説明

フィルタ装置、そのようなフィルタ装置を具える回路装置及びそのようなフィルタ装置を操作する方法

所望のキャリアの周辺の帯域を通過するとともに音声復調の性能が妨害されない、入力信号、特に、IF(中間周波数)入力信号、例えば、受信テレビジョン信号のような音声信号を処理するフィルタ装置及び方法を提供するために、画像除去する少なくとも一つの受動ポリフェーズフィルタ段(50)と、受動ポリフェーズフィルタ段(50)に結合され、受動ポリフェーズフィルタ段(50)の減衰要求を軽減するために帯域通過及び画像除去の寄与を行う少なくとも一つの能動ポリフェーズフィルタ段(60)とを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号、特に、IF(中間周波数)入力信号、例えば、受信テレビジョン信号のような音声信号を処理するフィルタ装置に関する。
【0002】
また、本発明は、
少なくとも一つの弾性表面波フィルタ段、特に、少なくとも一つの外部窓弾性表面波フィルタと、
弾性表面波フィルタ段の出力信号を増幅する少なくとも一つの増幅段と、
前記増幅段の出力信号を処理し、特に、少なくとも一つの電圧制御発振段の出力信号により増幅音声IF(中間周波数)入力信号を下側周波数に至るまで混合する少なくとも一つの同相/直交ミキサ段とを具える電気又は電子回路装置、特に音声処理経路に関する。
【0003】
さらに、本発明は、入力信号、特に、IF(中間周波数)入力信号、例えば、受信テレビジョン信号のような音声信号を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
TV(テレビジョン)放送は、(例えば、ケーブル伝送に対して)互いに隣接することができるマルチチャネルで行われる。受信に際し、所望のチャネルを、隣接する不所望なチャネルから分離する必要がある(いわゆるチャネル選択)。さらに、復調に際し、単一のキャリアを、所望のチャネル内の他のキャリアから分離する必要がある(いわゆるキャリア選択)。
【0005】
従来、チャネルの選択は、主に、適合された形状SHAを有する外部SAW(弾性表面波)フィルタ(図1において、参照符号FIL)によって行われている。これに関連して、図1は、外部窓弾性表面波フィルタFILが所望のチャネルを選択する従来の音声処理経路SPPを示す。
【0006】
全体の(アナログ)TV信号SINは、増幅器AMPによって増幅され、IQ(同相/直交)ミキサIQMに供給される。このミキサIQMは、減少した位相シフト(0°)を有する第1成分S1及び90°の位相シフトを有する第2成分S2を有するVCO信号S1,S2を、電圧制御発振器VCOから受信し、
増幅した音声IF(中間周波数)入力信号SINを下側周波数に至るまで混合する。
【0007】
図1に示すように、低域通過フィルタ又は実帯域通過フィルタRBPは、受信したチャネルの画像信号(画像キャリアPC、カラーキャリアCC)と、隣接する下のチャネルの信号、特に、画像キャリアPCN−1とを弱める。
【0008】
図2は、従来の音声キャリアの周波数状態及び一部の周波数成分の周波数状態を示す。所望の音声キャリアSC1,SC2は、(NTSC(National Television Systems Committee)の4.5MHz(メガヘルツ)、4.74MHz(メガヘルツ)のそれぞれに対する)第2音声中間周波数を有する。
【0009】
キャリアの選択が主に外部SAW(弾性表面波)フィルタFILによって行われるので、多種多様のSAWフィルタが従来のマルチスタンダードアプリケーションに必要である(参照符号RBSを有する低域通過フィルタの選択又は実帯域通過フィルタの選択。図2参照)。
【0010】
マルチスタンダードTV(テレビジョン)信号受信に対して知られている現在の考えは、必要な弾性表面波フィルタの数の減少を試みることである。デジタルTVを含むあり得る全てのTV規格をカバーするために、二つの窓SAWフィルタが用いられ、一方は、6MHZ(メガヘルツ)の帯域幅を有し、他方は8MHz(メガヘルツ)の帯域幅を有する。
【0011】
