説明

プラズマ反応装置およびこれを用いた排気ガス内の粒子状物質の低減システム

燃料貯蔵タンクから供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する排気ガス内の粒子状物質の低減システムは、気体流入口と排出口とを具備したプラズマ反応器と、フィルターを具備したDPF(Diesel Particulate Filter)装置とを含む。前記エンジンの排気管は前記プラズマ反応器の気体流入口と連結され、前記プラズマ反応器の排出口は前記DPF装置と連結される。前記エンジンから排出される排気ガスは、前記プラズマ反応器を経て加熱された後、前記DPF装置に伝達されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の排気ガス後処理システムに関するもので、より詳細には、エンジンから排出される排気ガス中の粒子状物質を除去するための煤煙濾過(diesel particulate filter:DPF)装置において、フィルターに進行する排気ガスを加熱することによって、排気ガス内の粒子状物質を酸化し、効果的に除去するのに寄与することのできる、プラズマ反応器と排気ガス内の粒子状物質の低減システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の排気ガス内の粒子状物質(Particulate materials:PM)は、通常、空気と燃料の混合比で出力を調整するディーゼルエンジンから主に排出される。ディーゼルエンジンは、瞬間的に高出力を出そうとする場合、一定の空気に対する燃料の供給を増加させて当該燃料を燃焼させることになるのだが、この時、空気量の不足による燃料の不完全燃焼によって多量の自動車排出汚染物質が発生する。また、ディーゼルエンジンの燃焼中、結果として起こる吸入空気量の増加と比較して燃焼室への燃料噴射の時間が極めて短いため、局部的に濃厚な量のPMが発生することがあり、これにより多量の自動車排出汚染物質が発生する。一般に、PMは微小な直径を有し、炭素粒子に加えて多量の溶解性有機物を含んでおり、肺ガンの原因になるという最近の報告によって、人体への有害性に関する研究が進行中である。
【0003】
DPF装置は、ディーゼルエンジンから排出されるPMを捕集して燃やす技術を使用し、PMを80%以上低減させることができる。しかし、その技術は高価格という欠点および耐久性の不確実さを有する。DPF装置の技術は、大きく、PMの捕集、再生および制御技術に区分される。
【0004】
DPF装置での方式として、再生過程でのPMの燃焼方法によって、強制再生方式(active regeneration method)と自然再生方式(passive regeneration method)とがある。強制再生方式は、電気ヒータまたはバーナーあるいはスロットリングを使用して再生のための熱を積極的に用いるもので、自然再生方式は、排気ガスの熱を使用して添加剤や酸化触媒によってフィルターを再生させるものである。主として都市部を走行する自動車は低い温度の排気ガスを放出し、従って自然再生方式だけでは望みの性能が得られないため、最近は強制再生方式と自然再生方式の両方を結合した方式が主として採用されている。
【0005】
自然再生方式のDPF技術は、触媒や添加剤を使用してPMの自然再生温度を650℃から300℃に下げる。しかし、市内バスは走行速度が遅く、停車回数も多く、これにより排気ガスの温度が低い、大抵250℃より低いため、自然再生方式を市内バスに直接適用するのは難しい。また、自然再生方式は、排気ガスの温度が150℃乃至200℃と低い、中型または小型のディーゼル車両に適用することも難しい。
【0006】
電気ヒータを使用する強制再生方式の場合、必要とされる電力のコストが過度に高くなる。簡単な構造を有するバーナーを使用する強制再生方式の場合、バーナーが排気ガス中の酸素を使用するので、運転状況によって異なる排気ガス中の酸素の状態に準じた運転の制御が難しい。スロットリングをしたり、燃料添加剤を注入したりする強制再生方式は、触媒におけるPMの酸化温度を低下させるが、吸気/排気管にスロットリングのための装置を必要とし、添加剤による2次汚染の可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、迅速に動作するプラズマ反応器が、エンジンからの排気ガス中の粒子状物質を除去するためのDPF装置のフィルターに進行する排気ガスを加熱し、それによって、前記フィルターが捕集された粒子状物質を迅速かつ効果的に酸化および除去する、粒子状物質低減システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、燃料貯蔵タンクから供給される液状燃料が、プラズマ反応器によってフィルターで優先酸化され得る予備酸化物質に改質された後に前記フィルター側に供給され、それによって前記捕集された粒子状物質の酸化に良い条件を造成し、前記粒子状物質の酸化を効果的に促進させることができる、粒子状物質低減システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、供給される気体および液体間の混合性を向上させることができるようにプラズマ反応器の構造を改善し、それによってシステム全体の動作信頼度を確保した、粒子状物質低減システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、プラズマ反応器が、当該プラズマ反応器内に噴射されて供給された液状燃料によって発生する火炎を安定して誘導し、排気ガスを加熱し、それによって加熱された排気ガスがフィルターに供給され、フィルターの酸化触媒が蓄積された粒子状物質を酸化および燃焼でき、フィルターの再生のための有利な条件を造成できる、粒子状物質低減システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、液状燃料がプラズマ反応器から発生した火炎に噴射されて供給され、それによって気化された燃料がフィルターに瞬間的かつ継続的に供給され、フィルターの酸化触媒が気化された燃料を酸化および加熱でき、粒子状物質の再生のための有利な条件を造成できる、粒子状物質低減システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の模範的な一実施例によれば、燃料貯蔵タンクから供給される炭素水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集および除去する、排気ガス内の粒子状物質の低減システムは、気体流入口および排出口を具備したプラズマ反応器と、フィルターを具備したDPF(diesel particulate filter)装置とを含む。
【0013】
前記エンジンの排気管は前記プラズマ反応器の気体流入口と連通し、前記プラズマ反応器の排出口は前記DPF装置に連通している。前記エンジンから排出される排気ガスは、前記プラズマ反応器を経て加熱された後、前記DPF装置に伝達される。
【0014】
前記プラズマ反応器は、前記気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、前記反応炉の流入ホールを介して連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体、および、前記ベースに支持され、前記反応炉の内面から離隔されながら当該反応炉の内部に突出される電極を含むことができる。
【0015】
前記本体のベースには燃料注入口が形成され、また、前記電極の内部には前記混合チャンバーと連通する加熱チャンバーが形成されても良く、前記燃料注入口は前記加熱チャンバーと連結される。前記燃料注入口には前記本体のベースに固定される燃料噴射器が装着されても良い。
【0016】
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成された、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されても良い。
【0017】
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して反応炉内に流れ、前記電極の外周面を流動するようにすることができる。
【0018】
