説明

フレキシブル光電配線モジュール

【課題】電磁ノイズ放射の抑制を可能とする。
【解決手段】実施形態によるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路12と第1の電気配線11iと第2の電気配線11aと第3の電気配線11c,11eとを有する可撓性のフレキシブル光電配線板10と、フレキシブル光電配線板に搭載され、第1の電気配線に電気的に接続され、光配線路に光結合された光半導体素子13aと、フレキシブル光電配線板に搭載され、第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とに電気的に接続され、第1の電気配線を介して光半導体素子を駆動し、第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位を供給される駆動IC14aと、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端に延在する第4の電気配線11gと、第4の電気配線に電気的に接続された周波数フィルタ15と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、周波数フィルタを搭載したフレキシブル光電配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の機械的可動部や曲面部に配設する配線として、可撓性を有するフレキシブル配線板が用いられている。また、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ等の電子デバイスの性能向上により、大規模集積回路(LSI)の飛躍的な動作速度の向上が図られ、それを接続する電気配線の速度制限や電磁ノイズ誤動作が問題となってきている。このような問題に対応するため、高速信号を光で配線するフレキシブル光電配線モジュールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−80451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電磁ノイズ放射の抑制を可能としたフレキシブル光電配線モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位を供給される駆動ICと、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端に延在する第4の電気配線と、前記第4の電気配線に電気的に接続された周波数フィルタと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図1B】第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図2】第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3A】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3B】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図3C】第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【図4】第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールは、例えば、携帯電話やノートPCといった電子機器において、情報処理プロセッサが出力する映像信号をディスプレイまで伝送するための配線モジュールとして用いることができる。
【0008】
実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールは、光配線路と電気配線を有するフレキシブル光電配線板に、光半導体素子と光半導体素子を駆動する駆動ICを搭載したものである。フレキシブル光電配線モジュールは、一端(例えばアプリケーションプロセッサ側)から入力された電気信号を光信号に変換して光伝送し、他端(例えばディスプレイ側)において光信号を電気信号に変換して出力する。光信号は、電磁ノイズを放射しない。このため、信号を光伝送するフレキシブル光電配線モジュールは、信号を電気伝送するフレキシブル配線モジュールに比べて、電磁ノイズ放射の低減が可能である。
【0009】
このように光信号伝送が可能な一方で、フレキシブル光電配線モジュールには、一端から他端に電力を供給するための電気配線(電源配線)が依然として必要である。そのため、光半導体素子、駆動IC、信号を入出力する電気配線、駆動ICに電力を供給する電気配線から電磁ノイズが放射されて上述の電源配線に結合すると、今度はこの電源配線がノイズ源となり、フレキシブル光電配線モジュール全体から電磁ノイズが放射されてしまう。
【0010】
そこで、実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールでは、フィルタを搭載することで、電源配線等の電気配線にノイズが結合した場合に、ノイズが電気配線を伝導することの抑制を図っている。これにより、フレキシブル光電配線モジュールからの電磁ノイズ放射を抑制し、電磁ノイズを放射しないという光配線のメリットを最大限享受することが可能になる。
【0011】
以下、図面を参照しながら本実施形態について説明する。ここでは、幾つか具体的材料や構成を例に用いて説明するが、同様な機能を持つ材料や構成であれば、実施可能である。したがって、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
[1]第1の実施形態
