説明

ファクシミリを受信するプリンタの制御装置

【課題】送信者が意図した受信者だけがファクシミリメッセージにアクセスすることができる制御装置を提供する。
【解決手段】セキュアプリントボックス(SPB、制御装置)20は、ファクシミリメッセージを受信する機能55と、ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスへ、ファクシミリメッセージの受信を通知する機能51と、至近距離における認証情報の提供によりファクシミリメッセージの宛先のユーザーを認証する認証機能52と、認証機能の認証により、ファクシミリメッセージの少なくとも一部を表示する機能53と、認証機能の認証と至近距離における印刷指示の入力とにより、プリンタ11に対する電源供給を開始する電源制御機能57と、認証機能の認証と印刷指示の入力とにより、ファクシミリメッセージをプリンタから紙出力する機能54とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリを受信するプリンタの近傍に設置されたり、プリンタに好適に内蔵される制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ファクシミリや複合機等の画像形成装置が開示されている。この画像形成装置の一実施例においては、複合機の通信制御部は、外部情報処理装置からデータ有無照会信号を受けると、指定された親展ボックスの画像データの有無を調べてレポートを作成し、外部情報処理装置へ送信する。また、外部情報処理装置からデータ送信要求信号を受けると、指定された親展ボックスの画像データの有無を調べ、画像有りの場合は、指定された親展ボックスの画像データを読み出して、外部情報処理装置へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−197319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファクシミリ通信は、画像情報を、通信回線(多くは電話網)を通して遠隔地に伝送することを示す。ファクシミリ通信では、送信側で原稿の二次元情報を線または点の適当な要素に分解し読み取り、データ圧縮や変調等の信号処理をして、電話網に送出し、受信側で信号を復調して原稿を復元する。ファクシミリ通信は、さらに、電話交換機を介さず、LANで外部のインターネットと接続されたIP電話と同様にIPベースで通信するものもある。
【0005】
このようなファクシミリ通信は、受信先の電話番号やIPアドレスを指定して情報を転送する、いわゆるピアツーピア型の通信であり、蓄積交換型あるいはクライアント−サーバー型で、幾つかのサーバーを経て転送される電子メールと比較すると、セキュリティの面で信頼性が高い。このため、ファクシミリ通信は、現状でも、電子メールと並行(併用)して情報の伝達に使用されている。
【0006】
しかしながら、ファクシミリ受信装置(受信の側のファクシミリ装置)は、公共の場所に設置されていたり、多くのユーザーによって共用されている。したがって、ファクシミリは個人のパーソナルコンピュータ(PC)で受発信できる電子メールに比べると利便性が低く、いったん受信されるとその内容がオープンになりやすい。このため、ファクシミリ通信の高い機密性が活かされているとは言い難い。
【0007】
ファクシミリ通信の機密性を維持するために、ファクシミリの送信のタイミングを電話で受信者に通知するなどの約束事を送信者と受信者との間で交わすことも可能である。しかしながら、送信者と受信者との都合を合わる必要が発生したり、ファクシミリ通信を行うタイミングが限定されてしまい、ファクシミリ通信における情報の伝達の時間的な自由度が損なわれてしまう。
【0008】
したがって、ファクシミリ通信のメリットを活かした機密性の高いシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、プリンタからの紙出力を確保する位置に設置される、またはプリンタに内蔵される制御装置である。この制御装置は、ファクシミリメッセージを受信する機能と、ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスへ、ファクシミリメッセージの受信を通知する機能と、当該制御装置の至近距離における認証情報の提供によりファクシミリメッセージの宛先のユーザーを認証する認証機能と、認証機能の認証を少なくとも1つの条件としてプリンタに対する電源供給を開始する電源制御機能と、認証機能の認証を少なくとも1つの条件としてファクシミリメッセージをプリンタから紙出力する機能とを有する。
【0010】
この制御装置においては、通知する機能によりユーザー(受信者)にファクシミリメッセージの到来を伝え、ユーザーをユーザーの都合のよいタイミングでプリンタ(ファクシミリドキュメントの出力場所)の近くに移動させ(引き寄せ)、プリンタの近くで認証機能によりユーザーを認証し、ファクシミリメッセージをプリンタから紙出力することにより、プリンタの近くにいるユーザーにファクシミリメッセージを確実に取得させることができる。
【0011】
したがって、ファクシミリ通信における情報の伝達の時間的な自由度が損なわれることなく、ファクシミリ通信の機密性も確保できる。さらに、ファクシミリ通信は情報の伝達の時間的な自由度を確保するために常時待機しており待機時の電力消費が大きいが、この制御装置においては認証されなければファクシミリメッセージが出力されない。したがって、電源制御機能が、認証機能の認証を少なくとも1つの条件としてプリンタに対する電源供給を開始することにより、プリンタの待機時の電力消費を抑制できる。
【0012】
