説明

ファクシミリ装置、画像形成装置、通信システムおよびプログラム

【課題】画像情報の誤送信を抑制することのできるファクシミリ装置、画像形成装置、通信システムおよびプログラムを得る。
【解決手段】画像データの送信先から電話回線80を介して送信されてくる当該送信先を示す第1宛先情報をファクシミリインタフェース部54を介して受信する一方、前記画像データの送信先を示す第2宛先情報をユーザインタフェース22を介して取得し、CPU32により、受信した第1宛先情報により示される送信先と取得した第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、画像データを送信しないように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置、画像形成装置、通信システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、宛先情報を入力する入力ステップと、入力された前記宛先情報と過去に正常に送信が完了した宛先情報からなる送信履歴情報とを比較し、入力された前記宛先情報の正誤を判定する判定ステップと、入力された前記宛先情報が正しいと判定されたとき、送信データを前記宛先情報により特定される宛先に通信網を介して送信する送信ステップとを含むことを特徴とするデータ送信方法が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、原稿を読み取る原稿読取部と、第一送信先情報を入力または指定する送信先入力部と、前記原稿読取部が取得した情報を通信回線を介して送信する送信部と、を備えるファクシミリ装置において、前記原稿読取部が取得した情報から第二送信先情報を認識する送信先認識部と、前記第一送信先情報と前記第二送信先情報とを比較する送信先比較部と、前記送信先比較部の比較結果が不一致の場合に警告を行う報知部と、を備えることを特徴とするファクシミリ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−324968号公報
【特許文献2】特開2007−258920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像情報の誤送信を抑制することのできるファクシミリ装置、画像形成装置、通信システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のファクシミリ装置は、画像情報の送信先との通話状態で前記画像情報の送信指示を受けた場合に、前記送信先に前記画像情報を送信する送信手段と、前記送信先から当該送信先を示す第1宛先情報を受信する受信手段と、前記画像情報の送信先を示す第2宛先情報を取得する取得手段と、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、前記送信手段による前記画像情報の送信を行わないように制御する制御手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段が、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが一致する場合に、前記送信手段による前記画像情報の送信を行うように制御するものである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、表示手段をさらに備え、前記制御手段が、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、前記表示手段に前記画像情報の送信先を確認するための確認画面を表示するように制御するものである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記画像情報の送信先の入力を受け付ける受付手段をさらに備え、前記制御手段が、前記確認画面の表示後、前記受付手段により前記送信先の入力を受け付けた場合、受け付けた前記送信先への前記送信手段による前記画像情報の送信を行うように制御するものである。
【0010】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記取得手段によって取得された前記第2宛先情報を当該第2宛先情報により示される送信先に送信する前記画像情報に関連付けて記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段が、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが一致する場合に、当該第2宛先情報に対応する前記画像情報の前記送信手段による送信を行うように制御するものである。
【0011】
一方、上記目的を達成するために、請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項5の何れか1項記載のファクシミリ装置と、前記ファクシミリ装置における前記画像情報により示される画像を形成する形成手段と、を有している。
【0012】
また、上記目的を達成するために、請求項7に記載の通信システムは、請求項1から請求項5の何れか1項記載のファクシミリ装置と、前記ファクシミリ装置に前記第1宛先情報を送信する第2送信手段、および前記ファクシミリ装置から送信された前記画像情報を受信する第2受信手段を備えた第2ファクシミリ装置と、を有している。
【0013】
一方、上記目的を達成するために、請求項8に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項5の何れか1項に記載のファクシミリ装置における取得手段および制御手段として機能させるためのものである。
【0014】
さらに、上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムは、コンピュータを、画像情報の送信先を示す第2宛先情報を取得する取得手段と、前記送信先から受信した当該送信先を示す第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、前記画像情報を送信しないように制御する制御手段と、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、請求項2、請求項6、請求項7、請求項8、および請求項9に記載の発明によれば、送信先から送信されてくる当該送信先を示す第1宛先情報を用いない場合に比較して、画像情報の誤送信を抑制することができる、という効果が得られる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、画像情報の送信を実行する前に当該画像情報の送信先の確認を促すことができる、という効果が得られる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