説明

フィルムの貼り付け方法、及び、表示装置の製造方法

【課題】基体への接着材の貼着位置を正確に合わせつつ、製造工程が簡易で、低コスト化の可能なフィルムの貼り付け方法を提供すること。
【解決手段】基体1へ両面接着テープ2を介してフィルム3を貼り付けるフィルムの貼り付け方法であって、両面接着テープ2を介してフィルム3と対向するセパレータ4とを備えるシート20を、両面接着テープ2を基体1の所定位置に貼着するようシート20の載置位置を決める位置決め手段5と、吸引手段8とを備えた載置台9上に、フィルム3面が載置台9と当接してシート20を固定し、両面接着テープ2を露出させるようシート20に備えられたセパレータ4を剥離し、フィルム3と基体1とを両面接着テープ2の露出部を介して貼り付け、フィルム3と基体1とを載置台9から分離するフィルム3の貼り付け方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体へのフィルムの貼り付け方法、及び、表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、表示パネル基板や対向基板などの各種の基板を備えている。これらの基板には、偏光フィルム(例えば、特許文献1)や保護フィルムなどが貼り付けられている。例えば、液晶表示パネル表面は、通常、表示パネル基板の表面に埃や傷がつくのを避けるために、ユーザーに渡るまで保護フィルムが貼着されている。
図5(a)は、従来例に係る液晶表示パネルの斜視図、図5(b)は、図5(a)のC−C断面図である。図5(a)及び図5(b)に示すように、液晶表示パネル110は、表示パネル基板101、両面接着テープ102、保護フィルム103を備えている。
【0003】
保護フィルム103は、表示パネル基板101の視認側(液晶表示装置として組み立てられた際に露出する側)に配設されている。この保護フィルム103の大きさは、図5に示すように、表示パネル基板101と略同一である。保護フィルム103を設けることにより、表示パネル基板101の視認側の表面に埃が付着したり、傷が形成されるのを抑制することができる。最終的には、保護フィルム103は、ユーザーにて両面接着テープとともに剥離せしめられることもある。
【0004】
両面接着テープ102は、図5に示すように、表示パネル基板103の外周部のやや内側に枠体状に形成されている。これは、組み立てにより視認部とならない領域に貼着部位を設けるためである。これにより、保護フィルム103及び両面接着テープ102を剥離する工程で、万が一接着材が残留したとしても視認部に支障をきたさないようにすることができる。
【0005】
また、別の例として、保護フィルム103を剥離した後であっても両面接着テープ102をそのまま残存させ、この両面接着テープ102を再利用することがある。例えば、弾性のある基材の両面に接着材を配置した弾性両面接着テープを表示パネル基板101の外周部に配設し、窓部が形成されたフレームと弾性両面接着テープとを当接して、表示パネル基板101とフレームとを固着することに利用することがある。この場合、弾性両面粘着テープが視認部に貼り付けられることを防止するため、弾性両面接着テープと表示パネル基板101との位置合わせは重要となる。
【0006】
図6(a)は、表示パネル基板101に貼着させるための両面接着テープを備えるシート120の上面図、図6(b)は図6(a)のD−D断面図である。
【0007】
シート120は、図6(a)及び図6(b)に示すように、第1のセパレータ104a、両面接着テープ102、第2のセパレータ104bを備えている。また、第1のセパレータ104aには、後述する載置台109に備えられた係合部位と嵌合せしめるための4つの被係合部である第1の被係合部105a,第2の被係合部105b、第3の被係合部105c、第4の被係合部105d、並びに、載置台109に備えられた後述する凸状部が挿入可能なように構成した3つの貫通孔である第1の貫通孔106a、第2の貫通孔106b、第3の貫通孔106cを備えている。
【0008】
両面接着テープ102は、図6(a)及び図6(b)に示すように、第1のセパレータ104a、第2のセパレータ104bにより挟持された構造となっている。第1のセパレータ104aと第2のセパレータ104bとは同一の材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。第2のセパレータ104bは、両面接着テープ102を保護可能であれば、その大きさや形状は問わない。第1のセパレータ104a及び第2のセパレータ104bは、ともに両面接着テープ102から容易に分離可能な材質のものを選択する。
