説明

フィルムコンデンサ

【課題】より優れた放熱特性を発揮し得るフィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体膜14と金属蒸着膜16とを積層してなる積層体18を用いて得られるコンデンサ素子12の最外層を、電気絶縁性と伝熱性とを備えた保護膜22にて構成すると共に、かかるコンデンサ素子12に対して、放熱板32を、保護膜22の外面のみに接触させた状態で装着して、構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサに係り、特に、積層タイプや巻回タイプのフィルムコンデンサの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子機器に使用されるフィルムコンデンサとして、積層タイプや巻回タイプのフィルムコンデンサが知られている。積層タイプのフィルムコンデンサは、例えば、特開平10−208972号公報(特許文献1)等に明らかにされるように、誘電体膜と金属蒸着膜とが積層されてなる積層体(例えば、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に金属蒸着膜が形成された金属化フィルム等)の複数を用い、それら複数の積層体を、誘電体膜と金属蒸着膜とが交互に位置するように、更に積層して、積層型のコンデンサ素子を形成した後、このコンデンサ素子の、誘電体膜と金属蒸着膜の積層方向に対して垂直な一方向の両側に位置する一対の端面、即ち、互いに対向する一対の端面に、外部電極として、メタリコン電極をそれぞれ形成することによって製造されている。また、巻回タイプのフィルムコンデンサは、例えば、特開2007−220720号公報(特許文献2)等に開示されるように、少なくとも二つの誘電体膜と少なくとも二つの金属蒸着膜とが交互に一つずつ位置するように積層されてなる積層体(例えば、樹脂フィルムの両面に金属蒸着膜が形成された金属化フィルムと樹脂フィルムとの積層フィルム等)を巻回して、巻回型のコンデンサ素子を形成した後、かかるコンデンサ素子の一対の端面に、外部電極として、メタリコン電極をそれぞれ形成することによって製造されている。
【0003】
ところで、フィルムコンデンサは、積層タイプと巻回タイプの何れのタイプであっても、金属蒸着膜に電流が流されることによって、金属蒸着膜、ひいてはフィルムコンデンサの全体が、不可避的に発熱するが、このときの発熱量が大きいと、熱劣化が生じて、コンデンサ性能が低下する恐れがあるため、使用可能な温度範囲を設定していた。また、従来のフィルムコンデンサの中には、外部電極に接続される外部接続用端子を金属板にて構成し、この金属板からなる外部接続用端子を通じて、放熱を行うようにしたものもある。
【0004】
一方、近年では、フィルムコンデンサを搭載する電子機器内の高密度化が進んでおり、それに伴って、フィルムコンデンサの小型化が求められている。そこで、最近では、そのようなフィルムコンデンサに対する小型化の要求を満たすべく、誘電体や金属蒸着膜が、更に薄肉化される傾向にある。ところが、金属蒸着膜を薄くすると、金属蒸着膜への通電による発熱量が増大するだけでなく、金属蒸着膜から外部電極への伝熱性も悪化し、そのために、外部接続用端子による放熱だけで十分な放熱効果を得ることが困難となる。それ故、そのような状況下において、フィルムコンデンサの放熱構造の改善が、今、強く望まれているのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−208972号公報
【特許文献2】特開2007−220720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、より優れた放熱特性を発揮し得るように改良されたフィルムコンデンサの構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明にあっては、上記の課題の解決のために、誘電体膜と金属蒸着膜とを積層してなる積層体を用いて得られるコンデンサ素子の、該誘電体膜と該金属蒸着膜の積層方向に対して垂直な一方向の両側に位置する一対の端面に、外部電極をそれぞれ形成して構成したフィルムコンデンサであって、前記コンデンサ素子の最外層が、電気絶縁性と伝熱性とを備えた保護膜にて構成されていると共に、放熱板が、該保護膜の外面のみに接触して、該コンデンサ素子に装着されていることを特徴とするフィルムコンデンサを、その要旨とするものである。
【0008】
なお、本発明の有利な態様の一つによれば、前記コンデンサ素子の前記一対の端面を除く外面上と、該一対の端面にそれぞれ形成された前記外部電極の外面上とに対して、それらの外面の全体を被覆する樹脂被覆層が一体的に積層形成されて、前記保護膜との接触部を含む前記放熱板の一部分が該樹脂被覆層内に埋入されることにより、該放熱板が該コンデンサ素子に固定される一方、該樹脂被覆層から突出して、外部に露呈せしめられた該放熱板部分に、該コンデンサ素子を他部材に取り付けるための取付部が設けられる。
