説明

フローティング型コネクタ

【課題】コンタクトの塑性変形を防止可能なフローティング型コネクタを提供する。
【解決手段】受容凹部26が形成された可動側ハウジング20と、可動側ハウジング20を移動自在に受容する固定側ハウジング10と、レセプタクル側コンタクト30とを有し、レセプタクル側コンタクト30は、下面側に露出するリード部38と、受容凹部26内に位置する接触部31と、リード部38と接触部31とを繋ぐ中間部とから構成され、中間部は弾性変形可能な可撓部を備え、可動側ハウジング20は、基部21と、中央突出部22と、外側規制壁25とを備え、コンタクト収容空間27内で可撓部が弾性変形することにより固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が移動自在であり、中央突出部22または外側規制壁25に対して可撓部を当接させることで、許容移動範囲を越えて可動側ハウジング20が移動することを規制可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して固定された固定側ハウジングと相手方コネクタと嵌合する可動側ハウジングとを有し、可動側ハウジングが固定側ハウジングに対して移動自在な構成とすることにより、相手方コネクタとの嵌合結合時にコネクタが装着された基板同士に位置ずれがあった場合でも、これを吸収してコネクタ同士を確実に結合させることができるように構成されたフローティング型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなフローティング型コネクタと称されるコネクタは、例えば基板に固定された固定側ハウジングと相手方コネクタと嵌合する嵌合部を有した可動側ハウジングとを有し、コンタクトが固定側ハウジングと可動側ハウジングとの双方に跨って保持された構成となっている。可動側ハウジングは、コンタクトの弾性力により固定側ハウジングに対して移動自在であるため、例えば基板に固定された相手方コネクタとの嵌合結合時に、フローティング型コネクタが装着された基板と相手方コネクタが装着された基板との間に位置ずれがあった場合でもこれが吸収され、相手方コネクタと容易に結合させることができるようになっている。例えば特許文献1には、接触子の弾性力により固定ハウジングに対して浮動ハウジングが移動自在となったフローティング電気コネクタが開示されている。
【0003】
図15(a)には、従来のフローティング型コネクタの一例としてのレセプタクルコネクタ500の断面図を示しており、基板(図示せず)に固定された固定側ハウジング510と、相手方となるプラグコネクタの突起部(図示せず)を受容し得る受容凹部523を有した可動側ハウジング520と、これら両ハウジング510,520に跨って保持された複数のコンタクト530とから構成される。各コンタクト530は固定側ハウジング510に保持された部分(固定側圧入係止部531)から外方に延びたリード部(接合部)533が基板上の配線パターン(図示せず)に接続されるとともに、可動側ハウジング520に保持された部分(可動側圧入係止部532)から上方に延びた接触部534が受容凹部523内に露出して設けられる。固定側圧入係止部531と可動側圧入係止部532との間に折曲されて形成された折曲部535は、図15(a)の紙面左右方向に弾性変形可能であり、これにより可動側ハウジング520が固定側ハウジング510に対して左右に移動できるようになっている。
【0004】
図15(a)に示すレセプタクルコネクタ500において、レセプタクルコネクタ500が装着された基板とプラグコネクタが装着された基板とが左右方向に大きく位置ずれした状態のままで、可動側ハウジング520とプラグコネクタとが嵌合された場合には、例えば図15(b)に示すように、その位置ずれに応じて可動側ハウジング520は大きく左右(この場合、紙面右側)に移動されて相手側コネクタと嵌合される。このように、固定側ハウジング510に対して可動側ハウジング520が大きく移動されると、場合によってはコンタクト530が塑性変形して可動側ハウジング520が元の位置に戻らないことがある。また、図15(c)に示すように、例えば固定側ハウジング510に対して可動側ハウジング520が大きく揺動されて、レセプタクルコネクタ500から相手側コネクタが抜去されることがあるが、この場合にもコンタクト530が塑性変形して可動側ハウジング520が元の位置に戻らないことがあり得る。
【0005】
このようにしてコンタクト530が塑性変形してしまうと、次回レセプタクルコネクタ500に相手側コネクタを嵌合させるときの位置合わせが難しくなる。そのため、従来構成においては、例えば固定側ハウジング510を基板に固定するための固定金具(図示せず)を、可動側ハウジング520に近接させて固定側ハウジング510に取り付けていた。そうすることにより、固定側ハウジング510に対する可動側ハウジング520の移動を許容しつつ、コンタクト530を塑性変形させるほどの大きな可動側ハウジング520の移動を、固定金具と可動側ハウジング520とを当接させることで防止していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−55856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来構成のように固定金具を可動側ハウジング520に当接させることで、可動側ハウジング520の移動を規制するためには、固定金具の一部を可動側ハウジング520に対向させておく必要があり、それに伴って固定金具の形状が複雑になり製造コストの増加につながる虞があった。