説明

フローティングコネクタ

【課題】基板間の位置ズレに対応したフローティングコネクタを提供する。
【解決手段】電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、各々の基板に固定された2つの雌コネクタと、一方の雌コネクタと他方の雌コネクタとを電気的に接続するための雄コネクタとを有し、雌コネクタは基板が固定される側と反対側に開口を有する複数の溝部が形成されており、溝部は基板が接続される方向に沿ったものであって、溝部には各々コの字状の接点を有しており、雄コネクタはコの字状の接点に嵌合する形状の導電性を有する板状の接点を有しており、コの字状の接点と板状の接点とが接触することにより、板状の接点を介し、一方の雌コネクタと他方の雌コネクタとを電気的に接続するものであることを特徴とするフローティングコネクタを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティングコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器内部のプリント基板間を接続するコネクタとしてフローティングコネクタがある(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
このようなフローティングコネクタは、プリント基板を水平方向に並列に実装する場合や上下方向に接続する場合に利用するものであり、プリント基板の接続の様々な用途において用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−28186号公報
【特許文献2】特開2008−16271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなフローティングコネクタは、プリント基板を水平方向に接続する場合においては、接続されるプリント基板の水平方向の端部に設けられるため、接続されるコネクタ部分がデッドスペースとなり、配線や電子部品等を搭載することができず、高集積化、高密度化において限界を有していた。また、接続されるプリント基板はネジ等で固定されるため、プリント基板同士を正確に位置合せすることなく接続することができるコネクタが望まれていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、プリント基板を水平方向に接続する場合においてもコネクタ部分がデッドスペースとはなることがなく、プリント基板間において位置ズレ等を生じている場合においても、確実にプリント基板を水平方向に高密度に接続することが可能なフローティングコネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、各々の前記基板に固定された2つの雌コネクタと、一方の雌コネクタと他方の雌コネクタとを電気的に接続するための雄コネクタと、を有し、前記雌コネクタは前記基板が固定される側と反対側に開口を有する複数の溝部が形成されており、前記溝部は前記基板が接続される方向に沿ったものであって、前記溝部には各々コの字状の接点を有しており、前記雄コネクタは前記コの字状の接点に嵌合する形状の導電性を有する板状の接点を有しており、前記コの字状の接点と前記板状の接点とが接触することにより、前記板状の接点を介し、前記一方の雌コネクタと前記他方の雌コネクタとを電気的に接続するものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記雌コネクタを前記基板に固定した後、前記雄コネクタを前記基板が固定されている側と反対側より、挿入し嵌合させるものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記溝部は円弧状に形成されており、前記コの字状の接点を中心として前記基板が接続される方向に沿った前記溝部の両側において広がった形状であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記コの字状の接点は、前記板状の接点と接触する接触部が設けられており、前記接触部は、円弧状に形成されており、前記コの字状の接点を中心として前記基板が接続される方向に沿った前記溝部の両側において広がった形状であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記雌コネクタは、前記基板と固定される側と反対側の前記溝部の先端部には、テーパが形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記雄コネクタは、前記雌コネクタと嵌合した状態において、前記嵌合状態が維持されるよう、前記雌コネクタの外側側面に引っ掛けるためのフックが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記2つの基板において、前記雌コネクタが固定されている面と反対側の面は、前記雌コネクタと前記雄コネクタが嵌合した状態においては、同一平面にあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、各々の前記基板に固定された2つの雄コネクタと、一方の雄コネクタと他方の雄コネクタとを電気的に接続するための雌コネクタと、を有し、前記雄コネクタは前記基板面に対し垂直方向に延びる導電性を有する接続端子を有しており、前記雌コネクタは前記接続端子を嵌合するための導電性を有する嵌合部を有しており、前記雌コネクタの嵌合部と、2つの前記雄コネクタの接続端子とが嵌合することにより、前記雌コネクタの嵌合部を介し、前記一方の雄コネクタと前記他方の雄コネクタとを電気的に接続するものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記雄コネクタを前記基板に固定した後、前記雌コネクタを前記基板が固定されている側と反対側より、嵌合させるものであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記接続端子の先端部には、テーパが形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記嵌合部は、断面がU字形状のものが断面方向に延びて形成されたものであり、前記U字形状の先端部の間隔が狭くなっていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記雌コネクタは、前記雄コネクタと嵌合した状態において、前記嵌合状態が維持されるよう、前記雄コネクタの外側側面に引っ掛けるためのフックが設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記2つの基板において、前記雄コネクタが固定されている面と反対側の面は、前記雌コネクタと前記雄コネクタが嵌合した状態においては、同一平面にあることを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、前記基板の端部には電極端子と開口部とが設けられており、前記フローティングコネクタは、前記開口部に嵌合する嵌合部と、前記電極端子と接触する導電性材料からなる電極部が設けられており、前記電極部が、2つの前記基板の電極端子と接触することにより、一方の基板の電極端子と他方の基板の電極端子とを電気的に接続するものであることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記開口部は、前記基板の接続される方向に長く形成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記電極部は、金属材料からなり、バネ性を有するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、プリント基板を水平方向に接続する場合においてコネクタ部分がデッドスペースとはなることがなく、プリント基板間において位置ズレ等を生じている場合においても、確実にプリント基板を水平方向に高密度に接続することが可能なフローティングコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタを接続した状態の斜視図
【図2】第1の実施の形態における雌コネクタの斜視図
【図3】第1の実施の形態における雌コネクタの上面図
【図4】第1の実施の形態における雌コネクタの長手方向の側面図
【図5】第1の実施の形態における雌コネクタの短手方向の側面図
【図6】第1の実施の形態における雌コネクタ端子の斜視図
【図7】第1の実施の形態における雌コネクタ端子の上面図
【図8】第1の実施の形態における雄コネクタの底面部の斜視図
【図9】第1の実施の形態における雄コネクタの上面部の斜視図
【図10】第1の実施の形態における雄コネクタの上面図
【図11】第1の実施の形態における雄コネクタの長手方向の側面図
【図12】第1の実施の形態における雄コネクタの短手方向の側面図
【図13】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の構成図(1)
【図14】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図(1)
【図15】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の斜視図(1)
【図16】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の構成図(2)
【図17】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図(2)
【図18】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図(3)
【図19】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の斜視図(2)
【図20】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の側面図
【図21】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の説明図
【図22】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタを用いた接続例の斜視図
【図23】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタを用いた接続例の上面図
【図24】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタを用いた接続例の側面図
【図25】第1の実施の形態におけるフローティングコネクタを用いた別の接続例の説明図
【図26】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタを接続した状態の斜視図
【図27】第2の実施の形態における雄コネクタの斜視図
【図28】第2の実施の形態における雄コネクタの上面図
【図29】第2の実施の形態における雄コネクタの長手方向の側面図
【図30】第2の実施の形態における雄コネクタの短手方向の側面図
【図31】第2の実施の形態における雌コネクタの底面部の斜視図
【図32】第2の実施の形態における雌コネクタの上面部の斜視図
【図33】第2の実施の形態における雌コネクタの上面図
【図34】第2の実施の形態における雌コネクタの長手方向の側面図
【図35】第2の実施の形態における雌コネクタの短手方向の側面図
【図36】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の概念図(1)
【図37】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図(1)
【図38】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の斜視図(1)
【図39】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の概念図(2)
【図40】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図(2)
【図41】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図(3)
【図42】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の斜視図(2)
【図43】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の側面図
【図44】第2の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の説明図
【図45】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタを接続した状態の斜視図
【図46】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタにより接続されるプリント基板の上面図
【図47】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタの斜視図
【図48】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタの側面図
【図49】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタを接続した状態の側面図(1)