【0009】
また、本発明の好ましい態様の一つによれば、二つの押圧板部を有するバネクリップが、前記コンデンサ素子の前記誘電体膜と前記金属蒸着膜の積層方向の両側に位置する二つの外面部分に対して、該二つの押厚板部において弾性的に接触して、該二つの外面部分を該積層方向の内側にそれぞれ押圧した状態で、該コンデンサ素子に装着されることにより、該積層方向において互いに隣り合う前記積層体部分同士が、該バネクリップの弾性により密接させられると共に、前記放熱板が、該バネクリップの該二つの押厚板部を含んで構成されることとなる。
【発明の効果】
【0010】
すなわち、本発明に従うフィルムコンデンサでは、金属板からなる外部接続用端子を外部電極に接続することにより、金属蒸着膜への通電時に生ずる熱を外部(大気中)に放出することができる。また、それに加えて、コンデンサ素子の外面に接触して装着された放熱板によっても、金属蒸着膜への通電時に生ずる熱を外部(大気中)に放出することが可能となっている。
【0011】
従って、本発明に従うフィルムコンデンサにあっては、単に、外部接続用端子のみを通じて放熱される従来のフィルムコンデンサに比して、より優れた放熱特性が発揮され得る。そして、その結果として、金属蒸着膜の薄肉化により小型化されても、十分な放熱効果が安定的に確保され、以て、電子機器内への高密度実装が、極めて有利に実現され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に従う構造を有するフィルムコンデンサの一実施形態を示す縦断面説明図であって、図2のI−I断面に相当する図である。
【図2】図1のII−II断面説明図である。
【図3】本発明に従う構造を有するフィルムコンデンサの別の実施形態を示す縦断面説明図であって、図4のIII−III断面に相当する図である。
【図4】図3のIV−IV断面説明図である。
【図5】図3に示されたフィルムコンデンサが有する放熱板の正面説明図である。
【図6】図5のVI矢視説明図である。
【図7】図5の VII矢視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0014】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有するフィルムコンデンサの一実施形態が、切断部位が互いに異なる縦断面形態において、それぞれ示されている。それら図1及び図2から明らかなように、本実施形態のフィルムコンデンサ10は、全体として、略直方体形状を呈する1個のコンデンサ素子12を備えている。
【0015】
このコンデンサ素子12は、誘電体膜たる樹脂フィルム14の一方の面上に金属蒸着膜16が積層形成されてなる、積層体としての金属化フィルム18の複数が、更に互いに積層された、略直方体形状を呈する積層構造体20を有している。そして、かかる積層構造体20の長さ方向(金属化フィルム18の積層方向に直角な一方向であって、図1の紙面に垂直な方向、及び図2の左右方向)の両側にそれぞれ位置する2個の側面21a,21bを除いた外面の全面が、保護膜22にて被覆されている。
【0016】
すなわち、コンデンサ素子12は、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16とが、交互に1個ずつ位置するように積層されてなる、従来より公知の積層型(積層タイプ)の基本構造を有しており、最上層と最下層とを含む最外層が、保護膜22にて構成されている。そして、かかるコンデンサ素子12の上面と下面と幅方向(図1の左右方向で、図2の紙面に垂直な方向)の両側に位置する2個の側面とが、保護膜22の上面23と下面24と幅方向両側の側面25a,25bとにて形成されていると共に、コンデンサ素子12の長さ方向の両側に位置する2個の側面が、保護膜22が形成されていない、積層構造体20の長さ方向両側の側面21a,21bにて、それぞれ形成されている。なお、以下からは、便宜上、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16との積層方向を上下方向と言うこととする。
【0017】
そのようなコンデンサ素子12の誘電体膜を構成する樹脂フィルム14は、ここでは、ポリプロピレン製の延伸フィルムからなり、1〜10μm程度の薄い厚さを有している。なお、樹脂フィルム14の形成材料は、ポリプロピレンに何等限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート等、従来のフィルムコンデンサの誘電体膜を構成する樹脂フィルムの形成材料として使用される絶縁性の樹脂材料が、ポリプロピレンに代えて、適宜に用いられ得る。
