説明

プリンタ制御装置、プリンタ制御モジュール、プリンタ制御方法、画像形成システム、および画像形成方法

【課題】DMAによりビデオデータをプリンタに入力する技術において、画像の高画質・高精細化に拘わらず、DMA設定がデータ要求信号に間に合わないという問題の発生を抑制して、プリンタで実行される画像形成を良好なものとする。
【解決手段】プリンタからデータ要求信号が出力されると、中央処理ユニットにより設定された転送情報に対応するビデオデータについてデータ転送動作を実行するメモリアクセス手段を備え、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送動作の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報をメモリアクセス手段に設定する転送情報設定動作を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビデオデータに基づいて画像を形成するプリンタが、データ要求信号を出力したことに応えて、該プリンタにビデオデータを入力する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等のホストにおいて画像信号を生成するとともに、プリンタにおいて画像信号に基づいて画像を形成する画像形成技術が知られている。かかるプリンタは、画像信号に対して信号処理を施してビデオデータを生成するメインコントローラと、該ビデオデータに基づいて画像形成を実行するエンジン部とを有する。
【0003】
つまり、このような画像形成技術では、ホストにおいて、テキスト、図形、画像等を含む印刷データに対してラスタライズ処理を実行して(ビットマップに展開して)画像信号を生成する。そして、画像信号は、ホストからプリンタへ出力される。プリンタが有するメインコントローラは、画像信号に対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ガンマ補正等の信号処理を施してビデオデータを生成するとともに、エンジン部からのデータ要求信号に応えてエンジン部へビデオデータを出力する。そして、エンジン部がビデオデータに基づいて画像を形成する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−182161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の画像形成技術において、プリンタの低コスト化を図るために、プリンタが備える機能を、(1)ホスト、あるいは(2)ホストと該ホストに接続された外部モジュールの組み合わせに移すことが考えられる。具体的には、ホスト等において、色変換処理、ハーフトーン処理、ガンマ補正等の信号処理を画像信号に施してビデオデータを生成し、該ビデオデータを画像メモリに記憶する。そして、プリンタからのデータ要求信号に応じて、画像メモリに記憶されたビデオデータをプリンタへ出力する。つまり、ビデオデータ生成までの信号処理をホストベースで実行し、プリンタは、画像メモリから出力されるビデオデータに基づく画像形成動作のみを行う。ここで、画像メモリからプリンタへビデオデータを出力する技術として、特許文献1に記載のような、いわゆるDMA(Direct Memory Access)に関する技術を用いることが考えられる。
【0006】
DMAを用いた技術では、出力すべきデータを記憶するメモリと、プリンタ等のデータの出力先との間に、DMAC(Direct Memory Access Controller)を設ける。そして、DMACが、メモリからデータを抜き出して出力先に出力する(つまり、データをメモリから出力先へと転送する)。以下、DMAによるデータ転送を「DMA転送」と称する。このときDMACは、所定のデータのみを転送すべく、ホストのCPU(Central Processing Unit)が与える設定情報に基づいてDMA転送を実行する。この設定情報は、出力すべきデータ(詳しくは、出力先からのデータ要求信号に応じて出力すべきデータ)が格納されている領域(メモリにおける領域)を示す情報である。つまり、CPUによる設定情報の設定(DMA設定)がなされた後、DMACは、データ要求信号の出力があると、設定情報が示す領域のデータのDMA転送を実行する。これにより、出力すべきデータ(データ要求信号に応じたデータ)のみがDMA転送により出力される。そして、かかるDMA転送が終了すると、次のDMA転送に備えるべく、CPUが再びDMA設定を行う。
【0007】
かかるDMAを、上述のホストベースの画像形成技術に適用する場合、次のような問題が発生する可能性がある。この場合、プリンタは、ビデオデータが必要となる度にホストにデータ要求信号を出力するとともに、ホストはデータ要求信号を受ける度に画像メモリに所定単位でビデオデータを出力させる。つまり、データ要求信号を受けたホストは、画像メモリのビデオデータを所定単位だけDMA転送してプリンタに出力する。そして、かかるDMA転送が終了すると、次のデータ要求信号に備えるべく、CPUはDMA設定を行う。
【0008】
しかしながら、将来の更なる画像の高画質・高精細化に伴って、1回のデータ要求信号に対してDMA転送すべきデータ量は増大することが予想される。そして、1回のDMA転送のデータ量が増大して該DMA転送に要する時間が増大すると、反射的に、一のデータ要求信号に対応するDMA転送が終了してから次のデータ要求信号が出力されるまでの時間間隔が減少する。したがって、DMA転送が終了してから次のデータ要求信号までの期間、換言すれば、次のデータ要求信号に備えてCPUがDMA設定する期間が限られる。一方、CPUは、ホストで実行される画像形成動作以外の動作に関する処理も実行する必要がある。したがって、CPUが他の処理を実行しているために、上述のような限られた期間内にDMA設定を行なえない、つまり、DMA設定がデータ要求信号に間に合わないという問題が発生する可能性がある。その結果、良好に画像形成が実行できない場合が発生する可能性がある。
【0009】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、DMAによりビデオデータをプリンタに入力する技術において、画像の高画質・高精細化に拘わらず、DMA設定がデータ要求信号に間に合わないという問題の発生を抑制して、プリンタで実行される画像形成を良好なものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明にかかるプリンタ制御装置は、上記目的を達成するために、ビデオデータを記憶する画像メモリと、ビデオデータに基づいて画像形成を行うプリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位のビデオデータを画像メモリからプリンタに転送するデータ転送動作を実行するメモリアクセス手段と、データ要求信号に対応して出力すべき所定単位のビデオデータが格納されている画像メモリにおける領域を示す情報である、転送情報をメモリアクセス手段に設定するとともに、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットとを備え、メモリアクセス手段は、プリンタからデータ要求信号が出力されると、中央処理ユニットにより設定された転送情報に対応するビデオデータについてデータ転送動作を実行し、中央処理ユニットは、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送動作の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報をメモリアクセス手段に設定する転送情報設定動作を実行することを特徴としている。
【0011】
また、この発明にかかるプリンタ制御モジュールは、上記目的を達成するために、ビデオデータを記憶する画像メモリと、ビデオデータに基づいて画像形成を行うプリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位のビデオデータを画像メモリからプリンタに転送するデータ転送動作を、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットにより設定された転送情報に基づいて、実行するメモリアクセス手段とを備え、転送情報は、データ要求信号に対応して出力すべき所定単位のビデオデータが格納されている画像メモリにおける領域を示す情報であり、メモリアクセス手段は、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送動作の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報が設定されることを特徴としている。
【0012】
また、この発明にかかるプリンタ制御方法は、上記目的を達成するために、ビデオデータを生成して画像メモリに記憶するデータ生成工程と、ビデオデータに基づいて画像形成を行うプリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位のビデオデータを画像メモリからプリンタに転送するデータ転送処理を、メモリアクセス手段を用いて実行するデータ転送工程と、データ要求信号に対応して出力すべき所定単位のビデオデータが格納されている画像メモリにおける領域を示す情報である転送情報を、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットを用いて、メモリアクセス手段に設定する転送情報設定工程とを備え、データ転送工程は、プリンタからデータ要求信号が出力されると、メモリアクセス手段に設定された転送情報に対応するビデオデータについてデータ転送処理を実行し、転送情報設定工程は、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送処理の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報をメモリアクセス手段に設定する転送情報設定処理を実行することを特徴としている。
【0013】
また、この発明にかかる画像形成システムは、上記目的を達成するために、ビデオデータに基づいて画像を形成するプリンタと、プリンタを制御するプリンタ制御装置とを備え、プリンタ制御装置は、ビデオデータを記憶する画像メモリと、プリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位のビデオデータを画像メモリからプリンタに転送するデータ転送動作を実行するメモリアクセス手段と、データ要求信号に対応して出力すべき所定単位のビデオデータが格納されている画像メモリにおける領域を示す情報である、転送情報をメモリアクセス手段に設定するとともに、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットとを有し、メモリアクセス手段は、プリンタからデータ要求信号が出力されると、中央処理ユニットにより設定された転送情報に対応するビデオデータについてデータ転送動作を実行し、中央処理ユニットは、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送動作の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報をメモリアクセス手段に設定する転送情報設定動作を実行することを特徴としている。
【0014】
また、この発明にかかる画像形成方法は、上記目的を達成するために、ビデオデータを生成して画像メモリに記憶するデータ生成工程と、プリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位のビデオデータを画像メモリからプリンタに転送するデータ転送処理を、メモリアクセス手段を用いて実行するデータ転送工程と、データ要求信号に対応して出力すべき所定単位のビデオデータが格納されている画像メモリにおける領域を示す情報である転送情報を、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットを用いて、メモリアクセス手段に設定する転送情報設定工程と、データ転送工程によりプリンタに転送されたビデオデータに基づいて、プリンタを用いて画像形成を行う画像形成工程とを備え、データ転送工程は、プリンタからデータ要求信号が出力されると、メモリアクセス手段に設定された転送情報に対応するビデオデータについてデータ転送処理を実行し、転送情報設定工程は、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送処理の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報をメモリアクセス手段に設定する転送情報設定処理を実行することを特徴としている。
【0015】
このように構成された発明(プリンタ制御装置、プリンタ制御モジュール、プリンタ制御方法、画像形成システム、画像形成方法)は、メモリアクセス手段により、画像メモリからプリンタへ向けてビデオデータを出力する。つまり、プリンタからデータ要求信号が出力されると、メモリアクセス手段は、所定単位のビデオデータを画像メモリからプリンタへと転送するデータ転送動作を実行する(データ転送処理)。そして、かかるデータ転送動作は、中央処理ユニットにより設定された転送情報に基づいて実行される。ここで、転送情報は、データ要求信号に対応して出力すべき所定単位のビデオデータが格納されている画像メモリにおける領域を示す情報である。つまり、メモリアクセス手段は、プリンタからデータ要求信号が出力されると、設定された転送情報に対応するビデオデータについて、データ転送動作を実行する。これにより、出力すべきビデオデータ(データ要求信号に応じたビデオデータ)のみがプリンタに出力される。
