説明

ブロー型ユニット、ブロー成形機及びブロー型ユニットの交換方法

【課題】金型交換途中の段階でブローキャビティ割型が型開きされても、上げ底型の落下防止対策を追加する必要がないブロー型ユニットを提供すること。
【解決手段】ブロー成形機の締め/型開装置により移動する第1,第2の型締め板とブロー成形機の昇降装置に連結されるブロー型ユニット200は、第1,第2のブローキャビティ割型210,211及び複数の上げ底型212を有するブロー型と、第1,第2の圧受け板220,221と、第1の固定板と第2の固定板と第3の固定板232と、第3の固定板の第2面より垂下された圧受けロッド234と、第1,第2の固定板の少なくとも一方に固定され、第1,第2のブローキャビティ割型の型閉じ時に第3の固定板が載置される載置部とを有し、圧受けロッド234は、昇降装置の昇降ロッド150に形成された嵌合部151に垂直方向にて嵌合される被嵌合部234Aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー型ユニット、それを用いたブロー成形機及びブロー型ユニットの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロー成形機では、ブロー成形される容器に合わせて金型交換が必要である。プリフォームから容器をブロー成形するためのブロー型として、一対のブローキャビティ割型が必要である。加えて、ブロー成形された容器の底部に、内方に向けて突出する所謂シャンペン底や自立壜等の形状とするためには、ブロー型として上げ底型が必要となる。さらに、一対のブローキャビティ割型とは別個に、一対のブローキャビティ割型締めされる上げ底型が別個に必要となる場合がある。
【0003】
特許文献1には、一対のブローキャビティと上げ底型とを金型交換時に一体として取り扱うことができるブロー型ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−156728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の実施例では、ブロー型ユニットが固定される第1,第2の型締め板は、一方が固定であり、他方のみが駆動されている。上げ底型は固定側の型締め板側に支持されるので、金型交換途中の段階で第1,第2のブローキャビティ割型が型開きされても、上げ底型が落下することはない。
【0006】
しかし、ブロー成形機の型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板に取り付けられるブロー型ユニットの場合、第1,第2の型締め板の型開きにより上げ底型を下方にて支える部材が存在しなくなり、上げ底型が落下を防止する他の部材が必要になる。
【0007】
本発明の幾つかの態様によれば、ブロー成形機の型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板に取り付けられるブロー型ユニットであって、金型交換途中の段階で第1,第2のブローキャビティ割型が型開きされても、上げ底型を追加の部材により落下防止対策する必要がないブロー型ユニット、それを用いたブロー成形機及びブロー型ユニットの交換方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、
ブロー成形機の型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板と、前記ブロー成形機の昇降装置とに連結されるブロー型ユニットであって、
パーティング面同士を当接させて型締めされる第1,第2のブローキャビティ割型と、前記第1,第2のブローキャビティ割型にて規定される複数のキャビティに複数の上げ底形状を規定する複数の上げ底型と、を有するブロー型と、
パーティング面同士を当接させて型締め圧力を圧受けする第1,第2の圧受け板と、
前記第1のブローキャビティ割型及び前記第1の圧受け板が固定され、前記第1の型締め位置に連結される第1の固定板と、
前記第2のブローキャビティ割型及び前記第2の圧受け板が固定され、前記第2の型締め位置に連結される第2の固定板と、
前記第1,第2の固定板の間に配置され、前記複数の上げ底型を第1面に固定する第3の固定板と、
前記第3の固定板の前記第2面より垂直に延びる圧受けロッドと、
前記第1,第2の固定板の少なくとも一方に固定され、前記第1,第2のブローキャビティ割型の型閉じ時に前記第3の固定板が載置される載置部と、
を有し、
前記圧受けロッドは、前記昇降装置の昇降ロッドに形成された嵌合部に垂直方向にて嵌合される被嵌合部を有するブロー型ユニットに関する。
【0009】
本発明の一態様によれば、ブロー型ユニットをブロー成形機に搬入出するとき、第1,第2のブローキャビティ割型は型閉じされている。この時には、複数の上げ底型を固定する第3の固定板は、第1,第2の固定板の少なくとも一方に固定された載置部に載置される。よって、第1,第2の固定板には、第1,第2のブローキャビティ割型、第1,第2の圧受け板に加えて、載置部及び第3の固定板を介して複数の上げ底型が保持されることになり、金型交換時にこれらを一体で取り扱うことができる。このブロー型ユニットを一体としてブロー成形機のブロー成形部に搬入する。そして、ブロー成形機に設けられた型締め/型開装置の第1,第2の型締め板に、第1,第2の固定板を固定して、第1,第2の固定板を開放すると、第3の固定板に固定された圧受けロッドの被嵌合部が、ブロー成形機に配置された昇降装置の昇降ロッドに設けられた嵌合部に垂直方向から嵌合される。それにより、複数の上げ底型、第3の固定板及び圧受けロッドは、昇降ロッドに支えられる。この状態では、第1,第2ブローキャビティ割型が型開きされているので作業空間が確保され、圧受けロッドの被嵌合部と昇降ロッドの嵌合部とをカップリング部材により連結できる。こうして、ブロー型ユニットをブロー成形機に取り付ける作業が終了する。複数の上げ底型の型締め駆動は、第3の固定板から延びる圧受けロッドを、ブロー成形機の昇降装置の昇降ロッドにより駆動することで実現できる。
【0010】
