説明

プロアントシアニジン含有組成物

【課題】 プロアントシアニジンの安定性が高く、かつ渋味および収斂味(嗜好性)が改善された組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明のプロアントシアニジン含有組成物は、プロアントシアニジンと、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロアントシアニジン含有組成物に関する。より詳細には、安定性および嗜好性に優れたプロアントシアニジン含有組成物に関する。さらに、本発明は、プロアントシアニジンの安定性および嗜好性改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロアントシアニジンは、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる縮合型タンニンであり、古くから肌の収斂性を高めるなどの整肌効果を目的として使用されている。近年、プロアントシアニジンは、抗酸化作用、美白作用などの種々の活性を有することから、食品、化粧品などへの応用が図られている(特許文献1および2)。例えば、タンパク質を配合した化粧料にも応用されている(特許文献3〜5)。
【0003】
しかし、プロアントシアニジンは、高い抗酸化力を有するために酸化されやすく、プロアントシアニジンを含有する食品、医薬品などを製造するに際し、安定性の面で製剤化が困難であるという問題点がある。また酸化を受けると変色するという問題点もある。上記問題点に対して、例えば、特許文献6には、酸化重合による変色などを防止する目的で、アミノ酸やジペプチドを添加する試みがなされている。しかし、これらの組み合わせのみでは十分とはいえない。
【0004】
さらに、プロアントシアニジンは、渋味および独特の収斂味を有することから、嗜好性の面において、経口摂取し得る量が制限されるといった問題点もある。
【特許文献1】特開昭61−16982号公報
【特許文献2】特開平2−134309号公報
【特許文献3】特開平11−75708号公報
【特許文献4】特開平6−336423号公報
【特許文献5】特開2002−238497号公報
【特許文献6】特開2001−270881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、プロアントシアニジンの安定性が高く、かつ渋味および収斂味(嗜好性)が改善された組成物が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、プロアントシアニジンの安定性を高め、かつ収斂味を改善し得る成分について鋭意検討を行ったところ、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、またはソルビトールが、プロアントシアニジンの安定性を高め、かつ収斂味を改善することを見出して、本発明を完成するに至った。特に、プロアントシアニジンを含有する松樹皮抽出物においては、変色および収斂味(嗜好性)が顕著に改善されることも見出した。
【0007】
すなわち、本発明のプロアントシアニジン含有組成物は、プロアントシアニジンと、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種とを含有する。
【0008】
本発明のプロアントシアニジンの安定性および嗜好性改善方法は、プロアントシアニジンに、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種を加える工程を包含する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プロアントシアニジンに、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種が加えられることにより、プロアントシアニジンの長期安定が可能となり、かつ経口摂取した際の収斂味(嗜好性)が改善されたプロアントシアニジン含有組成物を得ることができる。本発明の組成物は、食品、医薬品などとして好適に利用され、口腔内で溶解または崩壊させる剤型とする場合に特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のプロアントシアニジン含有組成物について説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変し得ることは当業者に明らかである。
【0011】
本発明のプロアントシアニジン含有組成物は、プロアントシアニジンと、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種(以下、安定化成分という場合がある)とを含有し、必要に応じて、その他の成分を含有し得る。以下、プロアントシアニジン、安定化成分、その他の成分、およびプロアントシアニジン含有組成物の順で説明する。
