説明

ピペラジン誘導体及び使用方法

本発明は、式Iの2−カルボキサミド ピペラジン化合物を提供する。式中、R1、R2 、R及びRは、特許請求の範囲に定義した通りであり、並びに1以上のかかる化合物を利用する又は含む治療方法及び医薬組成物に関する。本発明の化合物は哺乳動物の不妊治療のために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2−カルボキサミドピペラジン化合物、並びに1以上のかかる化合物を利用する又は含む治療方法及び医薬組成物に関する。本発明の化合物は哺乳動物の不妊治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)は、下垂体前葉腺により産生され、哺乳動物の生殖過程に関与する。FSH、LS及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)のような比較的大きなヘテロ2量体タンパク質である下垂体ホルモンの糖タンパク質ファミリーは、糖質成分を含む。それらは受容体認識及び特異性を提供する、共通のα−サブユニット及び異なるβサブユニット(1−4)を有す。
【0003】
LHは、性腺刺激ホルモン放出ホルモン及び黄体ホルモンの影響下で、下垂体前葉腺から放出される。排卵を刺激し、且つ主要なホルモンである雌性におけるLHは、黄体による黄体ホルモン分泌の調節に関与する。雄性におけるLHは、アンドロゲン、特にテストステロンを分泌するためのLeydig細胞を刺激する。
【0004】
FSHは性腺刺激ホルモン放出ホルモン、及びエストロゲンの影響下において下垂体前葉から放出され、そして妊娠期間では胎盤から放出される。FSHは卵巣において卵胞の成熟を刺激する作用をし、そしてエストロゲンの分泌を調節する。雄性におけるFSHは、精巣の細管の完全性を担い、そして配偶子形成を支援するためSertoli細胞へ作用する。
【0005】
LH及びFSH受容体は、7つの疎水性へリックスによって特徴づけられる複雑な膜貫通タンパク質であるG-タンパク質共役受容体のスーパーファミリーに属す。LH及びFSH受容体は、緊密な配列相同性も共有する(およそ40%)。その受容体の細胞外ドメインは、高い親和性及び特異性によりそれらのそれぞれのホルモンと結合する。FSH及びLH受容体の細胞内部位は、Gsタンパク質と共役する。細胞外ドメインとのホルモン的相互作用による受容体活性化は、特異的生物学的効果を導く事象のカスケードをもたらす。
【0006】
LH及びFSHは、雌性の不妊治療及び精子形成障害のために使用されてきた。米国特許5,767,067;5,639,639;及び5,017,557参照。
【0007】
しかしながら、それらの治療は、いくつかの著しい欠点を有する。例えば、現行のFSH治療は、経口の生物学的利用能の不足、高いコスト及び一貫した投与プロトコールで厳重な医療従事者の監督が必要であることにより制限される。
【0008】
いくつかの非ペプチド性FSHアゴニストも開示されている。例えば、米国特許6,235,755;6,423,723;WO 00/08015;及びWO 02/09706を参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、新規の作用物質を得ること、及び哺乳動物の不妊治療のための方法が所望されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
我々は2−カルボキサミドピペラジン化合物が有効な卵胞刺激ホルモン(FSH)受容体アゴニストであることをここに見出した。本発明の化合物は、特に哺乳動物における不妊治療に有用である。
【0011】
より詳細には、本発明の好適な観点では、本発明の2−カルボキサミドピペラジン化合物は以下の式Iを含む:
【化1】

式中、R1及びR2は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C12−アルケニル、C2−C12−アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖は、N、O又はSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和もしくは不飽化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は、1−2の更なるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)、アシル部位、C1-C12-アルキル アリール、Cl-C12-アルキル ヘテロアリール、C2-Cl2-アルケニル アリール、C2-C12-アルケニル ヘテロアリール、C2-C12-アルキニル アリール、C2-Cl2-アルキニル ヘテロアリール、Cl-C12-アルキル シクロアルキル、C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C12-アルケニル シクロアルキル、C2-C12-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C12-アルキニル シクロアルキル、C2-C12-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C12-アルキル カルボキシ、C1-C12-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C12-アルキル アシルオキシ、C1-C12-アルキル アルコキシ、C1-C12-アルキル アルコキシカルボニル、Cl-C12-アルキル アミノカルボニル、C1-C12-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、C1-C12-アルキル ウレイド、C1-C12-アルキル カルバメート、Cl-C12-アルキル アミノ、Cl-C12-アルキル アンモニウム、C1-C12-アルキル スルホニルオキシ、C1-C12-アルキル スルホニル、C1- C12-アルキル スルフィニル、C1-C12-アルキル スルファニル、C1-C12-アルキル スルホニルアミノ、又はC1-C12-アルキル アミノスルホニルを含む群又は成る群から独立して選定され、並びに好適には少なくとも1つが独立して選定され、或いはR及びR2は水素以外であり;
【0012】
R3はC1-C16-アルキル、C2-C16-アルケニル、C2-C16-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O又はSから選定されるヘテロ原子により中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は1−2の更なるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)、アシル部位、C1-C16-アルキル アリール、C1-C16-アルキル ヘテロアリール、C2-C16-アルケニル アリール、C2-C16-アルケニル ヘテロアリール、C2-C16-アルキニル アリール、C2-C16-アルキニル ヘテロアリール、C1-C16-アルキル シクロアルキル、C1-C16-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルケニル シクロアルキル、C2-C16-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルキニル シクロアルキル、C2-Cl6-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C16-アルキル カルボキシ、C1-C16-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C16-アルキル アシルオキシ、C1-Cl6-アルキル アルコキシ、C1-C16-アルキル アルコキシカルボニル、C1-C16-アルキル アミノカルボニル、C1-C16-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、Cl-C16-アルキル ウレイド、C1-C16-アルキル カルバメート、Cl-C16-アルキル アミノ、C1-C16-アルキル アンモニウム、C1-C16-アルキル スルホニルオキシ、C1-C16-アルキル スルホニル、C1-C16-アルキル スルフィニル、C1-C16-アルキル スルファニル、C1-C16-アルキル スルホニルアミノ、又はC1-C16-アルキル アミノスルホニルであり;
【0013】
R4はC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O又はSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は、更に1−2のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基或いはアミノ基と融合してよい);及びそれらの医薬的に許容され得る塩類である。;
【0014】
一般的に本発明の好適な化合物は、式IのR置換基がヘテロアリール、詳細には硫黄環置換基、特に以下の式IIのような化合物を含む。
【化2】

【0015】
式中、R、R及びRは、上記式Iの定義と同一であり;
それぞれのRは独立してハロゲン、ヒドロキシ又はRの定義と同一であり;
mは0 (場合によりチエニル環部位は水素で置換されている)から4の整数であり、そして好適にはmは0、1、2又は3であり、より好適には0、1又は2であり; 並びにそれらの医薬的に許容され得る塩類である。
【0016】
2-チエニル部位を有する式IIの化合物、即ち、以下の式III の化合物は、典型的に好適であり:
【化3】

