説明

フッ素系積層フィルム及びその製造方法

フッ素樹脂層(1)を、該フッ素樹脂層(1)と剥離可能な樹脂層(2)と共押出ししながら、該共押出しされたフィルムのフッ素樹脂層(1)側を延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと対向させて押出しラミネートすることを特徴とする、フッ素系積層フィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフッ素系積層フィルムの製造方法に関し、詳細には、押出されたフッ素樹脂層を押出しラミネート法によってポリエチレンテレフタレートフィルム上にラミネートする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素系積層フィルムは、一般に、ドライラミネートにより作られる。しかし、ドライラミネート法では積層するフィルム層間に異物が混入し易く、該異物及びその周囲に生じる空隙により、フィルムの外観を損なうという問題がある。また、ドライラミネート法では、ラミネートするフィルムの表面を予めコロナ処理等により前処理する必要があり、工程が煩瑣である上にコストがかかる。
【0003】
上記ドライラミネート法の問題を回避するために、本発明者は、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体樹脂(THV)を用いることによって、押出しラミネート法によりフッ素系積層フィルムを製造できることを見出した(特願2002−05910号、特願2003−51017号)。
【0004】
上記押出しラミネート法でフッ素樹脂3層フィルムを作る方法を、図1を参照して説明する。フッ素樹脂層(1)と樹脂層(2)を、例えば315℃の温度でTダイより共押出しし、該共押出された層をニップロール5と冷却ロール6の間で、フッ素樹脂層(1)側を、延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム3に対向させて圧着し、得られた積層フィルム(4)を巻き取る。
【0005】
上記方法によれば、異物の混入が無いフッ素系積層フィルムを得ることができる。しかし、フッ素樹脂層(1)が約10μm以下の薄いものであるときに、安定してラミネートができないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上記問題を解決し、フッ素樹脂層の厚みが薄い場合でも安定してラミネートできる、押出しラミネート方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、フッ素樹脂層(1)を、該フッ素樹脂層(1)と剥離可能な樹脂層(2)と共押出し、該共押出しされたフッ素樹脂層(1)側を延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと対向させて、該延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片面上に押出しラミネートすることを特徴とするフッ素系積層フィルムの製造方法である。
上記方法において、樹脂層(2)にフィラーを配合することによって、フッ素樹脂層(1)の樹脂層(2)側の表面をマット化することができる。
また、上記方法において、樹脂層(2)とフッ素樹脂層(1)との間に、層(1)を構成するフッ素樹脂とは異種のフッ素樹脂から成り且つ樹脂層(2)と剥離可能であるフッ素樹脂層(3)をさらに共押出ししてもよい。
上記本発明の方法において、好ましくは、フッ素樹脂層(1)はテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体(THV)からなり、樹脂層(2)はポリエチレンからなり、フッ素樹脂層(3)が、テトラフロロエチレン−エチレン共重合体樹脂、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体樹脂、及びポリフッ化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる樹脂からなることが好ましい。
また、好ましくは、フィラーが、ガラス繊維、マイカ、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。また、その粒径が1μm〜1000μmであり、及び、該フィラーが樹脂層(2)の全重量に対して5重量%〜30重量%で含有される。
【0008】
さらに、本発明は、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片側にフッ素フッ素樹脂フィルムが積層された積層フィルムにおいて、押出し方向に直角な方向における前記積層フィルムの最大厚みと最小厚みとの差(R)が2μm/75cm以下であることを特徴とする積層フィルムにも関する。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明の方法によれば、樹脂層(2)がフッ素樹脂層(1)と共押出しされるので、薄いフッ素樹脂層(1)が安定して押出される。また、樹脂層(2)があることによって、フッ素樹脂層(1)の表面温度の低下が防止されて、ポリエチレンテレフタレートとの良好な接着が得られる。
また、本発明の積層フィルムは厚み精度が高く、厚み精度が要求される用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[図1]本発明における押出しラミネート方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