【0018】
また、本実施形態では、コンデンサ素子12の最外層を構成する保護膜22も、誘電体膜を構成する樹脂フィルム14と同じポリプロピレン製の延伸フィルムにて構成されている。この保護膜22は、積層構造体20を保護し、且つ内部電極膜として形成される金属蒸着膜16の短絡を防止するために、適度な強度と電気絶縁性とを有している必要がある。また、金属蒸着膜16への通電により生ずる熱が、後述する放熱板32を通じて外部に放出され得るように、保護膜22は、十分な伝熱性も備えていなければならない。
【0019】
それ故、そのような保護膜22の形成材料としては、電気絶縁性と伝熱性とを兼備した材料の中から適宜に選択され、具体的には、ポリプロピレンが一般に用いられる。また、保護膜22の厚さも、特に限定されるものではないものの、好ましくは、3〜30μm程度の厚さとされる。何故なら、保護膜22が3μmよりも薄いと、余りに薄過ぎて、保護膜23が発揮すべき保護機能を十分に確保することが困難となる恐れがあるといった不具合が惹起される恐れがあり、また、30μmよりも厚くしても、保護膜23の有する保護機能が更に向上することが望めず、却って、保護膜23の形成に際しての材料コストが高くとなるといった問題が生ずる可能性があるからである。
【0020】
金属蒸着膜16は、上記のように、コンデンサ素子12の内部電極膜を構成するものであって、従来より公知の金属化フィルム18の製造工程を実施することにより、樹脂フィルム14の一方の面上に積層形成されるものである。つまり、金属蒸着膜16は、フィルムコンデンサの内部電極膜を形成する公知の金属材料(例えば、アルミニウムや亜鉛等)を蒸着材として用いて、PVDやCVDの範疇に属する、従来から公知の真空蒸着法を実施することにより、樹脂フィルム14の一方の面上に成膜される。このような金属蒸着膜16の膜抵抗値は1〜50Ω/cm2 程度とされ、また、その膜厚は、膜抵抗値等によって適宜に決定される。
【0021】
コンデンサ素子12の、保護膜22が積層されていない2個の側面21a,21b、即ち、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16の積層方向に対して垂直な一方向の両側に位置する一対の端面たる2個の側面21a,21bには、外部電極としてのメタリコン電極26が、それぞれ、1個ずつ形成されている。それらのメタリコン電極26,26は、2個の側面21a,21bのそれぞれに対して純亜鉛を溶射することにより形成されている。
【0022】
また、かかるコンデンサ素子12においては、互いに積層された複数の金属化フィルム18に、マージン部28が、それぞれ形成されている。それら各マージン部28は、メタリコン電極26がそれぞれ形成された2個の側面21a,21bのうちの一方側と他方側とにそれぞれ互い違いに位置するように配置されている。これによって、互いに積層された複数の金属化フィルム18のうち、奇数段目に位置する金属化フィルム18の金属蒸着膜16が、例えば陽極を形成する、一方のメタリコン電極26に、また、偶数段目に位置する金属化フィルム18の金属蒸着膜16が、例えば陰極を形成する、他方のメタリコン電極26に、それぞれ接続されている。
【0023】
さらに、2個のメタリコン電極26,26には、外部接続用の端子30,30が、それぞれ接続されている。それら各端子30は、何れも、長手矩形状の金属平板からなっている。このような端子30が、上下方向に延びるように配置されて、上端側部位を、コンデンサ素子12の上面から上方に突出位置させた状態で、下端部において、例えば、半田付け等により、各メタリコン電極26の外面に固着されている。
【0024】
そして、本実施形態のフィルムコンデンサ10にあっては、特に、放熱板32が、コンデンサ素子12に対して、保護膜22のみに接触して、装着されていると共に、コンデンサ素子12の全体が、樹脂被覆層34にて被覆されており、そこに、従来には見られない大きな特徴が存しているのである。
【0025】
より具体的には、放熱板32は、比較的に広幅の帯状金属平板からなっている。この放熱板32を与える金属材料は、特に限定されるものではないものの、優れた熱伝導性と成形性とを有する金属材料であることが、望ましい。その点からして、放熱板32の形成材料としては、例えば、アルミニウムや銅等が、好適に用いられる。なお、放熱板32の形成材料としては、十分な伝熱性を発揮し得るものであれば、金属材料に何等限定されるものではない。従って、例えば、放熱板32の形成材料として、熱伝導性が良好な樹脂材料等も、適宜に用いられ得る。
【0026】
