説明

ピッキング装置

【課題】コンパクトでスペース効率が良く、さらに、ピッキング作業の効率化を図ることができるピッキング装置を提供する。
【解決手段】複数の部品を「種類」ごとに所定の単位数量でまとめて部品箱に収納した状態で保管するとともに、保管した前記各部品から、製品の製造に必要な部品を、作業者がピッキングするためのピッキング装置であって、所定期間における前記製品の製造において必要となる前記各部品の数量が確保できるだけの、各部品箱の保管容量を有する、各部品の数量を確保するための第一の保管棚である一次保管部2と、部品箱を配置するためのテーブルを、全「品目」の全「種類」の数以上備え、複数の各テーブルによって、全「種類」の各部品箱が少なくとも一つずつ保管できる、各部品の「種類」を確保するための第二の保管棚である二次保管部3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の製造に必要な複数種類の部品の保管およびピッキングに用いるピッキング装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を一時的に保管するための装置であって、さらに当該装置から必要な部品を選択してピッキングするための装置であるピッキング装置が知られており、例えば、以下に示す特許文献1および特許文献2にその技術が開示され公知となっている。
従来のピッキング装置としては、特許文献1に示すような、所謂立体倉庫タイプのものや、特許文献2に示すような、所謂回転棚タイプのようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−59814号公報
【特許文献2】特開2001−270607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に示すような回転棚タイプのピッキング装置では、選択した部品を作業者がピッキングする部位まで回転して移送するときに、保管されている他の部品も同時に回転されるため、回転機構等の移送手段が大掛かりになっていた。
また、このような回転機構を備えるピッキング装置や、特許文献1に示すような自動搬送装置を備える立体倉庫タイプのピッキング装置を成立させるためには、部品や部品が収納された部品箱等を移送するための空間部を確保することが必要であり、また、作業者が部品をピッキングする部位においても、作業スペースに余裕が必要であるため、スペース効率が良くないという問題があった。
尚、ここでいう「スペース効率」とは、ピッキング装置の部品箱を保管するためのスペース(棚部)の容積に対する、その棚部において保管する全部品箱のトータル容積の割合を意味している。
このため、通常の棚等で構成されたピッキング場所に、このような従来のピッキング装置を導入しようとすると、現状のピッキング場所に収まらず、周囲のレイアウト変更が必要になる等の制約が生じてしまうという問題もあった。
【0005】
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、コンパクトでスペース効率が良く、さらに、ピッキング作業における欠品の発生を防止して、ピッキング作業の効率化を図ることができるピッキング装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、複数の部品により構成される製品の製造において、前記各部品を品目ごとに分別するとともに、さらに各品目を種類ごとに分別して、前記各部品を、種類ごとに所定の単位数量でまとめて部品箱に収納しておき、前記各部品を前記部品箱に収納した状態で保管するとともに、保管した前記各部品から、前記製品の製造に必要な部品を、作業者がピッキングするためのピッキング装置であって、所定期間における前記製品の製造において必要となる前記各部品の数量が確保できるだけの、前記部品箱の保管容量を有する、各部品の数量を確保するための棚である第一の保管棚と、前記部品箱を配置するためのテーブルを、全品目の全種類の数以上備え、複数の前記テーブルによって、全種類の各部品に係る前記部品箱が少なくとも一つずつ保管できる、各部品の種類を確保するための棚である第二の保管棚と、を備えるものである。
【0008】
請求項2においては、前記第一の保管棚は、前記第二の保管棚に比して、一つの前記部品箱が専有するスペースの容積が小さいものである。
【0009】
請求項3においては、さらに、移載リフタを備え、前記移載リフタによって、前記第一の保管棚に保管される前記部品箱を、前記第一の保管棚から取り出して、前記第一の保管棚から前記第二の保管棚の所定の前記テーブルまで移載し、所定の前記テーブルに投入するものである。
【0010】
請求項4においては、前記第二の保管棚は、複数の前記テーブルを、前記第二の保管棚における作業者がピッキング可能な部位であるピッキング間口に入れ換えて配置することができる装置であるテーブル入れ換え装置を備えるものである。
【0011】
請求項5においては、さらに、制御装置を備え、前記第二の保管棚において、空の前記部品箱が複数発生した場合に、前記制御装置によって、空の前記部品箱を前記テーブルから取り出して、空の前記テーブルに新たな前記部品箱を投入するのに要する時間である投入時間を、全ての空の前記部品箱に対して算出し、また、空の前記部品箱が発生してから、その空の前記部品箱に対応する部品に欠品が発生するまでに要する時間である補充時間を、全ての空の前記部品箱に対して算出し、さらに、全ての空の前記部品箱において、算出した前記投入時間と前記補充時間の差分を算出し、算出した前記投入時間と前記補充時間の差分が小さい順に、複数の空の前記部品箱の補充順序を決定するものである。
【0012】
請求項6においては、前記制御装置は、算出した前記投入時間と前記補充時間の差分が、一つの製品の製造に要する時間であるサイクルタイム以下となる部品が存在する場合において、当該部品に係る二つ目の前記部品箱が、前記第二の保管棚に存在するか否かの判定を行うとともに、二つ目の前記部品箱が、前記第二の保管棚にない場合には、当該部品に係る前記部品箱を、前記第一の保管棚から取り出して、前記第二の保管棚にもう一つ追加する処理を実行するものである。
【0013】
請求項7においては、前記制御装置は、任意の前記部品箱から部品をピッキングしてから、次に同じ前記部品箱から部品をピッキングするまでに製造する製品の製造数を示す値であるピックサイクルを、全ての部品に対して算出し、前記ピックサイクルが、2以下となる部品が存在するか否かを判定するとともに、前記ピックサイクルが、2以下となる部品が存在する場合には、該当する部品に係る前記部品箱を、前記第一の保管棚から取り出して、前記第二の保管棚にもう一つ追加する処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、ピッキング装置のスペース効率を高めることができ、また、ピッキング装置をコンパクトに構成することができる。
【0016】
請求項2においては、ピッキング装置のスペース効率をより高めることができ、また、ピッキング装置をよりコンパクトに構成することができる。
【0017】
請求項3においては、高さ方向のスペースを利用してピッキング装置を配置することが可能となり、ピッキング装置の設置スペースを低減することができる。
【0018】
請求項4においては、ピッキング装置におけるピッキングエリアをコンパクトに構成することができる。
【0019】
請求項5においては、ピッキング装置において欠品が生じることを防止できる。
【0020】
請求項6においては、ピッキング装置において欠品が生じることを確実に防止できる。
【0021】
請求項7においては、製造計画に変更が生じた場合であっても、ピッキング装置において欠品が生じることを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るピッキング装置の全体構成を示す模式図、(a)平面模式図、(b)正面模式図。
【図2】本発明の一実施形態に係るピッキング装置において使用する部品箱を示す斜視模式図。
【図3】本発明の一実施形態に係るピッキング装置を示す部分断面模式図、(a)図1(a)におけるP−P断面図、(b)図1(a)におけるQ−Q断面図。
【図4】一次保管部を構成する保管棚を示す模式図、(a)部分正面模式図、(b)図4(b)におけるS−S断面図。
【図5】本発明の一実施形態に係るピッキング装置を示す図1(a)におけるR−R断面図。
【図6】二次保管部を構成するピッキング棚を示す模式図、(a)側面断面模式図、(b)正面模式図。
【図7】二次保管部を示す斜視模式図、(a)単体のピッキング棚を示す斜視模式図、(b)二次保管部を示す斜視模式図。
【図8】作業者に対するピッキング間口の指示態様を示す模式図、(a)指示ランプを備える場合の指示態様を示す側面断面模式図、(b)指示ランプを備えない場合の指示態様を示す側面断面模式図。
【図9】制御装置の構成とその周辺装置の接続状況を示す模式図。
【図10】ピッキング装置において取り扱う部品の部品数と部品の種類の関係を示す図。
【図11】改良した態様のピッキング装置を示す模式図、(a)一次保管部におけるスペース効率を改善した例を示す模式図、(b)ピッキング作業時における作業者の歩行距離を低減した例を示す模式図。
【図12】ピッキング装置における部品箱の投入手順の流れを示すフロー図。
【図13】ピッキング装置における部品箱の補充手順の流れを示すフロー図。
【図14】製品の製造条件に基づく各部品Ax〜Dxの欠品の発生予定を示す図。
【図15】投入リードタイムの説明図。
【図16】ピッキング装置における部品箱の補充順序の決定方法の流れを示すフロー図。
【図17】本発明に係る補充順序の決定方法により補充順序を決定した場合の各部品Ax〜Dxの補充状況を示す図。
【図18】本発明に係る補充順序の決定方法によらずに補充順序を決定した場合の各部品Ax〜Dxの補充状況の例を示す図。
【図19】本発明に係るピッキング装置により補充順序を決定した場合に生じ得る問題点を示す図。
