説明

ファイル検索装置及びファイル検索プログラム

【課題】セキュリティ上の危険を回避しつつ、より多くの端末から情報を検索するファイル検索装置を提供する。
【解決手段】ファイル検索装置は、同グループの装置のアドレスのみを記憶し、グループ外の装置に対しては経路情報を記憶している。経路情報には仮ID(自身割当てのID)及び本ID(グループの装置割当てのID)が記憶される。装置Eが装置Eに仮ID「E1」、装置Cに「E2」、装置Fに「E3」を割り当てる。装置Fでは、装置Cに仮IDを割当て、本ID「E2」を対応させる。装置Fがファイル検索を装置Cに依頼する場合、同グループの装置Eへ宛先「E2」の依頼情報を送信する。装置Eは同グループの装置Cに依頼情報を送信する。装置Cではファイル検索を行うが、自身のアドレスは装置Fに知られない。装置Cの結果情報は装置Eへ送信され、装置Cから装置Fへ送信される。装置Fは、アドレスを知らない装置Cの検索結果も取得できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル検索装置及びファイル検索プログラムに関するものであり、詳細には、ネットワークに接続した他の端末に記憶されているファイルを検索するファイル検索装置及びファイル検索プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、「ピアツーピア(Peer to Peer、以下「P2P」という)」という、ネットワークを介してコンピュータ(端末)同士が直接接続してデータの授受を行う通信方式を用いたファイル検索方法が知られている(例えば、特許文献1)。あるコンピュータがある情報(第一情報とする)を所持しており、別のコンピュータが第一情報を求めている場合を考える。この場合、第一情報を求めているコンピュータは、そのコンピュータがアドレスを共有している複数のコンピュータに対して、第一情報を所持しているかの「問合せ」を送信する。そして、「問合せ」を受けたコンピュータが第一情報を所持していれば、第一情報を求めていたコンピュータへ第一情報を送信する。
【特許文献1】特開2002‐229836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のP2P通信を用いたファイル検索システムでは、検索範囲を広くするためにはアドレスを共有するコンピュータを増やす必要があるため、自身のアドレスを知っているコンピュータが増えることになり、セキュリティの危険度が増してしまうという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、セキュリティ上の危険を回避しつつ、より多くの端末から情報を検索するファイル検索装置及びファイル検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明のファイル検索装置では、ファイルを記憶するファイル記憶手段と、キーワードに基づいて前記ファイル記憶手段に記憶されている前記ファイルを検索する検索手段と、当該ファイル検索装置と同一のグループに属する同種のファイル検索装置であるグループ装置のアドレスを記憶するアドレス記憶手段とを備え、ユーザによる前記ファイル検索装置に対するファイル検索の要求に対して、当該ファイル検索装置の前記グループ装置又は、当該グループ装置を介して通信可能な同種のファイル検索装置である外部装置のファイル記憶手段に記憶されている前記ファイルを検索するファイル検索装置において、ファイルの検索に用いるキーワードを入力する検索キーワード入力手段と、当該ファイル検索装置が前記グループ装置及び前記アドレス記憶手段にアドレスが記憶されていない外部装置に対して割り当てた識別符号である仮識別符号、及び、当該ファイル検索装置の前記グループ装置が、当該グループ装置の前記グループ装置、並びに、当該グループ装置の前記外部装置に対して割り当てた識別符号である本識別符号を少なくとも含み、同一のファイル検索装置についての前記仮識別符号と前記本識別符号とを対応させて記憶した経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、検索に用いるキーワードである検索キーワード、送信元のファイル検索装置を示す依頼送信元、及び、ファイルの検索の依頼対象となるファイル検索装置を示す依頼送信先を少なくとも含む依頼情報を、前記検索キーワードを前記検索キーワード入力手段により入力された入力キーワードとし、前記依頼送信元を自身を示す仮識別符号とし、前記依頼送信先を依頼対象となるファイル検索装置を示す本識別符号として作成する第一依頼情報作成手段と、前記第一依頼情報作成手段により作成された前記依頼情報を前記依頼送信先の前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第一依頼情報送信手段と、他のファイル検索装置から送信された前記依頼情報を受信した際に、前記依頼送信先が自身であるか否かを判断する依頼送信先判断手段と、前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身でないと判断された場合には、前記経路情報記憶手段に記憶されている前記経路情報において、前記依頼送信元に示されている識別符号である前記本識別符号に対応した前記仮識別符号を前記依頼送信元とし、前記依頼送信先に示されている識別符号である前記仮識別符号に対応した前記本識別符号を前記依頼送信先として前記依頼情報を再作成する第二依頼情報作成手段と、前記第二依頼情報作成手段により作成された前記依頼情報を前記依頼送信先である前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第二依頼情報送信手段と、前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身であると判断された場合には、前記検索手段により当該依頼情報の前記検索キーワードで検索を行う第一検索制御手段と、前記検索手段による検索結果、送信元のファイル検索装置を示す結果送信元、及び、検索結果の返却対象となるファイル検索装置を示す結果送信先を少なくとも含む結果情報を、前記結果送信元を前記依頼情報の依頼送信先に示されている識別符号とし、前記結果送信先を前記依頼情報の依頼送信元に示されている識別符号として作成する第一結果情報作成手段と、前記第一結果情報作成手段により作成された前記結果情報を前記結果送信先に示されている識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第一結果情報送信手段と、他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した際に、前記結果送信先が自身であるか否かを判断する結果送信先判断手段と、前記結果送信先判断手段により前記結果送信先が自身でないと判断された場合には、前記経路情報において前記結果送信元に示されている識別符号である前記本識別符号に対応した前記仮識別符号を結果送信元とし、前記結果送信先に示されている識別符号である前記仮識別符号に対応した前記本識別符号を前記結果送信先として前記結果情報を再作成する第二結果情報作成手段と、前記第二結果情報作成手段により作成された前記結果情報を前記結果送信先である前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第二結果情報送信手段と、前記結果送信先判断手段により前記結果送信先が自身であると判断された場合には、前記検索結果を出力する検索結果出力手段とを備えている。
【0006】
また、請求項2に係る発明のファイル検索装置では、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記依頼情報に含まれている前記依頼送信元が示す識別符号と前記検索キーワードとを対応させたキーワード情報を記憶するキーワード情報記憶手段と、前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身であると判断された場合に、前記依頼送信元が示す識別符号と前記依頼情報の前記検索キーワードとを対応させて前記キーワード情報記憶手段に記憶するキーワード記憶制御手段と、前記検索キーワード入力手段により入力された前記入力キーワード、及び、前記キーワード記憶手段に記憶されている前記キーワード情報に基づいて前記第一依頼情報送信手段により前記依頼情報を送信する順序を決定する送信順序決定手段と、前記送信順序決定手段により決定された順序の最初のファイル検索装置に前記依頼情報を前記第一依頼情報送信手段により送信し、当該依頼情報の送信に対する結果情報を受信した後に次の順序のファイル検索装置に前記依頼情報を前記第一依頼情報送信手段により送信する依頼情報送信制御手段とを備えている。
【0007】
また、請求項3に係る発明のファイル検索装置では、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記送信順序決定手段は、前記キーワード情報記憶手段に記憶されている前記キーワードのうち前記検索キーワードと一致するキーワード数を前記識別符号ごとに計数し、計数されたキーワード数の多い順に前記送信順序を決定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明のファイル検索装置では、請求項2に記載の発明の構成に加えて、所定の単語に対応して、当該単語と同じ意味又は類似する意味を持つ単語を類似語として記憶する類似語記憶手段を備え、前記送信順序決定手段は、前記キーワード情報記憶手段に記憶されている前記キーワードのうち、前記検索キーワード又は、前記類似語記憶手段に前記検索キーワードの前記類似語として記憶されている単語と一致するキーワードの数を前記識別符号ごとに計数し、計数されたキーワード数の多い順に前記送信順序を決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記経路情報には、当該ファイル検索装置から前記仮識別符号及び前記本識別符号が示すファイル検索装置までいくつのファイル検索装置が情報を送信すれば届くかを示す送信回数が含まれ、前記送信回数が第一の所定数よりも大きい前記ファイル検索装置に対しては前記依頼情報を送信しないことを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身であると判断された場合に、前記送信順序決定手段により自身のキーワード情報記憶手段に記憶されている前記キーワード情報に基づいて送信順序を決定し、自身のファイル検索装置よりも送信順序が前のファイル検索装置がある場合には、当該送信順序が前のファイル検索装置を依頼対象とし、前記依頼送信元を自身を示す仮識別符号とし、前記依頼送信先を当該送信順序が前のファイル検索装置を示す本識別符号とした依頼情報を作成する第三依頼情報作成手段と、前記第三依頼情報作成手段により作成された前記依頼情報を前記依頼送信先である前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第三依頼情報送信手段とを備えている。
【0011】
また、請求項7に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記依頼情報は、少なくとも前記第二依頼情報送信手段により前記依頼情報を送信した回数である転送回数を含み、他のファイル検索装置から送信された前記依頼情報の前記転送回数が第二の所定数である場合には、前記検索手段により当該依頼情報に含まれている前記検索キーワードで当該ファイル検索装置のファイル記憶手段の検索を行う第二検索制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記依頼情報及び前記結果情報は当該検索依頼を識別するための識別符号である検索識別符号を含み、前記検索識別符号に、前記検索手段により検索が行われた前記ファイル検索装置を示す前記本識別符号又は前記仮識別符号を対応付けた検索済み情報を記憶する検索済み情報記憶手段と、前記検索手段により検索を行った際に、前記検索済み情報記憶手段の前記検索済み情報に当該検索の依頼情報の前記検索識別符号に対応させて当該ファイル検索装置の前記本識別符号又は前記仮識別符号を記憶する第一検索済み情報記憶制御手段と、他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した際に、前記検索済み情報に当該結果情報の前記依頼識別符合に対応させて前記結果送信元を示す前記本識別符号又は前記仮識別符号を記憶する第二検索済み情報記憶制御手段と、前記送信順序決定手段は、順序を決定するファイル検索装置から前記検索済み情報の当該依頼情報に含まれる検索識別符号に対応して記憶されている前記本識別符号の割り当てられた前記ファイル検索装置を外すことを特徴とする。
【0013】
また、請求項9に係る発明のファイル検索装置では、請求項2乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加えて、他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した回数を計数する受信計数手段、又は、他のファイル検索装置へ前記依頼情報を送信した回数を計数する送信計数手段を備え、前記依頼情報送信制御手段は、前記受信計数手段により計数された前記受信回数又は前記送信計数手段により計数された前記送信回数が第三の所定数よりも多い場合には、前記依頼情報の送信を停止し、当該検索を終了させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項10に係る発明のファイル検索装置では、請求項2乃至9のいずれかに記載の発明の構成に加えて、他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した際に、前記結果情報の前記検索結果のファイル数を計数するファイル数計数手段を備え、前記依頼情報送信制御手段は、前記ファイル数計数手段により計数されたファイル数が第四の所定数よりも多い場合には、前記依頼情報の送信を停止し、当該検索を終了させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項11に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明の構成に加えて、所定の単語に対応して、当該単語と同じ意味又は類似する意味を持つ単語を類似語として記憶する類似語記憶手段を備え、前記依頼情報には、前記検索キーワードの他に前記類似語記憶手段に前記検索キーワードの前記類似語として記憶されている単語であるサブキーワードが含まれることを特徴とする。