式中R、R、R、R及びmは、上記の式IIでの定義と同一であり;並びに医薬的に許容され得るそれらの塩類である。
【0017】
上記の通り、式IからIII のそれぞれは、好適には少なくともR及びRの1つが水素以外であり、並びにより好適にはR及びRの1つが水素であり、そして他方は水素ではない置換基である。好適には水素でないR及びR置換基は任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリール基(例えば任意に置換されたフェニル、ナフチル、ピリジル、並びに融合したアリール及びヘテロアリール環系統(例えばベンゾイミダゾール、ピリジルが置換したベンゾイミダゾール、カルバゾール等))を含む。特に好適には水素でないR及びR置換基は、任意に置換されたカルバゾリル、任意に置換されたテトラヒドロ−β−カルボリニル、又は任意に置換されたベンゾイミダゾリル部位(例えばNがC−CアルキルによってN−置換されてよい1−ベンゾイミダゾリル、2,3,4,9-テトラヒドロ-β-カルボリン-6イル-1-オン及び9-エチル-9H-カルバゾール-3イル等)を含んで成るものを含む。
【0018】
式IからIII において、好適にはR基は、4個以上の原子を含み、特に連続的な鎖であり、更に好適にはアルキル鎖のような長鎖、或いはエステル、アミド又は他の部位において5,6,7,8,9,又は10個の原子を含む。4,5,6,7,8,9又は10個の炭素原子を含むn−アルキル基を含むアルキル基は、特に好適なR置換基である。
【0019】
本発明の好適な態様は、式Iに従うピペラジン誘導体であり、式中RはHであり;Rは任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換された飽和もしくは不飽和化した3−8員環のシクロアルキル及び任意に置換されたヘテロシクロアルキルから選定され(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、更に1−2のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基と融合してよく);Rは任意に置換されたC-C16-アルキル、任意に置換されたC2-C16-アルケニル、任意に置換されたC2-C16-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖は、N及びOから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、任意に置換された単環式アリール、任意に置換された単環式ヘテロアリール、任意に置換された飽和化又は任意に置換された不飽和化3−8員環の単環式シクロアルキル、任意に置換された単環式ヘテロシクロアルキル アシル部位、任意に置換されたC1-C16-アルキル アリール、任意に置換されたC1-C16-アルキル ヘテロアリール、任意に置換されたC2-C16-アルケニル アリール、任意に置換されたC2-C16-アルケニル ヘテロアリール、任意に置換されたC2-C16-アルキニル アリール、任意に置換されたC2-C16-アルキニル ヘテロアリール、任意に置換されたCl-C16-アルキル シクロアルキル、任意に置換されたC1-C16-アルキル ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC2-C16-アルケニル シクロアルキル、任意に置換されたC2-C16-アルケニル ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたC2-C16-アルキニル シクロアルキル、任意に置換されたC2-C16-アルキニル ヘテロシクロアルキル、任意に置換されたアルコキシカルボニル、任意に置換されたアミノカルボニル、任意に置換されたCl-C16-アルキル カルボキシ、任意に置換されたCl-C16-アルキル アシル、任意に置換されたアリール アシル、任意に置換されたヘテロアリール アシル、任意に置換されたC3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、任意に置換されたC1-C16-アルキル アシルオキシ、任意に置換されたC1-C16-アルキル アルコキシ、任意に置換されたC1-C16-アルキル アルコキシカルボニル、任意に置換されたC1-C16-アルキル アミノカルボニル、任意に置換されたCl-C16-アルキル アシルアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたC1-C16-アルキル スルフィニル、任意に置換されたCl-C16-アルキル スルファニル、任意に置換されたC1-C16-アルキル ウレイド、任意に置換されたC1-C16-アルキル カルバメート、任意に置換されたCl-C16-アルキル アミノ及び任意に置換されたC1-C16-アルキル アンモニウムからから選定され;Rは任意に置換されたCl-Cl2-アルキル、任意に置換されたC2-C12-アルケニル、任意に置換されたC2-C12-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O及びSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、飽和化もしくは不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は更に1−2のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)及び任意に置換されたアミノ基から選定される。
【0020】
特に好適な態様は、式IからIII に従うピペラジン誘導体であり、式中RはHであり及びRは任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリール(ここで任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールは任意に多環式であってよく)から選定され、並びに任意に置換されたフェニル、任意に置換されたベンゾイミダゾリル、任意に置換されたカルバゾリル及び任意に置換されたテトラヒドロカルボリニルを含む。
【0021】
更に好適な態様は、式IからIII に従うピペラジン誘導体であり、式中RはHであり、及びRは任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリール(ここで任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリールは2環又は3環であり)から選定され、並びに任意に置換されたベンゾイミダゾリル、任意に置換されたカルバゾリル及び任意に置換されたテトラヒドロカルボリニルを含む。
【0022】
特に好適な態様は、式IからIII に従うピペラジン誘導体であり、式中RはHであり、及びRは任意に置換されたCl-C8-アルキル(ペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチルを含む);任意に置換されたC1-C8-アルキル アシルオキシ(酢酸エチルエステルを含む);任意に置換されたC1-C8-アルキル スルファニル(メチルスルファニルプロピルを含む); 任意に置換されたC1-C8-アルキル ヘテロアリール(イミダゾリル プロピル及びエチル フラニルメチルを含む); 任意に置換されたアミノカルボニル(エトキシ エチル ホルムアミド、ホルミルアミノ-酢酸エチルエステル及びイミダゾリルプロピルアミドを含む);任意に置換されたC1-C8-アルキル アミノカルボニル(エチルアミド 及びペンチルアミドを含む)並びに任意に置換されたカルボニル(ペンタノイルを含む)から選定される。
【0023】
更に好適な態様は、式IからIII に従うピペラジン誘導体であり、式中RはHであり、Rは任意に置換されたCl-C8-アルキル(ペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチル含み)及び任意に置換されたCl-C8-アルキル アミノカルボニル(エチルアミド及びペンチルアミドを含む)から選定される。
【0024】
特に好適な態様は、式Iに従うピペラジン誘導体であり、式中RはHであり、Rは任意に置換されたC1-C6-アルキル(ここで前記アルキル鎖は窒素原子により中断されてよく、ブタンを含む);任意に置換されたアミノ基(ジメチルアミンを含む);任意に置換されたアリール(フェニル及びフルオロフェニルのような任意に置換されたフェニルを含む);任意に置換されたヘテロアリール(チエニル及びメチルイミダゾールを含む)から選定される。
【0025】
更に好適な態様は、式Iに従うピペラジジン誘導体であり、式中RはHであり、Rは任意に置換されたアリール(フルオロフェニルのような任意に置換されたフェニルを含む);任意に置換されたヘテロアリール(チオフェン及びメチルイミダゾールを含む)から選定される。
【0026】
一般的に式Iの好適なR置換基は、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアリール及び任意に置換されたヘテロアリール基、例えば任意に置換されたC1-12アルキル、任意に置換されたアリール、例えば任意に置換されたフェニル(例えば、ハロゲン、ニトロ、Cl−C6アルキル、C1−C6アルコキシ等の1以上の環式置換基を有すフェニル)並びに任意に置換されたヘテロアリール、特にチオフェン及びフランである。
【0027】
本発明は上記式IからIII の化合物及び光学活性化合物の使用も含む。特に上記式IからIII の化合物における鏡像異性体が過剰量で存在しているキラル化合物の1つの立体異性体(例えば、1つの立体異性体が、他の立体異性体と比較して少なくとも70モル%の量で存在している場合、より好適には1つの立体異性体が他の立体異性体と比較して、少なくとも約80,85,90,92,93,94,95,96,97,98又は99モルパーセントの量で存在している場合)を含む。特に好適には、示されたキラル炭素の立体異性体(即ち、いずれの式I、II及びIII においてキラルのピペラジン環炭素が*により示されている)が、他の立体異性体と比較して上記で具体的に挙げた量のような、鏡像異性体が過剰量で存在している場合である。
【0028】
本発明のカルボキサミドピペラジジン化合物は雄性及び雌性の哺乳動物、特にヒトの不妊治療に有用である。一般に本発明の治療方法は、1以上の2-カルボキサミドピペラジン化合物を、本明細書において開示するように、例えば不妊で苦しむ疑いのある哺乳動物、特に不妊で苦しむ疑いのあるヒトのようなそれらを必要とする哺乳動物に対し、効果量を投与することを含んで成る。本発明の化合物は、雌性の不妊及び雄性の精子形成障害を含め、現在FSH及び/又はLHで処置されている不妊症状の治療に有用であろう。
【0029】
更に、FSHのような現行のタンパク質治療とは対照的に、本発明の化合物は、経口的に、及び広い医療専門家の監督なしで投与することができる。
【0030】
本発明の好適な化合物は、後述の実施例2のアッセイのような、標準の卵胞刺激ホルモン(FSH)アッセイにおいて良好なアゴニスト活性を示す。
【0031】
本発明の2−カルボキサミドピペラジン化合物は、ホスホジエステラーゼPDE4、アデノシントランスポーター、及びプロスタノイド受容体に対しても良好な阻害活性を示すことも見出した。従って、当該方法はホスホジエステラーゼPDE4、アデノシントランスポーター、及びプロスタノイド受容体に関連する疾患及び障害のために提供され、当該方法は、かかる治療を必要とする患者(例えば、ヒト又は他の霊長類のような哺乳動物)に対して、一般に1以上の2−カルボキサミドピペラジン化合物の効果量での投与を含んで成る。
【0032】
更なる観点では、本発明は本明細書において開示するようなカルボキサミドピペラジン化合物の使用、特に式IからIII のいずれか1の化合物の、雄性及び雌性の哺乳動物、特にヒトにおける、雌性の不妊及び雄性の精子形成障害のような不妊治療、並びにホスホジエステラーゼPDE4、アデノシントランスポーター、及びプロスタノイド受容体に関連した疾患及び障害の治療を含む、本明細書において開示する疾患又は症状の治療又は予防(予防的治療を含む)のための使用を提供する。
【0033】
また更なる観点では、本発明は本明細書において開示するようなカルボキサミドピペラジン化合物の使用、特に式IからIII のいずれか1の化合物の、雄性及び雌性の哺乳動物、特にヒトにおける、雌性の不妊及び雄性の精子形成障害のような不妊治療、並びにホスホジエステラーゼPDE4、アデノシントランスポーター、及びプロスタノイド受容体に関連した疾患及び障害の治療を含む、本明細書において開示する疾患又は症状の治療又は予防(予防的治療を含む)のための医薬の調製のための使用を提供する。
【0034】