フッ素樹脂層(1)を構成するフッ素樹脂としては、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体(THV)、ポリビニリデンフルオライド、又はこれらの誘導体、例えば高分子鎖の末端にカルボン酸基を導入して変性した樹脂、が使用される。好ましくはTHVが使用される。
【0012】
上記各フッ素樹脂の結晶化温度は、共重合比、変性度合い等に依存して異なるが、約90〜180℃である。THVの結晶化温度は、その3元重合比に主として依存するが、約90〜約160℃の範囲であり、好ましくは約95〜約140℃のものが使用される。
【0013】
本発明は、フッ素樹脂層(1)を、該フッ素樹脂と剥離可能な樹脂層(2)と共押出ししながら、ラミネートすることを特徴とする。本発明を限定する趣旨ではないが、該樹脂層(2)が保温層として作用して、フッ素樹脂層の表面温度をその結晶化温度より高く維持することが容易になり、強固な接着が得られるものと考えられる。また、該樹脂層(2)が押出し支持層として作用するので、フッ素樹脂層が2〜5μmと薄い場合であっても、安定して押出すことができる効果も得られる。
【0014】
樹脂層(2)しては、フッ素樹脂層と共押出することができ且つ剥離可能であるものであれば任意の樹脂を使用することができる。ここで、「剥離可能」であるとは、手で容易に剥離することができることを意味する。価格の点から、好ましくはフッ素を含有しない樹脂が使用され、例えば、各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース、再生セルロース、ポリアミド、ポリカーボネート、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のフィルムを挙げることができる。なかでも、低価格であることから、ポリエチレンが好ましい。
【0015】
樹脂層(2)とフッ素樹脂層(1)との間に、層(1)を構成するフッ素樹脂とは異種のフッ素樹脂からなる層(3)をさらに共押出しすることができる。ここで、「異種」とは、同じ構成成分からなるフッ素樹脂であっても各成分比が異なるものも含む。該異種のフッ素樹脂としては、例えばポリテトラフロロエチレン(PTFE)、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素樹脂層(1)のTHVとは異なる組成比のTHV、等が挙げられる。好ましくは、ETFE、FEP又はPVdFが使用される。
【0016】
樹脂層(2)にフィラー、例えばガラス繊維、マイカ、炭酸カルシウム、を含めることにより、樹脂層(2)の保温効果をさらに高めることができる。
【0017】
また、フィラーの大きさ及び配合量を適宜設定することにより、樹脂層(1)の樹脂層(2)側の表面に凹凸を形成することができる。即ち、樹脂層(2)の表面にフィラーによる凹凸ができ、これがフッ素樹脂層(1)、又は樹脂層(3)がある場合には樹脂層(3)、に転写される。これにより、フッ素樹脂層(1)または(3)の表面をマット化(つや消し)することができる。マット化は、フッ素系積層フィルムをプレス成形用離型フィルムとして使用する場合には、エア抜きを容易にするために望まれる。またフッ素系積層フィルムを塗膜形成用キャリアフィルムとして使用する場合には、塗膜面をマット仕上げするために望まれる。しかし、フッ素樹脂は一般に高融点であるため、フィルム成形後の熱加工によってマット化するのが困難である。これに対して本発明の方法によれば、押出すのと同時に容易にマット化を行うことができる。マット化を目的とする場合には、フィラーの大きさは5μm〜1000μm、好ましくは20μm〜100μmであり、また、フィラーの含量は樹脂層(2)の重量に対して5重量%〜30重量%、好ましくは10重量%〜25重量%である。一方、フィラーとして上記下限値より小さいものを使用するか、より少量配合することによって、マット化することなく樹脂層(2)の保温効果を高めることができる。
【0018】
樹脂層(2)は、積層フィルムを使用する際迄には剥離されるものであるが、剥離する時期は、製造した直後から積層フィルムを使用する際までのいかなる時であってもよい。積層フィルム使用時まで剥離せずにおくことによって、フッ素樹脂層(1)又は(3)の保護フィルムとして機能させることができる。
【0019】
本発明において、フッ素樹脂層(1)の厚さは、該フッ素樹脂の結晶化温度、用途等に応じて適宜設定することができるが、通常2〜10μm、好ましくは2〜5μmである。前記下限値より薄いと、フィルム厚みのばらつきのために、フッ素樹脂層が欠けた部分が生じる可能性があり好ましくない。一方、前記上限値より厚いと、コストの上昇に見合った性能の向上が得られない。
【0020】
樹脂層(2)の厚みは、使用するフッ素樹脂層(1)の結晶化温度、厚み、押出機の口金温度等に依存して適宜設定することができるが、フッ素樹脂としてTHVを用い、該THV層の厚みが2〜10μmである場合、通常5〜500μm、好ましくは8〜20μmである。厚みが前記下限値未満では、フッ素樹脂層の温度を維持する効果が十分ではなく、一方、前記上限値を超えるとラミネート後の冷却時間が長くなり、また、フッ素樹脂からの剥離が困難となる場合がある。
【0021】
フッ素樹脂層(3)の厚みは用途に応じて適宜設定できるが、離型用途であれば、2μm〜10μm、好ましくは2μm〜5μmである。
【0022】
本発明におけるPETフィルムとしては、公知の各種延伸PETフィルムを用いることができる。また、PETの片面だけでなく、両面にフッ素樹脂層をラミネートしてよい。該PETフィルムの厚さは、5〜300μm、好ましくは25〜100μmである。前記下限値より薄いと、得られる積層フィルムの取り扱い性が悪い。一方、前記上限値より厚いと、PETフィルムの厚み精度が悪くなり、また、製造コストや廃棄物が多くなる等の問題がある。