(2)本発明の一態様では、前記圧受けロッドの前記被嵌合部と前記昇降ロッドの前記嵌合部との少なくとも一方にテーバー面が形成され、前記嵌合部は前記被嵌合部を芯出し案内することができる。
【0011】
被嵌合部と嵌合部との少なくとも一方にテーバー面を設けることで、被嵌合部と嵌合部との垂直方向での嵌合を円滑に行うと共に、嵌合部の位置に被嵌合部を芯出しすることができる。
【0012】
(3)本発明の一態様では、前記載置部は、パーティング面同士を当接させて型締め圧力を圧受けする第3,第4の圧受け板を含み、前記第3の圧受け板が前記第1の固定板に固定され、前記第4の圧受け板を前記第2の固定板に固定することができる。こうすると、載置部を圧受け板として兼用することができる。
【0013】
(4)本発明の一態様では、前記第1,第2の圧受け板の各々は、前記ブロー成形機の基盤と転接するローラーと、前記ローラーが前記ブロー型ユニットの最下面から突出しない上昇位置から前記ローラーが前記基盤と転接する下降位置へと、前記ローラーを下降駆動させるローラー駆動部材と、を有することができる。
【0014】
このローラーを下降位置に設定することで、ブロー型ユニットのローラーをブロー成形機の基盤上で転接させて、ブロー型ユニットを着脱することができる。ブロー型ユニットが所定位置まで搬入された後にローラーを相対的に上昇させると、ブロー型ユニットが下降して、被嵌合部の一部を嵌合部に嵌合させることができる。その後に、第1,第2の固定板を開放駆動することで、被嵌合部は嵌合部に案内されながらさらに嵌合状態を深めることができる。
【0015】
(5)本発明の一態様では、前記第1の圧受け板は、前記第1のブローキャビティ割型の両側にて前記第1の固定板に固定され、前記第2の圧受け板は、前記第2のブローキャビティ割型の両側にて前記第2の固定板に固定され、前記第1,第2の圧受け板の最下面には、スライドメタルがそれぞれ固定され、前記スライドメタルは、前記前記第1,第2の圧受け板の一方の前記最下面に形成された孔に挿入されるピンと、前記前記第1,第2の圧受け板の一方にボルトが螺合されるねじ孔とを有し、前記第1,第2の圧受け板の各々は中空部を有し、前記中空部に臨む上面から前記最下面に貫通するボルト孔が形成されて、前記ボルトが上方から挿入されて前記ねじ孔に螺合することができる。
【0016】
スライドメタルは、ブロー型ユニットの最下面とブロー成形機の基盤との間に配置され、ブロー型ユニットの型閉じ、型締め及び型開き時に、ブロー成形機の基盤上での摺動摩擦を低減して円滑な移動を担保するために設けられる。ブロー成形機に配置されたネック型と第1,第2のブローキャビティ割型を仮型締めして、第1,第2のブローキャビティ割型の高さが適正であるか否かを判別し、不適正である場合には、第1,第2の圧受け板の最下面とスライドメタルとの間にシム板を挿入して、ブロー型ユニットの高さの調整が行われる。この際、スライドメタルを固定するボルトを、ブロー成形機の基盤の上方から操作することができるので、作業性が向上する。
【0017】
さらに、ローラーを有するブロー型ユニットを用いると、ブロー型ユニットの高さを調節する際にローラーを下降位置に設定することで、第1,第2の圧受け板の最下面とスライドメタルとの間にシム板を挿入できる隙間を容易に確保することができる。
【0018】
(6)本発明の他の態様は、
基盤と、
前記基盤上に支持される上述したブロー型ユニットと、
前記基盤上に設けられ、前記のブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型締め/型開駆動する型締め/型開装置と、
昇降ロッドを昇降駆動して、前記ブロー型ユニットの前記複数の上げ底型を昇降する昇降装置と、
を有するブロー成形機に関する。
【0019】
本発明の他の態様によれば、本発明の一態様に係るブロー型ユニットの上述した作用により、ブロー型ユニットの交換作業の負担を大幅に軽減することができる。
【0020】
(7)本発明のさらに他の態様は、
上述したブロー型ユニットを、ブロー成形機に配置された型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板の間に搬入する工程と、
前記ブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を、前記型締め/型開装置の前記第1,第2の型締め板に固定する工程と、
前記型締め/型開装置を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型開きする工程と、
前記圧受けロッドと、前記圧受けロッドの前記被嵌合部が嵌合されている前記嵌合部を有する前記昇降ロッドとを、カップリング部材により連結する工程と、
を有するブロー型ユニットの交換方法に関する。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、ブロー型ユニットを一体としてブロー成形機に搬入することができる。また、ブロー型ユニットの交換途中で第1,第2のブローキャビティ割型を型開きすると、第3の固定板に固定された圧受けロッドの被嵌合部が、ブロー成形機に配置された昇降装置の昇降ロッドに設けられた嵌合部に垂直方向から嵌合される。それにより、複数の上げ底型、第3の固定板及び圧受けロッドは、昇降ロッドに支えられるので、その後のカップリングによる締結作業を簡易に行うことができる。
【0022】
(8)本発明のさらに他の態様は、
ローラーを有する上述のブロー型ユニットを、前記ブロー型ユニットのローラーを前記下降位置に設定して、前記ローラーをブロー成形機の基盤と転接させながら、前記ブロー成形機に配置された型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板の間に搬入する工程と、
前記ローラーを前記上昇位置に設定する工程と、
前記ブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を、前記型締め/型開装置の前記第1,第2の型締め板に固定する工程と、