、画像情報の送信先の入力を受け付けない場合に比較して、より確実に画像情報の誤送信を抑制することができる、という効果が得られる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明によれば、送信する画像情報を事前に記憶することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像形成装置の要部斜視図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係るファクシミリ装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係る画像形成装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図6】実施の形態に係る原稿の構成を示す正面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る画像送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1,第2の実施の形態に係る送信中止処理ルーチン・プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る受話操作指示画面の構成を示す正面図である。
【図10】第1,第3の実施の形態に係る送信操作指示画面の構成を示す正面図である。
【図11】第1,第2の実施の形態に係る確認指示画面の構成を示す正面図である。
【図12】実施の形態に係る通信システムの処理の流れの説明に供する線図である。
【図13】第2の実施の形態に係る送付原稿対応データベースのデータ構造を示す模式図である。
【図14】第2の実施の形態に係る画像送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態に係る原稿選択画面の構成を示す正面図である。
【図16】第3の実施の形態に係る画像送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】第3の実施の形態に係る送信確認処理ルーチン・プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態に係る送信確認画面の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1には、本発明が適用された通信システム90の構成例が示されている。同図に示されるように、本実施の形態に係る通信システム90は、本発明のファクシミリ装置を適用した画像形成装置10と、複数のファクシミリ装置60とを備えている。画像形成装置10と各ファクシミリ装置60は電話回線80を介して接続されており、画像形成装置10と各ファクシミリ装置60は電話回線80を介して各種データの送受信を相互に行う。
【0022】
なお、本実施の形態に係る通信システム90は、予め定められた利用者に対し、当該利用者からの要求に応じて予め定められた原稿の画像を示す画像データを送信するサービス(以下、「画像送信サービス」という。)を提供するものであり、各ファクシミリ装置60は各利用者が所有しており、画像形成装置10は画像送信サービスの提供者が所有している。
【0023】
図2には、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成が示されている。この画像形成装置10には、不図示の通信回線を介して各種データを受信し、受信したデータに基づく画像形成処理を行うプリント機能、原稿に記録された画像を記録紙に複写する複写機能、電話回線80を介して各種データの送信および受信を行うファクシミリ機能が搭載されている。
【0024】
本実施の形態に係る画像形成装置10には、装置上部に原稿読取部12が設けられ、原稿読取部12の下方に画像形成部14が配置されている。原稿読取部12は、原稿カバー16内に原稿搬送部18を備えている。原稿搬送部18は、原稿カバー16に設けられている原稿給紙部16A上に載せられた原稿20を順に引き込んで図示しないプラテンガラス上に搬送して原稿20に記録された画像の読み込みを行う。また、原稿搬送部18は、画像の読み込みが終了した原稿20を原稿カバー16に設けられている原稿排出部16B上に排出する。
【0025】
また、原稿読取部12には、ユーザによる各種の指示操作を受け付けるユーザインタフェース22が設けられている。このユーザインタフェース22は、ソフトウェアプログラムによって指示操作の受け付けを実現する表示ボタンや各種情報が表示されるタッチパネル式のディスプレイ24、テンキーやスタートボタンなどのハードウェアキー26等が設けられている。ユーザインタフェース22は、ディスプレイ24の表示ボタンやハードウェアキー26によって複写機能を用いるときの複写枚数の設定や倍率設定、ファクシミリ機能を用いるときの電話機のダイヤルキー等として用いられる。
【0026】
一方、画像形成部14は、画像形成用の記録媒体となる記録紙が収容される給紙格納部28を備えている。画像形成部14では、給紙格納部28に収容されている記録紙を、1枚ずつ取り出し、例えば、電子写真プロセスによって画像データに基づいた画像を記録紙に形成する。また、画像形成部14では、画像形成を行った記録紙を順に図示しない排紙部上へ排出する。
【0027】
図3には、本実施の形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成が示されている。
【0028】
同図に示されるように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)32と、各種のデータが一時的に格納されるRAM(Random Access Memory)33と、装置全体を制御する制御プログラムを含む各種のプログラムが記憶されるROM(Read Only Memory)34と、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶する記憶手段として機能するHDD(Hard Disk Drive)35とを含み、これらがシステムバスなどのバス(bus)36によって電気的に接続され、これにより、一般的な構成のコンピュータが形成されている。
【0029】
一方、画像形成装置10には、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイ24への各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部42と、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部44と、が備えられており、これらがバス36に電気的に接続されている。
