説明

ファスナー装置の施工用治具

【課題】 片側方向から施工できるファスナー装置の施工時に、装置の供回りを防止し迅速に施工ができ作業性のよい施工用治具を提供すること。
【解決手段】 片側方向から施工できるファスナー装置1の開脚スリーブ10に施工時の供回りを阻止する工具装着部12を有している。治具本体101にファスナー装置の工具装着部12を係合できる幅の治具側縁板102を設け、治具側縁板102の内側にファスナー挿通穴103を設ける。治具本体101の治具側縁板102を被結合部材に設置したファスナー装置1の工具装着部12に係合する。ファスナー装置を治具本体101のファスナー挿通穴103に装着する。ファスナー装置を施工する時に、治具本体が反力受部30aに係止して当該治具本体の反力を受けて回転を阻止し、施工中のファスナー装置の供回りを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファスナー装置の施工用治具に関しており、さらに詳しくは、片側方向から施工できる構造のファスナー装置の施工時において、装置の供回りが防止できる施工用治具に関している。
【背景技術】
【0002】
鋼板の接合又は建造物の組立てをするに際し、片側方向から施工できるようにしたファスナー装置は、別名ワンサイドボルトと呼称されているものであって、特許文献1に記載されているが、この他にも多くの装置が知られている。本願発明者は、片側方向から施工できるようにしたファスナー装置を改良し、特願2004−248218号により新たなファスナー装置を提案した。
【0003】
図17及び図18は、本願発明者が提案したファスナー装置を示しており、ファスナー装置1が、開脚スリーブ10,締付けボルト20とからなるものであり、また、開脚スリーブ10は、スリーブ本体11の基端に六角頭部などにより形成される工具装着部12を設け、先端に雌ネジ13を設け、スリーブ胴体に軸方向に平行する複数のスリット14を設けて当該部分を開脚部15に形成したものであって、締付けボルト20をスリーブ本体11に挿入して雌ネジ13とねじ結合したものである。
【0004】
上記ファスナー装置は、被結合部材30に形成した差込孔31に挿入し、工具装着部12を被結合部材30の表面に突出し、該工具装着部12を回転しないように固定した状態で締付けボルト20を回転する。締付けボルト20の回転によってスリーブ本体11の先端が工具装着部12に向って移動すると、スリット14によって分断されている開脚部15が外側に膨らんで変形し、最終的には開脚部15が被結合部材30の裏面で二つ折りに変形し、ファスナー装置1は工具装着部12と変形した開脚部15により被結合部材30を結合するものである。
【0005】
また、片側方向から施工できるファスナーの施工装置も開発されており、特許文献2及び3に記載の装置が提案されている。ただし、提案された装置は施工作業を補助するための治具ではなく、いずれも専用工具であり回転工具に組み込まれているので、既成の回転工具では使用することができず汎用性に欠けるものであった。
【0006】
【特許文献1】実開昭58−50213号公報
【特許文献2】特開昭58-40271号公報
【特許文献3】特開2004−100837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、片側方向から施工できるファスナー装置の施工時に、装置の供回りを防止した施工用治具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
解決手段の第1は、ファスナー装置が、片側方向から施工でき、施工時の供回りを阻止する工具装着部を有するものであり、治具本体が、ファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴とファスナー装置の工具装着部と係合し該ファスナー装置の自由な回転を阻止する係合面を有するファスナー係合部を設けたものであり、ファスナー装置を施行する被結合部材に、工具装着部を突出させてファスナー装置を挿通した後該工具装着部に上記治具本体の上記ファスナー係合部を係合し、又は、上記工具装着部に上記治具本体の上記ファスナー係合部を係合した状態で当該ファスナー装置を挿通し、ファスナー装置の施工時に上記治具本体を当該治具本体の近傍に形成されている反力受部に係合させて回動を阻止することにより施工時のファスナー装置の供回りを防止することを特徴とするものである。
【0009】
