説明

ヒータブロックの清掃容易な横型包装機

【課題】簡易な構成で、渡り装置の排出側搬送コンベアとエンドシール装置のヒータブロックとの連動の固定、解除が可能で、ヒーターシール面の清掃が容易になるエンドシール装置を備えた横型包装機を提供する。
【解決手段】横型包装機において、エンドシール装置の下側ヒータブロックの昇降台に溝カムを設けた連動装置を固定し、該溝カムに渡り装置の排出側搬送コンベアの連動レバーに設けたカムフォロアを係合させることでエンドシール装置の開閉と渡り装置の進退を連動させる構造で、溝カムの上部を切り欠くことで開放し、カムフォロアの配設された連動レバーが上方に旋回可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横型包装機におけるボックスモーションタイプのエンドシーラのヒータブロックを清掃する際、簡単な構成で渡り装置が設けられた(シャトル式)の搬出コンベアを容易に手動で開くことができて、ヒータブロックを露出させる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横型製袋充填包装機は、図7に示すごとく、製袋器により筒状に成形されて水平に移送される筒状フィルム中に、供給コンベヤにより物品72を所定間隔毎に順次受渡し供給すると共に、前記物品が供給された筒状フィルムにおける長手方向端縁部の重合面にセンターシール装置により、センターシールを施し、更に筒状フィルムの物品を挟む前後に夫々エンドシール装置73により、エンドシール・切断を施してなるピロー包装体74を製造する。
【0003】
すなわち、横型自動包装機は、ウェブ状包装材2を筒状包装材に成形し、横方向に走行する筒状包装材の内部に包装物である製品72を横方向に送り込み、製品72が収容された袋包装体を連続して製造可能な包装機である。フィルムロール70から案内ロール及び繰出しローラによって繰り出されたウェブ状包装材2は、フォーマ等の成形器71によって走行されつつ筒状に成形される。筒状包装材は、合わせられた両側端縁を挟む一対の紙引きローラ75から成る送り手段によって引っ張られて案内板77上を摺動走行する。送り手段75の後流には、円筒周面上に加熱用のシール線を有する一対の回転型のシールローラ76から成るセンターシール手段が案内板77の下方に配設されており、センターシール手段76は筒状包装材の両側端縁を加熱・加圧して溶着してセンターシールを形成する。センターシール手段76の後流には、横シール手段73が設けられており、筒状包装材を製品の前後で横断的にシールして袋包装体を製造する。
【0004】
図8は、図7のエンドシール部分の拡大図である。
図8に示すごとく、前記エンドシール装置80は、筒状フィルムの移送路を挟んで上下に対向する一対のカッタ刃を内蔵したヒートシール装置81(85を含む。),82(86を含む。)を備え、両ヒートシール装置によって筒状フィルムを挟持した状態で、筒状フィルムの移送方向に沿って筒状フィルムの移送速度と同じ速度で水平移動してエンドシールを施し、内蔵したカッタ刃を突出させ、エンドシールの中央部分をカットした後、カッタ刃を引き込みつつ相互に離間して後退し、再び相互に当接して水平移動する運動を繰返すものが好適に採用される。このような、エンドシール装置の方式をボックスモーション式と称する(例えば、特開2006−312470:段落0002〜段落0003)。ボックスモーションは、図6に示される。
【0005】
図6において、ヒータブロック85,86は、開いた状態からフィルム2に対して矢印のごとく、閉じていき、85´,86´のようにフィルムを挟んでシールする。シール時は、上記のように、筒状フィルムを挟持した状態で、筒状フィルムの移送方向に沿って筒状フィルムの移送速度と同じ速度で水平移動する。その軌道は、61,62のごとくなり、ボックスモーションを行う。
【0006】
このようなボックスモーションタイプのエンドシール装置の前後には、渡り装置が設けられ、エンドシール装置の上下のヒータブロック間を被包装物を内包する筒状フィルムが安定して移動できるようにしている。渡り装置は、図5(b)に示すように、エンドシール装置の上下のヒータブロック85,86が閉じた際には、移動ローラ96,106が互いに後退して開口部を形成し、図5(a)に示すように、エンドシール装置の上下のヒータブロック85,86が開いた際には、移動ローラ96,106は互いに前進することで、開口部を無くす動作をする。
【0007】
また、エンドシール装置は、エンドシール中は、閉じたまま移動することから、渡り装置の搬送ベルトフレームも水平方向に自在に移動可能とする。このように、渡り装置、すなわち、移動ローラ96,106は図5(b)においてヒータブロック85,86の動き(図6参照)に追従して動作する。エンドシール装置が開いたときに開口部を無くすのは、搬送ベルトフレームに掛け渡された搬送ベルトの間が大きく開いてしまうのが抑制されるためである。(例えば特開平2−282003号公報参照。)
【0008】
