説明

フロントドーザ用油圧回路

【課題】フロントドーザを装着した作業車両でブレードを接地して前輪を浮かせる際にシリンダ装置が一時停止することを抑制すること。
【解決手段】フロントドーザ用油圧回路は、フロントドーザのブレードを作業車両に対して揺動させるために伸縮するシリンダ装置4と、切換弁9を備える。切換弁9は、ポートP1〜P3を有する。ポートP1は第1の流通路W1を介してシリンダ装置4の圧力室S1に接続する。ポートP2は第2の流通路W2を介してシリンダ装置4の圧力室S2に接続する。ポートP3は、第3の流通路W3を介してポンプPの吐出口に接続する。切換弁9は、第1セクションC1と、第2セクションC2と、第3セクションC3とを切り換え可能に備えている。第3セクションC3は、第1〜第3の流通路W1〜W3を相互に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントドーザに使用される油圧回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既に周知のように、整地、除雪等を行なうブルドーザと同様の機能を得るために、トラクタ等の作業車両の前側に、フロントドーザと呼ばれる機械を装着する場合がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図7に、この種のフロントドーザを装着した状態の作業車両を例示する。このフロントドーザ1は、一対のアーム2とブレード3とシリンダ装置4を主要な構成要素とする。一対のアーム2の基端が、作業車両5の両側に固定されたブラケット6に、ピン7を介して揺動自在かつ着脱自在に取り付けられる。ブレード3は、一対のアーム2の先端にアーム2に対して姿勢を固定した状態で取り付けられる。シリンダ装置4のシリンダチューブ4aが、作業車両5の前側に固定されたホルダ8に、揺動自在かつ着脱自在に取り付けられている。詳述すれば、ホルダ8は、作業車両5の前側に基端が離隔して固定された一対の柱部8aと、柱部8aの先端を連結する連結部8bとから構成され、この連結部8bにシリンダチューブ4aが取り付けられる。一方、シリンダ装置4のピストンロッド4bが、ブレード3の背面側に回動自在に取り付けられている。
【0004】
シリンダチューブ4aのホルダ8に対する着脱と、アーム2のブラケット6に対する着脱によって、フロントドーザ1は作業車両5に対して着脱される。フロントドーザ1が装着された状態で、シリンダ装置4には、作業車両5から延びる油圧配管(図示省略)が接続される。この油圧配管を介して油を供給および排出することによってシリンダ装置4は伸縮する。シリンダ装置4の伸縮に伴って、ブレード3が取り付けられたアーム2がピン7を中心に揺動する。換言すれば、シリンダ装置4の伸縮によって、ブレード3が作業車両5に対して揺動する。シリンダ装置4の縮退時には、ブレード3が作業車両5に対して上昇し、シリンダ装置4の伸長時には、ブレード3が作業車両5に対して下降する。
【0005】
図10に、シリンダ装置4を伸縮させるための油圧回路を示す。この油圧回路は、シリンダ装置4、切換弁9、ポンプP、タンクTを主要な構成要素とする。後で詳述するが、油の流通路の間における切換弁9による接続を切り換えることでシリンダ装置4を伸縮させる。
【0006】
シリンダ装置4は、いわゆる片側ロッド式複動シリンダであり、シリンダチューブ4aと、シリンダチューブ4a内に配設されるピストン4cと、ピストン4cに固定されたロッド4bとを有する。シリンダチューブ4a内は、ピストン4cにより、ロッド4bの側の圧力室S1とロッド4bとは反対側の圧力室S2に区画される。
【0007】
切換弁9は、6ポート手動切換弁のスプリングセンタ形である。切換弁9は6つのポートP1〜P6を有する。シリンダ装置4の圧力室S1と切換弁9のポートP1の間には、これらを相互に連結する第1の流通路W1が設けられている。シリンダ装置4の圧力室S2と切換弁9のポートP2の間には、これらを相互に連結する第2の流通路W2が設けられている。ポンプPの吐出口と切換弁9のポートP3の間には、これらを相互に連結する第3の流通路W3が設けられている。流通路W3には、ポンプPの吐出口から切換弁9のポートP3に向かう流れを許容し、切換弁9のポートP3からポンプPの吐出口に向かう流れを阻止する逆止弁10が設けられている。ポンプPの一次側は、図外の配管によりタンクTに接続されている。タンクTと切換弁9のポートP4の間には、これらを相互に連結する第4の流通路W4(ポンプ側への帰還路)が設けられている。流通路W4と切換弁9のポートP5の間にも、これらを相互に連結する第5の流通路W5が設けられている。逆止弁10よりポンプP側の流通路W3と切換弁9のポートP6との間には、これらを相互に連結する第6の流通路W6が設けられている。
