プラズマ放電の検出、絶縁および防止のためのシステムおよび方法
【解決手段】RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と共に用いられる装置である。RF生成源は、第1の電極にRF信号を供給するように動作し、これにより、第1の電極と第2の電極との間に電位を生成する。装置は、接続部および電流シンクを含む。接続部は、第1の電極、第2の電極および要素のうちの1つに電気的に接続するように作動可能である。電流シンクは、接続部分と接地への経路とに電気的に接続する。電流シンクは、電圧閾値を含む。電流シンクは、電気的に接続される第1の電極、第2の電極および要素のうちの1つの電圧が電圧閾値より大きい場合に、接続部から接地に電流を導電させるように作動可能である。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体産業では、プラズマがシリコンウエハの処理に広く利用されている。通常、基板に材料を堆積および/または基板から材料をエッチングするために、プラズマチャンバが使用される。プラズマの動的状態を考慮すると、異なる電位の2つのノード間における、アークとして知られている電子の瞬間放電を検出して制御することが常に必要である。アーク放電は、さまざまな理由によりプラズマ処理システムによくみられる問題である。第一に、アーク放電は、急速な放電を引き起こすため、破壊的であることが多く、プラズマチャンバ内で部品を破壊したり、および/または、徐々に破壊したりする可能性がある。また、アーク放電の存在は、堆積および/またはエッチ速度などのさまざまな処理パラメータに影響を及ぼし、これは、加工処理されるウエハの不均一性の原因となりうる。さらに、アーク放電は、ウエハ表面に欠陥を引き起こす可能性があり、ウエハ上に製造され、動作する半導体装置の歩留まりを低下させる。したがって、ウエハ加工処理時に、プラズマチャンバ内でアーク発生を検出し、絶縁し、防止する有効な方法を見いだすことが望ましい。
【0002】
アーク放電は、プラズマチャンバ内の不安定性の1つと考えることができる。プラズマの不安定性によって、プロセス制御を困難にする(プロセス再現性を低下させる)可能性があることが知られており、一般に、プラズマの不安定性を最小限に抑える方法が開発されている。
【0003】
図1は、プラズマの不安定性を最小限に抑えるフィードバック制御を使用する従来のプラズマ処理システム100のブロック図である。システム100は、プラズマチャンバ150、発電機110、電力変調器120および信号検出器130を含む。
【0004】
動作時、発電機110は、例えばアンテナまたは容量結合装置を経由してプラズマチャンバ150に電力(たとえばRF電力)を供給する。供給された電力は、プラズマの形成を可能にする。信号検出器130は、プラズマのパラメータに関する信号をプラズマから収集し、この信号は、プラズマのパラメータ(たとえば、電子密度、電子温度、イオン密度、陽イオン温度)と特定の関係または相関を有する。電力変調器120は、プラズマのパラメータの不安定性を減少させるために、検出された信号に応じて発電機110によって発生した電力を変調するように作動可能である。このように、プラズマの不安定性を、プラズマチャンバ150に供給された電力のフィードバック制御によって最小限にする。
【0005】
しかし、この基本システムは、プラズマチャンバに供給される電力を制御できるにすぎず、プラズマチャンバ内に発生しうる不安定性を直接制御できない。また、システム100は主に、アーク放電と関係があるかどうか不明である一般的なプラズマの不安定性を最小限にすることを対象にしている。したがって、特にプラズマ処理チャンバでアーク放電を診断するように設計される方法およびシステムを使用することがさらに望ましい。
【0006】
図2は、プラズマ処理チャンバでアーク放電を減少させるための従来の方法200を示すフローチャートである。方法200は、処理チャンバのガス分散面板に電圧プローブを結合させて(202)、面板電圧を測定する(204)ことから開始してもよい。高速電圧測定装置は、電圧プローブと結合して、面板電圧測定の経時変化を示すプロットを生成して(206)もよい。このプロットは、処理チャンバ内のアーク放電を示す特徴(たとえば電圧スパイク)を含むことが可能であり、これらの特徴は、アーク放電の根本原因を診断し、修正するために使用してもよい。
【0007】
方法200では、プラズマ堆積時に、アーク放電を減少させる(または除去する)ために、プラズマ堆積処理に対して3つの調整が行われる。これらの調整は、処理チャンバに供給される全RF電力を減少させるなどRF電力レベルを変更する(208)ことを含んでもよい。RF電力の多重周波数を処理チャンバに供給する場合、1または複数のRF周波数に対してパワー調整を行ってもよい(たとえば、2周波数のRF電源では、低周波RF周波数電力レベルまたは高周波RF周波数電力レベルのいずれかを調整する)。電力レベル調整は、処理チャンバの電圧上昇によって引き起こされるアーク放電を回避するために、堆積の終了前にRF電力の供給を減少させたり、停止したりすることを含んでもよい。
【0008】
調整は、RF電力を処理チャンバに供給するランプ速度に応じて行ってもよい(200)。一般に、従来のPECVD堆積プロセスでは、RFRF電力を、可能な限り高速(たとえば5000ワット/秒以上)でピーク電力レベルに高める。このランプ速度に対する調整は、RFRF電力および/または低周波RF電力のランプ速度を下げることを含んでもよく、0ワットからピーク電力レベルに連続的に増大させる代わりに、電力を段階的に増大させることを含んでもよい。
【0009】
プラズマを形成するために使用する1または複数の前駆体ガスの流量に対してさらに調整を行って(212)もよい。たとえば、フッ素ドープケイ酸塩ガラス(FSG)膜のプラズマ堆積では、シリコン前駆体ガスまたはフッ素前駆体ガスの流量は、アーク放電を回避するために減少させてもよい。また、この調整は、処理チャンバに1または複数の前駆体を導入するタイミングを変化させることを含んでもよい。たとえば、処理チャンバのプラズマの初期形成時のアーク放電を減少させるために、RF電力を供給する前にフッ素前駆体の導入を開始してもよい。
【0010】
堆積処理の特徴に応じて、アーク放電を減少または除去するために、1または複数の調整208、210および212のあらゆる組み合わせを実施してもよい。
【0011】
方法200は、(ステップ206で、面板電圧のプロットでスパイクを観察することによって)大量のプラズマ内に見られる乱れを検出することを可能にするが、アークをフィードフォワードで軽減する方法を提供していない(アークは一度発生したときのみ検出でき、あらゆる調整はその後に発生するアークを防止するために行われる)。さらに、方法200は、アークに関する特定の情報(位置、持続時間、強度など)を全く提供していない。
【0012】
他の従来のアーク検知システムは、プラズマチャンバに供給される電力を監視し、チャンバの電圧および/または電流を所定の閾値と比較することを含む。特定のプラズマ処理システムに関しては、処理を駆動する電源は、チャンバに送達される電力を制御しようとする。チャンバ要素(アノード、カソードおよびチャンバ環境を含む)のインピーダンスは、プラズマを生成する供給回路のインピーダンスと直列である。プラズマで一定の電力を保持するための電圧と電流との関係は、チャンバ要素のインピーダンスに依存する。アークがプラズマチャンバで発生すると、チャンバのインピーダンスの大きさは急速に低下し、これにより、プラズマ生成供給回路のインピーダンスを変化させる。電源および配電回路は、かなりの直列インダクタンスを含み、回路内で電流を変更できる流量を制限する。したがって、チャンバインピーダンスが急速に低下すると、このインダクタンス構成要素によってチャンバ電圧の大きさが急速に減少する。アーク放電事象が発生すると、チャンバ電圧が急速に低下するため、所定電圧閾値または適応電圧閾値を下回る予想外の電圧降下を利用してアーク放電条件の発生を定義することができる。これは、以下に記載するように、図3に示す従来システムの背後にある原理である。
【0013】
図3は、アーク検出配置を使用する別の従来のプラズマ処理システム300を示す。システム300は、スパッタリングおよび堆積に使用される物理堆積(PVD)システムであるが、アーク検出配置はプラズマエッチングシステムなどの他のプラズマシステムに接続して実装されてもよい。
【0014】
システム300は、低圧力でアルゴンなどのガス315を含む堆積チャンバ310を含む。金属ターゲット320が、真空チャンバ310に配置され、カソードとして独立している電源インタフェースモジュール(PSIM)340を介して電源330と電気結合される。電源330およびチャンバ310は、同軸相互接続ケーブル335を使用して結合される。基板(ウエハ)325は、アノードとして接地接続を介して電源330と結合される。また、真空チャンバ310は通常、接地(アース)と結合される。回転磁石327は、一貫したターゲット着装を維持するようにプラズマを誘導するために含まれる。PSIM340は、チャンバ電圧を感知するように適合されたバッファ付きの電圧減衰器344を含み、電圧信号経路342を介して、アーク検出装置(ADU)350にチャンバ電圧に対応するアナログ信号を供給する。また、PSIM340は、チャンバ310に流れる電流を感知するように適合されたホール効果型電流センサ346を含み、電流信号経路348を介してチャンバ電流に対応するアナログ信号をADU入力に供給する。ADU350は、ローカルデータインタフェース370を介して、論理配置360、たとえばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)と通信可能に結合される。論理配置360は、データ網380、たとえば高水準プロセス制御ネットワークと結合されてもよい。
【0015】
動作時、電源330によってターゲット320(カソード)と基板325(アノード)との間で生成される電界は、真空チャンバ310内のガスのイオン化を引き起こす。電離気体原子(たとえばプラズマ)は、電界によって加速され、高速でターゲットに衝撃を与え、ターゲット材の分子が、ターゲットから物理的に分離されるか、あるいは、「スパッタ」される。実質的には、放出された分子は、妨げられることなく、低圧ガスおよびプラズマを通り抜けて基板に衝突し、基板325にターゲット材のコーティングを形成する。
【0016】