【0016】
また、請求項12に係る発明のファイル検索プログラムでは、請求項1乃至11のいずれかに記載のファイル検索装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明のファイル検索装置では、グループ装置が認識しているファイル検索装置(外部装置)を、グループ装置がそのファイル検索装置に割り当てた識別符号を記憶することにより、その外部装置を認識することができる。例えば、検索を依頼されたファイル検索装置を第一装置、第一装置のグループ装置のうちの1つを第二装置、第二装置のグループ装置のうちの1つを第三装置とする。このとき、第一装置は、グループ装置である第二装置のアドレスはアドレス情報記憶手段に記憶しているが、外部装置である第三装置のアドレスはアドレス情報記憶手段に記憶されておらず、認識していない。しかし、第一装置は、第二装置が第三装置に対して割り当てた「仮識別符号」を、「本識別符号」として経路情報記憶手段に記憶している。さらに第一装置は、この「本識別符号」に対応させて第三装置に対する「仮識別符号」を割り振り、経路情報記憶手段に記憶することができる。つまり、自身で割り振った識別符号を「仮識別符号」とし、グループ装置で割り振られ、グループ装置から取得した識別符号を「本識別符号」とすることができる。例えば、第一装置が第三装置へ検索の依頼情報を送信する場合を考える。第一装置が、依頼送信元を第一装置(自身)を示す「仮識別符号」、依頼送信先を第三装置を示す「本識別符号」とした依頼情報を、第三装置を示す「本識別符号」を割り振ったファイル検索装置である第二装置へ送信することができる。すると、第二装置では、第一装置で「本識別符号」とされていた第三装置を示す識別符号は、第二装置で割り振られた識別符号であるので「仮識別符号」と考えられる。そして、第二装置では、依頼送信先を依頼情報で依頼送信先とされていた識別符号、つまり、第三装置に対して割り振った「仮識別符号」に対応して経路情報記憶手段に記憶されている「本識別符号」とすることができる。ここでは、経路情報の「本識別符号」は第三装置において自身に割り振られた識別符号である。また、依頼送信元は、依頼情報で送信元情報とされていた識別情報、つまり、第一装置で第一装置(自身)対して割り振った「仮識別符号」とすることができる。そこで、第三装置では、依頼送信元のファイル検索装置は、第二装置のグループ装置が割り振った「仮識別符号」の端末であることしか、認識することができず、具体的にどのファイル検索装置であるかを知ることはできない。つまり、第一装置は検索を依頼した第三装置には自身を識別可能に知られることがない。よって、検索を依頼するファイル検索装置のセキュリティ面での危険度が高くない。また、第三装置で行われた検索の結果は、依頼情報の経路と逆の経路を辿って第一装置へ戻ってくる。よって、第一装置では、第二装置のグループ装置が割り振った「仮識別符号」の端末から検索結果を受信したことしか認識することはできない。よって、第三装置は、検索をしてあげたファイル検索装置に自身を識別可能に知られることがない。よって、検索を実行したファイル検索装置のセキュリティ面での危険度も高くない。また、アドレスを直接知らないファイル検索装置(外部装置)のファイルも検索できるので、より多くのファイルから求めるファイルを検索できる。
【0018】
また、請求項2に係る発明のファイル検索装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、過去のキーワードの履歴に基づいて順序を決められるので、効率よい順序を決定すれば、より早く求めるファイルが見つけられる。よって、無駄な依頼情報の送信や結果情報の受信が減る。
【0019】
また、請求項3に係る発明のファイル検索装置では、請求項2に記載の発明の効果に加えて、同じキーワードで多く検索したファイル検索装置から検索できるので、より早く求めるファイルが見つけられる。
【0020】
また、請求項4に係る発明のファイル検索装置では、請求項2に記載の発明の効果に加えて、同じキーワードでなくとも、類似語での検索回数も反映され、同義の単語で検索を多くしたファイル検索装置から順に検索される。よって、求めるファイルをより効率よく見つけることができる。例えば、「取り扱い」と「取扱」などの送り仮名違いの単語、「バイオリン」と「ヴァイオリン」などの表記違いの単語、「暖房機」と「ヒーター」などの同義として使用されることのある単語などを類似語として類似語記憶手段に記憶させておけば、検索キーワードを「バイオリン」としても、過去に「ヴァイオリン」で検索を行ったファイル検索装置もキーワード数に計数されるので、依頼情報を送信する順序が早い順序となる。
【0021】
また、請求項5に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、検索させる範囲が決まっているので、遠くの端末(転送回数の多い端末)まで検索を依頼することがない。よって、依頼情報の送信から、結果情報の受信までに係る時間、他のファイル検索装置にかける負荷が少なくて済み、非効率にならない。
【0022】
また、請求項6に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、検索キーワードが入力されたファイル検索装置において、経路情報記憶手段に記憶されているファイル検索装置でなくとも、依頼情報を受信したファイル検索装置の経路情報記憶手段に記憶されているファイル検索装置に対して依頼情報を送信するので、過去に通信を行ったことのないファイル検索装置のファイル記憶手段に記憶されているファイルを検索させることができる。また、依頼情報を受信した際に、受信したファイル検索装置が自身のファイル検索装置よりも送信順序が前のファイル検索装置を検索対象とするので、より求めるファイルが抽出される可能性の高いファイル検索装置を検索対象とすることができる。
【0023】
また、請求項7に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第二の所定数だけ転送された依頼情報については、それ以上、他のファイル検索装置へ転送することなく、その依頼情報を受信したファイル検索装置のファイル記憶手段に記憶されているファイルに対して検索を行うので、際限なく検索を依頼することがない。よって、無限ループに陥ることがない。
【0024】
また、請求項8に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、依頼情報を送信したファイル検索装置を検索済み情報として記憶することにより、すでに依頼情報を送信、又は転送したファイル検索装置に、再度依頼情報を送信することはない。よって、すでに検索を行ったファイル検索装置が重ねて同じ検索を行ってしまうことがない。
【0025】
また、請求項9に係る発明のファイル検索装置では、請求項2乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第三の所定数だけ受信結果を受信する、又は、第三の所定数だけ依頼情報を送信したら、つまり、第三の所定数のファイル検索装置に対して検索を依頼したら、依頼情報の送信を停止する。よって、際限なく検索を依頼することがないので、無限ループに陥ることがない。また、前記検索キーワード、及び、キーワード情報に基づいて、つまり、過去の検索結果に基づいて送信順序が決定され、よりよい検索結果が得られるファイル検索装置から順に依頼情報を送信している。よって、後の方で依頼情報が送信される端末ほど、よい検索結果が得られる確率は低いので、第三の所定数だけ依頼情報を送信して、その結果情報を受信するだけで、十分な検索結果を得られる。
【0026】
また、請求項10に係る発明のファイル検索装置では、請求項2乃至9のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第四の所定数だけ検索結果のファイルが得られれば、依頼情報の送信を停止するので、際限なく検索を依頼することがないので、無限ループに陥ることがない。
【0027】
また、請求項11に係る発明のファイル検索装置では、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明の効果に加えて、ユーザが入力したキーワードだけでなく、類似語でも検索することができる。よって、ユーザの入力文言に制約されることなく、検索目的に合ったファイルが抽出される。よって、ユーザは、様々な表現でキーワードを入力する必要がなく、便利である。また、検索漏れも少なくなる。例えば、「取り扱い」と「取扱」などの送り仮名違いの単語、「バイオリン」と「ヴァイオリン」などの表記違いの単語、「暖房機」と「ヒーター」などの同義として使用されることのある単語などを類似語として類似語記憶手段に記憶させておけば、検索キーワードを「バイオリン」としても「ヴァイオリン」の表記を使用しているファイルも検索結果として抽出される。
【0028】
また、請求項12に係る発明のファイル検索プログラムをコンピュータに実行させることにより、請求項1乃至11のいずれかに記載の発明の効果と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明のファイル検索装置を用いたファイル検索システムについて説明する。図1は、ファイル検索システムを示す模式図である。ここでは、図1に示すように、6台のファイル検索装置(図1においては「装置」と表記)101〜106がある。ファイル検索装置101,102,103の3台は、互いのアドレスを認識しており、互いに直接接続できる。本実施の形態では、このようにアドレスを認識して直接接続できるファイル検索装置群をグループとして扱う。ここでは、ファイル検索装置101,102,103はグループ301に属するとする。そして、ファイル検索装置103,104,105の3台は、グループ302に属して折り、ファイル検索装置105,106はグループ303に属している。つまり、ファイル検索装置103はグループ301とグループ302の両方に属しており、ファイル検索装置105はグループ302とグループ303の両方に属している。よって、同じグループに属さないファイル検索装置同士であっても、他のファイル検索装置を介すことにより、他のグループのファイル検索装置とデータの授受を行うことができる。例えば、ファイル検索装置101は、ファイル検索装置103,104を介してファイル検索装置106とデータの授受を行うことができる。なお、以下では、ファイル検索装置101〜106を総称してファイル検索装置100という。
【0030】
そこで、本実施の形態のファイル検索システムでは、ユーザがあるファイルを所望している時に、ファイル検索装置100を操作して、求めるファイルに対するキーワードを入力する。すると、ファイル検索装置100は、他のファイル検索装置100にそのキーワードにふさわしいファイルを所持しているか否かを検索してもらう依頼を行う(「依頼情報」の送信)。そして、依頼を受けたファイル検索装置100は、キーワードにふさわしいファイルを検索し、ファイルを所持していたら、そのファイルを依頼元のファイル検索装置100へ送信する(「結果情報」の送信)。
【0031】
また、ファイル検索装置100では、ファイル検索装置100に対して識別符号を割り当てる。この識別符号を「仮ID」という。また、他のファイル検索装置100が、ファイル検索装置100に割り当て、当該ファイル検索装置100が取得した識別符号を「本ID」という。つまり、ファイル検索装置101がファイル検索装置102〜106に対して割り当てた識別符号はファイル検索装置101にとっては「仮ID」である。この「仮ID」が、他のファイル検索装置100、例えばファイル検索装置102に渡されると「本ID」となる。ファイル検索装置101がファイル検索装置102へ「依頼情報」を送信した際に、そこにファイル検索装置100で記載された「仮ID」は、受信したファイル検索装置102では「本ID」として扱われる。また、検索内容を識別する識別符号を「検索ID」という。
【0032】
図2を参照して、ファイル検索装置100の電気的構成について説明する。図2は、ファイル検索装置100の電気的構成を示す模式図である。ファイル検索装置100は所謂パーソナルコンピュータである。図2に示すように、ファイル検索装置100には、ファイル検索装置100の制御を司るCPU10が設けられ、CPU10には、各種のデータを一時的に記憶するRAM11と、BIOS等を記憶したROM12とが接続している。さらに、バスを介して、ハードディスク装置13、出力制御部14、入力制御部15、LANコントローラ16を接続している。出力制御部14には、出力機器24が接続され、入力制御部15には入力機器25が接続されている。出力機器24とは、例えばディスプレイであり、入力機器25とは、例えばマウスやキーボードである。
【0033】
そして、ハードディスク装置13には、グループアドレス記憶エリア131、共有ファイル記憶エリア132、類似語辞書記憶エリア133、経路情報記憶エリア134、キーワード情報記憶エリア135、検索済み情報記憶エリア136、ファイル検索プログラム記憶エリア137、その他の情報記憶エリア138が少なくとも設けられている。グループアドレス記憶エリア131には、当該ファイル検索装置100が属しているグループに属する他のファイル検索装置100のアドレスが記憶されている(図3参照)。共有ファイル記憶エリア132には、他のファイル検索装置100へ提供することが可能なファイルが記憶されている。類似語辞書記憶エリア133には、種々の単語が記憶されており、その単語と同じ意味を持つ単語や類似の意味を持つ単語や表記違いの単語が記憶されている。経路情報記憶エリア134には、ファイル検索装置100がデータの授受をしたことのある他のファイル検索装置100に対する仮ID及び本IDが記憶されている(図4〜図9参照)。キーワード情報記憶エリア135には、過去に受けた検索依頼のキーワード(検索キーワード)が検索の依頼元のファイル検索装置100の本IDに対応して記憶されている(図10参照)。検索済み情報記憶エリア136には、受信した「結果情報」の送信元をその検索IDに対応して記憶している(図11参照)ファイル検索プログラム記憶エリア137には、CPU10で実行されるファイル検索プログラムが記憶されている。その他の情報記憶エリア138には、ファイル検索装置100で使用されるその他の情報が記憶されている。