【0030】
また、画像形成装置10には、原稿読取部12による光学的な画像の読み取り動作、および原稿搬送部18による原稿送り動作を制御する読取制御部46と、画像形成部14による画像形成処理を制御する画像形成制御部48とが備えられている。また、画像形成装置10は、不図示の通信回線に接続され、当該通信回線に接続された他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線インタフェース(通信回線I/F)部50と、電話回線80に接続され、当該電話回線80に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部54と、ファクシミリインタフェース部54を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部38とを備えている。そして、画像形成装置10では、送受信制御部38、読取制御部46、画像形成制御部48、通信回線インタフェース部50、およびファクシミリインタフェース部54がバス36に電気的に接続されている。
【0031】
これにより、画像形成装置10では、CPU32により、RAM33、ROM34、およびHDD35へのアクセスと、表示制御部42を介したユーザインタフェース22のディスプレイ24への操作画面、各種のメッセージなどの情報の表示の制御と、読取制御部46を介した原稿読取部12および原稿搬送部18の作動の制御と、画像形成制御部48を介した画像形成部14の作動の制御と、通信回線インタフェース部50を介した通信データの送受信の制御と、送受信制御部38によるファクシミリインタフェース部54を介したファクシミリデータの送受信の制御とを、各々実行する。また、画像形成装置10では、CPU32により、操作入力検出部44によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われて、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0032】
本実施の形態に係る画像形成装置10では、ユーザインタフェース22上でファクシミリ機能(ファクシミリ送信)が指定されたことが検出されると、送受信制御部38がファクシミリ送信を実行する。ユーザは、画像形成装置10を用いたファクシミリ送信を実行する場合、原稿給紙部16Aに原稿20を載せると共に、送信先となるファクシミリ装置の電話番号(以下、「送信先情報」という。)をユーザインタフェース22から取得する。この送信先情報は、電話番号をテンキーによって直接入力してもよいが、予め送信先名と共に電話番号を取得して、例えばHDD35等の記憶手段に格納しておいてもよい。
【0033】
また、本実施の形態に係る画像形成装置10では、ユーザインタフェース22上でハードウェアキー26として設けているスタートボタンが操作されたことを検出すると、原稿読取部12を作動させ、原稿給紙部16Aに載せられている原稿20の画像の読み込みを開始する。そして、全ての原稿20から画像の読み込みを終了すると、これによって得られた画像データを、送受信制御部38を介してファクシミリインタフェース部54へ転送する。送受信制御部38では、ファクシミリインタフェース部54を用い、指定された送信先のファクシミリ装置と電話回線80を介して接続し、上記画像データをファクシミリデータとして当該ファクシミリ装置へ送信する。
【0034】
一方、図4には、本実施の形態に係るファクシミリ装置60の電気系の要部構成が示されている。同図に示されるように、本実施の形態に係るファクシミリ装置60の電気系の要部は、通信回線インタフェース部50が設けられていない点を除いて画像形成装置10とほぼ同様の構成とされている。
【0035】
すなわち、本実施の形態に係るファクシミリ装置60は、装置全体の動作を司るCPU61と、各種のデータが一時的に格納されるRAM62と、装置全体を制御する制御プログラムを含む各種のプログラムが記憶されるROM63と、各種のデータやプログラムを記憶するHDD64とを含み、これらがシステムバスなどのバス74によって電気的に接続され、これにより、一般的な構成のコンピュータが形成されている。
【0036】
一方、ファクシミリ装置60には、上述した画像形成装置10の同一名称の部位と同様の役割を各々有するユーザインタフェース71と、画像形成部72と、原稿読取部73とが備えられている。さらに、ファクシミリ装置60には、ユーザインタフェース71に接続され、ユーザインタフェース71のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部65と、ユーザインタフェース71に接続され、ユーザインタフェース71を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部66と、が備えられており、これらがバス74に電気的に接続されている。
【0037】
また、ファクシミリ装置60には、原稿読取部73による光学的な画像の読み取り動作、および不図示の原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部68と、画像形成部72による画像形成処理を制御する画像形成制御部67とを備えている。さらに、ファクシミリ装置60は、電話回線80に接続され、当該電話回線80に接続されている各種装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部70と、ファクシミリインタフェース部70を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部69とを備えている。そして、ファクシミリ装置60では、送受信制御部69、読取制御部68、画像形成制御部67、およびファクシミリインタフェース部70がバス74に電気的に接続されている。
【0038】
これにより、ファクシミリ装置60では、CPU61により、RAM62、ROM63、およびHDD64へのアクセスと、表示制御部65を介したユーザインタフェース71のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージなどの情報の表示の制御と、読取制御部68を介した原稿読取部73および原稿搬送部の作動の制御と、画像形成制御部67を介した画像形成部72の作動の制御と、送受信制御部69によるファクシミリインタフェース部70を介したファクシミリデータの送受信の制御とを、各々行う。また、ファクシミリ装置60では、CPU61により、操作入力検出部66によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース71における操作内容の把握が行われて、この操作内容に基づく各種の制御を行う。
【0039】
