7. N−ヒドロキシ−4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−ベンズアミド
8. N−ヒドロキシ−4−[4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−ベンズアミド
9. 4−[4−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
10. (E)−3−{3−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド
11. 4−{4−[4−(2−ジエチルアミノ−エチル)−フェニル]−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル}−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
12. N−ヒドロキシ−4−{4−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−フェニル]−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル}−ベンズアミド
13. 4−[4−(4−ジエチルアミノメチル−2−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
14. 4−[4−(2−フルオロ−4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
15. 4−[4−(2−フルオロ−4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
16. (E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミド
17. N−ヒドロキシ−3−[3−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミド
18. N−ヒドロキシ−3−{4−[4−(4−ヒドロキシメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミド
19. N−ヒドロキシ−3−{3−[4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミド塩酸塩
20. N−ヒドロキシ−3−{3−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミド塩酸塩
21. 3−{3−[4−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド塩酸塩
22. (E)−3−{3−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド
23. (E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミド
24. N−ヒドロキシ−3−[3−(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミド
25. N−ヒドロキシ−3−{3−[4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミド塩酸塩
26. N−ヒドロキシ−3−{3−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミド塩酸塩
27. 3−{3−[4−(4−ジメチルアミノメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド塩酸塩
28. 4−{[4−(4−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ]−メチル}−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
29. 4−{[4−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ]−メチル}−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
30. N−ヒドロキシ−4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−ベンズアミド
31. 4−{[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ]−メチル}−N−ヒドロキシ−ベンズアミド
32. N−ヒドロキシ−4−{[4−(4−メトキシ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ]−メチル}−ベンズアミド
33. N−ヒドロキシ−4−[(4−ピリジン−3−イル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−ベンズアミド
34. N−ヒドロキシ−3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリルアミド
35. 3−(3−{[4−(2−フルオロ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ]−メチル}−フェニル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド
【0066】
本開示は、以下に示される実施例によって提供され、これらは、単なる説明の目的で提供されており、本開示の範囲を限定するものとはみなさないものとする。当業者にとって明瞭である変更及び変化は、添付の特許請求の範囲中で規定される本開示の範囲及び性質内であると意図される。
【実施例】
【0067】
中間体の調製:
調製例(a):1−エチニル−4−メトキシ−ベンゼンの調製
【化20】

【0068】
工程1
4−メトキシ−ベンズアルデヒド(4.0g、29.0mmol)のジクロロメタン溶液(100mL)に、四臭化炭素(19.4g、58.8mmol)及びトリフェニルホスフィン(15.75g、58.8mmol)を0℃で少しずつ添加した。反応混合物を2時間かけて25℃で撹拌した。得られた混合物をn−ヘキサン(200mL)で希釈して、沈殿物としてトリフェニルホスフィンオキシドを得た。沈殿物を濾過して、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、オフホワイト色固体として1−(2,2−ジブロモ−ビニル)−4−メトキシ−ベンゼンを得た(7.0g、82.0%)。
【0069】
工程2
1−(2,2−ジブロモ−ビニル)−4−メトキシ−ベンゼン(4.0g、31.7mmol)の乾燥THF溶液に、n−ブチルリチウム(1.05g、16.5mmol)を−78℃で5分かけて添加した。反応混合物を同じ温度で60分かけて撹拌した。次に、得られた混合物を、−78℃で飽和塩化アンモニウムでクエンチして、THFを減圧下で蒸発させて、粗製混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した。酢酸エチル層を水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、明黄色油状物質として粗製1−エチニル−4−メトキシ−ベンゼンを得た(1.2g、66%)。
【0070】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成した:
【0071】
【表1】

【0072】
調製例(h):4−(4−エチニルーベンジル)−モルホリンの調製
【化21】

【0073】
工程1:4−ブロモベンズアルデヒド(10.0g、54.04mmol)のジイソプロピルアミン溶液(600mL)に、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)(380mg、0.54mmol)及びCuI(205mg、1.08mmol)を添加した。反応混合物を20分間脱気した。次に、反応混合物を氷冷温度まで冷却して、トリメチルシリルアセタミド(11.2mL、81.06mmol)を同じ温度で30分間、滴下して、それを3時間かけて還流させた。ジイソプロピルアミンを減圧下で蒸発させて、残渣を酢酸エチル(1000mL)で希釈した。酢酸エチル層を1N 塩酸(2×100mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×100mL)及び水(2×200mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、無色固体として4−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒドを得た(8.5g、80%)。
【0074】
工程2:4−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒド(4.0g、19.7mmol)のメタノール溶液(50mL)に、KCO(275mg、1.97mmol)を25℃で添加した。反応混合物を同じ温度で60分かけて撹拌した。メタノールを35℃で半分の容量まで蒸発させて、それを酢酸エチル(500mL)で希釈した。有機層を水(2×100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、明黄色固体として4−エチニルーベンズアルデヒドを得た(1.8g、72%)。
【0075】
工程3:4−エチニル−ベンズアルデヒド(1.8g、13.8mmol)のメタノール溶液(40mL)に、NaBH(1.04g、27.1mmol)を0℃で5分かけて添加した。反応混合物を25℃で60分かけて撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチして、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製生成物を酢酸エチル(200mL)で希釈して、水(2×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、明黄色油状物質として(4−エチニル−フェニル)−メタノールを得た(1.1g、61%)。
【0076】
工程4:(4−エチニル−フェニル)−メタノール(1.6g、12.1mmol)のジクロロメタン溶液(40mL)に、トリエチルアミン(5.05mL、36.3mmol)、続いて塩化メタンスルホニルを0℃で添加した。反応混合物を25℃で12時間かけて撹拌した。得られた反応混合物をジクロロメタン(60mL)で希釈して、水(2×50mL)、飽和鹹水(1×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、赤みを帯びた粘性油状物質としてメタンスルホン酸4−エチニル−ベンジルエステルを得た(2.3g、90.5%)。
【0077】
工程5:メタンスルホン酸4−エチニル−ベンジルエステル(2.3g、10.9mmol)のジクロロメタン溶液(40mL)に、トリエチルアミン(3.03mL、21.1mmol)、続いてモルホリン(2.36mL、27.3mmol)を氷冷温度で添加した。反応混合物を25℃で12時間かけて撹拌した。得られた反応混合物をジクロロメタン(500mL)で希釈して、水(3×100mL)、鹹水(1×100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、明黄色固体として4−(4−エチニル−ベンジル)−モルホリン(2.0g、91%)を得た。
【0078】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):2.31〜2.34(m,4H)、3.46(s,1H)、3.54〜3.57(m,4H)、4.14(s,1H)、7.31(d,J=7.8Hz,2H)、7.43(d,J=8.1Hz,2H)。
【0079】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成した:
【0080】
【表2】

