説明

ヒート・シンクの目詰まり検出

【課題】データ処理システムのヒート・シンク中の目詰まりを識別する方法、データ処理システムおよびコンピュータ・プログラム製品を提供する。
【解決手段】電磁エミッタと電磁ディテクタとがヒート・シンクの両反対側に配置される。該電磁エミッタから向けられた電磁放射のストリームの強度が該電磁ディテクタによって測定される。電磁ディテクタが測定した電磁放射のストリームの測定強度に基づいて、ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定される。ヒート・シンクの目詰まりレベルが目詰まり閾値を超える場合には警報が発生される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンピュータ実行の方法、データ処理システム、および電磁検出システムに関する。さらに具体的には、本発明は、データ処理システムの集積回路のヒート・シンク内に蓄積された塵埃を識別するための方法、データ処理システム、および電磁検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高性能のコンピューティング・リソースを供給するために、コンピュータ設計者は、高性能のコンピュータ・プロセッサおよび高速のメモリ・モジュールを設計しなければならない。例えば、現今のコンピュータ・プロセッサには、一秒に何十億ものコンピュータ・プログラム命令を実行する能力がある。このようなコンピュータ・プロセッサおよびメモリ・モジュールを作動するには大量の電力が必要となる。プロセッサが、作動中に100ワットを超える電力を消費する場合もしばしばあり得る。大量の電力消費は多量の熱を発生させる。この熱を除去しなければ、コンピュータ・プロセッサまたはメモリ・モジュールによって発生した熱が、部品の機能を劣化または破壊する可能性がある。
【0003】
電子部品の劣化または破壊を防止するため、コンピュータ設計者は、在来のヒート・シンクを用いて電子部品から熱を除去することができる。在来型ヒート・シンクは、通常、ヒート・シンクの周りの環境に熱を放散するためのフィンを有する。在来型ヒート・シンクは、電子部品から熱を吸収し、熱伝導を利用し熱放散フィン全体にその熱を伝送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こういった冷却対処法の多くは、大量の空気を移動させて冷却効果を最大限にするため、ファンまたはブロワによる強制換気を必要とする。一部の工業または商業環境においては、ファンによってシステム中に運び込まれたごみ、埃および糸くずによるヒート・シンクの目詰まりに関連する問題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの実施形態によれば、ある方法、データ処理システム、およびコンピュータ・プログラム製品がヒート・シンク中の目詰まりを識別する。電磁エミッタと電磁ディテクタとがヒート・シンクの両反対側に配置される。電磁気エミッタから向けられた電磁放射のストリームの強度が電磁気ディテクタによって測定される。電磁ディテクタによって測定された電磁放射のストリームの測定強度に基づいて、ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定される。ヒート・シンクの目詰まりレベルが目詰まり閾値を超える場合には警報が発生される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ある例示的実施形態によるデータ処理システムの図である。
【図2】ある例示的実施形態によるヒート・シンクの単一個のフィンを示す。
【図3】ある例示的実施形態による、集積回路用の横方向ヒート・シンク目詰まり検出システムを示す。
【図4】ある例示的実施形態による、集積回路用の軸方向ヒート・シンク目詰まり検出システムを示す。
【図5】ある例示的実施形態による、ヒート・シンク目詰まりモニタリングのデータフロー図である。
【図6】ある例示的実施形態による、ヒート・シンク目詰まりを算定するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
当業者はよく理解しようが、本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品として具現化することができる。従って、本発明は、全体がハードウエアの実施形態、全体がソフトウエアの実施形態(ファームウエア、常駐ソフトウエア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書では全て一般的に「回路」、「モジュール」または「システム」と呼ぶこともある、ソフトウエアおよびハードウエア態様を組み合わせた実施形態の形を取ることができる。さらに、本発明は、媒体中に具現されたコンピュータ可用のプログラム・コードを有する任意の有形表現媒体によって具体化されたコンピュータ・プログラム製品の形を取ることもできる。
【0008】
一つ以上のコンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体(群)の任意の組み合わせを用いることができる。これらコンピュータ可用またはコンピュータ可読の媒体は、例えば、以下に限らないが電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外的、または半導体のシステム、装置、デバイス、あるいは伝播媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体のさらに具体的な例(限定的なリスト)には、一つ以上の配線を有する電気接続、携帯コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM(erasable programmable read−only memory)またはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、携帯コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CDROM)、光記憶デバイス、インターネットまたはイントラネットをサポートしているような伝送媒体、または磁気記憶媒体が含まれよう。コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、紙または別の適切な媒体とし、その上にプログラムを印刷することさえ可能であろう。すなわち、例えば、紙または他の媒体のオプティカル・スキャニングを介してそのプログラムを電子的に捕捉し、次いで、必要に応じコンパイルし、解釈し、または他の適切な仕方で別途処理し、それからコンピュータ・メモリに格納することができる。本文書の文脈において、コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはこれらに関連させて使用するためのプログラムを、包含、格納、通信、伝播、または伝送できる任意の媒体であり得る。コンピュータ可用媒体には、ベースバンドあるいは搬送波の一部として、信号中に具現されたコンピュータ可用プログラム・コードを有する伝播データ信号を含めることができる。コンピュータ可用プログラム・コードは、以下に限らないが、無線、有線ライン、光ファイバ・ケーブル、RFなどを含め、任意の適切な媒体を用いて送信することができる。
