プリント配線板およびそれを用いた電子部品の実装構造
【課題】実装不良の軽減が図られるプリント配線板と、そのプリント配線板を用いた電子部品の実装構造とを提供する。
【解決手段】プリント配線板2では、QFNの外周端子13のそれぞれに対向する外周パッド3と、底面電極12に対向するパッド4とが配置されている。プリント配線板2の表面には、ソルダーレジスト5が形成され、ソルダーレジスト5には、外周パッド3のそれぞれを露出する開口部5aと、パッド4を4つの領域に区画して露出する4つの開口部5bとが形成されている。
【解決手段】プリント配線板2では、QFNの外周端子13のそれぞれに対向する外周パッド3と、底面電極12に対向するパッド4とが配置されている。プリント配線板2の表面には、ソルダーレジスト5が形成され、ソルダーレジスト5には、外周パッド3のそれぞれを露出する開口部5aと、パッド4を4つの領域に区画して露出する4つの開口部5bとが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント配線板およびそれを用いた電子部品の実装構造に関し、特に、表面実装型の電子部品を実装するためのプリント配線板と、それを用いた電子部品の実装構造とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面実装型の電子部品をプリント配線板へ実装する手法として、リフローによるはんだ付けがある。この手法では、まず、プリント配線板に形成された所定のパッドにクリームはんだが印刷される。次に、その所定のパッドとの間にクレームはんだを介在させるように、表面実装型の電子部品が装着される。その後、リフロー炉内において所定の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させることによって、電子部品がプリント配線板にはんだ付けされる。
【0003】
この表面実装型の電子部品には、QFN(Quad Flat Non-lead package)あるいはSON(Small Outline Non-lead package)と称される電子部品がある。このQFNやSONでは、パッケージの外周に配置された外周端子以外に、パッケージの底面には放熱等のために電極(底面電極)が形成されているものがある。QFNやSONが実装されるプリント配線板には、パッケージの外周端子に対応する外周パッドの他に、そのような底面電極に対応するパッドが形成される。
【0004】
QFNやSONをプリント配線板へ実装する際には、まず、パッケージの外周端子に対応する外周パッドと、底面電極に対応するパッドとにはんだクリームが印刷される。次に、QFNあるいはSONがプリント配線板(パッド)に対して位置合わせされて、パッケージの外周端子が対応する外周パッドにはんだ付けされるとともに、パッケージの底面電極が対応するパッドにはんだ付けされることになる。なお、リフローによるはんだ付けを開示した文献として、特許文献1、特許文献2および特許文献3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−147723号公報
【特許文献2】特開2010−283039号公報
【特許文献3】特開2009−105212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の手法では次のような問題点があった。リフローによるはんだ付けでは、加熱により溶融したクリームはんだが凝集する際には、溶融したはんだは、その表面張力によって丸くなろうとする。
【0007】
このとき、底面電極に対応するパッドに供給されるクリームはんだの量が多すぎると、QFN等のパッケージが、丸くなったはんだの頂点に乗り上げることになり、パッケージが浮いてしまうことがある。パッケージが浮いてしまうと、パッケージの外周に配置された外周端子とその外周端子に対応する外周パッドとが接触せず、オープン不良が発生することになる。
【0008】
また、丸くなったはんだの頂点の位置が、必ずしもQFN等の重心に平面的に重なるとは限らない。このため、溶融したはんだの頂点の位置が、平面的にQFN等の重心からずれてしまうと、QFN等のパッケージが傾いてしまい、パッケージが浮いている側に配置されている外周端子とその外周端子に対応する外周パッドとがオープン不良になってしまう。
【0009】
反対に、底面電極に対応するパッドに供給されるクリームはんだの量が少ないと、底面電極と対応するパッドとの接合面積が小さくなってしまう。このため、本来の目的とされる放熱効果を十分に得ることができず、電子部品として所望の性能が得られなくなることが想定される。従来、クリームはんだの供給量は、製造経験に基づいて、印刷用のメタルマスクの開口寸法を変える等して調節されていた。
【0010】
本発明は、上述した開発の一環でなされたものであり、その一つの目的は、実装不良の軽減が図られるプリント配線板を提供することであり、他の目的は、そのようなプリント配線板を用いた電子部品の実装構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るプリント配線板は、パッケージの底面に底面電極を有する電子部品の実装に用いられるプリント配線板であって、主表面を有する基板本体と、パッドと、絶縁性の被覆層とを備えている。パッドは、基板本体の主表面に形成され、底面電極が接合される。絶縁性の被覆層は、基板本体の表面を覆うように形成されている。パッドは、パッドの表面の一部が被覆層によって覆われる第1態様、および、分割された複数のパッドとして配置される第2態様の少なくともいずれかの態様によって、複数の領域に区画されている。
【0012】
本発明に係る電子部品の実装構造は、請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板に電子部品が実装された、電子部品の実装構造であって、プリント配線板の電極パッドに、電子部品のパッケージの底に形成された底面電極がはんだ付けによって接合されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るプリント配線板によれば、電子部品の実装不良を抑制することができる。
本発明に係る電子部品の実装構造によれば、電子部品をプリント配線板に確実に接合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプリント配線板に実装される電子部品の一例として、QFNの外観を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態において、図1に示すQFNの側面図である。
【図3】同実施の形態において、図1に示すQFNの底面図である。
【図4】同実施の形態において、プリント配線板を示す部分平面図である。
【図5】同実施の形態において、プリント配線板へのQFNの実装手順の一工程を示す部分平面図である。
【図6】同実施の形態において、図5に示す断面線VI−VIにおける部分断面図である。
【図7】同実施の形態において、図6に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図8】同実施の形態において、図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図9】同実施の形態において、図8に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、QFNがプリント配線板に実装された状態を示す断面図である。
【図10】比較例に係るプリント配線板を示す部分平面図である。
【図11】比較例に係るプリント配線への電子部品の実装手順の一工程を示す断面図である。
【図12】図11に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図13】図12に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図14】同実施の形態において、作用効果を説明するための第1の状態を示す部分平面図である。
【図15】同実施の形態において、図14に示す断面線XV−XVにおける部分断面図である。
【図16】同実施の形態において、作用効果を説明するための第2の状態を示す部分平面図である。
【図17】同実施の形態において、図16に示す断面線XVII−XVIIにおける部分断面図である。
【図18】同実施の形態において、作用効果を説明するための第3の状態を示す部分平面図である。
【図19】同実施の形態において、図18に示す断面線XIX−XIXにおける部分断面図である。
【図20】同実施の形態において、溶融したはんだの頂点の位置と、QFNの重心の位置との関係を示す平面図である。