本発明の好適な方法は、本明細書で開示する症状になりやすい、又は当該症状で苦しんでいる対象(例えば哺乳動物、特にヒト)を認定すること及び/又は選定することを含み、並びに、認定され、及び選定された対象(ヒトにおける女性の不妊及び男性の精子形成障害、並びにホスホジエステラーゼPDE4、アデノシントランスポーター、及びプロスタノイド受容体に関連した疾患又は障害になりやすい、又は当該疾患又は障害で苦しんでいるような、特に不妊になりやすい、又は不妊で苦しんでいるとして認定され及び選定された対象)へ、その後1以上の本発明のカルボキサミドピペラジン化合物を投与することを含む。
【0035】
本発明は本発明の1以上の2−カルボキサミドピペラジン化合物及び組成物に適した担体を含む医薬組成物も提供する。本発明の他の観点は、以下に開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
発明の詳細な説明
我々は、ヒト女性及び男性を含む哺乳動物における不妊治療のために有用な上記式I、II及びIII の化合物を含む置換されたカルボキサミドピペラジン化合物をここに開示した。
【0037】
以下のパラグラフは、本発明に係る化合物を構成する様々な化学的部位の定義を提供し、但しより広い定義を提供する定義を他に明確に表示しない限り、一連の明細書及び特許請求の範囲に統一して適合させることを意図する。
【0038】
“Cl-Cl2-アルキル”は1から12個の炭素原子を有する1価のアルキル基を言う。この用語はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第三ブチル、n−ヘキシル等のような基により例示される。類似して“C1-Cl6-アルキル”とは1から16個の炭素原子を有する1価のアルキル基を言い、“C1-C8-アルキル”とは1から8個の炭素原子を有する1価のアルキル基を言い、及び“Cl-C6-アルキル”は1から6個の炭素原子を有する1価のアルキル基を言う。
【0039】
“アリール”とは1つの環又は“単環”(例えばフェニル)、例えば“2環” (例えばナフチル)、“3環” (例えば、9-カルバゾリル) 又は他の結合した多環 (例えばビフェニル)を含む多縮環(multiple condensed rings)又は“多環”を有す6から14個の炭素原子の不飽和芳香族性炭環基を言う。好適なアリールはフェニル、ナフチル、アントラセニル、アセナフチル、フェナントレニル等を含む。“融合したアリール”の表現は、更にシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリール基と融合したアリールを意味し、好適には1又は2の当該基と融合したアリールを意味する。
【0040】
“Cl-C12-アルキル アリール”とはベンジル、フェネチル等を含むアリール置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“Cl-Cl6-アルキル アリール”とはアリール置換基を有するC1-C16アルキル基を言い、及び“C1-C8-アルキル アリール”とはアリール置換基を有するC1-C8-アルキル基を言う。
【0041】
“ヘテロアリール”とは単環式ヘテロ芳香族、又は2環もしくは3環式融合リングのヘテロ芳香族基を言う。特にヘテロ芳香族基の例として、任意に置換されたピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ベンゾキサゾール、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ] ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾ[1, 2-a] ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサ-ゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル(pthalazinyl)、キノキサリニル、シノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル(pteridinyl)、カルバゾリル、キサンテニル又はベンゾキノリルを含む。
【0042】
“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”とは、2-フリルメチル、2-チエニルメチル、2-(lH-インドール-3-イル) エチル等を含む、ヘテロアリール置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル ヘテロアリール”とは、ヘテロアリール置換基を有するC1-C16-アルキル基を言い、“C1-C8-アルキル ヘテロアリール”とは、ヘテロアリール置換基を有するCl-C8-アルキル基を言う。
【0043】
“C2-Cl2-アルケニル”とはアルケニル基を言い、好適には2から12個の炭素原子を有し、及び少なくとも1又は2のアルケニル不飽和のサイトを有す。類似して、“C2-C16-アルケニル”とは、アルケニル基を言い、好適には2から16個の炭素原子を有し、及び少なくとも1又は2のアルケニル不飽和サイトを有す。好適なアルケニル基は、エテニル(-CH=CH2)、n-2-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)等を含む。
【0044】
“C2-C12-アルケニル アリール”とは、2-フェニルビニル等を含むアリール置換基を有すC2-C12-アルケニル基を言う。類似して、“C2-C16-アルケニル アリール”とは、アリール置換基を有するC2-C16-アルケニル基を言う。
【0045】
“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”とは、2-(3-ピリジニル)ビニル等を含む、ヘテロアリール置換基を有すC2-C12-アルケニル基を言う。類似して、“C2-C16-アルケニル ヘテロアリール”とは、ヘテロアリール置換基を有すC2-C16-アルケニル基を言う。
【0046】
“C2-C12-アルケニル”とは、アルケニル基を言い、好適には2から12個の炭素原子を有し、及び少なくとも1から2のアルキニル不飽和サイトを有す。類似して、“C2-C16-アルキニル”とは、アルキニル基を言い、好適には2から16個の炭素原子を有し、及び少なくとも1から2のアルキニル不飽和サイトを有す。好適なアルキニル基は、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)等を含む。
【0047】
“C2-C12-アルキニル アリール”とは、アリール置換基を有するC2-C12-アルキニル基を言い、フェニルエチニル等を含む。類似して、“C2-C16-アルキニル アリール”とは、アリール置換基を有するC2-C16-アルキニル基を言う。
【0048】
“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”とは、ヘテロアリール置換基を有すC2-C12-アルキニル基を言い、2-チエニルエチニル等を含む。類似して、“C2-C16-アルキニル ヘテロアリール”とは、ヘテロアリール置換基を有すC2-C16-アルキニル基を言う。
【0049】
“C3-C8-シクロアルキル”とは、1の環(例えばシクロヘキシル)又は多縮環(例えば、ノルボルニル)を有する3から8個の炭素原子の飽和炭環基を言う。好適にはシクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル等を含む。
【0050】
“ヘテロシクロアルキル”とは、上記定義の通り、C3-C8-シクロアルキル基を言い、ここにおいて、3までの炭素原子は、O、S、NR、(Rは水素と定義される)から成る群から選定されたヘテロ原子、Cl-6アルキル、アルコキシ等、により置き換えられる。好適なヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、モルホリン等を含む。
【0051】
“Cl-C12-アルキル シクロアルキル”とは、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルプロピル等を含む、シクロアルキル置換基を有すCl-Cl2-アルキル基を言う。類似して、“Cl-Cl6-アルキル シクロアルキル”とは、シクロアルキル置換基を有すC1-C16-アルキル基を言う。
【0052】
“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”とは、2-(1-ピロリジニル)エチル、4-モルホニルメチル、(1-メチル-4-ピペリジニル)メチル等を含む、ヘテロシクロアルキル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル ヘテロシクロアルキル”とは、ヘテロシクロアルキル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0053】
“カルボキシ”とは、-C(O)OH基を言う。
【0054】
“C1-C12-アルキル カルボキシ”とは、2−カルボキシエチル等を含む、カルボキシ置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル カルボキシ”とは、カルボキシ置換基を有するCl-C16-アルキル基を言う。
【0055】
“アシル”とは、-C(O)R基を言い、ここでRは“C1-C12-アルキル”、“C1-C8-アルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“Cl-C12-アルキル アリール”又は“Cl-C12-アルキル ヘテロアリール”を含む。
【0056】
“Cl-C12-アルキル アシル”とは、2-アセチルエチル等を含む、アシル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル アシル”とは、アシル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0057】
“アリール アシル”とは、2-アセチルフェニル等を含む、アシル置換基を有するアリール基を言う。
【0058】
“ヘテロアリール アシル”とは、2-アセチルピリジル等を含む、アシル置換基を有すヘテロアリール基を言う。
【0059】
“C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル”とは、アシル置換基を有する3から8員環のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基を言う。
【0060】
“アシルオキシ”とは、-OC(O)R基を言い、ここでRはH、“Cl-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”を含む。
【0061】
“Cl-C12-アルキル アシルオキシ”とは、2-(アセチルオキシ)エチル等を含む、アシルオキシ置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル アシルオキシとは、アシルオキシ置換基を有すC1-C16-アルキル基を言う。
【0062】
“アルコキシ”とは、-O-R基を言い、ここでRは、“Cl-C12-アルキル”、“C1-C8-アルキル”、“C1-C6-アルキル”或いは“アリール”又は“ヘテロ-アリール”或いは“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”を含む。好適なアルコキシ基とは、例として、メトキシ、エトキシ、フェノキシ等を含む。
【0063】
“C1-C12-アルキル アルコキシ”とは、2-エトキシエチル等を含むアルコキシ基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル アルコキシ”とは、アルコキシ置換基を有するC1-C16-アルキル基を言い、及び“Cl-C6-アルキル”とは、アルコキシ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言う。
【0064】
“アルコキシカルボニル”とは、-C(O)OR基を言い、ここでRは、H,“C1-C12-アルキル”或いは“アリール”又は“ヘテロアリール”或いは“Cl-Cl2-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”を含む。
【0065】
“C1-C12-アルキル アルコキシカルボニル”とは、2-(ベンジルオキシカルボニル)エチル等を含む、アルコキシカルボニル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル アルコキシカルボニル”とは、アルコキシカルボニル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0066】
