説明

プラズマディスプレイパネルおよびその駆動方法

【課題】隔壁を備えたPDPにおいて、放電特性の改善と輝度の向上および暗コントラストの向上を図る。
【解決手段】放電空間を介して対向する前面ガラス基板1および背面ガラス基板4と、この前面ガラス基板1側に設けられた複数の行電極対(X,Y)と、背面ガラス基板4側に行電極対(X,Y)に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対(X,Y)との各交差部分の放電空間にそれぞれ放電セルCを形成する複数の列電極Dと、この列電極Dと行電極対(X,Y)の間の放電セルCに面する位置に設けられた蛍光体層7とを備え、放電空間S内に、ネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入され、前面ガラス基板1と背面ガラス基板4の間に放電空間を放電セルC毎に区画する隔壁6が設けられているとともに、蛍光体層7に酸化マグネシウムが含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラズマディスプレイパネルの構成およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
面放電方式交流型プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)は、一般的に、放電ガスが封入されている放電空間を挟んで互いに対向される二枚のガラス基板のうち、一方のガラス基板に行方向に延びる行電極対が列方向に並設され、他方のガラス基板に列方向に延びる列電極が行方向に並設されていて、放電空間の行電極対と列電極がそれぞれ交差する部分に、マトリックス状に配置される放電セルが形成されている。
【0003】
このような構成の従来のPDPには、行電極対を被覆する誘電体層の表面の放電セルに面する部分に、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウム層を有する保護層が形成され、放電空間内にネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来のPDPは、保護層が酸化マグネシウム結晶体を含んでいることによって、PDPにおける放電確率や放電遅れなどの放電特性を改善して良好な放電特性を得ることが出来るとともに、放電ガスにヘリウム・ガスが混合されていることによって、PDPの放電遅れ特性を従来のPDPに比べて改善することが出来るという技術的効果を発揮することが出来る。
【0005】
しかしながら、PDPに対しては、近年のフルHDのような画面の高精細化に伴って、更なる放電特性の改善および輝度の向上と、PDPの駆動時における暗コントラストの低下を防止出来るPDPの開発が強く要望されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−79977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上記のような従来のPDPに対する要望に応えることをその技術的課題の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明(請求項1に記載の発明)によるPDPは、上記課題を解決するために、放電空間を介して対向する一対の基板と、この一対の基板の一方の基板側に設けられた複数の行電極対と、他方の基板側に行電極対に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対との各交差部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を形成する複数の列電極と、この列電極と行電極対との間の単位発光領域に面する位置に設けられた蛍光体層とを備えているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記放電空間内に、ネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入され、前記蛍光体層に二次電子放出材が含まれていて、この二次電子放出材が、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウムであることを特徴としている。
【0009】
第2の発明(請求項8に記載の発明)によるPDPの駆動方法は、前記課題を達成するために、放電空間を介して対向する一対の基板と、この一対の基板の一方の基板側に設けられた複数の行電極対と、他方の基板側に行電極対に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対との各交差部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を形成する複数の列電極と、この列電極と行電極対との間の単位発光領域に面する位置に設けられて二次電子放出材を含む蛍光体層とを備え、放電空間内にネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されたプラズマディスプレイパネルの駆動行程が、前記行電極対を構成する一方の行電極に電圧パルスが印加されるとともに、この電圧パルスが印加された一方の行電極に対して列電極の電位が相対的に負極側に設定されることによって、列電極と一方の行電極との間に対向放電が発生される行程を含んでいることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明によるPDPは、放電空間を介して対向する一対の基板と、この一対の基板の一方の基板側に設けられた複数の行電極対と、他方の基板側に行電極対に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対との各交差部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を形成する複数の列電極と、この列電極と行電極対との間の単位発光領域に面する位置に設けられた蛍光体層とを備え、放電空間内に、ネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入され、蛍光体層に二次電子放出材が含まれていて、この二次電子放出材が、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウムであるPDPを、最良の実施形態としている。
【0011】
そして、この発明によるPDPの駆動方法は、上記実施形態のPDPにおいて、駆動行程に、行電極対を構成する一方の行電極に電圧パルスが印加されるとともに、この電圧パルスが印加された一方の行電極に対して列電極の電位が相対的に負極側に設定されることによって、列電極と一方の行電極との間に蛍光体層を挟んで対向放電が発生される行程が含まれている駆動方法を、最良の実施形態としている。
【0012】
上記実施形態におけるPDPは、一対の基板の間の放電空間が横壁および縦壁を備えた隔壁によって区画されたPDPにおいて、単位発光領域に面する位置に形成された蛍光体層が二次電子放出材を含んでいて、この蛍光体層を挟んで位置する行電極対の一方の行電極と列電極との間で対向放電が行われることにより、この放電発生時に、単位発光領域内において放電ガスから生成される陽イオンが蛍光体層に含まれている二次電子放出材と衝突して、この二次電子放出材から単位発光領域内に二次電子が放出される。
【0013】
