説明

ブレーキ装置

【課題】 ブレーキ液圧発生手段のピストンの初期位置を容易に調整可能にしながらピストンのロスストロークを最小限に抑える。
【解決手段】 スレーブシリンダ23のアクチュエータ51がシリンダ本体23に軸方向に進退自在に嵌合するピストン38A,38Bを初期位置から軸方向に前進駆動すると、カップシール65A,65Bがリリーフポート40A,40Bを通過した瞬間にブレーキ液圧が発生する。スレーブシリンダ23がピストン38A,38Bの軸方向の初期位置を調整するねじ部材63を備えているので、ピストン38A,38Bが作動する度にアクチュエータ51を電気的に制御して初期位置の調整を行うことなく、ピストン38A,38Bが前進を開始してからブレーキ液圧が発生するまでのピストン38A,38Bのロスストロークを最小限に抑えて制動力発生の応答性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダに軸方向に進退自在に嵌合するピストンを初期位置からアクチュエータで軸方向に前進駆動してブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、前記ブレーキ液圧で作動して車輪を制動する制動力を発生するホイールシリンダとを備えたブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の制動操作を電気信号に変換して電気的液圧発生手段(スレーブシリンダ)を作動させ、このスレーブシリンダが発生するブレーキ液圧でホイールシリンダを作動させる、いわゆるBBW(ブレーキ・バイ・ワイヤ)式ブレーキ装置が、下記特許文献1により公知である。
【特許文献1】特許第3205570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、かかるBBW式ブレーキ装置の電気的液圧発生手段(スレーブシリンダ)は、シリンダに摺動自在に嵌合するピストンを電動モータで進退駆動してブレーキ液圧を発生させるものであるが、電動モータでピストンが前進を開始してからシリンダ内にブレーキ液圧が発生するまでにピストンのロスストロークがあり、そのために制動力発生の応答性が低下する問題がある。
【0004】
前記ロスストロークは、例えば以下のような理由で発生する。サイドポート式のスレーブシリンダでは、ピストンに設けたカップシールがリザーバを連なるリリーフポートを通過した瞬間にシリンダ内にブレーキ液圧が発生するが、ピストンが制動開始前に停止している初期位置から前進を開始したカップシールがリリーフポートを通過するまではブレーキ液圧が発生せず、その間のピストンの前進距離が前記ロスストロークとなる。
【0005】
またピストンの中央を前後に貫通する貫通孔にバルブを配置したセンターポート式のスレーブシリンダでは、ピストンが初期位置から前進を開始して前記バルブが閉じた瞬間にシリンダ内にブレーキ液圧が発生するが、ピストンが前進を開始してからバルブが閉じるまではブレーキ液圧が発生せず、その間のピストンの前進距離が前記ロスストロークとなる。
【0006】
このようなロスストロークを最小限に抑えて制動力発生の応答性を高めるにはピストンの初期位置を精密に制御し,ピストンが前進を開始すると直ちカップシールがリリーフポートを通過し、あるいはピストンが初期位置から前進を開始すると直ちバルブが閉じるようにする必要がある。そのために従来は、制動終了後に後退限まで一旦後退したピストンを電動モータで前進させ、適切な初期位置で停止させるという面倒な制御を行う必要があった。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ブレーキ液圧発生手段のピストンの初期位置を容易に調整可能にしながらピストンのロスストロークを最小限に抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、シリンダに軸方向に進退自在に嵌合するピストンを初期位置からアクチュエータで軸方向に前進駆動してブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段と、前記ブレーキ液圧で作動して車輪を制動する制動力を発生するホイールシリンダとを備えたブレーキ装置において、前記ブレーキ液圧発生手段は、前記ピストンの初期位置を調整する調整部材を備えたことを特徴とするブレーキ装置が提案される。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記アクチュエータは前記ピストンを押圧して前進駆動する出力軸を備え、前記調整部材はアクチュエータハウジングに軸方向に進退自在に設けられて前記出力軸の後端に当接するねじ部材であることを特徴とするブレーキ装置が提案される。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記アクチュエータは前記ピストンを押圧して前進駆動する出力軸を備え、前記調整部材は前記出力軸の前端に軸方向に進退自在に設けられて前記ピストンの後端に当接するねじ部材であることするブレーキ装置が提案される。
【0011】