“アミノカルボニル”とは、-C(O)NRR'基を言い、ここでそれぞれR、R'は、独立してハロゲン或いはCl-Cl2-アルキル又はCl-C6-アルキル或いはアリール又はヘテロアリール或いは“Cl-C12- アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”を含む。
【0067】
“C1-C12-アルキル アミノカルボニル”とは、2-(ジメチルアミノカルボニル)エチル等を含むアミノカルボニル置換基を有するCl-Cl2-アルキル基を言う。類似して、“Cl-C16-アルキル アミノカルボニル”とは、アミノカルボニル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言い、及び“C1-C8-アルキル アミノカルボニル”とは、2-(ジメチルアミノカルボニル)エチル等を含む、アミノカルボニル置換基を有するC1-C8-アルキル基を言う。
【0068】
“アシルアミノ”とは、-NRC(O)R'基を言い、ここでそれぞれR, R'は、独立して水素、“C1-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-Cl2-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”である。
【0069】
“C1-C12-アルキル アシルアミノ”とは、2-(プロピオニルアミノ)エチル等を含む、アシルアミノ置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-16-アルキル アシルアミノ”とは、アシルアミノ置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0070】
“ウレイド”とは、-NRC(O)NR'R"基を言い、ここでそれぞれR, R',R"は、独立して水素、“C1-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”であり、及びここで窒素原子と結合したR'及びR"は、任意に3-8員環のヘテロシクロアルキルリングを形成することができる。
【0071】
“C1-C12-アルキル ウレイド”とは、2-(N'-メチルウレイド)エチル等を含む、ウレイド置換基を有すCl-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル ウレイド”とは、ウレイド置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0072】
“カルバメート”とは、-NRC(O)OR'基を言い、ここでR, R'は独立して水素、“C1-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”である。
【0073】
“アミノ”とは、-NRR'基を言い、ここでそれぞれR,R'は、独立して水素又は“C1-C12-アルキル”或いは“アリール”又は“ヘテロアリール”或いは“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、或いは“シクロアルキル”、又は“ヘテロシクロアルキル”であり、及びここで窒素原子と結合したR及びR'は、任意に3-8員環のヘテロシクロアルキルリングを形成することができる。
【0074】
“C1-C12-アルキル アミノ”とは、2-(1-ピロリジニル)エチル等を含む、アミノ置換基を有するCl-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル アミノ”とは、アミノ置換基を有するCl-Cl6-アルキル基を言い、及び“C1-C8-アルキル アミノ”とは、アミノ置換基を有するC1-C8-アルキル基を言う。
【0075】
“アンモニウム”とは、正に帯電した-N+RR'R"基を言い、ここでそれぞれR、R'、R"は独立して“C1-C12-アルキル”或いは“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”或いは“シクロアルキル”、又は“ヘテロシクロアルキル”であり、及びここで窒素原子と結合したR及びR'は、任意に3-8員環のヘテロシクロアルキルリングを形成することができる。
【0076】
“Cl-Cl2-アルキル アンモニウム”とは、2-(1-ピロリジニル)エチル等を含む、アンモニウム置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル アンモニウム”とは、アンモニウム置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0077】
“ハロゲン”とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を言う。
【0078】
“スルホニルオキシ”とは、-OSO2-R基を言い、ここでRは、H、“Cl-C12-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1-C12-アルキル”(例えば、-OSO2-CF3基)、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C6-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“Cl-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”から選定される。
【0079】
“Cl-Cl2-アルキル スルホニルオキシ”とは、2-(メチルスルホニルオキシ)エチル等を含むスルホニルオキシ置換基を有するCl-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル スルホニルオキシ”とは、スルホニルオキシ置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0080】
“スルホニル”とは、“-SO2-R”基を言い、ここでRは、H、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1-C1-12アルキル”(例えば、-S02-CF3基)、“C2-C6-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”から選定される。
【0081】
“C1-Cl2-アルキル スルホニル”とは、2-(メチルスルホニル)エチル等を含むスルホニル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C16-アルキル スルホニル”とは、スルホニル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0082】
“スルフィニル”とは、“-S(O)-R”基を言い、ここでRはH、“C1-C12-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1-C6-アルキル”(例えば-SO-CF3基)、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”から選定される。
【0083】
“C1-C12-アルキル スルフィニル”とは、2-(メチルスルフィニル)エチル等を含むスルフィニル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“Cl-C16-アルキル スルフィニル”とは、スルフィニル置換基を有するCl-C16-アルキル基を言う。
【0084】
“スルファニル” とは、-S-R基を言い、ここでRは、H、“C1-C12-アルキル”、ハロゲンで置換された“C1-C12-アルキル”(例えば、-SO-CF3基)、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“Cl-C6-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”を含む。好適なスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニル等を含む。
【0085】
“C1-C12-アルキル スルファニル”とは、2-(エチルスルファニル)エチル等を含む、スルファニル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“Cl-C16-アルキル スルファニル”とは、スルファニル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0086】
“スルホニルアミノ”とは、-NRSO2-R'基を言い、ここでそれぞれR、R'は独立して、水素、“C1-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“C1-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-Cl2-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”を含む。
【0087】
“C1-C12-アルキル スルホニルアミノ”とは、2-(エチルスルホニルアミノ)エチル等を含む、スルホニルアミノ置換基を有すC1-C12-アルケニル基を言う。類似して“C1-C16-アルキル スルホニルアミノ”とはスルホニルアミノ置換基を有するCl-C16-アルキル基を言う。
【0088】
“アミノスルホニル”とは、-SO2-NRR'基を言い、ここでそれぞれR、R'は、独立して水素、“C1-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“C3-C8-シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“アリール”、“ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル アリール”又は“Cl-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルケニル アリール”、“C2-C12-アルケニル ヘテロアリール”、“C2-C12-アルキニル アリール”、“C2-C12-アルキニルヘテロアリール”、“Cl-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”を含む。
【0089】
“Cl-C12-アルキル アミノスルホニル”とは、2-(シクロヘキシルアミノスルホニル)エチル等を含む、アミノスルホニル置換基を有するC1-C12-アルキル基を言う。類似して、“C1-C6-アルキル アミノスルホニル”とは、アミノスルホニル置換基を有するC1-C16-アルキル基を言う。
【0090】
“置換又は非置換”或いは“任意に置換”とは、: 上記提示された基は、個々の置換基の定義により特に制限がない限り、“アルキル”、“アルケニル”、“アルキニル”、“アリール”及び“ヘテロアリール”等のような基は、“Cl-C12-アルキル”、“C2-C12-アルケニル”、“C2-C12-アルキニル”、“シクロアルキル”、“ヘテロシクロアルキル”、“C1-C12アルキル アリール”、“Cl-C12-アルキル ヘテロアリール”、“C1-C12-アルキル シクロアルキル”、“C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル”、“アミノ”、“アンモニウム”、“アシル”、“アシルオキシ”、“アシルアミノ”、“アミノカルボニル”、“アルコキシカルボニル”、“ウレイド”、“アリール”、“カルバメート”、“ヘテロアリール”、“スルフィニル”、“スルホニル”、“アルコキシ”、“スルファニル”、“ハロゲン”、“カルボキシ”、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ等から成る群から選定された1から5個の置換基により任意に置換されることができる。或いは前記置換基は、特に、近隣の官能置換基が関与する時、近隣の置換基が閉環したところの状態も含ませることもでき、このようにして例えばラクタム、ラクトン、のような環無水物を形成するが、例えば保護基を獲得するため、閉環によりアセタール、チオアセタール、アミナールも形成する。
【0091】
特に、本発明の好適な化合物は、上記描写した化合物の構造式を示す化合物名と共に、以下の化合物、及び医薬的に許容され得るそれら化合物の塩類を含む。 構造的に記載した化合物は、一般的に好適な立体異性体を示す。
【0092】
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジル-3-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド)
【化4】

