説明

フェノールヒドラゾンマクロファージ転移阻害因子阻害剤

式(I)の種々の化合物が、与えられている。また、上の化合物を含んでいる複数の医薬組成物が、与えられている。加え、ある1哺乳類におけるマクロファージ転移阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの複数の方法が、与えられており、ある1哺乳類における炎症を処置していくかもしくは防いでいくとの複数の方法のようである。更に、敗血症(sepsis、septicemia)および/または内毒素ショックを持っているある1哺乳類を処置していくとの複数の方法が、与えられている。また、自己免疫疾患を持っているある1哺乳類を処置していくとの複数の方法、および、ある1腫瘍を持っているある1哺乳類を処置していくとの複数の方法が、与えられている。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
この出願が、2006年3月24日出願された米国仮出願第60/785,834号の利益を請求する。
【0002】
(1)本発明分野
本発明が、複数のサイトカイン阻害剤に関する。より具体的には、本発明が、マクロファージ転移阻害因子の幾つかの阻害剤を同定し、特徴化する。
【背景技術】
【0003】
(2)関連技術の記述
マクロファージ転移阻害因子(MIF)が、潜在的な原炎症サイトカインであり、決定的に敗血症の病原および他の炎症疾患中、関与した(CalandraおよびRoger、2003年;Riedemannら、2003年)。敗血症、感染に対する致命的な全身炎症反応が、米国単独における1年当たり215,000人よりも多い人々を死亡させる。現在、その臨床管理に関し、FDAにより認可されている抗炎症治療剤が、全くない。MIFが、全身炎症の重要な遅く作用するメディエーターであると実証されてきており、in vivoにおける齧歯類における内毒素血症および敗血症の致命的な結末を弱めるその活性を阻害している(Calandraら、2000年;Al−Abedら、2005年)。
【0004】
MIFが、ある1ホモトリマーとして存在し(Sugimotoら、1995年;Sunら、1996年;Suzukiら、1996年;Taylorら、1999年)、それぞれのインドール誘導体へのD−ドーパクロームおよびL−ドーパクロームメチルエステルのような非生理学的基質の互変を触媒できる独特な能力を有する(Rosengrenら、1996年)。この互変活性の生理学的役割が、不確かである一方、D−およびL−ドーパクロームに構造的に似ている化合物が、このMIFの互変化酵素(トートメラーゼ)活性部位に結合し得、これにより、これをブロックし得る(Al−Abedら、2005年;Ciosら、2002年;ChengおよびAl−Abed、2006年;Lubetskyら、2002年;Senterら、2002年)。N−アセチル−p−ベンゾキノンイミン(NAPQI)が、その活性部位でMIFと共有結合複合体を形成し(図1)、MIFの生物学的逆効果を不可逆に阻害していくことができる(Senterら、2002年)。しかしながら、NAPQIの毒性が、MIFの生存可能な臨床阻害剤としてのその使用を予め排除する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上に基づいたら、MIF活性の非毒性小分子阻害剤の開発が、更なる調査を割り引く。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が、MIF活性を阻害する幾つかの新しい化合物を同定し、特徴化させてきている。
【0007】
本発明が、これゆえ、式I:
【0008】
【化1】

【0009】
の化合物に関しており、式中:
R1が、ある1アルキル、置換アルキル、ある1シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、ある1アリール、置換アリール、ある1ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ある1アルコキシ、ある1アリールオキシ、オキソ、ある1アミノ、ある1ハロゲン、ホルミル、ある1アシル、カルボキシ、ある1カルボキシアルキル、ある1カルボキシアリール、ある1アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、もしくはスルホンアミドであり;
R2、R3、R4、およびR5が、独立に、ある1ハロゲン、−OH、−SH、−NH2、−NO2、−OR6、もしくは−Hであり、式中、R6が、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキルである。
【0010】
本発明が、医薬として許容可能な担体中、上の複数の化合物のいずれか、もしくは、これの医薬として許容可能な塩を含んでいる医薬組成物にも関している。
【0011】
本発明が、更に、ある1哺乳類におけるマクロファージ転移阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの複数の方法に関している。これら方法が、当該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量における上の医薬組成物を当該哺乳類に投与していくことを含む。
【0012】
更に、本発明が、ある1哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくとの複数の方法に関している。これら方法が、当該哺乳類における当該炎症を処置するか、もしくは、防ぐに有効な量における上の医薬組成物を当該哺乳類に投与していくことを含む。
【0013】
また、本発明が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持っているある1哺乳類を処置していくとの複数の方法に関している。これら方法が、当該敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに有効な量における上の医薬組成物を当該哺乳類に投与していくことを含む。
【0014】
本発明が、更に、自己免疫疾患を持っているある1哺乳類を処置していくとの複数の方法に関している。これら方法が、当該自己免疫疾患を処置するに有効な量における上の医薬組成物を当該哺乳類に投与していくことを含む。
【0015】
加え、本発明が、ある1腫瘍を持っているある1哺乳類を処置していくとの複数の方法に関しており、本方法が、当該腫瘍を処置するに有効な量における上の医薬組成物を当該哺乳類に投与していくことを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明が、MIF活性を阻害する幾つかの新しい化合物を与える。実施例参照。
【0017】
本発明が、これゆえ、式I:
【0018】
【化2】

【0019】
の複数の化合物に関しており、式中:
R1が、ある1アルキル、置換アルキル、ある1シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、ある1アリール、置換アリール、ある1ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ある1アルコキシ、ある1アリールオキシ、オキソ、アミノ、ある1ハロゲン、ホルミル、ある1アシル、カルボキシ、ある1カルボキシアルキル、ある1カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、もしくはスルホンアミドであり;
R2、R3、R4、およびR5が、独立に、ある1ハロゲン、−OH、−SH、−NH2、−NO2、−OR6、もしくは−Hであり、式中、R6が、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキルである。
【0020】
好ましくは、R2、R3、R4、およびR5のうちの1種だけが、Hでない。また、好ましくは、R2が、弗素もしくはHである。より好ましくは、R2だけが、Hでない。更により好ましくは、R2が、ある1ハロゲンであり、そしてR3、R4、およびR5が、全てHである。最も好ましくは、R2が、弗素であり、そしてR3、R4、およびR5が、全てHである。
【0021】
上の複数の化合物のいずれかに関し、R1が、好ましくは、COOMe、COOEt、COOtBu、COOCH2Ph、COOCH2PhOMe、COPh、SO2Ph、Me、Ph、PhOMe、COOtBu、Ph、もしくはPhOMeであり、式中、Meが、CH3であり、Phが、フェニルであり、そしてBuが、ブチルである。より好ましくは、R1が、COOtBu、Ph、もしくはPhOMeである。更により好ましくは、本化合物が、表1および表2の化合物4〜9および化合物11〜19のうちのいずれか1種である。最も好ましくは、本化合物が、表1の化合物5、6、7、8、9、もしくは19、または、表2の13、14、15、もしくは18のうちのいずれか1種である。ある幾つかの態様中、本化合物が、表1の化合物5である。他の態様中、本化合物が、表1の化合物6である。尚他の態様中、本化合物が、表1の化合物7である。更なる態様中、本化合物が、表1の化合物8である。更なる態様中、本化合物が、表1の化合物9である。また、本化合物が、表1の化合物19たり得る。本化合物が、表2の化合物13でもあり得る。加え、本化合物が、表2の化合物14たり得る。本化合物が、更に、表2の化合物15たり得る。本化合物が、更に、表2の化合物18たり得る。
【0022】
本発明が、医薬として許容可能な担体中、上の複数の化合物のいずれか、もしくは、これの医薬として許容可能な塩を含んでいる複数の医薬組成物にも関している。
【0023】
<<医薬として許容可能な>>により、(i)本組成物の他の成分と相容れており、その意図された目的に本組成物を不適にしていくことなく、(ii)本明細書において与えれたとおりの主題を有する使用に適しており、(毒性、侵襲、およびアレルギー応答のような)不要な悪影響を及ぼす副作用のない、ある1素材が、意味されている。副作用が、<<不要>>であるのは、そのリスクが、本組成物により与えられた益よりも重い場合である。医薬として許容可能な担体の非限定例が、限定なく、燐酸緩衝化生理食塩水溶液のような標準医薬担体、水、油/水エマルション、微小(ミクロ)エマルションのようなエマルション等のいずれかを包含する。