【0012】
(プロアントシアニジン)
本明細書において、プロアントシアニジンとは、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。プロアントシアニジンは、ポリフェノール類の一種で、植物が作り出す強力な抗酸化物質である。上記プロアントシアニジンは、松、樫、山桃などの樹皮、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、アボガド、ニセアカシア、コケモモの果実もしくは種子、大麦、小麦、大豆、黒大豆、カカオ、小豆、トチの実の殻、ピーナッツの薄皮、イチョウ葉などに含まれている。また、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタニアの根、および日本の緑茶にも含まれている。
【0013】
本発明に用いられるプロアントシアニジンとしては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)がさらに好ましい。この重合度が2〜4の縮重合体を、本明細書ではOPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin)という。OPCは、ヒトの体内では、生成することのできない物質である。
【0014】
本発明においては、プロアントシアニジンとして、上記の植物抽出物由来のプロアントシアニジンを用いることが好ましい。特にOPCを含有する植物抽出物、例えば、樹皮、果実もしくは種子の抽出物が、特に好適に用いられる。特に、OPCに富む植物抽出物、例えば、OPCを20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上含有する植物抽出物が好ましい。OPCを20質量%以上含有する植物抽出物として、松樹皮抽出物が特に好適である。
【0015】
プロアントシアニジンを含有する植物抽出物を用いる場合は、植物抽出物中にさらにカテキン類を含有することが好ましい。カテキン(catechin)類とは、ポリヒドロキシフラバン−3−オールの総称であり、カテキン類としては、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレートなどが知られている。植物由来の抽出物からは、狭義のカテキンといわれている(+)−カテキンの他、ガロカテキン、アフゼレキン、ならびに(+)−カテキンまたはガロカテキンの3−ガロイル誘導体が単離されている。
【0016】
カテキン類は、植物抽出物中に、プロアントシアニジン1質量部に対して、0.1質量部以上含有されることが好ましい。より好ましくは、OPCを20質量%以上含有する原料植物抽出物に、カテキン類が5質量%以上含有する。例えば、松樹皮抽出物のカテキン類含量が5質量%未満の場合、5質量%以上となるようにカテキン類を添加してもよい。カテキン類を5質量%以上含有し、かつOPCを20質量%以上含有する松樹皮抽出物を用いることが最も好ましい。
【0017】
以下、OPCを豊富に含む松樹皮の抽出物を例に挙げて、プロアントシアニジンを含有する植物抽出物の調製方法を説明する。
【0018】
松樹皮抽出物としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物の樹皮抽出物が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus Martima)の樹皮抽出物が好ましい。
【0019】
フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、プロアントシアニジン、有機酸、ならびにその他の生理活性成分などを含有し、その主要成分であるプロアントシアニジンは、活性酸素を除去する強い抗酸化作用を有することが知られている。
【0020】
松樹皮抽出物は、上記の松樹皮を水または有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が用いられる。これらの水には、抽出効率を向上させる点から、塩化ナトリウムなどの塩を添加することが好ましい。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、メチルエチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,2−トリクロロエテンが挙げられる。これらの水および有機溶媒は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。特に、水、熱水、エタノール、含水エタノール、および含水プロピレングリコールが好ましく、食品および医薬品に用いるときの安全性の観点から、水、熱水、エタノール、および含水エタノールがより好ましい。
【0021】
松樹皮からプロアントシアニジンを抽出する方法は、特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用いられる。
