説明

プラスチック管

本発明はプラスチック管に関し、該プラスチック管は外側層、内側層及び少なくとも一つの中間層を含み、隣接する層は各々連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプ壁が外側層、内側層、及び少なくとも一つの中間層から構築され、隣接する層が互いに連結されるプラスチックパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような多層パイプは直径10または30cmであってよいが、同様に直径数メートルであってもよい。
【0003】
前記パイプは、例えば欧州特許第0360758B1号明細書から知られるように遠心キャスト法により製造されてよい。これらの方法で、長さ6メーター以上のパイプ部分が製造され得る。例えば硬化樹脂(特にポリエステル樹脂)、充填材及びガラス繊維等の基本的な材料は、回転する型内部でいわゆるフィーダーによって個々の層を形成するために様々な重量部分に遠心作用を加えられる。樹脂を硬化することでパイプは最終的にその安定性を得る。
【0004】
欧州特許第0360758B1号明細書は、様々な層構造に関する例を示す。個々の層の量及び組成はパイプのサイズ及びその用途に著しく依存する。従来技術は、圧力下でパイプ内部を流体が輸送される“圧力パイプ”と、例えば排水パイプ等の“常圧パイプ”との間の差異を例示的な方法で明らかにする。
【0005】
多くの用途において、パイプは地下に埋設され、様々な機械的歪み及び応力を受ける。例えば衝撃応力による破壊を避けるために、それ自身は剛性な性質を有するパイプにはある程度の柔軟性が必要である。
【0006】
この目的で、テキスタイルガラス繊維により補強された、及び/または添加剤または充填材を各々有する個々の層を有する上述のようなタイプのパイプが知られている。製造の間型を回転することによって、最終的な硬化プロセスの前に個々の層は緻密化されてよい。
【0007】
これらの方法によって、パイプ全体の安定性が改良される。前記パイプは衝撃応力またはたわみに対する抵抗を有し、様々な分野の用途にとって十分なものである。
【0008】
この点で、以下の試験が知られている:
パイプは、パイプに横方向の安定性を提供するV字型テーブル上に配置される。異なる重量の重り(0.5kg、1kg、2kg、3kg等)が様々な高さ(通常は0.1メータ間隔で0.1から2.4メータ)からパイプの外側表面上部に落とされる。
【0009】
各高さレベルからの各試験において、15回繰り返し試験が実行される。
【0010】
パイプ片の内側表面上の視認されるクラックによって、“割れ”ていると評価される。この場合、線形クラック(通常パイプの円周方向)は星型クラックと区別される。
【0011】
最大の高さ及び/または最大の重量において、15回繰り返した全ての場合について内側パイプ表面上にクラックがない状況が認められた場合には、100%衝撃耐性が定義される。
【0012】
そして完全な破壊とは、15回の繰り返し試験全てで視認されるクラックが観察されたときに想定される。
【0013】
試験装置の原則的な構造的配置は図1に示される。
【特許文献1】欧州特許第0360758B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、今まで知られたパイプと比較してより高い衝撃強度を有する上述のタイプのプラスチックパイプを提供する。そのようなパイプは、例えば地上でのパイプ設置のように、ある用途において要求される。
【0015】
この課題を解決する目的で、多くの実験及び試験が実施された。個々の層の構造と同様にパイプの構造は系統的に試験され、分析された。個々の層の厚みまたはそれらの順序の変化と同様に、衝撃に対する抵抗性能に対する基本的な材料の影響も試験された。
【0016】
これ以降、以下の専門用語が使われる:パイプは外側層(=外側被覆層)、内側被覆層(=内側層)、同様にそれらの間の少なくとも一つの構造層、これ以降中間層とよぶ、を有する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、例えば個々の中間層の順序の変更、または製造プロセスの個々のパラメータの変更はパイプの機械的性質に対して比較的小さい影響を与えるという知識に基づく。パイプのこれらの性質は、内側層を除く少なくとも一つのさらなる層(外側層、中間層)がその物理的性質に関して変更されるとき、より高い衝撃強度へと決定的に改良され得る。
【0018】
そのような層、これ以降機能層とよぶ、の物理的性質の変更は、同様の最終的効果を持つ二つの方法で達成されてよい:
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
