説明

プラスチゾル部品へのインモールド証印印刷

この発明は、中空状に成形されるプラスチゾル部品の壁の中へ高解像度の証印を精確に配置する方法である。本発明は、キャリアシート上にプラスチゾルのベース層を成型することによりプラスチゾルの画像トランスファーを用意し、画像トランスファーを形成するため、プラスチゾルのベース層上に着色したプラスチゾルで証印を印刷し、さらにその上からプラスチゾルの本体層で印刷する。各プラスチゾルの層が堆積された後その層は次の層の堆積前に硬化され、その後、そのトランスファーは最後の本体層を硬化するため加熱される。このトランスファーは、高い溶剤含有量の接着剤を金型内周面に塗布し、前記プラスチゾルのトランスファーをキャリアシートから剥がし、それを接着剤の塗布された金型面に向けて貼付け、さらに、そのトランスファーを、接着剤の塗布された金型表面に向けて押圧し、その貼付けられたトランスファーを短時間で乾燥させ、その後別のやり方で従来のロト成形方法またはスラッシュ成形方法を続けることによって、成形品の壁の中へ永続的に融化させた証印を有する中空形状の成形部品が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプラスチゾル製品の成形に係り、特に、プラスチゾル製品におけるインモールド証印のマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチゾルは、ポリ塩化ビニル樹脂を液状分散したものであり、履物、椅子張り生地、シャワーカーテン、クッション、グローブ等のような多くの用途に利用されている。特定の興味ある応用として、ブイ(浮標)や、船舶用の緩衝用バリアおよびバンパーを製作するためにプラスチゾルを回転成形するものがある。
【0003】
残念ながら、プラスチゾル製品の表面は、これまでの粘着ラベル、塗料あるいは印刷用インキを容易には受け付けず、したがって、その表面にラベル付け、印刷あるいは装飾を施す試みも、結局のところ、その表面にラベルや他の証印を永続的に結合することができず、さらに、証印画像の精確な配置と解像度の機能が欠けていた。
【0004】
米国特許第3079644号には、中空形状をしたプラスチゾル製品のインモールド装飾の方法が開示されている。この方法では、従来の、ロト成形(roto−molding)方法またはスラッシュ成形(slush molding)方法が一部変更され、有色プラスチゾルの図案要素を金型内へ導入し、その図案要素を固化するため第1の温度まで金型を加熱し、その後、背景となるプラスチゾルを金型内へ導入し、そしてより高い温度に加熱して、製品の壁に図案要素が組み込まれた中空形状の製品を形成するものである。この方法の一つの実施例では、図案要素が、予め形成され凝固した色とりどりのプラスチゾルシートから切り取られて回転金型の内周面に向けて配置されており、背景となるプラスチゾルが金型へ加えられ、そして金型が閉じられさらに、所望の厚みを有する製品が形成されるまで2つの軸の周りで回転されている間、加熱される。この特許では、回転金型の内周面への凝固した図案要素の接着は、図案要素の塗布前に金型を加熱することにより改善可能とすることが開示されている。
【0005】
この特許の方法は、大きな対象物の装飾に有用であるが、それは、ラベル印刷物を満足のいくように塗布することおよび証印画像の解像度のために必要な精確さに欠ける。
【発明の目的】
【0006】
この発明の目的は、プラスチゾル製品への永続的な証印の貼付け方法を提供することにある。
また、この発明の目的は、高解像度の証印画像をプラスチゾル製品への精確な貼付けを可能にする方法を提供することにある。
さらに、この発明の目的は、回転成形されるプラスチゾル製品の壁内に証印をインモールド貼付けするための方法を提供することにある。
同様に、この発明の目的は、塗布が容易で、高い精確度と画像解像度を有する証印のインモールド貼付け方法を提供することにある。
他の、および関連する目的は以下の本発明の記載から明らかとなる。
【発明の概説】
【0007】
この発明は、キャリアシート上にプラスチゾルのベース層を成型することによりプラスチゾルの画像トランスファーを用意し、そのベース層を硬化し、続いて画像トランスファーを形成するため、プラスチゾルのベース層上に着色したプラスチゾルで証印を印刷し、各印刷工程後に印刷された画像トランスファーを硬化し、そして、画像トランスファーを最上層のプラスチゾルで上方から印刷し、その後、最後のトランスファーを硬化するものである。このトランスファーは、高い溶剤含有量の接着剤を金型内周面に塗布し、前記プラスチゾルのトランスファーをキャリアシートから剥がし、それを接着剤の塗布された金型面に向けて貼付け、さらに、カバーシートをトランスファーに向けて押圧し、その貼付けられたトランスファーを短時間で乾燥させ、その後別のやり方で従来のロト成形方法またはスラッシュ成形方法を続けることによって、所定の金型内周面に貼付けされる。好適な方法では、印刷されたトランスファーの回転金型内周面への貼付けを容易にするためプラスチゾルのベース層に離型剤が混合される。