しかしながら、従来の考えにおいて、隣接チャネルを抑えるために、部分的に高い要求を有する画像除去が必要とされる。これに関連して、チャネル選択ができるだけ多くの統合によって行われるよう試みられている。そのような従来の考えにおけるアナログTV音声処理の予測は、TV信号の第2音声中間周波数キャリアが下側周波数において所望の帯域の画像キャリアPC及びカラーキャリアCCによって包囲されるとともに上側周波数において隣接チャネルの画像キャリアPC及びIQ(同相/直交)ミキサIQMの高次の高調波によって包囲されていることを示す。
【0012】
全ての周波数成分は不所望であり、音声復調の動作を妨害する。周波数に依存するTV規格での所望の音声キャリア周辺の帯域通過動作が必要となる。
【0013】
これに関連して、フィルタの同調及び周波数切替の基本原理が知られている。複雑なフィルタ処理又はポリフェーズフィルタ処理の基本原理は、帯域通過フィルタに供給されるポリフェーズフィルタ出力を言及する従来技術文献の米国特許第6,377,315号に開示されている。
【0014】
従来技術文献の米国特許第6,377,315号において、画像の除去を行うためにポリフェーズ回路段が(おそらく受動の)ポリフェーズフィルタとして用いられる。さらに、二つの実帯域通過フィルタが設けられ、これら帯域通過フィルタの一方は、I(同相)経路に割り当てられ、これら帯域通過フィルタの他方は、Q(直交)経路に割り当てられる。しかしながら、能動制御ポリフェーズフィルタが示されていない。
【0015】
従来技術文献“A 900-MHz Dual-Conversion Low-IF GSM Receiver in 0.35-μm CMOS”by Shaharzad Tadjpour et al., IEEE Journal Of Solid State Circuits, Vol. 36, No. 12, December 2001において、本発明の技術背景を言及するとともにミキサを有するカスケード接続された二つのポリフェーズフィルタ(=受動ポリフェーズフィルタ及び能動ポリフェーズフィルタ)を設けたシステムが開示されている。これら二つのポリフェーズフィルタ間で、周波数状態が混合により1回変化する。受動ポリフェーズフィルタは、次の混合の際に画像除去を行い、能動ポリフェーズフィルタは切替自在である。
【0016】
従来技術文献の米国特許第6,236,847号において、二つの受動ポリフェーズフィルタが、隣接の選択及び画像除去を行うために直列で用いられる。従来技術文献の米国特許第6,236,847号によって、受動ポリフェーズフィルタ処理の技術が示されている。この場合、二つのポリフェーズフィルタは、負の周波数範囲をそれぞれ抑制し、帯域通過特性を維持するために周波数の混合が二つの受動ポリフェーズフィルタ間で必要となり、結果的に得られる周波数範囲は、入力周波数に依存する。1を超えるチャネルが通過するので、狭帯域チャネルの選択がなく、とくに、キャリアの選択がない。
【発明の開示】
【0017】
これまで説明した不都合及び欠点から開始し、議論した従来技術を考慮すると、本発明の目的は、所望のキャリア周辺で帯域通過動作を行うとともに音声復調動作が妨害されないように、技術分野で説明した種類のフィルタ装置、技術分野で説明した種類の回路装置及び技術分野で説明した種類の方法を更に開発することである。
【0018】
本発明の目的は、請求項1の特徴を具えるフィルタ装置、請求項5の特徴を具える回路装置及び請求項8の特徴を具える方法によって達成される。本発明の好適な実施の形態及び更なる向上を、従属項にそれぞれ開示する。
【0019】
本発明は、原理的には、統合されたチャネル及びキャリア選択に対して少なくとも二つのポリフェーズフィルタを組み合わせる概念に基づき、この場合、
ポリフェーズフィルタの少なくとも一つを、受動ポリフェーズフィルタとし、
ポリフェーズフィルタの少なくとも一つを、特に同一周波数状態の能動ポリフェーズフィルタとする。
【0020】
これに関連して、少なくとも一つの受動ポリフェーズフィルタ段は、画像除去を行い、少なくとも一つの能動ポリフェーズフィルタ段は、帯域通過用であり、受動ポリフェーズフィルタ段の減少の要求を緩和するために画像除去に寄与する。
【0021】