【図21】同実施の形態において、印刷したクリームはんだの厚さと溶融した後のはんだの高さとの関係を示す第1の図である。
【図22】同実施の形態において、印刷したクリームはんだの厚さと溶融した後のはんだの高さとの関係を示す第2の図である。
【図23】本発明の実施の形態2に係るプリント配線板を示す平面図である。
【図24】同実施の形態において、プリント配線板へのQFNの実装手順の一工程を示す部分平面図である。
【図25】同実施の形態において、図24に示す断面線XXV−XXVにおける部分断面図である。
【図26】同実施の形態において、図25に示す工程の後に行われる工程を示す部分断面図である。
【図27】同実施の形態において、図26に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、QFNがプリント配線板に実装された状態を示す断面図である。
【図28】本発明の実施の形態3に係るプリント配線板を示す平面図である。
【図29】同実施の形態において、プリント配線板へのQFNの実装手順の一工程を示す部分平面図である。
【図30】同実施の形態において、図29に示す断面線XXX−XXXにおける部分断面図である。
【図31】同実施の形態において、図305に示す工程の後に行われる工程を示す部分断面図である。
【図32】同実施の形態において、図31に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、QFNがプリント配線板に実装された状態を示す断面図である。
【図33】各実施の形態において、パッドの区画の態様を説明するための平面と断面を併せて示す図である。
【図34】適切ではないパッドの区画の態様を説明するための平面と断面を併せて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1
まず、はじめに、プリント配線板に実装される電子部品の一例として、QFNの外観について説明する。図1、図2および図3に示すように、電子部品1の一例としてのQFNでは、パッケージ11の外周に沿って複数の外周端子13が配置されている。その外周端子13のそれぞれは、パッケージ11に封止された半導体チップ(図示せず)に電気的に接続されている。また、パッケージ11の底面には、放熱等を目的とした底面電極12が配置されている。
【0016】
次に、プリント配線板について説明する。図4に示すように、プリント配線板2におけるQFNが実装される領域(パッケージの外形11a参照)では、QFNのパッケージに形成された複数の外周端子13のそれぞれに対向するように外周パッド3が配置されている。また、パッケージに形成された底面電極12に対向するように、連続する一つの導電体からなるパッド4が配置されている。
【0017】
さらに、プリント配線板2(基板本体2a)の表面にはソルダーレジスト5が形成されている。そのソルダーレジスト5には、複数の外周パッド3のそれぞれを露出する開口部5aと、パッド4を4つの領域(パッド44)に区画して露出する4つの開口部5bとが形成されている。特に、開口部5bのそれぞれは、区画されるパッド44の二辺の端が露出するように、その二辺の端を越えて、プリント配線板2の基板本体2aの部分を露出するように形成されている。
【0018】
次に、QFNのプリント配線板への実装手順について説明する。まず、クリームはんだとして、たとえば、鉛フリーはんだ(組成:Sn−3Ag−0.5Cu)を用意する。また、パッドPPおよびパッド4(図4参照)に基づいて、所定の開口部が形成されたメタルマスクとスキージを用意する。
【0019】
次に、そのメタルマスクとスキージを用い、図5および図6に示すように、プリント配線板2の表面に露出するパッド44の表面にクリームはんだ21を印刷する。このとき、クリームはんだ21は、パッド44の外周に沿った領域が露出するように、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷される。なお、このとき、パッドPP(図4参照)の表面にもクリームはんだ(図示せず)が印刷される。
【0020】
次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板2に対してQFNの位置合わせを行って、QFNをプリント配線板2(クリームはんだ21)の上に載置する。次に、QFNが載置されたプリント配線板2をリフロー炉(図示せず)内に入れる。次に、リフロー炉内において、たとえば、200数十℃程度の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させる。
【0021】
ここで、クリームはんだ21は、露出したパッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されている。このため、図7に示すように、クリームはんだが溶融し凝集して球状になろうして盛り上がり(溶融したはんだ22)、QFNのパッケージ11を持ち上げようとする。さらに、図8に示すように、溶融したはんだ22は、パッド4の全面に濡れ広がることで、QFNのパッケージ11はプリント配線板2の側に引き込まれることになる。
【0022】
これにより、図9に示すように、QFNの底面電極12がパッド4にはんだ24を介して接合されるとともに、QFNの外周端子13のそれぞれが、対応する外周パッド3にはんだ24を介して接合される。こうして、QFNがプリント配線板2に実装される。
【0023】
上述した電子部品の実装方法では、QFN等のプリント配線板への実装不良を低減することができる。このことについて、比較例を交えて説明する。
【0024】
図10に示すように、比較例に係るプリント配線板では、プリント配線板101においてQFNが実装される領域(点線枠を参照)には、QFNの複数の外周端子13(図1〜図3参照)のそれぞれに対向するように外周パッド102が配置されている。また、底面電極12(図1〜図3参照)に対向するようにパッド103が配置されている。
【0025】
さらに、プリント配線板101の表面にはソルダレジスト104が形成されている。ソルダレジスト104には、複数の外周パッド102のそれぞれを露出する開口部105と、パッド103を露出する開口部106とが形成されている。特に、開口部106は、パッド103の全体を露出するように形成されている。
【0026】
次に、プリント配線板101へのQFNの実装手順について説明する。まず、プリント配線板101の表面に露出するパッド103の表面と外周パッド102の表面とにクリームはんだ(図示せず)を印刷する。次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板101における所定の位置にQFNを載置して、リフロー炉内に入れる。次に、リフロー炉内において、所定の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させて、QFNの底面電極12をパッド4にはんだ付けにより接合させるとともに、外周端子13を外周パッド3にはんだ付けにより接合させる。
【0027】
リフローによるはんだ付けにおいては、クリームはんだが溶融して凝集する際に、溶融したはんだは、その表面張力によって丸くなろうとする。このとき、パッド103に印刷されるクリームはんだの量が多すぎると、図11に示すように、QFNのパッケージ112は、丸くなったはんだの頂点に乗り上げることになる。このため、QFNのパッケージ112がプリント配線板101に対して浮いた状態になり、QFNの外周端子13と、プリント配線板101の外周パッド102とが接触せず、オープン不良が発生するおそれがある。
【0028】
また、丸くなったはんだの頂点の位置は、QFNの重心に平面的に一致するとは限らない。このため、はんだの頂点の位置が、QFNの重心から平面的にずれてしまうと、図12に示すように、QFNのパッケージがプリント配線板101に対して傾いてしまい、QFNのパッケージが浮いている側に位置する外周端子13と、対応する外周パッド102とが接触せず、オープン不良が発生するおそれがある。
【0029】
一方、パッド103に印刷されるクリームはんだの量が少ないと、図13に示すように、QFNの底面電極113とパッド103との接合面積が小さくなることが想定される。このため、QFNから発生する熱を効率的に放熱させることができず、電子部品としての所望の性能が得られないおそれがある。
【0030】