【0009】
本発明のオペレーションを実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java(R)、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、“C”プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの従来式手続き型プログラミング言語を含め、一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。該プログラム・コードは、全体をユーザのコンピュータで、一部をユーザのコンピュータで単独型ソフトウエア・パッケージとして実行することができ、一部をユーザのコンピュータで他の部分を遠隔コンピュータで、または全体を遠隔コンピュータもしくはサーバで実行することができる。後者のシナリオでは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して、遠隔コンピュータをユーザのコンピュータに接続することができ、あるいは(例えばインターネット・サービス・プロバイダを使いインターネットを介し)外部のコンピュータへの接続を行うことができる。
【0010】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら以下に本発明を説明する。フローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、および、フローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実行可能であることが理解されよう。
【0011】
これらのコンピュータ・プログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置、のプロセッサに供給してマシンを形成し、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行されるこれらの命令が、該フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処理を実施するための手段を生成するようにすることができる。また、これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に対し特定の仕方で機能するよう命令できるコンピュータ可読媒体に格納し、該コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処理を実施する命令手段を包含する製品を形成するようにすることができる。
【0012】
さらに、該コンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置にロードして、該コンピュータ、または他のプログラム可能装置上で一連のオペレーション・ステップを実施させてコンピュータ実行のプロセスを生成し、該コンピュータまたは他のプログラム可能装置で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロックまたはブロック群中に規定された機能/処理を実施するためのプロセスを提供するようにすることもできる。
【0013】
ここで図1を参照すると、ある例示的実施形態によるデータ処理システムの図が示されている。この説明例において、データ処理システム100は、プロセッサ・ユニット104、メモリ106、永続記憶装置108、通信ユニット110、入力/出力(I/O)ユニット112、およびディスプレイ114の間の通信を提供する通信ファブリック102を含む。
【0014】
プロセッサ・ユニット104は、メモリ106の中にロード可能なソフトウエアの命令を実行する働きをする。プロセッサ・ユニット104は、特定の実装に応じて、一つ以上のプロセッサのセット、またはマルチプロセッサ・コアとすることができる。さらに、プロセッサ・ユニット104は、単一チップ上に主プロセッサが補助プロセスとともに存在する、一つ以上の異機種プロセッサ・システムを用いて実装することができる。別の説明例では、プロセッサ・ユニット104は、同一種の複数のプロセッサを包含する対称型マルチプロセッサ・システムとすることができる。
【0015】
メモリ106および永続記憶装置108は記憶デバイスの例である。記憶デバイスは、一時的ベースまたは恒久的ベースあるいはその両方で情報を格納する能力のある任意のハードウエア構成要素である。これらの例において、メモリ106は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ、または、任意の他の適した揮発性または不揮発性の記憶デバイスとすることができる。永続記憶装置108は、特定の実装に応じてさまざまな形を取ることができる。例えば、永続記憶装置108は、一つ以上の構成要素またはデバイスを包含することができる。例として、永続記憶装置108は、ハード・ディスク、フラッシュ・メモリ、書き換え可能光ディスク、書き換え可能磁気テープ、または上記の何らかの組み合わせとすることができる。また、永続記憶装置108に使われる媒体を取り外し可能にすることもできる。例えば、永続記憶装置108として着脱式ハード・ドライブを用いることができる。
【0016】
これらの例において、通信ユニット110は、他のデータ処理システムまたはデバイスとの通信を提供する。これらの例では、通信ユニット110はネットワーク・インタフェース・カードである。通信ユニット110は、有線または無線通信リンクのいずれかあるいはその両方の使用を介する通信を提供することができる。
【0017】
出力/入力ユニット112は、データ処理システム100に接続可能な他のデバイスとのデータの入力および出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット112は、ユーザに、キーボードおよびマウスを介した入力のための接続を提供することができる。さらに、入力/出力ユニット112はプリンタに出力を送信することができる。ディスプレイ114は、ユーザに対し情報を表示するメカニズムを提供する。
【0018】
オペレーティング・システム、およびアプリケーションまたはプログラム類の命令は永続記憶装置108に置かれる。これらの命令は、プロセッサ・ユニット104による実行のためメモリ106中にロードすることができる。各種実施形態のプロセスは、コンピュータ実行の命令を用い、プロセッサ・ユニット104によって遂行することができ、これら命令をメモリ106などのメモリに配置することができる。これらの命令は、プログラム・コード、コンピュータ可用プログラム・コード、またはコンピュータ可読プログラム・コードと呼ばれ、プロセッサ・ユニット104中のプロセッサが、これらを読み取り実行することができる。各種実施形態中のプログラム・コードは、メモリ106または永続記憶装置108などの各種の物理的または有形のコンピュータ可読媒体の中に具現することができる。
【0019】