【0081】
調製例(k):ジエチル−(4−エチニル−2−フルオロ−ベンジル)−アミンの調製
【化22】

【0082】
工程1:1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−ベンゼン(20.0g、0.10mol)の1:1比のピリジン:水溶液(200mL)に、過マンガン酸カリウム(66.0g、0.42mmol)を90℃で少しずつ添加して、反応混合物を90℃で3時間かけて撹拌した。得られた反応混合物を室温に到達させて、セライトパッドに通して濾過した。セライトパッドを3N 水酸化ナトリウム(500mL)及び水(400mL)で洗浄した。エタノールを減圧下で除去して、残渣を6N 塩酸で酸性化して(pH=2)、白色沈殿物を得た。得られた沈殿物を濾過して、乾燥させて、白色固体として4−ブロモ−3−フルオロ−安息香酸を得た(17.0g、73%)。
【0083】
工程2:水素化ホウ素ナトリウム(10.4g、0.27mol)のテトラヒドロフラン懸濁液(200mL)に、三フッ化ホウ素エーテラート(44.3mL、0.36mol)、続いて4−ブロモ−3−フルオロ−安息香酸(10.0g、0.04mol)のTHF溶液(200mL)を氷冷温度で添加した。混合物を室温で2時間かけて撹拌した。得られた反応混合物をメタノールでクエンチして、メタノールを減圧下で除去した。メタノールの蒸発時に得られた残渣を酢酸エチル(1.0L)で希釈して、水(700mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮して、オフホワイト色固体として(4−ブロモ−3−フルオロ−フェニル)−メタノールを得た(7.9g、84%)。
【0084】
工程3:(4−ブロモ−3−フルオロ−フェニル)−メタノール(7.9g、38.5mmol)のジクロロメタン溶液(160.0mL)に、酢酸ナトリウム(940mg、11.5mmol)、続いてクロロクロム酸ピリジニウム(10.8g、50.0mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で光防護下にて2時間かけて撹拌した。得られた反応混合物を酢酸エチル(1.0L)で希釈して、セライトパッドに通して濾過した。得られた濾液を重炭酸水素ナトリウム水溶液(600mL)、水(600mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒の蒸発時に得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、白色固体として4−ブロモ−2−フルオロ−ベンズアルデヒドを得た(5.0g、63%)。
【0085】
工程4:4−ブロモ−2−フルオロ−ベンズアルデヒド(18.0g、89.5mmol)のジイソプロピルアミン溶液(360mL)に、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)(3.1g、4.4mmol)及びCuI(1.79g、8.9mmol)を添加した。反応混合物を20分間脱気した。次に、反応混合物を氷冷温度まで冷却して、トリメチルシリルアセタミド(13.1g、134.4mmol)を同じ温度で60分間滴下して、それを3時間かけて還流させた。反応混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈して、セライトパッドに通して濾過した。揮発性物質の蒸発時に得られた粗製生成物を再び酢酸エチル(1.5L)で希釈した。酢酸エチル層を水(3×800mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、淡黄色固体として2−フルオロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒドを得た(13.0g、68%)。
【0086】
工程5:2−フルオロ−4−トリメチルシラニルエチニル−ベンズアルデヒド(13.0g、59.3mmol)のメタノール溶液(100mL)に、KCO(492mg、3.5mmol)を25℃で添加した。反応混合物を同じ温度で60分かけて撹拌した。メタノールを半分の容量まで35℃で蒸発させて、それを酢酸エチル(500mL)で希釈した。有機層を水(2×100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、明黄色固体として4−エチニル−2−フルオロ−ベンズアルデヒドを得た(6.5g、81%)。
【0087】
工程6:4−エチニル−2−フルオロ−ベンズアルデヒド(6.5g、47.7mmol)のイソプロピルアルコール溶液(60mL)に、NaBH(1.62g、43.0mmol)を氷冷温度で10分かけて添加した。反応混合物を25℃で60分かけて撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチして、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製生成物を酢酸エチル(200mL)で希釈して、水(2×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、明黄色固体として(4−エチニル−2−フルオロ−フェニル)−メタノールを得た(4.0g、56%)。
【0088】
工程7:(4−エチニル−2−フルオロ−フェニル)−メタノール(4.0g、26.8mmol)のジクロロメタン溶液(40mL)に、ピリジン(5.4mL、67.1mmol)、続いてメタンスルホン酸無水物を氷冷温度で添加した。反応混合物を25℃で2時間かけて撹拌した。得られた反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈して、水(2×50mL)、飽和鹹水(50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、赤みを帯びた粘性油状物質としてメタンスルホン酸4−エチニル−2−フルオロ−ベンジルエステルを得た(4.0g、90.5%)。
【0089】
工程8:メタンスルホン酸4−エチニル−2−フルオロ−ベンジルエステル(1.2g、5.0mmol)のアセトニトリル溶液(12mL)に、トリエチルアミン(1.4mL、12.0mmol)、続いてジエチルアミン(1.3mL、13.0mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で1時間かけて撹拌した。得られた反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈して、水(3×100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、黄色油状物質としてジエチル−(4−エチニル−2−フルオロ−ベンジル)−アミンを得た(830mg、83%)。
【0090】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):0.96(t,J=7.2Hz,6H)、2.41〜2.50(m,4H)、3.54(s,2H)、4.43(s,1H)、7.16〜7.23(m,2H)、7.48(t,J=7.5Hz,1H)。
【0091】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成した:
【0092】
【表3】

【0093】
スキームI−式IIで表される化合物の調製
【化23】

【0094】
実施例1:4−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミドの合成
【化24】

【0095】
工程1:4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステルの調製
【化25】

4−ブロモメチル−安息香酸(10g、46mmol)のメタノール溶液(80mL)に、塩化チオニル(13.7mL、186mmol)を25℃で添加して、反応混合物を同じ温度で12時間かけて撹拌した。次に、溶媒を減圧下で蒸発させて、黄色油状物質として4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステルを得た(9.6g、93.2%)。
【0096】
工程2:4−アジドメチル−安息香酸メチルエステルの調製
【化26】

4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(6.0g、28.0mmol)のDMF溶液(60mL)に、アジ化ナトリウム(3.6g、56.7mmol)を25℃で添加した。反応混合物を80℃で3時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、無色固体として4−アジドメチル−安息香酸メチルエステルを得た(3.5g、64%)。
【0097】
工程3:4−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−安息香酸メチルエステルの調製。
【化27】

4−アジドメチル−安息香酸メチルエステル(300mg、14.3mmol)のDMF溶液(6.0mL)に、ヨウ化銅(138mg、7.1mmol)、触媒量の(cat.)アスコルビン酸ナトリウム、N−エチルジイソプロピルアミン(0.48mL、29.0mmol)及び(4−エチニル−フェニル)−ジメチル−アミン(227mg、15.7mmol)を25℃で添加した。反応混合物を同じ温度で12時間かけて撹拌した。次に、得られた混合物をアンモニア水でクエンチして、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をカラムクロマトグラフィにより精製して、無色固体として4−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−安息香酸メチルエステルを得た(200mg、41.92%)。
【0098】
工程4:4−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミドの調製。
【化28】

ヒドロキシルアミン塩酸塩(3.1g、450mmol)のメタノール懸濁液(30mL)に、ナトリウムメトキシド(3.6g、670mmol)を氷冷温度で添加して、懸濁液を氷冷温度で30分かけて撹拌した。上記懸濁液に、4−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−安息香酸メチルエステル(1.5g、4.5mmol)のメタノール:ジクロロメタン溶液(4:1、10mL)を−20℃で滴下した。反応混合物を25℃に到達させて、同じ温度で3時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸で酸性化して、溶媒を減圧下で除去して、無色の粗製固体を得た。粗製固体をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、オフホワイト色固体として4−[4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−N−ヒドロキシ−ベンズアミドを得た(380mg、25%)。
【0099】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):2.92(s,6H)、5.65(s,2H)、6.76(d,J=8.7Hz,2H)、7.38(d,J=7.8Hz,2H)、7.64(d,J=8.7Hz,2H)、7.75(d,J=7.8Hz,2H)、8.43(s,1H)。
LCMS(ESI)m/z:338([M+H])。
【0100】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成した:
【0101】
【表4】

【表5】

【表6】

【0102】
スキームII−式IIIで表される化合物の調製
【化29】

【0103】
実施例16:N−ヒドロキシ−3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミドの合成
【化30】

