説明

プラズマディスプレイ用反射防止フィルム

透明基材フィルム31の一方の面に反射防止層51が設けられ、透明基材フィルム31の他方の面に、PDPの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤及び/又は近赤外線吸収剤を含有する特定波長光遮断層39が設けられている。また必要に応じ特定波長光遮断層39に粘着層41が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムに関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイ表示素子(略称PDPともいう)の前面に配置して、素子から発生する近赤外線を遮蔽すると共に画面での外光の反射を防止して、ディスプレイ(画像表示装置ともいう)に表示された画像を良好に視認できるようにするためのプラズマディスプレイ用反射防止フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PDP」は「プラズマディスプレイ表示素子」、「NIR」は「近赤外線」、「EMI」は「電磁波」、及び「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」をいう。さらに、「反射防止」は「多層膜干渉により反射光を減衰させる方式の反射防止及び又は拡散反射により正反射光成分を低減させる方式の防眩」機能を総称して用いる。
【0003】
(技術の背景)
PDPは、データ電極と蛍光層を有するガラス基板と透明電極を有するガラス基板とを組み合わせ、内部にキセノン、ネオン等のガスを封入したものであり、従来の陰極線管(CRT)と比較して大画面にでき、普及が進んでいる。PDPの画面には日光等の外光の反射を低減せしめる為の処理が必要とされる。又、PDPが作動すると電磁波、近赤外線及び封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長の不要光が大量に発生する。これらの電磁波、近赤外線、特定波長の不要光を遮蔽又は低減するために、PDPの前面に近赤外線吸収フィルム、及び不要光吸収フィルム及び反射防止フィルムを間に接着剤層を介して積層して成るプラズマディスプレイ用前面板(複合フィルター)を設け、プラズマディスプレイを形成している。
【0004】
プラズマディスプレイ用反射防止フィルムは、プラズマディスプレイ用前面板の1部を構成し、適度な透明性(可視光透過率)や輝度に加えて、外光の反射防止性、防眩性を付与して表示画像の視認性を向上させる機能が求められている。また、PDPから発生する波長900〜1,100nmの近赤外線も、他のVTRなどの遠隔操査機器を誤作動させるので、遮蔽する必要がある。また、PDPに特有の封入ガス固有の発色スペクトルを補正したり、好みの色調に調整したりして、色質を適正化して表示画像の品質を向上させる必要もある。さらに、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムは、必要に応じて他の層、例えば、電磁波(EMI)シールドフィルムや、外力での破損を防止する機械的強度を有する基板などの層と組み合わせて、容易にプラズマディスプレイ用前面板とすることができることが求められている。
【0005】
(先行技術)
従来、ディスプレイ用光学フィルターは、近赤外線遮蔽性の色素を用いた部材のものが知られている(例えば、特許文献1〜2参照。)。しかしながら、これらのいずれの公報でも、色素を基材へ含有させているので、含有のための工程が増加し、この工程のための設備や材料を必要とし、高コストになるという欠点がある。また、ディスプレイ用光学フィルターは、電磁波遮蔽層や反射防止層を接着(粘着)層などで積層し、構成する層中に近赤外線吸収剤や特定波長光を吸収する色素を含有するものが知られている(例えば、特許文献3〜5参照。)。しかしながら、これらのいずれの公報でも、単に色素を含有させるとの記載のみで、色素によって含有させる層を限定については記載も示唆もされていない。又、反射防止フィルム、近赤外線吸収フィルム、及び電磁波遮蔽フィルムを間に接着剤層を介して積層して複合フィルターを構成したものも知られている(例えば、特許文献6)。
【特許文献1】特開2000−137442号公報
【特許文献2】特開平10−186127号公報
【特許文献3】特開2003−15533号公報
【特許文献4】特開2003−15536号公報
【特許文献5】特開2002−311843号公報
【特許文献6】特開平11−126024号公報
【発明の開示】
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、1枚のフィルムの貼着によってPDPから輻射される不要光の遮断と反射防止性の付与を可能ならしめることである。即ち、近赤外線及び/又は封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長の不要光を、シールドし、かつ、外光の反射防止を付与することで、良好な天然色が再現出来ると共に、表示画像の視認性が向上し、近赤外線による遠隔操査機器の誤動作が無く、かつ、該視認性が長期間にわたって安定し耐久性のあるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムを最小限の積層工程によって提供することである。
【0007】
本発明は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、透明基材フィルムと、透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、不要光遮断層は透明樹脂と、この透明樹脂中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤及び/又は近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
本発明は、透明樹脂中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
【0008】
本発明は、不要光遮断層上に、更に粘着剤層を積層したことを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
【0009】
本発明は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、透明基材フィルムと、透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、不要光遮断層は透明樹脂と、この透明樹脂中に含有され、近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有する近赤外線吸収層と、近赤外線吸収層の透明基材フィルムと反対側の面に積層され、粘着剤と、この粘着剤中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤とを有する特定波長吸収層と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
本発明は、粘着剤中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
【0010】
本発明は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、透明基材フィルムと、透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、不要光遮断層は近赤外線を反射する金属薄膜からなる近赤外線反射層と、近赤外線反射層の透明基材フィルムと反対側の面に積層され、粘着剤と、この粘着剤中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤とを有する特定波長光吸収層と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
