説明

ブラシローラ、その製造方法、塗布装置、及び画像形成装置

【課題】塗布材が一方向に偏在することなく当接対象物の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、皮膜形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて工程数も少なく低コストのブラシローラ、及びそのブラシローラの製造方法、及びそのブラシローラを備える塗布装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】芯となる一定の外径を持つ棒形状の芯部材1と、前記芯部材1の外周面に螺旋状に巻き付けて当接対象物2に当接して塗布材3を供給及び塗布または除去する帯形状の植毛レース4と、前記植毛レース4の巻き付けにより生じる螺旋方向の隙間溝5と、前記隙間溝5の螺旋方向と逆方向に形成する追加溝6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当接対象物に対して回動して塗布材を供給及び塗布または除去するブラシローラ、及びそのブラシローラの製造方法、及びそのブラシローラを備える塗布装置並びに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、乾式現像装置を用いた電子複写機ではトナー画像を転写後の感光体に付着している残留トナーをブレードで掻き落とすクリーニング手段が適用されるが、この時、前記ブレード等のクリーニング手段による圧接により感光体表面が磨耗することなどの防止を目的とし潤滑材等の塗布材を感光体面に供給するブラシローラが存在する。
静電複写機またはプリンタ等に使用され、粉体である潤滑剤等の塗布材を感光体表面、または転写ベルト表面に塗布する手段として用いられるブラシローラとしては、製造工数が少なく高密度の帯状の植毛レースを巻き付けたブラシローラが用いられている。そのブラシローラは、金属等の剛性のある芯金のまわりに、レース基布にパイルが植毛されてなる植毛レースを巻き付けて、接着した構成である。
例えば、帯状の植毛レースである織物ストリップを螺旋状に芯金の円筒形芯に巻き付けて、幅方向で植毛レースのパイル密度が異なっているブラシローラである円筒形繊維ブラシも提案されている(特許文献1を参照)。
植毛レースを芯金に巻き付ける手段としては、植毛レースの継目がブラシローラの軸方向に一致させないようにするため、また、巻き付け工程の簡略化のために、芯金に両面テープ、または接着剤等を表面に塗布する。そして、接着剤等の外側面に一定幅の植毛レースを螺旋状に巻付けた構成が広く採用されている。
【0003】
そこで、植毛レースを芯金に巻き付ける従来のブラシローラを、以下に詳細に説明する。
図8は、従来のブラシローラの基本構成図である。
図9は、従来のブラシローラの芯金に巻き付ける植毛レースの正面図である。
図8と図9において、従来のブラシローラ300は、外径9mmの金属製の芯金301の表面に両面粘着テープ307を設ける。そして、その両面粘着テープ307の外周側表面に、植毛レース304を螺旋状に巻き付ける。
植毛レース304は、図9に図示するように厚さ0.4mmのレース基布340にナイロンを主成分とした長さ3.1mmのパイル341が製織されて、幅15mmの帯状に裁断されている。
芯金301に螺旋状に巻き付けられる植毛レース304のパイル341の最外径は16mm、植毛レース304が存在する胴部312の長さは315mmである。
図8に図示するブラシローラ300の螺旋状に巻付けた植毛レース304間の隙間溝305の幅W1は0.3mm〜0.5mmである。
このブラシローラ300の回動によって、感光体、転写ベルト等の当接対象物302の表面に潤滑剤等の塗布材303を、供給、あるいはさらに塗布または除去する。その際に、植毛レース304を螺旋状に巻付けた構成により、必ず生じてしまう植毛レース304の端部間の隙間溝305により潤滑剤等の塗布材303が隙間溝内に沿って潤滑剤が移動し、当接対象物302の表面上の一方向に運搬、移動されてしまい、潤滑剤が偏在する。
潤滑剤等の塗布材303が偏在することによって、感光体、転写ベルト等の当接対象物302の表面全域に亘って潤滑剤等が均一に供給されず、摺動性不足による、異音、ブレードめくれが発生する。更に、潤滑剤等の皮膜形成不足による、余剰トナー等のクリーニング不良の発生等で形成する画像品質も低下すると言う不具合が発生していた。