【0034】
図3を参照して、HDD13に設けられているグループアドレス記憶エリア131について説明する。図3は、グループアドレス記憶エリア131の構成を示す模式図であり、図3に示すように、グループアドレス記憶エリア131には、データ項目として、装置名及びアドレスが設けられており、当該ファイル検索装置100が属しているグループに属する他のファイル検索装置100のアドレスが装置名に対応して記憶されている。図1に示した例では、ファイル検索装置101の装置名を「A」、ファイル検索装置102の装置名を「B」、ファイル検索装置103の装置名を「C」、ファイル検索装置104の装置名を「D」、ファイル検索装置105の装置名を「E」、ファイル検索装置106の装置名を「F」とする。図3に示す例では、装置名「A」のアドレスは「10.100.100.101」であり、装置名「B」のアドレスは「10.100.100.102」であり、装置名「C」のアドレスは「10.100.100.103」である。装置名「D」,「E」,「F」については、同じグループに属していないので、アドレスは記憶されていない。
【0035】
次に、図1の模式図、図4乃至図9を参照して、ファイル検索装置100のHDD13の経路情報記憶エリア134に記憶されている経路情報について説明する。図4は、ファイル検索装置101(装置名「A」)の経路情報1341の構成を示す模式図である。図5は、ファイル検索装置102(装置名「B」)の経路情報1342の構成を示す模式図である。図6は、ファイル検索装置103(装置名「C」)の経路情報1343の構成を示す模式図である。図7は、ファイル検索装置104(装置名「D」)の経路情報1344の構成を示す模式図である。図8は、ファイル検索装置105(装置名「E」)の経路情報1345の構成を示す模式図である。図9は、ファイル検索装置106(装置名「F」)の経路情報1346の構成を示す模式図である。
【0036】
図4乃至図9に示すように、経路情報1341〜1346の模式図には、データ項目として、仮ID,本ID,アドレスが設けられている。データ項目「仮ID」には、本ファイル検索装置100で割り振ったIDが記憶され、データ項目「本ID」には、そのIDが割り振られたファイル検索装置100に対して、他のファイル検索装置100が割り振ったIDが記憶されている。そして、データ項目「アドレス」には、そのファイル検索装置100へデータを送信する際の最初の送信先のファイル検索装置100の装置名が記憶されている。この模式図に示したように、仮ID、本ID、アドレスを対応付けた経路情報が経路情報記憶エリア134に記憶される。本ファイル検索装置100がデータを直接送信できるファイル検索装置100は、同一グループに属しておりアドレスを知っているファイル検索装置100のみであるので、装置名を記憶していれば、グループアドレス記憶エリア131からアドレスを取得することができる。なお、仮IDの1桁目のアルファベットは、自身の装置名と同じ文字としている。よって、本IDの1桁目のアルファベットは、送信先の装置名と同じ文字となる。
【0037】
経路情報1341において、仮ID「A1」のファイル検索装置100の本IDは「A1」であり、このファイル検索装置100へデータを送信する際の最初の送信先の装置名は「A」である。これは、ファイル検索装置100自身の経路を示している。次に、仮ID「A2」のファイル検索装置100の本IDは「B1」であり、仮ID「A2」のファイル検索装置100へデータを送信する際には装置名は「B」のファイル検索装置102へデータを送信すればよい。図5に示すファイル検索装置102(装置名「B」)の経路情報を参照すると、仮ID「B1」の本IDは「B1」である。よって、これはファイル検索装置102自身を示していることがわかる。つまり、仮ID「A2」はファイル検索装置102(装置名「B」)を示している。
【0038】
次に、経路情報1341において、仮ID「A3」のファイル検索装置100の本IDは「C1」であり、仮ID「A3」のファイル検索装置100へデータを送信する際には、装置名は「C」のファイル検索装置103へデータを送信すればよい。図6に示すファイル検索装置103(装置名「C」)の経路情報を参照すると、仮ID「C1」の本IDは「C1」である。よって、これはファイル検索装置103自身を示していることがわかる。つまり、仮ID「A2」はファイル検索装置103(装置名「C」)を示している。
【0039】
次に、仮ID「A4」のファイル検索装置100の本IDは「C4」であり、このファイル検索装置100へデータを送信する際には、装置名は「C」のファイル検索装置103へデータを送信すればよい。図6に示すファイル検索装置103(装置名「C」)の経路情報を参照すると、仮ID「C4」の本IDは「D1」である。そこで、図7に示すファイル検索装置104(装置名「D」)の経路情報を参照すると、仮ID「D1」の本IDは「D1」である。よって、これはファイル検索装置104自身を示していることがわかる。したがって、ファイル検索装置101の仮ID「A4」は、ファイル検索装置104(装置名「D」)を示していることがわかる。
【0040】
次に、仮ID「A5」のファイル検索装置100の本IDは「C5」であり、このファイル検索装置100へデータを送信する際には、装置名は「C」のファイル検索装置103へデータを送信すればよい。図6に示すファイル検索装置103(装置名「C」)の経路情報を参照すると、仮ID「C5」の本IDは「E1」である。そこで、図8に示すファイル検索装置105(装置名「E」)の経路情報を参照すると、仮ID「E1」の本IDは「E1」である。よって、これはファイル検索装置105自身を示していることがわかる。したがって、ファイル検索装置101の仮ID「A5」は、ファイル検索装置105(装置名「E」)を示していることがわかる。
【0041】
次に、図10を参照して、HDD13に設けられているキーワード情報記憶エリア135について説明する。図10は、キーワード情報記憶エリア135の構成を示す模式図であり、図10に示すように、キーワード情報記憶エリア135には、データ項目として、装置,距離,キーワードが設けられている。データ項目「装置」には、検索の依頼をした装置の本IDが記憶され、データ項目「距離」には、当該ファイル検索装置100からの距離を示す値が記憶される。距離とは、その装置へデータを届けるまでに何回データを送信するかを示す値である。例えば、自身の装置であれば「0」、直接データを送信できるグループ内のファイル検索装置100であれば「1」となる。図1に示す例において、ファイル検索装置101からファイル検索装置104までの距離を考える。ファイル検索装置101からファイル検索装置103へ1回データを送信し、ファイル検索装置103からファイル検索装置104へデータを送信して、ファイル検索装置104へ届くので、距離は「2」となる。そして、データ項目「キーワード」には、検索依頼の際のキーワードが記憶される。
【0042】
このキーワード情報は、ユーザが検索依頼をした時に、「依頼情報」を送信するファイル検索装置100を決定する際に使用される。このデータ項目「キーワード」に記憶されているキーワードを参照して、ユーザが入力したキーワード(入力キーワード)と同じキーワードで検索を行ったファイル検索装置100や、類似のキーワードで検索を行ったファイル検索装置100を「依頼情報」の送信先とする。
【0043】
次に、図11を参照して、HDD13に設けられている検索済み情報記憶エリア136について説明する。図11は、検索済み情報記憶エリア136の構成を示す模式図である。図11に示すように、検索済み情報記憶エリア136には、データ項目として、検索ID及び検索済み装置本IDが設けられている。データ項目「検索ID」には検索内容を識別する検索IDが記憶され、データ項目「検索済み装置本ID」には、その検索IDで識別される検索に対してファイルの検索を行ったファイル検索装置100の本IDが記憶される。
【0044】
次に、図12及び図13を参照して、ファイル検索装置100が授受する情報について説明する。図12は、依頼情報401の構成を示す模式図であり、図13は、結果情報402の構成を示す模式図である。図12及び図13に示すように、依頼情報401と結果情報402とのフォーマットは同様である。データ項目「データ識別番号」に記憶されている値が「0」であれば「依頼情報」を示し、「1」であれば「結果情報」を示している。そして、データ項目「検索ID」には、検索内容を識別する検索IDがセットされ、データ項目「送信先」には送信先のファイル検索装置100を示す本IDがセットされる。データ項目「データ識別番号」が「0」であり「依頼情報」の場合には、このデータ項目「送信先」にセットされている送信先は「依頼送信先」である。また、データ項目「データ識別番号」が「1」であり「結果情報」の場合には、このデータ項目「送信先」にセットされている送信先は「結果送信先」である。データ項目「送信元」には「依頼情報」又は「結果情報」を送信してきたファイル検索装置100の仮IDがセットされる。データ項目「データ識別番号」が「0」であり「依頼情報」の場合には、このデータ項目「送信元」にセットされている送信元は「依頼送信元」である。また、データ項目「データ識別番号」が「1」であり「結果情報」の場合には、このデータ項目「送信元」にセットされている送信元は「結果送信元」である。そして、データ項目「送信回数」には「依頼情報」又は「結果情報」を送信した回数がセットされる。データ項目「最大送信回数」には、ユーザから依頼を受けたファイル検索装置100が、最大の送信回数をセットする。データ項目「メインキーワード」には、ユーザが入力した入力キーワードがセットされ、データ項目「サブキーワード」には、入力キーワードの類似語がセットされる。データ項目「検索結果」には、ファイル検索の結果抽出されたファイルが添付される。なお、「依頼情報」のデータ項目「検索結果」には何もセットされておらず、「結果情報」のデータ項目「最大送信回数」には何もセットされていない。
【0045】
次に、図14乃至図23を参照して、ファイル検索装置100の動作について説明する。図14は、メイン処理のフローチャートであり、図15は、ファイル検索依頼処理のフローチャートであり、図16は、有力装置推定処理のフローチャートである。図17は、依頼情報受付処理のフローチャートであり、図18は、依頼情報変換処理のフローチャートであり、図19は、再依頼処理のフローチャートであり、図20は、結果情報生成処理のフローチャートである。図21は、結果情報受付処理のフローチャートであり、図22は、結果情報変換処理のフローチャートであり、図23は、依頼情報再送処理のフローチャートである。
【0046】
図14に示すメイン処理は、ファイル検索装置100においてファイル検索プログラムがCPU10により実行されることにより開始される。まず、検索画面(図示外)が表示される(S1)。この検索画面には、検索したいファイルに関するキーワードするキーワード入力欄、検索ボタン及び終了ボタンが設けられている。この検索画面の検索ボタンをユーザが入力機器25を操作して選択すると、キーワード入力欄に入力された文字の情報と共に「検索要求」がファイル検索プログラムに入力される。また、終了ボタンが選択されると、「終了要求」がファイル検索プログラムに入力される。
【0047】
そこで、まず、「検索要求」が入力されたか否かの判断が行われる(S2)。「検索要求」が入力されたら(S2:YES)、ファイル検索処理が行われる(S5、図15参照)。このファイル検索処理では、他のファイル検索装置100に対して、入力キーワードでのファイル検索を依頼する依頼情報401を送信するが、詳細については、図15乃至図16を参照して後述する。ファイル検索依頼処理が行われたら(S5)、「終了要求」が入力されたか否かの判断が行われる(S8)。「終了要求」が入力されていなければ(S8:NO)、S2へ戻る。また、「終了要求」が入力された場合には(S8:YES)、本処理は終了する。
【0048】
また、S2において、「検索要求」が入力されていないと判断された場合には(S2:NO)、依頼情報401を受信したか否かの判断が行われる(S3)。依頼情報401を受信した場合には(S3:YES)、依頼情報受付処理が行われる(S6、図17参照)。この依頼情報受付処理では、他のファイル検索装置100からのファイル検索の依頼に応じた処理が行われる。検索の依頼が自身に対するものであれば、より検索キーワードのファイルを所有している可能性のある他のファイル検索装置100があれば、そのファイル検索装置100に再依頼を行う。そのようなファイル検索装置100がなければ、自身のファイルに対して検索キーワードで検索を行う。また、検索の依頼が自身に対するものでなければ、依頼先のファイル検索装置100へ依頼情報401を転送する。詳細については、図16乃至図20を参照して後述する。依頼情報受付処理が行われたら(S6)、「終了要求」が入力されたか否かの判断が行われる(S8)。
【0049】
また、S3において、依頼情報401を受信していない場合には(S3:NO)、結果情報402を受信したか否かの判断が行われる(S4)。結果情報402を受信した場合には(S4:YES)、結果情報受付処理が行われる(S7、図21参照)。この結果情報受付処理では、他のファイル検索装置100から受信した結果情報402が自身の依頼した検索に対するものでなければ、検索を依頼したファイル検索装置100へ結果情報402を転送する。また、自身の依頼した検索に対するものであれば、検索結果を表示する。なお、検索終了条件を満たしていなければ、再度、他のファイル検索装置100へ検索を依頼する。詳細については、図21乃至図23を参照して後述する。結果情報受付処理が行われたら(S7)、「終了要求」が入力されたか否かの判断が行われる(S8)。
【0050】
