ブリッジ回路の断線検出回路および断線検出手段を有するシステム
【課題】従来のブリッジ回路の断線検出回路ではブリッジ出力のオフセット電圧や温度特性が悪化することに対して配慮が欠けていた。センサの特性の変化を微小に抑えるブリッジ回路の断線検出回路を提供する。
【解決手段】本発明によるブリッジ回路の断線検出回路8aはブリッジ回路の出力端子から所定の電位に対して電流を流す通電手段9,10と、前記ブリッジ回路の出力端子の電位と前記所定の電位との電位差を検出する電位差検出手段12,13と、前記電位差検出手段の出力に基づいて断線を検出する断線検出手段14と、から構成される。
【解決手段】本発明によるブリッジ回路の断線検出回路8aはブリッジ回路の出力端子から所定の電位に対して電流を流す通電手段9,10と、前記ブリッジ回路の出力端子の電位と前記所定の電位との電位差を検出する電位差検出手段12,13と、前記電位差検出手段の出力に基づいて断線を検出する断線検出手段14と、から構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブリッジ回路の断線検出回路に係り、特にブリッジ回路の出力電圧に与える影響が小さいブリッジ回路の断線検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ブリッジ回路の断線検出回路の従来例には特開平6−249730号公報に記載されたセンサ用ブリッジ回路などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−249730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平6−249730号公報に記載されている従来技術は図2に示す様にセンサ素子抵抗15,16,17,18で構成されるブリッジ回路の出力に抵抗19と抵抗20をそれぞれ電源とグランドに接続し、ブリッジ回路の出力が断線した場合はブリッジ回路の出力電圧を大きく変化させ、ブリッジ回路の出力電圧を増幅器21で増幅して得られるセンサ出力を大きく変化させることでブリッジ回路が断線したことを検出する。
【0005】
しかしながら、上記断線検出回路では、センサブリッジに対して非対称に抵抗19,20が並列に接続されるのでセンサのオフセット電圧や温度特性が悪化することに対して配慮が欠けていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的はセンサの特性の変化を微小に抑えるブリッジ回路の断線検出回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためには、ブリッジ回路の出力端子から所定の電位に対して電流を流し、ブリッジ回路の出力端子の電位と前記所定の電位との電位差を検出し、この電位差に基づいて断線を検出することにより達成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、断線検出回路がセンサブリッジ回路の出力電圧に与える影響を低減できるので、センサブリッジ出力のオフセット電圧や温度特性が改善でき、且つ、高精度にセンサブリッジの断線を検出できるので高精度且つ高信頼性を持つセンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図2】従来技術のブリッジ回路の断線検出回路。
【図3】第2の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図4】トランジスタ24,25のドレイン電流特性。
【図5】第3の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図6】スイッチ26,28,29,30,31,32の制御信号のタイミングチャート。
【図7】第4の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図8】第5の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図9】第6の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図10】第7の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図11】第8の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図。
【図12】第9の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図。
【図13】第10の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図13を用いて説明する。
【0011】
まず、本発明の第1の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図1により説明する。なお、図1は第1の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。
【0012】
検出素子1はセンサ素子抵抗2と4からなる直列回路と、センサ素子抵抗3と5からなる直列抵抗とを並列に接続したブリッジ回路から構成されており、センサ素子抵抗2,3,4,5の抵抗値が測定物理量に応じて変化することによって、センサ素子抵抗2と4との中間電圧と、センサ素子抵抗3と5の中間電圧とが変化する構成となっている。なお、センサ素子抵抗3と5との中間電圧は出力端子Aに入力され、出力端子Aから検出素子1の外部に取り出される。また、センサ素子抵抗2と4との中間電圧は出力端子Bに入力され、出力端子Bから検出素子1の外部に取り出される。出力端子Aおよび出力端子Bから取り出されたブリッジ回路の出力電圧(出力端子A,B間の電圧)は増幅器6によって出力電圧が増幅され、切換え回路7を介してセンサ出力として外部に出力される。センサ素子抵抗は例えば、白金(Pt),タンタル(Ta),モリブデン(Mo),シリコン(Si)等が選定される。
【0013】
断線検出回路8aは出力端子Aに電流を流す抵抗10と出力端子Bに電流を流す抵抗9と、基準電圧を発生する基準電圧源11と、出力端子Aの電圧と基準電圧源11の電圧を比較して出力端子Aの断線を検出する比較器12と、出力端子Bの電圧と基準電圧源11の電圧を比較して出力端子Bの断線を検出する比較器13と、比較器12と比較器13の論理和を求めるオア回路14とにより構成される。そして、断線検出回路8aが断線と検出した場合には切換え回路7によりセンサ出力をグランド電圧あるいは電源電圧に固定する。
【0014】
次に、断線検出回路8aの動作について説明する。断線検出回路8aでは出力端子Aおよび出力端子Bの断線を検出する。
【0015】
まず、出力端子Aが断線した場合には出力端子Aの電位は抵抗10によってグランド電位になる。出力端子Aの電位は比較器12によって基準電圧源11の電圧と比較されており、出力端子Aが断線すると比較器12の出力に反映される。
【0016】
また、出力端子Bが断線した場合には出力端子Bの電位は抵抗9によってグランド電位になる。出力端子Bの電位は比較器13によって基準電圧源11の電圧と比較されており、出力端子Bが断線すると比較器13の出力に反映される。
【0017】
従って、出力端子Aあるいは出力端子Bが断線すると比較器12および13の出力の論理和をとるオア回路14の出力に反映される。このような構成により断線検出回路8で出力端子Aおよび出力端子Bの断線を検出することが可能となる。
【0018】
次に、本実施例の断線検出回路8aの特徴について説明する。断線検出回路8aは検出素子1のブリッジ回路の出力端子A,Bに対して対象な回路であるため、検出素子1のブリッジ回路の出力電圧への影響を最小にすることができる。つまり、出力端子Aに接続される回路は抵抗10と比較器12であり、出力端子Bに接続される回路は抵抗9と比較器13と同一の回路が接続されているため、出力端子Aと出力端子Bに断線検出回路8aが与える影響は同一になる。このことにより、検出素子1のブリッジ回路の出力電圧(出力端子Aと出力端子Bの差電圧)への影響を低減することが可能である。
【0019】
次に、本発明の第2の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図3,図4により説明する。なお、図3は第2の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図、図4はトランジスタ24,25のドレイン電流特性である。なお、第2の実施例のブリッジ回路の断線検出回路は第1の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の抵抗9,10をトランジスタ23,24,25で構成されるカレントミラー回路に変更したものである。