【図50】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の説明図(1)
【図51】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の説明図(2)
【図52】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の説明図(3)
【図53】第3の実施の形態におけるフローティングコネクタを接続した状態の側面図(2)
【図54】第3の実施の形態における変形例のフローティングコネクタを接続した状態の斜視図
【図55】第3の実施の形態における変形例のフローティングコネクタにより接続されるプリント基板の上面図
【図56】第3の実施の形態における変形例のフローティングコネクタの斜視図
【図57】第3の実施の形態における変形例のフローティングコネクタを接続した状態の側面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について以下に説明する。
【0026】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るフローティングコネクタは、雄コネクタと雌コネクタとにより構成されている。具体的には、図1に示すように、プリント基板11に固定接続された雌コネクタ21又はプリント基板12に固定接続された雌コネクタ22と、雌コネクタ21と雌コネクタ22とを電気的に接続するための雄コネクタ23からなるものである。尚、雌コネクタ21と雌コネクタ22は同一形状のものである。これにより、2つのプリント基板11及び12は、矢印Aに示すプリント基板が接続される方向(基板接続方向)に接続される。
【0027】
(雌コネクタ)
最初に、本実施の形態における雌コネクタについて説明する。図2は、本実施の形態における雌コネクタの斜視図であり、図3は上面図、図4は長手方向の側面図、図5は、短手方向の側面図である。
【0028】
本実施の形態における雌コネクタ21及び22には、本体部31に後述する雄コネクタ23と接続するための溝部32、33、34が設けられている。また、溝部32、33、34には、雄コネクタ23における端子と電気的接続するための雌コネクタ端子37、38、39が設けられており、さらに、この雌コネクタ端子37、38、39と電気的に接続され、プリント基板11、12に固定し電気配線と電気的に接続するための接続端子47、48、49が設けられている。溝部32、33、34は、プリント基板11、12と固定される側の反対方向にコの字状に開口部を有しており、この溝部32、33、34は、矢印Aに示す基板接続方向に沿った方向に形成されている。また、溝部32、33、34の本体部31の表面近傍にはテーパ40が形成されており、雄コネクタ23の端子が挿入しやすいように構成されている。また、雌コネクタ21、22の短手方向の側面には引掛部43が設けられている。
【0029】
図6は、雌コネクタ端子37、38、39部分の斜視図である。雌コネクタ端子37、38、39は、電気的導電性を有する銅等の金属材料により形成されている。雌コネクタ端子37、38、39は、同一の形状のものでありコの字状に形成された金属部41を有している。金属部41も同様にコの字状に形成されており、雄コネクタ23と接続される側、即ち、プリント基板11及び12が形成されている側と反対側に開口を有している。金属部41は、弾性を有しており開口となる先端部分には、接触部42a及び42bが形成されており、雄コネクタ23における端子を挟み込み接触し接続することができるように形成されている。
【0030】
図7は、雌コネクタ端子37、38、39部分の上面図である。雌コネクタ端子37、38、39は、接触部42a及び42bが、矢印Aに示す基板接続方向において円弧状に形成されている。これは、接続されるプリント基板11及び12の位置にズレ等が生じている場合であっても、確実に接続することができるようにするためである。
【0031】
溝部32、33、34についても同様に、円弧状に形成されており、中心部分で狭く、外側に近づくに従い広がる形状、即ち、雌コネクタ端子37、38、39が形成された部分より基板接続方向において外側に広がるような形状で形成されている。
【0032】
(雄コネクタ)
次に、本実施の形態における雄コネクタについて説明する。図8は、本実施の形態における雄コネクタの底部の斜視図であり、図9は上部斜視図であり、図10は上面図、図11は長手方向の側面図、図12は、短手方向の側面図である。
【0033】
本実施の形態における雄コネクタ23は、本体部51と、雌コネクタ21及び22の溝部32、33、34に挿入し、雌コネクタ端子37、38、39と電気的に接続するための雄コネクタ端子52、53、54が設けられている。雄コネクタ端子52、53、54は導電性を有する銅等の金属材料により板状に形成されたものである。この雄コネクタ端子52、53、54を介し、雌コネクタ21と22とが電気的に接続され、更には、プリント基板11とプリント基板12とにおける電気配線が電気的に接続される。
【0034】
この雄コネクタ端子52、53、54は、矢印Aに示す基板接続方向に沿うように並列に配列されている。
【0035】
雄コネクタ23の側部56には、雌コネクタ21、22と嵌合した状態では、雄コネクタ23と、雌コネクタ21、22とが容易にはずれないよう、雌コネクタ21及び22における引掛部43に引っ掛かるようフック57が設けられている。即ち、このフック57により雄コネクタ23と、雌コネクタ21、22とが嵌合した状態が維持されるように構成されている。
【0036】
本実施の形態におけるコネクタにおいては、雄コネクタの雄コネクタ端子52、53、54は板状で形成されており、部品点数を少なくすることができるため低コストに作製することができる。また、雌コネクタに形成された溝部に雄コネクタ端子を挿入し電気的な接続をとるものであることから、プリント基板の位置ズレに対しても広い許容範囲で対応することが可能であり、雌コネクタ及び雄コネクタに応力がかかることはなく、確実に電気的な接続をすることができる。
【0037】
(フローティングコネクタによる接続)
次に、本実施の形態に係るフローティングコネクタによる接続について説明する。本実施の形態に係るフローティングコネクタによる接続は、例えば、プリント基板11及び12に各々雌コネクタ21及び22を固定接続した後、プリント基板11及び12を各々所定の位置にネジ止め等により固定し、その後、雌コネクタ21及び22と雄コネクタ23とを接続するものである。
【0038】
この場合、プリント基板11及び12はネジ止め等により固定されることから、相対的に位置ズレ等を生じやすい。よって、このようなプリント基板を接続する際には、プリント基板11及び12における相対的な位置関係が重要となる。
【0039】