これによって、この一方の行電極と列電極間で行われる対向放電の次に行われる放電が、単位発光領域内に存在している二次電子によって発生し易くなって、この放電の放電開始電圧が低下される。
【0014】
そして、この一方の行電極と列電極との間で行われる対向放電が、PDPの駆動時に全ての単位発光領域を初期化するリセット放電である場合には、この対向放電が、一対の基板のうちのPDPのパネル面を構成する基板から離れた単位発光領域のほぼ中心部位において行われるようになるので、リセット放電がパネル面に近い位置における行電極間での面放電によって行われる場合に比べて、パネル面で認識されるリセット放電による発光が減少するので、このリセット放電による映像の階調表示に関係の無い発光によって暗コントラストが低下するのが防止されて、PDPの暗コントラストの向上が図られるようになる。
【0015】
さらに、放電空間内に、ネオン・ガスとキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されていることによって、蛍光体層中に含まれている二次電子放出材による統計放電遅れ時間(放電確率)の短縮効果に加えて、三元系放電ガスによる形成放電遅れ時間(放電開始までの遅れ時間)も同時に短縮されて、PDPの発光効率が更に改善され、そして、この統計放電遅れ時間と形成放電遅れ時間が、従来のPDPに比べて共に更に改善される結果、対向放電が高速化される。
【0016】
また、上記実施形態におけるPDPの駆動方法によれば、一方の行電極と列電極との間で行われる対向放電が、一方の行電極に電圧パルスが印加され、この電圧パルスが印加された一方の行電極に対して列電極の電位が相対的に負極側に設定されて発生されることにより、この対向放電によって放電ガスから生成される陽イオンが、負極側となる列電極の方向に向かって蛍光体層に含まれている二次電子放出材と衝突するので、この二次電子放出材から単位発光領域内に二次電子が効率良く放出されるようになる。
【0017】
上記実施形態のPDPおよびその駆動方法において、二次電子放出材が、蛍光体層の単位発光領域に露出されているようにするのが好ましい。
これによって、蛍光体層に含まれる二次電子放出材が陽イオンと効率よく衝突して、二次電子をさらに効率よく単位発光領域内に放出することが出来るようになる。
【0018】
前記実施形態のPDPおよびその駆動方法において、蛍光体層に二次電子放出材が含まれる形態としては、二次電子放出材が蛍光体層を構成する蛍光材と混合される形態や、二次電子放出材が層を形成して、蛍光体層を構成する蛍光材によって形成された層上に積層される形態等がある。
【0019】
前記実施形態のPDPおよびその駆動方法において、二次電子放出材として酸化マグネシウムを使用するのが好ましく、これによって、蛍光体層から単位発光領域内に効率よく二次電子を放出することが出来る。
【0020】
さらに、前記実施形態のPDPおよびその駆動方法において、二次電子放出材として、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内、さらには、230nm〜250nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体、特に、気相酸化法によって生成された酸化マグネシウム単結晶体を含む酸化マグネシウムを使用するのが好ましい。
これによって、一方の行電極と列電極との間で行われる対向放電の放電強度および放電遅れを減少させることが出来るとともに、PDPの輝度を向上させることが出来る。
【0021】
前記実施形態のPDPおよびその駆動方法において、酸化マグネシウム単結晶体の粒径が大きいほどPDPの放電確率が高く、酸化マグネシウム結晶体が、2000オングストローム以上の粒径を有していることが好ましく、これによって、放電確率が大幅に向上される。
【0022】
前記実施形態のPDPの駆動方法において、一方の行電極と列電極との間で行われる対向放電を、単位発光領域の初期化を行うリセット放電に用いるのが好ましい。
これによって、リセット放電が、一対の基板のうちのPDPのパネル面を構成する基板から離れた単位発光領域のほぼ中心部位において行われることになるので、リセット放電がパネル面に近い位置における行電極間での面放電によって行われる場合に比べて、パネル面で認識されるリセット放電による発光が減少するので、このリセット放電による映像の階調表示に関係の無い発光によって暗コントラストが低下するのが防止されて、PDPの暗コントラストが向上されるようになる。
【0023】
前記実施形態のPDPの駆動方法において、一方の行電極に正極性の電圧パルスが印加されるとともに、列電極に負極性の電圧パルスが印加されるか、または、列電極が接地電位に保持されるようにすることが好ましい。
これによって、一方の行電極と列電極との間に、放電によって放電ガスから生成される陽イオンが負極となる列電極の方向に向かう所謂陰列電極放電が発生される。
【0024】
そして、この実施形態のPDPの駆動方法において、一方の行電極への電圧パルスの印加と同時に、行電極対を構成する他方の行電極に、一方の行電極に印加される電圧パルスと同極性で一方の行電極との間で放電を発生させる電位を生じさせない電位の電圧パルスが印加されるようにするのが好ましい。
これによって、行電極対の行電極間で放電が発生するのが防止されて、一方の行電極と列電極との間で確実に対向放電が発生するようにすることが出来る。
【0025】
そしてさらに、前記実施形態のPDPの駆動方法において、一方の行電極に電圧パルスが、印加開始から所要の増加率で電圧が大きくなってゆく態様で印加されるようにするのが好ましい。
これによって、電圧パルスの立ち上がりの電圧があまり大きくなっていない状態で対向放電が発生されるので、この対向放電の放電強度を減少させることが出来る。
【実施例1】
【0026】
図1ないし3は、この発明によるPDPの実施形態の第1実施例を示しており、図1はこの第1実施例におけるPDPを模式的に示す正面図、図2は図1のV−V線における断面図、図3は図1のW−W線における断面図である。
【0027】
この図1ないし3に示されるPDPは、表示面である前面ガラス基板1の背面に、複数の行電極対(X,Y)が、前面ガラス基板1の行方向(図1の左右方向)に延びるように平行に配列されている。
【0028】
行電極Xは、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Xaと、前面ガラス基板1の行方向に延びて透明電極Xaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Xbとによって構成されている。
【0029】
行電極Yも同様に、T字形状に形成されたITO等の透明導電膜からなる透明電極Yaと、前面ガラス基板1の行方向に延びて透明電極Yaの狭小の基端部に接続された金属膜からなるバス電極Ybとによって構成されている。
【0030】
この行電極XとYは、前面ガラス基板1の列方向(図1の上下方向)に交互に配列されており、バス電極XbとYbに沿って並列されたそれぞれの透明電極XaとYaが、互いに対となる相手の行電極側に延びて、透明電極XaとYaの幅広部の頂辺が、それぞれ所要の幅の放電ギャップgを介して互いに対向されている。
【0031】
前面ガラス基板1の背面には、行電極対(X,Y)を被覆するように誘電体層2が形成されており、この誘電体層2の背面には、互いに隣接する行電極対(X,Y)の背中合わせに位置するバス電極XbおよびYbに対向する位置およびこの背中合わせに位置するバス電極Xbとバス電極Ybの間の領域部分に対向する位置に、誘電体層2の背面側に突出する嵩上げ誘電体層2Aが、バス電極Xb,Ybと平行に延びるように形成されている。