図1は、図8における渡り装置の左側部分、図2は、同じく右側部分の拡大斜視図を示す。
図5に示すように、渡り装置は、エンドシール装置を挟んで、上流側と下流側に対称にもうけられた進退自在のベルトコンベアである。ベルトコンベアは移動可能な2本の回転自在なロール95,96(あるいは、105,106)と4本の固定された回転自在なロール91〜94(あるいは、101〜104)とから構成される。一対の移動ローラ95,96あるいは105,106(図5)は図示されない同一の取付け板に設置される。取付け板には、カムフォロア5,14が配設された逆L字型の連動レバー7,6,13(図1〜図3)が固定される。
【0009】
図8に示すように、カムフォロア5,14は、カム溝を設けた部材10,16のカム溝12,15に係合される。カム溝12,15を設けた部材10,16は、下側昇降ブロック82に固定配置される。これにより、渡り装置はエンドシール装置の開閉動作及び水平方向への進退に追従して動作する。
【0010】
すなわち、図8(a)に示すように、ヒータブロック85,86が開いた時は、カムフォロア5,14はカム溝12,15の上端に位置し、カムフォロア5,14と一体になっている連動レバー13,36及び移動ローラ取り付け板35,46(図8及び図4参照)が中央方向に閉じるように移動する。このことにより、移動ローラ取り付け板46,35の先端の移動ローラ96,106(図8(a)及び図5)が閉じる方向に移動する。逆に、図8(b)に示すように、ヒータブロック85,86が閉じた時は、カムフォロア5,14はカム溝12,14の下端に位置し、カムフォロア5,14と一体になっている連動レバー13,36とともに、さらに、これと一体になっている上記移動ローラ取り付け板46,35の先端の移動ローラ96,106が開く方向に移動している。
【0011】
上記のような構成におけるエンドシール装置では、ヒータブロックの熱により溶着したフィルムのカスがヒータブロックのシール面に付着してしまうことがある。また、上下のトップシーラ間にて被包装物を噛み込んでしまった際には、ヒータブロックのシール面のシール溝部に被包装物が詰まってしまうことがある。このようにヒータブロックのシール面に異物が付着した状態では、良好なエンドシールを施すことができないばかりでなく、シール不良が発生してしまう。このため、適宜のタイミングでヒータブロックのシール面の清掃を行う必要がある。清掃は、少なくとも、1日1回は行う。また、噛み込みが生じた時とか、製品が咬んだ時、運転終了時には必ず行うので、その頻度はかなり多い。
【0012】
従来、これらの清掃作業は、オペレータが目視による確認を行い、シール面が汚れていた場合には手作業によってシール面の清掃を行っていた。ヒータブロックのシール面の清掃を行う際には、上側ヒータブロックは、常に露出しているので、エンドシール装置を開き状態にし、ワイヤーブラシを使って清掃可能である。しかしながら、下側ヒータブロックはエンドシールが開き状態であると、渡り装置ベルトの下に位置するためそのままでは清掃が行えない。
【0013】
そのため、図9に示すように、下側のヒータブロックを上側に移動させて、渡り装置を開口させ、下側ヒータブロックのシール面が渡り装置の開口部から露出し、且つエンドシール装置が閉じきらない半開きの状態(カムフォロア93が図示の位置)を作り出し、エンドシール装置のわずかな隙間にワイヤーブラシ111をいれシール面112の清掃を行っていた。また、汚れがひどい場合は、工具を用いて渡り装置を分解して作業スペースを確保して行うことになる。このように、上下のヒータブロックのシール面の間隔が狭くてシール面に対する清掃を行うための充分なスペースが確保できず、清掃を行うのは容易ではなかった。
【0014】
これに対する提案として、特開2009−091033号公報に示される方法がある。これは、渡り装置の搬送コンベアとエンドシール装置の連動を解除できる手段を設けたものである。渡り装置の排出側搬送コンベアをヒータブロックの移動と非同期に前後方向に移動可能にするガイド手段と、その渡り装置の排出側搬送コンベアをヒータブロックに接近した位置で、ガイド手段による移動を抑止する固定手段とを設けてあり、通常時には、渡り装置の排出側搬送コンベアをヒータブロックに接近した位置で、ガイド手段による移動を抑止し固定することで渡り装置の搬送コンベアとエンドシール装置が連動して動き、メンテナンス時には、固定手段を解除し、ガイド手段によって渡り装置の排出側搬送コンベアをヒータブロックの移動と非同期に移動し、ヒータブロックの周辺に作業空間を簡単に確保するものである。
【0015】
しかしながら、特開2009−091033号公報に示される方法はスライドレールからなるガイド手段とストッパーボールを備えたスライダーを付加したものであり、構造が複雑化し、コストも高くなるという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開平2−282003号公報
【特許文献2】特開2009−91033号公報
