説明

フィルム−埋設包装およびその製造方法

本発明は、パウチの形状にある包装体に関するものであり、該パウチは、活性物質、例えば食物製品、薬剤、ヌートラシューチカルズおよび化粧学的薬剤等を収容することができる。より詳しくは、幾つかの態様において、本発明は、パウチを提供し、該パウチは、密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性支持体および少なくとも部分的に該少なくとも1種の多孔性支持体中に埋設されている、少なくとも1種の水溶性フィルムを含む。該パウチは、該密閉体積内に活性物質を含み、並びに該水溶性フィルム内に活性物質を含むことができる。本発明は、また該パウチの製法および使用法にも関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互引照)
本件特許出願は、2006年9月29日付で出願された、米国仮特許出願第60/848,344号に対する優先権を主張するものである。この米国仮特許出願の内容を、参考としてここに組入れる。
本発明は、パウチ(pouch)の形状にある包装に関するものであり、該パウチは、活性物質、例えば食物製品、薬剤、栄養補助食品(nutraceuticals)および化粧学的薬剤等を含むことができる。該パウチ材料は、該パウチ内に埋設された水溶性フィルムを含むことができ、該フィルムは、該パウチが選択された身体部位に配置された際に溶解する。本発明は、またこのようなパウチの製造方法並びにその使用方法にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬物、食物製品および関連する消費可能な品目を、予め決められた量にて包装することは、しばしば望ましいことである。例えば、薬物製品は、多孔性で半-透過性の材料中に包装することができる。該材料は、水に不溶性であり、また典型的には風味を持たない。
更に、無煙タバコ製品は、従来、経口的使用のために、個々のパウチ内に包装されている。このような包装は、典型的に風味のない、かつ水に不溶性の多孔性材料から作られている。従って、該材料は、典型的には、使用中に口内で溶解することはない。しかし、該パウチ内に収容されている該製品は、その使用中に該多孔性材料から口腔内に流出する。
また、このような包装された製品の使用中に、消費することのできる香味料を与えることも望ましいことである。例えば、消費者は、しばしば無煙タバコ製品の使用中に、ミント風味を味わうことを楽しむ。しかし、風味のない多孔性材料が、典型的にこのような包装を製造するのに使用されている。
【0003】
更に、該包装された製品と該多孔性で半-透過性の包装材料との間の、望ましからぬ相互作用が、このような製品中でしばしば起こる。従来公知の包装系は、この問題をうまく処理していない。
従って、これらの従来技術において遭遇する諸問題点を回避する、改善された包装に対する要求がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の幾つかの態様によれば、密閉体積(a closed volume)を包囲する、少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;および該少なくとも1種の多孔性支持体中に少なくとも部分的に埋設されている、少なくとも1種の水溶性フィルムを含む、活性成分を投与するためのパウチが提供される。
本発明の幾つかの態様では、活性成分を投与するためのパウチの製法が提供され、該製法は、以下の各工程:(a) 水-不溶性多孔性半-透過性支持体を提供する工程;(b) 該多孔性支持体を、少なくとも部分的に、水溶性フィルムで埋める工程;および(c) 該少なくとも部分的に埋められた該多孔性支持体を折畳んで、密閉体積を規定する工程を含む。
【0005】
本発明の幾つかの態様では、複数の活性成分を、個体の体腔内に送達する方法が提供され、この方法は、以下の各工程:(a) (i)密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;(ii) 該少なくとも1種の多孔性支持体中に、少なくとも部分的に埋設された、少なくとも1種の水溶性フィルム、ここで該水溶性フィルムは、第一の活性成分を含み;および(iii) 該密閉体積中に収容された、第二の活性成分を含むパウチを提供する工程;
(b) 該パウチを該個体の体腔内に適用する工程;および
(c) 該少なくとも1種の水溶性フィルムを溶解させ、かつ該個体の体腔内に、該第一の活性成分を、該第二の活性成分との組合せで、放出させる工程を含む。
【0006】
本発明の幾つかの態様では、活性成分を、タバコ製品との組合せで、個体の体腔内に送達する方法が提供され、該方法は、以下の各工程:
(a) (i)密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;(ii) 該少なくとも1種の多孔性支持体中に、少なくとも部分的に埋設された、少なくとも1種の水溶性フィルム、ここで該水溶性フィルムは、活性成分を含み;および(iii) 該密閉体積中に収容されたタバコ製品を含むパウチを提供する工程;
(b) 該パウチを該個体の口腔内に適用する工程;および
(c) 該少なくとも1種の水溶性フィルムを溶解させ、かつ該個体の口腔内に、該活性成分を、該タバコ製品との組合せで放出させる工程を含む。
【0007】
従って、本発明は、水溶性フィルムが埋設されている、包装された製品を製造するのに使用される多孔性支持体、例えばパウチを提供する。該水溶性フィルムは、該包装体内に収容されている喫食性物質と共に、経験することのできる香味料を含むことができる。あるいはまた、該水溶性フィルムは、該パウチ内部に収容された活性物質との組合せで使用するための、様々な他の活性物質を含むことができる。従って、本発明のパウチは、従来技術の上記諸欠点を克服するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の一態様に従う、パウチの側面図である。
【図2】図2は、図1および3のライン2-2に沿ってとった断面図である。
【図3】図3は、本発明の一態様に従う、パウチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、パウチの形状にある包装に係り、該パウチは、選択された身体の部位、例えば口腔内に投与することができる。該パウチは、密閉体積を包囲している、多孔性で半-透過性の材料および該多孔性支持体中に少なくとも部分的に埋設された、水溶性フィルムを含む。
ある物質を、該パウチ内に収納することができる。該パウチ内に収納するための物質の例は、香味料、呼気清涼化剤等を含むが、タバコ製品を含まない、活性成分、例えば食物製品、薬物、ヌートラシューチカルズおよび化粧学的薬剤を包含する。活性成分、例えば香味料または薬物は、また該パウチを覆うために使用される該水溶性フィルム内に収容することができる。例えば、体腔内に投与した場合に、該水溶性フィルムは溶解し、またそこに含まれている該活性成分を放出する。該フィルムからの該活性成分は、該パウチ内に含まれる活性成分と混合することができる。というのは、これら両者の活性成分は、該体腔内に放出されるからである。
【0010】
あるいはまた、幾つかの態様において、該パウチ内部に収容されているおよび/または該水溶性フィルムに配合されている該物質は、タバコ製品、例えばタバコ、タバコ抽出物、タバコの合成化合物、タバコの風味等を含むことができる。タバコ製品は、ここに記載されるあらゆる態様において、活性成分の代わりに使用することができる。
好ましい一態様において、該パウチは、体腔内に投与される。経口投与以外に、様々な他の投与経路も、ここに記載されるパウチに対して意図されており、その例は、口内、舌下、経粘膜、経歯根膜、経歯肉、経鼻、経目、経耳、経膣、経直腸または局所投与経路を含むが、これらに限定されない。口内投与は、好ましい投与経路である。
【0011】
該多孔性で半-透過性の支持体は、水分、例えば唾液または他の体液が、該パウチを介して流動することを可能とし、また封入された該活性成分またはその溶解性抽出物が、該体腔内の該パウチから流出することを可能とする。該多孔性支持体は、また該フィルム内の活性成分が、該パウチ内に流入することをも可能とする。次に、該フィルム由来の活性成分は、該パウチ内の物質と相互作用することができ、また該パウチ由来の物質および該フィルム由来の活性成分は、同時に該パウチから流出し得る。
【0012】
該支持体の半-透過性は、幾つかの分子的実在物が透過することを可能とし、一方でその他の実在物を保持することを意味する。該支持体の透過性のレベルは、選択的であり、また当業者により決定し得る。一般的に、該支持体の孔が大きい場合、該支持体の透過性は、より一層高いであろう。より小さな孔は、該支持体の透過性をより小さくするであろう。該支持体の透過性は、例えば該パウチ内の活性成分の特性、該活性成分が溶解する速度およびその様式等に基いて、選択することができる。例えば、該活性成分が薬物である場合、該支持体の透過性は、特定の薬物放出速度を与えるように選択することができる。
【0013】
