説明

フィード制御装置

【課題】さく孔状況の変化に対応して迅速にさく岩機のフィード速度を制御でき、オペレータの熟練の程度に左右されずに適切なフィード速度制御が可能であり、コスト低減を可能とするフィード制御装置を提供すること。
【解決手段】さく岩機のフィード機構21に作動油を送るフィード制御装置40を、差圧検知バルブ42と圧力補償バルブ44と絞りバルブ46とから構成する。差圧検知バルブ42の開度は、フィード制御装置40の前後における作動油の差圧ΔP1と対抗するスプリングSaにより変化し、圧力補償バルブ44の開度は、差圧検知バルブ42の前後における作動油の差圧ΔP2と対抗するスプリングSbにより変化し、絞りバルブ46のオリフィスにより圧力補償バルブ44下流の作動油の流量が絞られ圧力が低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さく孔機に搭載されたさく岩機のフィード機構に供給される作動油の流量を調整することにより、さく岩機のフィード速度を油圧制御するフィード制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉱山、採石、土木工事等の現場でさく孔作業に使用されるジャンボやクローラドリル等のさく孔機では、ガイドシェルに搭載されたさく岩機からロッド先端に取付けたビットに打撃と回転を伝達すると共に、さく岩機にフィードを与えてさく孔対象をさく孔する。
さく孔作業においては、オペレータは、さく岩機の作動機構の作動状況を視覚や聴覚で把握してさく孔対象の岩質を判断し、岩質に合わせてさく岩機の作動機構の作動条件を調整する。さく孔対象の岩質は一定ではなく変化するものであるため、オペレータは、常にさく岩機の作動機構の作動状況を把握して岩質の変化を判断し、さく孔状況の変化の都度、さく岩機やロッドやビットに最も負荷がかからず、且つさく孔が迅速に行えるように、油圧バルブや電気スイッチ等の操作機器を操作し、さく岩機の作動機構の作動条件の調整を行なわねばならない。長孔をさく孔する場合、さく岩機のフィード速度を特に慎重に調整して制御する必要がある。
【0003】
通常、さく岩機のフィード速度は、さく孔速度に対して20〜40%大きな値となるように調整する。ビットは岩質に対応した推力で押されてさく孔対象に着岩しさく孔がなされるが、さく孔中に岩質が変化する場合がある。例えば、ビットがガマ等の岩石内に存在する内空間や軟岩に達すると、さく孔速度は急激に大きくなるので、オペレータはレバー操作や調整バルブの操作を瞬時に行い、フィード速度を岩盤にあわせて直ちに調整する。
【0004】
このとき、オペレータが行う調整の判断に遅滞があったり、調整の操作に誤りがあったりすると、さく孔の直進性や孔壁の仕上がり等にばらつきを生じ、さく孔精度が低下する原因となる。さらに、ロッドや、ロッドをつなぐカップリングへも大きな負荷がかかり、さく岩機のドリリングツールの消耗が早まり、さく孔機にも大きな負荷がかかる。
なお、以下の説明において、岩石内の内空間や軟岩へビットが突入した状態を「突込状態」という。
【0005】
このようにさく孔作業は、常時さく岩機の作動機構の作動状況を監視してさく岩機のフィード速度を調整して制御する必要があるので、オペレータの疲労が大きくなる。また、さく孔中にさく岩機の作動機構の作動状況を視覚や聴覚で把握してさく孔対象の岩質を判断する作業は、オペレータの熟練度による個人差が大きく、さく孔精度にばらつきを生じやすい。さく孔精度が低下すると、計画されたさく孔パターンと実さく孔パターンの差が大きくなり、破砕が均一に行われなくなる。
【0006】
そこで、さく岩機の作動機構の作動状況に応じて、さく岩機の作動機構の作動条件を最適なものに調整可能とするさく孔機の制御装置が開発されている(特許文献1を参照)。図5に示すように、この制御装置100は記憶装置102、検出器104、処理装置106とを備える。記憶装置102は、予設定情報としてさく岩機の作動機構108の最適作動条件を種々のさく孔状況に対応させて記憶している。検出器104は、フィード、打撃、回転に関する作動機構108の実際の作動状況を検出する。処理装置106は検出器104により検出された作動機構108の実際の作動状況と予設定情報とを比較してさく孔状況を判断し、このさく孔状況において作動機構108の最適作動条件を選定し、作動機構108へ制御信号を出力する。