【発明の詳細】
【0008】
本発明は、プラスチゾル製品、好適には回転成形により形成される中空形状のプラスチゾル製品に証印をインモールド貼付けするための方法である。従来の回転成形において、中空形状をしたプラスチック部品は、内部の金型キャビティを形成するパーティングライン上で合致するシール面を有する少なくとも2つの金型部分からなる回転金型へプラスチゾルを注入し、当該金型を閉じ、さらに成形部品を形成するのに十分な時間主軸および副軸の周りで当該金型を回転している間プラスチゾルの硬化温度まで当該金型を加熱し、当該金型を離型温度まで冷却し、当該金型を開きそして、成形部品を排出することによって形成される。
【0009】
この発明は、回転金型内に配置され成形部品の外側表面内で溶融するプラスチゾルの画像トランスファーを利用する。この発明で使用されるトランスファーを図1および2を参照して説明する。そのトランスファーは、スクリーン印刷を用いてキャリアシート上に多重層を印刷することにより用意される。
【0010】
図1はトランスファー10の側面図であって、明確化のため、垂直方向軸が非常に拡大されている。トランスファーはキャリアシートまたはフィルム20、好適には、厚さ0.5乃至約2ミル(mils)のポリエステルフィルムのような無色のプラスチックフィルムから構成される。好適なものではないが、代替的には、羊皮紙または、ポリオレフィンフィルムのような他のシートがある。
【0011】
無色または透明なプラスチゾルのベース層30が、相対的に細かいメッシュ、例えば約100乃至350メッシュ、好適には、滑らかな表面の層を得るため、200乃至325メッシュのスクリーンを用いてスクリーン印刷によりキャリアフィルム上に印刷される。この層の厚さは、約1乃至5ミル、好適には、約1乃至2ミルの間で可変である。プラスチゾルは、市販の、液状ペーストに混合されたポリ塩化ビニルと可塑剤の混合物であり、さらに、熱安定剤や顔料または他の色彩添加物のような成分を少量含むことができる。デュロメータ値(硬度)が30乃至約90ショアAを有するポリ塩化ビニルのプラスチゾルは本発明において有用である。典型的には、有用なプラスチゾルの固化温度は180乃至275度(華氏)の範囲であり、そして、溶融または硬化温度は180乃至375度(華氏)の範囲である。有用な可塑剤には、アルキルホスフェート、例えばリン酸トリクレシル、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル、例えば供給者推奨濃度で使用されるアジピン酸ジオクチルがある。
【0012】
証印の層40は、炭化水素ワックスのような適切なキャリア中の着色剤からなる単一層、または、各層が単一の色を持つ42、44のような多重の層であることが可能である。好適には、これらの層は、メッシュのサイズが350乃至約100メッシュのスクリーンでその解像度、または証印層に所望される細部の精密度に応じてスクリーン印刷によりプラスチゾルのベース層30の上方に印刷される。スクリーン印刷における従来と同様、画面は、好適には、写真画面であって、写真用感光乳剤の塗布された画面を所望の証印の配置画像で印刷された透明なオーバーレイを介して通過する光で露光され、それによって型板を形成するため非透過性材料を堆積する。その画面で達成される精密さまたは解像度は印刷された証印配置の高い解像度を与える高いメッシュサイズの画面を持つ画面メッシュに直接依存する。
【0013】
このように、証印層は、成形中、成形部品に付与するよう所望される図形またはアルファベットや数値配列のような印刷パターン中の証印材料からなる。アルファベットや数値の証印および/または、図形の挿絵を印刷したラベルは証印配置の優れた例である。図2はトランスファー10の底部表面46の図であって、証印画像が成形製品上に現れるとき無色のキャリアシート20を通過した証印画像であることが認められる。
【0014】
証印材料は、熱スクリーン印刷に適した印刷用混合物を形成するためプラスチゾルで混合される。その混合物は、好適には85乃至40重量パーセントのプラスチゾルと、15乃至60重量パーセントの証印材料のようなスクリーン印刷に適した割合でこれら成分を含有する。好適には、その混合物は60乃至80重量パーセントのプラスチゾルと、40乃至20重量パーセントの証印材料を含有する。所望するならば、スクリーン印刷用の最適粘度(100乃至1000センチポアーズ)を与えるように、燻蒸したシリカまたはケイ酸塩のような粘度添加剤を少量加えることも可能である。
