説明

フィルム状製剤

【課題】
口腔内で速やかに崩壊又は溶解することにより嚥下がスムーズに行えるうえ、喉及び食道の粘膜に付着及び滞留しにくいため服用が容易であり、さらに酸性の医薬有効成分の製剤からの溶出性に優れ、かつ製剤中の医薬有効成分の安定性が良好であるフィルム状製剤を提供する。
【解決手段】
酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物を含有し、該医薬有効成分の溶出性を向上させたことを特徴とするフィルム状製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム状製剤に関するものであり、特に、経口投与用の口腔内速溶性のフィルム状製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、嚥下困難者に対しても薬物成分を経口投与し易い製剤に対する要請が高まってきている。特に、社会の高齢化の進行に伴い、老化によって嚥下機能が低下した人が増加する傾向にあることから、口腔内で崩壊又は溶解し易く、物を飲み込みにくい人であっても服用し易い製剤が、強く要望されている。
【0003】
メロキシカム(一般名)(商品名モービック、第一三共社製)はシクロオキシゲナーゼ(COX)−2を選択的に阻害するオキシカム系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。メロキシカムは、ヒトの慢性関節リウマチに類似するラットのアジュバント関節炎に対して強力な抗炎症作用及び骨・軟骨破壊抑制作用を示し、ラットのイースト誘発痛覚過敏に対しても持続の長い鎮痛効果を示す。一方、NSAIDの主たる副作用である胃粘膜障害は、従来のNSAIDに比べ、発現が少なく、治療係数が大きい。また、臨床用量では、血小板凝集抑制作用を示さず、出血時間の延長も認められない。臨床試験においては、総括すると従来のNSAIDと有効性は同等で安全性は高いとの成績を示し、「慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、及び頸肩腕症候群」に対する効能・効果が認められている。通常、成人にはメロキシカムとして10mgを1日1回食後に経口投与する。
【0004】
カンデサルタンシレキセチル(一般名)(商品名ブロプレス、武田薬品工業社製)は、アンジオテンシンIIの受容体に拮抗し、末梢血管の抵抗を低下させて血圧を下げる薬であり、通常、高血圧症の治療に用いられる。通常、成人は1日1回0.5〜1錠(主成分として4〜8mg)を服用し、必要に応じ1日1回1.5錠(12mg)まで増量される。
【0005】
メロキシカムやカンデサルタンシレキセチル等の酸性の医薬有効成分についても、嚥下機能の低い人も含めて誰もが服用し易い剤形の製剤とされることが求められている。例えば、特許文献1には、メロキシカムを含有する乾式直打速崩壊性錠剤が開示されている。また、特許文献2及び3には、カンデサルタンシレキセチルを含有する内服固形剤が開示されている。しかしながら、カンデサルタンシレキセチル、メロキシカム等の酸性の医薬有効成分を含有する口腔内速溶性のフィルム状製剤については未だ開発されていない。
【0006】
本発明者らは、メロキシカムやカンデサルタンシレキセチル等の酸性の有効成分を含有する口腔内速溶性のフィルム状製剤に関して種々検討した。その結果、従来と同様な製法では、メロキシカムやカンデサルタンシレキセチルの溶出性が著しく悪いという問題が生じており、更なる改善の必要性があることが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2007/119792号公報
【特許文献2】特許第3751287号公報
【特許文献3】特許第4284017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記現状に鑑み、口腔内で速やかに崩壊又は溶解することにより嚥下がスムーズに行えるうえ、喉及び食道の粘膜に付着及び滞留しにくいため服用が容易であり、さらに酸性の医薬有効成分の製剤からの溶出性に優れ、かつ製剤中の医薬有効成分の安定性が良好であるフィルム状製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、酸性の医薬有効成分であるメロキシカムやカンデサルタンシレキセチルを含有するフィルム状製剤に、塩基性化合物を配合することにより、メロキシカムやカンデサルタンシレキセチルの製剤からの溶出性が改善されることを見出した。更に、フィルム状製剤中のメロキシカムの安定性(熱安定性等)についても確認したが、特に著しい含量低下も認められなかった。本発明者らは、上記知見に基づき、更に研究を進め、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(9)に関する。
(1)酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物を含有し、該医薬有効成分の溶出性を向上させたことを特徴とするフィルム状製剤。
(2)経口投与用である前記(1)に記載のフィルム状製剤。