電圧信号経路342を介して、ADU350は、チャンバ310の電圧を監視し、電圧の大きさが既定のアーク閾値電圧値を下回っている場合は常に、アーク放電状態を検出する。また、電流信号経路48を介して、チャンバ310に流れる電流を監視し、アーク放電事象の検出に使用し、電流量が既定の電流閾値を超える場合は常に、アーク放電事象を判定する。閾値は、論理配置380によって設定される。また、ADU350は、少なくとも1つの閾値に対応するアーク放電条件(事象)を考慮し得る。ここから、検出されるアーク放電供与発生の割合を測定することが可能である。ADU350は、アーク持続時間を測定するために、時計およびデジタルカウンタを含んでもよい。このように、チャンバ310内のアーク放電の量および重大度(発生数、持続時間、強度など)は容易に評価することが可能であり、加工処理されるウエハに起こりうる損傷を正確に評価することが可能となる。
【0017】
アーク放電を密接に監視することができるものの、システム300はアーク位置を視認できず、アーク発生後の影響を緩和することができるのみである。アーク放電は多くの場合、加工処理されるウエハに欠陥/不均一性を招くことから、アーク発生を防ぐことができるプラズマ処理システムを有するのが望ましい。
【0018】
必要とされるのは、プラズマチャンバ内のアーク放電を検出、絶縁および/または防止することができるプラズマ処理システムである。
【発明の概要】
【0019】
本発明の目的は、プラズマ処理システムを併用するシステムと、プラズマチャンバ内のアーク放電を検出、絶縁および/または防止するプラズマ処理システムを作動する方法とを提供することである。
【0020】
本発明の態様によれば、装置は、RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と用いられ得る。RF生成源は、第1の電極にRF信号を供給し、これにより、第1の電極と第2の電極との間に電位を生成するように作動可能である。装置は、接続部および電流シンクを含む。接続部は、第1の電極、第2の電極および要素のうちの1つに電気的に接続するように作動可能である。電流シンクは、接続部および接地への経路と電気的に接続される。電流シンクは、電圧閾値を含む。電流シンクは、電気的に接続される第1の電極、第2の電極および要素のうちの1つの電圧が、電圧閾値より大きい場合、接続部から接地に電流を伝導させるように作動可能である。
【0021】
本発明の他の目的、利点および新規の特徴は、以下の記載で部分的に説明され、以下の記載を検討し、本発明の実施を知ることによって、当業者には部分的に明らかになる。本発明の目的および利点は、本願の特許請求の範囲に特に指摘している手段および組み合わせにより実現され、得られる。
【0022】
添付の図面は、本願明細書の一部に組み込まれてその一部を構成し、本発明の典型的実施形態を示し、本発明の記載と共に本発明の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】プラズマ不安定性を最小限に抑えるフィードバック制御を使用する、従来のプラズマ処理システム100のブロック図である。
【図2】プラズマ処理チャンバでアーク放電を減少させるための、従来の方法200を示すフローチャートである。
【図3】アーク検出配置を使用する別の従来のプラズマ処理システム300を示す図である。
【図4】本発明の一態様による、アーク防止装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム400を示す図である。
【図5】電流シンク408として実装されるダイオード502を含むシステム400からのESC404の分解図である。
【図6】電流シンク408として実装されるダイオード回路602を含むシステム400からのESC404の分解図である。
【図7】本発明の一態様による、システム400内のアーク防止を実施するアルゴリズム700の一実施例を示すフローチャートである。
【図8】ダイオード502として、あるいは、ダイオード回路602に使用することが可能なダイオード800の概略図である。
【図9】順バイアスを印加したダイオード900の概略図である。
【図10】本発明の一態様による、制御装置によって監視されるアーク絶縁装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム1000を示す図である。
【図11】本発明の一態様による、アーク絶縁装置、可変電圧源および電流センサを有する容量結合されたRFチャンバシステム1100の概略図である。
【図12】本発明の一態様による、システム1200内のアークの検出を実施するアルゴリズム1200の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一態様によれば、プラズマ処理システムは、プラズマチャンバ内のアーク(特に、電力が供給された電極と接地(アース)との間のアーク)の存在を検出し、絶縁し、防止する方法を備える。この方法は、電力が供給された電極と接地との間に配置され、電子部品を含む回路に依存し、その抵抗は、トランジスタやダイオードなどのように、印加した電圧の関数である。回路は、電力が供給された電極から接地に流れる電流を監視して制御できることから、アークの検出および絶縁を可能にし、アークがプラズマチャンバ内で発生するのを防止する。本発明の態様による特定の例示的実施形態は、図4〜12を参照して説明される。
【0025】
図4は、本発明の態様によるアーク防止装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム400を示す。システム400は、上側電極402、静電チャック(ESC)404、RF電源406および電流シンク408を含む。ESC404はRF電源406と電気的に接続されているが、上側電極402は接地されている。電流シンク408は、ESC404と電気的に接続されている。
【0026】
動作時、RF電源406によって供給されるRF電位は、ESC404と上側電極402との間でプラズマ410の形成を許容する。印加したRF電位のため、ESC404で電荷が増大する。ESC404の形状が不均一であるために、ESC404の表面に沿ったRF電圧は不均一となる。これらの不均一性は、ESC404のいくつかの領域に電荷蓄積を引き起こし、チャンバ内(ESC404と上側電極402との間)でアークが発生する原因となりうる。
【0027】
したがって、アーク発生を防止するためには、電流シンク408は、ESC404から接地に過剰電荷を排出するように作動可能である。電流シンク408は、電圧(ESC404の電圧と同じ)が標準プラズマチャンバ作動条件と一致している場合、開回路として作動するように設計されている。ESC404の電圧が所定の閾値を超える場合は、電流シンク408は、導電するようになり、これにより、ESC404から電荷を排出する電流シンクとして作動するように設計される。このように、電流シンク408は、「ヒューズ」のように作動し、アークが発生する可能性を示す「異常」電圧が発生した場合にのみ作動する。
【0028】
本発明の態様に従って、電流シンク408の一例示的実施形態について、図5を参照して記載する。
【0029】
図5は、電流シンク408として実装されるダイオード502を有するシステム400のESC404の分解図を示す。ダイオード502は、標準のプラズマチャンバの動作と一致する全電圧に関して、無視できる量の電流のみを搬送する開回路と同じように特に設計される。他の電圧すべてに関しては、ダイオード502は、導体として作動し、これにより、ESC404から接地に電荷を排出する。このように、ダイオード502は、アーク発生を防止ために動作する。
【0030】
本発明の態様に従って、図6を参照して電流シンク408の別の例示的実施形態を以下に記載する。
【0031】
図6は、電流シンク408として実装されるダイオード回路602を有するシステム400のESC404の分解図を示す。図に示すように、ダイオード回路602は、ESC404のさまざまな位置に取り付けられた複数のダイオードを含む。上述のように、個々のダイオードは、ESC404に印加される電圧に依存して、開閉するスイッチのように作動可能である。図5を参照して説明したように、単一のダイオード502とは異なり、ダイオード回路602を有する利点は、複数のダイオードはアークの発生した場所に関してさらに正確に求めることが可能にする。特に、たとえば既知のあらゆるダイオード監視のシステムまたは方法に基づいて、ダイオード回路602内のどのダイオードが電流を導電させたかに注目することによって、アークが発生したESC404上の正確な位置が決定され得る。このように、システム400は、アークの発生を防止できるのみならず、アークが発生する可能性のある位置を絶縁することができる。
【0032】
本発明によるアーク防止の方法の一例は、図7を参照して記載する。
【0033】
図7は、本発明の態様によるシステム400内でアーク防止を実施するアルゴリズム700の一例を示すフローチャートである。この実施例では、単一のダイオード(ダイオード502など)またはダイオード回路(ダイオード回路602など)が電流シンク408として実装されると仮定している。
【0034】
アルゴリズム700は開始し(S702)、プラズマチャンバは動作し、システム400はウエハ加工処理を開始する(S704)。たとえば、RF電源406は作動し、チャンバ内にプラズマを形成できるようにESC404にRF電力を供給してもよい。
【0035】
次に、加工処理の間に、電流シンク408は、ESC404の局所電圧を感知する(S706)。
【0036】
次に、ESC404の電圧が規定のウエハ処理条件と一致するか否かを判定する(S708)。ESC404の電圧が規定のウエハ処理条件と一致する場合、たとえば、ESC404の電圧が電流シンク408の所定の閾値以下である場合、ウエハ加工処理は正常に処理される。この場合、電流シンク408は、開回路のような状態となり、電流を導電しない。
【0037】
この時点で、ウエハ加工処理が完了したか否かを判定する(S710)。ウエハ加工処理が完了している場合、アルゴリズム700は停止する(S712)。アルゴリズム700が完了していない場合、電流シンク408は、ESC404の電圧の感知を継続する(S706)。
【0038】
ステップS708に戻り、ESC404の電圧が規定のウエハ処理条件と一致していない場合、たとえば、ESC404の電圧が電流シンク408の所定の閾値を超える場合、電流シンク408は、ESC408から接地(S714)へ電流を排出するために電流を導電させる。この後、ウエハ加工処理は停止し、アルゴリズム700は停止し(S712)、ウエハ加工処理を継続するためにはシステム400を再開する必要がある。
【0039】
図5および図6では、電圧の関数としての可変抵抗と、通電に関して「オン」と「オフ」を切り替える能力により、電流シンク408にダイオードが実装される。図8は、ダイオード502として、あるいは、ダイオード回路602に使用することが可能なダイオード800の概略図を示す。