解決手段の第2は、解決手段の第1において、治具本体は、ファスナー挿通穴が第1のファスナー挿通穴と該第1のファスナー挿通穴に隣接する第2のファスナー挿通穴であることを特徴とするものである。
【0010】
解決手段の第3は、解決手段の第1において、治具本体は、ファスナー挿通穴が複数本のファスナー装置を挿通できる第3のファスナー挿通穴であることを特徴とするものである。
【0011】
解決手段の第4は、解決手段の第1から第3のいずれかにおいて、治具本体が、ファスナー装置の工具装着部に被せて使用する場合は、ファスナー挿通穴がファスナー装置の締付けネジが挿通できるものであることを特徴とするものである。
【0012】
解決手段の第5は、解決手段の第1から第3のいずれかにおいて、治具本体がファスナー装置の工具装着部と該被結合部材との間に装着して使用する場合は、ファスナー挿通穴がファスナー装置の開脚スリーブが挿通できるものであることを特徴とするものである。
【0013】
解決手段の第6は、解決手段の第1から第5のいずれかにおいて、第1の治具が鋼板資材で形成されたものであり、治具本体の両側縁を直角に折り曲げて治具側縁板を形成し、該治具側縁板の内側にファスナー装置の締付けネジが挿通できるファスナー挿通穴を設け、上記治具側縁板の取付け間隔をファスナー装置の回転阻止部が係合できる幅に形成したことを特徴とするものである。
【0014】
解決手段の第7は、解決手段の第1から第5のいずれかにおいて、第2の治具が鋼板資材で形成されたものであり、治具本体の両側縁を直角に折り曲げて治具側縁板を形成し、該治具側縁板の内側にファスナー装置の開脚スリーブが挿通できるファスナー挿通穴を設け、上記治具側縁板の取付け間隔をファスナー装置の工具装着部が係合できる幅に形成したことを特徴とするものである。
【0015】
解決手段の第8は、解決手段の第1から第5のいずれかにおいて、第3の治具が鋼板資材で形成されたものであり、第3の治具本体は、当該治具本体の両側縁を断面U字状に折り曲げて治具折返し縁を形成し、該治具折返し縁の内側にファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴を設け、上記治具折返し縁の取付け間隔をファスナー装置の工具装着部が係合できる幅に形成したことを特徴とするものである。
【0016】
解決手段の第9は、解決手段の第1から第5のいずれかにおいて、第4の治具が鋼板資材で形成されたものであり、第4の治具本体は、当該治具本体の両側縁を折り曲げて側縁部材を形成するとともに側面視階段状に折り曲げ形成し、該治具本体には、上部治具本体、下部治具本体、縦部治具本体が形成され、該縦部治具本体は上記側縁部材が除去されており、上記上部治具本体及び上記下部治具本体にファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴を設け、上記側縁部材の取付け間隔をファスナー装置の工具装着部が係合できる幅に形成したことを特徴とするものである。
【0017】
解決手段の第10は、解決手段の第1から第3,第5,第7から第9のいずれかにおいて、治具本体を、被結合部材に設置したファスナー装置の工具装着部と該被結合部材との間に装着して施工するに際し、当該治具本体を上記被結合部材に溶接したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1は、片側方向から施工できるファスナー装置の施工に際し、治具本体を反力受部となる被結合部材の突状係合部又は既に施工されたファスナー装置に係合させて供回りを防止するものであるから、ファスナー装置が1本であっても施工可能であり、しかもファスナー装置の工具装着部を工具で押えなくても施工可能なので、施工に際し、装置を押えるための工具が不要となり作業性が向上する効果がある。また、この種ファスナー装置の特徴である締付けボルトの取り外しが可能であることの機能を利用して、施工後に締付けボルトを外して治具本体を取り除き、再び締付けボルトをねじ込むことで治具本体を被結合部材から取り外すことができる効果がある。
【0019】
請求項2は、第1のファスナー挿入穴に隣接して第2のファスナー挿入穴を設けたものであるから、一度のセットで複数本のファスナー装置を同時に施工できる効果がある。
【0020】
請求項3は、ファスナー挿通穴が複数本のファスナー装置を挿通できる第3のファスナー挿入穴であるから、一度のセットで複数本のファスナー装置を同時に施工できる効果がある。
【0021】
請求項4は、ファスナー挿入穴をファスナー装置の締付けネジが挿通できる大きさに形成したものであるから、施工が、治具本体をファスナー装置に被せて使用する態様に限定されるが、施工中に治具本体のガタツキがなく施工し易い効果がある。