【特許文献1】特開昭62―156494号公報(第3〜4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図5の制御装置100にあっては、処理装置106において検出器104より検出された情報と予設定情報との比較演算を行っている。この比較演算には時間がかかり、作動機構108への制御信号の出力が迅速に行われないという不都合があった。例えば、突込状態となって急激にさく孔状況が変化しても、処理装置106からの制御信号の出力遅れがあり、作動機構108を迅速に最適作動条件へ調整することができなかった。
【0008】
また、記憶装置102に記憶されている予設定情報と検出器104により検出される情報との間に大きな乖離があると、処理装置106による作動機構108の最適作動条件の選定が困難となり、作動機構108へ適切な制御信号を出力できないという不具合もあった。
さらに、制御装置100は検出器104等に数多くの精密機器を備えており、断線等の故障の発生頻度が高くなるおそれがあり、制御装置100の設置、メンテナンスに要するコストも嵩むというという不具合もあった。
【0009】
本発明は、上記した従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、さく孔状況の変化に対応して迅速にさく岩機のフィード速度を制御でき、オペレータの熟練の程度に左右されずに適切なフィード速度制御が可能であり、コスト低減を可能とするフィード制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明は、さく孔機に搭載されたさく岩機のフィード機構に作動油を送り、このさく岩機のフィード速度を油圧制御するフィード制御装置であって、差圧検知バルブと圧力補償バルブと絞りバルブとを備え、前記差圧検知バルブは、前記フィード制御装置の前後における作動油の差圧と対抗してこの差圧検知バルブの開度を変化させるスプリングを有し、前記圧力補償バルブは、前記差圧検知バルブの前後における作動油の差圧と対抗してこの圧力補償バルブの開度を変化させるスプリングを有し、前記絞りバルブは、前記圧力補償バルブの下流で作動油の流量を絞り圧力を低下させるオリフィスを有するフィード制御装置である。
【0011】
請求項1の発明によると、フィード制御装置の下流で作動油の圧力が上昇すると、フィード制御装置の前後における作動油の差圧が低下し、スプリングの力により差圧検知バルブの開度は小さくなる。差圧検知バルブの開度が小さくなり、差圧検知バルブの前後における作動油の差圧が大きくなると、スプリングの力により差圧検知バルブの開度は小さくなり、圧力補償が行われる。
したがって、さく孔条件の変化によりフィード制御装置の下流で作動油の圧力が変化すると、差圧検知バルブ、圧力補償バルブの各開度が変化し、作動油の流量が調整され、フィード速度も制御される。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のフィード制御装置であって、前記オリフィスは交換可能に構成されているフィード制御装置である。
請求項2の発明によると、絞りバルブのオリフィスを交換することでオリフィス径を変更可能となり、油圧式フィード機構へ送られる作動油の最大流量を変更できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記のようなフィード制御装置であるので、さく孔状況の変化に対応して迅速にさく岩機のフィード速度を制御でき、オペレータの熟練の程度に左右されずに適切なフィード速度制御が可能であり、コスト低減を可能とするフィード制御装置を提供できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1ないし図4を参照して本実施の形態の構成を説明する。図1は本実施の形態に係るフィード制御装置を備えた油圧クローラドリルの斜視図、図2はさく岩機の構成図、図3及び図4はフィード制御装置の構成と動作の説明図である。
図1に示すように、油圧クローラドリル10は、走行台車11上に旋回起伏可能にブーム12が設けられており、ブーム12の先端部にはさく岩機13を搭載したガイドシェル14が支持されている。図2に示すように、さく岩機13にはシャンクロッド15が挿着されており、シャンクロッド15に所定長のロッド16がスリーブ17を介して接続され、このロッド16の先端にはビット18が取付けられている。
【0015】