【特許文献1】特公平6−56539号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、従来のブラシローラにおける前述の問題点を解決するものである。即ち、塗布体が一方向に偏在することなく当接対象物の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、皮膜形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて工程数も少なく低コストのブラシローラ、及びそのブラシローラの製造方法、及びそのブラシローラを備える塗布装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、当接対象物に対して回動して塗布材を供給するブラシローラにおいて、棒形状の芯部材と、前記芯部材の外周面に螺旋状に巻き付けられて先端部で前記当接対象物に当接する帯形状の植毛レースと、前記植毛レースの巻き付けにより生じる螺旋方向の隙間溝と、前記隙間溝の螺旋方向と逆方向に形成する追加溝と、を備えることを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のブラシローラにおいて、前記芯部材は、金属製の芯金であるブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載のブラシローラにおいて、前記植毛レースが両面粘着テープによって前記芯部材に接着され巻き付けられていることを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
【0006】
または、請求項4に記載の本発明は、請求項1、2または3に記載のブラシローラにおいて、前記芯部材は、軸方向の中間部に巻き付ける前記植毛レースの存在する胴部と、軸方向の両端部側に前記植毛レースが存在しない両端ジャーナル部から成ることを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記当接対象物は、トナー画像を担持して回動する像担持体であることを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記塗布材は、潤滑剤であることを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項7に記載の本発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記植毛レースは、前記芯部材の外周面に巻きつけられて接着するレース基布と、前記レース基布に製織されるパイルとを備えることを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
【0007】
または、請求項8に記載の本発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の幅は、前記隙間溝の幅と均等であるブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項9に記載の本発明は、請求項8に記載のブラシローラにおいて、前記隙間溝の幅と前記追加溝の幅は、0.1mm以上で0.5mm以下であるブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項10に記載の本発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の間隔は、前記隙間溝の間隔と均等であるブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項11に記載の本発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の深さは、当接時に前記当接対象物の前記植毛レースへの喰い込み量よりも深いブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項12に記載の本発明は、請求項1乃至11の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の深さは、前記植毛レースのレース基布の外周面までの深さよりも浅いブラシローラであることを特徴とする。
【0008】
または、請求項13に記載の本発明は、請求項1乃至12の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記胴部の軸方向端部には、前記隙間溝と前記追加溝の交差部が存在しないことを特徴とするブラシローラであることを特徴とする。
または、請求項14に記載の本発明は、当接対象物に対して回動して塗布材を供給するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けた後に、前記植毛レースの巻き付けにより生じる螺旋方向の前記隙間溝の螺旋方向と逆方向に前記追加溝を形成することを特徴とするブラシローラの製造方法であることを特徴とする。
または、請求項15に記載の本発明は、請求項14に記載するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けて起毛加工を行った後に、前記追加溝を形成するブラシローラの製造方法であることを特徴とする。
または、請求項16に記載の本発明は、請求項14または15に記載するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けて起毛加工を行った後のシャ−リング加工を行う前に、前記追加溝を形成するブラシローラの製造方法であることを特徴とする。
