説明

ブラシレスモータ

【課題】モータケースに制御装置を収容する収容部材を連結する構造であっても、製造工程を簡素化しつつ製造コストを低減でき、さらには小型化・軽量化を図る。
【解決手段】鋼板をプレス成形して筒状に形成し、内部にステータコアを固定したモータケース41を設け、モータケース41の軸方向一側に、ロータに固定される回転軸の先端側を回転自在に支持するブラケット48を設け、モータケース41の軸方向他側に、ロータを駆動制御する制御装置を収容する収容部材51を設け、モータケース41の収容部材51寄りの外周面に、収容部材51に設けた収容部材側固定部51eに固定されるモータケースブラケット49を固着した。よって、プレス成形によるモータケース41であっても、モータケースブラケット49および収容部材側固定部51eにより、モータケース41の軸方向他側に制御装置を収容した収容部材51の固定を強固なものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアと、ステータコア内で回転するロータとを備え、特に車載用の駆動源として用いて好適なブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、電動パワーステアリング装置(EPS)が搭載され、この電動パワーステアリング装置は、運転者によるステアリングホイールの操舵をアシストするようになっている。電動パワーステアリング装置は、駆動源として制御性能に優れたブラシレスモータを採用しており、これにより、ブラシレスモータをステアリングホイールの操舵角に応じて正逆方向に精度良く制御することで、運転者に対して適度な操作フィーリングを与えられるようにしている。このような電動パワーステアリング装置の駆動源として採用されるブラシレスモータとしては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された電動モータ(ブラシレスモータ)は、筒状に形成されたアルミニウム製のモータハウジング(モータケース)を備え、当該モータハウジングの内部には固定子(ステータコア)が固定されている。また、固定子の内側には出力軸(回転軸)を有する回転子(ロータ)が回転自在に設けられている。固定子には、インシュレータを介してU,VおよびWの3相の電機子巻線(コイル)が巻回され、これら3相の電機子巻線に交互に駆動電流を供給することで、回転子(出力軸)が正方向または逆方向に回転するようになっている。
【0004】
モータハウジングの後端側には、大電流基板を介してアルミニウム製のカバー(収容部材)が取り付け固定され、当該カバーの内部には絶縁多層基板(制御装置)が収容されている。大電流基板には半導体スイッチング素子や導電板等が実装され、絶縁多層基板にはパワー回路の構成部品の一部である半導体スイッチング素子や電界コンデンサやシャント抵抗等の電子部品が実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−174097号公報(図1,図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術によれば、モータケースおよび収容部材のそれぞれをアルミニウム製としているため、モータケースや収容部材を鋳造成形した後に、モータケースの内周面(ステータコアの固定部)や、互いに突き合わせられる当接面等を研削し、これにより正規の寸法とする寸法出し作業(二次作業)が必要となる。したがって、製造工程の煩雑化を招くばかりか製造コストが高くなるという問題を生じ、さらにはモータケースや収容部材を肉厚とせざるを得ず、モータの体積が増加するという問題も生じ得る。
【0007】
本発明の目的は、モータケースに制御装置を収容する収容部材を連結する構造であっても、製造工程を簡素化しつつ製造コストを低減でき、さらには小型化・軽量化を図ることが可能なブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のブラシレスモータは、ステータコアと、前記ステータコア内で回転するロータとを備えたブラシレスモータであって、鋼板をプレス成形して筒状に形成され、内部に前記ステータコアが固定されるモータケースと、前記モータケースの軸方向一側に設けられ、前記ロータに固定される回転軸の先端側を回転自在に支持する支持部材と、前記モータケースの軸方向他側に設けられ、前記ロータを駆動制御する制御装置を収容する収容部材とを有し、前記モータケースの前記収容部材寄りの外周面に、前記収容部材に設けた収容部材側固定部に固定されるモータケース側固定部を固着したことを特徴とする。
【0009】
本発明のブラシレスモータは、前記モータケース側固定部は、鋼板をプレス成形して形成され、前記収容部材側固定部に固定される固定部および前記モータケースに固着される固着部を備え、前記固着部を、前記モータケースに溶接により固着したことを特徴とする。
【0010】
本発明のブラシレスモータは、前記モータケースの軸方向他側に底壁を一体に設け、前記底壁に前記回転軸の基端側が貫通する貫通孔を設け、前記貫通孔から延出された前記回転軸の基端側に、前記回転軸の回転を検出する磁気式回転センサを配置することを特徴とする。
【0011】
本発明のブラシレスモータは、前記モータケースの前記収容部材寄りに径方向内側に窪んだモータケース側段差部を設け、前記収容部材の前記モータケース寄りに径方向外側に窪んだ収容部材側段差部を設け、前記モータケース側段差部と前記収容部材側段差部とを対向させた状態のもとで、前記モータケースと前記収容部材とを連結することを特徴とする。