【0009】
次に、本実施形態における表示パネル基板101への保護フィルム103の貼り付け方法について図7(a)〜(c)及び図8を用いて説明する。図7は、製造工程を説明するための斜視図、また、図8は、表示パネル基板101への保護フィルム103の貼り付け方法の製造工程を示すフローチャートである。
【0010】
まず、ステップS101により(図8参照)、載置台109上に表示パネル基板101の視認側の表面が上面となるように載置する(図7(a)参照)。表示パネル基板101の位置を規制する規制手段として、図7(a)に示すように、載置台上にピン状の第1のガイド部材116a、第2のガイド部材116b、第3のガイド部材116cが備えられている。表示パネル基板101の側面がこれらのガイド部材の側面と当接するようにすることにより位置合わせをする。これにより、表示パネル基板101の面方向の位置を規制することができる。
【0011】
次に、ステップS102により、両面接着テープ102が挟持されたシート120の第2のセパレータ104bを剥離する。これにより、両面接着テープ102の下面(表示パネル側に接着される面側)の接着部が露出する。
【0012】
続いて、ステップS103により、第2のセパレータ104bの剥離により露出した接着テープ面と表示パネル基板101とが当接するようにシート120を表示パネル基板101上に載置する。この際、載置台109に備えられた4つの係合部たる第1のピン115a、第2のピン115b、第3のピン115c、第4のピン115dに、第1のセパレータ104aに備えられた4つの被係合部たる第1の被係合部105a、第2の被係合部105b、第3の被係合部105c、第4の被係合部105dをそれぞれ嵌合せしめるように位置合わせをする。これにより、両面接着テープ102の表示パネル基板101に対する位置を正確に合わせることができる。
【0013】
次いで、ステップS104により、第1のセパレータ104aを剥離して、両面接着テープの表示パネル基板と反対側の面が露出するようにする。
【0014】
その後、ステップS105により、表示パネル基板101上に保護フィルム103を目視にて、表示パネル基板101表面の全面を覆うように重ね合わせせて貼り付ける。
【0015】
続いて、ステップS106により、両面接着テープ102及び保護フィルム103が表示パネル基板101に対して所定位置に貼着されているかを目視にて確認する。否の場合には、保護フィルム103及び両面接着テープ102を表示パネル基板101から剥離し(ステップS107)、ステップS102からやり直す。
【0016】
上記ステップS106において是の場合には、ステップS108により、保護フィルム103が貼り付けられた表示パネル基板101を載置台109から分離して、終了する。
【0017】
上記従来例によれば、表示パネル基板101上の所望の位置に接着材を配置し、保護フィルムを貼り付けることが可能である。これにより、ユーザにより表示パネル基板101上から保護フィルム103を剥離する際に、万が一接着材が表示パネル基板101上に残留しても、例えば視認部に支障をきたさぬように調整することができる。
【特許文献1】特開平07−294902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記従来例においては、保護フィルム103を表示パネル基板101に貼着する際に目視にて貼り付けていた。このため、生産性が悪く、コストもかかっていた。さらに、両面接着テープ102及び保護フィルム103の貼り付け位置がずれてしまった場合には、両面接着テープ102や保護フィルム103を剥離した上で、もう一度シート120の貼り付けから行わなければならず、生産性の改善が望まれていた。
また、本来、保護フィルム103により保護することが必要な表示パネル基板101上の表面を、フィルムの貼り付け工程において上面にするため、フィルムを貼り付ける工程時に埃の付着等が発生する恐れがあった。
【0019】
