説明

ブリスタパックで使用するための蓋シート

製品を包装するためのブリスタ形態のパックで使用するための蓋シートであって、4層を含むラミネートである蓋シートが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年9月27日出願のEP05405561.1(その開示内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、剥離可能なブリスタパックで使用され、製品(例:医薬品および医療製品)の包装に適した蓋シートに関するものである。本発明は詳細には、ブリスタパックを形成するために、熱成形および冷間成形基材シートとともに使用するための耐引裂性および耐引裂伝播性の剥離可能な蓋シートに関するものである。
【背景技術】
【0003】
肺への薬物の送達に薬剤ディスペンサーを使用することは公知である。このようなディスペンサーは、一般に薬物(すなわち医薬)キャリアが配置された本体または筐体を備えている。公知の吸入デバイスとして、薬物キャリアがブリスタパック形態(例えば、細長いブリスタ帯片)をしており、それが多数の個別用量の粉末薬物を収容するものがある。使用時には、ブリスタパックが典型的にはディスペンサー内に収容され、ブリスタが指定の形態でディスペンサーを通って運搬され、そうして運搬される個別用量の薬物が扱えるようになっている。このような装置は通常、ブリスタ内に収容されている用量を個別に扱う機構を有する。公知の取り扱い機構は、典型的には、ブリスタに穴をあける手段か、またはブリスタパックの基材シートから蓋シートを剥がす手段のいずれかを備えている。そうして、粉末薬物を扱い、吸入することができる。
【0004】
剥離可能な蓋シートを有するブリスタパックは、他の医薬品および医療製品、化粧品、食品および非食品製品などの他の製品の包装、ならびに他の技術的用途にも好適である。
【0005】
剥がして扱うことが可能なブリスタパックの蓋シートが、薬剤ディスペンサー内でのパック開封(例えば、基材シートからの蓋シートの剥離での分離による)時にその完全性を維持するために十分な堅牢性を有することが望ましい。さらには、そのような蓋シートが、基材シートから一旦分離された蓋シートのコイル状巻き取りまたは巻き取り時などの、薬剤ディスペンサー使用の全寿命期間にわたり、その完全性を維持するために十分な堅牢性を有することも望ましい。
【0006】
乾燥粉末形態での吸入薬を入れて使用するための公知の細長い剥離可能なブリスタ帯片形態の医薬パックは、出願人による係属中のPCT特許出願WO2004/041672号に記載されている。それの蓋シートは典型的には、(a)紙;その紙が接着されている(b)プラスチックポリマーフィルム;そのフィルムが接着されている(c)アルミニウム箔という順の層を少なくとも有するラミネートを含むものである。プラスチックポリマーフィルム層は好適には、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンおよびPVCからなる群から選択される材料を含む。典型的には、蓋シートのアルミニウム箔層にはさらに、基材シートの内層に接着されているヒートシールラッカーの層が設けられている。その接着は、基材シートからの蓋シートの剥離除去によって、ブリスタ帯片の開封時に破られる。
【0007】
湿気、ガスおよび光に対する保護機能を有する他の公知の剥離可能ブリスタ形態の医薬品および医療製品包装は下記の構造を有する:
・ラッカー塗り/アルミニウム箔>30μm/シール層
・紙、40〜50g/m/アルミニウム箔、20〜30μm/シール層
・OPAまたはPETフィルム、12〜25μm/アルミニウム箔、20〜25μm/シール層
・紙、20〜50g/m/OPAまたはPETフィルム、12〜25μm/アルミニウム箔、20〜25μm/シール層。
【発明の開示】
【0008】
出願人は、紙およびアルミニウム箔層に加えて、ラミネートシートに特定の従来にはないポリマー材料を用いることで、蓋シートの堅牢性を高めることが可能であることを見出した。特に、使用時の蓋シートの耐引裂性および耐引裂伝播性を高めることができる。それにより、そのような蓋シートを含む改善されたブリスタ形態の医薬パックを達成することができる。
【0009】
本発明の1態様によれば、(例:医薬品および医療製品)製品を包装するためのブリスタ形態パックで使用するための蓋シートであって、層の順序がA−B−C−Dとなっている4つの層A、B、CおよびDを含むラミネートであり、前記層は下記のものを含む、前記蓋シートが提供される:
(層A)セルロース材料(例:セルロースフィルムまたは紙);アルミニウム箔;耐温度性が220℃で少なくとも1秒間であるプラスチックフィルム;耐温度性が220℃で少なくとも1秒間であるラッカー;および粘着防止コーティングからなる群から選択される層A材料;
(層B)ある角度で位置ずれし、積層もしくは熱カレンダー加工によって接着されている少なくとも2つの無配向性、一配向性または2軸配向性プラスチックフィルムまたは網状構造を有するプラスチックコーティング;プラスチックポリマー製の不織布材料;網状編物を有する少なくとも1つの繊維またはプラスチックフィルム;ポリスルホン、ポリエチレンナフタレートPEN、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリイミド(PI);ポリエーテルイミド(PEI)およびテトラフルオロエチレン/エチレンからなる群から選択される材料を含む箔;および上記材料のうちの少なくとも2種類からなる多層箔、からなる群から選択される層B材料;
(層C)アルミニウム箔;ならびに
(層D)ヒートシール層(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)。
【0010】
本明細書における蓋シート(「カバー箔」)は、医薬品および医療製品、化粧品、食料および非食料製品などの製品の包装のため、ならびに他の技術的用途のためのブリスタパックを形成するために、例えば熱成形および冷間成形基材シートとともに使用するための耐引裂性および耐引裂伝播性の剥離可能蓋シートとしての使用に好適である。
【0011】
本発明のこれらおよび他の実施形態について下記で説明するが、その記載は例示のみを目的として本発明の各種実施形態を説明するものである。
【0012】
好適には、層Aと層Bおよび層Bと層Cを、積層助剤を用いて接着することで、少なくとも2N/15mmの接着強度を達成する。好適な積層助剤は、ブリスタパックの剥離開封時に、ラミネートの層間剥離が起こらないように選択する。
【0013】
例えば、積層助剤は、
・水系、無溶媒もしくは溶媒含有の単独もしくは複数成分接着剤、または
・単層もしくは共押出された押出樹脂
であることができる。
【0014】
驚くべきことに、アルミニウムおよびヒートシールラッカー製の層と一緒に機械方向に対して長手方向および交差方向に延びる異なる物理特性および特殊な機械特性を有する個々の材料の組み合わせによって、好適な堅牢性を有する蓋シートが提供されることが見出された。
【0015】
層A〜Dは、特には下記の機能を有する:
・層A:シール機へのラミネートの付着防止
・層B:開封時のカバー箔の引裂および引裂伝播の防止
・層C:湿気、ガスおよび光に対する障壁効果を有するキャリア
・層D:剥離開封のためのシール層。
【0016】
層Aの紙は、未処理であるか、コーティングまたはサテン処理(カレンダー処理)することができ、好適には重量15〜100g/m、好ましくは20〜50g/mを有する。
【0017】
層Aのアルミニウム箔は好適には、厚さ6〜60μm、好ましくは7〜25μmを有する。
【0018】
層Aの耐温度性プラスチックフィルムは好適には、厚さ7〜25μm、好ましくは12〜25μmを有する。
【0019】
層Aの耐温度性プラスチックフィルムは、例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、配向ポリアミド(OPA)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアリールエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)またはポリエーテルイミド(PEI)からなり、好適な厚さは7〜25μm、好ましくは12〜25μmである。
【0020】
層Bのプラスチックフィルムは、例えばポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ハロゲン含有プラスチック類、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン/エチレン、または上記プラスチックの組み合わせからなり、好適には厚さ8〜200μm、好ましくは12〜100μmを有する。好適なプラスチックフィルムは、織布構造を有するものと考えられる。
【0021】
層Bの網状構造のプラスチックコーティングは、好ましくはポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、またはタンパク質(絹)からなり、好ましい重量は30〜150g/m、特には40〜120g/mである。好適なプラスチックコーティングは、織布構造を有するものと考えられる。
【0022】
層Bの不織布材料は、例えばHDPE(例:Tyvec(登録商標))、ポリエステル(例:スパンボンド(Spunbond;登録商標)またはエボロン(Evolon;登録商標))、ポリアミド6またはポリアミド6.6と組み合わせたポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオレフィンと組み合わせたポリエステル、特にはPPと組み合わせたPET、またはポリオレフィンと組み合わせたポリアミドからなり、好適には、好ましくは表面重量10〜120g/mを有する。
【0023】
層Bの網状編物(例:織布)を有する少なくとも1つの繊維またはプラスチックフィルムからなる箔は、例えば、ポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン/エチレン、または上記プラスチックの組み合わせからなり、好適には厚さ8〜200μm、好ましくは12〜80μmを有する。
【0024】
層Bの多層箔の個々のフィルムは、例えば、ポリエチレン(PE)、特にはVLDE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン/エチレン、または上記プラスチックの組み合わせからなり、厚さ8〜200μm、好ましくは12〜75μmを有する。
【0025】
層Cのアルミニウム箔は好ましくは、好適には厚さ7〜60μm、好ましくは9〜30μmを有する。
【0026】
ヒートシール用ラッカー媒体として、ラッカー類、プラスチック箔およびコーティング類を用いることができ、それによって、基材シートの内側に対して蓋シート(「カバー箔」)を気密シールすることができ、同時に剥離によって蓋シートを除去することができる。
【0027】
蓋シートおよび基材シートの両方のオーバープリントが可能である。
【0028】
また、医薬品および医療製品を包装するためのブリスタ形態のパックであって、
(a)ブリスタが形成されて、そこにポケットが画定されている基材シート;および
(b)基材シートに対してシール可能で(例えば、ブリスタの領域を除く)、基材シートから機械的に剥離可能な本明細書で定義の蓋シート
を含むパックが提供される。
【0029】
さらに、
(a)ブリスタが形成されて、そこに吸入薬を封入するためのポケットが画定されている基材シート;
(b)基材シートに対してシール可能で(例えば、ブリスタの領域を除く)、基材シートから機械的に(例えば、手動で)剥離可能であることで、前記吸入薬の放出が可能となる蓋シート
を含むブリスタ形態の薬剤パック(例:成形パック)であって、
前記蓋シートが、少なくとも次の順次の層:
(i)外側紙蓋シート層;その層が接着されている
(ii)ポリマー材料の第1中間蓋シート層;その層が直接もしくは間接に接着されている
(iii)アルミニウム箔蓋シート層;その層が直接もしくは間接に接着されている
(iv)内側蓋シートヒートシール層(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)
を含むラミネート構造を有するものである、前記薬剤パックが提供される。
【0030】
基材シートおよび蓋シートを含むブリスタ形態の薬剤(すなわち医薬)パックが提供されるが、前記基材シートおよび蓋シートのそれぞれは、下記でより詳細に記載する特定の形態を有する。
【0031】
実施形態によっては、前記薬剤パックは、それが運搬する複数の個別の(すなわち分離された)薬物用量を有しており、例えば細長いブリスタ帯片、円板または他の好適なブリスタパック形態の形であることができる。好ましくは、その薬剤パックは、細長いブリスタ帯片の形態である。
【0032】
前記基材シートには、吸入薬を封入するためのポケットを画定するブリスタが設けられている。そのポケットは、正方形、円形もしくは長方形の輪郭を有するもの、または正方形および長方形の輪郭の角部が丸くなった変形形態などの好適な輪郭を画定することができる。実施形態によっては、2個以上のポケットが、粉末吸入の過程で一体となるチャネルと連結され得ると考えられる。「吸入薬」という用語は本明細書において、肺への吸入送達に好適な薬剤を意味するのに用いられる。
【0033】
蓋シートは、ブリスタの領域以外で基剤シートに対してシール可能であり、基材シートから機械的に(例えば手動で)剥離可能であることで、開封されたポケットから吸入薬が放出できるようになっている。
【0034】
好ましくは、薬剤パックは、細長いブリスタ帯片の形態である。細長いブリスタ帯片には、ブリスタが形成されて、そこに吸入薬封入用のポケットが画定されている細長い帯片型の基材シートなどがある。典型的には、1連以上のブリスタが、基材シートの長手方向に配列されている(例えば、直線の直列配置またはジグザグもしくは円形配置で)。蓋シートは、蓋シートと基材シートを引きはがして隔てることで、それの1以上のポケットから吸入薬を放出可能とすることができるような形で、ブリスタ領域を除く基材シートに対してシールされている(例えば、気密シールによる)。
【0035】
基材シートおよび蓋シートは典型的には、通常は互いにシールされることは全くない前端部分を除く幅全体にわたって互いにシールされている。そこで、分離されている基材シートおよび蓋シートの前端部分が、細長いブリスタ帯片の前端に出る。そのシールは、あらゆる公知のシール技術(回転、間欠およびフラットベッドとシールローラーの組み合わせ)によって行うことができる。蓋シートの基材シートへの接着は、あらゆる公知の技術(例:接触加熱、超音波溶接)によって行うことができる。
【0036】
実施形態によっては、本発明における薬剤パックの蓋シートおよび基材シートのいずれが、異なる材料の複数の層を含むラミネートの形態である。他の実施形態では、基材シートは単一の材料を含む。
【0037】
本発明における基材シートは典型的には、(i)アルミニウム箔の第1基材シート層;および(ii)厚さ10〜150ミクロンのポリマー材料の第2基材シート層を含む。
【0038】
典型的には、前記第2基材シート層は、内側蓋シート層に接着されるように配置されており、その接着によって、これらの層の剥離分離が可能となる。
【0039】
アルミニウム箔の第1基材シート層は典型的には、厚さ15〜120ミクロン、特には20〜90ミクロンを有する。
【0040】
