説明

プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システム

【課題】 地面に残る痕跡等のリアルな画像を生成できるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムを提供する。
【解決手段】 オブジェクト空間を所与の視点から見た画像を生成するための画像生成システムである。オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトOB1と第2のモデルオブジェクトOB2とが接触する接触イベントが発生した場合に、第1のモデルオブジェクトOB1に設定された所与の基準面に対する第1のモデルオブジェクトOB1の表面の高さ情報が格子状に設定されたハイトマップデータを参照して、第1のモデルオブジェクトOB1の接触面に対応する格子点の高さ情報を取得し、取得された格子点の高さ情報に基づいて、第2のモデルオブジェクトOB2の接触面を構成する頂点群を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、キャラクタなどのオブジェクトが配置設定されるオブジェクト空間(仮想的な3次元空間)において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像を生成する画像生成システム(ゲームシステム)が知られており、いわゆる仮想現実を体験できるものとして人気が高い。
【0003】
このような画像生成システムでは、プレーヤの仮想現実感を高めるために、例えばタイヤや靴底などのように複雑な凹凸を有するオブジェクトが地面に残す痕跡についてもリアルに表現できることが望ましい。
【0004】
しかしながら従来の技術では、例えば地面にタイヤ痕を表現する場合に、痕跡画像をテクスチャマッピングしたり、法線ベクトルに基づいて陰影を表すシェーディングなどで表現したりしていたが、タイヤの溝の凹凸が十分に反映されず、立体感に欠けていた。
【特許文献1】特開2000−298733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、地面に残る痕跡等のリアルな画像を生成できるプログラム、情報記憶媒体及び画像生成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)オブジェクト空間を所与の視点から見た画像を生成するためのプログラムであって、前記オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生したか否かを判定する接触イベント判定部と、前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第1のモデルオブジェクトと接触する前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる頂点シェーダ部と、を含み、前記第1のモデルオブジェクトには所与の基準面が設定され、かつハイトマップデータによって前記基準面に対する前記第1のモデルオブジェクトの表面の高さ情報が格子状に設定されており、前記頂点シェーダ部が、前記ハイトマップデータを参照して前記第2のモデルオブジェクトと接触した前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応する格子点の高さ情報を取得し、取得された格子点の高さ情報に基づいて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる画像生成システムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0007】
本発明では、第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生した場合に、第2のモデルオブジェクトに残る第1のモデルオブジェクトの痕跡を、第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させることにより表現する。すなわち本発明によれば、第1のモデルオブジェクトの接触面の形状(凹凸)を第2のモデルオブジェクトの接触面の形状(凹凸)に反映させて、モデルオブジェクト間の接触痕跡をリアルに表現した画像を生成することができる。
【0008】
(2)また本発明の画像生成システムでは、前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第2のモデルオブジェクトを構成する新たな頂点を生成し、頂点の数を増加させる頂点生成部を含み、前記頂点シェーダ部が、前記頂点生成部で生成された新たな頂点を含む前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を、前記第2のモデルオブジェクトの接触面が前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応して陥没するように移動させてもよい。また本発明のプログラム及び情報記憶媒体では、上記頂点生成部及び頂点シェーダ部としてコンピュータを機能させてもよい。
【0009】
このようにすれば、第2のモデルオブジェクトの精細度(詳細度)が低い場合であっても、新たな頂点を生成して、第2のモデルオブジェクトを構成する頂点の数を増やすことによりモデルオブジェクト間の接触痕跡を詳細に表現することができるようになる。
【0010】
(3)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記頂点生成部が、前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第2のモデルオブジェクトの接触面に対してのみ新たな頂点を生成してもよい。
【0011】
このようにすれば、頂点群を移動させる必要がある接触面に対応する部分にだけ新たな頂点を生成することにより、局所的に第2のモデルオブジェクトの精細度を向上させることができる。これによって、画像生成処理における演算負荷を軽減し、メモリの使用量を節約することができる。
【0012】
(4)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記頂点生成部が、前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から第1の距離範囲にある場合に限って、前記第2のモデルオブジェクトに対して新たな頂点を生成してもよい。
【0013】
このようにすれば、モデルオブジェクト同士の接触位置が視点からある特定の距離範囲に存在している場合に限って新たな頂点を生成して詳細な接触痕跡を表現することができる。例えば、接触位置が近い場合にだけ新たな頂点を生成するようにしてもよい。これにより画像生成処理における演算負荷を軽減し、メモリの使用量を節約することができる。
【0014】
(5)また本発明の画像生成システムでは、互いに精細度が異なる複数の第2のモデルオブジェクト用モデルデータについて、前記視点と前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置との距離に応じて、前記頂点シェーダ部に取得させる前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータを変更するモデルデータ変更部を含んでいてもよい。また本発明のプログラム及び情報記憶媒体では、上記モデルデータ変更部としてコンピュータを機能させてもよい。
【0015】
この態様では、予め第2のモデルオブジェクトを定義するモデルデータとして精細度(詳細度)の異なるデータを複数用意しておく。そして、モデルオブジェクト同士の接触位置と視点との距離(位置関係)に応じて、第2のモデルオブジェクトを定義するモデルデータを変更する(切り替える)。
【0016】