【0020】
本実施例のブリッジ回路の断線検出回路8bでは抵抗9,10をトランジスタ23,24,25で構成されるカレントミラー回路に変更し、トランジスタ23には定電流源22を接続することでトランジスタ24,25のドレイン電流の特性を図4に示すようにした。このことにより、出力端子A,Bが断線していない時には出力端子A,Bから見たトランジスタ24,25のインピーダンスを高くすることができるのでブリッジ回路の出力電圧への影響を更に低減することが可能である。
【0021】
また、出力端子Aあるいは出力端子Bの断線検出時には出力端子A,Bから見たトランジスタ24,25のインピーダンスを小さくできるので断線時の出力端子A,Bの電圧を低くでき比較器12,13の閾値のマージンを増やすことができるので断線検出の精度を向上させることが可能になる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図5,図6により説明する。なお、図5は第3の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図、図6はスイッチ26,28,29,30,31,32の制御信号のタイミングチャートである。なお、第3の実施例では第1の実施例にスイッチ26,28,29,30,31,32およびコンデンサ27,33,34を付加したものである。
【0023】
本実施例ではスイッチ26,28,29,30,31,32およびコンデンサ27,33,34を付加することでブリッジ電圧の検出と断線検出を時分割で実行できるようにした。つまり、タイミングP1ではスイッチ26,30が接続され、出力端子A,Bを増幅器6へ接続することでブリッジ回路の出力電圧を検出する。なお、この時スイッチ28,29は開放状態になり断線検出回路8cからは完全に切り離されるので断線検出回路8cがブリッジ回路の出力電圧へ影響を与えることはない。また、タイミングP2でスイッチ26,30が開放された時のためにコンデンサ27を設けておりタイミングP1での電圧を保持するようにした。
【0024】
次に、タイミングP2ではスイッチ28,29,31,32が接続され、出力端子A,Bを断線検出回路8cへ接続することでブリッジ回路の出力端子A,Bの断線を検出する。なお、この時、スイッチ26,30は開放状態にあり、増幅器6からは完全に切り離されているので増幅器6の入力抵抗が断線検出回路8へ影響を与えることはない。また、タイミングP1でスイッチ28,29,31,32が開放された時のためにコンデンサ33,34を設けてタイミングP2での電圧を保持するようにした。
【0025】
次に、本発明の第4の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図7により説明する。なお、図7は第4の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。
【0026】
まず、検出素子35はセンサ素子抵抗36,37で構成されるハーフブリッジ回路であり、センサ素子抵抗36,37が測定物理量に応じて変化することによってブリッジ回路の出力端子の電圧を変化させる。また、ハーフブリッジ回路の出力電圧は増幅器39によって増幅されセンサ出力として外部に出力される。また、ブリッジ回路の電源端子には電源電圧Vccが接続され、接地端子には基準電圧源38を介して所定の電圧が供給される。また、断線検出回路41はハーフブリッジ回路の出力端子に電流を流す定電流源42と、基準電圧を発生する基準電圧源43と、ハーフブリッジ回路の出力端子の電圧と基準電圧源43の値を比較して出力端子の断線を検出する比較器44とにより構成される。また、断線検出回路41が断線と検出した場合には切換え回路40によりセンサ出力をグランド電圧あるいは電源電圧に固定する。
【0027】
次に、本断線検出回路の動作について説明する。本断線検出回路ではハーフブリッジ回路の出力端子の断線を検出する。まず、出力端子が断線した場合には出力端子の電位は定電流源42によってグランド電位になる。出力端子の電位は比較器44によって基準電圧源43の電圧と比較されているので、出力端子が断線すると比較器44の出力に反映される。このことにより断線検出回路41は出力端子の断線を検出する。
【0028】
次に、本断線検出回路の特徴について説明する。センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子の場合、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧近傍から接地端子の電圧近傍まで変化する。
【0029】
ここで接地端子の電圧が0Vの場合、出力端子の断線を確実検出するには定電流源42の電流を大きくすると共に基準電圧源43の電圧をほとんど0Vに設定する必要がある。これは、検出素子35の正常時の出力が検出素子35の電源端子の電圧近傍から接地端子の電圧近傍まで変化するため、この外側の電圧に断線時の電圧が成るようにするとともに、比較器44の比較電圧である基準電圧源43の電圧も正常時の出力の外側の電圧にする必要があるから、このため、断線時に確実に正常時の出力の外側の電圧、つまり0V近傍にするためには定電流源42の電流を大きくする必要があり、かつ、比較器44の比較電圧もほとんど0V近傍にする必要がある。しかし、定電流源42の電流を大きくするとセンサ出力への影響が大きくなり、基準電圧源43の電圧をほとんど0Vにすると比較器44の閾値のマージンがほとんどなくなってしまい断線検出の精度が低下してしまう。
【0030】
そこで、本実施例では検出素子35の接地端子の電圧を基準電圧源38を用いて数ボルトの電圧を印加した。この場合、センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子であったとしても、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧から接地端子の電圧である基準電圧源38の電圧までしか変化しない。このため、定電流源42の電流は検出素子35の出力端子の断線時に基準電圧源38の電圧以下になれば十分であるので定電流源42の電流を小さくすることが可能である。また、断線検出の基準値である基準電圧源43の電圧も基準電圧源38の電圧に設定することができるので比較器44の閾値のマージンを大きくすることができ断線検出の精度を向上させることが可能である。
【0031】
次に、本発明の第5の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図8により説明する。なお、図8は第5の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。なお、第5の実施例のブリッジ回路の断線検出回路は第4の実施例のブリッジ回路の断線検出回路とは逆に検出素子35の電源端子の電圧を基準電圧源45を用いて数ボルト低下させたものである。
【0032】
まず、検出素子35はセンサ素子抵抗36,37で構成されるハーフブリッジ回路であり、センサ素子抵抗36,37が測定物理量に応じて変化することによってブリッジ回路の出力端子の電圧を変化させる。また、ブリッジ回路の出力電圧は増幅器39によって増幅されセンサ出力として外部に出力される。また、ブリッジ回路の電源端子には電源電圧Vccから基準電圧源45を介して接続され、電源電圧Vccから基準電圧源45の電圧だけ低下した電圧が供給される。また、接地端子にはグランド電位が供給される。断線検出回路46は出力端子に電流を流す定電流源47と、基準電圧を発生する基準電圧源48と、出力端子の電圧と基準電圧源48の値を比較して出力端子の断線を検出する比較器49とにより構成される。また、断線検出回路46が断線と検出した場合には切換え回路40によりセンサ出力をグランド電圧あるいは電源電圧に固定する。
【0033】
次に、本断線検出回路の動作について説明する。本断線検出回路は出力端子の断線を検出する。まず、出力端子が断線した場合には出力端子の電位は定電流源47によって電源電位になる。出力端子の電位は比較器49によって基準電圧源48の電圧と比較されているので、出力端子が断線すると比較器49の出力に反映される。このことにより断線検出回路46は出力端子の断線を検出する。
【0034】