【0024】
複数の上記化合物が、過度の実験なく、特定の応用に適するよう、ヒトを包含しているある1哺乳類に対する投与用に製剤され得る。加え、これら組成物の適正な用量が、過度の実験なく、標準用量−応答プロトコルを使用しながら、求められ得る。
【0025】
従って、経口、舌、舌下、口腔、および口腔内投与用に設計(デザイン)されたこれら組成物が、過度の実験なく、当業界においてよく知られた手段、例えば、不活性稀釈剤を用いてもしくは可食担体を用いて調製され得る。これら組成物が、ゼラチンカプセル中封じられていてもよく、錠剤(タブレット)に圧縮されていてもよい。経口治療投与目的に関し、本発明のこれら医薬組成物が、賦形剤と共に取り込まれていてもよく、タブレット、トローチ、カプセル、エリキシル、サスペンション、シロップ、ウェーハ、チューイングガム、および同様のものの形において使用されていてもよい。
【0026】
タブレット、ピル、カプセル、トローチ、および同様のものが、バインダー、、崩壊剤、潤滑剤、甘味料、および香料も含有してよい。バインダーのある幾つかの例が、微結晶セルロース、トラガカントガム、もしくはゼラチンを包含する。賦形剤の例が、スターチもしくはラクトースを包含する。崩壊剤のある幾つかの例が、アルギン酸、コーンスターチ、および同様のものを包含する。潤滑剤の例が、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カリウムを包含する。潤滑剤(glidant)のある1例が、コロイド状二酸化珪素である。甘味料のある幾つかの例が、スクロース、サッカリン、および同様のものを包含する。香料の例が、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料、および同様のものを包含する。これらの種々の組成物を調製していくことにおいて使用された素材が、医薬として純粋であり、使用された量において非毒性であるべきである。
【0027】
これら化合物が、容易に、例えば、静脈内、筋内、蜘蛛膜下、もしくは皮下注射によるよう、非経口投与され得る。非経口投与が、これら化合物をある1溶液もしくは懸濁(サスペンション)中に取り込ませていくことにより達成され得る。このような溶液もしくは懸濁が、注射用水、生理食塩水溶液、固定化油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、もしくは他の合成溶媒のような無菌稀釈剤も包含してよい。非経口製剤が、例えば、ベンジルアルコールもしくはメチルパラベンのような抗菌剤、例えば、アスコルビン酸もしくは重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤、ならびに、EDTAのようなキレート化剤も包含してよい。酢酸塩、クエン酸塩、もしくは燐酸塩のような緩衝剤(バッファー)、ならびに、塩化ナトリウムもしくはデキストロースのような浸透圧調整剤も加えられていてよい。本非経口調製品が、アンプル、使い捨て可能シリンジ、またはガラスもしくはプラスチックから調製された多数回用量バイアル中、封じられ得る。
【0028】
直腸投与が、直腸もしくは大腸中に医薬組成物中の本化合物を投与していくことを包含する。これが、坐薬もしくは浣腸を使用しながら、達成され得る。坐薬製剤が、容易に、当業界において知られた方法により調製され得る。例えば、坐薬製剤が、グリセリンを約120℃に熱していき、本組成物をそのグリセリンに溶かしていき、その熱せられたグリセリンを混ぜていき、その後、精製水が、加えられていてよく、そしてその熱い混合物を坐薬型中に注いでいくことにより調製され得る。
【0029】
経皮投与が、皮膚を通る本組成物の経皮吸収を包含する。経皮製剤が、パッチ(よく知られたニコチンパッチのような)、外用薬、クリーム、ジェル、軟膏、および同様のものを包含する。
【0030】
これら化合物が、鼻投与用にも調製され得る。本明細書中、使用されたとおり、鼻投与が、その患者の鼻道もしくは鼻腔の粘膜に本化合物を投与していくことを包含する。本化合物の鼻投与用医薬組成物が、例えば、鼻スプレー、鼻ドロップ、懸濁、ジェル、外用薬、クリーム、もしくは粉末として投与されているよく知られた方法により調製された本化合物の治療有効量を包含する。本化合物の投与が、鼻タンポンもしくは鼻スポンジを使用しながら、行われてもよい。
【0031】
本発明のこれら化合物が、これら自体投与されていてもよく(原液、ニート)、医薬として許容可能な塩の形にあってもよい。医学において使用された場合、これら塩が、薬理学的におよび医薬として両方許容可能であるべきであるが、医薬として許容不可能な塩が、便利に、使用されていてよく、遊離の活性化合物もしくはこの医薬として許容可能な複数の塩を調製する。薬理学的におよび医薬として許容可能な複数の塩が、以降の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、蟻酸、マロン酸、琥珀酸、ナフタレン−2−スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸から調製されたものを包含するが、これらに限られていない。また、医薬として許容可能な複数の塩が、そのカルボン酸基のナトリウム塩、カリウム塩、もしくはカルシウム塩のようなアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類塩として調製され得る。
【0032】
本発明が、更に、ある1哺乳類におけるマクロファージ転移阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの複数の方法に関している。これら方法が、当該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量における複数の上の医薬組成物のいずれかを当該哺乳類に投与していくことを含む。
【0033】
これらの方法が、如何なる哺乳類上でも使用され得る。好ましくは、本哺乳類が、ヒトである。本哺乳類が、MIFにより少なくとも一部媒介されている炎症サイトカインカスケードを含むある1病状を持つか、または、これに関するリスクにあることも好ましい。このような病状の非限定例が、増殖脈管疾患、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、バージャー病、ルティエ症候群、およびホジキン病を包含する。好ましいこのような病状が、敗血症(sepsis、septicemia)および/または内毒素ショックである。
【0034】
MIFが、自己免疫疾患における重要な役を演じると示されてきている。例えば、Cvetjovicら、2005年参照。これら本方法が、これゆえ、自己免疫疾患処置中、有用であると思われる。これゆえ、これらの方法のある態様中、本哺乳類が、自己免疫疾患を持つか、もしくは、これに関するリスクにある。このような自己免疫疾患の非限定例が、多発硬化、全身狼紅エリテマトーデス、リューマチ関節炎、移植片対宿主病、自己免疫肺炎、自己免疫脳脊髄炎、ギランバレー症候群、自己免疫甲状腺炎、インシュリン依存糖尿、クローン病、硬皮症、乾癬、シェーグレン症候群、および自己免疫炎症眼病である。
【0035】
MIFも、腫瘍の侵襲および転移を促進させると知られている。例えば、Sunら、2005年参照。これら本方法が、これゆえ、ある1腫瘍を持つある1哺乳類の処置に有用であると思われる。
【0036】
本発明が、ある1哺乳類における炎症を処置していくかもしくは防いでいくとの方法にも関している。これら方法が、当該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐに有効な量における上の医薬組成物を当該哺乳類に投与していくことを含む。
【0037】
これらの方法に関し、本哺乳類が、好ましくは、ヒトである。本哺乳類が、炎症、例えば、増殖脈管疾患、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹、疣、蕁麻疹、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、バージャー病、ルティエ症候群、もしくはホジキン病に関与している病を持ち得るか、もしくは、これらの病に関するリスクにあり得る。好ましくは、本哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つか、あるいは、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックに関するリスクにある。
【0038】
これらの方法が、本哺乳類に対する第2の抗炎症剤の投与を包含し得る。このような第2の抗炎症剤の例が、NSAIDs、サリチラート、COX阻害剤、COX−2阻害剤、およびステロイドである。好ましくは、本哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つか、または、これらに関するリスクにあり、第2の処置が、ムスカリンアゴニスト、アドレノメデュリン、アドレノメデュリン結合蛋白、乳脂球状表皮成長因子VIII、活性化蛋白C、もしくはα2A−アドレナリン作動アンタゴニストの投与である。
【0039】
本発明が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持っている哺乳類を処置していくとの複数の方法にも関している。これら方法が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに有効な量において当該哺乳類に上の医薬組成物を投与していくことを含む。
【0040】
本発明が、更に、自己免疫疾患を持っている哺乳類を処置していくとの複数の方法に関している。これら方法が、当該自己免疫疾患を処置するに有効な量において当該哺乳類に上の医薬組成物を投与していくことを含む。このような自己免疫疾患の例が、多発硬化、全身狼瘡エリテマトーデス、リューマチ関節炎、移植対宿主疾患、自己免疫肺炎、自己免疫脳脊髄炎、ギラン−バレー症候群、自己免疫甲状腺炎、インシュリン依存糖尿病、クローン病、硬皮症、乾癬、シェーグレン症候群、および自己免疫炎症眼病を包含する。