このようにすれば、モデルオブジェクト同士の接触位置と視点との距離に応じて適切な精細度で接触痕跡を表現した画像を生成することができる。なお、モデルデータの変更は、第2のモデルオブジェクトを構成する頂点群の一部又は全部について行うことができる。
【0017】
(6)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記モデルデータ変更部が、前記視点と前記接触位置との距離が近いほど、精細度の高い前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータを前記頂点シェーダ部に取得させてもよい。
【0018】
このようにすれば、モデルオブジェクト同士の接触位置が視点から近い場合には、高い精細度のモデルデータを用いて詳細に接触痕跡を表現し、接触位置が視点から遠い場合には、低い精細度のモデルデータを用いて接触痕跡を簡略化して表現することができる。
【0019】
(7)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記モデルデータ変更部が、前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から第1の距離範囲にある場合に限って、精細度の低い前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータに代えて精細度の高い前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータを前記頂点シェーダ部に取得させてもよい。
【0020】
このようにすれば、モデルオブジェクト同士の接触イベントがある特定の距離範囲内で発生した場合にのみ、第2のモデルオブジェクトのモデルデータを変更すればよいため、画像生成処理における演算負荷の軽減やメモリの使用量の節約を図ることができる。
【0021】
(8)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記頂点シェーダ部が、前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から前記第1の距離範囲よりも遠い第2の距離範囲にある場合には、前記第1のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群の各頂点の法線ベクトルの逆ベクトルを、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群の各頂点の法線ベクトルとして設定してもよい。
【0022】
この態様では、接触位置が視点から第1の距離範囲よりも遠い第2の距離範囲にある場合には、第2のモデルオブジェクトの接触面に残る第1のモデルオブジェクトの痕跡を、第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群に設定される法線ベクトルを変更することによって行う。すなわち視点からある程度離れた距離範囲で接触イベントが発生した場合には、いわゆるバンプマッピングあるいは法線マッピングと呼ばれる手法を用いてモデルオブジェクト同士の接触痕跡を表現する。従って、モデルオブジェクトの頂点を移動するという演算負荷の高い処理を行わずに済むため、画像生成処理の処理速度の向上を図ることができる。
【0023】
(9)また本発明の画像生成システムでは、前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から前記第2の距離範囲よりも遠い第3の距離範囲にある場合には、前記第2のモデルオブジェクトの接触面に対して痕跡表現用画像をテクスチャマッピングするピクセルシェーダ部を含んでいてもよい。また本発明のプログラム及び情報記憶媒体では、上記ピクセルシェーダ部としてコンピュータを機能させてもよい。
【0024】
ピクセルシェーダ部では、テクスチャ(画像)を読み込んで、テクセルとピクセルとの対応付けを行って、表示画面の各ピクセルの色を決定するテクスチャマッピングを行う。すなわち、視点から十分に離れた位置で接触イベントが発生するような場合には、痕跡表現用画像をテクスチャマッピングの手法を用いて簡便にモデルオブジェクト同士の接触痕跡を表現することができる。
【0025】
(10)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記頂点シェーダ部が、前記第1のモデルオブジェクトの移動情報に応じて、格子点に設定された高さ情報が異なる複数のハイトマップデータを切り替えて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させてもよい。
【0026】
第1のモデルオブジェクトの移動情報とは、第2のモデルオブジェクトと接触するときの第1のモデルオブジェクトの移動速度、第1のモデルオブジェクトが第2のモデルオブジェクトと接触するときの接触角度、あるいは第2のモデルオブジェクトの表面からの進入距離などを含む情報である。このようにすれば、第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとの接触状態に応じた痕跡をリアルに表現した画像を生成することができる。
【0027】
(11)また本発明の画像生成システム、プログラム及び情報記憶媒体では、前記頂点シェーダ部が、前記第2のモデルオブジェクトについて設定されたマテリアル情報に応じて、接触面の範囲が異なる複数のハイトマップデータを切り替えて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させてもよい。
【0028】
第2のモデルオブジェクトのマテリアル情報とは、第2のモデルオブジェクトの材質が硬いものであるか、あるいは軟らかいものであるかを示す情報である。このようにすれば、例えば、第2のモデルオブジェクトの接触面が硬い材質である場合には、変形の度合いが少ないため、接触面の範囲が狭いハイトマップデータを用い、また第2のモデルオブジェクトの接触面が軟らかい材質である場合には、変形の度合いが大きいため、接触面の範囲が広いハイトマップデータを用いることによって、モデルオブジェクト同士の接触痕跡をリアルに表現することができる。
【0029】
(12)また本発明の画像生成システムでは、前記接触イベント判定部が、前記第1のモデルオブジェクトについて設定された第1のヒットチェック領域と前記第2のモデルオブジェクトについて設定された第2のヒットチェック領域との位置関係に基づいて、前記第1のヒットチェック領域と前記第2のヒットチェック領域とがオーバーラップする位置関係であるときに前記接触イベントが発生したと判定する場合に、前記頂点シェーダ部により前記第1のモデルオブジェクトと接触した前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群が移動された場合に、移動後の頂点位置に基づいて前記第2のヒットチェック領域を再設定するヒットチェック領域設定部を含んでいてもよい。また本発明のプログラム及び情報記憶媒体では、上記接触イベント判定部及びヒットチェック領域設定部としてコンピュータを機能させてもよい。
【0030】
このようにすれば、接触痕跡の残る第2のモデルオブジェクトに別のモデルオブジェクトが接触した場合に、接触痕跡の影響を反映したヒットチェックを行うことができ、現実に即した移動・動作シミュレーションを行うことができる。
【0031】