【0009】
または、請求項17に記載の本発明は、請求項14、15または16に記載するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けて前記追加溝を形成した直後に、前記隙間溝を同位置の螺旋方向に前記追加溝の幅及び間隔と均等にする追加工を行うブラシローラの製造方法であることを特徴とする。
または、請求項18に記載の本発明は、当接対象物に塗布材を供給する塗布装置において、前記塗布材を供給可能に保持する塗布材体供給保持手段と、前記塗布材保持手段に保持される前記塗布材を前記当接対象物の表面に供給する請求項1乃至13の何れか一項に記載の前記ブラシローラと、前記ブラシローラを回動可能に保持するブラシローラ保持手段と、を備えることを特徴とする塗布装置であることを特徴とする。
または、請求項19に記載の本発明は、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成装置において、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットの回動する前記当接対象物に対して前記塗布材を供給する請求項1乃至13の何れか一項に記載の前記ブラシローラと、を備える画像形成装置であることを特徴とする。
または、請求項20に記載の本発明は、請求項19に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、電子写真方式の作像プロセスで記録画像を形成する画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、塗布材が一方向に偏在することなく当接対象物の表面全域に亘って均一に供給されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、塗布材皮膜の形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて工程数も少なく低コストのブラシローラ、及びそのブラシローラの製造方法、及びそのブラシローラを備える塗布装置並びに画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10の基本構成図である。
図2は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10の芯部材1に巻き付ける植毛レース4の正面図である。
図3は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10の基本構成部分の拡大図である。
【0012】
図1乃至図3において、当接する部材に対して回動して塗布材を供給、あるいはさらに塗布または除去するブラシローラ10は、芯となる一定の外径を持つ棒形状の芯部材1を備えている。そして、芯部材1の外周面に螺旋状に巻き付けられて当接対象物2に当接して塗布材3を供給及び塗布または除去する帯形状の植毛レース4と、植毛レース4の巻き付けにより生じる矢印A方向の螺旋方向の隙間溝5を備えている。更に、隙間溝5の矢印A方向の螺旋方向と逆方向の矢印B方向に形成する追加溝6とを備えている。
ブラシローラ10は、芯部材1である外径9mmの金属製で剛性を有する芯金11の表面に接着剤としての両面粘着テープ7を簡単な貼付作業で設けている。両面粘着テープ7の外周側表面には、植毛レース4を図1に図示するように螺旋状に巻き付けて接着している。そして、芯部材1の具体例である芯金11は、軸方向の中間部に巻き付ける植毛レース4の存在する胴部12と、軸方向の両端部側に植毛レース4が存在しない両端ジャーナル部13から成る。
【0013】
植毛レース4が当接する当接対象物2は、トナー画像を担持して回動する像担持体210のドラム形状の感光体ドラム、または図示しないベルト形状の感光体、転写ベルト、定着ローラ等である。つまり、ここではブラシローラを電子写真式の画像形成装置に適用する場合を一例として示している。
植毛レース4が当接する当接対象物2に対して供給及び塗布または除去される塗布材3は、微粉化して固形化したステアリン酸亜鉛が主成分の潤滑剤101である。
植毛レース4は、芯部材1の外周面に巻きつけて接着するレース基布40と、そのレース基布40に製織で植毛されて耐久性に優れるパイル41とを備えている。
植毛レース4は、図2に図示するようにレース基布40の厚さは、0.4mmであって、そのレース基布40上に、ナイロンを主成分とした長さ3.1mmのパイル41が製織されて幅15mmの帯状に裁断されている。
芯部材1に螺旋状に巻き付けられる植毛レース4のパイル41の最外径は16mm、植毛レース4が存在する胴部12の長さは315mmである。
【0014】