また、固定金具の形状が複雑になると、この固定金具を固定側ハウジング510に取り付ける組立作業において、作業工数が増えて作業効率が低下するという虞もあった。このように、製造コストの増加および作業効率の低下を抑えつつ、コンタクトの塑性変形を防止することが困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、製造コストの増加および作業効率の低下を抑えつつ、コンタクトの塑性変形を防止可能なフローティング型コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るフローティング型コネクタは、上方に開口して相手方コネクタ(例えば、実施形態におけるプラグコネクタ101)を受容する受容凹部が形成されるとともに電気絶縁性を有する可動側ハウジングと、前記可動側ハウジングの下方に配置され、前記可動側ハウジングを左右に移動自在に受容するとともに電気絶縁性を有する固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとに跨って取り付けられる複数のコンタクト(例えば、実施形態におけるレセプタクル側コンタクト30)とを有して構成され、前記コンタクトはそれぞれ導電性を有した長尺状部材を折り曲げ成形して作られ、一端側において前記固定側ハウジングに固定されるとともに下面側に露出するリード部と、他端側において前記可動側ハウジングに固定されるとともに前記受容凹部内に位置して前記相手方コネクタのコンタクト(例えば、実施形態におけるプラグ側第1コンタクト130、プラグ側第2コンタクト140)と当接可能な接触部と、前記リード部と前記接触部とを繋ぐ中間部(例えば、実施形態における内側基部32、内側当接部33、折曲部34、外側当接部35、外側基部36および固定側被保持部37から構成される部分)とから構成され、前記中間部は上方に向けて凸となる逆U字状に形成されて弾性変形可能な可撓部(例えば、実施形態における内側当接部33、折曲部34および外側当接部35から構成される部分)を備え、前記可動側ハウジングは、平板状の基部と、前記基部の中央から下方に突出するとともに上面側に前記受容凹部が形成された中央突出部と、前記基部の左右外側端部から下方に突出する外側突出部(例えば、実施形態における外側規制壁25)とを備え、前記可撓部は前記中央突出部の外側面と、前記基部の下面と、前記外側突出部の内側面とに囲まれて下方に開口するコンタクト収容空間内に収容され、前記コンタクト収容空間内において前記可撓部が弾性変形することにより前記固定側ハウジングに対して前記可動側ハウジングが移動自在となっており、前記コンタクト収容空間内において前記中央突出部または前記外側突出部に対して前記可撓部を当接させることにより、前記可撓部が弾性変形して移動可能な許容移動範囲を越えて前記固定側ハウジングに対して前記可動側ハウジングが移動することを規制可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
また、上述のフローティング型コネクタにおいて、前記可撓部は、一端側において上方に延びて形成された外側当接部と、前記外側当接部の上端部が折曲されて形成された折曲部と、前記折曲部から下方に延びて形成された内側当接部とを備えて構成され、前記外側当接部と前記外側突出部または前記内側当接部と前記中央突出部とを当接させることにより、前記許容移動範囲を越える前記可動側ハウジングの移動を規制可能に構成されたことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るフローティング型コネクタは、中央突出部または外側突出部に対して可撓部を当接させることで、可撓部が弾性変形して移動可能な許容移動範囲を越えて固定側ハウジングに対して可動側ハウジングが移動することを規制可能に構成されている。そのため、固定側ハウジングに取り付けられる固定金具を可動側ハウジングに当接させて可動側ハウジングの移動を規制しなくてもコンタクトの塑性変形を防止することができるので、固定側ハウジングに取り付けられる固定金具をシンプルな形状とすることが可能となる。よって、フローティング型コネクタ(固定金具)の製造コストを低減、および固定金具を固定側ハウジングに簡単に取り付ける組立作業における作業効率の向上を図りつつ、コンタクトの塑性変形を防止可能となる。
【0012】
また、コンタクトの外側当接部と可動側ハウジングの外側突出部、またはコンタクトの内側当接部と可動側ハウジングの中央突出部とを当接させることにより、許容移動範囲を越える前記可動側ハウジングの移動を規制可能な構成が好ましい。このように構成された場合、可動側ハウジングの移動方向によっては、外側当接部と可動外側突出部とを当接させるとともに、内側当接部と中央突出部とを当接させることが可能となり、複数部分においてコンタクトと可動側ハウジングとを当接させることで、許容移動範囲を越える前記可動側ハウジングの移動を確実に規制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るレセプタクルコネクタに対してプラグコネクタが嵌合された状態の断面図であって、図2(b)におけるIII−IIIで示す矢印方向に対応する断面である。