前記型締め/型開装置を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型開きする工程と、
前記圧受けロッドと、前記圧受けロッドの前記被嵌合部が嵌合されている前記嵌合部を有する前記昇降ロッドとを、カップリング部材により連結する工程と、
を有するブロー型ユニットの交換方法に関する。
【0023】
本発明のさらに他の態様によれば、ブロー型ユニットを一体として、しかもローラーにより搬入時での摩擦を低減してブロー成形機に搬入することができる。その後にローラーを上昇位置に設定すると、ブロー型ユニットが下降されて、被嵌合部の一部が嵌合部に嵌合される。その後に、型締め/型開き装置と連結された第1,第2のブローキャビティ割型を型開きすると、第3の固定板に固定された圧受けロッドの被嵌合部が嵌合部に案内されながら垂直方向から嵌合される。それにより、複数の上げ底型、第3の固定板及び圧受けロッドは、昇降ロッドに支えられるので、その後のカップリングによる締結作業を簡易に行うことができる。
【0024】
(9)本発明のさらに他の態様では、前記ブロー成形機に配置されたネック型と前記第1,第2のブローキャビティ割型を仮型締めして、前記第1,第2のブローキャビティ割型の高さが適正であるか否かを判別し、不適正である場合には、前記第1,第2のブローキャビティ割型の型開き後に、前記第1,第2の固定板と前記第1,第2の型締め板との締結状態を緩め、前記ローラーを降下させて、前記第1,第2の圧受け板の最下面と前記スライドメタルとの間にシム板を挿入して、前記ブロー型ユニットの高さを調整する工程をさらに有することができる。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、ブロー型ユニットの高さを調節する際にもローラーを下降位置に設定することで、第1,第2の圧受け板の最下面とスライドメタルとの間にシム板を挿入できる隙間を容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るブロー成形機の平面図である。
【図2】図1のブロー成形機の一部を破断して示す正面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】ブロー型ユニットの正面図である。
【図5】ブロー型ユニットの側面図である。
【図6】ブロー型ユニットの平面図である。
【図7】図7(A)(B)はスライドメタルの正面図及び平面図である。
【図8】スライドメタルの取り付け状態を示すブロー型ユニットの側面図である。
【図9】図9(A)はブロー型ユニットの搬入時を示し、図9(B)はブロー型ユニットの高さ調整工程を説明するための図である。
【図10】ブロー型ユニットの取り付け途中での第1,第2ブローキャビティ割型の型開き状態を示す断面図である。
【図11】ブロー型ユニットの高さ調整工程を示す側面図である。
【図12】シム板によるブロー型ユニットの高さ調整工程を示し、スライドメタルを除いた底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0028】
1.ブロー成形機
先ず、本発明が適用されるブロー成形機の一例を説明する。図1は例えば4ステーションのブロー成形機50を示している。このブロー成形機50は、図2及び図3に示すように、機台52と、下部基盤54と、上部基盤56と、牽引板58と、シリンダ固定板60とを有し、上部基盤56と、牽引板58と、シリンダ固定板60とが下部基盤54を貫通する複数、例えば4本のタイバー62(図1参照)によって連結固定されている。
【0029】
機台52は、内部空洞の箱形状とされ、その上面の一方側に射出装置64を取り付けた状態となっている。下部基盤54は、機台52の他方側の上面に固定された状態となっている。上部基盤56は、下部基盤54と所定の間隔をおいて下部基盤54の上方に配設され、下面側に回転盤66回転可能に支持している。
【0030】
また、この上部基盤56は、射出装置64側の2本のタイバー62の途中位置と、射出装置64と反対側の2本のタイバー62の上端とに連結固定された状態となっている。
【0031】
そして、機台52上の下部基盤54と上部基盤56との間の空間であって、回転盤66の複数の回転停止位置に、複数の処理ステーション1C〜4Cが配置される。図1に示すように、射出装置64側に射出成形ステーション68(1C)、その対向位置にブロー成形ステーション70(3C)、射出成形ステーション68及びブロー成形ステーション70と90度交差する位置に温調ステーション72(2C)及び取り出しステーション74(4C)が設けられている。
【0032】
射出成形ステーション68では、図2に示すように、射出装置64とノズルタッチするホットランナー型76を介して射出キャビティ型78が下部基盤54上に取り付けられている。
【0033】
ブロー成形ステーション70では、同じく図2に示すように、ブロー型締めシリンダ80を含むブロー型締め機構(型締め/型開装置)82によって型締め可能にされた割型からなるブロー型84が下部基盤54上に設けられている。なお、図2では上げ底型は示されていない。
【0034】
温調ステーション72では、図3に示すように、温調ポット86が下部基盤54上に固定されている。
【0035】
取り出しステーション74では、図3に示すように、成形品を取り出すためのシュータ88が下部基盤54上に取り付けられている。
【0036】
また、回転盤66の下面には、射出成形ステーション68、温調ステーション72、ブロー成形ステーション70、取り出しステーション74のそれぞれの位置に対応して、それぞれ複数、例えば2つのネック型90が配設されている。
【0037】
ネック型90は、割型にて構成され、これら割型がそれぞれ分割板からなるネック支持板92に取り付けられ、ネック支持板92の開閉によってネック型90が開閉可能にされている。射出延伸ブロー成形機50では、ネック型90及びこれを開閉可能に支持するネック支持板92が、回転盤66に保持される移送部材を構成する。
【0038】