比較例に対して本実施の形態に係る電子部品の実装手順では、露出したパッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されたクリームはんだ溶融させることによって、QFN等がプリント配線板に実装される。上述したように、クリームはんだが溶融して凝集する際に、溶融したはんだは、その表面張力によって丸くなろうとする。溶融したはんだが凝集した後のはんだの高さは、ほぼ球冠の高さによって近似することができる。
【0031】
また、溶融したクリームはんだが凝集すると、一般的に、その体積は印刷されたクリームはんだの体積の50%程度になることが知られている。また、クリームはんだ中のはんだ粒子が細密状態に重点されている場合には、凝集したはんだの体積は、印刷されたクリームはんだの体積の最大65%程度になることが知られている。このような知見から、溶融した後のはんだの体積は、印刷されたクリームはんだの体積の50%〜65%程度になると考えられる。
【0032】
ここで、パッドにはんだクリームを印刷した場合において、溶融したはんだが凝集した後のはんだの高さの具体的な数値例を図21に示す。この図21では、大きさφ2のパッドに、厚さ150μm、大きさφ2のはんだクリームを印刷した場合のはんだの高さを示す。印刷されたクリームはんだの体積に対する、溶融したはんだが凝集した後の体積の割合を体積変化とすると、体積変化が50%である場合には、球冠の高さ(149μm)は、印刷されたクリームはんだの厚さ(150μm)とほぼ同じ値であることがわかる。
【0033】
また、体積変化が50%よりも高い場合(55%、60%、65%)には、球冠の高さ(164μm、178μm、193μm)は、印刷されたクリームはんだの厚さ(150μm)よりも高くなることがわかる。この場合には、たとえば、図11に示すように、溶融したはんだは、載置されたQFNのパッケージを浮き上がらせることになる。
【0034】
そこで、図14および図15に示すように、区画されて露出しているパッド4(DBP)のサイズよりも小さいサイズをもってクリームはんだを印刷する場合を考える。この場合、図16および図17に示すように、まず、リフローによってクリームはんだが溶融すると、その表面張力によって丸くなろうとする。このとき、溶融したはんだは、載置されたQFN(図示せず)を持ち上げようとする。つまり、溶融したはんだは、底面電極に接触するきっかけとして作用する。
【0035】
溶融したはんだが底面電極(図示せず)に接触すると同時に、図18および図19に示すように、溶融したはんだが、パッド4の表面を濡らしながら広がるため、溶融したはんだの高さが低くなる。つまり、溶融したはんだは、載置されたQFNのパッケージをパッド4の側に引き込むように作用する。
【0036】
ここで、パッドのサイズよりも小さいサイズをもってパッドにはんだクリームを印刷した場合において、溶融したはんだが凝集した後のはんだの高さの具体的な数値例を図22に示す。この図22では、大きさφ2.5のパッドに、厚さ150μm、大きさφ2のはんだクリームを印刷した場合のはんだの高さを示す。体積変化が50%、55%、60%および65%のいずれの場合においても、球冠の高さは、印刷されたクリームはんだの厚さ(150μm)よりも低くなっていることがわかる。
【0037】
このパッド4(44)のサイズよりも小さいサイズをもってクリームはんだを印刷する場合(ケースA:図22)と、パッド4(44)のサイズと同じサイズをもってクリームはんだを印刷する場合(ケースB:図21)とを比較すると、体積変化が50%の場合では、ケースAの球冠の高さ(96μm)と、ケースBの球冠の高さ(149μm)との差は、約53μmであることがわかる。また、体積変化が65%の場合では、ケースAの球冠の高さ(124μm)と、ケースBの球冠の高さ(193μm)との差は、約69μmであることがわかる。
【0038】
そうすると、ケースAの場合には、ケースBの場合と比較して、プリント配線板とQFNのパッケージとの距離を約50μm〜70μm程度短くすることができる。すなわち、ケースAでは、ケースBの場合に比べて、QFNのパッケージをプリント配線板の側により接近するように引き込むことができる。これにより、図8および図9に示すように、パッケージの外周に配置された外周端子13を、プリント配線板2の外周パッド3の表面の溶融しているはんだに確実に接触させて、外周端子13を外周パッド3に確実に接合させることができる。
【0039】
また、上述したプリント配線板では、図4に示すように、一つのパッド4が、ソルダーレジスト5によって4つの領域に区画された状態で露出している。その区画されて露出している領域のそれぞれに、同じサイズと厚みをもって、クリームはんだを印刷し溶融させることによって、図20に示すように、溶融したはんだの頂点23が4箇所存在することになる。
【0040】
一方、QFNの重心は、パッケージのほぼ中央に位置する。このため、図20に示すように、QFNをプリント配線板において実装させるべき所定の位置に載置すると、QFNの重心11bは、4つの頂点23を結ぶ線分によって形成される領域(仮想領域)の中央に平面的に位置することになる。これにより、QFNのパッケージは溶融したはんだに安定に支持されて、QFNのパッケージがプリント配線板に対して傾いた状態で実装されるのを抑制することができる。
【0041】
実施の形態2
実施の形態1では、一つのパッドの表面の一部がソルダレジストによって覆われることによって、パッドが複数の領域に区画されたプリント配線板を例に挙げた。ここでは、分割された複数のパッドを配置することによって区画されたプリント配線板と、それを用いた実装手順について説明する。
【0042】
図23に示すように、プリント配線板2におけるQFNが実装される領域(パッケージの外形11a参照)では、複数(4つ)の導電体からなるパッド4が互いに間隔を隔てて、底面電極12(図3参照)に対向するように配置されている。ソルダーレジスト5には、配置された4つのパッド4の全体を露出する開口部5bが形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示すプリント配線板と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を繰り返さないこととする。
【0043】
次に、QFNのプリント配線板への実装手順について説明する。まず、実施の形態1において説明したように、所定のクリームはんだ、メタルマスクおよびスキージを用意する。次に、そのメタルマスクとスキージを用い、図24および図25に示すように、プリント配線板2の表面に露出するパッド44の表面にクリームはんだ21を印刷する。このとき、クリームはんだ21は、パッド44の外周に沿った領域が露出するように、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷される。なお、このとき、パッドPP(図4参照)の表面にもクリームはんだ(図示せず)が印刷される。
【0044】
次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板2に対してQFNの位置合わせを行って、QFNをプリント配線板2(クリームはんだ21)の上に載置する。次に、QFNが載置されたプリント配線板2をリフロー炉(図示せず)内に入れる。次に、リフロー炉内において、たとえば、200数十℃程度の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させる。
【0045】
ここで、クリームはんだ21は、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されている。また、パッド4は、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置されている。このため、図26に示すように、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができる。
【0046】
こうして、図27に示すように、QFNの底面電極12がパッド4にはんだ24を介して接合されるとともに、QFNの外周端子13のそれぞれが、対応する外周パッド3にはんだ24を介して接合されて、QFNがプリント配線板2に実装される。
【0047】
上述したプリント配線板を用いた実装手順では、パッドは、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置されて、そのそれぞれのパッド44に対して、そのサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもってクリームはんだが印刷される。このため、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。
【0048】
これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができ、外周端子13を、プリント配線板2の外周パッド3の表面の溶融しているはんだに確実に接触させて、外周端子13を外周パッド3に確実に接合させることができる。また、溶融したはんだ22が、パッド44の側面に回り込むことで、底面電極12とパッド4との接合をより強固にすることができる。
【0049】
実施の形態3
ここでは、分割されたパッドとパッドとの間に、ソルダーレジストを形成したプリント配線板と、それを用いた実装手順について説明する。
【0050】
図28に示すように、プリント配線板2におけるQFNが実装される領域(パッケージの外形11a参照)では、複数(4つ)のパッド4が互いに間隔を隔てて、底面電極12(図3参照)に対向するように配置されている。ソルダーレジスト5には、配置された4つのパッド4のそれぞれを露出する開口部5bが形成されて、互いに隣り合うパッド44とパッド44との間に位置する基板本体2aの部分を覆うように形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示すプリント配線板と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を繰り返さないこととする。
【0051】
次に、QFNのプリント配線板への実装手順について説明する。まず、実施の形態1において説明したように、所定のクリームはんだ、メタルマスクおよびスキージを用意する。次に、そのメタルマスクとスキージを用い、図29および図30に示すように、プリント配線板2の表面に露出するパッド44の表面にクリームはんだ21を印刷する。このとき、クリームはんだ21は、パッド44の外周に沿った領域が露出するように、露出したパッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷される。なお、このとき、パッドPP(図4参照)の表面にもクリームはんだ(図示せず)が印刷される。
【0052】
次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板2に対してQFNの位置合わせを行って、QFNをプリント配線板2(クリームはんだ21)の上に載置する。次に、QFNが載置されたプリント配線板2をリフロー炉(図示せず)内に入れる。次に、リフロー炉内において、たとえば、200数十℃程度の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させる。
【0053】
ここで、クリームはんだ21は、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されている。また、パッド4は、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置され、その隣り合うパッド44とパッド44との間にソルダーレジスト5が形成されている。
【0054】
このため、図31に示すように、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができる。また、互いに隣り合うパッド44にそれぞれ印刷されて溶融したはんだが、ソルダーレジスト5によって一体化されるのを阻止することができる。
【0055】
こうして、図32に示すように、QFNの底面電極12がパッド4にはんだ24を介して接合されるとともに、QFNの外周端子13のそれぞれが、対応する外周パッド3にはんだ24を介して接合されて、QFNがプリント配線板2に実装される。
【0056】
上述したプリント配線板を用いた実装方法では、パッドは、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置されて、そのそれぞれのパッド44に対して、そのサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもってクリームはんだが印刷される。このため、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。
【0057】
これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができ、外周端子13を、プリント配線板2の外周パッド3の表面の溶融しているはんだに確実に接触させて、外周端子13を外周パッド3に確実に接合させることができる。
【0058】
また、溶融したはんだ22が、パッド44の側面に回り込むことで、底面電極12とパッド4との接合をより強固にすることができる。さらに、その隣り合うパッド44とパッド44との間にソルダーレジスト5が形成されていることで、互いに隣り合うパッド44にそれぞれ印刷されて溶融したはんだが、ソルダーレジスト5によって一体化されるのを阻止して、QFNのパッケージが傾く(浮き)のを効果的に阻止することができる。
【0059】
なお、上述した各実施の形態では、QFNの底面電極が接合されるパッドが、ソルダレジスト、または、パッドそのものによって複数の領域に区画される場合を説明した。パッドの区画の仕方としては、安定にQFNを実装する観点から、図33に示すように、区画されたパッド4のそれぞれに印刷されて溶融するはんだの頂点23を結ぶ線分によって形成される領域(仮想領域)内に、QFNの重心11bが平面的に位置するように区画することが望ましい。また、溶融するはんだの頂点23を結ぶ線分によって形成される領域(仮想領域)内に、QFNの重心11bが平面的に位置すれば、図33に示すようなマトリクス状の区画に限られない。
【0060】
一方、図34に示すように、溶融するはんだの頂点23を結ぶ線分上に、QFNの重心11bが平面的に位置するような場合は好ましくなく、この場合には、QFNのパッケージが傾いてしまうおそれがある。
【0061】
また、電子部品1としてQFNを例に挙げて説明したが、電子部品のパッケージの底面に電極が形成されている表面実装型の電子部品であれば、たとえば、SON等の電子部品にも適用することが可能である。さらに、プリント配線板を覆う被覆層としてソルダレジストを例に挙げたが、電気的に絶縁性を有する材料であれば、ソルダレジストに限られない。
【0062】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、QFN等の表面実装型の電子部品を実装するためのプリント配線板に有効に利用される。
【符号の説明】
【0064】
2 プリント配線板、2a 基板本体、3 外周パッド、4 パッド、44 パッド、5 ソルダーレジスト、5a,5b 開口部、1 電子部品、11 パッケージ、11a パッケージの外形、11b パッケージの重心、12 底面電極、13 外周端子、21 クリームはんだ、22 溶融したはんだ、23 はんだの頂点、24 はんだ。
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント配線板およびそれを用いた電子部品の実装構造に関し、特に、表面実装型の電子部品を実装するためのプリント配線板と、それを用いた電子部品の実装構造とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面実装型の電子部品をプリント配線板へ実装する手法として、リフローによるはんだ付けがある。この手法では、まず、プリント配線板に形成された所定のパッドにクリームはんだが印刷される。次に、その所定のパッドとの間にクレームはんだを介在させるように、表面実装型の電子部品が装着される。その後、リフロー炉内において所定の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させることによって、電子部品がプリント配線板にはんだ付けされる。
【0003】
この表面実装型の電子部品には、QFN(Quad Flat Non-lead package)あるいはSON(Small Outline Non-lead package)と称される電子部品がある。このQFNやSONでは、パッケージの外周に配置された外周端子以外に、パッケージの底面には放熱等のために電極(底面電極)が形成されているものがある。QFNやSONが実装されるプリント配線板には、パッケージの外周端子に対応する外周パッドの他に、そのような底面電極に対応するパッドが形成される。
【0004】
QFNやSONをプリント配線板へ実装する際には、まず、パッケージの外周端子に対応する外周パッドと、底面電極に対応するパッドとにはんだクリームが印刷される。次に、QFNあるいはSONがプリント配線板(パッド)に対して位置合わせされて、パッケージの外周端子が対応する外周パッドにはんだ付けされるとともに、パッケージの底面電極が対応するパッドにはんだ付けされることになる。なお、リフローによるはんだ付けを開示した文献として、特許文献1、特許文献2および特許文献3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−147723号公報