この制御装置は、認証機能の認証により、ファクシミリメッセージの少なくとも一部を表示する機能をさらに有することが望ましい。また、電源制御機能は、認証機能の認証と当該制御装置の至近距離における印刷指示の入力とにより、プリンタに対する電源供給を開始し、紙出力する機能は、認証機能の認証と印刷指示の入力とにより、ファクシミリメッセージをプリンタから紙出力することが望ましい。表示する機能は、プリンタの近傍にいる認証されたユーザーに対してファックスの内容(ファクシミリメッセージの少なくとも一部)を見せることができる。ユーザーは、必要に応じて至近距離から印刷指示を入力することにより、ファクシミリメッセージの機密性を保ちながら、出力が必要な情報のみをプリントアウトし、不必要なドキュメントのプリントアウトを抑制できる。したがって、印刷コストとともに、印刷されたドキュメントにより機密性が低下することを抑制できる。
【0013】
当該制御装置の至近距離で提供される認証情報は、例えば、認証用のカード(磁気カード、ICカード、RFタグなど)や携帯電話に搭載された非接触ICカード情報、IDおよびパスワードのキー入力、音声識別、生体情報識別などに基づく認証情報を挙げることができる。
【0014】
ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスとしては、例えば、当該ユーザーの電子メールアドレスを挙げることができる。この場合、通知する機能は、ユーザーの電子メールアドレスへ電子メールを送信する機能を含むことが好ましい。
【0015】
この制御装置において、ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しない事態も考えられる。この制御装置は、宛先のユーザーのアドレスが判明しないファクシミリメッセージを放置したり、判明しない旨をファクシミリメッセージの送信先へ返す機能を含んでいてもよい。通知する機能が、ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該制御装置の管理者の電子メールアドレスへ、宛先のユーザーが判明しないファクシミリメッセージを受信したことおよびファクシミリメッセージの宛先表示部分を含む電子メールを送信する機能と、管理者により、宛先のユーザーが判明しないファクシミリメッセージの宛先として割り当てられたユーザーのアドレスへ、ファクシミリメッセージの受信を通知する機能とを含んでいてもよい。
【0016】
あるいは、通知する機能は、ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該制御装置の管理者を宛先のユーザーが判明しないファクシミリメッセージの宛先のユーザーとして自動的に割り当てる機能を含むものであってもよい。
【0017】
当該制御装置の一形態は、プリンタに対して外配置される(典型的には、プリンタからの紙出力を確保する位置に外設される)、独立した制御装置である。この場合、この制御装置は、プリンタの電源プラグを装着する電源インターフェイスと、プリンタと通信する通信インターフェイスとをさらに有することが望ましい。既存のプリンタをこの制御装置に接続するだけで上述した機能をプリンタに付加(付与)できる。また、上記の制御装置はプリンタに内蔵してもよい。外置きタイプの制御装置、またはプリンタ内蔵タイプの制御装置と、制御装置により電源がオンされるプリンタとを有するシステムを構築することにより、機密性が高く、さらに、プリンタの消費電力を低減できるシステムを提供できる。システムはプリントステーションあるいはファクシミリ受信システムなどとして構築される。
【0018】
本発明の他の態様の1つは、プリンタからの紙出力を確保する位置に設置される、またはプリンタに内蔵される装置の制御方法である。上記装置は、ファクシミリメッセージを受信する機能(機能ユニット、ユニット)と、ユーザーのアドレスへ、ファクシミリメッセージの受信を通知する機能(機能ユニット、ユニット)と、当該装置の至近距離における認証情報の提供によりユーザーを認証する認証機能(機能ユニット、ユニット)と、プリンタに対する電源供給を開始する電源制御機能(機能ユニット、ユニット)と、ファクシミリメッセージをプリンタへ転送する機能(機能ユニット、ユニット)とを有する。当該方法は以下のステップを有する。
1.受信する機能がファクシミリメッセージを受信すると、通知する機能がファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスへ、ファクシミリメッセージの受信を通知すること。
2.認証機能の認証を少なくとも1つの条件として電源制御機能がプリンタに対する電源供給を開始すること。
3.認証機能の認証を少なくとも1つの条件として転送する機能がファクシミリメッセージをプリンタに送りプリンタから紙出力させること。
【0019】
この制御方法によれば、ファクシミリ通信の機密性と情報伝達の時間的な自由度とを両立でき、さらに、待機時の消費電力を削減できる。
【0020】
この装置は、さらに、ファクシミリメッセージの少なくとも一部を表示する機能(機能ユニット、ユニット)と、当該装置の至近距離からの印刷指示を受ける機能(機能ユニット、ユニット)とを含むことが望ましい。さらに、制御方法は、認証機能によりファクシミリメッセージの宛先のユーザーを認証すると、前記ファクシミリメッセージの少なくとも一部を表示する機能が表示するステップを含むことが望ましい。この表示するステップは、電源供給を開始するステップおよび紙出力するステップよりも前に実行されることが望ましい。さらに、電源供給を開始するステップは、認証機能の認証と印刷指示とにより、電源制御機能がプリンタに対する電源供給を開始することを含み、紙出力するステップは、認証機能の認証と印刷指示とにより、転送する機能がファクシミリメッセージをプリンタに送り前記プリンタから紙出力させることを含むことが望ましい。これにより、紙出力を抑制し、プリントアウトに関わる電力および紙の消費を抑制でき、情報の機密性をさらに向上できる。
【0021】
また、通知するステップは、以下のステップを含んでいてもよい。
・ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該装置の管理者の電子メールアドレスへ、宛先のユーザーが判明しないファクシミリメッセージを受信したことおよびファクシミリメッセージの宛先表示部分を含む電子メールを送信すること。
・管理者により、宛先のユーザーが判明しないファクシミリメッセージの宛先として割り当てられたユーザーのアドレスへ、ファクシミリメッセージの受信を通知すること。
【0022】
また、通知するステップは、以下のステップを含んでいてもよい。
・ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該装置の管理者を宛先のユーザーが判明しないファクシミリメッセージの宛先のユーザーとして自動的に割り当てること。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】プリンタと本発明の一実施形態にかかる制御装置とを含むシステムの概要を示す図。
【図2】図1の制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】図1の制御装置の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に、幾つかのプリンタによりファクシミリメッセージを受信するシステムの概要を示している。このシステム1は、複数のプリンタ、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバーなどの機器を接続し、相互にデータ通信を可能とする通信網、たとえば、インターネット、LAN2を含む。さらにシステム1は、LAN2に接続され、プリンタに対してホスト装置(クライアント端末)となるPC5と、PC5とLAN2を介して通信できるように接続された複数のプリントステーション6a、6bおよび6cと、このシステム1の管理者7が使用する管理者端末7tとを含む。プリントステーション6a、6bおよび6cは、距離が離れた異なる場所において複数のユーザーに対して印刷するサービスを提供するステーションであってもよい。また、これらのプリントステーション6a、6bおよび6cは、距離の近い場所で、プリンタ11、12および30により異なる印刷するサービス、たとえば、モノクロ印刷、カラー印刷、コピーなどを提供するためのステーションであってもよい。
【0025】
プリントステーション6aは、プリンタ11と、プリンタ11からの紙出力を確保する位置に設置される制御装置20とを含んでいる。プリントステーション6bは、プリンタ12と、プリンタ12からの紙出力を確保する位置に設置される制御装置20とを含んでいる。プリントステーション6cは、プリンタ30と、プリンタ30に内蔵される制御装置(コントロールセクション)32とを含んでいる。制御装置20および32は、それぞれ、ファクシミリメッセージを受信する機能を含んでおり、電話回線61を介して公衆通信網60と接続されている。受信されたファクシミリメッセージは、制御装置20および32の中に保存される。電話回線61はインターネットを介して端末と端末とが接続される通信システム、たとえば、IP電話などのピアツーピア型の通信システムに接続されていてもよい。
【0026】
プリントステーション6aは、印刷に機能が限定された単機能のプリンタ(以降においてはSFP)11と、独立した制御装置20とを含む。この制御装置20は、SFP11の電源制御を行う機能も含んでいる。また、この制御装置20は、後述するように、ファクシミリメッセージを受信する機能を含み、特にファクシミリメッセージの情報漏洩を未然に防止するための機能を含むので、以降においてはセキュアプリントボックス(SPB)20と称する。以降において、SPB20の機能のうち、ファクシミリメッセージの受信に関する機能を説明するが、SPB20はファクシミリを送信する機能を含んでいてもよい。また、SFP11はSPB20を介してLAN2と接続されるので、SPB20はLAN2を介してSFP11によりプリントアウトする機能を含んでいてもよい。SFP11に対する電力はSPB20を介して供給される。
【0027】
プリントステーション6bは、印刷機能のみならず、スキャナー機能、コピー機能などを備えた複合タイプのプリンタ(以降においては複合機、MFP)12と、上記と同様のSPB20とを含む。MFP12はSPB20を介して公衆電話網(公衆通信網)60およびLAN2と接続され、MFP12に対する電力はSPB20を介して供給される。
【0028】
プリントステーション6cは、MFP機能を備えたプリンタセクション31と、SPBの機能を備えたコントロールセクション32とを内蔵したプリンタ30を含む。プリントステーション6cは、コントロールセクション32を介して公衆電話網60およびLAN2と接続されている。また、プリンタセクション31への電力の供給はコントロールセクション32により制御されている。
【0029】
このシステム1においては、各々のプリントステーション6a〜6cに設定されたファクシミリ番号(FAX番号、電話番号)へのファクシミリメッセージは、SPB20またはコントロールセクション32が受信する。SPB20またはコントロールセクション32においてファクシミリメッセージを受信すると、ファクシミリメッセージの宛先のユーザーの電子メールアドレスへファクシミリメッセージの受信を通知する。ファクシミリメッセージの宛先のユーザーを特定するためにファクシミリメッセージにユーザーを示すデータが添付されていたり、デジタルコード(バーコード、2次元コードなど)により埋め込まれていてもよく、ファクシミリメッセージの宛先に表示されているユーザー名からユーザーを特定してもよい。ファクシミリメッセージの宛先に表示されているユーザー名あるいはアドレスは画像・文字認識機能によりデジタイズすることができる。画像認識技術としては、例えば、光学文字認識(OCR)として公知の技術が利用できる。
