ピンホール検査機能付きブロー成形機
【課題】ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査をすることが出来るピンホール検査機能付きブロー成形機を提供する。
【解決手段】ブロー成形部110の出口近傍において、ピンホール検査部120をブロー成形部110に一体化する。ピンホール検査部120は、種々のホイール21,22,23,24とから構成され、ピンホール検査ホイール23では、等間隔に複数配置されたグリッパ2などのボトル保持手段によって首部を保持されたボトルに対し、加圧ヘッド付きエア噴射機10からピンホール検査用ガスを供給し、ボトルのピンホール検査を行う。また、これらの回転ホイール21,22,23,24は、完全に同期してボトルの授受を行う。
【解決手段】ブロー成形部110の出口近傍において、ピンホール検査部120をブロー成形部110に一体化する。ピンホール検査部120は、種々のホイール21,22,23,24とから構成され、ピンホール検査ホイール23では、等間隔に複数配置されたグリッパ2などのボトル保持手段によって首部を保持されたボトルに対し、加圧ヘッド付きエア噴射機10からピンホール検査用ガスを供給し、ボトルのピンホール検査を行う。また、これらの回転ホイール21,22,23,24は、完全に同期してボトルの授受を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンホール検査機能付きブロー成形機、特にブロー成形した全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査をすることが出来るピンホール検査機能付きブロー成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製ボトル、特にPETボトルは、軽量で取扱いが簡便であることなどを理由に、飲料、食品等の容器として近年大量に生産されている。
このPETボトルは、先ずプリフォームと呼ばれる一次成形品を射出成形等によって製造し、次いでこのプリフォームを所定の金型にセットし、そしてヒータ等の加熱手段によって延伸配向温度まで加熱し、次いで加熱されたプリフォームを所定の金型にセットし、延伸ロッドをプリフォームの内部に挿入するとともに加圧エアを噴射し、延伸ロッドによる延伸と加圧エア噴射により二軸に延伸する、いわゆる二軸延伸ブロー成形法により得られる。このように、二軸延伸ブロー成形法は加熱したプリフォームを延伸ロッドと加圧エアにより軸方向とそれと直交する方向の二軸に延伸するため、微妙な加工力(延伸力)の違いや樹脂材料中への極小の異物の混入などにより、製造されたPETボトルには、ピンホール等が生じる虞がある。従って、ブロー成形後のPETボトルに対しては、ピンホール等の欠陥が生じているか否かの検査を実施する必要がある。その為の検査方法としては、メインロータの外周に沿って保持されたPETボトルに対して、加圧ヘッドをボトル口部に当接してボトルの内部にエアを充填・密封し、そのエア密封状態をある一定時間保持し、その一定時間経過後のボトル内圧の圧力低下量から、ピンホールが生じているか否かを判定するピンホール検査方法が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)。
これらのピンホール検査機は、ブロー成形機とは別個独立に設けられている。従って、ブロー成形直後のボトルは、コンベア等の搬送ラインによってブロー成形機の出口部からピンホール検査機の入口部まで搬送されることになる。この時、ボトルをピンホール検査機へ投入するタイミングとピンホール検査機がボトルを取り込むタイミングを同期させる必要がある。もし、これらのタイミングが同期していない場合は、ピンホール検査機での空振り、或いはピンホール検査機入口でのボトルの密集・混雑という生産効率上好ましくない事態を招来することになる。また、これらタイミングを調整するタイミング調整装置としてはタイミングスクリューやグラビティホイール等の公知機構が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−205453号公報
【特許文献2】特開2002−310843号公報
【特許文献3】特開2004−26435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通り、ブロー成形機がボトルを送り出すタイミングとピンホール検査機での取り込みタイミングとは、一般に同期していない。従って、ボトルの投入タイミングがピンホール検査機でのボトル取り込みタイミングに同期するようにタイミングスクリュー等のタイミング調整装置によってボトルの投入タイミングを制御する必要がある。
しかし、タイミングスクリューの場合は、ボトルがそのネジ部に噛み込まれる虞がある。また、ボトルをブロー成形機からピンホール検査機まで搬送する場合、搬送途中でボトルが倒れてしまい、ラインを停止する虞もある。これらの問題は、従来のブロー成形機およびピンホール検査機においては、ボトルの形状(断面形状)や強度(薄肉化)にかかわりなく、どのような形状・強度のボトルであっても起こり得るものであった。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、ブロー成形した全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査をすることが出来るピンホール検査機能付きブロー成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために請求項1に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機は、プリフォームを二軸に延伸ブローしボトルを成形するブロー成形機と、該ボトルのピンホールの有無を検査するピンホール検査システムが一体化されて成ることを特徴とする。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、ピンホール検査システムがブロー成形機に予め一体化され備わるため、搬送ラインおよびタイミング調整装置等が不要もしくは大幅に簡略化される。その結果、ボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは搬送ライン上に転倒するライントラブルが起きなくなる。これにより、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査システムをブロー成形機に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査システムはブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
【0006】
請求項2に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ブロー成形機と、前記ピンホール検査システムが、コンベアおよびタイミング調整装置を介さずに同一ドライブによって駆動される複数の回転ホイールによって連結一体化されて成ることとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、ピンホール検査システムとブロー成形機のドライブが同じで同期しており、またピンホール検査システムとブロー成形機間で搬送ラインコンベアおよびタイミング調整装置等を介さずに該ボトルを受け渡すことが可能となるように予め一体化され備わっている。つまり、上記複数の回転ホイールが同一ドライブによって駆動されるため、これら回転ホイール間では常に同期がとられてボトルは回転ホイール間を搬送されることになる。これにより、ブロー成形されたボトルは、同期したこれら回転ホイール間を順次受け渡されることにより、コンベアおよびタイミング調整装置を介することなく、次工程であるピンホール検査部へ搬送させることが可能となる。その結果、ボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは搬送ライン上に転倒するライントラブルが起きなくなることに加え、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査システムをブロー成形機に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査システムはブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
【0007】
請求項3に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、ガス密封直後の前記ボトル内圧を基準内圧として計測すると共に一定時間経過後の該ボトル内圧の該基準内圧からの圧力低下量を計測し、該基準内圧が所定の第1閾値を超えており且つ前記圧力低下量が所定の第2閾値を超えていない場合(前記圧力低下量が所定の範囲内にある場合)に、前記ボトルはピンホールのない良品と判定することとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、所定量のガスを密封した直後のボトル内圧を基準内圧として計測し、その基準内圧について所定の第1閾値を超えているかの判定を行うとともに、次工程での圧力ホールド、圧力低下量の計測によって該圧力低下量が所定の第2閾値を超えていないかの判定を行った上で、そのボトルの最終的な良品判断が行われる。このように、圧力低下量計測に対する閾値設定に加え、ガス密封直後のボトル内圧の基準内圧に対しても閾値を設けることにより、ピンホールの存在する不良品ボトルを確実にふるい落とすことが出来るようになる。
【0008】
請求項4に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、一定時間経過後の該ボトルの軸方向の伸び量を計測することにより該ボトルのピンホールの有無を判定することとした。
例えば、軽量薄肉ボトル等に所定量のガスを密封し一定時間ホールドする場合、ボトルにピンホールが存在しなければ、ボトルは軸方向に対しボトル内圧増加に比例した弾性変形をするようになる。一方、ボトルにピンホールが有れば、ピンホールを介してガスがリークするため、ボトルは軸方向に変形しないか、変形する場合であってもその弾性変形量は微小である。
従って、上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、ボトルに所定量のガスを密封し一定時間ホールドする場合のボトルの軸方向に対する弾性変形量を測定することにより、上記圧力低下量と同様にピンホールの有無を好適に検出することが出来るようになる。