【0022】
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられ、二酸化炭素が好ましく用いられる。
【0023】
超臨界流体抽出法は、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
【0024】
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、またはケトン類を2〜20W/V%程度添加し、得られた抽出流体で超臨界流体抽出を行うことによって、OPC、カテキン類などの目的とする被抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的に松樹皮抽出物を得る方法である。
【0025】
松樹皮からの抽出は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
【0026】
上記抽出により得られた松樹皮抽出物は、プロアントシアニジン含有量を増加させる目的で精製してもよい。精製には、通常、酢酸エチルなどの溶媒が用いられるが、食品および医薬品としての安全性の面から、水またはエタノールを用いて、例えば、限外濾過、あるいは合成吸着剤(ダイヤイオンHP−20、セファデックス−LH20、アンバーライト、ODSなど)を用いたカラム法またはバッチ法により精製することが好ましい。
【0027】
本発明において、プロアントシアニジンとして用いられる松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法により調製されるが、これは例示であり、この方法に限定されない。
【0028】
フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナトリウムの飽和水溶液3Lに入れ、100℃にて30分間抽出し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液を濾過し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500mLで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液と洗浄液を合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。
【0029】
次いで、この粗抽出液に酢酸エチル250mLを添加して分液し、酢酸エチル層を回収する工程を5回行う。回収した酢酸エチル溶液を合わせて、無水硫酸ナトリウム200gに直接添加して脱水する。その後、この酢酸エチル溶液を濾過し、濾液を元の5分の1量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル溶液を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸エチル100mLに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、例えば、OPCを20質量%以上含み、かつカテキン類を5質量%以上含有する、約5gの松樹皮抽出物が得られる。
【0030】
本発明の組成物を食品として用いる場合の別の調製例としては、例えば、松樹皮に30〜80容量%エタノールを添加して加熱還流し、エタノールを減圧濃縮によって除去して得られた松樹皮の抽出液を、ダイアイオンHP−20を充填したカラムに通液してプロアントシアニジンを吸着させ、10〜30容量%エタノールで溶出して得ることもできる。
【0031】
上記松樹皮のような原料植物に由来する抽出物は、OPCを乾燥質量換算で好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%、さらに好ましくは40質量%以上含有する。このようにOPCを高い割合で含有する原料として、松樹皮抽出物が好ましく用いられる。
【0032】
(安定化成分)
本発明に用いられる安定化成分としては、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールが挙げられる。好ましくは、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールである。これらの成分は、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。特に好ましくは、リンゴ酸、酒石酸、およびこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種と、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種との組み合わせである。
【0033】