【0040】
図では、電圧源802を介してバイアスを印加したダイオード800を示す。ダイオード800は、p−ドープ領域804、n−ドープ領域806および空乏領域808を含む。電圧源802の極性は、たとえば、p−ドープ領域806にn−ドープ領域804より高いバイアスを印加するということは、ダイオード800に逆バイアスが印加されていることを示す。ダイオード800に逆バイアスが印加されると、空乏領域808は極めて大きくなり、電位が大幅に低下し、ダイオード800を流れる電流フローに対するバリアとして機能する。その結果、ダイオード800に逆バイアスが印加されると、電流はほとんど流れず、ダイオードは「オフ」であると考えられる。
【0041】
図5〜6に戻り、システム400では、正常動作時に、電流シンク408(ダイオード502またはダイオード回路602)のダイオードは、逆バイアスが印加されるように設定され、これにより、有効な電流を導電せず、ダイオードは「開回路」、すなわち、無視できる電流フローがあるとみなされる。
【0042】
図9は、順バイアスを印加したダイオード900の概略図を示す。図では、電圧源902を介してダイオード900にバイアスが印加される。ダイオード900は、p−ドープ領域904、n−ドープ領域906および空乏領域908を含む。電圧源902の極性は、たとえば、p−ドープ領域904にn−ドープ領域906より高いバイアスを印加することは、ダイオード900に順バイアスが印加されていることを示す。
【0043】
ダイオード900に、順バイアスが印加されると、空乏領域908は比較的小さくなり、電位はほとんど低下しないことから、電流フローに対するバリアはほとんどない。正孔濃度曲線908および電子濃度曲線910は、ダイオード900全体の正孔および電子の濃度を示す。正孔濃度曲線908および電子濃度曲線910は、どのように濃度の勾配が過剰電子916および過剰正孔918を引き起こすかをさらに示す。これらの過剰電子916および過剰正孔918は、電流を形成する電子および正孔の拡散を引き起こす。この状態で、順バイアス時には、無視できない量の電流がダイオード900を流れ、ダイオード900は「オン」であるとみなされる。
【0044】
図4〜6に戻り、システム400では、単一のダイオード(図5のダイオード502など)またはダイオード回路(図6のダイオード回路602など)が電流シンク408として実装される場合、いずれかのダイオードに印加される電圧が、規定のウエハ処理条件に関する閾値を超える(局所電荷の蓄積と、アークが発生する可能性とを示す)ように変化する場合は常に、そのダイオードは、「オン」となり、電流が流れることを可能にし、これにより、蓄積された過剰電荷は全て接地に排出される。
【0045】
電流シンク408に実装されるダイオードは、その形状(幅、領域など)のほかにn領域およびp領域の特定のドーピングが、アーク防止装置として特徴を高めることが可能となるように設計してもよい。電流フローに対するダイオードの磁化率の変化は、電荷の消散を制御することを可能とし、これにより、正確な電流経路を求めることによって壊滅的なアーク事象の発生を防止する。
【0046】
システム400で、電流シンク408のダイオードによって感知されるアークの存在を監視して検出するピーク検出器を追加してもよい。ピーク検出器が実装され、複数のダイオード(ダイオード回路602など)が電流シンク408として実装される場合、システム400は、プラズマチャンバのアーク発生を検出、防止、絶縁する能力を有する。これらの能力は、アーク放電によるチャンバへのあらゆる損傷を防止するのに有用であるのみならず、アークの位置に基づいて、アークが発生する可能性のある理由を知る上での手掛かりとなるのに有用である。
【0047】
システム400は、アーク防止装置の個々の要素を監視する制御装置を含んでもよい。図10は、本発明の態様に従って、制御装置によって監視されるアーク絶縁装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム1000を示す。
【0048】
システム1000は、RF電源1002、処理モジュールユーザインタフェース1012、アークアイソレータ1014およびプラズマチャンバ1016を含む。プラズマチャンバ1016は、ESC1018、ESCベースプレート1020およびチャンバ壁1024を含む。アークアイソレータ1014は、デジタルまたはアナログの制御装置とダイオード回路1022とを含む(図示せず)。ダイオード回路1022は、RF電源1002を介して電力が供給されたESCベースプレート1020と、接地されたチャンバ壁1024との間に配置される。
【0049】
動作時には、ソース1002によって供給されたRF電位によって、プラズマ1026がチャンバ1016に形成する。印加したRF電位のため、ESC1018およびESCベースプレート1020で電荷が増大する。ESC1018およびESCベースプレート1020の形状が不均一なので、RF電圧はESC1018およびESCベースプレート1020に沿って不均一となる。これらの不均一性は、ESC1018およびESCベースプレート1020のいくつかの領域に電荷蓄積を引き起こし、ESCベースプレートと接地との間(チャンバ壁1024)でアークが発生する原因となりうる。
【0050】
したがって、アークの位置を検出して、正確に示すためには、ESCベースプレート1020に沿ったさまざまな位置で電圧を監視することができる。これは、アークアイソレータ1014のダイオード回路1022を介して行われる。
【0051】
ダイオード回路1022は、標準のプラズマチャンバの動作と一致する全電圧に対して、たとえばESCベースプレート1020およびチャンバ壁1022といったチャンバ電極によって形成されるキャパシタと並列に、ダイオード回路1022を流れる電流を抑制するような方向に配置される。ダイオード回路1022のダイオードは、ESCベースプレート1020の領域を覆うように、所定の位置に配置されてもよい。電圧がESCベースプレート1020の任意の場所で変化し、つまり、局所の電荷蓄積を示す場合は常に、ダイオード回路1022の局所ダイオードが「オン」となり、過剰電荷が接地に排出される。このように、アークの発生そのものが防止される。アークアイソレータ1014を介してダイオードの電圧および電流を全て監視することによって、アークの存在を検出できるのみならず、オンとなったダイオードに基づいてアーク発生の明確な位置を絶縁できる。
【0052】
システム1000では、ESCベースプレート1020およびESC1018の電荷蓄積は、接地への漏洩電流の経路を制御するために監視される。他の実施形態では、他のチャンバ構成要素の電荷および漏洩電流は、アークを防止するために監視して制御してもよい。
【0053】
これまで、電流シンクとして実装されたダイオードが、その特定の特性(ドーピング、形状など)のみに基づいてオンオフを切替える受動素子にかかわる実施形態を記載してきた。この場合、電流シンクに使用するためのダイオードは、プラズマ処理条件に適した所望の電圧閾値で切り替わるように留意して設計する必要がある。電圧閾値を変更する必要がある場合、電流シンクに使用するダイオードの交換が必要となる。したがって、さまざまなプラズマ処理条件から得ることが可能となるさまざまな電圧閾値に適応させるように調整できる、制御可能なアーク防止装置を実装するのが望ましい。別個に制御可能な装置を使用する他の利点は、接続された装置(たとえばESC)に沿って、電圧をさらに精確に制御することが可能になることである。この種類の実施形態は、図11および図12を参照してさらに記載する。
【0054】
図11は、本発明の態様による容量結合したRFチャンバシステム1100の概略図である。
【0055】
システム1100は、RF電源1102、上側電極1104、下側電極1106、アーク絶縁装置1108、ダイオード制御装置1110、アークアイソレータ1112および高インピーダンス抵抗1122を含む。アーク絶縁装置1108は、システム1000のダイオード回路1022などのダイオード回路を含んでもよい。ダイオード制御装置1110は、電流センサ1118および可変バイアス電源1120を含む。アークアイソレータ1112は、アナログデジタル変換器(ADC)1114およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)1116を含む。
【0056】
動作時には、RF電源1102は、下側電極1106にRF電力を供給するが、上側電極1104は接地される。プラズマ(図示せず)は、上側電極1104と下側電極1106との間で形成される。高インピーダンス抵抗1122は、バイアス電源1120からのバイアス電圧がアーク絶縁装置1108にほとんど伝導されるように、アーク絶縁装置1108と接地との間に配置される。さらに、高インピーダンス抵抗1122は、接地に伝導させる代わりに、アーク絶縁装置1108を通して電流センサ1119に電流の大部分を流すようにする。
【0057】
電流センサ1118は、アーク絶縁装置1108に流れる漏洩電流を検出する。ADC1114は、電流センサ1118に印加される電圧をサンプリングする。FPGA1116は、アーク事象を判定するために、さらには、バイアス電源1120に対して適切な設定点を維持するために、ピーク検出アルゴリズムを適用する。バイアス電源1120は、ダイオード回路1022の各ダイオードのため独立した電圧出力を有する。したがって、下側電極1106に印加される電圧を精確に調整することができ、これにより、得られたプラズマの均一性を改善することができる。また、個々のダイオードの電流および電圧を監視することによって、アークが発生しうる位置を正確に示すことができる。このように、動作時には、潜在的なアーク放電事象の存在は、容易に検出、絶縁および防止される。
【0058】
ウエハ加工処理時のシステム1100のアークの検出、絶縁および防止方法は、図12を参照してさらに明らかに記載する。図12は、本発明の態様に従って、システム1200においてアークの検出を実施するアルゴリズム1200の一例を示すフローチャートである。
【0059】
方法1200は開始し(S1202)、潜在的なアークを特定するためのパラメータ閾値が設定される(S1204)。パラメータは、電圧、電流またはアークの潜在的存在を特定するために監視する別のパラメータであってもよい。たとえば、電流センサ1218によって感知される漏洩電流閾値を設定してもよく、これにより、特定の漏洩閾値を超えると、下側電極1206の電圧または電荷が不均一であると想定され、アークが発生する可能性を示すことが可能となる。
【0060】
次に、プラズマチャンバは作動して、システム1100はウエハ加工処理を開始する(S1206)。たとえば、RF電源1202は作動して、上側電極1104と下側電極1106との間でプラズマを形成できるように、下側電極1206にRF電力を供給してもよい。