【0012】
本発明のブラシレスモータは、前記ブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置の駆動源であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のブラシレスモータによれば、鋼板をプレス成形して筒状に形成し、内部にステータコアを固定したモータケースを設け、モータケースの軸方向一側に、ロータに固定される回転軸の先端側を回転自在に支持する支持部材を設け、モータケースの軸方向他側に、ロータを駆動制御する制御装置を収容する収容部材を設け、モータケースの収容部材寄りの外周面に、収容部材に設けた収容部材側固定部に固定されるモータケース側固定部を固着する。これにより、鋼板を筒状にプレス成形したモータケースであっても、モータケース側固定部および収容部材側固定部によって、モータケースの軸方向他側に制御装置を収容した収容部材の固定を強固なものとすることができる。したがって、鋼板をプレス加工(絞り加工)することでモータケースを成形でき、従前のアルミニウム製のモータケースに比して、寸法出し作業(二次作業)が不要になる等、製造工程を簡素化しつつ製造コストを低減できる。また、肉厚とせざるを得ない従前のアルミニウム製のモータケースに比して、鋼板を用いるのでモータケースを薄肉化することができ、ひいてはブラシレスモータの小型化・軽量化を図ることができる。
【0014】
本発明のブラシレスモータによれば、モータケース側固定部は、鋼板をプレス成形して形成され、収容部材側固定部に固定される固定部およびモータケースに固着される固着部を備え、固着部を、モータケースに溶接により固着するので、モータケース側固定部およびモータケースを同じ鋼板とし、互いに容易にかつ確実に固着することができる。これにより、モータケース側固定部とモータケースとを固着するための製造コストが上昇するのを抑制できる。
【0015】
本発明のブラシレスモータによれば、モータケースの軸方向他側に底壁を一体に設け、底壁に回転軸の基端側が貫通する貫通孔を設け、貫通孔から延出された回転軸の基端側に、回転軸の回転を検出する磁気式回転センサを配置するので、鋼板の底壁(磁性材料)によって、ブラシレスモータの駆動時に発生する磁気の外部への漏洩を遮断することができる。これにより、磁気式回転センサの誤作動を確実に防止し、磁気式回転センサの検出精度が低下するのを抑制できる。
【0016】
本発明のブラシレスモータによれば、モータケースの収容部材寄りに径方向内側に窪んだモータケース側段差部を設け、収容部材のモータケース寄りに径方向外側に窪んだ収容部材側段差部を設け、モータケース側段差部と収容部材側段差部とを対向させた状態のもとで、モータケースと収容部材とを連結する。これにより、鋼板を筒状にプレス成形したモータケースであっても、モータケース側段差部と収容部材側段差部とによって、その外側と内側とを結ぶ経路をラビリンス形状、つまり迷路状のジグザグ形状に形成でき、雨水や塵埃等を浸入し難くしてシール性を確保することができる。
【0017】
本発明のブラシレスモータによれば、ブラシレスモータを電動パワーステアリング装置の駆動源として用いるので、低騒音,低振動,低コスト化や軽量化が求められる電動パワーステアリング装置にも対応可能となる。これにより、低価格かつ低燃費が必須の軽自動車等にも容易に搭載可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置の概要を説明する説明図である。
【図2】図1のブラシレスモータの詳細構造を示す断面図である。
【図3】図1のブラシレスモータを分解して示す分解斜視図である。
【図4】モータケース側固定部のモータケースへの固着手順を説明する説明図である。
【図5】モータケースと収容部材との連結部分を示す部分拡大断面図である。
【図6】図5の破線円A部の拡大断面図である。
【図7】モータケースと収容部材との連結手順を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明に係るブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置の概要を説明する説明図を、図2は図1のブラシレスモータの詳細構造を示す断面図を、図3は図1のブラシレスモータを分解して示す分解斜視図を、図4はモータケース側固定部のモータケースへの固着手順を説明する説明図を、図5はモータケースと収容部材との連結部分を示す部分拡大断面図を、図6は図5の破線円A部の拡大断面図を、図7はモータケースと収容部材との連結手順を説明する説明図をそれぞれ表している。
【0021】
図1に示すように、自動車等の車両の車体(図示せず)には、電動パワーステアリング装置10が搭載され、当該電動パワーステアリング装置10は、運転者により操作されるステアリングホイール11が連結されたステアリングシャフト12による前輪13の操舵をアシストするようになっている。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングシャフト12の途中に設けられ、図示しない車室内の所定箇所に搭載される、所謂コラムアシスト式となっている。
【0022】