【0104】
工程1:4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸の調製
【化31】

4−アミノメチル−安息香酸(5.0g、33.1mmol)の1,4−ジオキサン溶液(60.0mL)に、1M 水酸化ナトリウム(30mL)、BOC−無水物(6.8mL、29.8mmol)を氷冷温度で滴下して、それを同じ温度で60分かけて撹拌した。得られた混合物を1.5N 塩酸で酸性化して(pH=5.0)、酢酸エチル(3×100mL)で抽出して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発性物質を減圧下で蒸発させて、無色固体として4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸を得た(5.0g、60%)。
【0105】
工程2:(4−ヒドロキシメチル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
【化32】

4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸(5.0g、19.7mmol)の乾燥THF溶液(50mL)に、BMS(6.4mL、78.9mmol)を氷冷温度で添加して、それを25℃で12時間かけて撹拌した。得られた反応混合物を水でクエンチして、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製塊(mass)を得た。粗製塊を酢酸エチル(500mL)で希釈して、水(2×150mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をカラムクロマトグラフィにより精製して、オフホワイト色固体として(4−ヒドロキシメチル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た(2.5g、53%)。
【0106】
工程3:(4−ホルミル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
【化33】

(4−ヒドロキシメチル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.5g、18.2mmol)のジクロロメタン溶液(45ml)に、PCC(4.07g、18.2mmol)、酢酸ナトリウム(0.26g、3.2mmol)を添加して、混合物を25℃で60分かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈して、それを30分間撹拌した。次に、反応混合物をブフナー漏斗に通して濾過して、濾液を水(2×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、淡黄色固体として(4−ホルミル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た(3.0g、70%)。
【0107】
工程4:3−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルの調製
【化34】

ホスフィノ酢酸トリメチル(trimethyl phosphino acetate)(4.64mL、23.5mmol)の乾燥DMF溶液(20mL)に、カリウムtert−ブトキシド(2.14g、19.13mmol)を0℃で添加して、混合物を同じ温度で15分かけて撹拌した。上記混合物に、(4−ホルミル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.0g、12.75mmol)のDMF溶液(10mL)を氷冷温度で滴下した。反応混合物を氷冷温度で45分かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をカラムクロマトグラフィにより精製して、無色固体として3−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルを得た(1.5g、40%)。
【0108】
工程5:3−(4−アミノメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルのトリフルオロ酢酸塩の調製
【化35】

3−[4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステル(1.5g、5.14mmol)のジクロロメタン溶液(5.2mL)に、トリフルオロ酢酸(5.2mL)を氷冷温度で滴下した。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をエーテルで洗浄して、無色固体として3−(4−アミノメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルのトリフルオロ酢酸塩を得た(0.6g、61%)。
【0109】
工程6:3−(4−アジドメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルの調製
【化36】

3−(4−アミノメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルのトリフルオロ酢酸塩(1.5g、5.2mmol)のメタノール溶液(50mL)に、KCO(2.3g、11.5mmol)、イミダゾールスルホニルアジド塩酸塩(1.97g、9.4mmol)、CuSO・5HO(90mg)を添加して、混合物を25℃で2時間かけて撹拌した。メタノールの蒸発時に得られた残渣を酢酸エチル(200mL)で希釈して、1.5N HCl(2×50mL)、水(2×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、黄色固体として3−(4−アジドメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステルを得た(0.9g、56%)。
【0110】
工程7:3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリル酸メチルエステルの調製
【化37】

1−(4−エチニル−ベンジル)−ピロリジン(0.6g、3.2mmol)のDMF溶液(2mL)に、ヒューニッヒ塩基(1.6mL、9.7mmol)、3−(4−アジドメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル(0.7g、3.2mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.3g、1.6mmol)及びCuI(0.3g、1.6mmol)を添加して、反応混合物を25℃で4時間かけて撹拌した。得られた混合物をアンモニア(2mL)でクエンチして、クロロホルム(200mL)で希釈して、水(3×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をエーテルで洗浄して、オフホワイト色固体として3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリル酸メチルエステルを得た(0.6g、46%)。
【0111】
工程8:3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリル酸の調製
【化38】

3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリル酸メチルエステルのメタノール:水懸濁液(20:3mL)に、NaOH(0.7g、17.9mmol)を25℃で添加して、混合物を同じ温度で12時間かけて撹拌した。メタノールを減圧下で蒸発させて、反応塊を中和して、再び揮発性物質を減圧下で蒸発させて、粗製塊を得た。粗製塊を20%メタノールのクロロホルム溶液で希釈して、濾過して、塩化ナトリウムを除去した。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をエーテルで洗浄して、無色固体として3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリル酸を得た(0.58g、100%)。
【0112】
工程9:3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−アクリルアミドの調製
【化39】

3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリル酸(0.5g、1.2mmol)のDMF懸濁液(3mL)に、ヒューニッヒ塩基(1.1mL、6.4mmol)、EDC・HCl(0.7g、3.8mmol)、HOBt(0.1g、0.64mmol)、O−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.16g、1.4mmol)を25℃で添加して、反応混合物を同じ温度で2時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈して、水(3×100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。反応混合物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、オフホワイト色固体として3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−アクリルアミドを得た(0.2g、33%)。
【0113】
工程10:N−ヒドロキシ−3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミドの調製
【化40】

3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−アクリルアミド(100mg、0.19mmol)のメタノール溶液(5mL)に、4N HClのジオキサン溶液(0.02mL、0.09mmol)を25℃で添加して、反応混合物を同じ温度で60分かけて撹拌した。形成した沈殿物を濾過により分離して、減圧下で乾燥させて、オフホワイト色固体としてN−ヒドロキシ−3−{4−[4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル]−フェニル}−アクリルアミドを得た(40mg、50%)。
【0114】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):1.88〜2.00(m,4H)、3.05〜3.16(m,2H)、3.32〜3.39(m,2H)、4.34(d,J=5.4Hz,2H)、5.68(s,2H)、6.48(d,J=15.9Hz,1H)、7.33〜7.59(m,5H)、7.67(d,J=8.1Hz,2H)、7.91(d,J=7.8Hz,2H)、8.71(s,1H)、10.91(bs,2H)。
LCMS(ESI)m/z:404.1([M+H])。
【0115】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成した:
【0116】
【表7】

【0117】
スキームIII−式IVで表される化合物の調製
【化41】

【0118】
実施例22:(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミドの合成
【化42】

【0119】
工程1:3−ブロモメチル−安息香酸の調製
【化43】

3−メチル−安息香酸(40.0g、293mmol)の四塩化炭素懸濁液(400mL)に、AIBN(1g、0.58mmol)及びN−ブロモスクシンアミド(52.0g、8.07mmol)を25℃で添加した。反応混合物を3時間かけて還流させた。得られた反応混合物が熱い場合に、それを濾過して、濾液を酢酸エチルで希釈して、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、無色固体として3−ブロモメチル−安息香酸を得た(54g、85%)。
【0120】
工程2:3−ブロモメチル−安息香酸メチルエステルの調製
【化44】

3−ブロモメチル−安息香酸(1g、4.6mmol)のメタノール溶液(20mL)に、塩化チオニル(1.1g、9.3mmol)を25℃で滴下した。反応混合物を1時間かけて還流させて、メタノールを減圧下で除去して、粘着性の粗製塊を得た。粗製塊を酢酸エチルで希釈して、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で蒸発させて、明黄色油状物質として3−ブロモメチル−安息香酸メチルエステルを得た(1.0g、94.0%)。
【0121】
工程3:3−アジドメチル−安息香酸メチルエステルの調製
【化45】