該多孔性支持体は、水-不溶性物質、例えば無煙タバコ製品、ティーバッグ等において従来から使用されている物質を含むことができる。適当な物質は、繊維、紙、水-不溶性ポリマー、布(cloth)および織物(fabric)を含むが、これらに限定されない。水-不溶性ポリマー、例えばセルロース系ポリマーを使用することができる。有用な水-不溶性ポリマーの具体的な例は、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。様々な材料、例えば上記のような材料製の複合支持体も、該多孔性支持体を製造するのに利用することができる。
【0014】
幾つかの態様において、該多孔性支持体は、少なくとも部分的に該水溶性フィルムを包埋していてもよい。該水溶性フィルムは、任意の適当な厚み、例えば約20μm〜約100μmなる範囲の厚みを持つことができる。該水溶性フィルムは、口腔等の身体内の投与部位において、水分と接触した際には、溶解し得る。該水溶性フィルムの溶解は、そこに含まれている該活性成分の様々な放出速度を与えるように、様々な態様に対して調節することができる。例えば、幾つかの態様において、該水溶性フィルムは、該活性成分の迅速な放出をもたらす、迅速な溶解速度、例えば約1-2分なる範囲の溶解速度を持つことができる。他の態様において、該水溶性フィルムは、該フィルム内に含まれる該活性成分の放出を持続する、緩慢な溶解速度、例えば30-60分なる範囲、あるいは更に約24時間にも及ぶ溶解速度を持つように適合させることも可能である。様々な異なるファクタが、該フィルムの溶解速度に影響を及ぼすが、該ファクタの例は、とりわけ、選択された該フィルム-形成ポリマーおよびフィルムの厚みを含む。
【0015】
該水溶性フィルムは、少なくとも1種の水溶性ポリマーを含むことができる。ここで使用する句「水溶性ポリマー」およびその変形は、少なくとも部分的に水に対して溶解性である、および望ましくは水に対して完全にもしくは支配的に溶解性の、あるいは水を吸収するポリマーを意味する。
幾つかの態様において、該水溶性フィルムは、該多孔性支持体と共にヒートシールすることにより、封止されたパウチの製造を可能とする。更に、様々な水溶性ポリマーまたはポリマーの組合せを使用して、該フィルムの溶解速度を調節することができる。該溶解速度は、また異なる粘度または分子量を持つ水溶性ポリマーを組み合わせることによって、調節することができる。
【0016】
例えば、幾つかの態様において、該水溶性ポリマーは、ポリエチレンオキサイドを、単独でまたは他の水溶性ポリマーとの組合せで含むことができる。水溶性セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用することができる。特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、不当に高い程度に溶融することなしに、該多孔性支持体材料とヒートシールすることができる。
該フィルムにおいて使用するポリエチレンオキサイドの分子量は、例えば約100,000〜約5,000,000なる範囲内であり得る。更に、本特許出願の譲受け人による、2004年5月28日付で出願された、継続中の米国特許出願第10/856,176号(米国特許出願公開第2005/0037055 A1号)に記載されているように、異なる分子量を持つポリエチレンオキサイドのブレンドを使用することが可能である。この米国特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。
【0017】
幾つかの態様においては、様々な粘度を持つ水溶性ポリマー、例えばセルロース系ポリマーを使用することができる。例えば、該水溶性ポリマーは、約15cpsなる粘度を持つヒドロキシプロピルメチルセルロースと、約50cpsなる粘度を持つヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組合せを含むことができる。より高い粘度を持つヒドロキシプロピルメチルセルロースの添加は、幾つかの態様において望ましいものであり得る、より緩慢な溶解速度、例えば約30-60分なる範囲の溶解速度を、生成する該フィルムに付与することを可能とする。付随的に、より高い粘度を持つヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ある程度まで、該フィルム内に収容されている該活性成分を封入するように機能できる。このような封入は、該活性成分の放出を、より一層長期間に延長することを可能とする。
【0018】
市販品として入手できるこのようなポリマーの例は、メトセル(METHOCEL)E15(15cpsなる見掛けの粘度を持つヒドロキシプロピルメチルセルロース)およびメトセル(METHOCEL) E50(50cpsなる見掛けの粘度を持つヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含み、これらは、両者ともに、ダウケミカル社(Dow Chemical Company)から入手できる。
該水溶性フィルムにおいて使用するための、他の適当な水溶性ポリマーの例は、プルラン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ナトリウムアルギネート、ポリエチレングリコール、ザンタンガム、トラガカンスゴム、グアーガム、アカシアガム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマー、デンプン、ゼラチン、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。このようなポリマーのフィルムにおける使用は、上で言及した米国特許出願第10/856,176号で詳細に説明されている。
【0019】
幾つかの態様においては、該水溶性フィルムに、ポリデキストロースを添加することも望ましいことであり得る。ポリデキストロースは、フィラーおよび溶解度増強剤として機能する水溶性ポリマーであり、即ち該フィルムの封止特性を低下することなしに、該フィルムの溶解時間を延長する。ポリデキストロースは、該フィルムを基準として、約5〜約30質量%なる範囲、より具体的には9〜約15質量%なる範囲の量で存在し得る。
様々な随意の添加物も、該水溶性フィルム内に含めることができ、その例は、特に消泡剤、例えばシリコーン-含有化合物、粘着防止剤、可塑剤、ポリアルコール、界面活性剤および熱硬化性ゲル、例えばペクチン、カラギーナン、およびゼラチンを含むが、これらに限定されない。
水溶性フィルムの製法は、本特許出願の譲受け人によって、2002年2月14日付で出願され、また米国特許出願公開第2003/0107149 A1号として公開された、米国特許出願第10/074,272号に記載されている。この特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。
【0020】
幾つかの態様においては、該水溶性フィルム自体も、少なくとも1種の活性成分を含むことができる。少なくとも1種の活性成分、例えば食物製品、薬剤、ヌートラシューチカルズまたは化粧学的薬剤も、該パウチの密閉体積内に収納することができる。該水溶性フィルム中に含められる該活性成分は、該パウチ内に収容されている該活性成分と同一でも異なっていてもよい。
幾つかの態様において、該パウチ内に収容し、および/または該水溶性フィルムに配合するための適当な活性成分は、食物製品(food product)、植物性薬品(botanicals)、漢方薬(herbals)、ミネラル、殺虫剤、栄養補助食品(nutraceuticals)、薬剤、化粧学的薬剤、薬物、生物活性を持つ活性物質、医薬、解毒剤、ワクチン、抗原またはアレルゲン、口内洗浄薬成分、香味料、芳香剤、酵素、保存剤、甘味剤、着色剤、香辛料、ビタミン、ポリフェノール、フィトケミカルズ、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。このような活性物質は、タバコ製品を含まない。
植物性薬品は、限定されるものではないが、根、樹皮、葉、幹、花、果実、ヒマワリ種子、およびこれらの組合せを含む。
【0021】