最初に、プリント基板11及び12が所定の位置にネジ止め等により固定された場合について説明する。この場合における本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を図13、図14、図15に示す。図13は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を示す図であり、図14は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図、図15は斜視図である。図に示されるように、雌コネクタ21の溝部32aと雌コネクタ22の溝部32bには、雄コネクタ23の雄コネクタ端子52が挿入され、雌コネクタ21の溝部33aと雌コネクタ22の溝部33bには、雄コネクタ23の雄コネクタ端子53が挿入され、雌コネクタ21の溝部34aと雌コネクタ22の溝部34bには、雄コネクタ23の雄コネクタ端子54が挿入されている。雌コネクタ21の雌コネクタ端子37aと雄コネクタ23の雄コネクタ端子52、雌コネクタ21の雌コネクタ端子38aと雄コネクタ23の雄コネクタ端子53、雌コネクタ21の雌コネクタ端子39aと雄コネクタ23の雄コネクタ端子54はそれぞれ接触しており電気的に接続されている。また、雌コネクタ22の雌コネクタ端子37bと雄コネクタ23の雄コネクタ端子52、雌コネクタ22の雌コネクタ端子38bと雄コネクタ23の雄コネクタ端子53、雌コネクタ22の雌コネクタ端子39bと雄コネクタ23の雄コネクタ端子54とはそれぞれ接触しており電気的に接続されている。これにより雄コネクタ端子52を介し雌コネクタ21の雌コネクタ端子37aと雌コネクタ22の雌コネクタ端子37bと、雄コネクタ端子53を介し雌コネクタ21の雌コネクタ端子38aと雌コネクタ22の雌コネクタ端子38bと、雄コネクタ端子54を介し雌コネクタ21の雌コネクタ端子39aと雌コネクタ22の雌コネクタ端子39bとはそれぞれ電気的に接続されている。
【0040】
この場合、雌コネクタ21の雌コネクタ端子37a、38a、39a及び雌コネクタ22の雌コネクタ端子37b、38b、39bにおいて、接触部42a及び42bの中心部分で雄コネクタ23の雄コネクタ端子52、53、54とそれぞれ接触しているため、確実にプリント基板11とプリント基板12とにおける配線を電気的に接続することができる。
【0041】
次に、プリント基板11及び12が所定の位置より若干ずれた位置にネジ止め等により固定された場合について説明する。この場合における本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を図16、図17、図18、図19に示す。図16は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を示す図であり、図17及び図18は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図、図19は斜視図である。図17及び図18は、プリント基板11及び12の位置ズレ方向が相対的に反対方向の場合を示すものである。図に示されるように、雌コネクタ21の溝部32aと雌コネクタ22の溝部32bには、雄コネクタ23の雄コネクタ端子52が挿入され、雌コネクタ21の溝部33aと雌コネクタ22の溝部33bには、雄コネクタ23の雄コネクタ端子53が挿入され、雌コネクタ21の溝部34aと雌コネクタ22の溝部34bには、雄コネクタ23の雄コネクタ端子54が挿入されている。雌コネクタ21の雌コネクタ端子37aと雄コネクタ23の雄コネクタ端子52、雌コネクタ21の雌コネクタ端子38aと雄コネクタ23の雄コネクタ端子53、雌コネクタ21の雌コネクタ端子39aと雄コネクタ23の雄コネクタ端子54はそれぞれ接触しており電気的に接続されている。また、雌コネクタ22の雌コネクタ端子37bと雄コネクタ23の雄コネクタ端子52、雌コネクタ22の雌コネクタ端子38bと雄コネクタ23の雄コネクタ端子53、雌コネクタ22の雌コネクタ端子39bと雄コネクタ23の雄コネクタ端子54とはそれぞれ接触しており電気的に接続されている。これにより雄コネクタ端子52を介し雌コネクタ21の雌コネクタ端子37aと雌コネクタ22の雌コネクタ端子37bと、雄コネクタ端子53を介し雌コネクタ21の雌コネクタ端子38aと雌コネクタ22の雌コネクタ端子38bと、雄コネクタ端子54を介し雌コネクタ21の雌コネクタ端子39aと雌コネクタ22の雌コネクタ端子39bとはそれぞれ電気的に接続されている。
【0042】
この場合、雌コネクタ21の雌コネクタ端子37a、38a、39a及び雌コネクタ22の雌コネクタ端子37b、38b、39bにおいて、接触部42a及び42bは、図7に示すように円弧状に形成されているため平板状に形成されている雄コネクタ23の雄コネクタ端子52、53、54とそれぞれ確実に接触させることができる。これにより、プリント基板11及び12において相対的に位置ズレを生じている場合においても、プリント基板11とプリント基板12とを電気的に接続することができる。
【0043】
次に、図20及び図21に基づき雄コネクタ23の側部56に設けられたフック57について説明する。本実施の形態におけるフローティングコネクタは、プリント基板11及び12に対し垂直方向に雌コネクタ21及び22に雄コネクタ23を挿入することにより電気的に接続されるものである。このため、この電気的接続は容易にはずれない方が好ましい。このため、雄コネクタ23の側部56にはフック57が設けられており、このフック57が、雌コネクタ21及び22の本体部31の側面部に設けられた引掛部43に引っかかり固定される。また、雌コネクタ21及び22と雄コネクタ23との接続は、高さ方向におけるズレも吸収できるように構成されており、接続状態は図21に示す雌コネクタ21と雄コネクタ23との接続状態から、雌コネクタ22と雄コネクタ23との接続状態まで許容される。尚、図20は、図21において矢印Bに示す方向より見た図である。
【0044】
次に、図22、図23、図24に基づき本実施の形態におけるフローティングコネクタを用いて3枚以上のプリント基板を接続する場合について説明する。
【0045】
プリント基板111、112、113を一次元状に配列させる場合において、各々のプリント基板111、112、113において矢印Aに示す基板接続方向の端部に雌コネクタ121、122、123、124、125、126を固定接続する。この雌コネクタ121、122、123、124、125、126には、矢印Aに示す基板接続方向に沿った溝部が形成されている。
【0046】
雌コネクタ122と123とを雄コネクタ131を上から挿入することにより接続し、雌コネクタ124と125とを雄コネクタ132を上から挿入することにより接続する。外部との入出力をとるため雌コネクタ121を別の形状の雄コネクタ141と接続し、雌コネクタ126を別の形状の雄コネクタ142と接続することにより、プリント基板111、112、113は一体の基板と同様に用いることが可能となる。尚、図22では、雄コネクタと雌コネクタとが接続される途中段階の状態を示すものである。