【0009】
請求項5に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ピンホール検査システムは、前記ボトルのガス供給ライン又は圧力検出側ラインの途中に分岐ラインを設け、該分岐ラインにバルブを介して疑似ピンホールとしてのオリフィスを接続した。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、(孔のない)正常なボトルを介したガス回路に、所定量のガスをその回路に導入しガスの供給バルブを閉とすることにより、ボトルにガス密封状態を形成する。更にボトルの上流側のガス供給ラインまたはボトル内圧を検知する圧力検出ラインの途中が分岐し、その分岐ラインにバルブ(自己診断バルブ)を介して疑似ピンホールとしてのオリフィスが設けられている。そのため、その分岐ラインのバルブ(自己診断バルブ)を開とすることにより、あたかもボトルにピンホールが存在しそのピンホールを介してガスがリークしているかの疑似リーク状態を形成することが出来るようになる。つまり、上記ピンホール検査機は、(孔のない)正常なボトルをガス密封状態にした回路にオリフィスというテストピースを接続することにより、正常なボトルに疑似的ピンホールが形成されたように見せかけ、ピンホール検査機の検出精度の確認を行うものである。これにより、搬送ラインに正常なボトルに代えてわざわざ疑似ピンホールが穿孔されたテストピースを投入する必要が無くなり、その結果、そのテストピースの作成を含めテストピースの投入に係る労力および時間が全て節約されることになる。また、オリフィスという金属部品が使用されるため、検査回数に比例して孔径が拡大するという事象は起きなくなる。
【0010】
請求項6に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記オリフィスは孔径可変であることとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、オリフィスは検査の目的などに応じて孔径が可変となるように構成されているため、想定される種々のピンホールを疑似(模擬)することが出来るようになる。
【0011】
請求項7に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記オリフィスは前記分岐ラインの流路の一部を成す部材が該分岐ラインに対し交換可能に設けられて成ることとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、流路を成す一の部材を孔径の異なる他の部材へ交換することにより、容易に想定される種々のピンホールを疑似することが出来るようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機によれば、ピンホール検査システムとブロー成形機のドライブが同じで同期しており、またピンホール検査システムとブロー成形機間で搬送ラインコンベアおよびタイミング調整装置等を介さずに該ボトルを受け渡すことが可能となるように予め一体化され備わっているため、ボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは搬送ライン上に転倒するライントラブルが起きなくなる。これにより、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査システムをブロー成形機に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査システムはブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
また、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機によれば、従来のピンホール検査では良品と判定される虞のあったピンホールボトルを確実にふるい落とすことが出来るようになる。
更に、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機によれば、自己診断バルブのオリフィスによって、検査機自体の検査精度(検査機能が劣化していないこと)を適宜確認することが出来るようになるため、ピンホール検査の品質が向上するようになる。また、検査回路中に疑似的ピンホールを確実に設けていることから、検査機の検査中にこの検査機に投入されるボトルは、ボトル自体のピンホールの有無にかかわらず、全数アウト品と判定されて検査機より排斥される。このとき、ボトルが良品と判定され検査機より排斥されない場合は、検査機のボトル排斥機構に生じた不具合を見つけ出すこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機100を示す構成説明図である。
このピンホール検査機能付きブロー成形機100は、プリフォームを所定の金型にセットし、そしてヒータ等の加熱手段によって延伸配向可能な温度まで加熱し、次いで高圧エアを噴射する延伸ロッドをプリフォームの内部に挿入し、延伸ロッドと高圧エアにより二軸に延伸することにより、仕掛品としてのボトルを製造するブロー成形部110と、ボトルの内部にエアを充填・密封し、エア充填直後のボトル内圧(基準内圧)と、そのエア密封状態をある一定時間保持し、その一定時間経過後のボトル内圧の圧力低下量とから、ピンホールが生じているか否かを判定するピンホール検査部120とを具備して構成されている。なお、ピンホール検査部120の詳細については、図2および図3を参照しながら後述する。
【0015】
従来、ブロー成形直後の仕掛品としてのボトルはコンベア等の搬送ラインによってピンホール検査装置へ移送され、そこでピンホール検査が行われていた。そのため、搬送ラインがボトルを独立のドライブをもつピンホール検査機の入口へ運ぶタイミングとピンホール検査装置がボトルを取り込むタイミングとが整合するように搬送ラインにはタイミングスクリュー等のタイミング調整装置が設けられていた。しかし、搬送されたボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは、搬送ラインでボトルが転倒する等のライントラブルの問題があった。しかし、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機100は、ボトルのピンホールを検査する検査装置(ピンホール検査部120)が予めブロー成形機(ブロー成形部110)に、同一のドライブによって駆動される複数の回転ホイールによって連結一体化されているため、タイミングスクリュー等のタイミング調整装置、および搬送ラインは不要となる。従って、従来のボトルのタイミングスクリューへの噛み込みや搬送ライン上での転倒等の問題は生じなくなる。これにより、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査部120をブロー成形部110に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査装置はブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは後述する実施例1のように外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
【0016】
図2は、本発明に係るブロー成形部110とピンホール検査部120を示す説明図である。
ブロー成形部110では、延伸配向可能な温度に加熱されたプリフォームが、プリフォーム搬送ホイール(図示せず)を介してブローホイール21上に等間隔に複数個(例えば20個)配置され連続回転する金型に供給され、この金型内で延伸ロッドとブローエアにより順次ボトルに成形される。そして、成形されたボトルは、ボトル取り出しホイール22のグリッパによって金型から取り出され、次工程であるピンホール検査部120へと受け渡される。
ピンホール検査部120では、先ずピンホール検査ホイール23は、前工程のボトル取り出しホイール22のグリッパから、同じく外周等間隔に複数個配置されたグリッパ2によってボトルを受取り、そしてこのグリッパ2と対をなすエア噴射機(図示せず)によってボトルに所定量の計測用エアが供給され、ピンホール検査ホイール23を通過するボトルに対してピンホール検査が行われる。なお、ピンホール検査の具体的な方法等については後述する。そして、ピンホール検査の行われたボトルは、出口側搬送ホイール24に受け渡されて行く。従って、これらの回転ホイール21,22,23,24は完全に同期してボトルの授受を行う。なお、ピンホール検査機における被検査物のボトルの保持については、図示したようにグリッパ2によるボトル首部の保持の他、ボトル首部のネックリングを回転ホイール端部に形成されたポケットに嵌合載置させるポケット保持でもよい。
【0017】
図3は、ピンホール検査部120のピンホール検査装置の要部を示す説明図である。なお、図示上、グリッパ2とエア噴射機10のペアは1つしか描かれていないが、実際は、複数のグリッパ2とエア噴射機10のペアがピンホール検査ホイール上に等間隔に複数個配置されている。
このピンホール検査装置は、ボトル1にエアを供給すると共にボトル内圧を出力(フィードバック)するエア噴射機10と、ボトル1の首部を保持しながらボトル1の姿勢を安定させるグリッパ2と、エア噴射機10に対するエアの供給を断続する供給バルブ3と、ボトル1の疑似リーク状態を形成する自己診断バルブ4と、ボトル1の一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量を計測する圧力検出部5と、一定圧に調圧されたエアを安定供給するエア源6と、エアを移送するエア供給ライン7と、圧力を伝搬する圧力検出ライン8と、供給バルブ3および自己診断バルブ4を開閉すると共に、圧力検出部5からの信号を基に圧力低下量が閾値を超えている場合に被検査対象のボトル1をアウト品と判断しラインより排斥するよう指示を出す制御装置9とを具備して構成されている。なお、自己診断バルブ4および圧力検出部5の詳細については図4から図8を参照しながら後述する。また、「ボトル1の基準内圧」とは、供給バルブ3を閉じた直後のボトル1の内圧である。
【0018】
ボトル1は、PETボトル等の合成樹脂製ボトルであり、プリフォームからブロー成形された後に、ボトル取り出しホイール22を介してピンホール検査ホイール23の入口(インタフェース)まで搬送され、そこでグリッパ2によって首部を保持され正立状態でエア噴射機10の真下に搬送されて来る。