本発明は、粘着剤中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
【0011】
本発明は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、透明基材フィルムと、透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、不要光遮断層は粘着剤と、この粘着剤中に含有されたプラズマディスプレイパネルの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤及び/又は近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
本発明は、粘着剤中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
【0012】
本発明は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、透明基材フィルムと、透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、不要光遮断層は透明樹脂と、この透明樹脂中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤とを有する特定波長光吸収層と、特定波長吸収層の透明基材フィルムと反対側に積層され、粘着剤と、この粘着剤中に含有され近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有する近赤外線吸収層とを有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
本発明は、透明樹脂中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
本発明は、不要光遮断層よりも透明基材フィルム側にある層のいずれか1層以上が紫外線吸収剤を含有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルムである。
【0013】
本発明によれば、適度な透明性、輝度、及び反射防止性が付与され、かつ、波長800〜1,100nmの近赤外線をシールドでき、さらに、PDPに特有の封入ガス固有の発色スペクトルを補正し、表示画像を好みの色調に調整することで、色質が適正化されて、表示画像の品質が向上したプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが提供される。
【0014】
本発明によれば、電磁波シールドフィルムや基板などの層と組合わせて、容易にプラズマディスプレイ用前面板とすることができるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが提供される。
【0015】
本発明によれば、近赤外線の吸収着色剤と、封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光の吸収着色剤とが、別の層に含有されているので、透過率調整が必要な色調補正用着色剤のみを容易に調整でき、視認性が長期間にわたって安定した表示画像が得られるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが提供される。
【0016】
本発明によれば、近赤外線及び電磁波のシールド機能を有するプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが提供される。
【0017】
本発明によれば、反射防止層、近赤外線吸収層、及び特定波長光吸収層とを予め一体化して成る為、層構成が少なく、プラズマディスプレイ用前面板を製造する際の工程数も削減出来て、低コストなプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが提供される。
本発明によれば、不要光遮断層よりも透明基材フィルム側(外側)に位置するいずれか1層以上が紫外線吸収剤を含有する為、日光等外光に含まれる紫外線によって不要光遮断層中の着色剤を劣化させて、近赤外線吸収能力が低下したり、或は黄変等の変色を起こすことを防止出来る耐光性良好なプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[図1]は本発明によるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの一実施の形態の断面図である。
[図2]は本発明によるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの他の実施の形態の断面図である。
[図3]は本発明によるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの他の実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明によるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの一実施の形態の断面図である。
図2は、本発明によるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの他の実施の形態の断面図である。
図3は、本発明によるプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの他の実施の形態の断面図である。
【0020】
(基本の構成)
図1に示すように、本発明のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム30は、反射防止層51/透明基材フィルム31/不要光遮断層39からなる。すなわち、プラズマディスプレイ用反射防止フィルム30は、透明基材フィルム31と、透明基材フィルム31の一方の面に設けられた反射防止層51と、透明基材フィルム31の他方の面に設けられた不要光遮断層39とを備えている。また図1において、不要光遮断層39に粘着剤層41を積層して設けてもよい。不要光遮断層39の具体的形態としては、図1では、不要光遮断層39中に近赤外線吸収剤及び/又は色調補正用着色剤を含有させる。
【0021】
必要に応じて、また、図2に示すように、プラズマディスプレイ用反射防止フィルム30は反射防止層51/透明基材フィルム31/近赤外線吸収層39A/特定波長光吸収層39Bを有し、前記近赤外線吸収層39Aへ近赤外線吸収剤を含有させ、特定波長光吸収層39Bへ色調補正用着色剤を含有させてもよい。或いは近赤外線吸収層39Aに替えて、金属薄膜から成る近赤外線反射層39Dを用いてもよい。この場合、近赤外線吸収層39Aと特定波長光吸収層39B、あるいは近赤外線反射層39Dと特定波長光吸収層39Bとにより不要光遮断層39が構成される。
【0022】
さらにまた、図3に示すように、プラズマディスプレイ用反射防止フィルム30は反射防止層51/透明基材フィルム31/不要光遮断層39Cを有し、前記不要光遮断層39Cに近赤外線吸収剤及び/又は色調補正用着色剤を含有させてもよい。
上記の色調補正用着色剤を含有する不要光遮断層39、特定波長光吸収層39B、および不要光遮断層39C中に、さらに色調調整用着色剤を含有させてもよい。
【0023】
さらにまた、図1乃至図3において、透明基材フィルム31と反射防止層51との間には、ハードコート層を設けることが好ましく、該ハードコート層を反射防止層51の1層として利用してもよい。
【0024】
本発明のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム30は、プラズマディスプレイ用電磁波シールドフィルム及び/又は保護板などの他の部材と併用して、PDPの観察側に設置することで、プラズマディスプレイ用前面板となり、求められる機能を発現する。