本発明の模範的な他の実施例によれば、前記エンジンの排気管は分岐され、前記DPF装置と前記プラズマ反応器の気体流入口に各々連通され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンと前記DPF装置を連結する排気管に連通される。前記エンジンから排出される排気ガスの一部は、前記プラズマ反応器を経て加熱された後、前記DPF装置に伝達される。
【0019】
前記プラズマ反応器は燃料注入口を具備しても良く、当該燃料注入口は燃料貯蔵タンクと連結され得る。前記燃料注入口を介して注入された燃料は、気体流入口を介して流入される排気ガスとともに前記反応炉内でプラズマ反応を起こし、前記排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に改質され、あるいは前記排気ガスの温度を上げるために燃焼され、前記DPF装置に伝達されても良い。前記予備酸化物質は水素または一酸化炭素を含むことができる。
【0020】
前記燃料注入口には前記本体のベースに固定される燃料供給管が装着され、前記燃料供給管の側面には気体供給管がそれと連通するように装着され、それによって前記燃料供給管を介して供給される燃料を、前記気体供給管を介して供給される気体とともに前記加熱チャンバー内に噴射する。
【0021】
本発明の模範的なさらに他の実施例によれば、前記エンジンの排気管はDPF装置と連通され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管に連通されていても良い。
【0022】
前記プラズマ反応器は燃料注入口を具備し、当該燃料注入口は前記燃料貯蔵タンクと連結されている。前記燃料注入口を介して注入される燃料は反応炉内でプラズマ反応を起こし、前記排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に改質され、あるいは前記排気ガスの温度を上げるために燃焼され、前記DPF装置に伝達されても良い。
【0023】
本発明の模範的なさらに他の実施例によれば、前記エンジンの排気管はDPF装置と連通され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管に連通されていても良い。前記プラズマ反応器は、本体のベースに形成される第1の燃料注入口に装着され、前記混合チャンバー内に液状燃料を噴射する第1の燃料噴射装置と、前記反応炉に連結された第2の燃料注入口に装着され、前記混合チャンバー内に液状燃料を噴射する第2の燃料噴射装置とを含むことができる。
【0024】
前記電極内には前記混合チャンバーと連通する加熱チャンバーが形成され、前記第1の注入口は前記加熱チャンバーと連結され、前記第1の燃料噴射装置は前記加熱チャンバー内に液状燃料を噴射することができる。前記第2の燃料噴射装置は反応炉の内面に対して角度をなして傾斜がつくようにその側方に取り付けられ、前記反応炉内の前記電極の上部に向かって液状燃料を噴射して供給することができる。前記第1の燃料噴射装置および第2の燃料噴射装置は前記燃料貯蔵タンクに連結されていても良い。
【0025】
前記排気管内には、前記排気ガスの横風を防ぐための保護板を前記プラズマ反応器の排出口に隣接して設けても良い。前記保護板は前記プラズマ反応器の排出口の前方の、前記排気ガスの流れの上流に設置することができる。
【0026】
前記低減システムは、さらに、前記排気管の前記プラズマ反応器に対応する位置に形成される第3の燃料注入口に装着される第3の燃料噴射装置を含むことができる。
【0027】
本発明の模範的なさらに他の実施例によれば、前記エンジンの排気管はDPF装置と連通され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管に連通されていても良い。前記プラズマ反応器は、前記電極の加熱チャンバーに連結された燃料注入口に装着され、前記加熱チャンバー内に液状燃料を噴射して供給する燃料噴射装置を含み、前記電極は前記反応炉の内部と前記加熱チャンバーを連通させる噴射ノズルを含むことができる。
【0028】
前記電極の噴射ノズルは、前記電極の外表面に対して角度をなして傾斜がつくように形成されることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第1乃至第3の模範的な実施例によれば、迅速に動作するプラズマ反応器が、エンジンからの排気ガス中の粒子状物質を除去するためのDPF装置のフィルターに進行する排気ガスを加熱し、それによって、前記フィルターが捕集された粒子状物質を迅速かつ効果的に酸化および除去することができる。
【0030】
また、本発明の第1乃至第3の模範的な実施例によれば、燃料貯蔵タンクから供給される液状燃料が、前記DPF装置で優先的に酸化されることのできる水素と一酸化炭素が主成分である予備酸化物質に改質され、あるいはプラズマ反応器によって燃焼された後に前記DPF装置に伝達され、それによって前記捕集された粒子状物質の酸化に有利な条件を造成し、前記粒子状物質の酸化を効果的に促進させることができる。
【0031】
さらにまた、本発明の第1乃至第3の模範的な実施例によれば、供給される気体および液体間の混合性を向上させることができるようにプラズマ反応器の構造を改善し、それによってシステム全体の動作信頼度を確保させることができる。
【0032】
本発明の第4の模範的な実施例によれば、運転条件によって排気ガスの組成および温度にばらつきがあっても、プラズマ反応器内に噴射された液状燃料によって発生する火炎を安定して維持することができ、これによって負荷による性能変化がなくなり、負荷条件に準じたプラズマバーナーの性能の追従性が急激に減少し、さらに装置の設備および運転条件を簡単化できる。
【0033】
また、プラズマ反応器は気体と燃料の合成条件に拘わらず気化性能を安定的に維持することができ、従って、バーナーを使用した既存の方法の限界を克服することができる。
【0034】
本発明のプラズマ反応器は、液状燃料の微粒子化特性、気化特性および酸化剤との混合特性に特に優れており、粒子状物質の低減技術を向上させることができる。
【0035】
本発明の第5乃至第7の模範的な実施例によれば、電極に燃料を噴射する噴射ノズルを形成することでプラズマ反応器を簡素化することができ、また、プラズマ反応器は燃料を電極で直接気化し、混合チャンバーへ移すことができ、それによって大きな流量の燃料を気化し、十分に燃焼させることができる。
【0036】
前記低減システムを用いれば、常温始動時、低温のため通常、無処理で排出される未燃炭化水素のような有害物質を除去することができ、市内走行のような低温条件でも、予め装備された後処理装置を正常に動作させることができる。
【0037】
結果として、前述した効果によって、公害の原因となる排気ガス中の粒子状物質を効果的に除去することができ、従って環境汚染緩和という最終目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、発明の模範的な実施例を示した添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明は様々な形態で具現することができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。本発明の実施例を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通して同様な構成要素には同様な参照符号を付した。
【0039】
図1は本発明の第1の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図である。
【0040】
図1に示されるように、本実施例にかかる粒子状物質の低減システム100は、燃料貯蔵タンク10から供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジン20の排気管140に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する煤煙濾過(diesel particulate filter:DPF)装置を含む、排気ガス後処理システムを構成する。さらに、前記粒子状物質の低減システム100は、気体流入口163および排出口162を具備したプラズマ反応器150を含み、DPF装置30は酸化触媒32およびフィルター35を含む。本実施例では酸化触媒32を具備したDPF装置30を例として説明したが、本発明の粒子状物質の低減システムは、酸化触媒無しでも実現することもでき、なお本発明で意図する効果を期待することができる。以下、他の実施例でも同様である。