【0093】
4-ペンタノイル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド
【化5】

【0094】
{[3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-l-カルボニル]-アミノ}酢酸エチルエステル
【化6】

【0095】
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 1-エチルアミド 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド]
【化7】

【0096】
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド]-1-ペンチルアミド
【化8】

【0097】
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド
【化9】

【0098】
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド] 1-{(2-メトキシ-エチル)-アミド]
【化10】

【0099】
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 1-ペンチルアミド 3-[(3-ピリジン-4-イル-フェニル)アミド]
【化11】

【0100】
4-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-ペンチルアミド
【化12】

【0101】
4-ジメチルスルファモイル-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-ペンチルアミド
【化13】

【0102】
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-β-カルボリン-6-イル)-アミド
【化14】

【0103】
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド
【化15】

【0104】
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-[(3-イミダゾール-1-イル-プロピル)-アミド])
【化16】

【0105】
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-[(3-イミダゾール-1-イル-エチル)-アミド])
【化17】

【0106】
4-ペンチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)アミド
【化18】

【0107】
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)アミド
【化19】

【0108】
4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド
【化20】

【0109】
4-(4-エチル-フラン-3-イルメチル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド
【化21】

【0110】
3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル]酢酸エチルエステル
【化22】

【0111】
1-ベンゼンスルホニル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化23】

【0112】
4-ペンチル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化24】

【0113】
4-ヘキシル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化25】

【0114】
1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化26】

【0115】
1-(2-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化27】

【0116】
4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化28】

【0117】
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化29】

【0118】
l-(ブタン-l-スルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化30】

【0119】
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化31】

【0120】
4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化32】

【0121】
4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド
【化33】

【0122】
本発明の化合物は容易に調製できる。例えば、本発明の化合物を提供するために適した反応経路を以下のスキーム1A及び1Bに示す。
【化34】

2-カルボン酸ピペラジン1a(1)の環窒素の上記スキーム1Aに例示のように、例えば、化合物2a(2)を導くため、FMOC塩化物(9-フルオレニルメトキシカルボニル塩化物)により保護することができる。化合物2aの保護されていない環窒素は、式3a(例えば、下記のスキーム1B中に示されたような任意に置換されたチオフェンスルホニル化合物3のような)のスルホニル誘導体へと導く式IからIII の-SO2R4置換基を導入するためのスルホニル試薬により反応させることができる。
【0123】
2-カルボキシ基は、その後カルボキサミド部位を提供するため、式HNR1R2の第一又は第二アミンと適切に反応させることによって官能化させることができる。 ここで、アミン試薬置換基は、式4a(例えば以下のスキーム1B中に示す化合物4のような)のアミド誘導体を提供するような上記定義された式IからIII 中のR1及びR2基を提供する。
【0124】
保護された環窒素は、その後、式5aの化合物(例えば以下のスキーム1Bの化合物5)を提供するため、例えば、ジエチルアミン又は他の有機性塩基のような塩基の存在下で、脱保護することができる。脱保護された環窒素は、その後、所望されるような上記式6a化合物を導くため、式IからIII に定義されるようなR3置換基を提供するために、置換されてよく、例えば、以下のスキーム1B中の化合物6にあるR3部位相当物を提供するために、任意に置換されたアルキル塩化物、任意に置換されたベンジル塩化物等と反応させる。
【化35】

【0125】
上記一般的な合成方法が、式Iのいくつかの化合物を得るために適さないものであれば、当業界における当業者に公知の適した調製方法を用いるべきである。
【0126】
本発明の化合物を提供するために特に好適な反応経路は、後述の実施例1に示される。
【0127】
上記検討の通り、本発明は雄性及び雌性の霊長類のような哺乳動物、特にヒト、における不妊治療のための方法を含む。本発明の化合物は、雌性の不妊及び雄性の精子形成障害を含む現行のFSH及び/又はLHにより施される不妊症状の治療のために有用であるだろう。
【0128】
本発明の治療方法は、一般的に、かかる治療を必要とする霊長類、特にヒトのような哺乳動物を含む対象への1以上の本発明の化合物を効果量で投与することを含む。
【0129】
本発明の方法に係る治療のための典型的な候補者は、不妊の疑いで苦しんでいる又は不妊で苦しんでいる人間である。不妊の疑いで苦しむ患者であることの確認のためのThe Merck Manual, vol. 2, ページ12-17(第16版)を参照すると、ヒトの場合、1年以内の避妊をしていない性交での妊娠の失敗を含ませることができる。
【0130】
本発明の治療方法は、特に排卵障害で苦しむ雌性哺乳動物のために有益であろう。更に本発明の化合物は、例えば、卵胞発達及び卵胞成熟を刺激するため、体外受精のような生殖治療の補助を行い、雌性へ投与することができる。本発明の化合物は、十分な精子形成を促進するため雄性へ投与することもできる。
【0131】
本発明の治療方法は、馬及び家畜(例えば家畜、羊、牛等)のような、ヒト以外の哺乳動物における不妊治療のためにも有用であるだろう。
【0132】
本発明の化合物は、“カクテル”製剤(即ち、1以上の本発明の化合物と1以上の他の有効な治療、特に1以上の他の公知の生殖作用物質との併用)として投与してよい。例えば、本発明の1以上の化合物は、Gonal-F、Metrodin HPもしくはPergonal、又はクエン酸クロメフィン(clomephine)のような他の作用物質のような卵胞刺激ホルモン及び/又は黄体形成ホルモンの摂生の調整において投与してよい。
【0133】
本発明の化合物は、経口的又は注射により(例えば、筋肉内、腹腔内、皮下又は静脈内注射)、或いは局所的(例えば、経皮、膣、等)様々な経路により投与することができる。本発明の化合物は、プロトン化及び水溶性のフォーム(例えば有機又は無機酸の医薬的に許容され得る塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、ヘミ−硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、等)にされて、適切に対象へ投与され得る。
【0134】
本発明の化合物は、上記の通り、慣用的な賦形剤(即ち、経口、非経口、経腸又は局所への適用に適する医薬的に許容され得る有機又は無機的担体物質であり、活性化合物との反応が有害でなく、及びそれらの受容者に有害でない)との混合物における医薬組成物として単独でも1以上の他の治療的作用物質との組み合わせにおいてもいずれでも使用することができる。適した医薬的に許容され得る担体とは、水、塩溶液、アルコール、ベジタブルオイル、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香料オイル、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、petroethral脂肪酸エステル、ヒドロキシメチル-セルロース、ポリビニルピロリドン等に制限されることなく他も含む。医薬的調製は殺菌することができ、もし所望されるならば補助作用物質(例えば、潤滑剤、防腐剤、安定化剤、浸潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩類、緩衝剤、着色料、調味料及び/又は芳香族性物質並びに活性化合物との反応が有害でないようなもの)を混合できる。
【0135】
本発明の1以上が置換されたピペラジン化合物を含む経口投与のための医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性又はオイル懸濁剤、分散パウダー剤又は顆粒剤、エマルション剤、ハード又はソフトカプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤等として製剤化してよい。典型的に、適した錠剤は、タルク及び/又は糖質の担体結合体等を有す糖剤又はカプセル剤であり、当該担体は、好適にはラクトース及び/又はコーンスターチ及び/ 又はポテトスターチである。シロップ剤、エリキシル剤等を使用することができ、ここでは甘味料賦形剤を使用する。徐放性組成物は、当該組成物中に、例えばマイクロカプセル化、マルチプルコーティング等により差異的に分解できるコーティング剤により保護される活性成分を含み、製剤化することができる。
【0136】
非経口、例えば、皮下、腹腔内又は筋肉内への適用のために特に適するは、液剤であり、好適にはオイル又は水性溶液、並びに懸濁液、エマルション又は坐剤を含む注入剤である。アンプルはユニット投与に都合がよい。
【0137】
製剤化の局所への適用は、本発明の1以上化合物を含む局所軟膏又はクリームにおいて調製され得る。軟膏としての製剤化の場合、本発明の1以上の化合物は、好都合にはパラフィン性又は水−混和性ベースのいずれかを採用してよい。1以上の化合物は、水クリームベース中のオイルにより製剤化してもよい。他の好都合の局所製剤は、例えば、ロゼンジ及び経皮パッチを含む。
【0138】
現実に所定の治療で用いられる活性化合物の好適な量は、利用される特定の化合物、製剤化された特定の組成物、適用の態様、投与の特定の部位等、に従って変化するであろうことが理解されるだろう。所定の投与プロトコールのための最適の投与の程度は、既存のガイドラインで指導される慣用的な投与方法決定試験を用いて、当業界における当業者によって容易に確認することができる。Remington's Pharmaceutical Sciencesも参照。一般的に、本発明の1以上の化合物の適した効果量は、特に本発明のより効力のある化合物を用いた時、受容者の体重1キログラム、1日あたり、0.01から100ミリグラムまでの範囲、好適には受容者の体重1キログラム、1日あたり、0.01から20ミリグラムの範囲、より好適には受容者の体重1キログラム、1日あたり、0.05から4ミリグラムの範囲であるであろう。所望される投与は、好都合には1日1回投与又は数回の分割投与、例えば、2から4回の分割投与(適宜一日を通した間隔、又は他の適宜スケジュールで投与される)である。かかる分割投与は、例えばユニット投与当り、本発明の化合物を0.05から10ミリグラム含む、ユニット投与フォームとして投与してよい。
【0139】
本明細書中で引用した全ての文献の原文は、本明細書中の参考文献により組み入れられている。以下の限定的でない実施例は、本発明の実例である。
【0140】
以下の略語は、それぞれ以下の定義を言う:
h(時間)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、mM (ミリモーラー)、mL(ミリリットル)。cAmP(サイクリックアデノシン1ホスフェート);CHO(チャイニーズハムスター卵巣);DMF(ジメチルホルムアミド);DMSO(ジメチルスルホキシド);FSH(卵胞刺激ホルモン);Fmoc(9-フルオレニルメトキシカルボニル);Gs(G-タンパク質);HATU(0-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート);HTS(ハイスループットスクリーニング);LDR(Log-Dose 応答);PDE(ホスホジエステラーゼ);RT(室温);TSH (甲状腺刺激ホルモン)。
【実施例1】
【0141】
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミドの合成。
【0142】
表記化合物を以下のスキーム2における略図の通り調製した。
【化36】