【0016】
ここで、メモリアクセス手段は、次のデータ要求信号に応じて適切にビデオデータを出力するためには、次のデータ要求信号に対応する転送情報が、次のデータ要求信号までに予め設定されている必要がある。一方、かかる転送情報は、中央処理ユニットにより、メモリアクセス手段に設定される。したがって、次のデータ要求信号に応じて適切にビデオデータを出力するために、中央処理ユニットは、次のデータ要求信号までに転送情報の設定を行なう必要がある。しかしながら、データ転送動作の終了後に転送情報の設定を行なう場合、中央処理ユニットが画像形成動作以外の動作に関連する処理を実行していることに起因して、転送情報の設定がデータ要求信号に間に合わないという問題が発生する可能性がある。
【0017】
これに対して、本発明における中央処理ユニットは、プリンタから一のデータ要求信号が出力されたことに伴うデータ転送動作(データ転送処理)の実行中に、次のデータ要求信号に対応する転送情報をメモリアクセス手段に設定する(転送情報設定動作、転送情報設定処理)。つまり、一のデータ要求信号に対応して実行されるデータ転送動作(データ転送処理)の間に、次のデータ要求信号に対応する転送情報を設定する。したがって、転送情報の設定からデータ要求信号が出力されるまでの期間を十分に確保することが可能となる。よって、たとえ中央処理ユニットが他の動作に関連する処理を実行しているために転送情報の設定に時間を要したとしても、転送情報の設定がデータ要求信号に間に合わないという問題の発生を抑制して、良好な画像形成の実現を可能にしている。
【0018】
また、中央処理ユニットを、ビデオデータを生成するとともに、生成したビデオデータを画像メモリに記憶するように構成しても良い。つまり、ビデオデータの生成を中央処理ユニットに担わせる場合、中央処理ユニットにかかる負荷が増大し、上記問題の発生する可能性が高くなる。したがって、ビデオデータの生成を中央処理ユニットに担わせる構成においては、上述の発明を適用することが好適である。
【0019】
メモリアクセス手段および画像メモリを、ホストに対して着脱可能なハードウエアモジュールとして構成しても良い。なんとなれば、メモリアクセス手段および画像メモリをモジュール化してホストに対し着脱可能とすることで、該モジュールの修理・交換等の作業が容易となるからである。
【0020】
また、ビデオデータを生成するデータ生成手段をさらに備え、データ生成手段により生成されたビデオデータを画像メモリに記憶するように構成しても良い。なんとなれば、ビデオデータの生成をデータ生成手段により実行することで、中央処理ユニットの負荷を軽減することが可能となるからである。
【0021】
また、このような構成においては、メモリアクセス手段、画像メモリ、および、データ生成手段を、ホストに対して着脱可能なハードウエアモジュールとして構成しても良い。なんとなれば、メモリアクセス手段、画像メモリ、および、データ生成手段を、モジュール化してホストに対し着脱可能とすることで、該モジュールの修理・交換等の作業が容易となるからである。
【0022】
また、一のデータ要求信号に対応して実行されるデータ転送動作をモニターして、データ転送動作の進捗に関する進捗情報を中央処理ユニットに与えるモニター手段をさらに備える構成にあっては、次のように中央処理ユニットを構成しても良い。すなわち、中央処理ユニットを、モニター手段から与えられる進捗情報を参照して、転送情報設定動作を実行するように構成しても良い。つまり、中央処理ユニットは、このようにデータ転送動作の進捗を参照することで、データ転送動作の間に、次のデータ要求信号に対応する転送情報の設定を、より確実に実行することが可能となる。よって、たとえ転送情報の設定に時間を要したとしても、転送情報の設定がデータ要求信号に間に合わないという問題の発生をより確実に抑制して、良好な画像形成の実現を可能となる。
【0023】
この際、モニター手段を、一のデータ要求信号に対応して実行されるデータ転送動作の進捗が所定値まで進むと、情報設定割込信号を進捗情報として中央処理ユニットに与えるように構成するとともに、中央処理ユニットを、情報設定割込信号をトリガーに転送情報設定動作を実行するように構成しても良い。なんとなれば、中央処理ユニットは進捗情報として情報設定割込信号のみを受け取れば足り、中央処理ユニットに対する負荷を軽減することが可能となるからである。
【0024】
また、所定単位を、1ページ分としても良い。なんとなれば、このように構成した場合、例えば1ページ単位でビデオデータを圧縮してプリンタに出力する等の処理が実行可能となり好適であるからである。
【0025】
この際、転送情報を、1ページ分のビデオデータのサイズ、及び、1ページ分のビデオデータのうちデータ転送動作において最初に転送されるデータが格納されている開始アドレスからなる情報であるように構成しても良い。つまり、このように構成した場合、メモリアクセス手段は、転送情報としては、ビデオデータのサイズおよび開始アドレスのみが設定可能であれば良い。その結果、メモリアクセス手段の構成を簡素化することが可能となり、好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明を適用可能である画像形成システムの一形態を示す図である。同図が示すように、画像形成システムは、プリンタPRTと、該プリンタPRTを制御するホストコンピュータHSTとを備える。ホストコンピュータHSTとしては、いわゆるパーソナルコンピュータ等を用いることができる。ホストコンピュータHSTは、プリンタPRTに対して印刷指令を出力して該プリンタPRTに画像形成を実行させる他、プリンタPRTからのページリクエスト信号VREQに応えて、ビデオデータVDをプリンタPRTに出力する。以下に、プリンタPRTとして、ロータリ型を適用した第1実施形態と、タンデム型を適用した第2実施形態とを説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態において用いられるプリンタの構成例を示す図である。また、図3は図2のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。これらの図が示すように、第1実施形態で用いられるプリンタは、いわゆるロータリ型と称されるプリンタである。このプリンタは、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータHSTから印刷指令が与えられると、エンジンコントローラRECが、エンジン部REGの各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像を形成する。より具体的には、エンジンコントローラRECは、シートSの1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ホストコンピュータHSTにページリクエスト信号VREQを出力する。そして、ホストコンピュータHSTから入力されるビデオデータVDに対応する画像を、シートSの表面に形成する。
【0028】
このエンジン部REGでは、感光体122が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ローラ123、ロータリ現像ユニット14およびクリーニング部125がそれぞれ配置されている。帯電ローラ123は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体122の外周面を所定の表面電位に帯電させる。クリーニング部125は一次転写後に感光体122の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体122、帯電ローラ123およびクリーニング部125は一体的に感光体カートリッジ12を構成しており、この感光体カートリッジ12は一体として装置本体に対し着脱自在となっている。
【0029】
そして、この帯電ローラ123によって帯電された感光体122の外周面に向けて露光ユニット16から光ビームLが照射される。この露光ユニット16は、ホストコンピュータHSTから与えられたビデオデータVDに応じて光ビームLを感光体122上に露光してビデオデータVDに対応する静電潜像を形成する。
【0030】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット14によってトナー現像される。すなわち、この装置では、現像ユニット14は、図2紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム、支持フレームに対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色の非磁性一成分トナーを内蔵するイエロー用の現像器14Y、シアン用の現像器14C、マゼンタ用の現像器14M、およびブラック用の現像器14Kを備えている。この現像ユニット14は、エンジンコントローラRECにより制御されるステッピングモータである現像ユニット駆動モータ(図示省略)により矢印方向D3に回転駆動されている。また、装置本体には、現像ユニット14に対し離当接するロータリロック145が設けられている。必要に応じてこのロータリロック145が現像ユニット14の支持フレームの外周部に当接することにより、現像ユニット14の回転を拘束し現像ユニット14を所定位置に停止位置決めするブレーキおよびロック機構として作用する。
【0031】
そして、エンジンコントローラRECからの制御指令に基づいて、現像ユニット14が回転駆動されるとともにこれらの現像器14Y,14C,14M,14Kが選択的に感光体122と対向する現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ144が、所定のギャップを隔てて感光体122に対し対向配置され、その対向位置において現像ローラ144から感光体122の表面にトナーを付与する。これによって、感光体122上の静電潜像が選択トナー色で顕像化(現像)される。
【0032】
上記のようにして現像ユニット14で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット17の中間転写ベルト171上に一次転写される。転写ユニット17は、複数のローラ172〜175に掛け渡された中間転写ベルト171と、ローラ173を回転駆動することで中間転写ベルト171を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体122上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト171上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット18から取り出され搬送経路FFに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
【0033】
二次転写領域TR2は、ローラ173に掛け渡された中間転写ベルト171の表面と、該ベルト表面に対し離当接する二次転写ローラ186とが当接するニップ部である。カセット18に積層貯留されたシートSは、ピックアップローラ188の回転によって1枚ずつ取り出されて搬送経路FFに乗せられる。そして、フィードローラ184、185およびゲートローラ181の回転によって搬送経路FFに沿って二次転写領域TR2まで搬送される。
【0034】
このとき、中間転写ベルト171上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には次の通りである。搬送経路FF上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ181が設けられるとともに、さらにその手前側にゲート前シート検出センサ1801が設けられている。そして、搬送経路FF上を搬送されてきたシートSが到達したことがゲート前シート検出センサ1801により検出されるとシートSの搬送はいったん停止され、中間転写ベルト171の周回移動のタイミングに同期させてゲートローラ181の回転を再開することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。こうして二次転写領域TR2を通過するシートSの表面に、中間転写ベルト171上に形成されたトナー像が二次転写される。
【0035】
こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット19によりトナー像を定着され、排出前ローラ182および排出ローラ183を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部189に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ182後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ183の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D4方向に搬送される。そして、ゲートローラ181の手前で再び搬送経路FFに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト171と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
【0036】
また、シート搬送経路FFおよび反転搬送経路FR上の各位置には、前記したゲート前シート検出センサ1801の他にも、当該経路上においてシート通過の有無を検出するためのシート検出センサ1802〜1804が設けられており、これらのセンサの出力に基づいて、シート搬送タイミングが管理されるとともに、各位置でのジャム検出が行われる。
【0037】