図1A及び図1Bを用いて、第1の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図1A(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図1A(b)は、図1A(a)のIAB−IAB線に沿った配線長方向の断面図、図1A(c)は、周波数フィルタ付近の拡大図である。図1B(a)乃至(d)は、周波数フィルタの配置例を説明するための駆動IC付近の拡大図である。
【0013】
[1−1]フレキシブル光電配線モジュール
図1A(a)に示すように、第1の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールは、電気配線11(11a〜11j)と光配線路(光導波路コア)12を有するフレキシブル光電配線板10に、光半導体素子13(発光素子13a、受光素子13b)、駆動IC14(14a,14b)、周波数フィルタ15(15a,15b)を搭載する。電気配線11は、信号入力配線11a、信号出力配線11b、駆動IC14aの電源配線11cとグランド配線11e、駆動IC14bの電源配線11dとグランド配線11f、発光素子13aと駆動IC14aを接続する配線11i、受光素子13bと駆動IC14bを接続する配線11j、フレキシブル光電配線板10の一端から他端に延在するその他の電気配線11g,11hを有する。光半導体素子13と駆動IC14が搭載された領域は、配線長方向に離間する一対の端部領域A(A1,A2)に位置し、この端部領域Aの間に配線領域Bが設けられている。
【0014】
本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、電気配線11aから入力される電気信号に応じて駆動IC14aが発光素子13aを駆動し、受光素子13bが生成する受光電流を駆動IC14bが増幅して電気配線11bに電気信号を出力することで、高速の信号伝送(例えば3Gbps)が可能である。また、その他の電気配線11g,11hを用いて、フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端への電力供給や、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit)やSPI(Serial Peripheral Interface)といった低速の信号伝送(例えば10kbps)が可能である。
【0015】
[1−2]周波数フィルタ
第1の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、周波数フィルタ15(15a,15b)が電気配線11g,11hに電気的に接続されている。この周波数フィルタ15は、例えば、チップフェライトビーズ、チップコンデンサ、チップインダクタ又はそれらの組み合わせ等で構成される。
【0016】
図1A(a)、図1B(a)乃至(d)に示すように、端部領域A1,A2は、入出力領域A11,A21と、駆動IC領域A12,A22と、光素子領域A13,A23に分けられる。以下に、図1B(a)乃至(d)を用いて、周波数フィルタ15a(15b)を、入出力領域A11(A21)、駆動IC領域A12(A22)、光素子領域A13(A23)、配線領域Bにそれぞれ配置した場合の効果について説明する。なお、周波数フィルタ15a,15bが、入出力領域A11,A21、駆動IC領域A12,A22、光素子領域A13,A23、配線領域Bのどの領域に位置するかについては、周波数フィルタ15aの場合はフレキシブル光電配線板10の端部領域A1側の端A10側を向いた側面の位置、周波数フィルタ15bの場合はフレキシブル光電配線板10の端部領域A2側の端A20側を向いた側面の位置で判断することが望ましい。
【0017】
図1B(a)は、入出力領域A11に周波数フィルタ15aを搭載した場合を示す。本図では、周波数フィルタ15aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10側の側面は、駆動IC14aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10側の側面よりもフレキシブル光電配線板10の端A10側に位置している。この場合、フレキシブル光電配線板10に接続した外部回路から直接入力されたノイズや、フレキシブル光電配線板10と外部回路との接続部(例えば、FPCコネクタ接続部)において発生したノイズが、配線領域Bへ伝導することを抑制することが可能である。また、入出力領域A11から発生したノイズが配線領域Bに結合することを一部抑制することが可能である。
【0018】
図1B(b)は、駆動IC領域A12に周波数フィルタ15aを搭載した場合を示す。本図では、周波数フィルタ15aは、配線長方向と垂直な方向の駆動IC14aの側面領域に配置され、周波数フィルタ15aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10側の側面は、駆動IC14aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10側の側面よりもフレキシブル光電配線板10の端A20側に位置し、かつ、駆動IC14aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A20側の側面よりもフレキシブル光電配線板10の端A10側に位置している。この場合、入出力領域A11に周波数フィルタ15aを搭載した場合に得られる効果に加え、入出力領域A11から発生したノイズが配線領域Bに結合することをより効率的に抑制することが可能である。また、駆動IC14aから発生したノイズが配線領域Bに結合することを一部抑制することが可能である。
【0019】