(13)また本発明は、オブジェクト空間を所与の視点から見た画像を生成するための画像生成システムであって、前記オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生した場合に、前記第1のモデルオブジェクトに設定された所与の基準面に対する前記第1のモデルオブジェクトの表面の高さ情報が格子状に設定されたハイトマップデータを参照して、前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応する格子点の高さ情報を取得し、取得された格子点の高さ情報に基づいて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる頂点シェーダ部としてコンピュータを機能させる画像生成システムに関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0032】
本発明によれば、第1のモデルオブジェクトの接触面の形状(凹凸)を第2のモデルオブジェクトの接触面の形状(凹凸)に反映させて、モデルオブジェクト間の接触痕跡をリアルに表現した画像を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0034】
1.構成
図1に本実施形態の画像生成システム(ゲームシステム)の機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態の画像生成システムは図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0035】
操作部160は、プレーヤがプレーヤオブジェクト(プレーヤが操作するプレーヤキャラクタ)の操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
【0036】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0037】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0038】
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。通信部196は外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0039】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0040】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。この処理部100は記憶部170内の主記憶部171をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0041】
処理部100は、オブジェクト空間設定部111、移動・動作処理部112、仮想カメラ制御部113、接触イベント判定部114、ヒットチェック領域設定部115、接触位置判定部116、モデルデータ変更部117、画像生成部120、音生成部130を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0042】
オブジェクト空間設定部111は、キャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種モデルオブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェイスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのモデルオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でモデルオブジェクトを配置する。
【0043】
移動・動作処理部112は、モデルオブジェクト(キャラクタ、車、又は飛行機等)の移動・動作演算(移動・動作シミュレーション)を行う。即ち操作部160によりプレーヤが入力した操作データや、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、モデルオブジェクトをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させる処理を行う。具体的には、モデルオブジェクトの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(各パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、モデルオブジェクトの移動・動作処理(シミュレーション処理)や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0044】
仮想カメラ制御部113は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
【0045】
例えば仮想カメラによりモデルオブジェクト(例えばキャラクタ、ボール、車)を後方から撮影する場合には、モデルオブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。この場合には、移動・動作処理部112で得られたモデルオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0046】
接触イベント判定部114は、オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生したか否かを判定する。具体的には、第1のモデルオブジェクトについて設定された第1のヒットチェック領域と第2のモデルオブジェクトについて設定された第2のヒットチェック領域との位置関係に基づいて、ヒットチェック(ヒット判定処理)を行い、第1のヒットチェック領域と第2のヒットチェック領域とがオーバーラップする位置関係であるときに接触イベントが発生したと判定する。
【0047】
なお接触イベントは、所与の条件が満たされたことによりプログラムに従って発生するものであってもよいし、プレーヤのキャラクタ操作などによりキャラクタモデルオブジェクトを移動させるなどしてプレーヤの意思に基づき発生させることができるものであってもよい。
【0048】
ヒットチェック領域設定部115は、後述する頂点シェーダ部124により第1のモデルオブジェクトと接触した第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群が移動された場合に、移動後の頂点位置に基づいて、第2のモデルオブジェクトについて設定されていた第2のヒットチェック領域を再設定(更新)する。このようにすれば、接触痕跡が残った第2のモデルオブジェクトに別のモデルオブジェクトが接触した場合に、接触痕跡の影響を反映したヒットチェックを行うことができ、現実に即した移動・動作シミュレーションを行うことができる。
【0049】
接触位置判定部116は、接触イベント判定部114において接触イベントが発生したと判定された場合に、第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとの接触位置が仮想カメラ(視点)に対してどのような距離範囲(第1の距離範囲、第2の距離範囲、あるいは第3の距離範囲)に存在するかを判定する。
【0050】
モデルデータ変更部117は、互いに精細度が異なる複数の第2のモデルオブジェクト用モデルデータについて、視点とモデルオブジェクト同士の接触位置との距離に応じて、後述する頂点シェーダ部124に取得させる第2のモデルオブジェクト用モデルデータを変更する処理を行う。具体的には、予め第2のモデルオブジェクトを定義するモデルデータとして精細度(詳細度)の異なる複数種類のデータが用意されており、各モデルデータは、モデルデータ記憶部177に記憶されている。そして、モデルオブジェクト同士の接触位置と視点との距離(位置関係)に応じて、第2のモデルオブジェクトを定義するモデルデータを変更する(切り替える)。すなわち視点と接触位置との距離が近いほど、精細度の高い第2のモデルオブジェクト用モデルデータを頂点シェーダ部124に取得させる。
【0051】