リンゴ酸および酒石酸は、リンゴ、ブドウなどの果実中に含有される固有の酸味を有する有機酸である。特に、リンゴ酸は、生体内ではトリカルボン酸サイクルを構成する物質としても知られている。本発明に用いられるリンゴ酸および酒石酸は、D体およびL体のいずれを用いてもよく、これらの混合物であってもよい。さらに、リンゴ酸および酒石酸として、これらを含有する上記果実の抽出物を用いてもよいし、あるいは化学合成品を用いてもよい。リンゴ酸または酒石酸の誘導体としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、ジイソステアリルなどで化学修飾された誘導体などが挙げられる。リンゴ酸または酒石酸を、プロアントシアニジン、特に松樹皮抽出物と共存させることによって、プロアントシアニジン、特に松樹皮抽出物の安定性が高められ、特有の渋味などの収斂味が改善され得る。これらの効果は、リンゴ酸および酒石酸以外の有機酸(例えば、クエン酸)には見られない格別の効果である。
【0034】
パラチノースは、ブドウ糖と果糖とがα−1,6結合した二糖であり、ブドウ糖と果糖とがα−1,2結合したスクロースに、転移酵素を作用させることによって得られる。還元パラチノースは、上記パラチノースをさらに水素添加して還元することによって得られる。プロアントシアニジンの安定性を高める効果が高く、かつ嗜好性の改善効果が高い点から、還元パラチノースが好適である。
【0035】
ソルビトールは、ナシ、リンゴ、プラムなどの果実類に含まれている化合物であり、D−グルコース、D−フルクトース、D−ソルボースの還元で化学合成することによっても得られる。ソルビトールは、ソルビトールを含有する果実類の抽出物を用いてもよいし、化学合成品を用いてもよい。ソルビトールは口中で溶解するときの吸熱によりさわやかな冷涼感を示すため、特にプロアントシアニジンの収斂味を低減し、嗜好性を向上させる点で好適である。
【0036】
(その他の成分)
本発明の組成物に必要に応じて含有される成分としては、例えば、酸化防止剤、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などが挙げられる。
【0037】
酸化防止剤としては、ビタミンAなどのカロテノイド類(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテインなど)、ビタミンB群、アスコルビン酸、ビタミンEなどのビタミン類およびこれらの誘導体またはこれらの塩、L−システインおよびその誘導体またはその塩、リボフラビン、SOD、マンニトール、トリプトファン、ヒスチジン、ケルセチン、没食子酸およびその誘導体、茶抽出物、およびグルタチオン酵母抽出物などの抽出物が挙げられる。酸化防止剤は、プロアントシアニジンの酸化に対する安定性をさらに高める目的で含有され得る。さらに、酸化防止剤を含有する本発明の組成物を摂取することによって、体内のタンパク質および脂質の酸化を防止し、肌質を改善および保護する効果を高めることができる。
【0038】
上記酸化防止剤の中でも、アスコルビン酸は、プロアントシアニジンの安定性を高めるだけでなく、肌や脂質代謝に相乗的に効果を発揮し、肌質の改善効果(例えば、ハリおよびツヤが良くなる効果)および血管保護効果も高め得る。
【0039】
食品添加物としては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、上記酸化防止剤に用いられるビタミン類以外のビタミン類(ビタミンD、ビタミンK、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体など)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛など)、セレン、キチン・キトサン、レシチン、ポリフェノール(カテキン類、アントシアニン類などの縮合型タンニン、ガロタンニンなどの加水分解型タンニン、フラボノイド類、これらの誘導体など)、キサンチン誘導体(カフェインなど)、脂肪酸、アミノ酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチンなど)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、これらの塩など)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩など)、食物繊維(難消化性デキストリン、アルギン酸、グアガム、ペクチン、グルコマンナンなど)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖など)、リン脂質およびその誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミドなど)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタンなど)、キノン類(コエンザイムQ10など)、リグナン類(セサミンなど)などが挙げられる。あるいは、本発明の組成物は、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガなど)、麦若葉末などのイネ科植物の緑葉、ケールなどのアブラナ科植物の緑葉などを含有してもよい。