【特許文献2】特開2010−283039号公報
【特許文献3】特開2009−105212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の手法では次のような問題点があった。リフローによるはんだ付けでは、加熱により溶融したクリームはんだが凝集する際には、溶融したはんだは、その表面張力によって丸くなろうとする。
【0007】
このとき、底面電極に対応するパッドに供給されるクリームはんだの量が多すぎると、QFN等のパッケージが、丸くなったはんだの頂点に乗り上げることになり、パッケージが浮いてしまうことがある。パッケージが浮いてしまうと、パッケージの外周に配置された外周端子とその外周端子に対応する外周パッドとが接触せず、オープン不良が発生することになる。
【0008】
また、丸くなったはんだの頂点の位置が、必ずしもQFN等の重心に平面的に重なるとは限らない。このため、溶融したはんだの頂点の位置が、平面的にQFN等の重心からずれてしまうと、QFN等のパッケージが傾いてしまい、パッケージが浮いている側に配置されている外周端子とその外周端子に対応する外周パッドとがオープン不良になってしまう。
【0009】
反対に、底面電極に対応するパッドに供給されるクリームはんだの量が少ないと、底面電極と対応するパッドとの接合面積が小さくなってしまう。このため、本来の目的とされる放熱効果を十分に得ることができず、電子部品として所望の性能が得られなくなることが想定される。従来、クリームはんだの供給量は、製造経験に基づいて、印刷用のメタルマスクの開口寸法を変える等して調節されていた。
【0010】
本発明は、上述した開発の一環でなされたものであり、その一つの目的は、実装不良の軽減が図られるプリント配線板を提供することであり、他の目的は、そのようなプリント配線板を用いた電子部品の実装構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るプリント配線板は、パッケージの底面に底面電極を有する電子部品の実装に用いられるプリント配線板であって、主表面を有する基板本体と、パッドと、絶縁性の被覆層とを備えている。パッドは、基板本体の主表面に形成され、底面電極が接合される。絶縁性の被覆層は、基板本体の表面を覆うように形成されている。パッドは、パッドの表面の一部が被覆層によって覆われる第1態様、および、分割された複数のパッドとして配置される第2態様の少なくともいずれかの態様によって、複数の領域に区画されている。
【0012】
本発明に係る電子部品の実装構造は、請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板に電子部品が実装された、電子部品の実装構造であって、プリント配線板の電極パッドに、電子部品のパッケージの底に形成された底面電極がはんだ付けによって接合されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るプリント配線板によれば、電子部品の実装不良を抑制することができる。
本発明に係る電子部品の実装構造によれば、電子部品をプリント配線板に確実に接合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプリント配線板に実装される電子部品の一例として、QFNの外観を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態において、図1に示すQFNの側面図である。
【図3】同実施の形態において、図1に示すQFNの底面図である。
【図4】同実施の形態において、プリント配線板を示す部分平面図である。
【図5】同実施の形態において、プリント配線板へのQFNの実装手順の一工程を示す部分平面図である。
【図6】同実施の形態において、図5に示す断面線VI−VIにおける部分断面図である。
【図7】同実施の形態において、図6に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図8】同実施の形態において、図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図9】同実施の形態において、図8に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、QFNがプリント配線板に実装された状態を示す断面図である。
【図10】比較例に係るプリント配線板を示す部分平面図である。
【図11】比較例に係るプリント配線への電子部品の実装手順の一工程を示す断面図である。
【図12】図11に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図13】図12に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
【図14】同実施の形態において、作用効果を説明するための第1の状態を示す部分平面図である。
【図15】同実施の形態において、図14に示す断面線XV−XVにおける部分断面図である。
【図16】同実施の形態において、作用効果を説明するための第2の状態を示す部分平面図である。
【図17】同実施の形態において、図16に示す断面線XVII−XVIIにおける部分断面図である。
【図18】同実施の形態において、作用効果を説明するための第3の状態を示す部分平面図である。
【図19】同実施の形態において、図18に示す断面線XIX−XIXにおける部分断面図である。
【図20】同実施の形態において、溶融したはんだの頂点の位置と、QFNの重心の位置との関係を示す平面図である。
【図21】同実施の形態において、印刷したクリームはんだの厚さと溶融した後のはんだの高さとの関係を示す第1の図である。
【図22】同実施の形態において、印刷したクリームはんだの厚さと溶融した後のはんだの高さとの関係を示す第2の図である。
【図23】本発明の実施の形態2に係るプリント配線板を示す平面図である。
【図24】同実施の形態において、プリント配線板へのQFNの実装手順の一工程を示す部分平面図である。
【図25】同実施の形態において、図24に示す断面線XXV−XXVにおける部分断面図である。
【図26】同実施の形態において、図25に示す工程の後に行われる工程を示す部分断面図である。
【図27】同実施の形態において、図26に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、QFNがプリント配線板に実装された状態を示す断面図である。
【図28】本発明の実施の形態3に係るプリント配線板を示す平面図である。
【図29】同実施の形態において、プリント配線板へのQFNの実装手順の一工程を示す部分平面図である。
【図30】同実施の形態において、図29に示す断面線XXX−XXXにおける部分断面図である。
【図31】同実施の形態において、図305に示す工程の後に行われる工程を示す部分断面図である。
【図32】同実施の形態において、図31に示す工程の後に行われる工程を示す断面図であり、QFNがプリント配線板に実装された状態を示す断面図である。
【図33】各実施の形態において、パッドの区画の態様を説明するための平面と断面を併せて示す図である。
【図34】適切ではないパッドの区画の態様を説明するための平面と断面を併せて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1
まず、はじめに、プリント配線板に実装される電子部品の一例として、QFNの外観について説明する。図1、図2および図3に示すように、電子部品1の一例としてのQFNでは、パッケージ11の外周に沿って複数の外周端子13が配置されている。その外周端子13のそれぞれは、パッケージ11に封止された半導体チップ(図示せず)に電気的に接続されている。また、パッケージ11の底面には、放熱等を目的とした底面電極12が配置されている。
【0016】
次に、プリント配線板について説明する。図4に示すように、プリント配線板2におけるQFNが実装される領域(パッケージの外形11a参照)では、QFNのパッケージに形成された複数の外周端子13のそれぞれに対向するように外周パッド3が配置されている。また、パッケージに形成された底面電極12に対向するように、連続する一つの導電体からなるパッド4が配置されている。
【0017】