【0047】
次に、図25に基づき本実施の形態におけるフローティングコネクタを用いて2次元的にプリント基板を接続する場合について説明する。図25(a)は、2次元的にプリント基板を接続する場合の斜視図であり、図25(b)は、2次元的にプリント基板を接続する場合の断面図である。尚、本実施の形態における雄コネクタは、本体部が全体を覆うように形成されたものであるが、内部構造は、上述した雄コネクタ23等と同様のものである。
【0048】
接続されるプリント基板211、212、213、214、215、216を筐体201に複数のネジ202により固定する。各々のプリント基板211、212、213、214、215、216には、プリント基板同士が隣接する側に各々雌コネクタ221、222、223、224等が設けられており、各々のプリント基板が隣接する側に設けられた雌コネクタ同士は、雄コネクタ231、232、233、234、235等により接続される。これにより、プリント基板211、212、213、214、215、216を一体の基板と同様に用いることが可能である。尚、図25は、雄コネクタを接続する途中の状態を示すものであり、雌コネクタ221及び222、223及び224はそれぞれ不図示の雄コネクタにより接続される。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るフローティングコネクタは、雄コネクタと雌コネクタとにより構成されている。具体的には、図26に示すように、プリント基板311に固定接続された雄コネクタ321及びプリント基板312に固定接続された不図示の雄コネクタと、雄コネクタ321及び不図示の雄コネクタを電気的に接続するための雌コネクタ323からなるものである。尚、プリント基板312に固定接続された不図示の雄コネクタは雄コネクタ321と同一形状のものである。これにより、2つのプリント基板311及び312は、矢印Cに示すプリント基板が接続される方向(基板接続方向)に接続される。
【0050】
(雄コネクタ)
最初に、本実施の形態における雄コネクタについて説明する。図27は、本実施の形態における雄コネクタの斜視図であり、図28は上面図、図29は長手方向の側面図、図30は短手方向の側面図である。
【0051】
本実施の形態における雄コネクタ321には、本体部331に後述する雌コネクタ323に設けられた端子と電気的接続するための雄コネクタ端子332、333、334が設けられている。雄コネクタ端子332、333、334は、金属等の導電性材料によりピン状に形成されている。また、この雄コネクタ321には、雄コネクタ端子332、333、334と電気的に接続されており、プリント基板311に固定し電気配線と電気的に接続するための接続端子347、348、349が設けられている。雄コネクタ端子332、333、334の先端部にはテーバ340が形成されており、後述する雌コネクタ323の端子が挿入しやすいように構成されている。更に、雄コネクタ321の短手方向の側面には引掛部343が設けられている。
【0052】
(雌コネクタ)
次に、本実施の形態における雌コネクタについて説明する。図31は、本実施の形態における雌コネクタの底部の斜視図であり、図32は上部斜視図であり、図33は上面図、図34は長手方向の側面図、図35は短手方向の側面図である。
【0053】
本実施の形態における雌コネクタ323は、本体部351と、雄コネクタ321の雄コネクタ端子332、333、334が挿入される雌コネクタ端子352、353、354が設けられている。雌コネクタ端子352、353、354は導電性を有する銅等の金属材料により形成されたものであり、断面がU字形状のものが断面方向に延びて形成されたものであり、U字形状の先端部分の間隔が狭くなっており、雄コネクタ端子332、333、334を挟み込み嵌合することができるよう形成されている。雌コネクタ端子352、353、354に雄コネクタ端子332、333、334が嵌合することにより、雌コネクタ端子352、353、354を介し、雄コネクタ321同士が電気的に接続され、更には、図26に示すように、プリント基板311とプリント基板312とにおける電気配線が電気的に接続される。
【0054】
尚、雌コネクタ端子352、353、354は、長手方向が、矢印Cに示す基板接続方向に沿って配置されている。
【0055】
また、雌コネクタ323の側部356には、雄コネクタ321と嵌合した状態で、雌コネクタ323と、雄コネクタ321とが容易にはずれないよう、雄コネクタ321における引掛部343に引っ掛かるようフック357が設けられている。即ち、このフック357により雌コネクタ323と、雄コネクタ321とが嵌合した状態が維持されるように構成されている。
【0056】
本実施の形態におけるコネクタにおいては、溝状の雌コネクタ端子に雄コネクタ端子を挿入し電気的な接続をとるものであることから、プリント基板の位置ズレに対しても広い許容範囲で対応することが可能であり、雌コネクタ及び雄コネクタに余分な応力がかかることはなく、確実に電気的な接続をすることができる。
【0057】
尚、本実施の形態における雄コネクタ321の本体部331の短手方向の側面は、円弧状に形成されている。これは、接続されるプリント基板311及び312の位置にズレ等が生じている場合であっても、確実に接続することができるようにするためである。即ち、雄コネクタ端子333を中心に雌コネクタ323が幾分回転することができるように構成されている。
【0058】
(フローティングコネクタによる接続)
次に、本実施の形態に係るフローティングコネクタによる接続について説明する。本実施の形態に係るフローティングコネクタによる接続は、例えば、プリント基板311及び312に各々雄コネクタ321及び322を固定接続した後、プリント基板311及び312を各々所定の位置にネジ止め等により固定し、その後、雄コネクタ321及び322と雌コネクタ323とを接続するものである。
【0059】
この場合、プリント基板311及び312はネジ止め等により固定されることから、相対的に位置ズレ等を生じやすい。よって、このようなプリント基板を接続する際には、プリント基板311及び312における相対的な位置関係が重要となる。
【0060】