3−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(5.0g、21.83mmol)のDMF溶液(20mL)に、アジ化ナトリウム(43.66mmol)を室温で添加した。反応混合物を80℃で3時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチルで希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、明黄色油状物質として3−アジドメチル−安息香酸メチルエステルを得た(3.5g、83%)。
【0122】
工程4:3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−安息香酸メチルエステルの調製
【化46】

3−アジドメチル−安息香酸メチルエステル(200mg、1.02mmol)のDMF溶液(5mL)に、ヨウ化銅(130mg、0.68mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(70mg、0.34mg)、N−エチルジイソプロピルアミン(180mg、1.37mmol)及びエチニル−ベンゼン(71mg、0.68mmol)を25℃で添加した。反応混合物を同じ温度で12時間かけて撹拌した。次に、得られた混合物をアンモニア水でクエンチして、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、オフホワイト色固体として3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−安息香酸メチルエステルを得た(140mg、70%)。
【0123】
工程5:[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−メタノールの調製
【化47】

LAH(54mg、1.43mmol)の乾燥THF懸濁液(3mL)に、3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−安息香酸メチルエステル(140mg、0.47mmol)の乾燥THF溶液(2mL)を氷冷温度で添加した。反応混合物を同じ温度で60分かけて撹拌した。得られた混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチして、酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層を水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより精製して、粘着性の塊として[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−メタノールを得た(120mg、95%)。
【0124】
工程6:3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ベンズアルデヒドの調製
【化48】

[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−メタノール(120mg、0.45mmol)のDCM溶液(10mL)に、酢酸ナトリウム(7.4mg、0.09mmol)、続いてクロロクロム酸ピリジニウム(98mg、0.45mmol)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で2時間かけて撹拌した。得られた反応混合物をセライトパッドに通して濾過して、濾液をジクロロメタンで希釈して、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。次に、溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物をカラムクロマトグラフィによって精製して、粘着性の塊として3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ベンズアルデヒドを得た(80mg、66%)。
【0125】
工程7:(E)−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステル
【化49】

ホスフィノ酢酸トリメチル(40mg、0.60mmol)の乾燥DMF溶液(3mL)に、カリウムtert−ブトキシド(51mg、0.45mmol)を0℃で添加して、混合物を同じ温度で15分かけて撹拌した。上記混合物に、3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−ベンズアルデヒド(80mg、0.30mmol)のDMF溶液(1mL)を氷冷温度で滴下した。反応混合物を氷冷温度で45分かけて撹拌した。得られた反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、それを減圧下で蒸発させて、粗製生成物を得た。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより精製して、オフホワイト色固体として(E)−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルを得た(80mg、82%)。
【0126】
工程8:(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミドの調製。
【化50】

ヒドロキシルアミン塩酸塩(152mg、2.19mmol)のメタノール懸濁液(5.0mL)に、ナトリウムメトキシド(153mg、2.85mmol)を氷冷温度で添加して、懸濁液を氷冷温度で30分かけて撹拌した。上記懸濁液に、(E)−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルのメタノール:DCM(4:1)溶液を−20℃で滴下した。反応混合物を25℃に到達させて、同じ温度で3時間かけて撹拌した。得られた混合物を塩酸で酸性化して、溶媒を減圧下で除去して、粗製固体を得た。粗製固体をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、ピンク色がかった(pinkish)固体として(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル)−フェニル]−アクリルアミドを得た(25mg、35.0%)。
【0127】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):5.67(s,2H)、6.47(d,J=15.9Hz,1H)、7.58〜7.30(m,8H)、7.84(d,J=7.5Hz,2H)、8.66(s,1H)、10.81(bs,1H)。
LCMS(ESI)m/z:321.3([M+H])。
【0128】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成された:
【0129】
【表8】

【0130】
スキームIV:式Vで表される化合物の調製
【化51】

【0131】
実施例28:N−ヒドロキシ−4−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−ベンズアミド(1)の調製
【化52】

【0132】
工程1:4−(ブロモメタンスルホニルアミノ−エチル)−安息香酸メチルエステルの調製
【化53】

4−アミノメチル−安息香酸メチルエステル(15.0g、0.10mol)のジクロロメタン溶液(150mL)に、トリエチルアミン(45.2mL、0.29mol)及び臭化ブロモメタンスルホニル(35.9g、0.14mol)を氷冷温度で添加した。反応混合物を25℃で3時間かけて撹拌した。得られた反応混合物をジクロロメタン(500mL)で希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、得られた残渣をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、淡黄色固体として4−(ブロモメタンスルホニルアミノ−エチル)−安息香酸メチルエステルを得た(13g、39%)。
【0133】
工程2:4−(アジドメタンスルホニルアミノ−メチル)−安息香酸メチルエステルの調製
【化54】

4−(ブロモメタンスルホニルアミノ−エチル)−安息香酸メチルエステル(10g、31.0mmol)のDMF溶液(100mL)に、アジ化ナトリウム(4.0g、62.mmol)を25℃で添加した。反応混合物を80℃で2時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(1000mL)で希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、淡黄色固体として4−(アジドメタンスルホニルアミノ−メチル)−安息香酸メチルエステルを得た(7.0g、79.0%)。
【0134】
工程3:4−[(アジドメタンスルホニル−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルの調製
【化55】

4−(アジドメタンスルホニルアミノ−メチル)−安息香酸メチルエステル(0.2g、0.6mmol)のDCM溶液(10mL)に、カルボン酸ジ−tert−ブチルエステル(0.3mL、1mmol)、続いて触媒量のDMAPを0℃で添加した。反応混合物を25℃で12時間かけて撹拌した。得られた混合物をDCM(30mL)で希釈して、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、油状物質として4−[(アジドメタンスルホニル−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステルを得た(0.23g、85.0%)。
【0135】
工程4:4−{[(tert−ブトキシカルボニル−(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステルの調製
【化56】

4−[(アジドメタンスルホニル−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステル(2.0g、5.1mmol)のDMF溶液(10mL)に、1−エチニル−4−メチル−ベンゼン(600mg、5.1mmol)、ヨウ化銅(490mg、2.5mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(510mg、2.5mmol)及びN−エチルジイソプロピルアミン(2.6mL、15.5mmol)を25℃で添加した。反応混合物を同じ温度で12時間かけて撹拌した。次に、得られた混合物をアンモニア水でクエンチして、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発性物質の蒸発時に得られた残渣をカラムクロマトグラフィにより精製して、黄色固体として4−{[tert−ブトキシカルボニル−(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステルを得た(600mg、23%)。
【0136】
工程5:4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−安息香酸の調製
【化57】

4−{[tert−ブトキシカルボニル−(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル(600mg、1.1mmol)のメタノール溶液(15.0mL)に、NaOH水溶液(4.0mL)を25℃で添加した。反応混合物を同じ温度で12時間かけて撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、粗製生成物を1.5N HClで酸性化して、水溶液中に沈殿物を得た。沈殿物を濾過して、乾燥させて、オフホワイト色固体として4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−安息香酸を得た(400mg、86.0%)。
【0137】
工程6:N−ヒドロキシ−4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−ベンズアミドの調製
【化58】