図3に図示するように、ブラシローラ10の追加溝6の幅W2は、植毛レース4の芯部材1に螺旋状に巻き付けにより生じる螺旋方向の隙間溝5の幅W1と均等(W1=W2)である。そして、隙間溝5のW1と追加溝6の幅W2は、0.1mm以上で0.5mm以下である。即ち、隙間溝5の幅W1と追加溝6の幅W2を均等(W1=W2)の関係にしておくことにより、塗布材3が一方向に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去される。
次に、ブラシローラ10の追加溝6の間隔(溝間ピッチ)P2も、植毛レース4の芯部材1に螺旋状に巻き付けにより生じる螺旋方向の隙間溝5の間隔P1と均等(P1=P2)である。そして、隙間溝5の間隔P1と追加溝6の間隔P2は、15.1mm以上で17.3mm以下である。即ち、隙間溝5の間隔P1と追加溝6の間隔P2を均等(P1=P2)の関係にしておくことにより、塗布材3が一方向により偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘ってより均一に供給、及び塗布または除去される。
【0015】
更に、ブラシローラ10の追加溝6の深さD2は、当接時に当接対象物2の植毛レース4への喰い込み量D1よりも深い(D1<D2)。即ち、追加溝6の深さD2を当接部材2の植毛レース4への喰い込み量D1よりも深い(D1<D2)関係にしておくことにより、ブラシローラ10が当接対象物2に当接しても隙間溝5と追加溝6はともに存在し続ける。そして、塗布材3が一方向、局部に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されることが維持される。
更に、ブラシローラ10の追加溝6の深さD2は、植毛レース4のレース基布40の外周面までの深さ(D3)よりも浅い(D2<D3)。即ち、追加溝6の深さD2を当接対象物2の植毛レース4のレース基布40の外周面までの深さ(D3)よりも浅い(D2<D3)関係にしておくことにより、レース基布40が使用中に損傷することがなく耐久性に優れている。そして、塗布材3が一方向に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去される。
【0016】
図1に図示するようにブラシローラ10の隙間溝5と追加溝6は、胴部12の軸方向の両端部で離間されている。即ち、追加溝6は、胴部12の軸方向の両端部では隙間溝5との交差部が両端部に位置しないように形成することで、使用中にレース基布40が芯部材1から剥離して損傷することがなく耐久性に優れている。そして、塗布材3が一方向に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去される。
従って、塗布材3が一方向、局部に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、皮膜形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて工程数も少なく低コストのブラシローラ10を提供することができる。
【0017】
図4は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10の製造方法の製造工程図である。
図4において、まず製造工程の最初となる芯部材製造工程(a)では、金属材料を旋盤加工や表面処理等で外径9mmの芯部材1の芯金11を作製する。
次の接着剤貼付工程(b)では、芯金11の表面に接着剤としての両面粘着テープ7を貼付する。
次の植毛レース巻付け貼付工程(c)では、その両面粘着テープ7の外周側表面に帯状に裁断された前述の植毛レース4を螺旋状に巻き付けて接着する。そして、この植毛レース4の巻き付けにより隙間溝5が螺旋方向に生じる。
次の両端裁断工程(d)では、巻き付けた植毛レース4の両端を突っ切りバイト42で裁断して、植毛レース4の存在する長さ315mmの胴部12を作製する。
次の両端溶着工程(e)では、裁断した両端の裁断跡を溶着剤43等で溶着して成形する。
【0018】
次の起毛工程(f)では、植毛レース4を巻き付けた芯金11を回転部材44で高速回転して、レース基布40に製織されたパイル41を遠心力で整列して直立させる起毛加工を行う。
次の追加溝形成工程(g)では、植毛レース4の存在しない芯金11の両端ジャーナル部13をチャッキング部材45でチャッキングして回転させながら、各種幅Wの加熱ヘッド46で植毛レース4のパイ41を溶融除去する。そして、芯金11の軸方向に加熱ヘッド46を一定速度で移動することにより、隙間溝5の螺旋方向と逆方向に螺旋状に一定深さD、一定間隔Pの追加溝6を形成する。
追加溝6は、起毛工程(f)で起毛加工を行った後に形成することで、安定した追加溝6の幅W2を得ることができる。
更に、追加溝6は、起毛工程(f)で起毛加工を行った後にシャーリング工程(i)でシャ−リング加工を行う前に形成することで、製造工程が簡略化することができる。
後述するシャーリング工程(i)で用いる装置には、シャーリングにて生じる切断されたパイル41の屑を除去する機構が付帯している。シャーリング工程以前に追加溝6の形成する加工を行なえば、追加溝6の形成による溶融除去で生じる余剰なパイル41、および先端部で不定形に溶融硬化したパイル41の先端部等もシャーリング工程で同時に除去できる。そして、あらたに洗浄等の工程を追加することなく、加工工程を簡略化して工程数も少なく低コストにすることができる。