【0041】
前記エンジン20の排気管140はプラズマ反応器150の気体流入口163に連結され、プラズマ反応器150の排出口162はDPF装置30に連結されている。エンジン20から排出される排気ガスは、プラズマ反応器150を経て加熱された後、DPF装置30に伝達される。
【0042】
前記プラズマ反応器150の排出口162の口径は排気管140の口径と同一かそれに近く形成されることができるが、図1では説明の便宜上、排出口162の口径が排気管140の口径より大きく示されている。以下の他の図面でも同様である。
【0043】
本実施例では、プラズマ反応器150は、エンジン20からDPF装置30に伝達される排気ガスの進行路上に設置される。前記プラズマ反応器150は供給される排気ガスとプラズマ反応し、DPF装置30側に排出し、前記DPF装置30に伝達される排気ガスは前記プラズマ反応によって加熱される。その結果、前記排気ガスがDPF装置30の酸化触媒32で酸化される時、酸化に有利な高温の状態が維持可能となる。
【0044】
本実施例では、前記エンジン20から排気管140を通してDPF装置30へ伝達された排気ガスの全量がプラズマ反応器150を経ることになる。また、前記プラズマ反応器150は、当該プラズマ反応器150内に液状燃料を供給することができる、燃料貯蔵タンク10に連結された燃料注入口176をさらに含む。前記燃料注入口176を介して注入された燃料は反応炉161内で前記気体流入口163を介して流入される排気ガスとプラズマ反応し、排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に部分的に改質され、あるいは燃焼され、それから前記DPF装置30へ伝達される。
【0045】
図2は本発明の第2の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図である。
【0046】
図2に示されるように、本実施例にかかる粒子状物質の低減システム200は、燃料貯蔵タンク10から供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジン20の排気管240に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去するDPF装置を含む、排気ガス後処理システムを構成する。さらに、前記粒子状物質の低減システム200は、気体流入口163および排出口162を具備したプラズマ反応器150と、酸化触媒32およびフィルター35を具備したDPF装置30とを含む。
【0047】
前記エンジン20の排気管240はDPF装置30に連結され、前記排気管240から分岐した第1の分岐管241はプラズマ反応器150の気体流入口163に連結され、プラズマ反応器150の排出口162は、エンジン20とDPF装置30を連結する排気管240に第2の分岐管243を介して連結されている。前記エンジン20から排出される排気ガスの一部は、プラズマ反応器150の反応炉161を経て加熱された後、DPF装置30に伝達される。
【0048】
前記プラズマ反応器150は燃料注入口176を具備し、当該燃料注入口176は燃料貯蔵タンク10に連結されている。前記燃料注入口176を介して注入される燃料は反応炉161内で前記気体流入口163を介して流入される排気ガスとプラズマ反応し、排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に部分的に改質され、あるいは燃焼され、それから前記DPF装置30へ伝達される。
【0049】
本実施例では、プラズマ反応器150は、エンジン20からDPF装置30に移送される排気ガスの進行路上に設置される。前記プラズマ反応器150は前記排気ガスの一部が供給されると同時に、前記燃料貯蔵タンク10から炭化水素系燃料が供給されることができる。その結果、前記プラズマ反応器150に供給された排気ガスは、プラズマ反応によって加熱され、前記排気ガスとともに供給された燃料は、前記排気ガスに含まれた酸素(O2)とともにプラズマ反応されながら、部分的に予備酸化物質に改質される。このような予備酸化物質は、前記プラズマ反応器150に供給される炭化水素系燃料と前記排気ガス内の酸素の改質によって得られ、酸化触媒上での相対的に低温の状態における酸化および熱放射によって昇温作用を促すことができる。予備酸化物質の例としては水素(H2)または一酸化炭素(CO)があり、それらの物質の構成比は空気と燃料の混合比を変更することによって調節することができる。
【0050】
前述した如く生成された予備酸化物質は前記DPF装置30に移送され、その後、酸化作用によって前記DPF装置30の酸化触媒32の領域を加熱する。
【0051】
つまり、本実施例では、排気ガスの一部は、プラズマ反応器150を通る間にプラズマ放電によって燃料の燃焼に使用され、あるいは前記酸化触媒32領域を加熱する状態を維持しながら、前記DPF装置30に移送される。これと同時に、前記排気ガスに含まれる酸素とともに前記プラズマ反応器150内に供給される炭化水素系燃料の改質反応によって生成される予備酸化物質は前記DPF装置30に移送され、前記酸化触媒32で優先酸化が進行される。これによって、前記粒子状物質の酸化に有利な温度で前記酸化触媒32領域を加熱している間、フィルター35に捕集された粒子状物質が燃焼されて除去されるので、フィルター35の再生が可能になる。
【0052】
図3は本発明の第3の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図である。
【0053】
図3に示されるように、本実施例にかかる粒子状物質の低減システム300は、燃料貯蔵タンク10から供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジン20の排気管340に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去するDPF装置を含む、排気ガス後処理システムを構成する。さらに、前記粒子状物質の低減システム300は、気体流入口163と排出口162とを具備したプラズマ反応器150と、酸化触媒32およびフィルター35を具備したDPF装置30とを含む。
【0054】
前記エンジン20の排気管340は前記DPF装置30と連結され、前記プラズマ反応器150の排出口162は前記エンジン20とDPF装置30を連結する排気管340に連結される。そして、前記プラズマ反応器150は燃料注入口176を具備し、当該燃料注入口176は前記燃料貯蔵タンク10と連結される。
【0055】
従って、前記燃料注入口176を介して注入される燃料は前記反応炉161内でプラズマ反応し、前記排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に改質され、あるいは燃焼され、それから前記DPF装置30に伝達される。
【0056】
本実施例では、前記プラズマ反応器150の排出口162は前記エンジン20から前記DPF装置30に移送される排気ガスの進行路上に設置される。前記プラズマ反応器150は、前記燃料貯蔵タンク10から供給される炭化水素系燃料をプラズマ反応によって、低温で酸化され得る予備酸化物質に改質させる。
【0057】
炭化水素系燃料の改質に要求される酸素または空気は、同時に前記プラズマ反応器150に供給する必要があり、このような機能は前記気体流入口163によって達成されることができる。外部から供給される気体は前記気体流入口163を介して流入され、一例として前記液状燃料の酸化のための酸化剤として酸素(O2)または酸素を含む空気が流入されることができる。
【0058】
前記プラズマ反応器150を介して生成された予備酸化物質は、排出口162を介してDPF装置30に移送され、酸化触媒32で先に酸化され、これによって前記酸化触媒32の領域は前記排気ガスの前記集められた粒子状物質の酸化に有利な温度に加熱される。
【0059】
前述した模範的な実施例に適用されるプラズマ反応器は、流入される気体および液体間の迅速で効果的な混合を保障する必要があるが、以下で詳細に説明する構成を有することによって、このような機能が達成されることができる。
【0060】
図4は本発明の第1乃至第3の模範的な実施例に適用されるプラズマ反応器の断面図であり、図5は熱交換導管の形状を示す斜視図である。
【0061】
