フィルムコンデンサ
【課題】フィルムそのものを加工することなく、金属化フィルムとメタリコンとの接触部分の機械的強度を向上させる。
【解決手段】フィルムコンデンサ(10)は、第1フィルム(11)が、第2フィルム(15)に対して幅方向に突出するように配置されて巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが積層方向に向かって繰り返されるように構成され、第1突出端(12a)の第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において金属膜(21)が露出するよう構成されている。
【解決手段】フィルムコンデンサ(10)は、第1フィルム(11)が、第2フィルム(15)に対して幅方向に突出するように配置されて巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが積層方向に向かって繰り返されるように構成され、第1突出端(12a)の第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において金属膜(21)が露出するよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサに関し、特に、金属化フィルムと電極部材との接触不良対策に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、インバータ回路用の平滑用コンデンサとして、フィルムコンデンサが用いられたものがある(特許文献1参照)。図9に示すように、フィルムコンデンサ(a)は、2枚のフィルム(b,b)の表面にアルミニウム又は亜鉛等の金属膜(c)を蒸着して形成した金属化フィルム(d)を巻回して形成されている。このフィルム(b,b)は、互いを幅方向にずらして配置されている。そしてフィルムコンデンサ(a)は、ずらした端部に金属(e)を溶射(メタリコン)することで端子電極を形成している。
【0003】
ところで、近年のインバータ回路の容量増大の要請により、フィルムコンデンサの耐電流特性を向上させる必要があった。フィルムコンデンサの耐電流特性を向上させる方法としては、例えば、フィルムコンデンサのメタリコンとフィルムの接合部分の機械的強度を向上させる方法が知られている(特許文献2参照)。メタリコンとフィルムの接合部分の機械的強度が低いと、振動などによって接合部分の電気抵抗が上昇して発熱する。このため、耐電流特性が低下する。
【0004】
この方法として、特許文献3には、フィルムの幅方向の端部(側端部)に長手方向に沿って切り欠きを形成し、フィルムを積層した際のメタリコンの接触面積を大きくしてフィルムとメタリコンとの接触部分の機械的強度を向上させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭54−98957号公報
【特許文献2】特開2008−140798号公報
【特許文献3】特開平2−198122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に示す方法は、フィルム自身の側端部を加工して切り欠きを形成する必要があった。このため、フィルムへ加工を施すためだけに専用の加工設備が別途必要となる。これにより、フィルムコンデンサの製造コストが上昇するという問題があった。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、フィルムを加工することなく、金属化フィルムとメタリコンとの接触部分の機械的強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、永年の鋭意研究の結果、巻回されたフィルムの端面に沿ってメタリコンが連続的に接合するのでなく、不連続に接合されているという現象を見出した。具体的には、図10に示すように、メタリコン(e)は、所定の大きさの塊となって巻回されたフィルム(b)の端面に沿って所定の間隔おきに付着している。これは、メタリコン(e)の塊は、一枚のフィルム(b)の厚みよりも大きいため、巻回されたフィルム(b)の端面に衝突し、内部(図10では右側)に入り込むことができないためであると考えられる。そこで、本願発明は、メタリコン(e)の塊が巻回されたフィルム(b)の内側へ入り込めるような構造にしたものである。
【0009】
第1の発明は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成された第1のフィルム部材(11)と、第2のフィルム部材(15)とを重畳して構成される金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)が巻回されて形成され、且つ巻回された金属化フィルム(22)の幅方向の両端のそれぞれに電極部材(23)が接続されたフィルムコンデンサであって、上記第1のフィルム部材(11)は、上記第2のフィルム部材(15)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、上記金属膜(21)は、上記第1突出端(12a)の上記第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されているものである。
【0010】
上記第1の発明では、巻回された金属化フィルム(22)の幅方向の両端のそれぞれに電極部材(23)が接続されている。金属化フィルム(22)は、第1のフィルム部材(11)と第2のフィルム部材(15)とが重畳して構成されている。
【0011】
第1のフィルム部材(11)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成され、第2のフィルム部材(15)に対して幅方向に突出するように配置されている。そして、第1のフィルム部材(11)は、巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)とと第1没入端(12b)とが積層方向に向かって繰り返されて構成されている。
【0012】
また、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)は、第1突出端(12a)のうち、第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において露出している。
【0013】
第1のフィルム部材(11)では、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを繰り返し配置するため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に第1没入端(12b)が介在する。その一方で、第1没入端(12b)は、第1突出端(12a)に対して幅方向に凹んで配置されている。これらのため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に電極部材(23)の塊が侵入し易くなる。
【0014】
また、第1のフィルム部材(11)では、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが繰り返して構成されるため、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第1突出端(12a)の金属膜(21)の露出幅が大きくなる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積が大きくなる。
【0015】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記巻回された金属化フィルム(22)において上記第1のフィルム部材(11)は、積層方向の第1突出端(12a)と第1没入端(12b)との間を幅方向に向かって階段状にずらされて構成され、上記金属膜(21)は、上記ずらされて突出する部分において露出するよう構成されている。
【0016】
上記第2の発明では、巻回した金属化フィルム(22)において第1のフィルム部材(11)は、積層方向の第1突出端(12a)と第1没入端(12b)との間を幅方向に向かって階段状にずらされて構成されている。そして、金属膜(21)は、幅方向にずらされて突出した部分から露出する。このため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、露出部分と電極部材(23)とが接触し易くなる。
【0017】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記第2のフィルム部材(15)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成されると共に、上記第1のフィルム部材(11)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、上記金属膜(21)は、上記第2突出端(17a)の上記第2没入端(17b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている。
【0018】
上記第3の発明では、第2のフィルム部材(15)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成され、第1のフィルム部材(11)に対して幅方向に突出するように配置されている。そして、第2のフィルム部材(15)は、巻回された金属化フィルム(22)において第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが積層方向に向かって繰り返されて構成されている。
【0019】
また、第2のフィルム部材(15)の表面に形成された金属膜(21)は、第2突出端(17a)のうち、第2没入端(17b)から幅方向へ突出する部分において露出している。
【0020】
第2のフィルム部材(15)では、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを繰り返し配置するため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に第2没入端(17b)が介在する。その一方で、第2没入端(17b)は、第2突出端(17a)に対して幅方向に凹んで配置されている。これらのため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に電極部材(23)の塊が侵入し易くなる。
【0021】
また、第2のフィルム部材(15)では、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが繰り返して構成されるため、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第2のフィルム部材(15)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第2突出端(17a)の金属膜(21)の露出幅が大きくなる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積が大きくなる。
【発明の効果】
【0022】
上記第1の発明によれば、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを設け、両者を繰り返して構成したため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に第1没入端(12b)を介在させつつ、第1没入端(12b)を第1突出端(12a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に電極部材(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0023】