【図20】本発明に係る改良した補充順序の決定方法により補充順序を決定した場合の各部品Ax〜Dxの補充状況(その1)を示す図。
【図21】本発明に係る改良した補充順序の決定方法により補充順序を決定した場合の各部品Ax〜Dxの補充状況(その2)を示す図。
【図22】本発明に係るピッキング装置における欠品を防止するための補充方法の流れを示すフロー図。
【図23】二次保管部におけるピッキング棚の配置状況および空のテーブルの発生状況を示す模式図。
【図24】本発明に係るピッキング装置における2箱目の部品箱の追加状況を示す模式図、(a)部品Axと同じピッキング棚に空のテーブルがあった場合を示す模式図、(b)部品Axと同じ品目のピッキング棚に空のテーブルがあった場合を示す模式図。
【図25】本発明に係るピッキング装置の、部品Axの品目とピックサイクルが異なる品目のピッキング棚に空のテーブルがあった場合における2箱目の部品箱の追加状況を示す模式図。
【図26】本発明に係るピッキング装置の、部品Axと同じ品目や部品Axの品目とピックサイクルが異なる品目のピッキング棚に空のテーブルがない場合における2箱目の部品箱の追加状況を示す模式図。
【図27】2箱目を追加する必要性の見直し方法の流れを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、発明の実施の形態を説明する。
本実施形態におけるピッキング作業とは、作業者が、ある製品の製造(組立)に必要な一通りの部品を集める作業のことを意味している。そして、ピッキング装置とは、ピッキング作業を行うときに用いられる装置であり、ある製品の製造に必要な部品について、必要な個数以上の在庫を確保して、欠品による製造効率の低下を防止するとともに、在庫の各部品からピッキングすべき部品を選び出して作業者に指示することによって、作業者が効率的にピッキング作業を行えるようにするための装置である。
尚、以下の説明では、作業者が、ピッキング装置によって指示された部品を、ピッキング装置から取り出す動作のことを「ピッキングする」と表現する。
【0024】
ここでまず、本実施形態において取り扱う各部品の態様について説明をする。
本実施形態では、自動車の製造(組立)工程において使用されるピッキング装置を例示して説明を進めていく。
自動車を構成する(即ち、自動車の製造に必要な)各部品には、例えば、ボディ、ドア、フロントガラス等の大型部品や、ドアミラー、スイッチ類、ランプ類等の小型部品等が存在しているが、本実施形態では、主に作業者の手によって運搬等をなし得る前記小型部品を、ピッキング装置において取り扱う対象の部品としている。
尚、本実施形態では、自動車の製造工程において使用されるピッキング装置を例示して説明をするが、本発明に係るピッキング装置の用途をこれに限定するものではなく、また、本発明に係るピッキング装置において取り扱う部品の態様を小型部品に限定するものではない。
【0025】
また、本実施形態において、部品の「品目」とは、例えば、ドアミラー、スイッチ類、ランプ類等の各部品を、部品の用途等で区別する概念として規定しており、各部品の「品目」をA・B・C・・・等の大文字のアルファベット記号を付して区別して表示するようにしている。即ち、例えば、ドアミラー、スイッチ類、ランプ類等の各部品は、「品目」が異なる部品として扱うようにしており、ドアミラーは品目A、スイッチ類は品目B、ランプ類は品目C等のように区別して表すようにしている。
【0026】
さらに、本実施形態において、部品の「種類」とは、同じ「品目」の部品を色違い等の仕様の差異で区別する概念として規定しており、各部品の「品目」に「種類」を表す数字を付して区別して表すようにしている。例えば、赤色のドアミラーは、品目Aの種類1として部品A1と表示し、青色のドアミラーは、品目Aの種類2として部品A2として表すようにしている。そして、赤色・青色の各ドアミラーは、同じ「品目」であるが「種類」が異なる部品として扱うようにしている。
【0027】
次に、本発明の一実施形態に係るピッキング装置の全体構成について、図1〜図11を用いて説明をする。
図1(a)(b)に示す如く、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1は、一次保管部2、二次保管部3、投入棚4、返却棚5、空箱棚6、一次移載リフタ7、二次移載リフタ8、制御装置9、等を備えている。
【0028】
また、ピッキング装置1では、各部品を、図2に示すような部品箱10に収納した状態で保管する構成としている。
部品箱10は、その内部に各部品を収納することができる箱体であり、開閉可能な蓋部10aを備えている。また部品箱10は、ピッキング装置1の各所において、保管場所を選ばずどこにでも保管できるように統一された所定の大きさおよび形状を採用している。
【0029】
そして、部品箱10に対して、各部品を「種類」ごとに分別して、所定の数量単位でまとめて収納するようにしている。
各部品は、各「品目」および各「種類」で形状・大きさ・仕様等がそれぞれ異なっているため、一つの部品箱10内に収納できる部品数が、各「品目」および各「種類」に応じて異なってくる。
即ち、共通の態様である部品箱10に異なる態様の各部品を収納するため、例えば、部品A1は、部品箱10に10個収納可能であり、部品B1は、部品箱10に20個収納可能である等となり、部品の「種類」に応じて収納数に差異が生じている。
【0030】
尚、以下の説明においては、ピッキング装置1に対して、図1(a)(b)に示すような座標系を規定しており、X軸方向をピッキング装置1の幅方向、Y軸方向をピッキング装置1の奥行き方向、Z軸の方向をピッキング装置1の高さ方向として規定している。そして、これと同じ座標系を図1(a)(b)以外の各図についても、必要に応じて適宜表示するようにしている。
また、図1(a)に示すように、ピッキング装置1の前面側および後面側を規定するものとし、図1(a)が、ピッキング装置1の平面図(上面)を表しており、また、図1(b)が、ピッキング装置1の正面図(前面)を表している。
【0031】
一次保管部2は、ある所定の製造期間において必要となる各部品を、量的に確保するために設けられる第一の保管棚であり、図1(a)(b)および図3(a)に示す如く、複数の保管棚11・11・・・により構成している。
【0032】
保管棚11は、一つの保管棚11に、一つの「種類」の部品に係る部品箱10を対応させて保管するようにしており、図4(a)(b)に示す如く、一つの保管棚11には、同じ「種類」の部品を収納する複数の部品箱10・10・・・を奥行き方向に隣接させて保管するようにしている。
【0033】
保管棚11は、前面側および後面側に開口部を有しており、前面側の開口部を投入間口11aとし、後面側の開口部を取出間口11bとしている。
尚、本実施形態では、部品箱10と保管棚11の奥行き方向の大きさの関係から、一つの保管棚11において、部品箱10を3個保管可能である場合の態様を例示している。
【0034】
各保管棚11・11・・・は、底面部を構成している各棚板11c・11c・・・を、奥行き方向において前面側から後面側に向けて先下がりに傾斜させて設ける構成としており、また、棚板11cの上面部には、図示しないローラ等を設ける構成としている。
このため、保管棚11では、棚板11c上に載置した部品箱10を、前面側から後面側に向けて自重により自然に滑落させることができる。
さらに、棚板11c・11cの最後部には、図示しないストッパを配設しており、部品箱10を、該ストッパと当接させることによって、滑落してきた部品箱10を棚板11cから落下させないようにして、保管棚11内に保持するようにしている。
【0035】
また、一次保管部2は、部品箱10・10・・・を保管するスペースを効率的に利用する構成としており、図4(a)(b)に示す如く、部品箱10と保管棚11の隙間L1・L2を、各部品箱10・10の取り出しが可能な寸法の範囲で、できる限り狭くするようにしている。
【0036】
さらに、一次保管部2では、作業者によるピッキングを行わず、部品箱10の投入および取出を各移載リフタ7・8によって行う構成としている。このため、一次保管部2では、図3(a)(b)に示すように作業者の手が届く高さを越えて高さ方向(Z軸方向)に保管棚11を配置することが可能であり、ピッキング装置1の設置スペースを低減させて、より有効にスペースを利用することができる。そして、このようなピッキング装置1を使用することによって、従来よりも少ない設置スペースで、製造に必要な部品を量的に確保することができる。
【0037】
図1(a)(b)および図3(b)に示す如く、投入棚4は、ピッキング装置1に対して、一次保管部2において保管する部品箱10・10・・・を投入するための棚であり、ピッキング装置1の後面側に投入間口4aを備え、前面側に取出間口4bを備える構成としている。
そして、投入棚4を形成する各棚板4c・4c・・・は、ピッキング装置1の奥行き方向において、後面側から前面側に向けて先下がりの傾斜を有する構成としている。また、各棚板4c・4c・・・の上面部には、図示しないローラ等を設ける構成としている。このため、投入棚4では、棚板4c上に載置した部品箱10を、後方から前方に向けて自重により自然に滑落させることができる。
さらに、棚板4c・4c・・・の最前部には、図示しないストッパを配設しており、部品箱10を、該ストッパと当接させることによって、部品箱10を棚板4cから落下させないようにして、投入棚4内に保持するようにしている。
また、ピッキング装置1は、投入棚4の下方において、返却棚5を備えている。
【0038】
返却棚5は、投入棚4に投入されたが保管先が見つからなかった部品箱10・10・・・を一時的に保留しておくための棚であり、ピッキング装置1の前面側に投入間口5aを備え、後面側に取出間口5bを備える構成としている。
そして、返却棚5を形成する各棚板5c・5c・・・は、ピッキング装置1の奥行き方向において、前面側から後面側に向けて先下がりの傾斜を有する構成としている。また、各棚板5c・5c・・・の上面部には、図示しないローラ等を設ける構成としている。このため、返却棚5では、棚板5c上に載置した部品箱10を、前面側から後面側に向けて自重により自然に滑落させることができる。
