説明

ピッキング設備およびピッキング方法

【課題】1本の搬送経路と棚設備で冷凍物と冷凍物以外の物品の集品を行うことができ、また専用保冷バックを有効に使用できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】冷凍物に区分される商品22を集品する冷凍用容器21Bと冷凍物以外の商品22を集品する通常用容器21Aをともに、同一の集品ライン31A,31Bにより搬送しながら集品作業を実行するピッキングエリア13と、集品が終了すると集品ライン31A,31Bより冷凍用容器21Bを分岐し、出荷先で特定される冷凍用容器21B毎に集品された冷凍物を冷凍物搬送用容器26に移し替える移載エリア14を備える。この構成により、冷凍物と冷凍物以外の商品の集品作業を同一搬送ラインにより実行でき、商品22を区分別に集品する搬送ラインを不要にでき、また冷凍物を専用の冷凍物搬送用容器26に移し替えることにより、出荷後に解凍して品質が落ちることを回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け先が割り付けられた集品容器を搬送しながら、仕分け先の注文に応じて物品の集品を行うピッキング設備およびピッキング方法、特に冷凍物を含む物品のピッキングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の冷凍物のピッキング設備の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に開示されたピッキング設備には、ほぼ0℃に温度管理されて冷蔵食品を冷蔵保管する冷蔵室と、ほぼ−25℃に温度管理されて冷凍食品を冷凍保管する冷凍室と、0〜5℃に温度管理されて冷蔵室および冷凍室に隣接して配置された補充室と、補充室に隣接して配置された複数の集品棚室と、これら集品棚室群の外側に配置された集品室が備えられている。
前記集品棚室毎に、冷却手段と棚装置が設けられ、棚装置を、滑動式の物品受け部の上位側を補充室側に位置させて、補充室側から、冷蔵室より取り出した冷蔵食品や冷凍室より取り出した冷凍食品を補充可能に形成し、物品受け部の下位側から集品棚室外に物品を取り出し可能に構成している。また冷却手段からの冷気により、棚装置内にストレージ中の物品を冷却している。
そして、前記集品室内には、前記集品棚室群に間隔を置いて対向される状態でコンベヤが配設され、このコンベヤはタクト運転形式であって、ピッキング用の集品容器の搬送を行うように構成されている。
【0003】
上記構成により、集品棚室の棚装置にストレージされている冷蔵食品または冷凍食品は、出荷データに基づいて下位側からオーダピッキングされ、たとえば購入者側へと出荷される。すなわち、各集品棚室にそれぞれ対応している作業者が、出荷データに基づいて物品を下位側からオーダピッキングしたのち、コンベヤ上の集品容器に入れる。その際に集品容器は、コンベヤによりタクト搬送され、その停止点において、適宜にオーダピッキングした冷蔵食品または冷凍食品が入れられる。そして所定の冷蔵食品または冷凍食品が入れられた集品容器が、たとえば購入者側へと出荷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−238903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のピッキング設備は、冷蔵食品または冷凍食品をオーダピッキングする冷蔵食品または冷凍食品のピッキング専用の設備であり、冷蔵食品、冷凍食品以外の他の食品のピッキングには、他のピッキング設備を設置する必要があり、よって設備コストが高くなり、過大な設備とならざるを得ないという問題があった。また2つの設備によりそれぞれ集品した集品容器を、出荷先、たとえば購入者毎にまとめる作業が必要となるために、出荷先にまとめる手間と時間が必要となるという問題があった。
【0006】
また冷蔵食品または冷凍食品を集品する集品容器として、冷凍食品が解凍しないように保冷できる高価な専用保冷バックが必要であるが、集品用にこのような保冷バックを多く用意することは困難であり、また専用保冷バック自体の大きさが通常の集品容器、例えば、ダンボール箱と比較して大きいために、輸送に支障がでることがあった。
【0007】
そこで、本発明は、1本の搬送経路と棚設備で、冷凍物のような特定の物品と、それ以外の物品のピッキングを行うことができるピッキング設備およびピッキング方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を備え、オーダーがそれぞれ割り付けられた各集品容器に対して、前記オーダーに応じて、前記物品収納部より物品を集品するピッキング作業を実行するピッキングエリアを備えたピッキング設備であって、前記物品収納部に収納される物品を、複数の前記オーダーに応じて集品され、その後1つの集約容器に集約することが予定されている寄せ物品と、前記寄せ物品ではない通常物品に区分し、前記ピッキングエリアを、前記集品容器を、前記寄せ物品に区分される物品を集品する寄せ用集品容器と、前記通常物品に区分される物品を集品する通常用集品容器とに区別して前記ピッキング作業を実行する構成とし、前記寄せ物品に区分される物品の集品が終了した前記寄せ用集品容器より、前記複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、集品された寄せ物品に区分される物品を、特定の前記集約容器に移し替える移載エリアと、前記ピッキングエリアより搬出されてきた通常用集品容器と、前記移載エリアより搬出されてきた前記集約容器を、同一の自動積み付け装置を使用して台または台車に積付け可能とする積付エリアとを備えることを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、寄せ物品に区分される物品の寄せ用集品容器へのピッキング作業と、通常物品に区分される物品の通常用集品容器へのピッキング作業が、同一のピッキングエリアで実行され、寄せ用集品容器は寄せ物品に区分される物品の集品が終了すると、移載エリアにおいて、複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、集品された物品が、特定の集約容器に移し替えられる。このように、寄せ物品に区分される物品と、通常物品に区分される物品のピッキング作業が、同一のピッキングエリアで実行されることにより、物品の区分別に物品のピッキング作業に使用する一方の集品ライン(ピッキング設備)が不要となる。また寄せ物品に区分される物品を集約容器に移し替えることにより、集約容器が有効に使用され、また搬送が容易となる。
そして、積付エリアにおいて、通常物品に区分される物品の集品が終了した通常用集品容器と、寄せ物品に区分される物品の移し替えが終了した集約容器は、同一の自動積み付け装置を使用して台または台車に積み付けられる。よって、作業者の負担が軽減されるとともに、自動積付を低い設備コストで、かつ省スペースで実行することが可能となる。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記ピッキングエリアに、前記物品収納部に沿って、前記集品容器を搬送する2本の集品ラインを備え、前記ピッキングエリアを、前記集品容器を、前記寄せ用集品容器と通常用集品容器に区別して振り分けることなく、2本の集品ラインにより搬送しながら前記ピッキング作業を実行する構成としたことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、ピッキングエリアでは、寄せ用集品容器と通常用集品容器は区別されることなく、いずれも2本の集品ラインにより搬送されて、集品が実行される。よって、ピッキング作業の効率が良くなることが期待される。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器を、前記2本の集品ラインへ振り分け、前記ピッキングエリアを、これら寄せ用集品容器を前記各集品ラインにより別々に搬送しながら前記ピッキング作業を実行する構成としたことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、ピッキングエリアでは、複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器は、2本の集品ラインにより振り分けられて別々に移動されて集品されることにより、速く、しかも時間差なく集品が終了し、移載エリアでの、寄せ物品に区分される物品の移し替えが速やかに進行する。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記ピッキングエリアに、前記物品収納部に沿って、前記集品容器を搬送する1本の集品ラインを備え、前記ピッキングエリアを、前記寄せ用集品容器および通常用集品容器を1本の集品ラインにより搬送しながら前記ピッキング作業を実行する構成としたことを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、ピッキングエリアでは、寄せ用集品容器および通常用集品容器は区別なく1本の集品ラインにより搬送されて、ピッキング作業が実行される。よって、通常物品に区分される物品の集品作業に使用する集品ライン(ピッキング設備)が不要となる。