【0019】
供給バルブ3および自己診断バルブ4は、応答性の観点から電磁弁が好ましい。また、供給バルブ3および自己診断バルブ4は、制御装置9によって制御され所定のON時間だけ開き、それ以外は閉状態を保つ、いわゆるノーマルクローズバルブである。
【0020】
自己診断バルブ4は出口部にオリフィス41を備えている。このオリフィス41はボトル1のピンホールを疑似している。詳細については、図4から図8を参照しながら後述するが、自己診断バルブ4が開となると、ボトル1に封入されたエアがそのオリフィス41から外部に流出し、あたかもボトル1にピンホールが存在し、そのピンホールからエアがリークしているかの様な疑似リーク状態を形成する。この時、制御装置9は、ボトル1の圧力低下量に基づいてボトル1のピンホールからリークしているものと判断し、グリッパ2を駆動しそのボトル1を排斥する。このように、自己診断バルブ4を開とすることにより、ピンホール検査装置自体の検査精度(検査機能が劣化していないこと)を確認する、いわゆる自己診断が出来るようになる。また、想定される種々のボトルのピンホールを正確に疑似することが出来るように、オリフィス41は交換可能に取り付けられている。
【0021】
オリフィス41は、例えば絞り機構を備え、孔径が連続して変化する可変オリフィスとしても良い。または前記分岐ラインに対して付け替え可能な複数の部材で、該部材それぞれに孔径を変えて設けてもよい。さらに、オリフィスの孔径の可変手段はこれらに限らず適宜公知の手段を用いることが出来る。
【0022】
圧力検出部5は、ボトル1の内圧を計測する圧力センサと、一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量を計測する差圧センサとを備える。
【0023】
エア源6は、調圧弁または減圧弁により例えば20〜25[kPa]の範囲に一定圧に調圧されたエアを下流に安定供給する。
【0024】
エア供給ライン7は、供給バルブ3から出発してその途中で継手部を介して二方向に分岐し、一端を供給ポート13に連結し、他端を自己診断バルブ4に連結している。
【0025】
圧力検出ライン8は、圧力ポート14と圧力検出部5を連結する。また、圧力検出ライン8は、途中に分岐ラインを接続する継手部を有している。従って、この継手部に対して、エア供給ライン7に設けた継手部と同様に自己診断バルブ4を接続して、ピンホール検査前にシステムの検査精度(検査機能が劣化していないこと)の確認を実施することが可能である。
【0026】
制御装置9は、供給バルブ3および自己診断バルブ4等の開閉を制御する。また、圧力検出部5からの圧力信号を基に、一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量が予め設定した閾値を超える場合は、ボトル1にピンホールが存在するものと判断し、グリッパ2を駆動しそのボトル1を排斥する。また、ボトルの授受が適切に成されるように、制御装置9は図2の各ホイール21,22,23,24のタイミングを制御する。
【0027】
エア噴射機10は、ボトル口部にエアタイトに当接する加圧ヘッド11と、内部にエア供給流路12aと圧力検出流路12bの2チャンネルの流路が形成されている本体12と、エアの導入口となる加圧ポート13と、ボトル1の内圧を出力する圧力ポート14と、加圧ヘッド11がボトル口部に当接する際の衝撃を吸収するバネ機構15とを具備して構成されている。
【0028】
エア噴射機10は、昇降装置(図示せず)によって上下に移動することが可能である。また、従って、この昇降装置はボトル1にエアを供給する際は、加圧ヘッド11を下降させボトル口部に当接させる一方、ボトル1からエアを排気する(エア密封状態を解除する)際は、加圧ヘッド11を上昇させボトル口部から分離させる。また、加圧ヘッド11は、ボトル口部との密封性(シール性)を確保するため、合成ゴム等の弾性体によって構成しても良い。また、エア噴射機10には、バネ機構15と共に或いはそれに代えて、加圧ヘッド11の軸芯とボトル1の軸芯とのズレを補正するアライメント調節機構を具備させても良い。
【0029】
図4は、自己診断バルブ4および圧力検出部5の要部を示す説明図である。
【0030】
この自己診断バルブ4は、出口部にオリフィス41を備えている。この自己診断バルブ4は通常は閉状態で供給バルブ3と共にボトル1の密封性を保持している。また、オリフィス41は、種々のボトルのピンホールを正確に疑似することが出来るように、孔径の異なるオリフィスを取付け・取外し可能に構成されている。従って、自己診断バルブ4が開となると、ボトル1のエアはオリフィス41を通して外部に流出し、その結果、あたかもボトル1のピンホールを介してエアがリークしているかの様な疑似リーク状態が形成されるようになる。従って、ピンホール検査装置自体が正常であれば、エア流出に伴う圧力低下量から、ボトル1にはピンホールが存在するものと判定し、その結果、ボトル1は排斥されることになる。
【0031】
このように、自己診断バルブ4によって、疑似ピンホールが穿孔されたテストピースをボトル1に代えて搬送ラインにセットする必要がなくなると共に、種々のボトルのピンホールが正確に疑似された疑似リーク状態での自己診断を行うことが出来る。これにより、ピンホール検査部120の検査精度(検査機能が劣化していないこと)の確認が適切に成され、ピンホール検査の品質が向上するようになる。
【0032】
この圧力検出部5は、ボトル1の内圧を常時計測する圧力センサ51と、ボトル1の一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量を計測する差圧センサ52と、差圧センサ52の2つのチャンバを連通/非連通状態にする差圧バルブ53とから成る。また、後述するように、差圧バルブ53の開閉の動作は、供給バルブ3の開閉動作に同期しており、供給バルブ3が開(ON)の時は差圧バルブ53も同時に開(ON)となり、供給バルブ3が閉(OFF)の時は差圧バルブ53も同時に閉(OFF)となる。
【0033】
差圧センサ52は、常時ボトル1に連通した第1チャンバ52aと、差圧バルブ53がONの時のみボトル1に連通する第2チャンバ52bという2つのチャンバを有する。従って第1チャンバ52aの圧力は、ボトル1の内圧を常時モニタしている。また、第2チャンバ52bは、差圧バルブ53がOFF(供給バルブ3がOFF)となる時に、ボトル1および第2チャンバ52bと非連通状態となるため、差圧バルブ53がOFFの間の第2チャンバ52bの圧力は、供給バルブ3がOFFとなった直後のボトル1の内圧を示していることになる。従って、この第2チャンバ52bの圧力は、ボトル1の一定時間経過後の圧力低下量を計測する際の基準内圧となる。従って、差圧センサ52は、(供給バルブ3がOFFとなった直後のボトル1の内圧)−(リアルタイムのボトル1の内圧)=時間経過後のボトル1の圧力低下量をモニタしていることになる。
【0034】
図5から図8は、自己診断バルブ4および圧力検出部5の動作を示す説明図である。
先ず、図5に示すように、制御装置9が供給バルブ3を開(ON)とすると、同時に差圧バルブ53も開(ON)となり、ボトル1、差圧センサ52の第1チャンバ52aおよび第2チャンバ52bに対しエアが供給される。なお、この時、ボトルは内圧により胴部などの変形しやすい部分が若干外方に膨らむように変形する。このエア導入直後のボトル内部は、エアの分子同士が激しく衝突する過度状態にあり、そのためエアの温度は上昇する。しかし、時間の経過と共にボトル内部は定常状態に近づき、なお且つ外方に膨らんだボトルの胴部も通常の状態となり、その結果、ボトル1の内圧は徐々に低下し一定圧に収束する。また、この時、自己診断バルブ4は閉(OFF)の状態である。
【0035】
図6に示すように、供給バルブ3の一定ON時間の後、すなわち所定量のエアが供給された後、制御装置9は供給バルブ3と差圧バルブ53をOFFとする。その結果、第1チャンバ52aと第2チャンバ52bは非連通状態になる。この時の圧力センサ51の指示値が圧力低下量計測の基準内圧となり、この基準内圧が予め定めた閾値を超えているか否かを検査し、ピンホールの有無を判定する工程で使用される。また、この時、第1チャンバ52aの圧力と第2チャンバ52bの圧力は互いに等しく、その結果、差圧センサ52はゼロを指示している。また、この時、自己診断バルブ4は閉(OFF)の状態である。
【0036】
図7に示すように、一定時間経過後、ボトル1の内部は定常状態になる。もし、ボトル1にピンホール等のボトルの気密性を阻害する欠陥等がなければ、主として温度低下および胴部の膨張に起因する若干の圧力低下が発生するのみである。従って、差圧センサ52の第1チャンバ52aと第2チャンバ52bとの間に、これらの圧力低下に対応した若干の圧力差が発生する。また、この時、自己診断バルブ4は閉(OFF)の状態である。
【0037】
図8に示すように、差圧センサ52の指示値(基準内圧からの圧力低下量)が予め規定した閾値を超えない場合(ボトル1にピンホールが存在しない場合)、制御装置9は、自己診断バルブ4を開(ON)とする。その結果、ボトル1のエアがオリフィス41を通して外部に徐々に流出し、あたかもボトル1のピンホールからエアがリークしているかの様な疑似リーク状態が形成される。
【0038】
上記ピンホール検査部120によれば、搬送ラインに対しボトル1に代えて疑似ピンホールが穿孔されたテストピースを投入することなく、検査システム自体のピンホール検出精度を適宜確認することが出来るようになる。これにより、テストピースの作成を含めテストピースの投入に係る労力および時間が全て節約されることになる。また、ボトル1のガス供給ラインに設けられた自己診断バルブ4のオリフィス41によってボトル1の疑似リーク状態が形成されるため、ピンホール検出精度の確認が検査回数に依存しなくなる。また、自己診断バルブ4のオリフィス41によって、ボトル1の疑似リーク状態を容易に形成することが出来るため、例えば自己診断バルブ4が開(ON)でボトル1が排斥されない場合などのように、ボトル排出機構等の不具合の発見が容易となる。このように、検査システム自体の検査精度(検査機能が劣化していないこと)を適宜確認することが出来るようになるため、ピンホール検査の品質が向上するようになる。
【0039】
図9は、本発明に係るピンホール検査部120における良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【0040】