【図2】上記レセプタクルコネクタを示す図であって、(a)は平面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。
【図3】図2(b)中に示すIII−III部分の断面図である。
【図4】上記レセプタクルコネクタを構成する固定側ハウジングを示す図であって、(a)は平面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。
【図5】(a)は図4(b)中に示すV(a)−V(a)部分の断面図を、(b)は図4(b)中に示すV(b)−V(b)部分の断面図をそれぞれ示す。
【図6】上記レセプタクルコネクタを構成する可動側ハウジングを示す図であって、(a)は平面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。
【図7】(a)は図6(a)中に示すVII(a)−VII(a)部分の断面図を、(b)は図6(a)中に示すVII(b)−VII(b)部分の断面図をそれぞれ示す。
【図8】上記レセプタクルコネクタを構成するレセプタクル側コンタクトを示す図であって、(a)は正面図を、(b)は側面図を、(c)は背面図をそれぞれ示す。
【図9】(a)はレセプタクルコネクタを構成するレセプタクル側固定金具の側面図を、(b)はプラグコネクタを構成するプラグ側固定金具の側面図をそれぞれ示す。
【図10】上記プラグコネクタを示す図であって、(a)は平面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。
【図11】図10(b)中のXI−XI部分の断面図を示す。
【図12】上記プラグコネクタを構成するプラグ側第1コンタクトを示す図であって、(a)は正面図を、(b)は側面図を、(c)は底面図をそれぞれ示す。
【図13】上記プラグコネクタを構成するプラグ側第2コンタクトを示す図であって、(a)は平面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。
【図14】図2(b)中に示すIII−III部分の断面図であって、固定側ハウジングに対して可動側ハウジングが揺動された状態を示す。
【図15】従来のレセプタクルコネクタの断面図を示しており、(a)は相手側コネクタが嵌合されていない状態を、(b)は可動側ハウジングが大きく左右に移動された状態を、(c)は可動側ハウジングが大きく揺動された状態をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1〜図8、図9(a)および図14には、本発明の一実施形態に係るフローティング型コネクタであるレセプタクルコネクタ1およびその構成部品を示している。また、図1、図9(b)および図10〜図13には、このレセプタクルコネクタ1と嵌合するプラグコネクタ101およびその構成部品を示している。本実施形態では説明の便宜上、各図中に付記する矢印方向で前後、左右および上下方向を定義して説明を行っているが、実際の使用においてはこの方向に限定されるものではなく、このことは特許請求の範囲の記載についても同様である。
【0015】
まず、レセプタクルコネクタ1の部品構成について説明する。レセプタクルコネクタ1は、図1および図2に示すように、下面側においてレセプタクル側基板2に対して固定される固定側ハウジング10と、この固定側ハウジング10に相対移動自在に取り付けられた可動側ハウジング20と、これら固定側ハウジング10および可動側ハウジング20の双方に跨って保持された複数のレセプタクル側コンタクト30と、固定側ハウジング10をレセプタクル側基板2に固定するためのレセプタクル側固定金具90とを有して構成されている。
【0016】
固定側ハウジング10は、図4に示すように、前後方向に延びた略矩形形状を有しており、電気絶縁性を有する樹脂等を用いて成形される。固定側ハウジング10は、前後方向に延びた左右壁11,11と、この左右壁11,11の前後端において左右壁11,11よりも上方向に高く形成されて左右方向に延びた前後壁12,12と、左右壁11,11および前後壁12,12の下端部に繋がった平板状の底部13とを有し、全体として略箱状に形成される。固定側ハウジング10には、これら左右壁11,11、前後壁12,12および底部13によって囲まれて上方に向けて開放された可動側ハウジング収容空間14が形成されている。
【0017】
左右壁11,11の左右外側には、レセプタクル側コンタクト30を保持するために上下に延びて形成されたコンタクト保持溝11aが、前後に複数並んで設けられている(図5(a)参照)。前後壁12,12の前後外側には、レセプタクル側固定金具90が取り付けられる固定金具取り付け溝12aが、上下に延びて形成されている(図5(b)参照)。また、底部13の下面側には、レセプタクル側基板2に対する位置決め用としての位置決め突起15が、下方に突出して形成されている。なお、固定側ハウジング10は、上記のように底部13が設けられた構成に代えて、底部13を設けることなく可動側ハウジング収容空間14が上下に貫通した構成でも良く、可動側ハウジング収容空間14が少なくとも上方に開口して形成されていれば良い。