なお、上記においては液晶表示パネルの表示パネル基板に保護フィルムを貼り付ける際の問題点について説明したが、有機EL表示装置や、プラズマディスプレイ装置等に搭載される表示パネル基板に保護フィルムを貼り付ける際にも同様の問題が生じ得る。また、表示パネル基板上に保護フィルムを貼り付ける場合に限られず、基体に保護フィルムを貼り付ける場合にも同様の問題が生じ得る。さらに、上記従来例においては、フィルムとして保護フィルムを例にとり説明したが、これに限定されるものではなく、光学フィルムなどのフィルム全般についても同様の問題が生じ得る。
【0020】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的とするところは、基体への接着材の貼着位置を正確に合わせつつ、より高品質なフィルム付き基体を提供でき、かつ、製造工程が簡易なフィルムの貼り付け方法を提供することである。また、第2の目的とするところは、表示パネルへの接着材の貼着位置を正確に合わせつつ、より高品質なフィルム付き表示パネルを提供でき、かつ、製造工程が簡易な表示装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るフィルムの貼り付け方法は、フィルムを枠状の接着材を介して基体に貼り付けるフィルムの貼り付け方法であって、該フィルムと、該接着材を介して該フィルムと対向するセパレータとを有するシートを用意し、該フィルムが所定の位置となり、かつ、該フィルム面が下面となるように該シートを載置台の上に載置し、該シートを吸引して、該載置台上に固定し、該接着材が上側に露出するように該シートから該セパレータを剥離し、該基体の所望の位置に該接着材が貼着されるよう該フィルムと該基体とを重ね合わせて、該フィルムと該基体とを貼り付けるものである。
【0022】
本発明の第1の態様に係るフィルムの貼り付け方法によれば、載置台上に位置合わせ手段を有しているので、基体への接着材の位置合わせを正確に行うことができる。また、基体上に直接人手によってフィルムを位置合わせしつつ貼り付ける工程がないので、製造工程が簡易であって、かつ低コスト化を達成することができる。
また、従来例のように、本来保護したい基体面をフィルム貼り付け工程において上面にせずに、載置台と対向するようにしてフィルムの貼り付け工程を行うので、フィルムの貼り付け工程時に、埃等が表示パネル基板1上に付着するのを抑制することができる。しかも、フィルムの貼り付け工程を人手によらずして行うので、より効果的に埃等が表示パネル基板1上に付着するのを抑制することができる。その結果、接着材の表示パネル基板への接着位置を正確に保ちつつ、より高品質のフィルム付き基体を提供することができる。
【0023】
本発明の第2の態様に係るフィルムの貼り付け方法は、上記載置台上に位置決め手段を有し、該位置決め手段により該フィルムの貼り付け位置を位置決めすることを特徴とするものである。
【0024】
本発明の第3の態様に係るフィルムの貼り付け方法は、上記位置決め手段として、上記載置台上に係合部を備え、上記セパレータには、該係合部と嵌合するための被係合部を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
上記第2の目的を達成するために、本発明の第4の態様に係る表示装置の製造方法は、フィルムを接着材を介して表示パネル上に貼着する表示装置の製造方法であって、該フィルムと、該接着材を介して該フィルムと対向するセパレータとを有するシートを用意し、該フィルムが所定の位置となり、かつ、該フィルム面が下面となるように該シートを載置台の上に載置し、該シートを吸引して、該載置台上に固定し、該接着材が上側に露出するように該シートから該セパレータを剥離し、該表示パネルの所望の位置に該接着材が貼着されるよう該フィルムと該表示パネルとを重ね合わせて、該フィルムと該表示パネルとを貼り付けるものである。
【0026】
本発明の第4の態様に係る表示装置の製造方法によれば、載置台上に位置合わせ手段を有しているので、表示パネルへの接着材の位置合わせを正確に行うことができる。また、人手によるフィルムの貼り付け工程がないので、製造工程が簡易であって、かつ低コスト化を達成することができる。
また、従来例のように、本来保護したい表示パネル面をフィルム貼り付け工程において上面にせずに、載置台と対向するようにしてフィルムの貼り付けを行うので、フィルムの貼り付け工程時に、埃等が表示パネル基板1上に付着するのを抑制することができる。しかも、フィルムの貼り付け工程を人手によらずして行うので、より効果的に埃等が表示パネル基板1上に付着するのを抑制することができる。その結果、接着材の表示パネル基板への接着位置を正確に保ちつつ、より高品質の表示装置を提供することができる。