【0061】
アークを特定するために使用されるパラメータが測定される(S1208)。たとえば、電流センサ1218を流れる漏洩電流が、監視パラメータの場合、ADC1214はこの電流をサンプリングする。
【0062】
この時点で、監視パラメータが設定した閾値内にあるか否かが判定される(S1210)。たとえば、電流センサ1218を流れる漏洩電流が監視パラメータの場合、FPGA1216は、この漏洩電流を設定した漏洩電流閾値と比較する。
【0063】
監視パラメータが閾値内にある場合、ウエハ加工処理は、正常に処理され、処理が完了したか否かが判定される(S1214)。処理が完了している場合、ウエハ加工処理は終了し、RF電力の供給は停止される(S1216)。ウエハ加工処理が完了していない場合、アークを特定するために使用されるパラメータが再度測定される(S1208)。
【0064】
再びステップS1210に戻り、設定したパラメータ閾値内に監視パラメータがないと判定された場合、アーク絶縁装置1108は調整される(S1212)。たとえば、設定したパラメータ閾値を超える漏洩電流をセンサ1118が感知した場合、FPGA1116は、アーク絶縁装置1108に印加される電圧を適切に調整するようにバイアス電源1120を調整する。次に、アーク絶縁装置1108は、電流を排出し、これにより、漏洩電流は、設定したパラメータ閾値内に低下される。このように、アーク絶縁装置1108は、下側電極1106の表面印加される電圧の分布がさらに均一となるように調整され、アーク発生を防止することが可能である。
【0065】
一例示的実施形態では、下側電極1106に配置されるダイオード回路としてアーク絶縁装置1108を実装することによって、漏洩電流が増大した特定のダイオードの絶縁が可能となり、検出した不均一な位置を正確に示すことが可能となる。
【0066】
アーク絶縁装置の調整後、監視パラメータは再測定される(S1208)。手順は、ステップS1214で加工処理の終了が判定されるまで繰り返され、加工処理の終了が判定されるとステップS1216に進み、処理フローは終了する。
【0067】
図5、6および図8〜11を参照して記載する実施形態は、電流シンク408としてダイオードを使用する。他の実施形態は、電流シンク408として他の受動的または能動的な電流シンク装置を使用してもよく、その非限定的例はトランジスタ、バラクタおよび電位差計を含むことに留意する。さらに他の実施形態は、受動的または能動的な電流シンク装置の非限定的例群の少なくとも2つを組み合わせて電流シンク408として使用してもよい。
【0068】
図4〜6および図8〜11を参照して記載する実施形態は、ESCまたはESCベースプレートから電流を流す電流シンク408を使用する。他の実施形態を使用して、別の電極から電流を流す電流シンク408を使用してもよいことに留意されるべきである。さらに他の実施形態は、電流シンク408を使用して、システム内の別の要素から電流を流してもよく、限定を目的としないが、例えば、ホットエッジリング、チャンバ壁ガス入力ポートおよび締結装置が含まれる。さらに他の実施形態は、複数の電流シンクを使用して、システム内で複数の要素から電流をそれぞれ流してもよく、限定を目的としないが、例えば、ESC、ESCベースプレート、ホットエッジリング、チャンバ壁ガス入力ポートおよび締結装置が含まれる。
【0069】
本発明のさまざまな好適な実施態様に関する上の記載は、例示目的および説明目的で示している。この記載は、本発明を包括するものではなく、開示した精確な形態のみに本発明を限定するものでもなく、上記教示に鑑みれば明らかに多数の変形および変更が可能である。この例示的実施形態は、上に記載したように、本発明の原理および実際の適用を最も良く説明するために選択し、記述したものであり、これにより、当業者が、予測される特定の用途に適合するようにさまざまな実施形態でさまざまな変更を加えて本発明を利用することは可能である。本発明の範囲は、本願の特許請求の範囲によって定義するものである。
【背景技術】
【0001】
半導体産業では、プラズマがシリコンウエハの処理に広く利用されている。通常、基板に材料を堆積および/または基板から材料をエッチングするために、プラズマチャンバが使用される。プラズマの動的状態を考慮すると、異なる電位の2つのノード間における、アークとして知られている電子の瞬間放電を検出して制御することが常に必要である。アーク放電は、さまざまな理由によりプラズマ処理システムによくみられる問題である。第一に、アーク放電は、急速な放電を引き起こすため、破壊的であることが多く、プラズマチャンバ内で部品を破壊したり、および/または、徐々に破壊したりする可能性がある。また、アーク放電の存在は、堆積および/またはエッチ速度などのさまざまな処理パラメータに影響を及ぼし、これは、加工処理されるウエハの不均一性の原因となりうる。さらに、アーク放電は、ウエハ表面に欠陥を引き起こす可能性があり、ウエハ上に製造され、動作する半導体装置の歩留まりを低下させる。したがって、ウエハ加工処理時に、プラズマチャンバ内でアーク発生を検出し、絶縁し、防止する有効な方法を見いだすことが望ましい。
【0002】
アーク放電は、プラズマチャンバ内の不安定性の1つと考えることができる。プラズマの不安定性によって、プロセス制御を困難にする(プロセス再現性を低下させる)可能性があることが知られており、一般に、プラズマの不安定性を最小限に抑える方法が開発されている。
【0003】
図1は、プラズマの不安定性を最小限に抑えるフィードバック制御を使用する従来のプラズマ処理システム100のブロック図である。システム100は、プラズマチャンバ150、発電機110、電力変調器120および信号検出器130を含む。
【0004】
動作時、発電機110は、例えばアンテナまたは容量結合装置を経由してプラズマチャンバ150に電力(たとえばRF電力)を供給する。供給された電力は、プラズマの形成を可能にする。信号検出器130は、プラズマのパラメータに関する信号をプラズマから収集し、この信号は、プラズマのパラメータ(たとえば、電子密度、電子温度、イオン密度、陽イオン温度)と特定の関係または相関を有する。電力変調器120は、プラズマのパラメータの不安定性を減少させるために、検出された信号に応じて発電機110によって発生した電力を変調するように作動可能である。このように、プラズマの不安定性を、プラズマチャンバ150に供給された電力のフィードバック制御によって最小限にする。
【0005】
しかし、この基本システムは、プラズマチャンバに供給される電力を制御できるにすぎず、プラズマチャンバ内に発生しうる不安定性を直接制御できない。また、システム100は主に、アーク放電と関係があるかどうか不明である一般的なプラズマの不安定性を最小限にすることを対象にしている。したがって、特にプラズマ処理チャンバでアーク放電を診断するように設計される方法およびシステムを使用することがさらに望ましい。
【0006】
図2は、プラズマ処理チャンバでアーク放電を減少させるための従来の方法200を示すフローチャートである。方法200は、処理チャンバのガス分散面板に電圧プローブを結合させて(202)、面板電圧を測定する(204)ことから開始してもよい。高速電圧測定装置は、電圧プローブと結合して、面板電圧測定の経時変化を示すプロットを生成して(206)もよい。このプロットは、処理チャンバ内のアーク放電を示す特徴(たとえば電圧スパイク)を含むことが可能であり、これらの特徴は、アーク放電の根本原因を診断し、修正するために使用してもよい。
【0007】
方法200では、プラズマ堆積時に、アーク放電を減少させる(または除去する)ために、プラズマ堆積処理に対して3つの調整が行われる。これらの調整は、処理チャンバに供給される全RF電力を減少させるなどRF電力レベルを変更する(208)ことを含んでもよい。RF電力の多重周波数を処理チャンバに供給する場合、1または複数のRF周波数に対してパワー調整を行ってもよい(たとえば、2周波数のRF電源では、低周波RF周波数電力レベルまたは高周波RF周波数電力レベルのいずれかを調整する)。電力レベル調整は、処理チャンバの電圧上昇によって引き起こされるアーク放電を回避するために、堆積の終了前にRF電力の供給を減少させたり、停止したりすることを含んでもよい。
【0008】
調整は、RF電力を処理チャンバに供給するランプ速度に応じて行ってもよい(200)。一般に、従来のPECVD堆積プロセスでは、RFRF電力を、可能な限り高速(たとえば5000ワット/秒以上)でピーク電力レベルに高める。このランプ速度に対する調整は、RFRF電力および/または低周波RF電力のランプ速度を下げることを含んでもよく、0ワットからピーク電力レベルに連続的に増大させる代わりに、電力を段階的に増大させることを含んでもよい。
【0009】
プラズマを形成するために使用する1または複数の前駆体ガスの流量に対してさらに調整を行って(212)もよい。たとえば、フッ素ドープケイ酸塩ガラス(FSG)膜のプラズマ堆積では、シリコン前駆体ガスまたはフッ素前駆体ガスの流量は、アーク放電を回避するために減少させてもよい。また、この調整は、処理チャンバに1または複数の前駆体を導入するタイミングを変化させることを含んでもよい。たとえば、処理チャンバのプラズマの初期形成時のアーク放電を減少させるために、RF電力を供給する前にフッ素前駆体の導入を開始してもよい。
【0010】
堆積処理の特徴に応じて、アーク放電を減少または除去するために、1または複数の調整208、210および212のあらゆる組み合わせを実施してもよい。
【0011】
方法200は、(ステップ206で、面板電圧のプロットでスパイクを観察することによって)大量のプラズマ内に見られる乱れを検出することを可能にするが、アークをフィードフォワードで軽減する方法を提供していない(アークは一度発生したときのみ検出でき、あらゆる調整はその後に発生するアークを防止するために行われる)。さらに、方法200は、アークに関する特定の情報(位置、持続時間、強度など)を全く提供していない。
【0012】
他の従来のアーク検知システムは、プラズマチャンバに供給される電力を監視し、チャンバの電圧および/または電流を所定の閾値と比較することを含む。特定のプラズマ処理システムに関しては、処理を駆動する電源は、チャンバに送達される電力を制御しようとする。チャンバ要素(アノード、カソードおよびチャンバ環境を含む)のインピーダンスは、プラズマを生成する供給回路のインピーダンスと直列である。プラズマで一定の電力を保持するための電圧と電流との関係は、チャンバ要素のインピーダンスに依存する。アークがプラズマチャンバで発生すると、チャンバのインピーダンスの大きさは急速に低下し、これにより、プラズマ生成供給回路のインピーダンスを変化させる。電源および配電回路は、かなりの直列インダクタンスを含み、回路内で電流を変更できる流量を制限する。したがって、チャンバインピーダンスが急速に低下すると、このインダクタンス構成要素によってチャンバ電圧の大きさが急速に減少する。アーク放電事象が発生すると、チャンバ電圧が急速に低下するため、所定電圧閾値または適応電圧閾値を下回る予想外の電圧降下を利用してアーク放電条件の発生を定義することができる。これは、以下に記載するように、図3に示す従来システムの背後にある原理である。