【0018】
可動側ハウジング20は、図3および図6に示すように、前後方向に延びる略矩形形状を有しており、電気絶縁性を有した樹脂等を用いて成形される。可動側ハウジング20は、矩形枠状に形成された基部21と、この基部21の枠内縁部から下方に突出して前後方向に延びる下面視矩形状の中央突出部22と、基部21の左右端部から下方に突出して前後方向に延びる外側規制壁25とを有して構成される。中央突出部22は、基部21の枠内縁部から下方に突出するとともに前後および左右に延びる内側規制壁22aと、この内側規制壁22aの下端部と繋がる平板状の中央底部23とから構成される。
【0019】
中央突出部22の上面側には、内側規制壁22aの左右内側面と中央底部23の上面とによって囲まれて上方に向けて開口された受容凹部26が、前後に延びて形成されている。また、中央底部23の上面には板状の嵌合突起24が上方に突出して前後に延びて形成され、この嵌合突起24が受容凹部26内に位置している。また、中央突出部22の左右外側にはそれぞれ、基部21の下面と、内側規制壁22aの左右外側面と、外側規制壁25の左右内側面とによって囲まれて下方に向けて開放され、レセプタクル側コンタクト30を収容するコンタクト収容空間27が形成されている。
【0020】
嵌合突起24の左右側面には、図7に示すように、レセプタクル側コンタクト30を収容するための複数のコンタクト収容溝24aが前後に並んで形成されている。中央底部23には、上下に貫通してコンタクト収容溝24aに繋がるコンタクト保持孔23aが設けられている。また、中央底部23の下面側には、コンタクト保持孔23aの下端部から左右外側に延びて形成され、レセプタクル側コンタクト30を収容するコンタクト収容溝23bが設けられている。
【0021】
レセプタクル側コンタクト30は、例えば板金(弾性体からなる導電性材料)を長板状(針金状)に打ち抜き加工した後、図8に示すように所定の形状に折曲されて構成される。このレセプタクル側コンタクト30は、上下に延びて形成された接触部31と、接触部31の下端部を左右にほぼ直角に折曲して形成された内側基部32と、内側基部32の端部を斜め上方に折曲して形成された内側当接部33と、内側当接部33の上端部が逆U字状に曲げられて左右方向に弾性変形可能に形成された折曲部34と、折曲部34と繋がり下方に延びて形成された外側当接部35と、外側当接部35の下端部を左右に折曲して形成された外側基部36と、外側基部36の端部を下方にほぼ直角に折曲して形成された固定側被保持部37と、固定側被保持部37の下端部を左右にほぼ直角に折曲して形成されたリード部38とを有して構成される。接触部31の下部には、部分的に前後幅が広がった可動側圧入係止部31aが形成され、また、固定側被保持部37には、部分的に前後幅が広がった固定側圧入係止部37aが形成されている。
【0022】
レセプタクル側固定金具90は、例えば板金を打ち抜き加工することにより、図9(a)に示すような所定の形状に成形されて構成される。レセプタクル側固定金具90は、左右に延びて形成された基部91と、基部91の中央から下方に突出して形成された圧入係止部92と、基部91の左右両端部からに下方に突出するとともに左右外側に延びて形成された一対の結合部93とを備えて構成される。
【0023】
以上ここまでは、レセプタクルコネクタ1の部品構成について説明した。以下においては、このレセプタクルコネクタ1の組立構成について説明する。
【0024】
まず、レセプタクル側コンタクト30が可動側ハウジング20に取り付けられる。このとき、可動側ハウジング20のコンタクト保持孔23aに対して、下面側からレセプタクル側コンタクト30の接触部31を挿入し、可動側圧入係止部31aをコンタクト保持孔23aに係合させることで、可動側ハウジング20にレセプタクル側コンタクト30が固定される。そうすることで、接触部31がコンタクト収容溝24aに収容されるとともに、嵌合突起24の左右側面に接触部31が露出される。また、レセプタクル側コンタクト30の内側基部32がコンタクト収容溝23bに収容されるとともに、内側当接部33、折曲部34および外側当接部35がコンタクト収容空間27内に収容される。
【0025】
次に、このようにしてレセプタクル側コンタクト30が取り付けられた可動側ハウジング20を、固定側ハウジング10に対して移動自在に取り付ける。このときに、固定側ハウジング10に形成されたコンタクト保持溝11aに対して、上方からレセプタクル側コンタクト30の固定側被保持部37を挿入し、固定側圧入係止部37aをコンタクト保持溝11aに係合させることで、固定側ハウジング10にレセプタクル側コンタクト30が固定される(図3参照)。そうすることにより、コンタクト収容空間27内に内側当接部33、折曲部34および外側当接部35が収容され、内側当接部33が内側規制壁22aと対向するとともに外側当接部35が外側規制壁25に対向して位置する状態になる。そして、コンタクト収容空間27内において内側当接部33、折曲部34および外側当接部35が弾性変形することで、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が相対的に移動自在となる。
【0026】