【特許文献3】特開2000−168716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
この発明は、簡易な構成で、渡り装置の排出側搬送コンベアとエンドシール装置のヒータブロックとの連動の固定、解除が可能で、ヒーターシール面の清掃が容易になるエンドシール装置を備えた横型包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、エンドシール装置を備えた横型包装機において、エンドシール装置の下側ヒータブロックの昇降台に、溝カムを設けた連動装置を固定し、該溝カムに、渡り装置の排出側搬送コンベアに設けた連動レバーに設けたカムフォロアを係合させることでエンドシール装置の開閉と渡り装置の進退を連動させル構造で、溝カムの上部を切り欠くことで開放してカムフォロアを係合から離脱可能とし、カムフォロアの配設された連動レバーが上方に旋回可能に構成し、かつ、上記連動レバーを搬送コンベアに着脱自在に固定したことを特徴とする。
【0019】
すなわち、本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置は、横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置であって、エンドシール装置の下側ヒータブロックの昇降ブロックに溝カムを設けた連動装置を固定し、該溝カムに渡り装置の排出側搬送コンベアに設けた連動レバーに設けたカムフォロアを係合させることでエンドシール装置の開閉と渡り装置の進退を連動させる上記搬送コンベアの渡り装置において、溝カムの上部を切り欠くことで開放し、カムフォロアを係合から離脱可能とし、カムフォロアの配設された連動レバーが上方に旋回可能に構成したことを特徴とする。
【0020】
さらに、前記連動装置の溝カムは、上端が搬送コンベアの渡り装置の中央に近く、下端が搬送コンベアの渡り装置の外方に形成されていて、前記上下のヒータブロックが接近すると、前記下側ヒータブロックの上昇に伴って前記両側のカムフォロアが離反し、これに伴い、渡り部分の両側移動ローラが離反することを特徴とする。
【0021】
またさらに、前記連動レバーを前記渡り部分の移動ローラ取り付け板とを着脱自在に固着し、該固着を開放することにより前記連動レバーを上方に旋回可能に構成して、前記渡り部分の移動ローラを該渡り部分から離反移動させ、渡り部分にヒーターシール面を露出させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の横型包装機は、その排出側搬送コンベアとエンドシール装置のヒータブロックとの連動の固定、解除が可能で、渡り装置の部分の開放が簡単なため、ヒーターシール面の清掃が容易になるという顕著な効果を奏する。また、上記ヒータブロックとの連動の固定、解除が、ネジ止め1本の解除でできるので、構造も簡単な構造であり、その操作も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の左側部分の拡大斜視図である。
【図2】本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の右側部分の拡大斜視図である。
【図3】本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の清掃時の渡り部分の開放動作の部分説明図である。
【図4】図3の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の開放動作の構造図(分解斜視図)である。
【図5】発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置の渡り部分(移動ローラ96,106)の移動動作の説明図である。
【図6】横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール装置の軌跡を示す図である。
【図7】横型包装機の基本構造を示す図である。
【図8】発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の清掃時の渡り部分の開放動作の説明図である。
【図9】従来の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール装置の清掃動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1〜図4を用いて本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置の構造・動作について説明する。
【0025】
図1は、本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の左側部分3(図8(a)の上流側コンベア88に相当する部分で、図8(a)、図8(b)の5,10,35,36、106で表示される部分)の拡大斜視図を示す。また、図2は、本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の右側部分4(図8(a)の下流側コンベア89に相当する部分で図8(a)、図8(b)の14,16、46、13,95,96で表示される部分)の拡大斜視図を示す。