さらに、プリント配線板2(基板本体2a)の表面にはソルダーレジスト5が形成されている。そのソルダーレジスト5には、複数の外周パッド3のそれぞれを露出する開口部5aと、パッド4を4つの領域(パッド44)に区画して露出する4つの開口部5bとが形成されている。特に、開口部5bのそれぞれは、区画されるパッド44の二辺の端が露出するように、その二辺の端を越えて、プリント配線板2の基板本体2aの部分を露出するように形成されている。
【0018】
次に、QFNのプリント配線板への実装手順について説明する。まず、クリームはんだとして、たとえば、鉛フリーはんだ(組成:Sn−3Ag−0.5Cu)を用意する。また、パッドPPおよびパッド4(図4参照)に基づいて、所定の開口部が形成されたメタルマスクとスキージを用意する。
【0019】
次に、そのメタルマスクとスキージを用い、図5および図6に示すように、プリント配線板2の表面に露出するパッド44の表面にクリームはんだ21を印刷する。このとき、クリームはんだ21は、パッド44の外周に沿った領域が露出するように、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷される。なお、このとき、パッドPP(図4参照)の表面にもクリームはんだ(図示せず)が印刷される。
【0020】
次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板2に対してQFNの位置合わせを行って、QFNをプリント配線板2(クリームはんだ21)の上に載置する。次に、QFNが載置されたプリント配線板2をリフロー炉(図示せず)内に入れる。次に、リフロー炉内において、たとえば、200数十℃程度の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させる。
【0021】
ここで、クリームはんだ21は、露出したパッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されている。このため、図7に示すように、クリームはんだが溶融し凝集して球状になろうして盛り上がり(溶融したはんだ22)、QFNのパッケージ11を持ち上げようとする。さらに、図8に示すように、溶融したはんだ22は、パッド4の全面に濡れ広がることで、QFNのパッケージ11はプリント配線板2の側に引き込まれることになる。
【0022】
これにより、図9に示すように、QFNの底面電極12がパッド4にはんだ24を介して接合されるとともに、QFNの外周端子13のそれぞれが、対応する外周パッド3にはんだ24を介して接合される。こうして、QFNがプリント配線板2に実装される。
【0023】
上述した電子部品の実装方法では、QFN等のプリント配線板への実装不良を低減することができる。このことについて、比較例を交えて説明する。
【0024】
図10に示すように、比較例に係るプリント配線板では、プリント配線板101においてQFNが実装される領域(点線枠を参照)には、QFNの複数の外周端子13(図1〜図3参照)のそれぞれに対向するように外周パッド102が配置されている。また、底面電極12(図1〜図3参照)に対向するようにパッド103が配置されている。
【0025】
さらに、プリント配線板101の表面にはソルダレジスト104が形成されている。ソルダレジスト104には、複数の外周パッド102のそれぞれを露出する開口部105と、パッド103を露出する開口部106とが形成されている。特に、開口部106は、パッド103の全体を露出するように形成されている。
【0026】
次に、プリント配線板101へのQFNの実装手順について説明する。まず、プリント配線板101の表面に露出するパッド103の表面と外周パッド102の表面とにクリームはんだ(図示せず)を印刷する。次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板101における所定の位置にQFNを載置して、リフロー炉内に入れる。次に、リフロー炉内において、所定の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させて、QFNの底面電極12をパッド4にはんだ付けにより接合させるとともに、外周端子13を外周パッド3にはんだ付けにより接合させる。
【0027】
リフローによるはんだ付けにおいては、クリームはんだが溶融して凝集する際に、溶融したはんだは、その表面張力によって丸くなろうとする。このとき、パッド103に印刷されるクリームはんだの量が多すぎると、図11に示すように、QFNのパッケージ112は、丸くなったはんだの頂点に乗り上げることになる。このため、QFNのパッケージ112がプリント配線板101に対して浮いた状態になり、QFNの外周端子13と、プリント配線板101の外周パッド102とが接触せず、オープン不良が発生するおそれがある。
【0028】
また、丸くなったはんだの頂点の位置は、QFNの重心に平面的に一致するとは限らない。このため、はんだの頂点の位置が、QFNの重心から平面的にずれてしまうと、図12に示すように、QFNのパッケージがプリント配線板101に対して傾いてしまい、QFNのパッケージが浮いている側に位置する外周端子13と、対応する外周パッド102とが接触せず、オープン不良が発生するおそれがある。
【0029】
一方、パッド103に印刷されるクリームはんだの量が少ないと、図13に示すように、QFNの底面電極113とパッド103との接合面積が小さくなることが想定される。このため、QFNから発生する熱を効率的に放熱させることができず、電子部品としての所望の性能が得られないおそれがある。
【0030】
比較例に対して本実施の形態に係る電子部品の実装手順では、露出したパッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されたクリームはんだ溶融させることによって、QFN等がプリント配線板に実装される。上述したように、クリームはんだが溶融して凝集する際に、溶融したはんだは、その表面張力によって丸くなろうとする。溶融したはんだが凝集した後のはんだの高さは、ほぼ球冠の高さによって近似することができる。
【0031】
また、溶融したクリームはんだが凝集すると、一般的に、その体積は印刷されたクリームはんだの体積の50%程度になることが知られている。また、クリームはんだ中のはんだ粒子が細密状態に重点されている場合には、凝集したはんだの体積は、印刷されたクリームはんだの体積の最大65%程度になることが知られている。このような知見から、溶融した後のはんだの体積は、印刷されたクリームはんだの体積の50%〜65%程度になると考えられる。
【0032】
ここで、パッドにはんだクリームを印刷した場合において、溶融したはんだが凝集した後のはんだの高さの具体的な数値例を図21に示す。この図21では、大きさφ2のパッドに、厚さ150μm、大きさφ2のはんだクリームを印刷した場合のはんだの高さを示す。印刷されたクリームはんだの体積に対する、溶融したはんだが凝集した後の体積の割合を体積変化とすると、体積変化が50%である場合には、球冠の高さ(149μm)は、印刷されたクリームはんだの厚さ(150μm)とほぼ同じ値であることがわかる。
【0033】
また、体積変化が50%よりも高い場合(55%、60%、65%)には、球冠の高さ(164μm、178μm、193μm)は、印刷されたクリームはんだの厚さ(150μm)よりも高くなることがわかる。この場合には、たとえば、図11に示すように、溶融したはんだは、載置されたQFNのパッケージを浮き上がらせることになる。
【0034】
そこで、図14および図15に示すように、区画されて露出しているパッド4(DBP)のサイズよりも小さいサイズをもってクリームはんだを印刷する場合を考える。この場合、図16および図17に示すように、まず、リフローによってクリームはんだが溶融すると、その表面張力によって丸くなろうとする。このとき、溶融したはんだは、載置されたQFN(図示せず)を持ち上げようとする。つまり、溶融したはんだは、底面電極に接触するきっかけとして作用する。
【0035】
溶融したはんだが底面電極(図示せず)に接触すると同時に、図18および図19に示すように、溶融したはんだが、パッド4の表面を濡らしながら広がるため、溶融したはんだの高さが低くなる。つまり、溶融したはんだは、載置されたQFNのパッケージをパッド4の側に引き込むように作用する。
【0036】
ここで、パッドのサイズよりも小さいサイズをもってパッドにはんだクリームを印刷した場合において、溶融したはんだが凝集した後のはんだの高さの具体的な数値例を図22に示す。この図22では、大きさφ2.5のパッドに、厚さ150μm、大きさφ2のはんだクリームを印刷した場合のはんだの高さを示す。体積変化が50%、55%、60%および65%のいずれの場合においても、球冠の高さは、印刷されたクリームはんだの厚さ(150μm)よりも低くなっていることがわかる。