なお、図3に示すように、可動側ハウジング20の外側規制壁25と固定側ハウジング10の左右壁11との間には上下に隙間が設けられており、この隙間に対して左右外側からコンタクト挿入治具(図示せず)を挿入し、このコンタクト挿入治具を押し下げることにより、コンタクト保持溝11aに固定側被保持部37を圧入することが可能である。
【0027】
また、固定側ハウジング10の固定金具取り付け溝12aに対して、上方からレセプタクル側固定金具90を挿入することで、固定金具取り付け溝12aに圧入係止部92が係合されて固定側ハウジング10にレセプタクル側固定金具90が固定される。
【0028】
上述のようにして組み立てられたレセプタクルコネクタ1をレセプタクル側基板2に表面実装する際には、レセプタクル側基板2に形成された位置決め孔(図示せず)に、固定側ハウジング10に形成された位置決め突起15を挿入することで、レセプタクル側基板2に対してレセプタクルコネクタ1が位置決めされて載置される。
【0029】
レセプタクル側基板2にレセプタクルコネクタ1を載置させた状態で、レセプタクル側固定金具90の結合部93をレセプタクル側基板2上のマウントパターン(図示せず)に半田付けするとともに、レセプタクル側コンタクト30のリード部38をレセプタクル側基板2上の配線パターン(図示せず)に半田付けすることで表面実装される。このように、レセプタクル側固定金具90の結合部93をマウントパターンに半田付けすることで、レセプタクル側基板2にレセプタクルコネクタ1(固定側ハウジング10)が強固に固定される。
【0030】
以上ここまでは、レセプタクルコネクタ1の組立構成について説明した。以下においては、このように構成されるレセプタクルコネクタ1と嵌合接続される相手方コネクタであるプラグコネクタ101について、図1、図9(b)および図10〜図13を参照して説明する。
【0031】
まず、プラグコネクタ101の部品構成について説明する。プラグコネクタ101は、図1および図10に示すように、プラグ側基板102に対して固定されるプラグハウジング110と、このプラグハウジング110に保持された複数のプラグ側第1コンタクト130、プラグ側第2コンタクト140と、プラグハウジング110をプラグ側基板102に固定するためのプラグ側固定金具190とを有して構成されている。
【0032】
プラグハウジング110は、図10に示すように、前後方向に延びた略矩形形状を有しており、電気絶縁性を有する樹脂等を用いて成形される。プラグハウジング110は、前後に延びて形成されたハウジング基部111と、このハウジング基部111の上部において左方に突出して形成された嵌合突出部112とから構成される。ハウジング基部111の前後端部には、プラグ側固定金具190が取り付けられる固定金具取り付け溝(図示せず)が、上下に延びて形成されている。
【0033】
嵌合突出部112の内部には、図11に示すように、プラグ側第1コンタクト130およびプラグ側第2コンタクト140を収容保持するためのコンタクト収容空間114が左右に延びて形成されており、このコンタクト収容空間114は嵌合突出部112の左端部に開口形成された嵌合用開口部113と連通している。また、ハウジング基部111の下面側には、実装時におけるプラグ側基板102に対する位置決め用としての位置決め突起115が、下方に突出して形成されている。
【0034】
プラグ側第1コンタクト130は、例えば板金(弾性体からなる導電性材料)を長板状(針金状)に打ち抜き加工した後、図12に示すように所定の形状に曲げ成形されて構成される。このプラグ側第1コンタクト130は、図12(b)に示すように、略くの字状に折曲されて上下に弾性変形可能に形成された接触部131と、接触部131から右方に延びて形成された第1基部132と、第1基部132の右端部を下方にほぼ直角に折曲して形成された第2基部133と、第2基部133の下端部を右方にほぼ直角に折曲して形成されたリード部134とを有して構成される。第1基部132には、部分的に前後幅が広がった第1圧入係止部132aが形成され、また、第2基部133には、部分的に前後幅が広がった第2圧入係止部133aが形成されている。
【0035】
プラグ側第2コンタクト140は、例えば板金(弾性体からなる導電性材料)を長板状(針金状)に打ち抜き加工した後、図13に示すように所定の形状に曲げ成形されて構成される。このプラグ側第2コンタクト140は、図13(b)に示すように、略くの字状に折曲されて上下に弾性変形可能に形成された接触部141と、接触部141から右方に延びて形成された第1基部142と、第1基部142の右端部を下方にほぼ直角に折曲して形成された第2基部143と、第2基部143の下端部を左方にほぼ直角に折曲して形成された第3基部144と、第3基部144の左端部を斜め下方に折曲して形成されたリード部145とを有して構成される。第1基部142には、部分的に前後幅が広がった第1圧入係止部142aが形成され、また、第2基部143には、部分的に前後幅が広がった第2圧入係止部143aが形成されている。
【0036】
プラグ側固定金具190は、例えば板金を打ち抜き加工することにより、図9(b)に示すような所定の形状に成形されて構成される。プラグ側固定金具190は、中央部分に形成された基部191と、基部191の右側端部から下方に突出して形成された圧入係止部192と、基部191の左側端部から下方に突出するとともに左側に折曲された結合部193とを備えて構成される。圧入係止部192には、部分的に前側または後側に打ち出された膨出部194が複数形成されている。