【0040】
調味料としては、ステビア末、抹茶パウダー、レモンパウダー、はちみつ、還元麦芽糖、乳糖、糖液などが挙げられる。
【0041】
(プロアントシアニジン含有組成物)
本発明のプロアントシアニジン含有組成物は、上述のとおり、プロアントシアニジンと、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種(以下、安定化成分という場合がある)とを含有し、必要に応じて、その他の成分を含有し得る。
【0042】
本発明の組成物に含有されるプロアントシアニジンの量は、特に制限されず、投与方法または剤形によって適宜設定される。好ましくは、組成物中にプロアントシアニジンが乾燥質量換算で0.00001質量%〜80質量%、より好ましくは0.001質量%〜60質量%、さらに好ましくは0.01質量%〜40質量%となるように含有される。なお、成人一日あたりのプロアントシアニジンの摂取量は、特に制限されないが、好ましくは10mg〜1000mg、より好ましくは15mg〜500mgである。これは松樹皮抽出物として好ましくは10mg〜2000mg、より好ましくは15mg〜1000mgに相当する。したがって、プロアントシアニジンまたは松樹皮抽出物が、上記の量となるように、成人一日当たりに摂取される本発明の組成物中に含有されることが好ましい。
【0043】
本発明の組成物に含有される安定化成分についても特に制限はない。好ましい含有量は、安定化成分の種類、含有されるプロアントシアニジンの量に応じて、適宜設定され得る。特に、以下の含有量に設定することによって、プロアントシアニジンの安定性をより効果的に高め、かつ嗜好性をより改善することができる。
【0044】
上記安定化成分が、リンゴ酸、酒石酸、およびこれらの誘導体である場合、その含有量は、好ましくは乾燥質量換算で1質量%〜30質量%、より好ましくは1質量%〜20質量%である。プロアントシアニジンと、リンゴ酸、酒石酸、およびこれらの誘導体との質量比は、プロアントシアニジン100質量部に対して、リンゴ酸、酒石酸、およびこれらの誘導体が、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは20質量部〜1000質量部となるように含有される。
【0045】
上記安定化成分が、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールである場合、その含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは5質量%〜90質量%、さらに好ましくは20質量%〜85質量%、最も好ましくは30質量%〜85質量%である。プロアントシアニジンと、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールとの質量比は、好ましくは、プロアントシアニジン100質量部に対して、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールが、合計で100質量部以上、好ましくは100質量部〜10000質量部となるように含有される。なお、ソルビトールは下痢などの症状を引き起こす可能性があるため、一日の摂取量が20g以下となるように含有することが好ましい。
【0046】
本発明の組成物に含有されるその他の成分の量も特に制限はない。例えば、酸化防止剤、特にアスコルビン酸を添加する場合は、プロアントシアニジンとアスコルビン酸とが質量比で、好ましくは1:0.1〜1:50、より好ましくは1:0.2〜1:20となるように、本発明の組成物に含有され得る。
【0047】
本発明の組成物は、目的に応じて、例えば、食品、医薬品などとして、各種の形態に調製することができる。例えば、ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、丸剤、粉末(散剤)、顆粒、ティーバッグ、飴状の粘稠な液体、液体、ペーストなどの当業者が通常用いる形態で利用される。これらは、形状または好みに応じて、そのまま摂取してもよく、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでもよく、成分を浸出させたものを摂取してもよい。具体的には、飴(キャンディーなど)、トローチ、タブレットなどの口腔内で溶解させる形態;チュアブル、ガムなどの咀嚼し得る形態;粉末(散剤)、飲料などの口腔内壁へ接触する量が多い形態などが好適である。
【0048】