したがって、能動ポリフェーズフィルタは、受動ポリフェーズフィルタのIR(画像除去)仕様を促進し及び/又はサポートする(このような促進及び/又はサポートがない場合、IR(画像除去)を受動ポリフェーズフィルタのみによって実現する必要がある。)。換言すれば、能動ポリフェーズフィルタ段も画像除去を行う。
【0022】
ポリフェーズフィルタ処理を利用することによって、最適な信号対雑音比が得られる。負の周波数は雑音に寄与しない。
【0023】
本発明の好適な実施の形態によれば、少なくとも一つの受動ポリフェーズフィルタ及び特に少なくとも一つの能動ポリフェーズ帯域通過フィルタとして実施される少なくとも一つの能動ポリフェーズフィルタが、少なくとも一つの規定され又は所望のキャリア周波数周辺で帯域通過動作が行われ、音声復調動作が妨害されず、かつ、最適な信号対雑音比が得られるようにカスケード接続される。
【0024】
本発明の好適な実施の形態によれば、能動ポリフェーズ帯域通過フィルタは、
特に、以前の受動ポリフェーズフィルタ段の減衰の要求を緩和するために少なくとも一つの合成ビデオ信号内で音声信号を選択し、及び/又は
不所望な画像信号(画像キャリアPC、色キャリアCC)及び隣接チャネル信号(PC,CC,SC(音声キャリア)(N+1)/(N−1))を減少する。
【0025】
本発明の利点に関して、統合の労力は、必要な画像除去の要求を二つ(又はそれ以上)のフィルタ、すなわち、
要求が減少した画像除去を行う少なくとも一つの第1の(受動)ポリフェーズフィルタ及び
音声信号に帯域通過特性を導入するとともに画像除去にも寄与する少なくとも一つの第2の(能動)ポリフェーズフィルタに分割することによって少なくなる。これに関連して、ポリフェーズ帯域通過フィルタは、以前の画像除去フィルタの減衰要求を緩和する。その理由は、ポリフェーズ帯域通過フィルタが画像除去にも寄与するからである。
【0026】
本発明による実現によって、アプリケーションの労力(四つの外部セラミック帯域通過フィルタ)は、一つ(又はそれ以上)の規格に依存する切替フィルタに統合することによって減少する。アプリケーションから独立してもアプリケーションと組み合わせても、規格に依存する切替及び同調統合帯域通過フィルタによる統合に小領域しか必要としない。
【0027】
本発明を用いることによって、広い周波数範囲に亘って均等な帯域通過特性を許容し、一方、実帯域通過は、周波数に同調することによって両側の急峻さを変化させる。
【0028】
本発明の方法によれば、入力信号、特に、IF(中間周波数)入力信号、例えば、受信テレビジョン信号のような音声信号は、
少なくとも一つの受動ポリフェーズフィルタ段によって画像を除去し、
前記受動ポリフェーズフィルタ段に結合された少なくとも一つの能動ポリフェーズフィルタ段によって帯域通過処理を施すことによって処理される。
【0029】
さらに、本発明の方法の好適な実施の形態によれば、
少なくとも一つの規定された又は所望のキャリア周波数の帯域通過処理を施し、
音声復調の性能を妨害せず、
最適な信号対雑音比を取得する。
【0030】
本発明を、チャネル選択に用いることができ、特に、IQ(同相/直交)混合又はIQ(同相/直交)信号の内部発生によるIF(中間周波数)処理を含むTV(テレビジョン)信号処理を行うあらゆるアナログIC(集積回路)における音声処理に用いることができる。本発明を、例えば、音声AM(振幅変調)及びFM(周波数変調)処理を含む正及び負の変調を行う調整のないマルチスタンダード(PAL(Phase Alternation Line), SECAM(Sequential Couleur A Memorie) 及びNTSC(National Television Standards Committee))ビジョン及び音声IF(Intermediate Frequency)信号PLL(Phase Locked Loop)復調器に用いることができる。
【0031】
本発明は、例えば、少なくとも一つのコンピュータモニタ、少なくとも一つのPC(パーソナルコンピュータ)、少なくとも一つのSTB(セットトップボックス)、少なくとも一つのTV(テレビジョン)セット、少なくとも一つのVDR(ビデオカセットレコーダ)及び/又は少なくとも一つのVTR(ビデオテープレコーダ)等のような少なくとも一つの集積RF(無線周波数)信号処理フロントエンドモジュールにおける少なくとも一つの半導体ベースのオーディオチューナ及び/又はビデオチューナ信号アプリケーションの既に説明した少なくとも一つのフィルタ装置及び/又は既に説明した少なくとも一つの回路装置及び/又は既に説明した方法の使用に関する。