ポリマー材料の前記第2基材シート層の厚さは、10〜150ミクロンであり、例えば10〜120ミクロン、好ましくは15〜100ミクロンである。
【0041】
実施形態によっては、第2基材シート層は、低水蒸気透過率のポリマー材料を含む。実施形態によっては、水蒸気透過率は、好適には水蒸気透過率測定の標準試験方法を規定するASTM E96−635(E)による測定で、25℃で0.6g/(100インチ)(24時間)(ミル)未満、好ましくは25℃で0.3g/(100インチ)(24時間)(ミル)未満である。
【0042】
実施形態によっては、第2基材シート層のポリマー材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)(例:配向またはキャスト型);ポリプロピレン(例:配向またはキャスト型;標準またはメタロセン);ポリエチレン(例:高、低または中間密度型;標準またはメタロセン);ポリ塩化ビニリデン(PVDC);ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);環状オレフィンコポリマー(COC);および環状オレフィンポリマー(COP)からなる群から選択される材料を含む。任意により、他の材料の層が存在しても良い。
【0043】
米国の会社であるハネウェル(Honeywell)社による商品名アクラー(Aclar)として販売されている材料が、本発明において好適なポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)ポリマー材料である。好適な環状オレフィンコポリマー(COC)は、トパーズ(Topaz)の商品名で、ドイツのヘキスト社(Hoechst AG)によって販売されている。好適な環状オレフィンポリマーは、商品名ゼノール(Zenor)で東京の日本ゼオン社によって販売されている。
【0044】
実施形態によっては、ポリプロピレンポリマー材料およびポリエチレンポリマー材料は、1以上のメタロセン化合物を用いて、いずれかの側鎖基の性質を改変および/または制御する方法によって製造される。
【0045】
第2基材シート層のポリマー材料がポリエチレン(高密度型)、ポリプロピレンまたはポリ塩化ビニリデン(PVDC)からなる群から選択される場合、ポリマー層、従ってブリスタ内部を通過する酸素透過を低減することができる。ポリマー層を通る酸素透過は、そのような酸素透過を25℃および50%相対湿度で測定するASTM試験法D3985−81を用いて調べることができる。
【0046】
実施形態によっては、アルミニウム箔の第1基材シート層には、ポリマー材料、特には配向ポリアミド(OPA)の外側基材シート層が設けられる。従って基材シートは、配向ポリアミド(OPA)の外側層、それが接着されている(i)アルミニウム箔の第1基材シート層;それが接着されている(ii)厚さ10〜100ミクロンのポリマー材料の第2基材シート層を含む。
【0047】
基材シートの層間の接着は好適には、接着剤接着(例えば、溶媒ベースの接着剤(溶媒は有機系または水系である));無溶媒接着剤接着;押出積層接着;または熱カレンダー処理として提供される。
【0048】
ある特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤で接着されている(c)ポリ塩化ビニル(PVC)を有する。ポリ塩化ビニル(PVC)層の厚さは、10〜100ミクロン、特には50〜100ミクロンである。
【0049】
別の特定の基材シートは、次の順次の層(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤で接着されている(c)ポリエステルを有する。ポリエステル層の厚さは、10〜100ミクロン、特には50〜100ミクロンである。
【0050】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤で接着されている(c)ポリプロピレンを有する。ポリプロピレン層の厚さは、10〜100ミクロン、特には50〜100ミクロンである。
【0051】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤接着または押出積層されている(c)配向ポリプロピレン(OPP)を有する。配向ポリプロピレン(OPP)層の厚さは、10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンである。
【0052】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤で接着されている(c)キャストポリプロピレンを有する。キャストポリプロピレン層の厚さは、10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンである。
【0053】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤接着または押出積層されている(c)高密度ポリエチレン(HDPE)を有する。高密度ポリエチレン(HDPE)層の厚さは、10〜100ミクロン、特には30〜70ミクロンである。
【0054】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤接着または押出積層されている(c)低密度ポリエチレン(LDPE)を有する。低密度ポリエチレン(LDPE)層の厚さは、10〜80ミクロン、特には20〜50ミクロンである。
【0055】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤で接着されている(c)ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を有する。ポリ塩化ビニリデン(PVDC)層の厚さは、10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンである。PVDCの等級は、通常は8〜95gsm、特には10〜40gsmである。
【0056】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤で接着されている(c)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)を有する。ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)層の厚さは、10〜60ミクロン、特には20〜45ミクロンである。ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)層は配向であってもよい。
【0057】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤接着または押出積層されている(c)環状オレフィンコポリマー(COC)を有する。環状オレフィンコポリマー(COC)層の厚さは、10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンである。
【0058】
別の特定の基材シートは、次の順次の層:(a)配向ポリアミド(OPA);それが接着剤で接着されている(b)アルミニウム箔;それが接着剤接着または押出積層されている(c)環状オレフィンポリマー(COP)を有する。環状オレフィンポリマー(COP)層の厚さは、10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンである。
【0059】
本発明の薬剤パックの蓋シートは、特定のラミネート構造を有する。
【0060】
本発明における1態様では、前記蓋シートは、少なくとも下記の順次の層:
(i)セルロース材料の外側蓋シート層(例:紙またはセルロースフィルム);それが接着されている
(ii)ポリマー材料の第1中間蓋シート層;それが直接もしくは間接に接着されている
(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが直接もしくは間接に接着されている
(iv)内側蓋シートヒートシール層(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)
を含むラミネート構造を有する。
【0061】
蓋シートの各層の厚さは、所望の特性に従って選択することができるが、典型的には3〜200ミクロン、特には5〜50ミクロンのレベルである。
【0062】
外側紙蓋シート層は典型的には、ゲージが10〜80g/m、特には20〜50g/mである紙を含む。
【0063】
ポリマー材料の第1中間蓋シート層は、蓋シートに強度を付加して、耐引裂性および耐引裂伝播性を高めるものである。ポリマー材料の第1中間蓋シート層は好適には、厚さ5〜100ミクロン、特には10〜80ミクロンを有する。
【0064】
1態様では、ポリマー材料の第1蓋シート中間層は、例えば網状編物構造を画定する織布ポリアミドを含む。織布ポリアミド層のそれが隣接する層に対する層間接着は好適には、接着積層または押出積層によって行われる。
【0065】
ある特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それが接着されている(ii)厚さ50〜120ミクロン、特には50〜100ミクロンの織布ポリアミド材料の第1中間蓋シート層;それが接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカーの内側蓋シート層を含む。
【0066】
別の態様において、ポリマー材料の任意の第1中間層は、不織布材料である紡績ポリ(エチレンテレフタレート)(紡績PET)を含む。紡績PETは典型的には、重量が10〜250g/m、特には20〜60g/mのものである。紡績PET層の層間接着は好適には、押出積層、特にはポリエチレン(PE)押出を用いて行う。好適な紡績PET材料には、商品名スパンボンド(spunbond)488/20、スパンボンド488/30およびスパンボンド088/30でジョーンズ・マンビレ(Johns Manville, Waterville, Ohio)が販売しているものなどがある。
【0067】
ある特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それがPE押出を用いて接着されている(ii)重量10〜80g/mの紡績PET材料の第1中間蓋シート層;それがPE押出を用いて接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカー、ヒートシールフィルムまたはヒートシール押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0068】
別の特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それが押出積層を用いて接着されている(ii)重量10〜80g/mの紡績PET材料の第1中間蓋シート層;それが共押出積層(一もしくは二つの共押出層)を用いて接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカー、ヒートシールフィルムまたはヒートシール押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0069】
別の特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それがラッカー積層を用いて接着されている(ii)重量10〜80g/mの紡績PET材料の第1中間蓋シート層;それがラッカー積層を用いて接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカー、ヒートシールフィルムまたはヒートシール押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0070】
別の態様において、ポリマー材料の任意の第1中間層は、不織布材料である紡績高密度ポリエチレン(紡績HDPE)を含む。紡績HDPEは、典型的には重量が10〜80g/m、特には20〜60g/mのものである。紡績HDPEの層間接着は好適には、押出積層、特にはポリエチレン(PE)押出を用いて行われる。商品名タイベック(Tyvek)でデュポン社が販売している材料が、好適な紡績HDPEシート材料である。
【0071】
ある特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それがPE押出を用いて接着されている(ii)重量10〜80g/mの紡績HDPE材料の第1中間蓋シート層;それがPE押出を用いて接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカー、ヒートシールフィルムまたはヒートシール押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0072】
別の態様において、ポリマー材料の任意の第1中間層は、交差積層高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。交差積層HDPEとは、好適な交差積層角度で互いに交差積層した少なくとも2つのHDPEフィルムを含む材料を意味し、その交差積層角度は典型的には30〜60°、特には45°である。交差積層HDPEは典型的には、厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンのものである。商品名バレロン(Valeron)でイリノイ・ツール・ワークス社(Illinois Tool Works)が販売している材料が、本発明において好適な交差積層HDPE材料である。
【0073】
ある特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それが接着されている(ii)厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンの交差積層HDPE材料の第1中間蓋シート層;それが接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカー、ヒートシールフィルムまたはヒートシール押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0074】
別の態様において、ポリマー材料の任意の第1中間層は、交差積層ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。交差積層PETとは、好適な交差積層角度で互いに交差積層した少なくとも2つのPETフィルムを含む材料を意味し、その交差積層角度は典型的には30〜60°、特には45°である。交差積層PETは典型的には、厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンのものである。
【0075】
ある特定の蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それが接着されている(ii)厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンの交差積層PET材料の第1中間蓋シート層;それが接着されている(iii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iv)ヒートシールラッカー、ヒートシールフィルムまたはヒートシール押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0076】