また、回転盤66は、上部基盤56上に設けた電動モータ94によって90度ずつ間欠回転可能にされ、ネック型90を射出成形ステーション68、温調ステーション72、ブロー成形ステーション70、取り出しステーション74へと順次搬送し得るようにされている。
【0039】
なお、この回転盤66の回転停止位置は、位置決め機構96によって位置決めされるようになっているが、サーボモータの位置決め手段のみでもかまわない。
【0040】
また、上部基盤56上には、温調ステーション72対応位置に図示せぬ温調コアを昇降させる温調コア昇降シリンダ98、ブロー成形ステーション70対応位置にブローコア型100を昇降させるブローコア型昇降シリンダ102及び延伸ロッド104を昇降させる延伸ロッド昇降シリンダ106、そして、取り出しステーション74対応位置にネック支持板92を開くためのエジェクトカム108を昇降させるエジェクトカム昇降シリンダ110等が設けられている。
【0041】
シリンダ固定板60は、上部基盤56の上方で射出成形ステーション68側に位置する2本のタイバー62の上端に固定され、このシリンダ固定板60と上部基盤56との間には、射出コア型112を取り付けた射出コア型型締め板114が2本のタイバー62に沿って昇降可能に取り付けられている。なお、射出コア型112には冷却媒体が循環されるが、冷却媒体の循環装置については省略する。
【0042】
また、シリンダ固定板60上には、射出コア型型締めシリンダ116が取り付けられ、この射出コア型型締めシリンダ116のピストン118の先端が射出コア型型締め板114に連結されている。
【0043】
牽引板58は、機台52内で、4本のタイバー62の下端に連結固定されている。この牽引板58には、射出成形ステーション68の下方位置に竪型締め手段としてのネック型型締めシリンダ120が取り付けられ、このネック型型締めシリンダ120のピストン122が下部基盤54の下面に連結されている。なお、上部基盤56の竪型締め機構は、牽引板58、タイバー62及びシリンダ120で構成される。
【0044】
従って、図3に示すように、牽引板58が上昇した状態でネック型型締めシリンダ120を駆動させると、牽引板58の下降に伴ってタイバー62が牽引されて下降し、このタイバー62に連結固定された上部基盤56が、図2に示すように、ストロークL1分下降して、回転盤66に取り付けられたネック型90が下降し、例えば射出成形ステーション68では、射出キャビティ型78に対してネック型90が型締めされることとなる。
【0045】
なお、ブロー成形ステーション70側においては、上部基盤56の下面が、ブロー型締め機構82の上部に設けたストッパー138に当接して、上部基盤56の下限位置で位置決めされる。
【0046】
さらに、温調ステーション72及びブロー成形ステーション70においては、ネック型90に対して温調ポット86及びブロー型締め機構82によってブロー型84が型締めされる。
【0047】
この上部基盤56の下降時には、射出成形ステーション68側の2本のタイバー62上端に固定されたシリンダ固定板60も同時に上部基盤56と同じストロークL1分だけ下降した状態となっている。
【0048】
この状態で、射出成形ステーション68では、射出コア型型締めシリンダ116の駆動により射出コア型型締め板114をストロークL2分下降させることで、射出コア型112とネック型90とを型締めし、射出装置64より溶融樹脂を射出キャビティ型78内に射出してプリフォーム124を射出成形するようにしている。
【0049】
この場合、射出コア型型締めシリンダ116は、上部基盤56の下降に伴って一体に下降するため、上部基盤56との距離が常に一定に保たれる。
【0050】
そのため、射出コア型型締めシリンダ116の下降ストロークL2は、射出コア型112を回転盤66から退避した位置から型締め位置までの最小ストロークですむため、射出コア型型締めシリンダ116の長さを短くすることができる。
【0051】
しかも、射出コア型型締めシリンダ116は、射出コア型112を型締めするだけの型締め力が得られれば足りるため、射出コア型型締めシリンダ116を比較的小型のものとすることができる。
【0052】
ここで、この射出成形ステーション68の成形動作と同時に、温調ステーション72では、温調コア昇降シリンダ98によって、図示せぬ温調コアを温調ポット86内に挿入してプリフォーム124の温調を行う。
【0053】
また、ブロー成形ステーション70では、ブローコア型昇降シリンダ102によってブローコア型100を下降させ、ネック型90に対してブローコア型100を型締めするとともに、延伸ロッド昇降シリンダ106によって延伸ロッド104を下降させ、ブロー型84内にブローエアーを供給することで温調されたプリフォーム124を二軸延伸ブローしてボトル126を成形する。
【0054】
さらに、取り出しステーション74では、エジェクトカム昇降シリンダ110により、エジェクトカム108を下降させてネック支持板92を介しネック型90を開き、ボトル126を落下させて、シュータ88によりボトル126を装置外に排出するようにしている。なお、ネック支持板92を構成する一対の分割板がスプリングにより常時閉鎖状態に設定されることで、ネック型90が型締め状態とされている。また、その一対の分割板には、図示せぬクサビ孔が、その長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。ネック型90の型開きは、エジェクトカム昇降シリンダ110により駆動されるエジェクトカム108がクサビ孔に向けて下降され、分割板を開放駆動することで実施される。
【0055】
次に、各成形工程終了後、ブロー型締め機構82によってブロー型84を型開し、ネック型型締めシリンダ120により上部基盤56を上昇させ、射出コア型型締めシリンダ116、温調コア昇降シリンダ98、ブローコア型昇降シリンダ102、延伸ロッド昇降シリンダ106及びエジェクトカム昇降シリンダ110により、射出コア型112、温調コア、ブローコア型100、延伸ロッド104及びエジェクトカム108を回転盤66位置より待避させれば、回転盤66が回転可能な状態となる。
【0056】