【0025】
(着色剤の定義)
なお、本発明では複数の着色剤を用いるので、混同を避けるために、本明細書中では、PDPより発生する波長800〜1,100nmの近赤外線をシールドする着色剤を「近赤外線吸収剤(NIR吸収剤ともいう)」とし、PDPに特有の封入ガス(ネオンガスなど)固有の発色スペクトル、即ち特定波長の不要光を補正する着色剤を「色調補正用着色剤(Ne光吸収剤ともいう)」とし、表示画像を好みの色調に調整する着色剤を「色調調整用着色剤」と定義する。又これらを総称して単に「着色剤」とも云う。
【0026】
(プラズマディスプレイ用反射防止フィルムの製造、及び材料)
本発明のプラズマディスプレイ用反射防止フィルムは、まず、(1)透明基材フィルム31を準備し、この一方の面(プラズマディスプレイの最外層)に反射防止機能を付与するか、又は反射防止機能付き透明基材フィルムを準備する。(2)上記透明基材フィルム31の反射防止と反対面へ、不要光遮断層39を形成する。(3)(2)の上記不要光遮断層39面へ、粘着層41を形成して、図1に示すプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが得られる。
【0027】
上記不要光遮断層39、近赤外線吸収層39A、上記特定波長光吸収層39B、または不要光遮断層39Dに、近赤外線吸収剤、色調補正用着色剤、及び/又は色調調整用着色剤が含有される。
(1)図1において、不要光遮断層39は、透明合成樹脂(塗料の結合剤(バインダー)に相当)を有し、この透明合成樹脂中に近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)及び/又は色調補正用着色剤(代表的にはNe原子の発光スペクトル吸収剤)、さらに必要に応じて色調調整用着色剤が含有されている。
(2)図2において、近赤外線吸収層39Aは透明合成樹脂を有し、この透明合成樹脂中に近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)が含有されている。別層の特定波長光吸収層39Bは粘着剤からなり、この粘着剤は色調補正用着色剤(代表的にはNe原子の発光スペクトル吸収剤)、さらに必要に応じて色調調整用着色剤を含有する。
(3)図3において、不要光遮断層39Cは粘着剤からなり、この粘着剤は近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)及び/又は色調補正用着色剤(代表的にはNe原子の発光スペクトル吸収剤)、さらに必要に応じて色調調整用着色剤を含有する。
(4)なお、図2において、近赤外線吸収層39Aに替えて、近赤外線を反射する金属薄膜層から成る近赤外線反射層39Dを形成してもよい。
【0028】
また図2において、透明合成樹脂中に色調補正用着色剤を含有させて特定波長光吸収層39Bを設け、粘着剤中に近赤外線吸収剤を含有させて近赤外線吸収層39Aを設けると共に、両層39A及び39Bの積層順を図2とは逆とし、透明基材フィルム31側に特定波長光吸収層39Bを設け、近赤外線吸収層39Aを外方にもってきてもよい。
【0029】
(透明基材フィルム)
製造方法及び使用材料について順次説明する。透明基材フィルム31の材料としては、使用条件や製造に耐える透明性、絶縁性、耐熱性、機械的強度などがあれば、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6やナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアラミドなどのエンジニアリング樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどがある。
【0030】
該透明基材フィルム31は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該透明基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該透明基材31の厚さは、通常、12〜1000μm程度、好ましくは50〜700μm、100〜500μmが最適である。これ以下の厚さでは、機械的強度が不足して反りやたるみなどが発生し、これ以上では、過剰な性能となってコスト的にも無駄である。また、透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光線透過率で80%以上の透明性を有している。透明基材フィルム31は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用するが、これらの形状を本明細書ではフィルムと総称する。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などのセルロース系樹脂などのフィルムは透明性、耐熱性がよく、低コストであり好適に使用され、このうちポリエチレンテレフタレートが最適である。
【0031】
透明基材フィルム31は、塗布に先立って塗布面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
【0032】
帯電防止剤は、透明基材フィルム31表面へ、公知のスプレイやロールコーティング法で塗布してもよく、他のバインダへ混入させて、該塗布液を公知のスプレイやロールコーティング法で塗布してよい。また、帯電防止剤は、反射防止層51、不要光遮断層39などの他の層の組成物へ混入させて、該他の層の形成と同時に設けてもよい。
【0033】
(反射防止機能)
上記透明基材フィルム31表面に、反射防止機能を付与するために、少なくとも反射防止層51が設けられている。また、反射防止フィルムTAC−AR1(大日本印刷社製、商品名)などの市販品の反射防止機能付き透明フィルムを用いてもよい。反射防止機能は、太陽、蛍光燈などからの外光が、PDPの画面に入射して反射することから生じる画面の眩しさ、周囲の景色の映り込みを低減させる機能をいう。また、表面の反射率を抑えることで、画像のコントラストが良くなりその結果、画像の視認性が向上する。尚、本明細書に於いて「反射防止層」とは、多層膜干渉方式の反射防止層(所謂狭義の反射防止層)、及び拡散反射方式の所謂防眩層の両方を包含する意味で用いる。
【0034】
(多層膜干渉方式の反射防止層)
本明細書において「多層膜干渉方式の反射防止層」とは、透明基材フィルム31表面に、透明な誘電体層を1層以上積層した構成のものを意味する。該誘電体層のうち最外層の屈折率をその直下の層(透明基材フィルム、直下の誘電体層、或いは後述の如くハードコート層の上に反射防止層を積層する場合に於いてはハードコート層)よりも低屈折率となる様に構成し、且つ該誘電体層の光学的厚み(屈折率×幾何学的厚み)を反射防止すべき光の波長の1/4とする。このような構成により各層界面からの反射光を干渉により減衰させることができる。反射防止層の代表的な層構成としては、(1)透明基材フィルム/〔低屈折率層〕、(2)透明基材フィルム/〔高屈折率層/低屈折率層〕、(3)透明基材フィルム/〔低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層〕、(4)透明基材フィルム/〔高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層〕等が挙げられる。尚ここで〔 〕内が多層膜干渉方式の反射防止層の構成である。多層膜干渉方式の反射防止層を構成する各層の材料としては、低屈折率層については、弗化マグネシウム(MgF)、氷晶石等の無機物、或いは後述の如き低屈折率樹脂組成物が挙げられる。高屈折率層については、二酸化チタン、硫化亜鉛等の無機物が挙げられる。多層膜干渉方式の反射防止層の製法としては、公知の蒸着、スパッタリング等の乾式コーティング法、或いはロールコート、リップダイコート等の湿式コーティング法が挙げられる。
【0035】