プログラム・コード116は、選択的に取り外し可能なコンピュータ可読媒体118に作動可能な形で在置し、プロセッサ・ユニット104による実行のためデータ処理システム100にロードまたは転送することができる。これらの例において、プログラム・コード116とコンピュータ可読媒体118とはコンピュータ・プログラム製品120を形成する。一つの例において、コンピュータ可読媒体118は、例えば、永続記憶装置108の一部であるハード・ドライブなどの記憶デバイスに転送するため、永続記憶装置108の一部であるドライブまたは他のデバイス中に挿入または設置される光または磁気ディスクなど有形の形態とすることができる。また、コンピュータ可読媒体118は、有形形態として、データ処理システム100に連結されたハード・ドライブ、サム・ドライブ、またはフラッシュ・メモリなどの永続記憶装置の形を取ることもできる。コンピュータ可読媒体118の有形形態は、コンピュータ追記型記憶媒体ともいわれる。一部の例では、コンピュータ可読媒体118は、取り外さないようにすることができる。
【0020】
上記に換えて、プログラム・コード116は、通信ユニット110への通信リンクを介してまたは入力/出力ユニット112への接続を介してあるいはその両方によって、コンピュータ可読媒体118からデータ処理システム100に転送することができる。上記の説明例において、該通信リンクまたは該接続あるいはその両方を有線または無線とすることができる。また、コンピュータ可読媒体は、プログラム・コードを包含する通信リンクまたは無線送信などの非有形媒体の形を取ることもできる。
【0021】
ある例示的実施形態において、プログラム・コード116は、データ処理システム100内での使用のため、ネットワークを介し、別のデバイスまたはデータ処理システムから永続記憶装置108にダウンロードすることができる。例えば、サーバ・データ処理システム中のコンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラム・コードを、ネットワークを介し、該サーバからデータ処理システム100にダウンロードすることができる。プログラム・コード116を提供するデータ処理システムは、サーバ・コンピュータ、クライアント・コンピュータ、または、プログラム・コード116を格納し送信する能力のある他の何らかのデバイスとすることができる。
【0022】
データ処理システム100について例示されたこれら各種構成要素は、異なった実施形態を実装できる仕方に対しアーキテクチャ面での限定を意図したものではない。データ処理システム100に例示されたものに加えられたあるいは代替された構成要素を含むデータ処理システムで、異なった例示的実施形態を実装することが可能である。図1に示されたいろいろな構成要素はこの示された説明例から変更することができる。プログラム・コードを実行する能力のある任意のハードウエア・デバイスまたはシステムを用いて異なる実施形態を実装することができる。一例として、データ処理システムには、無機要素と結合された有機構成要素、または全体が人間を除く有機要素から成る構成要素、あるいはその両方含めることができる。例えば、記憶デバイスが有機半導体から成るようにすることができる。
【0023】
別の例として、データ処理システム100中の記憶デバイスは、データを格納できる任意のハードウエア装置である。メモリ106、永続記憶装置108、およびコンピュータ可読媒体118は、有形形態の記憶デバイスの例である。
【0024】
別の例において、通信ファブリック102を実装するためにバス・システムを用いることができ、これを、システム・バスまたは入力/出力バスなど一つ以上のバスから成るようにすることができる。当然ながら、バス・システムは、該バス・システムに取り付けられた各種構成要素またはデバイスの間でデータの転送を提供する任意の適した種類のアーキテクチャを用いて実装することができる。加えて、通信ユニットには、モデムまたはネットワーク・アダプタなど、データの送信および受信のために使われる一つ以上のデバイスを含めることができる。さらに、メモリは、通信ファブリック102中によく存在する、インタフェースおよびメモリ・コントローラ・ハブに見られるようなメモリ106またはキャッシュとすることができる。
【0025】
本例示的実施形態は、ヒート・シンクの目詰まりを識別するための方法、データ処理システム、およびコンピュータ・プログラム製品を提供する。電磁エミッタおよび電磁ディテクタが、ヒート・シンクの両反対側に配置される。電磁エミッタから向けられた電磁放射のストリームの強度が電磁ディテクタによって測定される。電磁ディテクタによって測定された電磁放射のストリームの測定強度に基づいて、ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定される。ヒート・シンクの目詰まりレベルが目詰まり閾値を超えた場合、警報が発生される。
【0026】
これらの例示的実施形態で説明するヒート・シンク目詰まり検出システムは、ヒート・シンクが役立つことのできる任意の環境で使用可能であることをよく理解しておく。これら例示的実施形態は、集積回路に使うヒート・シンク目詰まり検出システムについて記述しているが、該ヒート・シンク目詰まり検出システムは、例えば、以下に限らないが冷却、熱機関、電子デバイス、機械デバイス、およびレーザなどのアプリケーションにも活用できる。
【0027】
次に、図2を参照すると、ある例示的実施形態による単一個のヒート・シンクのフィンが示されている。フィン200は、一般にヒート・シンクを構成している複数の熱放散フィンの一つである。フィン200は、熱負荷を放散するためヒート・シンクに追加的な表面積を提供する熱伝導体である。
【0028】
フィン200は、フィン本体210および開口部212を含む。フィン本体210は、例えば、以下に限らないがアルミニウム合金、または取り付けられた集積回路が発生する熱を放散する能力のある他の材料で作製することができる。
【0029】
開口部212は、フィン本体210の両側面を貫通して作製または機械加工された開口である。開口部212は、方向付けされた電磁放射のビームが通り抜け可能な進路を提供する。
【0030】
次いで図3を参照すると、ある例示的実施形態による集積回路用の横方向ヒート・シンク目詰まり検出システムが示されている。ヒート・シンク310は、図1のプロセッサ・ユニット104などの集積回路に取り付けることができる。ヒート・シンク310は複数のフィン312から成る。複数のフィン312の各一つを図2のフィン200とすることができる。
【0031】
ヒート・シンク310は、周囲の空気に熱を放散することによって電子デバイスの温度を低減するよう作られた部品である。ヒート・シンク310は、能動型ヒート・シンクあるいは受動型ヒート・シンクとすることができる。ヒート・シンク310は、例えば、アルミニウム合金で作製することができるがこれに限らない。ヒート・シンク310は複数のフィン312を含む。複数のフィン312は、それらそれぞれの開口部が同一直線上に位置するような仕方で整列されている。
【0032】
ヒート・シンク310は、集積回路314の上に配置される。集積回路314は、ときとしてチップまたはマイクロチップとも呼ばれ、その上に数千あるいは数百万の微小な抵抗、コンデンサ、およびトランジスタが加工されている半導体ウエハである。集積回路314は、例えば、以下に限らないが増幅器、発振器、タイマ、カウンタ、コンピュータ・メモリ、またはマイクロプロセッサであり得る。ヒート・シンク310は、集積回路314が発生する熱の放散を助力する。
【0033】