【0015】
プラスチゾルの特性を改良するために、ヒンダードアミンのような紫外線保護剤、およびポリテルペン樹脂、樹脂および脂肪族ならびに芳香族の炭化水素のような粘着力向上剤の如き種々の添加剤を少量だけプラスチゾルに盛り込むことが可能である。光(紫外線)保護剤は、混合物の0.5乃至約1.5重量パーセントの濃度で、また粘着力向上剤は、混合物の約5乃至約35重量パーセントの量で用いることが可能である。
【0016】
有用な証印材料には、フレーク状または球状をした金属粒ばかりでなく顔料や色素のような着色剤を用いることが可能である。有用な着色剤としては、無機顔料を含有するものを含み、例えば、二酸化チタン(ルチル(金紅石) アナターゼ(鋭錐石))、酸化亜鉛や、黄色、淡黄色、黄褐色、茶色、鮭肉色および黒色の色合いを有する酸化鉄、淡黄色から赤いオレンジ色をしたクロム酸鉄およびモリブデン酸鉄、クロム酸鉛、硫酸鉛、モリブデン酸鉛、クロムイエローおよびオレンジ色、カドミウム顔料であって純粋なカドミウム色の様々な黄、オレンジ、赤および栗色のものあるいは硫化バリウムまたは硫セレン化カドミウムを含むもの、ニッケルと二酸化チタンの混合物、フェリ−フェロシアン化物のナトリウム、カリウムまたはアンモニウム配位化合物、群青(カオリン、炭酸ナトリウム、シリカ、硫黄、および還元剤を焼成した混合物)、アルミン酸コバルト(コバルトブルー)、酸化クロム、アルミニウム・亜鉛・銅・ホウ酸のパウダーのような金属フレーク顔料、メタルシルバー顔料、真珠光沢をもつ虹色の塩基性炭酸鉛(鉛白)のフレーク、オキシ塩化ビスマスとチタンを塗布した雲母などがある。様々の有用な有機顔料には、ベンズイミダゾール顔料のようなアゾ顔料、ピラゾロール顔料、銅フタロシアニンキナクリドン、アントラキノン、縮合顔料、テトラクロロイソインドリンオン類、カーボンブラック等が含まれる。
【0017】
熱スクリーン印刷に使用されるスクリーンは、メッシュサイズが100乃至350メッシュであって、より精細なスクリーン(より高いメッシュ値)は高い写真画質を忠実にシミュレートできる高い解像度の印刷用に使用される。好適には、225乃至325のメッシュサイズを有するスクリーンがベース層および証印層を印刷するのに使用され、したがって、ベースおよび証印の層に対し非常に滑らかな表面でしかも証印層に対する高い画像解像度を提供する。
【0018】
サポート層50は証印層の上方に印刷される。好適には、この層は厚さ3乃至約7ミルを有するが、最も好適には、キャリアシート20から剥がすときトランスファーを支える本体部分を用意するため3乃至4ミルである。さらに、シリコンや石鹸のような離型剤、例えばアルミニウムステアリン酸塩を有することが好適である。離型剤は、最上層50に対し非粘着性の表面を提供するのに十分であるように、0.3乃至約1.3重量パーセントの濃度で使用される。この層は、好適には、最上層50に対し相対的に粗い外表面52を与えるために100乃至約200のメッシュサイズを有するスクリーンを用いてプラスチゾルで印刷される。
【0019】
それらのプラスチゾル層は、各印刷工程後に、プラスチゾルにとり必要とされる固化温度まで、印刷されたトランスファーを加熱する。典型的には、トランスファーは、プラスチゾル供給者の仕様に対応してプラスチゾルを固化するのに十分な時間間隔で、180乃至275度(華氏)の温度に加熱される。
【0020】
トランスファー10は、回転金型内周面の選択された場所にトランスファーの束12を貼付けることにより回転成形方法の中で使用される。トランスファー束の貼付けの前に、金型面の選択された場所には接着剤が塗布される。好適には、高濃度の揮発性溶剤を有する接着剤配合物が金型面にスプレー、ブラシまたは他の手段で貼付けられる。適切な接着剤は、揮発性有機溶剤の中にロジンのような粘着力向上剤、芳香族および脂肪族炭化水素樹脂、およびテルペンをベースにした樹脂の5乃至35重量パーセントからなる。その溶剤は、接着剤配合物の65乃至95重量パーセントからなり、ヘキサンまたは脂肪族炭化水素の溶剤、ミネラルスピリッツ、ストッダード溶剤、等のようなどんな揮発性溶剤でもよい。
【0021】
トランスファー束12は、キャリアシート20から剥がされ、滑らかな表面32(図1参照)が露出している。そのトランスファー束12は、接着剤の塗布された回転金型の選択された表面の場所に向けて貼付けられる。このトランスファー束12は、ローラまたは圧搾手段を用いて金型面に向け押圧される。いくつかの適用例では、キャリアシート20のような保護シートをトランスファー束の外表面52の上方から貼付けることが可能であり、また、金型表面に向けしっかりとトランスファー束12を押し付けるためそのキャリアシートに圧力が加えられる。その圧力は、トランスファー束と金型表面の間に空気の泡が含まれないのを確実にするためトランスファー束に加えられる。大抵の製品への適用においては、ある上昇した温度、例えば、前の成形サイクルの間に金型が冷却される離型または排出の温度にされることが可能である。この温度は、60乃至130度(華氏)である。