【0027】
本発明の第5の態様に係る表示装置の製造方法は、上記載置台上に位置決め手段を有し、該位置決め手段により該フィルムの貼り付け位置を位置決めすることを特徴とするものである。
【0028】
本発明の第6の態様に係る表示装置の製造方法は、上記位置決め手段として、上記載置台上に係合部を備え、上記セパレータには、該係合部と嵌合するための被係合部を備えていることを特徴とするものである。
【0029】
本発明の第7の態様に係る表示装置の製造方法は、上記フィルムが貼着される上記表示パネルの面は、視認側であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、基体への接着材の貼着位置を正確に合わせつつ、より高品質なフィルム付き基体を提供でき、かつ、製造工程が簡易なフィルムの貼り付け方法を提供することができるという優れた効果がある。また、表示パネルへの接着材の貼着位置を正確に合わせつつ、より高品質なフィルム付き基体を提供でき、かつ、製造工程が簡易な表示装置の製造方法を提供することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0032】
図1(a)は、本実施形態に係る液晶表示パネルの斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、液晶表示パネル10は、表示パネル基板1、両面接着テープ2、保護フィルム3を備えている。
【0033】
保護フィルム3は、表示パネル基板1の視認側(液晶表示装置として組み立てられた際に露出する側)に配設されている。この保護フィルム3の大きさは、図1に示すように、表示パネル基板1と略同一である。このようにすることにより、液晶表示パネルを保管、あるいは梱包する際にパッキング性等を高めることができる。保護フィルム3を設けることにより、表示パネル基板1の視認側の表面に埃が付着したり、傷が形成されるのを抑制することができる。保護フィルム3は、後の工程にて剥離せしめられる。
【0034】
両面接着テープ2は、図1に示すように、保護フィルム3の外周部のやや内側に枠体状に形成されている。これは、組み立て時に、視認部とならない領域(例えば、組立工程において表示パネル基板1が他の部材により隠れる領域)に接着材部を設けるためである。このようにすることにより、保護フィルム3及び両面接着テープ2を剥離する工程で、万が一接着材が残留したとしても視認部に支障をきたさないようにすることができる。視認部以外の領域、すなわち、組み立てにより他の部材に覆われる領域は表示パネル基板1の外周部の極微小な幅である。従って、接着材を塗布する位置を正確に制御することが重要となる。
本実施形態においては、接着材として両面接着テープ2を用いたが、これに変えてペースト状の接着材等を用いることもできる。
【0035】
図2(a)は、両面接着テープ2を表示パネル基板1に貼着させるための両面接着テープを備えるシート20の上面図、図2(b)は図2(a)のB−B断面図である。
【0036】
シート20は、図2(a)及び図2(b)に示すように、セパレータ4、両面接着テープ2、保護フィルム3を備えている。また、セパレータ4には、後述する載置台9に備えられた係合部位と嵌合せしめるための4つの被係合部である第1の被係合部5a,第2の被係合部5b、第3の被係合部5c、第4の被係合部5d、並びに、載置台9に備えられた後述する凸状部位が挿入可能なように構成した3つの貫通孔である第1の貫通孔6a、第2の貫通孔6b、第3の貫通孔6cを備えている。
【0037】
両面接着テープ2は、図2(a)及び図2(b)に示すように、セパレータ4、保護フィルム3により挟持された構造となっている。セパレータ4は、両面接着テープ2から容易に分離可能な材質のものを選択する。
【0038】
次に、本実施形態に係る表示パネル基板1への保護フィルム3の貼り付け方法について図3(a)〜(c)及び図4を用いて説明する。図3は、製造工程を説明するための斜視図、図4は保護フィルム3の貼り付け方法の製造工程を示すフローチャートである。
【0039】
まず、ステップS1により(図4参照)、載置台9上にシート20を載置する(図3(a)参照)。この際、載置台9に備えられた4つの係合部たる第1のピン15a、第2のピン15b、第3のピン15c、第4のピン15dに、セパレータ4に備えられた4つの被係合部たる第1の被係合部5a、第2の被係合部5b、第3の被係合部5c、第4の被係合部5dをそれぞれ嵌合せしめるように位置合わせをする。これにより、両面接着テープ2の表示パネル基板1に対する位置を正確に合わせることができる。