次に、本断線検出回路の特徴について説明する。センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子の場合、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧から接地端子の電圧まで変化する。ここで電源端子の電圧が電源電圧Vccの場合、出力端子の断線を確実検出するには定電流源47の電流を大きくすると共に基準電圧源48の電圧をほとんど電源電圧Vccに設定する必要がある。しかし、定電流源47の電流を大きくするとセンサ出力への影響が大きくなり、基準電圧源48の電圧をほとんど電源電圧Vccにすると比較器49の閾値のマージンがほとんどなくなってしまい断線検出の精度が低下してしまう。
【0035】
そこで、本実施例では検出素子35の電源端子の電圧を基準電圧源45を用いて数ボルト電源電圧Vccから低下させた。この場合、センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子であったとしても、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧である電源電圧から数ボルト低下した電圧から接地電圧までしか変化しない。このため、定電流源47の電流は検出素子35の出力端子の断線時に基準電圧源45の電圧分だけの余裕を持って電源電圧に近づけば十分であるので定電流源47の電流を小さくすることが可能である。また、断線検出の基準値である基準電圧源48の電圧も基準電圧源45の電圧分だけ余裕を持って設定することができるので比較器49の閾値のマージンを大きくすることができるので断線検出の精度を向上させることが可能である。
【0036】
次に、本発明の第6の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図9により説明する。なお、図9は第6の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。
【0037】
まず、検出素子50はセンサ素子抵抗51,52,53,54で構成されるブリッジ回路であり、センサ素子抵抗51,52,53,54が測定物理量に応じて変化することによってブリッジ回路の出力端子A,Bの電圧を変化させる。また、ブリッジ回路の出力電圧(出力端子A,B間の電圧)はデルタシグマ変調器55(以下、ΔΣ変調器という。)によってAD変換され、センサ出力として外部に出力される。なお、ΔΣ変調器55は図6で示したタイミングP1で動作するスイッチ56,58,63,65と図6で示したタイミングP2で動作するスイッチ59,60,61,62とコンデンサ57,64,66,68と増幅器67とで構成されるSC積分器と、SC積分器の出力を比較する比較器69と、比較器69の出力に応じて電圧を出力する局部DA変換器70とから構成される。また、断線検出回路72は図6で示したタイミングP2で動作して出力端子Aと定電流源76とを接続するスイッチ74と、図6で示したタイミングP2で動作して出力端子Bと定電流源75とを接続するスイッチ73と、出力端子Aに電流を流す定電流源76と、出力端子Bに電流を流す定電流源75と、図6で示したタイミングP2で定電流源75,76の両端電圧をサンプリングするスイッチ77,78とコンデンサ79,80とで構成されるサンプル&ホールド回路と、基準電圧を発生する基準電圧源81と、コンデンサ79の両端電圧と基準電圧源81の値を比較して出力端子Aの断線を検出する比較器82と、コンデンサ80の両端電圧と基準電圧源81の値を比較して出力端子Bの断線を検出する比較器83と、比較器82と比較器83の論理和を求めるオア回路84とにより構成される。また、断線検出回路72が断線と検出した場合にΔΣ変調器55の出力をグランドに固定するアンド回路71がある。
【0038】
次に、本実施例の動作について説明する。ΔΣ変調器55はタイミングP2でコンデンサ57,64を放電し、タイミングP1ではブリッジ回路の出力電圧をサンプリングしてSC積分器によって充電する。断線検出回路72はΔΣ変調器55の動作に影響を与えない様にするためにΔΣ変調器55の非サンプリング期間であるタイミングP2で動作する。断線検出回路72はタイミングP2でスイッチ73,74,77,78をオン状態にしてブリッジ回路の出力端子A,Bに定電流を流す。この時に出力端子Aあるいは出力端子Bが断線していた場合にはそれに対応する定電流源75,76の両端電圧がほぼグランド電位まで低下する。この電圧をスイッチ77,78とコンデンサ79,80で構成されるサンプル&ホールド回路で保持し、この電圧を比較器82,83で比較することで出力端子A,Bの断線を検出する。
【0039】
次に、本実施例の特徴について説明する。本断線検出回路72は検出素子50のブリッジ回路の出力端子A,Bに対して対象な回路であるため、検出素子50のブリッジ回路の出力電圧への影響を最小にすることができる。
【0040】
また、ΔΣ変調器55の非サンプルリング期間に本断線検出回路72は動作するのでΔΣ変調器55に断線検出回路72の動作が影響することはない。また、逆に断線検出回路72にΔΣ変調器55の動作が影響することもない。
【0041】
また、ブリッジ回路の出力電圧の検出回路にΔΣ変調器55を使用した場合、出力信号を通常のセンサ出力として出力し得ない値に固定することがアンド回路のみで行えるので非常に容易である。
【0042】
次に、本発明の第7の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図10により説明する。なお、図10は第7の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。なお、本実施例は第6の実施例の定電流源75,76をスイッチ85,87およびコンデンサ86,88によって構成されるスイッチド・キャパシタ回路に置き換えたものである。
【0043】
本実施例では定電流源75,76をスイッチド・キャパシタ回路に置き換えることで、定電流源75,76を使用するよりも高速な検出を可能にした。これは、スイッチド・キャパシタ回路の方が定電流源よりもインピーダンスが小さいからである。このことによりΔΣ変調器55の動作クロックの高速化を可能にでき、ΔΣ変調器55の精度および応答性の改善を図ることが可能である。
【0044】
次に、本発明の第8の実施例である断線検出手段を有するシステムを図11により説明する。なお、図11は第8の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図である。
【0045】
本実施例では空気流量Qを検出するエアフローセンサ89と、吸気温度Taを検出する吸気温度センサ90と、吸気温度センサ90の断線を検出する断線検出器91と、エアフローセンサ89の出力信号である空気流量Qを吸気温度センサ90の出力信号である吸気温度Taによって補正する補正回路92と、断線検出器91が断線と検出した場合に補正回路92に渡す吸気温度Taの信号を25℃に固定する切換え回路93により構成される。
【0046】
本実施は吸気温度センサ90が断線し極端に誤差の大きな信号を出した場合に補正回路92で過剰な補正処理が行われ、センサ出力(空気流量信号)に極端に誤差の大きな信号を出力しないようにしたシステムである。本実施例では吸気温度センサ90が断線した場合には補正回路92に与える吸気温度Taの信号を25℃に切換え回路93で固定することで極端な補正を防いだ。こうすることで吸気温度センサ90が断線してもセンサ出力の誤差を抑えることが可能である。特に、自動車の吸入空気量を計測するエアフローセンサではエアフローセンサの誤差が大きいとエンジンが始動しなくなると言う致命的な現象が生じる。特に、エアフローセンサ89が故障していないにも関わらず、吸気温度センサ90の故障でセンサ出力が極端に異常になることは避ける必要があり、本システムではこれを避けることが可能である。
【0047】
次に、本発明の第9の実施例である断線検出手段を有するシステムを図12により説明する。なお、図12は第9実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図である。なお、本実施例は第8の実施例である断線検出手段を有するシステムの切換え回路93を切換え回路94に変更した断線検出手段を有するシステムである。
【0048】
本実施例では切換え回路93を切換え回路94に変更し、吸気温度センサが断線した場合には補正回路92を迂回させることで極端な補正を防いだ。こうすることで吸気温度センサ90が断線してもセンサ出力の誤差を抑えることが可能である。