さらに、棚板5c・5c・・・の最後部には、図示しないストッパを配設しており、部品箱10を、該ストッパと当接させることによって、部品箱10を棚板5cから落下させないようにして、返却棚5内に保持するようにしている。
【0039】
二次保管部3は、製品の製造に必要な各部品を収納した部品箱10・10・・・を、各「種類」について、少なくとも一つは確保するとともに、作業者が部品をピッキングする場所(以下、ピッキングエリアと呼ぶ)となる棚部を構成するものであり、図1(a)(b)および図5に示す如く、複数のピッキング棚12・12・・・により構成している。
【0040】
図6(a)(b)に示す如く、ピッキング棚12は、矩形状断面を有する略直方体状の本体部12aを備えている。本体部12aは、奥行き方向の両端部に開口部を有しており、当該両端部の開口部の内、前面側の開口部をピッキング間口12bとして、後面側の開口部を投入間口12cとしている。
また、ピッキング棚12は、本体部12aの内部に複数のテーブル14・14・・・、テーブル入れ換え装置15等、を備えている。
【0041】
ピッキング間口12bは、作業者が部品箱10から部品をピッキングすることができる間口(開口部)である。
ピッキング間口12bに配置されるテーブル14は、テーブル入れ換え装置15によって入れ換えられ、ピッキングすべき部品の部品箱10が載置されたテーブル14がピッキング間口12bに配置された状態において、作業者が部品箱10から部品をピッキングすることができる構成としている。
【0042】
また、ピッキング間口12bにおける、本体部12aの内側には、空箱センサ12dが設けられている。空箱センサ12dは、ピッキング間口12bに配置されるテーブル14上の部品箱10の有無を検出することができるセンサであり、例えば、赤外線式の非接触型のセンサ等を採用し得る。
これにより、作業者が、ピッキング間口12bにおいて、空箱となった部品箱10をテーブル14から除去したことを検出することができる。
【0043】
また、投入間口12cは、空のテーブル14に部品箱10を投入するための間口(開口部)である。
投入間口12cに配置されるテーブル14は、テーブル入れ換え装置15によって入れ換えられ、空のテーブル14が投入間口12cに配置された状態において、二次移載リフタ8によって、部品箱10を投入間口12cから空のテーブル14に投入することができる構成としている。
【0044】
図6(a)(b)に示す如く、テーブル入れ換え装置15は、本体部12aの内部において、各テーブル14・14・・・の配置を入れ換えるための装置であり、複数のスプロケット15a・15a・・・、一対のチェーン部材15b・15b、複数の軸部15c・15c・・・等を備えている。
本実施形態に示すテーブル入れ換え装置15では、スプロケット15aを4個備え、チェーン部材15bを2個備え、軸部15cを8個備える構成としている。
【0045】
テーブル入れ換え装置15は、2個のスプロケット15a・15aを、本体部12a内における同一のYZ平面上で回転可能に支持し、この2個のスプロケット15a・15aにチェーン部材15bを巻回する構成の回転機構を2組備えている。
そして、この2組の回転機構を、図6(b)に示す如く、正面視において、本体部12aの内部において左右方向に離間させた状態で配設する構成としている。
【0046】
また、左右方向に離間させた状態で回転可能に支持されている一対のチェーン部材15b・15bを複数の軸部15c・15c・・・によって、略梯子状に接続する構成としている。
これにより、左右のチェーン部材15b・15bが複数の軸部15c・15c・・・によって一体的に接続され、各スプロケット15a・15a・・・の回転に伴って、各チェーン部材15b・15bおよび各軸部15c・15c・・・を略無端帯状に回転させることができる。
【0047】
また、各チェーン部材15b・15bの間の空間において、複数のテーブル14・14・・・を、各軸部15c・15c・・・に対して、該各軸部15c・15c廻りに回転可能な状態で吊設する構成としている。
【0048】
このような構成により、いずれか一つ以上のスプロケット15aを図示しないモータ等の駆動源と接続して回転させることにより、複数の各テーブル14・14・・・を、チェーン部材15bの円周に沿って変位させることができ、テーブル入れ換え装置15によって、ピッキング間口12bおよび投入間口12cに配置されるテーブル14を入れ換えることができるようにしている。
【0049】
テーブル14は、部品箱10を載置することができる部位であり、各部品箱10・10・・・は、それぞれの部品の「種類」に対応した所定のテーブル14・14・・・上に載置された状態で保管されている。
【0050】
また、本実施形態で示すピッキング棚12では、一つのピッキング棚12において、8個のテーブル14・14・・・を備える構成としている。
このため、二次保管部3は、全「品目」の全「種類」の各部品に係る部品箱10・10・・・を配置できるテーブル14・14・・・の数を確保するために、図7(a)に示すようなピッキング棚12を、図7(b)に示すように、ピッキング装置1の幅方向(X軸方向)に複数隣接させ、かつ、高さ方向(Z軸方向)に複数段積層して、全「種類」の各部品に係る部品箱10・10・・・を、少なくとも一つ以上配置できる数のテーブル14・14・・・を確保する構成としている。
【0051】
このようにピッキング装置1では、二次保管部3において、各テーブル14・14・・・を、ピッキング装置1の奥行き方向のスペースを活用して設けるとともに、各テーブル14・14・・・をテーブル入れ換え装置15で入れ替え可能な構成としている。
これにより、二次保管部3全体の間口(即ち、ピッキングエリア)を、ピッキング装置1の幅方向(X軸方向)においてコンパクトにすることができ、ピッキング作業における作業者の歩行距離を低減させる構成としている。
【0052】
また、二次保管部3において、各ピッキング棚12・12・・・の配置は、同じ「品目」の各部品箱10・10・・・を保管する各ピッキング棚12・12・・・同士を隣接させて配置するようにしている。
これにより、ピッキング装置1では、作業者がピッキング作業を重ねるうちに、例えば、品目Aの部品の出所の範囲を経験的に知得するようになるため、ピッキング作業時において、作業者の予測を加味してより効率的にピッキング作業を行うことができる。
【0053】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1において、第二の保管棚である二次保管部3は、複数の各テーブル14・14・・・を、二次保管部3における作業者がピッキング可能な部位であるピッキング間口12bに入れ換えて配置することができる装置であるテーブル入れ換え装置15を備えるものである。
このような構成により、ピッキング装置1におけるピッキングエリアをコンパクトに構成することができる。
【0054】
ここで、ピッキング棚12では、テーブル入れ換え装置15によって、各テーブル14・14・・・の配置を入れ換え可能とするための空間が確保されており、また、作業者がピッキング間口12bにおいて、部品箱10から所望する部品をピッキングするための空間も確保されている。
このため、ピッキング間口12bおよび投入間口12cは、一次保管部2を構成する保管棚11の投入間口11aおよび取出間口11bに比して間口の面積が広くなっている。
【0055】
言い換えれば、一次保管部2を構成する保管棚11の投入間口11aおよび取出間口11bは、隙間L1・L2(図4(a)(b)参照)をできるだけ小さくするように考慮されており、一次保管部2において一つの部品箱10が専有するスペース(容積)を、二次保管部3において一つの部品箱10が専有するスペース(容積)に比して小さくする構成としている。
【0056】
このようにピッキング装置1では、部品箱10の保管量を量的に確保する機能と、全「種類」に係る部品の部品箱10を確保しつつ、作業者が容易にピッキングできるようにするための機能を分離して、それぞれ一次保管部2と二次保管部3により実現する構成としている。
これにより、ピッキング装置1は、一次保管部2におけるスペース効率を高めつつ、二次保管部3における作業者のピッキング作業のための空間を確保して、ピッキング装置1全体としてコンパクト化およびピッキング作業の効率化を両立させるようにしている。
【0057】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1において、第一の保管棚である一次保管部2は、二次保管部3に比して、一つの部品箱10が専有するスペースの容積を小さくする構成としている。
このような構成により、ピッキング装置1のスペース効率をより高めることができ、また、ピッキング装置1をよりコンパクトに構成することができる。
【0058】
ここで、ピッキング装置1における、ピッキングすべき部品箱10が保管されたピッキング棚12を作業者に指示するための方法について、図8を用いて説明をする。
ピッキング装置1は、ピッキングすべき部品箱10が保管されたピッキング棚12を作業者に指示する機能を有しており、例えば、図8(a)に示すように指示ランプ16を各ピッキング棚12のピッキング間口12bの近傍に付設する構成としている。
このような構成のピッキング棚12では、制御装置9からの指示に基づいて、ピッキングすべき部品箱10が保管されたピッキング棚12の指示ランプ16を点灯させることにより、ピッキングすべき部品箱10が保管されたピッキング棚12を作業者に指示する機能を実現している。
【0059】
また、ピッキング棚12に指示ランプ16を付設せずに、ピッキングすべき部品箱10が保管されたピッキング棚12を作業者に指示する機能を実現することも可能である。