漢方薬の例は、限定されるものではないが、キンミズヒキ、アルファルファ、アロエ、アンジェリカ、アニス、アルジュナ、アルニカ、ヨモギ、アシュワガンダ(ashwagandha)、アストラガルス、アベナ、メギ、ヤマモモ(bayberry bilberry)、ブデリウムガム、コケモモ、カバノキ、ビシー(bissy)ナッツ、ダイダイ、ブラックコホッシュ、クロフサスグリオイル、クログルミ、サントリソウ、ルイヨウボタン、ブルーバーベイン、ルリジサ、ゴボウ、ゴボウ、ナギイカダ、キンセンカ、カスカラサグラダ、イヌハッカ、キャッツクロー、カイエンヌ、カイエンヌペパー、セロリ種子、カモミール、シャパラル、ハコベ、キク、シナモン、クリーバーズ、クローブ、コンフリー、オウレン(coptis)、トウチュウカソウ(cordyceps)、クランベリー、シアニ(cyani)フラワー、ダミアナ、ダンシェン(dan shen)、セイヨウタンポポ、デビルクロー、ドンクアイ(dong quai)、エキナセア(Echinacea)、ニワトコの果実、オオグルマ、マオウ、ユーカリ、コゴメグサ、フォルスユニコーン(false unicorn)、ウイキョウ種子、コロハ、ナツシロギク、アマの種子オイル、ガンボージカンボジア(garcinia cambogia)、ニンニク、ゲンチアナ、ジンジャー、イチョウ、チョウセンニンジン、ゴールデンシール、ゴツコーラ(gotu kola)、サンザシ、ホーリーバジル、ホーシーウー(ho she wu)、ホップ、ニガハッカ根、セイヨウワサビ、トクサ、アジサイ、ヒソップ、トチャカ、ジュニパーベリー、カワカワ、ケルプ、ケラ(khella)、アツモリソウ、ラムズクオーター、ラベンダー、レモンバーム、カンゾウ、ロベリア、オシダ、マンドレーク、ウスベニタチアオイ根、マテ、メジカルマリジュアナ(medical marijuana)、オオアザミ、モリンダ(morinda)、マザーウォート(motherwort)、ビロウドモウズイカ、ミルラ、キンレンカ、インドセンダン油、ノニ(noni)、オートストロウ(oatstraw)、オリーブの葉、ハナハッカ油、ヒイラギメギ根、パンピエンピエン(pan pien pien)、パパイア、パルバブラバ(parruva brava)、パセリ、パッションフラワー、ポダルコ(pau d'arco)、ペパーミント、ニチニチソウ、ピッパリ(pippali)果実、ポーク(poke)、アメリカザンショウ、シリウム(psyllium)、クイーンオブザメドウ(queen of the meadow)、ケルセチン、ラズベリーの葉、アカツメクサ、ライシ(reishi)、ダイオウ、ルーイボス(rooibos)、ローズマリー、ベニバナ、セージ、サルサパリラ、ノコギリヤシ、シサンドラ(schisandra)、セネガ根、センナ、タツナミソウ、ヒメスイバ、ナズナ、シイタケ、シベリアチョウセンニンジン、ニレ、スピルリナ(spirulina)、スコウワイン(squaw vine)、セントジョーンズウォート(St. John's wort)(オトギリソウ属)、イラクサ、スマ(suma)、茶木オイル、タイム、ターキールバーブ(turkey rhubarb)、ターメリック、アスニア(サルオガセ族)、ウバウルシ(uva ursi)、カノコソウ、バイテックス(vitex)、スイカ種子、ホワイトオーク、ホワイトウイロウ、野生チェリー樹皮、野生ヤム、ヤナギ樹皮、カッコウソウ、ガヨモギ、ノコギリソウ、イエロードック、イエルバサンタ(yerba sannta)およびこれらの組合せを含む。
【0022】
様々な医薬、生物活性物質および薬剤を、該水溶性フィルム中に活性成分として含めることができる。有用な薬物の例は、ACE-阻害剤、抗-狭心症薬、抗-不整脈薬、抗-喘息薬、抗-コレステロール血症薬、鎮痛薬、麻酔薬、抗-痙攣薬、抗鬱薬、抗糖尿病薬、下痢止め製剤、解毒薬、抗-ヒスタミン剤、抗-高血圧症薬、抗炎症剤、抗-高脂血症薬、抗-躁病薬、制吐約、抗-卒中薬、抗-甲状腺薬、抗-腫瘍剤、抗-ウイルス剤、アクネ治療薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、咳止め剤、抗-尿酸血症薬、抗-ウイルス薬、同化作用性製剤、全身性および非-全身性抗-感染薬、抗-新生物剤、抗-パーキンソン病薬、抗-リューマチ剤、食欲増進剤、生物学的応答調節剤、血液改善剤、骨代謝調節剤、心臓血管作用薬、中枢神経系刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、鬱血除去薬、食物サプリメント、ドーパミンレセプタアゴニスト、エンドメトリオーシス管理薬、酵素、勃起不全治療薬、排卵誘発薬、整胃腸管薬、ホメオパシー治療薬、ホルモン、高カルシウム血症および低カルシウム血症管理薬、免疫調節剤、免疫抑制剤、片頭痛用製剤、乗物酔い治療薬、筋肉弛緩剤、肥満管理薬、骨粗鬆症用製剤、分娩促進剤、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神療法薬、呼吸器系作用薬剤、鎮静薬、禁煙補助薬、例えばブロモクリプチンおよびニコチン、交感神経遮断薬、震顫治療製剤、尿管作用薬、血管拡張剤、緩下薬、制酸薬、イオン交換樹脂、解熱薬、食欲抑制剤、去痰薬、抗-不安剤、抗潰瘍剤、抗-炎症性物質、冠動脈拡張剤、大脳血管拡張剤、末梢血管拡張剤、精神作用薬、刺激剤、抗-高血圧剤、血管収縮剤、片頭痛治療薬、抗生物質、トランキライザー、抗-精神病薬、抗-腫瘍性薬物、抗-凝固剤、抗-血栓症薬、催眠剤、制吐薬、鎮吐剤、抗-痙攣薬、神経筋作用薬、高血糖および低血糖症治療薬、甲状腺および非-甲状腺作用製剤、利尿薬、鎮痙薬、子宮弛緩剤、抗-肥満薬、赤血球生成促進薬、抗-喘息薬、咳止め剤、ムコ多糖加水分解酵素、DNAおよび遺伝子改善(genetic modifying)薬、およびこれらの組合せを含む。
【0023】
薬物療法用活性成分の例は、制酸剤、H2-アンタゴニスト、および鎮痛薬を含む。例えば、制酸剤の調剤は、成分である、炭酸カルシウム単独またはこれと水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムとの組合せを用いて調製できる。更に、制酸剤は、H2-アンタゴニストとの組合せとして使用することができる。
【0024】
鎮痛薬は、アヘンまたはアヘン誘導体、例えばオキシコドン(オキシコンチン(OxycontinTM)として入手できる)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、およびこれらの組合せ(場合によりカフェインを含む)を含有する。
他の薬物は、下痢止め薬、例えばイモジウム(immodium)AD、抗-ヒスタミン剤、咳止め剤、鬱血除去薬、ビタミン類及び呼気清涼化剤を含む。本発明での使用を意図する適当なビタミンは、任意の従来公知のビタミン類、例えばビタミンA、B、C、およびEを含むが、これらに限定されない。風邪、痛み、熱、咳、鬱血、鼻水、およびアレルギーに対して、単独でまたは組合せで使用される普通薬、例えばアセタミノフェン、クロルフェニラミンマレエート、デキストロメトルファン、シュードエフェドリンHClおよびジフェンヒドラミンを、本発明の該フィルム組成物に含めることができる。
【0025】
同様に、本発明において使用することが意図されているものは、不安緩解剤、例えばアルプラゾラム(ザナックス(XanaxTM)として入手できる);抗-精神病薬、例えばクロゾピン(クロザリル(ClozarilTM)として入手できる)およびハロペリドール(ハルドール(HaldolTM)として入手できる);非-ステロイド系抗炎症剤(NSAID's)、例えばジシクロフェナック(dicyclofenacs)(ボルタレン(VoltarenTM)として入手できる)およびエトドラク(ロジン(LodineTM)として入手できる)、抗-ヒスタミン剤、例えばロラタジン(クラリチン(ClaritinTM)として入手できる)、アステミゾール(ヒスマナール(HismanalTM)として入手できる)、ナブメトン(レラフェン(RelafenTM)として入手できる)、およびクレマスチン(タビスト(TavistTM)として入手できる);制吐薬、例えばグラニセトロン塩酸塩(キトリル(KytrilTM)として入手できる)およびナビロン(セサメット(CesametTM)として入手できる);気管支拡張薬、例えばベントリン(BentolinTM)、アルブテロール硫酸塩(プロベンチル(ProventilTM)として入手できる);抗-鬱薬、例えばフルオキセチン塩酸塩(プロザック(ProzacTM)として入手できる)、セルトラリン塩酸塩(ゾロフト(ZoloftTM)として入手できる)、およびパロキセチン(paroxtine)塩酸塩(パキシル(PaxilTM)として入手できる);抗-片頭痛薬、例えばイミグラ(ImigraTM)、ACE-阻害剤、例えばエナラプリラト(バソテック(VasotecTM)として入手できる)、カプトプリル(カポテン(CapotenTM)として入手できる)およびリジノプリル(ゼストリル(ZestrilTM)として入手できる);抗-アルツハイマー薬、例えばニセルゴリン;およびCaH-アンタゴニスト、例えばニフェジピン(プロカルジア(ProcardiaTM)およびアダラット(AdalatTM)として入手できる)、およびベラパミル塩酸塩(カラン(CalanTM)として入手できる)である。
【0026】
勃起不全療法薬は、陰茎に対する血流を容易にするための薬物、および自律神経の活性に作用する薬物、例えば副交感神経系活性(コリン作用性)を高めるおよび交感神経(アドレナリン作用性)活性を下げる薬物を含むが、これらに限定されない。有用な非-限定的薬物は、シルデナフィル(sildenafils)、例えばバイアグラ(ViagraTM), タダラフィル(tadalafils)、例えばシアリス(CialisTM)、バルデナフィル(vardenafils)、アポモルフィン(apomorphines)、例えばアプリマ(UprimaTM)、ヨヒンビン塩酸塩、例えばアフロジン(AphrodyneTM)、およびアルプロスタジル(alprostadils)、例えばカバージェクト(CaverjectTM)を包含する。