【0032】
そして、この誘電体層2と嵩上げ誘電体層2Aの背面側には、後述するような電子線によって励起されることにより波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光(以下、CL発光という)を行う酸化マグネシウム結晶体(以下、CL発光MgO結晶体という)を含む酸化マグネシウム層3が形成されている。
【0033】
一方、前面ガラス基板1と平行に配置された背面ガラス基板4の表示側の面上には、列電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対になった透明電極XaおよびYaに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する方向(列方向)に延びるように、互いに所定の間隔を開けて平行に配列されている。
【0034】
背面ガラス基板4の表示側の面上には、さらに、列電極Dを被覆する白色の列電極保護層5が形成され、この列電極保護層5上に、隔壁6が形成されている。
この隔壁6は、各行電極対(X,Y)のバス電極XbとYbに対向する位置においてそれぞれ行方向に延びる一対の横壁6Aと、隣接する列電極Dの間の中間位置において一対の横壁6A間を列方向に延びる縦壁6Bとによって梯子形状に形成されており、各隔壁6が、隣接する他の隔壁6の背中合わせに対向する横壁6Aとの間において行方向に延びる隙間SLを介して、列方向に並設されている。
【0035】
そして、この梯子状の隔壁6によって、前面ガラス基板1と背面ガラス基板4の間の放電空間Sが、各行電極対(X,Y)において対になっている透明電極Xa,Yaに対向する部分毎に方形に区画されて、放電セルCがそれぞれ形成されている。
【0036】
放電セルCに面する隔壁6の横壁6Aおよび縦壁6Bの側面と列電極保護層5の表面には、これらの五つの面を全て覆うように蛍光体層7が形成されており、この蛍光体層7の色は、各放電セルC毎に赤,緑,青の三原色が行方向に順に並ぶように配列されている。
この蛍光体層7の構成については、後で詳述する。
【0037】
嵩上げ誘電体層2Aは、この嵩上げ誘電体層2Aを被覆している酸化マグネシウム層3が隔壁6の横壁6Aの表示側の面に当接される(図2参照)ことによって、放電セルCと隙間SLの間がそれぞれ閉じられているが、縦壁6Bの表示側の面は酸化マグネシウム層3に当接されておらず(図3参照)、その間に隙間(連通部)rが形成されて、行方向において隣接する放電セルCがこの隙間rを介して互いに連通されている。
【0038】
放電空間S内には、ネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されている。
【0039】
図4は、蛍光体層7の構成を示すために一個の放電セルCを拡大して示す断面図である。
この図4において、蛍光体層7は、赤,緑,青の粒子状の蛍光材7Aと二次電子放出材であるMgO(酸化マグネシウム)結晶7Bが混合されているとともに、このMgO結晶7Bが蛍光体層7の表面、すなわち、放電空間に露出する位置に配された状態で形成されている。
【0040】
なお、この図4においては、MgO結晶7Bが蛍光体層7の表面のみに配されている状態が示されているが、このMgO結晶7Bが放電空間に露出していれば、MgO結晶7Bが蛍光体層7の内部に混在されていてもよい。
【0041】
また、MgO結晶7Bとしては、二次電子を放出する特性を有していればどのような形態のMgO結晶体であっても良いが、前述した酸化マグネシウム層3を形成しているCL発光MgO結晶体と同様の、電子線によって励起されることにより波長域200〜300nm内にピークを有するCL発光を行う特性のCL発光MgO結晶体を含むことが好ましい。
【0042】
このCL発光MgO結晶体とは、例えば、マグネシウムを加熱して発生するマグネシウム蒸気を気相酸化して得られるマグネシウムの単結晶体(以下、このマグネシウムの単結晶体を気相法酸化マグネシウム単結晶体という)を含み、この気相法酸化マグネシウム単結晶体には、例えば、図5のSEM写真像に示されるような、立方体の単結晶構造を有する酸化マグネシウム単結晶体と、図6のSEM写真像に示されるような、立方体の結晶体が互いに嵌り込んだ構造(すなわち、立方体の多重結晶構造)を有する酸化マグネシウム単結晶体が含まれる。
【0043】
この気相法酸化マグネシウム単結晶体は、後述するように、PDPの放電遅れの減少などの放電特性の改善に寄与する。
そして、この気相法酸化マグネシウム単結晶体は、他の方法によって得られる酸化マグネシウムと比較すると、高純度であるとともに微粒子が得られ、さらに、粒子の凝集が少ないなどの特徴を備えている。
【0044】
この実施例においては、BET法によって測定した平均粒径が2000オングストローム以上の気相法酸化マグネシウム単結晶体が用いられる。
この粒径の大きな気相法酸化マグネシウム単結晶体は、300〜400nmにピークを有するCL発光に加えて、波長域200〜300nm内(特に、235nm付近,230〜250nm内)にピークを有するCL発光が励起される特性を備えている。
【0045】
この波長域200〜300nm内(特に、235nm付近,230〜250nm内)にピークを有するCL発光は、図9に示されるように、通常の蒸着MgOからは励起されず、300〜400nmにピークを有するCL発光のみが励起される。
【0046】
また、図7および8から分かるように、波長域200〜300nm内(特に、235nm)にピークを有するCL発光は、気相法酸化マグネシウム単結晶体の粒径が大きくなるほどそのピーク強度が大きくなる。
【0047】
なお、気相法酸化マグネシウム単結晶体の粒径(DBET)は、窒素吸着法によってBET比表面積(s)が測定され、この値から次式によって算出される。
【0048】
BET=A/s×ρ
A:形状計数(A=6)
ρ:マグネシウムの真密度
【0049】
図10は、気相法酸化マグネシウム単結晶体が有するCL発光強度とPDPの放電遅れとの相関関係を示すグラフである。
この図10から、気相法酸化マグネシウム単結晶体が235nmのCL発光特性を有していることにより、PDPの放電セル内にこの気相法酸化マグネシウム単結晶体を含む酸化マグネシウム層が形成されることによって、放電セル内で発生される放電の遅れが短縮されることが分かり、さらに、この235nmのCL発光強度が強いほどこの放電遅れが短縮されることが分かる。
【0050】
以上のことから、BET法による測定値2000オングストローム以上の平均粒径を有する気相法酸化マグネシウム単結晶体は、PDPの放電セルに面した部分に用いられることによって、PDPの放電確率や放電遅れなどの放電特性の改善(放電遅れの減少および放電確率の向上)に寄与することが出来ることが分かる。
【0051】
図11は、PDPの放電セルに面するように配置される酸化マグネシウム層を、平均粒径が2000〜3000オングストロームの気相法酸化マグネシウム単結晶体を含むペーストを塗布することによって形成した場合と、従来の蒸着法によって形成した場合と、形成しなかった場合におけるそれぞれの酸化マグネシウム層を挟んで行われる放電(例えば、アドレス放電)の放電確率を比較したグラフであり、図12は、図11において放電の休止時間が1000μsecの場合のそれぞれの放電確率を示している。
【0052】
さらに、図13は、同様に、PDPの放電セルに面するように配置される酸化マグネシウム層を、平均粒径が2000〜3000オングストロームの気相法酸化マグネシウム単結晶体を含むペーストを塗布することによって形成した場合と、従来の蒸着法によって形成した場合と、形成しなかった場合のそれぞれの放電遅れ時間を比較したグラフであり、図14は、図13において放電の休止時間が1000μsecの場合のそれぞれの放電遅れ時間を示している。