【0016】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記ピッキングエリアより搬出された前記寄せ用集品容器および通常用集品容器を搬送する第1搬送ラインと、前記第1搬送ラインより、前記寄せ用集品容器を前記移載エリアヘ分岐する分岐装置と、前記移載エリアより搬出された前記集約容器を、前記第1搬送ラインに沿って搬送する第2搬送ラインとを備え、前記自動積み付け装置は、前記分岐装置により分岐されずに第1搬送ラインにより搬送されてきた通常用集品容器と、前記第2搬送ラインにより搬送されてきた集約容器を前記台または台車に積み付けることを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、ピッキングエリアより搬出された寄せ用集品容器および通常用集品容器は第1搬送ラインにより搬送され、寄せ用集品容器は分岐装置により第1搬送ラインから移載エリアヘ分岐され、また移載エリアより搬出された集約容器は、第1搬送ラインに沿って第2搬送ラインにより搬送される。そして、自動積み付け装置により、分岐装置により分岐されずに第1搬送ラインにより搬送されてきた通常用集品容器と、第2搬送ラインにより搬送されてきた集約容器は、台または台車に積み付けられる。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記ピッキングエリアより搬出されてきた通常用集品容器を、前記複数のオーダーで特定される通常用集品容器毎に、集品された通常物品を、1つの通常用集品容器に移し替える集約エリアと、前記移載エリアにおいて、集品された寄せ物品を前記集約容器に移し替えた結果、空となった前記寄せ用集品容器を搬出し、前記ピッキングエリアへ搬送する第1戻しラインと、前記集約エリアにおいて、集品された通常物品を前記1つの通常用集品容器に移し替えた結果、空となった前記通常用集品容器を搬出し、前記第1戻しラインに合流する第2戻しラインを備え、前記積付エリアは、前記集約エリアより搬出されてきた通常用集品容器と、前記集約容器を、同一の自動積み付け装置を使用して前記台または台車に積付け可能とすることを特徴とするものである。
【0019】
上記構成によれば、集約エリアにおいて、複数のオーダーで特定される通常用集品容器毎に、集品された通常物品に区分される物品は1つの通常用集品容器に移し替えられ、この1つの通常用集品容器は、自動積み付け装置を使用して台または台車に積付けられる。また空となった通常用集品容器は第2戻しラインにより搬出され、第1戻しラインに合流される。また移載エリアにおいて空となった寄せ用集品容器は第1戻しラインにより搬出され、第2戻しラインにより搬出されてきた通常用集品容器と合流され、ピッキングエリアに戻され、再利用される。
【0020】
また請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記ピッキングエリアに、前記物品収納部に沿って、前記集品容器を搬送する2本の集品ラインを備え、前記各集品ラインにそれぞれ、前記移載エリアを備え、前記各移載エリアにそれぞれ、移載エリアにおいて、集品された寄せ物品を前記集約容器に移し替えた結果、空となった前記寄せ用集品容器を搬出する空容器搬出ラインを備え、これら空容器搬出ラインは合流され、空となった前記寄せ用集品容器はピッキングエリアに戻されることを特徴とするものである。
【0021】
上記構成によれば、寄せ物品に区分される物品の集品が終了した寄せ用集品容器は、2本の集品ラインよりそれぞれ分岐されて各移載エリアに搬送され、各移載エリアにおいて、複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、集品された物品が特定の集約容器に移し替えられる。また各移載エリアにおいてそれぞれ、空となった寄せ用集品容器は空容器搬出ラインにより搬出され、これら空容器搬出ラインは合流され、空となった寄せ用集品容器はピッキングエリアに戻され、再利用される。
【0022】
また請求項8に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を備え、オーダーがそれぞれ割り付けられた各集品容器に対して、前記オーダーに応じて、前記物品収納部より物品を集品するピッキング方法であって、前記物品収納部に収納される物品を、複数の前記オーダーに応じて集品され、その後1つの集約容器に集約することが予定されている寄せ物品と、前記寄せ物品ではない通常物品に区分し、前記集品容器を、前記寄せ物品に区分される物品を集品する寄せ用集品容器と、前記通常物品に区分される物品を集品する通常用集品容器に区別して、前記集品を実行し、前記寄せ用集品容器に対する集品が終了すると、前記複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、前記集品された寄せ物品に区分される物品を、特定の前記集約容器に移し替え、前記通常物品に区分される物品の集品が終了した前記通常用集品容器と、前記寄せ物品に区分される物品の移し替えが終了した前記集約容器とを、同一の自動積み付け装置を使用して台または台車に積み付けることを特徴とするものである。
【0023】
上記方法によれば、寄せ物品に区分される物品の寄せ用集品容器へのピッキング作業と、通常物品に区分される物品の通常用集品容器へのピッキング作業が、実行され、寄せ用集品容器は寄せ物品に区分される物品の集品が終了すると、複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、集品された物品が、特定の集約容器に移し替えられる。
そして、通常物品に区分される物品の集品が終了した通常用集品容器と、寄せ物品に区分される物品の移し替えが終了した集約容器は、同一の積み付け装置を使用して台または台車に積み付けられる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のピッキング設備およびピッキング方法は、寄せ物品に区分される物品と通常物品に区分される物品のピッキング作業をともに、同一のピッキングエリアで実行できることにより、すなわち一つのピッキング設備で寄せ物品に区分される物品と通常物品に区分される物品を一緒にピッキング作業できることにより、物品の区分別に物品のピッキング作業に使用する一方のピッキング設備を不要にでき、また複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、集品された物品を集約容器に移し替えることにより、集約容器を有効に使用でき、搬送を容易にでき、さらに通常物品に区分される物品の集品が終了した通常用集品容器と、寄せ物品に区分される物品の移し替えが終了した集約容器は、同一の自動積み付け装置を使用して台または台車に積み付けられることにより、作業者の負担を軽減できるとともに、自動積付を低い設備コストで、かつ省スペースで実行することが可能となる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図2】同ピッキング設備のピッキングエリアの概略平面図である。
【図3】同ピッキング設備のピッキングエリアの側面図である。
【図4】同ピッキング設備で使用するラベルを示す図であり、(a)は通常容器に取り付けられる第1ラベルの図、(b)は、冷凍用容器に取り付けられる第2ラベルの図、(c)は冷凍物搬送用容器に取り付けられる第3ラベルの図である。
【図5】同ピッキング設備の積付エリアに関する図であり、(a)はロボットの斜視図、(b)は、通常容器が出荷用台車に段積みされた状態図、(c)は冷凍物搬送用容器が出荷用台車に段積みされた状態図である。
【図6】同ピッキング設備の全体ピッキングデータを示す図である。
【図7】同ピッキング設備における作業の流れを示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の移載エリアの構成図である。