【0143】
パート1:ピペラジン-1,3(R)-ジカルボン酸-1-(9H-フルオレン-9-イルメチル)エステルの合成(上記スキーム2における化合物2)。
【0144】
ピペラジン-2(R)-カルボン酸2HCl(5.95g)を50 mL ジオキサン/水(1:1)に付加した。当該溶液をアイスバス中で冷却し、及び水性水酸化ナトリウム(10% w/v)溶液をpH9−10に調整するために滴下付加した。このpHで、ピペラジン-2-カルボン酸を完全に溶解させた。その後、ジオキサン中のFmoc塩化物(2.46g)を氷で冷却したピペラジンの溶液へ滴下付加し、そして反応混合物を0℃から室温で5−6時間かけて撹拌した。混合物を800mLの氷水中へ注ぎ、そして1回エーテルで洗浄した。その後水性相を2NのHClによりpH2−3に酸性化し、白色固体を沈殿させた。この固体をろ過し、そして真空乾燥させて、2.46gの白色粉体を得た。MS (ESI pos.):353 (M+H)。
【0145】
パート2:4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3(R)-ジカルボン酸 1-(9H-フルオレン-9-イルメチル)エステルの合成(上記スキーム2における化合物3)。
【0146】
4-Fmocで保護したピペラジン-2(R)-カルボン酸(352mg)を10mLの無水メチレンクロライド中で溶解させた。当該溶液をアイスバス中で冷却し、そして0.35mLジ-イソプロピルエチルアミンを付加した。その後、183mgの2-チオフェンスルホニルクロライドを付加し、そして反応混合物を0℃で5時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、0.5N水性塩酸及び食塩水で洗浄した。黄色がかった固体を残すため、溶媒を有機層から蒸発させ、真空で乾燥させた。この粗原料を精製せずに次のステップのために用いた。
【0147】
パート3:3-(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-カルボン酸 9H-フルオレン-9-イルメチル エステル(上記スキーム2における化合物4)の合成。
【0148】
前のステップからの粗原料を無水DMF中で溶解させ、そしてここへ238mgの1-エチル-2-ピリジン-3-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イルアミンを付加し、続けて258mgのジ-イソプロピルエチルアミン及び380mgのHATUを付加した。当該混合物を5時間撹拌し、粗混合物を酢酸エチルで希釈し、そして有機層を飽和した炭酸水素ナトリウム、0.5N HCl及び食塩水で連続して洗浄した。乾燥させるために有機層を蒸発させ、そしてシリカゲルを充填したクロマトグラフィーにより生成物を単離した (酢酸エチル中、0から5%メタノール)。MS(ESI pos.):719 (M+H)。
【0149】
パート4:Fmoc(9H-フルオレン-9-イルメチルエステル)基の脱保護:
ステップ3からのFmoc-で保護されたピペラジン誘導体を5mLジクロロメタン中に溶解させた。ここにゆっくりと5mLのジエチルアミンを付加し、そして得られた混合物を周囲の温度で1.5時間撹拌した。 過剰な試薬は真空で蒸発させ、そしてピペラジン5を産するために粗生成物をシリカゲルを充填したクロマトグラフィーによって精製した(酢酸エチル中、0-25%メタノール) 。MS (ESI pos.):497 (M+H)。
【0150】
パート5:4-ヘキシル-l-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミドの合成(上記スキーム2における化合物6)。
【0151】
上記パート4において調製したようなピペラジン5(200mg)を5%酢酸を含むジクロロメタン中で溶解させ、そして144 マイクロリットルのn-ヘキサノール(hexanal)を付加した。16時間撹拌した後、500 mgのシアノボロハイドライドナトリウムを付加し、そして当該反応を5時間室温で撹拌した。粗混合物を飽和した炭酸水素ナトリウム、食塩水で洗浄し、乾燥させた。シリカゲルを充填した精製(酢酸エチル中、0-5%メタノール)では、126mgの所望される生成物6を生じた。MS(ESI pos.): 581 (M+H)
【実施例2】
【0152】
FSHアッセイ方法。
本発明の化合物は、以下のアッセイにおいて検査された。
【0153】
アッセイの概略。
本発明の全ての化合物を、DMSO中の96-ウェル ディープウェルプレート中に10μMの見かけ濃度で貯えた。本発明の化合物は、組換えFSH受容体を用いたFSH受容体(本質的にKelton,等の研究において発表された(Molecular and Cellular Endocrinology,1992,89,141-151)チャイニーズハムスターの卵巣細胞(CHO細胞)中へ安定してトランスフェクトされ、発現する。)でのアゴニスト活性のためのスクリーニングをした。FSH受容体は、G−タンパク質(Gs)を介してアデニル酸シクラーゼを活性化し、それ故、細胞内cAMPレベルを上昇させることが公知であるから、ハイスループットスクリーニング(HTS)アッセイは、レポーター遺伝子(この場合は酵素ルシフェラーゼ)の上流に結合したcAMP応答要素から成る遺伝子レポーターシステムを用いた。従って、FSH受容体でのアゴニストは、細胞中のcAMPを上昇させ、CREB(cAMP)応答要素結合タンパク質の活性化をもたらす。酵素のための基質 (Packard Instrument Company 800 Research Parkway, Meriden, CT 06450, 米) を化合物又はFSHと共に適宜培養した後、細胞へ付加し、そして発現するルシフェラーゼの量を、1の光子を数える様式で実行するTopCountシンチレーション/ルミネセンスカウンターを用いて、酵素によって生成したルミネセンスを定量することにより測定した。受容体でアゴニストとして作用する化合物は、培養中において、その濃度に比例して、処理した細胞から光を生み出すだろう。ルミネセンスは、高濃度の化合物で飽和され得るであろう。
【0154】
プロトコール
【0155】
本発明の化合物を、上記説明の通り、ディープウェルプレート(マスタープレート)において適切な数のアッセイプレート及び娘プレートと一緒にロボットデック上にロードした。それぞれのマスタープレートからの10μLアリコートを、対応する娘プレートへ転移させ、90μLのDME/F12をそれぞれのウェル中へ付加し、そして混合した。20μLをその後、娘プレートから除去し、及びアッセイプレート中へ分配した。プレート上の3つのウェルそれぞれへのFSHのアリコート付加後(本ホルモンのためのEC100応答と等価)、80 μLの培地(DME/F 12±2% 血清)及び100μLアリコートの細胞(同一の培地中、4 x 105/mL)を付加し、そして当該プレートを37℃で3時間30分培養した。この時、当該プレートを培養器から除去し、そしてそれぞれのウェル中の培地を吸引し、そしてプレートの底へ粘着した細胞を1mMCa2+及び1mMMg2+を含む300μLPBSで洗浄した。PBSを吸引し、そして100μLのPBSをそれぞれのウェルへ付加した。100μLのルーサイト(登録商標)(製造業者により発表されたように調整)をそれぞれのウェルに付加し、そして当該プレートをTopCountプレートリーダー中に配置する前に穏やかに40秒間振った。機械内部への暗適応のため3.5分間経過後、ルミネセンス発光量を1の光子を数える様式を用いて定量した。データをTopCountからロボット処理コンピュータ端末へ電子的に伝達し、そしてもとのマスタープレートIDに対応するIDによりリネームした。データをExcelマクロを用いて評価し、そしてFSH自身のED100により生成させたものと同等の活性を見せた化合物を更に異なる濃度で同一のアッセイにおいて分析した。LDR(log-dose-応答)カーブは、FSH受容体を含むCHO細胞におけるそれらの化合物のために作製し、そしてそれらのカーブは異なるGsが結合した受容体を発現する細胞、又は任意のトランスフェクトされた受容体を欠く細胞のいずれかにおけるそれらの比較もした。結果を以下の表1中に発表する。
【0156】
表1
試験化合物 ED50(nM)
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2- 40
カルボン酸(1-エチル-2-ピリジニル-3-イル-1H-
ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド)