集積回路314は、印刷回路基板316上に搭載することができる。印刷回路基板316は、その上にチップおよび他の電子部品が配置される薄い板である。データ処理システムは一枚以上の基板から成り、これら基板はしばしばカードまたはアダプタと呼ばれる。印刷回路基板316は、例えば、以下に限らないがマザーボード、拡張ボード、ネットワーク・インタフェース・カード、およびビデオ・アダプタであり得る。
【0034】
データ処理システムの稼働中、埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃が日常的にヒート・シンク310に付着することになる。これら塵埃がヒート・シンク310周りの空気流を妨げ、集積回路314の冷却に悪影響を与え得る。集積回路314のオーバーヒートが次いでデータ処理システムのパフォーマンスに悪影響を与え得る。
【0035】
電磁エミッタ318は、複数のフィン312の同一直線上の開口部に合わせ整列される。電磁エミッタ318は、可視光線、赤外線、および紫外線を含む任意の電磁波の放射源とすることができる。電磁エミッタ318は、例えば、電球、熱エレメント、発光ダイオード、またはレーザとすることができる。一つの例示的実施形態において、電磁エミッタ318は、垂直共振面発光レーザ(VSCEL:vertical−cavity surface−emitting laser)、垂直外部共振面発光レーザ(VECSEL:vertical external−cavity surface−emitting lase)、またはエッジ発光ダイオードなどの半導体製のレーザである。電磁エミッタ318は、電磁放射のストリーム320を、複数のフィン312の開口部を通り抜けて電磁ディテクタ322に向かわせる。
【0036】
電磁ディテクタ322は、電磁信号を電気信号に変換するトランスデューサである。電磁ディテクタ322がストリーム320を受信すると、電磁ディテクタは、入射電磁放射の強度に比例する電流を発生する。
【0037】
電磁エミッタ318は、ストリーム320を一定の強度で放出する。埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃がヒート・シンク310に付着するにつれ、これら埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃は複数のフィン312の開口部を目詰まりさせ、ストリーム320を弱める。埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃の付着物が、複数のフィン312の同一線上の開口部内に多く蓄積されるほど、かかる蓄積物によってストリーム320は散乱、阻止、または回折されことになる。従って、電磁ディテクタ322によって検出されるストリーム320の測定強度は低減する。
【0038】
次に、図4を参照すると、ある例示的実施形態による集積回路用の軸方向ヒート・シンク目詰まり検出システムが示されている。ヒート・シンク410は、図1のプロセッサ・ユニット104などの集積回路に取り付けることができる。ヒート・シンク410は複数のフィン412から成る。複数のフィン412の各々一つが、図2のフィン200であり得る。
【0039】
ヒート・シンク410は、周辺の空気中に熱を放散することによって電子デバイスの温度を低下させるように作られた部品である。ヒート・シンク410は、能動型ヒート・シンクあるいは受動型ヒート・シンクとすることができる。ヒート・シンク410は、例えばアルミニウム合金で作製することができるが、これに限らない。ヒート・シンク410は複数のフィン412を含む。ヒート・シンク410は、図3のヒート・シンク310のようなヒート・シンクとすることができる。
【0040】
複数のフィン412の間には複数のすき間414が介在する。複数のすき間414は、空気が複数のフィン412の間および周囲を流れることができるようにし、図3の集積回路314など、下に横たわる集積回路の放射冷却の効率を向上させる。
【0041】
図3の電磁エミッタ318などの電磁エミッタが、図3の電磁ディテクタ322などの電磁ディテクタと直線上に配列されている。電磁エミッタと電磁ディテクタとは、ストリームが複数のすき間414の少なくとも一つを通り抜けるように配列される。このストリームは、電磁エミッタから放射された電磁放射である。該ストリームは、図3のストリーム320などのストリームであり得る。
【0042】
埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃の付着物が、直線上の複数のすき間414内に多く蓄積されるほど、かかる蓄積物によってストリームは散乱、阻止、または回折されことになる。従って、電磁ディテクタ322によって検出されるストリーム320の測定強度は低減する。
【0043】
次いで図5を参照すると、ある例示的実施形態によるヒート・シンク目詰まりモニタリングのデータフロー図が示されている。ヒート・シンク目詰まりモニタリング・システム500を用いて、図3のヒート・シンク310などのヒート・シンク中の塵埃目詰まりをモニタすることができる。
【0044】
電気信号強度512は、図3の電磁ディテクタ322などの電磁ディテクタからの出力で測定される。電気信号強度は、電磁ディテクタからの電流出力の大きさである。電磁ディテクタからの電流出力は、図3のストリーム320などの入射電磁放射の強度に比例する。
【0045】
電気信号強度512が、ヒート・シンク・アナライザ514の入力となる。ヒート・シンク・アナライザ514は、例えば、以下に限らないが周囲温度および電気信号強度512を含め、動作上の入力を追跡するソフトウエア、ハードウエアまたはファームウエア・コンポーネントである。ヒート・シンク・アナライザ514は、電気信号強度512をヒート・シンクの目詰まりの程度と関連付けることができる。また、ヒート・シンク・アナライザ514は、ヒート・シンクの目詰まりの程度が警報パラメータ518に違反した場合、警報516を発生することができる。また、ヒート・シンク・アナライザ514は、ヒート・シンク目詰まりを周囲温度およびヒート・シンクの温度と相関させて、正確な目詰まり状態を識別することができる。
【0046】
一つの例示的実施形態において、ヒート・シンク・アナライザ514は、時間経過に沿って電気信号強度512の低下をモニタすることもできる。電気信号強度512低下の速度は、ヒート・シンク内の塵埃の蓄積の速度と相関する。ヒート・シンク・アナライザ514は、電気信号強度512の低下の速度とヒート・シンク内の塵埃蓄積の速度とを知ることにより、電気信号強度512が何時許容レベル以下に低下することになるかを予測し、許容レベルを超えたヒート・シンク内の目詰まりレベルを示すことができる。ヒート・シンク内の塵埃蓄積の速度に基づいて、ヒート・シンク・アナライザ514は、ヒート・シンクを何時洗浄すべきかについて予測勧告を出すことができる。
【0047】
一つの例示的実施形態において、ヒート・シンク・アナライザ514は、例えば、以下に限らないが温度、湿度、および空気循環など環境条件を取り入れることができる。環境条件は、ヒート・シンクが熱エネルギを周囲環境中に放散する速度に影響を与える。ヒート・シンク内の目詰まりは、従って、特定の悪環境条件の下ではより重大となり得る。変化する環境条件を取り入れることによって、ヒート・シンク・アナライザ514は、ヒート・シンクが作動している環境に対する、予測勧告および警報条件を最適化することができる。
【0048】