【0041】
加え、本発明が、腫瘍を持っている哺乳類を処置していくとの方法に関しており、本方法が、当該腫瘍を処置するに有効な量において当該哺乳類に上の医薬組成物を投与していくことを含んでいる。
【0042】
下の実施例2において樹立されたとおり、これらの化合物が、有効に経口投与されると期待され得る。これゆえ、上の方法のいずれにおいても本医薬組成物が、経口投与され得る。あるいは、本医薬組成物が、非経口投与され得る。
【0043】
本発明の好ましい実施形態が、以降の実施例中、記載されている。本明細書中の請求項の範囲内の他の実施形態が、本明細書の考慮、もしくは、本明細書中、開示されたとおりの本発明の実際から当業者に明らかとなる。本明細書が、これら実施例と一緒に例えとしてだけ考慮され、本発明の範囲および精神が、これら請求項により指し示されていることが、意図されており、これら実施例に伴う。
【実施例】
【0044】
実施例1.フェノールヒドラゾンが、マクロファージ転移阻害因子原炎症活性の潜在的な阻害剤であり、敗血症における生存率向上剤である
実施例の要約
一連のフェノールヒドラゾンが、合成され、これらのMIF活性阻害に関し、評価された。化合物7が、130nMのIC50を有する潜在的なMIF互変化酵素(トートメラーゼ)阻害剤として浮上した。化合物7が、用量依存的に、リポ多糖(リポポリサッカライド、LPS)刺激マクロファージからのTNFα分泌を抑えた。化合物7によるMIF阻害の治療の重要さが、敗血症の致死性からの有意な保護により実証されており、該化合物の投与が、臨床的に関連している時間枠中、開始された場合である。
【0045】
はじめに
合理的な設計(デザイン)のアプローチが、使用されたが、より潜在的なMIF小分子阻害剤を産生させる。MIF互変化酵素(トートメラーゼ)触媒のインドール中間体が、潜在的なMIF阻害剤の開発に適するテンプレートとしてそれ自体を提示した。そのフェニルイミンスキャッフォールドの周りでデザインされた化合物が、潜在的なMIFアンタゴニストとして作用し得ると思われることが、理由付けられた。実際、この合理的なデザインから、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)阻害剤としてのこれらアミノ酸シッフ塩基(シッフベース)およびこれらイソキサゾリン化合物が、開発された(Diosら、2002年;Lubetskyら、2002年)。MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性を阻害できる能力に関しテストされたこれらアミノ酸シッフベースの間で、化合物1が、最も潜在的であったことが、見出された(図1、表1)。最近、ある1MIFイソキサゾリン阻害剤<<ISO−1>>(化合物2、図1)が、報告されたが、トートメラーゼ部位をブロックし、in vitroにおける抗炎症糖質(グルコ)コルチコイド活性を克服できるMIFの能力を阻害し、実験敗血症動物モデルにおける生存率を向上させる(Lubetskyら、2002年)。
【0046】
より潜在的なMIF阻害剤を見出すに当たり、該フェニルイミンスキャッフォールドが、再訪され、窒素を加えていくことにより修飾されたが、ヒドラゾン型(タイプ)化合物を与える(図1)。これらアミノ酸シッフベースおよび化合物2上での以前の研究が、パラ(p−)ヒドロキシル基が、フェノール部分により例示されたとおり、鍵の構造の特徴であり、活性に必要とされていることを解き明かした。フェニル−もしくはハロゲン(ハライド)−置換フェニル基またはp−メトキシフェニル基を用いて1および2のフェノール部分を置き換えていくと結果的に、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性を阻害できるそれらの能力の低下もしくは完全な損失となった(Diosら、2002年;Lubetskyら、2002年)。この結果と調和し、新しいファーマコフォアの化学構造が、フェノール環を含有しなければならない(図1)。この鍵の構造の特徴ならびにMIFと複合体化された1および2の観察を利用しながら、フェノールヒドラゾン3〜19(表1および表2)が、潜在的なMIF阻害剤として合成された。
【0047】
表1.フェノールヒドラゾン、および、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性阻害に関するIC50値。
【0048】
【表1】

a化合物が、1H、13C NMR、およびMSにより特徴付けられた。bL−ドーパクロームメチルエステル(実験の部参照)に関するMIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性分光解析。c6〜9の合成に向かっての一般的手順に関する実験の部参照。
【0049】
表2.フェノールヒドラゾンカルバメート、および、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性阻害に関するIC50値。
【0050】
【表2】

a化合物が、1H、13C NMR、およびMSにより特徴付けられた(補足情報参照)。bL−ドーパクロームメチルエステルに関するMIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性分光解析。
【0051】
この研究において調製されたヒドラゾンの全て、化合物3〜19が、1種の共通の鍵の構造的特徴を持ち、これらが、全て、4−ヒドロキシフェニルの形での<<フェノール頭部>>を保有することにおいてである。このフェノール環が、MIF活性部位内で、その疎水性表面のアミノ酸残基アスパラギン−97Cとの間の鍵の水素結合相互作用を形成することが、示されてきている(Diosら、2002年;Lubetskyら、2002年;Oritaら、2001年)。この重要な水素結合相互作用に加え、疎水性相互作用があり、このフェノールの芳香環と、この疎水性ポケットのアミノ酸残基たる、Pro−1、Met−2、Ile−64、Tyr−95、Val−106、およびPhe−113の側鎖との間に存在し、更に、本阻害剤の結合に寄与する(Oritaら、2001年)。このヒドロキシル官能基と、このアミノ酸残基アスパラギン−97Cとの間の鍵の相互作用に関する裏付けの証拠が、1)この位置を修飾していき、2)他の官能基を用いてこのヒドロキシル基を置き換えていくことにより、得られた。このヒドロキシル基の位置が、これらヒドラゾンの決定的な特徴であり、パラ(p−、IC502.5μM)からメタ(m−、IC50150μM)にこの位置を変更していくと、結果、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性を阻害できるその能力の劇的な消失となったことにおいてである。輪をかけて、水素、フルオロ、アミノ、メトキシ、およびニトロ官能基を用いてこのヒドロキシル基を置き換えていくと、ヒドラゾンを与えたが、不活性であった(データーは、示さなかった)。これらフェノールヒドラゾンと、MIFとの間の構造−活性相関を展開していくと、ヒドラゾン3〜6が、その(対応する)簡単なヒドラジンたる、メチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、およびp−メトキシフェニルヒドラジンから合成された。我々のフェノールヒドラゾンの活性に向かっての1種の更なる前提が、これらが、疎水性尾部を必要とすることである。これが、化合物3から明らかである(IC50=>500μM)。この化合物におけるヒドラゾンの水素置換が、如何なる疎水性相互作用をも提供せず、ある1結果として、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性の非常に乏しい阻害剤である(表1)。メチル基を用いてこの水素を置き換えていくと、MIF互変化(トートメラーゼ)活性を阻害できるメチルヒドラゾン4の能力における知らしめられた向上(IC50=43μM)が、観察された。これが、このメチル基と、MIF表面との間の疎水性相互作用があることを示唆する。このより疎水性のフェニル環を用いて4のメチル基を置き換えていくと、ヒドラゾン5を与え(IC50=2.6μM)、16倍潜在的である。5の芳香環上でのパラ(p−)メトキシ基のインストールが、ヒドラゾン6を与え、その親化合物よりもある1阻害剤として5倍潜在的である。このp−メトキシフェニルヒドラゾンのこの増加した結合が、そのエーテル酸素と、それら既知のアミノ酸残基との間の水素結合相互作用、ならびに、このp−メトキシフェニル環と、MIF活性部位の第2の疎水性領域との間のπ−πスタッキング(電子雲の重なり)および/またはファンデルワールス(van der Waals)相互作用の可能性により、説明されていることがある。これらアミノ酸、Pro−33、Tyr−36、Phe−49、Trp−108、およびPhe−113が、MIF活性部位の縁での第2の疎水性表面を作り上げることが、報告されてきている(Diosら、2002年;Oritaら、2001年)。これらの残基が、このファーマコフォアと、MIF活性部位との間の疎水性相互作用および水素結合相互作用に更に寄与する(Oritaら、2001年)。これらの相互作用の更なる裏付けにおいて、その(対応する)L−アミノ酸シッフ塩基(ベース)の阻害効果が、それぞれ、L−フェニルアラニン(IC50=50μM)からL−チロシン(IC50=10μM)に当該アミノ酸残基を変更していくと、5倍向上したことが、以前、示された。これが、この増加した潜在力が、MIFの縁での残基内の水素結合相互作用に帰因されたことを示唆する(Diosら、2002年)。ヒドラゾン6が、L−トリプトファンシッフ塩基(ベース)1よりも12倍潜在的な阻害剤であり、文献において記載された最も潜在的なMIF阻害剤を遙かに凌ぐ(Al−Abedら、2005年;Diosら、2002年;ChengおよびAl−Abed、2006年;Oritaら、2001年;Oritaら、2002年)。最近、2のモノ弗素化が、MIF活性阻害を向上させたことが、発見された(ChengおよびAl−Abed、2006年)。(ある1)帰結として、我々は、このより潜在的なヒドラゾン、つまり、p−メトキシフェニルヒドラゾン(6)の、3−フルオロ、3−クロロ、および3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル誘導体を合成した。これらモノハロゲン化ヒドラゾン誘導体合成が、塩酸4−メトキシフェニルヒドラジンおよび3−ハロゲン化−4−ヒドロキシベンズアルデヒドの水酸化ナトリウム水+メタノール懸濁の処理に関与した(表1)。MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性阻害における一般的な増加が、これら3−ハロゲン化−4−ヒドロキシフェニルヒドラゾン誘導体7〜9に関して観察された(表1)。これらのヒドラゾンの間で、化合物7が、130nMのIC50値を有する最も潜在的な阻害を示した一方、8および9が、それぞれ、220nMおよび330nMの値を与えた。これらのハロゲン化ヒドラゾン7〜9の阻害効果における有意な向上が、(σ結合を伝う)誘導効果により、説明されていることがあり、ヒドロキシル部分の分極における変化に至ることがあり、これにより、これをより強い水素結合供与体(ドナー)/受容体(アクセプター)としていく。