この状態で、電動モータ94により回転盤66を間欠回転させて順次各処理ステーションにおける処理を行うことができる。
【0057】
また、牽引板58のブロー成形ステーション70の下方位置には、補助型締めシリンダ128が設けられ、この補助型締めシリンダ128の図示せぬピストンの先端を下部基盤54に連結して、射出成形ステーション68側とブロー成形ステーション70側の上部基盤56の昇降をバランスよくして、昇降をスムーズに行うことができるようにしている。
【0058】
さらに、機台52内には、ネック型型締めシリンダ120と補助型締めシリンダ128を同期させる同期手段130が配設されている。
【0059】
この同期手段130は、下部基盤54の射出成形ステーション68側とブロー成形ステーション70側にそれぞれ垂下して配設された2つのラック132と、牽引板58の射出成形ステーション68とブロー成形ステーション70間にわたって配設された回転軸134と、この回転軸134に固定され、各ラック132と噛合する2つのピニオン136とから構成される。なお、射出成形ステーション68にも、上部基盤56の下降限を補助的に規制するためのストッパロッド140が設けられている。
【0060】
なお、以下にて説明するブロー型ユニット200は、図1〜図3を用いて説明した4ステーションのブロー成形機50に限らず、同様に回転搬送型の3ステーションのブロー成形機や、プリフォームや容器をリニア搬送するブロー成形機にも適用できる。また、延伸処理を必要としない射出ブロー成形機へも適用できる。
【0061】
2.ブロー型ユニット
次に、図4〜図8を参照して、ブロー型ユニット200について説明する。図4〜図6は、ブロー成形機50に取り付けられたブロー型ユニット200の正面図、側面図及び平面図である。図4及び図5では、ブロー成形機50の構成として、図2に示す下部基盤(基盤)54と、例えば油圧シリンダ等の昇降装置の例えば2本の昇降ロッド150が示されている。図6では、図2に示す型締め/型開装置82により駆動される第1,第2の型締め板81A,81Bが示されている。
【0062】
図4〜図6に示すブロー型ユニット200は、図2に示すブロー型84が、第1,第2のブローキャビティ割型210,211と、上げ底型212とを有する。第1,第2のブローキャビティ割型210,211は、それぞれ容器の外形に合ったキャビティ210A,211Aをそれぞれ有する。第1のブローキャビティ割型210は、図4に示すように複数例えば4個のキャビティ210Aを有する。第2のブローキャビティ割型211もまたも、複数例えば4個のキャビティ211Aを有する。図4に示すように、第1,第2のブローキャビティ割型210,211にて規定される4個のキャビティ210A,211Aに上げ底形状を規定する4個の上げ底型212が設けられている。
【0063】
図4において、第1のブローキャビティ割型210の両側には、第1の圧受け板220,220が設けられている。同様に、第2のブローキャビティ割型211の両側には、第2の圧受け板221,221が設けられている。第1,第2のブローキャビティ割型210,211及び第1,第2の圧受け板220,221は、パーティング面P同士を当接させて型締めされる。第1,第2の圧受け板220,221は、型締め圧力を圧受けする。
【0064】
図5に示すように、ブロー型ユニット200は、第1のブローキャビティ割型210及び第1の圧受け板220が固定される第1の固定板230と、第2のブローキャビティ割型211及び第2の圧受け板221が固定される第2の固定板231とを有する。
【0065】
図4及び図5に示すように、ブロー型ユニット200は、第1,第2の固定板230,231の間に配置されて、複数の上げ底型212を第1面232Aに固定する第3の固定板232を有する。第3の固定板232の第1面232Aと対向する第2面232Bには、第2面232Bより垂下する少なくとも一つ例えば2つの圧受けロッド234が固定されている。2つの圧受けロッド234の先端(被嵌合部)234Aは、例えばテーパーピン状に形成することができる。また、本実施形態の圧受けロッド234は、被嵌合部234Aの上方にフランジ234Bを有する。フランジ234Bは、圧受けロッド234の下限ストッパーとして機能する。
【0066】
一方、ブロー成形機50に設けられた昇降装置の2本の昇降ロッド150の先端には、圧受けロッド234の被嵌合部234Aを垂直方向にて受け入れる凹部(嵌合部)151が形成されている。そして、嵌合部151と被嵌合部234Aとは、カップリング部材235により連結され、一体として昇降できるようになっている。この結果、昇降ロッド150が昇降されると、複数の上げ底型212、第3の固定板232、圧受けロッド234が一体的に昇降される。
【0067】
図4及び図5に示すように、第1,第2の固定板230,231の少なくとも一方に着脱自在に固定され、第1,第2のブローキャビティ割型210,211の型閉じ時に第3の固定板232が載置される載置部240が設けられている。本実施形態では、載置部240は、パーティング面同士を当接させて型締め圧力を圧受けする第3の圧受け板240A及び第4の圧受け板240Bで構成されている。第3の圧受け板240Aが第1の固定板230に固定され、第4の圧受け板240Bが第2の固定板231に固定されている。こうして、載置部240を第3,第4の圧受け板240A,240Bとして兼用している。また、容器の底部形状をより良好に賦形させるため、ブロー成形時に上げ底型の動作タイミングを遅らせ、通常より長いストロークに亘り上昇させることがある。この際、載置部240は、その全高を低くしたり、昇降ロッド150と干渉しない位置に設置したり、また、ブロー型の両側面(圧受け板220,221側)に設けるようにしても構わない。
【0068】