【0030】
プリントステーション(以降においてはPS)6aのFAX番号にファクシミリメッセージが送信されたケースを説明する。このファクシミリメッセージ(以降においてはFAXメッセージ)69はPS6aのSPB20が受信する。PS6aは、SFP11と、SFP11の近傍に設置されたSPB20とを含む。SPB20は、SPB20に接続されたSFP11との対応関係が明確になるように設置され、さらに、SPB20を操作したユーザー8がSFP11からの出力を確実に取得できる位置に設置されている。
【0031】
SPB20は、FAXメッセージ69を受信するとFAXメッセージ69の宛先のユーザー8の電子メールアドレスへ、FAXメッセージ69を受信したことを含む電子メール68を送信する。電子メール68は、PS6aが、ユーザー8があて先となったFAXメッセージ69を受信したことに加え、FAXメッセージ69の送信元の情報、FAXメッセージ69のタイトルなどのFAXメッセージ69の概略情報を含んでいてもよい。これらの情報は、FAXメッセージ69のあて先の情報と同様に画像・文字認識技術を用いて得ることが可能である。しかしながら、電子メール68により多くの情報を含めると機密性が低下する可能性がある。このため、電子メール68に含める情報は、ユーザー8が設定してもよく、FAXメッセージ69に機密ランクを示す情報を含め、それにより電子メール68に含める情報を選択するようにしてもよい。電子メール68は、LAN2に接続されたPC5で受信されるものに限らず、基地局3を介して携帯端末に送信されるものであってもよい。
【0032】
また、電子メール68には、SPB20においてユーザー8がFAXメッセージ69にアクセスするためのFAXメッセージ毎のIDおよびパスワードを含めてもよい。ただし、電子メール68を受信する端末を紛失したり、電子メール68が傍受される可能性を考慮すると、FAXメッセージ毎のIDおよびパスワードのみによりFAXメッセージ69の閲覧を許可することは好ましくなく、以下に説明するように、電子メール68を受信する端末とは異なる電子機器もしくは媒体、または、ユーザー8が記憶しているユーザーIDおよび/またはパスワードによるユーザー認証手続きを、FAXメッセージ69にアクセスするための少なくとも1つの条件にすることが好ましい。
【0033】
電子メール68を受信したユーザー8は、プリントステーション6aにおいて、ユーザー認証用のカードまたは端末、たとえば、非接触ICカード機能付きの携帯電話(携帯端末)8tをSPB20のアクセスポイント29aに押し付ける。SPB20は、このSPB20の至近距離において携帯電話8tから得られたユーザーの認証情報8pにより、ユーザー8をFAXメッセージ69の宛先のユーザー(許可されたファクシミリメッセージの出力者)として認識する。
【0034】
SPB20は、ユーザー8が認証されると、表示パネル25にFAXメッセージ69を表示する。表示パネル25はタッチパネル(操作パネル)としての機能を備えており、表示パネル25に表示される印刷ボタンにタッチするなどの方法によりユーザー8から印刷指示を受けると、電源線15を介してSFP11に電力を供給してSFP11を起動する。また、SPB20は、FAXメッセージ69を画像データに変換し、USB規格などの通信線16を介してSFP11に送り、SFP11は、FAXメッセージ69をプリントアウトする。ユーザー8は、SFP11の近傍に居るので、SFP11から出力されたプリントアウト79を確実に得ることができ、プリントアウト79に含まれる機密は保持される。
【0035】
SPB20は、表示パネル25とは別に操作パネルを備えていてもよい。また、表示パネル25に表示されたFAXメッセージ69は、その後、印刷指示がなければSPB20から自動的に削除される。FAXメッセージ69をSPB20に格納したり、ユーザー8がFAXメッセージ69の機密性が低いと判断した場合はPC5にFAXメッセージ69が転送できるようにする機能をSPB20に設けてもよい。また、印刷指示は、ユーザー8の所持する携帯電話8tがSPB20の操作端末となり、近距離通信、たとえば赤外線通信により携帯電話8tから供給されてもよい。
【0036】
SFP11がFAXメッセージ69を出力した後、適当な時間が経過するとSPB20がSFP11のステータスを確認し、SFP11に対する電源供給を停止する。したがって、SFP11は、先行する印刷ジョブ、たとえば、他人のFAXメッセージのプリントアウトとの時間差がほとんどないような特別な状況を除き、FAXメッセージ69の出力が認証されたときにのみ、SPB20により電源供給され、稼働状態になる。このため、SFP11の待機電力消費を低減できる。
【0037】
SPB20においてユーザーを認証する方法は上記に限定されない。ユーザー9は、携帯端末9tで受信した電子メールにより、FAXメッセージ67を受信したプリントステーション6bに行き、ユーザー9を認識する情報を備えた媒体、たとえば、ICカード9cをプリントステーション6bのSPB20のアクセスポイント29aに近づける。ICカード9cによりプリントステーション6bのSPB20がユーザー9をFAXメッセージ67の宛先(出力が許可された者)として認識すると、MFP12に電力を供給してMFP12を起動(再起動)し、FAXメッセージ67をプリントアウトする。したがって、FAXメッセージ69および67の出力は、出力するプリントステーション(プリンタ)の物理的な位置情報と、許諾された出力者(ユーザー)8または9の認証とにより二重に保護され、一方の情報が漏えいしてもFAXメッセージ69および67の機密を保持できる。
【0038】