なお、図1及び図2では、コンデンサ素子12の構造の理解を容易とする上で、樹脂フィルム14や金属蒸着膜16が現実のものより十分に厚く記載されているために、それら樹脂フィルム14や金属蒸着膜16と放熱板32とが、略同程度の厚さで描かれているが、実際には、放熱板32が、樹脂フィルム14や金属蒸着膜16よりも十分に大きな肉厚を有していることが、理解されるべきである。また、かかる放熱板32の具体的な厚さや幅寸法は、コンデンサ素子12の大きさ等に応じて、適宜に決定されるところである。しかしながら、放熱板32は、十分な伝熱性能を得る上において、幅寸法が、メタリコン電極26に接続された端子30の幅よりも大きくされていることが望ましい。
【0027】
そして、そのような放熱板32は、長さ方向の中間部が接触部36とされており、また、長さ方向の両端側部分が放熱部38,38とされ、更に、接触部36と2個の放熱部38,38との間に位置する部分が、それら接触部36と放熱部38を連結する連結部40とされている。
【0028】
この放熱板32の接触部36は、略環状形態を呈し、コンデンサ素子12の長さ方向中間部に対して、その下面(保護膜22の下面24)の一部を除いた部分を囲繞するように、巻き付けられている。これによって、接触部36が、コンデンサ素子12の上面と幅方向両側の2個の側面とを構成する保護膜22の上面23と2個の側面25a,25bのそれぞれの長さ方向中間部に対して、それらの全幅に亘って接触して、配置されていると共に、コンデンサ素子12の下面を構成する保護膜22の下面24の長さ方向中間部における幅方向の両端側部分に接触して、配置されている。そうして、放熱板32が、接触部36において、保護膜22のみ接触して、金属蒸着膜16やメタリコン電極26とは非接触の状態で、コンデンサ素子12に圧着されている
【0029】
一方、2個の放熱部38,38は、何れも、平板形態を呈し、コンデンサ素子12よりも下側で、それと所定距離を隔てた同一の高さ位置において、コンデンサ素子12の幅方向(図1の左右方向)に延びるように配置されている。また、それら2個の放熱部38,38のうちの一方の放熱部38の先端側部分(放熱板32の一端部)が、コンデンサ素子32の幅方向の一方の側面25aよりも外方に向かって、所定長さだけ延び出している一方、他方の放熱部38の先端側部分(放熱板32の他端部)が、コンデンサ素子32の幅方向の他方の側面25bよりも外方に向かって、所定長さだけ延び出している。そして、そのような2個の放熱部38,38のそれぞれの先端側部分に、取付ねじ42(図1に二点鎖線で示す)が挿通される挿通孔44が、各々1個ずつ穿設されている。かくして、ここでは、各放熱部38の先端側部分が、挿通孔44に挿通された取付ねじ42によって、例えば電子機器(図示せず)の所定部位に取り付けられる取付部46とされている。
【0030】
また、2個の連結部40,40も、平板形態を呈している。そして、環状形態を呈する接触部36の周方向両端と、2個の放熱部38,38の取付部46側とは反対側の端部との間において、上下方向に延びるように配置されて、それら接触部の周方向両端と2個の放熱部38,38の各端部とを一体的に連結している。
【0031】
かくして、放熱板32が、コンデンサ素子12の外面に、接触部36を接触させる一方、2個の放熱部38,38をコンデンサ素子12の側方に延出させた状態で、コンデンサ素子12に装着されている。そして、それによって、金属蒸着膜16への通電により、金属蒸着膜16、更にはコンデンサ素子12が発熱した際に、その熱が、保護膜22を介して、放熱板32の接触部36に伝達され、更に、連結部40を通じて、接触部36から2個の放熱部38,38にそれぞれ伝達されるようになっている。また、コンデンサ素子12の熱は、2個のメタリコン電極26から、それらに接続された2個の端子30,30にもそれぞれ伝達されることとなる。
【0032】
一方、樹脂被覆層34は、コンデンサ素子12の上面及び下面と幅方向両側側面とをそれぞれ形成する保護膜22の上面23及び下面24と幅方向両側側面25a,25bの全面と、コンデンサ素子12の長さ方向両側側面21a,21bにそれぞれ形成されたメタリコン電極26,26の外面の全面とを、それぞれ被覆する状態で、コンデンサ素子12の外面に対して、一体的に積層形成されている。換言すれば、端子30付きのメタリコン電極26,26を備えたコンデンサ素子12の全体が、樹脂被覆層34内に埋設されているのである。
【0033】
コンデンサ素子12を被覆する樹脂被覆層34は、ここでは、エポキシ樹脂を用いて形成されている。樹脂被覆層34は、コンデンサ素子12の全体を被覆することで、コンデンサ素子12の耐湿性や強度の向上、及びメタリコン電極26と端子30の接続強度の向上等を図るものである。従って、樹脂被覆層34の形成材料は、そのような目的を達成可能な特性を有するものであれば、その種類が、何等限定されるものではなく、例えば、ウレタン樹脂やシリコン樹脂等が、エポキシ樹脂に代えて用いられ得る。また、樹脂被覆層34の厚さも、例えば、コンデンサ素子12の大きさや樹脂被覆層34の材質等を考慮して、適宜に変更され得るが、一般的には0.5〜30mm程度とされる。