4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−安息香酸(400mg、1.03mmol)のDMF溶液(3.0mL)に、N−エチルジイソプロピルアミン(0.88mL、5.1mmol)、EDC・HCl(590mg、3.1mmol)、HOBt(70mg、0.51mmol)及びO−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−ヒドロキシルアミン塩酸塩(130mg、1.13mmol)のDMF溶液を氷冷温度で窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を25℃で4時間かけて撹拌した。次に、得られた反応混合物をジエチルエーテルでトリチュレートして(triturate)、沈殿した粘着性の塊を水で洗浄して、無色固体として4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−ベンズアミドを得た(360mg、72%)。
【0138】
上記固体100mg(2.0mmol)をメタノール(5.0mL)中に懸濁させて、触媒量の乾燥HClのジオキサン溶液を添加して、30分間撹拌した。次に、溶媒を減圧下で蒸発させて、無色固体としてN−ヒドロキシ−4−[(4−p−トリル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−ベンズアミドを得た(40mg、50%)。
【0139】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):2.34(s,3H)、4.24(d,J=6.0Hz,2H)、6.00(s,2H)、7.27(d,J=7.8Hz,2H)、7.39(d,J=8.4Hz,2H)、7.72(d,J=8.1Hz,2H)、7.79(d,J=8.1Hz,2H)、8.30(bs,1H)、8.55(s,1H)、9.03(s,1H)、11.21(s,1H)。
LCMS(ESI)m/z:402.1([M+H])。
【0140】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成された:
【0141】
【表9】

【0142】
スキームV:式VIで表される化合物の調製
【化59】

【0143】
実施例35:N−ヒドロキシ−3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリルアミドの合成
【化60】

【0144】
工程1:3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−安息香酸メチルエステルの調製
【化61】

3−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(25.6g、111.7mmol)のDMF溶液に、カリウムフタルイミドを室温で添加して、反応混合物を85℃で12時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(1.5リットル)で希釈して、水(5×300mL)、鹹水(300mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で蒸発させて、無色固体として3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−安息香酸メチルエステルを得た(30.0g、95.5%)。
【0145】
工程2:3−アミノメチル−安息香酸メチルエステル塩酸塩の調製
【化62】

3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−安息香酸メチルエステル(0.5g、1.70mmol)のメタノール懸濁液(15mL)に、ヒドラジン一水和物(0.08mL)を25℃で添加して、反応混合物を4時間かけて還流させて、それを25℃に到達させた。形成した白色懸濁液を濾過して、濾液を濃縮した。得られた濾液を水(20mL)で希釈して、1.5N HClで酸性化して、水を減圧下で蒸発させて、粗製固体として3−アミノメチル−安息香酸メチルエステル塩酸塩を得た(0.5g)。得られた粗製生成物は、更に精製せずに次工程で使用した。
【0146】
工程3:3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸メチルエステルの調製
【化63】

先の工程で得られた粗製生成物を水で希釈して、重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化した(pH=8.0)。この混合液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.79mL、3.40mmol)の酢酸エチル溶液(10mL)を10分かけて滴下して、それを60分かけて撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈して、水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、無色固体として3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸メチルエステルを得た(0.6g、92%)。
【0147】
工程4:3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸の調製
【化64】

3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸メチルエステル(0.6g、2.20mmol)のTHF溶液(4mL)に、水酸化リチウム(0.3g、9.0mmol)の水溶液(2mL)を25℃で添加した。反応混合物を50℃で4時間かけて撹拌した。THFを減圧下で除去して、酢酸で酸性化して、生成物を酢酸エチルで抽出して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより精製して、無色固体として3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸を得た(250mg、44%)。
【0148】
工程5:(3−ヒドロキシメチル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
【化65】

3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−安息香酸(250mg、0.99mmol)の乾燥THF溶液(4.0mL)に、ボランジメチルスルフィド(0.37mL、3.9mmol)を氷冷温度で滴下して、25℃で2時間かけて撹拌した。得られた混合物を飽和NHClでクエンチして、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈して、水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、黄色油状物質として(3−ヒドロキシメチル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た(200mg、86%)。
【0149】
工程6:(3−ホルミル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
【化66】

PCC(360mg、1.6mmol)及び酢酸ナトリウム(26mg、0.32mmol)のジクロロメタン懸濁液(5.0mL)に、(3−ヒドロキシメチル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.84mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)を添加して、反応混合物を25℃で6時間かけて撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈して、セライトパッドに通して濾過して、濾液を水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、茶色みを帯びた油状物質として(3−ホルミル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た(180mg、94%)。
【0150】
工程7:3−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルの調製
【化67】

カリウムtert−ブトキシド(120mg、1.14mmol)の乾燥THF懸濁液(5.0mL)に、ホスフィノ酢酸トリメチル(trimethyl phosphiono acetate)(24mL、1.50mmol)を氷冷温度で添加して、同じ温度で20分かけて撹拌した。上記懸濁液に、(3−ホルミル−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(180mg、0.76mmol)のTHF溶液(5.0mL)を氷冷温度で滴下して、それを同じ温度で60分かけて撹拌した。反応混合物を氷冷水でクエンチして、酢酸エチル(100mL)で希釈した。酢酸エチル層を水で洗浄して、乾燥させて、濃縮して、黄色油状物質として3−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルを得た(180mg、81%)。
【0151】
工程8:3−(3−アミノメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩の調製
【化68】

3−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステル(90mg、0.3mmol)のメタノール溶液(2.0mL)に、4M 塩酸のジオキサン溶液(0.60mL、3.0mmol)を氷冷温度で添加した。混合物を25℃で6時間かけて撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、得られた残渣をエーテルで洗浄して、黄色固体として3−(3−アミノメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩を得た(50mg、84%)。
【0152】
工程9:3−[3−(ブロモメタンスルホニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルの調製
【化69】

3−(3−アミノメチル−フェニル)−アクリル酸メチルエステル塩酸塩(0.7g、3.6mmol)のジクロロメタン懸濁液(20.0mL)に、トリエチルアミン(1.4mL、10.9mmol)、臭化ブロモ−メタンスルホニル(4.3g、18.3mmol)を氷冷温度で添加した。反応混合物を25℃で12時間かけて撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(150mL)で希釈して、水(3×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、黄色固体として3−[3−(ブロモメタンスルホニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステル0.5gを得た(39%)。
【0153】
工程10:3−[3−(アジドメタンスルホニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルの調製
【化70】

3−[3−(ブロモメタンスルホニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステル(0.5g、1.4mmol)のDMF溶液(3mL)に、NaN(0.18g、2.8mmol)を添加して、反応混合物を80℃で4時間かけて撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈して、有機層を水、鹹水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、橙色油状物質として3−[3−(アジドメタンスルホニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステルを得た(0.4g、90%)。
【0154】
工程11:3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリル酸メチルエステル
【化71】

3−[3−(アジドメタンスルホニルアミノ−メチル)−フェニル]−アクリル酸メチルエステル(200mg、0.64mmol)のDMF溶液(3mL)に、順次ヒューニッヒ塩基(0.33mL、1.9mmol)、エチニル−ベンゼン(0.08mL、0.77mmol)、CuI(0.32mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.32mmol)を添加して、混合物を25℃で5時間かけて撹拌した。得られた混合物を水酸化アンモニウム(1mL)でクエンチして、酢酸エチル(100mL)で希釈して、水(2×50mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮した。粗製生成物をカラムクロマトグラフィにより更に精製して、オフホワイト色固体として3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリル酸メチルエステルを得た(120mg、46%)。
【0155】
工程12:3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリル酸の調製
【化72】

3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリル酸メチルエステル(120mg、0.29mmol)のメタノール懸濁液(5mL)に、NaOH(130mg、3.4mmol)の水溶液(2mL)を添加して、反応混合物を25℃で12時間かけて撹拌した。得られた混合物を酸性化して(pH=2.0)、得られた固体を濾過により単離して、オフホワイト色固体として3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリル酸を得た(100mg、86%)。
【0156】
工程13:3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−アクリルアミドの調製
【化73】