ステアリングシャフト12の前輪13側(図中下方側)には、ユニバーサルジョイント14を介してピニオン15が設けられ、当該ピニオン15は、タイロッド16に一体的に形成されたラック17に噛み合わされている。なお、これらの機構は図示しないハウジング内に設置されている。これにより、ステアリングホイール11の操舵(回転運動)が、ステアリングシャフト12,ユニバーサルジョイント14,ピニオン15およびラック17を介して、タイロッド16の左右方向への移動(直線運動)に変換され、その結果、前輪13が左方向または右方向に操舵されるようになっている。
【0023】
電動パワーステアリング装置10は、駆動源であるブラシレスモータ20と、当該ブラシレスモータ20の回転を減速して高トルク化する減速機構30とを備えている。ブラシレスモータ20は、モータ部40とコントローラ部50とを備え、これらのモータ部40およびコントローラ部50は、互いに機械的に連結されて一体化されている。
【0024】
コントローラ部50には接続コネクタCNが設けられ、当該接続コネクタCNには、車載バッテリ18からの配線が電気的に接続されている。これにより、イグニッションスイッチ(図示せず)をオン操作することで、コントローラ部50に駆動電流が供給される。また、接続コネクタCNには、ステアリングシャフト12に設けたトルクセンサからの配線等(図示せず)も電気的に接続されている。これにより、コントローラ部50は、トルクセンサからの検出信号に基づいてブラシレスモータ20のアシスト量(回転数等)を演算し、この演算結果が反映された駆動電流をブラシレスモータ20に供給するようになっている。
【0025】
減速機構30は、ブラシレスモータ20の回転軸46と後述する連結部材47により一体回転可能に設けられたウォーム31と、当該ウォーム31と噛み合ってステアリングシャフト12と一体回転するウォームホイール32とを備えている。これらのウォーム31およびウォームホイール32は、減速機ケース33内に収容され、当該減速機ケース33は、ブラシレスモータ20の支持部材としてのブラケット48に連結されている。これにより、ブラシレスモータ20の回転軸46の回転が減速されて高トルク化され、ウォームホイール32を介してステアリングシャフト12に伝達される。
【0026】
図2に示すように、ブラシレスモータ20を形成するモータ部40は、磁性材料である鋼板をプレス成形(深絞り成形)することで、有底筒状に形成されたモータケース41を備えている。モータケース41は、本体筒部41a,第1底壁(底壁)41b,第2底壁(底壁)41c,第3底壁(底壁)41dおよび第4底壁(底壁)41eを備えており、本体筒部41aの軸方向一側(図中下側)は開口されている。一方、本体筒部41aの軸方向他側(図中上側)は、各底壁41b,41c,41d,41eによって閉塞されている。また、第3,第4底壁41d,41eによって、後述する第2軸受B2の軸受支持部BSが形成されており、この軸受支持部BSは第1底壁41bよりもモータケース41の開口側に配置されており、これによりモータケース41の第1底壁41b側の内面側には、環状空間ASが形成されている。
【0027】
本体筒部41aの内部には、円環状に形成されたステータコア42が固定されており、当該ステータコア42には、プラスチック等の非磁性体よりなるインシュレータ42aを介して、U,VおよびW相のコイル42bが所定の巻き方および巻数でそれぞれ巻回されている。
【0028】
ステータコア42と第1底壁41bとの間、つまり環状空間ASには、ステータコア42と同様に円環状に形成された集電装置としてのバスバーユニット43が設けられ、当該バスバーユニット43の内部には、複数の導電板Pがインサート成形により埋設されている。各導電板Pの一端側には、U,VおよびW相のコイル42bの端部がそれぞれ電気的に接続され、各導電板Pの他端側には、U,VおよびW相のコイル42bに対応した3つの接続端子44a(図3参照)を備えたターミナルソケット44が電気的に接続されている。
【0029】
ターミナルソケット44には、各接続端子44aがインサート成形によって埋設されており、当該ターミナルソケット44は、第1底壁41bに部分的に形成された略円弧形状の底穴41f(図4参照)を貫通し、当該底穴41fに固定されている。これにより、U,VおよびW相のコイル42bと、収容部材51に収容された制御装置52とは底穴41fを介して電気的に接続できるようにしている。
【0030】
ステータコア42の内側には、微小隙間(エアギャップ)を介してロータ45が設けられ、当該ロータ45は、U,VおよびW相のコイル42bへの駆動電流の供給により、正逆方向に回転するようになっている。ロータ45は、環状に形成された複数の永久磁石45aを積層して形成され、各永久磁石45aは、薄肉の鋼板よりなるロータケース45bによって覆われている。
【0031】
ロータ45の回転中心、つまり各永久磁石45aの回転中心には、回転軸46が貫通して固定され、当該回転軸46はロータ45と一体回転するようになっている。回転軸46の先端側(図中下側)は、モータケース41の開口側を閉塞するブラケット48に設けた第1軸受B1により、回転自在に支持されている。ここで、第1軸受B1としてはボールベアリング(詳細図示せず)を用いている。
【0032】
回転軸46の先端側は、ブラケット48を介してモータケース41の外部に延出されており、回転軸46のモータケース41の外部に延出した先端部分には、筒状に形成された連結部材47が嵌合固定されている。連結部材47の径方向内側には、複数の凹凸よりなるセレーション部47aが形成され、当該セレーション部47aには、ウォーム31のウォーム軸31aの基端側(図1中右側)の外周面に設けられた図示しないセレーション部が嵌合固定され、これにより回転軸46とウォーム31とが一体回転可能となっている。