また、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを繰り返して構成したため、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第1突出端(12a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0024】
以上より、金属膜(21)へ電極部材(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1のフィルム部材(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0025】
上記第2の発明によれば、巻回された金属化フィルム(22)において第1のフィルム部材(11)を幅方向にずらしたため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出することができる。このため、露出部分に形成された金属膜(21)と電極部材(23)とを接触させ易くすることができる。これにより、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1のフィルム部材(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0026】
上記第3の発明によれば、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを設け、両者を繰り返して構成したため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に第2没入端(17b)を介在させつつ、第2没入端(17b)を第2突出端(17a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に電極部材(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0027】
また、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを繰り返し配置したため、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第2のフィルム部材(15)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第2突出端(17a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0028】
以上より、金属膜(21)へ電極部材(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。第2のフィルム部材(15)を加工することなく、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図2】実施形態1に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【図3】実施形態2に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図4】実施形態3に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図5】実施形態3に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【図6】実施形態3の変形例に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図7】実施形態3の変形例に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【図8】実施形態4に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図9】従来例に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図10】従来例に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
〈発明の実施形態1〉
本発明の実施形態1について説明する。図1に本実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)を示す。このフィルムコンデンサ(10)は、金属化フィルム(22)と、メタリコン(23)と、巻芯(図示なし)とで構成されている。
【0032】
具体的には、フィルムコンデンサ(10)の形成では、まず、一対のフィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着させ、それらを上下に重ねて金属化フィルム(22)を形成する。次に、金属化フィルム(22)を巻芯に巻回し、巻回した金属化フィルム(22)の幅方向(図1における上下方向)の両端にメタリコン(23,23)を溶射することでフィルムコンデンサ(10)を形成している。
【0033】
本実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)は、例えばインバータ回路とコンバータ回路との間の平滑コンデンサとして用いられる。尚、本実施形態1では、説明の便宜上、図1における第1および第2フィルム(11,15)の幅方向(図1の上下方向)を左右方向として説明し、第1及び第2フィルム(11,15)の積層方向(図1の左右方向)を上下方向として説明する。
【0034】
上記金属化フィルム(22)は、一対のフィルム(11,15)を上下に重ね合わせることで形成されている。
【0035】
上記一対のフィルム(11,15)は、両方とも同じフィルムによって構成されており、下側に配置される第1フィルム(11)と、上側に配置される第2フィルム(15)とを重畳させて構成されている。尚、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)は、それぞれが本発明に係る第1のフィルム部材および第2のフィルム部材を構成している。
【0036】
各フィルム(11,15)は、フィルム材質がPET(ポリエチレンテレフタラート、又はポリエチレンテレフタレート)で構成され、厚さが約4μmに形成された帯状のフィルムである。尚、各フィルム(11,15)の材質は、例示であって、これに限られない。また、上記フィルム(11,15)の厚みは例示であって、フィルム(11,15)の厚みは3〜10μm程度に形成することができる。
【0037】
上記第1フィルム(11)は、両側の表面にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第1フィルム(11)は、その下側面の一端側にサイドマージン(20)が形成される一方、上側面の他端側にサイドマージン(20)が形成されている。
【0038】
上記第2フィルム(15)は、両側の表面にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第2フィルム(15)は、その上側面の一端側にサイドマージン(20)が形成される一方、下側面の他端側にサイドマージン(20)が形成されている。
【0039】
上記サイドマージン(20)は、各フィルム(11,15)の表面のうち、金属膜(21)が蒸着形成されていない領域である。このサイドマージン(20)は、後述するメタリコン(23,23)と金属膜(21)との間に設けられて両部材を電気的に絶縁するものである。サイドマージン(20)は、各フィルム(11,15)の片面の幅方向の一方の端部から他方の端部に向かって所定の幅をもって形成されている。
【0040】
上記両フィルム(11,15)は、互いを左右方向に1.0mm程度、ずらした状態で重ねられている。つまり、図1における第2フィルム(15)は、第1フィルム(11)に対して右方向に1.0mm突出した右端(17)を有する一方、第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して左方向に1.0mm突出したの左端(12)を有している。
【0041】
そして、図1および図2に示すように、金属化フィルム(22)は、重畳した第1フィルム(11)および第2フィルム(15)を積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図1では上又は下方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回している。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)のそれぞれの両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0042】
巻回された金属化フィルム(22)において、上記第1フィルム(11)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図1では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図1では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0043】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、第1突出端(12a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(12b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうちの一の左端(12)が積層方向で隣り合う他の一の左端(12)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)が露出する。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0044】
巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、幅方向で最も外側(図1では最も右側の右端部)に配置される第2突出端(17a)と、幅方向の最も内側(図1では最も左側の右端部)に配置される第2没入端(17b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0045】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、第2突出端(17a)の形成されるフィルム部分と第2没入端(17b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)のうちの一の右端(17)が積層方向で隣り合う他の一の右端(17)から幅方向に突出する。これにより、第2フィルム(15)の表面に形成された金属膜(21)が露出する。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0046】
上記メタリコン(23,23)は、フィルムコンデンサ(10)の電極を構成するものであって、本発明に係る電極部材を構成するものである。メタリコン(23,23)は、上記金属膜(21)と電気的に接続されると共に、外部へ延びる接続端子となるものである。このメタリコン(23,23)は、巻回させた両フィルム(11,15)の端部に、亜鉛(Zn)等の金属を溶融噴射することで形成されている。具体的には、両フィルム(11,15)は、その幅方向の突出部分が、吹き付けられたメタリコン(23,23)の内部に埋没することでメタリコン(23,23)に固定支持されている。つまり、メタリコン(23,23)が各フィルム(11,15)の突出部分を上下方向から挟み込むことで、メタリコン(23,23)と金属膜(21)との電気的および機械的な接触性を確保すると共に、該フィルム(11,15)を安定して固定支持している。