【0049】
次に、本発明の第10の実施例である断線検出手段を有するシステムを図13により説明する。なお、図13は第10の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図である。なお、本実施例は第8の実施例である断線検出手段を有するシステムに回路温度センサ95を付加して切換え回路93の断線時の切換え先を変更した断線検出手段を有するシステムである。
【0050】
本実施例では回路温度センサ95を付加して切換え回路93の断線時の切換え先を変更し、吸気温度センサが断線した場合には補正回路92の切換え先を回路温度センサ95にすることで極端な補正を防いだ。これは定常状態では吸気温度Taと回路温度Tlsiとの間に大きな差が無いことを利用している。こうすることで吸気温度センサ90が断線してもセンサ出力の誤差を抑えることが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1,35,50 検出素子
2,3,4,5,15,16,17,18,36,37,51,52,53,54 センサ素子抵抗
6,21,39,67 増幅器
7,40,93,94 切換え回路
8,8a,8b,8c,41,46 断線検出回路
9,10,19,20 抵抗
11,38,43,45,48,81 基準電圧源
12,13,44,49,69,82,83 比較器
14,84 オア回路
22,42,47,75,76 定電流源
23,24,25 トランジスタ
26,28,29,30,31,32,56,58,59,60,61,62,63,65,73,74,77,78,85,87 スイッチ
27,33,34,57,64,66,68,79,80,86,88 コンデンサ
55 ΔΣ変調器
70 局部DA変換器
71 アンド回路
72 断線検出回路
89 エアフローセンサ
90 吸気温度センサ
91 断線検出器
92 補正回路
【技術分野】
【0001】
本発明はブリッジ回路の断線検出回路に係り、特にブリッジ回路の出力電圧に与える影響が小さいブリッジ回路の断線検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ブリッジ回路の断線検出回路の従来例には特開平6−249730号公報に記載されたセンサ用ブリッジ回路などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−249730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平6−249730号公報に記載されている従来技術は図2に示す様にセンサ素子抵抗15,16,17,18で構成されるブリッジ回路の出力に抵抗19と抵抗20をそれぞれ電源とグランドに接続し、ブリッジ回路の出力が断線した場合はブリッジ回路の出力電圧を大きく変化させ、ブリッジ回路の出力電圧を増幅器21で増幅して得られるセンサ出力を大きく変化させることでブリッジ回路が断線したことを検出する。
【0005】
しかしながら、上記断線検出回路では、センサブリッジに対して非対称に抵抗19,20が並列に接続されるのでセンサのオフセット電圧や温度特性が悪化することに対して配慮が欠けていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的はセンサの特性の変化を微小に抑えるブリッジ回路の断線検出回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためには、ブリッジ回路の出力端子から所定の電位に対して電流を流し、ブリッジ回路の出力端子の電位と前記所定の電位との電位差を検出し、この電位差に基づいて断線を検出することにより達成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、断線検出回路がセンサブリッジ回路の出力電圧に与える影響を低減できるので、センサブリッジ出力のオフセット電圧や温度特性が改善でき、且つ、高精度にセンサブリッジの断線を検出できるので高精度且つ高信頼性を持つセンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図2】従来技術のブリッジ回路の断線検出回路。
【図3】第2の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図4】トランジスタ24,25のドレイン電流特性。
【図5】第3の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図6】スイッチ26,28,29,30,31,32の制御信号のタイミングチャート。
【図7】第4の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図8】第5の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図9】第6の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図10】第7の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図。
【図11】第8の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図。
【図12】第9の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図。
【図13】第10の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図13を用いて説明する。
【0011】
まず、本発明の第1の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図1により説明する。なお、図1は第1の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。
【0012】
検出素子1はセンサ素子抵抗2と4からなる直列回路と、センサ素子抵抗3と5からなる直列抵抗とを並列に接続したブリッジ回路から構成されており、センサ素子抵抗2,3,4,5の抵抗値が測定物理量に応じて変化することによって、センサ素子抵抗2と4との中間電圧と、センサ素子抵抗3と5の中間電圧とが変化する構成となっている。なお、センサ素子抵抗3と5との中間電圧は出力端子Aに入力され、出力端子Aから検出素子1の外部に取り出される。また、センサ素子抵抗2と4との中間電圧は出力端子Bに入力され、出力端子Bから検出素子1の外部に取り出される。出力端子Aおよび出力端子Bから取り出されたブリッジ回路の出力電圧(出力端子A,B間の電圧)は増幅器6によって出力電圧が増幅され、切換え回路7を介してセンサ出力として外部に出力される。センサ素子抵抗は例えば、白金(Pt),タンタル(Ta),モリブデン(Mo),シリコン(Si)等が選定される。
【0013】
断線検出回路8aは出力端子Aに電流を流す抵抗10と出力端子Bに電流を流す抵抗9と、基準電圧を発生する基準電圧源11と、出力端子Aの電圧と基準電圧源11の電圧を比較して出力端子Aの断線を検出する比較器12と、出力端子Bの電圧と基準電圧源11の電圧を比較して出力端子Bの断線を検出する比較器13と、比較器12と比較器13の論理和を求めるオア回路14とにより構成される。そして、断線検出回路8aが断線と検出した場合には切換え回路7によりセンサ出力をグランド電圧あるいは電源電圧に固定する。
【0014】
次に、断線検出回路8aの動作について説明する。断線検出回路8aでは出力端子Aおよび出力端子Bの断線を検出する。
【0015】
まず、出力端子Aが断線した場合には出力端子Aの電位は抵抗10によってグランド電位になる。出力端子Aの電位は比較器12によって基準電圧源11の電圧と比較されており、出力端子Aが断線すると比較器12の出力に反映される。
【0016】
また、出力端子Bが断線した場合には出力端子Bの電位は抵抗9によってグランド電位になる。出力端子Bの電位は比較器13によって基準電圧源11の電圧と比較されており、出力端子Bが断線すると比較器13の出力に反映される。
【0017】
従って、出力端子Aあるいは出力端子Bが断線すると比較器12および13の出力の論理和をとるオア回路14の出力に反映される。このような構成により断線検出回路8で出力端子Aおよび出力端子Bの断線を検出することが可能となる。
【0018】