【0037】
以上ここまでは、プラグコネクタ101の部品構成について説明した。以下においては、このプラグコネクタ101の組立構成について説明する。
【0038】
まず、プラグハウジング110に対して、プラグ側第1コンタクト130およびプラグ側第2コンタクト140が取り付けられる。このとき、図11に示すように、コンタクト収容空間114に対して左方に向けてプラグ側第1コンタクト130およびプラグ側第2コンタクト140が挿入される。そうすることで、コンタクト収容空間114内に形成されたコンタクト保持溝(図示せず)に、プラグ側第1コンタクト130の第1圧入係止部132aおよび第2圧入係止部133aが係合され、プラグ側第1コンタクト130がプラグハウジング110に保持される。また、コンタクト収容空間114内に形成されたコンタクト保持溝(図示せず)に、プラグ側第2コンタクト140の第1圧入係止部142aおよび第2圧入係止部143aが係合され、プラグ側第2コンタクト140がプラグハウジング110に保持される。
【0039】
プラグ側第1コンタクト130およびプラグ側第2コンタクト140は、レセプタクルコネクタ1に取り付けられたレセプタクル側コンタクト30に対応して、前後方向に所定のピッチで取り付けられている。このようにして、プラグ側第1コンタクト130およびプラグ側第2コンタクト140がプラグハウジング110に取り付けられると、接触部131と接触部141とが所定の上下間隔をおいて上下に対向するとともに、それぞれ上下に弾性変形自在となっている。
【0040】
また、プラグハウジング110の固定金具取り付け溝に、上方からプラグ側固定金具190を挿入することで、プラグ側固定金具190の圧入係止部192が固定金具取り付け溝に係合されて、プラグハウジング110にプラグ側固定金具190が固定される。
【0041】
上述のようにして組み立てられたプラグコネクタ101をプラグ側基板102に表面実装する際には、プラグ側基板102に形成された位置決め孔102aに(図1参照)、プラグハウジング110に形成された位置決め突起115を挿入させて載置させることで、プラグ側基板102に対してプラグコネクタ101が位置決めされて載置される。
【0042】
プラグ側基板102にプラグコネクタ101を載置させた状態で、プラグ側固定金具190の結合部193をプラグ側基板102上のマウントパターン(図示せず)に半田付けするとともに、プラグ側第1コンタクト130のリード部134およびプラグ側第2コンタクト140のリード部145をプラグ側基板102上の配線パターン(図示せず)に半田付けすることで表面実装されて取り付けられる。このように、プラグ側固定金具190の結合部193をマウントパターンに半田付けすることで、プラグ側基板102にプラグコネクタ101(プラグハウジング110)が強固に固定される。
【0043】
以上、プラグコネクタ101の組立構成について説明した。以下においては、上述のようにして組み立てられたレセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ101とを嵌合させて、レセプタクル側基板2とプラグ側基板102とを電気的に接続する手順について説明する。
【0044】
プラグコネクタ101の嵌合突出部112をレセプタクルコネクタ1の受容凹部26内に、図1に示すように上方から挿入することで、プラグコネクタ101の嵌合用開口部113にレセプタクルコネクタ1の嵌合突起24が挿入される。このとき、プラグ側第1コンタクト130の接触部131およびプラグ側第2コンタクト140の接触部141が、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル側コンタクト30(接触部31)と接触し左右方向に弾性変形させられるので、レセプタクル側コンタクト30とプラグ側第1コンタクト130、およびレセプタクル側コンタクト30とプラグ側第2コンタクト140とは適切な接触力をもって接触し、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ101(レセプタクル側基板2とプラグ側基板102)とが電気的に接続される。
【0045】
ここで図1において、レセプタクル側基板2およびプラグ側基板102が所定の左右位置に位置している場合には、嵌合時において受容凹部26と嵌合突出部112とは左右にずれることなく上下に対向しており、受容凹部26に嵌合突出部112がそのまま挿入されて嵌合される。一方で、レセプタクル側基板2またはプラグ側基板102が所定の左右位置に位置していない、つまり、レセプタクル側基板2に対するプラグ側基板102の左右位置がずれている場合には、受容凹部26と嵌合突出部112とはそのまま嵌合せずに、受容凹部26の間口に形成されたテーパ部26aと嵌合突出部112の先端部に形成されたテーパ部112aとが当接する。
【0046】