最初に、プリント基板311及び312が所定の位置にネジ止め等により固定された場合について説明する。この場合における本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を図36、図37、図38に示す。図36は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を示す概念図であり、図37は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図、図38は斜視図である。図に示されるように、雌コネクタ323の雌コネクタ端子352には雄コネクタ321の雄コネクタ端子332a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子332bが挿入され、雌コネクタ323の雌コネクタ端子353には、雄コネクタ321の雄コネクタ端子333a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子333bが挿入され、雌コネクタ323の雌コネクタ端子354には、雄コネクタ321の雄コネクタ端子334a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子334bが挿入されている。
【0061】
これにより、雌コネクタ323の雌コネクタ端子352を介し、雄コネクタ321の雄コネクタ端子332aと雄コネクタ322の雄コネクタ端子332bとが電気的に接続されており、雌コネクタ323の雌コネクタ端子353を介し、雄コネクタ321の雄コネクタ端子333aと雄コネクタ322の雄コネクタ端子333bとが電気的に接続されており、雌コネクタ323の雌コネクタ端子354を介し、雄コネクタ321の雄コネクタ端子334aと雄コネクタ322の雄コネクタ端子334bとが電気的に接続される。
【0062】
この場合、雄コネクタ321の雄コネクタ端子332a、333a、334a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子332b、333b、334bはピン状であり円柱形状をしていることから、雌コネクタ323の雌コネクタ端子352、353、354と接触しているため、確実にプリント基板311とプリント基板312とにおける配線を電気的に接続することができる。
【0063】
次に、プリント基板311及び312が所定の位置より若干ずれた位置にネジ止め等により固定された場合について説明する。この場合における本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を図39、図40、図41、図42に示す。図39は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続状態を示す図であり、図40及び図41は本実施の形態におけるフローティングコネクタの接続した状態の上面図、図42は斜視図である。図40と図41とは、プリント基板311及び312の位置ズレ方向が相対的に反対方向の場合を示すものである。図に示されるように、雌コネクタ323の雌コネクタ端子352には雄コネクタ321の雄コネクタ端子332a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子332bが挿入され、雌コネクタ323の雌コネクタ端子353には、雄コネクタ321の雄コネクタ端子333a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子333bが挿入され、雌コネクタ323の雌コネクタ端子354には、雄コネクタ321の雄コネクタ端子334a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子334bが挿入されている。
【0064】
これにより、雌コネクタ323の雌コネクタ端子352を介し、雄コネクタ321の雄コネクタ端子332aと雄コネクタ322の雄コネクタ端子332bとが電気的に接続されており、雌コネクタ323の雌コネクタ端子353を介し、雄コネクタ321の雄コネクタ端子333aと雄コネクタ322の雄コネクタ端子333bとが電気的に接続されており、雌コネクタ323の雌コネクタ端子354を介し、雄コネクタ321の雄コネクタ端子334aと雄コネクタ322の雄コネクタ端子334bとが電気的に接続される。
【0065】
このように、プリント基板311及び312において相対的に位置ズレを生じている場合においても、雄コネクタ321の雄コネクタ端子332a、333a、334a及び雄コネクタ322の雄コネクタ端子332b、333b、334bは、雌コネクタ323の雌コネクタ端子352、353、354と各々接触しているため、プリント基板11とプリント基板12とを確実に電気的に接続することができる。
【0066】
次に、図43及び図44に基づき雌コネクタ323の側部356に設けられたフック357について説明する。本実施の形態におけるフローティングコネクタは、プリント基板311及び312に対し垂直方向に雄コネクタ321及び322に雌コネクタ323を挿入することにより電気的に接続されるものである。このため、この電気的接続は容易にはずれない方が好ましい。このため、雌コネクタ323の側部356にはフック357が設けられており、このフック357が、雄コネクタ321及び322の本体部331の側面部に設けられた引掛部343に引っかかり固定される。また、雄コネクタ321及び322と雌コネクタ323との接続は、高さ方向におけるズレも吸収できるように構成されており、接続状態は図43に示す雄コネクタ321と雌コネクタ323との接続状態から、雄コネクタ322と雌コネクタ323との接続状態まで許容される。尚、図43は、図44において矢印Dに示す方向より見た図である。
【0067】
尚、3枚以上のプリント基板を接続する場合等の上記記載の事項以外の内容に関しては、第1の実施の形態と同様である。
【0068】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るフローティングコネクタは、複数のプリント基板を接続する1つのコネクタである。
【0069】
図45に示すように、本実施の形態におけるコネクタ410は、プリント基板411及び412を接続する板状のコネクタである。このコネクタ410により、プリント基板411とプリント基板412は、プリント基板が接続される方向、即ち、矢印Eに示す基板接続方向に接続される。
【0070】
プリント基板411には、図45及び図46に示すように、長円形状の開口部421が設けられており、開口部421の近傍の両側には、電極端子423a及び423bが設けられている。電極端子423a及び423bは導電性材料からなるパット部であり、ハンダ等の材料により他の配線部分よりも厚く形成されていることが望ましい。プリント基板412も同様の構成となっており、長円形状の開口部422が設けられており、開口部422の近傍の両側には、電極端子424a及び424bが設けられている。
【0071】