【0033】
回転軸46の基端側(図中上側)は、第4底壁41eに形成された貫通孔41g(図4参照)を貫通してモータケース41の外部に延出されており、回転軸46のモータケース41の外部に延出した基端部分には、磁気式回転センサSEを構成する回転方向に2極に着磁されたマグネットを備えるセンサマグネット部MGが一体回転可能に嵌合装着されている。センサマグネット部MGは、その殆どがモータケース41の第1底壁41bから軸方向一側にオフセットして、第2底壁41cと第4底壁41e(軸受支持部BS)とで形成された円柱状空間CS内に配置されるとともに、回転軸46に装着される部分の端部が貫通孔41g内に至るようになっており、これにより、モータ部40の軸方向最大突出部の寸法を小さくすることができるとともに、センサマグネット部MGの嵌合強度も保つことができるようになっている。また、例えば、モータ部40とコントローラ部50とを連結するときに、コントローラ部50とセンサマグネット部MGとが不用意に接触することを抑制し、ひいてはセンサマグネット部MGの脱落を未然に防ぐようにしている。
【0034】
また、第3,第4底壁41d,41eによって形成された軸受支持部BSには第2軸受B2が装着されており、当該第2軸受B2は、回転軸46の基端側を回転自在に支持している。ここで、第2軸受B2としてはボールベアリング(詳細図示せず)を用いている。
【0035】
このように、モータケース41の内側と外側との間に、鋼材よりなる各底壁41b,41c,41d,41eを配置し、これによりモータケース41内で発生した磁気を外部に漏洩し難くしている。よって、磁気による磁気式回転センサSEへの悪影響を抑制できるので、磁気式回転センサSEとモータ部40とを近接配置し、これによりブラシレスモータ20の軸方向長さの増大を最小限に抑えている。
【0036】
モータケース41の軸方向一側、つまり開口側は、鋳造成形により略円盤状に形成されたアルミニウム製のブラケット48によって閉塞されている。ブラケット48は、モータケース41の開口部分に印籠嵌合される嵌合筒部48aと、モータケース41のフランジ部41hに突き当てられる突当部48bとを備えている。ブラケット48の突当部48bから径方向外側に延出して形成された複数のブラケット側第1延出部48dにはネジ孔(図示せず)が設けられ、図3に示すように、モータケース41のフランジ部41hから径方向外側に延出して形成された複数のフランジ側第1延出部41jとブラケット側第1延出部48dとを突き当てた状態のもとで締結ネジS1をフランジ側第1延出部41jのネジ孔41kよりネジ結合させて、モータケース41とブラケット48とを連結している。これにより、ブラケット48をモータケース41に対して精度良く位置決めすることができる。また、ブラケット48の中心部分には、第1軸受B1が固定される軸受固定筒部48cが設けられ、ブラケット48は第1軸受B1を介して回転軸46を回転自在に支持するようになっている。
【0037】
また、モータケース41のフランジ部41hから径方向外側に延出して形成された複数のフランジ側第2延出部41mには孔部41nが設けられている。さらに、ブラケット48には、突当部48bから径方向外側に延出するよう複数のブラケット側第2延出部48eが設けられ、このブラケット側第2延出部48eには、フランジ側第2延出部41mの孔部41nと対向し得る孔部(図示せず)が設けられている。そして、フランジ側第2延出部41mとブラケット側第2延出部48eとを突き当てた状態のもとで、図示しない締結ネジをフランジ側第2延出部41mの孔部41n側から貫通させて、減速機ケース33(図1参照)にネジ結合させることで、ブラシレスモータ20と減速機構30とを連結するようになっている。
【0038】
なお、符号48fはこのブラシレスモータ20(ブラケット48)を減速機構30に組付ける際に減速機構30の減速機ケース33と印籠嵌合する嵌合部であり、この嵌合部48fには減速機構30との間をシールするOリング等のシール部材(図示せず)を配設するための環状凹溝48gが設けられている。
【0039】
図3および図4に示すように、モータケース41の各底壁41b,41c,41d,41e側の外周面、つまり本体筒部41aの収容部材51寄りの外周面には、本体筒部41aの周方向に沿うよう3つのモータケースブラケット(モータケース側固定部)49が設けられている。各モータケースブラケット49は、本体筒部41aの周方向に沿ってそれぞれ略90°間隔で設けられ、それぞれ同じ形状に形成されている。
【0040】
各モータケースブラケット49は、モータケース41と同じ素材の鋼板をプレス成形することにより略L字形状に形成され、本体筒部41aに固着される固着部49aと、収容部材51の収容部材側固定部51eに固定される固定部49bとを備えている。固定部49bには、モータケース41と収容部材51とを連結して固定するための固定ネジS2が貫通するネジ孔49cが設けられている。また、固着部49aと固定部49bとの間には、一対の補強リブ49dが設けられ、これによりモータケースブラケット49の強度が高められて、外力によって変形するのを防止している。
【0041】