【0022】
請求項5は、ファスナー挿入穴をファスナー装置の開脚スリーブが挿通できる大きさに形成したものであるから、施工が、治具本体をファスナー装置の工具装着部と被結合部材との間に装着して使用する態様に限定されるが、施工中に治具本体のガタツキがなく施工し易い効果がある。
【0023】
請求項6は、第1の治具本体を鋼板資材で形成し、ファスナー挿通穴をファスナー装置の締付けネジが挿通できる大きさに形成したものであるから、施工の際に、治具本体をファスナー装置に被せて使用する態様に限定されるが、施工中に治具本体のガタツキがなく施工し易い効果がある。
【0024】
請求項7は、第2の治具本体を鋼板資材で形成し、ファスナー挿通穴をファスナー装置の開脚スリーブが挿通できる大きさに形成したものであるから、施工の際に、治具本体をファスナー装置の工具装着部と被結合部材との間に装着して使用する態様に限定されるが、施工中に治具本体のガタツキがなく施工し易い効果がある。
【0025】
請求項8は、第3の治具本体を鋼板資材で形成したものであり、治具本体の側縁部を断面U字状に折り曲げて治具折返し縁を形成したものであるから、工具装着部を挟持する挟持力が強く施工時に治具本体が変形するのを防止できる効果がある。
【0026】
請求項9は、第4の治具本体を側面視階段状に形成したものであるから、被結合部材が側面視で階段状に形成されている場合に適用できる効果がある。
【0027】
請求項10は、治具本体を被結合部材に溶接して施工するものであるから、ファスナー装置の施工時の段取り作業性が向上する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1ないし図9が第1の治具に関しており、図1,2は第1の治具を示す斜視図、図3はファスナー装置1本を施工する場合の斜視図、図4は施工開始時を示す斜視図、図5は施工完了時を示す斜視図、図6は施工完了時の断面図、図7は施工完了後に治具を取外した状態を示す斜視図、図8はファスナー装置2本を施工する場合の施工開始時を示す斜視図、図9は施工後に治具を取外した状態を示す斜視図である。
【0029】
図1に示す第1の治具100は、鋼板資材で形成した治具本体101の両側縁を直角に折り曲げて治具側縁板102を形成し、該治具側縁板102の内側に第1のファスナー挿入穴103と第2のファスナー挿入穴104を設けたものである。なお、第1のファスナー挿入穴103は、ファスナー装置の締付けネジ20が挿通できる大きさに形成されており、また、第2のファスナー挿入穴104はファスナー装置の締付けネジ20が挿通できる長孔に形成されている。
【0030】
また、図2に示す第1の治具100は、治具本体101に複数本のファスナー装置が挿通できる第3のファスナー挿入穴105を設けたものである。
【0031】
上記治具側縁板102は、ファスナー装置の工具装着部12と係合してファスナー装置の自由な回転を阻止するファスナー係合部となるものであり、当該治具側縁板102の取付け間隔は、該工具装着部12が係合できる幅と等しくなっている。
【0032】
第1の治具100は、被結合部材30,31にセットされたファスナー装置1の工具装着部12に被せて使用するものであり、1本又は2本のファスナー装置が施工できる。図3ないし図7は1本使用の場合を示し、図8及び図9は2本使用の場合を示している。
【0033】
図3において、二つの被結合部材30,31に形成したファスナー差込穴32に開脚スリーブ10を挿入し、工具装着部12を被結合部材30の表面に係止する。次に、第1の治具100を工具装着部12に被せ、第1のファスナー挿入穴103と開脚スリーブ10のネジ穴とを一致させ、該第1のファスナー挿入穴103を介して締付けネジ20を開脚スリーブ10内に挿入する(図4)。なお、被結合部材30のファスナー差込穴32は、近傍に反力受部を構成する突条係合部30aが形成されているか又は既にファスナー装置が設置されていることが条件である。
【0034】
図4に示すように組み立てられたら、ボルト頭部21に工具を装着して締付けボルト20を回転する。締付けボルト20を締付け方向(平面視で時計方向)に回転すると、開脚スリーブ10が工具装着部12を伴って同方向に回転するので、治具本体101は時計方向に回転して先端が突条係合部30aに係合するまで回転する(図5)。治具本体101はこの位置で回転が阻止されるので、締付けボルト20の回転を続ければ、ファスナー装置1は開脚スリーブ10が外側に折れ曲って変形し被結合部材30,31の背面に施工される(図6)。