【0008】
シリンダ装置4を縮退させるには、切換弁9の接続を第1セクションC1にする。換言すれば、切換弁9により、ポートP1とポートP3を相互に接続すると共に、ポートP2とポートP4を相互に接続する。これに伴い、流通路W3,W1が相互に接続し、ポンプPからシリンダ装置4の圧力室S1に油が供給され、ピストン4cが(図10で右に)移動してシリンダ装置4が縮退する。また、これに伴い、流通路W2,W4が相互に接続し、シリンダ装置4の圧力室S2からタンクTに油が排出される。なお、ポートP5,P6は、切換弁9により接続されていない。
【0009】
シリンダ装置4を停止させる(固定する)には、切換弁9を第2セクションC2にする。換言すれば、切換弁9によって、ポートP1〜P4を接続しない。これに伴い、圧力室S1と圧力室S2に対して、油の供給も排出もされず、ピストン4cが移動せず、シリンダ装置4は停止する(固定される)。この際には、ポートP5とポートP6が接続される。これに伴い、ポンプPからタンクTに流通路W3の一部,W6,W5,W4の一部を介して油が排出される。従ってポートP3に余分な油圧がかからない。
【0010】
シリンダ装置4を伸長させるには、切換弁9の接続を第4セクションC4にする。換言すれば、切換弁9により、ポートP1とポートP4を相互に接続すると共に、ポートP2とポートP3を相互に接続する。これに伴い、流通路W3,W2が相互に接続し、ポンプPからシリンダ装置4の圧力室S2に油が供給され、ピストン4cが(図10で左に)移動し、シリンダ装置4が伸長する。また、これに伴い、流通路W1,W4が相互に接続し、シリンダ装置4の圧力室S1からタンクTに油が排出される。なお、ポートP5,P6は、切換弁9により接続されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4113346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、例えば整地のために、フロントドーザ1を装着した作業車両5を、図9に示すように、ブレード3を接地させて前輪5aを地面から浮かせた状態にする場合がある。例えば、この状態で後輪によって前進させれば地面の表面を薄く削る作業が可能で、後輪によって後進させれば、地面の表面をならす作業が可能である。
【0013】
この状態にするには、図7に示す前輪5aと後輪(図示省略)で走行可能な状態から、シリンダ装置4を伸長させ、ブレード3を下降させればよい。このためには、図10に示した切換弁9の接続をセクションC4として、シリンダ装置4を伸長させる。
【0014】
しかし、図7に示す状態から図8に示すブレード3が接地した状態になるまでの間に、ブレード3とアーム2の重量によってもシリンダ装置4が強制的に伸長される。従って、図10に示したシリンダ装置4の圧力室S2に対するポンプPからの油の供給が間に合わず、シリンダ装置4の圧力室S2に油が充填されず負圧が発生する。このため、図8の状態となってから、シリンダ装置4の圧力室S2に油が充填され、かつ圧力室S2内の油がシリンダ装置4を伸長可能な圧力となるまでに時間を要する。このため、切換弁9の接続をセクションC4にして、シリンダ装置4を伸長させ続けて図9の状態にする場合に、図7の状態から図8の状態となった時に、シリンダ装置4は一時停止する。このようなシリンダ装置4の一時停止は、作業効率を低下させ、また操作者に不快感を感じさせる。