【0052】
活性が、窒素上での二置換により影響を受けるかどうか求めるに当たり、化合物10が、合成された(図2)。沃化メチルおよびナトリウムアミドを用いたフェニルヒドラジン(5)のメチル化が、N−メチル−N−フェニルヒドラジンを与えた。典型的な条件下でのヒドラゾン形成が、86%収率において10を与えた。化合物10が、MIF活性の非常に弱い阻害剤であったが、300μMのIC50値を表示している。この観察が、増加した立体障害により、または、二置換ヒドラゾン誘導体10と、MIF活性部位との間の減少した数の水素結合相互作用により、考えられ得る。
【0053】
これらヒドラゾンと、MIFとの間の構造−活性相関を更に調べるに当たり、もう1種別のある分類(クラス)の化合物たる、フェノールヒドラゾンカルバメートが、評価された。これらフェノールヒドラゾンカルバメート11〜15および18が、選ばれたのは、これらが、アミノ酸シッフ塩基(ベース)1および2のものに似た鍵となる官能基を表示したからである(表2)。これらの官能基が、ヒドロキシル基、フェニル環、およびカルボン酸部分である。2次的な水素結合相互作用が、2のカルボン酸部分と、MIF活性部位のリジン−32Aとの間に存在することが、報告されてきている(Diosら、2002年)。およそ10倍のMIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性の阻害における向上が、より親脂性のt−ブチル部分13(IC50=5.5μM)に11(IC50=55μM)のメチル基を変更していくと、観察された。フェニル環が、MIF活性阻害を向上させるかどうか求めるに当たり、そのt−ブチルカルバメートが、ベンジルカルバメート14およびp−メトキシベンジルカルバメート15を用いて置き換えられた。嵩高いアルキル13から芳香族基14〜15(IC50=10,8μM)に至るこの変更が、結果、阻害効果における僅かな減少を与えた。
【0054】
生物活性。
細胞内MIFが、リポ多糖(リポポリサッカライド、LPS)内毒素により活性化された経路に対する細胞応答を媒介していくことにおける決定的な役を占め(Rogerら、2001年)、MIF不全細胞が、内毒素に対し、低応答である(Bozzaら、1999年)。MIFなしマクロファージが、野生型に比べたら、50〜60%少ないTNFを産生し得る(Al−Abedら、2005年;Mitchellら、2002年)。加え、抗MIF抗体(10μg/mL)が、LPS処理マクロファージからのTNF放出の50%を阻害する(Al−Abedら、2005年)。化合物2(ISO−1)が、野生型からのLPS誘導TNF放出を用量依存的に阻害するが、MIFなしマクロファージからのは、そうでなく、MIF化学阻害剤が、特異的であることを示唆している。従って、MIFに結合している化合物7が、マクロファージにおけるLPS応答を抑圧すると思われることが、理由付けられた。化合物7が、LPS誘導TNF放出を用量依存的に正に阻害した(図3)。これゆえ、化合物7が、これらMIF不全マクロファージの表現型を反復させ、LPSに対する応答におけるTNF産生の減少と関連している。
【0055】
敗血症における分子治療標的としてのMIFの重要さが、抗MIF抗体もしくは化合物2を用いた処理が、複数の敗血症マウスにおける生存率を有意に向上させるとの最近の観察により、確認されてきている(Al−Abedら、2005年)。更に、血清MIFレベルが、CLP24時間後内で、最大レベルの70%にまで増加したが、36時間においてピークを打った(Al−Abedら、2005年)。これが、敗血症における後発メディエーターとしてMIFを同定したが、臨床関連時間枠においてMIFを阻害していくという治療潜在力を指し示した。これゆえ、化合物7を用いた遅延処理が、MIF放出の速度論と整合して、上手く応用され得ると思われ、敗血症における生存率を向上させることが、理由付けられた。敗血症の広く使用された前臨床モデルたる盲腸結紮および穿刺(CLP)誘導腹腔炎における生存率を向上させられる化合物7の能力が、テストされた。7(4mg/kg)の腹腔内処理が、CLP外科手術24時間後、開始され、3日間、継続され、結果、コントロール(ビヒクル処理)群における28%に比べたら、65%の生存率(p<0.01)を与えた(図4)。これゆえ、化合物7を用いた処理が、敗血症致死率に対する有意な保護を与え、抗MIF抗体および化合物2の効果に比肩できる(Al−Abedら、2005年)。顕著に、化合物7の用量が、2よりも10倍少なかったが(1/10)、似た保護を達成した。この知見が、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性部位を阻害していくことにおける化合物7の潜在力と、実験敗血症における生存率を向上させていくというその有益な効果との間の関係を指し示す。
【0056】
要約すると、フェノールヒドラゾンが、非毒性潜在MIFアンタゴニストとして設計(デザイン)され、合成された。その構造−活性相関研究が、これらヒドラゾンの官能基化における小変更(マイナーチェンジ)が、MIF互変化酵素(トートメラーゼ)活性部位に対するこれらの化合物の結合に影響を及ぼすことを示唆する。特記すべきは、化合物7が、テストされた全化合物の最大活性を呈し、文献において記載されたMIFの最も潜在的な阻害剤を遙かに凌いでいる(Al−Abedら、2005年;Diosら、2002年;ChengおよびAl−Abed、2006年;Oritaら、2001年;Oritaら、2002年)。
【0057】
化合物7が、in vitroにおける潜在的な抗炎症活性を呈したが、LPS誘導マクロファージ活性化の抑圧により実証されたとおりである(図3)。更に、相対的に低濃度のこの小分子MIF阻害剤が、敗血症における生存率を向上させたが、処理が、この疾患の発症24時間後、開始された場合である。
【0058】
敗血症が、複雑な炎症疾患であり、この臨床管理(マネージメント)が、チャレンジングな健康問題である。これゆえ、化合物7が、この疾患の発症24時間後、有効であるとの知見が、考慮され得る臨床での関心たり得ると思われる。加え、齧歯類敗血症モデルにおける効率を示す抗サイトカイン剤が、リューマチ関節炎およびクローン病のような、種々のヒト炎症疾患および自己免疫疾患用の価値ある治療剤であるとされてきている。
【0059】
実験の部
一般的な実験。
全ての化学物質が、商業供給元から得られたが、更なる精製なく、使用された。254nm蛍光指示器を有するアルミニウム焼成シリカゲル60TLC板(プレート)が、使用された。展開されたTLC板(プレート)が、短波長UV灯(ランプ)下、視覚化され、I2−SiO2混合物を用いて染色された。フラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)が、フラッシュ用シリカゲル(32〜63μm)を使用しながら、実施され、通常、段階的(ステップワイズ)溶媒極性勾配を用いたが、TLC移動度と相関した。融点(M.p.)が、開口毛管(キャピラリー)中、Gallenkamp融点装置中、求められたが、較正されていない。IRスペクトルが、Thermo Nicolet IR 100 FT−IR分光器上、得られた。全ての1Hスペクトルが、270MHzもしくは300MHzでのJeol分光器もしくはGE QE 300分光器上、記録された。13Cスペクトルが、75MHzでのGE QE 300分光器上、記録された。化学シフト(ケミカルシフト)が、重水素化溶媒のピークに相対しており、ppm単位である。カップリング定数(J)が、ヘルツ(Hz)単位で測定されている。1Hシグナルが、シングレット(s)、ダブレット(d)、トリプレット(t)、カルテット(q)、マルチプレット(m)、およびブロードシングレット(br s)として記載されている。低および高分解能質量スペクトルが、Urbana−Champaignイリノイ大学質量スペクトル施設において完遂された。
【0060】
化合物3〜5および化合物10〜19に関する一般的な実験。
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(122ミリグラム(mg)、1ミリモル)もしくは3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(140ミリグラム(mg)、1ミリモル)と、ヒドラジド(2ミリモル)とが、エタノール(10ミリリットル(mL))に溶解された。これに酢酸(1ミリモル)が、加えられ、この反応が、室温において終夜、攪拌された。真空中でのこのエタノールの除去が、油っぽい残渣を与えた。この残渣が、酢酸エチルを用いて拾い上げられ、水洗された。この有機層が、分離され、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)を用いて乾燥された。真空中での濃縮が、残渣を与えたが、引き続き、溶出液としてヘキサンおよび酢酸エチル(4:1)を使用しながら、FCCにより精製されたが、化合物3〜5および化合物10〜15を与える。