【0035】
図7はファスナー装置の施工後に治具を取外した状態を示している。施工完了後は、締付けボルト20を外しても被結合部材30,31は、工具装着部12と変形した開脚部15によって結合されているので、治具本体101を取り外すことができる。施工完了後に締付けボルト20を外すと治具本体101は、ファスナー装置1の工具装着部12に被せられているだけであるから、締付けボルト20を外してから治具本体101を取り外し、その後、再び開脚スリーブ10に締付けボルト20を締付けておく。
【0036】
ファスナー装置1本を施工する場合は、近傍に治具本体101の先端を係合する突起状部材を必要とするが、例えば、既にファスナー装置が施工されており、この既設のファスナー装置の近傍に新たに施工する場合は、既設のファスナー装置を治具本体101が係合する反力受部とすることができる。
【0037】
図8は第1治具を使用して2本のファスナー装置を施工する場合である。被結合部材30,31に挿入した開脚スリーブの工具装着部12,12aに治具本体101を被せ、開脚スリーブに締付けネジ(20,20a)をねじ結合してボルト頭部21,21aにより締付ける。締付けネジの回転はどちらから行ってもよく、一方を回転すれば治具本体101は供回りして回転しようとするが、当該治具本体101は他の開脚スリー部に係止されていて回転が阻止されているので、施工中のファスナー装置は供回りすることなく施工されることになる。
【0038】
図9は施工完了後に治具本体を取外した状態を示しており、施工完了後に締付けボルトを外してから治具本体(101)を外し、再び締付けボルトをねじ結合している。
【0039】
ファスナー装置は1本使用と2本使用の場合があり、いずれの場合も図1に示す形態で説明したが、図2に示すように、ファスナー挿入穴が長孔の第3のファスナー挿入穴105を使用できることは勿論である。
【0040】
図10ないし図12が第2の治具に関している。第2の治具200を使用する場合は、二つの被結合部材30,31の接合部に形成した差込穴32,32aに治具本体201の表面を当接して該差込穴32,32aと第1及び第2のファスナー挿入穴203,204を一致させる。次いで、ファスナー挿入穴203,204を介してファスナー装置1,1Aの開脚スリーブ10,10aを上記差込穴32,32aに挿入し、いずれの開脚スリーブ10,10aも工具装着部12,12aを治具側縁板202の係合面に係合する。
【0041】
このように組付けられたファスナー装置1,1Aのうち、一方のファスナー装置1の締付けボルト20を回転すると、該締付けボルト20の回転に伴ってファスナー装置1が供回りを起そうとするが、当該ファスナー装置1は、いずれも工具装着部12,12aが治具側縁板202に係合されているので、他方のファスナー装置1Aが反力受部として作用し、施工中のファスナー装置1の供回りが阻止される。一方のファスナー装置1が施工できたら、他方のファスナー装置1Aを施工する。
【0042】
図11は、第2の治具200を使用してファスナー装置を施工する施工開始時を示すと共に施工完了時を示しており、ここでは、治具本体201は被結合部材30と開脚スリーブ10の工具装着部12との間に残されている。また、施工が完了したファスナー装置1は図12に示すように、工具装着部12と変形した開脚スリーブ15によって被結合部材30,31を結合している。ただし、被結合部材30と工具装着部12との間に第2の治具200が残されていることは前述したとおりである。
【0043】
第2の治具200は、治具本体201に第1のファスナー挿入穴203及び第2のファスナー挿入穴204を設けた形態を説明したが、治具本体201に長孔形状の第3のファスナー挿入穴を設けることができることは勿論である。
【0044】
第1の治具100及び第2の治具200は、二つのファスナー装置1,1Aの取付けピッチが狭い場合であっても施工可能である。開脚スリーブ10,10aの開脚部15,15aは、どの方向に変形するかが予想できるから、図13に示すように、開脚部15,15aを交差させることで当該開脚部15,15aが重なり合うことなく施工できる。
【0045】