【0022】
トランスファー束が金型表面に貼付けられた後、接着剤は貼付け後およそ30秒以内に乾燥する。その後、液状または微粒子固体で、所望の壁厚さを持つ成形製品を作るよう計算された量の背景用プラスチゾルが金型へ注入される。これら全ては従来の回転成形に対応している。金型は、その後閉じられ、そしてプラスチゾルの溶融温度、典型的には、300乃至約350度(華氏)に加熱され、さらに、金型はプラスチゾルを硬化させるためその溶融温度にて十分な時間、典型的には1乃至約10分間、主軸および副軸の周りで回転されている間加熱される。その後、金型は離型温度まで冷却され、次いで型開きされて成形したプラスチゾル製品が排出される。当該製品は、外側壁表面の所定場所の内部に永続的に成形されたトランスファー束の証印配置を有する。
【0023】
本発明で得られる結果を明示するのに役立つ以下の実施例により本発明の方法が例示される。
【実施例1】
【0024】
本発明を用いて、バンパー外表面中央部分へ4インチ×1.5インチの卵形をした製造者のロゴを永続的に成形するため、約16インチ長さ、5インチ幅で厚さが3.5インチの中空形状をしたポリ塩化ビニル製のブイが用意される。
【0025】
シリコンの離型剤で塗布した無色のポリエステルフィルム上に厚さ約2ミルの無色プラスチゾルベース層を印刷することによりトランスファーが用意される。そのプラスチゾルはデュロメータ値が70ショアAのポリ塩化ビニルである。ベース層は250度(華氏)の温度に加熱することで固化され、その後、冷却される。そして、第1の証印層が固化したベース層の上から印刷される。その印刷の際、厚さ1ミルの層を堆積するため275メッシュのスクリーンを用い、約30重量パーセントのチオシアン酸塩ブルーの着色剤を含む液状プラスチゾルを用いている。その第1の証印層はキャリアシートおよび複数層を250度(華氏)まで加熱することにより固化される。トランスファーは冷却され、さらに、第2の証印層が印刷される。その印刷の際、厚さ1ミルの第2の証印層を堆積するため275メッシュのスクリーンを用い、30重量パーセントの白(二酸化チタン)の着色剤を含む液状プラスチゾルを用いている。トランスファーはその後、第2の証印層を硬化するのに十分な時間250度(華氏)の温度に加熱される。冷却後、トランスファーは、15重量パーセントのステアリン酸アルミニウムを含む無色の液状プラスチゾルで印刷される。その印刷の際、厚さ4ミルの最上層を堆積するために120メッシュのスクリーンが用いられる。トランスファーはその後、最上のプラスチゾル層を硬化するために250度(華氏)まで加熱される。
【0026】
スタッダード溶剤に溶解された30重量パーセントの炭化水素樹脂の接着剤を含む接着剤の噴霧(スプレー)が船のバンパー用回転金型の選択された領域に塗布される。トランスファーはキャリアシートトランスファーから剥がされ、当該トランスファーの第1の無色の層の印刷された表面が露出している。この表面が接着剤を塗布された金型の領域に配置され、そしてトランスファーは柔らかなシリコン製ゴムローラで金型に向け押圧されて付着し、空気の泡を追い出す。
【0027】
ブイを形成するのに十分な量のプラスチゾルが金型キャビティ内に注入される。このプラスチゾルは30重量パーセントの二酸化チタンを含み、デュロメータ値が55ショアAを有する。金型が閉じられ、450度(華氏)まで加熱されることで従来の成形サイクルにおける処理が行われ、そして金型を主軸および副軸の周りで回転させながら8分間その温度を維持する。金型は約16分間冷却され、そして壁厚が0.125インチのブイが排出される。そのバンパーは外側の壁に永続的に埋め込まれた製造者のロゴを有する。
【実施例2】
【0028】
自動車のコンソールカバーは、本発明を利用して自動車製造者のロゴを備えて永続的にインプリントされる。トランスファーは、ロゴが単一のブルー色で印刷される単一の証印層を使用する点以外は、実施例1に記載した手順を用いて用意される。トランスファーは噴霧接着剤と実施例1に記載した手順を用いて、カバーの最上壁に組み込まれるように金型の選択された領域に貼付けられる。このカバーは約10×4.5×4インチで、液状プラスチゾルの回転成形によって形成される。そのトランスファーは、カバーの最上壁の中に永続的に成形されており、その壁の表面と完全に平らな面である。
【0029】