アルミニウム箔蓋シート層の厚さは、典型的には10〜60ミクロン、特には15〜40ミクロンである。
【0077】
アルミニウム箔蓋シート層は、内側蓋シートヒートシール層に直接または間接に接着している。直接接着している場合、1以上の別の中間蓋シート層がアルミニウム箔蓋シート層と内側蓋シートヒートシール層との間に挟まれている。
【0078】
内側蓋シートヒートシール層は、基材シートに、典型的にはポリマー材料の第2基材シート層への接着のために配置されている。
【0079】
蓋シートの層間の接着は、好適には、接着剤接着(例:溶媒ベースの接着剤(溶媒は有機系または水系である));無溶媒接着剤接着;押出積層接着;または熱カレンダー処理として提供される。
【0080】
本発明の別の態様によれば、以下:
(a)ブリスタが形成されて、そこに吸入薬を封入するためのポケットが画定されている基材シート;
(b)ブリスタの領域を除く基材シートに対してシール可能で、基材シートから機械的に剥離して前記吸入薬を放出させることができる蓋シート
を有するブリスタ形態の薬剤パックが提供され、
前記蓋シートは、少なくとも下記の順次の層:
(i)セルロース材料の外側蓋シート層(例:紙またはセルロースフィルム);それが直接またはポリマー材料の任意の第1中間層を介して接着されている
(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている
(iii)ポリマー材料の内側蓋シート層
を有するラミネート構造を有するものである。
【0081】
この態様では、基材シートは前記のいずれかの基材シートラミネート構造を含むことができ、外側紙蓋シート層は典型的には、ゲージが10〜80g/m、特には20〜50g/mである紙を含み、アルミニウム箔蓋シート層の厚さは典型的には10〜60ミクロン、特には15〜40ミクロンである。
【0082】
セルロース材料の外側蓋シート層(例:紙またはセルロースフィルム)は、直接またはポリマー材料の任意の第1中間層を介して、アルミニウム箔蓋シート層に接着している。本発明における変形形態では、外側紙蓋シート層はない。
【0083】
態様によっては、(iii)内側蓋シート層は、ヒートシールラッカー成分を含むのではなく、別のポリマー材料(例:フィルムまたは押出コーティング)を含む。そうである場合、蓋シートは、内側基材シート層として提供された場合に剥離機能を与えることができるヒートシールラッカーまたは別の物質を有する基材シートとともに用いるのに最も好適である。
【0084】
1態様では、ポリマー材料の任意の第1中間層はポリエチレン(PE)押出層を含み、ポリマー材料の内側蓋シート層は剥離可能な共押出コーティング(例:ポリエチレン/ポリブチレン)を含む。他の好適な剥離可能な共押出コーティング材料の例には、アルカン・パッケージング・ジンゲン社(Alcan Packaging Singen GmbH)が製造しているもの:(1)中間押出層(APS参照番号X2228EX):DOWプラスチックス(DOW Plastics)が提供しているエチレンおよびエチレンアクリル酸共重合体;および(2)共押出コーティング(APS参照番号X2253EXおよびX2311EXのもの)(X2253EXは、アルケマ(Arkema)が提供するエチレン、アクリル酸ブチルおよび無水マレイン酸のランダムターポリマーであり、X2311EXはシューマン(Shuman)が提供するポリエチレンとアルケマが提供するエチレンおよびアクリル酸エステルのコポリマーとの混合物である)などがある。
【0085】
そこで、ある好適な薬剤パックは、(i)外側紙蓋シート層;それがポリエチレン(PE)押出の任意の第1中間層を介して接着されている(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iii)重量5〜50g/m、特には10〜30g/mを有する剥離可能な共押出コーティングの内側蓋シート層を含む。
【0086】
実施形態によっては、ポリマー材料の内側蓋シート層は剥離フィルムを含む。剥離フィルムは、例えばポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルムである。この剥離フィルムは、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレン(PE)を含む内側基材シート層に対する剥離可能なシールに特に好適である。
【0087】
ポリエチレン(PE)に対してシールを行う上で好適な剥離フィルムは、ドイツのノルデニア・グロナウ社(Nordenia Gronau GmbH)が製造している(アルカン(Alcan)商品参照番号FSN097)。ポリ塩化ビニル(PVC)に対してシールを行う上で好適な剥離フィルムは、ドイツのノルデニア・グロナウ社が製造している(アルカン商品参照番号X3496FSN)。
【0088】
1態様では、ポリマー材料の任意の第1中間層は存在せず、ポリマー材料の内側蓋シート層は剥離フィルム(例:ポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルム)を含む。
【0089】
従って、ある好適な蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それが接着されている(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iii)厚さ10〜80ミクロン、特には15〜50ミクロンのポリエチレン(PE)剥離フィルムの内側蓋シート層を有する。この蓋シートは、内側基材シート層としてPE剥離フィルムを有する基材シートとともに使用する上で特に好適である。
【0090】
そこで、さらなる好適な蓋シートは、(i)外側紙蓋シート層;それが接着されている(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iii)厚さ10〜80ミクロン、特には15〜50ミクロンのポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムの内側蓋シート層を含む。
【0091】
さらに別の態様では、ポリマー材料の任意の第1中間層はポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、ポリマー材料の内側蓋シート層はポリ塩化ビニル(PVC)を含む。
【0092】
従って、ある好適な薬剤パックは、(i)外側紙蓋シート層;それが厚さ5〜30ミクロン、特には10〜25ミクロンのPETの任意の第1中間層を介して接着されている(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iii)厚さ5〜50ミクロン、特には10〜40ミクロンのPVCの内側蓋シート層を含む。この蓋シートは、内側基材シート層としてヒートシールラッカーを有する基材シートとともに使用するのに特に好適である。
【0093】
さらに別の態様では、ポリマー材料の任意の第1中間層は紡績ポリ(エチレンテレフタレート)(紡績PET)を含み、ポリマー材料の内側蓋シート層は剥離フィルム(例:ポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルム)を含む。この蓋シートは、内側基材シート層としてPVCを有する基材シートとともに使用する上で特に好適である。紡績PETは典型的には、重量が10〜250g/m、特には20〜60g/mのものである。紡績PET層の層間接着は好適には、押出積層、特にはポリエチレン(PE)押出を用いて行う。好適な紡績PET材料には、商品名スパンボンド488/20、スパンボンド488/30およびスパンボンド088/30でジョーンズ・マンビレ(Johns Manville)が販売しているものなどがある。
【0094】
そこで、ある好適な薬剤パックは、(i)外側紙蓋シート層;それが厚さ10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンの紡績PETの任意の第1中間層を介して接着されている(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iii)厚さ5〜50ミクロン、特には10〜40ミクロンの剥離フィルムの内側蓋シート層を含む。内側蓋シート層がPE剥離フィルムのものである場合、この蓋シートは、内側基材シート層としてPVCを有する基材シートとともに用いる上で特に好適である。
【0095】
さらに別の態様では、ポリマー材料の任意の第1中間層は交差積層高密度ポリエチレン(HDPE)を含み、ポリマー材料の内側蓋シート層は剥離フィルム(例:ポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルム)を含む。交差積層HDPEとは、好適な交差積層角度で互いに交差積層した少なくとも2つのHDPEフィルムを含む材料を意味し、その交差積層角度は典型的には30〜60°、特には45°である。交差積層HDPEは典型的には、厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンのものである。商品名バレロン(Valeron)でイリノイ・ツール・ワークス社が販売している材料が、本発明において好適な交差積層HDPE材料である。この蓋シートは、内側基材シート層としてPVCを有する基材シートとともに用いる上で特に好適である。
【0096】
従って、ある好適な薬剤パックは、(i)外側紙蓋シート層;それが厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンの交差積層HDPEの任意の第1中間層を介して接着されている(ii)アルミニウム箔蓋シート層;それが接着されている(iii)厚さ5〜50ミクロン、特には10〜40ミクロンの剥離フィルムの内側蓋シート層を含む。内側蓋シート層がPE剥離フィルムのものである場合、この蓋シートは、内側基材シート層としてPVCを有する基材シートとともに用いる上で特に好適である。
【0097】
各種の公知の技術を用いて、本発明の蓋シートと基材シートを接合し、従ってブリスタポケットをシールすることができる。そのような方法には、接着剤接着、高周波溶接、超音波溶接、誘導封着および熱バーシールなどがある。
【0098】
本明細書に記載の基材シートは、基材シートの材料を加熱せずに行われる「冷間成形」法(例:1段階もしくは2段階冷間成形−最新成形技術(AFT);高圧冷間成形(HPCF))による成形に特に好適である。そのような「冷間成形」法は、ブリスタ内に封入する薬物または医薬製剤が水分、酸素、他のガスおよび/または香りに対して非常に感受性である特定の用途のものである。シールプロセスの加熱の影響を低減することで充填品の損傷を回避するには、低融点のシール用材料、例えばポリエチレン、ポリエチレン/メタロセン;デュポンが販売しているサーリン(Surlyn;登録商標)を用いる。パック製品が水分およびガスに対して非常に高い障壁を必要としない場合、PVC;ポリプロピレン;PVC/PVDC;PVC/アクラー(Aclar;登録商標)またはCOC−ラミネートのようなプラスチック材料の熱成形を用いて、ブリスタを形成する。
【0099】
本発明の薬剤パックを形成する一つの方法は、(a)第1の合わせ面を有する基材シートおよび第2の合わせ面を有する蓋シートを提供するステップであって、その基材シートが外周領域を有する少なくとも1つのブリスタポケットを有しており、そのブリスタポケットが薬物組成物を入れるように作られているものである、上記ステップ;(b)前記ブリスタポケットに前記医薬組成物を充填するステップ(例:10〜3000μg、例えば25〜500μgの量);(c)前記基材シートを前記蓋シートに接着させて、それらの間の一次シールを行うステップを含む。ブリスタポケットは、良好な空気流が得られるいかなる形状のものであっても良く(例えば、中に入っている粉末のエアロゾル化を助けるため)、好ましくは実質的に細長いものまたは実質的に円形のものである。
【0100】
実施形態によっては、前記基材シートは少なくとも、第1の合わせ面上に配置された第1の接着材料を含み、前記蓋シートは少なくとも、第2の合わせ面上に配置された第2の接着材料を含む。1実施形態において、第1または第2の接着材料の一方または両方が、少なくとも1種類のポリマー材料を含む。ある別の実施形態では、第1のまたは第2の接着材料の一方または両方が、剥離による分離を可能とする物質を含み、例としてはヒートシールラッカー、プラスチックフィルムまたはコーティングがある。
【0101】
本発明において好適な製造システムは、(a)充填ステーションに基材シートを運搬する基材運搬装置(前記基材シートには吸入薬組成物を受け取るよう作られた少なくとも1つのブリスタポケットがあり、前記基材シートにはさらに第1の接着材料がある);(b)前記ブリスタポケットに前記吸入薬組成物を充填するための充填装置;(c)蓋シートを前記充填された基材シート近くに運搬するための蓋運搬装置(前記蓋シートには第2の接着材料が含まれる);(d)前記第1および第2の接着材料を接着してそれらの間の一次シールを行う接着機構を含む。
【0102】
使用に際して、本発明の薬剤パックは好適には、薬剤パックを受け取る筐体を含む薬剤ディスペンサーによって受け取り可能となっている。1態様では、薬剤ディスペンサーは一体型の形態を有しており、筐体はそれと一体形成されている。別の態様において、薬剤ディスペンサーは、リフィルカセットを受容する構成となっており、筐体はそのリフィルカセットの一部を形成している。
【0103】
実施形態によっては、筐体内部は、薬剤パックをその筐体内に適切にガイドするような形状となっているか、あるいは特有のガイド部品が設けられている。特に、そのガイドは、薬剤パックが筐体の内部機構(例:インデックス付け機構および開封機構)と相互作用するよう好適に配置されるようにすべきである。
【0104】
実施形態によっては、ディスペンサーは、患者への投与(例えば、吸入投与)用に薬剤パックによって運搬される個別の吸入薬用量を投薬(分注)するための内部機構を有する。実施形態によっては、その機構は
a)前記薬剤パックを受容するための受容手段;
b)前記受容手段による受容があると、前記薬剤パックから個別の薬物用量を放出するための放出手段;
c)前記放出手段によって放出可能な前記薬物用量と連通するように配置された放出口;
d)前記薬剤パックの前記個別の薬物用量を個々にインデックス付けするためのインデックス付け手段
を有する。
【0105】
その機構は、薬剤パックを受容するための受容手段(例:受容ステーション)を有する。
【0106】
その機構はさらに、受容ステーションによる受容があると薬剤パックから個別の薬物用量を放出するための放出手段を含む。その放出手段は典型的には、ブリスタ帯片を機械的に剥ぎ取る手段を含む。
【0107】
放出口は、前記放出手段によって放出可能な個別の薬物用量と連通するように配置されている。その放出口は任意の好適な形態を有することができる。1態様では、それはマウスピースの形態を有するものであり、別の態様ではそれは患者の鼻腔に挿入するためのノズルの形態を有する。
【0108】
放出口は好ましくは、共通の空気通過手段(例えば、空気パイプまたは共通多岐管として形成)を通って前記放出手段によって放出可能な個別の薬物用量と連通している単一の放出口である。従って患者は、単一の放出口から息を吸い、その息が共通の通過手段を通って放出される薬物用量に移動することで、それの吸入が可能となり得る。
【0109】