具体例を示すと、(1)屈折率が2.3の硫化亜鉛からなる高屈折率層と、屈折率が1.38の弗化マグネシウムからなる低屈折率層とを、(透明基材フィルム/〔高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層〕)の順で真空蒸着法にて積層した反射防止層を用いることができる。尚、各層の光学的厚みは、可視光線帯域の中間付近の波長ナトリウム原子スペクトルのD線(≒590nm)の1/4とする。
【0036】
(2)透明基材フィルム表面に、低屈折率樹脂組成物からなる低屈折率をリップダイコート法によって塗工し、積層したものを用いてもよい。低屈折率層の光学的厚みは、可視光線帯域の中間付近の波長ナトリウム原子スペクトルのD線(≒590nm)の1/4とする。低屈折率樹脂組成物としては、分子中に弗素原子を含む電離放射線硬化型樹脂中に、平均粒子径5〜300nmの透明微粒子を分散させたものが挙げられる。低屈折率樹脂組成物を透明基材フィルム表面に塗工し、電離放射線を照射して架橋、硬化せしめることにより、硬化塗膜の内部及び/または表面に平均孔径が0.01〜100nmの空気を含有する孔を多数生じ、多孔質塗膜を形成する。
【0037】
このような分子中に弗素原子を含む電離放射線硬化型樹脂は、それ自体が通常の樹脂に比べて低屈折率であり、尚且つ塗膜が多孔質となり空気を含有することによって、塗膜の平均屈折率は空気の屈折率(1.0)に向かって近づき、結果として塗膜の屈折率は低くなる。
【0038】
該分子中に弗素原子を含む電離放射線硬化型樹脂は、数平均分子量が20,000〜500,000程度のポリマーであって、分子中に弗素原子を含むと共に、電離放射線硬化性官能基として(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する。(尚ここで、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基又はメタクリロイル基」を意味する)。分子中に弗素原子を含む電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、フルオロエチレン等の弗素原子含有単量体同志の単独重合体、或いは弗素原子含有単量体とペンタエリスリトールトリアクリレート等の弗素原子非含有単量体との共重合体が挙げられる。該ポリマーに、更に必要に応じて、1分子中に3個以上の電離放射線硬化性官能基を有する単量体を加えても良い。該単量体中には弗素原子を含有しても良いし、含有しなくても良い。尚、電離放射線としては、代表的には電子線、紫外線等が用いられる。
【0039】
上述の微粒子としては、粒子内部に空気を内包した中空粒子、多孔質粒子等の粒子それ自体に空気を含有するものが挙げられる。或いは、粒子それ自体には空気を含有しなくとも、電離放射線硬化型樹脂中に分散した際に、その周囲に空気を付随し微粒径気泡を生じるもの、(1次)粒子が複数集合、凝集して空気を包含するもの等を用いても良い。該微粒子としては、例えば、中空シリカ粒子、多孔質シリカ粒子、コロイダルシリカ、アクリル凝集粒子等が挙げられる。該微粒子の添加量は、該分子中に弗素原子を含む電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、1〜400質量部程度である。
【0040】
(ハードコート層)
必要に応じて、透明基材フィルム31と反射防止層51との間に設けるハードコート層は、JIS−K5400の鉛筆硬度試験でH以上の硬度を有する層からなる。ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートプレポリマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート単量体等を単独或いは2種以上混合したものを塗工し、これを、熱又は電離放射線で硬化させる。
【0041】
(防眩層)
本明細書において、「防眩層」は、層表面の微凹凸、或いは層内部に分散する異屈折率微粒子によって光を拡散(散乱)せしめることによって、ディスプレイ画像のギラツキやチラツキ感を防止するものをいう。防眩性の光学的性質は、ヘイズ値は、3%以上、好ましくは3〜40%、より好ましくは5〜30%となっている。ヘイズ値が3%未満では防眩性が不足し、ヘイズ値が40%超過すると光線透過率が悪くなる。60°グロスは、100以下、より好ましくは90以下、さらに好ましくは50〜85である。60°グロスが100を超えると反射による表面光沢により防眩性が不十分となる。透過鮮明度は、100以上、より好ましくは150以上、さらに好ましくは200〜300である。透過鮮明度が100未満では視認性が不足する。全光線透過率は、70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80〜95%である。全光線透過率が70%未満では透明性が不足する。この範囲が防眩性、視認性、光線透過性、透明性などに総合的によい。
【0042】
防眩層としては公知のものでよく、好ましくはシリカなどの無機フィラーの含む層、又は外光を乱反射する微細な凹凸表面を有する層である。無機フィラーの含む層は、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t−ブチルアクリレートなどからなるポリアクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂、ジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びシリコン系樹脂などの硬化型樹脂中に、通常平均分子径が30μm以下、好ましくは2〜15μm程度のシリカ粒子を、樹脂100質量部に対してシリカ粒子が0.1〜10質量部程度を分散し、グラビアコート、リバースロールコート、ダイコートなどで、乾燥後の厚さが5〜30μm程度となるように、塗布乾燥し、必要に応じて熱、紫外線又は電子線の照射で硬化させて形成される。
【0043】
微細な凹凸表面を有する層としては、無機フィラー層の樹脂及び塗布方法で塗布し凹凸をエンボスしたり、凹凸を有する版胴へ塗布しUVで硬化して後に剥離して表面に凹凸を転写したり、凹凸を有する賦型フィルムへ塗布しUVで硬化して後に剥離して表面に凹凸を転写したり、する公知のものが適用できる。
【0044】
(防汚層)
反射防止層51面へ防汚層を設けてもよい。防汚層には一般的に、撥水性、撥油性のコートで、シロキサン系、フッ素化アルキルシリル化合物などが適用できる。撥水性塗料として用いられるフッ素系或いはシリコーン系樹脂を好適に用いることができる。例えば、反射防止層の低屈折率層をSiOにより形成した場合には、フルオロシリケート系撥水性塗料が好ましく用いられる。
【0045】
(不要光遮断層)
透明基材フィルム31の反射防止層51側とは反対側の面上へ、不要光遮断層39を設ける。不要光遮断層39は透明合成樹脂と、この透明合成樹脂中に含有された近赤外線吸収剤及び/又は色補正用着色剤とを有している。透明合成樹脂の材料としては、透明であればよく特に限定されないが、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線(EB)硬化型樹脂、紫外線(UV)硬化型樹脂やこれらの混合物が使用される。透明合成樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、後述する着色剤、特にジイモニウム系化合物を含有させた場合、該着色剤がイソシアネート基などの官能基を有する硬化剤との硬化反応過程において着色剤が変化し、機能が低下しやすい。また、電子線(EB)又は紫外線(UV)硬化型樹脂の場合には、EB又はUVの照射により、着色剤が変退色や機能低下したりする恐れがあるので、熱可塑性樹脂が好ましい。
【0046】