(3)口腔内速溶性である前記(1)又は(2)に記載のフィルム状製剤。
(4)酸性の医薬有効成分の溶出率が、試験液として水900mLを用いる毎分50rpm回転のパドル法による溶出試験を行なった場合に、10分後に10%以上である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム状製剤。
(5)フィルム状製剤の1w/v%水溶液のpHが、6〜10の範囲である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム状製剤。
(6)酸性の医薬有効成分が、メロキシカム又はカンデサルタンシレキセチルである前記(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルム状製剤。
(7)塩基性化合物が、(i)炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びL−アルギニンからなる群より選択される少なくとも1種、又は、(ii)炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びL−アルギニンからなる群より選択される少なくとも1種、及びクエン酸ナトリウムである前記(1)〜(6)のいずれかに記載のフィルム状製剤。
(8)フィルム状製剤の厚さが、1〜3000μmである前記(1)〜(7)のいずれかに記載のフィルム状製剤。
(9)更に、フィルム基剤としてヒプロメロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを含有する前記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム状製剤。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、口腔内の微量な唾液で実用上問題ない崩壊性又は溶解性を有するため嚥下がスムーズに行えるうえ、喉及び食道の粘膜に付着又は滞留しにくいため製剤の服用が容易となる。また、酸性の医薬有効成分の製剤からの溶出性に優れるため有効成分の薬効を効率よく発揮させることができる。さらに、フィルム状製剤が実用的な強度を有すると共に製剤中の有効成分の安定性が良好であることから取扱いが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図2】図2は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図3】図3は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図4】図4は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図5】図5は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図6】図6は、製剤例で製造したフィルム状製剤及び市販の錠剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図7】図7は、製剤例で製造したフィルム状製剤中のメロキシカムの残存率を示す図である。
【図8】図8は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図9】図9は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図10】図10は、製剤例で製造したフィルム状製剤の溶出試験の結果を示す図である。
【図11】図11は、製剤例で製造したフィルム状製剤及び市販の錠剤の溶出試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のフィルム状製剤は、酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物を含有する。
酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物は、それぞれ1種でもよく、2種以上であってもよい。
【0014】
「酸性の医薬有効成分」とは、解離して水素イオン(プロトン)を供給しうる官能基を有する医薬有効成分であればよい。本発明における酸性の医薬有効成分として、例えば、メロキシカム、ピロキシカム、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、アスピリン、カンデサルタンシレキセチル等が挙げられる。酸性の医薬有効成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。特に、中でも、本発明のフィルム状製剤の有効成分としては、メロキシカム又はカンデサルタンシレキセチルが好適である。
【0015】