図1B(c)は、光素子領域A13に周波数フィルタ15aを搭載した場合を示す。本図では、周波数フィルタ15aは、配線長方向と垂直な方向の光半導体素子13aの側面領域に配置され、周波数フィルタ15aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10側の側面は、駆動IC14aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A20側の側面よりもフレキシブル光電配線板10の端A20側に位置し、かつ、光半導体素子13aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A20側の側面よりもフレキシブル光電配線板10の端A10側に位置している。この場合、駆動IC領域A12に周波数フィルタ15aを搭載した場合に得られる効果に加え、駆動IC領域A12から発生したノイズが配線領域Bに結合することをより効率的に抑制することが可能である。また、光半導体素子13aや電気配線11iから発生したノイズが配線領域Bに結合することを一部抑制することが可能である。
【0020】
図1B(d)は、配線領域Bに周波数フィルタ15aを搭載した場合を示す。本図では、周波数フィルタ15aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10側の側面は、光半導体素子13aの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A20側の側面よりもフレキシブル光電配線板10の端A20側に位置している。この場合、光素子領域A13に周波数フィルタ15aを搭載した場合に得られる効果に加え、光素子領域A13から発生したノイズが配線領域Bに結合することをより効率的に抑制することが可能である。
【0021】
ここで、周波数フィルタ15a,15bは、配線領域Bにおいて、電気配線11g,11h上の配線長方向の任意の位置に配置することが可能であるが、端部領域A1,A2から離して配置すると、電気配線11g,11hのうち端部領域A1,A2と周波数フィルタ15a,15bとの間の領域からも電磁ノイズが放射される場合がある。従って、周波数フィルタ15a,15bは、配線領域B内であって、かつ、端部領域A1,A2に近接して配置することにより、電磁ノイズ放射を抑制する効果を最大限享受することが可能となる。つまり、周波数フィルタ15aは、配線領域B内の端部領域A1側の端部に配置され、周波数フィルタ15bは、配線領域B内の端部領域A2側の端部に配置されていることが望ましい。周波数フィルタ15a(15b)の側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A10(A20)側の側面は、光半導体素子13a,13bの側面のうちフレキシブル光電配線板10の端A20(A10)側の側面と同一平面上にあってもよい。
【0022】
なお、図1B(a)乃至(d)では、周波数フィルタ15aは、複数の電気配線11gに1個だけ搭載されているが、これに限定されない。例えば、周波数フィルタ15a,15bは、電気配線11g,11hの中の全ての電気配線に1個ずつ搭載する、電気配線11g,11hの中の1つの電気配線に2個以上搭載する等でも良い。また、周波数フィルタ15a,15bは、端部領域A1,A2間で、対称な同じ位置に配置されても良いし、異なる位置に配置されても良い。周波数フィルタ15a,15bの搭載数、大きさ、形状、種類等は、端部領域A1,A2間で、同じでも良いし、異なっても良い。
【0023】
図1A(c)に示すように、周波数フィルタ15aは、例えば直列に挿入する場合、電気配線11hの分断された領域上に搭載され、電気接続端子19を介して電気配線11hに接続されている。並列に挿入する場合は、電気配線11hのうち異なる2本の電気配線間に接続される。周波数フィルタ15aの幅(電気配線11hの配線長方向に対して垂直方向の幅)は、電気配線11hの幅よりも大きくても良いし、同じ又は小さくても良い。
【0024】
[1−3]フレキシブル光電配線板
図1A(b)に示すように、フレキシブル光電配線板10は、ベースフィルム20(例えばポリイミド、厚さ25μm)、電気配線11(11a〜11j)(例えば圧延Cu、厚さ12μm)、光配線路(光導波路コア)12(例えば厚さ30μm)、光導波路クラッド21(21a,21b)(例えば合計厚さ50μm)、カバーレイ22(例えばポリイミド、厚さ25μm)を積層して貼り合わせたラミネート構造を有する。また、フレキシブル光電配線板10は、可撓性を有し、例えば幅10mm、長さ150mmである。
【0025】
[1−4]電気配線
図1A(b)に示すように、電気配線11として用いるCu箔は、接着層を介してベースフィルム20と一体化したものや、Cu箔を表面粗化してベースフィルム20に直接熱圧着したものを用いれば良い。電気配線11は、ベースフィルム20上に積層したCu箔のパターニングで形成し、その一部に例えばNi/Au(例えば厚さ5μm/0.3μm)をメッキして電気接続端子として用いても良い。電気配線11の一部は、光半導体素子13や駆動IC14に接続し、電気入出力による光信号の伝送が可能である。なお、電気配線11のパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。また、電気配線11の表面は、電気接続端子や放熱用のランド等を除き、カバーレイやフォトレジストを積層して絶縁することが望ましい。
【0026】
[1−5]光配線
図1A(b)に示すように、光導波路コア12及び光導波路クラッド21は、光伝送波長に対して透明な材料(例えばアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂)であり、これらが光配線層を構成する。この光配線層を形成するには、ベースフィルム20上に第1の光導波路クラッド21a(例えば厚さ10μm)、光導波路コア12を順に積層して貼り合わせ、上記した電気配線11のパターニング形状に合わせて光導波路コア12をパターニングする。続いて、第2の光導波路クラッド21b(例えば厚さ40μm)をパターニングされた光導波路コア12上に積層して貼り合わせる。光導波路コア12は、光導波路クラッド21よりも屈折率が高いため、光配線路である光導波路コア12に入射した光は、光導波路コア12に閉じ込められて伝播する。