また、S4において、結果情報402を受信していない場合には(S4:NO)、「終了要求」が入力されたか否かの判断が行われる(S8)。そして、「終了要求」が入力されていなければ(S8:NO)、S3へ戻る。以上のようにして、メイン処理では、S2〜S4,S8の処理が繰り返し実施され、ユーザの操作や他のファイル検索装置100から送信される情報に応じた処理が行われる。
【0051】
次に、図15及び図16を参照して、ファイル検索依頼処理について説明する。まず、入力キーワードがあるか否かの判断が行われる(S10)。検索画面のキーワード入力欄に入力され、ファイル検索プログラムに入力された入力キーワードがなければ(S10:NO)、ファイル検索を行うことはできないので、本処理は終了してメイン処理へ戻る。また、入力キーワードがあれば(S10:YES)、検索キーワードが決定される(S11)。まず、入力キーワードがメインキーワードとしてRAM11のメインキーワード情報記憶エリア(図示外)に記憶される。そして、類似語辞書記憶エリア133に記憶されている類似語辞書からメインキーワードの類似語が抽出され、RAM11のサブキーワード情報記憶エリア(図示外)に記憶される。次いで、当該検索に対する検索IDが割り当てられ、RAM11の検索ID記憶エリア(図示外)に記憶される(S12)。送信回数に初期値の「0」が記憶される(S13)。なお、送信回数を記憶する記憶エリアもRAM11に設けられている。
【0052】
次いで、有力装置推定処理が行われる(S14、図16参照)。なお、この有力装置推定処理は、後述する依頼情報受付処理(図17参照)においても、自身に対して依頼されたファイル検索について、より検索キーワードのファイルを所有している可能性のある他のファイル検索装置100を推定する際にも実施される。さらに、後述する依頼情報再送処理(図23参照)においても、再度依頼をするファイル検索装置100を決定する際に実施される。なお、有力装置推定処理では、送信回数,受信した依頼情報401又は結果情報402の送信元のファイル検索装置100の本ID,検索ID,キーワードが必要とされる。そこで、有力装置推定処理を実施する際には、これらの値が引数として有力装置推定処理へ渡される。S14において有力装置推定処理が実施される際には、送信回数としてはS13でセットされた送信回数「0」回が渡される。送信元の本ID及び検索IDは何も渡されず、キーワードには入力キーワードが渡される。
【0053】
有力装置推定処理では、図16に示すように、まず、装置距離Dtmpが算出される(S21)。この装置距離Dtmpは、最大送信回数と送信回数との差で求められる。最大送信回数は、ファイル検索を依頼する際に、依頼情報401を何回まで送信することを許可するかを示した値である。この最大送信回数は予め定められている。本実施の形態では、最大送信回数の一例として「3」とする。ここでは、ファイル検索依頼処理のS13において送信回数が「0」とされているので、装置距離Dtmpは「3−0=3」とされる。
【0054】
次いで、有力装置候補群が抽出される(S22)。ここでは、次に挙げる3つの条件に1つも該当しないファイル検索装置100が、「有力装置候補」としてキーワード情報記憶エリア135に記憶されているファイル検索装置100から抽出される。1つ目の条件は、「受信した依頼情報401又は結果情報402の送信元のファイル検索装置100」であることである。2つ目の条件は、「本ファイル検索装置100からの距離が装置距離Dtmpよりも大きい装置」であることである。本ファイル検索装置100からの距離は、キーワード情報記憶エリア135のデータ項目「距離」に記憶されているので、S21で算出された装置距離Dtmpと比較される。3つ目の条件は、「検索済み情報記憶エリア136において、当該検索の検索IDに対して検索済みとされているファイル検索装置100」であることである。ファイル検索依頼処理(図15)において、検索を依頼するファイル検索装置100が依頼情報401を送信する際には、依頼送信元のIDは渡されていないので、1つ目及び3つ目の条件を満たすファイル検索装置100は存在しない。なお、有力装置候補とされたファイル検索装置100の本IDがRAM11の有力装置群記憶エリア(図示外)に記憶される。
【0055】
次いで、3つの条件に1つも該当しない有力装置候補が抽出されたか否かの判断が行われる(S23)。有力装置候補があれば(S23:YES)、抽出された有力装置候補ごとにキーワード情報記憶エリア135のデータ項目「キーワード」に検索キーワードと同じキーワードがいくつ記憶されているかの集計が行われる(S24)。これは、過去に検索キーワードで検索を依頼したことがあるファイル検索装置100を探すためである。そして、最も同じキーワードが記憶されている数の多いファイル検索装置100が「有力装置」とされ、その本IDがRAM11の有力装置記憶エリアに記憶される(S25)。なお、集計された数が同じであった場合には、距離の近いファイル検索装置100が有力装置とされる。距離も同じである場合には、その中から任意の1つのファイル検索装置100が有力装置とされる。そして、ファイル検索依頼処理(図15)又は依頼情報受付処理(図17)又は依頼情報再送処理(図23)へ戻る。また、有力装置候補がなければ(S23:NO)、有力装置推定処理は終了する。そして、ファイル検索依頼処理(図15)又は依頼情報受付処理(図17)又は依頼情報再送処理(図23)へ戻る。
【0056】
以上のようにして、有力装置推定処理では、検索範囲内で検索キーワードのファイルを所有している可能性が最も高いファイル検索装置100を決定している。
【0057】
そして、図15に示すように、有力装置推定処理が行われると(S14)、有力装置があるか否かの判断が行われる(S15)。有力装置がなければ(S15:NO)、ファイル検索を行うことはできないので、本処理は終了してメイン処理へ戻る。有力装置があれば(S15:YES)、有力装置へ送信するための依頼情報401が作成される(S16)。ここでは、データ項目「情報識別番号」に、依頼情報401を示す「0」がセットされ、データ項目「検索ID」には、S12で割り当てられた検索IDがセットされる。データ項目「送信先」には、S14で決定された有力装置の本IDが依頼送信先としてセットされ、データ項目「送信元」には、自身の仮IDが依頼送信元としてセットされる。そして、データ項目「送信回数」には、送信回数記憶エリアに記憶されている値、ここでは初期値の「0」がセットされる。そして、データ項目「最大送信回数」には、依頼情報401を何回まで送信することを許可するかを示した値(本実施の形態では「3」)がセットされる。そして、データ項目「メインキーワード」には、メインキーワード情報記憶エリアに記憶されている検索キーワード(ユーザが入力した入力キーワード)がセットされる。データ項目「サブキーワード」には、サブキーワード情報記憶エリアに記憶されている検索キーワード(メインキーワードの類似語)がセットされる。データ項目「検索結果」には何もセットされない。次いで、依頼情報401のデータ項目「送信回数」が「1」に更新される(S17)。そして、依頼情報401が送信される(S18)。ここでは、経路情報記憶エリア134が参照され、依頼情報401の依頼送信先とされているファイル検索装置100の本IDに対応して「アドレス」に記憶されているグループ装置が読み出される。そして、グループアドレス記憶エリア131が参照され、読み出されたグループ装置のアドレスが読み出されて、そのアドレス宛に依頼情報401が送信される。
【0058】
そして、RAM11の検索ファイル数記憶エリア(図示外)及び検索数記憶エリア(図示外)に初期値の「0」が記憶され(S19)、ファイル検索依頼処理は終了して、メイン処理へ戻る。このようにして、ユーザがファイル検索の依頼を行うと、検索範囲内で検索キーワードのファイルを所有している可能性が最も高いファイル検索装置100に対して、依頼情報401を送信する。
【0059】
このようにして、ファイル検索依頼処理では、ユーザにより入力された入力キーワードであるメインキーワードに加えて、その類似語であるサブキーワードが検索キーワードとされる。また、過去にメインキーワードで検索を行ったことのあるファイル検索装置100には、メインキーワードをファイル名に含むファイルが存在する可能性が高いとして、過去にメインキーワードで検索を行ったことのあるファイル検索装置100に依頼情報401を送信する。
【0060】
次に、図16乃至図20を参照して、依頼情報受付処理について説明する。図17に示すように、依頼処理では、まず、受信した依頼情報401がRAM11の依頼情報記憶エリア(図示外)に記憶される(S31)。次いで、依頼送信元が経路情報記憶エリア134に登録済みであるか否かの判断が行われる(S32)。依頼情報401のデータ項目「送信元」にセットされているIDが経路情報記憶エリア134のデータ項目「本ID」に記憶されていれば、登録済みであると判断される(S32:YES)。一方、経路情報記憶エリア134のデータ項目「本ID」に記憶されていなければ、登録済みでないと判断される(S32:NO)。そこで、新たなファイル検索装置100とのデータ授受となるので、経路情報にそのファイル検索装置100についての情報が登録される(S33)。ここでは、仮IDに新たなIDが割り当てられデータ項目「仮ID」に記憶され、データ項目「本ID」には依頼情報401のデータ項目「送信元」にセットされているIDが記憶される。さらに、キーワード情報記憶エリア135に新しいデータが追加され、データ項目「装置」に本IDが記憶され、データ項目「距離」に依頼情報401の送信回数が記憶される。
【0061】
次いで、依頼情報401のデータ項目「送信回数」の値が最大送信回数に等しいか否かの判断が行われる(S34)。まだ最大送信回数となっておらず、最大送信回数に等しくなければ(S34:NO)、依頼送信先が自身であるか否かの判断が行われる(S35)。データ項目「送信先」にセットされているIDが自身の本IDでなければ、依頼送信先は自身でないので(S35:NO)、依頼情報変換処理が行われる(S41、図18参照)。図18に示すように、依頼情報変換処理では、まず、依頼情報401の依頼送信先及び依頼送信元のIDがセットされる(S51)。具体的には、受信した依頼情報401の依頼送信先とされていたIDを仮IDとしている本IDが経路情報記憶エリア134から読み出されて、依頼情報401のデータ項目「送信先」にセットされる。そして、受信した依頼情報401の依頼送信元とされていたIDを本IDとしている仮IDが経路情報記憶エリア134から読み出されて、依頼情報401のデータ項目「送信元」にセットされる。そして、データ項目「送信回数」にセットされている送信回数に「1」が加算される(S52)。そして、依頼情報受付処理へ戻る。図17に示すように、依頼情報受付処理では、依頼情報変換処理が行われると(S41)、依頼情報401が送信される(S42)。ここでは、経路情報記憶エリア134が参照され、依頼情報401の依頼送信先とされているファイル検索装置100の本IDに対応して「アドレス」に記憶されているグループ装置が読み出される。そして、グループアドレス記憶エリア131が参照され、読み出されたグループ装置のアドレスが読み出されて、そのアドレス宛に依頼情報401が送信される。
【0062】
つまり、自身宛てでない依頼情報401は、検索の依頼先のファイル検索装置100へ依頼情報401を届けるために、依頼情報変換処理で依頼送信先及び依頼送信元が変換されて(S41)、次のファイル検索装置100へ転送される(S42)。そして、メイン処理へ戻る。
【0063】
また、依頼情報401の依頼送信先が自身であった場合には(S35:NO)、有力装置推定処理が行われる(S36、図16参照)。この有力装置推定処理は、検索依頼をしたファイル検索装置100(依頼装置)が検索の依頼先として自身を選択しているが、検索の依頼先とされたファイル検索装置100自身が、自分以上に検索条件に合ったファイルを所有していると推測されるファイル検索装置100を探すために行われる。ここでは、送信回数として、依頼情報401のデータ項目「送信回数」の値が渡される。依頼送信元の本IDとして依頼情報401のデータ項目「送信元」の値が渡され、検索IDとして依頼情報401のデータ項目「検索ID」の値が渡され、キーワードには依頼情報401のデータ項目「メインキーワード」のキーワードが渡される。
【0064】
そこで、図16に示すように、有力装置推定処理において、装置距離Dtmpが算出され(S21)、有力装置候補群が抽出される(S22)。ここでは、「依頼情報401の依頼送信元のファイル検索装置100」でなく、「距離が装置距離Dtmpよりも大きいファイル検索装置100」でもなく、「依頼情報401の検索IDに対して検索済み情報に登録されているファイル検索装置100」でもないファイル検索装置100が抽出される。そして、有力装置候補があれば(S23:YES)、ファイル検索装置100ごとに検索キーワードに一致するキーワードが計数され(S24)、計数された値の最も大きなファイル検索装置100が「有力装置」とされる(S25)。そして、依頼情報受付処理へ戻る。
【0065】
そして、図17に示すように、依頼情報受付処理では、有力装置推定処理が行われると(S36)、有力装置があったか否かの判断が行われる(S37)。なお、有力装置推定処理では、自身も含めたファイル検索装置100から有力装置が決定される。したがって、検索する装置として自身が相応しい場合には、自身が「有力装置」とされる場合もある。有力装置があれば(S37:YES)、有力装置が自身であるか否かの判断が行われる(S39)。自身が有力候補であれば(S39:YES)、自身の共有ファイル記憶エリア132に記憶されているファイルの中から、検索キーワードにファイル名に含むファイルが検索される(S43)。検索されたファイルはRAM11の検索結果記憶エリア(図示外)に記憶される。そして、S44へ進み、結果情報402を送信する処理が行われる(S44〜S47)。
【0066】