また、ローラ175の近傍には、クリーナ176が配置されている。このクリーナ176は図示を省略する電磁クラッチによってローラ175に対して近接・離間移動可能のクリーナブレード1761と、廃トナータンク1762とを備えている。そして、ローラ175側に移動した状態でクリーナブレード1761がローラ175に掛け渡された中間転写ベルト171の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト171の外周面に残留付着しているトナーを掻き落として除去する。掻き落とされたトナーは廃トナータンク1762に蓄えられる。廃トナータンク1762には、当該タンクの満杯を検出するための廃トナーセンサ1763が設けられている。
【0038】
このクリーナブレード1761は、二次転写領域T12においてシートSへの画像の転写が行われるときに、それと同じ周回において中間転写ベルト171上に残留付着するトナーを除去するように、離当接制御される。したがって、例えば装置がモノクロ画像を連続的に形成する場合には、一次転写領域TR1において中間転写ベルト171に転写された画像が直ちに二次転写領域TR2でシートSに転写されるので、クリーナブレード1761は当接状態に保持される。一方、カラー画像を形成する場合には、各色のトナー像が互いに重ね合わされる間、クリーナブレード1761を中間転写ベルト171から離間させておく必要がある。そして、各色のトナー像が互いに重ね合わされてフルカラー画像が完成し、シートSに二次転写されるのと同一の周回において、残留トナーを除去すべくクリーナブレード1761が中間転写ベルト171に当接されることとなる。
【0039】
また、ローラ175の近傍には濃度センサ160および垂直同期センサ177が配置されている。この濃度センサ160は、中間転写ベルト171の表面に対向して設けられており、必要に応じ、中間転写ベルト171の外周面に形成されるトナー像の画像濃度を測定する。そして、その測定結果に基づき、この装置では、画像品質に影響を与える装置各部の動作条件、例えば各現像器に与える現像バイアスや、光ビームLの強度などの調整を行っている。この濃度センサ160は、例えば反射型フォトセンサを用いて、中間転写ベルト171上の所定面積の領域の画像濃度に対応した信号を出力するように構成されている。そして、エンジンコントローラRECは、中間転写ベルト171を周回移動させながらこの濃度センサ160からの出力信号を定期的にサンプリングすることで、中間転写ベルト171上のトナー像各部の画像濃度を検出することができる。
【0040】
また、垂直同期センサ177は、中間転写ベルト171の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト171の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るためのセンサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。
【0041】
また、装置内部でエンジン部EGの近傍には、装置内の温度および湿度を検出するための温湿度センサ190が設けられている。エンジンコントローラRECは、温湿度センサ190の出力に基づいて、装置内の温度および湿度を把握することができる。また、検出された温度と湿度との関係から、装置内が結露しやすい条件にあるのか否かを判定することができる。
【0042】
また、全体として略円筒形をなす現像ユニット14の側面に当たる各現像器14Y,14C,14Mおよび14Kの外周面には、それぞれメモリタグ149Y,149C,149Mおよび149Kが貼付されている。例えば、イエロー現像器14Yに装着されたメモリタグ149Yは、該現像器の製造ロットや使用履歴、内蔵トナーの残量などに関するデータを記憶するためのメモリ1491Yと、該メモリと電気的に接続されたループアンテナ1492Yとを備えている。また、他の現像器に設けられたメモリタグ149C,149Mおよび149Kにもそれぞれメモリチップ1491C,1491Mおよび1491Kと、ループアンテナ1492C,1492Mおよび1492Kとが設けられている。
【0043】
図4は、1ページ分のカラー画像を中間転写ベルト表面に形成する場合のフローチャートである。エンジンコントローラRECは、イエローYについての1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQを、I/Oモジュール108を介して、ホストコンピュータHSTに出力する(ステップS111)。エンジンコントローラRECは、イエローYについてのビデオデータVDをホストコンピュータHSTから受け取ると、該ビデオデータVDに基づいてイエロー画像を感光体122の表面に形成する(ステップS112)。そして、形成されたイエロー画像は、一次転写位置TR1において、中間転写ベルト171の表面に一次転写される(ステップS113)。
【0044】
次に、エンジンコントローラRECは、シアンCについての1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQを、I/Oモジュール108を介して、ホストコンピュータHSTに出力する(ステップS121)。エンジンコントローラRECは、シアンCについてのビデオデータVDをホストコンピュータHSTから受け取ると、該ビデオデータVDに基づいてシアン画像を感光体122の表面に形成する(ステップS122)。そして、形成されたシアン画像は、既に形成された画像(イエロー画像)に重なるように、中間転写ベルト171の表面に一次転写される(ステップS123)。つまり、ステップS123では、ステップS113により一次転写位置TR1で一次転写されたイエロー画像が、中間転写ベルト171の移動に伴って再び1次転写位置TR1に戻ってくるタイミングに合わせて、シアン画像を一次転写する。
【0045】
次に、エンジンコントローラRECは、マゼンタMについての1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQを、I/Oモジュール108を介して、ホストコンピュータHSTに出力する(ステップS131)。エンジンコントローラRECは、マゼンタMについてのビデオデータVDをホストコンピュータHSTから受け取ると、該ビデオデータVDに基づいてマゼンタ画像を感光体122の表面に形成する(ステップS132)。そして、形成されたマゼンタ画像は、既に形成された画像(イエロー画像とシアン画像とを重ねて形成された画像)に重なるように、中間転写ベルト171の表面に一次転写される(ステップS133)。つまり、ステップS133では、ステップS123により一次転写位置TR1でシアン画像が重ね合わされた画像が、中間転写ベルト171の移動に伴って再び1次転写位置TR1に戻ってくるタイミングに合わせて、マゼンタ画像を一次転写する。
【0046】
最後に、エンジンコントローラRECは、ブラックKについての1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQを、I/Oモジュール108を介して、ホストコンピュータHSTに出力する(ステップS141)。エンジンコントローラRECは、ブラックKについてのビデオデータVDをホストコンピュータHSTから受け取ると、該ビデオデータVDに基づいてブラック画像を感光体122の表面に形成する(ステップS142)。そして、形成されたブラック画像は、既に形成された画像(イエロー画像、シアン画像、およびマゼンタ画像を重ねて形成された画像)に重なるように、中間転写ベルト171の表面に転写される(ステップS143)。つまり、ステップS143では、ステップS133により一次転写位置TR1でマゼンタ画像が重ね合わされた画像が、中間転写ベルト171の移動に伴って再び1次転写位置TR1に戻ってくるタイミングに合わせて、ブラック画像を一次転写する。そして、1ページ分のカラー画像が中間転写ベルト171の表面に形成される。このように、第1実施形態にかかるロータリ型プリンタPRTは、図4のフローチャートのステップS111〜S143を実行して、ホストコンピュータHSTから出力されるビデオデータVDに基づいて画像形成を行う(画像形成工程)。
【0047】
図4のフローチャートが示すように、第1実施形態にかかるロータリ型プリンタは、中間転写ベルト171が1回転する毎に、1ページ分の画像を1色ずつ一次転写することで、各色の画像を互いに重ね合わせてカラー画像を形成する。したがって、各色の画像を適切に重ね合わせるためには、中間転写ベルト171の回転に同期して、各色の静電潜像を感光体122の表面に形成する必要がある。よって、静電潜像を形成するためのビデオデータVDも、中間転写ベルト171の回転に同期して、ホストコンピュータHSTから与えられることが望ましい。そこで、第1実施形態において、エンジンコントローラRECは、垂直同期信号Vsyncが検出される度に、ページ要求信号VREQを、I/Oモジュール108を介して、ホストコンピュータHSTに出力する。
【0048】
図5は、ロータリ型プリンタの制御を実行する電気的構成を示すブロック図である。同図が示すように、プリンタPRTの制御を実行する電気的構成は、ホストコンピュータHSTにより実現される。つまり、第1実施形態では、ホストコンピュータHSTが本発明の「プリンタ制御装置」として機能する。なお、ホストコンピュータHST(ホスト)の中央演算処理は、CPU201(中央処理ユニット)が実行する。信号処理部203(データ生成手段)は、テキスト、図形、画像等を含む印刷データに対してラスタライズ処理を実行して(ビットマップに展開して)画像信号を生成する。そして、画像信号に対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ガンマ補正等の信号処理を施して、イエローY,シアンC,マゼンタM,ブラックKの各色についてビデオデータVDを生成する(データ生成工程)。このようにして生成された各色Y,C,M,KのビデオデータVDは、画像メモリ205に記憶される。
【0049】
割込コントローラ207は、プリンタPRTからページリクエスト信号VREQ(データ要求信号)が入力されると、VREQ割込信号をCPU201に出力する。CPU201は、VREQ割込信号が出力されると、DMAインターフェイス209にデータ転送指示を出力する。データ転送指示を受けたDMAインターフェイス209は、DMAコントローラ211にDMA転送を実行するように指示する。DMA転送実行指示を受けたDMAコントローラ211は、DMAインターフェイス209に予め設定された転送情報TIに基づいて、ビデオデータVDを画像メモリ205からプリンタPRTへとDMA転送する。ここで、転送情報TIは、ページリクエスト信号VREQに対応して出力すべき1ページ分のビデオデータVDが格納されている画像メモリ205における領域を示す情報である。また、DMAインターフェイス209への転送情報TIの設定(DMA設定)は、CPU201が行う。つまり、DMAコントローラ211は、プリンタPRTからページリクエスト信号VREQが出力されると、設定された転送情報TIに対応するビデオデータVDについてDMA転送を実行する。このように第1実施形態では、DMAインターフェイス209とDMAコントローラ211との組み合わせが、本発明の「メモリアクセス手段」として機能している。
【0050】
そして、DMAコントローラ211がDMA転送(データ転送動作)を開始すると、割込コントローラ207は、当該DMA転送の実行中に、DMA設定割込信号をCPU201に出力する。このとき、割込コントローラ207(モニター手段)は、実行中のDMA転送の進捗を示す進捗情報を参照して、DMA設定割込信号(情報設定割込信号)を出力する。より具体的には、実行中のDMA転送の進捗が、例えば10%になったことをトリガーとしてDMA設定割込信号を出力する。そして、DMA設定割込信号を受けたCPU201は、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを、DMAインターフェイス209に設定する(転送情報設定動作)。なお、ホストコンピュータHSTとプリンタPRTとの間における、ビデオデータVDおよびページリクエスト信号VREQのやり取りは、I/Oモジュール213を介して行なう。
【0051】
図6は、図5の電気的構成が実行する動作のフローチャートである。図7は、図6のフローチャートに対応するタイミングチャートである。以下、理解の容易のため、イエローY,シアンC,マゼンタM,ブラックKの画像を重ね合わせて、1ページ分のカラー画像を形成する場合(つまり、図4で説明した画像形成動作を実行する場合)について説明する。
【0052】
CPU201は、画像形成の実行に先立って、印刷しようとする画像のデータサイズを把握する(ステップS201)。次に、CPU201は、1回目のページリクエスト信号VREQ1に対応するDMA設定を行なう(ステップS202)。つまり、ステップS202において、CPU201は、1回目のページリクエスト信号VREQ1に対応する転送情報TI1を、DMAインターフェイス209に設定する。ここで、転送情報TI1は、具体的には、イエローYの1ページ分のビデオデータVDが格納されている、画像メモリ205における領域(格納領域)を示す情報である。そして、転送情報TI1をDMA設定した後、CPU201は、プリンタPRTに印刷指令を出力する(ステップS203)。
【0053】
印刷指令を受けたプリンタPRTは、イエローYの1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQ1を出力する。DMAコントローラ211は、ページリクエスト信号VREQ1の出力を受けて(ステップS204)、転送情報TI1に基づき、イエローYの1ページ分のビデオデータVDについてDMA転送DMA1(データ転送処理)を実行する(ステップS205)(データ転送工程)。そして、イエローYの1ページ分のビデオデータVDを受け取ったプリンタPRTは、イエローYの画像を中間転写ベルト171の表面に形成する。