【0040】
載置台9上には、4つの係合部たる第1のピン15a、第2のピン15b、第3のピン15c、第4のピン15dのほかに、3つのガイド部たる第1の凸状部16a、第2の凸状部16b、第3の凸状部16cを備えている。そして、上記ピン15aと被係合部5a等との嵌合に合わせて、セパレータ4に形成された第1の貫通孔6a、第2の貫通孔6b、第3の貫通孔6cに、3つのガイド部たる第1の凸状部16a、第2の凸状部16b、第3の凸状部16cがそれぞれ挿入される。これらの貫通孔6の直径は、ガイド部としての凸状部の直径に比して遊びをもたせるように設計している。これにより、位置合わせは、上記第1のピン15aと第1の被係合部5a等との嵌合により行い、ガイド部たる凸状部も嵌合させる場合に比して位置合わせをスムーズに行うことができる。また、4つの係合部たるピンの高さよりも、3つの凸状部の高さを低く設定することにより、位置合わせをスムーズに行うことができるようにしている。
【0041】
次に、ステップS2により、吸気孔8を介して保護フィルム3を吸引することにより固定する。
【0042】
次いで、ステップS3により、両面接着テープ2が挟持されたシート120のセパレータ4を剥離する(図3(b)参照)。これにより、シート20の上面にテープ2が露出する。
【0043】
続いて、ステップS4により、保護フィルム3と表示パネル基板1とが、セパレータ4の剥離により露出した接着テープ面を介して対向するように載置台9に表示パネル基板1を載置する(図3(c)参照)。この際、図3(c)に示すように、載置台上にピン状の第1のガイド部材16a、第2のガイド部材16b、第3のガイド部材16cが備えられている。表示パネル基板1の側面がこれらのガイド部材のすべての側面と当接するようにすることにより位置合わせをした状態で載置する。これにより、表示パネル基板1の面方向の位置を規制することができる。
【0044】
次いで、ステップS5として、吸引を停止して、保護フィルム3が貼り付けられた表示パネル基板1を載置台9から分離し、表示パネル基板1への保護フィルム3の貼り付けを終了する。
【0045】
本実施形態によれば、位置合わせ手段を備えているので、表示パネル基板1への両面接着テープ2の位置合わせを正確に行うことができる。また、製造工程が簡易で、低コスト化を達成することができる。また、本実施形態においては、従来例のように、表示パネル基板101の視認側の面を上面側にして載置することがない。すなわち、本実施形態においては、表示パネル基板の視認側の面側を載置台9と対向させて処理することができる。しかも、保護フィルムの貼り付け工程を迅速に処理することができる。このため、保護フィルムの貼り付け工程時に、埃等が表示パネル基板1上に付着するのを抑制することができる。その結果、接着材の表示パネル基板への接着位置を正確に保ちつつ、より高品質の液晶表示パネルを提供することができる。
【0046】
なお、液晶表示装置に搭載された表示パネル基板に保護フィルムを貼り付ける方法を例として説明したが、これに限定されるものではなく、接着材を所定の位置に貼着せしめたい基体上にフィルムを貼り付ける方法であれば、本件発明を適用することが可能である。例えば、拡散フィルムや光学フィルムをバックライトユニットに貼り付ける際に利用することができる。また、タッチスイッチ機能を有するフィルムを表示パネル基板に貼り付ける際に利用することができる。
【0047】
また、基体としては、透明又は不透明のガラス基板、セラミック基板、プラスチック基板、金属基板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。基体は、必ずしも平面で板状である必要はなく曲面でも異型状でもよい。載置台上の吸気孔の数や吸気孔の大きさ等は、載置されるフィルムの材質や大きさにより適宜変更することが可能である。ガイド部材の個数や、係合部材の個数も適宜変更可能である。また、係合部やガイド部材の設置場所も本発明の趣旨に反しない限りどこに設置してもよい。係合部材として、ピンを例に取り説明したが、これに限定されるものではなく、接着材との位置決めが可能な位置決め手段であれば採用することができる。また、ガイド部材(凸状部6a等)の径よりも貫通孔(貫通孔16a等)の径を大きくして、ガイド部材を貫通孔に容易に挿入可能なようにしたが、これに限定されず、ガイド部材にも位置決め機能を持たせるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)本実施形態に係る液晶表示パネルの斜視図、(b)液晶表示パネルのA−A断面図。