【0019】
次の隙間溝追加工工程(h)では、追加溝6を形成するために用いた、幅0.5mmの加熱ヘッド46を用いる。そして、追加溝6の加工の直後に、隙間溝5と同位置を同じ螺旋方向に、隙間溝5の幅W1=0.5mm、隙間溝5の間隔P1=15.3mmとなるよう隙間溝5の追加工を行う。隙間溝5にも追加溝6と同様の追加工することにより、両者の隙間溝5と追加溝6の形状が同様となり、当接時の当接対象物2上の塗布材3の移動がほぼ完全に均衡し、偏在を防止することができる。
次のシャーリング工程(i)では、不定形に溶融硬化したパイル41の先端部等をローラセーバ47等で切断して所定形状に成形する。そして、シャーリング等にて生じる切断されたパイル41を除去する。
次の洗浄工程(j)では、洗浄装置48から洗浄用エアーを吹き付ける洗浄を行ってブラシローラ10が完成する。
【0020】
次に、ブラシローラ10の追加溝6を形成する追加溝形成工程(g)の製造工程順と完成後の最表面の追加溝6の幅W2の変動の範囲を、表1に示す。
[表1]

表1において、追加溝6を形成する追加溝形成工程(g)は、起毛工程(f)で起毛加工を行った後にシャーリング工程(i)でシャ−リング加工を行う前に形成することで、安定した追加溝6の幅W2を得るために効果がある。
従って、塗布材3が一方向に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、皮膜形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて更に工程数も少なく低コストのブラシローラ10の製造方法を提供することができる。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10を備える塗布装置100の基本構成図である。
図6は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10を備える塗布装置100の上面図である。
図5と図6において、当接対象物に塗布材を供給及び塗布または除去する塗布装置100は、塗布材3としての潤滑剤101を供給可能に保持する塗布材供給保持手段102を備えている。そして、塗布材供給保持手段102に保持される固形の潤滑剤101を当接対象物2としての像担持体210の表面に供給及び塗布または除去する上記何れかの実施形態にかかるブラシローラ10を備えている。更に、ブラシローラ10を回動可能に保持するブラシローラ保持手段103を備えている。
塗布装置100の潤滑剤塗布装置としては、ブラシローラ10を回動可能に保持するブラシローラ保持手段103により、ブラシローラ10と像担持体210を所定の軸間距離を維持して回動可能に保持している。そして、直径50mm、長さ310mmの円筒形の像担持体210と、ブラシローラ10は平行に設置される。
【0022】
ブラシローラ10と像担持体210の双方には、それぞれ別個の回転駆動源M1、M2が接続されている。更に、塗布材供給保持手段102は、ブラシローラ10への供給元となる長さ310mmの潤滑剤101をブラシローラ10に一定の喰い込み量で当接するように保持する構成になっている。
上記構成の塗布装置100により、当接対象物2の像担持体210とブラシローラ10を、喰い込み量D1=1.5mmとして双方を一定の回転数比で回転、摺擦させた。そして、60分経過後の、当接対象物2上の軸方向両端部における、潤滑剤101から供給された付着量比を測定した。
付着量比は、60分稼動後に、図6に図示するとおり、当接対象物2の右端50mm領域SRおよび、当接対象物2の左端50mm領域SLに存在する、潤滑剤101の重量比SR:SLを、付着量の少ない側を1として定義した。この定義によれば、付着量比が1に近いほど、当接対象物2上の潤滑剤101の左右偏在が少ないことになる。
【0023】
次に、上記構成の塗布装置100に用いた場合の従来のブラシローラ300及びブラシローラ10の形状と、潤滑剤101の付着量比を、表2に示す。
[表2]

表2において、従来のブラシローラ300、ブラシローラ10のブラシローラ10−1乃至ブラシローラ10−7とも、隙間溝305と隙間溝5は、隙間溝305と隙間溝5の幅W1=0.1mm乃至0.5mmである。そして、隙間溝305と隙間溝5の間隔P1=15.1mm乃至17.3mmである。
表2の結果より、ブラシローラ10には、追加溝6を設け、追加溝6の幅W2、追加溝6の間隔P2とも、隙間溝5の幅W1、間隔P1と均等にする。これにより、ブラシローラ10の回転稼動時における、隙間溝5による潤滑剤101の一方向への搬送作用が相殺され、当接対象物2上の潤滑剤101の偏在が低減できている。
【0024】
次に、上記構成の塗布装置100に用いた場合のブラシローラ10の追加溝6の深さD2と潤滑剤101の付着量比を、表3に示す。