まず、検索結果生成処理が行われる(S44、図20参照)。図20に示すように、検索結果生成処理では、まず、データ項目「情報識別番号」に結果情報402であることを示す「1」がセットされた結果情報402がRAM11の結果情報記憶エリア(図示外)に作成される(S61)。そして、データ項目「検索ID」に依頼情報401の検索IDがセットされる(S62)。データ項目「送信先」には依頼情報401のデータ項目「送信元」のIDが結果送信先としてセットされ、データ項目「送信元」には自身の本IDが結果送信元セットされる(S63)。データ項目「送信回数」には「1」がセットされ(S64)、データ項目「メインキーワード」には依頼情報401のメインキーワードがセットされ、データ項目「サブキーワード」には依頼情報401のサブキーワードがセットされる(S65)。データ項目「検索結果」には、検索結果記憶エリアに記憶されている情報がセットされる(S66)。そして、依頼情報受付処理へ戻る。依頼情報受付処理では、図17に示すように、結果情報生成処理が行われて、結果情報402が生成されると(S44)、依頼情報401の検索IDに対応させて自身の本IDが検索済み情報記憶エリアに登録される(S45)。次いで、依頼情報401の依頼送信元のIDに対応させて、キーワード情報記憶エリア135にメインキーワードが記憶される(S46)。そして、検索結果記憶エリアに記憶されている結果情報402が送信される(S47)。ここでは、経路情報記憶エリア134が参照され、依頼情報401の依頼送信先とされているファイル検索装置100の本IDに対応して「アドレス」に記憶されているグループ装置が読み出される。そして、グループアドレス記憶エリア131が参照され、読み出されたグループ装置のアドレスが読み出されて、そのアドレス宛に結果情報402が送信される。そして、メイン処理へ戻る。
【0067】
また、依頼情報受付処理において、有力装置推定処理が行われ(S36)、有力装置があったが(S37:YES)、有力装置が自身でなかった場合には(S39:NO)、有力装置にファイル検索の再依頼を行うための再依頼処理が行われる(S40、図19参照)。図19に示すように、再依頼処理では、依頼情報401のデータ項目「送信先」にS36の有力装置推定処理で決定された有力装置の本IDがセットされる。データ項目「送信元」には、依頼情報401の依頼送信元のIDを本IDとしたファイル検索装置100の仮IDが経路情報記憶エリア134から取得されて新たな依頼送信元としてセットされる(S56)。次いで、データ項目「送信回数」の値に「1」が加算される(S57)。そして、依頼情報受付処理へ戻り、図17に示すように、依頼情報401が送信される(S42)。ここでは、経路情報記憶エリア134が参照され、依頼情報401の依頼送信先とされているファイル検索装置100の本IDに対応して「アドレス」に記憶されているグループ装置が読み出される。そして、グループアドレス記憶エリア131が参照され、読み出されたグループ装置のアドレスが読み出されて、そのアドレス宛に依頼情報401が送信される。そして、メイン処理へ戻る。
【0068】
また、依頼情報受付処理のS34において、依頼情報401の送信回数が最大送信回数に等しければ(S34:YES)、これ以上、依頼情報401を他のファイル検索装置100へ送信しないので、自身の共有ファイル記憶エリア132に記憶されているファイルの中から、検索キーワードをファイル名に含むファイルが検索される(S43)。そして、結果情報402が生成され(S44)、依頼情報401の検索IDに対応させて自身の本IDが検索済み情報記憶エリアに登録される(S45)。次いで、依頼情報401の依頼送信元のIDに対応させて、キーワード情報記憶エリア135にメインキーワードが記憶され(S46)、検索結果記憶エリアに記憶されている結果情報402が送信される(S47)。そして、メイン処理へ戻る。
【0069】
以上のようにして、依頼情報受付処理では、他のファイル検索装置100から依頼情報401を受信したら、依頼情報401に応じた処理が行われる。過去にデータ授受のないファイル検索装置100からの依頼情報401であれば、経路情報に登録する。送信回数が最大送信回数となっていれば、自身の共有ファイルをキーワード検索して結果情報402を送信する。送信回数が最大回数に満たず、依頼送信先が自身でなければ、依頼送信先のファイル検索装置100へ依頼情報401を転送する。依頼送信先が自身であれば、有力装置を決定する。有力装置が自身であれば、自身の共有ファイルをキーワード検索して結果情報402を送信する。有力装置が自身でなければ、有力装置へ検索を再依頼する。
【0070】
次に、図21乃至図23を参照して、検索結果受付処理について説明する。検索結果受付処理では、まず、受信した結果情報402がRAM11の結果情報記憶エリア(図示外)に記憶される(S71)。次いで、結果送信元が経路情報記憶エリア134に登録済みであるか否かの判断が行われる(S72)。結果情報402のデータ項目「送信元」にセットされているIDが、経路情報記憶エリア134のデータ項目「本ID」に記憶されていれば、登録済みであると判断される(S72:YES)。一方、経路情報記憶エリア134のデータ項目「本ID」に記憶されていなければ、登録済みでないと判断される(S72:NO)。そこで、新たなファイル検索装置100とのデータ授受となるので、経路情報にそのファイル検索装置100についての情報が登録される(S73)。ここでは、仮IDに新たなIDが割り当てられデータ項目「仮ID」に記憶され、データ項目「本ID」に結果情報402のデータ項目「送信元」にセットされているIDが記憶される。さらに、キーワード情報記憶エリア135にデータが追加され、データ項目「装置」に本IDが記憶され、データ項目「距離」に結果情報402の送信回数が記憶される。
【0071】
次いで、結果情報402の検索IDに対応させて、データ項目「送信元」のIDが検索済み情報記憶エリアに登録される(S74)。そして、結果情報402の結果送信先が自身であるか否かの判断が行われる(S75)。自身でなければ(S75:NO)、結果送信先のファイル検索装置100へ結果情報402を転送するために、結果情報変換処理が行われる(S76、図22参照)。図22に示すように、結果情報変換処理では、データ項目「送信先」に結果情報402の結果送信先のIDを仮IDとしたファイル検索装置100の本IDが新たな結果送信先としてセットされ、データ項目「送信元」に結果情報402の結果送信元のIDを本IDとしたファイル検索装置100の仮IDが新たな結果送信元としてセットされる(S91)。そして、データ項目「送信回数」に「1」が加算される(S92)。そして、結果情報受付処理へ戻り、図21に示すように、結果情報402が送信される(S77)。ここでは、経路情報記憶エリア134が参照され、結果情報402の結果送信先とされているファイル検索装置100の本IDに対応して「アドレス」に記憶されているグループ装置が読み出される。そして、グループアドレス記憶エリア131が参照され、読み出されたグループ装置のアドレスが読み出されて、そのアドレス宛に結果情報402が送信される。そして、結果情報受付処理は終了して、メイン処理へ戻る。
【0072】
また、S75において、結果送信先のファイル検索装置100が自身であった場合には(S75:YES)、ファイル検索を依頼したファイル検索装置100が自身であり、そのファイル検索装置100へ結果情報402が送信されてきていることになる。そこで、検索結果のファイル名が出力機器24へ表示される(S78)。そして、受信した検索結果のファイル数が検索ファイル数記憶エリアに記憶され、検索結果を受信した数が検索数記憶エリアに記憶される(S79)。検索を終了する条件を満たしているか否かの判断が行われる(S80)。本実施の形態では、検索結果として受信したファイル数が所定数以上である場合、又は、検索を行ったファイル検索装置100の数が所定数以上である場合に検索終了の条件を満たしていると判断される(S80:YES)。終了条件を満たしてれいれば、メイン処理へ戻る。
【0073】
また、終了条件を満たしていなければ(S80:NO)、依頼情報再送処理が行われる(S81、図23参照)。まず、依頼情報401の送信回数が「0」に初期化される(S100)。有力装置推定処理が行われる(S101、図16)。ここでは、送信回数として、依頼情報401のデータ項目「送信回数」の値が渡される。結果送信元の本IDは渡されない。検索IDとして結果情報402のデータ項目「検索ID」の値が渡され、キーワードには結果情報402のデータ項目「メインキーワード」のキーワードが渡される。そこで、図16に示すように、有力装置推定処理において、装置距離Dtmpが算出され(S21)、有力装置候補群が抽出される。ここでは、1つ目の条件「結果情報402の結果送信元のファイル検索装置100」は判断されず、2つ目の条件「距離が装置距離Dtmpよりも大きいファイル検索装置100」でなく、3つ目の条件「結果情報402の検索IDに対して検索済み情報に登録されているファイル検索装置100」でないファイル検索装置100が抽出される。ここでは、検索依頼をするファイル検索装置100での有力装置推定処理が行われているので、1つ目の条件を満たすファイル検索装置100はない。そして、有力装置候補があれば(S23:YES)、ファイル検索装置100ごとに検索キーワードに一致するキーワードが計数され、計数された値の最も大きなファイル検索装置100が「有力装置」とされる。そして、依頼情報再送処理へ戻る。
【0074】
次いで、図23に示すように、依頼情報再送処理では、有力装置があれば(S102:YES)、依頼情報401が作成される(S103)。ここでは、ここでは、データ項目「情報識別番号」に、依頼情報401を示す「0」がセットされ、データ項目「検索ID」には、受信した結果情報402の検索IDがセットされる。データ項目「送信先」には、S101で決定された有力装置の本IDがセットされ、データ項目「送信元」には、自身の本IDがセットされる。そして、データ項目「送信回数」には「1」がセットされる。そして、データ項目「最大送信回数」には、依頼情報401を何回まで送信することを許可するかを示した値(本実施の形態では「3」)がセットされる。そして、データ項目「メインキーワード」には、受信した結果情報402のメインキーワードがセットされ、データ項目「サブキーワード」には、受信した結果情報402のサブキーワードがセットされる。データ項目「検索結果」には何もセットされない。そして、依頼情報401が送信される(S104)。そして、結果情報受付処理へ戻り、結果情報受付処理は終了して、メイン処理へ戻る。
【0075】
以上のようにして、結果情報受付処理では、自身が依頼した検索結果であれば、検索結果を表示しする。さらに、終了条件に満たない場合には、更なる検索を行うために、まだ依頼情報401を送信していないファイル検索装置100へ依頼情報401を送信している。また、他のファイル検索装置100への結果情報402であれば、そのファイル検索装置100へ結果情報402を転送している。
【0076】
ここで、図1,図4,図6,図8乃至図10、図14乃至図25を参照して、ファイル検索装置106でファイル検索の依頼を行った場合の動作を説明する。図24は、ファイル検索装置106のキーワード情報記憶エリア1356の一例を示す模式図であり、図25は、ファイル検索装置103のキーワード情報記憶エリア1353の一例を示す模式図である。装置名「F」のファイル検索装置106において、検索画面のキーワード入力欄に「地図」というキーワードが入力されて、ファイル検索が依頼されたとする。
【0077】
検索依頼が行われたファイル検索装置106(装置名「F」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14参照)では、「検索要求」の入力を受付(S2:YES)、ファイル検索処理が行われる(S5)。ファイル検索処理(図12参照)では、入力キーワードがあり(S10:YES)、検索キーワードが決定される(S11)。ここでは、メインキーワードとして「地図」が記憶される。また、類似語辞書に「マップ」,「map」が記憶されていたものとし、サブキーワードは「マップ」,「map」とする。次いで、検索IDが割り当てられる(S12)。ここでは、「R12345」とする。そして、送信回数が「0」とされる(S13)。次いで、有力装置推定処理が行われる(S14、図13)。装置距離Dtmp=「3−0=3」とされる。そして有力装置候補群が抽出される。1つ目及び3つ目の条件は、最初の依頼情報401の送信で満たされることはない。2つ目の条件では、装置距離Dtmp=3であり、図24に示すように、距離が3より大きいファイル検索装置100はないので、これを満たすファイル検索装置100はない。よって、図24に示すF1,E1,E2,E4の全てのファイル検索装置100が有力装置候補とされる。
【0078】
有力装置候補は5つあるので(S23:YES)、ファイル検索装置100ごとにキーワード数が集計される(S24)。図24を参照するとF1,E1,E4には「地図」のキーワードは記憶されていないので「0」とされる。E2には「地図」が1つ記憶されているので「1」とされる。そして、有力装置は集計数の最も大きい「E2」に決定される(S25)。そして、ファイル検索処理(図12)へ戻ると、有力装置はあったので(S15:YES)、依頼情報が作成される(S16)。データ項目「情報識別番号」は「0」、データ項目「検索ID」は「R12345」、データ項目「送信先」には有力装置「E2」、データ項目「送信元」には自身の仮ID「F1」、データ項目「送信回数」には「0」、データ項目「最大送信回数」には「3」、データ項目「メインキーワード」には「地図」、データ項目「サブキーワード」には「マップ」,「map」がセットされる。データ項目「検索結果」には何もセットされない。次いで、データ項目「送信回数」が「1」に更新される(S17)。そして、経路情報1346(図9)が参照される。依頼送信先「E2」のデータ項目「アドレス」は「E」であるので、ファイル名「E」のアドレス宛てに依頼情報401が送信される(S18)。そして、検索ファイル数及び検索数が「0」とされる(S19)。
【0079】
以上のようにして、ファイル検索を依頼したファイル検索装置106では、1つ目の依頼先をファイル検索装置103(装置名「C」)とした依頼情報をファイル検索装置105(装置名「E」)へ送信する。
【0080】