【0027】
上述のように光配線層を形成することで、光導波路コア12と電気配線11の位置合わせを非常に高精度に行うことができる。これにより、フレキシブル光電配線板10では、例えば個別に形成した光のフレキシブル配線板と電気のフレキシブル配線板を位置合わせして貼り合わせた複合型のフレキシブル光電配線板に比し、光半導体素子13と光導波路コア12との位置合わせ精度を高くすることができる。さらに、温度変化による光半導体素子13と光導波路コア12との相対位置変動を小さくすることができ、生産性や信頼性の高いフレキシブル光電配線モジュールが実現できる。
【0028】
なお、上記した光導波路コア12は、感光して屈折率が変化する樹脂を光導波路フィルムとして用い、この光導波路フィルムへのパターン露光によって形成することも可能である。また、上記した光配線層の形成方法では、まず電気配線11を形成し、電気配線11のパターニング形状に位置合わせして光導波路コア12をパターニング形成する例を示したが、逆に、まず光配線層を形成し、光導波路コア12のパターニング形状に位置合わせして電気配線11をパターニング形成することもできる。なお、光導波路コア12の本数及びパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。
【0029】
光導波路コア12の両端には、45度ミラーを設けている。これにより、光導波路コア12を伝播する光をフレキシブル光電配線板10の表面に対してほぼ垂直方向に取り出すこと、及びフレキシブル光電配線板10の表面に対してほぼ垂直方向から入射した光を光導波路コア12に結合することができる。45度ミラーは、例えばレーザアブレーション、ダイシング、プレス加工等で形成可能であり、反射率向上のためミラー面に金属(例えばAu等)を蒸着しても良い。なお、45度ミラーの角度(光の進行方向に対する角度)は、正確に45度でなくとも良いが、実効的には30度から60度の範囲に収めることが望ましい。
【0030】
[1−6]光半導体素子
光半導体素子13は、例えばGaAs基板に作製した発光素子13a又は受光素子13bを用い、発光又は受光波長を例えば850nmとする。発光素子13aとして、例えば面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:VCSEL)を用いることができる。受光素子13bとして、例えばPINフォトダイオード(Photo Diode:PD)を用いることができる。
【0031】
光半導体素子13は、その発光部又は受光部が光導波路コア12に形成した45度ミラーと対向するように位置合わせして、例えば超音波フリップチップ実装法を用いて搭載する。これにより、光導波路コア12の一端側に搭載された発光素子13aと他端側に搭載された受光素子13bは、光導波路コア12を通して光結合しており、フレキシブル光電配線モジュールの一端側と他端側の間で光信号伝送を行うことができる。また、光半導体素子13は、光半導体素子13に形成されたAuバンプ17を介して電気配線11(11i,11j)に電気的に接続しており、これにより電気入出力で光信号の伝送が可能である。電気接続方法として、例えば、半田バンプによるバンプ接続や、ワイヤボンディング接続を用いても良い。
【0032】
なお、光半導体素子13は、化合物半導体(例えば、GaAlAs/GaAs,InGaAs/InP,SiGe等)やSi、Ge等の基板に形成しても良いし、発光又は受光波長は、必要に応じて適宜変更可能である。また、光半導体素子13として、1つのチップ内に複数の光素子が形成されたアレイチップを用いても良いし、1つのチップ内に発光素子と受光素子の両方が形成された光半導体素子を用いても良い。さらに、光半導体素子13として、1つの素子で発光と受光の両方が可能な光半導体素子を用いても良い。
【0033】
また、図1A(a)では、フレキシブル光電配線板10の一端側に発光素子13aを1つ、他端側に受光素子13bを1つ搭載しているが、更に別の光半導体素子を搭載しても良い。図1A(a)では、光信号の伝送方向をフレキシブル光電配線板10の一端側から他端側への単方向としているが、一端側に受光素子、他端側に発光素子を搭載して、図1A(a)とは逆方向の光信号伝送を行っても良いし、一端側に発光素子と受光素子、他端側に受光素子と発光素子を搭載して双方向の光信号伝送を行っても良い。
【0034】
また、光半導体素子13である発光素子13aは、発光ダイオードや半導体レーザ等、種々の発光素子が使用可能である。光半導体素子13である受光素子13bは、PINフォトダイオード、MSMフォトダイオード、アバランシェ・フォトダイオード、フォトコンダクター等、種々の受光素子が使用可能である。
【0035】
[1−7]駆動IC
駆動IC14は、例えば超音波フリップチップ実装法を用いてフレキシブル光電配線板10に搭載し、駆動IC14に形成されたAuバンプ17を介して電気配線11(11a,11b)に電気的に接続している。駆動IC14aは、電気配線11aから入力される電気信号に応じて発光素子13aにバイアス電流及びドライブ電流を供給する。駆動IC14bは、受光素子13bに逆バイアス電圧を印加すると共に、受光素子13bが生成する受光電流を増幅し、電気配線11bに電気信号を出力する。なお、駆動IC14は、駆動IC14a,14bの両方の機能を有する駆動IC(トランシーバ)であっても良い。更に、例えばパラレル電気信号をシリアル電気信号に変換するシリアライズ機能、シリアル電気信号をパラレル電気信号に変換するデシリアライズ機能等の別の回路機能を有しても良い。上述の発光素子13a用の駆動IC14aにシリアライズ機能を搭載し、上述の受光素子13b用の駆動IC14bにデシリアライズ機能を搭載すれば、複数の電気入力信号を、少数の光信号に変換して伝送することができる。
【0036】
[1−8]その他