4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸
3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド]-1-ペンチルアミド 63

4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸
1-エチルアミド 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド] 877

{[3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-
(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-カルボニル]-アミノ}
酢酸エチルエステル 408

4-ペンタノイル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-
カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド 402

4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-
カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド 380

4-ジメチルスルファモイル-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸
3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド] 1-ペンチルアミド 403

4-(1-メチル-lH-イミダゾール-4-スルホニル)-ピペラジン-
1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]
1-ペンチルアミド 3160

4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-
ジカルボン酸 1-ペンチルアミド
3-[(3-ピリジン-4-イル-フェニル)-アミド] 5000

4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-
[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]
1-{[2-(lH-イミダゾール-4-イル)-エチル]-アミド} 6250

4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン- 978
2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-
β-カルボリン-6-イル)-アミド

4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド 94

4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸
3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド] 1-[(3-イミダゾール-1-イル-
プロピル)-アミド]) 6470

4-ペンチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル) アミド 220

4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)アミド 1200

4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-
ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド 1700

4-(4-エチル-フラン-3-イルメチル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-
ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド 1600

3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-
2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル] 酢酸エチルエステル 610

1-ベンゼンスルホニル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 150

4-ペンチル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 150

4-ヘキシル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 180

1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 167

1-(2-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 74

4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 54

4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 53

1-ジメチルスルファモイル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 242

1-(ブタン-1-スルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 170

4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 111

4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-
ピペラジン- 2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-
ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 14000

4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-
9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-[(2-メトキシ-エチル)-アミド] 1610

4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸
(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル) アミド 13
【0157】
本発明は、本発明の好適な態様により詳細に記載した。しかしながら、当業界における当業者は、本発明の意図及び範囲の中で改変並びに改良し得る本開示の重要性を理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における不妊治療のための方法であり、不妊の疑いのある哺乳動物へ式Iの化合物:
【化1】

(式中、R1及びR2は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C12−アルケニル、C2−C12−アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖は、N、O又はSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和もしくは不飽化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は、1−2の更なるシクロアルキル、ヘテロシクアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)、アシル部位、C1-C12-アルキル アリール、Cl-C12-アルキル ヘテロアリール、C2-Cl2-アルケニル アリール、C2-C12-アルケニル ヘテロアリール、C2-C12-アルキニル アリール、C2-Cl2-アルキニル ヘテロアリール、Cl-C12-アルキル シクロアルキル、C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C12-アルケニル シクロアルキル、C2-C12-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C12-アルキニル シクロアルキル、C2-C12-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C12-アルキル カルボキシ、C1-C12-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C12-アルキル アシルオキシ、C1-C12-アルキル アルコキシ、C1-C12-アルキル アルコキシカルボニル、Cl-C12-アルキル アミノカルボニル、C1-C12-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、C1-C12-アルキル ウレイド、C1-C12-アルキル カルバメート、Cl-C12-アルキル アミノ、Cl-C12-アルキル アンモニウム、C1-C12-アルキル スルホニルオキシ、C1-C12-アルキル スルホニル、C1-C12-アルキル スルフィニル、C1-C12-アルキル スルファニル、C1-C12-アルキル スルホニルアミノ、又はC1-C12-アルキル アミノスルホニルを含む群又は成る群から独立して選定され;
R3はC1-C16-アルキル、C2-C16-アルケニル、C2-C16-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O又はSから選定されるヘテロ原子により中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は1−2の更なるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)、アシル部位、C1-C16-アルキル アリール、C1-C16-アルキル ヘテロアリール、C2-C16-アルケニル アリール、C2-C16-アルケニル ヘテロアリール、C2-C16-アルキニル アリール、C2-C16-アルキニル ヘテロアリール、C1-C16-アルキル シクロアルキル、C1-C16-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルケニル シクロアルキル、C2-C16-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルキニル シクロアルキル、C2-Cl6-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C16-アルキル カルボキシ、C1-C16-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C16-アルキル アシルオキシ、C1-Cl6-アルキル アルコキシ、C1-C16-アルキル アルコキシカルボニル、C1-C16-アルキル アミノカルボニル、C1-C16-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、Cl-C16-アルキル ウレイド、C1-C16-アルキル カルバメート、Cl-C16-アルキル アミノ、C1-C16-アルキル アンモニウム、C1-C16-アルキル スルホニルオキシ、C1-C16-アルキル スルホニル、C1-C16-アルキル スルフィニル、C1-C16-アルキル スルファニル、C1-C16-アルキル スルホニルアミノ、又はC1-C16-アルキル アミノスルホニルであり;
R4はC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O又はSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は、更に1−2のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基、或いはアミノ基と融合してよい));及びそれらの医薬的に許容され得る塩類の治療的効果量を投与することを含んで成る方法。
【請求項2】
前記式Iの化合物中のRが水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式Iの化合物中のRがアリール、ヘテロアリール、3-8員環シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選定される、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記式Iの化合物中のRがCl-C-アルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、3-8員環シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選定される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記式Iの化合物中のRがHであり;Rがアリールであり;RがCl-C-アルキル、Cl-C-アシル アミノ及びCl-C-アルキル アシルから選定され、並びにRがCl-C6-アルキル、アミノ、アリール及びヘテロアリールから選定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物が以下の式II:
【化2】

(式中、R、R及びRは、式I中の上記定義と同一であり;それぞれRは独立してハロゲン、ヒドロキシ又はRの定義と同一であり;mは0-4の整数である)を有す、及びそれらの医薬的に許容され得る塩類である、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物が以下の式III :
【化3】

(式中、R、R及びRは、それぞれ式I中の上記定義と同一であり;それぞれRは独立してハロゲン、ヒドロキシ又はRの定義と同一であり;mは0-4の整数である)を有す、及びそれらの医薬的に許容され得る塩類である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記Rは水素であり及びRは水素以外である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記Rがアリール又はヘテロアリールである、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記Rが5個以上の炭素原子を有するアルキルである、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記Rがn−アルキル基である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記Rが任意に置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記Rは、カルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、又はベンゾイミダゾリル部位を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記式Iの化合物が、以下の群:
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジニル-3-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド);
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド]-1-ペンチルアミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 1-エチルアミド 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド];
{[3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-カルボニル]-アミノ}酢酸エチルエステル;
4-ペンタノイル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド;
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド;
4-ジメチルスルファモイル-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド] 1-ペンチルアミド;
4-(1-メチル-lH-イミダゾール-4-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-ペンチルアミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 1-ペンチルアミド 3-[(3-ピリジン-4-イル-フェニル)-アミド];
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-{[2-(lH-イミダゾール-4-イル)-エチル]-アミド};
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)-アミド;
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド] 1-[(3-イミダゾール-1-イル-プロピル)-アミド]);
4-ペンチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル) アミド;
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)アミド;
4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸 (9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド;
4-(4-エチル-フラン-3-イルメチル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド;
3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル] 酢酸エチルエステル;
1-ベンゼンスルホニル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ペンチル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ヘキシル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-(2-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-ジメチルスルファモイル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-(ブタン-1-スルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン- 2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-[(2-メトキシ-エチル)-アミド];
4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
及びそれらの医薬的に許容され得る塩類から選定される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ホスホジエステラーゼPDE4、アデノシントランスポーター、又はプロスタノイド受容体に関連する疾患又は障害で苦しんでいる、又は当該疾患又は障害になりやすい対象への治療方法であって、請求項1から14のいずれか1項の化合物を前記哺乳動物へ治療的効果量を投与することを含んで成る方法。
【請求項16】
前記哺乳動物がヒトである、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記哺乳動物が雌性である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記哺乳動物が排卵障害で苦しんでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記哺乳動物が生殖補助処置を受けている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記哺乳動物が体外受精を行っている、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記哺乳動物が雄性である、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記哺乳動物が精子形成障害で苦しんでいる雄性である、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
式Iに係る化合物:
【化4】