【0034】
樹脂被覆層34の形成方法も、コンデンサ素子12の外面上に樹脂被覆層34を一体的に積層形成可能であれば、特に限定されるものではなく、従来より公知の手法が、適宜に採用され得る。例えば、端子30が接続されたメタリコン電極26を長さ方向両側端面21a,21bを有するコンデンサ素子12を、所定の金型の成形キャビティ内に収容すると共に、かかる成形キャビティ内に溶融樹脂を充填し、それを固化させる工程を実施する、所謂モールド成形によって、樹脂被覆層34を形成することができる。また、端子30が接続されたメタリコン電極26を長さ方向両側端面21a,21bを有するコンデンサ素子12を溶融樹脂内に浸漬して、かかるコンデンサ素子12の周囲に溶融樹脂を付着させた後、それを固化させる工程を実施する、所謂ディップ成形によっても、樹脂被覆層34を形成することができる。
【0035】
そして、本実施形態のフィルムコンデンサ10においては、そのような樹脂被覆層34によるコンデンサ素子12の被覆状態下(コンデンサ素子12の樹脂被覆層34への埋設状態下)で、放熱板32の接触部36が、コンデンサ素子12の保護膜22に接触して、巻き付けられた状態で、2個の連結部40,40の各上端部と共に、樹脂被覆層34内に埋入されている。これによって、放熱板32が、コンデンサ素子12、更にはフィルムコンデンサ10に固定されている。
【0036】
また、各メタリコン電極26に接続された端子30の上端部が、樹脂被覆層34の上面から上方に突出して、外部に露出している。更に、放熱板32の2個の連結部40,40の各下端部と2個の放熱部38,38の全体とが、樹脂被覆層34の下面から下方に突出して、外部に露出している。そして、外部に露出した2個の放熱部38,38が、樹脂被覆層34の下面の下方において、かかる下面と平行に延びるように配置されている。
【0037】
このように、本実施形態のフィルムコンデンサ10においては、2個のメタリコン電極26,26に接続された端子30,30の上端部と、接触部36においてコンデンサ素子12に接触して、コンデンサ素子12の熱を伝達する放熱板32の2個の放熱部38,38が、外部に露出している。それ故、金属蒸着膜16への通電によって生ずる熱が、2個の端子30の各上端部と放熱板32の2個の放熱部38,38とから、外部(大気中)に確実に放出され得る。従って、2個の端子30,30だけによって放熱される従来品に比して、より十分に且つ効率的に放熱され得る。
【0038】
そして、その結果として、本実施形態のフィルムコンデンサ10にあっては、たとえ金属蒸着膜16が薄肉化されて、小型化されても、十分な放熱効果が安定的に確保され、以て、電子機器内への高密度実装が、極めて有利に実現され得ることとなるのである。
【0039】
また、本実施形態のフィルムコンデンサ10においては、樹脂被覆層34から突出した放熱板32の2個の放熱部38,38に対して、コンデンサ素子12、更にはフィルムコンデンサ10の全体を電子機器(図示せず)の所定部位に取り付けるための取付部46が、それぞれ形成されている。即ち、かかるフィルムコンデンサ10では、従来のケースモールド型コンデンサが有する、電子機器等への取付部を備えたコンデンサケースの機能を、放熱板32が、放熱機能に加えて兼備している。そして、コンデンサ素子12の全体が、十分な耐湿性や強度を有する樹脂被覆層34内に埋設されている。
【0040】
それ故、本実施形態のフィルムコンデンサ10にあっては、従来のケースモールド型コンデンサとは異なって、コンデンサケースが不要とされて、省略可能となっている。従って、コンデンサケースを省略した分だけ、フィルムコンデンサ10全体の軽量化が有利に図られ得るだけでなく、コンデンサケース内に封止樹脂を充填する、時間と手間の掛かる工程が省略され、それによって、製造工程の簡略化が効果的に実現され得るのである。
【0041】
次に、図3及び図4には、本発明に従う構造を有する別の実施形態が、切断部位が互いに異なる縦断面形態において、それぞれ示されている。それら図3及び図4から明らかなように、本実施形態のフィルムコンデンサ50は、前記第一の本実施形態に係るフィルムコンデンサ10とは、放熱板52の構造以外は同様な構造とされている。それ故、本実施形態のフィルムコンデンサ50に関しては、前記第一の実施形態に係るフィルムコンデンサ10と同様な構造とされた部位及び部材について、図3及び図4に図1及び図2と同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
【0042】