【0013】
図3は、アーク検出配置を使用する別の従来のプラズマ処理システム300を示す。システム300は、スパッタリングおよび堆積に使用される物理堆積(PVD)システムであるが、アーク検出配置はプラズマエッチングシステムなどの他のプラズマシステムに接続して実装されてもよい。
【0014】
システム300は、低圧力でアルゴンなどのガス315を含む堆積チャンバ310を含む。金属ターゲット320が、真空チャンバ310に配置され、カソードとして独立している電源インタフェースモジュール(PSIM)340を介して電源330と電気結合される。電源330およびチャンバ310は、同軸相互接続ケーブル335を使用して結合される。基板(ウエハ)325は、アノードとして接地接続を介して電源330と結合される。また、真空チャンバ310は通常、接地(アース)と結合される。回転磁石327は、一貫したターゲット着装を維持するようにプラズマを誘導するために含まれる。PSIM340は、チャンバ電圧を感知するように適合されたバッファ付きの電圧減衰器344を含み、電圧信号経路342を介して、アーク検出装置(ADU)350にチャンバ電圧に対応するアナログ信号を供給する。また、PSIM340は、チャンバ310に流れる電流を感知するように適合されたホール効果型電流センサ346を含み、電流信号経路348を介してチャンバ電流に対応するアナログ信号をADU入力に供給する。ADU350は、ローカルデータインタフェース370を介して、論理配置360、たとえばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)と通信可能に結合される。論理配置360は、データ網380、たとえば高水準プロセス制御ネットワークと結合されてもよい。
【0015】
動作時、電源330によってターゲット320(カソード)と基板325(アノード)との間で生成される電界は、真空チャンバ310内のガスのイオン化を引き起こす。電離気体原子(たとえばプラズマ)は、電界によって加速され、高速でターゲットに衝撃を与え、ターゲット材の分子が、ターゲットから物理的に分離されるか、あるいは、「スパッタ」される。実質的には、放出された分子は、妨げられることなく、低圧ガスおよびプラズマを通り抜けて基板に衝突し、基板325にターゲット材のコーティングを形成する。
【0016】
電圧信号経路342を介して、ADU350は、チャンバ310の電圧を監視し、電圧の大きさが既定のアーク閾値電圧値を下回っている場合は常に、アーク放電状態を検出する。また、電流信号経路48を介して、チャンバ310に流れる電流を監視し、アーク放電事象の検出に使用し、電流量が既定の電流閾値を超える場合は常に、アーク放電事象を判定する。閾値は、論理配置380によって設定される。また、ADU350は、少なくとも1つの閾値に対応するアーク放電条件(事象)を考慮し得る。ここから、検出されるアーク放電供与発生の割合を測定することが可能である。ADU350は、アーク持続時間を測定するために、時計およびデジタルカウンタを含んでもよい。このように、チャンバ310内のアーク放電の量および重大度(発生数、持続時間、強度など)は容易に評価することが可能であり、加工処理されるウエハに起こりうる損傷を正確に評価することが可能となる。
【0017】
アーク放電を密接に監視することができるものの、システム300はアーク位置を視認できず、アーク発生後の影響を緩和することができるのみである。アーク放電は多くの場合、加工処理されるウエハに欠陥/不均一性を招くことから、アーク発生を防ぐことができるプラズマ処理システムを有するのが望ましい。
【0018】
必要とされるのは、プラズマチャンバ内のアーク放電を検出、絶縁および/または防止することができるプラズマ処理システムである。
【発明の概要】
【0019】
本発明の目的は、プラズマ処理システムを併用するシステムと、プラズマチャンバ内のアーク放電を検出、絶縁および/または防止するプラズマ処理システムを作動する方法とを提供することである。
【0020】
本発明の態様によれば、装置は、RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と用いられ得る。RF生成源は、第1の電極にRF信号を供給し、これにより、第1の電極と第2の電極との間に電位を生成するように作動可能である。装置は、接続部および電流シンクを含む。接続部は、第1の電極、第2の電極および要素のうちの1つに電気的に接続するように作動可能である。電流シンクは、接続部および接地への経路と電気的に接続される。電流シンクは、電圧閾値を含む。電流シンクは、電気的に接続される第1の電極、第2の電極および要素のうちの1つの電圧が、電圧閾値より大きい場合、接続部から接地に電流を伝導させるように作動可能である。
【0021】
本発明の他の目的、利点および新規の特徴は、以下の記載で部分的に説明され、以下の記載を検討し、本発明の実施を知ることによって、当業者には部分的に明らかになる。本発明の目的および利点は、本願の特許請求の範囲に特に指摘している手段および組み合わせにより実現され、得られる。
【0022】
添付の図面は、本願明細書の一部に組み込まれてその一部を構成し、本発明の典型的実施形態を示し、本発明の記載と共に本発明の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】プラズマ不安定性を最小限に抑えるフィードバック制御を使用する、従来のプラズマ処理システム100のブロック図である。
【図2】プラズマ処理チャンバでアーク放電を減少させるための、従来の方法200を示すフローチャートである。
【図3】アーク検出配置を使用する別の従来のプラズマ処理システム300を示す図である。
【図4】本発明の一態様による、アーク防止装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム400を示す図である。
【図5】電流シンク408として実装されるダイオード502を含むシステム400からのESC404の分解図である。
【図6】電流シンク408として実装されるダイオード回路602を含むシステム400からのESC404の分解図である。
【図7】本発明の一態様による、システム400内のアーク防止を実施するアルゴリズム700の一実施例を示すフローチャートである。
【図8】ダイオード502として、あるいは、ダイオード回路602に使用することが可能なダイオード800の概略図である。
【図9】順バイアスを印加したダイオード900の概略図である。
【図10】本発明の一態様による、制御装置によって監視されるアーク絶縁装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム1000を示す図である。
【図11】本発明の一態様による、アーク絶縁装置、可変電圧源および電流センサを有する容量結合されたRFチャンバシステム1100の概略図である。
【図12】本発明の一態様による、システム1200内のアークの検出を実施するアルゴリズム1200の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一態様によれば、プラズマ処理システムは、プラズマチャンバ内のアーク(特に、電力が供給された電極と接地(アース)との間のアーク)の存在を検出し、絶縁し、防止する方法を備える。この方法は、電力が供給された電極と接地との間に配置され、電子部品を含む回路に依存し、その抵抗は、トランジスタやダイオードなどのように、印加した電圧の関数である。回路は、電力が供給された電極から接地に流れる電流を監視して制御できることから、アークの検出および絶縁を可能にし、アークがプラズマチャンバ内で発生するのを防止する。本発明の態様による特定の例示的実施形態は、図4〜12を参照して説明される。
【0025】
図4は、本発明の態様によるアーク防止装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム400を示す。システム400は、上側電極402、静電チャック(ESC)404、RF電源406および電流シンク408を含む。ESC404はRF電源406と電気的に接続されているが、上側電極402は接地されている。電流シンク408は、ESC404と電気的に接続されている。
【0026】
動作時、RF電源406によって供給されるRF電位は、ESC404と上側電極402との間でプラズマ410の形成を許容する。印加したRF電位のため、ESC404で電荷が増大する。ESC404の形状が不均一であるために、ESC404の表面に沿ったRF電圧は不均一となる。これらの不均一性は、ESC404のいくつかの領域に電荷蓄積を引き起こし、チャンバ内(ESC404と上側電極402との間)でアークが発生する原因となりうる。
【0027】
したがって、アーク発生を防止するためには、電流シンク408は、ESC404から接地に過剰電荷を排出するように作動可能である。電流シンク408は、電圧(ESC404の電圧と同じ)が標準プラズマチャンバ作動条件と一致している場合、開回路として作動するように設計されている。ESC404の電圧が所定の閾値を超える場合は、電流シンク408は、導電するようになり、これにより、ESC404から電荷を排出する電流シンクとして作動するように設計される。このように、電流シンク408は、「ヒューズ」のように作動し、アークが発生する可能性を示す「異常」電圧が発生した場合にのみ作動する。
【0028】
本発明の態様に従って、電流シンク408の一例示的実施形態について、図5を参照して記載する。
【0029】
図5は、電流シンク408として実装されるダイオード502を有するシステム400のESC404の分解図を示す。ダイオード502は、標準のプラズマチャンバの動作と一致する全電圧に関して、無視できる量の電流のみを搬送する開回路と同じように特に設計される。他の電圧すべてに関しては、ダイオード502は、導体として作動し、これにより、ESC404から接地に電荷を排出する。このように、ダイオード502は、アーク発生を防止ために動作する。
【0030】
本発明の態様に従って、図6を参照して電流シンク408の別の例示的実施形態を以下に記載する。
【0031】