【0054】
一方、ステップS207において、割込コントローラ207は、ページリクエスト信号VREQ1に伴うDMA転送DMA1の進捗をモニターし、当該進捗が所定値(例えば10%)に達すると、DMA設定割込信号DIS1を出力する。DMA設定割込信号DIS1を受けたCPU201は、次のページリクエスト信号VREQ2に対応する転送情報TI2を、DMAインターフェイス209に設定する(DMA設定)。ここで、転送情報TI2は、具体的には、シアンCの1ページ分のビデオデータVDが格納されている格納領域を示す情報である。つまり、CPU201は、ページリクエスト信号VREQ1に伴うDMA転送DMA1の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ2に対応する転送情報TI2を、DMAインターフェイス209に設定する転送情報設定処理を実行する(転送情報設定工程)。また、割込コントローラ207は、DMA転送DMA1が終了すると、DMA設定終了信号をCPU201に出力する。
【0055】
次に、プリンタPRTは、シアンCの1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQ2を出力する。DMAコントローラ211は、ページリクエスト信号VREQ2の出力を受けて(ステップS204)、転送情報TI2に基づき、シアンCの1ページ分のビデオデータVDについてDMA転送DMA2(データ転送処理)を実行する(ステップS205)(データ転送工程)。そして、シアンCの1ページ分のビデオデータVDを受け取ったプリンタPRTは、シアンCの画像を中間転写ベルト171の表面に形成する。また、上述と同様に、CPU201は、ページリクエスト信号VREQ2に伴うDMA転送DMA2の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ3に対応する転送情報TI3を、DMAインターフェイス209に設定する転送情報設定処理を実行する(ステップS207)(転送情報設定工程)。ここで、転送情報TI3は、具体的には、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVDが格納されている格納領域を示す情報である。また、割込コントローラ207は、DMA転送DMA2が終了すると、DMA設定終了信号をCPU201に出力する。
【0056】
次に、プリンタPRTは、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQ3を出力する。DMAコントローラ211は、ページリクエスト信号VREQ3の出力を受けて(ステップS204)、転送情報TI3に基づき、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVDについてDMA転送DMA3(データ転送処理)を実行する(ステップS205)(データ転送工程)。そして、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVDを受け取ったプリンタPRTは、マゼンタMの画像を中間転写ベルト171の表面に形成する。また、上述と同様に、CPU201は、ページリクエスト信号VREQ3に伴うDMA転送DMA3の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ4に対応する転送情報TI4を、DMAインターフェイス209に設定する転送情報設定処理を実行する(ステップS207)(転送情報設定工程)。また、割込コントローラ207は、DMA転送DMA3が終了すると、DMA設定終了信号をCPU201に出力する。
【0057】
次に、プリンタPRTは、ブラックKの1ページ分のビデオデータVDを要求すべく、ページリクエスト信号VREQ4を出力する。DMAコントローラ211は、ページリクエスト信号VREQ4の出力を受けて(ステップS204)、転送情報TI4に基づき、ブラックKの1ページ分のビデオデータVDについてDMA転送DMA4(データ転送処理)を実行する(ステップS205)(データ転送工程)。また、割込コントローラ207は、DMA転送DMA4が終了すると、DMA設定終了信号をCPU201に出力する。そして、ブラックKの1ページ分のビデオデータVDを受け取ったプリンタPRTは、ブラックKの画像を中間転写ベルト171の表面に形成する。そして、プリンタPRTは、イエローY,シアンC,マゼンタM,ブラックKを重ね合わせて形成されたカラー画像を、シートSに二次転写して出力し、印刷を終了する(ステップS206)。
【0058】
このように、第1実施形態では、DMAコントローラ211により、画像メモリ205からプリンタPRTに向けてビデオデータVDを出力する。つまり、プリンタPRTからページリクエスト信号VREQが出力されると、DMAコントローラは、1ページ分のビデオデータVDを画像メモリ205からプリンタPRTへと転送するDMA転送を実行する。そして、かかるDMA転送は、CPU201によりDMAインターフェイス209にDMA設定された転送情報TIに基づいて実行される。つまり、DMAコントローラは、プリンタからページリクエスト信号VREQが出力されると、設定された転送情報TIに対応するビデオデータVDについて、DMA転送を実行する。これにより、出力すべきビデオデータVD(ページリクエスト信号VREQに応じたビデオデータVD)のみがプリンタPRTに出力される。
【0059】
ここで、次のページリクエスト信号VREQに応じて適切にDMA転送を実行するには、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIが、DMA転送の前に予め設定されている必要がある。一方、かかる転送情報TIは、CPU201により、DMAインターフェイス209に設定される(DMA設定)。したがって、次のページリクエスト信号VREQに応じて適切にビデオデータVDを出力するために、CPU201は、次のリクエスト信号VREQまでに転送情報TIのDMA設定を行なう必要がある。しかしながら、CPU201は、ホストコンピュータHSTにおける中央演算処理を担っており、画像形成動作の制御以外の処理も実行する必要がある。したがって、DMA転送の終了後に転送情報TIの設定を行う場合、CPU201が画像形成動作以外の動作に関連する処理を実行していることに起因して、転送情報TIの設定がページリクエスト信号VREQに間に合わないという問題が発生する可能性がある。
【0060】
これに対して、第1実施形態では、CPU201は、プリンタPRTから一のページリクエスト信号VREQが出力されたことに伴うDMA転送の実行中に、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIをDMA設定する。上述した実施形態に即して具体的に説明すると、例えば、一のページリクエスト信号VREQ1が出力されたことに伴うDMA転送DMA1(イエローYのビデオデータVDの転送動作)の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ2に対応する転送情報TI2(シアンCの1ページ分のビデオデータVDが格納されている格納領域を示す情報)をDMA設定(転送情報設定動作)する。
【0061】
このように、第1実施形態では、一のページリクエスト信号VREQに対応して実行されるDMA転送の間に、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを設定する。したがって、転送情報TIの設定からページリクエスト信号VREQが出力されるまでの期間を十分に確保することが可能となる。よって、たとえCPU201が他の動作に関連する処理を実行しているために転送情報TIの設定に時間を要したとしても、転送情報TIの設定がページリクエスト信号VREQに間に合わないという問題の発生を抑制して、良好な画像形成の実現を可能にしている。
【0062】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態において用いられるプリンタの構成例を示す図である。また、図9は図8のプリンタにおける画像形成ステーションの配置を示す図である。また、図10は図8のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。これらの図が示すように、第2実施形態で用いられるプリンタは、いわゆるタンデム型と称されるプリンタである。
【0063】
プリンタPRTは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能である。このプリンタPRTでは、ホストコンピュータHSTから印刷指令が与えられると、エンジンコントローラTECがエンジン部TEGおよびヘッドコントローラTHCなど装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどの記録材たるシートに印刷指令に対応する画像を形成する。
【0064】
第2実施形態にかかるプリンタPRTが有するハウジング本体33内には、電源回路基板、メインコントローラTMC、エンジンコントローラTECおよびヘッドコントローラTHCを内蔵する電装品ボックス35が設けられている。また、画像形成ユニット32、転写ベルトユニット38および給紙ユニット37もハウジング本体33内に配設されている。また、図8においてハウジング本体33内右側には、二次転写ユニット312、定着ユニット313およびシート案内部材315が配設されている。なお、給紙ユニット37は、ハウジング本体33に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット37および転写ベルトユニット38については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0065】
画像形成ユニット32は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション32Y(イエロー用)、32M(マゼンタ用)、32C(シアン用)および32K(ブラック用)を備えている。なお、図8においては、画像形成ユニット32の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号を付し、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
【0066】
各画像形成ステーション32Y、32M、32Cおよび32Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム321が設けられている。各感光体ドラム321はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。また、感光体ドラム321の周囲には、その回転方向に沿って帯電部323、ラインヘッド329、現像部325および感光体クリーナ327が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーション32Y、32M、32Cおよび32Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット38に設けた転写ベルト381に重ね合わせてカラー画像を形成する。また、モノクロモード実行時は、画像形成ステーション32Kのみを動作させてブラック単色画像を形成する。
【0067】
帯電部323は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム321の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム321の回転動作に伴って従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部323と感光体ドラム321が当接する帯電位置で感光体ドラム321の表面を所定の表面電位に帯電させる。
【0068】
ラインヘッド329は、感光体ドラム321の軸方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に配列された複数の発光素子を備えており、感光体ドラム321に対向配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部323により帯電された感光体ドラム321の表面に向けて光を照射して該表面に静電潜像を形成する。
【0069】
図11は、ラインヘッドの構造を示す図である。なお、以下の説明においては、図8の紙面奥から手前側に向かう方向をX方向とする。すなわち、X方向は、感光体ドラム321の回転軸に平行な方向であり、かつ感光体321ドラム表面の移動方向および転写ベルト381の移動方向D381に直交する方向である。ラインヘッド329では、露光光源となる複数のLED(発光ダイオード)素子がX方向に配列されてなるLEDアレイ3293が、長尺のハウジング中に保持されている。ベース基板3294上のLEDアレイ3293は、同じベース基板3294上に形成されたドライバIC3295により駆動される。ヘッドコントローラTHCからビデオデータが与えられると、該ビデオデータに基づきドライバIC295が作動してLEDアレイ3293に設けられたLED素子が点灯する。屈折率分布型ロッドレンズアレイ3296は結像光学系を構成し、LED素子の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ3297を俵積みしている。ハウジングは、ベース基板3294の周囲を覆い、感光体ドラム321に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ3297から感光体ドラム321に光線を射出する。これによって、ビデオデータに対応して感光体ドラム321に静電潜像が形成される。