「塩基性化合物」とは、無機化合物であっても有機化合物であってもよく、一般的に製剤に使用されている塩基性の化合物であればよい。塩基性の有機化合物として、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の弱酸と強塩基の塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;L−アルギニン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。また、塩基性の無機化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0016】
塩基性化合物は、好ましくは、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、L−アルギニン等である。クエン酸ナトリウム等の弱酸と強塩基の塩は、他の塩基性化合物と組み合わせて用いることが好ましく、塩基性化合物としてより好ましくは(i)炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びL−アルギニンからなる群より選択される少なくとも1種、又は、(ii)炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びL−アルギニンからなる群より選択される少なくとも1種、及びクエン酸ナトリウムである。
【0017】
本発明のフィルム状製剤は、更に、フィルム基剤を含有することが好ましい。「フィルム基剤」とは、フィルム形成能を有し、フィルム状製剤におけるフィルムの母体を形成する材料である。本発明においては、フィルム基材として、製剤分野で一般的に使用されているものを使用できるが、不快な味を有しないものを使用することが好ましい。このようなフィルム基材を使用することにより、口腔内で速やかに溶解又は崩壊しても、不快な味を感じにくいフィルム状製剤を提供することができる。フィルム基材は、例えば、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、プルラン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポビドン、カルボキシビニルポリマー等が好ましい。これらは1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース等がフィルム基材として好適である。ヒプロメロース及びヒドロキシプロピルセルロースは、共にフィルム形成能に優れ、形成されたフィルムは水溶性が高いため、ヒプロメロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースをフィルム基材として含むことにより、本発明の効果をより十分に奏することができる。
【0018】
また、日本薬局方ではヒドロキシプロプルセルロースについては、「白色〜帯黄色の白色の粉末で、におい及び味はない」と記述されており、ヒプロメロースについては、「白色〜帯黄白色の粉末又は粒で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はない。」と記述されているように、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースは何れも味がない。このため、口腔内で速やかに溶解又は崩壊しても、不快な味を感じにくいフィルム状製剤の製造に好適である。
【0019】
「ヒプロメロース」には、2910、2906、2208の置換度タイプがあるが、製剤分野で一般的に使用されているものを何れも使用することができる。例えば、置換度タイプ2910としては、信越化学社製、METOLOSE 60SH−50(粘度50mPa・s)、60SH−4000(粘度4000mPa・s)、60SH−10000(粘度10000mPa・s);信越化学社製、TC−5E(粘度3.0mPa・s)、TC−5M(粘度4.5mPa・s)、TC−5R(粘度6.0mPa・s)、TC−5S(粘度15.0mPa・s)等が挙げられる(いずれも商品名)。置換度タイプ2906としては、信越化学社製、METOLOSE 65SH−50(粘度50mPa・s)、65SH−400(粘度400mPa・s)、65SH−1500(粘度1500mPa・s)、65SH−4000(粘度4000mPa・s)が挙げられる(いずれも商品名)。置換度タイプ2208としては、信越化学社製、METOLOSE SR 90SH−100(粘度100mPa・s)、90SH−4000(粘度4000mPa・s)、90SH−15000(粘度15000mPa・s)、90SH−100000(粘度100000mPa・s);信越化学社製SB−4(粘度4.0mPa・s)等(いずれも商品名)を使用可能である。なお、粘度は、日本薬局方の規定する20℃における2%水溶液の粘度であり、以下でも同様である。
【0020】
ヒドロキシプロピルセルロースは、製剤分野で一般的に使用されているものを何れも使用することができる。例えば、日本曹達社製、HPC−SSL(粘度2.0〜2.9mPa・s)、HPC−SL(粘度3.0〜5.9mPa・s)、HPC−L(粘度6.0〜10.0mPa・s)、HPC−M(粘度150〜400mPa・s)、HPC−H(粘度1000〜4000mPa・s)等(いずれも商品名)を使用できる。
【0021】