本発明での使用を意図する大衆的なH2-アンタゴニストは、シメチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、ニザチジン(nizatidien)、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)、およびアセロキサチジンを包含するが、これらに限定されない。
【0027】
活性制酸性成分は、以下に列挙するものを含むが、これらに限定されない:
水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、重炭酸塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、亜炭酸ビスマス、ビスマスサブガレート(subgallate)、亜硝酸ビスマス、ビスマスサブシリシレート(subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸または塩)、アミノ酢酸、アルミン酸硫酸マグネシウム水和物、マガルドレート、アルミノ珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウムグリシネート、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムトリシリケート、ミルク固形分、アルミニウム一又は二塩基リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、重炭酸カリウム、酒石酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アルミノ珪酸マグネシウム、酒石酸および塩。
【0028】
前記薬理的活性薬剤は、アレルゲンまたは抗原、例えば草本、木本、またはブタクサ由来の植物の花粉;猫および他の毛皮で覆われた動物の皮膚および体毛から剥離した小さな鱗片である、動物の鱗屑;昆虫、例えばヒョウヒダニ、ミツバチおよびスズメバチ;および薬物、例えばペニシリン等を含むことができるが、これらに限定されない。
酸化防止剤も、特に活性成分が感光性である場合には、該活性成分の劣化を防止するために、該フィルムに添加することができる。
本発明において使用する該生物活性を持つ活性物質は、有益なバクテリアを含むことができる。より詳しくは、幾つかのバクテリアは、通常舌の表面上および咽喉部の背後に存在する。このようなバクテリアは、食物中に見られるタンパク質を分解することにより、該食物の消化を助ける。従って、これらのバクテリアを、本発明の幾つかの態様において配合することが望ましい場合がある。
【0029】
また、口臭および関連する口腔手当状態を処置するための活性成分、例えば微生物を抑制するのに効果的な活性成分を含めることが望ましい場合がある。口臭は、揮発性の硫黄含有化合物を発生する、口腔内の嫌気性バクテリアの存在によって起される可能性があるので、このような微生物を抑制する成分が望ましいものであり得る。このような成分の例は、特に抗-微生物剤、例えばトリクロサン、二酸化塩素、クロレート、およびクロライトを含む。口腔手当組成物、例えば口内洗浄液および練歯磨きにおける、クロライト、特に亜塩素酸ナトリウムの使用が、米国特許第6,251,372号、同第6,132,702号、同第6,077,502号および同第6,696,047号に教示されている。これら米国特許全てを、参考としてここに組入れる。このような成分は、悪臭および関連する口内状態を処置するのに効果的な量で配合される。
【0030】
化粧学的に活性な薬剤は、メントール、他の香料または芳香剤等の呼気清涼化化合物、特に口腔衛生のために使用されるもの、並びに歯科および口腔清浄化において使用される活性成分、例えば四級アンモニウム塩基を含むことができる。該香料の効果は、酒石酸、クエン酸、バニリン等の香味増強剤を使用することによって高めることができる。
ポリフェノールの例は、制限なしに、特に、フラボノイド、例えばカテキン、エピカテキン、プロシアンジン(procyandins)およびアントシアニンを含む。
フィトケミカルの例は、特に、制限なしに、アリルスルフィド、インドール、グルコシノレート(glucosinolates)、スルファフォラファン(sulfaforaphane)、イソチオシアネート、チオシアネート、チオール、リコペン、カロチノイド、フタリド、ポリアセチレン、シリマリン(silymarin)、モノテルペン、エラグ酸、フェノール、フラボノイド、フィチン酸、サポニン、ジンゲロール(gingerols)、およびグリチルリチンカテキンを含む。
【0031】
また、着色添加剤を使用することもできる。幾つかの態様においては、該水溶性フィルムに着色剤を添加して、該パウチの全体としての審美的な外観を高めることができる。例えば、該パウチ内に収容された該活性成分は、該パウチを形成する該多孔性支持体の、望ましからぬ染色を引起す恐れがある。該フィルムは、このような望ましからぬ染色を隠蔽する着色剤または白化剤(whitening agent)を含め、これにより該パウチの外観を改善することができる。このような着色添加剤は、食品、薬物、および化粧学的着色剤(FD&C)、薬物および化粧学的着色剤(D&C)、または外用薬物および化粧学的着色剤(Ext. D&C)を包含する。これらの着色剤は、染料、その対応するレーキ、および幾つかの天然および合成着色剤である。レーキは、水酸化アルミニウム上に吸収された染料である。
【0032】
着色剤の他の例は、公知のアゾ染料、有機または無機顔料、または天然起源の着色剤を含む。無機顔料が好ましく、その例は、鉄またはチタンの酸化物であり、これらの酸化物は、上記成分全ての質量を基準として、約0.001〜約10質量%なる範囲、および好ましくは約0.5〜約3質量%なる範囲の濃度で添加される。
香料は、天然並びに合成の調味液体から選択することができる。このような薬剤の例示的なリストは、揮発性オイル、合成調味オイル、調味芳香剤、植物、葉、花、果実、茎を由来とするオイル、液体、オレオレジン、または抽出液、およびこれらの組合せを包含する。その例の、非-限定的、代表的なリストは、ミント油、ココア、および柑橘類のオイル、例えばレモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツ等のオイル、および果実エキス、例えばリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アンズ、またはその他の果実風味を含む果実エキスを包含する。
【0033】
該香味料は、辛いまたは涼感を与える調味飲料またはスープを得る目的で添加することができる。これらの香味料は、制限されるものではないが、茶およびスープ風味、例えばビーフおよびチキン風味含む。
他の有用な香味料は、アルデヒドおよびエステル、例えばベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、シトラール、即ちアルファシトラール(レモン、ライム)、ネラール、即ちベータシトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC-8(柑橘類果実)、アルデヒドC-9(柑橘類果実)、アルデヒドC-12(柑橘類果実)、トリルアルデヒド(チェリー、アーモンド)、2,6-ジメチルオクタノール(未熟な果実)、および2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、これらの組合せ等を含む。
香味料は、該水溶性フィルム中に、該フィルムの約5〜約30質量%なる範囲、より具体的には該フィルムの約15〜約27質量%なる範囲の量で存在し得る。
あるいはまた、幾つかの態様において、該パウチ内に収容されるおよび/または該水溶性フィルムに配合される該物質は、1種またはそれ以上のタバコ製品、例えば無煙タバコ、タバコエキス、タバコの合成化合物、タバコ風味、嗅ぎタバコ等を含むことができる。タバコ製品は、また本明細書に記載されている該活性成分の何れかとの組合せで使用することも可能である。
【0034】
幾つかの態様では、また該水溶性フィルム中に乳化系を含むことも可能である。乳化系は、特に強い調味効果を得るために、高濃度の香味料、例えば該フィルム組成物の約25-30質量%なる範囲の濃度で配合する態様において、香味料により該フィルム内に生成される不均一なパターンを軽減するために使用することができる。不均一なパターンは、有害なフィルムの外観を生成する恐れがあり、従って幾つかの態様においては望ましくない可能性がある。該乳化系は、様々な乳化剤、例えばプロピレングリコールアルギネート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート(Polysorbate) 80)および/またはソルビタンモノオレエートの何れかを含むことができる。幾つかの態様において、該乳化系は、プロピレングリコールアルギネートを、該フィルムの約0.5〜約1.5質量%なる範囲の量で、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを、該フィルムの約0.1〜約1質量%なる範囲の量でおよびソルビタンモノオレエートを、該フィルムの約0.1〜約1質量%なる範囲の量で含むことができる。