光半導体素子13及び駆動IC14の底面及び側面には、アンダーフィル樹脂18が塗布されている。アンダーフィル樹脂18は、例えばエポキシ系樹脂であって、例えば加熱又は紫外線照射等によって固化してある。アンダーフィル樹脂18により、電気配線11と光半導体素子13及び駆動IC14との電気接続を高信頼で保持できる。また、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできる空隙を埋めて光結合効率を向上するとともに、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできる空隙での光の反射を抑制することが可能であり、高効率且つ高信頼の光結合が可能となる。
【0037】
なお、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできた空隙の充填に用いるアンダーフィル樹脂と、電気配線11と光半導体素子13及び駆動IC14との電気接続の保持に用いるアンダーフィル樹脂は異なる樹脂を用いても良い。何れの場合にも、光半導体素子13と光導波路コア12との間にできた空隙の充填に用いるアンダーフィル樹脂は、光伝送波長に対して透明であることが望ましい。
【0038】
第2の光導波路クラッド21b上には、例えばエポキシ系樹脂からなる接着層を介してカバーレイ22を積層してある。これにより光配線層の保護が可能である。
【0039】
光半導体素子13及び駆動IC14が搭載されている領域を含むフレキシブル光電配線モジュールの両端部の裏面に、例えば厚さ100μmのポリイミドからなる補強板をさらに積層しても良い。これにより、チップ搭載部の可撓性を低減し、光半導体素子13、駆動IC14の実装を容易にすることや、フレキシブル光電配線板の屈曲により光半導体素子13、駆動IC14にダメージが入ることを防ぐことができる。
【0040】
[1−9]効果
以上のように、第1の実施形態によれば、光配線路12と電気配線11を有するフレキシブル光電配線板10に、光半導体素子13a,13b、光半導体素子13a,13bを駆動する駆動IC14a,14bを搭載し、周波数フィルタ15を電気配線11g,11hに電気的に接続する。これにより、端部領域A1,A2において光半導体素子13a,13bや駆動IC14a,14bの動作によって発生し電気配線11g,11hに結合した電磁ノイズが、配線領域B内の電気配線11g,11hへ伝導することを抑制することが可能である。このため、フレキシブル光電配線モジュール全体からの電磁ノイズ放射を大幅に抑制することが可能である。
【0041】
[2]第2の実施形態
第2の実施形態は、フレキシブル電気配線板を用い、第1の実施形態に比し、フレキシブル光電配線モジュールのコストを低減した例である。
【0042】
以下に、図2を用いて、第2の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図2(a)は、フレキシブル光電配線モジュールの上面図、図2(b)は、図2(a)のIIB−IIB線に沿った配線長方向の断面図である。なお、図2では、図1Aと同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0043】
[2−1]フレキシブル光電配線モジュール
図2に示すように、第2の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10(例えば幅1mm、長さ10mm)が接着シート40を介してフレキシブル電気配線板30(例えば幅10mm、長さ150mm)に搭載され、フレキシブル光電配線板10の電気配線11(11a〜11f)とフレキシブル電気配線板30の電気配線31(31a〜31f)がワイヤボンディング41(41a,41b)でそれぞれ電気的に接続されている。フレキシブル光電配線板10の光半導体素子13a,13bと駆動IC14a,14bが搭載される回路部分は、端部領域A1,A2に配置されている。
【0044】
本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑え、電力供給や低速信号伝送の一部をフレキシブル電気配線板30の電気配線31で行うことで、第1の実施形態に比べてコストの低減が可能である。なお、図2には示していないが、フレキシブル光電配線板10の一端から他端に延在する電気配線(図1Aにおける、電気配線11g,11hに相当)を設け、これにより電力供給や低速信号伝送の一部を行なっても良い。この場合、この電気配線にも周波数フィルタを挿入することが望ましい。
【0045】
なお、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載したが、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の表面に搭載するか、フレキシブル光電配線板10の表面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載するか、フレキシブル光電配線板10の裏面をフレキシブル電気配線板30の裏面に搭載しても良い。
【0046】
また、本実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10の電気配線11とフレキシブル電気配線板30の電気配線31の電気的な接続にワイヤボンディング41を用いたが、インクジェット配線、スタッドバンプ、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)、異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste:ACP)を用いて電気配線11と電気配線31を接続しても良い。
【0047】
[2−2]周波数フィルタ
図2(a)に示すように、本実施形態では、周波数フィルタ15a,15bは、フレキシブル電気配線板30に搭載された電気配線31g,31hに電気的に接続されている。周波数フィルタ15aは、端部領域A1側の配線領域B内の端部に配置され、周波数フィルタ15bは、端部領域A2側の配線領域B内の端部に配置されている。