3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリル酸(100mg、0.25mmol)のDMF溶液(2mL)に、順次ヒューニッヒ塩基(0.21mL、1.2mmol)、EDC・HCl(140mg、0.75mmol)、HOBt(19mg、0.12mmol)及びO−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−ヒドロキシルアミン塩酸塩(30mg、0.27mmol)を氷冷温度で添加した。反応混合物を25℃で2時間かけて撹拌した。得られた混合物をジエチルエーテル(50mL)でトリチュレートして、粘着性の生成物を得た。粘着性の塊を水で洗浄して、沈殿物を得て、それを濾過によって分離して、オフホワイト色固体として3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−アクリルアミドを得た(100mg、83%)。
【0157】
工程14:N−ヒドロキシ−3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリルアミドの調製
【化74】

3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−N−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−アクリルアミド(100mg、0.19mmol)のメタノール懸濁液(5mL)に、4M 塩酸のジオキサン溶液(0.02mL、0.09mmol)を25℃で添加した。反応混合物を25℃で30分かけて撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて、オフホワイト色固体としてN−ヒドロキシ−3−{3−[(4−フェニル−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメタンスルホニルアミノ)−メチル]−フェニル}−アクリルアミドを得た(80mg、96%)。
【0158】
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ(ppm):4.23(d,J=6.0Hz,2H)、6.01(s,2H)、6.48(d,J=15.6Hz,2H)、7.35〜7.63(m,8H)、7.91(d,J=7.2Hz,2H)、8.29(t,J=6.0Hz,1H)、8.61(bs,1H)、10.90(bs,1H)。
LCMS(ESI)m/z:414.7([M+H])。
【0159】
下記化合物は、上記に開示される手順又は上記手順に類似した手順を使用することによって合成された:
【0160】
【表10】

【0161】
実施例37:細胞増殖アッセイ
化合物の抗がん活性を、NCI−H460(ATCC番号HTB−177 大細胞肺がん)、HT−29(ATCC番号HTB−38 結腸腺癌)及びA549(ATCC番号CCL−185 肺癌)、PC−3(ATCC番号CRL−1435 前立腺腺癌)及びPA−1(ATCC番号CRL−1572 卵巣奇形癌)細胞株においてMTTアッセイを使用することによって試験した。10%FBS(ウシ胎児血清)、ペニシリン(50μg/mL)及びストレプトマイシン(100μg/mL)を有するRPMI 1640中に細胞を維持した。細胞を、1ウェル当たり10000個の細胞の濃度で96ウェル細胞培養プレートに播種して、COインキュベータ中で37℃でインキュベートした。同様に、これらの細胞株を有する別個のプレートも接種して、化合物の添加前(T)の細胞生存度を決定した。
【0162】
化合物添加
24時間後に、DMSO中に溶解させた種々の濃度(100μM、10μM、1μM、0.1μM及び0.01μM)の化合物で細胞を処理して、48時間インキュベートした。測定用に、細胞を播種した24時間後に、1ウェル当たり3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム(MTT)溶液 20μLをTプレートに添加して、COインキュベータ中で37℃で3時間インキュベートした。
【0163】
細胞増殖の測定
細胞及び試験化合物を含有するプレートは、インキュベーションの48時間後に同様に処理した。MTT添加の3時間後に、ウェル内容物を慎重に吸引した後、1ウェル当たりDMSO 100μLを添加した。プレートをかき混ぜて、DMSO中にホルマザン結晶を確実に溶解させて、吸光度を570nmで読み取った(A570)。光学密度から、下記式を使用して成長率(%)を算出した:TがT以上である場合、成長率(%)=100×[(T−T)/(C−T)]であり、TがT未満である場合、成長率(%)=100×[(T−T)/T]である(式中、Tは試験化合物の光学密度であり、Cは対照の光学密度であり、Tは、時間ゼロでの光学密度である)。成長率(%)から、用量応答曲線を作成して、GI50値を成長曲線から内挿した。
【0164】
HDAC活性スクリーニング
ヒトHDAC阻害を研究するために、蛍光基質(Boc−Lys(Ac)−AMC基質)を使用してインハウス(in-house)96ウェルプレートアッセイを確立させた。ヒーラ細胞核抽出物を酵素源として使用した。
【0165】
アッセイは、96ウェル黒色マイクロプレートで実施し、アッセイの総容量は100μLであった。ヒーラ核抽出物をHDACアッセイ緩衝液で希釈した(最終濃度 3.0μg/mL)。酵素混合物は、希釈酵素 10μL及びHDAC緩衝液 30μLで作製されていた。酵素混合物 40μl、続く試験化合物(最終濃度0.01μM〜10μM)又は媒体(対照) 10μLを各ウェルに添加した。プレートを37℃で10分間プレインキュベートした。HDAC反応は、HDAC基質Boc−Lys(Ac)−AMC(Anaspec社、米国、カリフォルニア州、フレモント) 50μlを添加することによって開始させた。プレートを37℃で45分間インキュベートした。反応は、トリプシン停止溶液 50μLを添加することによって停止させて、プレートを更に、37℃で15分間インキュベートした。360nmの励起波長及び460nmの発光波長での蛍光を測定することで、AMCの放出をモニタリングした。緩衝液のみ及び基質のみは、ブランクとして機能を果たした。選択した化合物に関して、IC50(50%HDAC阻害濃度)は、0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM及び10μMの広い濃度範囲で試験することによって決定された(Dennis Wegener他、Anal. Biochem, 321、2003年、202頁〜208頁)。
【0166】
1μM及び10μMでのHDAC阻害に関する結果、並びにIC50値を表に示す:
【0167】
【表11】

【0168】
選択した化合物に関して、IC50(50%HDAC阻害濃度)値を以下の表2に示す:
【0169】
【表12】

【0170】
実施例38:絶対水溶解度
この研究の目的は、水中での粉末形態の試験化合物の絶対溶解度を決定することであった。簡潔な手順:粉末形態の試験化合物を水性媒質中で飽和させて、化合物が沈殿するまで約6時間平衡化させる。沈殿した溶液を15000rpmで10分間、25℃で遠心分離して、上清溶液をUV分光測定により分析した。必要であれば、UV分光測定による吸光度が試験化合物で得られる標準曲線の限度内になるまで、上清を更に希釈した。λmaxは、該化合物に関する最大吸光度を有するUVスペクトルから選択した。
【0171】
【表13】

【0172】
結果により、化合物は、参照化合物SAHAと比較した場合に11倍〜50倍、溶解性であることが示された。
【0173】
実施例39:代謝安定性:
この研究の目的は、マウス肝臓ミクロソーム中での化合物の代謝安定性を決定することである。簡潔な手順:試験化合物の代謝安定性は、マウス肝臓ミクロソームを使用することで行った。アッセイの最終組成物は、試験化合物 100μM(DMSO中に溶解)、マウスミクロソームタンパク質 0.5mg/mL及び補因子(G−6−P 5.0mM、G−6−PDH 0.06U、MgCl 2.0mM、NADP+ 1.0mM、UDPGA 0.5mM、PAPS 0.6mM及びGSH 1mM)を含んでいた。試験化合物を、補因子と共にマウス肝臓ミクロソームとインキュベートした。37℃で1時間のインキュベート後、停止溶液(氷冷アセトニトリル)の添加により反応を停止させた。サンプルを遠心分離して、LC/MS/MSを使用して上清を分析した。1時間のインキュベーション時間の後に残存する親試験化合物のパーセントを、時間0のピーク面積に関して算出した。
【0174】
結果により、試験化合物が参照化合物SAHAと比較して代謝的により安定であることが示された。
【0175】
【表14】