本実施の形態に係るファクシミリ装置60では、ユーザインタフェース71上でファクシミリ送信が指定されたことが検出されると、送受信制御部69がファクシミリ送信を実行する。ユーザは、ファクシミリ装置60を用いたファクシミリ送信を実行する場合、不図示の原稿給紙部に原稿を載せると共に、送信先となるファクシミリ装置の電話番号をユーザインタフェース71から取得する。
【0040】
また、本実施の形態に係るファクシミリ装置60では、ユーザインタフェース71上でハードウェアキーとして設けているスタートボタンが操作されたことを検出すると、原稿読取部73を作動させ、上記原稿給紙部に載せられている原稿の画像の読み込みを開始する。そして、全ての原稿から画像の読み込みを終了すると、これによって得られた画像データを、送受信制御部69を介してファクシミリインタフェース部70へ転送する。送受信制御部69では、ファクシミリインタフェース部70を用い、電話回線80を介して指定された送信先のファクシミリ装置と接続し、上記画像データをファクシミリデータとして当該ファクシミリ装置へ送信する。
【0041】
一方、本実施の形態に係るファクシミリ装置60では、ユーザインタフェース71上で前述した画像送信サービスの利用が指定されたことが検出されると、画像形成装置10に対して発呼する。これに応じて画像形成装置10では、通話状態を確立し、発呼元であるファクシミリ装置60の電話番号を第1宛先情報として取得する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記第1宛先情報の取得を、発信者番号通知機能を利用して行うものとされている。
【0042】
ここで、画像形成装置10のユーザは、発呼元であるファクシミリ装置60に送信すべき原稿(以下、「提供原稿」という。)を原稿給紙部16Aに載せた後、上記スタートボタンを押圧操作する。これに応じて画像形成装置10では、提供原稿の画像を読み取り、これによって得られた画像データ(以下、「提供原稿画像データ」という。)から当該提供原稿の送信先を示す第2宛先情報を取得し、取得した第2宛先情報により示される送信先と、取得した第1宛先情報により示される送信先とが一致した場合に限り、提供原稿画像データを送信先となるファクシミリ装置60、すなわち、発呼元のファクシミリ装置60へ送信する。
【0043】
図5には、本実施の形態に係る画像形成装置10の画像送信サービスを実行する際の機能的な構成を示す機能ブロック図が示されている。
【0044】
同図に示されるように、本実施の形態に係る画像形成装置10のCPU32は、制御部32Aおよび取得部32Bを備えている。制御部32Aは、ファクシミリインタフェース部54によって発呼元のファクシミリ装置60から受信された第1宛先情報を取得する。また、取得部32Bは、読取制御部46を介して取得される提供原稿画像データに基づいて、当該提供原稿画像データの送信先を示す第2宛先情報を取得する。
【0045】
図6には、本実施の形態に係る提供原稿の一例が示されている。
【0046】
同図に示されるように、この提供原稿20Aは、送信先のファクシミリ番号(電話番号)が記載されている。そこで、本実施の形態に係る取得部32Bでは、読取制御部46を介して得られた提供原稿画像データから、従来既知の文字認識技術を利用して上記ファクシミリ番号をテキスト情報とすることにより、上記第2宛先情報を取得する。なお、文字認識技術によりファクシミリ番号をテキスト情報とすることは、一例として上記特許文献2等にも記載されているように周知であるため、これ以上の説明は省略する。
【0047】
そして、制御部32Aは、ファクシミリインタフェース部54を介して取得した第1宛先情報により示される送信先と、取得部32Bによって取得された第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に送受信制御部38によるファクシミリ送信を行わない。
【0048】
以上のように構成された画像形成装置10の各構成要素による処理は、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現してもよい。この場合、当該プログラムに本発明のプログラムが含まれることになる。但し、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよいことは言うまでもない。
【0049】
以下では、本実施の形態に係る画像形成装置10が、上記プログラムを実行することにより上記各構成要素による処理を実現するものとされている場合について説明する。この場合、当該プログラムを画像形成装置10に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
【0050】
次に、図7を参照して、画像送信サービスを実行する際の本実施の形態に係る通信システム90の作用を説明する。なお、図7は、この際、本実施の形態に係る画像形成装置10のCPU32によって実行される画像送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはHDD35に予め記憶されている。また、錯綜を回避するために、ここでは、提供原稿がファクシミリ装置60毎に1種類のみである場合について説明する。さらに、ここでは、画像形成装置10が手動受信モードとなっている場合について説明する。
【0051】
同図のステップ100では、何れかのファクシミリ装置60からの着信待ちを行い、次のステップ102では、発信者番号通知機能を利用して発呼元であるファクシミリ装置60に対応する第1宛先情報(電話番号)を取得する。
【0052】
次のステップ104では、予め定められた受話操作指示画面をユーザインタフェース22のディスプレイ24に表示させるように表示制御部42を制御し、次のステップ106にて、予め定められた操作が終了するまで待機する。
【0053】
図9には、上記ステップ104の処理によってディスプレイ24に表示される受話操作指示画面の表示状態例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る受話操作指示画面では、上記ステップ102の処理によって取得した第1宛先情報が発信者番号として表示される一方、通話状態を確立するべく、「手動受信モードになっています。受話器をあげるか[オンフック]を押してください。」とのメッセージと共に、[オンフック]ボタンが表示される。同図に示される受話操作指示画面がディスプレイ24に表示されると、ユーザは、不図示の受話器をあげるか、または当該受話操作指示画面に表示されている[オンフック]ボタンを押圧操作する。これに応じて上記ステップ106が肯定判定となってステップ108に移行する。
【0054】
ステップ108では、予め定められた送信操作指示画面をディスプレイ24に表示させるように表示制御部42を制御し、次のステップ110にて、予め定められた操作が終了するまで待機する。
【0055】