【0047】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを設け、両者を繰り返して第1フィルム(11)を構成したため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に第1没入端(12b)を介在させつつ、第1没入端(12b)を第1突出端(12a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間にメタリコン(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0048】
また、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを繰り返して構成したため、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第1突出端(12a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、メタリコン(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0049】
以上より、金属膜(21)へメタリコン(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1フィルム(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。尚、メタリコン(23)と金属化フィルム(22)との接合部分の機械的強度が向上すると、該接合部分の電気抵抗の上昇が抑えられて発熱し難くなる。このため、フィルムコンデンサ(10)の耐電流特性が向上する。
【0050】
さらに、巻回された金属化フィルム(22)において第1フィルム(11)を幅方向にずらしたため、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出することができる。このため、露出部分に形成された金属膜(21)とメタリコン(23)とを接触させ易くすることができる。これにより、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1フィルム(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0051】
上記本実施形態1によれば、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを設け、両者を繰り返して第2フィルム(15)を構成したため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に第2没入端(17b)を介在させつつ、第2没入端(17b)を第2突出端(17a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間にメタリコン(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0052】
また、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを繰り返し配置したため、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第2フィルム(15)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第2突出端(17a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、メタリコン(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0053】
以上より、金属膜(21)へメタリコン(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。第2フィルム(15)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0054】
さらに、巻回された金属化フィルム(22)において第2フィルム(15)を幅方向にずらしたため、第2フィルム(15)の表面に形成された金属膜(21)を露出することができる。このため、露出部分に形成された金属膜(21)とメタリコン(23)とを接触させ易くすることができる。これにより、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第2フィルム(15)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0055】
〈発明の実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2では、上記実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。図3に示すように、本実施形態2に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)が第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着形成したのに代えて、第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの片面に金属膜(21)を蒸着形成したものである。
【0056】
具体的に本実施形態2に係るフィルムコンデンサ(10)は、それぞれの片面に金属膜(21)が蒸着形成された一対の第1および第2フィルム(11,15)を有する金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)を巻回し、巻回した金属化フィルム(22)の両端にメタリコン(23)が接続されて形成されている。
【0057】
上記一対のフィルム(11,15)は、幅広に形成されて下側に配置される第1フィルム(11)と、幅狭に形成されて上側に配置される第2フィルム(15)とを重畳させて構成されている。尚、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)は、それぞれが本発明に係る第1のフィルム部材および第2のフィルム部材を構成している。
【0058】
各フィルム(11,15)は、フィルム材質がPET(ポリエチレンテレフタラート、又はポリエチレンテレフタレート)で構成され、厚さが約4μmに形成された帯状のフィルムである。尚、各フィルム(11,15)の材質は、例示であって、これに限られない。また、上記フィルム(11,15)の厚みは例示であって、フィルム(11,15)の厚みは3〜10μm程度に形成することができる。
【0059】
上記第1フィルム(11)は、片側の表面(図3では上側面)にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第1フィルム(11)は、上側面の幅方向の両端まで金属膜(21)が形成される一方、幅方向の中央部分にスリット(24)が形成されている。
【0060】
上記スリット(24)は、第1フィルム(11)の上側の表面のうち、金属膜(21)が蒸着形成されていない領域である。このスリット(24)は、第1フィルム(11)の幅方向の中央に形成されて金属膜(21)を左右に分断して電気的に絶縁するものである。スリット(24)は、約0.5mm程度の幅をもって形成されている。
【0061】
上記第2フィルム(15)は、片側の表面(図3では上側面)にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第2フィルム(15)は、その上側面の両端側にサイドマージン(20,20)が形成されている。
【0062】
上記サイドマージン(20,20)は、第2フィルム(15)の上側の表面のうち、金属膜(21)が蒸着形成されていない領域である。このサイドマージン(20,20)は、メタリコン(23,23)と金属膜(21)との間に設けられて両部材を電気的に絶縁するものである。各サイドマージン(20,20)は、第2フィルム(15)の下側面の幅方向の一方の端部から他方の端部に向かって所定の幅をもって形成されている。
【0063】
上記第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して左右方向に突出して配置されている。つまり、図3における第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して左右向に突出した左端(12)および右端(13)を有している。
【0064】
そして、図3に示すように、金属化フィルム(22)は、第1フィルム(11)を第2フィルム(15)に対して積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図3では上又は下方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回している。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)の両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0065】
巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)は、積層方向に向かって両端が波型となるように幅方向にずらされて構成されている。
【0066】
巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図3では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図3では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0067】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、第1突出端(12a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(12b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうちの一の左端(12)が積層方向で隣り合う他の一の左端(12)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0068】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、幅方向で最も外側(図3では最も右側の右端部)に配置される第1突出端(13a)と、幅方向の最も内側(図3では最も左側の右端部)に配置される第1没入端(13b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0069】
尚、第1突出端(13a)は本発明に係る第1突出端を構成し、第1没入端(13b)は本発明に係る第1没入端を構成している。
【0070】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、第1突出端(13a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(13b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうちの一の右端(13)が積層方向で隣り合う他の一の右端(13)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0071】