【0070】
図8に戻ってプリンタPRTの説明を続ける。現像部325は、その表面にトナーが担持する現像ローラ3251を有する。そして、現像ローラ3251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ3251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ3251と感光体ドラム321とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ3251から感光体ドラム321に移動してその表面に形成された静電潜像が顕像化される。
【0071】
現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム321の回転方向D321に搬送された後、後に詳述する転写ベルト381と各感光体ドラム321が当接する一次転写位置TR1において転写ベルト381に一次転写される。
【0072】
また、感光体ドラム321の回転方向D321の一次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部323の上流側に、感光体ドラム321の表面に当接して感光体クリーナ327が設けられている。この感光体クリーナ327は、感光体ドラムの表面に当接することで一次転写後に感光体ドラム321の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
【0073】
転写ベルトユニット38は、駆動ローラ382と、図8において駆動ローラ382の左側に配設される従動ローラ383(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され駆動ローラ382の回転により図示矢印D381の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト381とを備えている。また、転写ベルトユニット38は、転写ベルト381の内側に、カートリッジ装着時において各画像形成ステーション32Y、32M、32Cおよび32Kが有する感光体ドラム321各々に対して一対一で対向配置される、4個の一次転写ローラ385Y、385M、385Cおよび385Kを備えている。これらの一次転写ローラは、それぞれ一次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。
【0074】
カラーモード実行時は、図8および図9に示すように全ての一次転写ローラ385Y、385M、385Cおよび385Kを画像形成ステーション32Y、32M、32Cおよび32K側に位置決めすることで、転写ベルト381を画像形成ステーション32Y、32M、32Cおよび32Kそれぞれが有する感光体ドラム321に押し遣り当接させて、各感光体ドラム321と転写ベルト381との間に一次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラ385Y等に一次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム321の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する一次転写位置TR1において転写ベルト381表面に転写する。すなわち、カラーモードにおいては、各色の単色トナー像が転写ベルト381上において互いに重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0075】
いわゆるタンデム方式の画像形成装置では、感光体ドラム321から転写ベルト381にトナー像が一次転写される一次転写位置は、各画像形成ステーションごとに異なった位置となる。この実施形態においては、イエロー用画像形成ステーション32Y、マゼンタ用画像形成ステーション32M、シアン用画像形成ステーション32Cおよびブラック用画像形成ステーション32Kが転写ベルト381の移動方向に沿ってこの順番に配置されている。したがって、イエロー一次転写位置TR1yとマゼンタ一次転写位置TR1mとは距離Lym、マゼンタ一次転写位置TR1mとシアン一次転写位置TR1cとは距離Lmc、シアン一次転写位置TR1cとブラック一次転写位置TR1kとは距離Lckだけ離隔している。
【0076】
一方、モノクロモード実行時は、4個の一次転写ローラのうち、一次転写ローラ385Y、385Mおよび385Cをそれぞれが対向する画像形成ステーション32Y、32Mおよび32Cから離間させるとともにブラック色に対応した一次転写ローラ385Kのみを画像形成ステーション32Kに当接させることで、モノクロ用の画像形成ステーション32Kのみを転写ベルト381に当接させる。その結果、一次転写ローラ385Kと画像形成ステーション32Kとの間にのみ一次転写位置TR1kが形成される。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラ385Kに一次転写バイアスを印加することで、画像形成ステーション32Kに設けられた感光体ドラム321の表面上に形成されたブラックトナー像を、一次転写位置TR1kにおいて転写ベルト381表面に転写してモノクロ画像を形成する。
【0077】
さらに、転写ベルトユニット38は、ブラック用一次転写ローラ385Kの下流側で且つ駆動ローラ382の上流側に配設された下流ガイドローラ386を備える。この下流ガイドローラ386は、一次転写ローラ385Kが画像形成ステーション32Kの感光体ドラム321に当接して形成する一次転写位置TR1での一次転写ローラ385Kとブラック用感光体ドラム321(K)との共通接線上において、転写ベルト381に当接するように構成されている。
【0078】
また、下流ガイドローラ386に巻き掛けられた転写ベルト381の表面に対向してパッチセンサ389が設けられている。パッチセンサ389は例えば反射型フォトセンサからなり、転写ベルト381表面の反射率の変化を光学的に検出することにより、必要に応じて転写ベルト381上に形成されるパッチ画像の位置やその濃度などを検出する。
【0079】
給紙ユニット37は、シートを積層保持可能である給紙カセット377と、給紙カセット377からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ379とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ379により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対380によって給紙タイミングが調整された後、シート案内部材315に沿って、駆動ローラ382と二次転写ローラ3121とが当接する二次転写位置TR2に給紙される。
【0080】
二次転写ローラ3121は、転写ベルト381に対して離当接自在に設けられ、二次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット313は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ3131と、この加熱ローラ3131を押圧付勢する加圧部3132とを有している。そして、その表面に画像が二次転写されたシートは、シート案内部材315により、加熱ローラ3131と加圧部3132の加圧ベルト31323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部3132は、2つのローラ31321,31322と、これらに張架される加圧ベルト31323とで構成されている。そして、加圧ベルト31323の表面のうち、2つのローラ31321,31322により張られたベルト張面を加熱ローラ3131の周面に押し付けることで、加熱ローラ3131と加圧ベルト31323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体33の上面部に設けられた排紙トレイ34に搬送される。
【0081】
前記した駆動ローラ382は、転写ベルト381を図示矢印D381の方向に循環駆動するとともに、二次転写ローラ3121のバックアップローラとしての機能も兼ねている。駆動ローラ382の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する二次転写バイアス発生部から二次転写ローラ3121を介して供給される二次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ382に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、二次転写位置TR2へシートが進入する際の衝撃が転写ベルト381に伝達されることに起因する画質の劣化を防止することができる。
【0082】
また、この装置では、ブレード対向ローラ383に対向してクリーナ部371が配設されている。クリーナ部371は、クリーナブレード3711と廃トナーボックス3713とを有する。クリーナブレード3711は、その先端部を転写ベルト381を介してブレード対向ローラ383に当接することで、二次転写後に転写ベルト381に残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス3713に回収される。また、クリーナブレード3711及び廃トナーボックス3713は、ブレード対向ローラ383と一体的に構成されている。
【0083】
なお、この実施形態においては、各画像形成ステーション32Y、32M、32Cおよび32Kの感光体ドラム321、帯電部323、現像部325および感光体クリーナ327を一体的にカートリッジとしてユニット化している。そして、このカートリッジがプリンタ本体に対し着脱可能に構成されている。また、各カートリッジには、該カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラTECと各カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各カートリッジに関する情報がエンジンコントローラTECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。これらの情報に基づき各カートリッジの使用履歴や消耗品の寿命が管理される。
【0084】
再び図10を参照しながら説明する。ホストコンピュータHSTからメインコントローラTMCに印刷指令が与えられると、メインコントローラTMCは、UART(汎用非同期送受信)通信線を介してエンジンコントローラTECにエンジン部TEGを起動させるための制御信号を送信する。
【0085】
一方、制御信号を受けたエンジンコントローラTECは、エンジン部TEG各部の初期化およびウォームアップを開始する。これらが完了して画像形成動作を実行可能な状態になると、エンジンコントローラTECは、各ラインヘッド329を制御するヘッドコントローラTHCに対し画像形成動作の開始のきっかけとなる同期信号Vsyncを、UART通信線を介して出力する。
【0086】
ヘッドコントローラTHCには、各ラインヘッドを制御するヘッド制御モジュール3400と、メインコントローラTMCとのデータ通信を司るヘッド側通信モジュール3300とが設けられている。一方、メインコントローラTMCにもメイン側通信モジュール3200が設けられている。ヘッド側通信モジュール3300からメイン側通信モジュール3200に向けては、1ページ分の画像の先頭を示すページリクエスト信号VREQと、該画像を構成するラインのうち1ライン分のビデオデータを要求するラインリクエスト信号HREQとが送信される。
【0087】
メインコントローラTMCは、ヘッドコントローラTHCから受け取ったページリクエスト信号VREQを、ホストコンピュータHSTに出力する。つまり、メインコントローラTMCは、ヘッドコントローラTHCからのビデオデータVDの要求に備えるため、ホストコンピュータHSTにページリクエスト信号VREQを出力して、1ページ分のビデオデータVDを要求する。メインコントローラTMCからページリクエスト信号VREQを受け取ったホストコンピュータHSTは、1ページ分のビデオデータVDをメインコントローラTMCに出力する。そして、メインコントローラTMCは、ホストコンピュータHSTから受け取ったビデオデータVDを、ヘッドコントローラTHCへと出力する。なお、ホストコンピュータ−メインコントローラ間における、ページリクエスト信号VREQ及びビデオデータVDのやり取りの詳細は後述するとし、ここでは、メインコントローラ−ヘッドコントローラ間の信号のやり取りを中心に説明する。
【0088】
メイン側通信モジュール3200からヘッド側通信モジュール3300に向けては、リクエスト信号に応じてビデオデータVDが送信される。より詳しくは、画像の先頭を示すページリクエスト信号VREQを受信した後、ラインリクエスト信号HREQを受信する度に、画像の先頭部分から1ライン分ずつビデオデータを順次出力する。
【0089】
図12はメインコントローラとヘッドコントローラとの間の通信を示す図である。1ページの画像は、多数のドットをX方向(ラインヘッド29の発光素子の配列方向)に沿って一列に並べたラインをこれと直交する方向、すなわち転写ベルト381の移動方向D381に少しずつ位置を異ならせながら形成したものである。ヘッドコントローラTHCから出力されるページリクエスト信号VREQはページ先頭を示すものである。メインコントローラTMCではページリクエスト信号VREQの受信後に受信したラインリクエスト信号HREQが有効とされ、このラインリクエスト信号HREQを受信する度に1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラTHCに送信する。