【0053】
なお、この図11ないし14においては、酸化マグネシウム層に多重結晶構造の気相法酸化マグネシウム単結晶体が含まれている場合が示されている。
この図11ないし14から、PDPの放電セルに面する部分に配された気相法酸化マグネシウム単結晶体が、PDPの放電確率や放電遅れの改善および放電遅れの休止時間依存性の減少等の放電特性の改善に大きく寄与出来ることが分かる。
【0054】
図15は、PDPにおいて、放電セルに面する部分に配される気相法酸化マグネシウム単結晶体の粒径と放電確率の関係を示すグラフである。
この図15から、気相法酸化マグネシウム単結晶体の粒径が大きいほどPDPの放電確率が高く、上記したような235nmにピークを有するCL発光が励起される粒径(図示の例では、2000オングストロームと3000オングストローム)の気相法酸化マグネシウム単結晶体によって、放電確率が大幅に向上されることが分かる。
【0055】
上記のように、波長域200〜300nm内(特に、235nm付近,230〜250nm内)にピークを有するCL発光を行う気相法酸化マグネシウム単結晶体が、PDPの放電特性の改善に寄与するのは、気相法酸化マグネシウム単結晶体が、そのピーク波長に対応したエネルギ準位を有し、そのエネルギ準位によって電子を長時間(数msec以上)トラップすることができ、この電子が電界によって取り出されることで、放電開始に必要な初期電子が得られことによるものと推測される。
【0056】
そして、この気相法酸化マグネシウム単結晶体による放電特性の改善効果が、波長域200〜300nm内(特に、235nm付近,230〜250nm内)にピークを有するCL発光の強度が大きくなるほど大きくなるのは、前述したように、CL発光強度と気相法酸化マグネシウム単結晶体の粒径との間に相関関係(図8参照)があるためである。
【0057】
すなわち、大きな粒径の気相法酸化マグネシウム単結晶体を形成しようとする場合には、マグネシウム蒸気を発生させる際の加熱温度を高くする必要があり、このため、マグネシウムと酸素が反応する火炎の長さが長くなり、この火炎と周囲との温度差が大きくなることによって、粒径の大きい気相法酸化マグネシウム単結晶体ほど上述したようなCL発光のピーク波長(例えば、235nm付近,230〜250nm内)に対応したエネルギ準位が多数形成されるためである。
【0058】
また、一般的な気相酸化法に比べて、単位時間当たりのMgの蒸発量を増加させてMgとO2との反応領域を増大させ、より多くのO2と反応させることによって生成された気相法酸化マグネシウム単結晶体は、上述したようなCL発光のピーク波長に対応したエネルギ準位が形成される。
【0059】
また、立方体の多重結晶構造の気相法酸化マグネシウム単結晶体については、結晶面欠陥を多く含んでいるおり、この面欠陥エネルギ準位の存在が放電確率の改善に寄与しているためと推測される。
【0060】
次に、上記PDPの駆動方法について説明を行う。
【0061】
このPDPは、サブフィールド法によって行われ、1フィールドの表示期間が複数個に分割された各サブフィールドは、全放電セルを一斉に初期化するリセット放電が行われるリセット放電期間と、発光させる放電セルCを選択するアドレス放電が行われるアドレス放電期間と、画像形成のための発光を行うサステイン放電が行われるサステイン放電期間とから構成されている。
そして、このPDPは、各サブフィールドの最初のリセット放電期間において行われるリセット放電が、行電極Yと列電極Dとの間で対向放電によって行われる。
【0062】
図16は、このリセット放電時に行電極Yと列電極Dに印加される電圧パルスを示すパルス波形図である。
この図16において、行電極Yに、矩形パルスではなく、立ち上がりが緩やかな時定数の大きい正極性の行電極リセット・パルスRyが印加され、列電極Dに、行電極リセット・パルスRyの印加と同時に、負極性の列電極リセット・パルスRdが印加される。
【0063】
この負極性の列電極リセット・パルスRdと正極性の行電極リセット・パルスRyの印加によって、陰極となる列電極Dと陽極となる行電極Yとの間で、行電極Yからアドレス電極Dの方向(電子の流れは列電極Dから行電極Yの方向)の放電が発生される(以下、この列電極Dが陰極側に設定され行電極Yが陽極に設定されて発生される放電を、陰列電極放電と総称する)。
【0064】
なお、図16中、SPは、アドレス放電期間に行電極Yに印加されるスキャン・パルスであり、DPは、同じくアドレス放電期間に列電極Dに選択的に印加されるデータ・パルスであり、このスキャン・パルスSPが印加された行電極Yとデータ・パルスDPが印加された列電極Dとの間で、アドレス放電が発生される。
【0065】
上記PDPは、リセット放電が放電セルCを挟んで対向する行電極Yと列電極Dとの間で陰列電極放電によって行われることにより、リセット放電時に、放電によって放電ガスから生成される放電ガスC内の陽イオンが、負極となる列電極Dの側へ向かい、列電極D側に位置する蛍光体層7内に混合されている二次電子放出材であるMgO結晶7Bと衝突して、このMgO結晶7Bから放電セルC内に二次電子が放出される。
【0066】
これによって、このリセット放電期間の次のアドレス放電期間に行われるアドレス放電が、放電セルC内に存在している二次電子によって発生し易くなって、このアドレス放電の放電開始電圧を低下させることが出来る。
【0067】
このとき、MgO結晶7Bが蛍光体層7の表面に露出されていることにより、陽イオンと効率よく衝突して、二次電子をさらに効率よく放電セルC内に放出して、次に行われるアドレス放電の放電開始電圧を低下させることができる。
【0068】
さらに、一般にPDPにおいては、リセット放電も発光を伴い、このリセット放電による発光は映像の階調表示に関係の無い発光であるため、特に輝度0の映像表示が行われる場合等にリセット放電による発光がパネル面で認識されると、映像の暗コントラストが低下することになるが、上記PDPは、リセット放電が行電極Yと列電極Dとの間の対向放電によって行われ、この対向放電がパネル面(前面ガラス基板1の表面)から離れた放電セルCの中心部位で行われるので、リセット放電がパネル面に近い位置における行電極間での面放電によって行われる場合に比べて、パネル面で認識されるリセット放電による発光が減少し、これによって、表示される映像の暗コントラストを向上させることが出来るようになる。
【0069】
なお、上記においては、列電極Dに負極性の列電極リセット・パルスRdが印加される例(図16)について説明を行ったが、行電極Yと列電極D間でリセット放電を発生させるためには、行電極Yに正極性の行電極リセット・パルスRyが印加された際に、この正極となる行電極Yに対して、列電極Dが相対的に負極側に設定されていれば良く、例えば、図17に示されるように、列電極Dが接地(GND)電位に設定される場合でもよく、また、列電極Dに、行電極Yに印加される行電極リセット・パルスRyよりも電位が小さく、行電極Yと列電極Dとの間で放電が発生するような正極性の電圧パルスが印加される場合であっても良い。
【0070】
以下においては、陰列電極放電は、リセット放電の際に、列電極Dが接地(GND)電位に設定される場合や、列電極Dに行電極リセット・パルスRyよりも電位が小さい正極性の電圧パルスが印加される場合等のように、列電極Dの電位が行電極Yに対して相対的に負極側に設定される全ての場合を含むものとする。
【0071】