時刻T=t0に供給バルブ3を開とすると、ボトルの内部にエアが供給され、ボトルの内圧が急激に立ち上がる。これは、ちょうど図5の状態に相当する。
そして、ボトル1に所定量のエアが供給されると、時刻T=t1に供給バルブ3を閉とする。これは、ちょうど図6の状態に相当する。ここで、供給バルブ3を閉とした直後のボトル内圧P1(基準内圧)が、第1閾値Pth1を超えているか否かをチェックする。ボトル内圧P1が、第1閾値Pth1を超えている場合は、ボトル1を一定時間ホールドし、基準内圧からの圧力低下量ΔPを計測する。
【0041】
圧力低下量ΔPは、基準内圧P1と、一定時間経過後、すなわち加圧ヘッド11をボトル口部から分離する直前のボトル内圧P2との圧力差ΔP=P1−P2から求められる。しかし、各圧力値P1,P2は別個に求めることはせずに、圧力低下量ΔPは差圧センサ52によって計測される。そして、計測した圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えていない場合は、そのボトルは良品と判定する。
【0042】
そして、時刻T=t2に加圧ヘッド11をボトル口部から分離し、そしてボトル1のエアを排気しピンホール検査を終了する。
【0043】
このように、先ず基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えているか否かを検査する。超えている場合は、次の圧力低下量の検査へ移行し、供給バルブ3を閉じた直後からの圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えているか否かを検査する。そして、圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2の範囲内に収まっている場合にのみ、ボトルはピンホールがない良品と判定する。第1閾値Pth1としては、例えば8[kPa]である。また、第2閾値ΔPth2としては、例えば3[kPa]である。また、基準圧力P1としては、例えば15〜20[kPa]である。
【0044】
図10は、本発明に係るピンホール検査部120における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
このボトルは、基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えているが、圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えている。従って、このボトルにはピンホールが存在するものと考えられ、このボトルは不良品と判定される。
【0045】
図11は、本発明に係るピンホール検査部120における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
このボトルは、基準内圧P1が第1閾値Pth1をクリアしていない。従って、このボトルはピンホールが存在するものと考えられ不良品と判定される。また、圧力ホールド及び圧力低下量ΔPは計測されずに、暫くして加圧ヘッド11をボトル口部から分離してピンホール検査は終了となる。
【0046】
上記ピンホール検査方法によれば、エア密封直後のボトル内圧に相当する基準内圧P1に対しても第1閾値Pth1を設け、その基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えない場合は、圧力低下量ΔPを計測せずにそのボトルは不良品と判定される。また、その基準内圧P1が第1閾値Pth1を超える場合であっても、圧力低下量ΔPが第2閾値Δth2を超える場合はそのボトルは不良品として判定されることになる。つまり、供給バルブ3を閉じた直後のボトル1の基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えて、なお且つその基準内圧P1からの圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えない場合に限りそのボトルは良品と判定される。従って、圧力低下量ΔPのみでピンホールの有無を判定していた従来のピンホール検査方法では、良品と判定される虞のあるピンホールボトルを確実にふるい落とすことができ、ピンホール検査精度が向上する。
【0047】
なお、上記実の形態においては、ピンホールの検査方法として、ボトルにエア密封直後の圧力と一定時間経過後の圧力低下量とによってピンホールの有無を判定しているが、ボトルが薄肉ボトル等の引張強度の小さいボトルの場合は、ボトルにエアを密封し一定時間経過後のボトル軸方向の伸び量によって、ピンホールの有無を判定することも可能である。すなわち、ボトルにピンホールが存在しなければ、ボトルは内圧増大に比例した軸方向の伸びを示すことになるが、ピンホールが存在する場合は、ボトルの内圧は増大しないか微小なためボトルは軸方向に対し伸びを示さないか、示す場合であってもその伸び量は微小である。従って、エア密封前のボトルの軸方向の長さL0と、一定時間経過後のボトルの軸方向の長さLとを計測し、その伸び量ΔL=L−L0を算出し、エア密封前のボトルの軸方向の長さL0を基準にした軸方向の伸び率=ΔL/L0×100[%]に対し、閾値を、例えば1.0[%]とし、それ以上の場合はボトルにピンホールは存在しないと判定し、他方、それ未満の場合はボトルにピンホールが存在するものと判定することが出来る。なお、ボトルの軸方向の伸び量を計測する手段としては、公知の位置センサまたは距離センサを使用することが可能である。
【実施例1】
【0048】
図12は、実施例1に係るピンホール検査機能付きブロー成形機200を示す構成説明図である。
このピンホール検査機能付きブロー成形機200は、ピンホール検査部120がブロー成形部110の出口近傍に付加されブロー成形部とドライブを共通にして同期し一体化されている。なお、ブロー成形されたボトルのピンホール検査部120への搬送は、ブロー成形機と同期して回転するグリッパなどによって、コンベアやタイミングスクリューを介さずに受け渡される。この場合、上記ピンホール検査機能付きブロー成形機100と同様に、殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られる。
【0049】
また、上記実施例においては、ボトルピンホール検査用ガスとしてエアが使用されているが、これに限らずヘリウムおよび窒素等の不活性ガス又はこれらとエアとの混合ガスを使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機は、PETボトル等の合成樹脂製ボトルのブロー成形に好適に適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機を示す構成説明図である。
【図2】本発明に係るピンホール検査部を示す説明図である。
【図3】ピンホール検査部のピンホール検査装置の要部を示す説明図である。
【図4】本発明に係る自己診断バルブおよび圧力検出部の要部を示す説明図である。
【図5】本発明に係る供給バルブが開となった直後の自己診断バルブおよび圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図6】本発明に係る供給バルブが閉となった直後の自己診断バルブおよび圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図7】本発明に係る供給バルブが閉となり一定時間経過後の自己診断バルブおよび圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図8】本発明に係る自己診断バルブが開となった直後の圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図9】本発明に係るピンホール検査部における良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【図10】本発明に係るピンホール検査部における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【図11】本発明に係るピンホール検査部における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【図12】実施例1に係るピンホール検査機能付きブロー成形機を示す構成説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ボトル
2 グリッパ
3 供給バルブ
4 自己診断バルブ
5 圧力検出部
6 エア源
7 エア供給ライン
8 圧力検出ライン
9 制御装置
10 エア噴射機
11 加圧ヘッド
12 本体
13 供給ポート
14 圧力ポート
15 バネ機構
100,200 ピンホール検査機能付きブロー成形機
110 ブロー成形部
120 ピンホール検査部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンホール検査機能付きブロー成形機、特にブロー成形した全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査をすることが出来るピンホール検査機能付きブロー成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製ボトル、特にPETボトルは、軽量で取扱いが簡便であることなどを理由に、飲料、食品等の容器として近年大量に生産されている。
このPETボトルは、先ずプリフォームと呼ばれる一次成形品を射出成形等によって製造し、次いでこのプリフォームを所定の金型にセットし、そしてヒータ等の加熱手段によって延伸配向温度まで加熱し、次いで加熱されたプリフォームを所定の金型にセットし、延伸ロッドをプリフォームの内部に挿入するとともに加圧エアを噴射し、延伸ロッドによる延伸と加圧エア噴射により二軸に延伸する、いわゆる二軸延伸ブロー成形法により得られる。このように、二軸延伸ブロー成形法は加熱したプリフォームを延伸ロッドと加圧エアにより軸方向とそれと直交する方向の二軸に延伸するため、微妙な加工力(延伸力)の違いや樹脂材料中への極小の異物の混入などにより、製造されたPETボトルには、ピンホール等が生じる虞がある。従って、ブロー成形後のPETボトルに対しては、ピンホール等の欠陥が生じているか否かの検査を実施する必要がある。その為の検査方法としては、メインロータの外周に沿って保持されたPETボトルに対して、加圧ヘッドをボトル口部に当接してボトルの内部にエアを充填・密封し、そのエア密封状態をある一定時間保持し、その一定時間経過後のボトル内圧の圧力低下量から、ピンホールが生じているか否かを判定するピンホール検査方法が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照。)。