図6は、電流シンク408として実装されるダイオード回路602を有するシステム400のESC404の分解図を示す。図に示すように、ダイオード回路602は、ESC404のさまざまな位置に取り付けられた複数のダイオードを含む。上述のように、個々のダイオードは、ESC404に印加される電圧に依存して、開閉するスイッチのように作動可能である。図5を参照して説明したように、単一のダイオード502とは異なり、ダイオード回路602を有する利点は、複数のダイオードはアークの発生した場所に関してさらに正確に求めることが可能にする。特に、たとえば既知のあらゆるダイオード監視のシステムまたは方法に基づいて、ダイオード回路602内のどのダイオードが電流を導電させたかに注目することによって、アークが発生したESC404上の正確な位置が決定され得る。このように、システム400は、アークの発生を防止できるのみならず、アークが発生する可能性のある位置を絶縁することができる。
【0032】
本発明によるアーク防止の方法の一例は、図7を参照して記載する。
【0033】
図7は、本発明の態様によるシステム400内でアーク防止を実施するアルゴリズム700の一例を示すフローチャートである。この実施例では、単一のダイオード(ダイオード502など)またはダイオード回路(ダイオード回路602など)が電流シンク408として実装されると仮定している。
【0034】
アルゴリズム700は開始し(S702)、プラズマチャンバは動作し、システム400はウエハ加工処理を開始する(S704)。たとえば、RF電源406は作動し、チャンバ内にプラズマを形成できるようにESC404にRF電力を供給してもよい。
【0035】
次に、加工処理の間に、電流シンク408は、ESC404の局所電圧を感知する(S706)。
【0036】
次に、ESC404の電圧が規定のウエハ処理条件と一致するか否かを判定する(S708)。ESC404の電圧が規定のウエハ処理条件と一致する場合、たとえば、ESC404の電圧が電流シンク408の所定の閾値以下である場合、ウエハ加工処理は正常に処理される。この場合、電流シンク408は、開回路のような状態となり、電流を導電しない。
【0037】
この時点で、ウエハ加工処理が完了したか否かを判定する(S710)。ウエハ加工処理が完了している場合、アルゴリズム700は停止する(S712)。アルゴリズム700が完了していない場合、電流シンク408は、ESC404の電圧の感知を継続する(S706)。
【0038】
ステップS708に戻り、ESC404の電圧が規定のウエハ処理条件と一致していない場合、たとえば、ESC404の電圧が電流シンク408の所定の閾値を超える場合、電流シンク408は、ESC408から接地(S714)へ電流を排出するために電流を導電させる。この後、ウエハ加工処理は停止し、アルゴリズム700は停止し(S712)、ウエハ加工処理を継続するためにはシステム400を再開する必要がある。
【0039】
図5および図6では、電圧の関数としての可変抵抗と、通電に関して「オン」と「オフ」を切り替える能力により、電流シンク408にダイオードが実装される。図8は、ダイオード502として、あるいは、ダイオード回路602に使用することが可能なダイオード800の概略図を示す。
【0040】
図では、電圧源802を介してバイアスを印加したダイオード800を示す。ダイオード800は、p−ドープ領域804、n−ドープ領域806および空乏領域808を含む。電圧源802の極性は、たとえば、p−ドープ領域806にn−ドープ領域804より高いバイアスを印加するということは、ダイオード800に逆バイアスが印加されていることを示す。ダイオード800に逆バイアスが印加されると、空乏領域808は極めて大きくなり、電位が大幅に低下し、ダイオード800を流れる電流フローに対するバリアとして機能する。その結果、ダイオード800に逆バイアスが印加されると、電流はほとんど流れず、ダイオードは「オフ」であると考えられる。
【0041】
図5〜6に戻り、システム400では、正常動作時に、電流シンク408(ダイオード502またはダイオード回路602)のダイオードは、逆バイアスが印加されるように設定され、これにより、有効な電流を導電せず、ダイオードは「開回路」、すなわち、無視できる電流フローがあるとみなされる。
【0042】
図9は、順バイアスを印加したダイオード900の概略図を示す。図では、電圧源902を介してダイオード900にバイアスが印加される。ダイオード900は、p−ドープ領域904、n−ドープ領域906および空乏領域908を含む。電圧源902の極性は、たとえば、p−ドープ領域904にn−ドープ領域906より高いバイアスを印加することは、ダイオード900に順バイアスが印加されていることを示す。
【0043】
ダイオード900に、順バイアスが印加されると、空乏領域908は比較的小さくなり、電位はほとんど低下しないことから、電流フローに対するバリアはほとんどない。正孔濃度曲線908および電子濃度曲線910は、ダイオード900全体の正孔および電子の濃度を示す。正孔濃度曲線908および電子濃度曲線910は、どのように濃度の勾配が過剰電子916および過剰正孔918を引き起こすかをさらに示す。これらの過剰電子916および過剰正孔918は、電流を形成する電子および正孔の拡散を引き起こす。この状態で、順バイアス時には、無視できない量の電流がダイオード900を流れ、ダイオード900は「オン」であるとみなされる。
【0044】
図4〜6に戻り、システム400では、単一のダイオード(図5のダイオード502など)またはダイオード回路(図6のダイオード回路602など)が電流シンク408として実装される場合、いずれかのダイオードに印加される電圧が、規定のウエハ処理条件に関する閾値を超える(局所電荷の蓄積と、アークが発生する可能性とを示す)ように変化する場合は常に、そのダイオードは、「オン」となり、電流が流れることを可能にし、これにより、蓄積された過剰電荷は全て接地に排出される。
【0045】
電流シンク408に実装されるダイオードは、その形状(幅、領域など)のほかにn領域およびp領域の特定のドーピングが、アーク防止装置として特徴を高めることが可能となるように設計してもよい。電流フローに対するダイオードの磁化率の変化は、電荷の消散を制御することを可能とし、これにより、正確な電流経路を求めることによって壊滅的なアーク事象の発生を防止する。
【0046】
システム400で、電流シンク408のダイオードによって感知されるアークの存在を監視して検出するピーク検出器を追加してもよい。ピーク検出器が実装され、複数のダイオード(ダイオード回路602など)が電流シンク408として実装される場合、システム400は、プラズマチャンバのアーク発生を検出、防止、絶縁する能力を有する。これらの能力は、アーク放電によるチャンバへのあらゆる損傷を防止するのに有用であるのみならず、アークの位置に基づいて、アークが発生する可能性のある理由を知る上での手掛かりとなるのに有用である。
【0047】
システム400は、アーク防止装置の個々の要素を監視する制御装置を含んでもよい。図10は、本発明の態様に従って、制御装置によって監視されるアーク絶縁装置と容量結合されたRFプラズマ処理システム1000を示す。
【0048】
システム1000は、RF電源1002、処理モジュールユーザインタフェース1012、アークアイソレータ1014およびプラズマチャンバ1016を含む。プラズマチャンバ1016は、ESC1018、ESCベースプレート1020およびチャンバ壁1024を含む。アークアイソレータ1014は、デジタルまたはアナログの制御装置とダイオード回路1022とを含む(図示せず)。ダイオード回路1022は、RF電源1002を介して電力が供給されたESCベースプレート1020と、接地されたチャンバ壁1024との間に配置される。
【0049】
動作時には、ソース1002によって供給されたRF電位によって、プラズマ1026がチャンバ1016に形成する。印加したRF電位のため、ESC1018およびESCベースプレート1020で電荷が増大する。ESC1018およびESCベースプレート1020の形状が不均一なので、RF電圧はESC1018およびESCベースプレート1020に沿って不均一となる。これらの不均一性は、ESC1018およびESCベースプレート1020のいくつかの領域に電荷蓄積を引き起こし、ESCベースプレートと接地との間(チャンバ壁1024)でアークが発生する原因となりうる。
【0050】
したがって、アークの位置を検出して、正確に示すためには、ESCベースプレート1020に沿ったさまざまな位置で電圧を監視することができる。これは、アークアイソレータ1014のダイオード回路1022を介して行われる。
【0051】
ダイオード回路1022は、標準のプラズマチャンバの動作と一致する全電圧に対して、たとえばESCベースプレート1020およびチャンバ壁1022といったチャンバ電極によって形成されるキャパシタと並列に、ダイオード回路1022を流れる電流を抑制するような方向に配置される。ダイオード回路1022のダイオードは、ESCベースプレート1020の領域を覆うように、所定の位置に配置されてもよい。電圧がESCベースプレート1020の任意の場所で変化し、つまり、局所の電荷蓄積を示す場合は常に、ダイオード回路1022の局所ダイオードが「オン」となり、過剰電荷が接地に排出される。このように、アークの発生そのものが防止される。アークアイソレータ1014を介してダイオードの電圧および電流を全て監視することによって、アークの存在を検出できるのみならず、オンとなったダイオードに基づいてアーク発生の明確な位置を絶縁できる。
【0052】
システム1000では、ESCベースプレート1020およびESC1018の電荷蓄積は、接地への漏洩電流の経路を制御するために監視される。他の実施形態では、他のチャンバ構成要素の電荷および漏洩電流は、アークを防止するために監視して制御してもよい。
【0053】
これまで、電流シンクとして実装されたダイオードが、その特定の特性(ドーピング、形状など)のみに基づいてオンオフを切替える受動素子にかかわる実施形態を記載してきた。この場合、電流シンクに使用するためのダイオードは、プラズマ処理条件に適した所望の電圧閾値で切り替わるように留意して設計する必要がある。電圧閾値を変更する必要がある場合、電流シンクに使用するダイオードの交換が必要となる。したがって、さまざまなプラズマ処理条件から得ることが可能となるさまざまな電圧閾値に適応させるように調整できる、制御可能なアーク防止装置を実装するのが望ましい。別個に制御可能な装置を使用する他の利点は、接続された装置(たとえばESC)に沿って、電圧をさらに精確に制御することが可能になることである。この種類の実施形態は、図11および図12を参照してさらに記載する。
【0054】