第1の実施形態:機能層は、機能層の内側の径方向に配置された、少なくとも一つの層の樹脂と、以下の物理特性の少なくとも一つにおいて異なる樹脂を含む:弾性率がより小さい、破壊伸び(同じく破断伸び、極限歪)がより大きい、軟化温度がより低い。
【0020】
第2の実施形態:機能層は、パイプの外側層上に衝撃エネルギーが働いたときに、不可逆的に、部分的に塑性的に変形する少なくとも一つの添加物(凝集体)を含む。
【0021】
第1の形態では、樹脂は変更される。第2の形態では、層の組成が変更される。双方の場合で結果は同じ効果を有する。パイプ全体の衝撃強度は大きく改良される。加重下のパイプの延性は最適化される。基本的には、特に以下の効果がパイプの機械的応力、特に衝撃応力の結果として生じる。
−機能層内の、クラック、特にマイクロクラックまたは剥離が添加物と周囲の樹脂との間で形成される。
−機能層内の、多孔性または変形可能な添加物によって充填された領域が変形される。
−機能層と隣接する層との間の表面化合物が少なくとも部分的に中断される。
【0022】
クラック、特にマイクロクラックは、問題の機能層が、少なくとも一つの径方向の内側に続く層の樹脂の対応する値で示される大きさとは異なる弾性率、破壊伸び及び/または軟化温度を有するようなときに、形成される。
【0023】
マイクロクラックは、最高1mm、特に最高500μmの長さのクラックである。
【0024】
この場合、一つの実施形態では、弾性率は径方向の内側の隣接する層の弾性率と比較して少なくとも25%小さい。このような低減は、実施形態により同様に>33%、>50%、>66%、>75%、または>90%でさえあってよい。
【0025】
そこで、例としては、内側層方向の隣接する中間層が弾性率2000−4000MPaの樹脂(ポリエステル樹脂)を含むのに対して、機能層として形成された中間層は、弾性率が約100MPa程度である樹脂を含んでよい。本発明によりここで達成される効果は他には以下のようなものである:衝撃により生じた変形波は、低E弾性率の機能層から続く高E弾性率の層内部に移動する間、変形エネルギーの一部のみがさらに連続するように、部分的に反射される。
【0026】
機能層の樹脂の選択は、代わりにまたは追加的に、破壊伸びによって行なわれてよく、破壊伸びは内側パイプ層に向かって続く層中の樹脂よりも大きい。ここで、機能層の樹脂は少なくとも30%大きい破壊伸びを有してよい。しかしながら、破壊伸びは、“内側に”隣接するさらなる層の樹脂の破壊伸びと比較して、>50%または>100%であってもよい。
【0027】
実際の値では、例えば、パイプの内側中間層の破壊伸びは2−2.5%であってよく、一方で外側に向かって隣接する中間層(機能層)の破壊伸びは少なくとも5%であり、10%、20%、または50%であってもよい。
【0028】
課題を解決するためにさらに可能な基準は、機能層の樹脂の選択であり、該層の軟化温度は径方向の内側に続く層の軟化温度と比較して低い。従来知られる遠心パイプのための従来のポリエステルが軟化温度100−130℃(ISO 75に従って決定される)であるのに対して、本発明により設定される機能層の樹脂の軟化温度は少なくとも20%低く、30%以上または50%以上の低減が好ましい可能性がある。従って、この機能層の樹脂はより絡み合いが少なく、例えば融解温度が<80℃、<50℃または<25℃である。
【0029】
機械的歪の下で機能層に生じるマイクロクラックは、エネルギーの大きな減衰につながり、結果的に内側隣接層内部に通過される弾性衝撃エネルギーの大きな低減につながる。これらの機能層は、パイプのさらなる主要な構造的性質に影響しない。他の全ての層が、もし機能層がない場合にも要求される構造特性を満たすように設計されているため、マイクロクラックまたは剥離は、パイプの使用上の特性に負の影響を与えない。
【0030】
上述の衝撃試験に関して、このことは、従来知られたパイプと比較して、パイプの内側の壁上において同じ試験条件下で観察されるクラックが非常に少ないことを意味する。
【0031】
外側層及び中間層は、樹脂(結合剤)に加えて、少なくとも一つの以下のさらなる成分を含んでよい:
層内には、SiO、MgO、CaO、Al、MgCO、CaCO、Al(OH)、タルク、カオリン、BaSO、CaSO、またはそれらの混合物に基づく充填材が分散されてよい。充填材は通常粒子サイズが<1.0mmであり、粒子サイズ0.1mm以下が好ましい可能性がある。
【0032】
一つの実施形態では、充填材部分(各層内部の)は、各層の樹脂部分に対して25から250重量%の間である。
【0033】
同様の方法で、外側及び中間層はガラス繊維を(単独で、または充填材といっしょに)含んでよく、例えばガラス繊維の長さは<60mmであり、より短いガラス繊維(<30mmまたは<15mm)が使用されてよい。一つの実施形態によると、ガラス繊維部分は、各層に対して5から70重量%である。