図4を参照すると、前記プラズマ反応器150は、混合および反応空間を提供する本体160と、プラズマ放電のために電圧が印加される電極170とを含む。前記本体160は反応炉161およびベース165から構成され、前記電極170は前記ベース165に支持されて前記反応炉161内に突出される。
【0062】
前記反応炉161は、内部空間を有する円筒形状をなしており、その上に気体流入口163および排出口162が形成されている。前記気体流入口163は空気や排気ガスなどの気体を流入するためのものであり、前記排出口162はプラズマ反応後、反応した物質を排出するためのものである。前記気体流入口163は前記反応炉161の側方に開口されて形成されることができ、前記排出口162は前記ベース165の反対側の一側に開口されて形成されることができる。
【0063】
前記ベース165は前記反応炉161の下端に形成され、前記気体流入口163と連通され、流入ホール168を介して前記反応炉161と連通される混合チャンバー167を具備する。
【0064】
図5に示されるように、前記反応炉161の壁体内には、前記反応炉161の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口163と前記混合チャンバー167とを連通する熱交換導管164が形成される。前記気体流入口163から流入された気体は、前記熱交換導管164に沿って移送されながら反応炉161から伝達される熱を吸収することができる。
【0065】
図6は図4のA−A線に沿った、流入ホールの形状を示す断面図である。
【0066】
前記流入ホール168は、前記反応炉161の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように、当該反応炉161の内面に形成される。前記混合チャンバー167内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料は、回転流を形成しながら前記反応炉161内部に流入され、前記電極170の周囲に行き渡り、それによっていわゆる渦流を形成する。前記流入ホール168は等間隔をなして複数個形成されることができ、これによって前記反応炉161の内部空間は効率的に活用されることができる。
【0067】
前記反応炉161とベース165は一体に形成されるか、別個に形成されて相互結合されることもできる。前記ベース165は、前記電極170の下端部と反応炉161との間の通電を防止するセラミックのような絶縁体を含むことができる。
【0068】
前記電極170は前記ベース165に支持され、前記反応炉161の内面と離隔されながら、当該反応炉161の内部に突出して形成される。このような電極170は概略円錐形状を有し、作動時に高電圧が印加される。ここで、前記電極170と反応炉161との間で高電圧状態を維持するために、前記反応炉161は接地される。
【0069】
前記プラズマ反応器150は燃料注入口176を具備することができ、前記燃料注入口176は燃料貯蔵タンク10と連結され、それゆえ液状燃料が供給される。前記燃料注入口176は前記本体160のベース165に形成され、前記電極170はその中に加熱チャンバー175を具備する。混合チャンバー167と連通される前記加熱チャンバー175は前記燃料注入口176と連結されることができる。
【0070】
燃料供給管181と気体供給管182とを含む、本実施例における燃料噴射器180は前記燃料注入口176に装着される。前記燃料供給管181は前記本体160のベース165に固定され、前記気体供給管182は前記燃料供給管181の側面にそれと連通するように装着され、それによって前記燃料供給管181を介して供給される燃料を、前記気体供給管181を介して供給される気体とともに前記加熱チャンバー175内に噴射する。前記気体供給管182を介して供給される気体は、外部供給源を介して供給されることもでき、前記排気ガスの一部が供給されることもできる。前記燃料注入口176には、液状燃料を直接噴射することができるように、通常のインジェクタが選択的に適用されることもできる。
【0071】
前記プラズマ反応器150の作用を詳細に説明すると、次のとおりである。
【0072】
前記プラズマ反応器150は前記燃料供給管181を介して液状燃料の供給を受け、同時に、空気または酸素(O2)を含む排気ガスが気体流入口182を介して前記プラズマ反応器150内に流入する。この時、流入された空気または排気ガスは、熱交換導管164を通る間にその温度が十分に上げられ、活性化された状態で混合チャンバー167に移送される。そして、燃料供給管181を介して電極170の加熱チャンバー175に移送された液状燃料は、前記加熱チャンバー175内で熱を吸収して気化および活性化された状態で再び混合チャンバー167に移送される。前記混合チャンバー167では、前記熱交換導管164を介して伝達された空気または排気ガスと前記加熱チャンバー175から伝達された気化された燃料とが混合された後、流入ホール168を介して反応炉161の内部空間に流入される。
【0073】
前記のように、プラズマ反応器150に流入される空気または排気ガスと液状燃料は、混合チャンバー167で十分に混合された後、反応炉161の内部空間に流入される。また、前記液状燃料が前記加熱チャンバー175から直接噴出したり、電極170の外部表面と直接接触したりするのを防止できるので、液状燃料のウェッティング現象およびコーキング現象を回避することができる。また、加熱チャンバー175内で暖められた液状燃料は、すぐに混合チャンバー167で空気と混合され、移送中に液化される現象が根本的に防止されることができる。
【0074】
一方、前記混合チャンバー167から流入ホール168を介して反応炉161内部に供給される燃料および空気(または排気ガス)で構成された混合燃料は、前記流入ホール168および電極170の特徴的な構造によって、体積に基づき相対的に高い効率でプラズマ反応を起こすことができる。つまり、本発明の実施例によると、前記電極170は円錐形状を有し、前記流入ホール168は、前記反応炉161の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉161の内面上に形成されるので、前記流入ホール168を介して流入される混合燃料は、前記電極170の外周面に沿って流動し、回転アークを発生し、それによって連続的にプラズマ反応を起こすことができる。
【0075】
図7は本発明の第4の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図で、図8は本発明の第4の模範的な実施例に適用されるプラズマ反応器の断面図である。
【0076】
図7に示されるように、本実施例にかかる粒子状物質の低減システム400は、燃料貯蔵タンク10から供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジン20の排気管440に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する煤煙濾過(DPF)装置を含む、排気ガス後処理システムを構成する。さらに、前記粒子状物質の低減システム400は、気体流入口263と排出口262とを具備したプラズマ反応器250と、酸化触媒32およびフィルター35を具備したDPF装置30とを含む。
【0077】
前記エンジン20の排気管440は前記DPF装置30と連結され、前記プラズマ反応器250の排出口262は前記エンジン20とDPF装置30を連結する排気管440に連結される。前記プラズマ反応器250は、電極270の前方および後方にそれぞれ位置する第1の燃料注入口281および第2の燃料注入口291を具備し、これらの燃料注入口281,291は前記燃料タンク10と連結される。
【0078】
図8を参照すると、前記プラズマ反応器250は、混合および反応のための空間を提供する本体260と、プラズマ放電のための電圧を加える電極270とを含む。前記本体260は反応炉261およびベース265から構成され、前記電極270は前記ベース265に支持されて前記反応炉261内に突出される。
【0079】
前記反応炉261は、内部空間を有する円筒形状をなしており、その上に気体流入口263および排出口262が形成されている。前記気体流入口263は空気や排気ガスなどの気体を流入するためのものであり、前記排出口262はプラズマ反応後、反応した物質を排出するためのものである。前記気体流入口263は前記反応炉261の側方に開口されて形成されることができ、前記排出口262は前記ベース265の反対側の一側に開口されて形成されることができる。