図4に示すように、固着部49aは、本体筒部41aに密着できるように、本体筒部41aの曲率半径と同じ曲率半径となるよう湾曲形状に形成されている。これにより、固着部49aと本体筒部41aとの間に隙間が生じないようにしている。ここで、モータケースブラケット49は、モータケース41に対して溶接によって固着されるが、具体的には、図中破線矢印に示すように、まず本体筒部41aの所定箇所に固着部49aを臨ませて、固着部49aを本体筒部41aに密着させる。そして、その状態のもとで溶接工具T1を用いて必要箇所をスポット溶接する。
【0042】
なお、モータケースブラケット49とモータケース41とは、それぞれ同じ素材の鋼板により形成しているため、両者を容易にかつ強固に固着できるようになっている。ただし、モータケースブラケット49とモータケース41とを固着するための固着手段としては、上述のようなスポット溶接に限らず、例えばアーク溶接等の他の溶接方法であっても良い。さらには、必要とされる固着強度が得られるのであれば、ネジ部材等の固着手段を用いても良い。
【0043】
これにより、モータケース41とモータケースブラケット49との固着は強固なものとなるため、モータケース41と収容部材51との連結も強固なものとなり、当該連結部からの騒音や振動等の発生を効果的に抑制することができる。
【0044】
図2に示すように、ブラシレスモータ20を形成するコントローラ部50は、アルミニウム製の収容部材51を備えている。収容部材51は、モータケース41の軸方向他側(図中上側)に設けられ、筒部51aおよび底部51bを有する有底筒状に形成されている。収容部材51の内部には、モータ部40のロータ45を駆動制御するための制御装置52が収容されている。
【0045】
筒部51aには端子引出孔51cが形成されており、当該端子引出孔51cは、回転軸46の軸方向と直交する方向に開口している。端子引出孔51cには、接続コネクタCNを形成する樹脂製のコネクタ接続部51dが取り付けられ、当該コネクタ接続部51dには、車載バッテリ18(図1参照)やトルクセンサからの配線を有する車体側コネクタ(図示せず)が接続されるようになっている。
【0046】
図3に示すように、筒部51aのモータケース41寄りの外周面には、筒部51aの周方向に沿うよう3つの収容部材側固定部51e(図示では2つのみ示す)が、筒部51aの径方向に向けて突出するよう設けられている。各収容部材側固定部51eは、本体筒部41aの周方向に沿ってそれぞれ略90°間隔で、各モータケースブラケット49に対応して設けられている。各収容部材側固定部51eは、それぞれ筒部51aに一体成形され、何れも同じ形状となっている。また、各収容部材側固定部51eには、図5に示すように、モータケース41と収容部材51とを連結して固定するための固定ネジS2がネジ結合される雌ネジ部51fが形成されている。
【0047】
図2に示すように、収容部材51の内部に収容される制御装置52は、収容部材51の底部51b側(図中上側)に配置されるパワー系基板53と、収容部材51の開口側(図中下側)に配置される制御系基板54とを備えている。パワー系基板53には、パワー素子である複数の半導体スイッチング素子SWや、コンデンサやシャント抵抗(何れも図示せず)等の電子部品が実装されている。そして、各半導体スイッチング素子SWは底部51bに接触するよう配置されており、ブラシレスモータ20の駆動時に発生した熱を、収容部材51を介して外部に放散できるようにしている。つまり、収容部材51はヒートシンクとしての機能を有しており、収容部材51をアルミニウム製とすることで、パワー系素子の熱を外部に放散し易いヒートシンクとして機能するようにしている。
【0048】
パワー系基板53には、モータ部40側の各接続端子44aが差し込まれる3つのメス型端子53a(図示では1つのみ示す)が電気的に接続して設けられている。各メス型端子53aには、モータケース41と収容部材51とを連結する際に、各接続端子44aがそれぞれ対応して差し込まれるようになっている。
【0049】
パワー系基板53には、複数の接続端子53b(図示では1つのみ示す)の基端側が電気的に接続して設けられ、各接続端子53bの他端側は、端子引出孔51cを介してコネクタ接続部51dの内部に露出している。そして、各接続端子53bには、コネクタ接続部51dに車体側コネクタを接続することで、車載バッテリ18(図1参照)やトルクセンサからの配線と電気的に接続されるようになっている。
【0050】
パワー系基板53には、さらに複数の接続線53c(図示では1つのみ示す)の一端側が電気的に接続されており、各接続線53cの他端側は、制御系基板54に電気的に接続されている。これにより、制御系基板54に給電したり、制御系基板54からの制御信号をパワー系基板53に伝送したりするようになっている。
【0051】
制御系基板54は、モータケース41の第1底壁41bに臨んでおり、制御系基板54における第1底壁41b側の略中央部分には、磁気式回転センサSEを構成するMRセンサ54aが実装されている。ここで、磁気式回転センサSEは、MRセンサ54aと回転軸46に装着されたセンサマグネット部MGとから構成され、両者は微小距離(エアギャップ)をもって対向配置されている。磁気式回転センサSEは非接触式であり、MRセンサ54aは、センサマグネット部MGの回転によってパルス信号を発生し、当該パルス信号を制御系基板54に実装したCPU(図示せず)に伝送するようになっている。つまりCPUは、MRセンサ54aからのパルス信号のパルス数をカウントすることで回転軸46の回転角度を算出でき、また、パルス信号の出現タイミングを見ることで回転軸46の回転数を算出できるようになっている。
【0052】