【0037】
このパッド4(44)のサイズよりも小さいサイズをもってクリームはんだを印刷する場合(ケースA:図22)と、パッド4(44)のサイズと同じサイズをもってクリームはんだを印刷する場合(ケースB:図21)とを比較すると、体積変化が50%の場合では、ケースAの球冠の高さ(96μm)と、ケースBの球冠の高さ(149μm)との差は、約53μmであることがわかる。また、体積変化が65%の場合では、ケースAの球冠の高さ(124μm)と、ケースBの球冠の高さ(193μm)との差は、約69μmであることがわかる。
【0038】
そうすると、ケースAの場合には、ケースBの場合と比較して、プリント配線板とQFNのパッケージとの距離を約50μm〜70μm程度短くすることができる。すなわち、ケースAでは、ケースBの場合に比べて、QFNのパッケージをプリント配線板の側により接近するように引き込むことができる。これにより、図8および図9に示すように、パッケージの外周に配置された外周端子13を、プリント配線板2の外周パッド3の表面の溶融しているはんだに確実に接触させて、外周端子13を外周パッド3に確実に接合させることができる。
【0039】
また、上述したプリント配線板では、図4に示すように、一つのパッド4が、ソルダーレジスト5によって4つの領域に区画された状態で露出している。その区画されて露出している領域のそれぞれに、同じサイズと厚みをもって、クリームはんだを印刷し溶融させることによって、図20に示すように、溶融したはんだの頂点23が4箇所存在することになる。
【0040】
一方、QFNの重心は、パッケージのほぼ中央に位置する。このため、図20に示すように、QFNをプリント配線板において実装させるべき所定の位置に載置すると、QFNの重心11bは、4つの頂点23を結ぶ線分によって形成される領域(仮想領域)の中央に平面的に位置することになる。これにより、QFNのパッケージは溶融したはんだに安定に支持されて、QFNのパッケージがプリント配線板に対して傾いた状態で実装されるのを抑制することができる。
【0041】
実施の形態2
実施の形態1では、一つのパッドの表面の一部がソルダレジストによって覆われることによって、パッドが複数の領域に区画されたプリント配線板を例に挙げた。ここでは、分割された複数のパッドを配置することによって区画されたプリント配線板と、それを用いた実装手順について説明する。
【0042】
図23に示すように、プリント配線板2におけるQFNが実装される領域(パッケージの外形11a参照)では、複数(4つ)の導電体からなるパッド4が互いに間隔を隔てて、底面電極12(図3参照)に対向するように配置されている。ソルダーレジスト5には、配置された4つのパッド4の全体を露出する開口部5bが形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示すプリント配線板と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を繰り返さないこととする。
【0043】
次に、QFNのプリント配線板への実装手順について説明する。まず、実施の形態1において説明したように、所定のクリームはんだ、メタルマスクおよびスキージを用意する。次に、そのメタルマスクとスキージを用い、図24および図25に示すように、プリント配線板2の表面に露出するパッド44の表面にクリームはんだ21を印刷する。このとき、クリームはんだ21は、パッド44の外周に沿った領域が露出するように、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷される。なお、このとき、パッドPP(図4参照)の表面にもクリームはんだ(図示せず)が印刷される。
【0044】
次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板2に対してQFNの位置合わせを行って、QFNをプリント配線板2(クリームはんだ21)の上に載置する。次に、QFNが載置されたプリント配線板2をリフロー炉(図示せず)内に入れる。次に、リフロー炉内において、たとえば、200数十℃程度の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させる。
【0045】
ここで、クリームはんだ21は、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されている。また、パッド4は、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置されている。このため、図26に示すように、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができる。
【0046】
こうして、図27に示すように、QFNの底面電極12がパッド4にはんだ24を介して接合されるとともに、QFNの外周端子13のそれぞれが、対応する外周パッド3にはんだ24を介して接合されて、QFNがプリント配線板2に実装される。
【0047】
上述したプリント配線板を用いた実装手順では、パッドは、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置されて、そのそれぞれのパッド44に対して、そのサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもってクリームはんだが印刷される。このため、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。
【0048】
これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができ、外周端子13を、プリント配線板2の外周パッド3の表面の溶融しているはんだに確実に接触させて、外周端子13を外周パッド3に確実に接合させることができる。また、溶融したはんだ22が、パッド44の側面に回り込むことで、底面電極12とパッド4との接合をより強固にすることができる。
【0049】
実施の形態3
ここでは、分割されたパッドとパッドとの間に、ソルダーレジストを形成したプリント配線板と、それを用いた実装手順について説明する。
【0050】
図28に示すように、プリント配線板2におけるQFNが実装される領域(パッケージの外形11a参照)では、複数(4つ)のパッド4が互いに間隔を隔てて、底面電極12(図3参照)に対向するように配置されている。ソルダーレジスト5には、配置された4つのパッド4のそれぞれを露出する開口部5bが形成されて、互いに隣り合うパッド44とパッド44との間に位置する基板本体2aの部分を覆うように形成されている。なお、これ以外の構成については、図4に示すプリント配線板と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説明を繰り返さないこととする。
【0051】
次に、QFNのプリント配線板への実装手順について説明する。まず、実施の形態1において説明したように、所定のクリームはんだ、メタルマスクおよびスキージを用意する。次に、そのメタルマスクとスキージを用い、図29および図30に示すように、プリント配線板2の表面に露出するパッド44の表面にクリームはんだ21を印刷する。このとき、クリームはんだ21は、パッド44の外周に沿った領域が露出するように、露出したパッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷される。なお、このとき、パッドPP(図4参照)の表面にもクリームはんだ(図示せず)が印刷される。
【0052】
次に、クリームはんだが印刷されたプリント配線板2に対してQFNの位置合わせを行って、QFNをプリント配線板2(クリームはんだ21)の上に載置する。次に、QFNが載置されたプリント配線板2をリフロー炉(図示せず)内に入れる。次に、リフロー炉内において、たとえば、200数十℃程度の温度のもとで加熱し、クリームはんだを溶融させる。
【0053】
ここで、クリームはんだ21は、パッド44のサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもって印刷されている。また、パッド4は、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置され、その隣り合うパッド44とパッド44との間にソルダーレジスト5が形成されている。
【0054】
