説明

ファイバ・オプティック・ケーブルを保護するためのモジュラ機構

【課題】
ファイバ・オプティック・ケーブルを保護するためのモジュラ機構を提供する。
【解決手段】
ファイバ・オプティック・ケーブル1004を保護するための方法及びモジュラ機構600、900、1002を提供する。このモジュラ機構は、内側の管と外側の管といったような、ファイバ・オプティック・ケーブルを受けるための(管状の)内側部材100、102と、その内側部材を受けて保持する(管状の)外側コンテナ部材500、602、700、800、902とを含む。内側部材及び外側コンテナ部材は相互干渉を生じるような所定の形状をしており、これによってファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ及び光ケーブルに関し、詳細には、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護し、シールドを提供するための、またファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限するための機構であって、必要なら自由な移動を許容する機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下の記述及び特許請求の範囲で使用される、ファイバ・オプティック・ケーブル(fiber opticcable)という用語は、光ファイバ・ケーブル(optical fiber cables)と、シングル・オプティカル・ファイバ(シングルモード光ファイバ)と、マルティプル・オプティカル・ファイバ・ペア(マルチモード光ファイバ)とワイヤ・エレクトリカル・ケーブルとを含む。
【0003】
ファイバ・オプティック・ケーブルがシステム中の他のコンポーネントによって損傷しないよう、ファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限するよう、また好ましくはケーブルをシールドするような効果的な機構が必要である。
【0004】
ファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限するための一つの従来の構成として、そのポイントでの半径を制御するような、ケーブルのタイ・ダウン・ポイント(負荷の取り付け点、 tie down point)が知られている。その構成の欠点はケーブルの残りの部分を保護しないことであり、それが取り付け点以外のところでは曲げを制御しないこと、また非常に大きくて、動かすのが難しいことである。
【0005】
他の既知の構成として、押し出し成型されたポリマ製の被服付きのファイバ・ケーブルがある。これはケーブルをその全長に亙って保護するが、全ての箇所で曲率半径を制限しない。
【0006】
また適切なEMI放射シールド(電磁シールド)を、例えばコンピュータシステム用に使用されるケーブルのために提供するのは問題である。例えば、そのような問題は、2本の動力ケーブルがシステムボックスの前部から後部に伸びているようなコンピュータシステムにある。動力源を繋げたり外したりするとき、ACとDCとの両方同時にスパイクノイズが生じる。この場合はEMIをそのケーブルに結合することによりそのスパイクノイズを除去する。しかし、そのEMIは内部に損傷を生じさせるほど大きくなり得るし、もしそのEMIがシステム外に漏れるとすると、安全性という問題を引き起こすことがある。今日、この問題の解決策は、各ケーブル相互間で、またそのシステムの残りの部分との間で、シールドするよう複数の大きなシート状金属でケーブルを内包することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主たる目的はファイバ・オプティック・ケーブルを保護し、シールドするとともにファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限する方法及び機構を提供することにある。本発明の他の重要な視点は、実質上マイナスの効果を伴わずに、また従来技術の多くの欠点を克服しつつ、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護し、シールドを提供するとともにファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限する機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