なお、モデルデータ変更部117は、モデルオブジェクト同士の接触位置が視点から第1の距離範囲にある場合に限って、精細度の低い第2のモデルオブジェクト用モデルデータ(元モデルデータ)に代えて、(元モデルデータよりも)精細度の高い第2のモデルオブジェクト用モデルデータを頂点シェーダ部124に取得させるようにしてもよい。例えば、第1の距離範囲を視点から近い範囲で設定しておけば、詳細な表現が必要な視点に近い位置において接触イベントが発生した場合だけ第2のモデルオブジェクト用モデルデータを精細度の高いデータに変更すればよいため、演算負荷を軽減して、メモリを効率よく使用することができる。
【0052】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。いわゆる3次元ゲーム画像を生成する場合には、まず頂点リストが入力され、入力された頂点リストに基づいて、頂点処理が行われる。なお頂点処理を行う前に、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うこともできる。頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、あるいは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、モデルオブジェクトを構成する頂点群についての頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この頂点データに基づいて、表示画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理が行われる。ピクセル処理では、テクスチャの読出し、シェーディング、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を経由して最終的なピクセルの描画色を決定し、透視変換されたモデルオブジェクトの描画色をフレームバッファ173(ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に出力(描画)する。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(フレーム画像)が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるようにフレーム画像を生成する。
【0053】
画像生成部120は、頂点生成部122、頂点シェーダ部124、ピクセルシェーダ部126を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0054】
頂点生成部122は、接触イベント判定部114において接触イベントが発生したと判定された場合に、第2のモデルオブジェクトを構成する頂点の数を増加させる新たな頂点を生成する処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行う。具体的には、第2のモデルオブジェクトを構成する頂点群の各頂点間に新たな頂点を生成することにより第2のモデルオブジェクトを構成する頂点の数を増加させる処理を行う。
【0055】
このとき頂点生成部122が、第2のモデルオブジェクトの接触面に対してのみ新たな頂点を生成するようにしてもよい。このようにすれば、局所的に第2のモデルオブジェクトの精細度を向上させることができる。
【0056】
また頂点生成部122が、第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が視点から第1の距離範囲にある場合に限って、第2のモデルオブジェクトに対して新たな頂点を生成するようにしてもよい。このようにすれば、モデルオブジェクト同士の接触位置が視点からある特定の距離範囲に存在している場合に限って新たな頂点を生成して詳細な接触痕跡を表現することができる。
【0057】
頂点シェーダ部124は、接触イベント判定部114において接触イベントが発生したと判定された場合に、頂点シェーダプログラムによって第1のモデルオブジェクト(キャラクタ、ボール、車など)と接触する第2のモデルオブジェクト(地形、建物など)の接触面を構成する頂点群を移動させる処理を行う。具体的には、第1のモデルオブジェクトには基準面が設定され、かつハイトマップテクスチャ(広義には、ハイトマップデータ)によって基準面に対する第1のモデルオブジェクトの表面の高さ情報がテクセルによって格子状に設定されており、そのハイトマップテクスチャがテクスチャ記憶部175に記憶されている。ハイトマップテクスチャは、グレースケール画像により設定することもできるし、単一の色成分画像(R成分画像、G成分画像、B成分画像)により設定してもよい。またハイトマップテクスチャでは、法線ベクトルの正弦成分や余弦成分、あるいはα値などの各種画像情報を高さ情報として設定(定義)してもよい。また高さ情報は、第1のモデルオブジェクトを構成する頂点で形成されるプリミティブ面の形状を表すものでなくてもよく、仮想的に第1のモデルオブジェクトの表面形状として設定されるものであってもよい。例えば、車のタイヤについては、タイヤ溝を有しない円柱状(あるいは多角柱状)のモデルオブジェクトにタイヤ溝を表すテクスチャ画像を貼り付けて表現しておくが、実際の溝の凹凸を表す高さ情報は、別途ハイトマップテクスチャで定義(設定)することができる。
【0058】
そして頂点シェーダ部124は、ハイトマップテクスチャを参照して前記第2のモデルオブジェクトと接触した第1のモデルオブジェクトの接触面の頂点群に対応するテクセル(格子点)に設定された高さ情報を表すテクセル値を取得し、取得されたテクセル値(格子点の高さ情報)に基づいて、第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる処理を行う。
【0059】
また頂点生成部122で第2のモデルオブジェクトに対して新たな頂点が生成された場合には、頂点シェーダ部124は、生成された新たな頂点を含む第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を、第2のモデルオブジェクトの接触面が第1のモデルオブジェクトの接触面に対応して陥没するように移動させる処理を行う。これにより詳細に接触痕跡を表現することができる。
【0060】
また頂点シェーダ部124は、モデルオブジェクト同士の接触位置が視点から第1の距離範囲内にある場合には、頂点生成部122で生成された新たな頂点を含む頂点群を移動させる処理を行うが、接触位置が視点から第1の距離範囲よりも遠い第2の距離範囲にある場合には、第1のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群の各頂点の法線ベクトルの逆ベクトルを、第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群の各頂点の法線ベクトルとして設定する法線マッピングあるいはバンプマッピングを行う。このように、詳細な表現が必要となる、視点から近い距離範囲内で接触イベントが発生した場合に限って、頂点の移動処理を行うようにすることによって、演算負荷を軽減し、処理速度を向上させることができる。
【0061】
また頂点シェーダ部124は、第1のモデルオブジェクトの移動情報、第2のモデルオブジェクトについて設定されたマテリアル情報、あるいは第1のモデルオブジェクトが第2のモデルオブジェクトに対して与える荷重に応じて、格子点に設定された高さ情報及び接触面の範囲の少なくとも一方が異なる複数のハイトマップテクスチャ(広義には、ハイトマップデータ)を切り替えて、適切なハイトマップテクスチャを用いて第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる処理を行うことができる。
【0062】