次に、ファイル検索装置105(装置名「E」)での動作について説明する。ファイル検索装置105(装置名「E」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14参照)では、依頼情報401を受信し(S3:YES)、依頼情報受付処理が行われる(S6、図17)。依頼情報受付処理では、まず、受信した依頼情報が記憶される(S31)。依頼送信元は「F1」であり、図8に示すファイル検索装置105の経路情報1345を参照すると、3行目の仮ID「E3」のデータの本IDが「F1」となっており、依頼送信元は登録済みである(S32:YES)。そして、送信回数は「1」であり、最大送信回数「3」に等しくない(S34:NO)。また、依頼送信先は「E2」であり、自身の仮ID「E1」でないので、依頼送信先は自身でない(S35:NO)。そこで、依頼情報変換処理が行われる(S41、図18)。依頼情報変換処理では、依頼送信先及び依頼送信元が変換される(S51)。図8に示す経路情報1345を参照すると、依頼情報401の依頼送信先「E2」の本ID「C1」であるので、依頼送信先は「C1」に変換される。また、依頼情報401の依頼送信元「F1」の仮IDは「E3」であるので、依頼送信元は「E3」に変換される。そして、送信回数に「1」が加算されて「2」とされる。そして、依頼情報受付処理(図17)へ戻り、装置名「C」のアドレス宛に依頼情報401が送信される(S42)。
【0081】
以上のようにして、ファイル検索装置105(装置名「E」)では、依頼情報をファイル検索装置103(装置名「C」)へ転送している。
【0082】
次に、依頼情報をファイル検索装置103(装置名「C」)の動作について説明する。ファイル検索装置103(装置名「C」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14)では、依頼情報401を受信し(S3:YES)、依頼情報受付処理が行われる(S6、図17)。依頼情報受付処理では、まず、受信した依頼情報が記憶される(S31)。依頼送信元は「C1」であり、図6に示すファイル検索装置103の経路情報1343を参照すると、1行目の仮ID「C1」のデータの本IDが「C1」となっており、依頼送信元は登録済みである(S32:YES)。そして、送信回数は「2」であり、最大送信回数「3」に等しくない(S34:NO)。そして、依頼送信先は「C1」であり、自身の仮ID「C1」であるので、依頼送信先は自身である(S35:YES)。そこで、有力装置推定処理が行われる(S36、図16)。
【0083】
有力装置推定処理では、装置距離Dtmp=「3−2=1」とされる。そして有力装置候補群が抽出される。図25に示す、ファイル検索装置103(装置名「C」)のキーワード情報記憶エリア1353を参照する。1つ目は、「依頼送信元のファイル検索装置100」であることだが、依頼送信元は「E3」であり、自身ではないので満たさない。2つ目の条件は、「本ファイル検索装置100からの距離が装置距離Dtmpよりも大きい装置」であることであり、キーワード情報記憶エリア1353を参照すると、E3は距離が「2」であり、2つ目の条件を満たしているので有力装置候補から除かれる。3つ目の条件は、「検索済み情報記憶エリア136において、当該検索の検索IDに対して検索済みとされているファイル検索装置100」であることだが、検索ID「R12345」の検索はまだ1つも結果情報を受けていないので、いずれのファイル検索装置100においても検索済み情報に登録されていない。したがって、残りのいずれのファイル検索装置100も3つ目の条件は満たさない。よって、C1,C3,C2,E1が有力装置候補群とされる。
【0084】
有力装置候補は4つあるので(S23:YES)、ファイル検索装置100ごとにキーワード数が集計される(S24)。図25を参照するC3,E1には「地図」のキーワードは記憶されていないので「0」とされる。C1には「地図」が1つ記憶されているので「1」とされ、C2には「地図」が2つ記憶されているので「2」とされる。そして、有力装置は集計数の最も大きい「C2」に決定される(S25)。そして、ファイル検索処理(図12)へ戻ると、有力装置はあったので(S37:YES)、有力装置は「C2」であり、自身「C1」でないので(S39:NO)、再依頼処理が行われる(S40、図19)。再依頼処理では、依頼送信先及び依頼送信元が変換される。依頼送信先は、有力装置「C2」の本ID「A1」とされ、依頼送信元は、依頼情報の依頼送信元「E3」の仮ID「C6」とされる(S56)。そして、送信回数に「1」が加算されて「3」とされる(S57)。そして、依頼情報受付処理へ戻り、依頼情報401が送信される(S42)。ここでは、経路情報1343(図6)が参照される。依頼送信先「C2」のデータ項目「アドレス」は「A」であるので、ファイル名「A」のアドレス宛てに依頼情報401が送信される。
【0085】
以上のようにして、依頼情報をファイル検索装置103(装置名「C」)では、自身に依頼された検索を、ファイル検索装置101(装置名「A」)に再依頼している。
【0086】
次に、ファイル検索装置101(装置名「A」)の動作について説明する。ファイル検索装置101(装置名「A」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14)では、依頼情報401を受信し(S3:YES)、依頼情報受付処理が行われる(S6、図17)。依頼情報受付処理では、まず、受信した依頼情報が記憶される(S31)。依頼送信元は「C6」であり、図4に示すファイル検索装置101の経路情報1341を参照すると、「C6」は登録されていない(S32:NO)。そこで、経路情報1341に「C6」を登録する(S33)。図4に示す例では、新たに仮ID「A6」が割り当てられ、本IDに「C6」が記憶される。さらに、「C6」の頭の一文字が「C」であることから、本ID「C6」が装置名「C」のファイル検索装置103で割り当てられた仮IDであることがわかる。そこで、データ項目「アドレス」には「C」が記憶される。そして、キーワード情報記憶エリア135にデータが追加され、データ項目「装置」に「C6」、データ項目「距離」に送信回数の「3」が記憶される。
【0087】
そして、送信回数は「3」であり、最大送信回数「3」に等しいので(S34:YES)、ファイル検索装置101の共有ファイル記憶エリア132が検索される(S43)。本検索は、ファイル名に「地図」,「マップ」,「map」という文字の含まれるファイルが抽出される。ここでは、「日本地図.gif」、「地図測量の発展.txt」という2つのファイルが検索されたとする。そこで、結果情報生成処理が行われる(S44、図20)。
【0088】
まず、データ項目「情報識別番号」には「1」(S61)、データ項目「検索ID」には「R12345」(S62)、結果送信先には依頼情報401のデータ項目「送信元」のID「C6」、データ項目「送信元」には自身の本ID「A1」(S63)、データ項目「送信回数」には「1」(S64)、データ項目「メインキーワード」には依頼情報401のメインキーワード「地図」、データ項目「サブキーワード」には依頼情報401のサブキーワード「マップ」,「map」(S65)、データ項目「検索結果」には、「日本地図.gif」、「地図測量の発展.txt」のファイルがセットされる(S66)。そして、依頼情報受付処理へ戻る。依頼情報受付処理では、検索ID「R12345」に対応させて自身の本ID「A1」が検索済み情報記憶エリアに登録される(S45)。次いで、依頼送信元のID「C6」に対応させて、キーワード情報記憶エリア135にメインキーワード「地図」が記憶される(S46)。そして、結果情報402が送信される(S47)。ここでは、経路情報1341を参照すると「C6」のアドレスは装置名「C」のファイル検索装置100のアドレスであるので(S33にて登録済み)、装置名「C」のアドレスに結果情報402が送信される。
【0089】
以上のようにして、ファイル検索装置101(装置名「A」)においてファイルが検索されて、結果情報が本ID「C6」、つまり、ファイル検索装置106(装置名「F」)へ向けて、まずファイル検索装置103(装置名「C」)へ送信される。
【0090】
次に、ファイル検索装置103(装置名「C」)の動作について説明する。ファイル検索装置103(装置名「C」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14)では、結果情報402を受信すると(S4:YES)、結果情報受付処理が行われる(S7、図21)。結果情報受付処理では、受信した結果情報が記憶される(S71)。結果送信元は「A1」であり、図6に示す経路情報1343を参照すると、仮ID「C2」に本ID「A1」が登録されている(S72:YES)。次いで、結果送信元「A1」が検索ID「R12345」に対応して検索済み情報記憶エリア136に記憶される(S74)。そして、結果送信先は「C6」であり自身「C1」でないので(S75:NO)、結果情報変換処理が行われる(S76、図22)。結果情報変換処理では、結果送信先及び結果送信元が変換される(S91)。経路情報1343を参照すると、結果情報402の結果送信先「C6」の本IDは「E3」であるので結果送信先は「E3」とされる。結果情報402の結果送信元「A1」の仮IDは「C2」であるので、結果送信元は「C2」とされる。そして、送信回数に「1」が加算されて「2」とされる(S92)。そして、結果情報受付処理へ戻り、結果情報402が送信される。結果送信先は「E3」であるので、装置名「E」のアドレスへ送信される。
【0091】
以上のようにして、ファイル検索装置103(装置名「C」)は検索結果を転送し、検索済み情報に登録される。
【0092】
次に、ファイル検索装置105(装置名「E」)での動作について説明する。ファイル検索装置105(装置名「E」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14参照)では、結果情報402を受信し(S4:YES)、結果情報受付処理が行われる(S7、図21)。結果情報受付処理では、受信した結果情報が記憶される(S71)。結果送信元は「C2」であり、図6に示す経路情報1343を参照すると、仮ID「E5」に本ID「C2」が登録されている(S72:YES)。次いで、結果送信元「C2」が検索ID「R12345」に対応して検索済み情報記憶エリア136に記憶される(S74)。そして、結果送信先は「E3」であり自身「E1」でないので(S75:NO)、結果情報変換処理が行われる(S76、図22)。結果情報変換処理では、結果送信先及び結果送信元が変換される(S91)。経路情報1343を参照すると、結果情報402の結果送信先「E3」の本IDは「F1」であるので結果送信先は「F1」とされる。結果情報402の結果送信元「C2」の仮IDは「E5」であるので、結果送信元は「E5」とされる。そして、送信回数に「1」が加算されて「3」とされる(S92)。そして、結果情報受付処理へ戻り、結果情報402が送信される。結果送信先は「F1」であるので、装置名「F」のアドレスへ送信される。
【0093】
以上のようにして、ファイル検索装置105(装置名「E」)は検索結果を転送し、検索済み情報に登録される。
【0094】
次に、ファイル検索装置106(装置名「F」)の動作について説明する。ファイル検索装置106(装置名「F」)のCPU10が実施しているメイン処理(図14参照)では、結果情報402を受信し(S4:YES)、結果情報受付処理が行われる(S7、図21)。結果情報受付処理では、受信した結果情報が記憶される(S71)。結果送信元は「E5」であり、図6に示す経路情報1343を参照すると、「E5」は登録されていない(S72:NO)。そこで、経路情報1341に「E5」が登録される(S73)。図4に示す例では、新たに仮ID「F5」が割り当てられ、本IDに「E5」が記憶される。さらに、「E5」の頭の一文字が「E」であることから、本ID「E5」が装置名「E」のファイル検索装置105で割り当てられた仮IDであることがわかる。そこで、データ項目「アドレス」には「E」が記憶される。そして、キーワード情報記憶エリア135にデータが追加され、データ項目「装置」に「E5」、データ項目「距離」に送信回数の「3」が記憶される。
【0095】
そして、結果送信元「E5」が検索ID「R12345」に対して検索済みであるとして、検索済み情報記憶エリア136に記憶される(S74)。そして、結果送信先は「F1」であり、自身「F1」に一致するので(S75:YES)、検索結果が表示される(S78)。そして、検索ファイル数に「日本地図.gif」、「地図測量の発展.txt」の「2」が加算され、検索数に「1」が加算される(S79)。そして、検索条件を満たしているか否かの判断が行われる(S80)。例えば、本実施の形態では、検索ファイル数が「5」以上、検索数が「3」以上であるとすると、条件を満たしていない。そこで、依頼情報再送処理が行われる(S81)。
【0096】
依頼情報再送処理では、まず、送信回数が「0」に初期化される(S100)。そして、有力装置推定処理が行われる(S101、図16)。有力装置推定処理では、装置距離Dtmp=「3−0=3」とされる。1つ目の条件は、依頼情報401の再送信なので満たされることはない。2つ目の条件は、「本ファイル検索装置100からの距離が装置距離Dtmpよりも大きい装置」であることであり、図24に示すキーワード情報記憶エリア1353を参照すると(S73にて仮ID「F5」、本ID「E5」、距離「3」が新規登録済み)、「3」より大きい距離のファイル検索装置100はないので、条件を満たすファイル検索装置100はない。3つ目の条件は、「検索済み情報記憶エリア136において、当該検索の検索IDに対して検索済みとされているファイル検索装置100」であることである。検索ID「R12345」の検索については、ファイル検索装置101(装置名「A」)において検索済みであり、S74にて登録済みであるので、本ID「E5」は有力装置群から除かれる。したがって、F1,E1,E2,E4が有力装置候補とされる。これは最初の依頼情報401送信時と同様の有力装置候補群である。
【0097】
有力装置候補は4つあるので(S23:YES)、ファイル検索装置100ごとにキーワード数が集計される(S24)。最初の依頼情報401の送信時と同様に、有力装置は集計数の最も大きい「E2」に決定される(S25)。そして、ファイル検索処理(図12)へ戻ると、有力装置はあったので(S15:YES)、依頼情報が作成される(S16)。データ項目「情報識別番号」は「0」、データ項目「検索ID」は「R12345」、データ項目「送信先」には有力装置「E2」、データ項目「送信元」には自身の仮ID「F1」、データ項目「送信回数」には「0」、データ項目「最大送信回数」には「3」、データ項目「メインキーワード」には「地図」、データ項目「サブキーワード」には「マップ」,「map」がセットされる。データ項目「検索結果」には何もセットされない。次いで、データ項目「送信回数」が「1」に更新される(S17)。そして、経路情報1346(図9)が参照される。依頼送信先「E2」のデータ項目「アドレス」は「E」であるので、ファイル名「E」のアドレス宛てに依頼情報401が送信される(S18)。そして、検索ファイル数及び検索数が「0」とされる(S19)。