【0061】
化合物6〜9に関する一般的な手順。
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(122ミリグラム(mg)、1ミリモル)もしくは3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(140ミリグラム(mg)、1ミリモル)もしくは3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(156ミリグラム(mg)、1ミリモル)もしくは3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(201ミリグラム(mg)、1ミリモル)と、塩酸4−メトキシフェニルヒドラジン(350ミリグラム(mg)、2ミリモル)とが、メタノール(10ミリリットル(mL))に懸濁された。この懸濁に水酸化ナトリウム(60ミリグラム(mg)、1.5ミリモル)の2M水溶液が、加えられ、この反応が、室温において終夜、攪拌された。この反応の完結の際、この溶液が、次いで、1Mの塩酸(HCl)の添加により、pH4にまで、酸性化された。真空中でのこのメタノールの除去が、油っぽい残渣を与えた。この残渣が、酢酸エチルを用いて拾い上げられ、水洗された。この有機層が、分離され、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)を用いて乾燥された。真空中での濃縮が、残渣を与えたが、引き続き、溶出液としてヘキサンおよび酢酸エチル(4:1)を使用しながら、FCCにより精製されたが、化合物6〜9を与える。
【0062】
酵素活性を求める分光アッセイ。
L−ドーパクロームメチルエステルの保管(ストック)したての溶液(2.4nM)が、過沃素酸ナトリウムを用いたL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンメチルエステルの酸化により、発生されたが、橙(オレンジ)色溶液を生成させている。活性が、pH6、50mM燐酸カリウム緩衝液(バッファー)中、MIF溶液(850ナノグラム(ng)/ミリリットル(mL))1μLを含有しているセルにドーパクロームメチルエステル(0.3ミリリットル(mL))を加えていくことにより、室温において求められたが、分光器で、475ナノメートル(nm)での2〜20秒の吸光における減少を測定している。これら阻害剤3〜15が、種々の濃度(0.1〜100μM)においてDMSOに溶解され、1マイクロリットル(μL)が、このドーパクロームの添加前にMIFを有するこのセルに加えられた。
【0063】
細胞アッセイ。
化合物7が、LPS処理マクロファージからのTNF分泌を阻害する。RAW267.4マクロファージ(105個)が、LPS添加30分前に種々の濃度のヒドラゾン7(0.01〜100μM)を用いて処理された。インキュベート16時間後、細胞培養上澄み(上清)が、ELISAによるTNF濃度決定用に回収された。データーが、平均±S.D.として提示されている(n=3、*、p<0.01)。
【0064】
動物研究。
全動物実験が、北海岸−ロングアイランドユダヤ研究所の動物愛護および使用委員会により、認められた。8週齢の複数の雄Balb/Cマウスが、盲腸結紮および穿刺(CLP)に付された。CLP手順の詳細が、以降のとおり完遂されてきている:麻酔された(ケタミン100mg/kgおよびキシラジン8mg/kgが、筋内投与された)複数の雄Balb/Cマウスにおいて盲腸が、結紮され、単回穿刺を与えられた。腹からのアクセスが、中線切開経由で、得られた。腹からの接近(アクセス)が、得られた。盲腸が、単離され、回盲弁の下、6−0絹(シルク)結紮糸を用いて結紮され、盲腸が、22G針を用いて一旦穿刺され、糞(およそ1m)が、この穴から押し出され、盲腸が、腹の空洞中に戻して入れられた。腹が、2層の6−0Ethilon縫合糸を用いて閉じられた。抗生物質(プレマキシン0.5ミリグラム(mg)/キログラム(kg)、皮下、合計量0.5ミリリットル(ml)/マウスで)が、CLP直後、投与され、単回用量の蘇生流動体(通常の食塩水、20ミリリットル(ml)/キログラム(kg)体重)が、CLP外科手術直後、皮下投与された(Wangら、1999年)。複数のマウス(n=13、**P<0.01)が、CLP24時間後、4ミリグラム(mg)/キログラム(kg)もしくはビヒクルを用いて腹腔内注射された。更なる2回の注射が、2日目および3日目、与えられた。ビヒクル(20%DMSO水)処理もしくは化合物7(4ミリグラム(mg)/キログラム(kg);腹腔内)処理が、敗血症誘導24時間後、始められたが、2日目および3日目、日に2回、繰り返された。動物生存率が、14日間、モニターされた。
【0065】
NMRデーター
化合物3:黄色固体(90%)。融点248〜250℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3220、3315、1650、1603、1568、1506。1H NMR(300MHz、CD3OD)δ6.99(d、2H、J=8.8Hz、H3、H5)、7.94(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、8.87(s、1H、H7)。13C NMR(75MHz、CD3OD)δ117.9(C3、C5)、121.7(C1)、134.7(C4、C6)、163.2(C7)、166.1(C4)。MS(ESI)137.1(M+1、25)。ESIHRMS m/z C792Oに関し、計算137.0715、実測137.0719。
化合物4:赤色固体(85%)。融点58〜60℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3361、1671、1604、1513。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ2.81(d、3H、J=3.3Hz、Me)、6.87(d、2H、J=8.8Hz、H3、H5)、7.42(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、7.95(s、1H、H7)、8.35(br s、2H、OH、NH、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ36.1(Me)、116.5(C3、C5)、127.9(C1)、129.6(C2、C6)、151.2(C7)、157.8(C4)。MS(ESI)151.1(M+1、100)、152.1(M+2、8)。ESIHRMS m/z C8112Oに関し、計算151.0871、実測151.0874。
化合物5:褐色固体(88%)。融点154〜156℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3406、3291、1599、1508。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ6.70(dd、1H、J=7.5、1.2Hz、H4’)、6.82(d、2H、J=8.4Hz、H3、H5)、7.07(dd、2H、J=7.5、1.2Hz、H2’、H6’)、7.16(t、2H、J=7.5Hz、H3’、H5’)、7.50(d、2H、J=8.4Hz、H2、H6)、7.77(s、1H、H7)、8.50(br s、1H、D2O交換可能)、9.15(s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ113.1(C2’、C6’)、116.4(C3、C5)、119.5(C4’)、128.2(C3’、C5’)、128.8(C1)、129.8(C2、C6)、138.2(C7)、146.9(C1’)、158.6(C4)。MS(ESI)213.1(M+1、85)、214.1(M+2、10)。ESIHRMS m/z C13132Oに関し、計算213.1028、実測213.1030。
化合物6:褐色残渣(84%)。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3419、1681、1670、1650、1635、1603、1507。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.65(s、3H、OMe)、6.78(d、2H、J=8.7Hz、H3’、H5’)、6.80(d、2H、J=8.4Hz、H3、H5)、7.01(d、2H、J=8.7Hz、H2’、H6’)、7.47(d、2H、J=8.4Hz、H2、H6)、7.72(s、1H、H7)、8.40(br s、1H、D2O交換可能)、8.91(s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ55.9(OMe)、114.7(C3’、C5’)、115.4(C2’、C6’)、116.6(C3、C5)、128.4(C1)、130.2(C2、C6)、137.2(C7)、141.2(C1’)、151.2(C4’)、163.9(C4)。MS(ESI)241.1(M−1、65)。ESIHRMS m/z C141322に関し、計算241.0977、実測241.0981。