ピクセルシェーダ部126は、テクスチャ記憶部175に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をモデルオブジェクトにマッピングするための処理を行う。具体的には、モデルオブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いてテクスチャ記憶部175からテクスチャ(色、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像又はパターンであるテクスチャをモデルオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理やバイリニア補間(テクセル補間)などを行う。
【0063】
そして本実施形態では、ピクセルシェーダ部126が、接触位置判定部116においてモデルオブジェクト同士の接触位置が仮想カメラから第1及び第2の距離範囲よりも遠い第3の距離範囲にあると判定された場合に、痕跡が残る第2のモデルオブジェクトの接触面に対して痕跡表現用画像(痕跡表現用テクスチャ)をテクスチャ記憶部175から読み出してテクスチャマッピングする。
【0064】
ここで先に述べた頂点シェーダ部124やピクセルシェーダ部126は、シェーディング言語によって作られたシェーダプログラムによって、ポリゴンの描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダの一種である。プログラマブルシェーダでは、先に述べた頂点処理やピクセル処理がプログラム可能になることでポリゴン描画の処理内容の自由度が高く、従来のハードウェアにおける固定的な処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0065】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0066】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0067】
2.本実施形態の手法
2.1 ハイトマップを用いた接触痕跡の表現手法
本実施形態では、高さ情報をテクセル(格子点)に設定したハイトマップ画像(ハイトマップテクスチャと同義、広義にはハイトマップデータ)を用いて、第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触した場合の接触痕跡の表現を行っている。
【0068】
具体的な例として図2〜図4に示すように、地形オブジェクトOB2(第2のモデルオブジェクト)に球体オブジェクトOB1(第1のモデルオブジェクト)が衝突した後に飛び跳ねる場合を考える。この場合、図4に示すように、地形オブジェクトOB2には接触した球体オブジェクトOB1の形状に対応した痕跡が残る。
【0069】
本実施形態では、例えば図5(A)に示すように、グレースケール画像のテクセルの輝度を、球体オブジェクトOB1に設定された基準面からの高さ情報として設定したハイトマップ画像を用いて、球体オブジェクトOB1と接触した地形オブジェクトOB2の接触面(衝突面)を構成する頂点群を移動させて痕跡を表現する。図5(A)に示すハイトマップ画像では、テクセルが明るい色であるほど(輝度が高いほど)、基準面からの高さが高くなるように高さ情報が設定されている。高さ情報を設定するための基準面は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。例えば図6(A)に示すように平面の基準面を設定した場合には、オブジェクトの形状に対応した高さ情報を設定することができる。また例えば、図6(B)に示すように曲面の基準面を設定した場合には、オブジェクトの表面の凹凸をより詳細に反映できる高さ情報を設定することができる。
【0070】
またハイトマップ画像は、地形オブジェクトOB2のマテリアル情報や球体オブジェクトOB1の移動情報などに応じて複数種類用意しておき、状況に応じて使用するハイトマップ画像を切り替えるようにすることが望ましい。例えば図7(A)では、地形オブジェクトOB2が硬い材質である場合や、球体オブジェクトOB1の移動速度がゆっくりである場合に適したハイトマップ画像が示されている。すなわち、地形オブジェクトOB2が硬い材質である場合や、球体オブジェクトOB1の移動速度がゆっくりである場合には、地形オブジェクトOB2の変形の度合いは小さくなるはずである。そこで、図7(A)では、地形オブジェクトOB2の痕跡の範囲を狭くするとともに、痕跡の深さを浅くなるように高さ情報を分布させてある。また例えば図7(B)では、地形オブジェクトOB2が軟らかい材質である場合や、球体オブジェクトOB1の移動速度が速い場合に適したハイトマップ画像が示されている。すなわち、地形オブジェクトOB2が軟らかい材質である場合や球体オブジェクトOB1の移動速度が速い場合には、地形オブジェクトOB2の変形の度合いは大きくなるはずである。そこで図7(B)では、地形オブジェクトOB2の痕跡の範囲を広くするとともに、痕跡の深さを深くなるように高さ情報を分布させてある。またその他の例としては、タイヤ痕を表現するような場合に、車がカーブしている場合において内輪のタイヤと外輪のタイヤとで高さ情報の異なるハイトマップ画像を使用するようにしてもよい。車がカーブしている場合には、内輪に大きな荷重がかかるため、内輪のタイヤ痕を表現するためのハイトマップ画像は、外輪のタイヤ痕を表現するためのハイトマップ画像よりも地形を深く変形させるように高さ情報を設定しておくことが望ましいといえる。
【0071】
そして本実施形態では、ハイトマップ画像のテクセルに設定された高さ情報に基づいて、地形オブジェクトOB2の接触面を構成する頂点群を陥没させるように移動させることで痕跡をリアルに表現することができる。
【0072】
具体的には、図8(A)に示すように、球体オブジェクトOB1のヒットチェック領域HC1(第1のヒットチェック領域)と地形オブジェクトOB2のヒットチェック領域HC2(第2のヒットチェック領域)とがオーバーラップし、接触イベント(衝突イベント)が発生したときに、接触時における球体オブジェクトOB1の移動情報及び地形オブジェクトOB2のマテリアル情報に応じたハイトマップ画像が読み出される。このとき地形オブジェクトOB2の頂点数が不十分である場合には、図8(B)に示すように、頂点の間に新たな頂点を生成してポリゴンを分割しておく。そしてハイトマップ画像を参照することにより取得された高さ情報から頂点の移動量を求め、地形オブジェクトOB2の接触面の頂点座標(頂点位置)に求められた移動量を減算処理(あるいは加算処理)して移動後の頂点座標を求める。そして、図8(C)に示すように、求められた頂点座標の位置へ新たに生成された頂点を含む地形オブジェクトOB2の接触面を構成する頂点群の各頂点を移動させる。これにより図4に示すような球体オブジェクトOB1との接触痕跡を地形オブジェクトOB2に表現することができる。
【0073】
なお地形オブジェクトOB2の接触面を構成する頂点群を移動した場合には、変形後のモデルに合わせてヒットチェックが行われることが望ましい。そこで、本実施形態では、図9に示すように、接触イベントの発生後において地形オブジェクトOB2のヒットチェック領域を再設定する手法を採用する。具体的には、頂点を移動させた後の各頂点の位置(頂点座標)に基づいてヒットチェック領域を再設定する。これにより痕跡の残った地形オブジェクトOB2に他のモデルオブジェクトが接触した場合に、現実の世界に即した移動・動作シミュレーションを行うことが可能となる。
【0074】
また本実施形態の接触痕跡の表現手法は、離れた位置にあるモデルオブジェクト同士が接近して接触する場合に限られず、モデルオブジェクト同士が接触しながら接触部分が広がっていくような場面にも適用することができる。例えば、図10(A)及び図10(B)に示すように、球体オブジェクトOB1(第1のモデルオブジェクト)が雪面オブジェクトOB2(第2のモデルオブジェクト)の上を転がっていくような場合に、球体オブジェクトOB1が転がったときに雪面オブジェクトOB2に残る痕跡を表現する場合に適用することができる。このほかに車のタイヤ痕の表現などにおいても同様である。