熱可塑性樹脂としては、色補正用色素や近赤外線吸収剤を担持する結合剤(バインダー)として機能するものであり、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、又は塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体などの塩化ビニル系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体などのアクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系などのポリオレフィン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、セルロース系樹脂(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなど)、これらの混合物等が使用される。なお、本明細書では、変性されたセルロース系樹脂も合成樹脂に含める。好ましい熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はポリエステル樹脂であり、該熱可塑性樹脂は、着色剤である色素の溶解性や安定維持性、及び着色剤の機能耐久性の点で良好である。
【0047】
透明合成樹脂中に、近赤外線吸収剤、色調補正用着色剤等の所望の添加物を加えたものを溶剤などで稀釈して低粘度の組成物(インキ)とし、塗布し乾燥して不要光遮断層39を形成する。該組成物(インキ)としては、上記の樹脂をメチルエチルケトン、酢酸エチル及び/又はトルエンなどを溶媒として分散または溶解する。尚、その際透明合成樹脂とは別に、着色剤を同様の溶媒へ分散または溶解して混合するのが、均一に分散する点で好ましい。塗布方法としては、スクリーン印刷、ロールコート、リバースロールコート、スリットリバースコート、スプレーコート、ダイコート、リップダイコート、グラビアコート(グラビア印刷)、グラビアリバースコート、又はコンマコートなどの公知の印刷又は塗布法で形成すればよい。
【0048】
(粘着剤)
本発明に於いて、粘着剤層41は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルム30を単に被着体に貼る為に用いる(図1)。その他、前記透明樹脂に代えて粘着剤39Bおよび39Cを近赤外線の吸収剤や色補正用着色剤の結合剤として用いることも出来る(図2および図3)。この場合には、図2および図3に示すように、不要光遮断層39B、39C自体が粘着剤層と兼用となり、別途粘着剤層を用いること無く、被着体に接着出来る。これらの粘着剤としては、公知の感圧で接着する粘着剤が適用できる。粘着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、或いはブチルゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合樹脂などの合成ゴム系樹脂、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニール、エチレン−酢酸ビニール共重合体などの酢酸ビニール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジンなどのロジン系樹脂が適用できる。
【0049】
粘着剤は、上記樹脂及び必要に応じ添加する近赤外線吸収剤や色補正用着色剤とを溶剤などで稀釈して低粘度の組成(インキ)とし、塗布し乾燥して粘着剤層、或は不要光遮断層を形成する。該組成物(インキ)としては、上記の樹脂をメチルエチルケトン、酢酸エチル及び/又はトルエンなどを溶媒として分散または溶解し、別途、着色剤等も同様の溶媒へ分散または溶解して混合するのが、均一に分散する点で好ましい。塗布方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、ロールコート、ダイコート、グラビアコート、又はコンマコートなどの公知の印刷又は塗布法で形成すればよい。
【0050】
(NIR吸収剤)
近赤外線吸収剤は、PDPの発する波長800〜1100nm帯域の近赤外線の透過率が20%以下、好ましくは10%以下に、実用に供さられる程度に吸収するものであれば、特に限定されないが近赤外線領域と可視光線領域との境界に急峻な吸収の立上りがあり、可視光領域の光透過性が高い物、例えば、ポリメチン系、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系金属錯体化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、6塩化タングステンなどの近赤外線吸収色素が挙げられる。
【0051】
(色調補正用着色剤)
PDPでは、特有の封入ガス(特にネオンなど)固有の発色スペクトル光(不要発光)が発生して表示画像の色純度が低下するので、これを吸収し補正する着色剤「色調補正用着色剤(特にネオン(Ne)原子の発光スペクトルを吸収する場合に、Ne光吸収剤ともいう)」を含む層を設ける必要がある。色調補正用着色剤としては、特にネオン(Ne)原子の発光スペクトルを吸収する場合は、波長570nm〜605nmに吸収極大を有する着色剤を層中に含有させることによって行う。色調補正用着色剤としては、可視領域に所望の吸収波長を有する一般の染料または顔料で良く、その種類は特に限定されるものではないが、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミン系、キサンテン系、ビロメテン系等の公知の有機色素があげられる。
【0052】
(色調調整用着色剤)
色調調整用着色剤は、透過画像のコントラストの向上や、色彩調整のために用いられ、画像の色調を変えて画像を好みの色調に調整するための、可視領域に吸収を持つ着色剤であり、例えば、モノアゾピグメント、キナクリドン、チオインジゴボルドー、ペリリレンマルーン、アニリンブラック、弁柄、酸化クロム、コバルトブルー、群青、カーボンブラックなどの有機および無機顔料、並びにインジゴイド染料、カルボニウム染料、キノリン染料、ニトロソ染料、ナフトキノン染料、ペリノン染料などの染料を挙げることができる。好ましい着色剤(染料又は顔料)としては、560〜620nmの波長範囲に吸収極大を持つローダミン系、ポルフィリン系、シアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系またはアゾ系の化合物、380〜440nmの波長範囲に吸収を持つシアニン系、メロシアニン系、オキソノール系、アリーリデン系又はスチリル系などのメチン系、アントラキノン系、キノン系、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アゾ系、アゾメチン系の化合物、640〜780nmの波長範囲に吸収を持つシアニン系、スクアリリウム系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、銅フタロシアニン系、フェノチアジン系またはフェノキサジン系などの化合物が好ましく用いられる。これらの単独又は混合して用いてもよい。
【0053】
(着色剤の含有)
不要光遮断層39の層中へ、近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)、色調補正用着色剤(代表的にはNe光吸収剤)、色調補正用着色剤の少なくとも1つの着色剤を含有させる場合には、不要光遮断層39の組成物と着色剤とを溶媒へ溶解又は分散した組成物インキとし、該組成物インキを塗布し乾燥すればよい。粘着剤層41を形成する際には、必要に応じて剥離紙を重ねてロール又は平板などで圧着すればよい。上記の着色剤を均一に分散するために、着色剤自身を事前に溶媒へ溶解又は分散した溶液状とし、同様に不要光遮断層の材料も事前に溶媒へ溶解又は分散した溶液状としておき、それぞれを混合又は再分散して組成物インキとするのが望ましい。混合又は分散の方法としては特に限定はなく、通常の混練・分散機、例えば、デスパー、ミキサー、タンブラー、ブレンダー、ホモジナイザー、ボールミルなどの公知の方法でよい。