化合物7:褐色固体(89%)。融点120〜121℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3319、3302、1619、1514。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.69(s、3H、OMe)、6.80(d、2H、J=8.8Hz、H3’、H5’)、6.95(t、1H、J=8.8Hz、H5)、7.04(d、2H、J=8.8Hz、H2’、H6’)、7.21(d、1H、J=8.4Hz、H6)、7.42(dd、1H、J=10.6、1.8Hz、H2)、7.70(s、1H、H7)、8.78(br s、1H、D2O交換可能)、9.11(s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ56.0(OMe)、113.3(JCCF=19.5Hz、C2)、114.3(C3’、C5’)、115.5(C2’、C6’)、118.7(C5)、123.4(C6)、130.2(JCCCF=4.9Hz、C1)、135.9(C7)、140.7(C1’)、145.6(JCCF=13.7Hz、C4)、152.6(JCF=239.2Hz、C3)、154.4(C4’)。MS(ESI)261.1(M+1、30)、262.1(M+2、6)。ESIHRMS m/z C141422Fに関し、計算261.1039、実測261.1048。
化合物8:褐色固体(89%)。融点108〜110℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:1601、1557、1501。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.69(s、3H、OMe)、6.80(d、2H、J=8.8Hz、H3’、H5’)、7.03(d、2H、J=8.8Hz、H2’、H6’)、7.13(d、1H、J=8.4Hz、H5)、7.32(dd、1H、J=6.6、1.8Hz、H6)、7.54(d、1H、J=1.8Hz、H2)、7.67(s、1H、H7)、8.80(br s、1H、D2O交換可能)、9.12(s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ55.9(OMe)、114.3(C3’、C5’)、115.5(C2’、C6’)、117.8(C5)、121.6(C3)、126.4(C6)、127.6(C2)、130.6(C1)、135.5(C7)、140.6(C1’)、153.5(C4)、154.4(C4’)。MS(ESI)277.1(MCl35+1、60)、279.1(MCl37+1、25)。ESIHRMS m/z C141322Clに関し、計算277.0744、実測277.0739。
化合物9:褐色固体(90%)。融点135〜137℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3453、3305、1597。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.69(s、3H、OMe)、6.80(d、2H、J=8.8Hz、H3’、H5’)、6.97(d、1H、J=8.4Hz、H5)、7.03(d、2H、J=8.8Hz、H2’、H6’)、7.45(dd、1H、J=6.2、2.2Hz、H6)、7.69(s、1H、H7)、7.78(d、1H、J=1.8Hz、H2)、8.85(s、1H、D2O交換可能)、9.15(s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ55.9(OMe)、110.8(C3)、114.2(C3’、C5’)、115.5(C2’、C6’)、117.4(C5)、127.1(C6)、130.8(C2)、131.0(C1)、135.3(C7)、140.6(C1’)、154.4(C4’)、154.5(C4)。MS(ESI)321.0(MBr79+1、100)、323.0(MBr81+1、80)。ESIHRMS m/z C141322Brに関し、計算321.0239、実測321.0240。
化合物10:白色固体(86%)。融点93〜95℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3300、1600、1506。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.38(s、3H、Me)、6.81(t、1H、J=8.4Hz、H4’)、6.83(d、2H、J=8.8Hz、H3、H5)、7.24(t、2H、J=8.4Hz、H3’、H5’)、7.37(dd、2H、J=8.1、1.1Hz、H2’、H6’)、7.57(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、7.60(s、1H、H7)、8.43(s、1H、OH、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ33.1(Me)、115.5(C2’、C6’)、116.3(C3、C5)、120.5(C4’)、128.3(C3’、C5’)、129.6(C2、C6)、129.8(C1)、133.5(C7)、149.2(C1’)、158.3(C4)。MS(ESI)227.1(M+1、100)、228.1(M+2、20)。ESIHRMS m/z C14152Oに関し、計算227.1184、実測227.1174。
化合物11:白色固体(90%)。融点165〜167℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3253、1651、1635、1606、1556、1514。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.78(s、3H、OMe)、6.93(d、2H、J=8.8Hz、H3、H5)、7.60(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、8.08(s、1H、H7)、8.78(s、1H、D2O交換可能)、9.85(br s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ52.4(OMe)、116.4(C3、C5)、127.4(C1)、129.3(C2、C6)、144.9(C7)、154.9(C4)、159.8(C=O)。MS(ESI)195.1(M+1、100)、196.1(M+2、10)。ESIHRMS m/z C91123に関し、計算195.0770、実測195.0776。
化合物12:白色固体(89%)。融点189〜190℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3338、3202、1678、1607、1581、1558、1513。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ1.21(t、3H、J=7.0Hz、OCH23)、4.13(q、2H、J=7.0Hz、OC2CH3)、6.84(d、2H、J=8.8Hz、H3、H5)、7.50(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、8.00(s、1H、H7)、8.73(br s、1H、D2O交換可能)、9.74(br s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ15.1(OCH2CH3)、61.5(OCH2CH3)、116.4(C3、C5)、127.5(C1)、129.3(C2、C6)、144.8(C7)、154.4(C4)、159.8(C=O)。MS(ESI)209.1(M+1、100)、210.1(M+2、10)。ESIHRMS m/z C101323に関し、計算209.0926、実測209.0932。
化合物13:白色固体(89%)。融点155〜156℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3346、3243、1660、1608、1578、1534、1510。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ1.48(s、9H、C(CH33)、6.87(d、2H、J=8.8Hz、H3、H5)、7.53(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、8.01(s、1H、H7)、8.69(br s、1H、D2O交換可能)、9.58(br s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ28.7(C(33)、80.2((CH33)、116.4(C3、C5)、127.7(C1)、129.2(C2、C6)、144.2(C7)、153.4(C4)、159.6(C=O)。MS(ESI)237.1(M+1、30)、238.1(M+2、5)。ESIHRMS m/z C121723に関し、計算237.1239、実測237.1249。
化合物14:白色固体(90%)。融点159〜160℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3397、1668、1606、1556、1506。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ5.16(s、2H、OCH2)、6.84(d、2H、J=8.4Hz、H3、H5)、7.26〜7.35(m、3H、ArCH)、7.36(d、2H、J=8.8Hz、ArCH)、7.51(d、2H、J=8.4Hz、H2、H6)、8.00(s、1H、H7)、8.71(s、1H、D2O交換可能)、9.91(br s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ67.1(O2Ar)、116.4(C3、C5)、127.4(C1)、128.8(H)、129.2(C2、C6)、129.3(H)、137.9(CH)、145.2(C7)、154.3(C4)、159.8(C=O)。MS(ESI)271.1(M+1、100)、272.1(M+2、10)。ESIHRMS m/z C151523に関し、計算271.1083、実測271.1089。