【0035】
該水溶性フィルム内の活性成分は、甘味料を含むこともできる。甘味料は、以下の非-限定的なリストから選択することができる:グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびこれらの組合せ;サッカリンおよびその様々な塩、例えばナトリウム塩;ジペプチド甘味料、例えばアスパルテーム;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;ステビアレボジアナ(Stevia Rebaudiana)[ステビオシド(Stevioside)];スクロースのクロロ-誘導体、例えばスクラロース;糖アルコール、例えばソルビトール、マニトール、キシリトール等。同様に意図されているものは、水添デンプン水解物、および合成甘味料である3,6-ジヒドロ-6-メチル-1-1-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、特にそのカリウム塩(アセスルファーム-K)、およびそのナトリウムおよびカルシウム塩、および天然の強力な甘味料、例えばローハンクー(Lo Han Kuo)。他の甘味料を使用することも可能である。
【0036】
一般に、該水溶性フィルム内に含まれる活性成分は、該フィルムの約0.001〜約50質量%なる範囲、より具体的には該フィルムの約1〜約27質量%なる範囲の量で存在し得る。
幾つかの態様において、該水溶性フィルムは、該フィルムに対して帯電した環境を付与しあるいはこれを維持するために、イオン性成分を含むことができる。特に、該フィルムライニングまたはカバーの表面上への、イオン電荷の付与またはその維持は、該フィルムの粘膜表面に対する接着特性に影響を及ぼす可能性がある。正味の(+)または(-)イオン電荷を付与し得る任意の成分を、使用することができる。例えば、イオン電荷を付与することのできる酸、塩基、塩または任意のポリマーを、該水溶性フィルムに含めることができる。
【0037】
上記活性成分の何れかを、該水溶性フィルムに配合し、および/または該パウチの該密閉体積内に収容することができる。幾つかの態様においては、該水溶性フィルムに配合した活性成分とは異なる活性成分を、該パウチ内に含めることができる。例えば、香味料を、該フィルムおよび該パウチ内に収納された食品製品に配合することができる。あるいはまた、幾つかの態様は、同一の活性成分を、該水溶性フィルムおよび該パウチ内に含めることができる。更に、複数の活性成分を、該水溶性フィルムに配合しおよび/または該パウチ内に収納することができる。
【0038】
適当な活性成分および水溶性フィルム製造の詳細は、上で言及した本出願の譲受け人による継続中の米国特許出願第10/074,272号および同第10/856,176号並びに本出願の譲受け人による継続中の、2004年1月30日付で出願された米国特許出願第10/68,809号により一層十分に説明されている。これら特許出願の内容全体を、参考としてここに組入れる。
上記の如く、該水溶性フィルムは、少なくとも部分的に該多孔性支持体内に埋設されていてもよい。幾つかの態様において、該水溶性フィルムは、該多孔性支持体内に、完全に埋設されていてもよい。該少なくとも部分的にフィルムを埋設した多孔性支持体は、様々な異なる方法でパウチに成形し得る。
【0039】
該フィルムを埋設した多孔性支持体を製造する場合、適当な引張強さおよび有孔度を持つ支持体を選択することが好ましい。当業者は、これらのファクタを決定することができる。例えば、該フィルム-埋設支持体を、経口投与すべきパウチに対して使用する場合、該支持体は、使用者の口内にある時に裂けることのないように、十分な引張強さを持つべきである。更に、該支持体は、該パウチ内および/または該フィルム内の該活性成分の所定の送達を可能とするに十分な、有孔度を持つべきである。更に、該支持体は、該フィルム-埋設支持体を製造する際に、該支持体による該フィルム-形成溶液の十分な吸収を可能とするように、十分な有孔度を持つべきである。支持体の多孔性のパターンは、該支持体を介する、該フィルム-形成溶液の特定の流れを可能とするように、規定することができる。
【0040】
一旦該支持体が選択されたら、フィルム-形成溶液を、該支持体に適用する。該フィルム-形成溶液を、該支持体に適用する場合、該支持体を、平坦かつ皺のない状態に維持することが好ましい。好ましくは、該支持体を、該フィルム-形成溶液に適用するのではなく、該溶液を、該支持体に適用する。このようにして、適当量の該溶液を、該支持体に適用することができる。該溶液は、該支持体を完全に満たすのに十分な量で適用することが好ましい。換言すれば、該多孔性支持体の孔内の空き空間を該フィルム-形成溶液で満たすことが好ましい。別の態様においては、該支持体を、部分的にのみ該水溶性フィルムで埋めるように、フィルム-形成溶液の一定量を適用する。
【0041】
該フィルム-形成溶液を、該支持体に適用する場合、該支持体を、支持物質、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または紙の層上に配置することが好ましい。該支持層は、該濾紙を介して該フィルム-形成溶液が滴り落ちるのを防止し、また該濾紙と該支持層との間の、該溶液の流動を可能とし、結果として該濾紙に該フィルムを埋設する。更に、該支持層は、接着特性を持つことができ、結果として皮膚または粘膜層へのその接着を可能とする。
【0042】
もう一つの態様においては、該フィルムを、スチールまたは金属バンドまたはシート上で流込み成形する。従って、この方法は、バンド流延法と呼ばれる。この方法では、不活性な支持用基板の代わりに、装置が、長いスチールバンドを備えており、該バンド上で該フィルムが流込み成形され、結果として該フィルムを支えている。一旦該フィルムが乾燥されたら、該フィルムを該バンドから剥ぎ取り、包装し、かくしてPET等の余分な該支持用基板の使用またはそのためのコストの必要性を排除する。該スチールバンドは、清浄化し、再利用することができる。この場合においては、該フィルムは多孔性の半-透過性支持体内に埋設されるので、該支持体自体は、該フィルムを支持するに十分な強度を有し、従ってバンド流延処理することができる。
【0043】
好ましい一態様において、該支持体は、該フィルム-形成溶液の適用前および該支持物質に取付ける前に、湿潤される。該支持体は、ヒトに対して使用するのに適した液体で湿潤される。例えば、該支持体は、水または0.5%のツイーン(Tween)溶液で湿潤させることができる。このような湿潤は、該フィルム-形成溶液が、該支持体をより均一に流動することを可能とする。湿潤は、また該フィルム-埋設構造における、エアーポケットの形成を防止する。該支持体の湿潤は、また使用に際して、該支持体の該支持物質への固定を補助する。
次いで、該フィルム-形成溶液が、少なくとも部分的に該多孔性支持体内に埋設されるフィルムを形成するように、該支持体を乾燥する。該フィルム-埋設支持体は、次いで更に加工するために、例えばパウチの製造のために使用できる。フィルム-埋設支持体は、該支持層に結合した状態で、所定の幅に切断し、あるいは裁断する前に該支持層から剥ぎ取ることができる。
【0044】
加工中、該多孔性支持体は、該支持層と共に、この支持層を下にした状態で、同時にフィルム被覆/流延装置に送ることができる。適度な張力をローラーに適用すべきであり、該ローラーを介して、該フィルム-形成溶液が、該塗布装置に供給され、結果として皺の生成が回避される。これは、フィルム-形成溶液が、該支持体表面を均一に被覆し、該支持体に拡散し、また該支持体と該支持層との間を流動することを可能とし、かくして該支持体の下側表面を被覆するであろう。次いで、該溶液を乾燥し、該フィルムを該支持体内に埋設させる。
もう一つの加工法は、熱的、静電的またはその他の物理または化学的な方法によって、該支持体を該支持層上に積層する工程を含む。これらの結合かつ積層された層は、次に塗布装置に送ることができ、そこで該支持体は、該フィルム-形成溶液で被覆され、乾燥される。
【0045】
幾つかの態様において、密閉体積を規定するように、該フィルム-埋設支持体を折畳んで、パウチを製造することができる。例えば、図1に示したように、該フィルム-埋設支持体を折畳み、パウチ壁100および包囲体積200を持つパウチ10とすることができる。該フィルム-埋設支持体は、該パウチ10の集約点300において、ヒートシール等により、それ自身に対して封止することができる。
図1のライン2-2に沿ってとった図2に示したように、該パウチ壁100は、多孔性支持体110を含むことができる。該多孔性支持体は、該水溶性フィルム130で埋められている孔120を含む。