【0080】
前記ベース265は前記反応炉261の下端に形成され、前記気体流入口263と連通され、流入ホール268を介して前記反応炉261と連通される混合チャンバー267を具備する。
【0081】
前記反応炉261の壁体内には、前記反応炉261の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口263と前記混合チャンバー267とを連通する熱交換導管264が形成される。前記気体流入口263から流入された気体は、前記熱交換導管264に沿って移送されながら反応炉261から伝達される熱を吸収することができる。
【0082】
前記流入ホール268は、前記反応炉261の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように、当該前記反応炉261の内面に形成される。前記混合チャンバー267内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料は、回転流を形成しながら前記反応炉261内部に流入され、前記電極270の周囲に行き渡り、それによっていわゆる渦流を形成する。前記流入ホール268は等間隔をなして複数個形成されることができ、これによって前記反応炉261の内部空間は効率的に活用されることができる。
【0083】
前記反応炉261とベース265は一体に形成されるか、別個に形成されて相互結合されることもできる。前記ベース265は、電極270の下端部と反応炉261との間の通電を防止するセラミックのような絶縁体を含むことができる。
【0084】
前記電極270は前記ベース265に支持され、前記反応炉261の内面と離隔されながら、当該反応炉261の内部に突出して形成される。このような電極270は概略円錐形状を有する。前記電極270は、当該電極270と前記反応炉261の内面との間に広い反応空間を形成するために下端部にネックを備えていても良く、それによって火炎が停滞される区間を形成する。前記流入ホール268を介して回転供給される混合燃料は、前記反応空間で回転流を形成しながら、電極270の外周面に沿って移動する。このようにして、前記反応空間内で発生するプラズマはその中で回転し、同一体積の前者と比較してプラズマ反応効率を高めることができる。しかし、前記電極270はネックを備えていなくても良く、本発明がこれに限定される必要はない。
【0085】
一方、本実施例のプラズマ反応器250では、前記第1の燃料注入口276は前記本体260のベース265に形成され、前記第2の燃料注入口278は前記反応炉261に形成される。そして、前記混合チャンバー267内に液状燃料を供給する第1の燃料噴射器280が前記第1の燃料注入口276に装着され、前記反応炉261内に液状燃料を供給する第2の燃料噴射器290が前記第2の燃料注入口278に装着される。
【0086】
前記第1の燃料注入口276は加熱チャンバー275と連結され、前記第1の燃料噴射器280は前記加熱チャンバー275内に液状燃料を噴射して供給することができる。前記噴射された液状燃料は、前記反応炉261によって熱せられた後、混合チャンバー267内に供給される。
【0087】
前記第2の燃料噴射器290は前記反応炉261の側方で当該反応炉261の内面に対して角度をなして傾斜がつくように装着され、前記反応炉261内の電極270の上部に向かって液状燃料を噴射して供給する。勿論、図示されていないが、前記第2の燃料噴射器290が前記反応炉261の側方で当該反応炉261の内面に垂直に装着されるのも可能である。
【0088】
図9は追加の燃料噴射器を備えた図8に示したプラズマ反応器の部分断面図である。
【0089】
第2の燃料噴射器290の数は、反応炉261の大きさに応じて変えることができる。1個またはそれ以上の第2の燃料噴射器290を反応炉261に設置することができ、2個以上の場合は等間隔で放射状に配置しても良い。本実施例では、図9に示されるように、3個の第2の燃料噴射器290が等間隔に配置されている。等間隔で放射状に設置された複数の第2の燃料噴射器290から噴射される液状燃料は、前記反応炉261内で互いに衝突し、より微細な粒子となり得る。
【0090】
前記第2の燃料噴射器290は、第2の燃料供給管291と第2の気体供給管292とから構成される。前記第2の燃料供給管291は前記本体260のベース265に固定され、前記第2の気体供給管292は前記第2の燃料供給管291の側面にそれと連通するように装着される。前記第2の燃料供給管291を介して供給される燃料は、前記第2の気体供給管292を介して供給される気体とともに前記加熱チャンバー275内に噴射されることができる。前記第2の気体供給管292を介して供給される気体は、外部供給源を介して供給されることもでき、前記排気ガスの一部が供給されることもできる。前記第2の燃料注入口278には、液状燃料を直接噴射することができるように、通常のインジェクタが選択的に適用されることもできる。
【0091】
一方、前記第2の燃料噴射器290を介して噴射された液状燃料は、高電圧が印加された電極270と反応炉261内に形成されたプラズマとによって燃焼されて排出口262に火炎を形成する。
【0092】
図10は本発明の第4の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、プラズマ反応器が連結用排気管に連結された一形態を示す断面図である。
【0093】
図10を参照すると、前記プラズマ反応器250のための連結用排気管441が、エンジン20とDPF装置30を連結する排気管440上に形成されることができる。前記連結用排気管441は中心軸に向かって陥没された装着溝443を具備しており、この装着溝443には前記プラズマ反応器250の排出口262が連結される。
【0094】
図11は本発明の第4の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、保護板が形成された連結用排気管にプラズマ反応器が連結された他の形態を示す断面図である。
【0095】
保護板447は、前記プラズマ反応器250の排出口262に隣接して形成されることができる。前記排気ガスの横風から前記火炎を守れるように、前記保護板447は連結用排気管445上に形成された装着溝446に結合されている。前記保護板447は、前記プラズマ反応器250の排出口262の前方の、前記排気ガスの流れの上流側に設置するのが好ましい。
【0096】
一方、前記プラズマ反応器250に対応する位置で前記連結用排気管445上に形成されている第3の燃料注入口449に、第3の燃料噴射器480が装着されている。
【0097】
前記第3の燃料噴射器480は、DPF装置30の酸化触媒32に気体状態の燃料を供給することができるように、前記プラズマ反応器250から発生した火炎230に液状燃料を噴射する。つまり、前記第3の燃料噴射器480を介して噴射された液状燃料は、前記火炎230によって瞬間的に気化されて気体状態の燃料に転換され、このような気体状態の燃料は、排気管440に沿ってDPF装置30の酸化触媒32に移送される。前記第3の燃料噴射器480は燃料貯蔵タンク10と連結され、通常のインジェクタまたはノズルが使用されることができる。このような第3の燃料噴射器480は、常に前記保護板447とともに適用される必要はなく、図10の連結用排気管441にも適用することができるだけでなく、排気管440に装着されることもできる。
【0098】
本実施例にかかる粒子状物質の低減システムの動作を図7および図8を参照して説明すると、次のとおりである。
【0099】
プラズマ反応器250の反応炉261の一側に形成された気体流入口263を介して流入される気体(空気または排気ガス)は、反応炉261上に形成された熱交換導管264を介して移送されながら予熱された後、ベース265に形成された混合チャンバー267内に供給される。
【0100】
前記混合チャンバー267内に流入された気体は、第1の燃料噴射器280を介して供給される液状燃料と混合される。つまり、前記第1の燃料噴射器280を介して供給される液状燃料は、電極270内に形成された加熱チャンバー275内に噴射され、このように噴射された液状燃料は加熱チャンバー275内で予熱された後、前記混合チャンバー267に供給される。
【0101】