〈発明の実施形態3〉
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3では、上記実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。図4および図5に示すように、本実施形態3に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)が第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着形成したのに代えて、第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの片面に金属膜(21)を蒸着形成したものである。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0072】
−実施形態3の変形例−
次に、本発明の実施形態3の変形例について説明する。図6および図7に示すように、本変形例に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態3に係るフィルムコンデンサ(10)とは、金属化フィルム(22)の配置構造が異なっている。尚、本変形例では、上記実施形態3と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
具体的に本変形例に係るフィルムコンデンサ(10)は、それぞれの両面に金属膜(21)が蒸着形成された第1および第2フィルム(11,15)を有する金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)を巻回し、巻回した金属化フィルム(22)の両端にメタリコン(23)が接続されて形成されている。
【0074】
上記金属化フィルム(22)は、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)を積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図6では上方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回している。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)のそれぞれの両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0075】
巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図6では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図6では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0076】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、積層方向の第1突出端(12a)から第1没入端(12b)に向かって左右方向に階段状にずれるように構成されている。こうすることで、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)における一の左端(12)のうち、隣り合う他の左端(12)から突出した部分で金属膜(21)が露出する。一方、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、積層方向の第1没入端(12b)から第1突出端(12a)に向かって左右方向に階段状にずらすことなく、第1没入端(12b)と第1突出端(12a)とが隣り合うように構成されている。こうすることで、金属膜(21)を露出させる割合を増やすことができる。
【0077】
巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、幅方向で最も外側(図6では最も右側の右端部)に配置される第2突出端(17a)と、幅方向の最も内側(図6では最も左側の右端部)に配置される第2没入端(17b)とが積層方向に交互に形成されるように構成されている。
【0078】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、積層方向の第2没入端(17b)から第2突出端(17a)に向かって左右方向に階段状にずれるように構成されている。一方、第2フィルム(15)の右端(17)は、積層方向の第2突出端(17a)から第2没入端(17b)に向かって左右方向に階段状にずらすことなく、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが隣り合うように構成されている。その他の構成、作用・効果は実施形態3と同様である。
【0079】
〈発明の実施形態4〉
次に、本発明の実施形態4について説明する。尚、本実施形態4では、上記実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0080】
図8に示すように、本実施形態4に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)が第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着形成したのに代えて、第1フィルム(11)の両面に金属膜(21)を蒸着形成し、それを別の第2フィルム(15)に重ね合わせるようにしたものである。
【0081】
具体的に、第1フィルム(11)は、その両側の表面に金属膜(21)が蒸着形成されている。この第1フィルム(11)は、その片面の幅方向の他端側にサイドマージン(20)が形成されている一方、反対面の幅方向の一端側にサイドマージン(20)が形成されている。そして、この第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して幅方向の両端がそれぞれ1mmずつ突き出ており、突出部分はそれぞれ左端(12)および右端(13)を構成している。
【0082】
そして、図8に示すように、金属化フィルム(22)は、第1フィルム(11)を第2フィルム(15)に対して積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図8では上方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回されている。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)の両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0083】
巻回された金属化フィルム(22)において、上記第1フィルム(11)は、積層方向に向かって両端が波型となるように幅方向にずらされて構成されている。
【0084】
巻回された金属化フィルム(22)において、上記第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図8では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図8では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0085】
そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、第1突出端(12a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(12b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうち、一の左端(12)が積層方向で隣り合う他の一の左端(12)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0086】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、幅方向で最も外側(図8では最も右側の右端部)に配置される第1突出端(13a)と、幅方向の最も内側(図8では最も左側の右端部)に配置される第1没入端(13b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0087】
尚、第1突出端(13a)は本発明に係る第1突出端を構成し、第1没入端(13b)は本発明に係る第1没入端を構成している。
【0088】
そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、第1突出端(13a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(13b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうち、一の右端(13)が積層方向で隣り合う他の一の右端(13)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0089】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態1〜4について、以下のような構成としてもよい。
【0090】
上記実施形態1〜4では、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)の金属膜(21)としてアルミニウムを材料としたが、金属膜(21)の材料は、これに限られず、他に亜鉛等の金属材料を用いることができる。
【0091】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上説明したように、本発明は、巻回した金属化フィルムの両端にメタリコンを接続させるフィルムコンデンサについて有用である。
【符号の説明】
【0093】
11 第1フィルム
12a 第1突出端
12b 第1没入端
13a 第1突出端
13b 第1没入端
15 第2フィルム
17a 第2突出端
17b 第2没入端
21 金属膜
22 金属化フィルム
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサに関し、特に、金属化フィルムと電極部材との接触不良対策に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、インバータ回路用の平滑用コンデンサとして、フィルムコンデンサが用いられたものがある(特許文献1参照)。図9に示すように、フィルムコンデンサ(a)は、2枚のフィルム(b,b)の表面にアルミニウム又は亜鉛等の金属膜(c)を蒸着して形成した金属化フィルム(d)を巻回して形成されている。このフィルム(b,b)は、互いを幅方向にずらして配置されている。そしてフィルムコンデンサ(a)は、ずらした端部に金属(e)を溶射(メタリコン)することで端子電極を形成している。
【0003】
ところで、近年のインバータ回路の容量増大の要請により、フィルムコンデンサの耐電流特性を向上させる必要があった。フィルムコンデンサの耐電流特性を向上させる方法としては、例えば、フィルムコンデンサのメタリコンとフィルムの接合部分の機械的強度を向上させる方法が知られている(特許文献2参照)。メタリコンとフィルムの接合部分の機械的強度が低いと、振動などによって接合部分の電気抵抗が上昇して発熱する。このため、耐電流特性が低下する。
【0004】
この方法として、特許文献3には、フィルムの幅方向の端部(側端部)に長手方向に沿って切り欠きを形成し、フィルムを積層した際のメタリコンの接触面積を大きくしてフィルムとメタリコンとの接触部分の機械的強度を向上させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭54−98957号公報