このため、図31に示すように、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができる。また、互いに隣り合うパッド44にそれぞれ印刷されて溶融したはんだが、ソルダーレジスト5によって一体化されるのを阻止することができる。
【0055】
こうして、図32に示すように、QFNの底面電極12がパッド4にはんだ24を介して接合されるとともに、QFNの外周端子13のそれぞれが、対応する外周パッド3にはんだ24を介して接合されて、QFNがプリント配線板2に実装される。
【0056】
上述したプリント配線板を用いた実装方法では、パッドは、4つのパッド44に分割されて、互いに間隔を隔てて配置されて、そのそれぞれのパッド44に対して、そのサイズ(寸法)よりも小さいサイズをもってクリームはんだが印刷される。このため、溶融したはんだ22は、パッド44の表面を濡らしながら広がって、パッド44の側面に回り込むことになる。
【0057】
これにより、溶融したはんだがパッド44の側面に回り込む分、溶融したはんだがパッド44を濡らしながら広がった後の高さがより低くなって、QFNのパッケージ(図示せず)をプリント配線板の側にさらに接近させるように引き込むことができ、外周端子13を、プリント配線板2の外周パッド3の表面の溶融しているはんだに確実に接触させて、外周端子13を外周パッド3に確実に接合させることができる。
【0058】
また、溶融したはんだ22が、パッド44の側面に回り込むことで、底面電極12とパッド4との接合をより強固にすることができる。さらに、その隣り合うパッド44とパッド44との間にソルダーレジスト5が形成されていることで、互いに隣り合うパッド44にそれぞれ印刷されて溶融したはんだが、ソルダーレジスト5によって一体化されるのを阻止して、QFNのパッケージが傾く(浮き)のを効果的に阻止することができる。
【0059】
なお、上述した各実施の形態では、QFNの底面電極が接合されるパッドが、ソルダレジスト、または、パッドそのものによって複数の領域に区画される場合を説明した。パッドの区画の仕方としては、安定にQFNを実装する観点から、図33に示すように、区画されたパッド4のそれぞれに印刷されて溶融するはんだの頂点23を結ぶ線分によって形成される領域(仮想領域)内に、QFNの重心11bが平面的に位置するように区画することが望ましい。また、溶融するはんだの頂点23を結ぶ線分によって形成される領域(仮想領域)内に、QFNの重心11bが平面的に位置すれば、図33に示すようなマトリクス状の区画に限られない。
【0060】
一方、図34に示すように、溶融するはんだの頂点23を結ぶ線分上に、QFNの重心11bが平面的に位置するような場合は好ましくなく、この場合には、QFNのパッケージが傾いてしまうおそれがある。
【0061】
また、電子部品1としてQFNを例に挙げて説明したが、電子部品のパッケージの底面に電極が形成されている表面実装型の電子部品であれば、たとえば、SON等の電子部品にも適用することが可能である。さらに、プリント配線板を覆う被覆層としてソルダレジストを例に挙げたが、電気的に絶縁性を有する材料であれば、ソルダレジストに限られない。
【0062】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、QFN等の表面実装型の電子部品を実装するためのプリント配線板に有効に利用される。
【符号の説明】
【0064】
2 プリント配線板、2a 基板本体、3 外周パッド、4 パッド、44 パッド、5 ソルダーレジスト、5a,5b 開口部、1 電子部品、11 パッケージ、11a パッケージの外形、11b パッケージの重心、12 底面電極、13 外周端子、21 クリームはんだ、22 溶融したはんだ、23 はんだの頂点、24 はんだ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージの底面に底面電極を有する電子部品の実装に用いられるプリント配線板であって、
主表面を有する基板本体と、
前記基板本体の前記主表面に形成され、前記底面電極が接合されるパッドと、
前記基板本体の表面を覆うように形成された絶縁性の被覆層と
を備え、
前記パッドは、前記パッドの表面の一部が前記被覆層によって覆われる第1態様、および、分割された複数のパッドとして配置される第2態様のいずれかの態様によって、複数の領域に区画された、プリント配線板。
【請求項2】
前記パッドは、前記第1態様によって区画され、
前記パッドは、連続する一つの導電体によって形成され、
前記パッドは、前記導電体の表面の一部を覆う前記被覆層によって複数の領域に区画された、請求項1記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記パッドは、前記第2態様によって区画され、
前記パッドは、複数の導電体を、互いに間隔を隔てて前記底面電極に対応するように配置することによって区画された、請求項1記載のプリント配線板。
【請求項4】
複数の前記導電体では、互いに間隔を隔てて配置される一の前記導電体と他の前記導電体との間に前記被覆層が配置された、請求項3記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記パッドは、区画される複数の領域のそれぞれに供給されるはんだが溶融した際に、その溶融したはんだの頂点を結ぶ線分が閉じられた仮想領域を形成するとともに、前記電子部品の重心が前記仮想領域内に平面的に位置するように区画された、請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項6】
前記被覆層は、前記パッドにおいて最外周に位置する端縁を露出するように形成された、請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板に電子部品が実装された、電子部品の実装構造であって、
前記プリント配線板の前記パッドに、電子部品のパッケージの底に形成された底面電極がはんだ付けによって接合された、電子部品の実装構造。
【請求項1】
パッケージの底面に底面電極を有する電子部品の実装に用いられるプリント配線板であって、
主表面を有する基板本体と、
前記基板本体の前記主表面に形成され、前記底面電極が接合されるパッドと、
前記基板本体の表面を覆うように形成された絶縁性の被覆層と
を備え、
前記パッドは、前記パッドの表面の一部が前記被覆層によって覆われる第1態様、および、分割された複数のパッドとして配置される第2態様のいずれかの態様によって、複数の領域に区画された、プリント配線板。
【請求項2】
前記パッドは、前記第1態様によって区画され、
前記パッドは、連続する一つの導電体によって形成され、
前記パッドは、前記導電体の表面の一部を覆う前記被覆層によって複数の領域に区画された、請求項1記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記パッドは、前記第2態様によって区画され、
前記パッドは、複数の導電体を、互いに間隔を隔てて前記底面電極に対応するように配置することによって区画された、請求項1記載のプリント配線板。
【請求項4】
複数の前記導電体では、互いに間隔を隔てて配置される一の前記導電体と他の前記導電体との間に前記被覆層が配置された、請求項3記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記パッドは、区画される複数の領域のそれぞれに供給されるはんだが溶融した際に、その溶融したはんだの頂点を結ぶ線分が閉じられた仮想領域を形成するとともに、前記電子部品の重心が前記仮想領域内に平面的に位置するように区画された、請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項6】
前記被覆層は、前記パッドにおいて最外周に位置する端縁を露出するように形成された、請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板に電子部品が実装された、電子部品の実装構造であって、
前記プリント配線板の前記パッドに、電子部品のパッケージの底に形成された底面電極がはんだ付けによって接合された、電子部品の実装構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2013−89795(P2013−89795A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229543(P2011−229543)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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