尚、実施の形態のシリンダ本体36は本発明のシリンダに対応し、実施の形態のスレーブシリンダ23は本発明のブレーキ液圧発生手段に対応し、実施の形態のねじ部材63,64は本発明の調整部材に対応する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の構成によれば、ブレーキ液圧発生手段のアクチュエータがシリンダに進退自在に嵌合するピストンを初期位置から軸方向に前進駆動すると、シリンダ内に発生したブレーキ液圧でホイールシリンダが作動して車輪を制動する。ブレーキ液圧発生手段がピストンの軸方向の初期位置を調整する調整部材を備えているので、ピストンが作動する度にアクチュエータを制御して初期位置の調整を行うことなく、ピストンが前進を開始してからブレーキ液圧が発生するまでのロスストロークを最小限に抑えて制動力発生の応答性を高めることができる。
【0013】
また請求項2の構成によれば、ピストンの軸方向の初期位置を調整する調整部材を、アクチュエータハウジングに軸方向に進退自在に設けられて出力軸の後端に当接するねじ部材で構成したので、ねじ部材を回転させることで出力軸の後退端を規制してピストンの軸方向の初期位置を調整することができる。
【0014】
また請求項3の構成によれば、ピストンの軸方向の初期位置を調整する調整部材を、出力軸の前端に軸方向に進退自在に設けられてピストンの後端に当接するねじ部材で構成したので、ねじ部材を回転させることでピストンの軸方向の初期位置を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図3は本発明の第1の実施の形態を示すもので、図1は車両用ブレーキ装置の正常時の液圧回路図、図2は図1に対応する異常時の液圧回路図、図3は図1の3部拡大図である。
【0017】
図1に示すように、タンデム型のマスタシリンダ11は、運転者がブレーキペダル12を踏む踏力に応じたブレーキ液圧を出力する二つの第1液圧室13A,13Bを備えており、一方の第1液圧室13Aは液路Pa,Pb,Pc,Pd,Peを介して例えば左前輪および右後輪のディスクブレーキ装置14,15のホイールシリンダ16,17に接続されるとともに、他方の第1液圧室13Bは液路Qa,Qb,Qc,Qd,Qeを介して例えば右前輪および左後輪のディスクブレーキ装置18,19のホイールシリンダ20,21に接続される。
【0018】
液路Pa,Pb間に常開型電磁弁である遮断弁22Aが配置され、液路Qa,Qb間に常開型電磁弁である遮断弁22Bが配置され、液路Pb,Qbと液路Pc,Qcとの間にスレーブシリンダ23が配置され、液路Pc,Qcと液路Pd,Pe;Qd,Qeとの間にABS装置24が配置される。
【0019】
液路Qaから分岐する液路Ra,Rbには、常閉型電磁弁である反力許可弁25を介してストロークシミュレータ26が接続される。ストロークシミュレータ26は、シリンダ27にスプリング28で付勢されたピストン29を摺動自在に嵌合させたもので、ピストン29の反スプリング28側に形成された液室30が液路Rbに連通する。
【0020】
図3に示すように、スレーブシリンダ23のアクチュエータ51は、電動モータ52の回転軸に設けた駆動ベベルギヤ53と、駆動ベベルギヤ53に噛合する従動ベベルギヤ54と、従動ベベルギヤ54により作動するボールねじ機構55とを備える。アクチュエータハウジング56に一対のボールベアリング57,57を介してスリーブ58が回転自在に支持されており、このスリーブ58の内周に出力軸59が同軸に配置されるとともに、その外周に従動ベベルギヤ54が固定される。
【0021】
ボールねじ機構55は、スリーブ58の内周に形成した雌ねじ60と出力軸59の外周に形成した雄ねじ61と、雌ねじ60および雄ねじ61間に配置した複数のボール62とで構成される。アクチュエータハウジング56には調整部材としてのねじ部材63が螺合しており、ねじ部材63の前端は出力軸59の後端に当接する。
【0022】
スレーブシリンダ23のシリンダ本体36の内部に一対のリターンスプリング37A,37Bで後退方向に付勢された一対のピストン38A,38Bが摺動自在に配置されており、ピストン38A,38Bの前面に一対の第2液圧室39A,39Bが区画される。後側のピストン38Aの後端に前記出力軸59の前端が当接する。一方の第2液圧室39Aはポート40A,41Aを介して液路Pb,Pcに連通し、他方の第2液圧室39Bはポート40B,41Bを介して液路Qb,Qcに連通する。
【0023】
しかして、電動モータ52を一方向に駆動すると、駆動ベベルギヤ53、従動ベベルギヤ54およびボールねじ機構55を介して出力軸59が前進する。その結果、出力軸59に押圧された一対のピストン38A,38Bが前進し、液路Pb,Qbに連なるポート40A,40Bが閉塞された瞬間に第2液圧室39A,39Bにブレーキ液圧を発生させ、そのブレーキ液圧をポート41A,41Bを介して液路Pc,Qcに出力することができる。
【0024】
図1に戻り、ABS装置24の構造は周知のもので、左前輪および右後輪のディスクブレーキ装置14,15の系統と、右前輪および左後輪のディスクブレーキ装置18,19の系統とに同じ構造のものが設けられる。その代表として左前輪および右後輪のディスクブレーキ装置14,15の系統について説明すると、液路Pcと液路Pd,Peとの間に一対の常開型電磁弁よりなるインバルブ42,42が配置され、インバルブ42,42の下流側の液路Pd,Peとリザーバ43との間に常閉型電磁弁よりなるアウトバルブ44,44が配置される。リザーバ43と液路Pcとの間に、一対のチェックバルブ45,46に挟まれた液圧ポンプ47が配置されており、この液圧ポンプ47は電動モータ48により駆動される。