前記混合チャンバー267で混合された混合燃料は、流入ホール268を介して反応炉261内で回転流を形成するように供給される。このように供給された混合燃料は、電極270の外周面に沿って回転しながら回転アークを発生し、火炎を誘発するプラズマを発生させる。この時、第2の燃料噴射器290を介して液状燃料が供給され、前記電極270に印加される高電圧と前記プラズマとによって、前記供給された液状燃料は排出口262に火炎を形成して燃焼される。
【0102】
前記火炎は、前記排出口262を介して排気管440または連結用排気管441,445内部にまで拡散され、これを介して移送される排気ガスを加熱する。このように排気ガスが加熱されると、排気ガス内に含有されている粒子状物質(PM)が、DPF装置30の酸化触媒32で容易に反応することができる温度にまで加熱される。
【0103】
一方、第3の燃料噴射器480を適用する場合、液状燃料が第3の燃料噴射器480を介して前記排出口262に形成された火炎に噴射されると、当該液状燃料はDPF装置30の酸化触媒32で酸化による温度の上昇に寄与するために気化される。
【0104】
図12は本発明の第5の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図であり、図13は本発明の第6の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図である。
【0105】
図12に示されるように、本実施例にかかる粒子状物質の低減システム500は、燃料貯蔵タンク10から供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジン20の排気管540に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去するDPF装置を含む、排気ガス後処理システムを構成する。さらに、前記粒子状物質の低減システム500は、気体流入口363と排出口362とを具備したプラズマ反応器350と、酸化触媒32およびフィルター35を具備したDPF装置30とを含む。
【0106】
前記エンジン20の排気管540は前記DPF装置30と連結され、前記プラズマ反応器350の排出口362は前記エンジン20とDPF装置30を連結する排気管540に連結される。前記プラズマ反応器350は電極370の後方に燃料注入口376を具備し、前記燃料注入口376は燃料貯蔵タンク10に連結される。
【0107】
本実施例では、前記電極370は、反応炉361の内部と加熱チャンバー375とを連通する噴射ノズル373を具備している。図14を参照すると、前記電極370の噴射ノズル373は、電極370の外表面に対して角度をなして傾斜がつくように形成されることができる。1個またはそれ以上の噴射ノズル373を電極370に設置することができ、2個以上の場合は等間隔で放射状に配置しても良い。
【0108】
前記プラズマ反応器350の作動時、前記電極370には高電圧が印加される。前記電極370に形成された前記噴射ノズル373から噴射される燃料は、前記反応炉361内で形成されたプラズマによって燃焼されて排出口362に火炎を形成することになる。
【0109】
その他の詳細に説明しない部分は、前記第4の実施例に適用されたプラズマ反応器の特徴と類似している。
【0110】
図15は本発明の第5の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、プラズマ反応器が連結用排気管に連結された一形態を示す断面図である。
【0111】
図15を参照すると、前記プラズマ反応器350のための連結用排気管541が、エンジン20とDPF装置30を連結する排気管540上に形成されることができる。前記連結用排気管541は中心軸に向かって陥没された装着溝543を具備しており、この装着溝543には前記プラズマ反応器350の排出口362が連結される。
【0112】
本実施例にかかる粒子状物質の低減システムの動作を図12および図13を参照して説明すると、次のとおりである。
【0113】
プラズマ反応器350の反応炉361の一側に形成された気体流入口363を介して流入される空気は、反応炉361上に形成された熱交換導管364を介して移送されながら予熱された後、ベース365に形成された混合チャンバー367内に供給される。前記混合チャンバー367内に流入された空気は、燃料噴射器380を介して供給される液状燃料と混合される。
【0114】
前記燃料噴射器380を介して供給される液状燃料は、電極370内に形成された加熱チャンバー375内に噴射され、このように噴射された液状燃料の一部は加熱チャンバー375内で予熱された後、前記混合チャンバー367に供給され、その間、残りは噴射ノズル373を介して反応炉361に噴射される。
【0115】
前記混合チャンバー367で混合された混合燃料は、流入ホール368を介して反応炉361内で回転流を形成するように供給される。このように供給された混合燃料は、電極370の外周面に沿って回転しながら回転アークを発生し、プラズマを発生させる。この時、電極370の噴射ノズル373を介して液状燃料が供給され、前記電極370に印加される高電圧と前記プラズマとによって、前記供給された液状燃料は排出口362に火炎を形成して燃焼される。
【0116】
前記火炎は、前記排出口362を介して排気管540または連結用排気管541の内部にまで拡散され、これを介して移送される排気ガスを加熱する。このように排気ガスが加熱されると、排気ガス内に含有されている粒子状物質(PM)が、DPF装置30の酸化触媒32で容易に反応できる温度にまで加熱される。
【0117】
図16は本発明の第6の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図である。
【0118】
本実施例にかかる粒子状物質の低減システム600は、前記第5の実施例と類似している。しかし、プラズマ反応器600の気体流入口363がエンジン20の排気管640と連結されることによって、前記プラズマ反応器350に排気ガスが流入される。
【0119】
図17は本発明の第7の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、保護板が形成された連結用排気管にプラズマ反応器が連結された一形態を示す断面図である。
【0120】
本実施例にかかる粒子状物質の低減システム700に適用されるプラズマ反応器450では、電極470は、反応炉461の内部と加熱チャンバー475とを連通する噴射ノズル473を具備している。これとともに、前記プラズマ反応器450は、第4の実施例のプラズマ反応器と類似するように、電極470の前方および後方にそれぞれ位置する燃料注入口476,478を具備する。これらの燃料注入口476,478には各々燃料貯蔵タンクと連結される燃料噴射器480,490が装着され、前記加熱チャンバー475または反応炉461の内部に液状燃料を噴射することができる。
【0121】
一方、保護板747は、前記プラズマ反応器450の排出口462に隣接して形成されることができる。前記排気ガスの横風から前記火炎を守れるように、前記保護板747は連結用排気管741上に形成された装着溝743に結合されている。
【0122】
以上、現時点で現実的なものとして考慮される模範的な実施例に関して本発明を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものと理解してはならず、かえって、本発明は添付のクレームの精神および範囲内に含まれた様々な変更および等価な配列をカバーするように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の第1の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図2】本発明の第2の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図3】本発明の第3の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図4】本発明の第1乃至第3の模範的な実施例に適用されるプラズマ反応器の断面図
【図5】本発明の第1乃至第3の模範的な実施例に適用されるプラズマ反応器の、熱交換導管の形状を示す斜視図
【図6】図4のA−A線に沿った、流入ホールの形状を示す断面図
【図7】本発明の第4の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図8】本発明の第4の模範的な実施例に適用されるプラズマ反応器の断面図