化合物15:白色固体(89%)。融点147〜148℃。IR(ヌジョールムル)νcm-1:3412、3270、1683、1602、1543、1514。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.76(s、3H、OMe)、5.08(s、2H、OCH2)、6.83(d、2H、J=8.4Hz、H3、H5)、6.89(d、2H、J=8.8Hz、CHCOMe)、7.33(d、2H、J=8.4Hz、CHCCOMe)、7.51(d、2H、J=8.8Hz、H2、H6)、8.00(s、1H、H7)、8.70(s、1H、D2O交換可能)、9.82(br s、1H、D2O交換可能)。13C NMR(75MHz、(CD32CO)δ55.6(OMe)、66.9(OCH2)、114.6(C3、C5)、116.4(COMe)、127.4(C1)、129.3(C2、C6)、129.8(CCCOMe)、130.7(CCOMe)、145.0(C7)、154.3(C4)、159.8(C=O)、160.6(OMe)。MS(ESI)301.1(M+1、25)、302.1(M+2、5)。ESIHRMS m/z C161724に関し、計算301.1188、実測301.1200。
化合物16:白色固体(86%)。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ3.76(s、3H)、5.08(s、2H)、6.82(d、J=8.4Hz、2H)、6.87(d、J=8.8Hz、2H)、7.31(d、J=8.4Hz、2H)、7.49(d、J=8.8Hz、2H)、7.99(s、1H)、8.70(s、1H)。MS m/z 299.5(M−H)。
化合物17:白色固体(87%)。1H NMR(270MHz、(CD32CO)δ6.89(d、J=7.9Hz、2H)、7.54(m、5H)、7.94(d、J=7.9Hz、2H)、8.40(s、1H)、8.85(s、1H)。MS m/z 239.3(M−H)。
化合物18:白色固体(89%)。1H NMR(300MHz、(CD32CO)δ1.44(s、9H)、6.98(dd、J=2.5、8.4Hz、1H)、7.27(d、J=8.0Hz、1H)、7.41(dd、J=2.2、12.1Hz、1H)、7.97(s、1H)、8.98(s、1H)。MS m/z 253.3(M−H)。
化合物19:褐色固体(87%)。1H NMR(270MHz、(CD32CO)δ6.77(t、J=6.9Hz、1H)、7.01(t、J=8.4Hz、1H)、7.12〜7.29(m、4H)、7.48(dd、J=1.7、10.4Hz、1H)、7.77(s、1H)。MS m/z 229.7(M−H)。
【0066】
酵素活性を求める分光アッセイ。
L−ドーパクロームメチルエステルの保管(ストック)したての溶液(2.4nM)が、過沃素酸ナトリウムを用いたL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンメチルエステルの酸化により、発生されたが、橙(オレンジ)色溶液を生成させている。活性が、pH6、50mM燐酸カリウム緩衝液(バッファー)中、MIF溶液(850ナノグラム(ng)/ミリリットル(mL))1μLを含有しているセルにドーパクロームメチルエステル(0.3ミリリットル(mL))を加えていくことにより、室温において求められたが、分光器で、475ナノメートル(nm)での2〜20秒の吸光における減少を測定している。これら阻害剤3〜15が、種々の濃度(0.1〜100mM)においてDMSOに溶解され、1マイクロリットル(μL)が、このドーパクロームの添加前にMIFを有するこのセルに加えられた。
【0067】
動物研究。
化合物7が、処置が、CLPモデル(図4)において24時間後、開始された場合でさえ、保護的である。複数のマウスが、CLP24時間後、3.5mg/kg(n=13、**P<0.01)もしくはビヒクルを用いて腹腔内注射された(n=13)。2回の更なる注射が、2日目および3日目、与えられた。CLPの手順の詳細が、以降のとおり、完遂されている:麻酔された(ケタミン100mg/kgおよびキシラジン8mg/kgが、筋内投与された)複数の雄Balb/Cマウスにおいて盲腸が、結紮され、単回穿刺を与えられた。腹からのアクセスが、中線切開経由で、得られた。腹からの接近(アクセス)が、得られた。盲腸が、単離され、回盲弁の下、6−0絹(シルク)結紮糸を用いて結紮され、盲腸が、22G針を用いて一旦穿刺され、糞(およそ1m)が、この穴から押し出され、盲腸が、腹の空洞中に戻して入れられた。腹が、2層の6−0Ethilon縫合糸を用いて閉じられた。抗生物質(プレマキシン0.5ミリグラム(mg)/キログラム(kg)、皮下、合計量0.5ミリリットル(ml)/マウスで)が、CLP直後、投与され、単回用量の蘇生流動体(通常の食塩水、20ミリリットル(ml)/キログラム(kg)体重)が、CLP外科手術直後、皮下投与された(Wangら、1999年)。
【0068】
実施例2.急性炎症に対する応答における白血球の動員への化合物7の効果。
空気(エア)パウチが、0日目(6mL)および3日目(3mL)、無菌空気(エア)を皮下注射していくことにより、複数のスイスウェブスター(Swiss Webster)雄マウス(25〜30g)上、標準手順(Garcia−Ramalloら、2002年)に従いながら、調製された。6日目、複数の動物が、指し示されたとおり、腹腔内(i.p.)もしくは栄養(経口)のビヒクル(350μL20%DMSO)もしくは化合物7(7mg/kg)を用いて処置された。15分後、これら動物が、該空気(エア)パウチの空洞中に1mLPBS中1%カラゲナンを注射していくことにより、挑まれた。カラゲナン注射5時間後、これら動物が、屠られ、これらパウチが、PBS洗浄され、滲出物が、回収され、そして浸潤細胞合計数が、定量された。プロットが、ビヒクル単独(veh.)を用いて見られたものに対して規格化された細胞数を示す。
【0069】
結果が、図5中、示されている。化合物7を用いた腹腔内(i.p.)処置および経口処置両方が、空気(エア)パウチの空洞中へのカラゲナン処置により引き起こされた炎症に対する応答における白血球の動員における有意な低減を示した。
【0070】
もう1種別の実験中、空気(エア)パウチが、上のとおり調製された。6日目、複数の動物が、屠っていき、細胞を回収していく前に、指し示された複数の時刻においてビヒクル(350μL20%DMSO)もしくは化合物7(7mg/kg、栄養)を用いて処置された。全ての場合(ケース)中、1%カラゲナンが、屠っていく5時間前、空気(エア)パウチの空洞中に注入された。
【0071】
結果が、図6中、示されている。プロットが、ビヒクル単独(veh.)を用いて見られたものに対して規格化された細胞数を示す。これらマウスが、定量用空気(エア)パウチ細胞を回収していく5.25時間および7時間前(しかし9時間前でない)、化合物7を用いて経口処置された場合、白血球の動員における有意な低減が、観察された。これが、経口投与を用いると、化合物7が、7〜9時間の明らかな生物学的半減寿命を持つことを指し示す。
【0072】
実施例3.化合物7が、致命的な内毒素血症からマイスを保護する。
内毒素血症が、LPS(16mg/kg、頂、もしくは、19mg/kg、底)注射により、複数のBalb/Cマウスにおいて誘導された。複数のマウスが、LPS点滴2時間前、および、LPS点滴24時間後、ビヒクル(350μL20%DMSO)もしくは化合物7(7mg/kg)を用いて腹腔内(i.p.)処置された。これらマウスの生存率が、モニターされていた。
【0073】
結果が、図7中、示されている。化合物7が、さもなければ致命的なLPS被曝からのこれらマウスに対する保護を与えた。
【0074】
参照
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【0075】
上の観点中、本発明の幾つかの利点が、達成されており、他の利点が、達成されたことが、分かる。
【0076】
種々の変更が、本発明範囲から逸脱していくことなく、上の方法および組成物中、なされ得るので、上の記載中、含有された、添付図面中、示された全事項が、例示として解釈されているべきであり、限定していく感覚中でないと意図されている。
【0077】
この明細書中、引用された全参照が、本明細書により援用されている。本明細書中のこれら参照の議論が、単に、その著者らによりなされた主張を要約すると意図されており、如何なる参照も先行技術を構成すると全く認められていない。出願人どもが、これら引用参照の正確さおよび適切さに挑むに当たっての権利を保留する。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】複数のMIF阻害剤の合理的設計(デザイン)に関するある1スキームを示しているある1ダイヤグラムである。
【図2】二置換ヒドラゾンたる化合物10に関する化学式である。
【図3】化合物7が、複数のLPS処理マクロファージからのTNF分泌を阻害することを示している複数の実験結果のある1グラフである。RAW267.4マクロファージ(105個)が、LPS、もしくは、抗MIF(XIV.15.5;α−MIF)マウスモノクローナル抗体10μg/mL添加30分前に種々の濃度の化合物7(0.01〜100μM)を用いて処置された。16時間のインキュベート後、細胞培養上清が、ELISAによるTNFα濃度の決定用に回収された。データーが、平均±S.D.(n=3、*、p<0.01)として表示されている。
【図4】ヒドラゾン化合物7が、CLPモデルにおける24時間の遅い処置後、保護的であることを示している複数の実験結果のある1グラフである。複数のマウスが、CLP24時間後、化合物7(<<ヒドラゾン>>)(4mg/kg)(n=13、p<0.01)もしくはビヒクルと共に腹腔内注射された(n=13)。単回注射が、20%DMSO:80%生理食塩水溶液200μL中、化合物7(100μg、4mg/kgに等価)から構成された。化合物7の更なる投与(日に2回)が、2日目および3日目、与えられた。
【図5】化合物7が、経口もしくは腹腔内(I.P.)投与されたが、急性炎症の樹立されたモデルにおける白血球の動員を阻害することを示している複数の実験結果のある1グラフである。ビヒクル単独に相対し、*p<0.05(n=5);**p<0.006(n=20)。
【図6】化合物7が、カラゲナンと共に挑まれた空気(エア)パウチモデルにおける白血球の浸潤の阻害により査定されたとおり、7〜9時間の明らかな生物学的半減期を持つことを示している複数の実験結果のある1グラフである。ビヒクル単独に相対し、**p<0.006(n=20)。