本実施形態によれば、ブロー型ユニット200をブロー成形機50に搬入出するとき、第1,第2のブローキャビティ割型210,211は型閉じされている。第1,第2のブローキャビティ割型210,211が型閉じしている時には、複数の上げ底型212を固定する第3の固定板232は、図5に示すように、第1,第2の固定板230,231の少なくとも一方、例えば双方に固定された載置部240(第3,第4の圧受け板240A,240B)上に載置される。よって、第1,第2の固定板230,231には、第1,第2のブローキャビティ割型210,211、第1,第2の圧受け板220,221に加えて、載置部240(第3,第4の圧受け板240A,240B)及び第3の固定板232を介して複数の上げ底型212が保持されることになる。これにより、金型交換時にブロー型ユニット200を一体で取り扱うことができる。
【0069】
ここで、図4に示すように、第1,第2の圧受け板220,221の下面には、図7(A)(B)に示すスライドメタル250が固定されている。スライドメタル250は、ブロー型ユニット200を下部基盤54上で開閉させるときの摩擦抵抗を低減するもので、例えば含油金属にて形成される。スライドメタル250には、図7(A)(B)に示すように、垂直上方に延びるピン251が固定されると共に、ねじ孔252が形成されている。
【0070】
スライドメタル250は、図8に示すように、第1,第2の圧受け板220,221に設けられた位置決め孔にピン251が下方から挿入されると共に、第1,第2の圧受け板220,221に形成された穴(中空部)220A,221Aを利用して上方からボルト孔に挿入されるボルト253がスライドメタル250のねじ孔252に螺合される。
【0071】
また、図4に示すように、第1,第2の圧受け板220,221の側面には、ブロー型ユニット200の最下面(スライドメタル250の下面)よりローラー260が出し入れ可能に支持されている。そのために断面L字状のハウジング261が第1,第2の圧受け板220,221の側面に固定されている。ハウジング261内には、可動ブロック262に回転自在に支持されたローラー260が収容されている。ハウジング261の上部には、ボルト263が螺合されている。ボルト263を締めることで、可動ブロック262と一体でローラー260を押し下げることができる。可動ブロック262とボルト263は、ローラー260を下降位置に設定する駆動部材の一例である。
【0072】
図9(A)に、ローラー260が押し下げられた状態が図示されている。この場合、ローラー260が下部基盤54と転接するため、ブロー型ユニット200の最下面(メタルプレート250の下面)と下部基盤54との間には隙間δ1が形成される。よって、ローラー260を押し下げることで、ブロー型ユニット200は、ローラー260が下部基盤54と転接しながら、低摩擦にて下部基盤54上を移動することができる。
【0073】
3.ブロー型ユニットの取り付け方法
図9(A)に示すようにローラー260を押し下げて、ブロー型ユニット200を一体として下部基盤54上を移動させて、ブロー型ユニット200をブロー成形機50のブロー成形部に搬入する。この際、下部基盤54上に着脱自在の位置決めピンを設け、また、ブロー型ユニット状に対応する嵌合部を備えておくと、ガイドの役割をするため、位置決め調整が容易になる。その後、図9(A)に示すボルト263を緩めることで、ブロー型ユニット200の自重により、ローラー260をハウジング261内に収容する。それにより、図9(A)の状態からブロー型ユニット200がストロークδ1だけ下降して、スライドメタル250が下部基盤54と接触する。その後、ブロー成形機50に設けられた型締め/型開装置82を駆動させ、第1,第2の型締め板81A,81Bを第1,第2の固定板230,231と接触させる。この際、事前に、第1,第2の型締め板81A,81Bと第1,第2の固定板230,231をボルト固定しても構わない。また、必要に応じて昇降ロッド150を上昇させておいても良い。
【0074】
次に、型締め/型開装置82を駆動して、第1,第2の固定板230,231を開放すると、このとき、図10に示すように、載置部240が第3の固定板232の下方から離脱される。ただし、その際には、圧受けロッド234の被嵌合部234Aが、昇降ロッド150の凹部(嵌合部)151に嵌合されているので、第3の固定板232は落下することがない。
【0075】
本実施形態では、図10に示すように、載置部240が第3の固定板232の下方から離脱されると、圧受けロッド234のフランジ234Bが昇降ロッド151の上端面と当接する下限位置に設定される。このとき、被嵌合部234Aが、昇降ロッド150の凹部(嵌合部)151に深さδ2だけ嵌合している。また、載置部240の上面よりも、第3の固定板232及び圧受けロッド234はδ3だけ下降している。なお、この下限位置の設定はフランジ234Bに限らず、例えば被嵌合部234と嵌合部151のみによって実現しても良く、例えば凹部で構成される嵌合部151の深さで下限位置を規定しても良い。
【0076】
図9(A)の状態からローラー260をハウジング261内に収容してブロー型ユニット200を下降させることで、載置部240によってδ3の下降が制限されている圧受けロッド234は、その被嵌合部234Aの一部を、(δ2−δ3)の深さで昇降ロッド150の凹部(嵌合部)151に予め嵌合させることができる。よって、その後に型締め/型開き装置82と連結された第1,第2のブローキャビティ割型210,211を型開きすると、δ3だけ下降する第3の固定板232に固定された圧受けロッド234の被嵌合部234Aが、嵌合部151に案内されながら垂直方向から嵌合されて、図10の状態となる。
【0077】
なお、ローラー260は必須ではない。例えば、図10に示すように第1,第2の固定板230,231を開放駆動した時、載置部240に支持されなくなった第3の固定板232をストロークδ3だけ落下させて、被嵌合部234Aと凹部(嵌合部)151との嵌合を実現しても良い。この場合、図10に示す嵌合深さδ2について、δ2=δ3が成立する。あるいは、図10に示すように第1,第2の固定板230,231を開放駆動する前に、昇降ロッド151を上昇させて、被嵌合部234Aと嵌合部151とを嵌合させることもできる。
【0078】