図14は第3の治具に関している。第3の治具300は、鋼板資材で形成した治具本体301の両端縁を断面U字状に折り曲げて治具折返し縁302を形成し、該治具折返し縁302内側にファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴303,304を設けたものである。治具折返し縁302は、ファスナー装置の工具装着部12が係合できる係合面を有するファスナー係合部に相当するものである。第3の治具300は、第1の治具100と同様に鋼板資材によって形成したものであるが、治具折返し縁302が断面U字状に折り曲げられているから、工具装着部12を挟持する挟持力が強く施工時に部材が変形するのを防止できる。
【0046】
第3の治具300は、第1の治具100と同じようにファスナー装置の工具装着部12に被せて施工する場合と、被結合部材30と工具装着部12との間に挟んで施工する場合を選択でき、いずれの場合の施工も前述した手順により行われる。
【0047】
図15,図16は第4の治具に関している。第4の治具400は、鋼板資材で形成した治具本体401の両側縁を折り曲げて側縁部材402を形成するとともに、治具本体401を側面視階段状に折り曲げ形成したものである。なお、治具本体401は側面視を階段状に折り曲げ形成したので、上部治具本体401aと下部治具本体401bとの間に縦部治具本体401cが形成されたが、縦部治具本体401cからは側縁部材(402)が除去されている。
【0048】
側縁部材402は、ファスナー装置の工具装着部12が係合できる係合面を有するファスナー係合部に相当するものである。また、上部治具本体401a及び下部治具本体401bには、長孔形状のファスナー挿入穴404が設けられている。
【0049】
第4の治具400は、被結合部材30が側面視で階段状に形成されている場合に適用されるものであって、施工手順は第1の治具100の第2使用例と同じ要領で行う。
【0050】
本発明の治具は、上記した使用例以外に治具本体を被結合部材に溶接してファスナー装置を施工することができる。すなわち、治具本体を被結合部材とファスナー装置の工具装着部との間に挟んで施工は、全ての治具本体を被結合部材に溶接する使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1の治具を示す斜視図。
【図2】第1の治具の他の実施形態を示す斜視図。
【図3】第1の治具により1本のファスナー装置を施工する時の治具とファスナー装置を示す斜視図。
【図4】第1の治具の施工開始時を示す斜視図。
【図5】第1の治具の施工完了時を示す斜視図。
【図6】第1の治具の施工完了時を示す断面図。
【図7】1本のファスナー装置の施工後に治具を取外した状態を示す斜視図。
【図8】第1の治具により2本のファスナー装置を施工する時の施工完了時を示す斜視図。
【図9】2本のファスナー装置の施工後に治具を取外した状態を示す斜視図。
【図10】第2の治具により2本のファスナー装置を施工する時の治具とファスナー装置を示す斜視図。
【図11】第2の治具の施工完了時を示す斜視図。
【図12】第2の治具の施工完了時を示す断面図。
【図13】第1及び第2の治具の施工完了時におけるファスナー装置の底面図。
【図14】第3の治具を示す斜視図。
【図15】第4の治具を示す斜視図。
【図16】第4の治具の施工完了時を示す断面図。
【図17】本願発明者が提案したファスナー装置を示す側面図。
【図18】本願発明者が提案したファスナー装置の使用例を示す断面図。
【符号の説明】
【0052】
1 ファスナー装置
10 開脚スリーブ
11 スリーブ本体
12 工具装着部
13 雌ネジ
14 スリット
15 開脚部
20 締付けボルト
21 ボルト頭部
30,31 被結合部材
32 差込穴
100 第1の治具
101 治具本体
102 治具側縁板
103 第1のファスナー挿通穴
104 第2のファスナー挿通穴
105 第3のファスナー挿通穴
200 第2の治具
201 治具本体
203 第1のファスナー挿通穴
204 第2のファスナー挿通穴
300 第3の治具
301 治具本体
303 第1のファスナー挿通穴
304 第2のファスナー挿通穴
400 第5の治具
401 治具本体
401a 上部治具本体
401b 下部治具本体
401c 縦部治具本体
402 側縁部材
404 ファスナー挿通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナー装置が、片側方向から施工でき、施工時の供回りを阻止する工具装着部を有するものであり、治具本体が、ファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴とファスナー装置の工具装着部と係合し該ファスナー装置の自由な回転を阻止する係合面を有するファスナー係合部を設けたものであり、ファスナー装置を施行する被結合部材に、工具装着部を突出させてファスナー装置を挿通した後該工具装着部に上記治具本体の上記ファスナー係合部を係合し、又は、上記工具装着部に上記治具本体の上記ファスナー係合部を係合した状態で当該ファスナー装置を挿通し、ファスナー装置の施工時に上記治具本体を当該治具本体の近傍に形成されている反力受部に係合させて回動を阻止することにより施工時のファスナー装置の供回りを防止することを特徴とするファスナー装置の施工用治具。