【0048】
なお、第2の実施形態における周波数フィルタ15a,15bは、第1の実施形態と同様、配置箇所、数、形状、大きさ等、種々変更可能である。
【0049】
[2−3]フレキシブル電気配線板
図2(b)に示すように、フレキシブル電気配線板30は、可撓性を有するものであり、電気配線31(例えば圧延Cu箔、厚さ12μm)、ベースフィルム32(例えばポリイミド、厚さ25μm)、補強板33(例えばポリイミド、厚さ100μm)等から構成される。フレキシブル電気配線板30は、電気配線31、ベースフィルム32及び補強板33を積層して貼り合わせたラミネート構造を有し、例えば幅10mm、長さ150mmである。
【0050】
電気配線31として用いるCu箔は、接着層を介してベースフィルム32と一体化したものや、Cu箔を表面粗化してベースフィルム32に直接熱圧着したものを用いれば良い。電気配線31は、ベースフィルム32上に積層したCu箔のパターニングで形成し、その一部に例えばNi/Au(例えば厚さ5μm/0.3μm)をメッキして電気接続端子として用いても良い。なお、電気配線31のパターニング形状は、必要に応じて適宜変更可能である。また、電気配線31の表面は、電気接続端子や放熱用のランド等を除き、カバーレイやフォトレジストを積層して絶縁することが望ましい。
【0051】
接着シート40は、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30を接着固定する。接着シート40としては、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる粘着剤をシート状に成形したものや、ポリイミド等の樹脂フィルム又はAlやCu等の金属箔からなる基材の両面に上記の粘着剤からなる粘着層を形成したもの等を用いることができる。接着シート40の厚みは、例えば50μmとする。なお、図2(b)では、接着シート40は、フレキシブル光電配線板10の両端に位置する光半導体素子13や駆動IC14の搭載部分近傍に設けているが、フレキシブル光電配線板の一端から他端まで至る1枚の接着シートを設けても良い。また、接着シート40を用いる代わりに、例えばモールド樹脂でフレキシブル光電配線板10をフレキシブル電気配線板30に固定しても良い。
【0052】
[2−4]効果
以上のように、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、電気配線31a,31hに周波数フィルタ15a,15bを電気的に接続する。このため、フレキシブル光電配線モジュールの電磁ノイズ放射の抑制が可能である。
【0053】
さらに、第2の実施形態では、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑え、フレキシブル電気配線板30の電気配線31で電力供給や低速信号伝送を行う構成にしていることにより、第1の実施形態に比べてコストの低減が可能である。
【0054】
[3]第3の実施形態
第3の実施形態は、フレキシブル光電配線モジュールの配線領域Bの屈曲性又は捻回性を向上し、さらに、周波数フィルタ15a,15bの重なりによる信頼性の低下を抑制した例である。
【0055】
図3A乃至図3Cを用いて、第3の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。図3A及び図3Bは、フレキシブル光電配線モジュールの上面図である。なお、図3Cでは、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の外形のみを示し、他の部分は省略しているが、具体的な構成は、他の実施形態の構成を適用することが可能である。
【0056】
[3−1]フレキシブル光電配線モジュール
図3A乃至図3Cに示すように、第3の実施形態のフレキシブル光電配線モジュールでは、フレキシブル光電配線板10又はフレキシブル電気配線板30の配線長方向に平行する貫通スリット50(例えば幅0.1mm)を少なくとも1つ設け、フレキシブル光電配線板10又はフレキシブル電気配線板30の配線領域Bを複数の配線フィン52(細線)(例えば幅1mm)に分割している。
【0057】
図3Aの例では、貫通スリット50は、フレキシブル光電配線板10に形成され、周波数フィルタ15a,15b間に位置している。つまり、貫通スリット50は、周波数フィルタ15a,15bよりも、フレキシブル光電配線板10の中央部側に位置する。周波数フィルタ15a,15bは、フレキシブル光電配線10の配線フィン52とフレキシブル光電配線板10の端部領域A1,A2との間に配置されている。
【0058】
図3Bの例では、貫通スリット50は、フレキシブル電気配線板30に形成され、周波数フィルタ15a,15b間に位置している。つまり、貫通スリット50は、周波数フィルタ15a,15bよりも、フレキシブル電気配線板30の中央部側に位置する。フレキシブル光電配線板10は、フレキシブル電気配線板30における分割された1つの配線フィン52上に搭載されている。周波数フィルタ15a,15bは、フレキシブル電気配線30の配線フィン52とフレキシブル電気配線板30の端部領域A1,A2との間に配置されている。
【0059】
図3C(a)では、説明を簡単にするため、フレキシブル光電配線板10、フレキシブル電気配線板30の外形及び貫通スリット50のみを示している。図3C(b)に示すように、図3C(a)に示したフレキシブル光電配線モジュールは、フレキシブル光電配線モジュールの一方の端部領域A1、配線領域B、他方の端部領域A2をクランク形になるように配置し、隣接する配線フィン52の表面と裏面とが対向するように複数の配線フィン52を重ね、束線帯51を用いて複数の配線フィン52を束ねる。この際、束線帯51は、周波数フィルタ15a,15bよりもフレキシブル光電配線モジュールの中央部側に位置している。これにより、配線領域Bが1束の細いフレキシブル配線板として扱うことができる。このため、屈曲動作に加えて回転動作や捻り動作等にも対応することが可能である。