これらのピンホール検査機は、ブロー成形機とは別個独立に設けられている。従って、ブロー成形直後のボトルは、コンベア等の搬送ラインによってブロー成形機の出口部からピンホール検査機の入口部まで搬送されることになる。この時、ボトルをピンホール検査機へ投入するタイミングとピンホール検査機がボトルを取り込むタイミングを同期させる必要がある。もし、これらのタイミングが同期していない場合は、ピンホール検査機での空振り、或いはピンホール検査機入口でのボトルの密集・混雑という生産効率上好ましくない事態を招来することになる。また、これらタイミングを調整するタイミング調整装置としてはタイミングスクリューやグラビティホイール等の公知機構が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−205453号公報
【特許文献2】特開2002−310843号公報
【特許文献3】特開2004−26435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通り、ブロー成形機がボトルを送り出すタイミングとピンホール検査機での取り込みタイミングとは、一般に同期していない。従って、ボトルの投入タイミングがピンホール検査機でのボトル取り込みタイミングに同期するようにタイミングスクリュー等のタイミング調整装置によってボトルの投入タイミングを制御する必要がある。
しかし、タイミングスクリューの場合は、ボトルがそのネジ部に噛み込まれる虞がある。また、ボトルをブロー成形機からピンホール検査機まで搬送する場合、搬送途中でボトルが倒れてしまい、ラインを停止する虞もある。これらの問題は、従来のブロー成形機およびピンホール検査機においては、ボトルの形状(断面形状)や強度(薄肉化)にかかわりなく、どのような形状・強度のボトルであっても起こり得るものであった。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、ブロー成形した全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査をすることが出来るピンホール検査機能付きブロー成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために請求項1に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機は、プリフォームを二軸に延伸ブローしボトルを成形するブロー成形機と、該ボトルのピンホールの有無を検査するピンホール検査システムが一体化されて成ることを特徴とする。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、ピンホール検査システムがブロー成形機に予め一体化され備わるため、搬送ラインおよびタイミング調整装置等が不要もしくは大幅に簡略化される。その結果、ボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは搬送ライン上に転倒するライントラブルが起きなくなる。これにより、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査システムをブロー成形機に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査システムはブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
【0006】
請求項2に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ブロー成形機と、前記ピンホール検査システムが、コンベアおよびタイミング調整装置を介さずに同一ドライブによって駆動される複数の回転ホイールによって連結一体化されて成ることとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、ピンホール検査システムとブロー成形機のドライブが同じで同期しており、またピンホール検査システムとブロー成形機間で搬送ラインコンベアおよびタイミング調整装置等を介さずに該ボトルを受け渡すことが可能となるように予め一体化され備わっている。つまり、上記複数の回転ホイールが同一ドライブによって駆動されるため、これら回転ホイール間では常に同期がとられてボトルは回転ホイール間を搬送されることになる。これにより、ブロー成形されたボトルは、同期したこれら回転ホイール間を順次受け渡されることにより、コンベアおよびタイミング調整装置を介することなく、次工程であるピンホール検査部へ搬送させることが可能となる。その結果、ボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは搬送ライン上に転倒するライントラブルが起きなくなることに加え、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査システムをブロー成形機に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査システムはブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
【0007】
請求項3に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、ガス密封直後の前記ボトル内圧を基準内圧として計測すると共に一定時間経過後の該ボトル内圧の該基準内圧からの圧力低下量を計測し、該基準内圧が所定の第1閾値を超えており且つ前記圧力低下量が所定の第2閾値を超えていない場合(前記圧力低下量が所定の範囲内にある場合)に、前記ボトルはピンホールのない良品と判定することとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、所定量のガスを密封した直後のボトル内圧を基準内圧として計測し、その基準内圧について所定の第1閾値を超えているかの判定を行うとともに、次工程での圧力ホールド、圧力低下量の計測によって該圧力低下量が所定の第2閾値を超えていないかの判定を行った上で、そのボトルの最終的な良品判断が行われる。このように、圧力低下量計測に対する閾値設定に加え、ガス密封直後のボトル内圧の基準内圧に対しても閾値を設けることにより、ピンホールの存在する不良品ボトルを確実にふるい落とすことが出来るようになる。
【0008】
請求項4に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、一定時間経過後の該ボトルの軸方向の伸び量を計測することにより該ボトルのピンホールの有無を判定することとした。
例えば、軽量薄肉ボトル等に所定量のガスを密封し一定時間ホールドする場合、ボトルにピンホールが存在しなければ、ボトルは軸方向に対しボトル内圧増加に比例した弾性変形をするようになる。一方、ボトルにピンホールが有れば、ピンホールを介してガスがリークするため、ボトルは軸方向に変形しないか、変形する場合であってもその弾性変形量は微小である。
従って、上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、ボトルに所定量のガスを密封し一定時間ホールドする場合のボトルの軸方向に対する弾性変形量を測定することにより、上記圧力低下量と同様にピンホールの有無を好適に検出することが出来るようになる。
【0009】
請求項5に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記ピンホール検査システムは、前記ボトルのガス供給ライン又は圧力検出側ラインの途中に分岐ラインを設け、該分岐ラインにバルブを介して疑似ピンホールとしてのオリフィスを接続した。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、(孔のない)正常なボトルを介したガス回路に、所定量のガスをその回路に導入しガスの供給バルブを閉とすることにより、ボトルにガス密封状態を形成する。更にボトルの上流側のガス供給ラインまたはボトル内圧を検知する圧力検出ラインの途中が分岐し、その分岐ラインにバルブ(自己診断バルブ)を介して疑似ピンホールとしてのオリフィスが設けられている。そのため、その分岐ラインのバルブ(自己診断バルブ)を開とすることにより、あたかもボトルにピンホールが存在しそのピンホールを介してガスがリークしているかの疑似リーク状態を形成することが出来るようになる。つまり、上記ピンホール検査機は、(孔のない)正常なボトルをガス密封状態にした回路にオリフィスというテストピースを接続することにより、正常なボトルに疑似的ピンホールが形成されたように見せかけ、ピンホール検査機の検出精度の確認を行うものである。これにより、搬送ラインに正常なボトルに代えてわざわざ疑似ピンホールが穿孔されたテストピースを投入する必要が無くなり、その結果、そのテストピースの作成を含めテストピースの投入に係る労力および時間が全て節約されることになる。また、オリフィスという金属部品が使用されるため、検査回数に比例して孔径が拡大するという事象は起きなくなる。
【0010】
請求項6に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記オリフィスは孔径可変であることとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、オリフィスは検査の目的などに応じて孔径が可変となるように構成されているため、想定される種々のピンホールを疑似(模擬)することが出来るようになる。
【0011】
請求項7に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機では、前記オリフィスは前記分岐ラインの流路の一部を成す部材が該分岐ラインに対し交換可能に設けられて成ることとした。