【0032】
既に説明したように、本発明の教示を好適に実施し及び向上する複数のオプションが存在する。このために、独立項である請求項1,5,8を参照されたい。本発明の他の向上、特徴及び利点を、添付図面を用いて好適な実施の形態を参照しながら更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
同一参照符号を、図1〜5の対応するパーツに用いる。
【0034】
既に説明したように、知られている現行のTV(テレビジョン)IF(中間周波数)の考えは、特別な特徴を有する種々のSAW(弾性表面波)フィルタの外部の選択を、異なる二つの帯域幅を有する窓SAWフィルタの使用まで減少する。説明する新たな提案は、画像除去のために受動ポリフェーズフィルタを組み合わせる、すなわち、画像除去選択SIR(図4参照)を行うことによる選択の漏れを、復調及び復号のために必要なチャネル及びキャリア選択を行う能動同調ポリフェーズフィルタ60に置換する(参照符号SITを有する統合されたトラッキング帯域通過フィルタによる選択。図4参照)。
【0035】
換言すれば、例えばTV受信機におけるアナログ音声処理における向上したチャネル選択、容易な実現、小さい領域、簡単なアプリケーション、最適な信号対雑音比及び広い周は周範囲に亘る均等な動作のために、受動ポリフェーズフィルタ50及び能動同調ポリフェーズ帯域通過フィルタ60がカスケード接続される。
【0036】
更に詳細には、図3は、外部窓弾性表面波フィルタ10が所望のチャネルを選択する本発明による音声処理経路100を示す。
【0037】
全体の(アナログ)TV信号SINは、増幅器20によって増幅され、IQ(同相/直交)ミキサ30に供給される。このミキサ30は、
減少した位相シフト(0°)を有する第1成分S1及び90°の位相シフトを有する第2成分S2を有するVCO信号S1,S2を、電圧制御発振器40から受信し、
増幅した音声IF(中間周波数)入力信号SINを下側周波数に至るまで混合する。
【0038】
図4は、所望のキャリア及び一部の不所望なキャリア、すなわち、音声キャリア及び一部の周波数応答の周波数状態を示す。所望の音声キャリアSC1,SC2は、(NTSC(National Television Systems Committee)の4.5MHz(メガヘルツ)と4.74MHz(メガヘルツ)のそれぞれに対する)第2の音声中間周波数を有する。
【0039】
図3及び4に示すように、IRF(画像除去フィルタ)又は受動ポリフェーズフィルタ50は、隣接する上のチャネルN+1を抑制する。さらに、所望のチャネルの音声キャリアSC1,SC2を選択するために、能動同調PPBP(ポリフェーズ帯域通過)フィルタ60が導入される。
【0040】
実帯域通過のように、ポリフェーズ帯域通過60は、受信チャネルの画像信号PC(画像キャリア)、CC(カラーキャリア)及び隣接する下のチャネルの信号、特に、画像キャリアPCN−1を減衰する。しかしながら、さらに、ポリフェーズ帯域通過60は、画像の抑制に十分に寄与し、すなわち、必要な画像の抑制z[dB]が、画像除去フィルタ50(必要な画素の抑制z[dB]の第1の部分x[dB])及びポリフェーズ帯域通過フィルタ60(必要な画素の抑制z[dB]の第2の部分y[dB])によって分担され、z[dB]=x[dB]+y[dB]となる。このような分担は、画像除去フィルタ50の内部での労力(零未満の強制)を緩和する。
【0041】
帯域通過に対して高い周波数精度を達成するようプロセスの展開、温度依存性及び電圧依存性を処理するために、能動ポリフェーズ帯域通過フィルタ60は、図5に示すような制御ループ200によって同調され、種々の第2音声中間周波数(第1音声キャリアに対して4.5MHz(メガヘルツ)/5.5MHz/6.0MHz/6.5MHz/6.5MHz)を有する種々のTV(テレビジョン)規格(MN,BG,I,DK及びL/L’)に適合できるよう切替自在である。
【0042】