【0034】
機能層の添加物として、以下の材料が適切である:発泡ガラス、中空ガラス、膨張パーライト、膨張バーミキュライト、軽石、ゴム(caoutchouc)、エラストマー、熱可塑性プラスチック、または同様のもの、特に粒子サイズが<10mmである。これら添加物は全て、嵩高く、多孔性、低重量、及び機械的強度が低く容易に変形可能なものである。一方では、強度は、破壊されておらず且つ変形されていない添加物を樹脂マトリックス中に最大に分散するのに十分である。他方では、強度/安定性は、対応する衝撃応力の下で添加物が破壊されまたは変形されるように非常に低い。ここで、特に添加物が破壊されるとき、層内に、変化した幾何学的形状の新たな欠乏(中空の空間)が形成される。変形可能な弾性添加物によって、添加物を含む構造物領域は加重下で変形される。双方の構造的変化は不可逆的である。後者の場合には、添加物の塑性変形が所望される。しかしながら、添加物粒子と周囲のマトリックス材料との間の剥離も同様に起こる。
【0035】
様々な実施形態において、添加物の粒子サイズは10mmよりもずっと低くてよく、例えば<6mm、<4mm、<2mm、<1mmまたは<0.5mmである。
【0036】
原則的に以下のことが適用される:多くの小さなクラック、及び多くの小さな新たな中空空間または材料構造の変形は、少量の大きなクラックまたは少量の大きな中空空間/領域よりもエネルギー減衰を増加する。
【0037】
上述の添加物部分は、各(全)中間層に対して5から50重量%の間、または最高90体積パーセントであり、多くの場合は60−80体積%で十分である。しかし、体積分率がより低くても(最高10、20または30%)、低くはなるが、同様に上述の効果が得られる。
【0038】
周囲の樹脂マトリックスから剥離する、または機械的な力の影響下で変形及び/または破壊する上述の添加剤は、発明に係る機能層を形成するために、樹脂とは独立に、上述の目的のために同様に使われてよい。
【0039】
しかしながら、本発明が、従来技術による、例えば弾性率2,000−8,000MPaの従来の樹脂を含む機能層を有するパイプを含む限りは、少なくとも一つの上述の添加剤が分散される。添加剤のタイプ、そのサイズ及び全機能層重量におけるその割り当てられた量は前述した詳細な記述に対応してよい。
【0040】
外側から内側へと観測されるように、上述のタイプの第1機能層の後に上述のタイプの第2機能層及び/または径方向に外側の層からのクラック伝播を停止するのに特に適切なさらなる層(中間層または内側層)のどちらかが続く場合には、それは本発明に関連する考えを支持する。これは特に樹脂に加えてガラス繊維も含む層に関して適用される。それは、もしもさらなる層のガラス繊維の部分がパイプの軸方向に走るならば、この場合さらに利点となる。このさらなる内側層で、前述の記載に従う従来の樹脂が樹脂として使用されてよい。
【0041】
この内側層に関しては、それに沿って例えば水等の流体が流れ、非常に平滑な表面が要求されるので、純粋な樹脂層が、内側層として一般的に使用される。この内側層に関して、上述のタイプの従来の樹脂が使用されてよく、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸またはテトラヒドロフタル酸に基づくポリエステル樹脂、同様に例えばビスフェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂またはポリウレタン樹脂が使用されてよい。
【0042】
本発明のさらなる特徴は、他の応用の文書と同様に、サブクレームの特徴から生じる。
【0043】
本発明は、様々な実施形態に基づいて以下に詳細に記述される。
【0044】
図が以下に示され、各々特徴的概略の説明であり、正確な縮尺ではない。
【0045】
図2−4の各々は、プラスチックパイプのパイプ壁の断面を示す。これらのプラスチックパイプの各々は、ここでは−例示的方法において−五つの層、外側層10、内側層12及びその間に配置された層14、16、18からなる。
【0046】
全ての例において、外側層10は、ポリエステル樹脂A(弾性率:3,000MPa、引張強度:約60MPa、破壊伸び:約2.5%)30重量%、及び粒子片が<1mmのケイ砂70重量%の混合物からなる。
【0047】
全ての例において内側層12は、弾性率約200MPa、引張強度約20MPa、及び破壊伸び約50%のポリエステル樹脂Bのみからなる。
【0048】
図2による実施形態において、中間層の構造的な配置は以下のようなものである:
外側層10に隣接する中間層14は、約35重量%のポリエステル樹脂Bと約65重量%の粒子片<0.5mmの炭酸カルシウムとからなる。
【0049】