本発明のフィルム状製剤には、上記成分に加え、可塑剤、賦形剤、乳化剤、着色剤、香料、防腐剤等の医薬品に一般的に使用される添加剤を適量含有させることができる。一例を挙げると、例えば、可塑剤として、マクロゴール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。賦形剤として、例えば、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、乳糖、果糖、ショ糖、ブドウ糖、トレハロース等の糖類;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン等のデンプン類;結晶セルロース、粉末セルロース等のセルロース類;タルク、酸化チタン等が上げられる。乳化剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。甘味剤として、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸二カリウム、タウマチン(ソーマチン)等が挙げられる。矯味剤として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が挙げられる。着色剤として、食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等が挙げられる。香料として、ウイキョウ油、オレンジ油、カミツレ油、スペアミント油、ケイヒ油、チョウジ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、ローマカミツレ油、ハッカ油等が挙げられる。防腐剤として、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。これらの添加剤は単独で使用してもよく、2種以上を用いてもよい。
【0022】
本発明のフィルム状製剤に含まれる各成分の含有量は、酸性の医薬有効成分の種類、塩基性化合物の種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、酸性の医薬有効成分は、通常、フィルム状製剤中の固形分量の合計に対して0.1〜70質量%とすることが好ましく、1〜50質量%とすることがより好ましく、2〜40質量%とすることがさらに好ましい。
【0023】
塩基性化合物の含有量は、塩基性化合物の種類等に応じて適宜設定すればよいが、通常、フィルム状製剤中の固形分量の合計に対して通常0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩を使用する場合、炭酸塩はフィルム状製剤中の固形分量の合計に対して通常2〜6質量%が好ましい。水酸化ナトリウム等の塩基性の無機化合物を使用する場合、塩基性の無機化合物はフィルム状製剤中の固形分量の合計に対して通常0.3〜3質量%が好ましい。L−アルギニン等の塩基性アミノ酸を使用する場合、塩基性アミノ酸はフィルム状製剤中の固形分量の合計に対して通常5〜15質量%が好ましい。
また、上記塩基性化合物と共に、クエン酸ナトリウム等の他の塩基を併用してもよい。塩基性化合物の含有量が上記範囲であると、酸性の医薬有効成分の製剤からの溶出性がより向上し、フィルム状製剤中の酸性の医薬有効成分の安定性がより良好に維持される。また、2種以上の塩基性化合物を用いる場合には、各化合物の含有量を上記の範囲内で適宜選択すればよい。
【0024】
フィルム基材の使用量は、本発明の効果を奏することになる限り特に限定されず、例えば、経口投与用のフィルム状製剤に通常使用される範囲で用いることができる。
【0025】
本発明のフィルム状製剤は、単層フィルムであってもよく、複層からなる積層フィルムであってもよい。本発明のフィルム状製剤は、好ましくは単層である。複層からなる積層フィルムとする場合には、例えば、酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物を含有する層の片面又は両面に支持層を設けてもよい。また、酸性の医薬有効成分を含有する層と塩基性化合物を含有する層を別々に設けてもよく、さらに支持層を設けてもよい。支持層の成分は、本発明の効果を奏することになる限り特に限定されず、上述したフィルム基材等が好適である。
【0026】
本発明のフィルム状製剤の厚さは、本発明の効果を奏することになる限り特に限定されないが、通常、1μm〜3000μmの範囲内で設定することが好ましい。例えば、ハンドリングのし易さ、製造効率等の点からは10μm〜1000μmとすることが好ましい。また、例えば、フィルム状製剤の口腔内での溶解性又は崩壊性をより向上させるためには、5μm〜500μmとすることが好ましい。厚みを10μm〜500μmとすると、ハンドリングのし易さ、製造効率がより向上するとともに、フィルム状製剤の口腔内での溶解性又は崩壊性もより向上することから好ましい。
【0027】
本発明のフィルム状製剤は、口腔内速溶性であることが好ましい。口腔内速溶性であるとは、例えば、口腔内で60秒以内に溶解又は崩壊するものであることが好ましい。また、日本薬局方の一般試験法に記載の崩壊試験法により30秒以内に溶解又は崩壊することが好ましい。
【0028】
