説明

プリント基板の製造方法

【課題】特定の端子電極における損傷やスタブの発生を抑えつつ、この特定の端子電極に対して好適に電解メッキ処理を実施できるプリント基板の製造方法を提供する。
【解決手段】積層基板12の縁12aへ向けて延在する金属製の端子電極16,18と、端子電極16から基板12の縁12aに達する金属製の電解メッキ用配線104と、端子電極16,18それぞれから基板12の内側へ延びる金属製の配線パターン26,28とを基板12上に形成するパターン形成工程と、配線パターン26,28を導電性樹脂106により短絡する短絡工程と、電解メッキ用配線104を介して端子電極16に電流を流し、更に導電性樹脂106を介して端子電極18に電流を流しつつ、端子電極16,18に対して電解メッキ処理を施すメッキ工程と、導電性樹脂106を除去する除去工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント基板には、別のプリント基板等に設けられたソケットに装着されるカードエッジコネクタを有するものがある。カードエッジコネクタには、プリント基板の縁に向けて延びる複数の端子電極が設けられている。これらの端子電極は、カードエッジコネクタをソケットに差し込んだとき、ソケット内の端子電極(ソケット電極)と電気的に接続される。
【0003】
カードエッジコネクタの端子電極には、ソケット電極との間の電気抵抗の低減や防錆などの目的でNi/Auなどの電解メッキ処理が施される。そのため、端子電極には電解メッキ時に電流を供給するための配線が必要となるが、この電解メッキ用配線は電解メッキ処理後に除去されることが多い。一般的には、電解メッキ用配線を除く基板表面をマスキングし、電解メッキ用配線のみをエッチングにより除去する。また、特許文献1には、ドリルを用いて基板に貫通孔を形成し、この貫通孔によって電解メッキ用配線を分断することにより該配線を無効化する技術が開示されている。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0118331号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば高速通信に用いられるプリント基板などの場合、カードエッジコネクタの端子電極には高周波信号が通るものが含まれる。このような場合、電解メッキ用配線は高周波信号配線にとってスタブとなるため、完全に除去されることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載された方法では、機械加工精度の限界から電解メッキ用配線を完全に除去することが難しい。また、電解メッキ用配線のみをエッチング除去する方法では、マスキングが不十分な場合、高周波信号用の端子電極を傷つけてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、特定の端子電極における損傷やスタブの発生を抑えつつ、この特定の端子電極に対して好適に電解メッキ処理を実施できるプリント基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明によるプリント基板の製造方法は、基板上に、第1及び第2の端子電極と、第1の端子電極から基板の縁に達する電解メッキ用配線と、第1及び第2の端子電極それぞれから延び出す第1及び第2の配線パターンとを形成するパターン形成工程と、第1及び第2の配線パターンを導電性樹脂により短絡する短絡工程と、第1及び第2の端子電極に対して電解メッキ処理を施すメッキ工程と、導電性樹脂を除去する除去工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
このプリント基板の製造方法においては、第2の端子電極に対する電解メッキ用の給電手段として、第1の端子電極と接続する導電性樹脂を用いている。導電性樹脂は有機溶剤などに溶解するが、第1及び第2の端子電極や第1及び第2の配線パターンは有機溶剤では全く除去されない。このように、導電性樹脂は、第1及び第2の端子電極や第1及び第2の配線パターンに対して選択的に除去可能なので、これらの端子電極や配線パターンを傷つけることなく、また、第2の端子電極にスタブを発生させることなく完全に除去できる。すなわち、上記したプリント基板の製造方法によれば、特定の端子電極(第2の端子電極)における損傷やスタブの発生を抑えつつ、この特定の端子電極に対して電解メッキ処理を実施できる。
【0008】
また、プリント基板の製造方法は、パターン形成工程の後に、第1及び第2の配線パターンにおける導電性樹脂が設けられる部位が露出するように半田レジストを形成することを特徴としてもよい。これにより、第1及び第2の配線パターン上への導電性樹脂の実装作業が容易となる。また、この場合、第2の配線パターンにおける上記部位は、電子部品が実装されるパッド部であることが好ましい。