隣接する中間層16は、特殊な樹脂Cを40重量%、及び粒子片<0.5mmの炭酸カルシウム60重量%の混合物から形成される。特殊な樹脂Cは、弾性率約500MPa、引張強度約30MPa及び破壊伸び約20%のポリエステル樹脂である。
【0050】
中間層16と内側層12との間に、約50重量%のポリエステル樹脂A、10重量%の微細スケールのドロマイト(<1mm)、及び40重量%の直径約10μm及び長さ25mmのガラス繊維からなる、さらなる中間層18が形成される。この場合、ガラス繊維の配向は主にパイプの接線方向である。
【0051】
図2において、矢印で示された衝撃エネルギーは、中間層14、16、18によって、ここで特に、各々の場合において“外側”から“内側”へ、異なる及びより高い弾性率を有する樹脂を選択することにより、減衰される。従って中間層14、16は、上述の意味において機能層である。より高衝撃応力の用途であっても最大限内側層12が損傷を受けずに残るように、中間層16の領域において、例えば、続く中間層18によって、さらなるプロセスにおいて、停止されるマイクロクラックが形成される。
【0052】
図2において、及び層16の領域において、マイクロクラックは誇張されて大きく概略的に表される。層18の領域におけるガラス繊維の記号的な説明及びそれらの経路も誇張されている。
【0053】
図3による実施形態において、外側層10に続く中間層14は、エネルギー減衰機能層として形成され、直径<2mmの中空ガラス球が分散され、層全体の量に対する中空ガラス球の体積分が約70%である、上述の特殊な樹脂Cからなる。
【0054】
中間層14には、図2における中間層16と同様に配置された機能層16が続く。これも、内側層12の前のさらなる中間層18の配列に関して適用される。
【0055】
図2による実施形態よりも大きな適用形態において、図3による壁の構造的配置を有するパイプが衝撃エネルギーを吸収してよい。中空ガラス球を有する機能層14が、ここでは本質的な役割を演じる。例えば、外側の径方向に衝撃応力が与えられ、誇張されて示される中空ガラス球の破壊が起こり、引き続いて起こる、層14の材料構造内の中空ガラス球によって制限された中空空間の変形または破壊につながり、それを通じて衝撃による応力が低減され得る。
【0056】
この応力の低減は、層16内でも続く。
【0057】
層14内の衝撃エネルギーの“予備的な減衰”によって、図2による実施形態と比較して少ないマイクロクラックが形成される(単に4つのクラックのイラストによって概念的に認識される)。結果的に、そのようなパイプは大きな、及び長く続く衝撃応力の適用に抵抗することができ、内側層12上にクラックの形成は観察されなかった。
【0058】
図4のパイプの断面は、外側層10及び機能層14に関する図2の例に対応する。
【0059】
対照的に、中間層16及び内側層12の間に形成されるさらなる中間層18は、ガラス繊維とともに特殊な樹脂C(軟化温度が50℃である)から形成されるのに対して、続く中間層16は上述のタイプの純粋な特殊な樹脂Cからなる。
【0060】
中間層16の領域において、マイクロクラックが再び形成され、パイプが対応する衝撃応力の適用を受ける限り、内側層12の方向におけるクラック伝播は、それに続くさらなる中間層18によって停止される。
【0061】
さらに中間層18及び内側層12の間の部分的な剥離が、数字19で参照され概略説明されるように、対応する表面領域内で起こる。
【0062】
これらの表面の剥離はことごとく最大で数mmの範囲にある。層18と層12との間の表面に沿った幾つかのそのような剥離によって、外側から開始したクラック伝播は内側層12において停止する。
【0063】
図に概略的に示される三つの中間層の代わりに、二つだけ、または三つ以上の中間層が提供されてよく、それによって少なくとも一つ、より良くは少なくとも二つの中間層が機能層として形成される。
【0064】
上述の測定によると、本発明により設計され、構築されたパイプは、最先端のパイプに対して、衝撃応力への抵抗が優れている。
【0065】
弾性率がここで述べられる範囲である限り、これはISO 527により決定される。
【0066】
与えられる引張強度データはISO 178に従って決定される。
【0067】
破壊伸びの詳細は、ISO 527、ISO 178に従って選択される。
【0068】
軟化温度はISO 75Aに従って決定される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】試験装置の原則的な構造的配置を示す。
【図2】プラスチックパイプの第1実施形態におけるパイプ壁の断面を示す。
【図3】プラスチックパイプの第2実施形態におけるパイプ壁の断面を示す。
【図4】プラスチックパイプの第3実施形態におけるパイプ壁の断面を示す。