[表3]

表3において、ブラシローラ10のブラシローラ10−3について、追加溝6の深さD2を変更して、表2に示すブブラシローラ10−3及びブラシローラ10−8乃至ブラシローラ10−16を作製した。
そして、それぞれを上記構成の塗布装置100に搭載して、当接対象物2とともに一定の回転数比で回転、摺擦させた。そして、60分経過後の、当接対象物2上の潤滑剤101の付着量比を測定した結果を表3にあわせて示す。
【0025】
ブラシローラ10−3及びブラシローラ10−8乃至ブラシローラ10−16とも、追加溝6は、追加溝6の幅W1=0.5mm、間隔P1=15.3mmである。尚、図5に示すブラシローラ10への当接対象物2の喰込み量D1は2.0mmとした。
ブラシローラ10−8は、レース基布40の外周面まで達する深さD3の追加溝6を形成した。そして、稼動60分経過後には、レース基布40の追加溝6を形成した部分の一部が損傷して、パイル41が脱落しており、追加溝6の形状が一様でなくなっていた。
表3の結果より、追加溝6の深さD2は、ブラシローラ10への当接対象物2の喰い込み量D1と、D1 < D2、の関係にすることにより、当接中も必ず追加溝6が存在することになり、潤滑剤101の偏在が防止できる。
また、追加溝6の深さは、レース基布40までの深さより浅く形成することで、稼動中の植毛レース4の損傷も防止できる。
【0026】
ところで、表2及び表3に記載のブラシローラ10−1乃至ブラシローラ10―16は、図4に図示するブラシローラ10の製造工程に準拠して作製したものである。
即ち、起毛工程(f)後のシャーリング工程(i)前に、追加溝形成工程(g)で追加溝6を加熱ヘッド46によりパイル41を溶融除去して形成したものである。
次に、上記構成の塗布装置100に用いた場合のブラシローラ10の隙間溝5の隙間溝追加工工程(h)の追加工による、塗布体3である潤滑剤101の付着量比を、表4に示す。





[表4]

【0027】
表4において、ブラシローラ10−3の追加溝6を形成するために用いた、幅0.5mmの加熱ヘッド46を用い、追加溝6の加工の直後に、隙間溝5と同位置を同じ螺旋方向に追加工した。その追加工は、隙間溝5の幅W1=0.5mm、隙間溝5の間隔P1=15.3mmとなるよう隙間溝5を追加工して、ブラシローラ10−19を作製した。
そして、ブラシローラ10−19を上記構成の塗布装置100の潤滑剤塗布装置に搭載して、当接対象物2とともに一定の回転数比で回転、摺擦させた。そして、60分経過後の、当接対象物2上の潤滑剤101の付着量比を測定した結果を表4に示す。
表4の結果より、ブラシローラ10は、隙間溝5に隙間溝追加工工程(h)で追加工を施し、追加溝6と比較してばらつきがなくなっている。そして、隙間溝5のW1=追加溝6のW2、及び、隙間溝5の間隔P1=追加溝6の間隔P2、となっている。W1=W2及びP1=P2にすることにより、稼動中の隙間溝5と追加溝6によるそれぞれ逆向きの潤滑剤101の搬送作用がほぼ完全に相殺され、より効果的に当接対象物2の表面上の潤滑剤101の偏在が防止することができる。
従って、塗布材3が一方向に偏在することなく当接対象物2の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、皮膜形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて工程数も少なく低コストのブラシローラ10を備える塗布装置100を提供することができる。
【0028】
図7は、本発明の実施の形態例にかかるブラシローラ10を備える画像形成装置200の基本構成図である。
図7において、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成装置200は、被記録媒体Sに記録画像を形成する画像形成ユニット201を備えている。そして、画像形成ユニット201の回動する当接対象物2の像担持体210に対して塗布材3の潤滑剤101を供給及び塗布または除去する上記何れかの実施形態にかかるブラシローラ10を備えている。
画像形成ユニット201の上部には、原稿画像読み取りユニット202が載置されている。そして、画像形成ユニット201は、被記録媒体Sを給送する被記録媒体給送ユニット203の上部に保持されている。
画像形成ユニット201は、電子写真方式の作像プロセスで利便性や汎用性に優れ高速で高品質のトナーの記録画像を被記録媒体Sの記録用紙等に転写して形成するようになっている。
【0029】
原稿画像読み取りユニット202において、原稿台220に載置される原稿Oは、原稿読取部221によって原稿画像情報を光学的に読み取られる。
そして、原稿読取部221で読み取られる光学的な原稿画像情報に基づくレーザ光等の露光光が、画像形成ユニット201の書き込み装置212によって像担持体210のドラム形状の感光体ドラム上に書き込まれる。