【0025】
遮断弁22A,22B、反力許可弁25、スレーブシリンダ23およびABS装置24の作動を制御する不図示の電子制御ユニットには、マスタシリンダ11が発生するブレーキ液圧を検出する液圧センサSaと、ディスクブレーキ装置18,19に伝達されるブレーキ液圧を検出する液圧センサSbと、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサSc…とが接続される。
【0026】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用について説明する。
【0027】
システムが正常に機能する正常時には、常開型電磁弁よりなる遮断弁22A,22Bが消磁されて開弁し、常閉型電磁弁よりなる反力許可弁25が励磁されて開弁する。この状態で液路Qaに設けた液圧センサSaが運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると、スレーブシリンダ23のアクチュエータ51が作動して一対のピストン38A,38Bが前進することで、一対の第2液圧室39A,39Bにブレーキ液圧が発生する。このブレーキ液圧はABS装置24の開弁したインバルブ42…を介してディスクブレーキ装置14,15,18,19のホイールシリンダ16,17,20,21に伝達され、各車輪を制動する。
【0028】
スレーブシリンダ23のピストン38A,38Bが僅かに前進すると、ポート40A,40Bが閉塞されて液路Pb,Qbと第2液圧室39A,39Bとの連通が遮断されるため、マスタシリンダ11が発生したブレーキ液圧はディスクブレーキ装置14,15,18,19に伝達されることはない。このとき、マスタシリンダ11の他方の第1液圧室13Bが発生したブレーキ液圧は開弁した反力許可弁25を介してストロークシミュレータ26の液室30に伝達され、そのピストン29をスプリング28に抗して移動させることで、ブレーキペダル12のストロークを許容するとともに擬似的なペダル反力を発生させて運転者の違和感を解消することができる。
【0029】
そして液路Qcに設けた液圧センサSbで検出したスレーブシリンダ23によるブレーキ液圧が、液路Qaに設けた液圧センサSaで検出したマスタシリンダ11によるブレーキ液圧に応じた大きさになるように、スレーブシリンダ23のアクチュエータ51の作動を制御することで、運転者がブレーキペダル12に入力する踏力に応じた制動力をディスクブレーキ装置14,15,18,19に発生させることができる。
【0030】
上述した制動中に、車輪速センサSc…の出力に基づいて何れかの車輪のスリップ率が増加してロック傾向になったことが検出されると、常開型電磁弁よりなる遮断弁22A,22Bを励磁して閉弁するとともにスレーブシリンダ23を作動状態に維持し、この状態でABS装置24を作動させて車輪のロックを防止する。
【0031】
即ち、所定の車輪がロック傾向になると、その車輪のディスクブレーキ装置のホイールシリンダに連なるインバルブ42を閉弁してスレーブシリンダ23からのブレーキ液圧の伝達を遮断した状態で、アウトバルブ44を開弁してホイールシリンダのブレーキ液圧をリザーバ43に逃がす減圧作用と、それに続いてアウトバルブ44を閉弁してホイールシリンダのブレーキ液圧を保持する保持作用とを行うことで、車輪がロックしないように制動力を低下させる。
【0032】
その結果、車輪速度が回復してスリップ率が低下すると、インバルブ42を開弁してホイールシリンダのブレーキ液圧が増加させる増圧作用を行うことで、車輪の制動力を増加させる。この増圧作用により車輪が再びロック傾向になると、前記減圧、保持、増圧を再び実行し、その繰り返しにより車輪のロックを抑制しながら最大限の制動力を発生させることができる。その間にリザーバ43に流入したブレーキ液は、液圧ポンプ47により上流側の液路Pc,Qcに戻される。
【0033】
上述したABS制御を実行している間、遮断弁22A,22Bが閉弁状態に維持されることで、ABS装置24の作動による液圧変化がキックバックとなってマスタシリンダ11からブレーキペダル12に伝達されるのを防止することができる。
【0034】
電源の失陥等によりスレーブシリンダ23が作動不能になると、スレーブシリンダ23が発生するブレーキ液圧に代えて、マスタシリンダ11が発生するブレーキ液圧による制動が行われる。
【0035】
即ち、電源が失陥すると、図2に示すように、常開型電磁弁よりなる遮断弁22A,22Bは自動的に開弁し、常閉型電磁弁よりなる反力許可弁25は自動的に閉弁し、常開型電磁弁よりなるインバルブ42…は自動的に開弁し、常閉型電磁弁よりなるアウトバルブ44…は自動的に閉弁する。この状態では、マスタシリンダ11の第1液圧室13A,13Bにおいて発生したブレーキ液圧は、ストロークシミュレータ26に吸収されることなく、遮断弁22A,22B、スレーブシリンダ23の第2液圧室39A,39Bおよびインバルブ42…を通過して各車輪のディスクブレーキ装置14,15,18,19のホイールシリンダ16,17,20,21を作動させ、支障なく制動力を発生させることができる。
【0036】