【図9】第2の燃料噴射装置を備えた図8に示したプラズマ反応器の部分断面図
【図10】本発明の第4の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、プラズマ反応器が連結用排気管に連結された一形態を示す断面図
【図11】本発明の第4の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、保護板が形成された連結用排気管にプラズマ反応器が連結された他の形態を示す断面図
【図12】本発明の第5の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図13】本発明の第6の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図14】図13に示したプラズマ反応器の電極の、噴射ノズルの位置および形状を示す平面図
【図15】本発明の第5の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、プラズマ反応器が連結用排気管に連結された一形態を示す断面図
【図16】本発明の第6の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの構成図
【図17】本発明の第7の模範的な実施例にかかる粒子状物質の低減システムの、保護板が形成された連結用排気管にプラズマ反応器が連結された一形態を示す断面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料貯蔵タンクから供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する排気ガス内の粒子状物質の低減システムであって、
当該低減システムは、
気体流入口と排出口とを具備したプラズマ反応器、および
フィルターを具備したDPF(Diesel Particulate Filter)装置を含み、
前記エンジンの排気管は前記プラズマ反応器の気体流入口と連結され、前記プラズマ反応器の排出口は前記DPF装置と連結され、
前記エンジンから排出される排気ガスは、前記プラズマ反応器を経て加熱された後、前記DPF装置に伝達されることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の低減システムにおいて、
前記プラズマ反応器は、
前記気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体、および
前記ベースに支持され、前記反応炉の内面と離隔されながら当該反応炉の内部に突出される電極を含むことを特徴とする。
【請求項3】
請求項2に記載の低減システムにおいて、
前記本体のベースには燃料注入口が形成され、前記電極には前記混合チャンバーと連通される加熱チャンバーが形成され、前記燃料注入口は前記加熱チャンバーと連結されていることを特徴とする。
【請求項4】
請求項3に記載の低減システムにおいて、
前記燃料注入口には前記本体のベースに固定される燃料噴射器が装着されていることを特徴とする。
【請求項5】
請求項3に記載の低減システムにおいて、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。
【請求項6】
請求項3に記載の低減システムにおいて、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項7】
燃料貯蔵タンクから供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する排気ガス内の粒子状物質の低減システムであって、
当該低減システムは、
気体流入口と排出口とを具備したプラズマ反応器、および
フィルターを具備したDPF(Diesel Particulate Filter)装置を含み、
前記エンジンの排気管は分岐されて前記DPF装置と前記プラズマ反応器の気体流入口に各々連結され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管に連通され、
前記エンジンから排出される排気ガスの一部は、前記プラズマ反応器を経て加熱された後、前記DPF装置に伝達されることを特徴とする。
【請求項8】
請求項7に記載の低減システムにおいて、
前記プラズマ反応器は燃料注入口を具備し、前記燃料注入口は前記燃料貯蔵タンクと連結され、
前記燃料注入口を介して注入される燃料は、前記気体流入口を介して流入される排気ガスとともに前記反応炉内でプラズマ反応を起こし、前記排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に改質され、あるいは前記排気ガスの温度を上げるために燃焼され、前記DPF装置に伝達されることを特徴とする。
【請求項9】
請求項8に記載の低減システムにおいて、
前記予備酸化物質は、水素または一酸化炭素を含むことを特徴とする。
【請求項10】
請求項8に記載の低減システムにおいて、
前記プラズマ反応器は、
前記気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体、および
前記ベースに支持され、前記反応炉の内面と離隔されながら当該反応炉の内部に突出される電極を含み、
前記燃料注入口は前記本体のベースに形成され、前記電極には前記混合チャンバーと連通される加熱チャンバーが形成され、前記燃料注入口は前記加熱チャンバーと連結されていることを特徴とする。
【請求項11】
請求項10に記載の低減システムにおいて、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。
【請求項12】
請求項10に記載の低減システムにおいて、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項13】
請求項10に記載の低減システムにおいて、
前記燃料注入口には前記本体のベースに固定される燃料供給管が装着され、前記燃料供給管の側面には気体供給管が互いに連通するように装着され、それによって前記燃料供給管を介して供給される燃料を、前記気体供給管を介して供給される気体とともに前記加熱チャンバー内に噴射することを特徴とする。
【請求項14】
燃料貯蔵タンクから供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する排気ガス内の粒子状物質の低減システムであって、
当該低減システムは、
気体流入口と排出口とを具備したプラズマ反応器、および
フィルターを具備したDPF(Diesel Particulate Filter)装置を含み、
前記エンジンの排気管は前記DPF装置と連通され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管と連通され、
前記プラズマ反応器は燃料注入口を具備し、前記燃料注入口は前記燃料貯蔵タンクと連結され、
前記燃料注入口を介して注入される燃料は、前記反応炉内でプラズマ反応を起こし、前記排気ガスと比較して相対的に低温で酸化され得る予備酸化物質に改質され、あるいは前記排気ガスの温度を上げるために燃焼され、前記DPF装置に伝達されることを特徴とする。
【請求項15】
請求項14に記載の低減システムにおいて、
前記プラズマ反応器は、
前記気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体、および
前記ベースに支持され、前記反応炉の内面と離隔されながら当該反応炉の内部に突出される電極を含むことを特徴とする。
【請求項16】
請求項15に記載の低減システムにおいて、
前記燃料注入口は前記本体のベースに形成され、前記電極には前記混合チャンバーと連通される加熱チャンバーが形成され、前記燃料注入口は前記加熱チャンバーと連結されていることを特徴とする。
【請求項17】
請求項15に記載の低減システムにおいて、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項18】
請求項15に記載の低減システムにおいて、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。
【請求項19】
燃料貯蔵タンクから供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する排気ガス内の粒子状物質の低減システムであって、