【図9】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図10】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明のピッキング設備は、複数の種類(カテゴリー;実施の形態では冷凍物、冷蔵物、および農産物の3つのカテゴリー)に区分される商品(物品の一例)を、店舗(仕分け先の一例)の注文データ(物品要求情報の一例)に応じて集品し、出荷するピッキング設備であり、図1に示すように、集品容器投入エリア11と、冷凍物搬送容器投入エリア12と、ピッキングエリア13と、移載エリア14と、梱包エリア15と、積付エリア16と、これらエリア間を接続する搬送ライン等から構成されている。
【0027】
前記店舗から注文データは、店舗内の売り場毎に発注された、物品を特定する情報(例えば、物品名、物品コード等)と数量からなる複数のデータから構成され、各店舗からの注文データが揃うと、図6に示すように、全体ピッキングデータが形成され、ピッキング作業が開始される。また各店舗内の「売り場」毎の注文が、オーダーとして、後述する集品容器21に割り付けられる。図6に示す全体ピッキングデータでは、店舗の売り場毎に、注文された物品が収納されたフローラック32の間口34(後述する)に、注文された数量が設定されている。なお、フローラック32の各間口34にはそれぞれ、予め特定の物品が割り付けられ収納されている。
またオーダーに応じて集品される3つのカテゴリーの商品(物品の一例)22を、複数のオーダーに応じて集品され、その後1つの冷凍用搬送容器(集約容器の一例)に集約することが予定されている冷凍物(寄せ物品の一例)と、冷凍物以外の冷蔵物と農産物(寄せ物品ではない通常物品の一例)に区分している。また、集品容器21を、冷凍物に区分される物品(以下、単に冷凍物と称す)を集品する冷凍用容器(寄せ用集品容器の一例)21Bと、冷蔵物または農産物に区分される物品(以下、単に冷蔵物または農産物と称す)を集品する通常用容器(通常用集品容器の一例)21Aに区別している。
【0028】
「集品容器投入エリア11」;集品容器投入エリア11は、前記オーダーが割り付けられ、オーダーに応じて集品された商品(物品の一例)22を収納する集品容器21を、後述する2本の集品ライン31A,31Bへ投入するエリアである。前記集品容器21は、断熱仕様のコンテナ(例えば、発泡スチロール製の箱)で形成され、それぞれ商品22を収納するビニール袋23が被されて各集品ライン31A,31Bへ投入される。これら2本の集品ライン31A,31Bにより、集品容器21はピッキングエリア13ヘ搬送される。
また各ビニール袋23にはそれぞれ、第1ラベル24または第2ラベル25が取り付けられる。
【0029】
第1ラベル24は、図4(a)に示すように、集品された商品22の出荷先(仕分け先;例えば、上記「店舗」名)と、商品22が並べられる納品エリア(例えば、上記「売り場」のナンバー)と、集品される商品22が冷凍物以外の商品(冷蔵物または農産物)22であることを特定する容器名(上記、“通常用容器”)と、前記納品エリア用(1オーダー;「売り場」用)の冷蔵物または農産物を集品するために必要な集品容器21の総個数pと、容器に順に付されるシリアル・ナンバー(1〜p)と、前記出荷先および納品エリアを特定する第1バーコードが印刷されている。
第1ラベル24は前記総個数pに合わせてp枚、発行され、これら第1ラベル24に合わせてp個の集品容器21が準備され、シリアル・ナンバーが異なる第1ラベル24はそれぞれ集品容器21のビニール袋23に取り付けられ、第1ラベル24が取り付けられることにより、集品容器21は、冷蔵物または農産物を集品する上記通常用容器21Aとして取り扱いされる。
【0030】
また第2ラベル25は、図4(b)に示すように、集品された商品22の出荷先(仕分け先;例えば、上記「店舗」名)と、商品22が並べられる納品エリア(例えば、上記「売り場」のナンバー)と、集品される商品22が冷凍物であることを特定する容器名(上記“冷凍用容器”)と、前記納品エリア用(1オーダー;「売り場」用)の冷凍物を集品するに必要な集品容器21の総個数mと、容器に順に付されるシリアル・ナンバー(1〜m)と、前記出荷先および納品エリアを特定する第1バーコードと、冷凍用容器であることを特定する第2バーコードが印刷されている。
第2ラベル25は前記総個数mに合わせてm枚、発行され、これら第2ラベル25に合わせてm個の集品容器21が準備され、シリアル・ナンバーが異なる第2ラベル25はそれぞれ集品容器21のビニール袋23に取り付けられ、第2ラベル25が取り付けられることにより、集品容器21は、冷凍物を集品する上記冷凍用容器21Bとして取り扱いされる。
【0031】
そして、予め設定された出荷順(例えば、「店舗」および「売り場」順)に、売り場毎(オーダー毎)のp個の通常用容器21Aおよびm個の冷凍用容器21Bが、2本の集品ライン31A,31Bへほぼ均等となるように振り分けられ、投入される。これにより、店舗(複数のオーダーの一例)毎の冷凍用容器21Bは、2本の集品ライン31A,31Bにより振り分けられて別々に搬送され、後述するピッキング作業が実行される。特に、通常用容器21Aおよび冷凍用容器21Bが1本の集品ライン31Aまたは31Bへ集中されて投入されることはない。
【0032】
「冷凍物搬送容器投入エリア12」;冷凍物搬送容器投入エリア12は、集品容器21と比較して容積が大きい(容積が異なる一例)冷凍物専用の冷凍物搬送用容器26を、搬送する移載ライン30へ投入するエリアである。前記冷凍物搬送用容器26は断熱仕様で保冷効果に優れた蓋付きの箱(例えば、Zパック)で形成され、それぞれ商品22を収納するビニール袋27が被されて移載ライン30へ投入される。移載ライン30により、冷凍物搬送用容器26は、移載エリア14へ搬送される。
また各ビニール袋27にはそれぞれ、第3ラベル28が取り付けられる。
【0033】
第3ラベル28は、図4(c)に示すように、集品された商品22の出荷先(仕分け先;例えば、上記「店舗」名)と、冷凍用容器21Bに集品された冷凍物を冷凍物搬送用容器26へ移載する冷凍用容器21Bの個数Q(後述する)と、前記出荷先を特定する第3バーコードが印刷されている。
そして、予め設定された出荷順(例えば、店舗順)に、移載ライン30へ投入される。
【0034】
「ラベル24,25,28の発行」;上記第1ラベル24と第2ラベル25と第3ラベル28の印刷データは、前記注文データにより次の手順により形成され、ラベルプリンタ等により印刷・発行される。
(1).まずオーダー(各店舗内の「売り場」の注文)毎に、注文された商品22を、冷凍物と冷凍物以外に分類する。
(2).オーダー毎(「売り場」毎)に、分類された注文の冷凍物および数量と、予め設定された各冷凍物の容積に基づいて、注文された全冷凍物の集品に必要な容積(全容積)を求め、この全容積を、予め設定された集品容器21に収納可能な商品22の容積により除算して、注文の冷凍物を集品するために必要な集品容器21(冷凍用容器21B)の個数mを求める。これにより、オーダー毎に、前記第2ラベル25の発行に必要な集品容器21の総個数mが求められ、図4(b)に示す、オーダーの店舗名および売り場のナンバーと、“冷凍用容器”の文字列と、集品容器21の総個数mと、第1バーコードと、第2バーコードからなる第2ラベル25の印刷データが形成されて、例えばラベルプリンタへ出力され、シリアル・ナンバーが異なるm枚の第2ラベル25が発行される。またm個の冷凍用容器21Bにはそれぞれ、オーダーの商品(冷凍物)22が振り分けられて、各冷凍用容器21Bに集品される冷凍物とその数量が設定される。
(3).オーダー毎(「売り場」毎)に、分類された注文の冷凍物以外の商品(冷蔵物または農産物)22および数量と、各冷凍物以外の商品22の容積に基づいて、注文された全冷凍物以外の商品22の集品に必要な容積(全容積)を求め、この全容積を、集品容器21に収納可能な商品22の容積により除算して、注文の冷凍物以外の商品22を集品するために必要な集品容器21(通常用容器21A)の個数pを求める。これにより、オーダー毎に、前記第1ラベル24の発行に必要な集品容器21の総個数pが求められ、図4(a)に示す、オーダーの店舗名および売り場のナンバーと、“通常用容器”の文字列と、集品容器21の総個数pと、第1バーコードからなる第1ラベル24の印刷データが形成されて、例えばラベルプリンタへ出力され、シリアル・ナンバーが異なるp枚の第1ラベル24が発行される。またp個の通常用容器21Aにはそれぞれ、オーダーの冷凍物以外の商品22が振り分けられて、各通常用容器21Aに集品される冷凍物以外の商品22とその数量が設定される。