【0075】
2.2 仮想カメラからの距離に応じた接触痕跡の表現手法
本実施形態では、モデルオブジェクト同士の接触位置と仮想カメラ(視点)との距離(位置関係)に応じて接触痕跡を表現するための処理を切り替える手法を採用している。
【0076】
具体的には、図11に示すように、仮想カメラVCから見える画像を生成する際に用いられる前方クリッピング面と後方クリッピング面との間を奥行き方向において分割して第1〜第3の距離範囲R1〜R3を予め設定しておく。
【0077】
第1の距離範囲R1では、仮想カメラVCからの距離が近いため、詳細に表現することが望ましい。そこで、図12(A)に示すように、第1の距離範囲R1内において接触イベントが発生した場合には、ハイトマップ画像を用いて、球体オブジェクトOB1(第1のモデルオブジェクト)と接触した地形オブジェクトOB2(第2のモデルオブジェクト)の接触面を構成する頂点群を移動させることにより、接触痕跡を表現する。そして、この場合には、第1の距離範囲R1において頂点数を増加させるために、新たな頂点を生成する処理を行うか、あるいは精細度(詳細度)の高いモデルデータに切り替える(変更する)処理を行って、地形オブジェクトOB2の接触面を構成する頂点群を移動させる処理を行う。
【0078】
また第2の距離範囲R2では、仮想カメラVCからある程度離れているため、第1の距離範囲R1ほど詳細に表現しなくても人間の目には不自然に映らない。このため図12(B)に示すように、第2の距離範囲R2内において接触イベントが発生した場合には、法線マッピング(バンプマッピング)によって、地形オブジェクトOB2に残る接触痕跡を表現する。この場合には、第1の距離範囲R1と比べると、地形オブジェクトOB2の精細度(詳細度)が高くなっている必要はないため、第1の距離範囲R1よりも少ない頂点数となるように新たな頂点を生成するか、あるいは第1の距離範囲R1で用いられるモデルデータよりも精細度の低いモデルデータに切り替える処理を行って、地形オブジェクトOB2の接触面に対して球体オブジェクトOB1の法線ベクトル情報を利用した法線マッピングを行う。具体的には、図13に示すように、地形オブジェクトOB2の接触面に対応する球体オブジェクトOB1の接触面の法線ベクトルVob1の逆ベクトルVob1´をテクスチャ化した法線マップを用意して、逆ベクトルVob1´を地形オブジェクトOB2の接触面を構成する各頂点の法線ベクトルとして設定することにより、ベクトルVob1´に基づいて求められた輝度基づく陰影で接触痕跡をあたかも実際に陥没しているかのように表現することができる。
【0079】
また第3の距離範囲R3では、仮想カメラVCから十分に離れているため、接触痕跡をリアルに表現しなくても、画像の粗さは気にならない。このため、図12(C)に示すように、第3の距離範囲R3内において接触イベントが発生した場合には、痕跡表現用画像を用意しておき、それを一般的なテクスチャマッピングの手法で地形オブジェクトOB2の接触面に貼り付ける。このようにしても、仮想カメラVCから十分に離れているため、画像品質の低下を感じさせることはない。
【0080】
このように本実施形態の手法では、モデルオブジェクト同士の接触位置と仮想カメラとの位置関係に応じて頂点を移動させて詳細に接触痕跡を表現する手法と、法線マッピングや一般的なテクスチャマッピングで簡略化して接触痕跡を表現する手法とを切り替えることによって、画像品質の劣化を画像を見る者に感じさせずに、演算負荷の軽減あるいは処理速度の向上を図ることができる。
【0081】
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態の詳細な処理例について図14及び図15のフローチャートを用いて説明する。
【0082】
図14に示すように、まずフレーム更新(1/60秒)更新のタイミングか否かを判断する(ステップS10)。そしてフレーム更新のタイミングである場合には(ステップS10でY)、第1のモデルオブジェクトOB1と第2のモデルオブジェクトOB2とが接触したか否かを判断する(ステップS11)。具体的には、図8(A)で説明したように、第1のモデルオブジェクトOB1に対して設定された第1のヒットチェック領域HC1と第2のモデルオブジェクトOB2に対して設定された第2のヒットチェック領域HC2とがオーバーラップしたかどうかで判断する。モデルオブジェクト同士が接触したと判断された場合には(ステップS11でY)、接触フラグをONにする(ステップS12)。なお、モデルオブジェクト同士が接触していないと判断された場合には、ステップS12を介さずにステップS13以下の処理へ移行する。
【0083】
次に、頂点シェーダ用及びピクセルシェーダ用のシェーダプログラムの転送とシェーダプログラムを実行して描画処理行うために必要な各種パラメータの設定及び転送を行う(ステップS13、ステップS14)。そして、各モデルオブジェクトOB1、OB2の頂点リストを頂点シェーダへ転送し(ステップS15)、ステップS13で転送した頂点シェーダプログラムを実行する(ステップS16)。
【0084】
頂点シェーダでは、図15に示すフローチャートに沿って頂点処理を行う。まず接触フラグを確認し(ステップS20)、接触フラグがONである場合には(ステップS20でY)、図8(B)で説明したように、接触範囲内において新たな頂点を生成し、第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点の数を増加させてポリゴンを細分割する(ステップS21)。次に生成した頂点を含む接触面を構成する頂点群を、図8(C)で説明したように、ハイトマップ画像を参照して得た高さ情報(テクセル値)に従って移動させる(ステップS22)。次に、透視変換等のジオメトリ処理によって、頂点座標の変換処理により各モデルオブジェクトを構成する頂点のスクリーン座標を計算する(ステップS23)。このときモデルオブジェクトにマッピングされるテクスチャのテクスチャ座標の設定なども行われる。最終的には、作成された頂点データをピクセルシェーダに転送して頂点シェーダプログラムを終了する。
【0085】
再び図14のフローチャートに戻って、頂点シェーダプログラムの実行が完了すると、頂点シェーダから転送される頂点データに基づいて、ピクセルシェーダプログラムが実行され、ピクセルシェーダは、テクスチャマッピングなどを行って表示画像のピクセルの色を決定し、その色データをフレームバッファに出力してモデルオブジェクトの描画処理を行う(ステップS17)。
【0086】
4.ハードウェア構成
図16に本実施形態を実現できるハードウェア構成の例を示す。メインプロセッサ900は、DVD982(情報記憶媒体。CDでもよい。)に格納されたプログラム、通信インターフェース990を介してダウンロードされたプログラム、或いはROM950に格納されたプログラムなどに基づき動作し、ゲーム処理、画像処理、音処理などを実行する。コプロセッサ902は、メインプロセッサ900の処理を補助するものであり、マトリクス演算(ベクトル演算)を高速に実行する。例えばオブジェクトを移動させたり動作(モーション)させる物理シミュレーションに、マトリクス演算処理が必要な場合には、メインプロセッサ900上で動作するプログラムが、その処理をコプロセッサ902に指示(依頼)する。
【0087】
ジオメトリプロセッサ904は、メインプロセッサ900上で動作するプログラムからの指示に基づいて、座標変換、透視変換、光源計算、曲面生成などのジオメトリ処理を行うものであり、マトリクス演算を高速に実行する。データ伸張プロセッサ906は、圧縮された画像データや音データのデコード処理を行ったり、メインプロセッサ900のデコード処理をアクセレートする。これにより、オープニング画面やゲーム画面において、MPEG方式等で圧縮された動画像を表示できる。