図10には、上記ステップ108の処理によってディスプレイ24に表示される送信操作指示画面の表示状態例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る送信操作指示画面では、上記発信者番号が引き続き表示されると共に、「送信する原稿を原稿給紙部に載せた後、スタートボタンを押してください。」とのメッセージが表示される。同図に示される送信操作指示画面がディスプレイ24に表示されると、ユーザは、送信すべき提供原稿を原稿給紙部16Aに載せた後、ユーザインタフェース22のスタートボタンを押圧操作する。これに応じて上記ステップ110が肯定判定となってステップ112に移行する。
【0056】
ステップ112では、読取制御部46に対して読み取り動作の実行を指示する。これにより、読取制御部46は、原稿給紙部16Aに載せられている提供原稿の画像の読み取りを実行するように原稿読取部12を制御した後、これによって得られた画像データを提供原稿画像データとしてCPU32に送信する。
【0057】
そこで、次のステップ114では、当該提供原稿画像データが受信されるまで待機し、次のステップ116にて、受信した提供原稿画像データから従来既知の文字認識技術を利用して提供原稿の送信先を示す第2宛先情報を取得する。
【0058】
次のステップ118では、上記ステップ102の処理によって取得した第1宛先情報により示される送信先と、上記ステップ116の処理によって取得した第2宛先情報によって示される送信先とが一致するか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ122に移行して、送受信制御部38に対し、提供原稿画像データの上記第2宛先情報により示される送信先への送信を指示する。これに応じて、送受信制御部38は、提供原稿画像データの当該送信先への送信を実行する。
【0059】
そこで、次のステップ124では、送受信制御部38による上記送信先への提供原稿画像データの送信が終了するまで待機し、その後に後述するステップ126に移行する。
【0060】
一方、上記ステップ118において否定判定となった場合はステップ120に移行し、送信中止処理ルーチン・プログラムを実行する。以下、図8を参照して、本実施の形態に係る送信中止処理ルーチン・プログラムについて説明する。
【0061】
同図のステップ200では、送受信制御部38に対して提供原稿画像データの送信の中止を指示し、次のステップ202では、予め定められた確認指示画面をディスプレイ24に表示させるように表示制御部42を制御し、次のステップ204にて、予め定められた操作が終了するまで待機する。
【0062】
図11には、上記ステップ202の処理によってディスプレイ24に表示される確認指示画面の表示状態例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る確認指示画面では、上記ステップ116の処理によって取得した第2宛先情報が「通信相手先(電話番号)」として表示される一方、「原稿から読み取ったファックス送信宛先と実際の通信相手先が一致していません。通信相手・原稿を再確認してください。」とのメッセージと共に、[了解(送信中止)]ボタンが表示される。同図に示される確認指示画面がディスプレイ24に表示されると、ユーザは、当該確認指示画面で表示されている通信相手先や、原稿給紙部16Aに載せた提供原稿が正しいか否かを確認すると共に、当該確認指示画面で表示されている[了解(送信中止)]ボタンを押圧操作する。これに応じて上記ステップ204が肯定判定となって本送信中止処理ルーチン・プログラムを終了し、画像送信処理プログラム(図7参照。)の上記ステップ100に戻る。
【0063】
一方、ステップ126では、本画像送信処理プログラムを終了するタイミングとして予め定められたタイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ100に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ128に移行し、電話回線80を切断した後に本画像送信処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る通信システム90では、上記予め定められたタイミングとして、ユーザによりユーザインタフェース22を介して本画像送信処理プログラムの終了を指示する指定が行われたタイミングを適用しているが、これに限らず、画像形成装置10に何らかの不具合が生じたタイミング、画像送信サービスの提供時間の終了時刻となったタイミング等の他のタイミングを適用してもよい。
【0064】
図12には、画像送信サービスを実行する際における発呼側(ファクシミリ装置60)と被呼側(画像形成装置10)との通信状態の推移が示されている。
【0065】
同図に示されるように、画像送信サービスを実行するべく何れかのファクシミリ装置60から画像形成装置10に対して発呼されると、画像形成装置10では通話状態を確立すると共に、送信元のファクシミリ装置60から第1宛先情報を取得する。
【0066】
そして、画像形成装置10では、提供原稿を読み取ることにより得られた提供原稿画像データから第2宛先情報を取得し、上記第1宛先情報により示される送信先と、上記第2宛先情報により示される送信先とを照合して一致した場合に限り提供原稿画像データを当該送信先のファクシミリ装置60に送信し、当該送信が終了した後に電話回線80を切断する。
【0067】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、画像送信サービスにおいて送付対象とする提供原稿がファクシミリ装置60毎に1種類のみである場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、当該提供原稿がファクシミリ装置60毎に複数種類まで許容する場合の形態例について説明する。なお、本第2の実施の形態に係る通信システム90の構成は、上記第1の実施の形態に係るものと同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0068】
本実施の形態に係る通信システム90では、1台のファクシミリ装置60に送付する原稿の種類として複数種類も許容するため、本実施の形態に係る画像形成装置10は、当該画像形成装置10のユーザを認証する認証機能を有する一方、一例として図13に示す送付原稿対応データベースDB1が画像形成装置10のHDD35に記憶される。
【0069】