手短にいえば、本発明はファイバ・オプティック・ケーブルを保護するモジュラ機構を提供する。本発明のモジュラ機構は、内側の管及び外側の管といったように、ファイバ・オプティック・ケーブルを受けるための内側部材と、その内側部材を受けて保持するための外側部材とを含む。その内側部材及びその外側コンテナ部材は、ファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限する干渉面を生じるような対応する所定の形状を相互に有する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、外側コンテナ部材とで干渉面を生じるような所定の形状を有するように、内側部材が、細長いシリンダ部分及び、それよりも径の大きい、すなわち太い端部を少なくとも一つ有する。ファイバ・オプティック・ケーブルを受けるため、内側部材の細長いシリンダ部分と太い端部とを貫通する開口がある。外側コンテナ部材は係合用の対の外側部材を有し、夫々が内側の空洞となる凹部を有し、これによって内側部材の太い端部及び細長いシリンダ部分を受ける。その対の外側部材は内側部材上に位置づけられ、突き合わせ係合で一緒に結合される。
【0010】
本発明の他の実施例によれば、このモジュラ機構はファイバ・オプティック・ケーブルを、ファイバ・オプティック・ケーブルの長さに沿った選択された位置で、またはその全長に亙って完全に内包する。真直ぐな固定した領域を構成するためには複数のモジュラ機構が端部同士で突き合わせ係合するようにして一緒に結合され、また自由に廻れる個々の領域を構成するためには複数のモジュラ機構が離隔される。
【0011】
本発明の他の実施例によれば、内側部材及び相互にロックされる外側部材は成型部材であり、プラスティック材料など、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護できるだけの強度を有する選択された材料からなる。電磁(EMI)シールドを提供するため、内側部材及び相互にロックする外側部材の一方または両方がメタル・ファイバ若しくはカーボン・ファイバが成型工程中に、その選択された材料中に挿入されたもので形成されていても良いし、或いはフェライト・コア材料が相互ロック用外側部材とともに形成され、若しくは相互ロック用外側部材中に成型されていても良い。
【0012】
本発明の他の実施例によれば、その内側部材は、ねじ部材を有し、シャシーや回路ボードなどに容易に装着ないし結合することができるようになっている。その内側部材及び外側部材は特定の応用例に合わせて種々の寸法で提供され、またEMIシールド及びアースすることができるように導電性にされる。
【0013】
本発明の上記及びその他の目的及び利点は以下の好適な実施例についての説明及び図から理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好適な実施例によれば、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護し、その曲率半径を制限するため、また必要であれば自由に動くことが同時に許容されるモジュラ構造が提供される。そのモジュラ式のファイバ・ケーブル・シールド機構は、内側の管及び外側の管といったような、内側部材と、その内側部材を受けて保持する外側コンテナ部材とを含む。外側の管は内側の管上に装着され、ユーザがそれらの管を真直ぐな位置或いは曲がった位置にロックするまでは自由に回転することができる。あるいは、自由に回転できるようロックしないままにすることもできる。内側部材及び外側部材の管の中を貫通するのは、光ファイバ・ケーブルか若しくはワイヤ電気ケーブルである。
【0015】
本発明の好適な実施例によれば、モジュラ式のファイバ・ケーブル保護機構はシングル・モードのファイバ又はクラスタないしマルチ・モードのファイバとともに、或いはそれらに使用することができる。このモジュラ式のファイバ・ケーブル保護機構は、ケーブルの全長が他のコンポーネントにより損傷しないよう保護するかまたはケーブルの長さ方向に沿う選択された位置でケーブルの周りに設けることができる。このモジュラ式のファイバ・ケーブル保護機構は、ケーブルを真直ぐにすることができる。或いは、いろいろな異なる角度で曲げることができ、その際の曲率半径をケーブルに沿う任意の点で設定することができる。
【0016】
図1及び図2を参照すると、夫々、参照番号100で全体を示す第1の実施例の内側部材、及び参照番号102で示す第2の実施例の内側部材を示す。これらはファイバ・オプティック・ケーブルにシールドを提供し、またその曲率半径を制限するためであると同時に、好適な実施例に従い必要であれば自由に動かせるようにするための、モジュラ機構の一部である。内側部材100は全体としてダンベルのような形状をしており、内側部材102は全体としてスクリューのような形状をしている。
【0017】
内側部材100は細長いシリンダ部分104と、1対の対向する端部106、108とを含む。端部106、108は、第5図に示すような外側コンテナ部材との干渉面を生じるような形状をしている。開口110が内側部材100の細長いシリンダ部分104及び太い端部106、108を貫通しているが、これは図10及び図11に沿って説明するようなファイバ・オプティック・ケーブルを受けるためである。
【0018】