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑み、フロントドーザを装着した作業車両でブレードを接地して前輪を浮かせる際にシリンダ装置が一時停止することを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するための本発明のフロントドーザ用油圧回路は、フロントドーザのブレードを作業車両に対して揺動させるために伸縮するシリンダ装置と、このシリンダ装置のシリンダチューブ内でピストンに区画されたピストンロッド側の圧力室とピストンロッドとは反対側の圧力室からそれぞれ延びる第1の流通路と第2の流通路とを接続した切換弁と、この切換弁に第3の流通路を介して吐出口を接続したポンプとを備え、これらの第1、第2及び第3の流通路の間における切換弁による接続を切り換えることでシリンダ装置を伸縮させるフロントドーザ用油圧回路において、前記切換弁は、前記第3の流通路を前記第1の流通路に接続し前記第2の流通路をポンプ側への帰還路に接続する第1セクションと、前記第1、第2及び第3の流通路への接続を遮断する第2セクションと、前記第1、第2及び第3の流通路を相互に接続する第3セクションとを切り換え可能に備えていることを特徴とする。
【0017】
この構成では、シリンダ装置を伸長させるために、切換弁を第3セクションにする。これによって第1と第2の流通路を介してシリンダ装置のピストンロッド側の圧力室とピストンロッドとは反対側の圧力室を連通できる。また、この第1と第2の流通路に第3の流通路を介してポンプからの油を供給することができる。これによって、シリンダ装置を伸長させる時に、ポンプだけでなく、シリンダ装置のピストンロッド側の圧力室からもピストンロッドとは反対側の圧力室に油を供給できる。この油の供給は、シリンダ装置の伸長時にピストンロッドにブレードやアームの重量がかかった場合にも生じるので、この場合にピストンロッドとは反対側の圧力室が負圧になることを抑制できる。このため、ブレードを接地して前輪を浮かせる際にシリンダ装置が一時停止することを抑制することができる。
【0018】
上記構成において、前記第3の流通路に、ポンプの吐出口から切換弁に向かう流れを許容し、切換弁からポンプの吐出口に向かう流れを阻止する逆止弁を設けてもよい。
【0019】
この構成であれば、シリンダ装置の伸長時に、シリンダ装置のピストンロッド側の圧力室から押し出された油が第3の流通路を介してポンプに向かって流れることを確実に防止できる。従って、シリンダ装置のピストンロッド側の圧力室から押し出された油を確実にピストンロッドとは反対側の圧力室に供給できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フロントドーザを装着した作業車両でブレードを接地して前輪を浮かせる際にシリンダ装置が一時停止することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係るフロントドーザ用油圧回路図である。
【図2】シリンダ装置の伸長時における油の流れを説明するための模式図である。
【図3】シリンダ装置の縮退時におけるフロントドーザ用油圧回路の要部断面図である。
【図4】シリンダ装置の停止時におけるフロントドーザ用油圧回路の要部断面図である。
【図5】シリンダ装置の伸長時におけるフロントドーザ用油圧回路の要部断面図である。
【図6】シリンダ装置の伸長時におけるフロントドーザ用油圧回路の要部の模式図である。
【図7】フロントドーザを装着した作業車両の通常の状態での側面図である。
【図8】フロントドーザを装着した作業車両のブレードが接地した状態での側面図である。
【図9】フロントドーザを装着した作業車両のブレードが接地して前輪が浮いた状態での側面図である。
【図10】従来のフロントドーザ用油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
【0023】
図1に本発明の実施形態に係るフロントドーザ用油圧回路図を示す。図10で説明した従来のフロントドーザ用油圧回路と異なるのは、シリンダ装置4の伸長のための切換弁9によるポートP1〜P4の接続と油の流れである。その他の点については、重複するので説明を省略する。また、図10の油圧回路と同一の構成には、同一の符号を付す。
【0024】
図1において、シリンダ装置4を伸長させるために、切換弁9の接続を第3セクションC3とすると、ポートP1とポートP2とポートP3が切換弁9によって相互に接続する。換言すれば、シリンダ装置4を伸長させるために、第1の流通路W1と第2の流通路W2と第3の流通路W3の全てを切換弁9によって相互に接続することでシリンダ装置4を伸長させる。なお、ポートP4〜P6は切換弁9によって接続されない。