なお、上述した通り、被嵌合部234Aと凹部(嵌合部)151との嵌合の際に、被嵌合部234Aがテーパーピン形状であると、嵌合時の案内機能と芯出し機能が発揮されて、第3の固定板232の多少の位置ずれを修正することができる。ただし、この案内機能と芯出し機能は、被嵌合部234Aと嵌合部151との少なくとも一方にテーバー面が形成されていれば実現可能である。よって、テーパーピンの被嵌合部234Aに代えてまたはそれに加えて、嵌合部151をテーパー孔としても良い。あるいは、被嵌合部234Aをテーパー孔とし、それに代えてまたはそれに加えて嵌合部151をテーパーピンとしても良い。
【0079】
次に、図4に示すように、カップリング部材235により、圧受けロッド234と昇降ロッド150とを連結する。それにより、ブロー型ユニット200の取り付けが終了する。カップリング部材235は2つの半割部材を開閉できる構造であり、カップリング部材235により、被嵌合部234A、フランジ234B及び嵌合部151を包囲して締結している。ただし、カップリング部材235はこれに限定されない。本実施形態の場合、図10の状態から圧受けロッド234をδ3以上持ち上げた図4に示す状態でカップリング部材235を連結する必要がある。それにより第1,第2ブローキャビティ割型210,211が閉鎖されても、第3の固定板232と載置部240との干渉を防止できるからである。このために、上げ底型212、第3の固定板232及び圧受けロッド234を持ち上げる必要がある。ただし、これらの重量は、第1,第2ブローキャビティ割型210,211、第1,第2の圧受け板220,221及び第1,第2の固定板230,231の総重量と比較すれば軽量であるので、従来よりも作業負担は大幅に軽減されている。なお、載置部240はブロー型ユニット200の取り付け時に必要であることから、カップリング部材235の装着が終了した後は、載置部240を取り外しても良い。ただし、本実施形態のように、載置部240を第3,第4の圧受け板240A,240Bとして兼用している場合には、載置部240を取り外す必要はない。
【0080】
4.ブロー型ユニットの高さ調整方法
上述したようにしてブロー型ユニット200を取り付けた後に、ブロー型ユニット200の高さ調整を行うことができる。そのために先ず、ブロー成形機50に配置されたネック型90(図3参照)と第1,第2のブローキャビティ割型210,211を仮型締めして、第1,第2のブローキャビティ割型210,211の高さが適正であるか否かを判別する。不適正である場合には、図9(B)及び図11に示すように第1,第2の圧受け板220,221の最下面とスライドメタル250との間に隙間δ4を確保して、図12に示すシム板270を挿入し、ブロー型ユニット200の高さの調整が行われる。この際、図8に示すスライドメタル250を固定するボルト253を、第1,第2の圧受け板220,221に形成した穴(中空部)220A,221Aを利用して上方から操作して緩めることができる。その後、図9(B)に示すようにローラー260を下降させることで、第1,第2の圧受け板220,221の最下面とスライドメタル250との間に隙間δ4を確保できる。このようにローラー260は、下部基盤54上で転接させてブロー型ユニット200を搬入する他、ブロー型ユニット200の高さ調整時にも使用することができる。
【0081】
その後、図12に示すように、第1,第2の圧受け板220,221の最下面とスライドメタル250との間にシム板270を挿入できる。シム板250は、位置決めピン251とボルト253にて位置決めされるU字形に形成される。シム板270の挿入後にローラー260を下降させ。さらにボルト253を締めてスライドメタル250を第1,第2の圧受け板220,221の最下面と締結すれば、高さ調整が終了する。
【0082】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0083】
例えば、本発明は回転搬送型ブロー成形機に限定されず、水平搬送型ブロー成形機にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
50 ブロー成形機、54 基盤(下部基盤)、81A,81B 第1,第2の型締め板、82 型締め/型開装置(ブロー型締め機構)、84 ブロー型、150 昇降ロッド、151 嵌合部、200 ブロー型ユニット、210,211 第1,第2のブローキャビティ割型、212 上げ底型、220 第1の圧受け板、220A 中空部、221 第2の圧受け板、221A 中空部、230 第1の固定板、231 第2の固定板、232 第3の固定板、232A 第1面、232B 第2面、234 圧受けロッド、234A 被嵌合部、234B フランジ、235 カップリング部材、240 載置部、240A 第3の圧受け板、240B 第4の圧受け板、250 スライドメタル、251 ピン、252 ねじ孔、253 ボルト、260 ローラー、262,263 ローラー駆動部材、270 シム板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形機の型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板と、前記ブロー成形機の昇降装置とに連結されるブロー型ユニットであって、
パーティング面同士を当接させて型締めされる第1,第2のブローキャビティ割型と、前記第1,第2のブローキャビティ割型にて規定される複数のキャビティに複数の上げ底形状を規定する複数の上げ底型と、を有するブロー型と、
パーティング面同士を当接させて型締め圧力を圧受けする第1,第2の圧受け板と、
前記第1のブローキャビティ割型及び前記第1の圧受け板が固定され、前記第1の型締め位置に連結される第1の固定板と、
前記第2のブローキャビティ割型及び前記第2の圧受け板が固定され、前記第2の型締め位置に連結される第2の固定板と、
前記第1,第2の固定板の間に配置され、前記複数の上げ底型を第1面に固定する第3の固定板と、
前記第3の固定板の前記第2面より垂下された圧受けロッドと、
前記第1,第2の固定板の少なくとも一方に固定され、前記第1,第2のブローキャビティ割型の型閉じ時に前記第3の固定板が載置される載置部と、
を有し、