【0176】
実施例40:hERG結合決定:
試験化合物の心臓安全性を見出すために研究を実行した。簡潔な手順:1nMのリガンド濃度で、hERG競合結合アッセイを実施した。試験化合物は、所望の容量の100%DMSO中に溶解させた(ストック濃度 50mM)。試験化合物の10×ストックを、アッセイ緩衝液中で作製して、ストック 5μLを、アッセイ緩衝液 35μL中にhERG−CHO膜 10μgを含有するウェルへ添加した。試験化合物及び膜を30℃で10分間、プレインキュベートした。次に、H−アステミゾール 10μLを添加して(最終濃度 1nM)、ウェルを混合して、穏やかに振とうしながら30℃で更に90分間インキュベートした。反応の最後に、GF/Cグラスファイバーフィルタマット上への迅速な濾過により結合を終結させて、0.3%ポリエチレンイミン中に予浸させた後、氷冷洗浄緩衝液で10回、迅速に洗浄した。捕捉された放射標識を、液体シンチレーションカウンターを使用して検出した。化合物の阻害パーセントをビヒクル対照と比較して算出した。
【0177】
試験化合物のIC50研究に関して、化合物の対数濃度をアッセイで使用した(0.1μM〜300μM)。アセテミゾールは0.001μM〜100μMで試験した。
【0178】
結果により、試験化合物がhERGに対してライアビリティ(liability)を有することが示された。
【0179】
【表15】

【0180】
実施例41:シトクロム−P450アイソフォームライアビリティ決定:
ヒトシトクロム450(hCYP450)アイソフォーム蛍光ベースのスクリーニングキットに対する試験化合物のライアビリティを決定すること。
【0181】
簡潔な手順:2×試験化合物を脱イオン水による希釈によって調製した。試験化合物の段階希釈を行った。既知の阻害剤の2×溶液を陽性対照として使用した。調製された2×溶液 40μLを所望のウェルに添加した。各々化合物に対して2重反復(replicates)が含まれていた。マスタープレミックス(CYP450バクロソーム(bacrosome)、試薬及び再生系のプレミックス) 50μLを各ウェルに分取した。プレートを室温で20分間インキュベートして、化合物をCYP450酵素と相互作用させた。反応は、基質及びNADP混合物 10μLを添加することによって開始させた。プレートを、所望の時間インキュベートして、次に停止試薬 10μLを各ウェルに添加して、反応をクエンチした。蛍光は、使用する基質に応じて推奨される励起波長及び発光波長で蛍光プレートリーダーで測定した。
【0182】
結果により、試験化合物が主要なCYP−450アイソフォームに対してライアビリティを有さないことが示された。試験化合物は、SAHAと比較した場合により良好であることが分かった。
【0183】
【表16】

【0184】
実施例42:経口生物学的利用能及び薬物動態研究:
雄Balb/cマウスにおける試験化合物の経口生物学的利用能及び薬物動態を決定するために研究を実施した。研究は、動物倫理委員会(Institutional Animal Ethics Committee)(IAEC)の認可を得た後に実施した。およそ25g〜30gの重さがある5週〜6週齢のマウスをこの研究に使用した。動物は、水に自由に接近できる状態で一晩絶食させた。動物に、50mg/kg(体重)(配合:水中の0.5%のメチルセルロース、及び0.1% tween80。用量容積10ml/kg(体重))で経口経路によって、又は用量10mg/kg(体重)、50mg/kg(体重)(配合:0.9% 生理食塩水。用量容積10ml/kg(体重))で静脈内経路によって、試験化合物を投与した。血液サンプルを、投薬後の次の24時間中の様々な時点で収集した。血液サンプルを3000gで5分間、4℃で遠心分離して、対応する血漿サンプルをきれいな前標識したチューブ中に収集した。続いて、各サンプルを適切な抽出方法に付して、LC−MS/MS(API3200LC−MS/MSシステム)によって分析した。データは、WinNonlinバージョン5.2(Pharsight)を使用して分析した。
【0185】
結果により、試験化合物11は、5倍高いCmax、2倍長い終末半減期及び9倍高いAUCであることが示された。図1はそのことを示している。
【0186】
【表17】

【0187】
実施例43:アイソフォーム選択性アッセイ:
ヒーラ核抽出物を使用したHDAC阻害アッセイに続いて、組換えHDACアイソフォーム(Biomol、米国)を使用して、アイソフォーム選択性を試験した。実施例8を、HDAC1アイソフォーム、HDAC2アイソフォーム、HDAC3アイソフォーム、HDAC6アイソフォーム及びHDAC8アイソフォームに対して試験した。結果により、この化合物は、参照化合物SAHAに類似した汎HDAC阻害剤であることが示される。
【0188】
【表18】

【0189】
【表19】

【0190】
実施例44:ヒストン過剰アセチル化、P21誘導、血管新生、PARP切断、細胞分化及びカスパーゼ−3活性化に対する選択した化合物の効果:
ヒーラ細胞におけるヒストン過剰アセチル化
ヒーラ細胞を0.4×10個の細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートへ播種して、24時間インキュベートした。化合物を、対応する対照と共に5つの異なる濃度(0.03μM、0.1μM、0.3μM、1.0μM、3.0μM)で試験した。24時間後、細胞を溶解させて、ヒストンタンパク質を、確立されたプロトコルの通りに抽出して、抽出物を、抗アセチルヒストンH3抗体及び抗アセチルヒストンH4抗体(Millipore、米国)を使用したウェスタンブロットによりH3過剰アセチル化及びH4過剰アセチル化を測定するのに使用した。
【0191】
p21誘導
ヒーラ細胞を0.5×10個の細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートへ播種して、24時間インキュベートした。化合物を、5つの異なる濃度(0.03μM、0.1μM、0.3μM、1.0μM、3.0μM)で試験した(対応する対照を含む)。24時間後、細胞を溶解させて、細胞抽出物を、モノクローナル抗p21クローンCP74抗体(Sigma)を使用したウェスタンブロットによりP21誘導を測定するのに使用した。
【0192】
PARP切断
ヒーラ細胞を6ウェルプレートへ播種して(0.3×10個の細胞/ウェル)、24時間後に、化合物を、5つの異なる濃度(0.03μM、0.1μM、0.3μM、1.0μM、3.0μM)で添加した。24時間後、細胞を溶解させて、細胞抽出物を、モノクローナル抗ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ抗体であるクローンC−2−10(Sigma)を使用したウェスタンブロットによる切断PARPの検出によりアポトーシス活性を評価するのに使用した。
【0193】
分化アッセイ
HL−60(AML)細胞を96ウェルプレートへ播種して(5×10個の細胞/ウェル)、24時間後に、細胞を8つの異なる濃度(3000nM、1000nM、300nM、100nM、30nM、10nM、3nM、1nM)の化合物で3日間処理して(対照を含む)、60μMのH2 DCF−DAプローブを細胞に添加した。2時間のインキュベーション後、H2 DCF−DAの酸化を測定した。
【0194】
血管新生アッセイ
24ウェルプレート中のマトリゲルにおいて培養したHUVEC細胞(7×10個の細胞/ウェル)を、種々の濃度(12.5μM、6.25μM及び3.125μM)の化合物で処理した(陽性(トラニラスト)対照及び陰性対照を含む)。37℃の5%CO加湿インキュベータ中で一晩(12時間〜20時間)インキュベートして、翌日、管形成の阻害を顕微鏡下でモニタリングした。
【0195】
カスパーゼ−3活性
カスパーゼ−3活性は、カスパーゼ−3アッセイキット(Sigma)を使用してHT−29細胞で測定した。HT−29細胞を96ウェルプレートに播種して(10000個の細胞/ウェル)、一晩インキュベートした。細胞を幾つかの濃度(30μM、10μM、3μM、1μM、0.3μM、0.1μM、0.03μM、0.01μM)の化合物で処理して、48時間インキュベートして、細胞を溶解させた。アッセイは、製造業者のプロトコルに従って実行した。蛍光基質を細胞溶解物へ添加して、蛍光をλexi360及びλemi460で測定した。
【0196】
結果:
ヒストン過剰アセチル化、P21誘導、血管新生、PARP切断、細胞分化及びカスパーゼ−3活性化を含む二次アッセイに対する化合物の効果を、以下で表に記入した。ヒストンアセチル化、P21誘導及びPARP切断に対する効果は、記号「+」によって表され、これは調節の相対的な程度を示す。血管新生は、HUVEC血管新生アッセイにおける管形成の阻害を示すチェックマーク記号によって表される。
【0197】
【表20】