換言すれば、ポリフェーズ帯域通過フィルタ60は、プロセス展開、温度依存性及び電圧依存性の労力を図5の制御ループ200によって減少するための同調フィルタとなる。帯域通過フィルタ60は、種々のキャリア周波数に整合するよう切替自在でもある。
【0043】
更に詳細には、図5は、直接又は基準フィルタ70を通じて基準信号SREFを受信する位相検出器80を示す。基準フィルタ70は、基準信号SREFの位相を公称値だけシフトする。位相検出器80は、基準信号SREFの元の位相と基準信号SREFのシフトした位相とを比較し、コンデンサ90に蓄積されるとともに制御電圧CVOを付与するソース出力電流又はシンクSOCを発生する。
【0044】
この制御電圧CVOは、制御ループ200が安定状態になるよう基準信号SREFの位相をシフトするために基準フィルタ70を所望の周波数に同調するのに用いられる。制御電圧CVOは、ポリフェーズ帯域通過フィルタ60を制御するのにも用いられ、これによって、基準フィルタ70に整合する。
【0045】
帯域通過を種々のキャリア周波数に切り替えるために、ポリフェーズ帯域通過フィルタ60は、内部インピーダンスレベルを発生してフィルタ中間周波数を変更する基準切替入力信号SSSを取得する。
【0046】
基準番号のリスト
100 回路配置、特に、音声処理経路
10 外部窓弾性表面波フィルタ
20 増幅器
30 同相/直交ミキサ
40 電圧制御発振器
50 画像除去フィルタ及び/又は受動ポリフェーズフィルタ
60 同調帯域通過フィルタ及び/又は能動ポリフェーズフィルタ
70 基準フィルタ
80 位相検出器
90 コンデンサ
200 制御ループ
A 振幅、特に、信号振幅
AMP 増幅器(従来技術。図1参照)
CC カラーキャリア
CVO 制御電圧
f 周波数
FIL 外部窓弾性表面波フィルタ(=従来技術。図1参照)
I 同相
IQM 同相/直交ミキサ(=従来技術。図1参照)
N+1 隣接する上のチャネル
PC 画像キャリア
Q 直交
RBP 低域通過フィルタ又は実帯域通過フィルタ(=従来技術。図1参照)
RBS 低域通過フィルタの選択又は実帯域通過フィルタの選択(=従来技術。図2参照)
SC1 第1の所望の音声キャリア
SC2 第2の所望の音声キャリア
SHA 弾性表面波フィルタの適合された形状
SIN IF(中間周波数)入力信号、特に、アナログIF(中間周波数)入力信号
SIR 画像除去選択
SIT 統合されたトラッキング帯域通過フィルタによる選択
SOC ソース出力電流又はシンク出力電流
SOUT 出力信号
SPP 回路配置、特に、音声処理経路(=従来技術。図1参照)
SREF 基準信号
SSS 規格切替入力信号
S1 減少する位相シフト(0°)を具える、電圧制御発振器VCOからの第1信号
S2 90°の位相シフトを具える、電圧制御発振器VCOからの第2信号
VCO 電圧制御発振器(=従来技術。図1参照)
x[dB] 必要な画像抑制z[dB]の第1部分
y[dB] 必要な画像抑制z[dB]の第2部分
z[dB] 必要な画像抑制(z[dB]=x[dB]+y[dB])
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、回路装置、特に、音声処理経路の従来例のブロック図を線形的に示す。
【図2】図2は、従来のキャリアの振幅対周波数及び周波数応答の図を線形的に示す。
【図3】図3は、本発明の方法に従って動作する、本発明によるフィルタ装置の実施の形態を具える回路配置、特に、音声処理経路の実施の形態のブロック図を線形的に示す。
【図4】図4は、本発明によるキャリアの振幅対周波数及び周波数応答を線形的に示す。
【図5】図5は、本発明の方法に従って動作する、本発明による制御ループによって制御される切替自在かつ同調可能なポリフェーズフィルタの実施の形態のブロック図を線形的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を処理するフィルタ装置において、
画像除去のための少なくとも一つの受動ポリフェーズフィルタ段と、
前記受動ポリフェーズ段に結合され、前記受動ポリフェーズフィルタ段の減衰要求を緩和するために帯域通過及び画像除去の寄与を行う少なくとも一つの能動ポリフェーズフィルタ段とを具えることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項2】