【0098】
そして、ファイル検索装置105(装置名「E」)においては、前回と同様の処理が行われて、依頼情報401がファイル検索装置104(装置名「C」)へ転送される。
【0099】
そして、ファイル検索装置104(装置名「C」)では、1つ目の依頼情報401と同様にS31〜S35の処理が行われ、有力装置推定処理が行われる(S36、図16)。有力装置推定処理では、装置距離Dtmp=「3−2=1」とされる。そして有力装置候補群が抽出される。1つ目は、「依頼送信元のファイル検索装置100」であることだが、依頼送信元は「E3」であり、自身ではないので満たさない。2つ目の条件は、「本ファイル検索装置100からの距離が装置距離Dtmpよりも大きい装置」であることであり、図25に示すキーワード情報記憶エリア1353を参照すると、E3は距離が「2」であり、2つ目の条件を満たしているので有力装置候補から除かれる。3つ目の条件は、「検索済み情報記憶エリア136において、当該検索の検索IDに対して検索済みとされているファイル検索装置100」である。検索ID「R12345」に対しては「A1」が検索済みとされているので、本ID「A1」の仮ID「C2」が有力装置候補から除かれる。よって、C1,C3,E1が有力装置候補群とされる。
【0100】
有力装置候補は3つあるので(S23:YES)、ファイル検索装置100ごとにキーワード数が集計される(S24)。図25を参照すると、C1には「地図」が1つ記憶されているので「1」とされ、C2には「地図」が2つ記憶されているので「2」とされる。そして、有力装置は集計数の最も大きい「C1」に決定される(S25)。1回目の依頼情報401と受信した際には、有力装置は仮ID「C2」、つまり、ファイル検索装置101(装置名「A」)とされたが、このファイル検索装置101は検索済みとなったので、今回は有力装置に選ばれていない。
【0101】
そして、ファイル検索処理(図12)へ戻ると、有力装置はあったので(S37:YES)、有力装置は「C1」であり、自身「C1」であるので(S39:YES)、ファイル検索装置103の共有ファイル記憶エリア132が検索される(S43)。ここでは、「地図(名古屋市).gif」、「地図(愛知県).gif」、「地図(三重県).gif」、「地図(岐阜県).gif」という4つのファイルが検索されたとする。そこで、結果情報生成処理が行われる(S44、図20)。
【0102】
まず、データ項目「情報識別番号」には「1」(S61)、データ項目「検索ID」には「R12345」(S62)、結果送信先には依頼情報401のデータ項目「送信元」のID「C6」、データ項目「送信元」には自身の本ID「C1」(S63)、データ項目「送信回数」には「1」(S64)、データ項目「メインキーワード」には依頼情報401のメインキーワード「地図」、データ項目「サブキーワード」には依頼情報401のサブキーワード「マップ」,「map」(S65)、データ項目「検索結果」には、「地図(名古屋市).gif」、「地図(愛知県).gif」、「地図(三重県).gif」、「地図(岐阜県).gif」のファイルがセットされる(S66)。そして、依頼情報受付処理へ戻る。依頼情報受付処理では、検索ID「R12345」に対応させて自身の本ID「C1」が検索済み情報記憶エリアに登録される(S45)。次いで、依頼送信元のID「E3」に対応させて、キーワード情報記憶エリア135にメインキーワード「地図」が記憶される(S46)。そして、結果情報402が送信される(S47)。ここでは、経路情報1341を参照すると「E3」のアドレスは装置名「E」のファイル検索装置100のアドレスであるので(S33にて登録済み)、装置名「E」のアドレスに2つ目の結果情報402が送信される。
【0103】
以上のようにして、ファイル検索装置104(装置名「C」)においてファイルが検索されて、結果情報が本ID「E3」、つまり、ファイル検索装置106(装置名「F」)へ向けて、まずファイル検索装置105(装置名「E」)へ送信される。
【0104】
そして、ファイル検索装置105(装置名「E」)では、2つ目の結果情報402を受信すると(S4:YES)、結果情報受付処理が行われる(S7、図21)。結果情報受付処理では、受信した結果情報が記憶される(S71)。結果送信元は「C1」であり、図6に示す経路情報1343を参照すると、仮ID「C1」に本ID「C1」が登録されている(S72:YES)。次いで、結果送信元「C1」が検索ID「R12345」に対応して検索済み情報記憶エリア136に記憶される(S74)。そして、結果送信先は「E3」であり自身「E1」でないので(S75:NO)、結果情報変換処理が行われる(S76、図22)。結果情報変換処理では、結果送信先及び結果送信元が変換される(S91)。経路情報1343を参照すると、結果情報402の結果送信先「E3」の本IDは「F1」であるので結果送信先は「F1」とされる。結果情報402の結果送信元「C1」の仮IDは「E2」であるので、結果送信元は「E2」とされる。そして、送信回数に「1」が加算されて「2」とされる(S92)。そして、結果情報受付処理へ戻り、結果情報402が送信される。結果送信先は「E3」であるので、装置名「F」のアドレスへ送信される。
【0105】
以上のようにして、ファイル検索装置105(装置名「E」)は検索結果を転送し、検索済み情報に登録される。
【0106】
そして、ファイル検索装置106(装置名「F」)では、結果情報402を受信し(S4:YES)、結果情報受付処理が行われる(S7、図21)。結果情報受付処理では、受信した結果情報が記憶される(S71)。結果送信元は「E2」であり、図6に示す経路情報1343を参照すると、仮ID「F3」に本ID「E2」が登録されている(S72:YES)。そして、結果送信元「E2」が検索ID「R12345」に対して検索済みであるとして、検索済み情報記憶エリア136に記憶される(S74)。そして、結果送信先は「F1」であり、自身「F1」に一致するので(S75:YES)、検索結果が表示される(S78)。そして、検索ファイル数に「地図(名古屋市).gif」、「地図(愛知県).gif」、「地図(三重県).gif」、「地図(岐阜県).gif」の「4」が加算され「6」となり、検索数に「1」が加算され「2」となる(S79)。そして、検索条件を満たしているか否かの判断が行われる(S80)。検索ファイル数が「5」以上の「6」となったので、条件を満たしていると判断される(S80:YES)。これで、本検索は終了する。
【0107】
以上のようにして、ファイル検索装置106において依頼されたファイル検索が、ファイル検索装置101,103において行われる。ファイル検索装置106は、ファイル検索装置105のアドレスを知るのみであり、ファイル検索装置101,103のアドレスは知らなくても、ファイル検索装置101,103の所有するファイルを検索し、取得することができる。また、ファイル検索装置101,103も、ファイル検索装置106のアドレスを知らないが、ファイル検索装置106へファイルを提供することができる。よって、アドレスを知らないファイル検索装置100からもファイルを取得できるため、検索範囲が広がり、求めるファイルを取得できる可能性が高くなり、ユーザの利便性が向上する。ファイルを検索する際に、自身のアドレスをグループ外のファイル検索装置100に知らせる必要がないため安全性が高い。また、ファイルを提供する側のファイル検索装置100においても、ファイルを提供する先にアドレスを知られることがないため、安全性が高い。
【0108】
また、類似語辞書を用いて検索を行っているため、求めるファイルを検索するために、種々の表記(例えば、バイオリン,ヴァイオリン,violin)で入力する必要がない。また、ユーザが思いつかない表記についても類似語辞書に登録されていれば、サブキーワードとされるので、より細かいキーワードを生成することができ、求めるファイルを取得する可能性が高くなる。
【0109】
また、検索済み情報で、ファイル検索を行ったファイル検索装置100を記録しているので、一度検索したファイル検索装置100で再度ファイル検索を行ってしまうことがない。よって、同じファイルを何度も取得してしまうこともない。さらに、検索終了条件を設けているので、無限に依頼情報を送り続けてしまうことがない。
【0110】
なお、上記実施の形態の共有ファイル記憶エリア132が「ファイル記憶手段」に該当し、グループアドレス記憶エリア131が「アドレス記憶手段」に該当し、経路情報記憶エリア134が「経路情報記憶手段」に該当する。そして、キーワード情報記憶エリア135が「キーワード情報記憶エリア」に該当し、類似語辞書記憶エリア133が「類似語記憶手段」に該当し、検索済み情報記憶エリア136が「検索済み情報記憶手段」に該当する。また、本IDが「本識別符号」に該当し、仮IDが「仮識別符号」に該当する。
【0111】
そして、図17に示す依頼情報受付処理のS43でファイル検索を行うCPU10が「検索手段」に相当する。また、図14に示すメイン処理のS1で出力された検索画面のキーワード入力欄が「検索キーワード入力手段」に相当する。図15に示すファイル検索依頼処理のS16において依頼情報401を作成する処理を行うCPU10が「第一依頼情報作成手段」に相当し、S18において依頼情報401を送信する処理を行うCPU10が「第一依頼情報送信手段」に相当する。そして、図17に示す依頼情報受付処理のS35において、依頼送信先が自身であるか否かを判断する処理を行うCPU10が「依頼送信先判断手段」に相当する。図18に示す依頼情報変換処理のS51において依頼送信先及び依頼送信元を変換する処理を行うCPU10が「第二依頼情報作成手段」に相当し、図17に示す依頼情報受付処理のS42で、S41の依頼情報変換処理で依頼送信先及び依頼送信元が変換された依頼情報を送信する処理を行うCPU10が「第二依頼情報送信手段」に相当する。図17に示すS35で依頼送信先を自身と判断し、S43で共有ファイルを検索する処理を行うCPU10が「第一検索制御手段」に相当する。S44で結果情報生成処理(図20)を行うCPU10が「第一結果情報作成手段」に相当し、S47で結果情報を送信する処理を行うCPU10が「第一結果情報送信手段」に相当する。そして、図21に示す結果情報受付処理のS75において結果送信先が自身であるか否かを判断する処理を行うCPU10が「結果送信先判断手段」に相当する。図22に示す結果情報変換処理のS91において結果送信先及び結果送信元を変換する処理を行うCPU10が「第二結果情報作成手段」に相当し、図21に示す結果情報受付処理のS77において結果情報を送信する処理を行うCPU10が「第二結果情報送信手段」に相当し、S78で検索結果のファイル名を出力する処理を行うCPU10が「検索結果出力手段」に相当する。
【0112】
図17に示す依頼情報受付処理のS46においてキーワード情報にキーワードを登録する処理を行うCPU10が「キーワード記憶制御手段」に相当する。図16に示す有力装置推定処理のS24,S25においてキーワードの数をファイル検索装置100毎に集計して有力装置を決定する処理を行うCPU10が「送信順序決定手段」に相当する。図21に示す結果情報受付処理のS81(図23)において、次の有力装置に依頼情報を送信する処理を行うCPU10が「依頼情報送信制御手段」に相当する。
【0113】
図17に示す依頼情報受付処理のS35〜S40(図20)において、自身以外のファイル検索装置100が有力装置となった場合に、その有力装置へ送信する依頼情報を作成する処理を行うCPUが「第三依頼情報作成手段」に相当し、S42において、S40で作成された依頼情報を送信する処理を送信する処理を行うCPU10が「第三依頼情報送信手段」に相当する。図16に示す有力装置推定処理のS21において算出される装置距離Dtmpが「第一の所定数」に該当する。図17に示す依頼情報受付処理のS34,S43において、送信回数が最大送信回数(「第二の所定数」に該当)である場合に共有ファイルを検索する処理を行うCPU20が「第二検索制御手段」に相当する。
【0114】
図17に示す依頼情報受付処理のS45で自身を検索済み情報に登録する処理を行うCPU10が「第一検索済み情報記憶制御手段」に相当し、図21に示す結果情報受付処理のS74で結果送信元を検索済み情報に登録する処理を行うCPU10が「第二検索済み情報記憶制御手段」に相当する。S79で検索ファイル数を計数する処理を行うCPU10が「ファイル計数手段」に相当し、検索数(受信検索結果数)を計数する処理を行うCPU10が「受信係数手段」に相当する。
【0115】
なお、本発明のファイル検索装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記実施の形態では、ファイル名にキーワードが含まれるファイルを検索しているが、ファイル内の文字列にキーワードが含まれるファイルを検索してもよい。また、ファイル名に含まれるか、ファイル内に含まれるかをユーザに指定させてもよい。また、上記実施の形態では、有力装置を決定する際に、入力キーワード又はメインキーワードと一致するものの数を計数しているが、サブキーワード(類義語)と一致するものも計数してもよい。また、メインキーワードと一致するものには重みをつけて計数してもよい。例えば、メインキーワードと一致するキーワードがあった場合には3点、類義語と同じキーワードがあった場合には1点として集計する。
【0116】
また、上記実施の形態では、結果情報を受信した数を計数して、検索回数を計数しているが、依頼情報を送信する際(図15のS18)に依頼情報を送信した回数を計数して、検索回数としてもよい。この処理を行うCPU10が「送信計数手段」に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】ファイル検索システムを示す模式図である。
【図2】ファイル検索装置100の電気的構成を示す模式図である。