(4)オーダー毎(「売り場」毎)に求められた注文の冷凍物を集品する集品容器21の個数mを、店舗毎(複数のオーダー毎の一例)まとめて加算し、店舗毎に、冷凍物を集品する冷凍用容器21Bの総数Qを求める。これにより、店舗毎に、前記第3ラベル28の発行に必要な冷却用容器21Bの総個数Qが求められ、図4(c)に示す、オーダーの店舗名と、冷却用容器21Bの総個数Qと、第3バーコードからなる第3ラベル28の印刷データが形成されて、例えばラベルプリンタへ出力され、第3ラベル28が発行される。
【0035】
「ピッキングゾーン13」;ピッキングゾーン13は、図1〜図3に示すように、集品される商品22が保管されるストレージラインAと、集品容器投入エリア11から投入された各集品容器21を連続搬送する前記集品ライン31A,31Bからなる集品ラインB(第1搬送ラインの一例)とから構成され、ストレージラインAおよび集品ラインBには、ピッキング作業を実行する複数のゾーンZが設定されており、各ゾーンZにおいて、集品ラインBにより連続搬送されてくる各集品容器21に対して、ストレージラインAに格納された商品22をピッキングするピッキング作業(集品作業)を実行するように構成され、ピッキング作業を行う作業者Hが1人ずつ配置される。以下、作業者Hが配置され、商品22をピッキングする担当のゾーンZを、自ゾーンZと称する。
【0036】
「ストレージラインA」;前記ストレージラインAは、フローラック(物品収納棚)32から構成され、フローラック32は、それぞれ1種類{1品目(あるいは物品を収納した収納箱)}の商品22が収納される間口34(物品収納部の一例)を複数備え、複数の間口34(本実施の形態では、3段×5列の15個)毎に前記ゾーンZが形成されている。また各間口34の前面にはそれぞれ、取出す商品22の数量を表示する数量表示器35Aとランプ部を有する完了押釦スイッチ35Bとから構成された間口表示器35が設けられ、さらにゾーンZ毎に、ゾーンZ内のピッキング対象となる商品22が収納される間口34の段を表示するランプを、段毎に備えたベイ表示器36が設けられている。
作業者Hは、このベイ表示器36の表示によりピッキング対象の商品22が収納される間口34の段数を特定し、各間口表示器35の表示に従って、間口34から商品22をピッキングして集品容器21に投入する。
またストレージラインAの設置エリアは、0〜5℃に温度管理されている。
【0037】
「集品ラインB」;前記集品ライン31A,31Bの中で、第1集品ライン31Aはフローラック32側に配置され、第2集品ライン31Bは、第1集品ライン31Aと平行に、且つフローラック32より奥側に配置され、図3に示すように、第2集品ライン31Bの搬送面は、第1集品ライン31Aの搬送面より高く構成されている。また集品ラインBの設置エリアは、ほぼ10℃に温度管理されている。
【0038】
前記第1集品ライン31Aは、ベルトコンベヤ装置からなる第1搬送コンベヤ37と、第1搬送コンベヤ37と同期して駆動される第1プレート搬送部39とから構成され、また同様に前記第2集品ライン31Bは、ベルトコンベヤ装置からなる第2搬送コンベヤ38と、第2搬送コンベヤ38と同期して駆動される第2プレート搬送部40とから構成されている。
前記第1プレート搬送部39と第2プレート搬送部40はそれぞれ、各搬送コンベヤ37,38に同期してコンベヤによる集品容器21の搬送方向へ駆動される無端チェーン41,42と、これら無端チェーン41,42に一定間隔毎に取り付けられたプレートP(識別手段)等から構成され、各プレートPにはそれぞれ、集品容器21を特定するためのナンバーが印字されている(表示されている)。
そして、搬送コンベヤ37,38にはそれぞれ、一定間隔で移動するプレートPに合わせて集品容器21が投入される。このとき、各プレートPのナンバーに、それぞれオーダーが割り付けられた集品容器21が割り付けられる。
【0039】
また集品ラインBには、ゾーンZ毎にそれぞれ、拡大表示器44(識別符号表示手段)と、テープスイッチ45(完了入力手段)と、第1追跡表示部46(表示手段)と、第2追跡表示部47(表示手段)とが備えられている。
【0040】
「テープスイッチ45」;前記テープスイッチ45は、長尺状のスイッチであり、第1集品ライン31Aに沿って、第1プレート搬送部39の側方外方(フローラック側)に設けられている。
【0041】
「追跡表示部46,47」;第1追跡表示部46は、第1プレート搬送部39とテープスイッチ45との間に上方に向けて設けられ、複数のガイドランプにより構成される。第1追跡表示部46は、第1集品ライン31AによりゾーンZ内に順次搬入されてくる集品容器21のうちピッキング対象(物品を投入する対象)となる集品容器21が搬送されてくると、第1追跡表示部46を構成するガイドランプのうち集品容器21の集品容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位として、集品容器21の移動に追従して順次点灯して作業者Hに報知する。
また第2追跡表示部47は、第2プレート搬送部40の上方位置に前方に向けて設けられ、複数のガイドランプにより構成される。第2追跡表示部47は、第2集品ライン31BによりゾーンZ内に順次搬入されてくる集品容器21のうちピッキング対象(物品を投入する対象)となる集品容器21が搬送されてくると、第2追跡表示部47を構成するガイドランプのうち集品容器21の集品容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位として、集品容器21の移動に追従して順次点灯して作業者Hに報知する。
【0042】
「拡大表示器44」;拡大表示器44は、第1集品ライン31Aおよび第2集品ライン31Bを搬送される集品容器21に対してピッキング作業を行うようゾーンZの作業者Hに指示を行う装置であり、図1〜図3に示すように、ゾーンZの上流側で、第1集品ライン31Aおよび第2集品ライン31Bの上方に支持部材49に支持されて設けられる。
拡大表示器44には、現在ピッキング作業対象となっている集品容器21に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報を表示する投入表示部51が備えられ、さらに、集品ライン31A,31B毎に、次にピッキング対象となっている集品容器21に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報を表示する第1先行投入表示部56と、次の次にピッキング対象となっている集品容器21に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報を表示する第2先行投入表示部57と、さらに次にピッキング対象となっている集品容器21に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報を表示する第3先行投入表示部58と、さらに次にピッキング対象となっている集品容器21に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報を表示する第4先行投入表示部59が備えられている。
【0043】
また投入表示部51、第1先行投入表示部56、第2先行投入表示部57、第3先行投入表示部58、および第4先行投入表示部59にはそれぞれ、集品容器21に対応するプレートPのナンバーを表示する番号表示部60AとゾーンZの情報を色で表示するランプ部60Bとが備えられている。ランプ部60Bは赤色のとき、対象の集品容器21が自ゾーンZに位置し、橙色のとき隣接する1または2上流のゾーンZに位置し、緑色のとき隣接する3以上の上流のゾーンZに位置することが表示される。
作業者Hは、ピッキング対象の集品容器21を、拡大表示器44、第1追跡表示部46、第2追跡表示部47の各表示により特定することができる。
【0044】
またピッキングエリア13では、各ゾーンZ毎に、各ゾーンZに集品容器投入エリア11より店舗および売り場順に投入されてくる集品容器21(21A,21B)に対して、前記全体ピッキングデータに基づいて、各間口34から集品される商品22とその数量が求められ、各ゾーンZ毎に、ゾーンZの最も下流に移動している1台の集品容器21に対してピッキング作業を実行できるように、拡大表示器44、各間口表示器35、ベイ表示器36、第1追跡表示部46、第2追跡表示部47の各表示が制御される。また拡大表示器44には、以降にピッキング作業対象となる集品容器21の情報が表示される。
【0045】
ゾーンZに配置された作業者Hのピッキング作業を説明する。