【0023】
PETフィルムの表面には、予め接着剤、例えばアクリル変性系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリウレタン系、シランカップリング剤を塗工する。表面にこれらの接着剤が塗工された易接着性PETフィルム、例えば、特開平2000−229394号に記載されたフィルム、を使用すれば塗工工程を省くことができるので好ましい。
【0024】
本発明は、厚み精度の高いフッ素系積層フィルムにも関する。該フィルムは、フッ素フィルム表面上の任意の位置から押出し方向、即ち機械方向、に直角な方向に75cm長さに亘り、連続厚さ計の先端の端子径5mmで、測定された厚みの最大値と最小値との差(R)が2μm以下であることを特徴とする。
【0025】
薄肉のフッ素フィルムは、一般に厚み精度が悪く、特に、押出し方向(機械方向)と直角な方向の厚み精度が悪い。斯かる薄肉フッ素フィルムの厚み精度を上げる方法として、厚み精度が良いポリエステルフィルム上に、薄肉のフッ素樹脂フィルムを積層することが知られている(特開平2002−67241号公報)。しかし、該方法では、積層フィルムは予め製膜されたポリエステルフィルムとフッ素フィルムとをドライラミネートするので、ごみ、気泡等の抱き込みが起り易く、Rを3μm未満にするのは困難である。ところが、驚くことに、本発明の押出しラミネート法により、Rを2μm以下にできることが見出された。これは、押出し中に厚みの微調整を行うことが可能であり、また、フィルム上に異物があっても、押出された溶融樹脂が該異物の周囲に気泡を残すことなく回りこんで平坦な表面を形成し易いためであると考えられる。斯かる厚み精度を有する本発明のフッ素系積層フィルムは、例えば、製膜用キャリアフィルム等の厚み精度が要求される用途に好適である。本発明において、Rの測定方法については、実施例において詳述する。
【0026】
該フッ素系積層フィルムにおける、延伸ポリエステルフィルムとフッ素フィルムは、本発明の方法に関してPETフィルム及びフッ素樹脂層(1)として夫々上で述べたものと同様である。また、フッ素フィルムの上に該フッ素フィルムとは異種のフッ素フィルムが積層されていてよく、該異種のフッ素フィルムは、本発明の方法に関してフッ素樹脂からなる層(3)として述べたものであってよい。
【0027】
以下、実施例によって、本発明をより詳細に説明する。
(1)使用フィルム及びフィラーを以下に示す。各樹脂名の後の括弧内に、表1中の略称を示す。
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−1):三菱化学ポリエステル社製
易接着性延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−2):UV4(商品名)、ユニチカ(株)製
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体樹脂(THV):THV220(ダイニオン社製、結晶化温度98℃)
テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE):テフゼル290(商標)、三井・デュポンフロロケミカル(株)社製
ポリフッ化ビニリデン(PVDF):カイナー720(商品名)、エルフアトケム社製
テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体(FEP):ネオフロンFEP NP−100(商品名)、ダイキン工業(株)社製
低密度ポリエチレン(PE):日本ポリケム社製、密度0.95、MFR3g/10分
球状マイカ:クラレ社製、平均粒径50μm
【0028】
(2)フィルムの調製
表1に示す各構成のフィルムを調製した。実施例4及び5においては、10重量%のフィラーをポリエチレン樹脂に混練した樹脂を使用した。実施例6では、易接着性延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。積層フィルムは、押出機の口金温度315℃でTダイより樹脂層(1)と樹脂層(2)、実施例4及び5においては樹脂層(2)及び(3)、を共押出しし、温度90℃に設定した冷却ロールとニップロールの間で、予めアクリル変性接着剤を塗布したPETフィルム、但し、実施例6では何も塗布せずそのままのPETフィルム、の片面に、フィルムの厚みをX線連続厚さ計(横河電機製 WEBFLEX2)にてモニターしながら、積層して調製した。参考例のフィルムは、樹脂層(2)のPEを共押出ししない点を除き実施例と同様に調製した。また、比較例1のフィルムは、ドライラミネート法により調製した。調製したフィルムについて下記の各評価を行った。結果を表1に示す。
【0029】
(3)評価方法
(i)ラミネート安定性:安定してラミネートができたものをA、フィルムに皺が入る等、安定してラミネートができなかったものをBとした。
(ii)接着強度:フッ素樹脂層(1)とPETとの接着強度をJIS Z−0237に準拠し180度剥離を、5mm/分で測定した。該強度が4N/cm以上であったものをA、4N/cm未満のものをBとした。
(iii)マット性:樹脂層(2)を剥離した後に、樹脂層(3)の表面を目視により観察して、むらなくマット状(つや消し状態)になっていると認められたものをAとした。
(iv)厚み差R(μm)の測定
FILM THCKNESS TESTER(Anritsu社製)にて、先端の端子径5mmで、フィルムの機械(押出し)方向に直角な方向に75cm(全幅)長さに亘り連続的厚みを測定してその最大値と最小値との差の平均値を求め、下記基準により評価した。