本発明は、酸性の医薬有効成分と共に塩基性化合物を含有することにより、該医薬有効成分の溶出性を向上させたフィルム状製剤である。溶出性が向上されたとは、酸性の医薬有効成分の溶出率が、通常、試験液として水900mLを用いる毎分50rpm回転のパドル法による溶出試験を行なった場合に、10分後に10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上である。このように溶出性が向上されたことにより、該医薬有効成分が効率的に吸収され、薬効を速やかに発揮できることになる。本発明におけるパドル法は、日本薬局方の一般試験法に記載の溶出試験法第2法(パドル法)である。溶出率は、溶出試験前の製剤に含まれる酸性の医薬有効成分の全質量を100とした場合の、溶出した有効成分の質量%である。
【0029】
本発明においては、フィルム状製剤の1w/v%水溶液のpHが、6〜10の範囲であることが好ましい。すなわちフィルム状製剤の1w/v%水溶液のpHがこのような範囲となるように、各成分の配合量等を適宜選択することが好ましい。より好ましくは、フィルム状製剤の1w/v%水溶液のpHが、7〜10であり、さらに好ましくはフィルム状製剤の1w/v%水溶液のpHが、7〜9である。
【0030】
本発明のフィルム状製剤は、通常、例えば、酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物、並びに所望によりフィルム基材等を含む混合液を調製する混合液調製工程と、該混合液をベースフィルム上に流延する流延工程と、流延された混合液を乾燥させてフィルム化する乾燥工程とをこの順に行うことにより容易に製造される。本発明のフィルム状製剤の製造においては、さらに、乾燥工程により形成されたフィルム状製剤をベースフィルムから剥離する剥離工程、得られるフィルム状製剤を所定のサイズにカットする切断工程等を行なってもよい。
【0031】
上記混合液調製工程では、メロキシカムやカンデサルタンシレキセチル等の酸性の医薬有効成分、塩基性化合物、及びフィルム基材、並びに添加剤の所定量を、水又は有機溶媒と混合又は撹拌して溶液又は懸濁液とし、脱泡処理して、混合液を調製する。有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコールが好適に使用される。
【0032】
流延工程では、平滑な平面にベースフィルムを固定し、調製された混合液をベースフィルム上に均一にコーティングする。ここで、ベースフィルムは、フィルム状製剤の原液である混合液をその上面に流延することにより、フィルムを成形する原型となる面を構成するフィルムであり、例えば、鏡面研磨したステンレス製のベルト;ドラム等の平滑な面上に固定された、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム等を使用することができるが、特に限定されない。フィルム状製剤の厚さは、混合液の濃度、粘度、コーティング速度等に依存するため、所望の厚さとなるように適宜調整する。
【0033】
乾燥工程では、例えば、温度及び湿度が調整された空気の対流、遠赤外線の照射等によって、流延された溶液をベースフィルムごと乾燥させることにより、混合液がフィルム化され、フィルム状製剤を得ることができる。剥離工程及び切断工程を行なう場合、順番は特に限定されず、剥離工程を行なった後切断工程を行なってもよく、切断工程を行なった後剥離工程を行なってもよい。また、剥離工程を行なわずにフィルム状製剤を製造することもできる。例えば、ベースフィルムに貼着された状態でフィルム状製剤を保存し、服用時にベースフィルムからフィルム状製剤を剥離するタイプの製剤とすることもできる。本発明のフィルム状製剤には、このようなタイプのフィルム状製剤も包含される。
【0034】
本発明のフィルム状製剤は、経口投与用として好適である。本発明のフィルム状製剤は、口腔内水分で容易に溶解するものであるため水の飲用なしに服用することができるものであるが、所望により水と共に服用してもよい。
【0035】
本発明のフィルム状製剤は、口腔内で速やかに(60秒以内)溶解するため服用が容易であり、例えば、唾液量の少ない高齢者、病気、治療の副作用等により唾液が出にくい患者等が、水を飲用せずに服用しても口腔内で容易に溶解するものである。さらに、本発明のフィルム状製剤は、医薬有効成分の溶出性が良好であることから、有効成分の作用が速やかに発現されるものである。したがって、本発明のフィルム状製剤は、錠剤、カプセル剤等の従来の経口製剤と同等の薬理効果を奏することができ、しかも水なしで容易に服用できることから、高齢者、病人、小児等にも安全に投与できるものである。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0037】
製剤例1〜28においては、薬効成分として、メロキシカム(DKSHジャパン社製)を使用した。フィルム基剤としてヒドロキシプロピルセルロース(商品名HPC−L、日本曹達社製)、及びヒプロメロース(商品名メトローズ60SH−4000、信越化学工業社製)を使用した。添加剤として、マクロゴール6000(和光純薬工業社製)、ラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製)、L−メントール(長岡実業社製)、D−マンニトール(ロケットジャパン社製)、アスパルテーム(味の素社製)、及びアセスルファムカリウム(丸善製薬社製)を使用した。塩基性化合物として、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム及びL−アルギニンを用いた。