【特許文献2】特開2008−140798号公報
【特許文献3】特開平2−198122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に示す方法は、フィルム自身の側端部を加工して切り欠きを形成する必要があった。このため、フィルムへ加工を施すためだけに専用の加工設備が別途必要となる。これにより、フィルムコンデンサの製造コストが上昇するという問題があった。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、フィルムを加工することなく、金属化フィルムとメタリコンとの接触部分の機械的強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、永年の鋭意研究の結果、巻回されたフィルムの端面に沿ってメタリコンが連続的に接合するのでなく、不連続に接合されているという現象を見出した。具体的には、図10に示すように、メタリコン(e)は、所定の大きさの塊となって巻回されたフィルム(b)の端面に沿って所定の間隔おきに付着している。これは、メタリコン(e)の塊は、一枚のフィルム(b)の厚みよりも大きいため、巻回されたフィルム(b)の端面に衝突し、内部(図10では右側)に入り込むことができないためであると考えられる。そこで、本願発明は、メタリコン(e)の塊が巻回されたフィルム(b)の内側へ入り込めるような構造にしたものである。
【0009】
第1の発明は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成された第1のフィルム部材(11)と、第2のフィルム部材(15)とを重畳して構成される金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)が巻回されて形成され、且つ巻回された金属化フィルム(22)の幅方向の両端のそれぞれに電極部材(23)が接続されたフィルムコンデンサであって、上記第1のフィルム部材(11)は、上記第2のフィルム部材(15)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、上記金属膜(21)は、上記第1突出端(12a)の上記第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されているものである。
【0010】
上記第1の発明では、巻回された金属化フィルム(22)の幅方向の両端のそれぞれに電極部材(23)が接続されている。金属化フィルム(22)は、第1のフィルム部材(11)と第2のフィルム部材(15)とが重畳して構成されている。
【0011】
第1のフィルム部材(11)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成され、第2のフィルム部材(15)に対して幅方向に突出するように配置されている。そして、第1のフィルム部材(11)は、巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)とと第1没入端(12b)とが積層方向に向かって繰り返されて構成されている。
【0012】
また、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)は、第1突出端(12a)のうち、第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において露出している。
【0013】
第1のフィルム部材(11)では、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを繰り返し配置するため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に第1没入端(12b)が介在する。その一方で、第1没入端(12b)は、第1突出端(12a)に対して幅方向に凹んで配置されている。これらのため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に電極部材(23)の塊が侵入し易くなる。
【0014】
また、第1のフィルム部材(11)では、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが繰り返して構成されるため、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第1突出端(12a)の金属膜(21)の露出幅が大きくなる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積が大きくなる。
【0015】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記巻回された金属化フィルム(22)において上記第1のフィルム部材(11)は、積層方向の第1突出端(12a)と第1没入端(12b)との間を幅方向に向かって階段状にずらされて構成され、上記金属膜(21)は、上記ずらされて突出する部分において露出するよう構成されている。
【0016】
上記第2の発明では、巻回した金属化フィルム(22)において第1のフィルム部材(11)は、積層方向の第1突出端(12a)と第1没入端(12b)との間を幅方向に向かって階段状にずらされて構成されている。そして、金属膜(21)は、幅方向にずらされて突出した部分から露出する。このため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、露出部分と電極部材(23)とが接触し易くなる。
【0017】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記第2のフィルム部材(15)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成されると共に、上記第1のフィルム部材(11)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、上記金属膜(21)は、上記第2突出端(17a)の上記第2没入端(17b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている。
【0018】
上記第3の発明では、第2のフィルム部材(15)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成され、第1のフィルム部材(11)に対して幅方向に突出するように配置されている。そして、第2のフィルム部材(15)は、巻回された金属化フィルム(22)において第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが積層方向に向かって繰り返されて構成されている。
【0019】
また、第2のフィルム部材(15)の表面に形成された金属膜(21)は、第2突出端(17a)のうち、第2没入端(17b)から幅方向へ突出する部分において露出している。
【0020】
第2のフィルム部材(15)では、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを繰り返し配置するため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に第2没入端(17b)が介在する。その一方で、第2没入端(17b)は、第2突出端(17a)に対して幅方向に凹んで配置されている。これらのため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に電極部材(23)の塊が侵入し易くなる。
【0021】
また、第2のフィルム部材(15)では、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが繰り返して構成されるため、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第2のフィルム部材(15)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第2突出端(17a)の金属膜(21)の露出幅が大きくなる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積が大きくなる。
【発明の効果】
【0022】
上記第1の発明によれば、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを設け、両者を繰り返して構成したため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に第1没入端(12b)を介在させつつ、第1没入端(12b)を第1突出端(12a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に電極部材(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0023】
また、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを繰り返して構成したため、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第1突出端(12a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0024】
以上より、金属膜(21)へ電極部材(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1のフィルム部材(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0025】
上記第2の発明によれば、巻回された金属化フィルム(22)において第1のフィルム部材(11)を幅方向にずらしたため、第1のフィルム部材(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出することができる。このため、露出部分に形成された金属膜(21)と電極部材(23)とを接触させ易くすることができる。これにより、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1のフィルム部材(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0026】
上記第3の発明によれば、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを設け、両者を繰り返して構成したため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に第2没入端(17b)を介在させつつ、第2没入端(17b)を第2突出端(17a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に電極部材(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0027】
また、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを繰り返し配置したため、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第2のフィルム部材(15)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第2突出端(17a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、電極部材(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0028】