【0009】
また、プリント基板の製造方法は、第1の配線パターンが、導電性樹脂が設けられる第2の配線パターンの部位へ向けて分岐している部分を有することを特徴としてもよい。これにより、第1及び第2の配線パターン同士の間隔が狭まり、導電性樹脂による短絡が容易にできる。
【0010】
また、プリント基板の製造方法は、導電性樹脂がアクリル樹脂を含み、除去工程の際に有機溶剤によって導電性樹脂を除去することを特徴としてもよい。これにより、除去工程において導電性樹脂を好適に除去できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるプリント基板の製造方法によれば、特定の端子電極における損傷やスタブの発生を抑えつつ、この特定の端子電極に対して好適に電解メッキ処理を実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明によるプリント基板の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造されるプリント基板の一形態を示す平面図である。また、図2は、図1に示すプリント基板のA部分を拡大して示す斜視図である。図1及び図2に示すプリント基板10は、耐熱性ガラス基材エポキシ樹脂積層基板(いわゆるFR−4、以下では単に積層基板という)12であって、積層基板12の縁12aに沿って設けられたカードエッジコネクタ部14を有している。
【0014】
カードエッジコネクタ部14は、互いに離間した複数の端子電極16,18,及び20を有している。これらの端子電極16,18,及び20は、積層基板12の縁12aに沿って並んで配置されており、それぞれ縁12aに向けて(縁12aと交差する方向を長手方向として)延在している。カードエッジコネクタ部14は、図示しない別のプリント基板上に設けられたソケットに差し込まれて使用される。ソケットには、端子電極16,18,及び20と一対一に対応する端子電極、すなわちソケット電極が設けられている。カードエッジコネクタ部14がソケットに差し込まれると、端子電極16,18,及び20の各々がソケット電極と接触し、電気的に導通状態となる。端子電極16,18,及び20は金属製であり、例えば銅などの金属の上にニッケルメッキ及び金メッキが施されている。
【0015】
なお、端子電極20は、積層基板12の中央部に搭載された回路に配線されているが、図1、2では、図を簡潔化しており、この配線を表示していない。また、他の部分についても、本発明の要旨を記述するために必要な部分以外の配線は省略されている場合がある。
【0016】
複数の端子電極16,18,及び20のうち、端子電極16は接地(基準電位)用電極であり、本実施形態における第1の電極である。端子電極16は、カードエッジコネクタ部14がソケットに差し込まれる際にソケット電極と最も早く接触するように、他の端子電極18,20と比べて縁12aとの間隔が狭くなっている。また、端子電極18は高周波信号用の電極であり、本実施形態における第2の電極である。端子電極18は、二本を対として設けられており、高周波信号へのノイズを低減するため二本の接地用端子電極16の間に配置されている。端子電極20は、プリント基板10への電源供給用、制御信号用、モニタ信号用などの電極である。なお、図2に示すように、端子電極16及び20の各々に接続されるメッキ用配線22は、スルーホール24を介して積層基板12の内層に形成されている。
【0017】
また、プリント基板10は、端子電極16と電気的に接続され積層基板12の内側へ延びる配線パターン(第1の配線パターン)26と、端子電極18と電気的に接続され積層基板12の内側へ延びる配線パターン(第2の配線パターン)28とを更に有している。配線パターン26,28は金属製であり、端子電極16,18,及び20のメッキ部分を除く金属材料と同一の材料(例えば銅箔、もしくは銅箔にメッキを施したもの)によって形成されている。本実施形態では二つの端子電極16の間に二つの端子電極18が配置されているので、配線パターン26と配線パターン28とは互いに隣り合って配置されている。
【0018】
図2に示すように、配線パターン26は分岐部分26aを有している。分岐部分26aは、配線パターン28の或る部位28aへ向けて分岐している。部位28aは、後述するプリント基板10の製造過程において導電性樹脂が設けられる部位であり、導電性樹脂を形成し易いように半田レジストに覆われず露出している。また、分岐部分26aにも同様に製造過程において導電性樹脂が設けられ、分岐部分26aは半田レジストに覆われず露出している。なお、配線パターン28における端子電極18とは反対側の一端は、スルーホール28bによって積層基板12の層間配線に接続されている。また、二本の配線パターン26は、端子電極16とは反対側の一端において互いに結合しており、二本の配線パターン28を囲んで高周波信号へのノイズを防いでいる。