【0026】
図2の13,14、42,44からなる部分の分解斜視図が図4に示される。図4において、46は、搬送コンベア47の移動ローラ96,95を支持する支持板である。支持板46は、中間部材45を介して連動レバー13に固定部材43により固定される。中間部材45は、支持板46に固定されている。固定部材43は、留め具(ネジ部材)44により中間部財45に固定され、また、該ネジ部材44を外すことにより、中間部材45と固定部材43との係合が解かれ、連動レバー13は、図3(c)に示すように右上方に回転可能になっている。なお、図4と同様の構造が、図1の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の左側部分3にも設けられていて、図3(c)に示すごとく、連動レバー7は、留め具43を外すことにより、軸42を中心にして右上方に回転可能になっている。
【0027】
連動レバー13、中間部材45,支持板46には、孔55,56,57が設けられており、該各孔を貫通して回転軸部材42が貫通して支持板46に固定される。カム溝を有する部材16(図8(b))には、カム溝の上端が図4の50,51に示されるように二股になっていて上端に開口52を設けてあり、前記連動レバー13に設けられているカムフォロア14は、該開口52からカム溝15(図2)内に挿入、離脱自由になっている。なお、図2の反対側(裏面側)も図示されていないが、上記と同様の構造になっている。
【0028】
図3は、本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の清掃時の渡り部分の開放動作の部分説明図である。図4の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の右側部分の開放動作を構造図を参照しながら、上記開放動作を説明する。
【0029】
図3において、まず、留め具44、48(図2参照)を回転して緩め、連動レバー13と支持板46及び中間部材45との係合を解き(図4)、軸42を中心にして時計回りに回動自在とする。次いで、連動レバー13を図3(b)の矢印のごとく、時計回りに回動させ図3(c)の状態にする。なお、カムフォロア14は、前記カム溝を有する部材16のカム溝の上端の二股になっている上端開口52(図4の50,51)により、上部への移動が自由になされる。
【0030】
図3(c)の状態にして進退自由になった移動ローラ96(図5)を右に移動させてヒータブロック部分を開放すると、下部ヒートブロック86のヒートシール面87の上部に空間が開かれるので、図9に示されるような金属ブラシによるヒートシール面の清掃がヒートブロックを最大限に開いた状態でもできるので、清掃作業が容易になる。なお、清掃のための空間を確保するためには、図3(c)において、片方の連動レバーのみ開放してもよい。また、このような、連動レバー13の回動により、ヒートシール面の開放がなされる機構は、カムフォロアがヒータブロック側に設けられ、カム溝を有する部材が渡り装置のベルトフレームの先端側に固定されてボックスモーションを行う従来例(特開2009−91033号公報)では構造が複雑になり、簡単には構成不可能である。
【0031】
上記は、本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の右側部分(図8(a)の下流側コンベア89に相当する部分での連動レバー13の開放動作を説明したが、同様の動作は、渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の左側部分(図8(a)の上流側コンベア88に相当する部分)でも行われる。
【0032】
すなわち、図3において、まず、留め具43,49(図1)を回転して緩め、連動レバー7と図示されない支持板及び中間部材との係合を解き、軸31(図3)を中心にして反時計回りに回動自在とする。次いで、連動レバー7を図3(b)の矢印のごとく、反時計回りに回動させ図3(c)の状態にする。
【0033】
図3(c)の状態にし、移動ローラ106(図5)を左に移動させると、下部ヒートブロック86のヒートシール面87の上部に空間が開かれるので、同様に、図9に示されるような金属ブラシによるヒートシール面の清掃が容易にできる。
【0034】
本発明の渡り装置の構造は、ヒートシール面の清掃を行う点にあるので、片面だけ連動レバーを開ければ、該清掃は容易に行われるが、汚れがひどくて工具を用いて作業する場合は、両面を開いて作業スペースを確保することができる。
【0035】