別の態様においては、2つの多孔性支持体を与えることができる。これら2つの多孔性支持体は、シート-状の部材であり得る。図3に示されているように、2つの多孔性支持体は、相互に周辺部面対面係合状態(in perimetric face-to-face engagement)にあって、パウチ20の壁400および壁500並びに包囲体積600を規定することができる。該多孔性支持体は、周辺部面対面係合状態において、相互に融合することができる。該パウチ20の壁400および壁500を規定している各支持体は、図2の2-2軸に示されているように、該水溶性フィルム130で埋められた孔120を含む。
【0046】
単一の多孔性支持体または複数の多孔性支持体を折畳んで、パウチを形成するための様々な他の方法が利用できる。例えば、単一の多孔性支持体を、それ自体の上に折畳んで、チューブ-状の形状とすることができる。該チューブ-状の多孔性支持体は、その長さに沿っておよび各端部において封止して、その内部に密閉体積を規定することができる。該チューブ-状多孔性支持体の内側および/または外側表面は、少なくとも部分的に水溶性フィルムで埋めることができる。該多孔性支持体を折畳みかつ封止する他の方法は、全く本発明の範囲内に入るものと考えられる。
本発明は、また上記パウチの製造方法をも目的とする。本発明によれば、水-不溶性の多孔性支持体を提供することができる。この多孔性支持体では、少なくとも部分的に水溶性フィルムを埋め込むことができる。一旦、該多孔性支持体が、該水溶性フィルムで埋められたら、これを折畳んで密閉体積を規定し、結果的にパウチを製造することができる。
【0047】
幾つかの態様においては、該フィルム-埋設多孔性支持体を、それ自体の上に集約かつ折畳み、また接触点においてそれ自体に対して、ヒートシール処理することができる。例えば、幾つかの態様においては、フィルム-埋設多孔性支持体を、周辺に沿って、該支持体の一部分と、該支持体の第二の部分とが係合するように、それ自体に対して折畳むことができる。該支持体は、該係合の周囲点においてヒートシールすることができる。
他の態様において、例えば、周辺部面対面係合状態にある2つのフィルム-埋設多孔性支持体は、該周辺部面対面係合部の少なくとも一部に沿って、相互に融着またはヒートシールすることができる。幾つかの態様において、該水溶性フィルムは、該多孔性支持体とヒートシールすることができる。
【0048】
該パウチをヒートシールする前に、活性成分を該パウチ内に規定された該密閉体積内に配置することができる。上記した任意の活性成分を、該パウチ内に収容できる。あるいはまた、該密閉体積を形成した後に、該密閉体積に物質を添加することができる。
幾つかの態様において、例えば、該少なくとも部分的にフィルムで被覆された多孔性支持体を、それ自体に対して折畳んで、密閉体積を持つパウチを製造することができる。該パウチの2つの側を密に封止して、該パウチの一方の側を開放状態にしておくことも可能である。活性成分またはタバコ製品は、該パウチの開放側部を介して、該密閉体積に充填することができる。該パウチの開放側部を、次に密に封止して、最終製品を製造することができる。例えば、該パウチの該側部は、熱および/または圧力によって封止することができる。
あるいはまた、幾つかの態様においては、パウチのストランド(strand)を形成することができ、ここで該パウチストランドの一側部は、開放状態にある。活性成分またはタバコ製品の一部を、各パウチに満たすことができる。引続き、該パウチストランドの該開放側部は、密に封止することができ、また個々のパウチは、これらを該ストランドから切断することによって製造し得る。この工程は、Focke等の米国特許第5,174,088号においてより詳細に説明されている。この特許の内容全体を、参考としてここに組入れる。
【0049】
本発明は、また複数の活性成分を、個体の口腔内に送達する方法をも目的とする。このような方法によれば、パウチを準備することができる。該パウチは、密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性支持体を含むことができる。更に、少なくとも1種の水溶性フィルムを、少なくとも部分的に該多孔性支持体内に埋設し得る。該水溶性フィルムは、第一の活性成分を含むことができる。該水溶性フィルムは、また上記のような他の成分の何れかを含むこともできる。第二の活性成分を、該パウチの該密閉体積中に含めることができる。該第一および第二の成分は、同一または異なるものであり得る。次いで、該パウチを、個体の体腔内に適用することができる。例えば、口腔内に適用する場合、唾液が該パウチと混合し始めるので、該水溶性フィルムは、溶解し、かつ該個体の該口腔内に、該第一の活性成分を放出することができる。該第二の活性成分も、該第一の活性成分との組合せで、該パウチから該口腔内に放出できることが望ましい。
【0050】
より詳しくは、幾つかの態様において、該第一の活性成分が、該水溶性フィルムから放出するにつれて、これは、該パウチ内に収容されている該第二の活性成分と結合し得る。該第一の活性成分の一部は、これが該水溶性フィルムから放出されるにつれて、該第二の活性成分により、収着される可能性がある。該第一の活性成分の収着される濃度は、より多くのフィルムが溶解されると、増大し得る。従って、唾液が該パウチと混合され、また該包囲されている第二の活性成分に達すると、該第二の活性成分中に収着された該第一の活性成分の一部も、唾液と混合され、また該パウチから放出され得る。このようなメカニズムは、該第一の活性成分の、長期に及ぶ該個体の該口腔内への放出をもたらす可能性がある。例えば、該第一の活性成分が香味料である場合、このメカニズムは、該製品の使用中ずっと、長期に渡る、香味料の放出をもたらす可能性がある。更に、該第一の活性成分の収着は、該パウチ内に収容されている該第二の活性成分の含水率を変更することによって扱うことができる。
【0051】
あるいはまた、タバコ製品との組合せで、活性成分を、個体の口腔内に送達するための方法が提供される。上記と同様に、パウチを準備することができる。該パウチは、密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性支持体を含むことができる。更に、少なくとも1種の水溶性フィルムを、少なくとも部分的に該多孔性支持体内に埋設し得る。該水溶性フィルムは、活性成分を含むことができる。該水溶性フィルムは、また上記のような他の成分の何れかを含むこともできる。タバコ製品は、該パウチの密閉体積内に収納することができる。該パウチは、個体の口腔内に適用することができる。一旦該口腔内に適用され、また唾液と該パウチとの混合が開始すると、該水溶性フィルムは、溶解し、かつ該活性成分を該タバコ製品中におよび該個体の該口腔内に放出することができる。該タバコ製品も、該パウチから該口腔内に、該活性成分との組合せで送達できることが望ましい。
【0052】
例えば、一態様において、該フィルム内の該活性成分は、香味料、例えばミント香味料であり得、また該パウチ内の該物質はタバコであり得る。唾液が該フィルム-埋設パウチと接触した場合、該フィルムは溶解し始め、また該香味料を送達する。この香味料は、2方向に移動する。先ず、該フィルム由来の香味料は、該口腔内に移動する。更に、該フィルム内の該香味料は、該パウチ内部の、該タバコ塊の内側に向かって移動し、そこで該スポンジ状のタバコ塊と相互作用する。該タバコ塊が咀嚼され、また消費者の頬とガムとの間で絞られた際に、ミント風味を持つタバコジュースが、該多孔性支持体パウチから絞り出される。
【実施例】
【0053】
実施例1:
本発明のフィルム-埋設パウチを、以下の手順に従って製造した。該フィルムを該パウチの該多孔性支持体中に埋設するのに使用するための、水溶性フィルム-形成溶液を、以下の表1に記載の成分を、表1記載の量で使用して調製した。
【0054】

1:コロイド(Colloid) 602として、市場から入手できる;
2:ALDO MOとして、市場から入手できる;
3:T SOL P-80として、市場から入手できる;
4:クリル(Crill) 4 NFとして、市場から入手できる;
5:デグッサ社からシペルナ(Sipernat)(またはSAPS FK500LS)として、市場から入手できる。
【0055】
水を、グリセロールモノオレエート、ポリソルベート80、ソルビタンモノオレエート、プロピレングリコールおよびグリセリンと共に、ビーカーに添加した。このビーカーを、クランプを用いて、ホットプレートに固定した。混合装置の混合ブレードによって、攪拌を開始し、該プロピレングリコールアルギネート、二酸化チタン、およびメチルパラベンを、一緒にスラリーとした。混合を10分間継続した。該バッチを、85℃まで加熱し、次いで該ヒドロキシプロピルメチルセルロース(15cps)、引続き該ヒドロキシプロピルメチルセルロース(50cps)を添加してスラリーとした。該バッチを、均等に分散されるまで混合した。該ポリエチレンオキサイドを、該バッチに分散させスラリー化し、均等に分散されるまで混合した。該ポリデキストロースおよびスクラロースを、該バッチに分散させスラリー化し、均等に分散されるまで混合した。攪拌を停止し、該シリカおよびマグネシウムステアレートを、該バッチに添加した。攪拌を、再度低速(設定1)にて開始した。混合を5分間続け、次いで該バッチを、該加熱処理から取出した。該溶液が粘度増加(増粘)し始めるにつれて、該攪拌速度を徐々に低下させて、該混合物を迅速に冷却させた。一旦該溶液が室温に達したら、第一ギア(設定3)にて、該溶液を混合した。混合は、該ポリマーが水和されるまで継続した。この溶液を該ミキサから取出し、4つの各200gのバッチに分割した。