その機構はさらに、薬剤パックの個別の薬物用量を個々にインデックス付けするためのインデックス付け手段を有する。前記のインデックス付けは典型的には順次で行われ、例えば細長いキャリアの長さ方向に順次に配置された用量部分を扱うようにする。
【0110】
任意により、前記薬剤ディスペンサーはまた、薬剤パックの個別の薬物用量が前記インデックス付け手段によってインデックス付けされるごとにカウントを行うためのカウント手段を含んでもよい。
【0111】
1態様ではカウント手段は、薬剤パックの個別の薬物用量が前記インデックス付け手段によってインデックス付けされるごとにカウントするように配置されている。実施形態によっては、前記インデックス付け手段およびカウント手段は、直接または間接に(例えば、連結によって)互いに係合していることで、各インデックス付けのカウントを行うことができる。
【0112】
実施形態によっては、前記カウント手段には、服用に残った個別の用量の数または服用した用量数を患者に表示するための表示装置が設けられている(またはそれにつながっている)。
【0113】
ある好ましい態様では、薬剤ディスペンサーは、吸入薬用量を封入するための複数の個別のポケットを有する薬剤パックとともに用いられるディスペンサーの形態を取り、前記ポケットは、互いに対して固定された2枚の剥離可能なシートの長さ方向で間隔を設けて配置され、それらシートの間で画定されており、前記ディスペンサーは前記薬剤パック内に封入された薬物用量を投薬(分注)するための内部機構を有しており、前記機構は、
a)前記薬剤パックのポケットを受容するための開封ステーション;
b)前記開封ステーションに受容されているポケットの基材シートおよび蓋シートと係合するように配置され、そのような基材シートおよび蓋シートを引き剥がしてそのようなポケットを開封するための剥離手段(前記剥離手段は、前記開封ステーションで受容されているポケットの蓋シートおよび基材シートを引き剥がすための蓋駆動手段を有する);
c)開封されたポケットと連通して配置され、そのような開封されたポケットからの薬物用量をユーザーが扱うことができる放出口;
d)前記薬剤パックの個別のポケットを個々にインデックス付けするためのインデックス付け手段
を有する。
【0114】
実施形態によっては、前記インデックス付け手段は、窪みを有する回転インデックスホイールを有するものであり、前記インデックスホイールは前記薬剤ディスペンサーとともに使用する際に本発明の薬剤パックと係合可能であることで、前記薬剤ディスペンサーとともに用いた時に前記各窪みがブリスタ帯片形態の薬剤パックの基材シートのそれぞれのポケットを受容するようになっている。
【0115】
好ましくは、前記薬剤ディスペンサーは、グラクソグループ(Glaxo Group Ltd)名での米国特許第5,860,419号、第5,873,360号および第5,590,645号(それぞれが、参照によって本明細書に組み込まれるものとする)に記載の一般的形態を有する。この種の薬剤ディスペンサーの1例は、グラクソ・スミスクラインPlc(GlaxoSmithKline Plc)が販売している公知のディスカス(Diskus;商標名)吸入デバイスである。その薬剤ディスペンサーは、WO03/061743号およびWO03/061744号(これらの開示内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法に従って使用することもできる。
【0116】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの本発明の薬剤パックを含む(例えば、それが搭載された)薬剤ディスペンサーが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0117】
以下、添付の図面を参照しながら本発明について説明する。
【0118】
図1は、本発明による詳細な形態を有するよう構築することができる薬剤パック100を示すものである。その薬剤パックは、それぞれに吸入可能な薬物用量の一部を粉末形態で封入することができる複数のポケット103、105、107を画定する可撓性帯片101を有する。
【0119】
その帯片は基材シート109を有し、そこでは、ブリスタが、ポケット103、105、107と、蓋シート111および基材シート109を引き剥がすことができるように、ブリスタの領域を除く基材シートに気密シールされた蓋シート111とを画定するよう形成されている。シート109、111は、先端部分113、115(それらは好ましくは、互いに対してシールされることは全くない)を除く幅全体にわたって互いにシールされている。蓋111および基材109のシートはラミネートで形成されており、好適には熱シールによって互いに接着されている。
【0120】
帯片101は、帯片101の長さに関して横断方向に延びている細長いポケット103、105、107を有するように図示されている。これは、所定の帯片101の長さに多数のポケット103、105、107を設けることができるため好都合である。帯片101には、例えば60または100個のポケットを設けることができるが、帯片101のポケット数は好適であればどんな数でもよいことは明らかであろう。
【0121】
図2について説明すると、ラミネート組立物またはブリスタ帯片200の形態の薬剤パックを下から見た図が示されている。ブリスタ帯片は、実質的に細長い形状をしており、その基材209に形成される複数のブリスタ203、205、207を含み、これらのブリスタは好ましくは乾燥粉末状の医薬組成物を収容するように設計されている。各ブリスタ203、205、207は、長軸方向に測定して好ましくは1.5〜15.0mm、さらに好ましくは1.5〜8.0mm、ある実際の実施形態では7.5mmの長さlと、短軸方向に測定して好ましくは1.5〜10.0mm、さらに好ましくは1.5〜8.0mm、ある実際の実施形態では4.0mmの幅lを有する。
【0122】
図2に示す実施例では、ブリスタ帯片200は、12.5mmの幅を有する。基材209の厚さは、75〜200ミクロンの範囲にある。蓋の厚さは40〜100ミクロンの範囲にある。基材209と蓋(図では見えない)を合わせた厚さは、約115〜300ミクロンである。ブリスタ203、205、207同士は、ブリスタ帯片200に沿って典型的には7.5mmの間隔を有する。各ブリスタ203、205、207は、有効用量の粉末、好ましくは30mg未満の粉末、さらに好ましくは5〜25mgの粉末、最も好ましくは約12.5mgの粉末を含む。その粉末は、少なくとも1種の活性薬物を含む吸入薬組成物である。
【0123】
好適な材料を用いて、基材209と蓋(図では見えない)を構築する。本発明によれば、基材209および/または蓋は、基材209または蓋のいずれかの少なくとも一方の合わせ面に少なくとも1種の接着材料を有するラミネート構造を含む。接着材料は、少なくとも1種のポリマー材料とヒートシール層(例えば、ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはビニル系ヒートシールラッカーなどのヒートシールラッカー)を含むのが好ましい。
【0124】
図4について説明すると、4層構造を有し、次の順次の層を含む蓋シートを有する本発明のブリスタパック400が示されている:
(i)外側紙蓋シート層425;それが接着されている
(ii)ポリマー材料の第1中間蓋シート層427;それが接着されている
(iii)アルミニウム箔蓋シート層429;それが直接もしくは間接に接着されている
(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)。
【0125】
ある特定の蓋シート変形形態は、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それが接着されている(ii)厚さ50〜120ミクロンの織布ポリアミド材料の第1中間蓋シート層427;それが接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0126】
別の特定の蓋シート変形形態は、(i)重量20g/mの外側紙蓋シート層425;それが接着されている(ii)厚さ50〜100ミクロンの織布ポリアミド材料の第1中間蓋シート層427;それが接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0127】
別の特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それがPE押出を用いて接着されている(ii)重量30g/mの紡績PET材料の第1中間蓋シート層427;それがPE押出を用いて接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0128】
別の特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それがPE押出を用いて接着されている(ii)重量50g/mの紡績PET材料の第1中間蓋シート層427;それがPE押出を用いて接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0129】
別の特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それが押出積層を用いて接着されている(ii)重量20g/mの紡績PET488/20材料の第1中間蓋シート層427;それが共押出積層の2つの層を用いて接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0130】
別の特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それがラッカー積層を用いて接着されている(ii)重量30g/mの紡績PET088/30材料の第1中間蓋シート層427;それがラッカー積層の2つの層を用いて接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0131】
別の特定の蓋シートは、(i)重量50g/mの外側紙蓋シート層425;それがラッカー積層を用いて接着されている(ii)重量30g/mの紡績PET088/30材料の第1中間蓋シート層427;それがラッカー積層の2つの層を用いて接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0132】
別の特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それがPE押出を用いて接着されている(ii)重量50g/mの紡績HDPE材料の第1中間蓋シート層427;それがPE押出を用いて接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。
【0133】
ある特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層425;それが接着されている(ii)厚さ70ミクロンの交差積層HDPE材料の第1中間蓋シート層427;それが接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層429;それが接着されている(iv)内側蓋シートヒートシール層430(例:ヒートシールフィルム、ヒートシール押出コーティングまたはヒートシールラッカー)を含む。商品名バレロンでイリノイ・ツール・ワークス社が販売している材料が、層427に好適な交差積層HDPE材料である。
【0134】
図4のブリスタパックの基材シートも多層構造を有し、次の順次の層:配向ポリアミド(OPA)420、それが接着剤で接着されているアルミニウム箔422、それが接着剤で接着されている厚さ10〜100ミクロンのポリマー材料の基材シート層424を含む。ブリスタパック400には乾燥粉末形態の吸入薬414が充填されている。実施形態によっては、ポリマー材料の基材シート層424は、そのポリマー材料がASTM E96−635(E)による測定で25℃において0.6g/(100インチ)(24時間)(ミル)未満の水蒸気透過率を有するという要件を満たしている。
【0135】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている100ミクロンの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)424を有する。
【0136】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)424を有する。
【0137】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:20ミクロンの層厚さの配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)424を有する。
【0138】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている30ミクロンの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)424を有する。
【0139】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている15ミクロンの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)424を有する。
【0140】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:100μmの層厚のPVC;それが接着剤で接着されている25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている15ミクロンの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)424を有する。
【0141】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている45ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている30ミクロンの厚さのポリ塩化ビニリデン(PVDC)424を有する。
【0142】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている20ミクロンの厚さの配向ポリプロピレン424を有する。
【0143】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている25ミクロンの厚さのキャストポリプロピレン424を有する。
【0144】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている20ミクロンの厚さの配向ポリプロピレン424を有する。
【0145】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている25ミクロンの厚さのキャストポリプロピレン424を有する。
【0146】
ある特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:60μmの層厚のポリプロピレン;それが接着剤で接着されている25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている25ミクロンの厚さのキャストポリプロピレン424を有する。