以上より、金属膜(21)へ電極部材(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。第2のフィルム部材(15)を加工することなく、金属化フィルム(22)と電極部材(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図2】実施形態1に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【図3】実施形態2に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図4】実施形態3に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図5】実施形態3に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【図6】実施形態3の変形例に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図7】実施形態3の変形例に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【図8】実施形態4に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図9】従来例に係るフィルムコンデンサを示す断面図である。
【図10】従来例に係るフィルムコンデンサの一部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
〈発明の実施形態1〉
本発明の実施形態1について説明する。図1に本実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)を示す。このフィルムコンデンサ(10)は、金属化フィルム(22)と、メタリコン(23)と、巻芯(図示なし)とで構成されている。
【0032】
具体的には、フィルムコンデンサ(10)の形成では、まず、一対のフィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着させ、それらを上下に重ねて金属化フィルム(22)を形成する。次に、金属化フィルム(22)を巻芯に巻回し、巻回した金属化フィルム(22)の幅方向(図1における上下方向)の両端にメタリコン(23,23)を溶射することでフィルムコンデンサ(10)を形成している。
【0033】
本実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)は、例えばインバータ回路とコンバータ回路との間の平滑コンデンサとして用いられる。尚、本実施形態1では、説明の便宜上、図1における第1および第2フィルム(11,15)の幅方向(図1の上下方向)を左右方向として説明し、第1及び第2フィルム(11,15)の積層方向(図1の左右方向)を上下方向として説明する。
【0034】
上記金属化フィルム(22)は、一対のフィルム(11,15)を上下に重ね合わせることで形成されている。
【0035】
上記一対のフィルム(11,15)は、両方とも同じフィルムによって構成されており、下側に配置される第1フィルム(11)と、上側に配置される第2フィルム(15)とを重畳させて構成されている。尚、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)は、それぞれが本発明に係る第1のフィルム部材および第2のフィルム部材を構成している。
【0036】
各フィルム(11,15)は、フィルム材質がPET(ポリエチレンテレフタラート、又はポリエチレンテレフタレート)で構成され、厚さが約4μmに形成された帯状のフィルムである。尚、各フィルム(11,15)の材質は、例示であって、これに限られない。また、上記フィルム(11,15)の厚みは例示であって、フィルム(11,15)の厚みは3〜10μm程度に形成することができる。
【0037】
上記第1フィルム(11)は、両側の表面にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第1フィルム(11)は、その下側面の一端側にサイドマージン(20)が形成される一方、上側面の他端側にサイドマージン(20)が形成されている。
【0038】
上記第2フィルム(15)は、両側の表面にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第2フィルム(15)は、その上側面の一端側にサイドマージン(20)が形成される一方、下側面の他端側にサイドマージン(20)が形成されている。
【0039】
上記サイドマージン(20)は、各フィルム(11,15)の表面のうち、金属膜(21)が蒸着形成されていない領域である。このサイドマージン(20)は、後述するメタリコン(23,23)と金属膜(21)との間に設けられて両部材を電気的に絶縁するものである。サイドマージン(20)は、各フィルム(11,15)の片面の幅方向の一方の端部から他方の端部に向かって所定の幅をもって形成されている。
【0040】
上記両フィルム(11,15)は、互いを左右方向に1.0mm程度、ずらした状態で重ねられている。つまり、図1における第2フィルム(15)は、第1フィルム(11)に対して右方向に1.0mm突出した右端(17)を有する一方、第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して左方向に1.0mm突出したの左端(12)を有している。
【0041】
そして、図1および図2に示すように、金属化フィルム(22)は、重畳した第1フィルム(11)および第2フィルム(15)を積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図1では上又は下方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回している。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)のそれぞれの両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0042】
巻回された金属化フィルム(22)において、上記第1フィルム(11)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図1では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図1では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0043】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、第1突出端(12a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(12b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうちの一の左端(12)が積層方向で隣り合う他の一の左端(12)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)が露出する。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0044】
巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、幅方向で最も外側(図1では最も右側の右端部)に配置される第2突出端(17a)と、幅方向の最も内側(図1では最も左側の右端部)に配置される第2没入端(17b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0045】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、第2突出端(17a)の形成されるフィルム部分と第2没入端(17b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)のうちの一の右端(17)が積層方向で隣り合う他の一の右端(17)から幅方向に突出する。これにより、第2フィルム(15)の表面に形成された金属膜(21)が露出する。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0046】
上記メタリコン(23,23)は、フィルムコンデンサ(10)の電極を構成するものであって、本発明に係る電極部材を構成するものである。メタリコン(23,23)は、上記金属膜(21)と電気的に接続されると共に、外部へ延びる接続端子となるものである。このメタリコン(23,23)は、巻回させた両フィルム(11,15)の端部に、亜鉛(Zn)等の金属を溶融噴射することで形成されている。具体的には、両フィルム(11,15)は、その幅方向の突出部分が、吹き付けられたメタリコン(23,23)の内部に埋没することでメタリコン(23,23)に固定支持されている。つまり、メタリコン(23,23)が各フィルム(11,15)の突出部分を上下方向から挟み込むことで、メタリコン(23,23)と金属膜(21)との電気的および機械的な接触性を確保すると共に、該フィルム(11,15)を安定して固定支持している。
【0047】
−実施形態1の効果−
本実施形態1によれば、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを設け、両者を繰り返して第1フィルム(11)を構成したため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間に第1没入端(12b)を介在させつつ、第1没入端(12b)を第1突出端(12a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第1突出端(12a)の相互間にメタリコン(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0048】
また、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とを繰り返して構成したため、第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第1突出端(12a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、メタリコン(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0049】
以上より、金属膜(21)へメタリコン(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1フィルム(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。尚、メタリコン(23)と金属化フィルム(22)との接合部分の機械的強度が向上すると、該接合部分の電気抵抗の上昇が抑えられて発熱し難くなる。このため、フィルムコンデンサ(10)の耐電流特性が向上する。
【0050】
さらに、巻回された金属化フィルム(22)において第1フィルム(11)を幅方向にずらしたため、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出することができる。このため、露出部分に形成された金属膜(21)とメタリコン(23)とを接触させ易くすることができる。これにより、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第1フィルム(11)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0051】