【0025】
切換弁9の接続がセクションC3の時における油の流れとそれに伴うシリンダ装置4の動作を、図2を参照して、以下説明する。
【0026】
図2に示すように、セクションC3の切換弁9の接続により、ポートP1,セクションC3における接続点A,ポートP2を経由してシリンダ装置4内の圧力室S1と圧力室S2を連通する流通路R1(流通路W1とW2を含む)が形成される。また、ポンプPの吐出口から逆止弁10,ポートP3を経由してこの流通路R1に接続点Aで接続する流通路R2(流通路W3を含む)が形成される。
【0027】
これらの流通路R1と流通路R2を介してポンプPの吐出口からの圧力がかかり圧力室S1と圧力室S2の内圧が共に上昇する。しかし、ピストン4cの圧力室S1側の面積は、ロッド4bが固定されているため、ピストン4cの圧力室S2側の面積より小さいので、ピストン4cに働く力は、圧力室S1より圧力室S2側からの方が大きくなる。従って、ピストン4cは、図2で左側に移動し、これに伴い、シリンダ装置4は伸長する。
【0028】
ピストン4cが図2で左側に移動すると、圧力室S1から流通路R1に油が押し出される。この油は、接続点Aで、流通路R2から流入する油と合流し、接続点Aから流通路R1を圧力室S2に向かって流れ、圧力室S2に流入する。
【0029】
このような油の流れによって、ピストン4cは図2で左側に移動していき、シリンダ装置4は伸長していく。
【0030】
なお、流通路R2には、逆止弁10が配設されているため、圧力室S1から流通路R1に押し出された油が流通路R2を介してポンプPに向かって流れることを確実に防止できる。従って、圧力室S1から押し出された油を確実に圧力室S2に供給できる。
【0031】
以上のように、圧力室S1から、流通路R1に流入する油と流通路R2から流通路R1に流入する油が合流して、圧力室S2に流入することになるので、シリンダ装置4の伸長時に、圧力室S2に負圧が発生することが抑制される。この効果は、ロッド4bにブレード3やアーム2の重量がかかった場合にも生じるので、ブレード3を接地して前輪5aを浮かせる際にシリンダ装置4が一時停止することを抑制することができる。
【0032】
フロントドーザ用油圧回路の要部の具体例を図3〜5に示す。シリンダ装置4が縮退する時の状態(セクションC1)を図3、シリンダ装置4が停止する(固定された)時の状態(セクションC2)を図4、シリンダ装置4が伸長する時の状態(セクションC3)を図5に示す。
【0033】
このフロントドーザ用油圧回路の要部は、ハウジングHとハウジングHに挿通されたスプールSを主要な構成要素とする。スプールSとハウジングHにおけるスプールSの周辺部により切換弁9が構成される。
【0034】
図1に示す油圧回路と異なる構成を主に説明する。逆止弁10が切換弁9と同じハウジングH内に設けられている。このため、流通路W3の一部は、ハウジングHの内部に形成されている。また、逆止弁10のOUT側(二次側)から2つの流通路W3が延び、その2つの先端のスプールS周辺がポートP3に相当する。これらの2つの流通路W3は、図における逆止弁10の球の上側で相互に連結されている。また、逆止弁10のIN側(一次側)における流通路W3のスプールS周辺の環状空所がポートP6に相当する。従って、ここでは図1における流通路W6に相当するものは流通路W3で形成されている。なお、ポートP5は、ハウジングHの外面に開口して流通路W5に接続されている。
【0035】
図3〜図5に示すポートP3,P6のように、図1の回路図における切換弁9のポートP1〜P6は、切換弁9と同じハウジングH内に形成されてもよい。
【0036】
図5に示すシリンダ装置4を伸長させる時には、流通路W1,W2は、流通路W3を介して接続されている。この状態を模式的に示すと、図6となる。図2で説明した流通路R1の一部が、流通路W3により構成されている。この状態も、切換弁9によって流通路W1〜W3が相互に接続されている。
【0037】
このように、本発明では、シリンダ装置4を伸長させる時に、流通路W1〜W3は、このうちの何れか1つを介して他の2つが接続されるだけでもよい。すなわち、本発明は、シリンダ装置4を伸長させる時に、どのような態様であれ、流通路W1〜W3が切換弁9によって相互に接続されていればよい。