次に、本実施例の断線検出回路8aの特徴について説明する。断線検出回路8aは検出素子1のブリッジ回路の出力端子A,Bに対して対象な回路であるため、検出素子1のブリッジ回路の出力電圧への影響を最小にすることができる。つまり、出力端子Aに接続される回路は抵抗10と比較器12であり、出力端子Bに接続される回路は抵抗9と比較器13と同一の回路が接続されているため、出力端子Aと出力端子Bに断線検出回路8aが与える影響は同一になる。このことにより、検出素子1のブリッジ回路の出力電圧(出力端子Aと出力端子Bの差電圧)への影響を低減することが可能である。
【0019】
次に、本発明の第2の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図3,図4により説明する。なお、図3は第2の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図、図4はトランジスタ24,25のドレイン電流特性である。なお、第2の実施例のブリッジ回路の断線検出回路は第1の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の抵抗9,10をトランジスタ23,24,25で構成されるカレントミラー回路に変更したものである。
【0020】
本実施例のブリッジ回路の断線検出回路8bでは抵抗9,10をトランジスタ23,24,25で構成されるカレントミラー回路に変更し、トランジスタ23には定電流源22を接続することでトランジスタ24,25のドレイン電流の特性を図4に示すようにした。このことにより、出力端子A,Bが断線していない時には出力端子A,Bから見たトランジスタ24,25のインピーダンスを高くすることができるのでブリッジ回路の出力電圧への影響を更に低減することが可能である。
【0021】
また、出力端子Aあるいは出力端子Bの断線検出時には出力端子A,Bから見たトランジスタ24,25のインピーダンスを小さくできるので断線時の出力端子A,Bの電圧を低くでき比較器12,13の閾値のマージンを増やすことができるので断線検出の精度を向上させることが可能になる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図5,図6により説明する。なお、図5は第3の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図、図6はスイッチ26,28,29,30,31,32の制御信号のタイミングチャートである。なお、第3の実施例では第1の実施例にスイッチ26,28,29,30,31,32およびコンデンサ27,33,34を付加したものである。
【0023】
本実施例ではスイッチ26,28,29,30,31,32およびコンデンサ27,33,34を付加することでブリッジ電圧の検出と断線検出を時分割で実行できるようにした。つまり、タイミングP1ではスイッチ26,30が接続され、出力端子A,Bを増幅器6へ接続することでブリッジ回路の出力電圧を検出する。なお、この時スイッチ28,29は開放状態になり断線検出回路8cからは完全に切り離されるので断線検出回路8cがブリッジ回路の出力電圧へ影響を与えることはない。また、タイミングP2でスイッチ26,30が開放された時のためにコンデンサ27を設けておりタイミングP1での電圧を保持するようにした。
【0024】
次に、タイミングP2ではスイッチ28,29,31,32が接続され、出力端子A,Bを断線検出回路8cへ接続することでブリッジ回路の出力端子A,Bの断線を検出する。なお、この時、スイッチ26,30は開放状態にあり、増幅器6からは完全に切り離されているので増幅器6の入力抵抗が断線検出回路8へ影響を与えることはない。また、タイミングP1でスイッチ28,29,31,32が開放された時のためにコンデンサ33,34を設けてタイミングP2での電圧を保持するようにした。
【0025】
次に、本発明の第4の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図7により説明する。なお、図7は第4の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。
【0026】
まず、検出素子35はセンサ素子抵抗36,37で構成されるハーフブリッジ回路であり、センサ素子抵抗36,37が測定物理量に応じて変化することによってブリッジ回路の出力端子の電圧を変化させる。また、ハーフブリッジ回路の出力電圧は増幅器39によって増幅されセンサ出力として外部に出力される。また、ブリッジ回路の電源端子には電源電圧Vccが接続され、接地端子には基準電圧源38を介して所定の電圧が供給される。また、断線検出回路41はハーフブリッジ回路の出力端子に電流を流す定電流源42と、基準電圧を発生する基準電圧源43と、ハーフブリッジ回路の出力端子の電圧と基準電圧源43の値を比較して出力端子の断線を検出する比較器44とにより構成される。また、断線検出回路41が断線と検出した場合には切換え回路40によりセンサ出力をグランド電圧あるいは電源電圧に固定する。
【0027】
次に、本断線検出回路の動作について説明する。本断線検出回路ではハーフブリッジ回路の出力端子の断線を検出する。まず、出力端子が断線した場合には出力端子の電位は定電流源42によってグランド電位になる。出力端子の電位は比較器44によって基準電圧源43の電圧と比較されているので、出力端子が断線すると比較器44の出力に反映される。このことにより断線検出回路41は出力端子の断線を検出する。
【0028】
次に、本断線検出回路の特徴について説明する。センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子の場合、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧近傍から接地端子の電圧近傍まで変化する。
【0029】
ここで接地端子の電圧が0Vの場合、出力端子の断線を確実検出するには定電流源42の電流を大きくすると共に基準電圧源43の電圧をほとんど0Vに設定する必要がある。これは、検出素子35の正常時の出力が検出素子35の電源端子の電圧近傍から接地端子の電圧近傍まで変化するため、この外側の電圧に断線時の電圧が成るようにするとともに、比較器44の比較電圧である基準電圧源43の電圧も正常時の出力の外側の電圧にする必要があるから、このため、断線時に確実に正常時の出力の外側の電圧、つまり0V近傍にするためには定電流源42の電流を大きくする必要があり、かつ、比較器44の比較電圧もほとんど0V近傍にする必要がある。しかし、定電流源42の電流を大きくするとセンサ出力への影響が大きくなり、基準電圧源43の電圧をほとんど0Vにすると比較器44の閾値のマージンがほとんどなくなってしまい断線検出の精度が低下してしまう。
【0030】
そこで、本実施例では検出素子35の接地端子の電圧を基準電圧源38を用いて数ボルトの電圧を印加した。この場合、センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子であったとしても、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧から接地端子の電圧である基準電圧源38の電圧までしか変化しない。このため、定電流源42の電流は検出素子35の出力端子の断線時に基準電圧源38の電圧以下になれば十分であるので定電流源42の電流を小さくすることが可能である。また、断線検出の基準値である基準電圧源43の電圧も基準電圧源38の電圧に設定することができるので比較器44の閾値のマージンを大きくすることができ断線検出の精度を向上させることが可能である。
【0031】
次に、本発明の第5の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図8により説明する。なお、図8は第5の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。なお、第5の実施例のブリッジ回路の断線検出回路は第4の実施例のブリッジ回路の断線検出回路とは逆に検出素子35の電源端子の電圧を基準電圧源45を用いて数ボルト低下させたものである。
【0032】
まず、検出素子35はセンサ素子抵抗36,37で構成されるハーフブリッジ回路であり、センサ素子抵抗36,37が測定物理量に応じて変化することによってブリッジ回路の出力端子の電圧を変化させる。また、ブリッジ回路の出力電圧は増幅器39によって増幅されセンサ出力として外部に出力される。また、ブリッジ回路の電源端子には電源電圧Vccから基準電圧源45を介して接続され、電源電圧Vccから基準電圧源45の電圧だけ低下した電圧が供給される。また、接地端子にはグランド電位が供給される。断線検出回路46は出力端子に電流を流す定電流源47と、基準電圧を発生する基準電圧源48と、出力端子の電圧と基準電圧源48の値を比較して出力端子の断線を検出する比較器49とにより構成される。また、断線検出回路46が断線と検出した場合には切換え回路40によりセンサ出力をグランド電圧あるいは電源電圧に固定する。