ゾーンZに配置された作業者Hは、拡大表示器44の表示と、各間口表示器35およびベイ表示器36の表示と、第1追跡表示部46または第2追跡表示部47の表示に基づいて、ゾーンZ内のフローラック32の各間口34と集品容器21との間で、間口34に収納された商品22のピッキング作業を行う。
【0046】
すなわち、拡大表示器44の表示を確認し、ランプ部60Bが点滅している投入表示部51の番号表示部60AのプレートPのナンバーと、ランプ部60Bのランプの色を確認する。すなわち、確認したプレートPのナンバーに対応する集品容器21へピッキング作業を行うことを確認し、ランプ部60Bの色により、ピッキング作業の対象となる集品容器21の現在位置を確認する。赤色のとき自ゾーンZに位置し、橙色のとき隣接する1または2上流のゾーンZに位置し、緑色のとき隣接する3以上の上流のゾーンZに位置していると判断できる。
また拡大表示器44の先行投入表示部56〜59の表示により、以降にピッキング作業対象となる集品容器21のプレートPのナンバーとその位置(ゾーンZ)を確認でき、作業の時間の配分を判断できる。
【0047】
続いて、ベイ表示器36の表示と各間口表示器35の表示に基づいて、前記集品容器21へ投入する商品22を間口34より取り出して、取り出す毎に、間口表示器35の完了押釦スイッチ35Bを押し、間口表示器35の表示の消灯を確認して、確認した集品容器21へ投入する。そして、全ての商品22の投入が終了すると、テープスイッチ45を押し、対象の集品容器21に対するピッキング作業を終了する。
【0048】
このように、作業者Hは、拡大表示器44に表示されるプレートPのナンバーの表示に基づいて、ピッキング作業を行うため、集品容器21の搬送位置に関わらず、集品容器21へ商品22を投入することができる。
また対象の集品容器21が自ゾーンZに位置しているとき、集品容器21の移動にしたがって、対象の集品容器21を移動している追跡表示部46,47のガイドランプ群が移動しながら点滅するので、このガイドランプ群によりピッキング作業対象の集品容器21を確実に確認できる。
【0049】
「冷凍用容器21Bの分岐」;ピッキングエリア13においてピッキング作業が終了した通常用容器21Aおよび冷凍用容器21Bは、ピッキングエリア13より2本の集品ライン31A,31Bにより搬出され、このとき、2本の集品ライン31A,31Bへ投入された売り場毎のp個の通常用容器21Aおよびm個の冷凍用容器21Bはほぼまとまって順に搬出される。続いて冷凍用容器21Bかどうかが判断され、冷凍用容器21Bと判断されると、各集品ライン31A,31Bからそれぞれ分岐され、移載エリア14へ搬送される。すなわち、図1に示すように、各集品ライン31A,31Bにはそれぞれ、ピッキングエリア13の下流に集品容器21の分岐装置61が備えられ、この分岐装置61の上流に冷凍用容器21Bの第2ラベル25の第2バーコードを読み取るバーコードリーダ62が備えられ、バーコードリーダ62により第2ラベル25の第2バーコードを読み取られると、各分岐装置61が駆動されるように構成されている。
上記構成により、冷凍用容器21Bに対する集品が終了すると、売り場毎にm個の冷凍用容器21Bがほぼまとまって順に各集品ライン31A,31Bから各分岐装置61により分岐され、分岐された冷凍用容器21Bは分岐ライン63に集められて移載エリア14へ搬送される。
また分岐装置61の下流では、第2集品ライン31Bは第1集品ライン31Aと合流され、1本の搬送ラインとなって、冷凍物以外の商品22を集品した通常用容器21Aは、梱包エリア15へ搬送される。
【0050】
「移載エリア14」;移載エリア14には、図1に示すように、分岐ライン63により売り場毎(オーダー毎)に順に搬送されてきた冷凍用容器21Bを貯留するフリーコンベヤからなる第1貯留ゾーン65と、移載ライン30により搬送されてきた冷凍物搬送用容器26を貯留するフリーコンベヤからなる第2貯留ゾーン66が設けられている。
移載エリア14の作業者Hは、次の作業を実行する。
【0051】
(1)第1貯留ゾーン65に貯留された冷凍用容器21Bの第2ラベル25により、出荷先(店舗)が同一の冷凍用容器21Bを確認して集め、納品エリア毎(「売り場」毎)の個数mを加算して出荷先の冷凍用容器21Bの総個数M(=m1+m2+m3…)を求める。
(2)続けて、第2貯留ゾーン66に貯留された冷凍物搬送用容器26の第3ラベル28により、出荷先と、冷凍用容器21Bの個数Qを確認し、出荷先が同一で、M=Qであることを確認すると、この冷凍物搬送用容器26を、前記M個の冷凍用容器21Bより冷凍物を取り出して投入する容器と認識する。
(3)続いて、M個の各冷凍用容器21Bから取り出した、冷凍物入りのビニール袋23を第2ラベル25が見えるように梱包し、冷凍物搬送用容器26へ収納し、収納が終了すると、容器搬送ライン(第2搬送ラインの一例)67へ投入し、空きとなったm個の冷凍用容器21Bを戻しライン68へ投入する。
【0052】
上記移載エリア14の構成により、冷凍物の集品が終了し、各集品ライン31A,31Bから各分岐装置61により分岐されて分岐ライン63により搬送されてきた冷凍用容器21Bは、出荷先(店舗)で特定される冷凍用容器21B毎に、集品された冷凍物が、保冷効果を有する冷凍物搬送用容器26に移し替えられ(集約され)、移し替えが終了した冷凍物搬送用容器26は容器搬送ライン67により梱包エリア15へ搬送され、一方、空となった冷凍用容器21Bは、戻りライン68により集品容器投入エリア11へ搬送され、集品容器21として再使用される。
また容器搬送ライン67の下流部は、集品ライン31Aに沿って敷設されている。
【0053】
「梱包エリア15」;梱包エリア15では、第1集品ライン31Aに合流されて搬送されてきた冷凍物以外の商品22を集品した通常用容器21Aは、梱包エリア15の作業者Hにより、ビニール袋23の第1ラベル24が、通常用容器21Aの側方へ貼り付けられ、続いてビニール袋23は梱包され、蓋が被され、蓋はバンド等により通常用容器21Aにしっかりと固定され、終了すると積付エリア16へ搬送される。
また容器搬送ライン67により搬送されてきた冷凍物搬送用容器26は、その蓋が閉じられ開くことがないようにバンド等によりしっかりと固定され、終了すると積付エリア16へ搬送される。
【0054】
「積付エリア16」;積付エリア16には、図1に示すように、梱包エリア15より第1集品ライン31Aにより搬送されてきた通常用容器21Aを順に貯留するアキュムレーションコンベヤからなる第1送りコンベヤ71と、梱包エリア15より容器搬送ライン67により搬送されてきた冷凍物搬送用容器26を順に貯留するアキュムレーションコンベヤからなる第2送りコンベヤ72と、第1送りコンベヤ71の終端に搬送されてきた通常用容器21Aを図5(b)に示すように、出荷先別およびトラック別(あるいは搬送の方面別)に第1出荷用台車(台車の一例)73に段積みし(例えば、1段が4個で5段に段積みし)、また第2送りコンベヤ72の終端に搬送されてきた冷凍物搬送用容器26を図5(c)に示すように、トラック別(あるいは搬送の方面別)に第2出荷用台車(台車の一例)74に段積みする(例えば、1段が2個で3段に段積みする)1台のロボット(自動積み込み装置の一例)75が備えられている。
また第1送りコンベヤ71の終端に搬送されてきた通常用容器21Aの第1ラベル24の第1バーコードを確認するバーコードリーダ76と、第2送りコンベヤ72の終端に搬送されてきた冷凍物搬送用容器26の第3ラベル28の第3バーコードを確認するバーコードリーダ77が設けられている。
【0055】
そして、ロボット75には、予め、出荷先別およびトラック別(あるいは搬送の方面別)に、通常用容器21Aの個数と、冷凍物搬送用容器26の個数が設定されており、1台のロボット75により、バーコードリーダ76により認識される通常用容器21Aの出荷先に基づいて、通常用容器21Aを出荷先別およびトラック別(あるいは搬送の方面別)に第1出荷用台車73に段積みし、またバーコードリーダ77により認識される冷凍物搬送用容器26の出荷先に基づいて、冷凍物搬送用容器26をトラック別(あるいは搬送の方面別)に第2出荷用台車74に段積みし、段積みが終了すると終了が報知されるよう構成とされている。なお、出荷用台車73または74への段積みが異なる通常用容器21Aと冷凍物搬送用容器26は、所定の箇所に仮置するようにされる。
積付エリア16の作業者Hは、ロボット75から終了の報知があると、出荷用台車73または74を搬送し、空の出荷用台車73または74を再設置する。
【0056】