【図7】化合物7が、内毒素血症動物モデルにおける保護剤であることを示している複数の実験結果のある1グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

式中:R1が、ある1アルキル、置換アルキル、ある1シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、ある1アリール、置換アリール、ある1ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシ、ある1アルコキシ、ある1アリールオキシ、オキソ、ある1アミノ、ある1ハロゲン、ホルミル、ある1アシル、カルボキシ、ある1カルボキシアルキル、ある1カルボキシアリール、ある1アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、もしくはスルホンアミドであり;
R2、R3、R4、およびR5が、独立に、ある1ハロゲン、−OH、−SH、−NH2、−NO2、−OR6、もしくは−Hであり、式中、R6が、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキルである、化合物。
【請求項2】
R2、R3、R4、およびR5の1つだけが、Hでない、請求項1の化合物。
【請求項3】
R2が、弗素もしくはHである、請求項2の化合物。
【請求項4】
R2だけが、Hでない、請求項2の化合物。
【請求項5】
R2が、ハロゲンである、請求項4の化合物。
【請求項6】
R2が、弗素である、請求項4の化合物。
【請求項7】
R1が、COOMe、COOEt、COOtBu、COOCH2Ph、COOCH2PhOMe、COPh、SO2Ph、Me、Ph、PhOMe、COOtBu、Ph、もしくはPhOMeであり、式中、Meが、CH3であり、Phが、フェニルであり、そしてBuが、ブチルである、請求項1の化合物。
【請求項8】
R1が、COOtBu、Ph、もしくはPhOMeである、請求項7の化合物。
【請求項9】
前記化合物が、表1および表2の化合物4〜9および化合物11〜19のいずれか1種である、請求項1の化合物。
【請求項10】
前記化合物が、表1の化合物5、6、7、8、9、もしくは19、または、表2の化合物13、14、15、もしくは18のいずれか1種である、請求項1の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、表1の化合物5である、請求項1の化合物。
【請求項12】
前記化合物が、表1の化合物6である、請求項1の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、表1の化合物7である、請求項1の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、表1の化合物8である、請求項1の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、表1の化合物9である、請求項1の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、表1の化合物19である、請求項1の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、表2の化合物13である、請求項1の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、表2の化合物14である、請求項1の化合物。
【請求項19】
前記化合物が、表2の化合物15である、請求項1の化合物。
【請求項20】
前記化合物が、表2の化合物18である、請求項1の化合物。
【請求項21】
医薬として許容可能な担体中、請求項1〜20のいずれか1項の化合物、もしくは、この医薬として許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項22】
哺乳類におけるマクロファージ転移阻害因子(MIF)活性を阻害する方法であって、当該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量における、請求項21の医薬組成物を当該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項23】
前記哺乳類が、ヒトである、請求項22の方法。
【請求項24】
前記哺乳類が、MIFにより少なくとも一部媒介される炎症サイトカインカスケードを含む病状を持つか、もしくは、これに関するリスクにある、請求項22の方法。
【請求項25】
前記病状が、増殖脈管疾患、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、バージャー病、ルティエ症候群、もしくはホジキン病である、請求項24の方法。
【請求項26】
前記病状が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックである、請求項24の方法。
【請求項27】
前記哺乳類が、自己免疫疾患を持つか、もしくは、自己免疫疾患に関するリスクにある、請求項22の方法。
【請求項28】
前記自己免疫疾患が、多発硬化、全身紅斑狼瘡(エリテマトーデス)、リューマチ関節炎、移植片対宿主病、自己免疫肺炎、自己免疫脳脊髄炎、ギランバレー症候群、自己免疫甲状腺炎、インシュリン依存糖尿、クローン病、硬皮症、乾癬、シェーグレン症候群、および自己免疫炎症眼病である、請求項26の方法。
【請求項29】
前記哺乳類が、腫瘍を持つ、請求項22の方法。
【請求項30】
哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐ方法であって、当該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐに有効な量における、請求項21の医薬組成物を当該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項31】
前記哺乳類が、ヒトである、請求項30の方法。
【請求項32】
前記哺乳類が、増殖脈管疾患、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、バージャー病、ルティエ症候群、もしくはホジキン病を持つ、請求項30の方法。
【請求項33】
前記哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つ、請求項30の方法。
【請求項34】
前記哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックに関するリスクにある、請求項30の方法。
【請求項35】
更に、前記哺乳類に第2の抗炎症剤を投与することを含む、請求項30の方法。
【請求項36】
第2の抗炎症剤が、NSAID、サリチラート、COX阻害剤、COX−2阻害剤、もしくはステロイドである、請求項35の方法。
【請求項37】
前記哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックに関するリスクを持つか、または、リスクにあり、第2の処置が、ムスカリンアゴニスト、アドレノメデュリン、アドレノメデュリン結合蛋白、乳脂球状表皮成長因子VIII、活性化蛋白C、もしくはα2A−アドレナリン作動アンタゴニストの投与である、請求項35の方法。
【請求項38】
敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つ哺乳類を処置する方法であって、該敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに有効な量における、請求項21の医薬組成物を当該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項39】
自己免疫疾患を持つ哺乳類を処置する方法であって、該自己免疫疾患を処置するに有効な量における、請求項21の医薬組成物を当該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項40】
前記自己免疫疾患が、多発硬化、全身紅斑狼瘡(エリテマトーデス)、リューマチ関節炎、移植片対宿主病、自己免疫肺炎、自己免疫脳脊髄炎、ギランバレー症候群、自己免疫甲状腺炎、インシュリン依存糖尿、クローン病、硬皮症、乾癬、シェーグレン症候群、および自己免疫炎症眼病である、請求項39の方法。
【請求項41】
腫瘍を持つ哺乳類を処置する方法であって、該腫瘍を処置するに有効な量における、請求項21の医薬組成物を当該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項42】
前記医薬組成物が、経口投与される、請求項22〜41のいずれか1項の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物が、非経口投与される、請求項22〜41のいずれか1項の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−530401(P2009−530401A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501581(P2009−501581)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/007277
【国際公開番号】WO2007/112015
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(501324834)ザ・フェインスタイン・インスティチュート・フォー・メディカル・リサーチ (14)
【氏名又は名称原語表記】The Feinstein Institute for Medical Research
【住所又は居所原語表記】350 Community Drive, Manhasset, NY 11030, U.S.A.
【Fターム(参考)】