【0019】
以下、上記構成を備えるプリント基板10の製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係るプリント基板10の製造方法を示すフローチャートである。図3に示すように、本製造方法は、パターン形成工程S1、短絡工程S2、メッキ工程S3、および除去工程S4を備えている。
【0020】
<パターン形成工程>
図4はパターン形成工程を示す平面図であり、図5は図4の一部を拡大して示す斜視図である。まず、図4に示すように、基板12となる領域を複数含む基板生産物100を製造し、各基板12上に、端子電極16,18,及び20と、配線パターン26及び28とを形成する。このとき、配線パターン26の分岐部分26a(図5参照)も同時に形成する。また、これらの端子電極や配線パターンと同一の金属材料を用いて、積層基板12となる領域の外側に電解メッキ用の給電パターン102を形成する。このとき、給電パターン102を、積層基板12のカードエッジコネクタ部となる縁12aに沿って形成する。
【0021】
また、同時に電解メッキ用配線104を形成する。電解メッキ用配線104は、端子電極16,20から積層基板12の縁12aに達し、給電パターン102に接続される。なお、電解メッキ用の配線104は、図5に示すように、基板12の内層を通って縁12aと交差する方向に延設され、端子電極16及び20と給電パターン102とを接続している。電解メッキ用配線104は、端子電極16,18,及び20や配線パターン26及び28と同じ金属材料(銅箔)によって形成され、その幅が端子電極16,20より細く形成される。なお、端子電極18にはこのような電解メッキ用配線を形成しない。
【0022】
そして、上記したパターン形成工程の後に、基板12上に半田レジストを形成する。このとき、配線パターン26,28において導電性樹脂が設けられる部位(配線パターン26の分岐部分26aおよび配線パターン28の部位28a)と、端子電極16,18,及び20とを半田レジストから露出させる。半田レジスト形成後、基板12の表面にシルク印刷を施す。
【0023】
<短絡工程>
図6に示すように、配線パターン26と配線パターン28とを導電性樹脂(導電性ペースト)106により短絡する。具体的には、導電性樹脂106を、配線パターン26の分岐部分26aと配線パターン28の部位28aとを跨ぐように配置する。導電性樹脂106としては、例えば銀フィラーをアクリル樹脂に混合したもの(藤倉化成株式会社製のドータイト(登録商標)など)が用いられる。また、基材としては、エポキシ樹脂やビニル樹脂でもよい。また、導電性樹脂106を実装する方法としては、ペースト状の導電性樹脂106をディスペンサにより供給する方法や、メタルマスクを用いる方法、或いはスクリーン印刷による方法など、様々な方法がある。導電性樹脂106を供給後、導電性樹脂106を常温で放置するか或いは加熱することにより固化する。
【0024】
<メッキ工程>
端子電極16,18,及び20に対して電解メッキ処理を施す。具体的には、端子電極部以外をマスキングし、端子電極16,18,及び20の表面を清浄化したのち、図4に示した基板生産物100を電解メッキ槽に浸し、給電パターン102に電流を供給する。この電流は、電解メッキ用配線104を介して端子電極16,20に流れ、更に導電性樹脂106を介して端子電極18に流れる。この状態で、端子電極16,18,及び20に先ずニッケルメッキ処理を実施し、次いで金メッキ処理を実施する。このとき、ニッケルメッキを例えば3μmの厚さに形成し、金メッキを例えば1.3μmの厚さに形成するとよい。
【0025】
<除去工程>
電解メッキ処理が完了したのち、導電性樹脂106を除去する。すなわち、導電性樹脂106の基材である樹脂(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂など)を溶解する有機溶剤、例えばアセトンなどを用いて導電性樹脂106を除去する。このとき、端子電極16,18,及び20は金属製なのでこのような有機溶剤には殆ど反応せず、導電性樹脂106のみ選択的に除去される。
【0026】
最後に、基板12を基板生産物100から取り出す。こうして、図1及び図2に示したプリント基板10が得られる。
【0027】