(式中、R1は水素;
R2はアリール、ヘテロアリール、3−8員環のシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選定され;
R3はC1-C16-アルキル、C2-C16-アルケニル、C2-C16-アルキニル、単環式 アリール、単環式 ヘテロアリール、3−8員環の単環式 シクロアルキル、単環式 ヘテロシクロアルキル、アシル、C1-C16-アルキル アリール、C1-C16-アルキル ヘテロアリール、C2-C16-アルケニル アリール、C2-C16-アルケニル ヘテロアリール、C2-C16-アルキニル アリール、C2-C16-アルキニル ヘテロアリール、C1-C16-アルキル シクロアルキル、C1-C16-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルケニル シクロアルキル、C2-C16-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルキニル シクロアルキル、C2-Cl6-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C16-アルキル カルボキシ、C1-C16-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C16-アルキル アシルオキシ、C1-Cl6-アルキル アルコキシ、C1-C16-アルキル アルコキシカルボニル、C1-C16-アルキル アミノカルボニル、C1-C16-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、C1-C16-アルキル スルフィニル、C1-C16-アルキル スルファニル、Cl-C16-アルキル ウレイド、C1-C16-アルキル カルバメート、Cl-C16-アルキル アミノ及びC1-C16-アルキル アンモニウムから選定され;
R4はC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、及びアミノから選定される);並びにそれらの医薬的に許容され得る塩類。
【請求項24】
前記Rがアリール、ヘテロアリール、3−8員環のシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選定される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
前記R4がC1-C-アルキル、C-C-アルキル アミノ、アリール、ヘテロアリール、3−8員環のシクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選定される、請求項23又は請求項24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
前記Rがアリール;RがC1-C-アルキル、C1-C-アシル アミノ、及びC1-C-アルキル アシルから選定され、並びにRがC1-C-アルキル、アミノ、アリール及びヘテロアリールから選定される、請求項23から25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
前記Rがフェニルと融合している、請求項23から26のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】
前記Rがチエニルである、請求項23から27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
以下の式II
【化5】

(式中、R1及びR2は、水素、C1−C12−アルキル、C2−C12−アルケニル、C2−C12−アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖は、N、O又はSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和もしくは不飽化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は、1−2の更なるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)、アシル部位、C1-C12-アルキル アリール、Cl-C12-アルキル ヘテロアリール、C2-Cl2-アルケニル アリール、C2-C12-アルケニル ヘテロアリール、C2-C12-アルキニル アリール、C2-Cl2-アルキニル ヘテロアリール、Cl-C12-アルキル シクロアルキル、C1-C12-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C12-アルケニル シクロアルキル、C2-C12-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C12-アルキニル シクロアルキル、C2-C12-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C12-アルキル カルボキシ、C1-C12-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C12-アルキル アシルオキシ、C1-C12-アルキル アルコキシ、C1-C12-アルキル アルコキシカルボニル、Cl-C12-アルキル アミノカルボニル、C1-C12-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、C1-C12-アルキル ウレイド、C1-C12-アルキル カルバメート、Cl-C12-アルキル アミノ、Cl-C12-アルキル アンモニウム、C1-C12-アルキル スルホニルオキシ、C1-C12-アルキル スルホニル、C1- C12-アルキル スルフィニル、C1-C12-アルキル スルファニル、C1-C12-アルキル スルホニルアミノ、又はC1-C12-アルキル アミノスルホニルを含む群又は成る群から独立して選定され;
R3はC1-C16-アルキル、C2-C16-アルケニル、C2-C16-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O又はSから選定されるヘテロ原子により中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は1−2の更なるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよく)、アシル部位、C1-C16-アルキル アリール、C1-C16-アルキル ヘテロアリール、C2-C16-アルケニル アリール、C2-C16-アルケニル ヘテロアリール、C2-C16-アルキニル アリール、C2-C16-アルキニル ヘテロアリール、C1-C16-アルキル シクロアルキル、C1-C16-アルキル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルケニル シクロアルキル、C2-C16-アルケニル ヘテロシクロアルキル、C2-C16-アルキニル シクロアルキル、C2-Cl6-アルキニル ヘテロシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C1-C16-アルキル カルボキシ、C1-C16-アルキル アシル、アリール アシル、ヘテロアリール アシル、C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキル アシル、C1-C16-アルキル アシルオキシ、C1-Cl6-アルキル アルコキシ、C1-C16-アルキル アルコキシカルボニル、C1-C16-アルキル アミノカルボニル、C1-C16-アルキル アシルアミノ、アシルアミノ、Cl-C16-アルキル ウレイド、C1-C16-アルキル カルバメート、Cl-C16-アルキル アミノ、C1-C16-アルキル アンモニウム、C1-C16-アルキル スルホニルオキシ、C1-C16-アルキル スルホニル、C1-C16-アルキル スルフィニル、C1-C16-アルキル スルファニル、C1-C16-アルキル スルホニルアミノ、又はC1-C16-アルキル アミノスルホニルであり;
R4はC1-C12-アルキル、C2-C12-アルケニル、C2-C12-アルキニル(ここで前記アルキル、アルケニル、アルキニル鎖はN、O又はSから選定されたヘテロ原子によって中断されてよく)、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和化した3−8員環のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(ここで前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基は、更に1−2のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と融合してよい);
Rは独立してハロゲン、ヒドロキシ又はRの定義と同一であり;
mは0-4の整数である)を有す、請求項23から28のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
前記Rがカルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、又はベンゾイミダゾリル部位を含む、請求項23から29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
以下の群:
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジニル-3-イル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド);
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド]-1-ペンチルアミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 1-エチルアミド 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド];
{[3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-カルボニル]-アミノ}酢酸エチルエステル;
4-ペンタノイル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド;
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド;
4-ジメチルスルファモイル-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)アミド]1-ペンチルアミド;
4-(1-メチル-lH-イミダゾール-4-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-ペンチルアミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 1-ペンチルアミド 3-[(3-ピリジン-4-イル-フェニル)-アミド];
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-{[2-(lH-イミダゾール-4-イル)-エチル]-アミド};
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)-アミド;
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)-アミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド] 1-[(3-イミダゾール-1-イル-プロピル)-アミド]);
4-ペンチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル) アミド;
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-オキソ-2,3,4,9-テトラヒドロ-lH-β-カルボリン-6-イル)アミド;
4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸 (9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド;
4-(4-エチル-フラン-3-イルメチル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド;
3-(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イルカルバモイル)-4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1-イル] 酢酸エチルエステル;
1-ベンゼンスルホニル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ペンチル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ヘキシル-1-チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-(4-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-(2-フルオロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ヘプチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-ジメチルスルファモイル-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
1-(ブタン-1-スルホニル)-4-ヘキシル-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-ヘキシル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-(3-メチルスルファニル-プロピル)-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン- 2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-4-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
4-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-1,3-ジカルボン酸 3-[(9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-アミド]1-[(2-メトキシ-エチル)-アミド];
4-オクチル-1-(チオフェン-2-スルホニル)-ピペラジン-2-カルボン酸(1-エチル-2-ピリジン-3-イル-lH-ベンゾイミダゾール-5-イル)アミド;
から選定される、請求項23から30のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
医薬として使用するための、請求項23から31のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
不妊治療のための医薬の調整のための、請求項1から31のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項34】
医薬的に許容され得る担体、及び請求項1から31のいずれか1項に記載の1以上の化合物を含んで成る医薬組成物。
【請求項35】
前記化合物を不妊治療のための化合物の使用説明書と共にパッケージした請求項34に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2006−503857(P2006−503857A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540809(P2004−540809)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2003/050640
【国際公開番号】WO2004/031182
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(599177396)アプライド リサーチ システムズ エーアールエス ホールディング ナームロゼ フェンノートシャップ (70)
【Fターム(参考)】