【0033】
次に、本断線検出回路の動作について説明する。本断線検出回路は出力端子の断線を検出する。まず、出力端子が断線した場合には出力端子の電位は定電流源47によって電源電位になる。出力端子の電位は比較器49によって基準電圧源48の電圧と比較されているので、出力端子が断線すると比較器49の出力に反映される。このことにより断線検出回路46は出力端子の断線を検出する。
【0034】
次に、本断線検出回路の特徴について説明する。センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子の場合、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧から接地端子の電圧まで変化する。ここで電源端子の電圧が電源電圧Vccの場合、出力端子の断線を確実検出するには定電流源47の電流を大きくすると共に基準電圧源48の電圧をほとんど電源電圧Vccに設定する必要がある。しかし、定電流源47の電流を大きくするとセンサ出力への影響が大きくなり、基準電圧源48の電圧をほとんど電源電圧Vccにすると比較器49の閾値のマージンがほとんどなくなってしまい断線検出の精度が低下してしまう。
【0035】
そこで、本実施例では検出素子35の電源端子の電圧を基準電圧源45を用いて数ボルト電源電圧Vccから低下させた。この場合、センサ素子抵抗36がサーミスタの様に温度に応じて数桁抵抗値が変化する様な素子であったとしても、出力端子の電圧は検出素子35の電源端子の電圧である電源電圧から数ボルト低下した電圧から接地電圧までしか変化しない。このため、定電流源47の電流は検出素子35の出力端子の断線時に基準電圧源45の電圧分だけの余裕を持って電源電圧に近づけば十分であるので定電流源47の電流を小さくすることが可能である。また、断線検出の基準値である基準電圧源48の電圧も基準電圧源45の電圧分だけ余裕を持って設定することができるので比較器49の閾値のマージンを大きくすることができるので断線検出の精度を向上させることが可能である。
【0036】
次に、本発明の第6の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図9により説明する。なお、図9は第6の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。
【0037】
まず、検出素子50はセンサ素子抵抗51,52,53,54で構成されるブリッジ回路であり、センサ素子抵抗51,52,53,54が測定物理量に応じて変化することによってブリッジ回路の出力端子A,Bの電圧を変化させる。また、ブリッジ回路の出力電圧(出力端子A,B間の電圧)はデルタシグマ変調器55(以下、ΔΣ変調器という。)によってAD変換され、センサ出力として外部に出力される。なお、ΔΣ変調器55は図6で示したタイミングP1で動作するスイッチ56,58,63,65と図6で示したタイミングP2で動作するスイッチ59,60,61,62とコンデンサ57,64,66,68と増幅器67とで構成されるSC積分器と、SC積分器の出力を比較する比較器69と、比較器69の出力に応じて電圧を出力する局部DA変換器70とから構成される。また、断線検出回路72は図6で示したタイミングP2で動作して出力端子Aと定電流源76とを接続するスイッチ74と、図6で示したタイミングP2で動作して出力端子Bと定電流源75とを接続するスイッチ73と、出力端子Aに電流を流す定電流源76と、出力端子Bに電流を流す定電流源75と、図6で示したタイミングP2で定電流源75,76の両端電圧をサンプリングするスイッチ77,78とコンデンサ79,80とで構成されるサンプル&ホールド回路と、基準電圧を発生する基準電圧源81と、コンデンサ79の両端電圧と基準電圧源81の値を比較して出力端子Aの断線を検出する比較器82と、コンデンサ80の両端電圧と基準電圧源81の値を比較して出力端子Bの断線を検出する比較器83と、比較器82と比較器83の論理和を求めるオア回路84とにより構成される。また、断線検出回路72が断線と検出した場合にΔΣ変調器55の出力をグランドに固定するアンド回路71がある。
【0038】
次に、本実施例の動作について説明する。ΔΣ変調器55はタイミングP2でコンデンサ57,64を放電し、タイミングP1ではブリッジ回路の出力電圧をサンプリングしてSC積分器によって充電する。断線検出回路72はΔΣ変調器55の動作に影響を与えない様にするためにΔΣ変調器55の非サンプリング期間であるタイミングP2で動作する。断線検出回路72はタイミングP2でスイッチ73,74,77,78をオン状態にしてブリッジ回路の出力端子A,Bに定電流を流す。この時に出力端子Aあるいは出力端子Bが断線していた場合にはそれに対応する定電流源75,76の両端電圧がほぼグランド電位まで低下する。この電圧をスイッチ77,78とコンデンサ79,80で構成されるサンプル&ホールド回路で保持し、この電圧を比較器82,83で比較することで出力端子A,Bの断線を検出する。
【0039】
次に、本実施例の特徴について説明する。本断線検出回路72は検出素子50のブリッジ回路の出力端子A,Bに対して対象な回路であるため、検出素子50のブリッジ回路の出力電圧への影響を最小にすることができる。
【0040】
また、ΔΣ変調器55の非サンプルリング期間に本断線検出回路72は動作するのでΔΣ変調器55に断線検出回路72の動作が影響することはない。また、逆に断線検出回路72にΔΣ変調器55の動作が影響することもない。
【0041】
また、ブリッジ回路の出力電圧の検出回路にΔΣ変調器55を使用した場合、出力信号を通常のセンサ出力として出力し得ない値に固定することがアンド回路のみで行えるので非常に容易である。
【0042】
次に、本発明の第7の実施例であるブリッジ回路の断線検出回路を図10により説明する。なお、図10は第7の実施例のブリッジ回路の断線検出回路の回路図である。なお、本実施例は第6の実施例の定電流源75,76をスイッチ85,87およびコンデンサ86,88によって構成されるスイッチド・キャパシタ回路に置き換えたものである。
【0043】
本実施例では定電流源75,76をスイッチド・キャパシタ回路に置き換えることで、定電流源75,76を使用するよりも高速な検出を可能にした。これは、スイッチド・キャパシタ回路の方が定電流源よりもインピーダンスが小さいからである。このことによりΔΣ変調器55の動作クロックの高速化を可能にでき、ΔΣ変調器55の精度および応答性の改善を図ることが可能である。
【0044】
次に、本発明の第8の実施例である断線検出手段を有するシステムを図11により説明する。なお、図11は第8の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図である。
【0045】
本実施例では空気流量Qを検出するエアフローセンサ89と、吸気温度Taを検出する吸気温度センサ90と、吸気温度センサ90の断線を検出する断線検出器91と、エアフローセンサ89の出力信号である空気流量Qを吸気温度センサ90の出力信号である吸気温度Taによって補正する補正回路92と、断線検出器91が断線と検出した場合に補正回路92に渡す吸気温度Taの信号を25℃に固定する切換え回路93により構成される。
【0046】
本実施は吸気温度センサ90が断線し極端に誤差の大きな信号を出した場合に補正回路92で過剰な補正処理が行われ、センサ出力(空気流量信号)に極端に誤差の大きな信号を出力しないようにしたシステムである。本実施例では吸気温度センサ90が断線した場合には補正回路92に与える吸気温度Taの信号を25℃に切換え回路93で固定することで極端な補正を防いだ。こうすることで吸気温度センサ90が断線してもセンサ出力の誤差を抑えることが可能である。特に、自動車の吸入空気量を計測するエアフローセンサではエアフローセンサの誤差が大きいとエンジンが始動しなくなると言う致命的な現象が生じる。特に、エアフローセンサ89が故障していないにも関わらず、吸気温度センサ90の故障でセンサ出力が極端に異常になることは避ける必要があり、本システムではこれを避けることが可能である。
【0047】