【0060】
なお、全ての配線フィン52の幅、間隔は、ほぼ同等にすることが望ましい。これにより、フレキシブル光電配線モジュールを上述のように束線した際に、一部の配線フィン52に張力が集中することを抑制できる。また、複数の配線フィン52の全てが同等に引っ張られるため、複数の配線フィン52を束ねた領域において複数の配線フィン52の整列性が良く、一部の配線フィン52がばらけることもない。なお、フレキシブル光電配線モジュールの配線フィン52の重ね方は、他の方法(例えば、隣接する配線フィン52の表面と表面又は裏面と裏面が対向するように複数の配線フィン52を重ねる)を用いても良い。
【0061】
束線帯51は、例えば弗素樹脂系のシールテープを用いることができる。束線帯51には粘着剤のないテープを用い、束線帯51の内側で各配線フィン52が動けるようにしておくことが望ましい。これにより、配線フィン52のたるみや応力を取り除くことができる。なお、束線帯51の数は必要に応じて適宜変更可能であるし、個別の束線帯ではなく、例えば束ねた配線フィン52の一端から他端まで連続した束線帯を用いても良い。また、束ねた複数の配線フィン52がばらける恐れがない場合やばらけても構わない場合は、束線帯51を用いなくても良い。貫通スリット50を形成する部分には電気配線を設けないことが望ましい。
【0062】
フレキシブル光電配線板10は、その全面をフレキシブル電気配線板30に貼り付けても良いし、その端部近傍領域のみをフレキシブル電気配線板30に貼り付けても良い。また、フレキシブル光電配線板10を配置する箇所のフレキシブル電気配線板30の配線フィン52を除去してもよい。この場合、配線領域においてフレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の重なりが無くなり、フレキシブル光電配線モジュールの配線領域Bを屈曲や摺動する際の最小曲げ半径を小さくすることができる。さらに、フレキシブル光電配線板10とフレキシブル電気配線板30の擦れを無くして、繰り返し屈曲及び摺動に対する耐久性を向上させることができる。
【0063】
[3−2]効果
以上のように、第3の実施形態では、上述した第1及び第2の実施形態と同様、電気配線11a,11h又は31a,31hに周波数フィルタ15a,15bを電気的に接続する。このため、フレキシブル光電配線モジュールの電磁ノイズ放射の抑制が可能である。
【0064】
また、図3B及び図3Cの第2の実施形態では、フレキシブル光電配線板10の面積を必要最小限に抑えることにより、フレキシブル光電配線板10のみで全ての電気配線及び光信号伝送を行う場合に比べてコストの低減が可能である。
【0065】
また、第3の実施形態では、電気配線11a,11h又は31a,31hに接続する周波数フィルタ15a,15bが、配線フィン52と端部領域A1,A2との間に配置されている。そして、図3C(b)のように、フレキシブル光電配線モジュールの配線フィン52を積層して束ねた場合、周波数フィルタ15a,15bよりもフレキシブル光電配線モジュールの中央部側に束線帯51を設けているため、周波数フィルタ15a,15b同士が重なることがない。このため、フレキシブル光電配線モジュールの不要な撚れの発生や、周波数フィルタ15a,15bを介した異なる電気配線間の短絡を防止することが可能となる。
【0066】
[4]第4の実施形態
第4の実施形態は、複数の周波数フィルタ15を交互にずらして配置した例を示す。
【0067】
以下に、図4を用いて、第4の実施形態に係わるフレキシブル光電配線モジュールの概略的な構成を説明する。なお、図4では、図1Aと同一部分には同一符号を付し、同じ構成についての詳しい説明は省略する。
【0068】
[4−1]周波数フィルタ
図4に示すように、第4の実施形態では、配線領域B内の左側端部において、上下(配線長方向と垂直な方向)に隣り合う電気配線11g,11hに接続された周波数フィルタ15a1,15a2は、左右(配線長方向)に交互にずらして(配線長方向に対して垂直方向に並ばないように)配列されている。同様に、配線領域B内の右側端部において、上下に隣り合う電気配線11g,11hに接続された周波数フィルタ15b1,15b2は、左右に交互にずらして(配線長方向に対して垂直方向に並ばないように)配列されている。
【0069】
なお、図4において、周波数フィルタ15a1と15a2の配線長方向の位置関係が逆になっていても良いし、周波数フィルタ15b1と15b2の配線長方向の位置関係が逆になっていても良い。また、周波数フィルタ15a1,15a2,15b1,15b2は、配線領域B内に配置されることに限定されず、入出力領域A11,A21、駆動IC領域A12,A22、光素子領域A13,A23内に配置することも可能である。また、第4の実施形態では、第2の実施形態のように、フレキシブル電気配線板30を用いても良いし、第3の実施形態のように貫通スリット50を設けても良い。
【0070】
[4−2]効果
以上のように、第4の実施形態では、上述した第1の実施形態と同様、電気配線11a,11hに周波数フィルタ15a1,15a2,15b1,15b2を電気的に接続する。このため、フレキシブル光電配線モジュールの電磁ノイズ放射の抑制が可能である。
【0071】
また、第4の実施形態では、隣り合う電気配線11g,11hに接続された周波数フィルタ15a1,15a2,15b1,15b2を、交互にずらして配置している。このため、配線長方向を軸とする円筒状にフレキシブル光電配線板10を丸める場合や、第3の実施形態のように貫通スリット50によって分けられた配線フィン52を束ねる場合に、周波数フィルタ15a1,15a2,15b1,15b2同士の干渉を抑制することが可能である。
【0072】