像担持体210の感光体ドラムは、矢印K方向の時計方向に回転し、この時、帯電装置211によって表面を一様に帯電され、その帯電面に書き込み装置212により原稿画像が書き込まれる。これによって、像担持体210上に静電潜像が形成される。この潜像は、現像装置213によってトナー画像として可視像化される。
一方、被記録媒体給送ユニット203から被記録媒体Sが像担持体210に向けて搬送され、転写装置214によって像担持体210上のトナーの記録画像が被記録媒体Sに転写される。
【0030】
転写装置214における転写工程後の被記録媒体Sは、転写装置214の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置215に達する。
定着装置215に達した被記録媒体Sは、定着ローラと加圧ローラとのニップ部に進入して、定着ローラから受ける熱と加圧ローラから受ける圧力とによってトナーの記録画像が定着される。トナーの記録画像が定着された被記録媒体Sは、定着ローラと加圧ローラとのニップ部から送り出された後に、排紙トレイ216に排出されて収納される。
他方、転写装置214における転写工程後の当接部材2の像担持体210の表面は、塗布装置100のブラシローラ10によって、塗布材3の潤滑剤101を供給及び塗布または除去する。そして、像担持体210上に残留するトナーは、クリーニング装置217によって除去されて次工程に備えられる。
従って、塗布材3の潤滑剤101が一方向に偏在することなく当接対象物2である像担持体210の表面全域に亘って均一に供給、及び塗布または除去されて、摺動性不足による、異音、めくれの発生を防止する。そして、皮膜形成不足による余剰トナー等のクリーニング不良等の発生も防止する。更に、耐久性に優れ高品質の画像形成を行うことができて工程数も少なく低コストのブラシローラ10を備える画像形成装置200を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラの基本構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラの芯部材に巻き付ける植毛レースの正面図である。
【図3】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラの基本構成部分の拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラの製造方法の製造工程図である。
【図5】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラを備える塗布装置の基本構成図である。
【図6】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラを備える塗布装置の上面図である。
【図7】本発明の実施の形態例にかかるブラシローラを備える画像形成装置の基本構成図である。
【図8】従来のブラシローラの基本構成図である。
【図9】従来のブラシローラの芯金に巻き付ける植毛レースの正面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 芯部材、2 当接対象物、3 塗布材、4 植毛レース、5 隙間溝、6 追加溝、7 両面粘着テープ、10 ブラシローラ、10−1乃至10−19 ブラシローラ、11 芯金、12 胴部、13 両端ジャーナル部、40 レース基布、41 パイル、42 突っ切りバイト、43 溶着剤、44 回転部材、45 チャッキング部材、46 加熱ヘッド、47 ローラセーバ、48 洗浄装置、100 塗布装置、101 潤滑剤、102 塗布材供給保持手段、103 ブラシローラ保持手段、200 画像形成装置、201 画像形成ユニット、202 原稿画像読み取りユニット、203 被記録媒体給送ユニット、210 像担持体、211 帯電装置、212 書き込み装置、213 現像装置、214 転写装置、215 定着装置、216 排紙トレイ、217 クリーニング装置、220 原稿台、221 原稿読取部、300 ブラシローラ、301 芯金、302 当接対象物、303 塗布材、304 植毛レース、305 隙間溝、312 胴部、307 両面粘着テープ、340 レース基布、341 パイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当接対象物に対して回動して塗布材を供給するブラシローラにおいて、棒形状の芯部材と、前記芯部材の外周面に螺旋状に巻き付けられて先端部で前記当接対象物に当接する帯形状の植毛レースと、前記植毛レースの巻き付けにより生じる螺旋方向の隙間溝と、前記隙間溝の螺旋方向と逆方向に形成する追加溝と、を備えることを特徴とするブラシローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシローラにおいて、前記芯部材は、金属製の芯金であることを特徴とするブラシローラ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のブラシローラにおいて、前記植毛レースが両面粘着テープによって前記芯部材に接着され巻き付けられていることを特徴とするブラシローラ。