一方、コネクタ410には、図47及び図48に示すように、先端部において径の広がった部分を有する形状であって中心において十字に分割された2つのフック部431及び432が設けられており、2つのフック部431及び432の両側には、電極部433及び434が設けられている。フック部431及び432は、樹脂材料等により構成されており、プリント基板411及び412に設けられた開口部421及び422に嵌合するように構成されている。具体的には、フック部431及び432の先端部が開口部421及び422を挿入することにより、挿入後は径の広がった部分が開口部421及び422に引っかかり、容易にはずれないように構成されている。このフック部431及び432は強い力で引っ張るか、先端部において径が縮む方向に力を加えて引抜くことにより外すことが可能である。また、電極部433及び434は、銅板等の金属の導電性材料により板状に形成されており、電極部433及び434の両端部近傍が折曲げられ、面方向にバネ性を有している。この電極部433及び434は、電極部433及び434の長手方向が矢印Eに示す基板接続方向に沿って配置されている。
【0072】
次に、図49、図50に基づき、本実施の形態におけるコネクタ410とプリント基板411及び412の接続方法について説明する。
【0073】
本実施の形態におけるコネクタ410は、前述のとおり、プリント基板411に設けられた開口部421にコネクタ410のフック部431を嵌合させ、プリント基板412に設けられた開口部422にコネクタ410のフック部432を嵌合させることにより接続する。この際、プリント基板411に設けられた電極端子423aとコネクタ410に設けられた電極部433とが接続され、また、プリント基板412に設けられた電極端子424aとコネクタ410に設けられた電極部433とが接続される。これにより、プリント基板411に設けられた電極端子423aとプリント基板412に設けられた電極端子424aとが、コネクタ410に設けられた電極部433を介し接続される。更に、プリント基板411に設けられた電極端子423aとコネクタ410に設けられた電極部433とが接続され、また、プリント基板412に設けられた電極端子424aとコネクタ410に設けられた電極部433とが接続される。これにより、プリント基板411に設けられた電極端子423bとプリント基板412に設けられた電極端子424bとが、コネクタ410に設けられた電極部434を介し接続される。このようにして、プリント基板411と412の電極同士が接続され、一枚のプリント基板と同様に用いることができる。
【0074】
尚、プリント基板411及び412に設けられている開口部421及び422は、矢印Eに示す基板接続方向の径が長い長円形状に形成されているため、矢印Eに示す基板接続方向に、プリント基板411及び412の間隔が広がった状態、または、狭まった状態においても、コネクタ410を接続することができる。
【0075】
図50は、プリント基板411及び412の間隔が広がった状態を示している。この状態において、上述のとおり、プリント基板411に設けられた電極端子423aとプリント基板412に設けられた電極端子424aとはコネクタ410の電極部433により接続され、及び、プリント基板411に設けられた電極端子423bとプリント基板412に設けられた電極端子424bとはコネクタ410の電極部434により接続されている状態を保っている。
【0076】
また、図51は、プリント基板411及び412の間隔が狭くなった状態を示している。この状態においても同様に、プリント基板411に設けられた電極端子423aとプリント基板412に設けられた電極端子424aとはコネクタ410の電極部433により接続され、及び、プリント基板411に設けられた電極端子423bとプリント基板412に設けられた電極端子424bとはコネクタ410の電極部434により接続されている状態を保っている。
【0077】
また、図52は、プリント基板411及び412の間隔が広がった状態で、かつ、矢印Eに示す基板接続方向に対し垂直方向にプリント基板411とプリント基板412との位置がずれた状態を示している。この状態においても同様に、プリント基板411に設けられた電極端子423aとプリント基板412に設けられた電極端子424aとはコネクタ410の電極部433により接続され、及び、プリント基板411に設けられた電極端子423bとプリント基板412に設けられた電極端子424bとはコネクタ410の電極部434により接続されている状態を保っている。
【0078】
図53は、プリント基板411とプリント基板412の高さ方向の位置がずれた状態を示す。この状態においても同様に、プリント基板411に設けられた電極端子423a及び423bとプリント基板412に設けられた電極端子424a及び424bとは、各々コネクタ410の電極部433及び434により接続されている。尚、プリント基板411に設けられた開口部421にコネクタ410のフック部431が嵌合されており、プリント基板412に設けられた開口部422にコネクタ410のフック部432が嵌合されている。この状態では、プリント基板411側の電極部433及び434により大きな力が加わるため、電極部433及び434はバネ性を有していることから、プリント基板412側よりもプリント基板411側の電極部433及び434がより縮んだ状態で接続される。
【0079】
(変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0080】
図54に示すように、本実施の形態の変形例におけるコネクタ510は、プリント基板511及び512を接続する板状のコネクタである。このコネクタ510により、プリント基板511とプリント基板512は、プリント基板が接続される方向、即ち、矢印Fに示す基板接続方向に接続される。
【0081】
プリント基板511には、図54及び図55に示すように、先端部において径の広がった部分を有する形状であって中心部分が十字に割られたフック部521が設けられており、フック部521近傍の両側には、電極端子523a及び523bが設けられている。電極端子523a及び523bは導電性材料からなるパット部であり、ハンダ等の材料により他の配線部分よりも厚く形成されていることが望ましい。プリント基板512も同様の構成となっており、先端部において径の広がった部分を有する形状であって中心において十字に分割されたフック部522が設けられており、フック部521近傍の両側には、電極端子524a及び524bが設けられている。
【0082】
一方、コネクタ510には、図56に示すように、長円形状の2つの開口部531及び532が設けられており、2つの開口部531及び532の両側には、電極部533及び534が設けられている。
【0083】
尚、コネクタ510に設けられたフック部521及び522は、樹脂材料等により構成されており、プリント基板511及び512に設けられた開口部531及び532に嵌合するように構成されている。
【0084】
また、電極部533及び534は、銅板等の金属の導電性材料により板状に形成されているものであり、電極部533及び534の両端部近傍が折曲げられており面方向にバネ性を有している。この電極部533及び534は、電極部533及び534の長手方向が矢印Fに示す基板接続方向に沿って配置されている。