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、上記認証機能として、画像形成装置10を利用してもよいユーザに対して予め付与されたユーザID(Identification)をユーザインタフェース22のテンキーを介してユーザ自身に指定させ、指定されたユーザIDが予め登録されたユーザIDに含まれる場合に正規のユーザであるものと認証する方法を適用している。また、本実施の形態に係る画像形成装置10では、図13に示すように、上記送付原稿対応データベースDB1として、ユーザID、提供原稿画像データ、および第2宛先情報が、対応するもの同士が関連付けられた状態で記憶される。
【0070】
なお、送付原稿対応データベースDB1におけるユーザIDは、上述した各ユーザに予め付与されたユーザIDと同一の情報であり、提供原稿画像データは、対応するユーザIDが付与されたユーザにより、画像送信サービスによってファクシミリ装置60に送信するものとして予め登録された提供原稿の画像データであり、第2宛先情報は、対応する提供原稿画像データの送信先となるファクシミリ装置60に対応する電話番号を示す情報である。
【0071】
図13に示す例では、例えば、ユーザIDとして「U1」が付与されたユーザによって登録された提供原稿画像データは原稿Aを示す画像データであり、当該提供原稿画像データは電話番号が「xx−xxxx−1234」であるファクシミリ装置60に送信されるものであることを示している。
【0072】
次に、図14を参照して、画像送信サービスを実行する際の本第2の実施の形態に係る通信システム90の作用を説明する。なお、図14は、この際、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10のCPU32によって実行される画像送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、同図における図7と同一の処理を実行するステップには図7と同一のステップ番号を付して、その説明を極力省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、画像形成装置10のユーザが正規のユーザであることが認証されており、送付原稿対応データベースDB1が既に構築されている場合について説明する。
【0073】
同図のステップ107では、認証したユーザのユーザID(以下、「認証ユーザID」という。)に対応する提供原稿画像データが送付原稿対応データベースDB1に登録されているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ109に移行して送信不可処理を実行し、その後にステップ126に移行する。なお、本実施の形態に係る通信システム90では、上記送信不可処理として、送信すべき提供原稿画像データが登録されていない旨を示すメッセージをユーザインタフェース22のディスプレイ24に表示させるように表示制御部42を制御する処理を適用している。
【0074】
一方、上記ステップ107において肯定判定となった場合にはステップ111に移行し、認証ユーザIDに対応する提供原稿画像データの送付原稿対応データベースDB1への登録数が1つであるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ116’に移行して、認証ユーザIDに対応する第2宛先情報を送付原稿対応データベースDB1から読み出すことにより取得した後に後述するステップ118’に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ113に移行する。
【0075】
ステップ113では、予め定められた原稿選択画面をユーザインタフェース22のディスプレイ24に表示させるように表示制御部42を制御し、次のステップ115にて、予め定められた操作が終了するまで待機する。
【0076】
図15には、上記ステップ113の処理によってディスプレイ24に表示される原稿選択画面の表示状態例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る原稿選択画面では、上記ステップ102の処理によって取得した第1宛先情報が発信者番号として表示される一方、「次の中から送信する原稿画像を選択した後、[送信]ボタンを押してください。」とのメッセージと共に、認証ユーザIDに対応する提供原稿画像データを示す複数のボタン(同図に示す例では、[原稿A]ボタンおよび[原稿B]ボタンの2つのボタン)および[送信]ボタンが表示される。同図に示される原稿選択画面がディスプレイ24に表示されると、ユーザは、当該原稿選択画面に表示されている発信者番号等を参考として、送信すべき提供原稿に対応するボタンを押圧操作した後、[送信]ボタンを押圧操作する。これに応じて上記ステップ115が肯定判定となってステップ116’’に移行する。
【0077】
ステップ116’’では、原稿選択画面でユーザによって指定された提供原稿に対応する第2宛先情報を送付原稿対応データベースDB1から読み出すことにより取得した後、ステップ118’に移行する。
【0078】
ステップ118’では、ステップ102の処理によって取得した第1宛先情報により示される送信先と、上記ステップ116’またはステップ116’’の処理によって取得した第2宛先情報によって示される送信先とが一致するか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ120に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ122’に移行して、認証ユーザIDと上記ステップ116’またはステップ116’’の処理によって取得した第2宛先情報とに対応する提供原稿画像データを送付原稿対応データベースDB1から読み出し、送受信制御部38に対し、読み出した提供原稿画像データの当該第2宛先情報により示される送信先への送信を指示する。これに応じて、送受信制御部38は、読み出した提供原稿画像データの当該送信先への送信を実行する。
【0079】
[第3の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、画像送信サービスにおいて第1宛先情報によって示される送信先と第2宛先情報によって示される送信先とが異なる場合に提供原稿画像データを送信しない場合の形態例について説明したが、本第3の実施の形態では、この場合に提供原稿画像データの送信先を確認する場合の形態例について説明する。なお、本第3の実施の形態に係る通信システム90の構成は、上記第1の実施の形態に係るものと同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0080】
まず、図16を参照して、画像送信サービスを実行する際の本第3の実施の形態に係る通信システム90の作用を説明する。なお、図16は、この際、本第3の実施の形態に係る画像形成装置10のCPU32によって実行される画像送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、同図における図7と同一の処理を実行するステップには図7と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、錯綜を回避するために、ここでは、提供原稿がファクシミリ装置60毎に1種類のみである場合について説明する。さらに、ここでは、画像形成装置10が手動受信モードとなっている場合について説明する。