図5および図6に示すように、モータケース41と収容部材51との間には、外部からの雨水や塵埃等の浸入を防止するシール機構60が設けられ、これにより、制御装置52が損傷したり、磁気式回転センサSEの検出精度が低下したりするのを防止している。このシール機構60は、モータケース側段差部61,収容部材側段差部62およびシール部材としてのOリング63から形成されている。
【0053】
モータケース側段差部61は、モータケース41を形成する本体筒部41aの収容部材51寄り、つまり本体筒部41aの第1底壁41b寄りに設けられ、モータケース41の径方向内側に窪んで円環状に設けられている。モータケース側段差部61は、モータケース41の径方向内側に窪んで円環状に設けることで、収容部材51の収容部材側段差部62に向けて開口するようになっている。モータケース側段差部61は、本体筒部41a側でモータケース41の径方向に延びる第1壁部61aと、第1底壁41b側でモータケース41の軸方向に延びる第2壁部61bとから形成されている。
【0054】
収容部材側段差部62は、収容部材51を形成する筒部51aのモータケース41寄り、つまり筒部51aの収容部材側固定部51e寄りに設けられ、収容部材51の径方向外側に窪んで円環状に設けられている。収容部材側段差部62は、収容部材51の径方向外側に窪んで円環状に設けることで、モータケース41のモータケース側段差部61に向けて開口するようになっている。収容部材側段差部62は、底部51b側で収容部材51の径方向に延びる第3壁部62aと、収容部材側固定部51e側で収容部材51の軸方向に延びる第4壁部62bとから形成されている。
【0055】
Oリング63は、可撓性を有する弾性材料(ゴム材料等)によって、断面が円形形状に形成されている。Oリング63は、モータケース側段差部61と収容部材側段差部62との対向部分、つまりモータケース側段差部61の開口側と収容部材側段差部62の開口側と間に、径方向に押圧された状態(弾性変形状態)のもとで配置されている。これによりOリング63は、モータケース側段差部61の第2壁部61bと、収容部材側段差部62の第4壁部62bとの双方に密着している。
【0056】
このように、Oリング63を第2壁部61bと第4壁部62bとの双方に密着させて設けることで、Oリング63は第2壁部61bおよび第4壁部62bの径方向寸法の誤差を吸収しつつ、モータケース41と収容部材51との間を確実に密封するようになっている。また、モータケース側段差部61と収容部材側段差部62とを対向させて、これらの間にOリング63を配置しているので、雨水や塵埃等の浸入経路を、図6中破線矢印に示すようにラビリンス形状、つまり迷路状のジグザグ形状にすることができ、雨水や塵埃等の浸入をより効果的に抑制するようにしている。したがって、ブラシレスモータ20の防水/防塵機能の仕様(程度)によっては、ラビリンス形状のみで充分であり、本ブラシレスモータ20が被水環境に配置される場合や塵埃環境に配置される等、適宜Oリング63を選択的に配置可能とされている。
【0057】
ここで、モータケース41と収容部材51との位置決め、つまりモータケース41に対する収容部材51の装着深さは、モータケース41のモータケースブラケット49と収容部材51の収容部材側固定部51eとの接触によって設定される。これにより、モータケース側段差部61の第1壁部61aと、収容部材側段差部62の第3壁部62aとによって、Oリング63が押し潰されて損傷するようなことは無い。
【0058】
次に、以上のように形成したブラシレスモータ20の組み立て手順について、図面を用いて詳細に説明する。
【0059】
まず、図3に示すように、それぞれ別の組み立て工程で組み立てたモータ部40およびコントローラ部50を準備する。また、シール機構60を形成するOリング63,3つの固定ネジS2および各固定ネジS2を締結するための締結工具T2(図7参照)を準備する。ここで、各固定ネジS2は特殊ネジであって、汎用のプラスネジやマイナスネジでは無く、図7に示すようにネジ頭部が略星形の凹部となっている。よって、締結工具T2は各固定ネジS2専用の特殊工具となっている。このようにブラシレスモータ20は、容易には分解できないようになっている(非分解式)。
【0060】
そして、図3に示すように、モータ部40の軸芯とOリング63の軸芯とを合わせるようにして、Oリング63をモータ部40のモータケース側段差部61に装着する。ここで、Oリング63のシール性を確実なものとするために、当該Oリング63には捻れが生じないようにする。その後、Oリング63を装着したモータ部40の軸芯とコントローラ部50の軸芯とを合わせるようにして、コントローラ部50をモータ部40に被せるようにする。ここで、コントローラ部50の各収容部材側固定部51eを、モータ部40の各モータケースブラケット49のそれぞれに対向させる。すると、図2に示すように、制御装置52の各メス型端子53aとターミナルソケット44の各接続端子44aとがそれぞれ対向するようになる。
【0061】
次いで、モータ部40にコントローラ部50を臨ませて、モータケース41の本体筒部41aに収容部材51の筒部51aを印籠嵌合させていく。これによりOリング63が、モータケース側段差部61の第1壁部61aおよび第2壁部61bと、収容部材側段差部62の第3壁部62aおよび第4壁部62bとで囲まれた空間内に収容され、シール機構60が形成される(図6参照)。また、シール機構60の形成とともに、各接続端子44aが各メス型端子53aにそれぞれ入り込んで電気的に接続される。
【0062】