【0085】
このコネクタ510の接続方法の詳細については、フック部521及び522と開口部531及び532の配置が異なるのみで、前述したコネクタ410の場合と同様である。
【0086】
尚、プリント基板側にバネ性を持たせた電極端子を設け、コネクタ側に、バネ性を有しない電極部を設けた構成であっても同様の効果を得ることができる。
【0087】
尚、3枚以上のプリント基板を接続する場合等の上記記載の事項以外の内容に関しては、第1の実施の形態と同様である。
【0088】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0089】
11、12 プリント基板
21、22 雌コネクタ
23 雄コネクタ
31 本体部(雌コネクタ)
32、33、34 溝部
37、38、39 雌コネクタ端子
40 テーパ
41 金属部
42a、42b 接触部
43 引掛部
47、48、49 接続端子
51 本体部(雄コネクタ)
52、53、54 雄コネクタ端子
56 側部
57 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、
各々の前記基板に固定された2つの雌コネクタと、
一方の雌コネクタと他方の雌コネクタとを電気的に接続するための雄コネクタと、
を有し、
前記雌コネクタは前記基板が固定される側と反対側に開口を有する複数の溝部が形成されており、前記溝部は前記基板が接続される方向に沿ったものであって、前記溝部には各々コの字状の接点を有しており、
前記雄コネクタは前記コの字状の接点に嵌合する形状の導電性を有する板状の接点を有しており、
前記コの字状の接点と前記板状の接点とが接触することにより、前記板状の接点を介し、前記一方の雌コネクタと前記他方の雌コネクタとを電気的に接続するものであることを特徴とするフローティングコネクタ。
【請求項2】
前記雌コネクタを前記基板に固定した後、前記雄コネクタを前記基板が固定されている側と反対側より、挿入し嵌合させるものであることを特徴とする請求項1に記載のフローティングコネクタ。
【請求項3】
前記溝部は円弧状に形成されており、前記コの字状の接点を中心として前記基板が接続される方向に沿った前記溝部の両側において広がった形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のフローティングコネクタ。
【請求項4】
前記コの字状の接点は、前記板状の接点と接触する接触部が設けられており、
前記接触部は、円弧状に形成されており、前記コの字状の接点を中心として前記基板が接続される方向に沿った前記溝部の両側において広がった形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項5】
前記雌コネクタは、前記基板と固定される側と反対側の前記溝部の先端部には、テーパが形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項6】
前記雄コネクタは、前記雌コネクタと嵌合した状態において、前記嵌合状態が維持されるよう、前記雌コネクタの外側側面に引っ掛けるためのフックが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項7】
前記2つの基板において、前記雌コネクタが固定されている面と反対側の面は、前記雌コネクタと前記雄コネクタが嵌合した状態においては、同一平面にあることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項8】
電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、
各々の前記基板に固定された2つの雄コネクタと、
一方の雄コネクタと他方の雄コネクタとを電気的に接続するための雌コネクタと、
を有し、
前記雄コネクタは前記基板面に対し垂直方向に延びる導電性を有する接続端子を有しており、
前記雌コネクタは前記接続端子を嵌合するための導電性を有する嵌合部を有しており、
前記雌コネクタの嵌合部と、2つの前記雄コネクタの接続端子とが嵌合することにより、前記雌コネクタの嵌合部を介し、前記一方の雄コネクタと前記他方の雄コネクタとを電気的に接続するものであることを特徴とするフローティングコネクタ。
【請求項9】
前記雄コネクタを前記基板に固定した後、前記雌コネクタを前記基板が固定されている側と反対側より、嵌合させるものであることを特徴とする請求項8に記載のフローティングコネクタ。
【請求項10】
前記接続端子の先端部には、テーパが形成されていることを特徴とする請求項8または9に記載のフローティングコネクタ。
【請求項11】
前記嵌合部は、断面がU字形状のものが断面方向に延びて形成されたものであり、前記U字形状の先端部の間隔が狭くなっていることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項12】
前記雌コネクタは、前記雄コネクタと嵌合した状態において、前記嵌合状態が維持されるよう、前記雄コネクタの外側側面に引っ掛けるためのフックが設けられていることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項13】
前記2つの基板において、前記雄コネクタが固定されている面と反対側の面は、前記雌コネクタと前記雄コネクタが嵌合した状態においては、同一平面にあることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載のフローティングコネクタ。
【請求項14】
電気配線を有する2つの基板を接続するためのフローティングコネクタであって、
前記基板の端部には電極端子と開口部とが設けられており、
前記フローティングコネクタは、前記開口部に嵌合する嵌合部と、前記電極端子と接触する導電性材料からなる電極部が設けられており、
前記電極部が、2つの前記基板の電極端子と接触することにより、一方の基板の電極端子と他方の基板の電極端子とを電気的に接続するものであることを特徴とするフローティングコネクタ。
【請求項15】
前記開口部は、前記基板の接続される方向に長く形成されていることを特徴とする請求項14に記載のフローティングコネクタ。
【請求項16】
前記電極部は、金属材料からなり、バネ性を有するものであることを特徴とする請求項14または15に記載のフローティングコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【公開番号】特開2010−232155(P2010−232155A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114197(P2009−114197)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】