本発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置は、上下のヒータブロックが接近すると、前記下側ヒータブロックの上昇に伴って前記両側のカムフォロアが接近し、これに伴い、渡り部分の両側移動ローラが離反する横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置において、エンドシール装置の下側ヒータブロックの昇降ブロックに溝カムを設けた連動装置を固定し、該溝カムに渡り装置の排出側搬送コンベアに設けた連動レバーに設けたカムフォロアを係合させることでエンドシール装置の開閉と渡り装置の進退を連動させる上記搬送コンベアの渡り装置において、溝カムの上部を切り欠くことで開放し、カムフォロアを係合から離脱可能とし、カムフォロアの配設された連動レバーが上方に旋回可能に構成したことにより、簡単な構造でカム溝とカムフォロアを分離し、ヒートシール面を開放することができたものである。
【0036】
さらに、上記ヒートシール面の開放は、前記連動レバーを前記渡り部分の移動ローラ取り付け板とを着脱自在に固着し、該固着を開放することにより前記連動レバーを上方に旋回可能に構成して、前記渡り部分の移動ローラを該渡り部分から離反移動させ、渡り部分にヒーターシール面を露出させた構造により実現できたものである。
【0037】
これは、前述のとおり、カム溝を有する部材を渡り装置の移動ローラ側に付けた従来の渡り装置では、移動ローラと一体になった上記カム溝を有する部材が邪魔になって、簡単にはヒーターシール空間を開放できないので、前記従来例のように移動ローラそのものを後退させる複雑な機構とならざるを得ないのである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置は、留め具2本のみを外すことにより下側ヒートブロックのヒーターシール面上方に作業スペースが簡単に確保できるので、作業効率が向上し、該構造を有する横型包装機の産業上の利用性は高い。
【符号の説明】
【0039】
2 フィルム
3 渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の左側部分
4 渡り装置(シャトル式の搬出コンベア)の右側部分
5 カムフォロア
6 連動レバー
7 連動レバー
9 カム溝
10 カム溝を設けた部材
11 カム溝を設けた部材
12 カム溝
13 連動レバー
14 カムフォロア
15 カム溝
16 カム溝を設けた部材
42 ビス
43 固定板
44 留め具
45 中間部材
46 移動ローラ取付板
47 搬送コンベア
50 カム溝を設けた部材
51 カム溝を設けた部材
52 開口
71 成形部
72 製品
73 エンドシール装置
74 包装品
81 上側昇降ブロック
82 下側昇降ブロック
85 上側ヒータブロック
86 下側ヒータブロック
88 上流側搬送コンベア
89 下流側搬送コンベア
91〜94 固定ローラ
95,96 移動ローラ
101〜104 固定ローラ
105,106 移動ローラ
111 ワイヤーブラシ
112 ヒートシール面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置において、
エンドシール装置の下側ヒータブロックの昇降ブロックに溝カムを設けた連動装置を固定し、該溝カムに渡り装置の排出側搬送コンベアに設けた連動レバーのカムフォロアを係合させることでエンドシール装置の開閉と渡り装置の進退を連動させ、溝カムの上部を切り欠くことで開放し、カムフォロアを係合から離脱可能とし、カムフォロアの配設された連動レバーが上方に旋回可能に構成したことを特徴とする横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置。
【請求項2】
前記連動装置の溝カムは、上端が搬送コンベアの渡り装置の中央に近く、下端が搬送コンベアの渡り装置の外方に形成されていて、前記上下のヒータブロックが接近すると、前記下側ヒータブロックの上昇に伴って前記両側のカムフォロアが離反し、これに伴い、渡り部分の両側移動ローラが離反することを特徴とする前記請求項1記載の横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置。
【請求項3】
前記連動レバーを前記渡り部分の移動ローラ取り付け板とを着脱自在に固着し、該固着を開放することにより前記連動レバーを上方に旋回可能に構成して、前記渡り部分の移動ローラを該渡り部分から離反移動させ、渡り部分にヒーターシール面を露出させたことを特徴とする横型包装機のボックスモーションタイプのエンドシール部分の搬送コンベアの渡り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−188155(P2012−188155A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54879(P2011−54879)
【出願日】平成23年3月13日(2011.3.13)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】