【0147】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている25ミクロンの厚さのポリプロピレン424(そのポリプロピレンは、1以上のメタロセン化合物を用いて側鎖の特徴を制御する方法によって製造される)を有する。
【0148】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている40ミクロンの厚さの低密度ポリエチレン(LDPE)424を有する。
【0149】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている40ミクロンの厚さの高密度ポリエチレン(HDPE)424を有する。
【0150】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている20ミクロンの厚さのポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)424を有する。
【0151】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている25ミクロンの厚さの環状オレフィンコポリマー(COC)424を有する。
【0152】
別の特定の変形形態では、図4のブリスタパックの基材シートは、下記の構造:25ミクロンの層厚の配向ポリアミド(OPA)420;それが接着剤で接着されている60ミクロンの厚さのアルミニウム箔422;それが接着剤で接着されている25ミクロンの厚さの環状オレフィンポリマー(COP)424を有する。
【0153】
図4に関して記載されている特定の蓋シートの変形形態のいずれも、その同じ図4に関して記載されている特定の基材シートの変形形態のいずれとも組み合わせて用いることができる。
【0154】
当業者には明らかなように、各種の従来の接着剤を用いて、本発明の範囲内に含まれるラミネート層を接着することができる。そのような接着剤には、シアノアクリレート類、アクリル酸類およびポリウレタン類、EAAのような押出積層用の樹脂、サーリン(Surlyn;登録商標)およびバイネル(Bynel;登録商標)(デュポンからの商品名)のようなイオノマー構造、ならびに無水マレイン酸(MAH樹脂類)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0155】
例えば図4に示した薬剤パックの代表的な製造方法の際には、各ブリスタ412に医薬組成物414を充填してから、シールを行う。シール温度およびシール方法の他のパラメータは変動し得るものであり、それには工具、滞留時間、シール圧力およびシール速度などがある。ヒートシール段階は、基材および蓋の合わせ層(例えば、PVC424およびヒートシールラッカー430)を接着して各ブリスタ412をシールし、従って内部に封入される医薬組成物414用の確実な容器を形成するものである。理想的には、その接着によって、気密シールが形成される。明らかなように、各ブリスタ412の気密シールによる外部環境からの汚染の可能性を排除することは、前記製造方法の重要な側面となり得る。
【0156】
図5および6には、前記蓋シートに内側の剥離可能な層が設けられている本発明の別の薬剤パック構造を示してある。
【0157】
図5について説明すると、3層構造を有し、次の順次の層を含む蓋シートを有する本発明のブリスタパック700を示してある:
(i)外側紙蓋シート層725;それが接着されている
(ii)アルミニウム箔蓋シート層729;それが接着されている
(iii)ポリマー材料の内側蓋シート層730。
【0158】
図5のある特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層725;それがポリエチレン(PE)押出によって接着されている(ii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層729;それが接着されている(iii)重量15g/mの剥離可能な共押出コーティングの内側蓋シート層730を含む。
【0159】
図5の別の特定の蓋シートは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層725;それが接着されている(ii)厚さ38ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層729;それが接着されている(iii)厚さ30または40ミクロンのポリエチレン(PE)剥離フィルムの内側蓋シート層を含む。
【0160】
図5のブリスタパックの基材シートもまた多層構造を有し、次の順次の層:厚さ25ミクロンの配向ポリアミド(OPA)720;それが接着剤で接着されている厚さ45ミクロンのアルミニウム箔722;それが接着剤で接着されている厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの基材シート層724を含む。ブリスタパック700には、乾燥粉末形態の吸入薬714が充填されている。
【0161】
図6について説明すると、3層構造を有し、次の順次の層を含む蓋シートを有する本発明のブリスタパック800を示してある:
(i)外側紙蓋シート層825;それが接着されている
(ii)ポリマー材料の中間層827;それが接着されている
(iii)アルミニウム箔蓋シート層829;それが接着されている
(iv)ポリマー材料の内側蓋シート層830。
【0162】
そこで、図6のある特定の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層825;それが接着されている(ii)厚さ12ミクロンのPETの中間層827;それが接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層829;それが接着されている(iv)厚さ15または30ミクロンのPVCフィルムの内側蓋シート層830を含む。この蓋シートは、内側基材シート層としてヒートシールラッカーを有する基材シートとともに用いる上で特に好適である。
【0163】
そこで、図6のブリスタパックの基材シートもまた多層構造を有し、次の順次の層:厚さ25ミクロンの配向ポリアミド(OPA)820;それが接着剤で接着されている厚さ60ミクロンのアルミニウム箔822;それが接着剤で接着されているヒートシールラッカーの基材シート層824を含む。ブリスタパック800には、乾燥粉末形態の吸入薬814が充填されている。
【0164】
図7について説明すると、3層構造を有し、次の順次の層を含む蓋シートを有する本発明のブリスタパック900を示してある:
(i)外側紙蓋シート層925;それが接着されている
(ii)ポリマー材料の中間層927;それが接着されている
(iii)アルミニウム箔蓋シート層929;それが接着されている
(iv)ポリマー材料の内側蓋シート層930。
【0165】
そこで、図7のある特定の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層925;それが押出積層によって接着されている(ii)厚さ20ミクロンの紡績PET488/20の中間層927;それが共押出積層の2つの層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。
【0166】
そこで、図7の別の特定の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層925;それが押出積層によって接着されている(ii)厚さ30ミクロンの紡績PET488/30の中間層927;それが共押出積層の2つの層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。
【0167】
そこで、図7の別の特定の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層925;それが押出積層によって接着されている(ii)厚さ30ミクロンの紡績PET088/30の中間層927;それが共押出積層の2つの層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。
【0168】
そこで、図7の別の特定の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層925;それがラッカー積層によって接着されている(ii)厚さ30ミクロンの紡績PET088/30の中間層927;それがラッカー積層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。
【0169】
そこで、図7の別の特定の薬剤パックは、(i)重量50g/mの外側紙蓋シート層925;それがラッカー積層によって接着されている(ii)厚さ30ミクロンの紡績PET088/30の中間層927;それがラッカー積層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。
【0170】
そこで、図7のさらに別の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層925;それがラッカー積層によって接着されている(ii)厚さ60ミクロンの交差積層HDPEの中間層927;それがラッカー積層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。商品名バレロンでイリノイ・ツール・ワークス社が販売している材料が、好適な交差積層HDPE材料である。
【0171】
そこで、図7のさらに別の薬剤パックは、(i)重量50g/mの外側紙蓋シート層925;それがラッカー積層によって接着されている(ii)厚さ60ミクロンの交差積層HDPEの中間層927;それがラッカー積層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPE剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。商品名バレロンでイリノイ・ツール・ワークス社が販売している材料が、好適な交差積層HDPE材料である。
【0172】
そこで、図7のさらに別の薬剤パックは、(i)重量25g/mの外側紙蓋シート層925;それがラッカー積層によって接着されている(ii)厚さ60ミクロンの交差積層HDPEの中間層927;それがラッカー積層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPVC剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。商品名バレロンでイリノイ・ツール・ワークス社が販売している材料が、好適な交差積層HDPE材料である。
【0173】
そこで、図7のさらに別の薬剤パックは、(i)重量50g/mの外側紙蓋シート層925;それがラッカー積層によって接着されている(ii)厚さ60ミクロンの交差積層HDPEの中間層927;それがラッカー積層によって接着されている(iii)厚さ20ミクロンのアルミニウム箔蓋シート層929;それがラッカー積層によって接着されている(iv)厚さ30ミクロンのPVC剥離フィルムの内側蓋シート層930を含む。商品名バレロンでイリノイ・ツール・ワークス社が販売している材料が、好適な交差積層HDPE材料である。
【0174】
そこで、図7のブリスタパックの基材シートもまた多層構造を有し、次の順次の層:厚さ25ミクロンの配向ポリアミド(OPA)920;それが接着剤で接着されている厚さ60ミクロンのアルミニウム箔922;それが接着剤で接着されている厚さ15〜100ミクロンのPVCの基材シート層924を含む。ブリスタパック900には、乾燥粉末形態での吸入薬914が充填されている。
【0175】
さらに別の実施形態では、本発明における図5〜7の個々の蓋シートを、本発明の図4の基材シートのいずれかとともに用いることもできる。
【0176】
図4〜7に示したようなブリスタ帯片パックを接着およびシールするのに、各種接着手法およびパターンを用いることができる。図2および3に示した接着手法およびパターンはその例である。
【0177】
図2について説明すると、ブリスタ帯片200の少なくとも1つの面の全体に実質的に均一に分布させた熱を用いて、対合する基材209と蓋の表面の個別の接着領域を形成する接着手法が示されている。この接着手法(例えば、ジグザグ、点、チェック模様など)により各種の接着パターンを形成することができるが、本例ではチェック模様のグリッド216パターンを用いている。
【0178】
図2に示すように、グリッド216は、ブリスタ203、205、207への汚染物および/または水分の進入が制限され、曲がりくねった経路(矢印Mによって示してある)を提供する。
【0179】
図3について説明すると、ブリスタ帯片300の少なくとも1つの面の全体に実質的に均一に分布させた熱を用いて、対合する基材309と蓋の表面の個別の接着領域を形成する別の接着手法が示されている。この例では、突起状の接着パターン316を用いている。突起形状316により、ブリスタ303、305、307への汚染物および/または水分の進入が制限され、曲がりくねった経路(矢印Mによって示してある)が提供される。
【0180】
図8には、本発明のブリスタパック(不図示)での使用に好適で、外側から内側に向かって下記の層構造を有する蓋シート(「カバー箔」)1011を示してある:
層A 1025、例えば重量30g/mのオーバープリントされたサテン加工紙からなる;
積層助剤1026;
層B 1027、例えば重量60g/mのHDPE製の不織布材料からなる;
積層助剤1028;
層C 1029、例えば厚さ25μmのアルミニウム箔からなる;および
層D 1030、例えばヒートシールラッカーからなる。
【0181】
本発明の薬剤パックの蓋シートは、優れた耐引裂性および耐引裂伝播性を提供するよう設計されている。耐引裂性は、初期引裂きに対する蓋シートの耐性の尺度であり、蓋シートの少なくとも1つの層、通常はポリマー材料層の引張強度および穿刺抵抗特性に関係するものである。耐引裂伝播性は、蓋シートに初期引裂き(または切り目もしくは切断もしくは同様のもの)が一旦加わってからの蓋シートのさらなる引裂きに対する耐性の尺度であり、既存の蓋シートでは通常、紙およびアルミニウム箔蓋シート層の特性に関係するものである。耐引裂性は、参照番号ASTMD1004を有するASTM法によって実験室で測定することができる。耐引裂伝播性は、エルメンドルフ試験と称される方法(DIN53128またはEN21974)によって実験室で測定することができる。
【0182】
本発明の薬剤パックの蓋シートは好適には、20Nを超える耐引裂性および2.5Nを超える耐引裂伝播性を有する。
【0183】
本発明の薬剤パックおよび関連する薬剤ディスペンサーデバイスは、特に喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎ならびに胸部感染などの、呼吸器障害の治療のための医薬製品を投薬(分注)するのに適している。他の用途も想到される。
【0184】