その後、さらにモータケース41と収容部材51との印籠嵌合を進めていくことで、収容部材51の各収容部材側固定部51eと、各モータケースブラケット49の各固定部49bとを接触させる。これにより、モータケース41への収容部材51の印籠嵌合が完了する。ここで、モータケース41への収容部材51の印籠嵌合の完了に伴い、磁気式回転センサSEのセンサマグネット部MGとMRセンサ54aとの離間距離(図2参照)が最適化され、両者は微小距離(エアギャップ)をもって対向配置するようになっている。
【0063】
そして、図5および図7に示すように、各固定ネジS2をそれぞれモータケースブラケット49のネジ孔49cに挿通しつつ、締結工具T2を用いて各固定ネジS2をそれぞれ収容部材側固定部51eの雌ネジ部51fにネジ結合させる。これにより、モータケース41と収容部材51とが連結され、ひいてはモータ部40とコントローラ部50とが一体化してブラシレスモータ20が完成する。
【0064】
その後、完成したブラシレスモータ20は、モータケース41のフランジ部41hから径方向外側に延出して形成された複数のフランジ側第2延出部41mの孔部41nと、ブラケット48の突当部48bから径方向外側に延出して形成された複数のブラケット側第2延出部48eの孔部(図示せず)とを介して、図示しない締結ネジにより減速機構30の減速機ケース33に連結される。
【0065】
以上詳述したように、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、鋼板をプレス成形して筒状に形成し、内部にステータコア42を固定したモータケース41を設け、モータケース41の軸方向一側に、ロータ45に固定される回転軸46の先端側を回転自在に支持するブラケット48を設け、モータケース41の軸方向他側に、ロータ45を駆動制御する制御装置52を収容する収容部材51を設け、モータケース41の収容部材51寄りの外周面に、収容部材51に設けた収容部材側固定部51eに固定されるモータケースブラケット49を固着した。
【0066】
これにより、鋼板を筒状にプレス成形したモータケース41であっても、モータケースブラケット49および収容部材側固定部51eによって、モータケース41の軸方向他側に制御装置52を収容した収容部材51の固定を強固なものとすることができる。したがって、鋼板をプレス加工(絞り加工)することでモータケース41を成形でき、従前のアルミニウム製のモータケースに比して、寸法出し作業(二次作業)が不要になる等、製造工程を簡素化しつつ製造コストを低減できる。また、肉厚とせざるを得ない従前のアルミニウム製のモータケースに比して、鋼板を用いるのでモータケース41を薄肉化することができ、ひいてはブラシレスモータ20の小型化・軽量化を図ることができる。
【0067】
また、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、モータケースブラケット49は、鋼板をプレス成形して形成され、収容部材側固定部51eに固定される固定部49bおよびモータケース41に固着される固着部49aを備え、固着部49aを、モータケース41に溶接により固着するようにし、モータケースブラケット49およびモータケース41を同じ鋼板としたので、互いに容易にかつ確実に固着することができる。これにより、モータケースブラケット49とモータケース41とを固着するための製造コストが上昇するのを抑制できる。
【0068】
さらに、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、モータケース41の軸方向他側に第1底壁41b,第2底壁41c,第3底壁41dおよび第4底壁41eを一体に設け、第4底壁41eに回転軸46の基端側が貫通する貫通孔41gを設け、貫通孔41gから延出された回転軸46の基端側に、回転軸46の回転を検出する磁気式回転センサSEを配置した。これにより、鋼板の各底壁41b,41c,41d,41e(磁性材料)によって、ブラシレスモータ20の駆動時に発生する磁気の外部への漏洩を遮断することができる。よって、磁気式回転センサSEの誤作動を確実に防止し、磁気式回転センサSEの検出精度が低下するのを抑制できる。
【0069】
また、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、モータケース41の収容部材51寄りに径方向内側に窪んだモータケース側段差部61を設け、収容部材51のモータケース41寄りに径方向外側に窪んだ収容部材側段差部62を設け、モータケース側段差部61と収容部材側段差部62とを対向させた状態のもとで、モータケース41と収容部材51とを連結した。これにより、鋼板を筒状にプレス成形したモータケース41であっても、モータケース側段差部61と収容部材側段差部62とによって、その外側と内側とを結ぶ経路をラビリンス形状、つまり迷路状のジグザグ形状に形成でき、雨水や塵埃等を浸入し難くしてシール性を確保することができる。
【0070】
さらに、本実施の形態に係るブラシレスモータ20によれば、ブラシレスモータ20を電動パワーステアリング装置10の駆動源として用いるので、低騒音,低振動,低コスト化や軽量化が求められる電動パワーステアリング装置(EPS)にも対応可能となる。これにより、低価格かつ低燃費が必須の軽自動車等にも容易に搭載可能となる。