前記圧受けロッドは、前記昇降装置の昇降ロッドに形成された嵌合部に垂直方向にて嵌合される被嵌合部を有することを特徴とするブロー型ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記圧受けロッドの前記被嵌合部と前記昇降ロッドの前記嵌合部との少なくとも一方にテーバー面が形成され、前記嵌合部は前記被嵌合部を芯出し案内することを特徴とするブロー型ユニット。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記載置部は、パーティング面同士を当接させて型締め圧力を圧受けする第3,第4の圧受け板を含み、前記第3の圧受け板が前記第1の固定板に固定され、前記第4の圧受け板が前記第2の固定板に固定されていることを特徴とするブロー型ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1,第2の圧受け板の各々は、
前記ブロー成形機の基盤と転接するローラーと、
前記ローラーが前記ブロー型ユニットの最下面から突出しない上昇位置から前記ローラーが前記基盤と転接する下降位置へと、前記ローラーを下降駆動させるローラー駆動部材と、
を有することを特徴とするブロー型ユニット。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1の圧受け板は、前記第1のブローキャビティ割型の両側にて前記第1の固定板に固定され、
前記第2の圧受け板は、前記第2のブローキャビティ割型の両側にて前記第2の固定板に固定され、
前記第1,第2の圧受け板の最下面には、スライドメタルがそれぞれ固定され、
前記スライドメタルは、前記前記第1,第2の圧受け板の一方の前記最下面に形成された孔に挿入されるピンと、前記前記第1,第2の圧受け板の一方にボルトが螺合されるねじ孔とを有し、
前記第1,第2の圧受け板の各々は中空部を有し、前記中空部に臨む上面から前記最下面に貫通するボルト孔が形成されて、前記ボルトが上方から挿入されて前記ねじ孔に螺合されることを特徴とするブロー型ユニット。
【請求項6】
基盤と、
前記基盤上に支持される請求項1乃至5のいずれかに記載のブロー型ユニットと、
前記基盤上に設けられ、前記のブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型締め/型開駆動する型締め/型開装置と、
昇降ロッドを昇降駆動して、前記ブロー型ユニットの前記複数の上げ底型を昇降する昇降装置と、
を有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載のブロー型ユニットを、ブロー成形機に配置された型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板の間に搬入する工程と、
前記ブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を、前記型締め/型開装置の前記第1,第2の型締め板に固定する工程と、
前記型締め/型開装置を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型開きする工程と、
前記圧受けロッドと、前記圧受けロッドの前記被嵌合部が嵌合されている前記嵌合部を有する前記昇降ロッドとを、カップリング部材により連結する工程と、
を有することを特徴とするブロー型ユニットの交換方法。
【請求項8】
請求項4に記載のブロー型ユニットを、前記ブロー型ユニットのローラーをブロー成形機の基盤と転接させながら、前記ブロー成形機に配置された型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板の間に搬入する工程と、
前記ブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を、前記型締め/型開装置の前記第1,第2の型締め板に固定する工程と、
前記型締め/型開装置を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型開きする工程と、
前記圧受けロッドと、前記圧受けロッドの前記被嵌合部が嵌合されている前記嵌合部を有する前記昇降ロッドとを、カップリング部材により連結する工程と、
を有することを特徴とするブロー型ユニットの交換方法。
【請求項9】
請求項5に記載のブロー型ユニットを、前記ブロー型ユニットのローラーをブロー成形機の基盤と転接させながら、前記ブロー成形機に配置された型締め/型開装置により線対称で移動する第1,第2の型締め板の間に搬入する工程と、
前記ブロー型ユニットの前記第1,第2の固定板を、前記型締め/型開装置の前記第1,第2の型締め板に固定する工程と、
前記型締め/型開装置を駆動して、前記第1,第2のブローキャビティ割型を型開きする工程と、
前記圧受けロッドと、前記圧受けロッドの前記被嵌合部が嵌合されている前記嵌合部を有する前記昇降ロッドとを、カップリング部材により連結する工程と、
前記ブロー成形機に配置されたネック型と前記第1,第2のブローキャビティ割型を仮型締めして、前記第1,第2のブローキャビティ割型の高さが適正であるか否かを判別し、不適正である場合には、前記第1,第2のブローキャビティ割型の型開き後に、前記第1,第2の固定板と前記第1,第2の型締め板との締結状態を緩め、前記ローラーを降下させて、前記第1,第2の圧受け板の最下面と前記スライドメタルとの間にシム板を挿入して、前記ブロー型ユニットの高さを調整する工程と、
を有することを特徴とするブロー型ユニットの交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−86500(P2013−86500A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232359(P2011−232359)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000227032)日精エー・エス・ビー機械株式会社 (35)
【Fターム(参考)】