【0056】
異なる香味料の組合せを、これら4つのバッチ各々に添加した。ブラウンシュガーおよび香味料を含む3種の異なるバッチを使用した。第四のバッチは、ブラウンシュガーとバニラ香味料を含むものであった。これら香味料を、以下の表2に示すような、4種のバッチに添加した。
【0057】

【0058】
該個々の香味料の組合せを、各バッチに添加した後、各バッチを、強い攪拌の下で、約10分間混合した。次いで、各バッチを、弱い攪拌(設定2)にて、5分間混合した。該ミキサを第一ギアに切換え、各バッチを設定2にて、使用準備が整うまで混合する。
該フィルム-形成溶液の香味付けしたバッチを調製した後、多孔性支持体を、以下のようにして、該水溶性フィルムで埋設した:
1. 埋設処理すべき該多孔性支持体である、約15.2cm(6in)幅の、ティーバッグ-様の材料を、脱イオン水または0.5%ツイーン溶液で湿潤させた;
2. 濾紙を、HDPE紙[約15.2cm(6in)幅]製の支持層の上部に置き、その一端をテープで留めた。該層上の支持体(濾紙および支持層)を、次にK-コーターにクランプで固定した;
3. 40gのフィルム-形成溶液を、該濾紙上に流す;
4. 次に、該濾紙を、約80-85℃にて、約13-20分間、該フィルム-形成溶液が、該濾紙内に埋設されたフィルムを形成するまで乾燥した。
5. 該フィルムを乾燥した後、該フィルム-埋設濾紙製支持体を、更なる使用のために、該支持層から剥ぎ取った;
6. 該フィルム-埋設濾紙を、それ自体の上に折畳んで、密閉体積を有するパウチを形成した。該フィルム-埋設濾紙を、次にファンデルスタールフジインパルス(Van der Stahl Fuji Impulse)ヒートシーラーを用いて、ヒートシールした。該フィルム-埋設濾紙は、十分にヒートシールされた。
【0059】
実施例2:
上記実施例1の方法を繰り返した。但し、ポリエチレンテレフタレート(PET)(未処理マイラー(MylarTM)(デュポン(DuPont)社)として市場から入手できる)を、該支持層として使用した。同様な結果が得られた。
【0060】
実施例3:
フィルム-埋設支持体を、実施例2に記載したように作成した。但し、該濾紙は、熱を適用することによって、該PET支持層に積層させた。これは、該PET層と同一の速度での、該濾紙の移動を可能とした。該積層に先立つ、該支持体への水の適用は、皺および折目の生成を最小化した。
【0061】
実施例4:
本例においては、種々の香味料バッチを使用した。第一のバッチに添加した該香味料の組合せは、ポリオール、即ちキシリデックス(XylidexTM)(カーギル(Cargill)社製)により甘味を付与した、チェリー香味料であった。第二のバッチに添加された該香味料の組合せは、2つの型のヒメコウジ香味料であった。第三のバッチに添加された該香味料は、柑橘類の香味料であった。
フィルム-埋設支持体を、実施例1に記載したように作成した。但し、約15.2cm(6in)幅の、該濾紙は、K-コーターのサイドダム両者から、最低約0.635cm(0.25in)離れた位置に配置できるようなサイズに減じた。これは、該濾紙の皺形成およびバンチングを減じた。流動特性は、該濾紙におけるダイヤモンドパターンの何れの軸に沿っても同一であると考えられた。
【0062】
実施例5:
フィルム-埋設支持体を、実施例1に記載したように作成した。但し、異なる香味料バッチを使用した。第一の香味料バッチは、柑橘類香味料を含んでいた。第二の香味料バッチは、ミントおよびメントールを含んでいた。第三の香味料バッチは、オレンジおよびオレンジコニャック香味料を含んでいた。第四の香味料バッチは、シナモンおよびペパーミント香味料を含んでいた。僅かなマダラ模様が、該第一バッチにおける柑橘類香味料につき観測された。該フィルムにおける幾分かの割れが、該第四のバッチにおける、シナモン香味料につき見られた。夫々第二および第三バッチにおける、該ミント/メントールおよびオレンジコニャック香味料は、良好な結果を示した。
【0063】
実施例6:
フィルム-埋設支持体を、実施例2に記載したように作成した。但し、約30.5cm(12in)幅の濾紙を、該支持層(PET)上に配置した。該濾紙支持体およびPET支持層は、静電荷によって一緒に保持した。この方法は、良好な結果および滑らかなフィルムを与えた。
【0064】
実施例7:
フィルム-埋設支持体を、実施例2に記載したように作成した。但し、該濾紙は、これに適用された水を利用して、該支持層(PET)と積層させた。この実験は、約76cm(30in)のフィルム被覆ライン上で行った。3基のオーブンに関する乾燥工程の温度は、80-120℃であり、ファン速度は80-100%であり、また湿度は35-65%なる範囲内であった。線速度は、1m/分〜8m/分なる範囲、好ましくは3m/分に維持した。ローラーの張力は、200-300Nに維持した。この方法は、良好な結果および滑らかなフィルムを与えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分を投与するためのパウチであって、
少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;および
少なくとも部分的に該少なくとも1種の多孔性支持体中に埋設されている、少なくとも1種の水溶性フィルム、
を含み、該支持体に埋設されている該フィルムが、密閉体積を包囲していることを特徴とする、前記パウチ。
【請求項2】
前記少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体が水-不溶性物質を含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項3】
前記水-不溶性物質が、繊維、紙、水-不溶性ポリマー、布および織物からなる群から選択される、請求項2記載のパウチ。
【請求項4】
前記水溶性フィルムが少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項5】
前記水溶性ポリマーがヒートシール可能である、請求項4記載のパウチ。
【請求項6】
前記水溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコールおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項4記載のパウチ。
【請求項7】
ポリデキストロースをさらに含む、請求項6記載のパウチ。
【請求項8】
前記水溶性フィルムが、少なくとも1種の活性成分を含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項9】
前記活性成分が、食物製品、植物性薬品、漢方薬、ミネラル、殺虫剤、栄養補助食品、薬剤、化粧学的薬剤、薬物、医薬、解毒剤、ワクチン、抗原またはアレルゲン、口内洗浄薬成分、香味料、芳香剤、酵素、保存剤、甘味剤、着色剤、香辛料、ビタミンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8記載のパウチ。
【請求項10】
前記着色剤が白化剤を含む、請求項9記載のパウチ。
【請求項11】
前記水溶性フィルムが約1分〜約2分なる範囲内の溶解速度を持つ、請求項1記載のパウチ。
【請求項12】
前記水溶性フィルムが約30分〜約60分なる範囲内の溶解速度を持つ、請求項1記載のパウチ。
【請求項13】
前記水溶性フィルムが約24時間までの溶解速度を持つ、請求項1記載のパウチ。
【請求項14】
前記密閉体積内に収容された活性成分をさらに含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項15】
前記活性成分が、食物製品、植物性薬品、漢方薬、ミネラル、殺虫剤、栄養補助食品、薬剤、化粧学的薬剤、薬物、医薬、解毒剤、ワクチン、抗原またはアレルゲン、口内洗浄薬成分、香味料、芳香剤、酵素、保存剤、甘味剤、着色剤、香辛料、ビタミンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14記載のパウチ。
【請求項16】
前記密閉体積内に収容された、少なくとも1種のタバコ製品をさらに含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項17】
第一および第二多孔性支持体が与えられ、ここで該第一多孔性支持体がシート状部材を含み、また該第二多孔性支持体がシート状部材を含み、該第一および第二多孔性支持体が相互に周辺部面対面係合状態にある、請求項1記載のパウチ。
【請求項18】
前記第一多孔性支持体および前記第二多孔性支持体が、前記周辺部面対面係合部の少なくとも一部に沿って融着されている、請求項17記載のパウチ。
【請求項19】
一つの支持体が与えられ、該支持体が折畳まれて前記密閉体積を規定する、請求項1記載のパウチ。
【請求項20】