図2を参照すると、内側部材102は、細長いシリンダ部分114と太い端部118とを含み、それらは第5図に示すような外側コンテナ部材の内側に干渉面を生じるような好適な形状を有する。開口120が内側部材102の細長いシリンダ部分114及び太い端部118を貫通しているが、これは図10及び図11に沿って説明するようなファイバ・オプティック・ケーブルを受けるためである。
【0019】
図3及び図4は、第2の実施例の、内側部材102の、縮尺を合わせていない、側面図及び端面図を夫々示す。
【0020】
本発明は、実施例の内側部材100、102に限定することなく、種々の寸法、種々の形状のものが用いられることを理解されたい。すなわち好適な実施例に従うモジュラ機構を形成するための、内側部材100、102及びそれらに対応して配設された外側コンテナ部材とは、相互に干渉面を生じるような種々の寸法、種々の形状のものが用いられる。
【0021】
図3は、内側部材102の太い端部118が、定義した長さ、高さといった、予め定義した寸法を有することを示す。例えば、内側部材102の太い端部118は、対応するファイバ・オプティック・ケーブルを挿入しやすくするためテーパ付きの開口120を含む。
【0022】
図4を参照すると、内側部材102の太い端部118は、例えば、全体として八角形であるが、種々の異なる形状にすることができる。同様に、開口120は円形であるが、用途に応じ種々の異なる寸法及び形状にすることができる。
【0023】
図5には、好適な実施例による外側コンテナ部材を、全体として参照番号500で示す。外側コンテナ部材500は夫々第1及び第2の内側部材100,102を受け、保持するように適用され、これによって好適な実施例による、ファイバ・オプティック・ケーブルのシールドを提供し、またその曲率半径を制限するためのモジュラ機構を構成する。
【0024】
外側コンテナ部材500は、係合する対の外側部材502、504を含み、夫々、対応する内部の空洞を構成する凹部(図示せず)を有する。これは内側部材100の細長いシリンダ部分104及び太い端部106、108か又は内側部材102のシリンダ部分114及び太い端部116を受けるためである。外側部材502,504は内側部材100又は内側部材102上に位置づけられ、側面同士をつき合わせるような係合の仕方、例えば押し嵌め係合で、506で示すような係合面に沿って、互いに結合される。外側部材502,504の夫々は、図10に関して説明するように、510,512で図示されるような対向する端部を含む。これらは図10に示すように他の係合するモジュラ機構と、押し嵌め係合などの係合の仕方で端部同士が結合される。
【0025】
外側部材の端部510、512は、例えば10度、20度もしくは30度といったように曲率半径を制限するように配設された有限の組のリブ514を含む。複数個のリブ514は例えばジッパ結合のようにして配設されている。すなわち、リブ514同士が、曲げのときに、互いに噛み合うように外側部材502、504の端部上に位置づけられている。複数個のリブ514は、次の、端部同士が結合される外側コンテナ部材500のリブ514と噛み合うように配設される。
【0026】
好適な実施例の構成によれば、管状の内側部材100及び102と、管状の外側コンテナ部材500との両方の形状が互いに干渉面を生じるよう設けられていることであり、これによってオプティカル・ファイバの曲率半径を制限していることである。例えば、オプティカル・ファイバの最小曲率半径は、およそ30mmである。
【0027】
本発明の好適な実施例によれば、モジュラ機構を持つ結合システムがダンベル状の内側部材100に似た機能をするよう配設され得ることを理解されたい。そこではユーザがファイバ・オプティック・ケーブルの位置を曲がった状態或いは真直ぐな状態にロックし、管状の内側部材すなわち外側の管を内側部材の廻りに捩る。すると内側の管が外側の管を捕捉し、その位置にロックするよう配設することができる。
【0028】
ここで図6を参照すると、参照番号600で全体を示す複数のモジュラ機構の真直ぐな配列が示されている。図示のとおり、一実施例に於ける外側コンテナ部材602の一部が内部の詳細を示すために除去されている。すなわち外側コンテナ部材602が夫々の第2の内側部材102を受けて保持し、これによって複数のモジュラ機構の真直ぐな配列を構成している。これは好適な実施例によるファイバ・オプティック・ケーブルをシールドするため、及びその曲率半径を制限するための構成である。
【0029】
図6に示すように、外側コンテナ部材602を構成する外側部材は、第2の内側部材102のシリンダ部分114を受けるための対応する内部の凹部612を含み、第2の内側部材102の太い端部118を受けるための対応する内部の凹部614を含む。図示された複数の外側コンテナ部材602のうちの一つに対する、側部係合面616の一部が示される。管状の内側部材102及び外側コンテナ部材602はオプティカル・ファイバ・ケーブル(図示せず)の関連部分を完全に内包する。
【0030】