すなわち、本実施形態のフィルムコンデンサ50にあっても、コンデンサ素子12が、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16とを積層した金属化フィルム18の複数を更に積層してなる、従来より公知の積層型の基本構造を有しており、最上層と最下層とを含む最外層が、保護膜22にて構成されている。また、そのようなコンデンサ素子12の長さ方向両側に位置する2個の側面21a,21bには、外部電極としてのメタリコン電極26がそれぞれ形成されている。更に、それら各メタリコン電極26には、金属平板からなる外部接続用の端子30が、それぞれ接続されている。
【0043】
そして、かかるフィルムコンデンサ50においては、放熱板52が、コンデンサ素子12の上面と下面とをそれぞれ構成する保護膜22の上面23と下面24とに接触して、コンデンサ素子12に装着されている。
【0044】
より詳細には、図5乃至図7に示されるように、放熱板52は、平板状のバネ鋼を略コ字状に屈曲形成してなるバネクリップからなっている。そして、広幅で略長手矩形の平板にて構成されて、互いに対向配置された2個の押圧板部54,54と、それら2個の押圧板部54,54の長さ方向の一端部同士を相互に連結する連結板部56とを一体的に有している。
【0045】
2個の押圧板部54,54のそれぞれの長さ方向の中間部には、屈曲部55が形成されている。そして、それら押圧板部54,54の屈曲部55よりも連結板部56とは反対側に位置する部分が、接触部58,58とされている一方、押厚板部54,54の屈曲部55よりも連結板部56側に位置する部位、及びかかる部位と連結板部56との間で形成される角部を含んだ部分が、ばね部60,60とされている。それら2個の接触部58,58は、連結板部56に対して略直角な方向において互いに平行に延びるように配置されている。また、2個のばね部60,60は、屈曲部55側から連結板部56側に向かって、互いの対向面間距離が次第に大きくなるように傾斜して配置されている。更に、各接触部58の屈曲部55側とは反対側の先端部には、湾曲形態をもって外側にカールしたカール部62が、それぞれ設けられている。
【0046】
そして、図3及び図4に示されるように、上記の如き構造とされた放熱板52の2個の押圧板部54,54が、それらの対向面間距離が大きくなるように押し広げられて、ばね部60,60が弾性変形させられた状態で、コンデンサ素子12の長さ方向中央部に対して、例えば幅方向一方側から外挿される等して、嵌着(装着)されている。
【0047】
このような放熱板52のコンデンサ素子12に対する嵌着状態下では、2個の押圧板部54,54の接触部58,58が、それぞれの対向面の全面において、コンデンサ素子12の上面と下面(保護膜22の上面23と下面24)の長さ方向中央部における幅方向略中央から幅方向一方側の端縁までの領域に接触している。これにより、金属蒸着膜16への通電時においてコンデンサ素子12に生ずる熱が、保護膜22の上面23と下面24を通じて、接触部58,58に伝達され、そして、それら接触部58,58からばね部60,60及び連結板部56に伝達されるようになっている。
【0048】
また、2個の接触部58,58は、コンデンサ素子12の上面と下面の長さ方向中央部における幅方向略中央から幅方向一方側の端縁までの領域の全体を、ばね部60,60の弾性変形状態からの復元力に基づいて、コンデンサ素子12の厚さ方向(上下方向)の中心に向かって、即ち、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16との積層方向の内側に向かって、それぞれ押圧している。これにより、コンデンサ素子12を構成する複数の金属化フィルム18のうち、それらの積層方向において隣り合うもの同士が、ばね部60,60の復元力に基づく接触部58,58の押圧力にて、相互に密接させられている。
【0049】
このように、本実施形態のフィルムコンデンサ50においては、コンデンサ素子12の熱が、放熱板52の接触部58,58からばね部60,60と連結板部56に伝達されるようになっている。そして、それら放熱板52の押圧板部54,54のばね部60,60と連結板部56とが、外部に露出した状態で配置されている。そのため、金属蒸着膜16への通電によってコンデンサ素子12に生ずる熱が、放熱板52の押圧板部54,54のばね部60,60と連結板部56とを通じて、外部(大気中)に放出され得る。また、コンデンサ素子12の2個の側面21a,21bに形成されたメタリコン電極26,26にそれぞれ接続される端子30,30を通じても、コンデンサ素子12の熱が、外部に放出されるようになっている。
【0050】
従って、かかるフィルムコンデンサ50では、2個の端子30,30だけによって放熱される従来品に比して、より十分に且つ効率的に放熱され得る。そして、その結果として、たとえ金属蒸着膜16が薄肉化されて、小型化されても、十分な放熱効果が安定的に確保され、以て、電子機器内への高密度実装が、極めて有利に実現され得ることとなるのである。
【0051】