【0038】
シリンダ装置4の縮退時(図3)、シリンダ装置4の停止(固定)時(図4)、シリンダ装置4の伸長時(図5)の油圧回路での、切換弁9による流通路の接続状態や油の流れは、図1,2で説明したものと実質的に同一なので、説明を省略する。
【0039】
図10で説明した従来の油圧回路では、シリンダ装置4を細くすると、圧力室S2で負圧が発生するのが抑制されるが、負圧が発生した場合より、シリンダ装置4の伸長速度は遅くなる。これは、ブレード3やアーム2の重量によるシリンダ装置4の伸長が抑制されるためである。
【0040】
これに対して、本実施形態の油圧回路では、構造上ブレード3やアーム2の重量によるシリンダ装置4の伸長が抑制されるため、シリンダ装置4を細くしても、シリンダ装置4の伸長速度は遅くなることが抑制される。
【0041】
また、従来の油圧回路で負圧が発生していない状態のシリンダ装置4と比較した場合、同径のシリンダ装置4の伸長速度は本実施形態の方が速い。一方、従来の油圧回路で負圧が発生していない状態のシリンダ装置4と比較した場合、同径のシリンダ装置4の伸長する力は小さくなるが、同径のシリンダ装置4を停止した時のブレード3に対する固定力は、従来の油圧回路と本実施形態では変わらない。
【0042】
シリンダ装置4を停止(固定)した時のブレード3に対する固定力は変わらないので、ブレード3を接地して作業車両5の前輪5aを浮かした後に、シリンダ装置4を停止すれば、その後の地面の表面をならしたり削ったりする作業は、従来と同様に行なうことが可能である。換言すれば、シリンダ装置4の伸長力は、ブレード3を接地して作業車両5の前輪5aを浮かすことができればよく、多少小さくなっても問題はない。すなわち、シリンダ装置4の伸長力が小さくなるデメリットより、ブレード3を接地して作業車両5の前輪5aを浮かせる際のシリンダ装置4の一時停止を抑制できるメリットの方が大きい。
【0043】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内であれば、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 フロントドーザ
2 アーム
3 ブレード
4 シリンダ装置
4a シリンダチューブ
4b ピストンロッド
4c ピストン
5 作業車両
9 切換弁
10 逆止弁
P ポンプ
S1 ピストンロッド側の圧力室
S2 ピストンロッドとは反対側の圧力室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントドーザのブレードを作業車両に対して揺動させるために伸縮するシリンダ装置と、このシリンダ装置のシリンダチューブ内でピストンに区画されたピストンロッド側の圧力室とピストンロッドとは反対側の圧力室からそれぞれ延びる第1の流通路と第2の流通路とを接続した切換弁と、この切換弁に第3の流通路を介して吐出口を接続したポンプとを備え、これらの第1、第2及び第3の流通路の間における切換弁による接続を切り換えることでシリンダ装置を伸縮させるフロントドーザ用油圧回路において、
前記切換弁は、前記第3の流通路を前記第1の流通路に接続し前記第2の流通路をポンプ側への帰還路に接続する第1セクションと、前記第1、第2及び第3の流通路への接続を遮断する第2セクションと、前記第1、第2及び第3の流通路を相互に接続する第3セクションとを切り換え可能に備えていることを特徴とするフロントドーザ用油圧回路。
【請求項2】
前記第3の流通路に、ポンプの吐出口から切換弁に向かう流れを許容し、切換弁からポンプの吐出口に向かう流れを阻止する逆止弁を設けた請求項1に記載のフロントドーザ用油圧回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−7304(P2012−7304A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141816(P2010−141816)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000177184)三陽機器株式会社 (26)
【Fターム(参考)】