ユーザは、ヒート・シンク・アナライザ514中に警報パラメータ518を入力する。ユーザに入力された警報パラメータ518は、警報閾値520および警報方法522を指定する。警報閾値520は、図3の電磁ディテクタ322などの電磁ディテクタで受信された入射電磁放射の強度に基づき、図3のヒート・シンク310などのヒート・シンクの目詰まりの許容レベルを規定する。埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃の付着物が、ヒート・シンクのフィンの同一線上にある開口部内に多く蓄積されるほど、電磁ディテクタによって検出される入射電磁放射の測定強度はベースライン量から減少する。警報閾値520は、電磁エミッタによって送信された投射電磁放射の送信強度と電磁ディテクタによって測定された入射電磁放射の測定強度とに基づき、ヒート・シンクの目詰まりの許容レベルを規定する。
【0049】
警報方法522は、ヒート・シンクの目詰まり量がユーザが定めた許容レベルを超えた場合、ユーザが指定したユーザに連絡すべき方法を指示する。警報方法522は、以下に限らないが、音響警報、目視警報、eメール、短いテキスト・メッセージ、システム・メッセージ、またはユーザに送信される他のテキスト警報など、ユーザに目詰まりを通知する任意の警報とすることができる。
【0050】
ユーザは、ヒート・シンク・アナライザ514中にヒート・シンク作動インジケータ524を入力する。ヒート・シンク作動インジケータ524は、例えば、以下に限らないが電磁放射に対する送信波長の選定、電磁放射に対する送信波長の強度の選定、電磁ディテクタの感度の選定とすることができる。ヒート・シンク作動インジケータ524は、ヒート・シンクの実際の目詰まりの検出を最適化しながら、ヒート・シンクのフィン開口部の些細な妨害物による誤検出を最少化するように調整することができる。
【0051】
ヒート・シンクのフィン開口部の目詰まりが警報閾値520を超えた場合、ヒート・シンク・アナライザ514は、警報516を発生する。警報516は、警報方法522に従った、現在の目詰まりレベルが警報閾値520によって規定された許容限度を超えていることのユーザへの通知である。警報516は、ユーザによって指示された警報方法522に従ってユーザに配信される。警報516は、従って、例えば、以下に限らないが音響警報、目視警報、eメール、またはユーザに送信される他のテキスト警報とすることができる。
【0052】
一つの例示的実施形態において、ヒート・シンク目詰まりモニタリング・システム500は、目視化メータ526を含む。目視化メータ526は、最大許容目詰まりレベルと対比された電気信号強度512またはヒート・シンク内の目詰まりレベルを表す、グラフィカルまたはメカニカルな計器である。目視化メータ526は、ハードウエアあるいはソフトウエア計器とすることができる。ユーザは、これにより、警報516を表示するグラフィカルまたはメカニカルな計器を点検することによって、相対的目詰まりレベルまたは透過レベルを素早く判定することができる。
【0053】
次に図6を参照すると、ある例示的実施形態による、ヒート・シンク目詰まりを判定するためのフローチャートが示されている。プロセス600は、図5のヒート・シンク・アナライザ514のような、ソフトウエアまたはハードウエア・コンポーネント上で実行される、ソフトウエアまたはファームウエアのプロセスである。
【0054】
プロセス600は、電磁ディテクタから電気信号を受信することから開始される(ステップ610)。該電気信号は、図3の電磁ディテクタ322などの電磁ディテクタからの出力である。該電気信号は、電磁ディテクタによって受信された入射電磁放射の強度に比例する。
【0055】
電磁ディテクタから電気信号が受信されるのに応じ、プロセス600は、その信号強度に基づき目詰まりレベルを計算する(ステップ620)。電磁エミッタは、既知の一定強度の電磁放射を発信する。従って、受信されたストリームに対するベースライン強度は容易に設定される。電磁ディテクタが送信された電磁放射を検出すると、ベースラインからの偏差が推定され、ヒート・シンクのフィンの同一線上の開口部内の目詰まりの量が算定される。
【0056】
信号強度に基づき目詰まりレベルが計算されるのに応じ、プロセス600は、目詰まりレベルが目詰まり閾値を上回るかどうかを判定する(ステップ630)。該目詰まり閾値は、図5の警報閾値520とすることができる。埃、糸くず、ごみおよび他の塵埃の付着物が、ヒート・シンクのフィンの同一線上の開口部内に多く蓄積されるほど、電磁ディテクタによって検出される入射電磁放射の測定強度はベースライン量から低減する。目詰まり閾値は、電磁エミッタによって送信された投射電磁放射の送信強度と電磁ディテクタによって測定された入射電磁放射の測定強度とに基づき、ヒート・シンクの目詰まりの許容レベルを規定する。
【0057】
目詰まりレベルが目詰まり閾値を上回ることが識別されるのに応じ(ステップ630が「はい」)、プロセス600は、警報パラメータを用いて警報を発生する(ステップ640、その後プロセスは終了する)。該警報パラメータは、図5の警報パラメータ518とすることができる。該警報は、図5の警報方法522などの警報方法による、警報閾値を超えたことのユーザへの通知である。該警報は、ユーザにより指示された警報方法に従ってユーザに配信することができる。該警報は、従って、例えば、以下に限らないが、音響警報、目視警報、eメール、またはユーザに送信される他のテキスト警報とすることができる。
【0058】
本明細書に記載された例示的実施形態は、ヒート・シンク内に蓄積された塵埃を識別するための方法、データ処理システム、および電磁検出システムを提供する。電磁エミッタおよび電磁ディテクタはヒート・シンクの両反対側に配置される。電磁ディテクタによって、電磁エミッタから向けられた電磁放射のストリームの強度が測定される。電磁ディテクタによって測定された電磁放射のストリームの測定強度に基づいて、ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定される。ヒート・シンクの目詰まりレベルが目詰まり閾値を越えると、警報が発生される。
【0059】
これら図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態によるアーキテクチャ、機能、並びに、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のオペレーションを図解している。これに関し、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、規定された論理機能(群)を実施するための一つ以上の実行可能命令を含むコードの、モジュール、セグメント、または部分を表し得る。また、ある代替的な実装においては、ブロックに記載された機能が図に記載されたのと違った順序で実施され得ることに留意すべきである。例えば、必要とされる機能性によっては、連続して示された2つのブロックが、実際は実質上同時に実行され得、またはブロック群が時として逆の順序で実行され得る。さらに、ブロック図またはフローチャート説明図あるいはその両方の各ブロック、および、フローチャート説明図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組み合わせは、特定の機能または処理を遂行する特別用途のハードウエア・ベース・システム、または特別用途ハードウエアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施できることにも留意する。