また、このリセット放電の際に、行電極Yと行電極対を構成する行電極Xは、リセット放電期間の間、接地(GND)電位を保持するようにしても良いが、図18に示されるように、Y電極に印加される行電極リセット・パルスRyと同極で、行電極Yとの間に放電を発生させるような電位差を生じさせない電位の電圧パルスRxを印加するようにしても良い。
【0072】
これによって、リセット放電が発生される間、行電極対を構成する行電極XとY間に放電を発生させるような電位差が生じるのが防止されて、確実に、リセット放電を行電極Yと列電極D間での対向放電のみにすることができ、表示映像の暗コントラストをさらに向上させることが出来るようになる。
【0073】
上記PDPにおいて、蛍光体層7に混合されるMgO結晶7Bが、前述したような電子線によって励起されることにより波長域200〜300nm内にピークを有するCL発光を行う特性のCL発光MgO結晶体を含む場合には、このCL発光を行う特性を有しない通常のMgO結晶(以下、このCL発光特性を有しないMgO結晶を通常のMgO結晶という)のみからなる場合に比べて、このCL発光MgO結晶体が有する図7ないし15に基づいて説明したような特性によって放電遅れ時間が短縮され、さらに、行電極Yに時定数が大きく立ち上がりが緩やかな電圧パルスが印加されることにより、暗コントラストの低下の原因となるリセット放電の放電強度が減少されて、PDPの暗コントラストが大幅に向上されるようになる。
【0074】
さらに、上記PDPは、蛍光体層7にCL発光MgO結晶体がMgO結晶7Bに含まれて混合される場合には、リセット放電によって、蛍光体層7中のCL発光MgO結晶体から放電セルC内に初期電子が放出され、この初期電子によってリセット放電の放電遅れがさらに短縮されるとともに、プライミング効果が長く持続するので、リセット放電の次に発生されるアドレス放電がさらに高速化される。
【0075】
そして、上記PDPは、図4に示されるように、蛍光体層7に混合されたCL発光MgO結晶体が蛍光体層7の表面の放電セルC内に露出する位置に配置されていることにより、蛍光体層7中の蛍光体粒子に邪魔されることなく効率よく初期電子を放電セルC内に放出することができるので、アドレス放電の放電開始電圧をより減少させることが出来る。
【0076】
図19は、図1ないし3のPDPの蛍光体層7に混合されるMgO結晶7BがCL発光MgO結晶体を含むPDPにおいて、行電極Yと列電極Dに図17に示される形態の電圧パルスが印加されて、リセット放電が陰列電極放電によって行われる場合の放電強度を示すオシロスコープ波形図であり、図20は、蛍光体層が蛍光材のみによって形成された従来のPDPにおいて、行電極と列電極に図17に示される形態の電圧パルスが印加されることによってリセット放電が行われる場合の放電強度を示すオシロスコープ波形図である。
【0077】
なお、図19と20の横軸(時間)は、図20が10目盛で1msを示しているのに対し、図19では、リセット放電の放電強度が微小であるため10目盛で0.1msを示していて、図20の場合の10倍のスケールで表示されており、また、図19の縦軸(放電強度)のスケールも図20の場合の10倍のスケールで表示されている。
【0078】
この図19と図20を比較すると、図19においては、リセット放電(陰列電極放電)の放電強度が図20の場合に比べて非常に弱く(約1/40〜1/50程度)、その放電時間が約0.04ms以内であるのに対し、図20の場合は、リセット放電の放電強度が強く、その放電時間が1ms以上の長時間に亘っているのが分かる。
【0079】
このことから、図20の場合においては放電強度および放電遅れが大きいのに対して、図19の場合には放電強度および放電遅れが大幅に減少しており、図1ないし3のPDPにおいて、蛍光体層7にMgO結晶7BとしてCL発光MgO結晶体が混合されることにより、放電強度の減少および放電遅れ時間の短縮によって、さらに、暗コントラストの大幅な改善が図られることが分かる。
【0080】
図19において、放電強度が減少しているのは、CL発光MgO結晶体は、前述したように放電遅れを改善する効果を有しており、このCL発光MgO結晶体が蛍光体層7に混合されていることによって、リセット放電の放電時間が約0.04ms以内と大幅に短縮され、そして、行電極Yに矩形パルスに比べて図16や17に示されるような時定数が大きく立ち上がりが緩やかな電圧パルスが印加される場合には、行電極Yに印加される電圧パルスの立ち上がり途中の電圧値が小さい段階でリセット放電が終了することになるためと考えられる。
【0081】
図21は、図1ないし3のPDPの蛍光体層7にMgO結晶7BとしてCL発光MgO結晶体が含まれたPDPにおいて、行電極Yに時定数が大きく立ち上がりが緩やかな電圧パルスを印加して、陰列電極放電を発生させた場合の放電遅れ時間の測定結果を示している。
【0082】
この図21の横軸は、CL発光MgO結晶体を含んだMgO結晶の蛍光材に対する混合率(重量パーセント)を示し、縦軸は、放電遅れ時間を示している。
ここで、図21の縦軸の放電遅れを示す数値は、このMgO結晶の混合率が5パーセントである場合の放電遅れを1.0として規格化された値が示されている。
【0083】
この図21から、蛍光体層7において蛍光材に対するMgO結晶の混合比、すなわち、CL発光MgO結晶体の混合率が大きいほど陰列電極放電の放電遅れが減少していて、CL発光MgO結晶体による放電遅れ時間の短縮効果が大きいことが分かる。
【0084】
以上のように、図19によって、図1ないし3のPDPの蛍光体層7にMgO結晶7BとしてCL発光MgO結晶体が混合され、行電極Yに時定数が大きく立ち上がりが緩やかな電圧パルスが印加されることにより、リセット放電の放電遅れが減少し、さらに、放電強度が減少して、PDPの暗コントラストが大幅に改善されることが分かる。
【0085】
なお、蛍光体層にCL発光MgO結晶体ではない通常のMgO結晶のみを図4の状態で混合したPDPについて、同様の測定を行ったところ、図20とほぼ同じ結果が得られ、前述したような二次電子放出による放電開始電圧の減少効果と暗コントラストの改善効果は得ることが出来るが、放電遅れと放電強度の改善効果は得られなかった。
【0086】
この理由は、CL発光MgO結晶体ではない通常のMgO結晶は、二次電子の放出機能を有しているが、CL発光MgO結晶体の様な230ないし250nmのピーク波長域に対応したエネルギー準位を有しておらず、電子を長時間トラップすることができないため、電圧パルスが印加された際に放電空間に取り出される初期電子を十分に得ることが出来ないためと推測される。
【0087】
上記PDPは、蛍光体層7にMgO結晶7BとしてCL発光MgO結晶体が含まれて混合されることによって、上記のような暗コントラストの向上効果に加えて、PDPの輝度を向上させる効果を有する。
【0088】
すなわち、サブフィールドのサステイン放電期間には、その前のアドレス放電期間に行われたアドレス放電によって選択された放電セルC内において、行電極対の行電極XとY間において面放電によるサステイン放電が発生されるが、このサステイン放電によって、放電ガス中のキセノンから146nmと172nmの真空紫外線が発生し、この真空紫外線によって蛍光体層7内のCL発光MgO結晶体が励起されてPL発光(フォトルミネッセンス発光)を行うことにより、230〜250nmにピークを有する紫外線(以下、PL紫外線という)が発生する。
【0089】
そして、このPL紫外線によって、さらに蛍光体層7中の蛍光材7Aが励起されるので、蛍光体層に通常のMgO結晶のみが混合されている場合に比べて、PDPの輝度が向上される。
【0090】