また、本実施形態のフィルムコンデンサ50にあっては、押圧板部54,54の接触部58,58からの押圧力によって、コンデンサ素子12を構成する複数の金属化フィルム18の積層方向において互いに隣り合うもの同士が相互に密接させられている。このため、それら金属化フィルム18同士の間に形成される微細な隙間が無くされているか、又は十分に小さくされている。それ故、金属蒸着膜16への通電によって金属化フィルム18の振動が励起されたときに、金属化フィルム18の振動を許容する隙間が有利に消失され、それによって、金属化フィルム18の振動の発生が、効果的に防止される。そして、その結果として、そのような金属化フィルム18の振動に由来する、コンデンサ素子12の通電時の騒音の発生が、極めて有利に防止され得るのである。
【0052】
さらに、かかるフィルムコンデンサ50では、接触部58,58が、コンデンサ素子12の上面と下面の長さ方向及び幅方向の中央部分を含む領域を、金属化フィルム18の積層方向の内側に向かって押圧している。それ故、金属蒸着膜16への通電により各金属化フィルム18が振動した際に、振幅が最大となる、コンデンサ素子12の上面と下面の長さ方向及び幅方向の中央部分の振動が、より効果的に防止乃至は抑制され得る。これによっても、コンデンサ素子12の通電時の騒音の発生が、更に一層効果的に防止され得ることとなるのである。
【0053】
また、本実施形態においては、接触部58,58が、ばね部60,60の弾性変形状態からの復元力に基づいて、コンデンサ素子12の上面と下面とに押圧接触している。そのため、例えば、コンデンサ素子12が、長期に亘って作用される接触部58,58による押圧力により、或いはその他の理由により、厚さ(上下方向寸法)方向にヘタリ等が生じて、多少、厚さが減少しても、接触部58,58のコンデンサ素子12に対する押圧力が、ばね部60,60の復元力に基づいて、有効に維持される。このため、そのような接触部58,58のコンデンサ素子12に対する押圧により得られるコンデンサ素子12の通電時の騒音の発生防止効果が、より長期に亘って安定的に確保され得る。
【0054】
さらに、本実施形態のフィルムコンデンサ50にあっては、放熱板52における押圧板部54,54の接触部58,58の先端側部分に、外側にカールするカール部62が設けられている。そのため、接触部58,58がコンデンサ素子12の上面と下面とに対して、押圧接触した状態下で、それら接触部58,58の先端角部にて、コンデンサ素子12の上面と下面とが傷付けられるようなことが、有利に防止され得る。
【0055】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0056】
例えば、コンデンサ素子12の構造は、前記第一及び第二の実施形態に例示された積層型構造に、何等限定されるものではなく、巻回型(巻回タイプ)の基本構造を有していても良い。この巻回型構造を有するコンデンサ素子12は、例えば、樹脂フィルム14の一方の面に金属蒸着膜16が積層されてなる金属化フィルム18の少なくとも2個を重ね合わせた後、そのような重合物を巻回することにより形成される。また、樹脂フィルム14の両方の面に金属蒸着膜16がそれぞれ積層されてなる金属化フィルム18と、樹脂フィルム14とを用い、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16とが交互に1個ずつ位置するように、それら金属化フィルム18と樹脂フィルム14とを重ね合わせた後、かかる重合物を巻回することによっても形成される。
【0057】
なお、コンデンサ素子12が積層型構造を有する場合にあっても、例えば、樹脂フィルム14の両面に金属蒸着膜16が積層されてなる金属化フィルム18と、樹脂フィルム14とを、それぞれ少なくとも1個ずつ用い、樹脂フィルム14と金属蒸着膜16とが交互に1個ずつ位置するように、それら金属化フィルム18と樹脂フィルム14とを積層して、コンデンサ素子12を形成することもできる。
【0058】
また、誘電体膜は、樹脂フィルム14に代えて、或いはそれと一緒に、例えば、真空蒸着重合法によって形成される蒸着重合膜を用いることも可能である。誘電体膜として、樹脂フィルム14と蒸着重合膜を併用する場合には、それら樹脂フィルム14と蒸着重合膜とを積層した複合誘電体膜の一方又は両方の面に金属蒸着膜16を形成して、積層体を形成しても良い。
【0059】
前記第一の実施形態では、放熱板32が、コンデンサ素子12(保護膜22)に対して、その上面及び下面と、メタリコン電極26,26が形成されていない2個の側面とに接触するように巻き付けられて、装着されていた。しかしながら、放熱板32は、コンデンサ素子12(22)の外面の少なくとも一部のみに接触されておれば良い。従って、放熱板32が、コンデンサ素子12に対して、その上面及び下面と、メタリコン電極26,26が形成されていない2個の側面のうちの少なくとも一つの面の少なくとも一部に接触した状態で、装着されていても、何等差し支えないのである。