さて、スレーブシリンダ23のアクチュエータ51の電動モータ52が一方向に回転すると出力軸59が前進し、出力軸59に押されたピストン38A,38Bのカップシール65A,65Bがポート(リリーフポート)40A,40B(図3参照)を後方から前方に通過した瞬間に第2液圧室39A,39Bにブレーキ液圧が発生し、ホイールシリンダ16,17,20,21が制動力を発生する。
【0037】
制動終了後に電動モータ52が逆方向に回転すると出力軸59が後退することで、それに追従してピストン38A,38Bも後退する。このとき、ピストン38A,38Bが、そのカップシール65A,65Bがリリーフポート40A,40Bを前方から後方に通過した瞬間に停止すれば、次回にピストン38A,38Bが前進する際のロスストロークを最小限に抑え、制動力発生の応答性を高めることができる。ピストン38A,38Bのカップシール65A,65Bがリリーフポート40A,40Bを前方から後方に通過した瞬間に停止させるには、アクチュエータハウジング56に螺合するねじ部材63の突出量を調整することで、出力軸59の後退端を規制すれば良い。
【0038】
このように、本実施の形態によれば、スレーブシリンダ36の組み立てが完了した段階で前記ねじ部材63の突出量を一度調整するだけで、その後はブレーキ操作を行う度にピストン38A,38Bの停止位置を電気的に制御することなく、ピストン38A,38Bのロスストロークを最小限に抑えることができる。
【0039】
次に、図4に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0040】
第1の実施の形態ではアクチュエータハウジング56にねじ部材63を設けているが、第2の実施の形態は出力軸59の前端に、ピストン38Aの後端に当接可能なねじ部材64を設けたものである。出力軸59の後退端は、その後端がアクチュエータハウジング56の内面に当接することで規制される。
【0041】
従って、出力軸59の後端がアクチュエータハウジング56の内面に当接して停止したときに、ピストン38A,38Bのカップシール65A,65Bがリリーフポート40A,40Bの直後方に位置するようにねじ部材64を調整すれば、ブレーキ操作を行う度にピストン38A,38Bの停止位置を電気的に制御することなく、ピストン38A,38Bのロスストロークを最小限に抑えることができる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0043】
例えば、実施の形態では出力軸59を進退させるアクチュエータ51にボールねじ機構55を用いているが、アクチュエータ51の構造は任意である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施の形態に係る車両用ブレーキ装置の正常時の液圧回路図
【図2】図1に対応する異常時の液圧回路図
【図3】図1の3部拡大図
【図4】第2の実施の形態に係る、前記図3に対応する図
【符号の説明】
【0045】
16 ホイールシリンダ
17 ホイールシリンダ
20 ホイールシリンダ
21 ホイールシリンダ
23 スレーブシリンダ(ブレーキ液圧発生手段)
36 シリンダ本体(シリンダ)
38A ピストン
38B ピストン
51 アクチュエータ
56 アクチュエータハウジング
59 出力軸
63 ねじ部材(調整部材)
64 ねじ部材(調整部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(36)に軸方向に進退自在に嵌合するピストン(38A,38B)を初期位置からアクチュエータ(51)で軸方向に前進駆動してブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生手段(23)と、
前記ブレーキ液圧で作動して車輪を制動する制動力を発生するホイールシリンダ(16,17,20,21)と、
を備えたブレーキ装置において、
前記ブレーキ液圧発生手段(23)は、前記ピストン(38A,38B)の初期位置を調整する調整部材(63,64)を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
前記アクチュエータ(51)は前記ピストン(38A,38B)を押圧して前進駆動する出力軸(59)を備え、前記調整部材(63)はアクチュエータハウジング(56)に軸方向に進退自在に設けられて前記出力軸(59)の後端に当接するねじ部材であることを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項3】
前記アクチュエータ(51)は前記ピストン(38A,38B)を押圧して前進駆動する出力軸(59)を備え、前記調整部材(64)は前記出力軸(59)の前端に軸方向に進退自在に設けられて前記ピストン(38A,38B)の後端に当接するねじ部材であることする、請求項1に記載のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−174007(P2008−174007A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6986(P2007−6986)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】