従って、適切な薬物は、例えば、鎮痛薬、例えば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニルもしくはモルヒネ;狭心症製剤、例えば、ジルチアゼム;抗アレルギー薬、例えば、クロモグリケート(例えば、ナトリウム塩として)、ケトチフェンもしくはネドクロミル(例えば、ナトリウム塩として);抗感染薬、例えば、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、スルホンアミド、テトラサイクリンおよびペンタミジン;抗ヒスタミン薬、例えば、メタピリレン;抗炎症薬、例えば、ベクロメタゾン(例えば、ジプロピオン酸エステルとして)、フルチカゾン(例えば、プロピオン酸エステルとして)、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン(例えば、フロ酸エステルとして)、シクレソニド、トリアンシノロン(例えば、アセトニドとして)もしくは6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イル)エステル、(6α,11β,16α,17α)−6,9−ジフルオロ−17−{[(フルオロメチル)チオ]カルボニル}−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−イル2−フロエートおよび(6α,11β,16α,17α)−6,9−ジフルオロ−17−{[(フルオロメチル)チオ]カルボニル}−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソアンドロスタ−1,4−ジエン−17−イル4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート;鎮咳薬、例えばノスカピン;気管支拡張薬、例えば、3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド、3−(3−{[7−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド、4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、4−{(1R)−2−[(6−{4−[3−(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール、N−[2−ヒドロキシル−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[2−4−[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]アミノ]フェニル]エチル]アミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド、N−2{2−[4−(3−フェニル−4−メトキシフェニル)アミノフェニル]エチル}−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン−5−イル)エチルアミン、5−[(R)−2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、5−[(1R)−2−[(5,6−ジエチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン、アルブテロール(例えば、遊離塩基または硫酸塩として)、サルメテロール(例えば、キシナホ酸塩として)、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール(例えば、臭化水素酸塩として)、ホルモテロール(例えば、フマル酸塩として)、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、ピルブテロール(例えば、酢酸塩として)、レプロテロール(例えば、塩酸塩として)、リミテロール、テルブタリン(例えば、硫酸塩として)、イソエタリン、ツロブテロール、もしくは4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル−2(3H)−ベンゾチアゾロン;アデノシン2a作働薬、例えば2R,3R,4S,5R)−2−[6−アミノ−2−(1S−ヒドロキシメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−プリン−9−イル]−5−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオール(例えば、マレイン酸塩として);αインテグリン阻害薬、例えば、(2S)−3−[4−({[4−(アミノカルボニル)−1−ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]−2−[((2S)−4−メチル−2−{[2−(2−メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸(例えば、遊離酸またはカリウム塩として);利尿薬、例えば、アミノリド;抗コリン作用薬、例えばイプラトロピウム(例えば、臭化物として)、チオトロピウム、アトロピンもしくはオキシトロピウム;ホルモン、例えばコルチゾン、ヒドロコルチゾンもしくはプレドニゾロン;キサンチン、例えばアミノフィリン、コリンテオフィリネート、リジンテオフィリネートもしくはテオフィリン;治療用タンパク質およびペプチド、例えばインスリンもしくはグルカゴン;ワクチン、診断薬ならびに遺伝子治療薬から選択することができる。当業者であれば、適切な場合に、薬物を塩(例えば、アルカリ金属塩もしくはアミン塩もしくは酸付加塩として)の形態で、またはエステル(例えば、低級アルキルエステル)もしくは溶媒和物(例えば、水和物)として使用することにより、薬物の活性および/または安定性を最適化することができるのは明らかであろう。
【0185】
態様によっては、薬物は、単一治療(すなわち、単一の活性薬を含む)製剤でもよいし、併用治療(すなわち、複数の活性薬を含む)製剤でもよい。
【0186】
併用治療製剤の好適な薬物または薬物成分は、典型的には、抗炎症薬(例えば、コルチコステロイドまたはNSAID)、抗コリン作用薬(例えば、M、M、M/MもしくはM受容体拮抗薬)、その他のβ−アドレナリン作用性受容体作働薬、抗感染薬(例えば、抗生物質または抗ウイルス薬)、ならびに抗ヒスタミン薬からなる群より選択される。あらゆる好適な併用が考えられる。
【0187】
好適な抗炎症薬としては、コルチコステロイドおよびNSAIDが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて用いることができる好適なコルチコステロイドは、経口および吸入投与される前記コルチコステロイド、ならびに、抗炎症活性を有するそれらのプロドラッグである。その例としては、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステル、ベクロメタゾンエステル(例えば、17−プロピオン酸エステルまたは17,21−ジプロピオン酸エステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(例えば、フロ酸エステル)、トリアンシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコルト、RPR−106541、ならびにST−126がある。好ましいコルチコステロイドとして、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、ならびに6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、さらに好ましくは、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルなどがある。
【0188】
好適なNSAIDとしては、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(例えば、テオフィリン、PDE4阻害剤もしくは混合PDE3/PDE4阻害剤)、ロイコトリエン拮抗薬、ロイコトリエン合成の阻害剤、iNOS阻害剤、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害剤、β−2インテグリン拮抗薬ならびにアデノシン受容体作働薬または拮抗薬(例えば、アデノシン2a作働薬)、サイトカイン拮抗薬(例えば、ケモカイン拮抗薬)またはサイトカイン合成の阻害剤が挙げられる。好適なその他のβ−アドレナリン作用性受容体作働薬としては、サルメテロール(例えば、キシナホエート)、サルブタモール(例えば、硫酸塩もしくは遊離塩基)、ホルモテロール(例えば、フマル酸塩)、フェノテロールまたはテルブタリン、およびそれらの塩がある。
【0189】
好適なホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤には、PDE4酵素を阻害することが知られている化合物、もしくはPDE4阻害剤として作用することが見出された化合物、ならびにPDE4阻害剤だけである化合物が含まれるが、PDE4と一緒にPDEファミリーの他のメンバーも阻害する化合物は含まれない。一般に、ロリプラムに高親和性で結合するPDE4触媒形態のIC50をロリプラムに低親和性で結合する形態のIC50で割ったIC50比が約0.1以上であるPDE4阻害剤を用いるのが好ましい。本開示に関して、RおよびSロリプラムに低親和性で結合するcAMP触媒部位は、「低親和性」結合部位(LPDE4)と称し、他方のロリプラムに高親和性で結合する触媒部位の形態は「高親和性」結合部位(HPDE4)と称する。この「HPDE4」という用語を、ヒトPDE4を指すのに用いられる「hPDE4」と混同してはならない。
【0190】
IC50比を決定する方法は、米国特許第5,998,428号に記載されている(この文献は、参照として本明細書にその全文を組み込むものとする)。また、これ以外に、上記アッセイが記載されたPCT出願WO00/51599号も参照されたい。
【0191】
好適なPDE4阻害剤には、有益な治療比を有する化合物、すなわち、酵素がロリプラムに低親和性で結合する形態である場合、cAMP触媒活性を優先的に阻害することによって、ロリプラムに高親和性で結合する形態の阻害と明らかに関連する副作用を低減する化合物が含まれる。別の言い方をすれば、好ましい化合物は、ロリプラムに高親和性で結合するPDE4触媒形態のIC50をロリプラムに低親和性で結合する形態のIC50で割ったIC50比が約0.1以上である。
【0192】
この標準をさらに詳述すると、PDE4阻害剤が、約0.1以上のIC50比を有するが、この比は、基質として1μM[H]−cAMPを用いてロリプラムに低親和性で結合する形態のPDE4触媒活性を阻害するIC50値に対する、ロリプラムに高親和性で結合するPDE4の形態との1nMの[H]R−ロリプラムの結合と競合するIC50値の比である。
【0193】
最も好適なものは、0.5を超えるIC50比を有するPDE4阻害剤であり、特に1.0を超える比を有する化合物である。好ましい化合物としてはシス4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オンおよびシス−[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]が挙げられ、これらは低親和結合部位に優先的に結合し、0.1以上のIC50比を有する化合物の例である。
【0194】
その他の好適な薬物化合物としては、米国特許第5,552,433号に開示されたシス4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸(シクロマラストとしても知られる)、ならびにその塩、エステル、プロドラッグもしくは物理的形態;エルビオンからのAWD−12−281(Hofgen, N. et al. 15th EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10, Edinburgh) 1998, Abst P.98;CAS参照番号247584020−9);NCS−613 (INSERM)という名称の9−ベンジルアデニン誘導体;キロサイエンス(Chiroscience)およびシェリング−プロー(Schering-Plough)からのD−4418;CI−1018(PD−168787)と称されファイザー(Pfizer)に属するベンゾジアゼピンPDE4阻害剤;WO99/16766号に協和発酵(Kyowa Hakko)が開示したベンゾジオキソール誘導体;協和発酵からのK−34;ナップ(Napp)からのV−11294A(Landells, L.J. et al. Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23, Geneva) 1998] 1998, 12 (Suppl. 28): Abst P2393);ロフルミラスト(CAS参照番号162401−32−3)およびバイク−グルデン(Byk-Gulden)からのフタラジノン(WO99/47505号、この文献の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる);プマフェントリン、バイク−グルデン(現在のアルタナ(Altana))により製造および公開された混合PDE3/PDE4阻害剤である(−)−p−[(4aR,10bS)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[c][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド;アルミラル−プロデスファルマ(Almirall-Prodesfarma)により開発中のアロフィリン;ベルナリス(Vernalis)からのVM554/UM565;またはT−440(Tanabe Seiyaku; Fuji, K. et al. J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1): 162)、ならびにT2585が挙げられる。
【0195】
好適な抗コリン作用薬は、ムスカリン性受容体で拮抗薬として作用する化合物、特に、MおよびM受容体の拮抗薬である化合物である。このような化合物の例として、ベラドンナ植物のアルカロイド、例えば、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、ヒヨスチアミンなどが挙げられる。これらの化合物は、通常、塩として投与され、3級アミンである。
【0196】
特に好適な抗コリン作用薬として、アトロベント(Atrovent)の名称で販売されているイプラトロピウム(例えば、臭化物として)、オキシトロプム(例えば、臭化物として)およびチオトロピウム(例えば、臭化物として)(CAS−139404−48−1)が挙げられる。また、以下に挙げるものも対象となる:メタンテリン(CAS−53−46−3)、臭化プロパンテリン(CAS−50−34−9)、臭化メチルアニソトロピンまたはValpin50(CAS−80−50−2)、臭化クリジニウム(Quarzan、CAS−3485−62−9)、コピロレート(Robinul)、ヨウ化イソプロパミド(CAS−71−81−8)、臭化メペンゾレート(米国特許第2,918,408号)、塩化トリジヘキセチル(Pathilone、CAS−4310−35−4)、メチル硫酸ヘキソシクリウム(Tral、CAS−115−63−9)。また、塩酸シクロペントレート(CAS−5870−29−1)、トロピカミド(CAS−1508−75−4)、塩酸トリヘキシフェニジル(CAS−144−11−6)、ピレンゼピン(CAS−29868−97−1)、テレンゼピン(CAS−80880−90−9)、AF−DX116、もしくはメトクトラミン、ならびにWO01/04118号に開示されている化合物も参照されたい。
【0197】