次に、本発明の第9の実施例である断線検出手段を有するシステムを図12により説明する。なお、図12は第9実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図である。なお、本実施例は第8の実施例である断線検出手段を有するシステムの切換え回路93を切換え回路94に変更した断線検出手段を有するシステムである。
【0048】
本実施例では切換え回路93を切換え回路94に変更し、吸気温度センサが断線した場合には補正回路92を迂回させることで極端な補正を防いだ。こうすることで吸気温度センサ90が断線してもセンサ出力の誤差を抑えることが可能である。
【0049】
次に、本発明の第10の実施例である断線検出手段を有するシステムを図13により説明する。なお、図13は第10の実施例の断線検出手段を有するシステムの構成図である。なお、本実施例は第8の実施例である断線検出手段を有するシステムに回路温度センサ95を付加して切換え回路93の断線時の切換え先を変更した断線検出手段を有するシステムである。
【0050】
本実施例では回路温度センサ95を付加して切換え回路93の断線時の切換え先を変更し、吸気温度センサが断線した場合には補正回路92の切換え先を回路温度センサ95にすることで極端な補正を防いだ。これは定常状態では吸気温度Taと回路温度Tlsiとの間に大きな差が無いことを利用している。こうすることで吸気温度センサ90が断線してもセンサ出力の誤差を抑えることが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1,35,50 検出素子
2,3,4,5,15,16,17,18,36,37,51,52,53,54 センサ素子抵抗
6,21,39,67 増幅器
7,40,93,94 切換え回路
8,8a,8b,8c,41,46 断線検出回路
9,10,19,20 抵抗
11,38,43,45,48,81 基準電圧源
12,13,44,49,69,82,83 比較器
14,84 オア回路
22,42,47,75,76 定電流源
23,24,25 トランジスタ
26,28,29,30,31,32,56,58,59,60,61,62,63,65,73,74,77,78,85,87 スイッチ
27,33,34,57,64,66,68,79,80,86,88 コンデンサ
55 ΔΣ変調器
70 局部DA変換器
71 アンド回路
72 断線検出回路
89 エアフローセンサ
90 吸気温度センサ
91 断線検出器
92 補正回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量に応じて抵抗値が変化するセンサ素子抵抗と、前記センサ素子抵抗を含む複数の抵抗から構成されるブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の中間電圧を外部に取り出す出力端子と、前記出力端子から取り出された前記中間電圧を検出するブリッジ出力検出回路とを有し、前記出力端子に接続されるブリッジ回路の断線検出回路において、
前記断線検出回路は、
前記ブリッジ回路の出力端子から所定の電位に対して電流を流す通電手段と、
前記ブリッジ回路の出力端子の電位と前記所定の電位との電位差を検出する電位差検出手段と、
前記電位差検出手段の出力に基づいて断線を検出する断線検出手段と、を有することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項2】
請求項1に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記断線検出手段が断線と検出した時に前記ブリッジ出力検出回路の出力を電源電圧あるいはグランド電圧に固定する切換え手段を有することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、前記出力端子に接続されることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項4】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記出力端子と前記通電手段、および、前記出力端子と前記ブリッジ出力検出回路との間にそれぞれ切換えスイッチを設けたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項5】
請求項4に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記切換えスイッチは、前記ブリッジ出力検出回路と前記通電手段とが交互に切換わるタイミングでスイッチ動作することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項6】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ回路の電源端子の電圧が前記通電手段の所定の電位に対して低電位であることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項7】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ回路の接地端子の電圧が前記通電手段の所定の電位に対して高電位であることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項8】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、抵抗で構成されたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項9】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、カレントミラー回路で構成されたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項10】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、スイッチド・キャパシタ回路で構成されたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項11】
請求項1に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ出力検出回路は、デルタシグマ変調器であることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項12】
請求項11に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記断線検出手段が断線と検出した時に前記デルタシグマ変調器の出力をハイレベルあるいはローレベルに固定する手段を有することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項13】
請求項11に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ回路の出力端子を前記デルタシグマ変調器の非サンプリング期間に前記通電手段に切換えることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項14】
第1の物理量に応じて信号を出力する第1のセンサと、第2の物理量に応じて信号を出力する第2のセンサと、第2のセンサの出力に応じて第1のセンサ特性を補正する補正手段と、第2のセンサの断線を検出する断線検出手段とを有する物理量検出システムにおいて、
前記断線検出手段が断線を検出した時に前記補正手段の動作を変更する変更手段を有することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項15】
請求項14に記載の物理量検出システムにおいて、
前記断線検出手段は請求項1〜12に記載の断線検出回路であることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項16】
請求項15に記載の物理量検出システムにおいて、
前記変更手段は、前記断線検出手段が断線を検出した時に前記第2のセンサの出力信号を所定の値に固定して前記補正手段に入力することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項17】
請求項15に記載の物理量検出システムにおいて、