蛍光体層7にMgO結晶7BとしてCL発光MgO結晶体が混合された場合に、上記のようなPDPの輝度向上効果が発揮されるのは、以下のような理由による。
すなわち、一般に、MgO結晶は、放電によって放電ガス中のキセノンから発生する真空紫外線を透過させずに、吸収してしまう特性を有しており、このため、例えば、CL発光MgO結晶体ではない通常のMgO結晶のみが蛍光体層に混合される場合には、放電ガスのキセノンから発生する真空紫外線をMgO結晶が吸収してしまい、MgO結晶の周辺の蛍光体粒子に照射される真空紫外線の量が減少して、蛍光体層7が蛍光材のみによって形成されている場合に比べて、PDPの輝度が減少してしまうことになる。
【0091】
これに対して、蛍光体層7にMgO結晶7BとしてCL発光MgO結晶体が含まれて混合されている場合には、このCL発光MgO結晶体は、放電ガス中のキセノンから発生する真空紫外線を吸収した後、この真空紫外線によってPL発光を行って、波長230〜250nmにピーク波長を有するPL紫外線を放射する。
【0092】
そして、このPL紫外線が、蛍光体層7中の蛍光材7Aを励起して発光させるので、前述したように蛍光体層7に通常のMgO結晶のみを混合したことによって輝度が減少する虞は無く、放電ガスのキセノンから発生する真空紫外線に加えてCL発光MgO結晶体から発生するPL紫外線によっても蛍光体層7の蛍光材7Aが励起されるので、蛍光体層7から発生する可視光量が、混合されるMgO結晶7BがCL発光MgO結晶体以外の通常のMgO結晶のみである場合に比べて、PDPの輝度を大幅に増加させる。
【0093】
さらに、CL発光MgO結晶体が蛍光体層7内に蛍光材7Aとともに混合されて蛍光体粒子のすぐ傍に位置しているので、CL発光MgO結晶体から発生するPL紫外線が、効率良く蛍光材7Aに照射されて、PDPの輝度をさらに増加させる。
【0094】
ここで、PDPの放電遅れには、統計放電遅れ(放電のばらつき,放電確率)と形成放電遅れ(放電開始時間の遅れ)があり、上記で述べている放電遅れとは、主として統計放電遅れのことを意味している。
【0095】
図22は、PDPにおけるサステイン放電発生時の統計放電遅れ時間(放電のばらつき時間)と形成放電遅れ時間(駆動パルス印加開始時点から放電が開始するまでの遅れ時間)の関係を示している。
【0096】
上記PDPは、前述したように、蛍光体層7内にCL発光MgO結晶体が含まれていることによって、統計放電遅れ時間が従来に比べて更に短縮される。
しかしながら、この蛍光体層7内にCL発光MgO結晶体が含まれていることのみによっては、形成放電遅れ時間はあまり影響を受けない。
【0097】
このため、上記PDPは、放電空間S内にネオン・ガスとキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されていることによって、形成放電遅れ時間が短縮される。
【0098】
このように、このPDPは、放電ガス中に、従来のネオン・ガスとキセノン・ガスに加えて、ヘリウム・ガスが混合されていることによって、蛍光体層7中のCL発光MgO結晶体による統計放電遅れ時間の短縮効果に加えて、三元系放電ガスによる形成放電遅れ時間も同時に短縮されて、発光効率が更に改善される。
そして、この統計放電遅れ時間と形成放電遅れ時間が、従来のPDPに比べてともに更に改善される結果、例えば、対向放電であるリセット放電やアドレス放電も高速化される。
【0099】
上記においては、リセット放電の際に行電極Yに印加される行電極リセット・パルスを、図16および17に示されるように、その立ち上がりの傾きを変化させながら滑らかに増加してゆく形態の電圧パルスとした例について説明を行ったが、この他に、行電極リセット・パルスを、図23に示されるような立ち上がりの傾きが一定の状態で直線状に増加してゆく形態の電圧パルスR1yとしても良い。
この場合も、行電極リセット・パルスを図16および17に示されるような形態の電圧パルスとする場合とほぼ同様の、暗コントラストの向上効果を得ることが出来る。
【0100】
そして、図18の場合と同様に、行電極Yへの行電極リセット・パルスの印加と同時に行電極対を構成する他方の行電極Xにも電圧パルスを印加する場合には、図24に示されるように、行電極Yに印加される行電極リセット・パルスR1yと同極で同じは波形の電圧パルスR1xを印加するようにするのが好ましい。
これによって、行電極Yと列電極D間のみにおいて、確実にリセット放電が発生されるようにすることが出来る。
【0101】
なお、上記においては、行電極Yと列電極Dとの間でリセット放電が行われる構成を例に挙げて説明を行ったが、PDPを、X電極に行電極リセット・パルスを印加して、この行電極Xと列電極Dの間でリセット放電が行われる構成にしても良い。
【0102】
以上のように、上記PDPは、蛍光体層に、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウムが、放電セルCに露出された状態で混合され、さらに、放電ガスとしてネオン・ガスとキセノン・ガス,ヘリウム・ガスの三元系ガスが封入されていることによって、統計放電遅れ時間の短縮効果と形成放電遅れ時間の短縮効果を同時に発揮することが出来るとともに、従来のPDPに比べてその効果が大幅に増大され、さらに、輝度と暗コントラストの大幅な向上も両立して達成することが出来るようになる。
【0103】
さらに、上記PDPによれば、行電極Yと列電極D間において陰極アドレス対向放電が実施されることにより、蛍光体層中の酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウムによるプライミング粒子の放電空間への放出作用によって、対向放電がさらに高速化されるようになる。
【実施例2】
【0104】
図25は、この発明によるPDPの実施形態の第2実施例を示す断面図である。
【0105】
前述した第1実施例のPDPの蛍光体層が、蛍光材と二次電子放出材であるMgO結晶を混合して形成されているのに対し、この第2実施例におけるPDPは、蛍光体層17が、蛍光材によって形成される蛍光材層17A上に、二次電子放出材であるMgO結晶によって形成されたMgO結晶層17Bが積層されて、MgO結晶層17Bが放電セルCに露出されている構成を備えていている。
【0106】
このMgO結晶層17Bは、MgO結晶を蛍光材層17A上に敷き詰めるようにして形成してもよく、また、MgO結晶による薄膜を成膜して蛍光材層17A上に積層するようにしても良い。
【0107】
なお、MgO結晶層17Bを形成する二次電子放出材としてCL発光MgO結晶体を含んで用いられる場合には、MgO結晶層17Bは、蛍光材層17A上にCL発光MgO結晶体が敷き詰められることによって形成される。
【0108】
PDPの他の部分の構成は、第1実施例の場合とほぼ同様であり、放電セルC内にネオン・ガスとキセノン・ガス,ヘリウム・ガスの三元系放電ガスが封入されている。
そして、同一の構成部分については、第1実施例の場合と同一の符号が付されている。
【0109】
このPDPは、第1実施例の場合と同様の方法によって駆動される。
すなわち、リセット放電が、行電極Yに図16または22に示されるような形態の行電極リセット・パルスが印加されて、列電極Dとの間において陰列電極放電による対向放電によって行われる。
【0110】
これによって、第1実施例の場合と同様に、放電セルが隔壁によって閉じられてプライミング粒子の移動が制限されるPDPにおいて、リセット放電が対向放電によって行われることによるPDPの暗コントラストの向上効果と、リセット放電によってMgO結晶層17Bから放電セルC内に放出される二次電子により、次に行われるアドレス放電の放電開始電圧の低減効果が発揮される。