このとき、可動側ハウジング20は弾性体からなるレセプタクル側コンタクト30を介して固定側ハウジング10に対して移動自在であるため、上記両テーパ部26a,112aの当接により生じた可動側ハウジング20を左右方向に移動させる力によって可動側ハウジング20はその方向(左右方向)へ移動され、その上で受容凹部26に嵌合突出部112が挿入されて嵌合される。このようにして嵌合される場合、左右に対となって配設されたレセプタクル側コンタクト30のうち、一方のレセプタクル側コンタクト30においては、内側当接部33と外側当接部35との左右間隔が狭まるように内側当接部33、折曲部34および外側当接部35が弾性変形し、他方のレセプタクル側コンタクト30においては、内側当接部33と外側当接部35との左右間隔が拡がるように内側当接部33、折曲部34および外側当接部35が弾性変形した状態となる。このような構成により、本実施形態に係るレセプタクルコネクタ1は、相手方コネクタ(プラグコネクタ101)との嵌合時に互いの基板同士に位置ずれがある場合でも、この位置ずれがレセプタクル側コンタクト30を構成する内側当接部33、折曲部34および外側当接部35の弾性変形により吸収されるのでハウジング同士を容易且つ確実に嵌合させることができる。
【0047】
以上ここまでは、レセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ101とを嵌合させる手順について説明した。ところで、嵌合されたレセプタクルコネクタ1とプラグコネクタ101とを抜去して分離する場合に、例えばレセプタクルコネクタ1に対してプラグコネクタ101を左右に揺動させる(こじる)ようにして抜去される場合がある。このようにして抜去される場合、プラグコネクタ101が極端に大きく揺動されることにより、可動側ハウジング20が大きく揺動されてレセプタクル側コンタクト30が塑性変形し、レセプタクル側コンタクト30の弾性力によって可動側ハウジング20が元の位置に戻らないことがある。このように、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が元の位置に戻らない場合には、次回レセプタクルコネクタ1にプラグコネクタ101を嵌合させるときの位置合わせが困難になる。
【0048】
そこで従来構成では、例えばレセプタクル側固定金具を可動側ハウジングに近接させて固定側ハウジングに取り付けておくことで、固定側ハウジングに対する可動側ハウジングの移動を許容しつつ、レセプタクル側コンタクトを塑性変形させるほどの大きな可動側ハウジングの移動を、固定金具と可動側ハウジングとを当接させることで防止していた。この構成の場合、レセプタクル側固定金具を可動側ハウジングに近接させる必要があるため、レセプタクル側固定金具の形状は必然的に複雑になり、その分だけ製造コストの増加を招くとともに組立作業が複雑となって作業効率が低下していた。このような課題に対して本発明に係るレセプタクルコネクタ1は、レセプタクル側固定金具をシンプルな形状にすることで製造コストの増加を抑えるとともに組立作業の作業効率を向上させつつ、レセプタクル側コンタクトが塑性変形する程に大きく可動側ハウジングが移動することを規制可能な構成を特徴構成としている。
【0049】
それでは、このレセプタクルコネクタ1の特徴構成について、図9(a)および図14を参照しながら以下に説明する。
【0050】
図14には、固定側ハウジング10に対して可動側ハウジング20が矢印Aの方向に揺動された状態を示している。この図14に示す状態では、左側のレセプタクル側コンタクト30において、外側当接部35と外側基部36との接続部分を起点として内側当接部33、折曲部34および外側当接部35が左側に突出するように(外側規制壁25に近づくように)弾性変形される。一方、可動側ハウジング20の左端部に形成された外側規制壁25は、右側に(外側当接部35に近づくように)揺動される。このため、可動側ハウジング20が矢印Aの方向に揺動された場合、ある時点において外側規制壁25と外側当接部35とが当接して可動側ハウジング20の揺動が規制される。よって、レセプタクル側コンタクト30(内側当接部33、折曲部34および外側当接部35)が弾性変形して移動可能な許容移動範囲を越えて可動側ハウジング20が移動される前に、可動側ハウジング20の移動が規制されることになるので、レセプタクル側コンタクト30の塑性変形を確実に防止できる。
【0051】
このとき、右側のレセプタクル側コンタクト30においても、右側に揺動された内側規制壁22aが内側当接部33に当接することで可動側ハウジング20の揺動が規制される。このように、レセプタクルコネクタ1では、可動側ハウジング20の移動方向に応じて、一方のレセプタクル側コンタクト30における外側当接部35を可動側ハウジング20の外側規制壁25に当接させるとともに、他方のレセプタクル側コンタクト30における内側当接部33を可動側ハウジング20の内側規制壁22aに当接させることで、許容移動範囲を越える可動側ハウジング20の移動を確実に規制し、レセプタクル側コンタクト30の塑性変形を防止できる構成となっている。
【0052】