さらに本発明の組成物を飲料とした場合、例えば、植物発酵ジュース、野菜ジュース(例えば、人参ジュース)、植物抽出物、果汁などと混合して、機能性または栄養価の高い飲料を得ることができる。
【0049】
本発明の組成物は、含有されるプロアントシアニジンの安定性が高められているため、プロアントシアニジンの損失が少なく、製剤化が容易である。さらに、組成物を長期保存しても、プロアントシアニジンによる褐変などの変色が生じ難い。
【0050】
本発明の組成物は、プロアントシアニジンの収斂味が改善されており、その嗜好性が高い。プロアントシアニジンは、例えば、食品中に1質量%以上、松樹皮抽出物においては2質量%以上含有されると、渋味および独特の収斂味が強くなり、嗜好性が低下するが、本発明の組成物は、このプロアントシアニジン含有量においても、渋味および収斂味が顕著に少なく、嗜好性が高い。
【実施例】
【0051】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、この範囲に限定されるものではない。
【0052】
(実施例1〜10)
プロアントシアニジンとして、松樹皮の含水エタノール抽出物(OPCを25質量%以上、カテキンを5質量%以上含有:株式会社東洋新薬:以下、「松樹皮抽出物」という)およびブドウ種子抽出物(プロアントシアニジンを40質量%以上含有:キッコーマン株式会社)、安定化成分として、リンゴ酸、酒石酸、還元パラチノース、およびソルビトール、ならびにその他の成分として、還元麦芽糖、二酸化ケイ素、および粉末セルロースを用いて、表1に記載の割合で配合して10種類の錠剤(250mg)を調製した(錠剤1〜10)。得られた各錠剤について、以下の(1)渋味および収斂味(嗜好性)改善効果試験および(2)安定性試験を行って、プロアントシアニジンの嗜好性改善効果および安定性を評価した。なお、嗜好性改善効果を評価する場合の対照として、安定化成分を含有しない錠剤を調製した(表1の対照)。
【0053】
(1)渋味および収斂味(嗜好性)改善効果試験
10名の女性パネラーに、上記の各錠剤(錠剤1〜10)と、対照の錠剤とを交互に摂取させ、実施例の各錠剤の渋味および収斂味(嗜好性)について、(1)対照の錠剤に比べて改善されている、(2)どちらともいえない、および(3)対照の錠剤に比べて改善されていない3種類の評価基準から選択することによるアンケート調査を行った。アンケート調査の結果から、(1)の人数が8名以上の場合を嗜好性が顕著に改善した(◎)、5名〜7名の場合を嗜好性が改善した(○)、そして4名以下の場合を嗜好性が改善しなかった(×)として評価した。結果を表1に示す。
【0054】
(2)安定性試験
上記の各錠剤(錠剤1〜10)をアルミパウチに5錠ずつ封入してサンプルとし、このサンプルを2袋ずつ作成した。そのうちの1袋を40℃にて2週間保存し(試験区)、残りの1袋は4℃にて2週間保存した(対照区)。保存後、各アルミパウチを開封し、試験区の錠剤について、対照区の錠剤と比較して、以下の基準により安定性を評価した。結果を表1に示す。なお、以下の評価基準において、−および±であれば、安定性がよいと判断した。
【0055】
(評価基準)
全ての錠剤に褐変が見られない : −
褐変が見られる錠剤が1個である : ±
褐変が見られる錠剤が2個〜4個である : +
全ての錠剤に褐変が見られる : ++
【0056】
(比較例1〜3)
安定化成分の代わりに、クエン酸を用いたこと以外は、実施例と同様の成分を用いて、表1に記載の割合で配合して3種類の錠剤を得た(錠剤11〜13)。得られた各錠剤について、上記実施例1〜10と同様の方法で嗜好性改善効果および含有されるプロアントシアニジンの安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
表1の結果から、実施例の錠剤(錠剤1〜10)は、比較例の錠剤(錠剤11〜13)に比べて、嗜好性改善効果が高い傾向にあり、かつ錠剤の褐変も少ないことがわかる。これらのことは、プロアントシアニジンに、安定化成分を組み合わせることによって、プロアントシアニジンの渋味および収斂味(嗜好性)が改善され、かつ安定性が高められることを示す。特に、松樹皮抽出物およびブドウ種子抽出物のいずれにおいても、安定化成分として、リンゴ酸を組み合わせることが、少量で嗜好性が改善され、かつ安定性が高められるため効率的であることがわかる(錠剤1および2)。実施例の松樹皮抽出物を4質量部含有する錠剤(錠剤1、3、5、および6)の中でも、特に、安定化成分として、リンゴ酸、還元パラチノース、またはソルビトールを用いた錠剤(錠剤1、5、および6)が、嗜好性改善効果に優れていた。さらに、実施例のプロアントシアニジンを多量(12質量部)含有する錠剤(錠剤7〜10)の中でも、特に、安定化成分として、リンゴ酸および還元パラチノースを併用した錠剤(錠剤9および10)が、嗜好性改善効果および安定性に優れていた。
【0059】
(実施例11〜14)