さく岩機13は、打撃機構19と回転機構20とを備えており、ガイドシェル14に設けられたフィード機構21でフィードが与えられ前後に移動可能になっていて、シャンクロッド15、ロッド16を介してビット18に打撃と回転とを伝達して岩石にさく孔する。これらの打撃機構19、回転機構20及びフィード機構21は、油圧駆動部25から送られる作動油の油圧により制御されている。また、さく岩機13はフラッシング機構22を備え、フラッシング機構22はロッド16先端に圧縮空気を供給して、さく孔内から繰粉を排出させる。ガイドシェル14の先端部には、さく孔口元を覆うダストポット23が設けられており、このダストポット23から排出された繰粉を捕集する。
【0016】
さく孔長がロッド16の長さより長い場合には、ロッド16の継ぎ足しと回収が必要となるので、ガイドシェル14にはロッド16の継ぎ足しと回収を行うロッド交換装置24が装備されている。
走行台車11上には、打撃機構19、回転機構20、フィード機構21及びロッド交換装置24を駆動するための油圧駆動部25と、フラッシング機構22に圧縮空気を供給するための空気駆動部26とが設置されている。
【0017】
図3に示すように、油圧駆動部25にある作動油ポンプ23により、作動油が油圧駆動部25からフィード制御装置40を介してフィード機構21へ送られている。作動油ポンプ23とフィード制御装置40との間には遠隔制御バルブ24、圧力補償バルブ25及び方向切り換えバルブ26が設けられている。遠隔制御バルブ24をオペレータが操作することによって、フィード制御装置40の上流側における作動油の圧力P1を調整可能に構成されている。
【0018】
フィード制御装置40内には、上流側から順番に差圧検知バルブ42、圧力補償バルブ44及び絞りバルブ46を設けてある。ここで、差圧検知バルブ42と圧力補償バルブ44との間における作動油の圧力をP2、圧力補償バルブ44と絞りバルブ46との間における作動油の圧力をP3、絞りバルブ46下流側の作動油の圧力をP4とする。圧力P1、圧力P2、圧力P3及び圧力P4はそれぞれ圧力計62a、62b、62c及び62dにより計測される。
【0019】
差圧検知バルブ42は、差圧検知バルブ入口48と差圧検知バルブ出口50との間にあって差圧検知バルブ42の開閉を行うピストン56aと、ピストン56a上端に隣接するスプリング室58aと、スプリング室58a内に収容されてピストン56a上端を反発力Psaで押圧しているスプリングSaとを有している。
スプリング室58aは圧力伝達路60aによって絞りバルブ46下流側と連通しており、スプリング室58a内は圧力P4の作動油で満たされている。ピストン56aは、スプリング室58a側から反発力Psaと圧力P4とによって押圧されており、差圧検知バルブ入口48に流入する作動油により、スプリングSaによる押圧とは逆向きに圧力P1によって押圧されている。差圧検知バルブ42の開閉方向は、スプリングSaの伸張する方向が開方向となり、スプリングSaの収縮する方向が閉方向となっている。
【0020】
圧力補償バルブ44は、圧力補償バルブ入口52と圧力補償バルブ出口54との間にあって圧力補償バルブ44の開閉を行うピストン56bと、ピストン56b上端に隣接するスプリング室58bと、スプリング室58b内に収容されてピストン56b上端を反発力Psbで押圧しているスプリングSbとを有している。
スプリング室58bと圧力補償バルブ入口52とは、ピストン56b内に形成された圧力伝達路60bによって連なっており、スプリング室58b内は圧力P2の作動油で満たされている。また、ピストン56b下端は圧力伝達路60cにより差圧検知バルブ入口48上流側とつながっており、作動油がピストン56b下端をスプリングSbによる押圧とは逆向きに圧力P1で押圧している。圧力補償バルブ44の開閉方向は、スプリングSbの伸張する方向が開方向となり、スプリングSbの収縮する方向が閉方向となっている。
【0021】
絞りバルブ46は交換可能なオリフィスを有し、オリフィスを交換することでオリフィス径φcを変更可能に構成されている。絞りバルブ46のオリフィス径φcはさく孔対象の岩質にあわせて選定されている。掘さく対象の岩質が安定しており、ビット18がさく孔対象に着岩してさく孔している通常のさく孔条件下で、フィード機構21へ所定の流量Qstdの作動油を送ることが可能となっている。なお、以下の説明において、掘さく対象の岩質が安定しており、さく岩機13が安定してさく孔している状態を「通常さく孔状態」という。
【0022】
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について説明する。