ロボット75の一例を、図5(a)に示す。このロボット75は、通常用容器21Aまたは冷凍物搬送用容器26を積み付けるために、先端に特殊なハンド81を装着しており、このハンド81は、その先端部の幅がサイズが最も小さい通常用容器21Aの短尺方向の横幅以下となるように設計され、また先端にダンパー付き6パッドの吸着部82を有し、この吸着部82はアクチュエータ83により、90度回転可能とされて、どのような姿勢でも、通常用容器21Aまたは冷凍物搬送用容器26を段積み可能とされている。またハンド81にはCCDカメラ84が下向きに取り付けられ、第1出荷用台車73上の通常用容器21Aの並び、また第2出荷用台車74上の冷凍物搬送用容器26の並びを認識できるように構成されている。また普通照明と比較して強い光を発光するストロボ85が斜め下向きに取り付けられている。
【0057】
上記積付エリア16の構成により、ピッキングエリア13より梱包エリア15を介して第1集品ライン31Aにより搬送されてきた、冷凍物以外に区分される商品22を集品した通常用容器21Aと、移載エリア14より梱包エリア15を介して容器搬送ライン67により搬送されてきた冷凍物搬送用容器26とはそれぞれ、同一の1台のロボット(自動積み付け装置)75を使用して出荷用台車73,74に積み付け可能とされる。
また上記移載エリア14と梱包エリア15と積付エリア16の設置エリアは、ほぼ10℃に温度管理されている。
【0058】
上記ピッキング設備の構成による作業の手順を、図7に示す。
図7に示すように、まずピッキングエリア13において、通常用容器21Aと冷凍用容器21Bは集品容器として同等に扱われ、同一オーダーのp個の通常用容器21Aとm個の冷凍用容器21Bはそれぞれ均等に集品ライン31Aと集品ライン31Bに振り分けられ、同一の集品ライン31A,31Bにおいて搬送されながら、通常用容器21Aには冷蔵物または農産物が集品され、冷凍用容器21Bには冷凍物が集品される。
続いて、ピッキングエリア13における集品が終了すると、冷凍用容器21Bは、集品ライン31A,31Bから分岐され、移載エリア14において店舗(複数のオーダー)で特定される冷凍用容器21B毎に、集品された冷凍物が、保冷効果を有する冷凍物搬送用容器26に移し替えられ、容器搬送ライン67により搬送される。
分岐されなかった通常用容器21Aは、集品ライン31Aに集約されて搬送され、梱包エリア15において梱包されて積付エリア16に搬送される。
また冷凍物搬送用容器26は容器搬送ライン67により搬送され、梱包エリア15において梱包されて積付エリア16に搬送される。
続いて積付エリア16において、冷凍物以外の冷蔵物または農産物を集品した通常用容器21Aと冷凍物搬送用容器26とはそれぞれ、同一のロボット(積み付け装置)75を使用して出荷用台車73,74に積み付けられ、出荷される。
【0059】
以上のように本実施の形態によれば、冷凍物に区分される商品22を集品する冷凍用容器21Bは、冷凍物以外に区分される商品22を集品する通常用容器21Aとともに、同一の集品ライン31A,31Bにより搬送されることにより、集品作業を同一搬送ライン(集品ライン)により実行でき、すなわち一つの搬送ライン(ピッキング設備)で冷凍物と冷凍物以外の商品22を一緒にピッキング作業でき、よって商品22の区分別に搬送ライン(ピッキング設備)を設けることを不要にでき、設置コストを低減できる。また集品が終了すると、出荷先(仕分け先)で特定される冷凍用容器21B毎に集品された冷凍物は、専用の冷凍物搬送用容器26に移し替えられることにより、高価な冷凍物搬送用容器26を有効に使用でき、また搬送を容易にでき、出荷後に解凍して品質が落ちることを回避できる。
【0060】
また本実施の形態によれば、積付エリア16において、集品ライン31Aにより搬送されてきた通常用容器21Aと、容器搬送ライン67により搬送されてきた冷凍物搬送用容器26を、同一の1台のロボット(積み付け装置)75を使用して出荷用台車73,74に積み付けることにより、出荷先毎に容器21A,26をまとめる作業を不要にでき、作業者の負担を軽減でき、さらに自動積付を低い設備コストで、かつ省スペースで実行できる。
【0061】
また本実施の形態によれば、通常用容器21Aと冷凍用容器21Bは、いずれも2本の集品ライン31A,31Bにより連続搬送されて、集品が実行されることにより、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、同一オーダーの冷凍用容器21Bは、2本の集品ライン31A,31Bによりにより振り分けられて別々に移動されて集品されることにより、速く、しかも時間差なく集品を終了でき、移載エリア14での、冷凍物の移し替えを速やかに進めることができる。
また本実施の形態によれば、移載エリア14において空となった冷凍用容器21Bは、戻しライン68により集品容器投入エリア11を介してピッキングエリア13に戻されることにより、再利用することができる。
【0062】
また本実施の形態によれば、ストレージラインAの設置エリアが0〜5℃に温度管理されることにより、冷凍物の一時的な保管が可能であり、集品ラインBの設置エリアが、ほぼ10℃に温度管理されることにより、作業者は、極度に防寒する必要がなくなり、作業性を向上できる。なお、冷凍物はこの10℃のエリアを移動しても解凍する前に専用の冷凍物搬送用容器26に移し替えられることにより、品質低下を避けることができる。
【0063】
なお、本実施の形態では、移載エリア14において、作業者Hが、冷凍用容器21Bの第2ラベル25の出荷先(店舗名)を見て、出荷先毎に冷凍用容器21Bを集めて、第2ラベル25に表示された個数mを確認して、間違えることがないように、店舗で特定される冷凍物搬送用容器26へ投入しているが、作業者Hの負担を軽減するために、図8に示すように、移載エリア14を構成することもできる。すなわち、分岐ライン63に沿って分岐ライン63により搬送されてきた冷凍用容器21Bの第2ラベル25の第1バーコードを読み取るバーコードリーダ91を配置し、このバーコードリーダ91の下流に、分岐装置92を配置し、分岐装置92により分岐された冷凍用容器21Bを搬送する第2分岐ライン93を設け、バーコードリーダ91により読み取った第1バーコードの出荷先(店舗)のデータを判断して、分岐装置92を駆動して、1店舗の冷凍用容器21Bを分岐ライン63の終端部に搬送し、次の店舗の冷凍用容器21Bを第2分岐ライン93の終端部に搬送するように、店舗順に交互に、冷凍用容器21Bを分岐ライン63と第2分岐ライン93に振り分けるように構成している。また同一の分岐ライン63または第2分岐ライン93へ、次の店舗の冷凍用容器21Bを振り分けるとき、分岐装置92を使用して間隔を空けるようにしている。また分岐ライン63と第2分岐ライン93の終端にそれぞれ、冷凍物搬送用容器26に取り付ける第3ラベル28を発行するラベルプリンタ94,95を配置し、また空の冷凍物搬送用容器26を貯留している。前記第3ラベル28の印刷データは、バーコードリーダ91により読み取った第1バーコードの店舗の情報と、予め設定された、前記求めた店舗毎の冷凍用容器21Bの総個数Qとから形成され、バーコードリーダ91により第1バーコードを読み取ったタイミング、あるいは分岐装置92により冷凍用容器21Bが振り分けられたタイミングで、ラベルプリンタ94,95へ出力され、第3ラベル28が発行される。
分岐ライン63と第2分岐ライン93の終端部にはそれぞれ作業者Hが配置されており、移載作業が実行される。すなわち、ラベルプリンタ94または95により発行された第3ラベル28を空の冷凍物搬送用容器26に取り付け、続いて分岐ライン63または第2分岐ライン93に搬送されてきた冷凍用容器21Bの第2ラベル25により、出荷先(店舗)を確認して、各冷凍用容器21Bから取り出した、冷凍物入りのビニール袋23を第2ラベル25が見えるように梱包し、冷凍物搬送用容器26へ収納し、収納が終了すると、容器搬送ライン67へ投入し、また空きとなった冷凍用容器21Bを戻しライン68へ投入する。このような構成により、作業者Hの負担を軽減することができる。
【0064】
また本実施の形態では、冷凍用容器(寄せ用集品容器の一例)21Bへ集品された冷凍物(寄せ物品の一例)のみを冷凍用搬送容器(集約容器の一例)に集約しているが、複数のオーダーに応じて集品された冷凍物以外の冷蔵物と農産物(寄せ物品ではない通常物品の一例)を、集約するようにすることもできる。このとき、図9に示すように、第1集品ライン31Aと第2集品ライン31Bの合流地点の下流で、梱包エリア15の上流に、第1集品ライン31Aにより搬送されてくる通常用容器21Aを集約する、すなわち通常用容器21A群の中の1つの通常用容器21Aに冷蔵物と農産物を移し替える集約エリア17を設ける。また通常用容器21A群の中の1つの通常用容器21Aに冷蔵物と農産物を移し替えた結果、空となった通常用容器21Aを搬出し、第1戻しライン68に合流する第2戻しライン97が設けられている。これにより、空となった通常用容器21Aは、空となった冷凍用容器21Bとともに、集品容器投入エリア11を介してピッキングエリア13へ戻されて再利用される。