好適な実施例の特徴によれば、・ファイバ・ケーブルを保護する複数のモジュラ機構600の真直ぐな配列は、内包した関連ファイバ・オプティック・ケーブルを、押しつぶすような力、鋭いエッジなどの損傷から保護する。この複数のモジュラ機構600の配列はまた保持装置として働く。もしも外力がオプティカル・ファイバ・ケーブルを引っ張るなら、その複数のモジュラ機構600の配列はその引っ張り力の矢面に立ち、これによってケーブルやファイバが保護され、正しく位置付ける。
【0031】
ここで図7を参照すると、参照番号700で全体を示す一実施例の外側コンテナ部材が示される。これはダンベルの形のような第1の内側部材100の対の部分108、第2の内側部材102の対の部分118を受けて保持するための構成であり、その全体で好適な実施例に従うファイバ・オプティック・ケーブルにシールドを提供し、その曲率半径を制限するための構成である。
【0032】
外部コンテナ部材700は、第1の内側部材100の対の間に、対応するファイバ・オプティック・ケーブル(図示せず)を受けるための開口を構成する第1の内部の凹部702を含む。外側コンテナ部材700は、第1の内側部材100の対の個々の太い端部108を受けるための1対の対応する内部の凹部704を含む。第1の内部部材100の夫々は細長いシリンダ部分104、及び外側コンテナ部材700から外方に伸びる対向する太い端部108を有する。
【0033】
代りに、第2の内側部材102の対の部分118を、外側コンテナ部材700の、夫々対応する内部の凹部704の中で受ける。第2の内側部材102の夫々は、外側コンテナ部材700から外方に延びる細長いシリンダ部分114を有する。例えば、外方に伸びる細長いシリンダ部分114を、シャシーや回路ボードなどと接合するために使用することができる。また、外方に伸びる細長いシリンダ部分114を、他の外側コンテナ部材、例えば図8で説明する一実施例の外側コンテナ部材800の中で受けることもできる。対応するファイバ・オプティック・ケーブル(図示せず)は、第2の内側部材102の対の間に、対応する内部の凹部702の中に伸びている。
【0034】
側方係合面706の対は、側方同士が突き合わせ係合するようにして、係合する外側コンテナ部材700の側方係合面706の対と結合される。対向する端部係合面710、712の各対は、好適な実施例による他のモジュラ機構と端部同士が突き合わせ係合するよう配列される。
【0035】
図8を参照すると、参照番号800で全体を示す他の実施例の外側コンテナ部材が示される。これは、第2の内側部材102を受けて保持するための構成であり、その全体で好適な実施例に従うファイバ・オプティック・ケーブルにシールドを提供し、その曲率半径を制限するための構成である。
【0036】
外部コンテナ部材800は、スクリュー型の第2の内側部材102のシリンダ部分114を受けるための対応する内部の凹部802と、第2の内側部材102の太い端部118を受けるための対応する内部の凹部804とを含む。側方係合面806の対は、側部同士が突き合わせされて係合するようにして、他の外側コンテナ部材800の側方係合面806の対と係合する。対向する端部係合面810、812の夫々の対は、好適な実施例による他のモジュラ機構と端部同士が突き合わせされて係合するように配設される。
【0037】
内側部材100、102及び相互にロックする外側部材502,504は、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護するに足る強度を有するよう選択された材料、例えばプラスティック材料などからなる成型部材である。電磁干渉(EMI)のシールドを提供するため、内側部材100、102及び相互にロックするための外側部材502のいずれか或いは両方を、成型工程中選択された材料に挿入されたカーボン・ファイバ若しくはメタル・ファイバで形成することができる。或いはフェライト・コア材料を相互にロックする外側部材の外部に、または内部に形成することができる。
【0038】
好適な実施例の特徴によれば、内側部材102は、例えばシャシーや回路ボードに、ねじで容易に装着できるように構成されている。個々の内側部材100、102及び相互ロック用の外側部材502、504は、特定の応用例に合わせてある範囲の寸法にされ、またEMIシールド及びアースを提供するよう導電性にされる。
【0039】
ファイバの適切な保護を提供するため、プラスティック材料を夫々の内側部材100、102及び相互ロック用の外側部材502、504を成型するために使用することができる。ケーブルのEMIシールドを提供するため、メタル・ファイバ、カーボン・ファイバ、及びフェライト・コア材料など、選択された導電性材料が成型材料中に挿入され、例えばケーブル中の種々の周波数のノイズを制限しあるいは除去することができる。フェライト・コア材料もまた、外側コンテナ部材500の外部または内部に選択的に形成され、ケーブルのEMC/EMIシールドを提供することができる。
【0040】