まず、フィード制御装置40の差圧検知バルブ42、圧力補償バルブ44及び絞りバルブ46の各作用について述べる。
差圧検知バルブ42のピストン56aは、差圧検知バルブ42の開方向に反発力Psaと圧力P4との和によって押圧され、閉方向に圧力P1によって押圧されており、次の(1)式の関係が成立する状態でピストン56aは釣り合ってとまっている。
Psa+P4=P1 ・・・・・(1)
【0023】
圧力P4が変化すると、(1)式の関係が崩れ、再び(1)式の関係が成立する状態までピストン56aは移動する。
すなわち、フィード制御装置40の前後の差圧ΔP1(=P1−P4)及び反発力Psaとの間に次の(2)式の関係が成立するまで、差圧検知バルブ42の開度は変化する。
ΔP1=P1−P4=Psa ・・・・・(2)
圧力補償バルブ44のピストン56bは、圧力補償バルブ44の開方向に反発力Psbと圧力P2との和によって押圧され、閉方向に圧力P1によって押圧されており、次の(3)式の関係が成立する状態でピストン56bは釣り合ってとまっている。
Psb+P2=P1 ・・・・・(3)
【0024】
圧力P2が変化すると、(3)式の関係が崩れ、再び(3)式の関係が成立する状態までピストン56bは移動する。
すなわち、差圧検知バルブ42の前後の差圧ΔP2(=P1−P2)及び反発力Psbとの間に次の(4)式の関係が成立するまで、圧力補償バルブ44の開度は変化する。
ΔP2=P1−P2=Psb ・・・・・(4)
絞りバルブ46は、前記オリフィスによりフィード制御装置40から出る作動油の流量を絞り、作動油の圧力をP4まで降下させている。
【0025】
次に、図3及び図4を参照しつつ、さく岩機13がさく孔対象の岩石をさく孔するときにおけるフィード制御装置40の作用について述べる。
通常さく孔状態のときは、流量Qstdの作動油が作動油ポンプ23からフィード制御装置40を介してフィード機構21へ送られ、さく岩機13は所定のフィード速度Vstdを与えられている。このとき、差圧検知バルブ42は開状態となって(2)式の関係が成立している。また、圧力補償バルブ44は開状態となって(4)式の関係が成立している(図3を参照)。
【0026】
ビット18が掘さく対象の中の内空間へ突入し、通常さく孔状態から突込状態へ変ると、フィード機構21の負荷は減少する。この負荷減少により、作動油の流量はQstdから増加し、絞りバルブ46下流側の作動油の圧力P4は低下する。圧力P4が低下すると、通常さく孔状態において成立していた(2)式の関係が崩れ、次の(5)式の関係となる。
ΔP1=P1−P4>Psa ・・・・・(5)
(5)式の関係となると、スプリングSaは(2)式の関係が再び成立するまで収縮する。スプリングSaが収縮してピストン56aが移動し、差圧検知バルブ42の開度は小さくなり、作動油の流量はQstdから減少する(図4を参照)。作動油の流量が減少すると、さく岩機13のフィード速度もVstdから減速され、さく岩機13が内空間へ突っ込むことが制御される。
【0027】
差圧検知バルブ42の開度が小さくなると、差圧検知バルブ出口50において作動油の流量は絞られ、差圧検知バルブ出口50下流で作動油の圧力P2は低下する。圧力P2が低下すると、(4)式の関係が崩れ、次の(6)式の関係となる。
ΔP2=P1−P2>Psb ・・・・・(6)
(6)式の関係となると、圧力補償バルブ44のスプリングSbは(4)式の関係が再び成立するまで収縮する。スプリングSbが収縮してピストン56bが移動し、圧力補償バルブ44の開度は小さくなり、圧力補償バルブ44上流で圧力P2は上昇する(図4を参照)。したがって、差圧検知バルブ42の前後における差圧ΔP2は維持され、差圧検知バルブ42の開度が変化した後の圧力補償が行われ、作動油の流量も維持される。
【0028】
突込状態にあったビット18が内空間の終端に達すると、ビット18と掘さく対象との間の着岩性がよくなり、再び、通常さく孔状態へ戻る。通常さく孔状態へ戻るとフィード機構21の負荷は増加し、圧力P4も上昇する。圧力P4が上昇すると、突込状態で成立していた(2)式の関係が崩れ、次の(7)式の関係となる。
ΔP1=P1−P4<Psa ・・・・・(7)
(7)式の関係となると、スプリングSaは(2)式の関係が成立するまで伸張する。スプリングSaが伸張してピストン56aが移動し、差圧検知バルブ42の開度は大きくなり、作動油の流量はQstdまで増加する。作動油の流量が増加すると、さく岩機13のフィード速度もVstdまで加速される。
【0029】