集約エリア17の作業者Hは、次の作業を実行する。なお、納品エリア毎(1オーダー;「売り場」毎)に割り付けられる通常用容器21Aの個数pは、少数、例えば、1個または2個とし、出荷先(店舗)(複数のオーダーに相当する)毎に集品する冷蔵物と農産物は、1つの通常用容器21Aに収納可能としている。
(1)第1集品ライン31Aにより集約エリア17に搬送されてきている通常用容器21Aの第1ラベル24により、出荷先(店舗)が同一の通常用容器21Aを確認し、納品エリア毎(「売り場」毎)の個数pを加算して出荷先の通常用容器21Aの総個数P(=p1+p2+p3…)を求め、搬送されてきている通常用容器21Aの数を確認する。
(2)総個数Pの通常用容器21Aが搬送されてきていることを確認すると、続けて、1つの通常用容器21Aを特定し、残りの(P−1)個の各通常用容器21Aから取り出した、冷蔵物と農産物が入ったビニール袋23を第1ラベル24が見えるように梱包し、前記特定した通常用容器21Aへ収納し、収納が終了すると、空きとなった残りの(P−1)個の通常用容器21Aを第1集品ライン31Aから取り出して、第2戻しライン97へ投入する。
上記集約エリア17の構成により、ピッキングエリア13より搬出されてきた通常用容器21Aは、出荷先(店舗)毎に、すなわち複数のオーダーで特定される通常用容器21A毎に、集品された冷蔵物と農産物は、複数のオーダーを構成する通常用容器21A群の中の1つの通常用容器21Aに移し替えられ(集約され)、この1つの通常用容器21Aは、梱包エリア15へ搬送される。そして、積付エリア16では、集約エリア17より搬出されてきた通常用容器21Aと、冷凍物搬送用容器(集約容器)26が、同一のロボット75を使用して出荷用台車73,74に積付けられる。
この集約エリア17により、第1出荷用台車73に積み付けられる通常用容器21Aの数を少なくすることができ、よって出荷する第1出荷用台車73の台数を削減することが可能となり、搬送コストの削減を期待できる。
なお、通常用容器21A群の中の1つの通常用容器21Aに冷蔵物と農産物を移し替えているが、群を構成する個数より少ない個数(複数)の通常用容器21Aに移し替えるようにしてもよい。また予め通常用容器21Aより収納容量が大きい空の容器を用意し、複数のオーダーで特定される通常用容器21Aに集品されている冷蔵物と農産物を移し替えるようにすることも可能である。
【0065】
また本実施の形態では、2本の集品ライン31A,31Bによりそれぞれ搬送されている冷凍用容器21Bを分岐し、1本の分岐ライン63に集めて1箇所の移載エリア14へ搬送し、また2本の集品ライン31A,31Bによりそれぞれ搬送されている通常用容器21Aを1本の第1集品ライン31Aへ合流させて梱包エリア15へ搬送しているが、図10に示すように、2本の集品ライン31A,31B毎に、冷凍物搬送容器投入エリア12、移載エリア14、梱包エリア15、および積付エリア16を設け、2本の集品ライン31A,31Bによりそれぞれ搬送されている集品容器21毎に独立して、冷凍用容器21Bを集約するようにすることもできる。このとき、集品ライン31A,31Bにはそれぞれ、トラック別(あるいは搬送の方面別)に店舗(出荷先)が割り付けられ、割り付けた店舗の売り場(オーダー)に割り付けた集品容器21(21A,21B)がそれぞれに投入される。
また図10に示すように、各移載エリア16にそれぞれ備えられた戻しライン(空容器搬出ラインの一例)68は合流されている。すなわち、各移載エリア16において、集品された冷凍物(寄せ物品)を冷凍物搬送用容器(集約容器)26に移し替えた結果、空となった冷凍用容器21Bは、それぞれ搬出されて合流され、集品容器投入エリア11を介してピッキングエリア13へ戻されている。
このような構成により、2本の集品ライン31A,31Bによりそれぞれ、冷凍物(寄せ物品)の集品が終了した冷凍用容器21Bは、分岐されて各移載エリア14に搬送され、各移載エリア14においてそれぞれ、店舗毎(複数のオーダーで特定される冷凍用容器21B毎)に、集品された冷凍物が、特定の冷凍物搬送用容器(集約容器)26に移し替えられ、各移載エリア16においてそれぞれ、空となった冷凍用容器21Bは戻しライン(空容器搬出ライン)68により搬出され、これら戻しライン68は合流され、空となった冷凍用容器21Bは集品容器投入エリア11を介してピッキングエリア13に戻され、再利用される。
この構成のピッキング設備によれば、ピッキングエリア13を共用でき、省スペース化、設備コストの低減化を図ることができるとともに、各ゾーンZでは、作業者Hは、2本の集品ライン31A,31Bによりそれぞれ搬送されている集品容器21に対してピッキング作業を行うことから、作業の待ち時間が少なくなり、ピッキング作業の効率を改善できる。
【0066】
また本実施の形態では、2本の集品ライン31A,31Bにより集品容器21を搬送しているが、1本の集品ラインにより搬送するようにしてもよい。すなわち、図10に示す1本の集品ライン31Bを無くし、集品ライン31Bに連なる冷凍物搬送容器投入エリア12、移載エリア14、梱包エリア15、および積付エリア16を無くし、片方の1本の集品ライン31Aと、集品ライン31Aに連なる冷凍物搬送容器投入エリア12、移載エリア14、梱包エリア15、および積付エリア16を残した構成としてもよい。
この構成によれば、通常用容器21Aと冷凍用容器21Bは、1本の集品ライン21Aにより搬送されて、集品が実行されることにより、通常用容器21Aと冷凍用容器21Bの区別なく同じ集品ライン21Aにより集品され、通常物品である冷蔵物または農産物の集品作業に使用する搬送ライン(ピッキング設備)が不要となる。
【0067】
また本実施の形態では、寄せ物品と通常物品を、商品22のカテゴリー(冷凍物と、冷蔵物または農産物)により区分し、寄せ物品に区分される商品22を寄せ用集品容器(冷凍用容器21Bに相当)に集品し、通常物品に区分される商品22を通常用集品容器(通常用容器21Aに相当)に集品しているが、多くの個人向けに、注文された商品22を集品して出荷するピッキング設備では、次のように、寄せ物品と通常物品を区別し、寄せ用集品容器と通常用集品容器に集品するようにしてもよい。
すなわち、各個人を、個人対応(例えば、注文が大量にある個人対応)と、グループ対応(注文が比較的少量の個人をグループの1個人として取り扱う対応)に分け、寄せ物品を、グループ対応の個人から注文された商品22とし、通常物品を、個人対応の個人から注文された商品22に区別する。なお、前記グループは、例えば、トラック別(あるいは搬送の方面別)に行う。
そして、グループ対応の各個人にそれぞれ割り付けた寄せ用集品容器に、寄せ物品(グループ対応の個人から注文された商品22)を集品するようにし、寄せ用集品容器に集品された商品22を、グループ対応の集約容器(冷凍物搬送用容器26に相当)に移し替えるようにする。また各個人にそれぞれ割り付けた通常用集品容器に、通常物品(個人から注文された商品22)を集品するようにする。
このように、グループ対応の各個人から注文された比較的少量の商品22は、グループ対応の集約容器に集約され、また個人対応の各個人から注文された大量の商品22は、各個人に割り付けられた通常用集品容器に集品され、1台のロボット75により出荷用台車73,74に段積みされ、出荷される。
【0068】
また本実施の形態では、通常用集品容器(通常用容器21Aに相当)と寄せ用集品容器(冷凍用容器21Bに相当)に、同じ断熱仕様のコンテナ(例えば、発泡スチロール製の箱)を使用しているが、通常用集品容器と寄せ用集品容器にそれぞれ別の仕様・種類の容器、例えば、通常用集品容器に折り畳み可能なコンテナを使用し、寄せ用集品容器に断熱仕様のコンテナを使用するようにしてもよい。また別の容器としては、段ボール箱が使用可能である。また集約容器(冷凍物搬送用容器26に相当)として、集品容器21と比較して容積が大きい(容積が異なる一例)冷凍物専用の容器を使用しているが、集約する商品22が通常の環境でも変質しない商品であるとき、あるいは冷凍物であっても解凍が防げる環境で使用するときは、折り畳み可能なコンテナや段ボール箱を使用することも可能である。
【0069】
また本実施の形態では、積付エリア15では、出荷用台車73,74にそれぞれ、通常用容器21Aと冷凍物搬送用容器26を段積みしているが、出荷用台車73,74に限ることはなく、パレット(台の一例)に段積みする(積み付ける)ようにしてもよい。また通常用容器21Aを第1出荷用台車73に段積みし、冷凍物搬送用容器26を第2出荷用台車74に段積みしているが、トラック別(あるいは搬送の方面別)に、通常用容器21Aと冷凍物搬送用容器26を混載することも可能である。