図8(b)に示すように、ピッキングすべき部品箱10が保管されていない各ピッキング棚12・12・・・において、各テーブル14・14・・・を中間位置で停止させて、ピッキング間口12bにテーブル14を配置しないようにする。
そして、ピッキングすべき部品箱10が保管されているピッキング棚12だけ、ピッキング間口12bにテーブル14を配置するようにする。
これにより、ピッキングすべき部品箱10が保管されているピッキング棚12でしか部品をピッキングすることができないようにすることで、ピッキングすべき部品箱10が保管されたピッキング棚12を作業者に指示する機能を実現することができる。
【0060】
空箱棚6は、ピッキング棚12において、発生した空の部品箱10を投入するための棚であり、二次保管部3(即ち、ピッキングエリア)に隣接する位置に形成され、ピッキング装置1の前面側に投入間口6aを備え、後面側に取出間口6bを備える構成としている。
そして、空箱棚6を形成する各棚板6c・6c・・・は、ピッキング装置1の奥行き方向において、前面側から後面側に向けて先下がりの傾斜を有する構成としている。また、各棚板6c・6c・・・の上面部には、図示しないローラ等を設ける構成としている。このため、空箱棚6では、棚板6c上に載置した部品箱10を、前面側から後面側に向けて自重により自然に滑落させることができる。
さらに、各棚板6c・6c・・・の最後部には、図示しないストッパを配設しており、部品箱10を、該ストッパと当接させることによって、部品箱10を棚板6cから落下させないようにして、空箱棚6内に保持するようにしている。
【0061】
一次移載リフタ7は、投入棚4に投入された部品箱10を、投入棚4の取出間口4bから、一次保管部2を構成する各保管棚11・11・・・の各投入間口11a・11a・・・や、返却棚5の投入間口5a等に移載するための自動搬送装置である。
【0062】
図1(a)(b)および図3(a)(b)に示す如く、一次移載リフタ7は、ピッキング装置1の前面側、即ち、投入棚4の取出間口4bと保管棚11・11・・・の各投入間口11a・11a・・・が開口されている側において、ピッキング装置1の幅方向(X軸方向)に沿って平行に敷設されるレール部7aを備えている。
また、一次移載リフタ7は、レール部7aに沿って走行する走行部7bを備えており、さらに、該走行部7bに付設される高さ方向(Z軸方向)に伸縮可能な伸縮部7cを備えている。そして、伸縮部7cの下端部において移載装置7dを支持する構成としている。
さらに一次移載リフタ7は、制御装置9と接続され、制御装置9からの信号に従って作動する。
【0063】
このような構成により、制御装置9からの信号に従って、走行部7bの走行位置と伸縮部7cの伸縮状態を調整することによって、移載装置7dを、投入棚4の取出間口4bや、一次保管部2を構成する各保管棚11・11・・・の各投入間口11a・11a・・・と対面する所定の位置に位置合わせして変位させることができる。
【0064】
移載装置7dは、投入棚4の取出間口4bに対面して配置される状態において、制御装置9からの信号に従って、取出間口4bから部品箱10を取り出して、該部品箱10を保持することができる。また移載装置7dは、保管棚11の投入間口11aに対面して配置される状態において、制御装置9からの信号に従って、保持している部品箱10を投入間口11aから保管棚11に投入することができる。
【0065】
また、移載装置7dには、移載する部品箱10に付されている識別情報を検出することができるセンサ部7eを備えている。
例えば、部品箱10にRFIDやバーコード等を付する構成とした場合、移載装置7dにRFIDの受信装置やバーコードの読取装置等によって構成されるセンサ部7eを付設する構成とする。
そして、センサ部7eにおいて検出した部品箱10の識別情報は、制御装置9に送られる。
【0066】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1は、一次移載リフタ7を備えており、一次移載リフタ7によって、一次保管部2の保管棚11に保管される部品箱10を、一次保管部2から取り出して、一次保管部2から二次保管部3の所定のテーブル14まで移載し、投入するものである。
このような構成により、高さ方向のスペースを利用してピッキング装置1を配置することが可能となり、ピッキング装置1の設置スペースを低減することができる。
【0067】
二次移載リフタ8は、一次保管部2において保管されている各部品箱10・10・・・を、一次保管部2を構成する各保管棚11・11・・・の各取出間口11b・11b・・・から、二次保管部3を構成する各ピッキング棚12・12・・・の各投入間口12c・12c・・・に移載するための自動搬送装置である。
【0068】
図1(a)(b)および図5に示す如く、二次移載リフタ8は、ピッキング装置1の後面側、即ち、各保管棚11・11・・・の取出間口11b・11b・・・と各ピッキング棚12・12・・・の投入間口12c・12c・・・が配置されている側において、ピッキング装置1の幅方向(X軸方向)に沿って平行に敷設されるレール部8aを備えている。
また、二次移載リフタ8は、レール部8aに沿って走行する走行部8bを備えており、さらに、該走行部8bに付設される高さ方向(Z軸方向)に伸縮可能な伸縮部8cを備えている。そして、伸縮部8cの下端部において移載装置8dを支持する構成としている。
さらに二次移載リフタ8は、制御装置9と接続され、制御装置9からの信号に従って作動する。
【0069】
このような構成により、制御装置9からの信号に従って、走行部8bの走行位置と伸縮部8cの伸縮状態を調整することによって、移載装置8dを、一次保管部2を構成する各保管棚11・11・・・の各取出間口11b・11b・・・や、二次保管部3を構成する各ピッキング棚12・12・・・の各投入間口12c・12c・・・と対面する所定の位置に位置合わせして変位させることができる。
【0070】
移載装置8dは、保管棚11の取出間口11bに対面して配置される状態において、制御装置9からの信号に従って、取出間口11bから部品箱10を取り出して、該部品箱10を保持することができる。また移載装置8dは、ピッキング棚12の投入間口12cに対面して配置される状態において、制御装置9からの信号に従って、保持している部品箱10を投入間口12cから、該投入間口12cに配置された空のテーブル14に投入することができる。
【0071】
制御装置9は、ピッキング装置1の各部の動作を制御するための装置であり、実体的には、図9に示す如く、周辺装置と信号を入出力するための入出力部9a、「製造計画に関する情報」や種々のプログラム等を格納するための格納部9b、各プログラム等に従って所定の演算を行うための演算部9c等を備えている。
より具体的には、制御装置9は、CPU、ROM、RAM、HDD等を備える汎用のパーソナルコンピュータを用いて実現することができ、あるいは、前記CPU等を備える専用装置にプログラム群を格納したもので実現することもできる。
【0072】
制御装置9の入出力部9aには、一次移載リフタ7、二次移載リフタ8、各ピッキング棚12・12・・・等が接続されている。
そして、制御装置9には、一次移載リフタ7のセンサ部7eから、該一次移載リフタ7により移載した部品箱10の識別情報が入力される。
これにより、制御装置9は、ピッキング装置1に対して、どの「種類」の部品が、どの保管棚11に、どれだけの数量保管されているかという情報を取得する。
【0073】
また、制御装置9には、ピッキング棚12の空箱センサ12dから、空箱が発生した部品箱10に係る情報や、空のテーブル14の位置に係る情報等が入力される。
これにより、制御装置9は、ピッキング装置1において、どの「種類」の部品箱10を、どこのテーブル14に補充すべきかという情報を取得する。
【0074】
制御装置9の格納部9bには、「製造計画に関する情報」を予め記憶させておく。
ここでいう「製造計画に関する情報」とは、製造される各製品の製造順序や、各製品の仕様(即ち、製造に際してピッキングすべき部品)等に関する情報を意味している。
また、格納部9bには、各保管棚11・11・・・に対する部品の「種類」の対応情報や、各テーブル14・14・・・に対する部品の「種類」の対応情報等を予め記憶させておく。
【0075】
ここで、部品の「種類」と、各保管棚11・11・・・および各テーブル14・14・・・との対応情報は、部品の「種類」と各部11・14を一対一で固定した情報として記憶させておくことが可能であり、あるいは、部品の「種類」と各部11・14を、制御装置9によってその都度紐付けをした情報として記憶させておくことも可能である。
そして、部品箱10に付されている識別情報によって、当該部品箱10に収納されている部品の「種類」や、その「種類」に対応した保管棚11およびテーブル14の位置を特定することができる。
【0076】
さらに、格納部9bには、これらの情報に基づいてピッキングすべき部品箱10を算出するためのプログラムや、空の部品箱10の補充順序を決定するためのプログラム等を格納しておく。
【0077】
演算部9cは、格納部9bに記憶されているプログラムに従って、格納部9bに記憶されている「製造計画に関する情報」に基づいて、各製造のタイミングにおいてピッキングすべき部品を算出することができる。
また演算部9cは、格納部9bに記憶されているプログラムに従って、格納部9bに記憶されている「製造計画に関する情報」とピッキング装置1の各部7・12等から送られる情報に基づいて、部品箱10の補充順序を算出することができる。
【0078】
そして、制御装置9は、演算部9cによる演算結果に基づいて、入出力部9aから、ピッキング装置1の各部7・8・12等に信号を送って、ピッキング装置1の動作を制御するようにしている。
【0079】
具体的には、一次移載リフタ7は、制御装置9からの信号に従って、投入棚4の取出間口4bから一次保管部2の各保管棚11・11・・・の各投入間口11a・11a・・・に部品箱10の移載を行う。
【0080】