ユーザー認証方法は、ICカード、携帯電話(携帯端末)に搭載された非接触ICカード情報に限らず、認証用の磁気カード、携帯電話(携帯端末)に付与された近距離での送受信が行える機能(赤外線通信など)による認証、ユーザーによるIDおよびパスワードのキー入力、音声識別、指紋などの生体情報識別などであってもよい。SPB20のアクセスポイント29aとしては、それらの情報の入力に適した1または複数のセンサーを含んでいてもよい。すなわち、アクセスポイント29aは、たとえば、磁気センサー、RF、赤外線受信機、キーボード、タッチセンサー、マイク、指紋認証装置などを含む。
【0039】
また、SPB20は、電子メール68を送信した後、予め設定された時間が経過するとFAXメッセージ69を消去してもよい。この機能により、FAXメッセージ69は、出力するプリントステーション(プリンタ)の物理的な位置情報と、許諾された出力者8または9の認証と、許可された印刷可能な時間とにより三重に保護される。さらに、SPB20に印刷ジョブが無用に蓄積されることを抑制できる。
【0040】
上記と同様に、MFP12もまた、ユーザーが認証されないと電力が供給されない。したがって、MFP12の消費電力を削減できる。SPB機能32を内蔵したプリンタ30においても同様の手続きでFAXメッセージを出力できる。SFP11およびMFP12に対して独立した装置(ユニット、ボックス)として提供されるSPB20は、既存のSFP11およびMFP12に対して、単に電源系と通信系とをSPB20を介して繋がるように繋ぎ替えるだけで、セキュリティの向上を図り、消費電力のさらなる低減を図ることができる。
【0041】
管理者7の業務の1つは、FAXメッセージの宛先のユーザーのアドレスがSPB20では自動的に判明できないときにユーザーのアドレスを設定することである。そのため、SPB20は、管理者7の電子メールアドレスへ、宛先のユーザーが判明しないFAXメッセージを受信したこと、およびFAXメッセージの宛先表示部分を含む電子メール65を送信する。管理者7は、宛先のユーザーが判明しないFAXメッセージの受取人として適当と思われるユーザーの電子メールアドレスを電子メール64によりSPB20へ戻す。SPB20は、管理者7により割り当てられたユーザーのアドレスへ、FAXメッセージの受信を通知する。あるいは、SPB20は、設定により、宛先のユーザーのアドレスが判明しないFAXメッセージについては、宛先を自動的に管理者7に設定し、管理者7をユーザーとして上記の処理を行うことも可能である。
【0042】
図2に、プリンタとは個別に、独立して供給されるSPB20の概略構成をブロック図により示している。SPB20は、接続されたプリンタ11および12またはプリンタセクション(プリンタ本体)31をローカルで制御する制御装置である。SPB20は、プリンタ(SFP11またはMFP12)の近傍で、プリンタとの関係をユーザーが混乱することなく、また、ユーザーが制御しているプリンタを間違いなく把握でき、さらに、プリンタから出力された記録媒体を確保できる位置に設置される。SPB20はSFP11またはMFP12の出力(プリントアウト、印刷用紙)をユーザーが監視できる、または出力されればすぐに手に取れる位置に設置される。典型的にはSPB20は接続されたSFP11またはMFP12に隣接するように配置される。SPB20は、SFP11またはMFP12のハウジングに適当な方法、たとえば、粘着テープ、ボルトナットなどにより取り付けられてもよい。以降ではSPB20がSFP11とセットになった例を説明する。
【0043】
SPB20は、LAN2を介してLAN2に接続された機器、およびLAN2が接続されている上位の通信網、たとえばインターネットに接続されている機器と通信するためのLANインターフェイス21を含む。また、SPB20は、公衆通信網60と接続するためのコネクタ(モジュラージャック)62を有し、モジュラーケーブルなどにより、電話回線(FAX回線)61を通じて公衆通信網60と接続されている。
【0044】
SPB20は、FAXメッセージを送受信する機能ユニット(FAX送受信ユニット)41と、メモリ42と、プリンタ11または12に対する電力供給をオンオフする電力遮断ユニット27と、SPB20としての各種の処理および制御を行う処理ユニット50とを含む。メモリ42は、FAX送受信ユニット41により送受信されるFAXメッセージの一次的な格納場所(記録媒体)となる。処理ユニット50は、CPU、埋め込み型のCPUなどのプロセッサと周辺回路を含むLSIあるいはASICなどの半導体集積回路、または半導体集積回路を搭載したボードにより構成できる。処理ユニット50における処理は、ソフトウェアを用いてCPUで実行される処理を中心に構成され、処理速度が必要な処理やデータの圧縮伸長処理などについては専用回路を用いた処理が含まれていてもよい。
【0045】
SPB20は、さらに、認証用のデータを受信するアクセスポイント29aと、表示パネル25とを含む。表示パネル25はタッチパネルを兼ねており、印刷指示などのSPB20のローカルにおける操作を受信できる。SPB20は、さらに、電力供給するためのインターフェイス27aと、SFP11と通信するためのインターフェイス28aとを含む。したがって、SFP11は、電源線15とインターフェイス27aとを介して、SPB20と接続されるとともに、通信線16とインターフェイス28aとを介して、SPB20と接続される。インターフェイス28aは、USB、イーサネット(登録商標)などのシリアルインターフェイスであってもよく、パラレルインターフェイスであってもよい。
【0046】
処理ユニット50は、通知機能(通知機能ユニット、通知ユニット)51と、認証機能(認証機能ユニット、認証ユニット)52と、表示機能(表示機能ユニット、表示ユニット)53と、転送機能(転送機能ユニット、転送ユニット)54と、ファクシミリ制御機能(FAX制御ユニット)55と、印刷制御機能(印刷制御ユニット)56と、電源制御機能(電源制御ユニット)57とを含む。これらの機能の多くは、メモリ42または処理ユニット50のROM(不図示)に格納されるソフトウェア(プログラム)により提供され、CPUが適当なタイミングで上記の機能を実行するためのプログラムを読み込み、CPUが上記の機能を実行する機能ユニットとして動作する。幾つかの機能は専用回路で処理ユニット50に実装されていてもよい。