プロアントシアニジンとして、松樹皮抽出物、安定化成分として、リンゴ酸、酒石酸、および還元パラチノース、ならびにその他の成分として、還元麦芽糖、およびショ糖エステルを用いて、表2に記載の割合で配合して5種類の錠剤(250mg)を調製した(錠剤14〜17)。得られた各錠剤について、以下の(3)長期安定性試験を行って、長期安定性を評価した。
【0060】
(3)長期安定性試験
上記の各錠剤(錠剤14〜17)10錠ずつを、アルミパウチに5錠ずつ封入して2袋ずつのサンプルを作成した。そのうちの1袋を40℃にて2ヶ月間保存し(試験区)、残りの1袋は4℃にて2ヶ月間保存した(対照区)。保存後、上記の(2)安定性試験と同様の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
【0061】
(比較例4)
安定化成分の代わりに、クエン酸を用いたこと以外は、実施例と同様の成分を用いて、表2に記載の割合で配合して錠剤を得た(錠剤18)。得られた錠剤18について、上記の(3)長期安定性試験を行った。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】

【0063】
表2の結果から、本発明の組成物(錠剤)は、長期安定性に優れていることがわかる。特に、安定化成分として、リンゴ酸または酒石酸と還元パラチノースとを併用すると、より長期安定性に優れた組成物(錠剤)が得られることがわかる。一方、錠剤18(比較例4)の長期安定性は、悪いことがわかる。
【0064】
(実施例15〜20)
プロアントシアニジンの含有量の違いによる本発明の組成物の長期安定性を評価した。
【0065】
プロアントシアニジンとして、松樹皮抽出物を用い、安定化成分としてリンゴ酸と還元パラチノースとを併用し、そしてその他の成分として、ショ糖エステルを用いて、表3に記載の割合で配合して6種類の錠剤(250mg)を調製した(錠剤19〜24)。得られた各錠剤について、上記の(3)長期安定性試験と同様に試験を行い、同様の評価基準で評価した。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】

【0067】
表3の結果から、本発明の組成物(錠剤)中に、松樹皮抽出物が20質量%の割合で含有されていても、本発明の組成物(錠剤)は、安定性に優れていることがわかる。
【0068】
(実施例21〜26)
プロアントシアニジンとして、松樹皮抽出物を用い、安定化成分としてリンゴ酸と還元パラチノースとを併用し、そしてその他の成分として、ショ糖エステルおよびスクラロース(三栄原エフ・エフ・アイ株式会社)を用いて、表4に記載の割合で配合して6種類の錠剤(250mg)を調製した(錠剤25〜30)。得られた各錠剤を、25名の女性パネラーに試食させ、最も嗜好性がよいと感じた錠剤を1つだけ選択させた。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】

【0070】
表4の結果から、リンゴ酸を3質量%〜15質量%の割合となるように、本発明の組成物中に含有させると、嗜好性が向上する傾向にあることがわかる。なお、この評価では、最も嗜好性がよいと感じた錠剤を1つだけ選択しているので、選択した人数が少ない錠剤の嗜好性が悪いということではない。
【0071】
(実施例27〜33)
さらなる嗜好性の向上について検討するために、プロアントシアニジンとして、松樹皮抽出物を用い、安定化成分としてリンゴ酸と還元パラチノースとを併用し、そしてその他の成分として、ショ糖エステルおよびスクラロース、甘草抽出物(池田糖化工業株式会社)、マルトース(株式会社林原商事)、およびトレハロース(株式会社林原商事)を用いて、表5に記載の割合で配合して7種類の錠剤(250mg)を調製した(錠剤31〜37)。得られた各錠剤を、25名の女性パネラーに試食させ、最も嗜好性がよいと感じた錠剤を1つだけ選択させた。結果を表5に示す。
【0072】
【表5】

【0073】
表5の結果から、本発明の組成物(錠剤)は、スクラロースを用いると、より嗜好性が向上する傾向にあることがわかる。特に、スクラロースと甘草抽出物とを併用すると、さらに嗜好性が向上することがわかる。なお、この評価も、最も嗜好性がよいと感じた錠剤を1つだけ選択しているので、選択した人数が少ない錠剤の嗜好性が悪いということではない。
【0074】
(実施例34〜37)
プロアントシアニジンとして、松樹皮抽出物、安定化成分として、リンゴ酸および還元パラチノース、ならびにその他の成分として、還元麦芽糖、ショ糖エステル、スクラロース、および甘草抽出物を用いて、表6に記載の割合で粉末を調製した(粉末1〜4)。得られた粉末を用いて以下のようにして打錠性(錠剤に成形する効率)を評価した。
【0075】
得られた粉末(粉末1〜4)100gを、錠剤に成形した。成形後、得られた錠剤の質量を測定し、下記の式で打錠性を求めた。結果を表6に示す。
打錠性(%)=(得られた錠剤の質量)/(成形前の混合粉末の質量)×100