【0090】
この実施形態では、1ラインを構成するドット数は最大6828である。また、解像度は600dpi(dots per inch)であり、ドットピッチもこれに等しい。したがって、1ラインの最大長さはおよそ11.4インチ(289mm)である。この長さは、日本工業規格A3版用紙の短辺寸法に対応している。各ドットの画像データは8ビットで多階調表現されており、1ライン分のビデオデータVDは、予め定められた特定の値(ここでは55h)のヘッドデータと、それに続く8ビット×6828ドットの画像データ列とからなっている。ヘッドデータはデータ列の先頭を示すためのものであり、ビデオデータを受信するヘッドコントローラ側では、値00hが続いた後に受信されたヘッドデータによりデータの先頭であることを認識することができる。言い換えれば、ページリクエスト信号VREQを受信してから最初に受信された00h以外の値がヘッドデータとして決められているものと異なっていた場合には、通信エラーであると判断することができる。
【0091】
こうして1ライン分のビデオデータを出力した後、続いてラインリクエスト信号HREQが与えられると、メインコントローラTMCは次の1ライン分のデータを出力する。これを繰り返すことにより、1ページ分の画像に対応するビデオデータVDがメインコントローラTMCからヘッドコントローラTHCに受け渡される。形成すべき次のページの画像がある場合には、先のページのデータ通信の終了後、ヘッドコントローラTHCからメインコントローラTMCに対し再びページリクエスト信号VREQが送信される。
【0092】
この実施形態では、上記した各信号、すなわちヘッドコントローラTHCからメインコントローラTMCへ送られるリクエスト信号VREQ、HREQおよびメインコントローラTMCからヘッドコントローラTHCへ送られるビデオデータVDが、YMCK各色に対応して4組存在する。以下では、必要に応じて各信号にハイフンおよび色を表す符号を付すことで色の区別をする。例えば、イエロー用のページリクエスト信号、ラインリクエスト信号およびビデオデータはそれぞれVREQ−Y、HREQ−YおよびVD−Yと表す。
【0093】
図13は各色ごとの通信タイミングを示す図である。より具体的には、同図は2ページ分のカラー画像を連続して形成する場合におけるメインコントローラとヘッドコントローラとの間の信号のやり取りを示している。図9に示すように、各画像形成ステーション32Y、32M、32C、32Kが転写ベルト381上にトナー像を転写する一次転写位置TR1y、TR1m、TR1c、TR1kは互いに異なっている。したがって、各画像形成ステーションでそれぞれ形成されるトナー像を転写ベルト381上の同一位置で互いに重ね合わせるためには、一次転写位置の違いを吸収すべくビデオデータを一時的に保存するバッファメモリをヘッドコントローラTHCに設けるか、または一次転写位置間の距離に応じてビデオデータの送信タイミングをトナー色ごとに異ならせる必要がある。前者の場合には各トナー色ごとに大容量のメモリが必要となり装置コストが大幅に上昇してしまう。
【0094】
第2実施形態では、大容量のバッファメモリを必要としない後者の方法を採っている。すなわち、画像形成ステーションの配置に応じてビデオデータの送信タイミングに時間差を設けることにより、中間転写ベルト381上におけるトナー像の形成位置が各トナー色間で一致するようにしている。より具体的には、ヘッドコントローラTHCから出力するリクエスト信号VREQ、HREQを送信するタイミングを、トナー色ごとに異ならせている。例えば、イエロー用ページリクエスト信号VREQ−Yとマゼンタ用ページリクエスト信号VREQ−Mとの間の時間差Tymは、中間転写ベルト381の移動速度をVtbとしたとき、
Tym=Lym/Vtb
となるように、リクエスト信号の出力タイミングが設定される。これにより、イエロー用ビデオ信号VD−Yとマゼンタ用ビデオ信号VD−Mとの間にも同様の時間差が生まれ、結果的に両トナー色のトナー像の形成位置が転写ベルト381上において同じになる。同様に、マゼンタ用ビデオ信号VD−Mとシアン用ビデオ信号VD−Cとの間、シアン用ビデオ信号VD−Cとブラック用ビデオ信号VD−Kとの間にも、それぞれ一次転写位置間の距離に応じた時間差Tmc、Tckが設けられる。
【0095】
そして、図13に示す、各色のページリクエスト信号VREQ−Y,VREQ−M,VREQ−C,VREQ−Kを受け取ったメインコントローラTMCは、これらのページリクエスト信号をホストコンピュータHSTに出力して、各リクエスト信号に対応する色のビデオデータVD−Y,VD−M,VD−C,VD−Kを要求する。以下に、ホストコンピュータ−メインコントローラ間のデータのやり取り、すなわち、ホストコンピュータ−プリンタ間のデータのやり取りについて説明する。
【0096】
図14は、タンデム型プリンタの制御を実行する電気的構成を示すブロック図である。同図が示すように、プリンタPRTの制御を実行する電気的構成は、ホストコンピュータHSTにより実現される。つまり、第2実施形態では、ホストコンピュータHSTが本発明の「プリンタ制御装置」として機能する。なお、ホストコンピュータHSTの中央演算処理は、CPU401(中央処理ユニット)が実行する。
【0097】
上述の通り、タンデム型のプリンタは、各色Y,M,C,Kに応じて各色のページリクエスト信号VREQ−Y,VREQ−M,VREQ−C,VREQ−Kを出力する。したがって、ホストコンピュータHSTは、プリンタPRTから出力される各色のページリクエスト信号VREQ−Y,VREQ−M,VREQ−C,VREQ−Kに応じて、各色のビデオデータVD−Y,VD−M,VD−C,VD−Kを出力する。以下に、かかる入出力動作を実現する電気的構成について、図14を用いて詳述する。
【0098】
信号処理部403(データ生成手段)は、テキスト、図形、画像等を含む印刷データに対してラスタライズ処理を実行して(ビットマップに展開して)画像信号を生成する。そして、画像信号に対して、色変換処理、ハーフトーン処理、ガンマ補正等の信号処理を施して、イエローY,シアンC,マゼンタM,ブラックKの各色についてビデオデータVDを生成する(データ生成工程)。このようにして生成された各色Y,C,M,KのビデオデータVDは、画像メモリ405に記憶される。
【0099】
割込コントローラ407は、プリンタPRTからページリクエスト信号VREQ(データ要求信号)が入力されると、VREQ割込信号をCPU401に出力する。かかるVREQ割込信号は、4色のページリクエスト信号それぞれに応じて生成され、CPU401に向けて出力される。CPU401は、入力されたVREQ割込信号に対応する色についてのデータ転送指示を、DMAインターフェイス409に出力する。DMAインターフェイス409は、受け取ったデータ転送指示の色についてのDMA転送を実行するように、DMAコントローラ411に指示する。なお、第2実施形態では、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKに対応して、4色のDMAコントローラ411Y,411M,411C,411Kが存在する。また、DMAコントローラ411がDMA転送を実行する際に参照する転送情報TI(内容は後述する)についても、4色Y,M,C,Kに対応して、4色分が(すなわち、転送情報TI−Y,TI−M,TI−C,TI−Kが)存在する。
【0100】
DMAコントローラ411は、DMA転送実行指示に対応する色の転送情報TIを参照して、ビデオデータVDを画像メモリ405からプリンタPRTへとDMA転送(データ転送動作)する。ここで、転送情報TIは、プリンタPRTから出力されたページリクエスト信号VREQに対応して出力すべき1ページ分のビデオデータVDが格納されている画像メモリ405における領域を示す情報である。つまり、例えば、転送情報TI−Yは、ページリクエスト信号VREQ−Yに対応して出力すべき1ページ分のイエローYのビデオデータVD−Yの格納領域を示す情報である。これにより、プリンタPRTが出力したページリクエスト信号VREQに対応する色の1ページ分のビデオデータVDが、ホストコンピュータHSTから出力される。
【0101】
一方、DMAコントローラ411がDMA転送を開始すると、割込コントローラ407は、開始されたDMA転送に対応する色のDMA設定割込信号(情報設定割込信号)をCPU401に出力する。また、かかるDMA設定割込信号の出力動作は、開始されたDMA転送が終わるまで(すなわち、DMA設定の実行中)に行なわれる。そして、DMA設定割込信号の出力を、確実にDMA設定の実行中に行なうべく、割込コントローラ407(モニター手段)は、実行中のDMA転送の進捗を示す進捗情報を参照して、DMA設定割込信号の出力を行なう。より具体的には、実行中のDMA転送の進捗が、例えば10%になったことをトリガーとしてDMA設定割込信号を出力する。そして、CPU401は、受け取ったDMA設定割込信号の色の次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを、DMAインターフェイス409に設定する(転送情報設定動作)。なお、ホストコンピュータHSTとプリンタPRTとの間における、ビデオデータVD、および、ページリクエスト信号VREQのやり取りは、I/Oモジュール413を介して行なう。
【0102】
理解の容易のため、上述の動作を、例えば、イエローYのページリクエスト信号VREQ−Yが出力された場合について、重ねて説明する。割込コントローラ407は、プリンタPRTからページリクエスト信号VREQ−Y(データ要求信号)が入力されると、イエローYに対応するVREQ割込信号をCPU401に出力する。CPU401は、イエローYについてのVREQ割込信号を受けて、イエローYについてのデータ転送指示を、DMAインターフェイス409に出力する。DMAインターフェイス409は、イエローYについてのデータ転送指示を受けて、イエローYについてのDMA転送を実行するように、DMAコントローラ411Yに指示する。そして、DMAコントローラ411Yは、転送情報TI−Yに基づいて、ビデオデータVD−Yを画像メモリ405からプリンタPRTへとDMA転送(データ転送動作)する。
【0103】
一方、DMAコントローラ411がイエローYについてDMA転送を開始すると、該DMA転送の実行中に、割込コントローラ407(モニター手段)は、イエローYのDMA設定割込信号をCPU401に出力する。このとき、割込コントローラ407は、実行中のイエローYについてのDMA転送の進捗を示す進捗情報を参照して、DMA設定割込信号の出力を行なう。そして、DMA設定割込信号を受けたCPU401は、イエローYの次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを、DMAインターフェイス409に設定する(転送情報設定動作)。
【0104】
図15は、図14の電気的構成が実行する動作のフローチャートである。図16は、図15のフローチャートに対応するタイミングチャートである。これらの図を用いて、図14の電気的構成が実行するフローについて説明する。
【0105】
CPU401は、画像形成の実行に先立って、印刷しようとする画像のデータサイズを把握する(ステップS401)。次に、CPU401は、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの全色について、1回目のページリクエスト信号VREQ−Y1,VREQ−M1,VREQ−C1,VREQ−K1に対応するDMA設定を行なう(ステップS402)。つまり、ステップS402において、CPU401は、1回目のページリクエスト信号VREQに対応する各色の転送情報TI−Y1,TI−M1,TI−C1,TI−K1を、DMAインターフェイス409に設定する。そして、転送情報TI−Y1,TI−M1,TI−C1,TI−K1のDMA設定の後、CPU401は、プリンタPRTに印刷指令を出力する(ステップS403)。
【0106】
印刷指令を受けたプリンタPRTは、イエローYの1ページ分のビデオデータVD−Yを要求すべく、ページリクエスト信号VREQ−Y1(データ要求信号)を出力する。DMAコントローラ411Yは、ページリクエスト信号VREQ−Y1の出力を受けて(ステップS414)、転送情報TI−Y1に基づき、イエローYの1ページ分のビデオデータVD−YについてDMA転送DMA−Y1(データ転送処理)を実行する(ステップS415)(データ転送工程)。そして、イエローYの1ページ分のビデオデータVD−Yを受け取ったプリンタPRTは、イエローYの画像を中間転写ベルト381の表面に形成する(画像形成工程)。
【0107】
一方、割込コントローラ407は、ページリクエスト信号VREQ−Y1に伴うDMA転送DMA−Y1の進捗をモニターし、当該進捗が所定値(例えば10%)に達すると、イエローYについてのDMA設定割込信号DIS−Y1を出力する。DMA設定割込信号DIS−Y1を受けたCPU401は、イエローYについての次のページリクエスト信号VREQ−Y2に対応する転送情報TI−Y2を、DMAインターフェイス409に設定する(DMA設定)。つまり、CPU401は、ページリクエスト信号VREQ−Y1に伴うDMA転送DMA−Y1の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ−Y2に対応する転送情報TI−Y2を、DMAインターフェイス409に設定する転送情報設定処理を実行する(転送情報設定工程)。また、割込コントローラ407は、DMA転送DMA−Y1が終了すると、DMA設定終了信号をCPU401に出力する。
【0108】