【0047】
処理ユニット50において実現される機能のうち、FAX制御ユニット55は、FAX送受信機能41を介してFAXメッセージの送受信を行う。FAX制御ユニット55は、FAX送受信機能41がファックス回線61を介してFAXメッセージを受信すると、FAXメッセージを暗号化してメモリ42に一次的に格納する。したがって、メモリ42が盗難にあってもFAXメッセージの機密は保持される。また、SPB20が盗難にあっても、以降の処理は基本的にユーザーの認証が必要条件の1つであり、SPB20でいったん受信したFAXメッセージの秘匿性は維持される。
【0048】
通知機能51は、メモリ42に格納されたFAXメッセージの宛先のユーザーの電子メールアドレスへ、FAXメッセージの受信を通知する第1の機能51aを含む。この通知機能51は、FAXメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときに、管理者7の電子メールアドレスへ、宛先のユーザーが判明しないFAXメッセージを受信したこと、および該当するFAXメッセージの宛先表示部分を含む電子メール65を送信する第2の機能51bを含む。第1の機能51aは、管理者7が、宛先のユーザーが判明しないFAXメッセージの宛先として、たとえば、ユーザー8を割り当てた際には、ユーザー8のメールアドレスへ、FAXメッセージの受信を通知する電子メール68を送信する。通知機能51は、さらに、管理者7が、宛先のユーザーが判明しないFAXメッセージの宛先としてユーザーを割り当てなかった場合には、管理者7を該当するFAXメッセージの宛先のユーザーとして自動的に割り当てる第3の機能51cを含む。第3の機能51cにより、管理者7がプリントステーションにおいてFAXメッセージを出力できるユーザーとなる。
【0049】
認証機能52は、SPB20の至近距離における認証情報の提供によりユーザーを認証するユーザー認証機能52aを含む。このSPB20においては、ユーザー認証機能52aはアクセスポイント29aの近傍のICカード9cあるいはICカード機能を備えた携帯端末8tよりユーザーの認証情報を取得し、特定のユーザーを認証する。認証機能52は、さらに、認証されたユーザーが宛先のユーザーとなっているFAXメッセージを識別するFAXメッセージ選択機能52bを含む。この機能52bは、メモリ42に蓄積(格納)されているFAXメッセージのうち、認証されたユーザーが宛先となっているFAXメッセージを選択する。
【0050】
表示機能53は、FAXメッセージ選択機能52bにより選択されたFAXメッセージの少なくとも一部を表示パネル25に表示する。表示機能53は、表示対象のFAXメッセージが多数あれば、まず、それらのFAXメッセージの表題、到着時刻などを表示し、ユーザーが表示するFAXメッセージを選択できるようにする。表示機能53は、さらに、選択されたFAXメッセージを最初のページから順番に表示パネル25に表示する。それとともに、表示されているFAXメッセージの処理、たとえば、印刷、廃棄、メモリ42のユーザー専用の格納エリアに格納、ユーザーのPCへ転送を示すボタンを表示し、ユーザーが選択できるようにする。プリントアウトが不要なFAXメッセージについては、表示機能53を用いて表示するだけになるので、機密が保持され、また、プリントアウトに要する紙および電力消費を省くことができる。
【0051】
転送機能54は、認証されたユーザーのFAXメッセージが表示機能53により表示パネル25に表示され、表示パネル25の印刷ボタンが操作されたときに、該当するFAXメッセージをSFP11に転送し、SFP11からプリントアウトする。転送機能54は、表示機能53により表示され、さらに印刷指示があったFAXメッセージを出力することにより、認証機能52が認証したユーザーのFAXメッセージであって、かつ印刷指示が入力されたFAXメッセージのみをSFP11に転送する。
【0052】
表示機能53により提供される機能は、SPB20の設定により省くことが可能である。表示機能53が省略された場合は、転送機能54が認証機能52により認証されたユーザーのFAXメッセージを表示せずにプリントアウトする。
【0053】
電源制御機能57は、認証されたユーザーのFAXメッセージが表示機能53により表示パネル25に表示され、表示パネル25の印刷ボタンが操作されたときに電力遮断回路27を操作して電力をSFP11に供給し、SFP11を稼働状態にする。電源制御機能57は、転送機能54と同様に、表示機能53により表示され、さらに印刷指示があった場合のみSFP11に電力を供給する。また、電源制御機能57は、SFP11のステータスを取得する機能を含み、SFP11がファクシミリメッセージの紙出力を実行した後、他のジョブを実行していなければ、あるいはSPB20が次のジョブを受信していなければ、SFP11に対する電力供給を遮断し、SFP11の電力消費を完全に停止する。したがって、SPB20によりSFP11の待機時の電力消費を抑制できる。
【0054】
表示機能53により提供される機能は、SPB20の設定により省くことが可能である。表示機能53が省略された場合は、転送機能54が認証機能52により認証されたユーザーのFAXメッセージをプリントアウトするときに、電源制御機能57がSFP11に電力を供給し、プリントアウトを可能とする。
【0055】
印刷機能56は、LAN2を介してユーザーから受信した印刷データをSFP11に送り、印刷する。認証機能52により認証されたユーザーの印刷データのみをSFP11に送ることによりプリントアウトの機密性を確保できる。さらに、印刷機能56がプリントアウトするとき、電源制御機能57は電力遮断回路27を操作してSFP11に電力を供給する。したがって、SPB20によりFAX受信のみならず、プリンタサーバーとして機能するときの待機時の電力消費を削減できる。