好適な抗ヒスタミン薬(H−受容体拮抗薬とも呼ばれる)には、H−受容体を阻害し、かつヒトへの使用に安全な多数の拮抗薬のいずれか1種以上が含まれる。これらはすべて、H−受容体とヒスタミンの相互作用の可逆的競合阻害剤である。例として、エタノールアミン、エチレンジアミンおよびアルキルアミンが挙げられる。加えて、その他の第1世代抗ヒスタミン薬として、ピペリジンおよびフェノチアジンに基づくことを特徴とするものが挙げられる。非鎮静性の第2世代拮抗薬は、それらが、コアエチレン基(アルキルアミン)を保持するか、またはピペリジン(piperizine)もしくはピペリジン(piperidine)を含む3級アミン基に類似するという点で、同様の構造活性相関を有する。拮抗薬の例を以下に挙げる:
エタノールアミン:マレイン酸カルビノキサミン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェニルヒドラミン、およびジメンヒドリネート
エチレンジアミン:マレイン酸ピリラミン、塩酸トリペレナミン、およびクエン酸トリペレナミン
アルキルアミン:クロロフェニルアミンとその塩(例えば、マレイン酸塩)、およびアクリバスチン
ピペラジン:塩酸ヒドロキシジン、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸シクリジン、乳酸シクリジン、塩酸メクリジン、および塩酸セチリジン
ピペリジン:アステミゾール、塩酸レボカバスチン、ロラタジンもしくはそのデスカルボエトキシ類似体、ならびに、テルフェナジンおよび塩酸フェキソフェナジン、または他の薬学的に許容される塩。
【0198】
塩酸アゼラスチンもやはりH−受容体拮抗薬であり、これは、PDE4阻害剤と組み合わせて用いることができる。
【0199】
特に好適な抗ヒスタミン薬として、メタピリレンおよびロラタジンがある。
【0200】
併用製剤に関して、共製剤適合性は公知の方法により実験に基づいて決定するが、これは選択した薬剤ディスペンサー作用の種類によって異なりうる。
【0201】
併用製剤の薬物成分は、抗炎症薬(例えば、コルチコステロイドまたはNSAID)、抗コリン作用薬(例えば、M、M、M/MもしくはM受容体拮抗薬)、その他のβ−アドレナリン作用性受容体作働薬、抗感染薬(例えば、抗生物質または抗ウイルス薬)、ならびに抗ヒスタミン薬からなる群より選択するのが好適である。あらゆる好適な併用が考えられる。
【0202】
実施形態によっては、共製剤化適合性成分は、β−アドレナリン作用性受容体作働薬およびコルチコステロイドを含み、共製剤化非適合性成分は、PDE−4阻害剤、抗コリン作用薬もしくはそれらの混合物を含む。β−アドレナリン作用性受容体作働薬は、例えば、サルブタモール(例えば、遊離塩基もしくは硫酸塩として)またはサルメテロール(例えば、キシナホ酸塩として)、またはホルモテロール(例えば、フマル酸塩として)でありうる。コルチコステロイドは、例えばベクロメタゾンエステル(例えば、ジプロピオン酸エステル)またはフルチカゾンエステル(例えば、プロピオン酸エステル)またはブデソニドでありうる。
【0203】
一例では、共製剤化適合性成分は、プロピオン酸フルチカゾンおよびサルメテロール、またはそれらの塩(特に、キシナホ酸塩)を含み、共製剤化非適合性成分は、PDE−4阻害剤、抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウムもしくは臭化チオトロピウム)またはそれらの混合物を含む。
【0204】
別の実施形態では、共製剤化適合性成分は、ブデソニドおよびホルモテロール(例えば、フマル酸塩)を含み、共製剤化非適合性成分は、PDE−4阻害剤、抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウムもしくは臭化チオトロピウム)またはそれらの混合物を含む。
【0205】
一般に、肺の気管支または肺胞領域への送達に適した粉末薬物粒子は、10マイクロメートル未満、好ましくは6マイクロメートル未満の空気力学的直径を有する。気道の他の部分、例えば、鼻腔、口内もしくは咽喉への送達が望まれる場合には、上記以外の大きさの粒子を用いてもよい。薬物は、純粋薬物として送達することもできるが、さらに好適には、吸入に適した賦形剤(担体)と一緒に薬物を送達するのが好ましい。好適な賦形剤として、有機賦形剤、例えば、多糖(すなわち、デンプン、セルロースなど)、ラクトース、グルコース、マニトール、アミノ酸、およびマルトデキストリン、ならびに、炭酸カルシウムもしくは塩化ナトリウムのような無機賦形剤が挙げられる。ラクトースが好ましい賦形剤である。
【0206】
粉末状の薬物および/または賦形剤は、通常の方法、例えば、超微粉砕、微粉砕もしくは篩い分けにより製造することができる。加えて、特定の密度、粒度範囲、もしくは特徴を有する薬物および/または賦形剤粉末を作製することもできる。粒子は、活性薬物、界面活性剤、壁形成材料、もしくは当業者が望ましいとみなす他の成分を含んでもよい。
【0207】
賦形剤は、例えば、添加、共沈殿などの公知の方法により薬物に含有させることができる。賦形剤と薬物の混合物は、典型的には混合物を用量に正確に計量および分散できるように製剤化する。標準的な混合物は、例えば、50マイクログラムの薬物と混合した13000マイクログラムのラクトースを含み、賦形剤対薬物の比は260:1である。賦形剤対薬物の比が100:1〜1:1の投与混合物を用いることができる。しかし、賦形剤対薬物の比が非常に低いと、薬物用量の再現性が変動しやすくなる可能性がある。
【0208】
本発明の薬剤パックおよびディスペンサーデバイスは、1態様において、呼吸器障害、例えば肺および気管支の障害(喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む)の治療のための薬物を投薬(分注)するのに適している。別の態様において本発明は、薬物の全身循環による治療を必要とする状態、例えば、片頭痛、糖尿病、疼痛軽減(例:モルヒネ吸入)の治療のための薬物を投薬(分注)するのに適している。
【0209】
従って、本発明において呼吸器障害(例えば、喘息およびCOPDなど)の治療のための薬剤パックおよびディスペンサーデバイスの使用が提供される。あるいは本発明は、例えば、喘息およびCOPDのような呼吸器障害を治療する方法であって、本発明の薬剤パックまたはディスペンサーデバイスから本明細書に記載の有効量の医薬製剤の吸入による投与を含む方法を提供する。
【0210】
当然のことながら、治療効果を達成するのに必要な特定の医薬化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理的機能性の誘導体の量は、特定の化合物、投与経路、治療中の被験者、ならびに治療対象の特定の障害もしくは疾患に応じて変動する。本発明における呼吸器障害の治療のための薬物は、例えば0.0005mg〜10mg、好ましくは0.005mg〜0.5mgの用量で吸入により投与することができる。成人に対する用量は、一般に1日当たり0.0005mg〜100mg、好ましくは0.01mg〜1mgの範囲である。
【0211】
本開示内容は、説明を目的とするにすぎず、本発明には、変更、変形形態および改善も含まれることを理解されたい。
【0212】
以上の記載内容および特許請求の範囲を含む本願は、後続するあらゆる出願に対する優先権の根拠として用いることができる。このような後続出願の特許請求の範囲が、そこに記載される特徴または特徴の組合せに関する場合もある。それらは、製品、方法もしくは用途クレームの形態を有することができ、例えば1以上の添付のクレームを含み得るが、それらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】本発明による使用に好適な形態の薬剤パックの形の斜視図である。
【図2】本発明による使用に好適な形態の薬剤パックの形の平面図である。
【図3】本発明による使用に好適な形態の別の薬剤パックの形の平面図である。
【図4】本発明によるラミネート形薬剤パックの形の側断面図である。
【図5】本発明による別のラミネート形薬剤パックの形の側断面図である。
【図6】本発明による別のラミネート形薬剤パックの形の側断面図である。
【図7】本発明による別のラミネート形薬剤パックの形の側断面図である。
【図8】本発明によるラミネート形蓋シートの形の側断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品および医療製品を包装するためのブリスタ形態パックで使用するための蓋シートであって、層の順序がA−B−C−Dとなっている4つの層A、B、CおよびDを含むラミネートであり、前記層が以下:
(層A)セルロース材料;アルミニウム箔;耐温度性が220℃で少なくとも1秒間であるプラスチックフィルム;耐温度性が220℃で少なくとも1秒間であるラッカー;および粘着防止コーティングからなる群から選択される層A材料;
(層B)ある角度で位置ずれし、積層もしくは熱カレンダー加工によって接着されている少なくとも2つの無配向性、一配向性または2軸配向性プラスチックフィルムまたは網状構造を有するプラスチックコーティング;プラスチックポリマー製の不織布材料;網状編物を有する少なくとも1つの繊維またはプラスチックフィルム;ポリスルホン、ポリエチレンナフタレートPEN、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリイミド(PI);ポリエーテルイミド(PEI)およびテトラフルオロエチレン/エチレンからなる群から選択される材料を含む箔;ならびに上記材料のうちの少なくとも2種類からなる多層箔、からなる群から選択される層B材料;
(層C)アルミニウム箔;
(層D)ヒートシール層
を含むものである、前記蓋シート。
【請求項2】
層Aと層Bおよび層Bと層Cを、積層助剤を用いて接着することで、少なくとも2N/15mmの接着強度を得ている、請求項1に記載の蓋シート。
【請求項3】
層Aの紙が、未処理であるか、コーティングまたはサテン処理されており、重量15〜100g/m、好ましくは20〜80g/mを有する、請求項1または2に記載の蓋シート。
【請求項4】
層Aのアルミニウム箔が、厚さ6〜60μm、好ましくは7〜25μmを有する、請求項1または2に記載の蓋シート。
【請求項5】
層Aの耐温度性プラスチックフィルムが、厚さ7〜25μm、好ましくは12〜25μmを有する、請求項1または2に記載の蓋シート。
【請求項6】
層Aの耐温度性プラスチックフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、配向ポリアミド(OPA)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリアリールエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)またはテトラフルオロエチレン/エチレンからなり、厚さ7〜25μm、好ましくは厚さ12〜25μmを有する、請求項1または2に記載の蓋シート。
【請求項7】
層Bのプラスチックフィルムが、ポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン、または上記プラスチックの組み合わせからなり、厚さ8〜200μm、好ましくは12〜100μmを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓋シート。
【請求項8】
層Bの網状構造のプラスチックコーティングが、ポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/エチレン、またはタンパク質(サテン)からなり、表面重量30〜150g/m、好ましくは40〜120g/mを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓋シート。
【請求項9】
層Bの不織布繊維が、HDPE、ポリエステル、ポリアミド6もしくはポリアミド6.6と組み合わせたPET/ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオレフィンと組み合わせたポリエステル、特にはPPと組み合わせたPET、またはポリオレフィンと組み合わせたポリアミド、テトラフルオロエチレン/エチレンからなり、重量10〜120g/mを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓋シート。
【請求項10】
層Bの網状編物を有する少なくとも1つの繊維またはプラスチックフィルムからなる箔が、ポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)もしくはポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン/エチレン、または上記プラスチックの組み合わせからなり、厚さ8〜200μm、好ましくは12〜80μmを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓋シート。
【請求項11】
層Bの多層箔の個々のフィルムが、ポリエチレン(PE)、特にはVLDPE、LLDPE、LMDPE、LDPEもしくはHDPE、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ハロゲン含有プラスチック、特にはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリアクリロニトリル(PAN)、テトラフルオロエチレン/エチレン、または上記プラスチックの組み合わせからなり、厚さ8〜200μm、好ましくは12〜75μmを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓋シート。
【請求項12】
層Cのアルミニウム箔が、厚さ7〜60μm、好ましくは9〜30μmを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の蓋シート。
【請求項13】
医薬品および医療製品を包装するためのブリスタ形態のパックであって、
(a)ブリスタが形成されて、そこにポケットが画定されている基材シート;および
(b)前記ブリスタの領域を除く前記基材シートに対してシール可能で、前記基材シートから機械的に剥離可能な請求項1〜12のいずれか1項に記載の蓋シート
を含むパック。
【請求項14】
(a)ブリスタが形成されて、そこに吸入薬を封入するためのポケットが画定されている基材シート;
(b)ブリスタの領域を除く前記基材シートに対してシール可能で、前記基材シートから機械的に剥離可能であることで、前記吸入薬の放出が可能となる蓋シート
を含み、
前記蓋シートが、少なくとも次の順次の層:
(層A)セルロース材料の外側蓋シート層;その層が接着されている
(層B)層B材料からなる第1中間蓋シート層;その層が直接もしくは間接に接着されている
(層C)アルミニウム箔蓋シート層;その層が直接もしくは間接に接着されている
(層D)内側蓋シートヒートシール層
を含むラミネート構造を有するものである、請求項13に記載のブリスタ形態の薬剤パック。
【請求項15】
細長いブリスタ帯片の形態である、請求項14に記載の薬剤パック。
【請求項16】
前記第1中間蓋シート層が織布ポリアミドを含む、請求項14または15に記載の薬剤パック。
【請求項17】
前記織布ポリアミド層が厚さ50〜100ミクロンを有する、請求項16に記載の薬剤パック。
【請求項18】
前記織布ポリアミド層のそれに隣接する層への接着が接着積層によって行われる、請求項17に記載の薬剤パック。
【請求項19】