【0054】
着色剤の種類や添加量は、着色剤の吸収波長及び吸収係数や、色調及びディスプレイ用前面板に要求される透過率などによって、適宜選択すればよい。例えば近赤外線吸収剤の添加量は、層中に0.1〜15質量%程度を添加し、色調補正用着色剤や色調調整用着色剤などそれぞれの着色剤の添加量は、層中に0.00001〜2質量%程度を添加し、それらの着色剤を紫外線から保護するために、層中にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤を含ませてもよく、紫外線吸収剤の添加量は、層中に0.1〜10質量%程度である。
【0055】
(他の材料の影響)
着色剤、特に近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)としてジイモニウム系化合物を用いた場合、該ジイモニウム系化合物は、理由は定かでないが、接着剤の硬化反応過程や強い極性基の影響を受けて機能が低下しやすいので、本発明のように、機能を低下させにくい透明基材フィルム31、不要光遮断層39へ直接塗布することが望ましい。また、着色剤を含有させる不要光遮断層39に用いる材料も、反応性や極性のできるだけ低い材料を選択することが好ましい。
【0056】
(最終に近い工程)
本発明では、近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)及び/又は色調補正用着色剤(代表的にはNe光吸収剤)に加えて、さらに必要に応じて色調調整用着色剤を含有させる。この色調調整用着色剤を含有させた層を形成する工程は、製造工程の終りに近い工程とすることが重要である。この終りに近い工程で、顧客の好みに応じて、表示画像の色調を容易に調整することができる。このため、事前に色調調整用着色剤を含有するまでは、共通規格でまとめて1品種大ロットで製造することができる。色調調整用着色剤の含有工程で顧客の好みに応じて、色調調整用着色剤を選択して含有させることができ、表示画像の色調調整をすることができる。これによって、色調調整の工程が多品種小ロット化しても、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムの製造工程全体としては、生産性低下や、工程管理の複雑化を最小限に抑えることが出来、コストを低減できる。
【0057】
(近赤外線反射層)
また、本発明では近赤外線をシールドするため、近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)を含有する近赤外線吸収層に替えて、銅、金、銀又は銀−パラジウム合金など金属薄膜から成る近赤外線反射層を用いてもよい。さらに、該金属薄膜と酸化インジウムスズ(ITO)、酸化錫系などの半導体薄膜を交互に複数積層して併用してもよく、この場合には近赤外線をシールドするだけでなく、電磁波(EMI)をシールドすることができる。特に、ITO/銀又は銀−パラジウム合金からなる略3〜11層からなる積層体は、ディスプレイから発生する熱も同時にシールドできる。金属薄膜層は厚いと可視光線透過率が低く、薄いと近赤外線の反射が低くなるので、金属膜では1層に付き100nm以下が好ましく、また、高可視光線透過率で金属薄膜の全体厚さを増やすために、金属薄膜と半導体薄膜との交互積層がより好ましい。半導体薄膜は、導電性及び透明性のために、1層に付き700nm以下が好ましい。上記の金属薄膜及び半導体薄膜の形成方法としては、公知のスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などが適用できる。層数及び/又は複数層の厚さは、近赤外線のシールド性、透明性、透過及び/又は反射色に応じて、適宜選択すればよい。
【0058】
(紫外線吸収剤)
上記の如き層構成のプラズマディスプレイ用反射防止フィルムが、日光等の外光中の紫外線によって、近赤外線吸収剤の劣化を防止する為に、近赤外線吸収剤を含有する不要光遮断層39よりも基材フィルム31側に位置する層の中に、紫外線吸収剤を含有せしめる事が好ましい。斯くの如くすることにより、外光中の紫外線は近赤外線吸収剤(を含む不要光遮断層)に到達する迄の間に吸収され減衰する。紫外線吸収剤を含有せしめる層は、透明基材フィルム31、反射防止層51、或は其他の層のいずれか1層又は2層以上である。或はこれらの層とは別個に透明樹脂中に紫外線吸収剤を含有する層を不要光遮断層39よりも透明基材フィルム31側のいずれかの位置に形成しても良い。紫外線吸収剤としては、透明なものを選ぶが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物等の有機系紫外線吸収剤、粒径0.2μm程度以下の微粒子から成る酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機系紫外線吸収剤が用いられる。紫外線吸収剤の添加量は、各層中に於いて0.1〜5質量%程度である。
【0059】
(プラズマディスプレイ前面板の他の層)
以上で得られた本発明のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム30を、例えば電磁波シールドフィルムや透明基板などの層61と組合わせて、容易にプラズマディスプレイ用前面板60とすることができる(図1)。
【0060】
(電磁波シールドフィルム)
上記電磁波シールドフィルムとしては、電磁波シールド機能があれば、特に限定されない。電磁波シールドフィルムとしては、例えば、メッシュ状金属、金属被覆された繊維状物、銀などの金属薄膜、透明半導体薄膜/金属薄膜を繰り返し単位として1〜7回繰り返して積層された多層薄膜の透明導電層を形成したものなどが適用できる。
【0061】
(透明基板)
上記透明基板としては、機械的強度があれば特に限定されないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースなどのセルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂などが適用できる。透明基材として、好ましくは、ガラス、或はアクリル樹脂である。該透明基板は可視光線に透明であり、波長450nm〜650nmの平均光線透過率が50%以上が、ディスプレイの表示画像の視認性の点で好ましい。また、該透明基板は、必要に応じて機能に影響のない範囲で、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃化剤などを添加してもよい。該透明基板の厚さは特に限定されないが、通常、1mm〜10mm程度、好ましくは2mm〜6mmである。この範囲未満では機械的強度が不足し、この範囲を超えても機械的強度は過剰であり、重量が重くなって実用的でない。
【0062】
(プラズマディスプレイ前面板の製造)
本発明のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム/電磁波シールドフィルム、又は、プラズマディスプレイ用反射防止フィルム/電磁波シールドフィルム/基板、などの積層構成とすることで、容易にプラズマディスプレイ用前面板とできる。プラズマディスプレイ用反射防止フィルムと電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフィルムと基板の組合わせは、空間を空けて重ねて設置してもよく、粘着剤などで貼着してもよい。剥離紙付きの粘着層が設けられている場合には、剥離紙を除去して、他方を貼着し圧着するか、一方の側へ粘着剤を溶媒へ溶解又は分散した組成物インキを塗布し乾燥した後に、他方を重ねてロール又は平板などで圧着するなどの公知の積層方法でよい。
【0063】
(プラズマディスプレイの組立)
上記のプラズマディスプレイ用前面板を、PDPの前面へセットして、プラズマディスプレイとする。プラズマディスプレイ用前面板の透明基板側を、PDPと相対するように設置して、プラズマディスプレイとすればよい。プラズマディスプレイ用前面板とPDPとの間には、空気層があってもよく、又は接着剤などで直接接着してもよい。