【0060】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的だけのためのものであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で用いられる、単数形「ある(a、an)」、および「該(the)」は、文脈上明確に示されているものを除き、複数形も同じように含むことが意図されている。さらに、本明細書で用いられる「含む(comprise)」または「含んでいる(comprising)」あるいはその両方は、述べられた機能、完全体、ステップ、オペレーション、エレメント、またはコンポーネント、あるいはこれらの複数の存在を特定するが、一つ以上の他の機能、完全体、ステップ、オペレーション、エレメント、コンポーネントまたはこれらの群あるいはその両方の存在を排除するものではないことをさらに理解する。
【0061】
後記の請求項中の全ての手段またはステップおよび機能エレメントの、対応構造、材料、処理および同等事項は、具体的に請求された各種の請求エレメントと組み合わせて該機能を遂行するための一切の構造、材料または処置を含むことを意図されている。本発明の記述は、例示および説明目的で提示されたもので、網羅的であること、または本発明を開示した形態に限定することは意図されていない。当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修改および変形が可能なことは明白であろう。本実施形態は、本発明の原理および実際的な応用を最善に説明し、いろいろな当業者が、意図する特定の用途に適したさまざまな修改を加えたさまざまな実施形態の遂行のため、本発明を理解できるように選択され記述されたものである。
【0062】
本発明は、全体がハードウエアの実施形態、全体がソフトウエアの実施形態、またはハードウエアおよびソフトウエア双方のエレメントを包含する実施形態の形を取ることができる。ある好適な実施形態において、本発明は、以下に限らないがファームウエア、常駐ソフトウエア、マイクロコードなどを含めたソフトウエア中に実装される。
【0063】
さらに、本発明は、コンピュータもしくは任意の命令実行システムでまたはこれらと関連させて用いるためのプログラム・コードを備えた、コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラム製品の形を取ることもできる。この説明の目的の上で、コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスでまたはこれらと関連させて用いるためのプログラムを包含、格納、通信、伝播、または伝送できる任意の有形体装置とすることができる。
【0064】
該媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外的、もしくは半導体のシステム(または装置またはデバイス)あるいは伝播媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体の例には、半導体または固体メモリ、磁気テープ、着脱可能コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、剛体磁気ディスク、および光ディスクが含まれる。光ディスクの現在時の例には、コンパクト・ディスク−読み取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクト・ディスク−読み取り/書き込み(CD−R/W)、およびDVDが含まれる。
【0065】
プログラム・コードを格納または実行あるいはその両方を行うのに適したデータ処理システムは、システム・バスを介して、直接的または間接的にメモリ・エレメントと連結された少なくとも一つのプロセッサが含まれることになる。メモリ・エレメントには、プログラム・コードの実際の実行の際に用いられるローカル・メモリ、大量記憶装置、およびキャッシュ・メモリを含めることができ、キャッシュ・メモリは、実行中に大容量記憶装置からコードを読み出しさねばならない回数を低減するために、少なくとも一部のプログラム・コードの一時的格納を提供する。
【0066】
入力/出力またはI/Oデバイス(以下に限らないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティング・デバイスなどを含む)は、直接にあるいは介在I/Oコントローラを通してシステムに連結することができる。
【0067】
また、ネットワーク・アダプタをデータ処理システムに連結し、該システムが、介在する私有または公共ネットワークを通して、他のデータ処理システムまたは遠隔プリンタまたは記憶デバイスに連結できるようにすることができる。モデム、ケーブル・モデム、およびイーサネット(R)カードは、現時点で利用可能なネットワーク・アダプタのほんの一部である。
【0068】
本発明の記述は、例示および説明目的で提示されたもので、網羅的であること、または本発明を開示した形態に限定することは意図されていない。当業者には、多くの修改および変形が可能なことは明白であろう。本実施形態は、本発明の原理および実際的な応用を最善に説明し、いろいろな当業者が、意図する特定の用途に適したさまざまな修改を加えたさまざまな実施形態の遂行のため、本発明を理解できるように選択され記述されたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒート・シンク中の目詰まりを識別する方法であって、前記方法は、
電磁ディテクタから電磁放射のストリームの測定強度を受信するステップであって、電磁放射の前記ストリームは、前記ヒート・シンクの第一側に配置された電磁エミッタから、前記ヒート・シンクの前記第一側と反対側の前記ヒート・シンクの第二側に配置された前記電磁ディテクタに向けられている、前記受信するステップと、
電磁放射の前記ストリームの前記測定強度が受信されるのに応じ、前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度に基づいて、前記ヒート・シンクの目詰まりレベルを算定するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
ヒート・シンク中の目詰まりを識別する方法であって、前記方法は、
前記ヒート・シンクの第一側に配置された電磁エミッタおよび前記ヒート・シンクの第二側に配置された電磁ディテクタを備えるステップと、
前記電磁エミッタから、ある放射強度で電磁放射のストリームを放射するステップと、
前記電磁ディテクタにおいて、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向けられた電磁放射の前記ストリームの測定強度を識別するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項3】
前記ヒート・シンクは、複数のフィンおよび複数のすき間を含み、前記方法は、
前記電磁エミッタおよび前記電磁ディテクタを、前記複数のすき間の少なくとも一つに沿った直線上に配列するステップと、