前記水溶性フィルムが約20μm〜約1000μmなる範囲内の厚みを持つ、請求項1記載のパウチ。
【請求項21】
前記水溶性フィルムが消泡剤を含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項22】
前記水溶性フィルムが、該フィルムを基準として、約5%〜約27質量%なる範囲内の量で存在する、香味料を含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項23】
前記水溶性フィルムが、更に乳化剤系を含み、該乳化剤系が、プロピレングリコールアルギネート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートおよびソルビタンモノオレエートを含む、請求項22記載のパウチ。
【請求項24】
前記水溶性フィルムが押出成形されたものである、請求項1記載のパウチ。
【請求項25】
前記水溶性フィルムが、更に該水溶性フィルムに帯電環境を付与し、あるいは該フィルムを該環境に維持する、イオン性成分をも含む、請求項1記載のパウチ。
【請求項26】
活性成分を投与するためのパウチの製造方法であって、以下の各工程:
(a) 水-不溶性多孔性半-透過性支持体を提供する工程;
(b) 該多孔性支持体を、少なくとも部分的に、水溶性フィルムで埋める工程;および
(c) 該少なくとも部分的に埋められた該多孔性支持体を折畳んで、密閉体積を規定する工程、
を含むことを特徴とする、前記製造方法。
【請求項27】
前記少なくとも部分的に埋められた該多孔性支持体をそれ自体に対してヒートシールする工程をさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
活性成分を投与するためのパウチの製造方法であって、以下の各工程:
(a) 水-不溶性多孔性半-透過性支持体を提供する工程;
(b) 該多孔性支持体を、少なくとも部分的に、水溶性フィルムで埋めて、第一および第二のシート状フィルム-埋設支持体を形成する工程;
(c) 該第一および第二のフィルム-埋設支持体を、相互に周辺部面対面係合状態に置く工程;および
(d) 該第一および第二のフィルム-埋設支持体を、該周辺部面対面係合部の少なくとも一部に沿って、融着する工程、
を含むことを特徴とする、前記製造方法。
【請求項29】
複数の活性成分を、個体の体腔内に送達する方法であって、以下の各工程:
(a) (i)密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;
(ii) 該少なくとも1種の多孔性支持体中に、少なくとも部分的に埋設された、少なくとも1種の水溶性フィルム、ここで該水溶性フィルムは、第一の活性成分を含み;および
(iii) 該密閉体積中に収容された、第二の活性成分、
を含むパウチを提供する工程;
(b) 該パウチを該個体の体腔内に適用する工程;および
(c) 該少なくとも1種の水溶性フィルムを溶解させ、かつ該個体の体腔内に、該第一の活性成分を、該第二の活性成分との組合せで、放出させる工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項30】
前記体腔が口腔であり、かつ前記第一の活性成分が香味料を含み、また前記第二の活性成分が、食物製品、薬剤、栄養補助食品および化粧学的薬剤からなる群から選択される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
活性成分をタバコ製品との組合せで個体の体腔内に送達する方法であって、以下の各工程:
(a) (i)密閉体積を包囲する、少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;
(ii) 該少なくとも1種の多孔性支持体中に、少なくとも部分的に埋設された、少なくとも1種の水溶性フィルム、ここで該水溶性フィルムは、活性成分を含み;および
(iii) 該密閉体積中に収容されたタバコ製品、
を含むパウチを提供する工程;
(b) 該パウチを該個体の口腔内に適用する工程;および
(c) 該少なくとも1種の水溶性フィルムを溶解させ、かつ該個体の口腔内に、該活性成分を、該タバコ製品との組合せで、放出させる工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項32】
(a) 少なくとも1種の多孔性半-透過性支持体;
(b) 該少なくとも1種の支持体中に、少なくとも部分的に埋設された、少なくとも1種の水溶性フィルム、ここで該フィルム埋設-支持体は、密閉体積を包囲しており;
(c) 該密閉体積中の漢方成分、
を含むことを特徴とする、漢方製品。
【請求項33】
前記漢方成分が、キンミズヒキ、アルファルファ、アロエ、アンジェリカ、アニス、アルジュナ、アルニカ、ヨモギ、アシュワガンダ(ashwagandha)、アストラガルス、アベナ、メギ、ヤマモモ(bayberry bilberry)、ブデリウムガム、コケモモ、カバノキ、ビシー(bissy)ナッツ、ダイダイ、ブラックコホッシュ、クロフサスグリオイル、クログルミ、サントリソウ、ルイヨウボタン、ブルーバーベイン、ルリジサ、ゴボウ、ゴボウ、ナギイカダ、キンセンカ、カスカラサグラダ、イヌハッカ、キャッツクロー、カイエンヌ、カイエンヌペパー、セロリ種子、カモミール、シャパラル、ハコベ、キク、シナモン、クリーバーズ、クローブ、コンフリー、オウレン(coptis)、トウチュウカソウ(cordyceps)、クランベリー、シアニ(cyani)フラワー、ダミアナ、ダンシェン(dan shen)、セイヨウタンポポ、デビルクロー、ドンクアイ(dong quai)、エキナセア(Echinacea)、ニワトコの果実、オオグルマ、マオウ、ユーカリ、コゴメグサ、フォルスユニコーン(false unicorn)、ウイキョウ種子、コロハ、ナツシロギク、アマの種子オイル、ガンボージカンボジア(garcinia cambogia)、ニンニク、ゲンチアナ、ジンジャー、イチョウ、チョウセンニンジン、ゴールデンシール、ゴツコーラ(gotu kola)、サンザシ、ホーリーバジル、ホーシーウー(ho she wu)、ホップ、ニガハッカ根、セイヨウワサビ、トクサ、アジサイ、ヒソップ、トチャカ、ジュニパーベリー、カワカワ、ケルプ、ケラ(khella)、アツモリソウ、ラムズクオーター、ラベンダー、レモンバーム、カンゾウ、ロベリア、オシダ、マンドレーク、ウスベニタチアオイ根、マテ、メジカルマリジュアナ(medical marijuana)、オオアザミ、モリンダ(morinda)、マザーウォート(motherwort)、ビロウドモウズイカ、ミルラ、キンレンカ、インドセンダン油、ノニ(noni)、オートストロウ(oatstraw)、オリーブの葉、ハナハッカ油、ヒイラギメギ根、パンピエンピエン(pan pien pien)、パパイア、パルバブラバ(parruva brava)、パセリ、パッションフラワー、ポダルコ(pau d'arco)、ペパーミント、ニチニチソウ、ピッパリ(pippali)果実、ポーク(poke)、アメリカザンショウ、シリウム(psyllium)、クイーンオブザメドウ(queen of the meadow)、ケルセチン、ラズベリーの葉、アカツメクサ、ライシ(reishi)、ダイオウ、ルーイボス(rooibos)、ローズマリー、ベニバナ、セージ、サルサパリラ、ノコギリヤシ、シサンドラ(schisandra)、セネガ根、センナ、タツナミソウ、ヒメスイバ、ナズナ、シイタケ、シベリアチョウセンニンジン、ニレ、スピルリナ(spirulina)、スコウワイン(squaw vine)、セントジョーンズウォート(St. John's wort)(オトギリソウ属)、イラクサ、スマ(suma)、茶木オイル、タイム、ターキールバーブ(turkey rhubarb)、ターメリック、アスニア(サルオガセ族)、ウバウルシ(uva ursi)、カノコソウ、バイテックス(vitex)、スイカ種子、ホワイトオーク、ホワイトウイロウ、野生チェリー樹皮、野生ヤム、ヤナギ樹皮、カッコウソウ、ガヨモギ、ノコギリソウ、イエロードック、イエルバサンタ(yerba sannta)およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記水溶性フィルムが活性成分をさらに含む、請求項32記載の方法。
【請求項35】
前記活性成分が香味料である、請求項34記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−504893(P2010−504893A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530461(P2009−530461)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/021076
【国際公開番号】WO2008/042331
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(507026110)モノソル アールエックス リミテッド ライアビリティ カンパニー (15)
【Fターム(参考)】