図11は、本発明の態様による容量結合したRFチャンバシステム1100の概略図である。
【0055】
システム1100は、RF電源1102、上側電極1104、下側電極1106、アーク絶縁装置1108、ダイオード制御装置1110、アークアイソレータ1112および高インピーダンス抵抗1122を含む。アーク絶縁装置1108は、システム1000のダイオード回路1022などのダイオード回路を含んでもよい。ダイオード制御装置1110は、電流センサ1118および可変バイアス電源1120を含む。アークアイソレータ1112は、アナログデジタル変換器(ADC)1114およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)1116を含む。
【0056】
動作時には、RF電源1102は、下側電極1106にRF電力を供給するが、上側電極1104は接地される。プラズマ(図示せず)は、上側電極1104と下側電極1106との間で形成される。高インピーダンス抵抗1122は、バイアス電源1120からのバイアス電圧がアーク絶縁装置1108にほとんど伝導されるように、アーク絶縁装置1108と接地との間に配置される。さらに、高インピーダンス抵抗1122は、接地に伝導させる代わりに、アーク絶縁装置1108を通して電流センサ1119に電流の大部分を流すようにする。
【0057】
電流センサ1118は、アーク絶縁装置1108に流れる漏洩電流を検出する。ADC1114は、電流センサ1118に印加される電圧をサンプリングする。FPGA1116は、アーク事象を判定するために、さらには、バイアス電源1120に対して適切な設定点を維持するために、ピーク検出アルゴリズムを適用する。バイアス電源1120は、ダイオード回路1022の各ダイオードのため独立した電圧出力を有する。したがって、下側電極1106に印加される電圧を精確に調整することができ、これにより、得られたプラズマの均一性を改善することができる。また、個々のダイオードの電流および電圧を監視することによって、アークが発生しうる位置を正確に示すことができる。このように、動作時には、潜在的なアーク放電事象の存在は、容易に検出、絶縁および防止される。
【0058】
ウエハ加工処理時のシステム1100のアークの検出、絶縁および防止方法は、図12を参照してさらに明らかに記載する。図12は、本発明の態様に従って、システム1200においてアークの検出を実施するアルゴリズム1200の一例を示すフローチャートである。
【0059】
方法1200は開始し(S1202)、潜在的なアークを特定するためのパラメータ閾値が設定される(S1204)。パラメータは、電圧、電流またはアークの潜在的存在を特定するために監視する別のパラメータであってもよい。たとえば、電流センサ1218によって感知される漏洩電流閾値を設定してもよく、これにより、特定の漏洩閾値を超えると、下側電極1206の電圧または電荷が不均一であると想定され、アークが発生する可能性を示すことが可能となる。
【0060】
次に、プラズマチャンバは作動して、システム1100はウエハ加工処理を開始する(S1206)。たとえば、RF電源1202は作動して、上側電極1104と下側電極1106との間でプラズマを形成できるように、下側電極1206にRF電力を供給してもよい。
【0061】
アークを特定するために使用されるパラメータが測定される(S1208)。たとえば、電流センサ1218を流れる漏洩電流が、監視パラメータの場合、ADC1214はこの電流をサンプリングする。
【0062】
この時点で、監視パラメータが設定した閾値内にあるか否かが判定される(S1210)。たとえば、電流センサ1218を流れる漏洩電流が監視パラメータの場合、FPGA1216は、この漏洩電流を設定した漏洩電流閾値と比較する。
【0063】
監視パラメータが閾値内にある場合、ウエハ加工処理は、正常に処理され、処理が完了したか否かが判定される(S1214)。処理が完了している場合、ウエハ加工処理は終了し、RF電力の供給は停止される(S1216)。ウエハ加工処理が完了していない場合、アークを特定するために使用されるパラメータが再度測定される(S1208)。
【0064】
再びステップS1210に戻り、設定したパラメータ閾値内に監視パラメータがないと判定された場合、アーク絶縁装置1108は調整される(S1212)。たとえば、設定したパラメータ閾値を超える漏洩電流をセンサ1118が感知した場合、FPGA1116は、アーク絶縁装置1108に印加される電圧を適切に調整するようにバイアス電源1120を調整する。次に、アーク絶縁装置1108は、電流を排出し、これにより、漏洩電流は、設定したパラメータ閾値内に低下される。このように、アーク絶縁装置1108は、下側電極1106の表面印加される電圧の分布がさらに均一となるように調整され、アーク発生を防止することが可能である。
【0065】
一例示的実施形態では、下側電極1106に配置されるダイオード回路としてアーク絶縁装置1108を実装することによって、漏洩電流が増大した特定のダイオードの絶縁が可能となり、検出した不均一な位置を正確に示すことが可能となる。
【0066】
アーク絶縁装置の調整後、監視パラメータは再測定される(S1208)。手順は、ステップS1214で加工処理の終了が判定されるまで繰り返され、加工処理の終了が判定されるとステップS1216に進み、処理フローは終了する。
【0067】
図5、6および図8〜11を参照して記載する実施形態は、電流シンク408としてダイオードを使用する。他の実施形態は、電流シンク408として他の受動的または能動的な電流シンク装置を使用してもよく、その非限定的例はトランジスタ、バラクタおよび電位差計を含むことに留意する。さらに他の実施形態は、受動的または能動的な電流シンク装置の非限定的例群の少なくとも2つを組み合わせて電流シンク408として使用してもよい。
【0068】
図4〜6および図8〜11を参照して記載する実施形態は、ESCまたはESCベースプレートから電流を流す電流シンク408を使用する。他の実施形態を使用して、別の電極から電流を流す電流シンク408を使用してもよいことに留意されるべきである。さらに他の実施形態は、電流シンク408を使用して、システム内の別の要素から電流を流してもよく、限定を目的としないが、例えば、ホットエッジリング、チャンバ壁ガス入力ポートおよび締結装置が含まれる。さらに他の実施形態は、複数の電流シンクを使用して、システム内で複数の要素から電流をそれぞれ流してもよく、限定を目的としないが、例えば、ESC、ESCベースプレート、ホットエッジリング、チャンバ壁ガス入力ポートおよび締結装置が含まれる。
【0069】
本発明のさまざまな好適な実施態様に関する上の記載は、例示目的および説明目的で示している。この記載は、本発明を包括するものではなく、開示した精確な形態のみに本発明を限定するものでもなく、上記教示に鑑みれば明らかに多数の変形および変更が可能である。この例示的実施形態は、上に記載したように、本発明の原理および実際の適用を最も良く説明するために選択し、記述したものであり、これにより、当業者が、予測される特定の用途に適合するようにさまざまな実施形態でさまざまな変更を加えて本発明を利用することは可能である。本発明の範囲は、本願の特許請求の範囲によって定義するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と共に用いられる装置であって、前記RF生成源は前記第1の電極にRF信号を供給するよう動作し、これにより前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位を生成し、前記装置は、
前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つに電気的に接続するように作動可能である接続部と、
前記接続部および接地への経路と電気的に接続される電流シンクと、を備え、
前記電流シンクは電圧閾値を備え、
前記電流シンクは、電気的に接続されている前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの電圧が、前記電圧閾値より大きい場合に、前記接続部から接地に電流を導電させるように作動可能である、装置。
【請求項2】
前記電流シンクは、ダイオードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置は、前記ダイオードにバイアス電圧を供給するように作動可能である電圧源をさらに備え、
前記ダイオードは、前記電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて閾値電圧を変化させるように作動可能である、装置。
【請求項4】
前記電流シンクは、複数のダイオードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のダイオードは、並列に配置されている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置は、前記複数のダイオードの少なくとも1つにバイアス電圧を印加するように作動可能である電圧源をさらに備え、
前記複数のダイオードの少なくとも1つは、前記電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて前記閾値電圧を変更するように作動可能である、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置は、前記複数のダイオードの対応する1つにバイアス電圧を印加するように作動可能である複数の電圧源をさらに備え、
前記複数のダイオードは、前記複数の電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて前記閾値前電圧を変更するように作動可能である、装置。
【請求項8】
前記電流シンクは、バラクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電流シンクは、電位差計を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電流シンクは、トランジスタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と共に用いられるシステムであって、前記RF生成源は前記第1の電極にRF信号を供給するように動作し、これにより、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位を生成し、前記システムは、
第1の接続部および第1の電流シンクを有する第1の装置と、
第2の接続部および第2の電流シンクを有する第2の装置と、を備え、