【0071】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、ブラシレスモータ20をステアリングシャフト12の途中に設けたコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置10に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ピニオン15(図1参照)をアシストする形式や、タイロッド16(図1参照)をアシストする形式の電動パワーステアリング装置に適用することもできる。
【0072】
また、上記実施の形態では、ブラシレスモータ20を電動パワーステアリング装置10の駆動源として用いた場合を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、オイルポンプモータ等のエンジン補機類の駆動源等にも用いることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13 前輪
14 ユニバーサルジョイント
15 ピニオン
16 タイロッド
17 ラック
18 車載バッテリ
20 ブラシレスモータ(駆動源)
30 減速機構
31 ウォーム
31a ウォーム軸
32 ウォームホイール
33 減速機ケース
40 モータ部
41 モータケース
41a 本体筒部
41b 第1底壁(底壁)
41c 第2底壁(底壁)
41d 第3底壁(底壁)
41e 第4底壁(底壁)
41f 底穴
41g 貫通孔
41h フランジ部
41j フランジ側第1延出部
41k ネジ孔
41m フランジ側第2延出部
41n 孔部
42 ステータコア
42a インシュレータ
42b コイル
43 バスバーユニット(集電装置)
44 ターミナルソケット
44a 接続端子
45 ロータ
45a 永久磁石
45b ロータケース
46 回転軸
47 連結部材
47a セレーション部
48 ブラケット(支持部材)
48a 嵌合筒部
48b 突当部
48c 軸受固定筒部
48d ブラケット側第1延出部
48e ブラケット側第2延出部
48f 嵌合部
48g 環状凹溝
49 モータケースブラケット(モータケース側固定部)
49a 固着部
49b 固定部
49c ネジ孔
49d 補強リブ
50 コントローラ部
51 収容部材
51a 筒部
51b 底部
51c 端子引出孔
51d コネクタ接続部
51e 収容部材側固定部
51f 雌ネジ部
52 制御装置
53 パワー系基板
53a メス型端子
53b 接続端子
53c 接続線
54 制御系基板
54a MRセンサ
60 シール機構
61 モータケース側段差部
61a 第1壁部
61b 第2壁部
62 収容部材側段差部
62a 第3壁部
62b 第4壁部
63 Oリング(シール部材)
P 導電板
AS 環状空間
BS 軸受支持部
CS 円柱状空間
B1 第1軸受
B2 第2軸受
CN 接続コネクタ
SE 磁気式回転センサ
SW 半導体スイッチング素子
MG センサマグネット部
S1 締結ネジ
S2 固定ネジ
T1 溶接工具
T2 締結工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアと、前記ステータコア内で回転するロータとを備えたブラシレスモータであって、
鋼板をプレス成形して筒状に形成され、内部に前記ステータコアが固定されるモータケースと、
前記モータケースの軸方向一側に設けられ、前記ロータに固定される回転軸の先端側を回転自在に支持する支持部材と、
前記モータケースの軸方向他側に設けられ、前記ロータを駆動制御する制御装置を収容する収容部材とを有し、
前記モータケースの前記収容部材寄りの外周面に、前記収容部材に設けた収容部材側固定部に固定されるモータケース側固定部を固着したことを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
請求項1記載のブラシレスモータにおいて、前記モータケース側固定部は、鋼板をプレス成形して形成され、前記収容部材側固定部に固定される固定部および前記モータケースに固着される固着部を備え、前記固着部を、前記モータケースに溶接により固着したことを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項3】
請求項1または2記載のブラシレスモータにおいて、前記モータケースの軸方向他側に底壁を一体に設け、前記底壁に前記回転軸の基端側が貫通する貫通孔を設け、前記貫通孔から延出された前記回転軸の基端側に、前記回転軸の回転を検出する磁気式回転センサを配置することを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記モータケースの前記収容部材寄りに径方向内側に窪んだモータケース側段差部を設け、前記収容部材の前記モータケース寄りに径方向外側に窪んだ収容部材側段差部を設け、前記モータケース側段差部と前記収容部材側段差部とを対向させた状態のもとで、前記モータケースと前記収容部材とを連結することを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラシレスモータにおいて、前記ブラシレスモータは、電動パワーステアリング装置の駆動源であることを特徴とするブラシレスモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−90376(P2013−90376A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226613(P2011−226613)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】