上記ピンホール検査機能付きブロー成形機では、流路を成す一の部材を孔径の異なる他の部材へ交換することにより、容易に想定される種々のピンホールを疑似することが出来るようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機によれば、ピンホール検査システムとブロー成形機のドライブが同じで同期しており、またピンホール検査システムとブロー成形機間で搬送ラインコンベアおよびタイミング調整装置等を介さずに該ボトルを受け渡すことが可能となるように予め一体化され備わっているため、ボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは搬送ライン上に転倒するライントラブルが起きなくなる。これにより、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査システムをブロー成形機に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査システムはブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
また、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機によれば、従来のピンホール検査では良品と判定される虞のあったピンホールボトルを確実にふるい落とすことが出来るようになる。
更に、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機によれば、自己診断バルブのオリフィスによって、検査機自体の検査精度(検査機能が劣化していないこと)を適宜確認することが出来るようになるため、ピンホール検査の品質が向上するようになる。また、検査回路中に疑似的ピンホールを確実に設けていることから、検査機の検査中にこの検査機に投入されるボトルは、ボトル自体のピンホールの有無にかかわらず、全数アウト品と判定されて検査機より排斥される。このとき、ボトルが良品と判定され検査機より排斥されない場合は、検査機のボトル排斥機構に生じた不具合を見つけ出すこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機100を示す構成説明図である。
このピンホール検査機能付きブロー成形機100は、プリフォームを所定の金型にセットし、そしてヒータ等の加熱手段によって延伸配向可能な温度まで加熱し、次いで高圧エアを噴射する延伸ロッドをプリフォームの内部に挿入し、延伸ロッドと高圧エアにより二軸に延伸することにより、仕掛品としてのボトルを製造するブロー成形部110と、ボトルの内部にエアを充填・密封し、エア充填直後のボトル内圧(基準内圧)と、そのエア密封状態をある一定時間保持し、その一定時間経過後のボトル内圧の圧力低下量とから、ピンホールが生じているか否かを判定するピンホール検査部120とを具備して構成されている。なお、ピンホール検査部120の詳細については、図2および図3を参照しながら後述する。
【0015】
従来、ブロー成形直後の仕掛品としてのボトルはコンベア等の搬送ラインによってピンホール検査装置へ移送され、そこでピンホール検査が行われていた。そのため、搬送ラインがボトルを独立のドライブをもつピンホール検査機の入口へ運ぶタイミングとピンホール検査装置がボトルを取り込むタイミングとが整合するように搬送ラインにはタイミングスクリュー等のタイミング調整装置が設けられていた。しかし、搬送されたボトルがタイミングスクリューのネジ部に噛み込まれ、或いは、搬送ラインでボトルが転倒する等のライントラブルの問題があった。しかし、本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機100は、ボトルのピンホールを検査する検査装置(ピンホール検査部120)が予めブロー成形機(ブロー成形部110)に、同一のドライブによって駆動される複数の回転ホイールによって連結一体化されているため、タイミングスクリュー等のタイミング調整装置、および搬送ラインは不要となる。従って、従来のボトルのタイミングスクリューへの噛み込みや搬送ライン上での転倒等の問題は生じなくなる。これにより、ボトルの形状・強度に関係なく、ブロー成形された全てのボトルを安全かつ確実にピンホール検査することが出来るようになる。更に、ピンホール検査部120をブロー成形部110に一体化することにより殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られるようになる。なお、ピンホール検査装置はブロー成形機に内蔵形態で一体化され、或いは後述する実施例1のように外付け(付加)形態、例えばブロー成形機の出口部に近接して一体化することが可能である。
【0016】
図2は、本発明に係るブロー成形部110とピンホール検査部120を示す説明図である。
ブロー成形部110では、延伸配向可能な温度に加熱されたプリフォームが、プリフォーム搬送ホイール(図示せず)を介してブローホイール21上に等間隔に複数個(例えば20個)配置され連続回転する金型に供給され、この金型内で延伸ロッドとブローエアにより順次ボトルに成形される。そして、成形されたボトルは、ボトル取り出しホイール22のグリッパによって金型から取り出され、次工程であるピンホール検査部120へと受け渡される。
ピンホール検査部120では、先ずピンホール検査ホイール23は、前工程のボトル取り出しホイール22のグリッパから、同じく外周等間隔に複数個配置されたグリッパ2によってボトルを受取り、そしてこのグリッパ2と対をなすエア噴射機(図示せず)によってボトルに所定量の計測用エアが供給され、ピンホール検査ホイール23を通過するボトルに対してピンホール検査が行われる。なお、ピンホール検査の具体的な方法等については後述する。そして、ピンホール検査の行われたボトルは、出口側搬送ホイール24に受け渡されて行く。従って、これらの回転ホイール21,22,23,24は完全に同期してボトルの授受を行う。なお、ピンホール検査機における被検査物のボトルの保持については、図示したようにグリッパ2によるボトル首部の保持の他、ボトル首部のネックリングを回転ホイール端部に形成されたポケットに嵌合載置させるポケット保持でもよい。
【0017】
図3は、ピンホール検査部120のピンホール検査装置の要部を示す説明図である。なお、図示上、グリッパ2とエア噴射機10のペアは1つしか描かれていないが、実際は、複数のグリッパ2とエア噴射機10のペアがピンホール検査ホイール上に等間隔に複数個配置されている。
このピンホール検査装置は、ボトル1にエアを供給すると共にボトル内圧を出力(フィードバック)するエア噴射機10と、ボトル1の首部を保持しながらボトル1の姿勢を安定させるグリッパ2と、エア噴射機10に対するエアの供給を断続する供給バルブ3と、ボトル1の疑似リーク状態を形成する自己診断バルブ4と、ボトル1の一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量を計測する圧力検出部5と、一定圧に調圧されたエアを安定供給するエア源6と、エアを移送するエア供給ライン7と、圧力を伝搬する圧力検出ライン8と、供給バルブ3および自己診断バルブ4を開閉すると共に、圧力検出部5からの信号を基に圧力低下量が閾値を超えている場合に被検査対象のボトル1をアウト品と判断しラインより排斥するよう指示を出す制御装置9とを具備して構成されている。なお、自己診断バルブ4および圧力検出部5の詳細については図4から図8を参照しながら後述する。また、「ボトル1の基準内圧」とは、供給バルブ3を閉じた直後のボトル1の内圧である。
【0018】
ボトル1は、PETボトル等の合成樹脂製ボトルであり、プリフォームからブロー成形された後に、ボトル取り出しホイール22を介してピンホール検査ホイール23の入口(インタフェース)まで搬送され、そこでグリッパ2によって首部を保持され正立状態でエア噴射機10の真下に搬送されて来る。
【0019】
供給バルブ3および自己診断バルブ4は、応答性の観点から電磁弁が好ましい。また、供給バルブ3および自己診断バルブ4は、制御装置9によって制御され所定のON時間だけ開き、それ以外は閉状態を保つ、いわゆるノーマルクローズバルブである。
【0020】
自己診断バルブ4は出口部にオリフィス41を備えている。このオリフィス41はボトル1のピンホールを疑似している。詳細については、図4から図8を参照しながら後述するが、自己診断バルブ4が開となると、ボトル1に封入されたエアがそのオリフィス41から外部に流出し、あたかもボトル1にピンホールが存在し、そのピンホールからエアがリークしているかの様な疑似リーク状態を形成する。この時、制御装置9は、ボトル1の圧力低下量に基づいてボトル1のピンホールからリークしているものと判断し、グリッパ2を駆動しそのボトル1を排斥する。このように、自己診断バルブ4を開とすることにより、ピンホール検査装置自体の検査精度(検査機能が劣化していないこと)を確認する、いわゆる自己診断が出来るようになる。また、想定される種々のボトルのピンホールを正確に疑似することが出来るように、オリフィス41は交換可能に取り付けられている。
【0021】
オリフィス41は、例えば絞り機構を備え、孔径が連続して変化する可変オリフィスとしても良い。または前記分岐ラインに対して付け替え可能な複数の部材で、該部材それぞれに孔径を変えて設けてもよい。さらに、オリフィスの孔径の可変手段はこれらに限らず適宜公知の手段を用いることが出来る。
【0022】
圧力検出部5は、ボトル1の内圧を計測する圧力センサと、一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量を計測する差圧センサとを備える。
【0023】
エア源6は、調圧弁または減圧弁により例えば20〜25[kPa]の範囲に一定圧に調圧されたエアを下流に安定供給する。
【0024】
エア供給ライン7は、供給バルブ3から出発してその途中で継手部を介して二方向に分岐し、一端を供給ポート13に連結し、他端を自己診断バルブ4に連結している。
【0025】
圧力検出ライン8は、圧力ポート14と圧力検出部5を連結する。また、圧力検出ライン8は、途中に分岐ラインを接続する継手部を有している。従って、この継手部に対して、エア供給ライン7に設けた継手部と同様に自己診断バルブ4を接続して、ピンホール検査前にシステムの検査精度(検査機能が劣化していないこと)の確認を実施することが可能である。
【0026】
制御装置9は、供給バルブ3および自己診断バルブ4等の開閉を制御する。また、圧力検出部5からの圧力信号を基に、一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量が予め設定した閾値を超える場合は、ボトル1にピンホールが存在するものと判断し、グリッパ2を駆動しそのボトル1を排斥する。また、ボトルの授受が適切に成されるように、制御装置9は図2の各ホイール21,22,23,24のタイミングを制御する。