管状の内側部材100、102及び外側コンテナ部材502、504を成型する際は、メタル・ファイバまたはカーボン・ファイバのいずれか又は両方を、成型工程で使用される材料中に選択的に挿入することができる。外側部材502、504はまたフェライト・コア材料が挿入されもしくは成型される、更に構成された凹部領域を有することができる。これはEMI放射が電気ケーブルに結合されるのを適切にシールドするであろう。
【0041】
ここで図9を参照すると、参照番号900で全体を示した90度結合構成が示されている。この結合構成(他の実施例の外側部材に相当)は、対応するファイバ・オプティック・ケーブル(図示せず)を、好適な実施例による軽量パイプ(light pipe)などの90度接合部材902に結合する1対の第2の内側部材102を含む。この軽量パイプの90度結合構成900は、軽量ファイバ(lightfiber)を使用する場合に使用される。この場合は、限定された曲率半径で以って90度で曲げるだけの余地がファイバにないかもしれない場合である。
【0042】
例えば、スクリュー型の内側部材102のねじの性質(threaded properties)を用いることはねじ孔で以って何にでも容易に取り付けることができる。そしてこのことはファイバを回路ボードに直接装着し、またケーブルを心押し台、シャシーなどに直接装着するのに有利である。
【0043】
図10及び図11を参照すると、それぞれ参照番号1000で示すように一実施例の真直ぐな配列、及び参照番号1010で示すように、複数のモジュラ機構1002からなる、好適な実施例に従う、曲がった配列が示されている。
【0044】
図10及び図11に示すように、このモジュラ機構1002の利点は、真直ぐな配列1000に示されるような構成では、ファイバ・オプティック・ケーブル1004の全長に亙って保護が可能であり、また曲がった配列1010に示されるような構成ではファイバ・オプティック・ケーブル1004の全長に沿うように構成された位置において保護が可能なことである。
【0045】
好適な実施例のモジュラ機構1002を形成するのに使用される内側部材100、102及び対応する外側コンテナ部材502、504、700、800を含む相互ロック機構を、種々の寸法で提供することができ、また選択的にEMC/EMIシールド及びアースを提供するよう導電性にすることもできる。個々のモジュラ機構1002は剛性の部分が必要でない限り自由に回転させることができ、また合成の部分が必要なときモジュラ機構1002は所望の剛性の形状に配列したり、ロックしたりすることができる。剛性の部分及び自由に動かせる部分は特定の応用例に合わせて設けることができる。
【0046】
本発明を図面に示される特定の実施例で詳細に説明してきたが、これらの詳細は本発明の特許請求の範囲に示した範囲を狭めることを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のモジュラ機構の第1の実施例の内側部材の斜視図である。
【図2】本発明のモジュラ機構の第2の実施例の斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施例の端面図である。
【図5】本発明の実施例の外側コンテナ部材の斜視図である。
【図6】本発明の一実施例の複数のモジュラ機構に於いて、第2の内側部材を受けて保持する外側コンテナ部材の斜視図である。
【図7】本発明の一実施例の外側コンテナ部材の詳細を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施例の外側コンテナ部材の、他の実施例の詳細を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施例の軽量パイプ90度接合部材に1対の第2の内側部材を使用したものの斜視図である。
【図10】本発明の一実施例の複数のモジュラ機構の真直ぐな配列を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施例の複数のモジュラ機構の曲がった配列を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
100 第1の内側部材
102 第2の内側部材
104 シリンダ部分
106 端部
108 端部
110 開口
114 シリンダ部分
118 端部
120 開口
500 外側コンテナ部材
502 外側部材
504 外側部材
506 係合面
510 端部
512 端部
514 リブ
600 外側コンテナ部材
602 外側部材
614 凹部
616 側方係合面
700 外側コンテナ部材
702 凹部
704 凹部
706 側方係合面
710 端部係合面
712 端部係合面
800 外側コンテナ部材
802 凹部
804 凹部
806 側方係合面
810 端部係合面
812 端部係合面
900 90度結合構成
902 90度接合部材
1000 真直ぐな配列
1002 複数のモジュラ機構
1004 ファイバ・オプティック・ケーブル
1010 曲がった配列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側部材と、