本実施形態のプリント基板の製造方法においては、端子電極18に対する電解メッキ用の給電手段として、導電性樹脂106を用いている。導電性樹脂106は有機溶剤などに溶解するが、端子電極16,18,及び20並びに配線パターン26,28は金属製であり、有機溶剤では全く除去されない。このように、導電性樹脂106は、端子電極16,18,及び20並びに配線パターン26,28に対して選択的に除去可能なので、これらの端子電極や配線パターンを傷つけることなく、また、スタブを発生させることなく完全に除去できる。すなわち、本実施形態のプリント基板の製造方法によれば、特定の端子電極18における損傷やスタブの発生を抑えつつ、この端子電極18に対して好適に電解メッキ処理を実施できる。
【0028】
また、本実施形態のように、半田レジストを形成する際には、配線パターン26,28において導電性樹脂106が設けられる部位(分岐部分26aおよび部位28a)が露出するように半田レジストを形成することが好ましい。これにより、配線パターン26,28上への導電性樹脂106の実装作業が容易となる。
【0029】
また、本実施形態のように、配線パターン26は、配線パターン28の部位28aへ向けて分岐している分岐部分26aを有することが好ましい。これにより、配線パターン26,28同士の間隔が狭まり、導電性樹脂106による短絡を容易にできる。
【0030】
図7は、上記実施形態の変形例を説明するための図である。図7は、短絡工程において導電性樹脂106が基板12に実装された状態を示している。本変形例では、パターン形成工程において、図5に示した配線パターン28に代えて配線パターン38を基板12に形成する。配線パターン38は、端子電極18と電気的に接続され基板12の内側へ延びる第2の配線パターンである。配線パターン38は、基板12の縁12aとは反対側の一端にパッド部38aを有している。パッド部38aは、電子部品が実装される部位であり、例えばカップリングコンデンサ等が実装される。従って、パッド部38aは半田レジストに覆われず露出している。
【0031】
本変形例では、このパッド部38aを、導電性樹脂106が設けられる部位として使用する。すなわち、短絡工程の際には、図7に示すように、導電性樹脂106を、配線パターン26の分岐部分26aと配線パターン38のパッド部38aとを跨ぐように配置する。
【0032】
図5に示した形態では、高周波信号用の配線パターン28の一部(部位28a)を半田レジストから露出させて導電性樹脂106を設けているが、この部位28aは半田レジストにより保護されないので、特性インピーダンスの局所的変動や耐環境性(信頼性)への懸念がある。これに対し、電子部品が実装されるパッド部38aに導電性樹脂106を設けることにより、高周波信号用の配線パターンの露出部分を増加させることなく、メッキ工程を好適に実施できる。
【0033】
続いて、上述した製造方法により製造されるプリント基板10の適用例について説明する。図8〜図10は、プリント基板10を備える光モジュール1の構成を示す図である。図8は、光モジュール1の外観を示す斜視図である。図9は、図8に示した光モジュール1の長手方向に沿った側面断面を示す断面図である。図10は、光モジュール1の平面断面図である。なお、図8〜図10には、説明のためXYZ直交座標系が示されている。
【0034】
光モジュール1は、光通信装置の一部をなし、光通信装置本体に対して挿抜可能な光トランシーバである。図8〜図10を参照すると、光モジュール1は、或る方向(本実施形態ではX軸方向)を長手方向とする略直方体状を呈しており、筐体3、発光ユニット4、受光ユニット5、及びプリント基板10を備えている。なお、図9には、光通信装置本体側のソケット202も図示されている。
【0035】
発光ユニット4は、電気的な送信信号を光信号に変換して光通信装置の外部へ送信する。発光ユニット4は、プリント基板10の前縁部に配置される。発光ユニット4は、レーザダイオード、光ファイバが挿通されるフェルール、及びフェルールを保持するスリーブなどを含んでいる。発光ユニット4のベースからは複数のリードピンが延びており、フレキシブルプリント基板(FPC)4aを介してプリント基板10に接続されている。受光ユニット5は、光通信装置へ送られてきた光信号を電気的な受信信号に変換する。受光ユニット5は、プリント基板10の前縁部に発光ユニット4と並んで配置される。受光ユニット5は、フォトダイオード、プリアンプ、光ファイバが挿通されるフェルール、及びフェルールを保持するスリーブなどを含んでいる。受光ユニット5からは複数のリードピンが延びており、フレキシブルプリント基板(FPC)5aを介してプリント基板10に接続されている。
【0036】
プリント基板10の表面10a及び裏面10bの双方には、発光ユニット4のリードピン4aと電気的に接続されて発光ユニット4の駆動制御を行うドライバICや、受光ユニット5のリードピン5aと電気的に接続されて受光ユニット5から受け取った信号の処理を行うICなどを含む複数の電子部品6が搭載されている。プリント基板10の後縁部はカードエッジコネクタ部14となっており、図10に示すように端子電極16,18,及び20が設けられている。