電磁放射の前記ストリームを、電磁放射の前記ストリームが前記複数のすき間の少なくとも一つを通り抜けるようにして、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向かわせるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒート・シンクは、複数のフィンを含み、前記複数のフィンの各々がフィン本体内に開口部を含み、前記方法は、
前記複数の開口部の各々を、前記複数の開口部の他の開口部と一直線上にあるように配列するステップと、
電磁放射の前記ストリームを、電磁放射の前記ストリームが前記複数の開口部を通り抜けるようにして、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向かわせるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電磁エミッタは、電球、熱エレメント、発光ダイオード、レーザ、垂直共振面発光レーザ、垂直外部共振面発光レーザ、およびエッジ発光ダイオードから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
警報は、音響警報、目視警報、eメール、およびテキスト・メッセージから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定されるのに応じ、前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルが目詰まり閾値を上回るかどうかを識別するステップと、
前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルが前記目詰まり閾値を上回ることが識別されるのに応じ、警報を発生するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度に基づいて前記ヒート・シンクの目詰まりレベルを算定する前記ステップは、
前記測定強度のベースライン強度からの偏差を識別するステップと、
前記測定強度に基づき前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルを予測するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
バスと、
前記バスに連結された通信ユニットと、
前記バスに連結された記憶デバイスと、
ヒート・シンクの第一側に配置された電磁エミッタおよび前記ヒート・シンクの第二側に配置された電磁ディテクタと、
前記バスに連結されたプロセッサ・ユニットと、
を含むデータ処理システムであって、
前記記憶デバイスは、前記データ処理システムの前記ヒート・シンク中の目詰まりを識別するためのコンピュータ可用プログラム・コードを包含し、
前記プロセッサ・ユニットは前記コンピュータ可用プログラム・コード実行して、電磁ディテクタから電磁放射のストリームの測定強度を受信し、電磁放射の前記ストリームの前記測定強度が受信されるのに応じ、前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度に基づいて前記ヒート・シンクの目詰まりレベルを算定し、
電磁放射の前記ストリームは、前記ヒート・シンクの第一側に配置された前記電磁エミッタから、前記ヒート・シンクの前記第一側の反対側にある前記ヒート・シンクの第二側に配置された前記電磁ディテクタに向けられている、
前記データ処理システム。
【請求項10】
前記プロセッサ・ユニットは、前記コンピュータ可用プログラム・コードをさらに実行して、前記電磁エミッタからある放射強度で電磁放射の前記ストリームを放射し、前記電磁ディテクタにおいて前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向けられた電磁放射の前記ストリームの前記測定強度を識別し、電磁放射の前記ストリームの前記測定強度が識別されるのに応じ、前記電磁エミッタからの電磁放射の前記ストリームの前記放射強度と前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度とに基づいて、前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルを算定し、前記電磁エミッタと前記電磁ディテクタとは前記ヒート・シンクの両反対側に配置されている、請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
前記ヒート・シンクは、複数のフィンと複数のすき間とを含み、前記電磁エミッタと前記電磁ディテクタとは前記複数のすき間の少なくとも一つに沿った直線上に配列されており、前記プロセッサ・ユニットは前記コンピュータ可用プログラム・コードをさらに実行して、電磁放射の前記ストリームを、電磁放射の前記ストリームが前記複数のすき間の少なくとも一つを通り抜けるようにして、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向かわせる、請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
前記ヒート・シンクは、複数のフィンを含み、前記複数のフィンの各々はフィン本体内に開口部を含み、前記複数の開口部の各々は、前記複数の開口部の他の開口部と一直線上にあるように配列され、前記プロセッサ・ユニットは前記コンピュータ可用プログラム・コードをさらに実行して、電磁放射の前記ストリームを、電磁放射の前記ストリームが前記複数の開口部を通り抜けるようにして、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向かわせる、請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項13】
前記電磁エミッタは、電球、熱エレメント、発光ダイオード、レーザ、垂直共振面発光レーザ、垂直外部共振面発光レーザ、およびエッジ発光ダイオードから成る群から選択される、請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項14】
前記プロセッサ・ユニットは前記コンピュータ可用プログラム・コードをさらに実行して、前記ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定されるのに応じ、前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルが目詰まり閾値を上回るかどうかを識別し、前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルが前記目詰まり閾値を上回ることが識別されるのに応じ、警報を発生する、請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項15】
前記プロセッサ・ユニットが前記コンピュータ可用プログラム・コードを実行して、前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度に基づいて前記ヒート・シンクの目詰まりレベルを算定することは、
前記プロセッサ・ユニットが前記コンピュータ可用プログラム・コードを実行して、前記測定強度のベースライン強度からの偏差を識別し、前記測定強度に基づいて前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルを推定することをさらに含む、
請求項9に記載のデータ処理システム。