ファイバ・オプティック・ケーブルを受けるための、前記内側部材を貫通する開口と、
前記内側部材を受けて保持するための外側コンテナ部材とを含み、
前記内側部材と前記外側コンテナ部材とが、ファイバ・オプティック・ケーブルの曲率半径を制限するために、相互干渉を生じるよう夫々予め定められた形状の部分を有する、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護するためのモジュラ機構。
【請求項2】
前記外側コンテナ部材が1対の係合用外側部材を含む、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項3】
前記内側部材及び前記外側コンテナ部材が成型工程によって形成された、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項4】
前記内側部材及び前記外側コンテナ部材の各々が、選択された電気的な絶縁材料及びその中に導電性材料が挿入されてなる単一の成型部材である、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項5】
前記絶縁材料がプラスティック材料である、請求項4に記載のモジュラ機構。
【請求項6】
前記導電性材料が、メタル・ファイバ、カーボン・ファイバ、及びフェライト・コア材料から選択された材料を含む、請求項4に記載のモジュラ機構。
【請求項7】
前記内側部材が、前記外側コンテナ部材とともに前記干渉面を生じるように、前記予め定められた形状の部分を有する細長いシリンダ部分と、少なくとも一つの太い端部とを含む、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項8】
前記外側コンテナ部材が係合用の対の外側部材を含み、当該対の夫々が、前記内側部材の前記細長いシリンダ部分と前記少なくとも一つの太い端部とを受けるための、対応する内部の凹部を含む、請求項7に記載のモジュラ機構。
【請求項9】
前記外側コンテナ部材の前記係合用の対が、前記内側部材上に置かれ、且つ互いに押し嵌め係合で結合されている、請求項8に記載のモジュラ機構。
【請求項10】
前記ファイバ・オプティック・ケーブルが、その長さに沿う選択された領域で完全に内包された、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項11】
前記ファイバ・オプティック・ケーブルが、その長さに沿って完全に内包された、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項12】
前記外側コンテナ部材が係合用の対の外側部材を含み、且つ複数のモジュラ機構が前記対の外側部材で以って互いに真直ぐな剛性部分を構成するよう端部同士で突き合わせされて結合されている、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項13】
前記外側コンテナ部材が係合用の対の外側部材を含み、且つ前記内側部材及び前記対の外側部材が、ファイバ・オプティック・ケーブルを保護するに足る強度を有する選択された材料からなる成型部材である、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項14】
前記外側コンテナ部材が、電磁(EMI)シールドを提供するように選択された材料中に挿入されたメタル・ファイバまたはカーボン・ファイバで以って形成された、請求項13に記載のモジュラ機構。
【請求項15】
フェライト・コア材料が、EMIシールドを提供するように前記外側部材の内部空洞部分に挿入された、請求項13に記載のモジュラ機構。
【請求項16】
前記内側部材が、シャシーまたは回路ボードに装着するためのねじ部材を有している、請求項1に記載のモジュラ機構。
【請求項17】
前記外側コンテナ部材が係合用の対の外側部材を含み、且つ前記内側部材及び前記外側コンテナ部材がEMIシールド及びアースを提供するために導電性に形成されている、請求項1記載のモジュラ機構。
【請求項18】
前記外側コンテナ部材が係合用の対の外側部材を含み、且つEMIシールド及びアースを提供するために、フェライト・コア部材が前記外側部材とともに形成される、請求項1記載のモジュラ機構。
【請求項19】
前記外側コンテナ部材が係合用の対の外側部材を含み、且つ前記外側部材が複数のリブを有し、前記複数のリブによって次の外側コンテナ部材のリブと端部同士で相互にロック係合する、請求項1に記載のモジュラ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−309221(P2006−309221A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111610(P2006−111610)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】