前記織布ポリアミド層のそれに隣接する層への接着が押出積層によって行われる、請求項17に記載の薬剤パック。
【請求項20】
前記第1中間蓋シート層が紡績PETを含む、請求項14または15に記載の薬剤パック。
【請求項21】
前記紡績PETが重量10〜250g/m、特には20〜60g/mのものである、請求項20に記載の薬剤パック。
【請求項22】
前記紡績PET層のそれに隣接する層への接着が、押出積層、共押出積層およびラッカー積層からなる群から選択される積層技術によって行われる、請求項21に記載の薬剤パック。
【請求項23】
前記紡績PET層のそれに隣接する層への接着がポリエチレン(PE)押出積層によって行われる、請求項22に記載の薬剤パック。
【請求項24】
前記第1中間蓋シート層が紡績HDPEを含む、請求項14または15に記載の薬剤パック。
【請求項25】
前記紡績HDPEが、重量10〜80g/m、特には20〜60g/mのものである、請求項24に記載の薬剤パック。
【請求項26】
前記紡績HDPE層のそれに隣接する層への接着が押出積層によるものである、請求項24または25に記載の薬剤パック。
【請求項27】
前記紡績HDPE層のそれに隣接する層への接着がポリエチレン(PE)押出によるものである、請求項26に記載の薬剤パック。
【請求項28】
前記第1中間蓋シート層が交差積層HDPEを含む、請求項14または15に記載の薬剤パック。
【請求項29】
前記交差積層HDPEが、交差積層角度30〜60°、特には45°で互いに交差積層した少なくとも2つのHDPEフィルムを含む、請求項28に記載の薬剤パック。
【請求項30】
前記交差積層HDPE層が、厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンを有する、請求項28または29に記載の薬剤パック。
【請求項31】
前記第1中間蓋シート層が交差積層PETを含む、請求項14または15に記載の薬剤パック。
【請求項32】
前記交差積層PETが、交差積層角度30〜60°、特には45°で互いに交差積層した少なくとも2つのPETフィルムを含む、請求項31に記載の薬剤パック。
【請求項33】
前記交差積層PET層が、厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンを有する、請求項31または32に記載の薬剤パック。
【請求項34】
前記外側紙蓋シート層が、10〜50g/m、特には20〜30g/mの等級の紙を含む、請求項14〜33のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項35】
前記アルミニウム箔蓋シート層の厚さが10〜60ミクロン、特には15〜40ミクロンである、請求項14〜34のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項36】
(a)ブリスタが形成されて、そこに吸入薬を封入するためのポケットが画定されている基材シート;
(b)前記ブリスタの領域を除く前記基材シートに対してシール可能で、前記基材シートから機械的に剥離して前記吸入薬を放出させることができる蓋シート
を含むブリスタ形態の薬剤パックであって、
前記蓋シートが、少なくとも下記の順次の層:
(i)セルロース材料の外側蓋シート層;その層が直接またはポリマー材料の任意の第1中間層を介して接着されている
(ii)アルミニウム箔蓋シート層;その層が接着されている
(iii)ポリマー材料の内側蓋シート層
を含むラミネート構造を有するものである、前記薬剤パック。
【請求項37】
細長いブリスタ帯片の形態である、請求項36に記載の薬剤パック。
【請求項38】
前記ポリマー材料の任意の第1中間層がポリエチレン(PE)押出層を含み、前記ポリマー材料の内側蓋シート層が剥離可能な共押出コーティングを含む、請求項36または37に記載の薬剤パック。
【請求項39】
前記剥離可能な共押出コーティング層が重量5〜50g/m、特には10〜30g/mを有する、請求項38に記載の薬剤パック。
【請求項40】
ポリマー材料の任意の第1中間層が非存在であり、前記ポリマー材料の内側蓋シート層が剥離フィルムを含む、請求項36または37に記載の薬剤パック。
【請求項41】
前記剥離フィルムが、ポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルムからなる群から選択される、請求項40に記載の薬剤パック。
【請求項42】
前記剥離フィルムが、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレン(PE)を含む内側基材シート層への剥離可能なシールを行う上で特に好適である、請求項40または41に記載の薬剤パック。
【請求項43】
前記剥離フィルム層が厚さ10〜80ミクロン、特には15〜50ミクロンのものである、請求項40〜42のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項44】
前記ポリマー材料の任意の第1中間層がポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を含み、前記ポリマー材料の内側蓋シート層がポリ塩化ビニル(PVC)を含む、請求項36または37に記載の薬剤パック。
【請求項45】
前記PET層が厚さ5〜30ミクロン、特には10〜25ミクロンのものであり、前記PVC層が厚さ5〜50ミクロン、特には10〜40ミクロンのものである、請求項44に記載の薬剤パック。
【請求項46】
前記ポリマー材料の任意の第1中間層が紡績ポリ(エチレンテレフタレート)(紡績PET)を含み、前記ポリマー材料の内側蓋シート層が剥離フィルムを含む、請求項36または37に記載の薬剤パック。
【請求項47】
前記剥離フィルムが、ポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルムからなる群から選択される、請求項46に記載の薬剤パック。
【請求項48】
前記剥離フィルムが、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレン(PE)を含む内側基材シート層への剥離可能なシールに特に好適である、請求項46または47に記載の薬剤パック。
【請求項49】
前記紡績PET層が厚さ10〜60ミクロン、特には20〜30ミクロンのものであり、前記剥離フィルム層が厚さ5〜50ミクロン、特には10〜40ミクロンのものである、請求項46〜48のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項50】
前記ポリマー材料の任意の第1中間層が交差積層高密度ポリエチレン(HDPE)を含み、前記ポリマー材料の内側蓋シート層が剥離フィルムを含む、請求項36または37に記載の薬剤パック。
【請求項51】
前記交差積層HDPEが、交差積層角度30〜60°、特には45°で互いに交差積層した少なくとも2つのHDPEフィルムを含む、請求項50に記載の薬剤パック。
【請求項52】
前記交差積層HDPE層が厚さ30〜100ミクロン、特には50〜80ミクロンのものであり、前記剥離フィルム層が厚さ5〜50ミクロン、特には10〜40ミクロンのものである、請求項50または51に記載の薬剤パック。
【請求項53】
前記剥離フィルムが、ポリエチレン(PE)剥離フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)剥離フィルムまたはポリプロピレン(PP)剥離フィルムからなる群から選択される、請求項50〜52のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項54】
前記剥離フィルムが、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリエチレン(PE)を含む内側基材シート層への剥離可能なシールを行う上で特に好適である、請求項50〜53のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項55】
前記ポリマー材料の任意の第1中間層のそれに隣接する層への接着が、押出積層、共押出積層およびラッカー積層からなる群から選択される積層技術によって行われる、請求項36〜54のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項56】
前記外側紙蓋シート層が、10〜80g/m、特には20〜50g/mの等級の紙を含む、請求項36〜55のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項57】
前記アルミニウム箔蓋シート層の厚さが10〜60ミクロン、特には15〜40ミクロンである、請求項36〜56のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項58】
前記基材シートが、(i)アルミニウム箔の第1基材シート層;および(ii)厚さ10〜150ミクロンのポリマー材料の第2基材シート層を含む、請求項14〜57のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項59】
前記アルミニウム箔の第1基材シート層が、典型的には厚さ15〜120ミクロン、特には20〜90ミクロンを有する、請求項58に記載の薬剤パック。
【請求項60】
前記ポリマー材料の第2基材シート層が、厚さ10〜120ミクロン、特には15〜100ミクロンを有する、請求項58または59に記載の薬剤パック。
【請求項61】
前記第2基材シート層が、水蒸気透過率が25℃で0.6g/(100インチ)(24時間)(ミル)未満であるポリマー材料を含む、請求項58〜60のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項62】
前記第2基材シート層が、ポリ塩化ビニル(PVC);ポリプロピレン;ポリエチレン;ポリ塩化ビニリデン(PVDC);ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);環状オレフィンコポリマー(COC);および環状オレフィンポリマー(COP)からなる群から選択される材料を含む、請求項61に記載の薬剤パック。
【請求項63】
前記アルミニウム箔の第1基材シート層に、ポリマー材料の外側基材シート層が設けられている、請求項58〜62のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項64】
前記外側層基材シート層が配向ポリアミド(OPA)を含む、請求項63に記載の薬剤パック。
【請求項65】
前記基材シートが、内側基材シート層として設けられたPE剥離フィルムを有する、請求項40〜43のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項66】
前記基材シートに、ヒートシールラッカーを含む内側基材シート層が設けられている、請求項44または45に記載の薬剤パック。
【請求項67】
前記基材シートに、ポリ塩化ビニル(PVC)を含む内側基材シート層が設けられている、請求項14〜39および46〜54のいずれか1項に記載の薬剤パック。
【請求項68】
前記パックの1以上の前記ブリスタが乾燥粉末形態の吸入薬を含む、請求項14〜67のいずれか1項に記載のブリスタ形態の薬剤パック。
【請求項69】
前記吸入薬が、抗炎症薬、抗コリン作用薬、他のβ−アドレナリン作用性受容体作働薬、抗感染薬、抗ヒスタミン薬およびそれらのいずれかの混合物からなる群より選択される1以上の薬物を含む、請求項68に記載のブリスタ形態の薬剤パック。
【請求項70】
前記抗炎症薬が、コルチコステロイド、NSAIDおよびそれらのいずれかの混合物からなる群から選択される、請求項69に記載のブリスタ形態の薬剤パック。
【請求項71】
前記コルチコステロイドが、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステル、ベクロメタゾンエステル類、フルニソリド、モメタゾンエステル類、トリアンシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコルト、RPR−106541およびST−126、ならびにそれらのいずれかの混合物からなる群から選択される、請求項69に記載のブリスタ形態の薬剤パック。
【請求項72】
前記NSAIDが、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、ロイコトリエン拮抗薬、ロイコトリエン合成の阻害剤、iNOS阻害剤、トリプターゼおよびエラスターゼ阻害剤、β−2インテグリン拮抗薬、アデノシン受容体作働薬または拮抗薬、サイトカイン拮抗薬、サイトカイン合成の阻害剤、ならびにそれらのいずれかの混合物からなる群から選択される、請求項69に記載のブリスタ形態の薬剤パック。
【請求項73】
筐体を有する薬剤ディスペンサーデバイスであって、該筐体内で、細長い形態のブリスタが請求項68〜72のいずれか1項に記載の薬剤パックを形成しており、前記ディスペンサーデバイスは前記薬剤パックのポケットから前記吸入薬を投薬するための内部機構を有しており、前記機構は、
a)前記薬剤パックのポケットを受容するための開封ステーション;
b)前記開封ステーションに受容されているポケットの前記基材シートおよび前記蓋シートと係合するように配置され、そのような基材シートおよび蓋シートを引き剥がしてそのようなポケットを開封するための剥離手段であって、前記開封ステーションで受容されているポケットの前記蓋シートおよび前記基材シートを引き剥がすための蓋駆動手段を有する剥離手段;
c)開封されたポケットと連通して配置され、そのような開封されたポケットからの薬物用量をユーザーが扱うことができる放出口;
d)前記薬剤パックの個別のポケットを個々にインデックス付けするためのインデックス付け手段
を含むものである、前記薬剤ディスペンサーデバイス。
【請求項74】
吸入薬を投薬するための、請求項73に記載の医薬ディスペンサーデバイスの使用。
【請求項75】
医薬品および医療製品、化粧品、食料および非食料製品を含む製品の包装のため、ならびに他の技術的用途のためのブリスタ形態のパックであって、
(a)ブリスタが形成されて、そこにポケットが画定されている基材シート;および
(b)前記ブリスタの領域を除く前記基材シートに対してシール可能で、前記基材シートから機械的に剥離可能である請求項1〜12のいずれか1項に記載の蓋シート
を含むパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−509874(P2009−509874A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532495(P2008−532495)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037438
【国際公開番号】WO2007/038488
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【出願人】(591059652)アルカン・テクノロジー・アンド・マネージメント・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Alcan Technology & Management Ltd.
【住所又は居所原語表記】Badische Bahnhofstrasse 16, CH−8212 Neuhausen am Rheinfall,Switzerland
【Fターム(参考)】