【0088】
描画プロセッサ910は、ポリゴンや曲面などのプリミティブ面で構成されるオブジェクトの描画(レンダリング)処理を実行する。オブジェクトの描画の際には、メインプロセッサ900は、DMAコントローラ970を利用して、描画データを描画プロセッサ910に渡すと共に、必要であればテクスチャ記憶部924にテクスチャを転送する。すると描画プロセッサ910は、描画データやテクスチャに基づいて、Zバッファなどを利用した隠面消去を行いながら、オブジェクトをフレームバッファ922に描画する。また描画プロセッサ910は、αブレンディング(半透明処理)、デプスキューイング、ミップマッピング、フォグ処理、バイリニア・フィルタリング、トライリニア・フィルタリング、アンチエイリアシング、シェーディング処理なども行う。頂点シェーダやピクセルシェーダなどのプログラマブルシェーダが実装されている場合には、シェーダプログラムに従って、頂点データの作成・変更(更新)やピクセル(あるいはフラグメント)の描画色の決定を行う。1フレーム分の画像がフレームバッファ922に書き込まれるとその画像はディスプレイ912に表示される。
【0089】
サウンドプロセッサ930は、多チャンネルのADPCM音源などを内蔵し、BGM、効果音、音声などのゲーム音を生成し、スピーカ932を介して出力する。ゲームコントローラ942やメモリカード944からのデータはシリアルインターフェース940を介して入力される。
【0090】
ROM950にはシステムプログラムなどが格納される。業務用ゲームシステムの場合にはROM950が情報記憶媒体として機能し、ROM950に各種プログラムが格納される。なおROM950の代わりにハードディスクを利用してもよい。RAM960は各種プロセッサの作業領域となる。DMAコントローラ970は、プロセッサ、メモリ間でのDMA転送を制御する。DVDドライブ980(CDドライブでもよい。)は、プログラム、画像データ、或いは音データなどが格納されるDVD982(CDでもよい。)にアクセスする。通信インターフェース990はネットワーク(通信回線、高速シリアルバス)を介して外部との間でデータ転送を行う。
【0091】
なお本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。
【0092】
そして本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。より具体的には、上記プログラムが、ハードウェアである各プロセッサ902、904、906、910、930に処理を指示すると共に、必要であればデータを渡す。そして、各プロセッサ902、904、906、910、930は、その指示と渡されたデータとに基づいて本発明の各部の処理を実現する。
【0093】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語(仮想カメラ、距離、ピクセル、法線マッピング、ハイトマップ画像(ハイトマップテクスチャ)、精細度など)として引用された用語(視点、位置関係、フラグメント、バンプマッピング、ハイトマップデータ、詳細度など)は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。また接触痕跡の表現手法も、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。
【0094】
また本実施形態では、球体を表現するモデルオブジェクトが地形を表現するモデルオブジェクトに接触する場合について説明した。しかしながら本発明はこれに限定されず、靴跡やタイヤ痕あるいは弾痕の表現に適用してもよい。またオブジェクト空間内に仮想カメラが複数存在する場合には、接触後のモデルオブジェクトの変形処理を、必要に応じて仮想カメラ毎に異なる処理で行ってもよい。
【0095】
また本発明は種々のゲーム(格闘ゲーム、シューティングゲーム、ロボット対戦ゲーム、スポーツゲーム、競争ゲーム、ロールプレイングゲーム、音楽演奏ゲーム、ダンスゲーム等)に適用できる。また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々の画像生成システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本実施形態の画像生成システムの機能ブロック図。
【図2】本実施形態の手法で描画される画像の説明図。
【図3】本実施形態の手法で描画される画像の説明図。
【図4】本実施形態の手法で描画される画像の説明図。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、ハイトマップを説明するための図。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、ハイトマップを説明するための図。
【図7】図7(A)及び図7(B)は、ハイトマップを説明するための図。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、本実施形態の手法の説明図。
【図9】本実施形態の手法の説明図。
【図10】本実施形態の手法で描画される画像の説明図。
【図11】本実施形態の手法の説明図。
【図12】図12(A)〜図12(C)は、本実施形態の手法の説明図。
【図13】本実施形態の手法の説明図。
【図14】本実施形態の具体的な処理のフローチャート。
【図15】本実施形態の具体的な処理のフローチャート。
【図16】ハードウェア構成例。
【符号の説明】
【0097】
OB1 第1のモデルオブジェクト、OB2 第2のモデルオブジェクト、
HC1 第1のヒットチェック領域、HC2 第2のヒットチェック領域、
VC 仮想カメラ、
R1 第1の距離範囲、R2 第2の距離範囲、R3 第3の距離範囲
100 処理部、
111 オブジェクト空間設定部、112 移動・動作処理部、
113 仮想カメラ制御部、114 接触イベント判定部、
115 ヒットチェック領域設定部、116 接触位置判定部、
117 モデルデータ変更部、
120 画像生成部、
122 頂点生成部、124 頂点シェーダ部、126 ピクセルシェーダ部、
130 音生成部、160 操作部、
170 記憶部、
171 主記憶部、173 フレームバッファ、
175 テクスチャ記憶部、177 モデルデータ記憶部、
180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、
194 携帯型情報記憶装置、196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト空間を所与の視点から見た画像を生成するためのプログラムであって、
前記オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生したか否かを判定する接触イベント判定部と、
前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第1のモデルオブジェクトと接触する前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる頂点シェーダ部として、
コンピュータを機能させ、
前記第1のモデルオブジェクトには所与の基準面が設定され、かつハイトマップデータによって前記基準面に対する前記第1のモデルオブジェクトの表面の高さ情報が格子状に設定されており、
前記頂点シェーダ部が、
前記ハイトマップデータを参照して前記第2のモデルオブジェクトと接触した前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応する格子点の高さ情報を取得し、取得された格子点の高さ情報に基づいて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第2のモデルオブジェクトを構成する新たな頂点を生成し、頂点の数を増加させる頂点生成部としてコンピュータを機能させ、