【0056】
図3に、SPB20の処理のうちファックス受信に関する処理の概要をフローチャートにより示している。SPB20は、待機中にステップ101においてファクシミリを受信すると、ステップ103において、受信したFAXメッセージの宛先(ユーザー、受信者)が特定できるか否かを判断する。ユーザーが特定できると、ステップ104において、通知機能51は、特定されたユーザー、たとえばユーザー8宛てに、ユーザー8に宛てられたFAXメッセージ69の受信を通知する電子メール68を送信する。
【0057】
ステップ103において受信したFAXメッセージのユーザ(受信者)が特定されないと、ステップ105において、通知機能51は、SPB20またはファックス受信システム1の管理者7に、宛先のユーザーが判明しないFAXメッセージを受信したこと、およびFAXメッセージの宛先表示部分を含む電子メール65を送信する。ステップ106において、管理者7がユーザーを指定した電子メール64をSPB20に返すと、ステップ107において、通知機能51は、管理者7が指定したユーザーをFAXメッセージの受信者として設定し、ステップ104に戻り、電子メールを送信する。
【0058】
ステップ106において、管理者7がユーザーを指定しなかった場合は、ステップ108において、通知機能51は、管理者7をFAXメッセージの受信者として設定し、ステップ104に戻り、電子メールを送信する。
【0059】
待機中に、ステップ102においてユーザーがログインすると、ステップ109において認証機能52がユーザーを認証する。ユーザーが認証されると、認証機能52は、さらに、ステップ110において認証されたユーザー宛のFAXメッセージがあるか否かを判断する。FAXメッセージがある場合は、ステップ111において表示機能53が表示パネル25に認証されたユーザー宛のFAXメッセージを表示する。ステップ110において、認証されたユーザー宛のFAXメッセージが無い場合は、ステップ112において表示パネル25に当該ユーザー宛のファクシミリメッセージが無い旨を表示し、待機状態に戻る。
【0060】
ステップ113において、ユーザーが表示パネル25に表示された印刷ボタンを操作すると、ステップ114において電源制御機能57が電力遮断回路27を操作してSFP11に電力を供給する。さらに、ステップ115において転送機能54がSFP11にFAXメッセージの画像データを転送する。ステップ116においてFAXメッセージの印刷が終了すると、ステップ117において、電源制御機能57が電力遮断回路27を操作してSFP11への電力供給を停止する。
【0061】
ステップ113において印刷指示が出されなかった場合は、ステップ118においてSPB20にFAXメッセージを保存するか否かを選択できる。ステップ118において保存を選択した場合、ステップ119においてFAXメッセージは保存される。ステップ118において保存を選択しなかった場合、ステップ120においてFAXメッセージは破棄される。
【0062】
このようにSPB20はファクシミリメッセージを出力するために、当該SPB20の至近距離におけるユーザーの認証と印刷指示の入力とを用いる。したがって、送信者が意図した受信者(ユーザー)のみに確実にファクシミリメッセージを届けることができる。このため、ファクシミリ通信の機密性をさらに高めることができる。また、認証されたユーザーが出力するまで、受信されたファクシミリメッセージはSPB20に秘匿された状態で保持される。このため、ファックスを送信する時間的な自由度も確保でき、ファクシミリ通信のメリットを損なうことなく機密性を確保できる。
【0063】
さらに、ファクシミリメッセージをプリントアウトするときにSFP11に対する電源供給を開始(再開)する。このため、ファックス受信あるいは待機している間、SFP11を完全に停止できる。したがって、SPB20を用いることにより、ファクシミリ通信の機密性を高めるだけでなく、SFP11の消費電力(SFP11で発生する待機電力)を削減できる。
【0064】
また、このSPB20は、プリンタ30に内蔵されているものであってもよいが、プリンタとは独立した制御装置として提供することにより、既存のプリンタ11および12に、機密性の高いファクシミリ通信機能と、省電力機能とを付加することが可能となる。そして、高価でシステムの調整に手間取る装置を導入しなくても、簡易な構成で情報漏洩事故の発生を抑制できるシステム1を容易に構築できる。
【符号の説明】
【0065】
1 システム、 6a、6b、6c プリントステーション
11、12、30 プリンタ
20 セキュアプリントボックス(SPB、制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタからの紙出力を確保する位置に設置される、または前記プリンタに内蔵される制御装置であって、
ファクシミリメッセージを受信する機能と、
前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスへ、前記ファクシミリメッセージの受信を通知する機能と、
当該制御装置の至近距離における認証情報の提供により前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーを認証する認証機能と、
前記認証機能の認証を少なくとも1つの条件として、前記プリンタに対する電源供給を開始する電源制御機能と、
前記認証機能の認証を少なくとも1つの条件として、前記ファクシミリメッセージを前記プリンタから紙出力する機能とを有する、制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記認証機能の認証により、前記ファクシミリメッセージの少なくとも一部を表示する機能をさらに有し、