【0198】
実施例47:ヒト腫瘍異種移植片を使用したin vivo抗がん活性
6週〜8週齢の胸腺欠損ヌードマウス(nu/nu)のBALB−cバックグラウンドにおいて、研究を行った。動物は、保護かつ管理された環境で個々に換気されたケージ中に維持した。動物の取扱い及び手順は全て、必要であれば麻酔下で空気層流フード中で実行した。Anthem Biosciencesの動物倫理委員会(IAEC)によって認可されるプロトコルに従って、研究を行った。
【0199】
肺の腫瘍に由来するヒト細胞株を評価用に選択した。腫瘍細胞の細胞株を成長させて、RPMI 1640(1.5mM L−グルタミン及び10% FBSを補充)中に広げた。亜集密性の単層を収集して、ペレット化して、RPMI 1640培地中に再懸濁させた後、血球計数器で計数した。生細胞は、トリパンブルー排除を使用して計数して、細胞懸濁液は、5×10個/mlの濃度で冷媒質中で作製した。
【0200】
生存度が90%よりも高い10個の細胞を含有する細胞懸濁液0.3mlを、等量のマトリゲル(10mg/ml)のPBS溶液(pH7.4)と混合させて、4℃で保持した。ヌードマウスを麻酔して、25ゲージ針を使用して、側腹部(flank)領域において0.1mlを皮下注射した。動物は、接種と触知可能な腫瘍成長との間の期間、毎日モニタリングした。腫瘍サイズはデジタルノギスで測定し、担腫瘍マウスは、十分な腫瘍容積に達したら(およそ100mm)、対照群と処理群へ無作為化した(n=10)。以下の式を使用して、腫瘍容積を算出した:
腫瘍容積=(長さ×幅)/2。
【0201】
担腫瘍マウスに、12.5mg/kg、25mg/kg及び50mg/kgの用量で経口経路によって試験化合物を投与した。腫瘍容積及び体重を、1週間につき3回測定した。
【0202】
【表21】

TGI:ビヒクル処理群に対する腫瘍成長阻害
【0203】
in vivo抗腫瘍有効性を、A549ヒト肺異種移植片において研究した。21日間の1日1回の経口投与後に、実施例8は、12.5mg/Kg、25mg/Kg及び50mg/Kgでそれぞれ27%、32%及び57%の腫瘍成長阻害(TGI)を示した。実施例8の50mg/Kg用量でのTGIは、150mg/KgでのSAHAで観察されるTGIと類似していた。
【0204】
結果により、実施例8処理が、21日後の皮下A549肺腫瘍異種移植片モデルにおいて有意な腫瘍成長阻害をもたらしたことが示される。有効性は、参照化合物SAHAの用量の1/3で達成された。さらに、ビヒクル対照群と比較して、化合物処理群では体重に有意な減少は見られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Xは、存在しないか、又はシクロアルキル、−(CH−、−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH)−、−(CH−NR−CO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH−、−(CH)−NR−SO−(CH)−及び−(CH−NR−SO−(CH)−を含む群から選択され、
nは、0〜6から選択される整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Yは、存在しないか、又は−CH−、−CHCH−、−CH=CH−、C〜Cシクロアルキル(これらはそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【請求項2】
一般式(II):
【化2】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
で表される、請求項1に記載の化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【請求項3】
一般式(III):
【化3】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
で表される、請求項1に記載の化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【請求項4】
一般式(IV):
【化4】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される、請求項1に記載の化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【請求項5】
一般式(V):
【化5】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換される)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択される)
で表される、請求項1に記載の化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【請求項6】
一般式(VI):
【化6】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rとして表される1つ又は複数の置換基で任意に置換され得る)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
及びRは独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−C(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR及び−SOを含む群から選択され、
Aは、炭素及び窒素を含む群から選択される)
で表される、請求項1に記載の化合物、その誘導体、類縁体、互変異性形態、立体異性体、多型、溶媒和物、塩、代謝産物及びプロドラッグ。
【請求項7】
式II:
【化7】

(式中、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、へテロシクロアルキニル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリール及びヘテロアリール(これらはそれぞれ、Rから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換され得る)を含む群から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択され、
nは、1に等しい整数であり、
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アリールアミノ、COOH、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びヘテロアリールカルボニルを含む群から選択される)
で表される化合物を調製するプロセスであって、
a)1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−ベンゼンをアミンへ変換すること、
b)ヨウ化銅の存在下で、前記アミンを4−アジドメチル−安息香酸メチルエステルとカップリングさせることであって、トリアゾール化合物を得る、カップリングさせること、及び
c)塩基の存在下で、前記トリアゾール化合物をヒドロキシルアミンと反応させることであって、式IIで表される化合物を得る、反応させること
を含む、化合物を調製するプロセス。
【請求項8】
前記塩基が、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びn−ブチルリチウムを含む群、好ましくはナトリウムメトキシドから選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
結合剤、崩壊剤、希釈剤、潤滑剤、可塑剤、浸透促進剤及び可溶化剤を含む群から選択される薬学的に許容可能な添加剤(複数も可)と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物。
【請求項10】
前記式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物、式(V)で表される化合物、及び式(VI)で表される化合物を含む群から選択される、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記組成物が、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液、エアロゾル及び懸濁液を含む群から選択される形態である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法であって、式(I)で表される化合物、又は式(I)で表される化合物のプロドラッグ、又は任意に薬学的に許容可能な添加剤と共に式(I)で表される化合物を含む医薬組成物と、HDACを接触させることを含む、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する方法。
【請求項13】
HDAC阻害により疾患を治療する方法であって、生物学的に好適な量の式(I)で表される化合物、式(I)で表される化合物のプロドラッグ、任意に薬学的に許容可能な添加剤(複数も可)と共に式(I)を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体へ投与することを含む、HDAC阻害により疾患を治療する方法。
【請求項14】
前記式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物、式(V)で表される化合物、及び式(VI)で表される化合物を含む群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被験体が、人間を含む動物である、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−532861(P2012−532861A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519122(P2012−519122)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000455
【国際公開番号】WO2011/021209
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(512007409)アンセム バイオサイエンシズ プライベート リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ANTHEM BIOSCIENCES PRIVATE LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.49,Canara Bank Road,Bommasandra Industrial Area,Hosur Road,Bangalore−560 099,Karnataka,India
【Fターム(参考)】