【0027】
エア噴射機10は、ボトル口部にエアタイトに当接する加圧ヘッド11と、内部にエア供給流路12aと圧力検出流路12bの2チャンネルの流路が形成されている本体12と、エアの導入口となる加圧ポート13と、ボトル1の内圧を出力する圧力ポート14と、加圧ヘッド11がボトル口部に当接する際の衝撃を吸収するバネ機構15とを具備して構成されている。
【0028】
エア噴射機10は、昇降装置(図示せず)によって上下に移動することが可能である。また、従って、この昇降装置はボトル1にエアを供給する際は、加圧ヘッド11を下降させボトル口部に当接させる一方、ボトル1からエアを排気する(エア密封状態を解除する)際は、加圧ヘッド11を上昇させボトル口部から分離させる。また、加圧ヘッド11は、ボトル口部との密封性(シール性)を確保するため、合成ゴム等の弾性体によって構成しても良い。また、エア噴射機10には、バネ機構15と共に或いはそれに代えて、加圧ヘッド11の軸芯とボトル1の軸芯とのズレを補正するアライメント調節機構を具備させても良い。
【0029】
図4は、自己診断バルブ4および圧力検出部5の要部を示す説明図である。
【0030】
この自己診断バルブ4は、出口部にオリフィス41を備えている。この自己診断バルブ4は通常は閉状態で供給バルブ3と共にボトル1の密封性を保持している。また、オリフィス41は、種々のボトルのピンホールを正確に疑似することが出来るように、孔径の異なるオリフィスを取付け・取外し可能に構成されている。従って、自己診断バルブ4が開となると、ボトル1のエアはオリフィス41を通して外部に流出し、その結果、あたかもボトル1のピンホールを介してエアがリークしているかの様な疑似リーク状態が形成されるようになる。従って、ピンホール検査装置自体が正常であれば、エア流出に伴う圧力低下量から、ボトル1にはピンホールが存在するものと判定し、その結果、ボトル1は排斥されることになる。
【0031】
このように、自己診断バルブ4によって、疑似ピンホールが穿孔されたテストピースをボトル1に代えて搬送ラインにセットする必要がなくなると共に、種々のボトルのピンホールが正確に疑似された疑似リーク状態での自己診断を行うことが出来る。これにより、ピンホール検査部120の検査精度(検査機能が劣化していないこと)の確認が適切に成され、ピンホール検査の品質が向上するようになる。
【0032】
この圧力検出部5は、ボトル1の内圧を常時計測する圧力センサ51と、ボトル1の一定時間経過後の基準内圧からの圧力低下量を計測する差圧センサ52と、差圧センサ52の2つのチャンバを連通/非連通状態にする差圧バルブ53とから成る。また、後述するように、差圧バルブ53の開閉の動作は、供給バルブ3の開閉動作に同期しており、供給バルブ3が開(ON)の時は差圧バルブ53も同時に開(ON)となり、供給バルブ3が閉(OFF)の時は差圧バルブ53も同時に閉(OFF)となる。
【0033】
差圧センサ52は、常時ボトル1に連通した第1チャンバ52aと、差圧バルブ53がONの時のみボトル1に連通する第2チャンバ52bという2つのチャンバを有する。従って第1チャンバ52aの圧力は、ボトル1の内圧を常時モニタしている。また、第2チャンバ52bは、差圧バルブ53がOFF(供給バルブ3がOFF)となる時に、ボトル1および第2チャンバ52bと非連通状態となるため、差圧バルブ53がOFFの間の第2チャンバ52bの圧力は、供給バルブ3がOFFとなった直後のボトル1の内圧を示していることになる。従って、この第2チャンバ52bの圧力は、ボトル1の一定時間経過後の圧力低下量を計測する際の基準内圧となる。従って、差圧センサ52は、(供給バルブ3がOFFとなった直後のボトル1の内圧)−(リアルタイムのボトル1の内圧)=時間経過後のボトル1の圧力低下量をモニタしていることになる。
【0034】
図5から図8は、自己診断バルブ4および圧力検出部5の動作を示す説明図である。
先ず、図5に示すように、制御装置9が供給バルブ3を開(ON)とすると、同時に差圧バルブ53も開(ON)となり、ボトル1、差圧センサ52の第1チャンバ52aおよび第2チャンバ52bに対しエアが供給される。なお、この時、ボトルは内圧により胴部などの変形しやすい部分が若干外方に膨らむように変形する。このエア導入直後のボトル内部は、エアの分子同士が激しく衝突する過度状態にあり、そのためエアの温度は上昇する。しかし、時間の経過と共にボトル内部は定常状態に近づき、なお且つ外方に膨らんだボトルの胴部も通常の状態となり、その結果、ボトル1の内圧は徐々に低下し一定圧に収束する。また、この時、自己診断バルブ4は閉(OFF)の状態である。
【0035】
図6に示すように、供給バルブ3の一定ON時間の後、すなわち所定量のエアが供給された後、制御装置9は供給バルブ3と差圧バルブ53をOFFとする。その結果、第1チャンバ52aと第2チャンバ52bは非連通状態になる。この時の圧力センサ51の指示値が圧力低下量計測の基準内圧となり、この基準内圧が予め定めた閾値を超えているか否かを検査し、ピンホールの有無を判定する工程で使用される。また、この時、第1チャンバ52aの圧力と第2チャンバ52bの圧力は互いに等しく、その結果、差圧センサ52はゼロを指示している。また、この時、自己診断バルブ4は閉(OFF)の状態である。
【0036】
図7に示すように、一定時間経過後、ボトル1の内部は定常状態になる。もし、ボトル1にピンホール等のボトルの気密性を阻害する欠陥等がなければ、主として温度低下および胴部の膨張に起因する若干の圧力低下が発生するのみである。従って、差圧センサ52の第1チャンバ52aと第2チャンバ52bとの間に、これらの圧力低下に対応した若干の圧力差が発生する。また、この時、自己診断バルブ4は閉(OFF)の状態である。
【0037】
図8に示すように、差圧センサ52の指示値(基準内圧からの圧力低下量)が予め規定した閾値を超えない場合(ボトル1にピンホールが存在しない場合)、制御装置9は、自己診断バルブ4を開(ON)とする。その結果、ボトル1のエアがオリフィス41を通して外部に徐々に流出し、あたかもボトル1のピンホールからエアがリークしているかの様な疑似リーク状態が形成される。
【0038】
上記ピンホール検査部120によれば、搬送ラインに対しボトル1に代えて疑似ピンホールが穿孔されたテストピースを投入することなく、検査システム自体のピンホール検出精度を適宜確認することが出来るようになる。これにより、テストピースの作成を含めテストピースの投入に係る労力および時間が全て節約されることになる。また、ボトル1のガス供給ラインに設けられた自己診断バルブ4のオリフィス41によってボトル1の疑似リーク状態が形成されるため、ピンホール検出精度の確認が検査回数に依存しなくなる。また、自己診断バルブ4のオリフィス41によって、ボトル1の疑似リーク状態を容易に形成することが出来るため、例えば自己診断バルブ4が開(ON)でボトル1が排斥されない場合などのように、ボトル排出機構等の不具合の発見が容易となる。このように、検査システム自体の検査精度(検査機能が劣化していないこと)を適宜確認することが出来るようになるため、ピンホール検査の品質が向上するようになる。
【0039】
図9は、本発明に係るピンホール検査部120における良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【0040】
時刻T=t0に供給バルブ3を開とすると、ボトルの内部にエアが供給され、ボトルの内圧が急激に立ち上がる。これは、ちょうど図5の状態に相当する。
そして、ボトル1に所定量のエアが供給されると、時刻T=t1に供給バルブ3を閉とする。これは、ちょうど図6の状態に相当する。ここで、供給バルブ3を閉とした直後のボトル内圧P1(基準内圧)が、第1閾値Pth1を超えているか否かをチェックする。ボトル内圧P1が、第1閾値Pth1を超えている場合は、ボトル1を一定時間ホールドし、基準内圧からの圧力低下量ΔPを計測する。
【0041】
圧力低下量ΔPは、基準内圧P1と、一定時間経過後、すなわち加圧ヘッド11をボトル口部から分離する直前のボトル内圧P2との圧力差ΔP=P1−P2から求められる。しかし、各圧力値P1,P2は別個に求めることはせずに、圧力低下量ΔPは差圧センサ52によって計測される。そして、計測した圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えていない場合は、そのボトルは良品と判定する。
【0042】
そして、時刻T=t2に加圧ヘッド11をボトル口部から分離し、そしてボトル1のエアを排気しピンホール検査を終了する。
【0043】
このように、先ず基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えているか否かを検査する。超えている場合は、次の圧力低下量の検査へ移行し、供給バルブ3を閉じた直後からの圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えているか否かを検査する。そして、圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2の範囲内に収まっている場合にのみ、ボトルはピンホールがない良品と判定する。第1閾値Pth1としては、例えば8[kPa]である。また、第2閾値ΔPth2としては、例えば3[kPa]である。また、基準圧力P1としては、例えば15〜20[kPa]である。
【0044】
図10は、本発明に係るピンホール検査部120における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
このボトルは、基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えているが、圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えている。従って、このボトルにはピンホールが存在するものと考えられ、このボトルは不良品と判定される。
【0045】
図11は、本発明に係るピンホール検査部120における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
このボトルは、基準内圧P1が第1閾値Pth1をクリアしていない。従って、このボトルはピンホールが存在するものと考えられ不良品と判定される。また、圧力ホールド及び圧力低下量ΔPは計測されずに、暫くして加圧ヘッド11をボトル口部から分離してピンホール検査は終了となる。
【0046】