【0038】
製剤例29〜38においては、薬効成分として、カンデサルタンシレキセチル(中国 GOLD PHARMA製)を使用した。フィルム基剤としてヒドロキシプロピルセルロース(商品名HPC−L、日本曹達社製)、及びヒプロメロース(商品名メトローズ60SH−4000、信越化学工業社製)を使用した。添加剤として、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ社製)、D−マンニトール(ロケットジャパン社製)、アスパルテーム(味の素社製)、及びアセスルファムカリウム(丸善製薬社製)、タウマチン(ソーマチン) (三栄源エフエフアイ社製)、ハッカ油(鈴木薄荷社製)を使用した。塩基性化合物として、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、及びL−アルギニンを用いた。
【0039】
製剤例で得られた各製剤について、下記に示した試験法によって、物性評価及び安定性評価を実施した。
【0040】
(1)物性評価(i)(溶出性)
評価は、溶出試験器(富山産業社製)を用いて、日本薬局方の一般試験法である溶出試験法第2法(パドル法)に準じて行い(試験液:水、パドルの回転数:50rpm、経過時間:5分間、10分間、15分間、30分間、45分間、60分間及び120分間)、製剤からのメロキシカム又はカンデサルタンシレキセチルの溶出量と溶出率を求めた。
具体的には、製剤1個をとり、試験液に水900mLを用い、溶出試験法第2法(パドル法)により、毎分50回転で試験を行った。溶出試験開始5分、10分、15分、30分、45分、60分及び120分後、溶出液10mLを正確にとり、直ちに37±0.5℃に加温した水を正確に注意して補った。溶出液は孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液5mLを除き、次のろ液を試料溶液とした。メロキシカムについては、別に定量用メロキシカム約0.05gを精密に量り、メタノールに溶かし、正確に100mLとした後、この液5mLを正確に量り、水を加えて正確に50mLとした。この液5mLを正確に量り、水を加えて正確に50mLとし、標準溶液とした。メロキシカム含量は、水を対照とし、紫外可視吸光度測定法により、波長360〜364nmにおけるメロキシカムの極大波長の吸光度A(n)(試料溶液の吸光度)及びA(標準溶液の吸光度)を測定して求めた。
【0041】
カンデサルタンシレキセチルについては、別に定量用カンデサルタンシレキセチル約0.01gを精密に量り、メタノールに溶かし、正確に200mLとした後、この液4mLを正確に量り、水を加えて正確に50mLとし標準溶液とした。カンデサルタンシレキセチル含量は、液体クロマトグラフィーを用いて以下の測定条件で求めた。
【0042】
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径3.0mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんした。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(65:35:1)
流量:カンデサルタンシレキセチルの保持時間が約6分になるように調整した。
システムの性能:標準溶液20μLにつき、上記の条件で操作するとき、カンデサルタンシレキセチルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ5000段以上及び1.5以下である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、カンデサルタンシレキセチルのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である。
【0043】
(2)物性評価(ii)(pH)
評価は、pH計を用いて、日本薬局方による一般試験法であるpH測定法に従って、製剤の溶解液(1→100)のpHを求めた。
【0044】
(3)安定性評価
製剤を個々にSP包装(アルミ箔)して調製した後、保存温度60℃に設定した恒温器に保管し、保管期間4週間後にサンプリングし、製剤中のメロキシカムの含量を液体クロマトグラフィーにより測定し、初期含量に対する残存率を求めた。
具体的には、製剤1個をとり、内標準溶液5mLを正確に加え、更にメタノール45mLを加えて30分間振り混ぜた後、30分間超音波処理を行った。この液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過し、ろ液を試料溶液とした。別に定量用メロキシカムを約10mgを精密に量り、メタノールに溶かし、正確に50mLとした。この液25mLを正確に量り、内標準溶液5mLを正確に加え、更にメタノールを加えて50mLとし、標準溶液とした。メロキシカム含量は、内標準物質のピーク面積に対するメロキシカムのピーク面積の比Q及びQを測定して求めた。