【図3】グループアドレス記憶エリア131の構成を示す模式図である。
【図4】ファイル検索装置101の経路情報1341の構成を示す模式図である。
【図5】ファイル検索装置102の経路情報1342の構成を示す模式図である。
【図6】ファイル検索装置103の経路情報1343の構成を示す模式図である。
【図7】ファイル検索装置104の経路情報1344の構成を示す模式図である。
【図8】ファイル検索装置105の経路情報1345の構成を示す模式図である。
【図9】ファイル検索装置106の経路情報1346の構成を示す模式図である。
【図10】キーワード情報記憶エリア135の構成を示す模式図である。
【図11】検索済み情報記憶エリア136の構成を示す模式図である。
【図12】依頼情報401の構成を示す模式図である。
【図13】結果情報402の構成を示す模式図である。
【図14】メイン処理のフローチャートである。
【図15】ファイル検索依頼処理のフローチャートである。
【図16】有力装置推定処理のフローチャートである。
【図17】依頼情報受付処理のフローチャートである。
【図18】依頼情報変換処理のフローチャートである。
【図19】再依頼処理のフローチャートである。
【図20】結果情報生成処理のフローチャートである。
【図21】結果情報受付処理のフローチャートである。
【図22】結果情報変換処理のフローチャートである。
【図23】依頼情報再送処理のフローチャートである。
【図24】ファイル検索装置106のキーワード情報記憶エリア1356の一例を示す模式図である。
【図25】ファイル検索装置103のキーワード情報記憶エリア1353の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0118】
10 CPU
13 ハードディスク装置
100 ファイル検索装置
131 グループアドレス記憶エリア
132 共有ファイル記憶エリア
133 類似語辞書記憶エリア
134 経路情報記憶エリア
135 キーワード情報記憶エリア
136 検索済み情報記憶エリア
137 ファイル検索プログラム記憶エリア
301 グループ
302 グループ
303 グループ
401 依頼情報
402 結果情報
1341 経路情報
1342 経路情報
1343 経路情報
1344 経路情報
1345 経路情報
1346 経路情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルを記憶するファイル記憶手段と、キーワードに基づいて前記ファイル記憶手段に記憶されている前記ファイルを検索する検索手段と、当該ファイル検索装置と同一のグループに属する同種のファイル検索装置であるグループ装置のアドレスを記憶するアドレス記憶手段とを備え、ユーザによる前記ファイル検索装置に対するファイル検索の要求に対して、当該ファイル検索装置の前記グループ装置又は、当該グループ装置を介して通信可能な同種のファイル検索装置である外部装置のファイル記憶手段に記憶されている前記ファイルを検索するファイル検索装置において、
ファイルの検索に用いるキーワードを入力する検索キーワード入力手段と、
当該ファイル検索装置が前記グループ装置及び前記アドレス記憶手段にアドレスが記憶されていない外部装置に対して割り当てた識別符号である仮識別符号、及び、当該ファイル検索装置の前記グループ装置が、当該グループ装置の前記グループ装置、並びに、当該グループ装置の前記外部装置に対して割り当てた識別符号である本識別符号を少なくとも含み、同一のファイル検索装置についての前記仮識別符号と前記本識別符号とを対応させて記憶した経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、
検索に用いるキーワードである検索キーワード、送信元のファイル検索装置を示す依頼送信元、及び、ファイルの検索の依頼対象となるファイル検索装置を示す依頼送信先を少なくとも含む依頼情報を、前記検索キーワードを前記検索キーワード入力手段により入力された入力キーワードとし、前記依頼送信元を自身を示す仮識別符号とし、前記依頼送信先を依頼対象となるファイル検索装置を示す本識別符号として作成する第一依頼情報作成手段と、
前記第一依頼情報作成手段により作成された前記依頼情報を前記依頼送信先の前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第一依頼情報送信手段と、
他のファイル検索装置から送信された前記依頼情報を受信した際に、前記依頼送信先が自身であるか否かを判断する依頼送信先判断手段と、
前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身でないと判断された場合には、前記経路情報記憶手段に記憶されている前記経路情報において、前記依頼送信元に示されている識別符号である前記本識別符号に対応した前記仮識別符号を前記依頼送信元とし、前記依頼送信先に示されている識別符号である前記仮識別符号に対応した前記本識別符号を前記依頼送信先として前記依頼情報を再作成する第二依頼情報作成手段と、
前記第二依頼情報作成手段により作成された前記依頼情報を前記依頼送信先である前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第二依頼情報送信手段と、
前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身であると判断された場合には、前記検索手段により当該依頼情報の前記検索キーワードで検索を行う第一検索制御手段と、
前記検索手段による検索結果、送信元のファイル検索装置を示す結果送信元、及び、検索結果の返却対象となるファイル検索装置を示す結果送信先を少なくとも含む結果情報を、前記結果送信元を前記依頼情報の依頼送信先に示されている識別符号とし、前記結果送信先を前記依頼情報の依頼送信元に示されている識別符号として作成する第一結果情報作成手段と、
前記第一結果情報作成手段により作成された前記結果情報を前記結果送信先に示されている識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第一結果情報送信手段と、
他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した際に、前記結果送信先が自身であるか否かを判断する結果送信先判断手段と、
前記結果送信先判断手段により前記結果送信先が自身でないと判断された場合には、前記経路情報において前記結果送信元に示されている識別符号である前記本識別符号に対応した前記仮識別符号を結果送信元とし、前記結果送信先に示されている識別符号である前記仮識別符号に対応した前記本識別符号を前記結果送信先として前記結果情報を再作成する第二結果情報作成手段と、
前記第二結果情報作成手段により作成された前記結果情報を前記結果送信先である前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第二結果情報送信手段と、
前記結果送信先判断手段により前記結果送信先が自身であると判断された場合には、前記検索結果を出力する検索結果出力手段とを備えたことを特徴とするファイル検索装置。
【請求項2】
前記依頼情報に含まれている前記依頼送信元が示す識別符号と前記検索キーワードとを対応させたキーワード情報を記憶するキーワード情報記憶手段と、
前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身であると判断された場合に、前記依頼送信元が示す識別符号と前記依頼情報の前記検索キーワードとを対応させて前記キーワード情報記憶手段に記憶するキーワード記憶制御手段と、
前記検索キーワード入力手段により入力された前記入力キーワード、及び、前記キーワード記憶手段に記憶されている前記キーワード情報に基づいて前記第一依頼情報送信手段により前記依頼情報を送信する順序を決定する送信順序決定手段と、
前記送信順序決定手段により決定された順序の最初のファイル検索装置に前記依頼情報を前記第一依頼情報送信手段により送信し、当該依頼情報の送信に対する結果情報を受信した後に次の順序のファイル検索装置に前記依頼情報を前記第一依頼情報送信手段により送信する依頼情報送信制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のファイル検索装置。
【請求項3】
前記送信順序決定手段は、前記キーワード情報記憶手段に記憶されている前記キーワードのうち前記検索キーワードと一致するキーワード数を前記識別符号ごとに計数し、計数されたキーワード数の多い順に前記送信順序を決定することを特徴とする請求項2に記載のファイル検索装置。
【請求項4】
所定の単語に対応して、当該単語と同じ意味又は類似する意味を持つ単語を類似語として記憶する類似語記憶手段を備え、
前記送信順序決定手段は、前記キーワード情報記憶手段に記憶されている前記キーワードのうち、前記検索キーワード又は、前記類似語記憶手段に前記検索キーワードの前記類似語として記憶されている単語と一致するキーワードの数を前記識別符号ごとに計数し、計数されたキーワード数の多い順に前記送信順序を決定することを特徴とする請求項2に記載のファイル検索装置。
【請求項5】
前記経路情報には、当該ファイル検索装置から前記仮識別符号及び前記本識別符号が示すファイル検索装置までいくつのファイル検索装置が情報を送信すれば届くかを示す送信回数が含まれ、
前記送信回数が第一の所定数よりも大きい前記ファイル検索装置に対しては前記依頼情報を送信しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項6】
前記依頼送信先判断手段により前記依頼送信先が自身であると判断された場合に、前記送信順序決定手段により自身のキーワード情報記憶手段に記憶されている前記キーワード情報に基づいて送信順序を決定し、自身のファイル検索装置よりも送信順序が前のファイル検索装置がある場合には、当該送信順序が前のファイル検索装置を依頼対象とし、前記依頼送信元を自身を示す仮識別符号とし、前記依頼送信先を当該送信順序が前のファイル検索装置を示す本識別符号とした依頼情報を作成する第三依頼情報作成手段と、
前記第三依頼情報作成手段により作成された前記依頼情報を前記依頼送信先である前記本識別符号を割り当てた前記グループ装置へ送信する第三依頼情報送信手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項7】
前記依頼情報は、少なくとも前記第二依頼情報送信手段により前記依頼情報を送信した回数である転送回数を含み、
他のファイル検索装置から送信された前記依頼情報の前記転送回数が第二の所定数である場合には、前記検索手段により当該依頼情報に含まれている前記検索キーワードで当該ファイル検索装置のファイル記憶手段の検索を行う第二検索制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項8】
前記依頼情報及び前記結果情報は当該検索依頼を識別するための識別符号である検索識別符号を含み、
前記検索識別符号に、前記検索手段により検索が行われた前記ファイル検索装置を示す前記本識別符号又は前記仮識別符号を対応付けた検索済み情報を記憶する検索済み情報記憶手段と、
前記検索手段により検索を行った際に、前記検索済み情報記憶手段の前記検索済み情報に当該検索の依頼情報の前記検索識別符号に対応させて当該ファイル検索装置の前記本識別符号又は前記仮識別符号を記憶する第一検索済み情報記憶制御手段と、
他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した際に、前記検索済み情報に当該結果情報の前記依頼識別符合に対応させて前記結果送信元を示す前記本識別符号又は前記仮識別符号を記憶する第二検索済み情報記憶制御手段と、
前記送信順序決定手段は、順序を決定するファイル検索装置から前記検索済み情報の当該依頼情報に含まれる検索識別符号に対応して記憶されている前記本識別符号の割り当てられた前記ファイル検索装置を外すことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項9】
他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した回数を計数する受信計数手段、又は、
他のファイル検索装置へ前記依頼情報を送信した回数を計数する送信計数手段を備え、
前記依頼情報送信制御手段は、前記受信計数手段により計数された前記受信回数又は前記送信計数手段により計数された前記送信回数が第三の所定数よりも多い場合には、前記依頼情報の送信を停止し、当該検索を終了させることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項10】
他のファイル検索装置から前記結果情報を受信した際に、前記結果情報の前記検索結果のファイル数を計数するファイル数計数手段を備え、
前記依頼情報送信制御手段は、前記ファイル数計数手段により計数されたファイル数が第四の所定数よりも多い場合には、前記依頼情報の送信を停止し、当該検索を終了させることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項11】
所定の単語に対応して、当該単語と同じ意味又は類似する意味を持つ単語を類似語として記憶する類似語記憶手段を備え、
前記依頼情報には、前記検索キーワードの他に前記類似語記憶手段に前記検索キーワードの前記類似語として記憶されている単語であるサブキーワードが含まれることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のファイル検索装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のファイル検索装置の各種処理手段としてコンピュータを機能させるファイル検索プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2009−93282(P2009−93282A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261140(P2007−261140)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】