【0076】
(比較例5)
安定化成分を用いずに、松樹皮抽出物、還元麦芽糖、ショ糖エステル、スクラロース、および甘草抽出物を用いて、表6に記載の割合で粉末を調製した(粉末5)。得られた粉末5について、実施例34〜37と同様に打錠性を評価した。結果を表6に示す。
【0077】
【表6】

【0078】
表6の結果から、本発明の組成物を錠剤として用いる場合、調製した粉末を錠剤に成形し得る効率、すなわち打錠性に優れていることがわかる。特に、本発明の組成物中に安定化成分として還元パラチノースを25質量%、好ましくは25質量%〜83質量%の割合で含有すると、より優れた打錠性を示す。さらに、本発明の組成物(粉末)は、直打式の錠剤成形に、通常用いられる滑沢剤(二酸化ケイ素など)を用いなくても、優れた打錠性を有する。一方、粉末5(比較例5)を用いた場合の打錠性は、悪いことがわかる。
【0079】
(実施例38:錠剤の調製)
松樹皮抽出物(OPCを40質量%、カテキンを10質量%含有)、安定化成分(リンゴ酸ナトリウムおよびパラチノース)、および酸化防止剤(アスコルビン酸)を用いて、以下の錠剤を調製した。配合成分および配合量を以下に示す。本錠剤は、リンゴ酸ナトリウムおよびパラチノースのほかにアスコルビン酸を含有しているため、咀嚼しても収斂味が特に低減されており、嗜好性の改善効果が見られた。
【0080】
<錠剤の配合成分> 配合量(質量%)
松樹皮抽出物 20
リンゴ酸ナトリウム 20
パラチノース 20
アスコルビン酸 20
ビタミンミックス(日本香料薬品社製) 5
結晶セルロース 5
ショ糖エステル 4
二酸化ケイ素 1
卵殻カルシウム 5
【0081】
(実施例39:顆粒品の調製)
松樹皮抽出物(OPCを40質量%、カテキンを10質量%含有)および安定化成分(リンゴ酸および酒石酸)を用いて、以下の顆粒品(散剤)を調製した。配合成分および配合量を以下に示す。この散剤は、そのまま食しても水へ溶解しても嗜好性がよく、安定性にも優れていた。
【0082】
<顆粒品の配合成分> 配合量(質量%)
松樹皮抽出物 30
酒石酸 10
リンゴ酸 10
還元麦芽糖 30
難消化性デキストリン 10
トレハロース 10
【0083】
(実施例40:飲料の調製)
松樹皮抽出物(OPCを40質量%、カテキンを10質量%含有)および安定化成分(リンゴ酸)を用いて、以下の飲料を調製した。配合成分および配合量を以下に示す。
【0084】
<飲料の配合成分> 配合量(1Lあたり)
松樹皮抽出物 2g
リンゴ酸 2g
果糖ブドウ糖液糖 10g
レモン果汁 10g
クエン酸 2g
香料 150mg
グリシン 100mg
プロリン 100mg
アラニン 80mg
純水 残量
【0085】
(実施例41:ガムの調製)
松樹皮抽出物(OPCを40質量%、カテキンを10質量%含有)および安定化成分(リンゴ酸、還元パラチノース、およびソルビトール)を用いて、以下のガムを調製した。配合成分および配合量を以下に示す。このガムは、咀嚼後においても収斂味が低減されており、優れた嗜好性を有していた。
【0086】
<ガムの配合成分> 配合量(質量%)
松樹皮抽出物 5
リンゴ酸 1
還元パラチノース 40
ソルビトール 18
ガムベース 22
USPグリセリン 1
マルチトール 11
オレンジフレバー 2
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明のプロアントシアニジン含有組成物は、プロアントシアニジンと、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種とを含有する。この組成物は、含有されるプロアントシアニジンの安定性が高く、かつ経口摂取した際の渋味および収斂味(嗜好性)が改善されている。本発明の組成物は、食品、医薬品などとして好適に利用され、口腔内で溶解または崩壊させる剤型とする場合に特に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロアントシアニジンと、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種とを含有する、プロアントシアニジン含有組成物。
【請求項2】
プロアントシアニジンの安定性および嗜好性改善方法であって、
プロアントシアニジンに、リンゴ酸およびその誘導体、酒石酸およびその誘導体、パラチノース、還元パラチノース、およびソルビトールからなる群より選択される少なくとも1種を加える工程を包含する、方法。

【公開番号】特開2006−16390(P2006−16390A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162708(P2005−162708)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(398028503)株式会社東洋新薬 (182)
【Fターム(参考)】