差圧検知バルブ42の開度が大きくなると、差圧検知バルブ出口50下流で圧力P2は上昇する。圧力P2が上昇すると、突込状態で成立していた(4)式の関係が崩れ、次の(8)式の関係となる。
ΔP2=P1−P2<Psb ・・・・・(8)
(8)式の関係となると、圧力補償バルブ44のスプリングSbは(4)式の関係が成立するまで伸張し、ピストン56bは圧力補償バルブ44の開度を大きくする方向に移動し、突込状態で圧力補償バルブ44によって行われていた圧力補償も解除される。
【0030】
したがって、さく孔条件が変化すると、この変化に直ちに追随して差圧検知バルブ42と圧力補償バルブ44の各開度が変化し、フィード機構21へ送られる作動油の流量は自動的に制御され、さく岩機13のフィード速度もさく孔条件に応じて自動的に制御される。
また、フィード制御装置40は、差圧検知バルブ42、圧力補償バルブ44及び絞りバルブ46が集約されて小型化されており、フィード制御装置40の取り付け作業、メンテナンス作業等が簡素化される。
さらに、フィード制御装置40は構造が簡単であるので、そのコストが廉価となるとともに、故障の発生頻度も低く押さえられる。
なお、本実施の形態において、圧力計62a、圧力計62b、圧力計62c、圧力計62dを設けることとしたが、これらの圧力計を全て備える必要がないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施の形態に係るフィード制御装置を備えた油圧クローラドリルの斜視図である。
【図2】さく岩機の構成図である。
【図3】フィード制御装置の構成と通常さく孔状態における動作の説明図である。
【図4】フィード制御装置の構成と突込状態における動作の説明図である。
【図5】従来のさく孔機の制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0032】
10 油圧クローラドリル
11 走行台車
12 ブーム
13 さく岩機
14 ガイドシェル
15 シャンクロッド
16 ロッド
17 スリーブ
18 ビット
19 打撃機構
20 回転機構
21 フィード機構
22 フラッシング機構
23 ダストポット
24 ロッド交換装置
25 油圧駆動部
26 空気駆動部
23 作動油ポンプ
24 遠隔制御バルブ
25 圧力補償バルブ
26 方向切り換えバルブ
40 フィード制御装置
42 差圧検知バルブ
44 圧力補償バルブ
46 絞りバルブ
48 差圧検知バルブ入口
50 差圧検知バルブ出口
52 圧力補償バルブ入口
54 圧力補償バルブ出口
56a、56b ピストン
58a、58b スプリング室
60a、60b、60c 圧力伝達路
62a、62b、62c、62d 圧力計
Sa、Sb スプリング
P1 フィード制御装置上流の作動油の圧力
P2 差圧検知バルブと圧力補償バルブとの間における作動油の圧力
P3 圧力補償バルブと絞りバルブとの間における作動油の圧力
P4 フィード制御装置下流の作動油の圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
さく孔機に搭載されたさく岩機のフィード機構に作動油を送り、このさく岩機のフィード速度を油圧制御するフィード制御装置であって、
差圧検知バルブと圧力補償バルブと絞りバルブとを備え、
前記差圧検知バルブは、前記フィード制御装置の前後における作動油の差圧と対抗してこの差圧検知バルブの開度を変化させるスプリングを有し、
前記圧力補償バルブは、前記差圧検知バルブの前後における作動油の差圧と対抗してこの圧力補償バルブの開度を変化させるスプリングを有し、
前記絞りバルブは、前記圧力補償バルブの下流で作動油の流量を絞り圧力を低下させるオリフィスを有することを特徴とするフィード制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフィード制御装置であって、前記オリフィスの径は変更可能に構成されていることを特徴とするフィード制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−115528(P2008−115528A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296761(P2006−296761)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(594149398)古河ロックドリル株式会社 (50)
【Fターム(参考)】