【0037】
プリント基板10のカードエッジコネクタ部14は、図9に示すように、光通信装置本体の実装基板200に設けられたソケット202に対して挿入及び抜出される。ソケット202は、カードエッジコネクタ部14と嵌合する凹部202aを有し、この凹部202aには、カードエッジコネクタ部14の端子電極16,18,20と電気的に接触する複数のソケット端子202bが設けられている。従って、カードエッジコネクタ部14がソケット202に挿入されることにより、端子電極16,18,及び20と複数のソケット端子202bとの電気的な接続が図られる。
【0038】
この光モジュール1は、前述した実施形態によるプリント基板10を備えているので、高周波信号用の端子電極18における損傷やスタブの発生が抑えられている。従って、高周波の送信信号を光通信装置本体の実装基板200から低ノイズで受け取ることができ、また、高周波の受信信号を実装基板200へ低ノイズで送ることができる。
【0039】
本発明によるプリント基板の製造方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では高周波信号用の端子電極に対して導電性樹脂により給電しているが、他の用途の端子電極に対して導電性樹脂による給電を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、プリント基板の一形態を示す平面図である。
【図2】図2は、図1に示すプリント基板の部分拡大図である。
【図3】図3は、プリント基板の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、パターン形成工程を示す平面図である。
【図5】図5は、図4の部分拡大図である。
【図6】図6は、短絡工程を示す図である。
【図7】図7は、変形例を説明するための図である。
【図8】図8は、プリント基板を備える光モジュールの外観を示す斜視図である。
【図9】図9は、図8に示した光モジュールの長手方向に沿った側面断面図である。
【図10】図10は、図8に示した光モジュールの平面断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…光モジュール、3…筐体、4…発光ユニット、5…受光ユニット、6…電子部品、10…プリント基板、12…基板、14…カードエッジコネクタ部、16,18,20…端子電極、26,28,38…配線パターン、26a…分岐部分、38a…パッド部、100…基板生産物、102…給電パターン、104…電解メッキ用配線、106…導電性樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1及び第2の端子電極と、前記第1の端子電極から前記基板の縁に達する電解メッキ用配線と、前記第1及び第2の端子電極それぞれから延び出す第1及び第2の配線パターンとを形成するパターン形成工程と、
前記第1及び第2の配線パターンを導電性樹脂により短絡する短絡工程と、
前記第1及び第2の端子電極に対して電解メッキ処理を施すメッキ工程と、
前記導電性樹脂を除去する除去工程と
を備えることを特徴とする、プリント基板の製造方法。
【請求項2】
前記パターン形成工程の後に、前記第1及び第2の配線パターンにおける前記導電性樹脂が設けられる部位が露出するように半田レジストを形成することを特徴とする、請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項3】
前記第2の配線パターンにおける前記部位が、電子部品が実装されるパッド部であることを特徴とする、請求項2に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1の配線パターンが、前記導電性樹脂が設けられる前記第2の配線パターンの部位へ向けて分岐している部分を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項5】
前記導電性樹脂がアクリル樹脂を含み、
前記除去工程の際に有機溶剤によって前記導電性樹脂を除去することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリント基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−192993(P2008−192993A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28450(P2007−28450)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】