A:Rが2μm以下であったもの
B:Rが2μmを超えたもの
C:Rが5μmを超えたもの
【0030】

上表から分かるように、本発明の押出しラミネート法によれば、薄肉のフッ素フィルムを、強い接着強度で積層でき、マット化も容易に行うことができる。参考例では、フッ素フィルムを安定して押出すことが困難であり、得られたフィルムの接着強度及び厚み精度に劣った。また、ドライラミネート法による比較例1のフィルムは、異物、気泡等の混入による凸部があり、厚み精度が大変に悪かった。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の方法によれば、薄いフッ素樹脂層を積層したフィルムを押出しラミネートにより安定して製造することができる。また、フッ素樹脂層表面を容易にマット化することができる。本発明のフィルムは、厚み精度に優れ、塗膜製造用キャリアフィルム等に好適である。
【符号の説明】
【0032】
1 フッ素樹脂層(1)
2 樹脂層(2)
3 延伸ポリエステルフィルム
4 積層フィルム
5 ニップロール
6 冷却ロール
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素樹脂層(1)を、該フッ素樹脂層(1)と剥離可能な樹脂層(2)と共押出し、該共押出しされたフッ素樹脂層(1)側を延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと対向させて、該延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片面上に押出しラミネートすることを特徴とするフッ素系積層フィルムの製造方法。
【請求項2】
樹脂層(2)がフィラーを含有し、フッ素樹脂層(1)の樹脂層(2)側の表面をマット化することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
樹脂層(2)とフッ素樹脂層(1)との間に、層(1)を構成するフッ素樹脂とは異種のフッ素樹脂から成り且つ樹脂層(2)と剥離可能であるフッ素樹脂層(3)をさらに共押出しすることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
樹脂層(2)がフィラーを含有し、フッ素樹脂層(3)の樹脂層(2)側の表面をマット化することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
フッ素樹脂層(1)がテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体(THV)からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
樹脂層(2)が、フッ素を含有しない樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
フッ素を含有しない樹脂がポリエチレンであることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
フッ素樹脂層(3)が、テトラフロロエチレン−エチレン共重合体樹脂、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体樹脂、及びポリフッ化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる樹脂からなることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
フィラーが、ガラス繊維、マイカ、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
フィラーの粒径が1μm〜1000μmであり、該フィラーが樹脂層(2)の全重量に対して5重量%〜30重量%で含有されることを特徴とする、請求項2〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
樹脂層(2)の厚みが8〜20μmであることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片側にフッ素樹脂フィルムが積層された積層フィルムにおいて、押出し方向に直角な方向における前記積層フィルムの最大厚みと最小厚みとの差(R)が2μm/75cm以下であることを特徴とする積層フィルム。
【請求項13】
前記フッ素樹脂がテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体(THV)であることを特徴とする請求項12記載の積層フィルム。
【請求項14】
前記フッ素樹脂がテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロオライド3元共重合体(THV)の結晶化温度が、95〜140℃であることを特徴とする請求項13記載の積層フィルム。
【請求項15】
前記フッ素樹脂フィルムの厚みが2〜10μmであり、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが5〜300μmであることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項記載の積層フィルム。

【国際公開番号】WO2004/101256
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506193(P2005−506193)
【国際出願番号】PCT/JP2004/006534
【国際出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】