上述した各実施形態は、種々変更可能である。例えば、フレキシブル電気配線板30には、FPCやFFC(Flexible Flat Cable)等を適用することも可能である。フレキシブル電気配線板30及びフレキシブル光電配線板10のベースフィルムには、ポリイミドの他、液晶ポリマーや他の樹脂を用いることができる。フレキシブル電気配線板30の電気配線31は、単層でも多層でも構わない。フレキシブル光電配線板10の電気配線11及び光配線層は、単層でも多層でも構わない。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10…フレキシブル光電配線板、11…電気配線、12…光配線路、13…光半導体素子、14…駆動IC、15…周波数フィルタ、17…バンプ、18…アンダーフィル樹脂、19…電気接続端子、20…ベースフィルム、21…クラッド、22…カバーフィルム、30…フレキシブル電気配線板、31…電気配線、32…ベースフィルム、33…補強板、40…接着シート、41…ボンディングワイヤ、50…貫通スリット、51…束線帯、52…配線フィン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位を供給される駆動ICと、
前記第2の電気配線と電気的に接続される第4の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板と、
前記フレキシブル光電配線板又は前記フレキシブル電気配線板に搭載され、前記フレキシブル光電配線板又は前記フレキシブル電気配線板の一端から他端に延在する複数の第6の電気配線と、
前記第6の電気配線に電気的に接続された複数の周波数フィルタと、
を具備し、
前記フレキシブル光電配線板又は前記フレキシブル電気配線板には、前記第6の電気配線の配線長方向に離間する一対の端部領域及び前記端部領域に挟まれた配線領域が設けられ、
前記配線領域は、少なくとも1つの貫通スリットによって複数の配線フィンに分割され、
前記光半導体素子と前記駆動ICと前記周波数フィルタは、前記端部領域に搭載され、
前記周波数フィルタの側面のうち前記配線領域側とは反対側の側面は、前記周波数フィルタと同じ側の前記端部領域に搭載されている前記光半導体素子の側面のうち前記配線領域側の側面よりも、前記配線領域側に位置し、
前記複数の周波数フィルタのうち異なる2つの周波数フィルタは、前記第6の電気配線の配線長方向に対して垂直方向に並ばないように配列される、フレキシブル光電配線モジュール。
【請求項2】
光配線路と第1の電気配線と第2の電気配線と第3の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル光電配線板と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線に電気的に接続され、前記光配線路に光結合された光半導体素子と、
前記フレキシブル光電配線板に搭載され、前記第1の電気配線と前記第2の電気配線と前記第3の電気配線とに電気的に接続され、前記第1の電気配線を介して前記光半導体素子を駆動し、前記第2の電気配線を介して電気信号を入出力し、前記第3の電気配線を介して電源電位及びグランド電位を供給される駆動ICと、
フレキシブル光電配線モジュールの一端から他端に延在する第4の電気配線と、
前記第4の電気配線に電気的に接続された周波数フィルタと、
を具備するフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項3】
前記第2の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第6の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板をさらに具備し、
前記第4の電気配線及び前記周波数フィルタは、前記フレキシブル電気配線板に搭載される、請求項2記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項4】
前記第2の電気配線と電気的に接続される第5の電気配線と前記第3の電気配線と電気的に接続される第6の電気配線と前記第4の電気配線と電気的に接続される第7の電気配線とを有する可撓性のフレキシブル電気配線板をさらに具備し、
前記周波数フィルタは、前記フレキシブル光電配線板の前記第4の電気配線又は前記フレキシブル電気配線板の前記第7の電気配線に電気的に接続される、請求項第2記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項5】
前記フレキシブル光電配線板又は前記フレキシブル電気配線板には、前記第4の電気配線の配線長方向に離間する一対の端部領域及び前記端部領域に挟まれた配線領域が設けられ、
前記配線領域は、少なくとも1つの貫通スリットによって複数の配線フィンに分割され、
前記周波数フィルタは、前記端部領域に搭載される、請求項2乃至4のいずれか1項記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項6】
前記周波数フィルタは、前記光半導体素子の側面のうち前記第4の電気配線の配線長方向と垂直な方向の前記光半導体素子の側面側の領域に配置される、請求項2乃至5のいずれか1項記載のフレキシブル光電配線モジュール。
【請求項7】
前記周波数フィルタの側面のうち前記配線領域側とは反対側の側面は、前記光半導体素子の側面のうち前記配線領域側の側面よりも、前記配線領域側に位置する、請求項2乃至5のいずれか1項記載のフレキシブル光電配線モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−104945(P2013−104945A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247282(P2011−247282)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】