上記ピンホール検査方法によれば、エア密封直後のボトル内圧に相当する基準内圧P1に対しても第1閾値Pth1を設け、その基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えない場合は、圧力低下量ΔPを計測せずにそのボトルは不良品と判定される。また、その基準内圧P1が第1閾値Pth1を超える場合であっても、圧力低下量ΔPが第2閾値Δth2を超える場合はそのボトルは不良品として判定されることになる。つまり、供給バルブ3を閉じた直後のボトル1の基準内圧P1が第1閾値Pth1を超えて、なお且つその基準内圧P1からの圧力低下量ΔPが第2閾値ΔPth2を超えない場合に限りそのボトルは良品と判定される。従って、圧力低下量ΔPのみでピンホールの有無を判定していた従来のピンホール検査方法では、良品と判定される虞のあるピンホールボトルを確実にふるい落とすことができ、ピンホール検査精度が向上する。
【0047】
なお、上記実の形態においては、ピンホールの検査方法として、ボトルにエア密封直後の圧力と一定時間経過後の圧力低下量とによってピンホールの有無を判定しているが、ボトルが薄肉ボトル等の引張強度の小さいボトルの場合は、ボトルにエアを密封し一定時間経過後のボトル軸方向の伸び量によって、ピンホールの有無を判定することも可能である。すなわち、ボトルにピンホールが存在しなければ、ボトルは内圧増大に比例した軸方向の伸びを示すことになるが、ピンホールが存在する場合は、ボトルの内圧は増大しないか微小なためボトルは軸方向に対し伸びを示さないか、示す場合であってもその伸び量は微小である。従って、エア密封前のボトルの軸方向の長さL0と、一定時間経過後のボトルの軸方向の長さLとを計測し、その伸び量ΔL=L−L0を算出し、エア密封前のボトルの軸方向の長さL0を基準にした軸方向の伸び率=ΔL/L0×100[%]に対し、閾値を、例えば1.0[%]とし、それ以上の場合はボトルにピンホールは存在しないと判定し、他方、それ未満の場合はボトルにピンホールが存在するものと判定することが出来る。なお、ボトルの軸方向の伸び量を計測する手段としては、公知の位置センサまたは距離センサを使用することが可能である。
【実施例1】
【0048】
図12は、実施例1に係るピンホール検査機能付きブロー成形機200を示す構成説明図である。
このピンホール検査機能付きブロー成形機200は、ピンホール検査部120がブロー成形部110の出口近傍に付加されブロー成形部とドライブを共通にして同期し一体化されている。なお、ブロー成形されたボトルのピンホール検査部120への搬送は、ブロー成形機と同期して回転するグリッパなどによって、コンベアやタイミングスクリューを介さずに受け渡される。この場合、上記ピンホール検査機能付きブロー成形機100と同様に、殺菌・充填システムを含む生産ライン全体の省スペース化ならびに設備のコンパクト化が図られる。
【0049】
また、上記実施例においては、ボトルピンホール検査用ガスとしてエアが使用されているが、これに限らずヘリウムおよび窒素等の不活性ガス又はこれらとエアとの混合ガスを使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機は、PETボトル等の合成樹脂製ボトルのブロー成形に好適に適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のピンホール検査機能付きブロー成形機を示す構成説明図である。
【図2】本発明に係るピンホール検査部を示す説明図である。
【図3】ピンホール検査部のピンホール検査装置の要部を示す説明図である。
【図4】本発明に係る自己診断バルブおよび圧力検出部の要部を示す説明図である。
【図5】本発明に係る供給バルブが開となった直後の自己診断バルブおよび圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図6】本発明に係る供給バルブが閉となった直後の自己診断バルブおよび圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図7】本発明に係る供給バルブが閉となり一定時間経過後の自己診断バルブおよび圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図8】本発明に係る自己診断バルブが開となった直後の圧力検出部の動作を示す説明図である。
【図9】本発明に係るピンホール検査部における良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【図10】本発明に係るピンホール検査部における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【図11】本発明に係るピンホール検査部における不良品ボトルを判定する一例を示すグラフである。
【図12】実施例1に係るピンホール検査機能付きブロー成形機を示す構成説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ボトル
2 グリッパ
3 供給バルブ
4 自己診断バルブ
5 圧力検出部
6 エア源
7 エア供給ライン
8 圧力検出ライン
9 制御装置
10 エア噴射機
11 加圧ヘッド
12 本体
13 供給ポート
14 圧力ポート
15 バネ機構
100,200 ピンホール検査機能付きブロー成形機
110 ブロー成形部
120 ピンホール検査部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリフォームを二軸に延伸ブローしボトルを成形するブロー成形機と、該ボトルのピンホールの有無を検査するピンホール検査システムが一体化されて成ることを特徴とするピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項2】
前記ブロー成形機と前記ピンホール検査システムが、同一ドライブによって駆動される複数の回転ホイールによって連結一体化されて成る請求項1に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項3】
前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、ガス密封直後の前記ボトル内圧を基準内圧として計測すると共に一定時間経過後の該ボトル内圧の該基準内圧からの圧力低下量を計測し、該基準内圧が所定の第1閾値を超えており且つ前記圧力低下量が所定の第2閾値を超えていない場合に限り、前記ボトルはピンホールのない良品と判定する請求項1又は2に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項4】
前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、一定時間経過後の該ボトルの軸方向の伸び量を計測することにより該ボトルのピンホールの有無を判定する請求項1又は2に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項5】
前記ピンホール検査システムは、前記ボトルのガス供給ライン又は圧力検出側ラインの途中に分岐ラインを設け、該分岐ラインにバルブを介して疑似ピンホールとしてのオリフィスを接続した請求項3に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項6】
前記オリフィスは孔径可変である請求項5に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項7】
前記オリフィスは前記分岐ラインの流路の一部を成す部材が該分岐ラインに対し交換可能に設けられて成る請求項5又は6に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項1】
プリフォームを二軸に延伸ブローしボトルを成形するブロー成形機と、該ボトルのピンホールの有無を検査するピンホール検査システムが一体化されて成ることを特徴とするピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項2】
前記ブロー成形機と前記ピンホール検査システムが、同一ドライブによって駆動される複数の回転ホイールによって連結一体化されて成る請求項1に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項3】
前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、ガス密封直後の前記ボトル内圧を基準内圧として計測すると共に一定時間経過後の該ボトル内圧の該基準内圧からの圧力低下量を計測し、該基準内圧が所定の第1閾値を超えており且つ前記圧力低下量が所定の第2閾値を超えていない場合に限り、前記ボトルはピンホールのない良品と判定する請求項1又は2に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項4】
前記ピンホール検査システムは、所定量のガスを前記ボトルに封入しボトル口部を密封状態とし、一定時間経過後の該ボトルの軸方向の伸び量を計測することにより該ボトルのピンホールの有無を判定する請求項1又は2に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項5】
前記ピンホール検査システムは、前記ボトルのガス供給ライン又は圧力検出側ラインの途中に分岐ラインを設け、該分岐ラインにバルブを介して疑似ピンホールとしてのオリフィスを接続した請求項3に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項6】
前記オリフィスは孔径可変である請求項5に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【請求項7】
前記オリフィスは前記分岐ラインの流路の一部を成す部材が該分岐ラインに対し交換可能に設けられて成る請求項5又は6に記載のピンホール検査機能付きブロー成形機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−137188(P2009−137188A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317022(P2007−317022)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】
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