本発明は、例示され、現状での好適な実施例を参照して説明された。本発明はこの現状での好適な実施例の開示により不当に制限されると解釈すべきでない。その代わりに、本発明は特許請求の範囲に記載された用語の意味およびそれらの明白な均等物により定められると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に使用されるトランスファーの非常に拡大された側面図である。
【図2】本発明に使用されるトランスファーの上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形の証印およびアルファベットや数値の証印を中空形状のプラスチゾル部品の回転成形中にインモールド貼付けするため、一組のプラスチゾル証印が回転金型内周面に貼付けられ、背景用プラスチゾルが金型に注入され、前記金型が閉じられ、その軸の周りで回転されている間プラスチゾルの硬化温度に上昇加熱され、さらに冷却されて、成形した中空形状の対象物が排出されるようにする方法であって、その改良は、
a.次の工程i、ii、iiiによりプラスチゾルの証印トランスファーを用意し、
i プラスチゾルのベース層を堆積するため100乃至350メッシュの間のメッシュを有する印刷スクリーンを用いてキャリアシート上にプラスチゾルを印刷し、前記ベース層をプラスチゾルの硬化温度に加熱することによりその堆積されたプラスチゾルを硬化する工程
ii 少なくとも1つのプラスチゾル証印層を堆積するため100乃至350メッシュの間のメッシュを有するスクリーンを用いて前記ベース層の上から証印材料を含むプラスチゾル混合物を印刷し、堆積された証印層をプラスチゾルの硬化温度に加熱することにより該堆積された証印層を硬化する工程、および、
iii サポート層を堆積するため100乃至200メッシュのメッシュサイズを有するスクリーンを用いて前記証印層の上からプラスチゾル混合物を印刷し、さらに、前記サポート層をプラスチゾルの硬化温度に加熱することにより硬化する工程
b.接着剤の塗布された選択領域を得るため、5乃至25重量パーセントの粘着性向上剤と95乃至75重量パーセントの揮発性炭化水素の溶剤からなる接着剤組成物を回転金型の内面の選択された領域に貼付け、そして、
c.前記証印トランスファーから前記キャリアシートを剥がし、さらに、前記トランスファーのベース層が前記接着剤の塗布された選択領域に向くように前記トランスファーを前記接着剤の塗布された選択領域に貼付け、前記選択された領域に前記トランスファーを固着するように前記金型の接着剤の塗布された選択領域に向けて前記トランスファーを押圧する、
ことからなる方法。
【請求項2】
前記証印は多重色の証印材料からなり、その多重色の各々は、各色用に特定の型板を有するスクリーンを用いて前記工程(ii)における別々の層として印刷されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記証印混合物は、プラスチゾル中での証印材料濃度が1乃至70重量パーセントの証印材料からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記証印混合物は、プラスチゾル中での証印材料濃度が15乃至40重量パーセントの証印材料からなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記粘着性向上剤は、ロジン、芳香族および脂肪族の炭化水素樹脂およびワックス、合成炭化水素のワックス、酸化合成ワックス、テルペンをベースとする樹脂およびそれらの混合物から構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記炭化水素の溶剤は、ヘキサンまたは脂肪族の炭化水素の溶剤、ミネラルスピリッツ、およびそれらの混合物から構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サポート層を形成するため前記工程(iii)で使用されるプラスチゾル中に離型剤を混入する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記離型剤はステアリン酸アルミニウムであることを特徴とする請求項7に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−538239(P2009−538239A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505490(P2009−505490)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/009081
【国際公開番号】WO2007/120800
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508020616)
【Fターム(参考)】