【0064】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【実施例1】
【0065】
基材フィルム31として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの一方の面上に順次、ハードコート層、低屈折率層、防汚層を積層した反射防止フィルムTAC−AR1(大日本印刷社製、商品名)を用意して、ハードコート層と反対側のTACフィルム面へ、下記の不要光遮断層組成物を塗布し乾燥して不要光遮断層を形成した。
不要光遮断層の組成液としては、アクリル系樹脂の透明樹脂へ、次の着色剤を予めメチルエチルケトン溶媒へ分散又は溶解させてから混合し、さらに、ザーンカップNo3(株式会社離合社製)で20秒の粘度になるように調整した。着色剤は、近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)として、ジイモニウム系色素CIR1085(日本カーリット社製、商品名)、フタロシアニン系色素IR12(日本触媒社製、商品名)、フタロシアニン系色素IR14(日本触媒社製、商品名)、色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)として、TAP−2(山田化学社製、商品名)、色調調整用着色剤として、PSバイオレットRC(三井東圧染料社製、商品名)を各々用いた。
該不要光遮断層面上へ、アクリル系樹脂の粘着剤層を塗布し乾燥して、その上にPET100μmへシリコーンコートされた剥離紙を貼着した。
【実施例2】
【0066】
不要光遮断層の組成液中に混合する着色剤を、近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)と色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)のみとした以外は、実施例1と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例3】
【0067】
不要光遮断層の組成液中に混合する着色剤を、近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)のみとし、他の着色剤を添加し無い以外は、実施例1と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例4】
【0068】
粘着剤層を設けず、剥離紙を貼着しない以外は、実施例1と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例5】
【0069】
粘着剤層を設けず、剥離紙を貼着しない以外は、実施例2と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例6】
【0070】
基材フィルム31として厚さ75μmの2軸延伸PETフィルムを用い、不要光遮断層の組成液へは近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)だけを加えて近赤外線吸収層として、かつ、粘着剤層の組成物へ色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)を加えて、粘着剤層を兼用する不要光遮断層とし、以上の2層を以って不要光遮断層とした以外は、実施例4と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例7】
【0071】
基材フィルム31として厚さ75μmの2軸延伸PETフィルムを用い、不要光遮断層の組成液へ近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)だけを加えて近赤外線吸収層として、かつ、粘着剤層の組成物へ色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)と色調調整用着色剤を加えて、粘着剤層を兼用する不要光遮断層とし、以上の2層を以って不要光遮断層とした以外は、実施例4と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例8】
【0072】
基材フィルム31として厚さ75μmの2軸延伸PETフィルムを用い、不要光遮断層の組成液へ色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)だけを加えて、かつ、粘着剤層の組成物へ近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)を加えて近赤外線吸収層とした以外は、実施例4と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例9】
【0073】
基材フィルム31として厚さ75μmの2軸延伸PETフィルムを用い、不要光遮断層として粘着剤層の組成物へ近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)と色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)と色調調整用着色剤を加えたものとした以外は、実施例4と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例10】
【0074】
基材フィルム31として厚さ75μmの2軸延伸PETフィルムを用い、不要光遮断層として粘着剤層の組成物へ近赤外線吸収剤(NIR吸収剤)と色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)を加えたものとした以外は、実施例4と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例11】
【0075】
透明基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート中に紫外線吸収剤として、2(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールを1重量%含有する厚さ80μmの層と、紫外線吸収剤を非含有のポリエチレンテレフタレートの厚さ20μmの層との2層積層体から成る総厚100μmの2軸延伸フィルムを用い、該透明基材フィルムの紫外線吸収剤非含有の層側に不要光遮断層を設けた以外は、実施例1と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例12】
【0076】
実施例11に於いて、反射防止フィルムのTACフィルムに替えて、38μm厚PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いた以外は、実施例11と同様にして、プラズマディスプレイ用反射防止フィルムを得た。
【実施例13】
【0077】
厚さ80μmTACフィルムの一方の面へ、15nm厚さの銀薄膜、50nm厚さのITO薄膜、15nm厚さの銀薄膜、50nm厚さのITO薄膜、15nm厚さの銀薄膜、50nm厚さのITO薄膜の順に、真空蒸着法を用いて積層して金属薄膜から成る近赤外線反射層とし、他方の面へ、ハードコート層、低屈折率層から成る反射防止層、防汚層(前述の反射防止フィルムTAC−AR1(大日本印刷社製、商品名)と同仕様)を積層した。
上記ITO薄膜の面上に、下記組成物を塗布し乾燥して、粘着剤層を兼用する不要光遮断層を形成し、PET100μmへシリコーンコートされた剥離紙を貼着した。
不要光遮断層の組成物は、アクリル系樹脂の粘着剤へ実施例1と同様の色調補正用着色剤(Ne光吸収剤)と色調調整用着色剤とを加えたものとした。
【0078】
実施例1〜10の着色剤の含有状況を表1〜2に示す。
【表1】

【表2】

【0079】