【請求項16】
ヒート・シンク中の目詰まりを識別するためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品は、
具現されたコンピュータ可用プログラム・コードを有するコンピュータ可用媒体を含み、前記コンピュータ可用プログラム・コードは、
電磁ディテクタから電磁放射のストリームの測定強度を受信するよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードと、
電磁放射の前記ストリームの前記測定強度が受信されるのに応じて、前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度に基づいて前記ヒートシンクの目詰まりレベルを算定するためのコンピュータ可用プログラム・コードと、
を含み、
電磁放射の前記ストリームは、前記ヒート・シンクの第一側に配置された電磁エミッタから、前記ヒート・シンクの前記第一側と反対側の前記ヒート・シンクの第二側に配置された前記電磁ディテクタに向けられる、
前記コンピュータ・プログラム製品。
【請求項17】
前記コンピュータ可用プログラム・コードは、
前記電磁エミッタから、ある放射強度で電磁放射の前記ストリームを放射するよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードと、
前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向けられた電磁放射の前記ストリームの前記測定強度を識別するよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードと、
電磁放射の前記ストリームの前記測定強度が識別されるのに応じ、前記電磁エミッタからの電磁放射の前記ストリームの前記放射強度と前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度とに基づいて、前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルを算定するためのコンピュータ可用プログラム・コードと、
をさらに含み、
前記電磁エミッタと前記電磁ディテクタとは前記ヒート・シンクの両反対側に配置される、
請求項16に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項18】
前記ヒート・シンクは、複数のフィンと複数のすき間とを含み、前記電磁エミッタと前記電磁ディテクタとは前記複数のすき間の少なくとも一つに沿った直線上に配列されており、前記コンピュータ可用プログラム・コードは、
電磁放射の前記ストリームを、電磁放射の前記ストリームが前記複数のすき間の少なくとも一つを通り抜けるようにして、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向かわせるよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードを、
さらに含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
前記ヒート・シンクは、複数のフィンを含み、前記複数のフィンの各々はフィン本体内に開口部を含み、前記複数の開口部の各々は、前記複数の開口部の他の開口部と一直線上にあるように配列され、前記コンピュータ可用プログラム・コードは、
電磁放射の前記ストリームを、電磁放射の前記ストリームが前記複数の開口部を通り抜けるようにして、前記電磁エミッタから前記電磁ディテクタに向かわせるよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードを、
さらに含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項20】
前記電磁エミッタは、電球、熱エレメント、発光ダイオード、レーザ、垂直共振面発光レーザ、垂直外部共振面発光レーザ、およびエッジ発光ダイオードから成る群から選択される、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項21】
警報は、音響警報、目視警報、eメール、およびテキスト・メッセージから成る群から選択される、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項22】
前記コンピュータ・プログラム製品は、
前記ヒート・シンクの目詰まりレベルが算定されるのに応じ、前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルが目詰まり閾値を上回るかどうかを識別するためのコンピュータ可用プログラム・コードと、
前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルが前記目詰まり閾値を上回ることが識別されるのに応じ、警報を発生するためのコンピュータ可用プログラム・コードと、
をさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項23】
前記電磁ディテクタによって測定された電磁放射の前記ストリームの前記測定強度に基づいて、前記ヒート・シンクの目詰まりレベルを算定するよう作られた前記コンピュータ可用プログラム・コードは、
前記測定強度のベースライン強度からの偏差を識別するよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードと、
前記測定強度に基づいて前記ヒート・シンクの前記目詰まりレベルを推定するよう作られたコンピュータ可用プログラム・コードと、
をさらに含む、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項24】
ヒート・シンクと、
前記ヒート・シンクの第一側に配置された電磁エミッタと、
前記ヒート・シンクの第二側に配置された電磁ディテクタと、
前記電磁ディテクタに連結されたプロセッサ・ユニットと、
を含む装置であって、
前記電磁エミッタは、ある放射強度で電磁放射のストリームを放射し、
前記第二側は、前記ヒート・シンクの前記第一側のほぼ正反対側に位置し、前記電磁ディテクタは、前記電磁エミッタから放射された電磁放射の前記ストリームの強度を測定し測定強度を形成して、前記測定強度を識別する電気信号を生成し、
前記プロセッサ・ユニットは、前記電磁ディテクタから前記電気信号を受信し、前記電磁ディテクタから前記電気信号が受信されるのに応じ、前記測定強度に基づいて前記ヒート・シンクの目詰まりレベルを算定する、
前記装置。
【請求項25】
前記プロセッサ・ユニットは、バスを介して前記電磁ディテクタに連結される、請求項24に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−514189(P2012−514189A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542738(P2011−542738)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064600
【国際公開番号】WO2010/076068
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】