また、マゼンタMについて、イエローYについてのステップS414〜S416と同様の動作を実行する。つまり、プリンタPRTは、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVD−Mを要求すべく、ページリクエスト信号VREQ−M1(データ要求信号)を出力する。DMAコントローラ411Mは、ページリクエスト信号VREQ−M1の出力を受けて(ステップS424)、転送情報TI−M1に基づき、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVD−MについてDMA転送DMA−M1(データ転送処理)を実行する(ステップS425)(データ転送工程)。そして、マゼンタMの1ページ分のビデオデータVD−Mを受け取ったプリンタPRTは、マゼンタMの画像を中間転写ベルト381の表面に形成する(画像形成工程)。
【0109】
一方、割込コントローラ407(モニター手段)は、ページリクエスト信号VREQ−M1に伴うDMA転送DMA−M1の進捗をモニターし、当該進捗が所定値(例えば10%)に達すると、マゼンタMについてのDMA設定割込信号DIS−M1を出力する。DMA設定割込信号DIS−M1を受けたCPU401は、マゼンタMについての次のページリクエスト信号VREQ−M2に対応する転送情報TI−M2を、DMAインターフェイス409に設定する(DMA設定)。つまり、CPU401は、ページリクエスト信号VREQ−M1に伴うDMA転送DMA−M1の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ−M2に対応する転送情報TI−M2を、DMAインターフェイス409に設定する転送情報設定処理を実行する(転送情報設定工程)。また、割込コントローラ407は、DMA転送DMA−M1が終了すると、DMA設定終了信号をCPU401に出力する。
【0110】
そして、シアンCおよびブラックKについても、イエローYについてのステップS414〜S416と同様の動作を実行する。つまり、シアンCについてステップS434〜S436の動作を実行するとともに、ブラックKについてステップS444〜S446の動作を実行する。これにより、各色Y,M,C,Kについての1ページ分のビデオデータVDが、プリンタPRTに出力される。そして、プリンタPRTは、受けとったビデオデータVDに基づいてカラー画像形成動作を実行する。これら一連の動作(ステップS414〜S446)は、与えられた印刷指令に関する印刷が終了するまで実行される(ステップS407)。
【0111】
このように第2実施形態では、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKに対応して、4個のDMAコントローラ411Y,411M,411C,411Kが存在する。そして、各DMAコントローラとDMAインターフェイス409との組み合わせが、本発明の「メモリアクセス手段」として機能する。具体的には、DMAコントローラ411YとDMAインターフェイス409との組み合わせ、DMAコントローラ411MとDMAインターフェイス409との組み合わせ、DMAコントローラ411CとDMAインターフェイス409との組み合わせ、および、DMAコントローラ411KとDMAインターフェイス409との組み合わせのそれぞれが、「メモリアクセス手段」として機能している。つまり、第2実施形態では、色毎に「メモリアクセス手段」を設けている。
【0112】
このように、4個のDMAコントローラ411を設けた理由は、タンデム型のプリンタPRTに対して、適切にビデオデータVDを出力するためである。つまり、タンデム型のプリンタPRTは、各色のページリクエスト信号VREQ−Y,VREQ−M,VREQ−C,VREQ−Kを、図13を用いて説明したタイミングで出力する。そして、かかるタイミングは、画像形成ステーション32Y,32M,32C,32Kが形成したトナー像を中間転写ベルト表面に適切に重ね合わせるべく、設定される。したがって、プリンタPRTにおける適切なカラー画像形成の実行のため、ホストコンピュータHSTは、ページリクエスト信号VREQのタイミングに対応して、各色のビデオデータVD−Y,VD−M,VD−C,VD−Kを出力する必要がある。
【0113】
しかしながら、タンデム型プリンタが要求するタイミングでビデオデータを出力するためには、異なる色のビデオデータを並列的にDMA転送する必要が発生する場合がある。図16を用いて説明すると、例えば、時刻t1において、イエローYについてのDMA転送DMA−Y1と、マゼンタMについてのDMA転送DMA−M1が並列して実行される。そこで、第2実施形態では、各色Y,M,C,Kに対応して、4個のDMAコントローラ411Y,411M,411C,411Kを設けている。そして、DMAインターフェイス409を、4個のDMAコントローラ411Y,411M,411C,411Kに対応する4個の転送情報TI−Y,TI−M,TI−C,TI−Kを設定可能に構成している。そして、各色Y,M,C,Kのそれぞれにおいて、次のようにしてDMA転送(データ転送動作、データ転送処理)およびDMA設定(転送情報設定動作、転送情報設定処理)を実行している。
【0114】
つまり、第2実施形態では、プリンタPRTからページリクエスト信号VREQが出力されると、DMAコントローラ411は、1ページ分のビデオデータVDを画像メモリ405からプリンタPRTへと転送するDMA転送を実行する。そして、かかるDMA転送は、CPU401によりDMAインターフェイス409にDMA設定された転送情報TIに基づいて実行される。この際、DMAコントローラは、DMAインターフェイス409に設定された転送情報TIに対応するビデオデータVDについて、DMA転送を実行する。これにより、出力すべきビデオデータVD(ページリクエスト信号VREQに応じたビデオデータVD)のみがプリンタPRTに出力される。
【0115】
ここで、次のページリクエスト信号VREQに応じて適切にDMA転送を実行するには、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIが、DMA転送の前に予め設定されている必要がある。一方、かかる転送情報TIは、CPU401により、DMAインターフェイス409に設定される(DMA設定)。したがって、次のページリクエスト信号VREQに応じて適切にビデオデータVDを出力するために、CPU401は、次のリクエスト信号VREQまでに転送情報TIのDMA設定を行なう必要がある。しかしながら、CPU401は、ホストコンピュータHSTにおける中央演算処理を担っており、画像形成動作の制御以外の処理も実行する必要がある。したがって、DMA転送の終了後に転送情報TIの設定を行う場合、CPU401が画像形成動作以外の動作に関連する処理を実行していることに起因して、転送情報TIの設定がページリクエスト信号VREQに間に合わないという問題が発生する可能性がある。
【0116】
これに対して、第2実施形態では、CPU401は、プリンタPRTから一のページリクエスト信号VREQが出力されたことに伴うDMA転送の実行中に、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIをDMA設定する。理解の容易のため、上述した第2実施形態に即して、イエローYの場合について説明すると、例えば、イエローYの一のページリクエスト信号VREQ−Y1が出力されたことに伴うDMA転送DMA−Y1の実行中に、次のページリクエスト信号VREQ−Y2に対応する転送情報TI−Y2をDMA設定する。
【0117】
このように、第2実施形態では、一のページリクエスト信号VREQに対応して実行されるDMA転送の間に、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを設定する。したがって、転送情報TIの設定からページリクエスト信号VREQが出力されるまでの期間を十分に確保することが可能となる。よって、たとえCPU401が他の動作に関連する処理を実行しているために転送情報TIの設定に時間を要したとしても、転送情報TIの設定がページリクエスト信号VREQに間に合わないという問題の発生を抑制して、良好な画像形成の実現を可能にしている。
【0118】
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記第1・第2実施形態では、ビデオデータVDを生成する信号処理部203、403を設けている。そして、信号処理部203、403により生成されたビデオデータVDを画像メモリ205、405に記憶するように構成している。しかしながら、ビデオデータVDの生成のために信号処理部203、403を設けることは必須ではなく、例えば、CPU201、401等の他の機能ブロックにおいてビデオデータVDを生成しても良い。ただし、ビデオデータVDの生成を信号処理部203、403に担わせた場合、CPU401の負荷が軽減される点において、好適と言える。
【0119】
一方、信号処理部203、403を省略して、ビデオデータVDを、CPU201、401において生成する構成を採用する場合、CPU201、401の負荷が増大する。その結果、上述したような、DMA設定がページリクエスト信号VREQに間に合わないという状況が起こりやすくなる。よって、CPU201、401においてビデオデータVDを生成する構成においては、上記第1・第2実施形態のように、一のページリクエスト信号VREQに対応して実行されるDMA転送の間に、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを設定することが特に好適である。
【0120】
また、上記第1・第2実施形態では、割込コントローラ207、407により、一のリクエスト信号VREQに対応して実行されるDMA転送をモニターして、DMA転送の進捗に関する進捗情報をCPU201、401に与えている。そして、CPU201、401は、割込コントローラ207、407から与えられる進捗情報を参照して、DMA設定を実行している。しかしながら、DMA設定を実行中のDMA転送の進捗情報を参照して実行するとの構成は、必須ではない。要は、一のページリクエスト信号VREQに対応して実行されるDMA転送の間に、次のページリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを設定するように構成すれば良い。但し、進捗情報を参照してDMA設定を実行した場合、たとえ転送情報TIの設定に時間を要したとしても、DMA転送の間に次のリクエスト信号VREQに対応する転送情報TIを設定することが、より確実に行なうことが可能となり、好適である。
【0121】
さらに第1・第2実施形態は、割込コントローラ207、407を、一のリクエスト信号VREQに対応して実行されるDMA転送の進捗が所定値まで進むと、DMA設定割込信号を進捗情報としてCPU201、401に与えるように構成している。そして、CPU201、401は、DMA設定割込信号をトリガーにDMA設定を実行している。よって、CPU201、401は進捗情報としてDMA設定割込信号のみを受け取れば足り、CPU201、401に対する負荷を軽減することが可能となっており好適である。
【0122】
また、上記第1・第2実施形態では、DMA転送の進捗が10パーセントとなったことをトリガーに、DMA設定割込信号を進捗情報としてCPU201、401に与えている。しかしながら、DMA設定割込信号を進捗情報としてCPU201、401に与えるトリガーは、10パーセントに限られない。要は、DMA転送の実行中に、DMA設定割込信号をCPU201、401に与えるよう構成すれば良い。
【0123】
また、上記第1・第2実施形態では、1ページ単位でDMA転送を実行しているが、DMA転送を実行するビデオデータの単位は1ページに限られない。ただし、1ページ単位でDMA転送を実行する場合、例えば1ページ単位でビデオデータVDを圧縮してプリンタPRTに出力する等の処理が実行可能となるため、好適である。
【0124】
また、上記第1・第2実施形態のように、1ページ単位でDMA転送を行う構成においては、転送情報TIを、1ページ分のビデオデータのサイズ、及び、1ページ分のビデオデータのうちデータ転送動作において最初に転送されるデータが格納されている開始アドレスからなる情報であるように構成しても良い。つまり、このように構成した場合、DMAインターフェイス209,409は、転送情報TIとしては、ビデオデータVDのサイズおよび開始アドレスのみが設定可能であれば良い。その結果、DMAインターフェイス209,409の構成を簡素化することが可能となり、好適である。
【0125】
また、上記第1・第2実施形態では、ページリクエスト信号VREQのプリンタPRTからの出力を受けてDMA転送を始めるために、次のように構成している。つまり、ページリクエスト信号VREQを受けた割込コントローラ207、407において、VREQ割込信号を生成してCPU201、401に出力している。VREQ割込信号を受けたCPU201、401は、DMAインターフェイス209、409にデータ転送指示を出す。そして、DMAインターフェイス209、409がデータ転送指示を受け取ると、DMAコントローラ211、411がDMA転送を開始する。
【0126】
このように、上記第1・第2実施形態では、ページリクエスト信号VREQに関する信号が、割込コントローラ、CPUを通る経路を介してDMAインターフェイスに入力される。しかしながら、DMAコントローラ211、411にDMA転送を開始させるためには、ページリクエスト信号VREQに関する信号を、必ずしもこのような経路で伝達させる必要は無い。すなわち、例えば、ページリクエスト信号VREQを直接DMAインターフェイス209、409に入力するよう構成するとともに、ページリクエスト信号VREQがDMAインターフェイス209、409に入力されたことをもって、DMA転送を開始するように構成しても良い。要は、ページリクエスト信号VREQがプリンタPRTから出力されたことをもって、DMAコントローラ211、411がDMA転送を適切に開始できるように構成すれば良い。