【0070】
また本実施の形態では、集品ライン31A,31B(搬送コンベヤ37,38)としてベルトコンベヤ装置を用いているが、一定経路に沿って、集品容器21を搬送できる形式であればどのようなものでもよい。また集品ライン31A,31Bは、連続搬送としているが、連続搬送とする代わりに、複数個の集品容器21により群を形成し、群単位で、各ゾーンZを間欠的に搬送する、所謂タクト搬送としてもよい。また第1集品ライン31Aの搬送面と第2集品ライン31Bの搬送面を同じ高さに構成したり、第2集品ライン31Bの搬送面を、第1集品ライン31A側に向かって下り傾斜状に構成したりすることもできる。
【0071】
また本実施の形態では、ピッキングエリア13の各ゾーンZには、1人の作業者Hを配置する構成としているが、各ゾーンZに複数(例えば、2人)の作業者Hを配置する構成とすることもできる。
また本実施の形態では、物品収納棚としてフローラック32を使用しているが、商品22または収納箱が移動しない一般棚を使用することもできる。
また本実施の形態では、出荷先(仕分け先)を店舗としているが、店舗に限ることはなく、地域別、搬送トラック別などとすることもできる。
また本実施の形態では、第1搬送コンベヤ37と第1無端チェーン41、第2搬送コンベヤ38と第2無端チェーン42をそれぞれ、同じ動力により駆動しているが、集品容器21とプレートPとが同期して移動する構成であればよく、第1搬送コンベヤ37と第1無端チェーン41、第2搬送コンベヤ38と第2無端チェーン42をそれぞれ、別の動力で駆動する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
11 集品容器投入エリア
12 冷凍物搬送容器投入エリア
13 ピッキングエリア
14 移載エリア
15 梱包エリア
16 積付エリア
17 集約エリア
21 集品容器
21A 通常用容器
21B 冷凍用容器
22 商品
24,25,28 ラベル
26 冷凍物搬送用容器
30 移載ライン
31A,31B 集品ライン
32 フローラック
61 分岐装置
63 分岐ライン
65,66 貯留ゾーン
67 容器搬送ライン
68,97 戻しライン
71 第1送りコンベヤ
72 第2送りコンベヤ
75 ロボット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を備え、オーダーがそれぞれ割り付けられた各集品容器に対して、前記オーダーに応じて、前記物品収納部より物品を集品するピッキング作業を実行するピッキングエリアを備えたピッキング設備であって、
前記物品収納部に収納される物品を、複数の前記オーダーに応じて集品され、その後1つの集約容器に集約することが予定されている寄せ物品と、前記寄せ物品ではない通常物品に区分し、
前記ピッキングエリアを、前記集品容器を、前記寄せ物品に区分される物品を集品する寄せ用集品容器と、前記通常物品に区分される物品を集品する通常用集品容器とに区別して前記ピッキング作業を実行する構成とし、
前記寄せ物品に区分される物品の集品が終了した前記寄せ用集品容器より、前記複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、集品された寄せ物品に区分される物品を、特定の前記集約容器に移し替える移載エリアと、
前記ピッキングエリアより搬出されてきた通常用集品容器と、前記移載エリアより搬出されてきた前記集約容器を、同一の自動積み付け装置を使用して台または台車に積付け可能とする積付エリアと
を備えること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記ピッキングエリアに、前記物品収納部に沿って、前記集品容器を搬送する2本の集品ラインを備え、
前記ピッキングエリアを、前記集品容器を、前記寄せ用集品容器と通常用集品容器に区別して振り分けることなく、2本の集品ラインにより搬送しながら前記ピッキング作業を実行する構成としたこと
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器を、前記2本の集品ラインへ振り分け、前記ピッキングエリアを、これら寄せ用集品容器を前記各集品ラインにより別々に搬送しながら前記ピッキング作業を実行する構成としたこと
を特徴とする請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記ピッキングエリアに、前記物品収納部に沿って、前記集品容器を搬送する1本の集品ラインを備え、
前記ピッキングエリアを、前記寄せ用集品容器および通常用集品容器を1本の集品ラインにより搬送しながら前記ピッキング作業を実行する構成としたこと
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記ピッキングエリアより搬出された前記寄せ用集品容器および通常用集品容器を搬送する第1搬送ラインと、
前記第1搬送ラインより、前記寄せ用集品容器を前記移載エリアヘ分岐する分岐装置と、
前記移載エリアより搬出された前記集約容器を、前記第1搬送ラインに沿って搬送する第2搬送ラインと
を備え、
前記自動積み付け装置は、前記分岐装置により分岐されずに第1搬送ラインにより搬送されてきた通常用集品容器と、前記第2搬送ラインにより搬送されてきた集約容器を前記台または台車に積み付けること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記ピッキングエリアより搬出されてきた通常用集品容器を、前記複数のオーダーで特定される通常用集品容器毎に、集品された通常物品を、1つの通常用集品容器に移し替える集約エリアと、
前記移載エリアにおいて、集品された寄せ物品を前記集約容器に移し替えた結果、空となった前記寄せ用集品容器を搬出し、前記ピッキングエリアへ搬送する第1戻しラインと、
前記集約エリアにおいて、集品された通常物品を前記1つの通常用集品容器に移し替えた結果、空となった前記通常用集品容器を搬出し、前記第1戻しラインに合流する第2戻しライン
を備え、
前記積付エリアは、前記集約エリアより搬出されてきた通常用集品容器と、前記集約容器を、同一の自動積み付け装置を使用して前記台または台車に積付け可能とすること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項7】
前記ピッキングエリアに、前記物品収納部に沿って、前記集品容器を搬送する2本の集品ラインを備え、
前記各集品ラインにそれぞれ、前記移載エリアを備え、
前記各移載エリアにそれぞれ、移載エリアにおいて、集品された寄せ物品を前記集約容器に移し替えた結果、空となった前記寄せ用集品容器を搬出する空容器搬出ラインを備え、
これら空容器搬出ラインは合流され、空となった前記寄せ用集品容器はピッキングエリアに戻されること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項8】
物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を備え、オーダーがそれぞれ割り付けられた各集品容器に対して、前記オーダーに応じて、前記物品収納部より物品を集品するピッキング方法であって、
前記物品収納部に収納される物品を、複数の前記オーダーに応じて集品され、その後1つの集約容器に集約することが予定されている寄せ物品と、前記寄せ物品ではない通常物品に区分し、
前記集品容器を、前記寄せ物品に区分される物品を集品する寄せ用集品容器と、前記通常物品に区分される物品を集品する通常用集品容器に区別して、前記集品を実行し、
前記寄せ用集品容器に対する集品が終了すると、前記複数のオーダーで特定される寄せ用集品容器毎に、前記集品された寄せ物品に区分される物品を、特定の前記集約容器に移し替え、
前記通常物品に区分される物品の集品が終了した前記通常用集品容器と、前記寄せ物品に区分される物品の移し替えが終了した前記集約容器とを、同一の積み付け装置を使用して台または台車に積み付けること
を特徴とするピッキング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−207569(P2011−207569A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76500(P2010−76500)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】