請求項1記載のフィルタ装置において、少なくとも一つの規定された又は所望のキャリア周波数の帯域通過を施し、音声復調の性能が妨害されず、かつ、最適な信号対雑音比を取得するように、前記受動ポリフェーズフィルタ段及び前記受動ポリフェーズ段をカスケード接続したことを特徴とするフィルタ装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のフィルタ装置において、前記能動ポリフェーズフィルタ段が、少なくとも一つの合成ビデオ信号内の音声信号を選択することを特徴とするフィルタ装置。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のフィルタ装置において、前記能動ポリフェーズフィルタ段又は帯域通過が、内部インピーダンスレベルを生じてフィルタ中間周波数を変更する少なくとも一つの切替入力信号によって種々のキャリア周波数に切り替わることを特徴とするフィルタ装置。
【請求項5】
少なくとも一つの弾性表面波フィルタ段と、
前記弾性表面波フィルタ段の出力信号を増幅する少なくとも一つの増幅段と、
前記増幅段の出力信号を処理する少なくとも一つの同相/直交ミキサ段とを具える電気又は電子回路装置において、
請求項1から4のうちの少なくとも1項に記載されたフィルタ装置に、前記同相/直交ミキサ段の出力信号を供給することを特徴とする電気又は電子回路装置。
【請求項6】
請求項5記載の電気又は電子回路装置において、前記ポリフェーズフィルタ段に同調する少なくとも一つの制御ループを具えることを特徴とする電気又は電子回路装置。
【請求項7】
請求項6記載の電気又は電子回路装置において、前記制御ループが、
少なくとも一つの基準信号が供給される少なくとも一つの基準フィルタ段と、
前記基準信号及び前記基準フィルタ段の出力信号が供給される少なくとも一つの位相検出段と、
前記位相検出段の出力信号が供給されるとともに制御電圧を前記能動ポリフェーズフィルタ段及び基準フィルタ段に供給する少なくとも一つの蓄電段とを具えることを特徴とする電気又は電子回路装置。
【請求項8】
入力信号を処理する方法において、
少なくとも一つの受動ポリフェーズフィルタ段によって画像を除去し、
前記受動ポリフェーズフィルタ段に結合された少なくとも一つの能動ポリフェーズフィルタ段によって帯域通過処理を施すことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、
少なくとも一つの規定された又は所望のキャリア周波数の帯域通過処理を施し、
音声復調の性能を妨害せず、
最適な信号対雑音比を取得することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の方法において、前記能動ポリフェーズフィルタ段の帯域通過が、内部インピーダンスレベルを生じてフィルタ中間周波数を変更する少なくとも一つの切替入力信号によって種々のキャリア周波数に切り替わることを特徴とする方法。
【請求項11】
少なくとも一つの半導体ベースのオーディオチューナ及び/又はビデオチューナ信号アプリケーションの請求項1から4のうちの少なくとも1項に記載の少なくとも一つのフィルタ装置及び/又は請求項5から7のうちの少なくとも1項に記載の少なくとも一つの回路装置及び/又は請求項8から10のうちの少なくとも1項に記載の方法の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−533941(P2008−533941A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502537(P2008−502537)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050842
【国際公開番号】WO2006/100629
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507219491)エヌエックスピー ビー ヴィ (657)
【Fターム(参考)】