また、二次移載リフタ8は、制御装置9からの信号に従って、一次保管部2の各保管棚11・11・・・の各取出間口11b・11b・・・から二次保管部3の各ピッキング棚12・12・・・の各投入間口12c・12c・・・の間で部品箱10の移載を行う。
【0081】
さらに、ピッキング棚12は、制御装置9からの信号に従って、作業者に対して、ピッキングすべきピッキング間口12bを指示する。
また、ピッキング棚12のテーブル入れ換え装置15は、制御装置9からの信号に従って、ピッキング棚12のピッキング間口12bにピッキングすべき部品箱10が載置されたテーブル14を配置したり、あるいは、ピッキング棚12の投入間口12cに補充が必要な空のテーブル14を配置したりする。
【0082】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1は、複数の各部品により構成される製品の製造において、前記各部品を「品目」ごとに分別するとともに、さらに各「品目」を「種類」ごとに分別して、前記各部品を、「種類」ごとに所定の単位数量でまとめて部品箱10に収納しておき、前記各部品を部品箱10に収納した状態で保管するとともに、保管した前記各部品から、前記製品の製造に必要な部品を、作業者がピッキングするための装置であって、所定期間における前記製品の製造において必要となる前記各部品の数量が確保できるだけの、各部品箱10・10・・・の保管容量を有する、各部品の数量を確保するための第一の保管棚である一次保管部2と、部品箱10を配置するためのテーブル14を、全「品目」の全「種類」の数以上備え、複数の各テーブル14・14・・・によって、全「種類」の各部品箱10・10・・・が少なくとも一つずつ保管できる、各部品の「種類」を確保するための第二の保管棚である二次保管部3と、を備えるものである。
このような構成により、ピッキング装置1のスペース効率を高めることができ、また、ピッキング装置1をコンパクトに構成することができる。
【0083】
ここで、一次保管部2のスペース効率をさらに改善したピッキング装置の構成について、図10および図11(a)を用いて説明をする。
本実施形態における自動車の製造に必要な各部品の数量は、例えば、図10のグラフに表すような数量であると仮定することができる。
このグラフの縦軸は、必要な部品数を部品箱の数を単位として表しており、また横軸は各部品の「種類」を表している。
そして、このような場合、ピッキング装置1では、図10中に示す囲み部αおよび囲み部βの範囲に該当する各部品を、一次保管部2に振り分けて保管し、囲み部γの範囲に該当する各部品を、二次保管部3に振り分けて保管するようにしている。
【0084】
しかし、例えば、比較的使用数量の少ない囲み部β中の各部品を保管棚11に保管すると、保管棚11の奥行き方向に空スペースが生じてしまうため、一次保管部2のスペース効率が低下する。
【0085】
そこで、図11(a)に示す如く、一次保管部2のスペース効率をさらに改善したピッキング装置21では、一次保管部2の一部を、保管棚11ではなく、ピッキング棚12を用いて一次保管部2を構成している。
そして、比較的使用数量が少ない「種類」の各部品箱10・10・・・を、ピッキング棚12・12・・・により構成した一次保管部2において保管するようにしている。
これにより、ピッキング装置21では、一次保管部2において、奥行き方向のスペースを無駄にしないようにして、スペース効率のさらなる改善を図るようにしている。
【0086】
またここで、ピッキング作業のさらなる効率改善を図ったピッキング装置の構成について、図11(b)を用いて説明をする。
図11(b)に示す如く、ピッキング装置31では、ピッキング装置1を2台使用するとともに、各ピッキング装置1・1を、前面側同士を対面させて配置する構成としている。
このようなピッキング装置31では、ピッキングエリアを挟んで両側にピッキング間口12b・12bが配置されており、ピッキングエリアの両側でピッキング作業を行うことができるため、ピッキング作業時における作業者の歩行距離を、ピッキング装置1を1台使用する場合に比して、およそ半分に低減することができ、ピッキング作業のさらなる効率化を図ることができる。
【0087】
次に、ピッキング装置1による一連のピッキング作業の流れについて、図3、図5、図12および図13を用いて説明をする。
作業者は、ピッキング作業の開始時あるいは部品の補充が必要となった時点で、ピッキング装置1に必要な各部品が収納された各部品箱10・10・・・を投入する。
図3(b)および図12に示す如く、作業者は、例えば台車を用いて、ピッキング装置1の一次保管部2の近傍まで各部品箱10・10・・・を運んできて、その後、人手によって、部品箱10・10・・・を投入棚4に投入する。
【0088】
作業者が、部品箱10・10・・・を投入棚4に投入することによって、一次移載リフタ7による移載処理が開始される。
投入間口4aから投入棚4に投入された部品箱10は、自重によって、棚板4c上を滑落していき、棚板4cの最下部に設けられたストッパ(図示せず)によって係止され、投入棚4内に保持される。
【0089】
投入棚4の投入間口4aから部品箱10が投入されたことを、例えば、一次移載リフタ7の移載装置7dに備えられるセンサ部7eによって検出する(STEP−1−1)。また、例えば、投入棚4に部品箱10を検出するためのセンサ(図示せず)を設け、当該センサによって、投入棚4の投入間口4aに部品箱10が投入されたことを検出する構成としてもよい。
そして、センサ部7eにより部品箱10が投入されたことを検出した情報は、制御装置9に入力される。
そして、制御装置9からの信号に従って、一次移載リフタ7の移載装置7dを、投入棚4の取出間口4bと対面する位置に変位させるとともに、移載装置7dによって、投入棚4の取出間口4bから部品箱10を取り出し、移載する(STEP−1−2)。
【0090】
このとき、移載装置7dが備えるセンサ部7eによって、当該部品箱10に付された識別情報を検出する(STEP−1−3)。
検出した識別情報は、制御装置9に送られ、当該部品箱10の識別情報から、一次保管部2における当該部品箱10に対応する保管棚11を算出する(STEP−1−4)。
そして、図3(a)および図12に示す如く、制御装置9からの信号に基づいて、一次移載リフタ7によって、算出した保管棚11の投入間口11aと体面する位置に移載装置7dを変位させる。
【0091】
投入間口11aと対面する位置に変位した移載装置7dは、センサ部7eによって、当該保管棚11における部品箱10の保管状況(即ち、保管棚11に空スペースが存在するか否か)を検出し、制御装置9によって、部品箱10が投入可能であるか否かの判定をする(STEP−1−5)。
【0092】
そして、保管棚11に投入するスペースがあれば、当該部品箱10を投入間口11aから投入して、当該部品箱10の移載を完了する(STEP−1−6)。
一方、保管棚11に投入するスペースがなければ、当該部品箱10を返却棚5に投入して、当該部品箱10の移載を完了する(STEP−1−7)。尚、返却棚5に返却された部品箱10は、作業者が部品箱10を投入棚4に投入するタイミングで、適宜投入棚4の投入間口4aから再投入される。
【0093】
そして、投入棚4に部品箱10が存在する限り、前述した(STEP−1−1)〜(STEP−1−7)の処理を繰り返し実行する。
このようにして、一次保管部2に、必要な部品を必要な個数だけ常備しておくようにして、ピッキング作業に備えるようにしている。
【0094】
次に、ピッキング作業が開始されると、制御装置9から二次保管部3の各ピッキング棚12・12・・・に、ピッキングすべき部品を順次指示する信号が送られる。
このとき、制御装置9からの信号に従って、テーブル入れ換え装置15によって、ピッキングすべき部品が保管されている各ピッキング棚12・12・・・の各ピッキング間口12b・12b・・・に、ピッキングすべき部品を収納している部品箱10を配置するように、各テーブル14・14・・・を入れ換える。
そして、二次保管部3では、制御装置9からの信号に従って、ピッキングすべき部品が保管されている各ピッキング棚12・12・・・を作業者に指示する(図8(a)(b)参照)。
【0095】
作業者は、ピッキング棚12により指示される情報に基づいて、各ピッキング棚12・12・・・の各ピッキング間口12b・12b・・・に配置された各部品箱10・10・・・から部品をピッキングする。そして作業者は、一式の部品が揃うまでピッキング作業を継続する。
【0096】
そして、図13に示す如く、ピッキング作業の途中で、空の部品箱10が発生したときに、二次移載リフタ8による移載処理が開始される。
まず作業者は、ピッキング作業の途中で、空箱となった部品箱10が生じた場合には、テーブル14から当該空の部品箱10を取り出す(STEP−c−1)。
そして、作業者は、取り出した空の部品箱10を、投入間口6aから空箱棚6に投入する(STEP−c−2)。尚、空箱棚6に投入された空の部品箱10は、作業者が、投入棚4に部品箱10を投入し終わったタイミング等で、作業者によって取出間口6bから取り出されて、新たな部品を収納する等の準備をした上で、繰返し利用される。
【0097】
ピッキング棚12は、空のテーブル14が生じたことを空箱センサ12dにより検出し、制御装置9にその情報を送信する。
制御装置9は、その情報に基づいて、空のテーブル14の位置から対応する部品を特定する(STEP−a−1)。
また、ピッキング棚12は、テーブル入れ換え装置15によって、空のテーブル14を投入間口12cに配置しておく(STEP−a−2)。
【0098】
さらに、制御装置9は、一次保管部2における、当該部品に対応する部品箱10が保管されている保管棚11を特定する。
そして、図5および図13に示す如く、二次移載リフタ8は、制御装置9からの信号に従って、特定した保管棚11の取出間口11bと対面する位置に、移載装置8dを変位させる(STEP−b−1)。
そして、移載装置8dは、特定した保管棚11における部品箱10の有無を確認する(STEP−b−2)。