【0111】
そして、MgO結晶層17BをCL発光MgO結晶体を含むことによって形成した場合には、第1実施例の場合と同様に、放電遅れの短縮および放電強度の減少によって、暗コントラストをさらに向上させることができるとともに、このCL発光MgO結晶体が放電ガス中のキセノンから発生する真空紫外線によってPL発光を行うことによりPL紫外線を発生し、このPL紫外線が蛍光体層17の蛍光材層17Aをさらに励起して発光させるので、PDPの輝度を増加させることが出来る。
【0112】
さらに、放電ガス中に、従来のネオン・ガスとキセノン・ガスに加えて、ヘリウム・ガスが混合されていることによって、蛍光体層17を構成するMgO結晶層17Bによる統計放電遅れ時間の短縮効果に加えて、三元系放電ガスによる形成放電遅れ時間も同時に短縮されてPDPの発光効率が更に改善され、そして、この統計放電遅れ時間と形成放電遅れ時間が従来のPDPに比べてともに更に改善される結果、対向放電であるリセット放電やアドレス放電も高速化される。
【0113】
上記各実施形態のPDPは、放電空間を介して対向する一対の基板と、この一対の基板の一方の基板側に設けられた複数の行電極対と、他方の基板側に行電極対に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対との各交差部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を形成する複数の列電極と、この列電極と行電極対との間の単位発光領域に面する位置に設けられた蛍光体層とを備え、放電空間内に、ネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入され、蛍光体層に二次電子放出材が含まれていて、この二次電子放出材が、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウムである実施形態のPDPを、その上位概念の実施形態としており、さらに、上記各実施形態のPDPの駆動方法は、上記実施形態のPDPにおいて、駆動行程に、行電極対を構成する一方の行電極に電圧パルスが印加されるとともに、この電圧パルスが印加された一方の行電極に対して列電極の電位が相対的に負極側に設定されることによって、列電極と一方の行電極との間に蛍光体層を挟んで対向放電が発生される行程が含まれている実施形態の駆動方法を、その上位概念の実施形態としている。
【0114】
この実施形態におけるPDPは、一対の基板の間の放電空間が横壁および縦壁を備えた隔壁によって区画されたPDPにおいて、単位発光領域に面する位置に形成された蛍光体層が二次電子放出材を含んでいて、この蛍光体層を挟んで位置する行電極対の一方の行電極と列電極との間で対向放電が行われることにより、この放電発生時に、単位発光領域内において放電ガスから生成される陽イオンが蛍光体層に含まれている二次電子放出材と衝突して、この二次電子放出材から単位発光領域内に二次電子が放出される。
【0115】
これによって、この一方の行電極と列電極間で行われる対向放電の次に行われる放電が、単位発光領域内に存在している二次電子によって発生し易くなって、この放電の放電開始電圧が低下される。
【0116】
そして、この一方の行電極と列電極との間で行われる対向放電が、PDPの駆動時に全ての単位発光領域を初期化するリセット放電である場合には、この対向放電が、一対の基板のうちのPDPのパネル面を構成する基板から離れた単位発光領域のほぼ中心部位において行われるようになるので、リセット放電がパネル面に近い位置における行電極間での面放電によって行われる場合に比べて、パネル面で認識されるリセット放電による発光が減少するので、このリセット放電による映像の階調表示に関係の無い発光によって暗コントラストが低下するのが防止されて、PDPの暗コントラストの向上が図られるようになる。
【0117】
さらに、放電空間内に、ネオン・ガスとキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されていることによって、蛍光体層中に含まれている二次電子放出材による統計放電遅れ時間の短縮効果に加えて、三元系放電ガスによる形成放電遅れ時間も同時に短縮されて、PDPの発光効率が更に改善され、そして、この統計放電遅れ時間と形成放電遅れ時間が従来のPDPに比べてともに更に改善される結果、対向放電が高速化される。
【0118】
また、上記実施形態におけるPDPの駆動方法によれば、一方の行電極と列電極との間で行われる対向放電が、一方の行電極に電圧パルスが印加され、この電圧パルスが印加された一方の行電極に対して列電極の電位が相対的に負極側に設定されて発生されることにより、この対向放電によって放電ガスから生成される陽イオンが、負極側となる列電極の方向に向かって蛍光体層に含まれている二次電子放出材と衝突するので、この二次電子放出材から単位発光領域内に二次電子が効率良く放出されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】この発明の実施形態の第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1のV−V線における断面図である。
【図3】図1のW−W線における断面図である。
【図4】同実施例の蛍光体層の構成を示す断面図である。
【図5】立方体の単結晶構造を有する酸化マグネシウム単結晶体のSEM写真像を示す図である。
【図6】立方体の多重結晶構造を有する酸化マグネシウム単結晶体のSEM写真像を示す図である。
【図7】酸化マグネシウム単結晶体の粒径とCL発光の波長および強度との関係を示すグラフである。
【図8】酸化マグネシウム単結晶体の粒径と235nmのCL発光のピーク強度との関係を示すグラフである。
【図9】蒸着法による酸化マグネシウム層からのCL発光の波長の状態を示すグラフである。
【図10】酸化マグネシウム単結晶体からの235nmのCL発光のピーク強度と放電遅れとの関係を示すグラフである。
【図11】多重結晶構造の酸化マグネシウム単結晶体と放電確率の関係を示すグラフである。
【図12】同多重結晶構造の酸化マグネシウム単結晶体と放電確率の関係を示す表図である。
【図13】同多重結晶構造の酸化マグネシウム単結晶体と放電遅れの関係を示すグラフである。
【図14】同多重結晶構造の酸化マグネシウム単結晶体と放電遅れの関係を示す表図である。
【図15】酸化マグネシウム単結晶体の粒径と放電確率との関係を示すグラフである。
【図16】同実施例において、行電極と列電極に印加される電圧パルスの形態を示すパルス波形図である。
【図17】同電圧パルスの他の例を示すパルス波形図である。
【図18】同電圧パルスのさらに他の例を示すパルス波形図である。
【図19】同実施例において蛍光体層にCL発光MgO結晶体が含まれている場合の放電強度を示すオシロスコープ波形図である。
【図20】蛍光体層が蛍光材のみによって形成されている場合の放電強度を示すオシロスコープ波形図である。
【図21】同実施例において蛍光体層に含まれるCL発光MgO結晶体の混合比と放電遅れの関係を示すグラフである。
【図22】放電遅れ時間の説明図である。
【図23】同実施例において、行電極に印加される電圧パルスの他の形態を示すパルス波形図である。
【図24】同電圧パルスの他の例を示すパルス波形図である。
【図25】この発明の実施形態の第2実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0120】