(評価方法)
各実施例のプラズマディスプレイ用反射防止フィルムを次のように、プラズマディスプレイ用前面板とし、さらにプラズマディスプレイとして、TVテストパターン、全面が白及び黒を画像を表示させて、色調及び画像の視認性を目視で評価した。実施例1〜3、6〜10、11、及び12のプラズマディスプレイ用反射防止フィルムの剥離紙を除去して、DNP−EMI(大日本印刷社製、電磁波シールドフィルム商品名)を貼着し、さらに、厚さ3mmのガラス板(基板)へ貼着剤で貼着してプラズマディスプレイ用前面板とした。該前面板を、PDPとしてWOOO(日立製作所社製、商品名)の前面に5mmの空気層をあけ設置してプラズマディスプレイとした。実施例4〜5のプラズマディスプレイ用反射防止フィルムへ、粘着剤でDNP−EMI(大日本印刷社製、電磁波シールドフィルム商品名)を貼着し、さらに、厚さ3mmのアクリル板(基板)へ粘着剤で貼着してプラズマディスプレイ用前面板とした。該前面板を、粘着剤で、PDPとしてWOOO(日立製作所社製、商品名)の前面に直接貼着してプラズマディスプレイとした。実施例13の電磁波シールド機能付きプラズマディスプレイ用反射防止フィルムへ、粘着剤で、厚さ3mmのアクリル板(基板)へ粘着剤で貼着してプラズマディスプレイ前面板とした。該前面板を、粘着剤で、PDPとしてWOOO(日立製作所社製、商品名)の前面に直接貼着してプラズマディスプレイとした。
【0080】
(評価)実施例1〜13のすべてが、TVテストパターンとの色調、白及び黒の全面画像でも、色調再現は正常で、ギラツキ、外光の著しい映り込みがなく、良好な表示画像を得た。又30MHz〜1000MHzの範囲に於いて電磁場の減衰率は30〜60dBであり、且つ波長800〜1100nmの範囲に於いて近赤外線の透過率は4〜10%であった。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、
透明基材フィルムと、
透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、
透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、
不要光遮断層は透明樹脂と、この透明樹脂中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤及び/又は近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項2】
透明樹脂中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項3】
不要光遮断層上に、更に粘着剤層を積層したことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項4】
プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、
透明基材フィルムと、
透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、
透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、
不要光遮断層は透明樹脂と、この透明樹脂中に含有され、近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有する近赤外線吸収層と、
近赤外線吸収層の透明基材フィルムと反対側の面に積層され、粘着剤と、この粘着剤中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤とを有する特定波長吸収層と、
を有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項5】
粘着剤中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項6】
プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、
透明基材フィルムと、
透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、
透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、
不要光遮断層は近赤外線を反射する金属薄膜からなる近赤外線反射層と、
近赤外線反射層の透明基材フィルムと反対側の面に積層され、粘着剤と、この粘着剤中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤とを有する特定波長光吸収層と、
を有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項7】
粘着剤中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とする請求項6記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項8】
プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、
透明基材フィルムと、
透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、
透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、
不要光遮断層は粘着剤と、この粘着剤中に含有されたプラズマディスプレイパネルの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤及び/又は近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項9】
粘着剤中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とする請求項8記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項10】
プラズマディスプレイ用反射防止フィルムにおいて、
透明基材フィルムと、
透明基材フィルムの一方の面に設けられた反射防止層と、
透明基材フィルムの他方の面に設けられた不要光遮断層とを備え、
不要光遮断層は透明樹脂と、この透明樹脂中に含有されプラズマディスプレイの封入ガスの発光スペクトルに起因する特定波長光を吸収する色調補正用着色剤とを有する特定波長光吸収層と、
特定波長吸収層の透明基材フィルムと反対側に積層され、粘着剤と、この粘着剤中に含有され近赤外線を吸収する近赤外線吸収剤とを有する近赤外線吸収層とを有することを特徴とするプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項11】
透明樹脂中に色調調整用着色剤が含有されていることを特徴とする請求項10記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。
【請求項12】
不要光遮断層よりも透明基材フィルム側にある層のいずれか1層以上が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載のプラズマディスプレイ用反射防止フィルム。

【国際公開番号】WO2005/022212
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【発行日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513499(P2005−513499)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012490
【国際出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】