ここで、特定した保管棚11に部品箱10が有れば、移載装置8dによって、取出間口11bから部品箱10を取り出す(STEP−b−3)。
一方、部品箱10が無い場合には、制御装置9によって、欠品アラームを発報して、二次移載リフタ8による移載処理を中止する。
【0099】
二次移載リフタ8は、制御装置9からの信号に従って、空のテーブル14が発生しているピッキング棚12の投入間口12cに移載装置8dを変位させる(STEP−b−4)。
そして、二次移載リフタ8は、空のテーブル14が配置されているピッキング棚12の投入間口12cに、新たな部品箱10を投入する(STEP−b−5)。
【0100】
このような部品箱10の補充は、同じ部品の次のピッキング指示があったとき(STEP−c−3)に、手待ちとなることなくピッキングができるように、同じ部品に係る部品箱10をピッキング棚12のピッキング間口12bに配置することができるようなタイミングで完了する(即ち、補充順序を決定する)ようにしている(STEP−a−3)。
このようにして、二次保管部3に、ピッキングすべき部品の部品箱10を各「種類」で少なくとも一つは常備しておくようにして、欠品等を生じさせない円滑なピッキング作業を実現するようにしている。
【0101】
次に、ピッキング装置1における部品箱10の補充順序の決定方法について、図14〜図19を用いて説明をする。
空の部品箱10は、同時発生的に生じることがあり、また、ピッキング装置1のように、二次移載リフタ8が1系統しかない構成では、二次保管部3に対する部品箱10の補充を一つずつしかすることができないため、補充の順序が適切でないと、欠品を招く恐れがある。
本実施形態では、例えば、図14に示すような製造計画であった場合の、制御装置9による部品箱10の補充順序の算出方法について、例示して説明をする。
【0102】
図14に示す如く、本実施形態では、車両番号101、102、・・・の各車両の製造を行う製造計画において、現在、「品目」A〜Dの各部品Ax、Bx、Cx、Dxについて、各部品箱10・10・・・が空になっているものと仮定している。また、各車両は、設定されたサイクルタイム(T0)の間で、一車両を製造するように計画されている。
【0103】
ここで、図14中に示す投入リードタイムについて、図15を用いて説明をする。
投入リードタイム(以下、投入L/T(T1)と記載する)とは、二次移載リフタ8が部品箱10を補充するための動作を開始してから、その動作が完了するまでに要する時間のことであり、図15のように表される。
即ち、投入L/T(T1)は、二次移載リフタ8やピッキング棚12の、以下に示す(1)〜(5)の動作に要する時間の合計によって定められる。
(1)移載装置8dが、前回投入したピッキング棚12の投入間口12cから、今回取り出す部品箱10が保管されている一次保管部2における保管棚11の取出間口11bまでの移動に要する時間。
(2)移載装置8dが、一次保管部2における当該取出間口11bにおいて部品箱10の取り出しに要する時間。
(3)移載装置8dが、一次保管部2における当該取出間口11bから今回投入するピッキング棚12の投入間口12cまでの移動に要する時間。
(4)テーブル入れ換え装置15が、部品箱10を投入する空のテーブル14を投入間口12cに配置するのに要する時間。
(5)移載装置8dが、ピッキング棚12の投入間口12cにおいて投入に要する時間。
【0104】
このため、投入L/T(T1)は、同じ部品に係る部品箱10であっても、その部品箱10の前に補充された部品箱10との位置関係等が影響するため、補充するタイミングによって、その都度変化する性質を有している。
【0105】
ピッキング装置1において、部品の補充順序を決定する場合、図16に示す如く、まず始めに、制御装置9によって、空の部品箱10が発生した各部品Ax〜Dxの投入L/T(T1)を算出する(STEP−2−1)。
本実施形態の場合、車両番号101向けのピッキング作業を開始する時点において、制御装置9によって、各部品Ax〜Dxを補充した場合のそれぞれの投入L/T(T1)を算出すると、例えば、図14に示す条件になるものと仮定している。
ここでは、サイクルタイム(T0)を基準時間「1.0」として、各部品Ax〜Dxの投入L/T(T1)を、それぞれ、「0.75」、「1.0」、「0.75」、「1.0」と仮定している。
【0106】
また次に、制御装置9によって、各部品Ax〜Dxに欠品が生じる(即ち、次にその部品を使用する)までの時間(以下、補充許容時間(T2)と呼ぶ)を算出する(STEP−2−2)。
本実施形態の場合、補充許容時間(T2)が、図14に示すような条件になるものと仮定している。
ここでは、サイクルタイム(T0)を基準時間「1.0」として、各部品Ax〜Dxの補充許容時間(T2)を、それぞれ、「7.0」、「5.0」、「2.0」、「9.0」と仮定している。
【0107】
そして次に、制御装置9によって、各部品Ax〜Dxについて、制御装置9によって、補充許容時間(T2)と投入L/T(T1)の差分時間ΔT(即ち、ΔT=T2−T1)を算出する。
本実施形態の場合、図14に示すように、サイクルタイム(T0)を基準時間「1.0」として、各部品Ax〜Dxの差分時間ΔTは、それぞれ、「6.25」、「4.0」、「1.25」、「8.0」となる。
【0108】
そして、制御装置9によって、この差分時間ΔTが小さい順に各部品Ax〜Dxの補充順序を決定する(STEP−2−3)。
即ち、本実施形態において、差分時間ΔTは、小さい順に、部品Cx、部品Bx、部品Ax、部品Dxとなっているため、図17に示すような補充順序に決定される。
【0109】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1は、制御装置9を備え、二次保管部3において、空の部品箱10が複数発生した場合に、制御装置9によって、空の部品箱10をテーブル14から取り出して、空のテーブル14に新たな部品箱10を投入するのに要する時間である投入L/T(T1)を、全ての空の各部品箱10・10・・・に対して算出し、また、空の部品箱10が発生してから、その空の部品箱10に対応する部品に欠品が発生するまでの時間である補充許容時間(T2)を、全ての空の各部品箱10・10・・・に対して算出し、さらに、全ての空の各部品箱10・10・・・において、算出した投入L/T(T1)と補充許容時間(T2)の差分時間ΔTを算出し、算出した差分時間ΔTが小さい順に、複数の空の各部品箱10・10・・・の補充順序を決定するものである。
このような構成により、ピッキング装置1において欠品が生じることを防止できる。
【0110】
次に、制御装置9によって、差分時間ΔTの小さい順序で補充を行った場合に問題が生じるか否かの判定をさらに行う処理に移行する。
車両番号101向けのピッキング作業を開始する時点から、部品Cx、部品Bx、部品Ax、部品Dxの順に各部品箱10・10・・・の補充を行う場合、製造計画は、図17に示すように表される。
また、補充順序が決定した時点で、部品Bx、部品Ax、部品Dxについては、制御装置9によって、それぞれの前に補充される部品箱10の条件に応じて、投入L/T(T1)を再度計算する。
尚、ここでは、説明の便宜上、制御装置9によって、再度計算した各投入L/T(T1)が、図14に示す投入L/T(T1)と同じであったものと仮定して、説明を行っている。
【0111】
次に、各部品Ax〜Dxについて、制御装置9によって、余裕時間(T3)を算出する(STEP−2−4)。
余裕時間(T3)は、各部品箱10について補充が完了するまでに要する時間と、補充許容時間(T2)の差分であり、この余裕時間(T3)がない場合(即ち、T3<0)に欠品が生じると判定できる。
【0112】
例えば、部品Ax、部品Bx、部品Cx、部品Dxの順に各部品箱10・10・・・の補充を行った場合の補充状態を、図18に示している。
図18に示す如く、投入L/T(T1)、補充許容時間(T2)、余裕時間(T3)等を考慮せずに部品箱10の補充を行うと、部品Cxの余裕時間(T3)が、T3<0となり、欠品が発生してしまう。
【0113】
一方、本実施形態の場合、制御装置9によって算出した余裕時間(T3)は、図17に示すような条件になる。
ここでは、サイクルタイム(T0)を基準単位「1.0」として、各部品Ax〜Dxの余裕時間(T3)は、それぞれ、「4.5」、「3.25」、「1.25」、「5.5」となり、全て、T3>0となっている。
【0114】
あるいは、余裕時間(T3)がある場合(即ち、T3>0)であっても、サイクルタイム(T0)以下の短い期間となるような場合(即ち、T3<T0)には、欠品が生じる恐れがある。
即ち、部品箱10の補充が完了していても、ピッキング棚12では、投入間口12cからピッキング間口12bまで部品箱10(テーブル14)を入れ換えるのに時間を要するため、ピッキング作業開始時にピッキング可能な状態とならない場合があり、この場合に、作業者に手待ち状態が生じるため、欠品と判定される。
【0115】
このため次に、制御装置9によって、各部品Ax〜Dxについて、余裕時間(T3)がサイクルタイム(T0)より長い否かの判定を行う(STEP−2−5)。
ここでは、サイクルタイム(T0)を基準単位「1.0」として、各部品Ax〜Dxの余裕時間(T3)は、全て、T3>T0となっているため、欠品が生じないと判定し、補充順序の決定処理を終了する。
【0116】
一方、例えば、差分時間ΔTの小さい順に補充順序を定めても、図19に示すような条件になる場合が考えられる。
この場合、部品Axについて、T3<T0となっているため、欠品が生じる可能性がある。
このような場合には、図16に示すように(STEP−2−6)に移行し、部品Axの部品箱10をピッキング棚12に2箱目を投入する処理を行うようにしている。
【0117】
図16に示す如く、(STEP−2−5)の判定において、T3<T0となっている部品が存在している場合には、制御装置9によって、当該部品の部品箱10が二次保管部3において2箱存在しているか否かの判定を行う(STEP−2−6)。