【0081】
同図のステップ120’では、送信確認処理ルーチン・プログラムを実行する。以下、図17を参照して、本第3の実施の形態に係る送信確認処理ルーチン・プログラムについて説明する。
【0082】
同図のステップ300では、予め定められた送信確認画面をディスプレイ24に表示させるように表示制御部42を制御し、次のステップ302にて、予め定められた操作が終了するまで待機する。
【0083】
図18には、上記ステップ300の処理によってディスプレイ24に表示される送信確認画面の表示状態例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る送信確認画面では、上記ステップ116の処理によって取得した第2宛先情報が「通信相手先(電話番号)」として表示される一方、「原稿から読み取ったファックス送信宛先と実際の通信相手先が一致していません。送信相手を選択してください。」とのメッセージと共に、第1宛先情報および第2宛先情報を各々個別に示す2つのボタン(本実施の形態では、[yy−yyyy−yyyy]ボタンおよび[xx−xxxx−xxxx]ボタン)と、[送信中止]ボタンとが表示される。同図に示される送信確認画面がディスプレイ24に表示されると、ユーザは、第1宛先情報により示される送信先に提供原稿画像データを送信する場合は第1宛先情報を示すボタンを、第2宛先情報により示される送信先に提供原稿画像データを送信する場合は第2宛先情報を示すボタンを、提供原稿画像データの送信を行わない場合は[送信中止]ボタンを、各々押圧操作する。これに応じて上記ステップ302が肯定判定となってステップ304に移行する。
【0084】
ステップ304では、上記2つのボタンの何れか一方が押圧操作されたか否かを判定することにより、第1宛先情報により示される送信先および第2宛先情報により示される送信先の何れかが選択されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ306に移行して、送受信制御部38に対し、ユーザによって選択された送信先への提供原稿画像データの送信を指示する。これに応じて、送受信制御部38は、提供原稿画像データの当該送信先への送信を実行する。
【0085】
そこで、次のステップ310では、送受信制御部38による上記送信先への提供原稿画像データの送信が終了するまで待機し、その後に本送信確認処理ルーチン・プログラムを終了する。
【0086】
一方、上記ステップ304において否定判定となった場合はステップ308に移行し、送受信制御部38に対して提供原稿画像データの送信の中止を指示した後に、本送信確認処理ルーチン・プログラムを終了する。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0088】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0089】
例えば、上記各実施の形態では、画像送信サービスをソフトウェア構成によって実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、当該画像送信サービスをハードウェア構成により実現する形態としてもよい。この場合の形態例としては、例えば、図5に示した画像形成装置10の各構成要素(制御部32Aおよび取得部32B)と同一の処理を実行する機能デバイスを作成して用いる形態が例示される。この場合は、上記各実施の形態に比較して、画像送信サービスにおける画像送信処理の高速化が期待される。
【0090】
また、上記各実施の形態では、第1宛先情報の取得を、発信者番号通知機能を利用して行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発呼元のファクシミリ装置60からのトーン信号により第1宛先情報を取得する形態としてもよい。この場合、ファクシミリ装置60のユーザは、画像送信サービスの利用を指定した後、トーン信号により、当該ファクシミリ装置60に対応するファクシミリ番号(電話番号)を、ユーザインタフェース71を介して指定することになる。
【0091】
また、上記第1,第3の実施の形態では、画像送信サービスを実行する際に、第2宛先情報を提供原稿に記載されているファクシミリ番号から文字認識技術により取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ユーザによるユーザインタフェース22を介した指示操作によって取得する形態としてもよい。この場合、ユーザは、提供原稿を原稿給紙部16Aに載せると共に、送信先となるファクシミリ装置60に対応する第2宛先情報(電話番号)を、ユーザインタフェース71を介して指定する。このとき、この第2宛先情報は、ユーザインタフェース22のハードウェアキー26として設けられているテンキーを介して直接入力してもよいが、予め送信先名と共に電話番号を取得して、例えばHDD35等の記憶手段に格納しておいてもよい。
【0092】
また、上記第1,第3の実施の形態では、画像送信サービスを実行する際に、第2宛先情報として提供原稿に記載されているファクシミリ番号を取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、提供原稿に記載されている送信先の会社名(図6に示す例では、「●●会社」)、部署名(図6に示す例では、「●●」部)、および名前(図6に示す例では、「●●●」様)の少なくとも1つを従来既知の文字認識技術を利用して第2宛先情報として取得する形態としてもよい。この場合、取得対象とする第2宛先情報の種類に応じて、第1宛先情報を当該第2宛先情報と同一種類の情報に変換するための変換情報をHDD35等の記憶手段に予め記憶しておき、当該変換情報を用いて第1宛先情報を変換した後に、当該変換によって得られた情報により示される送信先と、取得した第2宛先情報により示される送信先とを比較するようにしてもよい。
【0093】
また、上記第2の実施の形態では、画像形成装置10のユーザの認証方法として、ユーザインタフェース22のテンキーを介してユーザ自身により指定されたユーザIDを用いた認証方法を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、フェリカ(FeliCa(登録商標))等を利用した無線による認証方法を適用する形態としてもよい。
【0094】