1 …前面ガラス基板(一方の基板)
4 …背面ガラス基板(他方の基板)
6 …隔壁
7,17 …蛍光体層
7A …蛍光材
7B …MgO結晶(二次電子放出材)
17A …蛍光材層
17B …MgO結晶層(二次電子放出材)
C …放電セル(単位発光領域)
Rx,R1x …電圧パルス
Ry,R1y …行電極リセット・パルス(電圧パルス)
Rd …列電極リセット・パルス(電圧パルス)
X …行電極(他方の行電極)
Y …行電極(一方の行電極)
D …列電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電空間を介して対向する一対の基板と、この一対の基板の一方の基板側に設けられた複数の行電極対と、他方の基板側に行電極対に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対との各交差部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を形成する複数の列電極と、この列電極と行電極対との間の単位発光領域に面する位置に設けられた蛍光体層とを備えているプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記放電空間内に、ネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入され、
前記蛍光体層に二次電子放出材が含まれていて、この二次電子放出材が、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含む酸化マグネシウムである、
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記二次電子放出材が、単位発光領域内に露出されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記二次電子放出材が、蛍光体層を構成する蛍光材と混合されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記二次電子放出材が層を形成して、蛍光体層を構成する蛍光材によって形成された層上に積層されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記酸化マグネシウム結晶体が、230nm〜250nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有している請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記酸化マグネシウム結晶体が、気相酸化法によって生成された酸化マグネシウム単結晶体である請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記酸化マグネシウム結晶体が、2000オングストローム以上の粒径を有している請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
放電空間を介して対向する一対の基板と、この一対の基板の一方の基板側に設けられた複数の行電極対と、他方の基板側に行電極対に対して交差する方向に延びるように設けられて行電極対との各交差部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域を形成する複数の列電極と、この列電極と行電極対との間の単位発光領域に面する位置に設けられて二次電子放出材を含む蛍光体層とを備え、放電空間内にネオン・ガスおよびキセノン・ガス,ヘリウム・ガスが混合された三元系放電ガスが封入されたプラズマディスプレイパネルの駆動行程が、
前記行電極対を構成する一方の行電極に電圧パルスが印加されるとともに、この電圧パルスが印加された一方の行電極に対して列電極の電位が相対的に負極側に設定されることによって、列電極と一方の行電極との間に対向放電が発生される行程を含んでいることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項9】
前記対向放電が、単位発光領域の初期化を行うリセット放電である請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項10】
前記一方の行電極に正極性の電圧パルスが印加され、列電極に負極性の電圧パルスが印加される請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項11】
前記一方の行電極に正極性の電圧パルスが印加され、列電極が接地電位に保持される請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項12】
前記一方の行電極への電圧パルスの印加と同時に、行電極対を構成する他方の行電極に、一方の行電極に印加される電圧パルスと同極性の電圧パルスが印加される請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項13】
前記電圧パルスが、一方の行電極に印加開始から所要の増加率で電圧が大きくなってゆく態様で印加される請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項14】
前記二次電子放出材が蛍光体層の単位発光領域内に露出されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項15】
前記二次電子放出材が蛍光体層を構成する蛍光材と混合されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項16】
前記二次電子放出材が層を形成して蛍光体層を構成する蛍光材によって形成された層上に積層されている請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項17】
前記二次電子放出材が酸化マグネシウムである請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項18】
前記酸化マグネシウムが、電子線によって励起されて波長域200〜300nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有する酸化マグネシウム結晶体を含んでいる請求項17に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項19】
前記酸化マグネシウム結晶体が、230nm〜250nm内にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う特性を有している請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項20】
前記酸化マグネシウム結晶体が、気相酸化法によって生成された酸化マグネシウム単結晶体である請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項21】
前記酸化マグネシウム結晶体が、2000オングストローム以上の粒径を有している請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−181841(P2008−181841A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16256(P2007−16256)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】