前記変更手段は、前記断線検出手段が断線を検出した時に前記第2のセンサの出力信号を第3のセンサの信号に切換えて前記補正手段に入力することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項18】
請求項15に記載の物理量検出システムにおいて、
前記変更手段は、前記断線検出手段が断線を検出した時に前記補正手段の動作を停止することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項19】
請求項14に記載の物理量検出システムにおいて、
前記第1のセンサが空気流量を検出するセンサであることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項20】
請求項14に記載の物理量検出システムにおいて、
前記第2のセンサが空気温度を検出するセンサであることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項21】
請求項17に記載の物理量検出システムにおいて、
前記第3のセンサが回路温度を検出するセンサであることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項1】
物理量に応じて抵抗値が変化するセンサ素子抵抗と、前記センサ素子抵抗を含む複数の抵抗から構成されるブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の中間電圧を外部に取り出す出力端子と、前記出力端子から取り出された前記中間電圧を検出するブリッジ出力検出回路とを有し、前記出力端子に接続されるブリッジ回路の断線検出回路において、
前記断線検出回路は、
前記ブリッジ回路の出力端子から所定の電位に対して電流を流す通電手段と、
前記ブリッジ回路の出力端子の電位と前記所定の電位との電位差を検出する電位差検出手段と、
前記電位差検出手段の出力に基づいて断線を検出する断線検出手段と、を有することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項2】
請求項1に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記断線検出手段が断線と検出した時に前記ブリッジ出力検出回路の出力を電源電圧あるいはグランド電圧に固定する切換え手段を有することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、前記出力端子に接続されることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項4】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記出力端子と前記通電手段、および、前記出力端子と前記ブリッジ出力検出回路との間にそれぞれ切換えスイッチを設けたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項5】
請求項4に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記切換えスイッチは、前記ブリッジ出力検出回路と前記通電手段とが交互に切換わるタイミングでスイッチ動作することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項6】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ回路の電源端子の電圧が前記通電手段の所定の電位に対して低電位であることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項7】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ回路の接地端子の電圧が前記通電手段の所定の電位に対して高電位であることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項8】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、抵抗で構成されたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項9】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、カレントミラー回路で構成されたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項10】
請求項3に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記通電手段は、スイッチド・キャパシタ回路で構成されたことを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項11】
請求項1に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ出力検出回路は、デルタシグマ変調器であることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項12】
請求項11に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記断線検出手段が断線と検出した時に前記デルタシグマ変調器の出力をハイレベルあるいはローレベルに固定する手段を有することを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項13】
請求項11に記載のブリッジ回路の断線検出回路において、
前記ブリッジ回路の出力端子を前記デルタシグマ変調器の非サンプリング期間に前記通電手段に切換えることを特徴とするブリッジ回路の断線検出回路。
【請求項14】
第1の物理量に応じて信号を出力する第1のセンサと、第2の物理量に応じて信号を出力する第2のセンサと、第2のセンサの出力に応じて第1のセンサ特性を補正する補正手段と、第2のセンサの断線を検出する断線検出手段とを有する物理量検出システムにおいて、
前記断線検出手段が断線を検出した時に前記補正手段の動作を変更する変更手段を有することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項15】
請求項14に記載の物理量検出システムにおいて、
前記断線検出手段は請求項1〜12に記載の断線検出回路であることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項16】
請求項15に記載の物理量検出システムにおいて、
前記変更手段は、前記断線検出手段が断線を検出した時に前記第2のセンサの出力信号を所定の値に固定して前記補正手段に入力することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項17】
請求項15に記載の物理量検出システムにおいて、
前記変更手段は、前記断線検出手段が断線を検出した時に前記第2のセンサの出力信号を第3のセンサの信号に切換えて前記補正手段に入力することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項18】
請求項15に記載の物理量検出システムにおいて、
前記変更手段は、前記断線検出手段が断線を検出した時に前記補正手段の動作を停止することを特徴とする物理量検出システム。
【請求項19】
請求項14に記載の物理量検出システムにおいて、
前記第1のセンサが空気流量を検出するセンサであることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項20】
請求項14に記載の物理量検出システムにおいて、
前記第2のセンサが空気温度を検出するセンサであることを特徴とする物理量検出システム。
【請求項21】
請求項17に記載の物理量検出システムにおいて、
前記第3のセンサが回路温度を検出するセンサであることを特徴とする物理量検出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−8014(P2012−8014A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144413(P2010−144413)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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