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載のブラシローラにおいて、前記芯部材は、軸方向の中間部に巻き付ける前記植毛レースの存在する胴部と、軸方向の両端部側に前記植毛レースが存在しない両端ジャーナル部から成ることを特徴とするブラシローラ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記当接対象物は、トナー画像を担持して回動する像担持体であることを特徴とするブラシローラ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記塗布材は、潤滑剤であることを特徴とするブラシローラ。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記植毛レースは、前記芯部材の外周面に巻きつけられて接着するレース基布と、前記レース基布に製織されるパイルとを備えることを特徴とするブラシローラ。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の幅は、前記隙間溝の幅と均等であることを特徴とするブラシローラ。
【請求項9】
請求項8に記載のブラシローラにおいて、前記隙間溝の幅と前記追加溝の幅は、0.1mm以上で0.5mm以下であることを特徴とするブラシローラ。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の間隔は、前記隙間溝の間隔と均等であることを特徴とするブラシローラ。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の深さは、当接時に前記当接対象物の前記植毛レースへの喰い込み量よりも深いことを特徴とするブラシローラ。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記追加溝の深さは、前記植毛レースのレース基布の外周面までの深さよりも浅いことを特徴とするブラシローラ。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載のブラシローラにおいて、前記胴部の軸方向端部には、前記隙間溝と前記追加溝の交差部が存在しないことを特徴とするブラシローラ。
【請求項14】
当接対象物に対して回動して塗布材を供給するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けた後に、前記植毛レースの巻き付けにより生じる螺旋方向の前記隙間溝の螺旋方向と逆方向に前記追加溝を形成することを特徴とするブラシローラの製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けて起毛加工を行った後に、前記追加溝を形成することを特徴とするブラシローラの製造方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けて起毛加工を行った後のシャ−リング加工を行う前に、前記追加溝を形成することを特徴とするブラシローラの製造方法。
【請求項17】
請求項14、15または16に記載するブラシローラの製造方法において、前記芯部材の外周面に前記植毛レースを巻き付けて前記追加溝を形成した直後に、前記隙間溝を同位置の螺旋方向に前記追加溝の幅及び間隔と均等にする追加工を行うことを特徴とするブラシローラの製造方法。
【請求項18】
当接対象物に塗布材を供給する塗布装置において、前記塗布材を供給可能に保持する塗布材供給保持手段と、前記塗布材保持手段に保持される前記塗布材を前記当接対象物の表面に供給する請求項1乃至13の何れか一項に記載の前記ブラシローラと、前記ブラシローラを回動可能に保持するブラシローラ保持手段と、を備えることを特徴とする塗布装置。
【請求項19】
被記録媒体に記録画像を形成する画像形成装置において、被記録媒体に記録画像を形成する画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットの回動する前記当接対象物に対して前記塗布材を供給する請求項1乃至13の何れか一項に記載の前記ブラシローラと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項19に記載の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、電子写真方式の作像プロセスで記録画像を形成することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−128643(P2009−128643A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303630(P2007−303630)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】