【請求項2】
治具本体は、ファスナー挿通穴が第1のファスナー挿通穴と該第1のファスナー挿入穴に隣接する第2のファスナー挿通穴であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項3】
治具本体は、ファスナー挿通穴が複数本のファスナー装置を挿通できる第3のファスナー挿通穴であることを特徴とする請求項1に記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項4】
治具本体が、ファスナー装置の工具装着部に被せて使用する場合は、ファスナー挿通穴がファスナー装置の締付けネジが挿通できるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項5】
治具本体が、ファスナー装置の工具装着部と該被結合部材との間に装着して使用する場合は、ファスナー挿通穴がファスナー装置の開脚スリーブが挿通できるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項6】
第1の治具(100)が鋼板資材で形成されたものであり、治具本体の両側縁を直角に折り曲げて治具側縁板(102)を形成し、該治具側縁板の内側にファスナー装置の締付けネジが挿通できるファスナー挿通穴を設け、上記治具側縁板の取付け間隔をファスナー装置の回転阻止部が係合できる幅に形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項7】
第2の治具(200)が鋼板資材で形成されたものであり、治具本体の両側縁を直角に折り曲げて治具側縁板(202)を形成し、該治具側縁板の内側にファスナー装置の開脚スリーブが挿通できるファスナー挿通穴を設け、上記治具側縁板の取付け間隔をファスナー装置の工具装着部が係合できる幅に形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項8】
第3の治具(300)が鋼板資材で形成されたものであり、第3の治具本体は、当該治具本体の両側縁を断面U字状に折り曲げて治具折返し縁(302)を形成し、該治具折返し縁の内側にファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴を設け、上記治具折返し縁の取付け間隔をファスナー装置の工具装着部が係合できる幅に形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項9】
第4の治具(400)が鋼板資材で形成されたものであり、第4の治具本体は、当該治具本体の両側縁を折り曲げて側縁部材(402)を形成するとともに側面視階段状に折り曲げ形成し、該治具本体には、上部治具本体、下部治具本体、縦部治具本体が形成され、該縦部治具本体は上記側縁部材が除去されており、上記上部治具本体及び上記下部治具本体にファスナー装置を挿通するファスナー挿通穴を設け、上記側縁部材の取付け間隔をファスナー装置の工具装着部が係合できる幅に形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。
【請求項10】
治具本体を、被結合部材に設置したファスナー装置の工具装着部と該被結合部材との間に装着して施工するに際し、当該治具本体を上記被結合部材に溶接したことを特徴とする請求項1から3,5,7から9のいずれかに記載のファスナー装置の施工用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−308040(P2006−308040A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133973(P2005−133973)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(390022389)サンコーテクノ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】