【0060】
前記第一の実施形態では、コンデンサ素子12を電子機器等に取り付けるための取付部46が、放熱板32に設けられていた。しかしながら、この取付部46は、本発明において必須のものではなく、また、取付部46を放熱板32に設ける場合にあっても、その構造が、何等限定されるものではない。従って、例えば、放熱板32の外部に露出される放熱部38の一部に、電子機器等に半田付け等によって固着される固着部を設け、この固着部を取付部としても良いのである。
【0061】
さらに、前記第二の実施形態に示されるように、放熱板52をバネクリップにて構成する場合にあっても、かかるバネクリップは、個の押圧板部54,54を有するものであれば、従来より公知の構造が何れも採用可能であり、その材質も、良好な伝熱性を有するものであれば、金属製以外の、例えば樹脂製であっても良い。
【0062】
また、バネクリップにて構成された放熱板52を、巻回型構造を有するコンデンサ素子12に装着する場合には、例えば、コンデンサ素子12が扁平形状となるように圧縮された際の圧縮方向の両側に位置する、コンデンサ素子12の平坦な外面部分に対して、押圧板部54,54の接触部58,58が接触して、それらの外面部分が、誘電体膜としての樹脂フィルム14と金属蒸着膜16との積層方向の内側に向かって、接触部58,58にて押圧されることとなる。
【0063】
さらに、放熱板52をバネクリップにて構成する場合にも、放熱板52が装着されたコンデンサ素子12を樹脂被覆層34にて被覆しても良く、或いはかかるコンデンサ素子12を、公知のコンデンサケース内に収容して、コンデンサケース内に充填される樹脂にて封止しても良い。なお、その場合には、放熱板52の少なくとも一部、例えば、ばね部60,60や連結板部56等を、樹脂被覆層34や封止樹脂から突出させて、外部に露出させる必要がある。
【0064】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【符号の説明】
【0065】
10 フィルムコンデンサ 12 コンデンサ素子
14 樹脂フィルム 16 金属蒸着膜
21a,21b 側面 22 保護膜
26 メタリコン電極 30 端子
32,52 放熱板 34 樹脂被覆層
36,58 接触部 38 放熱部
46 取付部 54 押圧板部
56 連結板部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体膜と金属蒸着膜とを積層してなる積層体を用いて得られるコンデンサ素子の、該誘電体膜と該金属蒸着膜の積層方向に対して垂直な一方向の両側に位置する一対の端面に、外部電極をそれぞれ形成して構成したフィルムコンデンサであって、
前記コンデンサ素子の最外層が、電気絶縁性と伝熱性とを備えた保護膜にて構成されていると共に、放熱板が、該保護膜の外面のみに接触して、該コンデンサ素子に装着されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項2】
前記コンデンサ素子の前記一対の端面を除く外面上と、該一対の端面にそれぞれ形成された前記外部電極の外面上とに対して、それらの外面の全体を被覆する樹脂被覆層が一体的に積層形成されて、前記保護膜との接触部を含む前記放熱板の一部分が該樹脂被覆層内に埋入されていることにより、該放熱板が該コンデンサ素子に固定されている一方、該樹脂被覆層から突出して、外部に露呈せしめられた該放熱板部分に、該コンデンサ素子を他部材に取り付けるための取付部が設けられている請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
【請求項3】
二つの押圧板部を有するバネクリップが、前記コンデンサ素子の前記誘電体膜と前記金属蒸着膜の積層方向の両側に位置する二つの外面部分に対して、該二つの押厚板部において弾性的に接触して、該二つの外面部分を該積層方向の内側にそれぞれ押圧した状態で、該コンデンサ素子に装着されていることにより、該積層方向において互いに隣り合う前記積層体部分同士が、該バネクリップの弾性により密接させられていると共に、前記放熱板が、該バネクリップの該二つの押厚板部を含んで構成されている請求項1又は請求項2に記載のフィルムコンデンサ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−38298(P2013−38298A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174621(P2011−174621)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【Fターム(参考)】