【0127】
また、上記第1実施形態では、ロータリ型プリンタを制御するプリンタ制御装置をホストコンピュータHSTにより構成したが、プリンタ制御装置の構成態様はこれに限られず、次のように構成しても良い。図17は、ロータリ型プリンタを制御するプリンタ制御装置の別の構成例を示す図である。同図においては、プリンタ制御装置は、ホストコンピュータHSTと、該ホストコンピュータHSTに着脱可能であるプリンタ制御モジュールPCMとの組み合わせにより、構成されている。ここで、プリンタ制御モジュールPCMは、信号処理部203、画像メモリ205、割込コントローラ207、DMAインターフェイス209、およびDMAコントローラ211の各機能ブロックをハードウエアモジュールとして一体的に構成したものである。このように構成した場合、プリンタ制御モジュールPCMをホストコンピュータHSTに対し着脱するだけで、該モジュールPCMの修理・交換等の作業が容易となり好適である。なお、このとき、機能ブロックの全てを一体的に構成する必要はなく、それぞればらばらのハードウエアモジュールとして構成しても良い。
【0128】
また、上記第2実施形態では、タンデム型プリンタを制御するプリンタ制御装置をホストコンピュータHSTにより構成したが、プリンタ制御装置の構成態様はこれに限られず、次のように構成しても良い。図18は、タンデム型プリンタを制御するプリンタ制御装置の別の構成例を示す図である。同図においては、プリンタ制御装置は、ホストコンピュータHSTと、該ホストコンピュータHSTに着脱可能であるプリンタ制御モジュールPCMとの組み合わせにより、構成されている。ここで、プリンタ制御モジュールPCMは、信号処理部403、画像メモリ405、割込コントローラ407、DMAインターフェイス409、およびDMAコントローラ411の各機能ブロックをハードウエアモジュールとして一体的に構成したものである。このように構成した場合、プリンタ制御モジュールPCMをホストコンピュータHSTに対し着脱するだけで、該モジュールPCMの修理・交換等の作業が容易となり好適である。なお、このとき、機能ブロックの全てを一体的に構成する必要はなく、それぞればらばらのハードウエアモジュールとして構成しても良い。
【0129】
また、第2実施形態では、DMAインターフェイス409を一体的に構成しているが、例えば、各色Y,M,C,Kに対応して4個のDMAインターフェイスを設けるとともに、これら4個のDMAインターフェイスに対して対応する色の転送情報TIを設定するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明を適用可能である画像形成システムの一形態を示す図。
【図2】第1実施形態において用いられるプリンタの構成例を示す図。
【図3】図2のプリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図4】カラー画像を中間転写ベルト表面に形成する場合のフローチャート。
【図5】ロータリ型プリンタの制御を実行する電気的構成を示すブロック図。
【図6】図5の電気的構成が実行する動作のフローチャート。
【図7】図6のフローチャートに対応するタイミングチャート。
【図8】第2実施形態において用いられるプリンタの構成例を示す図。
【図9】図8のプリンタにおける画像形成ステーションの配置を示す図。
【図10】図8のプリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図11】ラインヘッドの構造を示す図。
【図12】メインコントローラとヘッドコントローラとの間の通信を示す図。
【図13】各色ごとの通信タイミングを示す図。
【図14】タンデム型プリンタの制御を実行する電気的構成を示すブロック図。
【図15】図14の電気的構成が実行する動作のフローチャート。
【図16】図15のフローチャートに対応するタイミングチャート。
【図17】ロータリ型プリンタを制御するプリンタ制御装置の別の構成例を示す図。
【図18】タンデム型プリンタを制御するプリンタ制御装置の別の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0131】
177…垂直同期センサ、 201…CPU(中央処理ユニット)、 203…信号処理部(データ生成手段)、 205…画像メモリ、 207…割込コントローラ(モニター手段)、 209…DMAインターフェイス(メモリアクセス手段)、 211…DMAコントローラ(メモリアクセス手段)、 213…I/Oモジュール、 32Y…イエロー用画像形成ステーション、 32M…マゼンタ用画像形成ステーション、 32C…シアン用画像形成ステーション、 32K…ブラック用画像形成ステーション、 401…CPU(中央処理ユニット)、 403…信号処理部(データ生成手段)、 405…画像メモリ、 407…割込コントローラ(モニター手段)、 409…DMAインターフェイス(メモリアクセス手段)、 411Y,411M,411C,411K…DMAコントローラ(メモリアクセス手段)、 413…I/Oモジュール、 HREQ…ラインリクエスト信号、 VREQ…ページリクエスト信号(データ要求信号)、 HST…ホストコンピュータ(ホスト)、PRT…プリンタ、 PCM…プリンタ制御モジュール、 TI−Y,TI−M,TI−C,TI−K…転送情報、 VD…ビデオデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオデータを記憶する画像メモリと、
前記ビデオデータに基づいて画像形成を行うプリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位の前記ビデオデータを前記画像メモリから前記プリンタに転送するデータ転送動作を実行するメモリアクセス手段と、
前記データ要求信号に対応して出力すべき前記所定単位の前記ビデオデータが格納されている前記画像メモリにおける領域を示す情報である、転送情報を前記メモリアクセス手段に設定するとともに、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットと
を備え、
前記メモリアクセス手段は、前記プリンタから前記データ要求信号が出力されると、前記中央処理ユニットにより設定された前記転送情報に対応する前記ビデオデータについて前記データ転送動作を実行し、
前記中央処理ユニットは、前記プリンタから一の前記データ要求信号が出力されたことに伴う前記データ転送動作の実行中に、次の前記データ要求信号に対応する前記転送情報を前記メモリアクセス手段に設定する転送情報設定動作を実行することを特徴とするプリンタ制御装置。
【請求項2】
前記中央処理ユニットは、前記ビデオデータを生成するとともに、生成した前記ビデオデータを前記画像メモリに記憶する請求項1記載のプリンタ制御装置。
【請求項3】
前記メモリアクセス手段および前記画像メモリは、前記ホストに対して着脱可能なハードウエアモジュールとして構成されている請求項1または2記載のプリンタ制御装置。
【請求項4】
前記ビデオデータを生成するデータ生成手段をさらに備え、前記データ生成手段により生成された前記ビデオデータを前記画像メモリに記憶する請求項1記載のプリンタ制御装置。
【請求項5】
前記メモリアクセス手段、前記画像メモリ、および、前記データ生成手段は、前記ホストに対して着脱可能なハードウエアモジュールとして構成されている請求項4記載のプリンタ制御装置。
【請求項6】
一の前記データ要求信号に対応して実行される前記データ転送動作をモニターして、前記データ転送動作の進捗に関する進捗情報を前記中央処理ユニットに与えるモニター手段をさらに備え、
前記中央処理ユニットは、前記モニター手段から与えられる前記進捗情報を参照して、前記転送情報設定動作を実行する請求項1乃至5のいずれかに記載のプリンタ制御装置。
【請求項7】
前記モニター手段は、一の前記データ要求信号に対応して実行される前記データ転送動作の進捗が所定値まで進むと、情報設定割込信号を前記進捗情報として前記中央処理ユニットに与え、
前記中央処理ユニットは、前記情報設定割込信号をトリガーに前記転送情報設定動作を実行する請求項6記載のプリンタ制御装置。
【請求項8】
前記所定単位は、1ページ分である請求項1乃至7のいずれかに記載のプリンタ制御装置。
【請求項9】
前記転送情報は、1ページ分の前記ビデオデータのサイズ、及び、1ページ分の前記ビデオデータのうち前記データ転送動作において最初に転送されるデータが格納されている開始アドレスからなる情報である請求項8記載のプリンタ制御装置。
【請求項10】
ビデオデータを記憶する画像メモリと、
前記ビデオデータに基づいて画像形成を行うプリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位の前記ビデオデータを前記画像メモリから前記プリンタに転送するデータ転送動作を、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットにより設定された転送情報に基づいて、実行するメモリアクセス手段と
を備え、
前記転送情報は、前記データ要求信号に対応して出力すべき前記所定単位の前記ビデオデータが格納されている前記画像メモリにおける領域を示す情報であり、
前記メモリアクセス手段は、前記プリンタから一の前記データ要求信号が出力されたことに伴う前記データ転送動作の実行中に、次の前記データ要求信号に対応する前記転送情報が設定されることを特徴とするプリンタ制御モジュール。
【請求項11】
ビデオデータを生成して画像メモリに記憶するデータ生成工程と、
前記ビデオデータに基づいて画像形成を行うプリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位の前記ビデオデータを前記画像メモリから前記プリンタに転送するデータ転送処理を、メモリアクセス手段を用いて実行するデータ転送工程と、
前記データ要求信号に対応して出力すべき前記所定単位の前記ビデオデータが格納されている前記画像メモリにおける領域を示す情報である転送情報を、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットを用いて、前記メモリアクセス手段に設定する転送情報設定工程と
を備え、
前記データ転送工程は、前記プリンタから前記データ要求信号が出力されると、前記メモリアクセス手段に設定された前記転送情報に対応する前記ビデオデータについて前記データ転送処理を実行し、
前記転送情報設定工程は、前記プリンタから一の前記データ要求信号が出力されたことに伴う前記データ転送処理の実行中に、次の前記データ要求信号に対応する前記転送情報を前記メモリアクセス手段に設定する転送情報設定処理を実行することを特徴とするプリンタ制御方法。
【請求項12】
ビデオデータに基づいて画像を形成するプリンタと、
前記プリンタを制御するプリンタ制御装置と
を備え、
前記プリンタ制御装置は、
ビデオデータを記憶する画像メモリと、
前記プリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位の前記ビデオデータを前記画像メモリから前記プリンタに転送するデータ転送動作を実行するメモリアクセス手段と、
前記データ要求信号に対応して出力すべき前記所定単位の前記ビデオデータが格納されている前記画像メモリにおける領域を示す情報である、転送情報を前記メモリアクセス手段に設定するとともに、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットと
を有し、
前記メモリアクセス手段は、前記プリンタから前記データ要求信号が出力されると、前記中央処理ユニットにより設定された前記転送情報に対応する前記ビデオデータについて前記データ転送動作を実行し、
前記中央処理ユニットは、前記プリンタから一の前記データ要求信号が出力されたことに伴う前記データ転送動作の実行中に、次の前記データ要求信号に対応する前記転送情報を前記メモリアクセス手段に設定する転送情報設定動作を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項13】
ビデオデータを生成して画像メモリに記憶するデータ生成工程と、
プリンタからデータ要求信号が出力されると、所定単位の前記ビデオデータを前記画像メモリから前記プリンタに転送するデータ転送処理を、メモリアクセス手段を用いて実行するデータ転送工程と、
前記データ要求信号に対応して出力すべき前記所定単位の前記ビデオデータが格納されている前記画像メモリにおける領域を示す情報である転送情報を、ホストにおける中央演算処理を担う中央処理ユニットを用いて、前記メモリアクセス手段に設定する転送情報設定工程と、
前記データ転送工程により前記プリンタに転送された前記ビデオデータに基づいて、前記プリンタを用いて画像形成を行う画像形成工程と
を備え、
前記データ転送工程は、前記プリンタから前記データ要求信号が出力されると、前記メモリアクセス手段に設定された前記転送情報に対応する前記ビデオデータについて前記データ転送処理を実行し、
前記転送情報設定工程は、前記プリンタから一の前記データ要求信号が出力されたことに伴う前記データ転送処理の実行中に、次の前記データ要求信号に対応する前記転送情報を前記メモリアクセス手段に設定する転送情報設定処理を実行することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−158953(P2008−158953A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349743(P2006−349743)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】