【符号の説明】
【0070】
10 外側層
12 内側層
14、16、18 中間層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプの壁が外側層(10)、内側層(12)、及び少なくとも一つの中間層(14、16、18)を有し、隣接する層が互いに連結され、内側層(12)を除く少なくとも一つの層が機能層として形成され、前記機能層は、
a)径方向且つ内側に続く少なくとも一つの層の樹脂と比較して、以下の物理的特徴のうち少なくとも一つが異なる樹脂を含む:すなわち、弾性率がより低い、破壊伸びがより大きい、軟化温度がより低い、
及び/または
b)前記外側層(10)上部へ衝撃エネルギーが与えられた場合に不可逆的に変形する少なくとも一つの添加物を含む、
ことを特徴とするプラスチックパイプ。
【請求項2】
前記機能層が、前記パイプの前記外側層上部に衝撃エネルギーが与えられるときに塑性的に変形する添加物を含む、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項3】
前記機能層の樹脂の弾性率が少なくとも25%小さい、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項4】
前記機能層の樹脂の弾性率が少なくとも50%小さい、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項5】
前記機能層の樹脂の破壊伸びが少なくとも30%大きい、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項6】
前記機能層の樹脂の軟化温度が少なくとも50%小さい、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項7】
前記機能層が、以下の性質:
100から500MPaの間の弾性率、
5から40MPaの間の引張強度、
破壊伸び >10%、
軟化温度 <100℃、
のうち少なくとも一つを有する樹脂を含む、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項8】
前記内側層(12)を除く、少なくとも一つの層(10、14、16、18)が、樹脂に加えて、以下の成分:
SiO、MgO、CaO、MgCO、CaCO、Al、BaSO、タルク、カオリン、Al(OH)、CaSOまたはそれらの混合物に基づく充填材、
ガラス繊維、
を少なくとも一つ含む、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項9】
前記充填材が粒子サイズ<0.2mmである、請求項8に記載のプラスチックパイプ。
【請求項10】
前記層(10、14、16、18)の各々の樹脂部分に関して、前記充填材を25から250重量%含む、請求項8に記載のプラスチックパイプ。
【請求項11】
前記ガラス繊維の長さが<60mmである、請求項8に記載のプラスチックパイプ。
【請求項12】
前記ガラス繊維の部分が前記個別の層(18)に関して5から70重量%である、請求項8に記載のプラスチックパイプ。
【請求項13】
前記添加物が、以下の群:
発泡ガラス、中空ガラス、膨張パーライト、膨張バーミキュライト、軽石、ゴム、エラストマー、熱可塑性プラスチック、
から個別に、または組み合わせて得られる、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項14】
前記添加物が粒子サイズ<10mmである、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項15】
前記添加剤の部分が前記個別の層(14)に関して10から90体積%である、請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項16】
内側層(12)が純粋な樹脂層である、請求項1に記載のプラスチックパイプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−520460(P2008−520460A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541789(P2007−541789)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012310
【国際公開番号】WO2006/053742
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507045007)カノフ・ケルン・アンド・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】