前記頂点シェーダ部が、
前記頂点生成部で生成された新たな頂点を含む前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を、前記第2のモデルオブジェクトの接触面が前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応して陥没するように移動させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記頂点生成部が、
前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第2のモデルオブジェクトの接触面に対してのみ新たな頂点を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記頂点生成部が、
前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から第1の距離範囲にある場合に限って、前記第2のモデルオブジェクトに対して新たな頂点を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1において、
互いに精細度が異なる複数の第2のモデルオブジェクト用モデルデータについて、前記視点と前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置との距離に応じて、前記頂点シェーダ部に取得させる前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータを変更するモデルデータ変更部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5において、
前記モデルデータ変更部が、
前記視点と前記接触位置との距離が近いほど、精細度の高い前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータを前記頂点シェーダ部に取得させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記モデルデータ変更部が、
前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から第1の距離範囲にある場合に限って、精細度の低い前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータに代えて精細度の高い前記第2のモデルオブジェクト用モデルデータを前記頂点シェーダ部に取得させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項4または7において、
前記頂点シェーダ部が、
前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から前記第1の距離範囲よりも遠い第2の距離範囲にある場合には、前記第1のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群の各頂点の法線ベクトルの逆ベクトルを、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群の各頂点の法線ベクトルとして設定することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1及び第2のモデルオブジェクトの接触位置が前記視点から前記第2の距離範囲よりも遠い第3の距離範囲にある場合には、前記第2のモデルオブジェクトの接触面に対して痕跡表現用画像をテクスチャマッピングするピクセルシェーダ部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかにおいて、
前記頂点シェーダ部が、
前記第1のモデルオブジェクトの移動情報に応じて、格子点に設定された高さ情報が異なる複数のハイトマップデータを切り替えて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかにおいて、
前記頂点シェーダ部が、
前記第2のモデルオブジェクトについて設定されたマテリアル情報に応じて、接触面の範囲が異なる複数のハイトマップデータを切り替えて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかにおいて、
前記接触イベント判定部が、前記第1のモデルオブジェクトについて設定された第1のヒットチェック領域と前記第2のモデルオブジェクトについて設定された第2のヒットチェック領域との位置関係に基づいて、前記第1のヒットチェック領域と前記第2のヒットチェック領域とがオーバーラップする位置関係であるときに前記接触イベントが発生したと判定する場合に、
前記頂点シェーダ部により前記第1のモデルオブジェクトと接触した前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群が移動された場合に、移動後の頂点位置に基づいて前記第2のヒットチェック領域を再設定するヒットチェック領域設定部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
オブジェクト空間を所与の視点から見た画像を生成するためのプログラムであって、
前記オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生した場合に、前記第1のモデルオブジェクトに設定された所与の基準面に対する前記第1のモデルオブジェクトの表面の高さ情報が格子状に設定されたハイトマップデータを参照して、前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応する格子点の高さ情報を取得し、取得された格子点の高さ情報に基づいて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる頂点シェーダ部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜13のいずれかに記載のプログラムを記憶することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項15】
オブジェクト空間を所与の視点から見た画像を生成するための画像生成システムであって、
前記オブジェクト空間において第1のモデルオブジェクトと第2のモデルオブジェクトとが接触する接触イベントが発生したか否かを判定する接触イベント判定部と、
前記接触イベントが発生したと判定された場合に、前記第1のモデルオブジェクトと接触する前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させる頂点シェーダ部と、
を含み、
前記第1のモデルオブジェクトには所与の基準面が設定され、かつハイトマップデータによって前記基準面に対する前記第1のモデルオブジェクトの表面の高さ情報が格子状に設定されており、
前記頂点シェーダ部が、
前記ハイトマップデータを参照して前記第2のモデルオブジェクトと接触した前記第1のモデルオブジェクトの接触面に対応する格子点の高さ情報を取得し、取得された格子点の高さ情報に基づいて、前記第2のモデルオブジェクトの接触面を構成する頂点群を移動させることを特徴とする画像生成システム。

【図1】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−285509(P2006−285509A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102902(P2005−102902)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】