また、上記第2の実施の形態では、提供原稿画像データの登録者を特定するための情報としてユーザIDを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一例として図6に示されるように、例えば、提供原稿に送信元の会社名(図6に示す例では、「▲▲会社」)、部署名(図6に示す例では、「▲▲」部)、および名前(図6に示す例では、「▲▲▲」)等といった送信元を示す情報が記載されている場合には、当該情報を上記ユーザIDに代えて適用する形態としてもよい。
【0095】
また、上記第2の実施の形態では、画像形成装置10のユーザを認証するタイミングとして、図14に示される画像送信処理プログラムを実行する前のタイミングを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、認証結果を用いる前のタイミングであれば如何なるタイミングを適用してもよい。
【0096】
また、上記第3の実施の形態では、第1宛先情報により示される送信先と第2宛先情報により示される送信先が異なる場合に、これらの2つの送信先から1つをユーザに選択させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ユーザに対して提供原稿画像データを送信する送信先を、ユーザインタフェース22等の受付手段を介して直接入力させる形態としてもよい。
【0097】
その他、上記各実施の形態で説明した通信システム90の構成(図1から図5まで参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0098】
また、上記第2の実施の形態で説明した送付原稿対応データベースのデータ構造(図13参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0099】
また、上記各実施の形態で示した提供原稿の構成(図6参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、記載内容が異なるものとしてもよいことは言うまでもない。
【0100】
また、上記各実施の形態で示した各種表示画面の構成(図9から図11まで,図15,図18参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0101】
さらに、上記各実施の形態で説明した画像送信処理プログラム、送信中止処理ルーチン・プログラムおよび送信確認処理ルーチン・プログラムの処理の流れ(図7,図8,図14,図16,図17参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0102】
10 画像形成装置
12 原稿読取部
14 画像形成部
22 ユーザインタフェース
32 CPU
32A 制御部
32B 取得部
35 HDD
38 送受信制御部
46 読取制御部
54 ファクシミリインタフェース部
60 ファクシミリ装置
61 CPU
64 HDD
70 ファクシミリインタフェース部
80 電話回線
90 通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報の送信先との通話状態で前記画像情報の送信指示を受けた場合に、前記送信先に前記画像情報を送信する送信手段と、
前記送信先から当該送信先を示す第1宛先情報を受信する受信手段と、
前記画像情報の送信先を示す第2宛先情報を取得する取得手段と、
前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、前記送信手段による前記画像情報の送信を行わないように制御する制御手段と、
を備えたファクシミリ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが一致する場合に、前記送信手段による前記画像情報の送信を行うように制御する
請求項1記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
表示手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、前記表示手段に前記画像情報の送信先を確認するための確認画面を表示するように制御する
請求項1記載のファクシミリ装置
【請求項4】
前記画像情報の送信先の入力を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記確認画面の表示後、前記受付手段により前記送信先の入力を受け付けた場合、受け付けた前記送信先への前記送信手段による前記画像情報の送信を行うように制御する
請求項3記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記取得手段によって取得された前記第2宛先情報を当該第2宛先情報により示される送信先に送信する前記画像情報に関連付けて記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記受信手段によって受信した前記第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが一致する場合に、当該第2宛先情報に対応する前記画像情報の前記送信手段による送信を行うように制御する
請求項1から請求項4の何れか1項記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項記載のファクシミリ装置と、
前記ファクシミリ装置における前記画像情報により示される画像を形成する形成手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5の何れか1項記載のファクシミリ装置と、
前記ファクシミリ装置に前記第1宛先情報を送信する第2送信手段、および前記ファクシミリ装置から送信された前記画像情報を受信する第2受信手段を備えた第2ファクシミリ装置と、
を有する通信システム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から請求項5の何れか1項に記載のファクシミリ装置における取得手段および制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
画像情報の送信先を示す第2宛先情報を取得する取得手段と、
前記送信先から受信した当該送信先を示す第1宛先情報により示される送信先と前記取得手段によって取得した前記第2宛先情報により示される送信先とが異なる場合に、前記画像情報を送信しないように制御する制御手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−49649(P2011−49649A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194247(P2009−194247)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】