【0045】
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:内径3.0mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんした。
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:メタノール/水/リン酸混液(600:400:1)
流量:メロキシカムの保持時間が約6分になるように調整した。
システム適合性は、以下の条件を採用した。
システムの性能:標準溶液5μLにつき、上記の条件で操作するとき、メロキシカム、内標準物質の順に溶出し、その分離度は3以上である。
システムの再現性:標準溶液5μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、内標準物質のピーク面積に対するメロキシカムのピーク面積の比の相対標準偏差は1.0%以下である。
【0046】
製剤例1
製剤の調製は、表1に示すメロキシカム及び基剤、並びに添加剤を無水エタノール又は精製水に溶解又は分散させた混合液を調製し、次いで該混合液をベースフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布した。塗布された混合液を乾燥させてフィルムに形成させた後、形成させたフィルムをベースフィルム上から剥離させ、剥離させたフィルムを、フィルム状製剤の1枚当たりの大きさが約15mm×20mm、質量が約35mgとなるように切断した。フィルム状製剤の1枚当たりの厚さは、約100μmとなるように調整した。本製剤の処方を、表1に示す。
【0047】
製剤例2
製剤の調製は、表1に示すメロキシカム、塩基性化合物及び基剤、並びに添加剤を無水エタノール又は精製水に溶解又は分散させた混合液を調製し、次いで該混合液をベースフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布した。塗布された混合液を乾燥させてフィルムに形成させた後、製剤例1と同様にしてフィルム状製剤を製造した。本製剤の処方を、表1に示す。
【0048】
製剤例3〜28
メロキシカム及び他の成分の配合量を表1〜5に示すようにした以外は、製剤例1〜2と同様の方法によりフィルム状製剤を製造した。表1〜5中のpH以外の数値は、固形分量(質量部)を表し、表1〜5中の合計は、固形分量の合計(質量部)を表す。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
【表5】

【0054】
表1〜表5で示す製剤例1〜28の各製剤について、上記(1)〜(3)の試験を行なった。製剤の溶解液(1→100)のpHを、表1〜5に示す。表6〜10及び図1〜6に、溶出試験の結果を示す。表6〜10中の数値は、試験前の製剤に含まれたメロキシカム質量を100とした場合の溶出率(%)である。図1〜6において、横軸は、溶出試験開始(0分)からの時間であり、縦軸は、溶出率である。
別に、モービック錠(商品名、第一三共社製)、及び口腔内速崩壊錠であるメロキシカム速崩錠(商品名、日本臓器製薬社製)についても、前記の方法でメロキシカムの溶出性を確認したが(参考例1:モービック錠、参考例2:メロキシカム速崩錠)、表1〜表5で示された製剤例3〜6、8〜17及び20〜28の製剤の溶出挙動の範囲内であった(表10及び図6)。
【0055】
【表6】

【0056】
【表7】

【0057】
【表8】

【表9】

【0058】
【表10】

【0059】
製剤例で製造した製剤における、塩基性化合物の配合量に対する製剤中のメロキシカムの残存率(%)を、表11及び図7に示す。図7において、三角(▲)は、水酸化ナトリウムであり、四角(□)は、炭酸水素ナトリウムであり、バツ(×)は、L−アルギニンであり、丸(●)は、クエン酸ナトリウムである。
【0060】
【表11】

【0061】
製剤例の各製剤について、前記に示した試験法に基づき、安定性評価及び物性評価を実施したところ、塩基性物質を配合することにより、酸性の医薬有効成分であるメロキシカムの溶出性が質量依存的に向上した。更に、製剤例4〜6、8〜17及び23〜28の製剤の全てにおいて、初めのサンプリング時点(5分間)で、溶出が確認された。また、安定性評価に関しては、すべての製剤例の製剤において、フィルム状製剤中のメロキシカム含量の90%以上の残存率が認められた。
【0062】
製剤例29
製剤の調製は、表12に示すカンデサルタンシレキセチル及び基剤、並びに添加剤を無水エタノール又は精製水に溶解又は分散させた混合液を調製し、次いで該混合液をベースフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布した。塗布された混合液を乾燥させてフィルムに形成させた後、形成させたフィルムをベースフィルム上から剥離させ、剥離させたフィルムを、フィルム状製剤の1枚当たりの大きさが約15mm×20mm、質量が約35mgとなるように切断した。フィルム状製剤の1枚当たりの厚さは、約100μmとなるように調整した。本製剤の処方を、表12に示す。