上記本実施形態1によれば、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを設け、両者を繰り返して第2フィルム(15)を構成したため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間に第2没入端(17b)を介在させつつ、第2没入端(17b)を第2突出端(17a)に対して幅方向に凹んで配置することができる。このため、積層方向に隣り合う第2突出端(17a)の相互間にメタリコン(23)の塊を侵入させ易くすることができる。
【0052】
また、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とを繰り返し配置したため、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とのずらし幅を大きくすることができる。このため、第2フィルム(15)の表面に形成された金属膜(21)のうち、第2突出端(17a)に形成された金属膜(21)の露出幅を大きくすることができる。これにより、メタリコン(23)と金属膜(21)との接触面積を大きくすることができる。
【0053】
以上より、金属膜(21)へメタリコン(23)が接続し易くなるため、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。第2フィルム(15)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0054】
さらに、巻回された金属化フィルム(22)において第2フィルム(15)を幅方向にずらしたため、第2フィルム(15)の表面に形成された金属膜(21)を露出することができる。このため、露出部分に形成された金属膜(21)とメタリコン(23)とを接触させ易くすることができる。これにより、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。この結果、第2フィルム(15)を加工することなく、金属化フィルム(22)とメタリコン(23)との接触部分の機械的強度を向上させることができる。
【0055】
〈発明の実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態2では、上記実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。図3に示すように、本実施形態2に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)が第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着形成したのに代えて、第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの片面に金属膜(21)を蒸着形成したものである。
【0056】
具体的に本実施形態2に係るフィルムコンデンサ(10)は、それぞれの片面に金属膜(21)が蒸着形成された一対の第1および第2フィルム(11,15)を有する金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)を巻回し、巻回した金属化フィルム(22)の両端にメタリコン(23)が接続されて形成されている。
【0057】
上記一対のフィルム(11,15)は、幅広に形成されて下側に配置される第1フィルム(11)と、幅狭に形成されて上側に配置される第2フィルム(15)とを重畳させて構成されている。尚、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)は、それぞれが本発明に係る第1のフィルム部材および第2のフィルム部材を構成している。
【0058】
各フィルム(11,15)は、フィルム材質がPET(ポリエチレンテレフタラート、又はポリエチレンテレフタレート)で構成され、厚さが約4μmに形成された帯状のフィルムである。尚、各フィルム(11,15)の材質は、例示であって、これに限られない。また、上記フィルム(11,15)の厚みは例示であって、フィルム(11,15)の厚みは3〜10μm程度に形成することができる。
【0059】
上記第1フィルム(11)は、片側の表面(図3では上側面)にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第1フィルム(11)は、上側面の幅方向の両端まで金属膜(21)が形成される一方、幅方向の中央部分にスリット(24)が形成されている。
【0060】
上記スリット(24)は、第1フィルム(11)の上側の表面のうち、金属膜(21)が蒸着形成されていない領域である。このスリット(24)は、第1フィルム(11)の幅方向の中央に形成されて金属膜(21)を左右に分断して電気的に絶縁するものである。スリット(24)は、約0.5mm程度の幅をもって形成されている。
【0061】
上記第2フィルム(15)は、片側の表面(図3では上側面)にアルミニウム(Al)の金属膜(21)が蒸着形成されている。この金属膜(21)は、その膜厚が50Å〜400Å程度に形成されている。第2フィルム(15)は、その上側面の両端側にサイドマージン(20,20)が形成されている。
【0062】
上記サイドマージン(20,20)は、第2フィルム(15)の上側の表面のうち、金属膜(21)が蒸着形成されていない領域である。このサイドマージン(20,20)は、メタリコン(23,23)と金属膜(21)との間に設けられて両部材を電気的に絶縁するものである。各サイドマージン(20,20)は、第2フィルム(15)の下側面の幅方向の一方の端部から他方の端部に向かって所定の幅をもって形成されている。
【0063】
上記第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して左右方向に突出して配置されている。つまり、図3における第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して左右向に突出した左端(12)および右端(13)を有している。
【0064】
そして、図3に示すように、金属化フィルム(22)は、第1フィルム(11)を第2フィルム(15)に対して積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図3では上又は下方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回している。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)の両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0065】
巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)は、積層方向に向かって両端が波型となるように幅方向にずらされて構成されている。
【0066】
巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図3では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図3では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0067】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、第1突出端(12a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(12b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうちの一の左端(12)が積層方向で隣り合う他の一の左端(12)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0068】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、幅方向で最も外側(図3では最も右側の右端部)に配置される第1突出端(13a)と、幅方向の最も内側(図3では最も左側の右端部)に配置される第1没入端(13b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0069】
尚、第1突出端(13a)は本発明に係る第1突出端を構成し、第1没入端(13b)は本発明に係る第1没入端を構成している。
【0070】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、第1突出端(13a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(13b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうちの一の右端(13)が積層方向で隣り合う他の一の右端(13)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0071】
〈発明の実施形態3〉
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3では、上記実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。図4および図5に示すように、本実施形態3に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)が第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着形成したのに代えて、第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの片面に金属膜(21)を蒸着形成したものである。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0072】
−実施形態3の変形例−
次に、本発明の実施形態3の変形例について説明する。図6および図7に示すように、本変形例に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態3に係るフィルムコンデンサ(10)とは、金属化フィルム(22)の配置構造が異なっている。尚、本変形例では、上記実施形態3と異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
具体的に本変形例に係るフィルムコンデンサ(10)は、それぞれの両面に金属膜(21)が蒸着形成された第1および第2フィルム(11,15)を有する金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)を巻回し、巻回した金属化フィルム(22)の両端にメタリコン(23)が接続されて形成されている。
【0074】
上記金属化フィルム(22)は、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)を積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図6では上方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回している。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)のそれぞれの両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0075】
巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図6では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図6では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0076】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、積層方向の第1突出端(12a)から第1没入端(12b)に向かって左右方向に階段状にずれるように構成されている。こうすることで、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)における一の左端(12)のうち、隣り合う他の左端(12)から突出した部分で金属膜(21)が露出する。一方、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、積層方向の第1没入端(12b)から第1突出端(12a)に向かって左右方向に階段状にずらすことなく、第1没入端(12b)と第1突出端(12a)とが隣り合うように構成されている。こうすることで、金属膜(21)を露出させる割合を増やすことができる。
【0077】
巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)は、積層方向に向かって波型となるように幅方向にずらされて構成されている。そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、幅方向で最も外側(図6では最も右側の右端部)に配置される第2突出端(17a)と、幅方向の最も内側(図6では最も左側の右端部)に配置される第2没入端(17b)とが積層方向に交互に形成されるように構成されている。
【0078】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第2フィルム(15)の右端(17)は、積層方向の第2没入端(17b)から第2突出端(17a)に向かって左右方向に階段状にずれるように構成されている。一方、第2フィルム(15)の右端(17)は、積層方向の第2突出端(17a)から第2没入端(17b)に向かって左右方向に階段状にずらすことなく、第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが隣り合うように構成されている。その他の構成、作用・効果は実施形態3と同様である。
【0079】
〈発明の実施形態4〉
次に、本発明の実施形態4について説明する。尚、本実施形態4では、上記実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0080】
図8に示すように、本実施形態4に係るフィルムコンデンサ(10)は、上記実施形態1に係るフィルムコンデンサ(10)が第1および第2フィルム(11,15)のそれぞれの両面に金属膜(21)を蒸着形成したのに代えて、第1フィルム(11)の両面に金属膜(21)を蒸着形成し、それを別の第2フィルム(15)に重ね合わせるようにしたものである。
【0081】
具体的に、第1フィルム(11)は、その両側の表面に金属膜(21)が蒸着形成されている。この第1フィルム(11)は、その片面の幅方向の他端側にサイドマージン(20)が形成されている一方、反対面の幅方向の一端側にサイドマージン(20)が形成されている。そして、この第1フィルム(11)は、第2フィルム(15)に対して幅方向の両端がそれぞれ1mmずつ突き出ており、突出部分はそれぞれ左端(12)および右端(13)を構成している。
【0082】
そして、図8に示すように、金属化フィルム(22)は、第1フィルム(11)を第2フィルム(15)に対して積層方向(フィルムコンデンサ(10)の外周方向であり、図8では上方向)に向かって左右交互にずらしながら巻回されている。こうすることで、巻回後の金属化フィルム(22)では、第1フィルム(11)の両端部が積層方向に向かって波打つように配置される。
【0083】
巻回された金属化フィルム(22)において、上記第1フィルム(11)は、積層方向に向かって両端が波型となるように幅方向にずらされて構成されている。
【0084】
巻回された金属化フィルム(22)において、上記第1フィルム(11)の左端(12)は、幅方向で最も外側(図8では最も左側の左端部)に配置される第1突出端(12a)と、幅方向の最も内側(図8では最も右側の左端部)に配置される第1没入端(12b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0085】
そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の左端(12)は、第1突出端(12a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(12b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうち、一の左端(12)が積層方向で隣り合う他の一の左端(12)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。
【0086】
また、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、幅方向で最も外側(図8では最も右側の右端部)に配置される第1突出端(13a)と、幅方向の最も内側(図8では最も左側の右端部)に配置される第1没入端(13b)とが積層方向に交互に形成されて構成される。
【0087】
尚、第1突出端(13a)は本発明に係る第1突出端を構成し、第1没入端(13b)は本発明に係る第1没入端を構成している。
【0088】
そして、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)の右端(13)は、第1突出端(13a)の形成されるフィルム部分と第1没入端(13b)の形成されるフィルム部分との積層方向の間が左右方向に階段状にずれるように構成されている。このため、巻回された金属化フィルム(22)において、第1フィルム(11)のうち、一の右端(13)が積層方向で隣り合う他の一の右端(13)から幅方向に突出する。これにより、第1フィルム(11)の表面に形成された金属膜(21)を露出させることができる。この金属膜(21)の露出部分にメタリコン(23)が接続されている。その他の構成、作用・効果は実施形態1と同様である。
【0089】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態1〜4について、以下のような構成としてもよい。
【0090】
上記実施形態1〜4では、第1フィルム(11)および第2フィルム(15)の金属膜(21)としてアルミニウムを材料としたが、金属膜(21)の材料は、これに限られず、他に亜鉛等の金属材料を用いることができる。
【0091】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上説明したように、本発明は、巻回した金属化フィルムの両端にメタリコンを接続させるフィルムコンデンサについて有用である。
【符号の説明】
【0093】
11 第1フィルム
12a 第1突出端
12b 第1没入端
13a 第1突出端
13b 第1没入端
15 第2フィルム
17a 第2突出端
17b 第2没入端
21 金属膜
22 金属化フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成された第1のフィルム部材(11)と、第2のフィルム部材(15)とを重畳して構成される金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)が巻回されて形成され、且つ巻回された金属化フィルム(22)の幅方向の両端のそれぞれに電極部材(23)が接続されたフィルムコンデンサであって、
上記第1のフィルム部材(11)は、上記第2のフィルム部材(15)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、
上記金属膜(21)は、上記第1突出端(12a)の上記第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項2】
請求項1において、
上記巻回された金属化フィルム(22)において上記第1のフィルム部材(11)は、積層方向の第1突出端(12a)と第1没入端(12b)との間を幅方向に向かって階段状にずらされて構成され、
上記金属膜(21)は、上記ずらされて突出する部分において露出するよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記第2のフィルム部材(15)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成されると共に、上記第1のフィルム部材(11)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、
上記金属膜(21)は、上記第2突出端(17a)の上記第2没入端(17b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項1】
少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成された第1のフィルム部材(11)と、第2のフィルム部材(15)とを重畳して構成される金属化フィルム(22)を備え、該金属化フィルム(22)が巻回されて形成され、且つ巻回された金属化フィルム(22)の幅方向の両端のそれぞれに電極部材(23)が接続されたフィルムコンデンサであって、
上記第1のフィルム部材(11)は、上記第2のフィルム部材(15)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第1突出端(12a)と第1没入端(12b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、
上記金属膜(21)は、上記第1突出端(12a)の上記第1没入端(12b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項2】
請求項1において、
上記巻回された金属化フィルム(22)において上記第1のフィルム部材(11)は、積層方向の第1突出端(12a)と第1没入端(12b)との間を幅方向に向かって階段状にずらされて構成され、
上記金属膜(21)は、上記ずらされて突出する部分において露出するよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
上記第2のフィルム部材(15)は、少なくとも片側の表面に金属膜(21)が形成されると共に、上記第1のフィルム部材(11)に対して幅方向に突出するように配置されて上記巻回された金属化フィルム(22)において第2突出端(17a)と第2没入端(17b)とが積層方向に繰り返されるように構成され、
上記金属膜(21)は、上記第2突出端(17a)の上記第2没入端(17b)から幅方向へ突出する部分において露出するよう構成されている
ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−4916(P2013−4916A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137608(P2011−137608)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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