当該低減システムは、
気体流入口と排出口とを具備したプラズマ反応器、および
フィルターを具備したDPF(Diesel Particulate Filter)装置を含み、
前記エンジンの排気管は前記DPF装置と連結され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管に連通され、
前記プラズマ反応器は、
前記気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースを含む本体、
前記ベースに支持され、前記反応炉の内面と離隔されながら当該反応炉の内部に突出される電極、
前記本体のベースに形成される第1の燃料注入口に装着され、前記混合チャンバー内に液状燃料を噴射する第1の燃料噴射器、および
前記反応炉と連結される第2の燃料注入口に装着され、前記反応炉内に液状燃料を噴射する第2の燃料噴射器とを含むことを特徴とする。
【請求項20】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記電極には前記混合チャンバーと連通される加熱チャンバーが形成され、前記第1の燃料注入口は前記加熱チャンバーと連結され、前記第1の燃料噴射器は前記加熱チャンバー内に液状燃料を噴射することを特徴とする。
【請求項21】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記第2の燃料噴射器は、前記反応炉の側方で当該反応炉の内面に対して角度をなして傾斜がつくように装着され、前記反応炉内の前記電極の上部に向かって液状燃料を噴射して供給することを特徴とする。
【請求項22】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記第1の燃料噴射器および第2の燃料噴射器は前記燃料貯蔵タンクと連結されていることを特徴とする。
【請求項23】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記排気管内には、前記プラズマ反応器の排出口と隣接して排気ガスの横風を防ぐための保護板が形成されていることを特徴とする。
【請求項24】
請求項23に記載の低減システムにおいて、
前記保護板は、前記プラズマ反応器の排出口の前方の、前記排気ガスの上流側に設置されていることを特徴とする。
【請求項25】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記排気管の前記プラズマ反応器に対応する位置に形成される第3の燃料注入口に装着される第3の燃料噴射器を更に含むことを特徴とする。
【請求項26】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項27】
請求項19に記載の低減システムにおいて、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。
【請求項28】
燃料貯蔵タンクから供給される炭化水素系燃料を燃焼させるエンジンの排気管に連結され、排気ガス中の粒子状物質を捕集して除去する排気ガス内の粒子状物質の低減システムであって、
当該低減システムは、
気体流入口と排出口とを有する反応炉と、その内部に形成される加熱チャンバーを有し、前記反応炉の内部に突出する電極とを具備したプラズマ反応器、および
フィルターを具備したDPF(Diesel Particulate Filter)装置を含み、
前記エンジンの排気管は前記DPF装置と連結され、前記プラズマ反応器の排出口は前記エンジンとDPF装置を連結する排気管に連通され、
前記プラズマ反応器は、前記電極の加熱チャンバーと連結される燃料注入口に装着され、前記加熱チャンバー内に液状燃料を噴射して供給する燃料噴射器を含み、
前記電極は、前記反応炉の内部を前記加熱チャンバーと連通させる噴射ノズルを含むことを特徴とする。
【請求項29】
請求項28に記載の低減システムにおいて、
前記電極の噴射ノズルは、前記電極の外表面に対して角度をなして傾斜がつくように形成されていることを特徴とする。
【請求項30】
請求項28に記載の低減システムにおいて、
前記プラズマ反応器は、
反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体を含み、
前記電極は、前記ベースに支持されていることを特徴とする。
【請求項31】
請求項30に記載の低減システムにおいて、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項32】
請求項30に記載の低減システムにおいて、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。
【請求項33】
気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体、
前記ベースに支持され、前記反応炉の内面と離隔されながら当該反応炉の内部に突出され、その内部に前記混合チャンバーと連通される加熱チャンバーを具備する電極、
前記本体のベースに形成される第1の燃料注入口に装着され、前記加熱チャンバー内に液状燃料を噴射して供給する第1の燃料噴射器、および
前記反応炉と連結される第2の燃料注入口に装着され、前記反応炉内に液状燃料を噴射して供給する第2の燃料噴射器を含む、
ことを特徴とするプラズマ反応器。
【請求項34】
請求項33に記載のプラズマ反応器において、
前記第2の燃料噴射器は、前記反応炉の側方で当該反応炉の内面に対して角度をなして傾斜がつくように装着され、前記反応炉内の前記電極の上部に向かって液状燃料を噴射して供給することを特徴とする。
【請求項35】
請求項33に記載のプラズマ反応器において、
前記第1の燃料噴射器および第2の燃料噴射器は燃料貯蔵タンクと連結されていることを特徴とする。
【請求項36】
請求項33に記載のプラズマ反応器において、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項37】
請求項33に記載のプラズマ反応器において、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。
【請求項38】
気体流入口と排出口とが形成される反応炉と、前記反応炉の下端に形成され、前記気体流入口と連通され、流入ホールを介して前記反応炉と連通される混合チャンバーを具備したベースとを含む本体、
前記ベースに支持され、前記反応炉の内面と離隔されながら当該反応炉の内部に突出され、その内部に前記混合チャンバーと連通される加熱チャンバーを具備する電極、および
前記本体のベースに形成される燃料注入口に装着され、前記加熱チャンバー内に液状燃料を噴射して供給する燃料噴射器を含み、
前記電極は、前記反応炉の内部を前記加熱チャンバーと連通する噴射ノズルを含む
ことを特徴とするプラズマ反応器。
【請求項39】
請求項38に記載の低減システムにおいて、
前記電極の噴射ノズルは、前記電極の外表面に対して角度をなして傾斜がつくように形成されていることを特徴とする。
【請求項40】
請求項38に記載の低減システムにおいて、
前記流入ホールは、前記反応炉の内面の法線に対して角度をなして傾斜がつくように当該反応炉の内面に形成され、前記混合チャンバー内で気体と燃料が混合されてなる混合燃料が、回転流を形成しながら前記流入ホールを介して前記反応炉の内部に流入し、前記電極の外周面を流動することを特徴とする。
【請求項41】
請求項38に記載の低減システムにおいて、
前記反応炉の壁体内には、前記反応炉の周囲に沿って螺旋形に形成され、前記気体流入口と前記混合チャンバーとを連通する熱交換導管が形成されていることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−512810(P2009−512810A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536527(P2008−536527)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003394
【国際公開番号】WO2008/016225
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(304059937)コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ (27)
【Fターム(参考)】