【0063】
製剤例30
製剤の調製は、表12に示すカンデサルタンシレキセチル、塩基性化合物及び基剤、並びに添加剤を無水エタノール又は精製水に溶解又は分散させた混合液を調製し、次いで該混合液をベースフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布した。塗布された混合液を乾燥させてフィルムに形成させた後、製剤例29と同様にしてフィルム状製剤を製造した。本製剤の処方を、表12に示す。
【0064】
製剤例31〜38
カンデサルタンシレキセチル及び他の成分の配合量を表12〜13に示すようにした以外は、製剤例29〜30と同様の方法によりフィルム状製剤を製造した。表12〜13中のpH以外の数値は、固形分量(質量部)を表し、表12〜13中の合計は、固形分量の合計(質量部)を表す。
【0065】
【表12】

【0066】
【表13】

【0067】
表12〜表13で示す製剤例29〜38の各製剤について、上記(1)〜(2)の試験を行なった。製剤の溶解液(1→100)のpHを、表12〜13に示す。表14〜15及び図8〜11に、溶出試験の結果を示す。表14〜15中の数値は、試験前の製剤に含まれたカンデサルタンシレキセチル質量を100とした場合の溶出率(%)である。図8〜11において、横軸は、溶出試験開始(0分)からの時間であり、縦軸は、溶出率である。
別に、ブロプレス錠(商品名、武田薬品工業社製)についても、前記の方法でカンデサルタンシレキセチルの溶出性を確認した(参考例1:ブロプレス錠)。なお、ブロプレス錠の溶解液(1→100)のpHは、6.05であった。
【0068】
【表14】

【0069】
【表15】

【0070】
製剤例29〜38の各製剤について、前記に示した試験法に基づき、安定性評価及び物性評価を実施したところ、塩基性物質を配合することにより、酸性の医薬有効成分であるカンデサルタンシレキセチルの溶出性が質量依存的に向上した。更に、製剤例30〜38の製剤の全てにおいて、2回目のサンプリング時点(10分間)で、溶出が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、医療分野等において有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性の医薬有効成分及び塩基性化合物を含有し、該医薬有効成分の溶出性を向上させたことを特徴とするフィルム状製剤。
【請求項2】
経口投与用である請求項1に記載のフィルム状製剤。
【請求項3】
口腔内速溶性である請求項1又は2に記載のフィルム状製剤。
【請求項4】
酸性の医薬有効成分の溶出率が、試験液として水900mLを用いる毎分50rpm回転のパドル法による溶出試験を行なった場合に、10分後に10%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム状製剤。
【請求項5】
フィルム状製剤の1w/v%水溶液のpHが、6〜10の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム状製剤。
【請求項6】
酸性の医薬有効成分が、メロキシカム又はカンデサルタンシレキセチルである請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム状製剤。
【請求項7】
塩基性化合物が、(i)炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びL−アルギニンからなる群より選択される少なくとも1種、又は、(ii)炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びL−アルギニンからなる群より選択される少なくとも1種、及びクエン酸ナトリウムである請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム状製剤。
【請求項8】
フィルム状製剤の厚さが、1〜3000μmである請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム状製剤。
【請求項9】
更に、フィルム基剤としてヒプロメロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースを含有する請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム状製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−207875(P2011−207875A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52488(P2011−52488)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(390031093)テイカ製薬株式会社 (38)
【Fターム(参考)】