そのために、レセプタクル側固定金具90を可動側ハウジング20に当接させることで、レセプタクル側コンタクト30が塑性変形するほどの大きな可動側ハウジング20の移動を規制する必要がないので、レセプタクル側固定金具90を図9(a)に示すようなシンプルな形状とすることが可能である。すなわち、レセプタクル側固定金具90は、固定側ハウジング10をレセプタクル側基板2に強固に固定する本来の機能のみを満足させれば良いので、複雑な曲げ加工等が必要とされず単に打ち抜き加工のみで成形可能なシンプルな形状とすることができる。よって、可動側ハウジングに近接させて固定側ハウジングに取り付けられる従来構成のレセプタクル側固定金具と比較して、製造コストを低減できるとともに組立作業の作業効率を向上させることが可能となる。以上のことから、本発明に係るレセプタクルコネクタ1においては、製造コストの増加を抑えるとともに組立作業の作業効率を向上させつつ、レセプタクル側コンタクトを塑性変形させる程に大きく可動側ハウジングが固定側ハウジングに対して移動することを規制可能となっている。
【0053】
上述の実施形態においては、レセプタクル側基板2とプラグ側基板102とを直角に位置させて電気的に接続するタイプのレセプタクルコネクタ1を例示して説明したが、例えばレセプタクル側基板とプラグ側基板とを平行に位置させて電気的に接続するタイプのレセプタクルコネクタにも同様に本発明を適用可能である。
【0054】
また、上述の実施形態においては、レセプタクル側基板2の位置決め孔に対して固定側ハウジング10の位置決め突起15を挿入させて位置決めを行う構成を例示して説明したが、本発明はこの構成のレセプタクルコネクタ1に限定して適用されるものではない。例えば固定側ハウジングを吸着してレセプタクル側基板2上の所定位置に精度良く載置させることができれば、位置決め突起を形成することなく固定側ハウジングを構成することも可能であり、このような構成の固定側ハウジングを備えたレセプタクルコネクタにも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 レセプタクルコネクタ(フローティング型コネクタ)
10 固定側ハウジング
20 可動側ハウジング
21 基部
22 中央突出部
25 外側規制壁(外側突出部)
26 受容凹部
27 コンタクト収容空間
30 レセプタクル側コンタクト(コンタクト)
31 接触部
33 内側当接部(中間部、可撓部)
34 折曲部(中間部、可撓部)
35 外側当接部(中間部、可撓部)
38 リード部
101 プラグコネクタ(相手方コネクタ)
130 プラグ側第1コンタクト(相手方コネクタのコンタクト)
140 プラグ側第2コンタクト(相手方コネクタのコンタクト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口して相手方コネクタを受容する受容凹部が形成されるとともに電気絶縁性を有する可動側ハウジングと、
前記可動側ハウジングの下方に配置され、前記可動側ハウジングを左右に移動自在に受容するとともに電気絶縁性を有する固定側ハウジングと、
前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとに跨って取り付けられる複数のコンタクトとを有して構成され、
前記コンタクトはそれぞれ導電性を有した長尺状部材を折り曲げ成形して作られ、一端側において前記固定側ハウジングに固定されるとともに下面側に露出するリード部と、他端側において前記可動側ハウジングに固定されるとともに前記受容凹部内に位置して前記相手方コネクタのコンタクトと当接可能な接触部と、前記リード部と前記接触部とを繋ぐ中間部とから構成され、前記中間部は上方に向けて凸となる逆U字状に形成されて弾性変形可能な可撓部を備え、
前記可動側ハウジングは、平板状の基部と、前記基部の中央から下方に突出するとともに上面側に前記受容凹部が形成された中央突出部と、前記基部の左右外側端部から下方に突出する外側突出部とを備え、
前記可撓部は前記中央突出部の外側面と、前記基部の下面と、前記外側突出部の内側面とに囲まれて下方に開口するコンタクト収容空間内に収容され、前記コンタクト収容空間内において前記可撓部が弾性変形することにより前記固定側ハウジングに対して前記可動側ハウジングが移動自在となっており、
前記コンタクト収容空間内において前記中央突出部または前記外側突出部に対して前記可撓部を当接させることにより、前記可撓部が弾性変形して移動可能な許容移動範囲を越えて前記固定側ハウジングに対して前記可動側ハウジングが移動することを規制可能に構成されたことを特徴とするフローティング型コネクタ。
【請求項2】
前記可撓部は、一端側において上方に延びて形成された外側当接部と、前記外側当接部の上端部が折曲されて形成された折曲部と、前記折曲部から下方に延びて形成された内側当接部とを備えて構成され、
前記外側当接部と前記外側突出部または前記内側当接部と前記中央突出部とを当接させることにより、前記許容移動範囲を越える前記可動側ハウジングの移動を規制可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のフローティング型コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−156090(P2012−156090A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16117(P2011−16117)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000105338)ケル株式会社 (51)
【Fターム(参考)】