前記電源制御機能は、前記認証機能の認証と当該制御装置の至近距離における印刷指示の入力とにより、前記プリンタに対する電源供給を開始し、
前記紙出力する機能は、前記認証機能の認証と前記印刷指示の入力とにより、前記ファクシミリメッセージを前記プリンタから紙出力する、制御装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記通知する機能は、前記ユーザーの電子メールアドレスへ電子メールを送信する機能を含む、制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記通知する機能は、前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該制御装置の管理者の電子メールアドレスへ、宛先のユーザーが判明しない前記ファクシミリメッセージを受信したことおよび前記ファクシミリメッセージの宛先表示部分を含む電子メールを送信する機能と、
前記管理者により、前記宛先のユーザーが判明しない前記ファクシミリメッセージの宛先として割り当てられたユーザーのアドレスへ、前記ファクシミリメッセージの受信を通知する機能とを含む、制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記通知する機能は、前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該制御装置の管理者を宛先のユーザーが判明しない前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーとして自動的に割り当てる機能を含む、制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、当該制御装置は、前記プリンタに対して外配置される装置であり、
前記プリンタの電源プラグを装着する電源インターフェイスと、
前記プリンタと通信する通信インターフェイスとを、さらに有する、制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の制御装置が内蔵されているプリンタ。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれかに記載の制御装置と、
前記制御装置により電源がオンされるプリンタとを有する、システム。
【請求項9】
プリンタからの紙出力を確保する位置に設置される、または前記プリンタに内蔵される装置の制御方法であって、
前記装置は、
ファクシミリメッセージを受信する機能と、
ユーザーのアドレスへ、前記ファクシミリメッセージの受信を通知する機能と、
当該装置の至近距離における認証情報の提供によりユーザーを認証する認証機能と、
前記プリンタに対する電源供給を開始する電源制御機能と、
前記ファクシミリメッセージを前記プリンタへ転送する機能とを有し、
当該制御方法は、
前記受信する機能が前記ファクシミリメッセージを受信すると、前記通知する機能が前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスへ、前記ファクシミリメッセージの受信を通知することと、
前記認証機能の認証を少なくとも1つの条件として、前記電源制御機能が前記プリンタに対する電源供給を開始することと、
前記認証機能の認証を少なくとも1つの条件として、前記転送する機能が前記ファクシミリメッセージを前記プリンタに送り前記プリンタから紙出力させることとを有する、制御方法。
【請求項10】
請求項9において、前記装置は、さらに、
前記ファクシミリメッセージの少なくとも一部を表示する機能と、
当該装置の至近距離からの印刷指示を受ける機能とを含み、
当該制御方法は、さらに、
前記認証機能により前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーを認証すると、前記ファクシミリメッセージの少なくとも一部を前記表示する機能が表示することを含み、
前記電源供給を開始することは、前記認証機能の認証と前記印刷指示とにより、前記電源制御機能が前記プリンタに対する電源供給を開始することを含み、
前記紙出力させることは、前記認証機能の認証と前記印刷指示とにより、前記転送する機能が前記ファクシミリメッセージを前記プリンタに送り前記プリンタから紙出力させることを含む、制御方法。
【請求項11】
請求項9または10において、前記通知することは、前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、当該装置の管理者の電子メールアドレスへ、宛先のユーザーが判明しない前記ファクシミリメッセージを受信したことおよび前記ファクシミリメッセージの宛先表示部分を含む電子メールを送信することと、
前記管理者により、前記宛先のユーザーが判明しない前記ファクシミリメッセージの宛先として割り当てられたユーザーのアドレスへ、前記ファクシミリメッセージの受信を通知することとを含む、制御方法。
【請求項12】
請求項9または10において、前記通知することは、前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーのアドレスが判明しないときは、前記装置の管理者を宛先のユーザーが判明しない前記ファクシミリメッセージの宛先のユーザーとして自動的に割り当てることを含む、制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−15710(P2012−15710A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149010(P2010−149010)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(399063013)ナルテック株式会社 (30)
【Fターム(参考)】