【0118】
部品Axの部品箱10が空箱となっても、二次保管部3内に同じ部品Axの部品箱10がもう1箱投入されているような場合には、現実に欠品するタイミングは、当初想定していた欠品のタイミングよりも先となる。
このため、二次保管部3に同じ部品に係る部品箱10の2箱目が存在している場合には、制御装置9によって、欠品のタイミングを2箱目が欠品するタイミングに修正する処理を行う(STEP−2−7)。この修正後の製造計画は、図20のように表される。
【0119】
そして、再度(STEP−2−3)の処理に移行して、制御装置9によって、修正後の差分時間ΔTに基づき補充順序を決定し直すと、製造計画は、部品Axと部品Dxの補充順序が入れ換わって、図21に示すようになる。
【0120】
一方、二次保管部3に2箱目が投入されていない場合には、このままでは、欠品の発生を防止することができないと判定し、制御装置9によって、欠品アラームを発する(STEP−2−8)。
そして、制御装置9は、当該部品については、二次保管部3に2箱目を投入する必要があると判定し、2箱目を投入する処理を実行する。
【0121】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1において、制御装置9は、算出した投入L/T(T1)と補充許容時間(T2)の差分時間ΔTが、一つの製品の製造に要する時間であるサイクルタイム(T0)以下となる部品が存在する場合において、当該部品に係る2個目の部品箱10が、二次保管部3に存在するか否かの判定を行うとともに、2個目の部品箱10が、二次保管部3にない場合には、当該部品に係る部品箱10を、一次保管部2から取り出して、二次保管部3にもう一つ追加する処理を実行するものである。
このような構成により、ピッキング装置1において欠品が生じることを確実に防止できる。
【0122】
ここで、欠品の発生をより確実に防止するための補充順序の決定方法について、図22〜図26を用いて説明をする。
図16において示した補充順序の決定方法では、差分時間ΔTの小さい順に補充順序を決定した後に、欠品が生じ得ると判定した時点で、2箱目を追加する処理を実行するようにしている。
しかしながら、このような方法では、補充順序を決定した後でしか、2箱目の部品箱10が必要な部品が発生するか否かが判定できないため、急な製造計画の変更等に対応できない可能性がある。
【0123】
そこで、本発明に係るピッキング装置1では、差分時間ΔTに基づく補充順序の決定に先立って、2箱目を投入しておいたほうがよい部品を特定し、予め2箱目を投入するようにしており、これによって、より確実に欠品を防止するようにしている。
【0124】
図22に示す如く、製造計画の指示を受けると、まず始めに、制御装置9によって、全部品について、ピックサイクルCpを算出する(STEP−3−1)。
ここで、ピックサイクルCpとは、何台に1個の割合で当該部品がピッキングされるかを示す値であり、例えば、全ての車両に共通して使用される部品であれば、Cp=1であり、2台に1台の割合で使用される部品は、Cp=2である。
【0125】
次に、制御装置9によって、算出したピックサイクルCpに基づく判定を行う(STEP−3−2)。
ここでは、ピックサイクルCpが、Cp≦2となる部品(即ち、使用頻度が2台に1台以上である)が存在するか否かの判定をする。
【0126】
Cp≦2となる部品は、使用頻度が高いため、差分時間ΔTに基づく補充順序の決定をする際に、2箱目の投入が必要であると判定される可能性が高い。
このため、Cp≦2となる部品が存在している場合には、当該部品について、差分時間ΔTに基づく補充順序の決定に先立って、二次保管部3に2箱目を投入する処理に移行する。
【0127】
また、Cp≦2となる部品が存在していない場合には、ここで処理を完了し、前述した差分時間ΔTに基づく補充順序の決定方法による処理に移行する。
【0128】
ここで、例えば、Cp≦2となる部品Axが存在していると仮定し、二次保管部3において部品Axが図23に示すような配置であるものと仮定する。尚、図23では、二次保管部3の各ピッキング棚12・12・・・において、各テーブル14・14・・・にどの部品に係る部品箱10・10・・・が配置されているかを、凡例に示すように模式的に表している。
【0129】
まず、制御装置9によって、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、空のテーブル14を探す(STEP−3−3)。
図23に示すような場合には、部品Axと同じピッキング棚12に空のテーブル14が1箇所存在している。
そして、制御装置9によって、空のテーブル14の有無による判定を行う(STEP−3−4)。
【0130】
ここで、部品Axと同じピッキング棚12に空のテーブル14が存在する場合には、図24(a)に示すように、制御装置9からの信号に従って、二次移載リフタ8によって、一次保管部2から当該空のテーブル14に2箱目の部品Axに係る部品箱10を追加する(STEP−3−15)。
また、部品Axと同じピッキング棚12に空のテーブル14が無い場合には、次の処理に移行する。
【0131】
部品Axと同じピッキング棚12に空のテーブル14が無い場合には、次に、制御装置9によって、該当部品Axと同じ品目Aが保管されているその他のピッキング棚12において、空のテーブル14を探す(STEP−3−5)。
そして、制御装置9によって、空のテーブル14の有無による判定を行う(STEP−3−6)。
【0132】
ここで、空のテーブル14が存在する場合には、図24(b)に示すように、制御装置9によって、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、最も使用頻度の低い部品ALの部品箱10を特定する(STEP−3−13)。
そして、この部品ALの部品箱10を、制御装置9からの信号に従って、二次移載リフタ8によって、探し出した空のテーブル14に移動させ、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、空のテーブル14を発生させる(STEP−3−14)。
【0133】
そして、この部品ALに係る部品箱10を移動することにより発生させた空のテーブル14に、制御装置9からの信号に従って、二次移載リフタ8によって、一次保管部2から2箱目の部品Axに係る部品箱10を追加する(STEP−3−15)。
また、その他の品目Aに係るピッキング棚12においても空のテーブル14が無い場合には、さらに次の処理に移行する。
【0134】
品目Aに係るピッキング棚に空のテーブル14が無い場合には、次に、制御装置9によって、該当部品Axの品目Aとピッキングするタイミングが異なっている品目を探す(STEP−3−7)。
そして、制御装置9によって、該当する品目の有無による判定を行う(STEP−3−8)。
【0135】
ここで例えば、品目Bが、品目Aとピッキングするタイミングが異なっているものと仮定する。即ち、品目Aを使用する場合には、必ず品目Bは使用せず、品目Bを使用する場合には、必ず品目Aは使用しないという、品目Aと品目Bが排他的な関係にあるものと仮定する。
【0136】
ここで、ピッキングするタイミングが異なっている品目Bが存在する場合には、制御装置9によって、その品目Bが保管されているピッキング棚12における空のテーブル14を探す(STEP−3−10)。
そして、制御装置9によって、空のテーブル14の有無による判定を行う(STEP−3−11)。
【0137】
ここで、図25に示す如く、品目Bに係るピッキング棚12に空のテーブル14が存在する場合には、制御装置9によって、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、最も使用頻度の低い部品ALの部品箱10を特定する(STEP−3−13)。
【0138】
そして、この部品ALの部品箱10を、制御装置9からの信号に従って、二次移載リフタ8によって、品目Bに係るピッキング棚12の空のテーブル14に移動させ、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、空のテーブル14を発生させる(STEP−3−14)。
【0139】
そして、この部品ALに係る部品箱10を移動することにより発生させた空のテーブル14に、制御装置9からの信号に従って、二次移載リフタ8によって、一次保管部2から2箱目の部品Axに係る部品箱10を追加する(STEP−3−15)。
尚、品目Bに係るピッキング棚12に、空のテーブル14が複数存在する場合には、当該部品Axのピッキング棚12に最も距離が近いピッキング棚12の空のテーブル14を採用する。
【0140】
そして、該当部品Axの品目Aとピッキングするタイミングが異なっている品目Bのピッキング棚において空のテーブル14が無い場合や、あるいは、該当部品Axの品目Aとピッキングするタイミングが異なっている品目が無い場合には、さらに次の処理に移行する。
【0141】
次に、該当部品Axの品目Aとピッキングするタイミングが異なっている品目Bのピッキング棚において空のテーブル14が無い場合や、あるいは、該当部品Axの品目Aとピッキングするタイミングが異なっている品目が無い場合には、制御装置9によって、全てのピッキング棚12を対象として、空のテーブル14を選定する(STEP−3−9)。
【0142】
ここで、図26に示す如く、品目Cのピッキング棚12・12・12において、空のテーブル14があったと仮定する場合には、制御装置9によって、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、最も使用頻度の低い部品ALの部品箱10を特定し、この部品ALの部品箱10を、検出した空のテーブル14に移動させ、該当部品Axが保管されているピッキング棚12において、空のテーブル14を発生させる。
【0143】
そして、この部品ALに係る部品箱10を移動することにより発生させた空のテーブル14に、制御装置9からの信号に従って、二次移載リフタ8によって、一次保管部2から2箱目の部品Axに係る部品箱10を追加する(STEP−3−13)。