【図2】(a)本実施形態に係るシートの平面図、(b)シートのB−B断面図。
【図3】(a)〜(c)本実施形態に係る表示パネル基板へのフィルムの貼り付け方法を説明するための斜視図。
【図4】本実施形態に係る表示パネル基板へのフィルムの貼り付け方法のフローチャート。
【図5】(a)従来例に係る液晶表示パネルの斜視図、(b)液晶表示パネルのC−C断面図。
【図6】(a)従来例に係るシートの平面図、(b)シートのB−B断面図。
【図7】(a)〜(c)従来例に係る表示パネル基板へのフィルムの貼り付け方法を説明するための斜視図。
【図8】従来例に係る表示パネル基板へのフィルムの貼り付け方法のフローチャート。
【符号の説明】
【0049】
1 表示パネル基板
2 接着材
2 両面接着テープ
3 保護フィルム
4a 第1のセパレータ
4b 第2のセパレータ
5a、5b、5c、5d 被係合部
6a、6b、6c 貫通孔
8 吸気孔
9 載置台
10 液晶表示パネル
15a、15b、15c、15d ピン
16a、16b、16c ガイド部材
20 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを枠状の接着材を介して基体に貼り付けるフィルムの貼り付け方法であって、
該フィルムと、該接着材を介して該フィルムと対向するセパレータとを有するシートを用意し、
該フィルムが所定の位置となり、かつ、該フィルム面が下面となるように該シートを載置台の上に載置し、
該シートを吸引して、該載置台上に固定し、
該接着材が上側に露出するように該シートから該セパレータを剥離し、
該基体の所望の位置に該接着材が貼着されるよう該フィルムと該基体とを貼り付けるフィルムの貼り付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルムの貼り付け方法において、
上記載置台上に位置決め手段を有し、該位置決め手段により該フィルムの貼り付け位置を位置決めすることを特徴とするフィルムの貼り付け方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルムの貼り付け方法において、
上記位置決め手段として、上記載置台上に係合部を備え、
上記セパレータには、該係合部と嵌合するための被係合部を備えていることを特徴とするフィルムの貼り付け方法。
【請求項4】
フィルムを枠状の接着材を介して表示パネル上に貼着する表示装置の製造方法であって、
該フィルムと、該接着材を介して該フィルムと対向するセパレータとを有するシートを用意し、
該フィルムが所定の位置となり、かつ、該フィルム面が下面となるように該シートを載置台の上に載置し、
該シートを吸引して、該載置台上に固定し、
該接着材が上側に露出するように該シートから該セパレータを剥離し、
該表示パネルの所望の位置に該接着材が貼着されるよう該フィルムと該表示パネルとを貼り付ける表示装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置の製造方法において、
上記載置台上に位置決め手段を有し、該位置決め手段により該フィルムの貼り付け位置を位置決めすることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の表示装置の製造方法において、
上記位置決め手段として、上記載置台上に係合部を備え、
上記セパレータには、該係合部と嵌合するための被係合部を備えていることを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項7】
請求項4、5、又は6に記載の表示装置の製造方法において、
上記フィルムが貼着される上記表示パネルの面は、視認側であることを特徴とする表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−65055(P2006−65055A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248439(P2004−248439)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】