前記第1の接続部は、前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの第1の部分に電気的に接続するように動作し、
前記第2の接続部は、前記第1の電極および前記第2の電極のうちの1つの第2の部分に電気的に接続するよう動作し、
前記第1の電流シンクは、前記第1の接続部と接地への第1の経路に電気的に接続され、
前記第2の電流シンクは、前記第2の接続部と接地への第2の経路に電気的に接続され、
前記第1の電流シンクは、第1の電圧閾値を備え、
前記第2の電流シンクは、第2の電圧閾値を備え、
前記第1の電流シンクは、電気的に接続される前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの前記第1の部分の電圧が、前記第1の電圧閾値より大きくなる場合に、前記第1の接続部から前記接地への第1の経路に電流を導電させるよう動作し、
前記第2の電流シンクは、電気的に接続される前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの前記第2の部分の電圧が、前記第2の電圧閾値より大きくなる場合、前記第2の接続部から前記接地への第2の経路に電流を導電させるように作動可能である、システム。
【請求項12】
前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの同じ1つに接続する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の電圧閾値は、前記第2の電圧閾値に等しい、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムは、前記第1の電流シンクにバイアス電圧を印加するように作動可能である電圧源をさらに備え、
前記第1の電流シンクは、前記電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて前記第1の閾値を変更するように作動可能である、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、前記電圧源は、前記第2の電流シンクに第2のバイアス電圧を印加するようにさらに動作し、
前記第2の電流シンクは、前記電圧源によって印加される前記第2のバイアス電圧に基づいて前記第2の閾値を変更するように作動可能である、システム。
【請求項16】
RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素を動作させる方法であって、
電流シンクの電圧閾値を設定し、
前記RF生成源を介して、前記第1の電極にRF信号を印加して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位を生成し、
前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの電圧が、前記電流シンクに設定された前記電圧閾値より大きい場合に、前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの前記1つから前記電流シンクを介して接地に電流を排出することを含む、方法。
【請求項1】
RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と共に用いられる装置であって、前記RF生成源は前記第1の電極にRF信号を供給するよう動作し、これにより前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位を生成し、前記装置は、
前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つに電気的に接続するように作動可能である接続部と、
前記接続部および接地への経路と電気的に接続される電流シンクと、を備え、
前記電流シンクは電圧閾値を備え、
前記電流シンクは、電気的に接続されている前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの電圧が、前記電圧閾値より大きい場合に、前記接続部から接地に電流を導電させるように作動可能である、装置。
【請求項2】
前記電流シンクは、ダイオードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置は、前記ダイオードにバイアス電圧を供給するように作動可能である電圧源をさらに備え、
前記ダイオードは、前記電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて閾値電圧を変化させるように作動可能である、装置。
【請求項4】
前記電流シンクは、複数のダイオードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のダイオードは、並列に配置されている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置は、前記複数のダイオードの少なくとも1つにバイアス電圧を印加するように作動可能である電圧源をさらに備え、
前記複数のダイオードの少なくとも1つは、前記電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて前記閾値電圧を変更するように作動可能である、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置は、前記複数のダイオードの対応する1つにバイアス電圧を印加するように作動可能である複数の電圧源をさらに備え、
前記複数のダイオードは、前記複数の電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて前記閾値前電圧を変更するように作動可能である、装置。
【請求項8】
前記電流シンクは、バラクタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記電流シンクは、電位差計を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電流シンクは、トランジスタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素と共に用いられるシステムであって、前記RF生成源は前記第1の電極にRF信号を供給するように動作し、これにより、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位を生成し、前記システムは、
第1の接続部および第1の電流シンクを有する第1の装置と、
第2の接続部および第2の電流シンクを有する第2の装置と、を備え、
前記第1の接続部は、前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの第1の部分に電気的に接続するように動作し、
前記第2の接続部は、前記第1の電極および前記第2の電極のうちの1つの第2の部分に電気的に接続するよう動作し、
前記第1の電流シンクは、前記第1の接続部と接地への第1の経路に電気的に接続され、
前記第2の電流シンクは、前記第2の接続部と接地への第2の経路に電気的に接続され、
前記第1の電流シンクは、第1の電圧閾値を備え、
前記第2の電流シンクは、第2の電圧閾値を備え、
前記第1の電流シンクは、電気的に接続される前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの前記第1の部分の電圧が、前記第1の電圧閾値より大きくなる場合に、前記第1の接続部から前記接地への第1の経路に電流を導電させるよう動作し、
前記第2の電流シンクは、電気的に接続される前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの前記第2の部分の電圧が、前記第2の電圧閾値より大きくなる場合、前記第2の接続部から前記接地への第2の経路に電流を導電させるように作動可能である、システム。
【請求項12】
前記第1の接続部および前記第2の接続部は、前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの同じ1つに接続する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の電圧閾値は、前記第2の電圧閾値に等しい、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムは、前記第1の電流シンクにバイアス電圧を印加するように作動可能である電圧源をさらに備え、
前記第1の電流シンクは、前記電圧源によって印加される前記バイアス電圧に基づいて前記第1の閾値を変更するように作動可能である、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、前記電圧源は、前記第2の電流シンクに第2のバイアス電圧を印加するようにさらに動作し、
前記第2の電流シンクは、前記電圧源によって印加される前記第2のバイアス電圧に基づいて前記第2の閾値を変更するように作動可能である、システム。
【請求項16】
RF生成源、第1の電極、第2の電極および要素を動作させる方法であって、
電流シンクの電圧閾値を設定し、
前記RF生成源を介して、前記第1の電極にRF信号を印加して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位を生成し、
前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの1つの電圧が、前記電流シンクに設定された前記電圧閾値より大きい場合に、前記第1の電極、前記第2の電極および前記要素のうちの前記1つから前記電流シンクを介して接地に電流を排出することを含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−533908(P2012−533908A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521688(P2012−521688)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/042205
【国際公開番号】WO2011/011266
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/042205
【国際公開番号】WO2011/011266
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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