また、空のテーブルの存在するピッキング棚12が複数存在する場合には、当該部品Axのピッキング棚12に最も距離が近いピッキング棚12の空のテーブル14を採用する。
そして、以上により、ピックサイクルCpに基づいて、部品箱を追加する一連の処理を終了する。
尚、図22には示していないが、仮に二次保管部3に空のテーブル14が一つも無い場合には、制御装置9によって、欠品アラームを発報して、処理を終了する。
【0144】
このように、ピッキング装置1では、2箱目の部品箱10を追加する場合に、可能な限り、1箱目の部品箱10に近いピッキング棚12に部品箱10を追加するようにしている。これにより、作業者の予想に反するピッキング棚12からピッキングの指示がなされることを極力無くすようにして、ピッキング作業における作業効率を維持するようにしている。
【0145】
即ち、本発明の一実施形態に係るピッキング装置1において、制御装置9は、任意の部品箱10から部品をピッキングしてから、次に同じ部品箱10から部品をピッキングするまでに製造する製品の製造数を示す値であるピックサイクルCpを、全部品に対して算出し、ピックサイクルCpが、2以下(即ち、Cp≦2)となる部品が存在するか否かを判定するとともに、Cp≦2となる部品が存在する場合には、該当する部品に係る部品箱10を、一次保管部2から取り出して、二次保管部3にもう一つ追加する処理を実行するものである。
このような構成により、製造計画に変更が生じた場合であっても、ピッキング装置1において欠品が生じることを確実に防止できる。
【0146】
このような、二次保管部3に対する2箱目の追加処理を続けていくと、製造計画の変更に伴って、2箱目が不要となる部品箱10が発生してくる。
そして、不要な2箱目を各所に残存させていくと、二次保管部3のスペースが必要以上に大きくなってしまい、スペースの有効利用が図れなくなるという問題が生じる。
そこで、本実施形態では、二次保管部3において2箱目に追加された部品箱10について、製造指示がある度に、2箱目の部品箱10の必要性を確認する処理を更に実行するようにしている。
【0147】
即ち、2箱目に追加された部品箱10に対して、ピックサイクルCpを算出し、Cp≦2でなくなっている場合には、2箱目を一次保管部2に返却するとともに、2箱目の追加に際して、別のピッキング棚12に移動された部品箱10を元のピッキング棚12に戻す処理を行うようにしている。
【0148】
図27に示す如く、製造計画の指示を受けると、まず始めに、制御装置9によって、全ての部品箱10・10・・・を対象として、二次保管部3に2箱目の部品箱10が存在するか否かの判定をする(STEP−4−1)。
そして、2箱目が存在する部品箱10が見つかれば、当該部品箱10に対応する部品についてピックサイクルCpを算出する(STEP−4−2)。
そして、制御装置9によって、算出したピックサイクルCpが、Cp≦2となっているか否かによる判定を行う(STEP−4−3)。
【0149】
ここで、制御装置9は、Cp≦2となっていない部品は、既に使用頻度が低くなっているため、2箱目の部品箱10が不要であると判定する。
このため、2箱目の部品箱10が存在している部品のピックサイクルCpが、全てCp≦2となっていれば、この処理を終了する。
一方、2箱目の部品箱10が存在している部品のうち、Cp>2となっている部品が存在する場合には、次の処理に移行する。
【0150】
この場合、制御装置9によって、テーブル入れ換え装置15を作動させて、Cp>2となっている部品について、2箱目の部品箱10を、投入間口12cに配置し、また二次移載リフタ8によって、投入間口12cから2箱目の部品箱10を取り出して、投入棚4に返却する(STEP−4−4)。そして、投入棚4に返却された部品箱10は、一次保管部2の所定の保管棚11において、再び保管される。
【0151】
次に、制御装置9によって、先ほど投入棚4に返却した部品箱10を追加する際に、別のピッキング棚12に移動させた部品箱10が存在するか否かを判定する(STEP−4−5)。
そして、別のピッキング棚12に移動させた部品箱10が無い場合には、ここで処理を終了する。
一方、別のピッキング棚12に移動させた部品箱10が存在する場合には、次の処理に移行する。
【0152】
次に、制御装置9によって、別のピッキング棚12に移動させた部品箱10と同じ品目のピッキング棚12に空のテーブル14が存在するか否かを判定する(STEP−4−6)。
そして、同じ品目のピッキング棚12に空のテーブル14が無い場合には、ここで処理を終了する。
一方、同じ品目のピッキング棚12に空のテーブル14が存在する場合には、次の処理に移行する。
【0153】
次に、制御装置9によって、別のピッキング棚12に移動させた部品箱10を、先ほど確認した同じ品目のピッキング棚12における空のテーブル14に投入する(STEP−4−7)。
そして、以上により、2箱目の部品箱10の必要性を確認する一連の処理を終了する。
【符号の説明】
【0154】
1 ピッキング装置
2 一次保管部
3 二次保管部
7 一次移載リフタ
8 二次移載リフタ
9 制御装置
10 部品箱
11 保管棚
11a 投入間口
11b 取出間口
12 ピッキング棚
12b ピッキング間口
12c 投入間口
14 テーブル
15 テーブル入れ換え装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品により構成される製品の製造において、
前記各部品を品目ごとに分別するとともに、さらに各品目を種類ごとに分別して、
前記各部品を、種類ごとに所定の単位数量でまとめて部品箱に収納しておき、
前記各部品を前記部品箱に収納した状態で保管するとともに、
保管した前記各部品から、前記製品の製造に必要な部品を、作業者がピッキングするためのピッキング装置であって、
所定期間における前記製品の製造において必要となる前記各部品の数量が確保できるだけの、前記部品箱の保管容量を有する、各部品の数量を確保するための棚である第一の保管棚と、
前記部品箱を配置するためのテーブルを、全品目の全種類の数以上備え、
複数の前記テーブルによって、全種類の各部品に係る前記部品箱が少なくとも一つずつ保管できる、各部品の種類を確保するための棚である第二の保管棚と、
を備える、
ことを特徴とするピッキング装置。
【請求項2】
前記第一の保管棚は、
前記第二の保管棚に比して、一つの前記部品箱が専有するスペースの容積が小さい、
ことを特徴とする請求項1記載のピッキング装置。
【請求項3】
さらに、移載リフタを備え、
前記移載リフタによって、
前記第一の保管棚に保管される前記部品箱を、
前記第一の保管棚から取り出して、前記第一の保管棚から前記第二の保管棚の所定の前記テーブルまで移載し、所定の前記テーブルに投入する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング装置。
【請求項4】
前記第二の保管棚は、
複数の前記テーブルを、
前記第二の保管棚における作業者がピッキング可能な部位であるピッキング間口に入れ換えて配置することができる装置であるテーブル入れ換え装置を備える、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のピッキング装置。
【請求項5】
さらに、制御装置を備え、
前記第二の保管棚において、空の前記部品箱が複数発生した場合に、
前記制御装置によって、
空の前記部品箱を前記テーブルから取り出して、空の前記テーブルに新たな前記部品箱を投入するのに要する時間である投入時間を、全ての空の前記部品箱に対して算出し、
また、空の前記部品箱が発生してから、その空の前記部品箱に対応する部品に欠品が発生するまでに要する時間である補充時間を、全ての空の前記部品箱に対して算出し、
さらに、全ての空の前記部品箱において、算出した前記投入時間と前記補充時間の差分を算出し、
算出した前記投入時間と前記補充時間の差分が小さい順に、複数の空の前記部品箱の補充順序を決定する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のピッキング装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
算出した前記投入時間と前記補充時間の差分が、
一つの製品の製造に要する時間であるサイクルタイム以下となる部品が存在する場合において、
当該部品に係る二つ目の前記部品箱が、前記第二の保管棚に存在するか否かの判定を行うとともに、
二つ目の前記部品箱が、前記第二の保管棚にない場合には、
当該部品に係る前記部品箱を、前記第一の保管棚から取り出して、前記第二の保管棚にもう一つ追加する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項5記載のピッキング装置。
【請求項7】
前記制御装置は、
任意の前記部品箱から部品をピッキングしてから、次に同じ前記部品箱から部品をピッキングするまでに製造する製品の製造数を示す値であるピックサイクルを、全ての部品に対して算出し、
前記ピックサイクルが、2以下となる部品が存在するか否かを判定するとともに、
前記ピックサイクルが、2以下となる部品が存在する場合には、
該当する部品に係る前記部品箱を、前記第一の保管棚から取り出して、前記第二の保管棚にもう一つ追加する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のピッキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−1293(P2012−1293A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135530(P2010−135530)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】