説明

プロジェクターシステム、及びプロジェクターシステムの制御方法

【課題】プロジェクターと別体の認証端末により認証情報の入力を受け付け、プロジェクターの認証を行う。
【解決手段】認証端末40から受信した、認証端末を識別する第1端末識別情報42a、及びプロジェクター1を使用可能にするための第1認証情報43aと、プロジェクター1の認証情報記憶部21に保存された、プロジェクター1への認証要求を受け付ける第2端末識別情報21a、及びプロジェクター1を使用可能にするための第2認証情報21bと、がそれぞれ一致した場合にプロジェクター1を使用可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターシステム、及びプロジェクターシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターの不正使用を防止する方法として、リモートコントローラー(リモコン)から暗証番号を入力する方法が知られている。しかし、プロジェクターを起動するたびに暗証番号を入力する必要があり、操作が面倒だった。また、一般にプロジェクター本体には番号キーが備えられていないため、未使用時にリモコンを保管しておくことで、暗証番号が入力されるのを防ぐ方法もあるが、暗証番号を第三者に知られてしまった場合、他のリモコンを使い、暗証番号を入力されてしまうという問題があった。
【0003】
特許文献1には、USBキーの脱着やRFタグをかざすことで認証するプロジェクターが開示されている。
このようなプロジェクターによれば、暗証番号を入力することなく、プロジェクターの不正使用を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−351996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のプロジェクターでは、使用時にユーザーがプロジェクター本体のすぐそばで認証のための操作をする必要がある。このため、プロジェクターが天吊設置されている場合には、USBキーの脱着やRFタグをかざすという操作ができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターシステムは、画像を投写するプロジェクターと、当該プロジェクターとの間で認証情報の通信を行う認証端末と、を有するプロジェクターシステムであって、前記認証端末は、当該認証端末を識別する第1端末識別情報を記憶する記憶部と、前記プロジェクターを使用可能にするための第1認証情報の入力を受け付ける認証情報入力部と、前記プロジェクターに前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報を送信する送信部と、を備え、前記プロジェクターは、当該プロジェクターを使用可能にするための第2認証情報、及び当該プロジェクターへの認証要求を受け付ける第2端末識別情報を記憶する認証情報記憶部と、前記認証端末から前記第1端末識別情報と、前記第1認証情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報と、前記認証情報記憶部に記憶された前記第2端末識別情報、及び前記第2認証情報と、がそれぞれ一致した場合に、当該プロジェクターを使用可能にする制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、端末識別情報を持った認証端末により、プロジェクターを使用可能にするための認証情報を入力し、プロジェクターに端末識別情報と、入力された認証情報とを送信し、プロジェクター本体に保存された端末識別情報と認証情報とがそれぞれ一致した場合にプロジェクターを使用可能にする。これによりプロジェクターが天吊設置されているなどユーザーから直接操作できない場合でも認証端末を介して認証することが可能となる。また、認証端末が端末識別情報を持つことにより、別の認証端末を用いて認証を行おうとする不正使用を防止することが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記認証情報入力部はユーザーの入力操作により、前記第1認証情報の入力を受け付けることを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、認証端末にユーザーが入力操作をすることで第1認証情報を入力する。これにより、それぞれの認証端末において、第1認証情報を知るユーザーによってのみ認証できるので、プロジェクターの不正使用を防止することが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記認証情報入力部は、情報記録媒体に記録された前記第1認証情報を読み取り、入力を受け付けることを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、第1認証情報が記憶された情報記録媒体から第1認証情報を読み取り、認証情報入力部により入力を受け付ける。つまり情報記録媒体を、プロジェクターを使用するための鍵として扱い、プロジェクターの不正使用を防止することが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記認証情報入力部は、外部機器より前記第1認証情報の入力を受け付けることを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、パーソナルコンピューター等外部機器を認証端末に接続し、第1認証情報を入力することができる。つまり、外部機器を用いて第1認証情報を認証端末に入力することができるユーザーにのみプロジェクターを使用可能にさせることが可能となる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記認証端末は、前記プロジェクターの設置場所の近傍に設置されることを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、認証端末がプロジェクターの周辺の固定的に設置されるので、認証端末が第三者によって容易に持ち出されたり、紛失したりすることを防止することが可能となる。
【0017】
[適用例6]上記適用例に記載のプロジェクターシステムにおいて、前記プロジェクターは、前記受信部で受信した前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報と、前記認証情報記憶部に記憶された前記第2端末識別情報、及び前記第2認証情報との、いずれかが一致しなかった場合に報知する報知部をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、認証端末による認証要求が失敗したことをユーザーに報知することが可能となる。
【0019】
[適用例7]本適用例に係るプロジェクターシステムの制御方法は、画像を投写して表示するプロジェクターと、当該プロジェクターとの間で認証情報の通信を行う認証端末と、を有するプロジェクターシステムの制御方法であって、前記認証端末は、当該認証端末を識別する第1端末識別情報を記憶する記憶部と、前記プロジェクターを使用可能にするための第1認証情報の入力を受け付ける認証情報入力ステップと、前記プロジェクターに前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報を送信する認証情報送信ステップと、を有し、前記プロジェクターは、当該プロジェクターを使用可能にするための第2認証情報、及び当該プロジェクターへの認証要求を受け付ける第2端末識別情報を記憶する認証情報記憶部と、前記認証端末から前記第1端末識別情報と、前記第1認証情報と、を受信する認証情報受信ステップと、前記認証情報受信ステップにより受信した前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報と、前記認証情報記憶部に記憶された前記第2端末識別情報、及び前記第2認証情報と、がそれぞれ一致した場合に、当該プロジェクターを使用可能にする認証ステップと、を有することを特徴とする。
【0020】
本適用例によれば、端末識別情報を持った認証端末により、プロジェクターを使用可能にするための認証情報を入力し、プロジェクターに端末識別情報と、入力された認証情報とを送信し、プロジェクター本体に保存された端末識別情報と、認証情報と、がそれぞれ一致した場合に、プロジェクターを使用可能にする。これにより、プロジェクターが天吊設置されているなどユーザーから直接操作できない場合でも、認証端末を介して認証することが可能となる。また、認証端末が識別情報を持つことにより、別の認証端末を用いて認証を行おうとする不正使用を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プロジェクターシステムの設置状態を示す図。
【図2】認証情報入力部の構成の概略を示す正面図。
【図3】プロジェクターシステムの回路構成を示すブロック図。
【図4】プロジェクターシステムの動作を示すフローチャート。(a)はプロジェクターが認証端末からの認証要求を受け付けた時の動作を示し、(b)は認証端末が第1認証情報の入力を受け付けた時の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のプロジェクターシステム100の設置状態を示す図である。
図1に示すように、プロジェクター1は天吊装置2によって天井CEに天吊設置され、認証端末40は壁WAに固定設置されている。
プロジェクター1と認証端末40は無線またはケーブルCA1を介して通信を行うようになっている。認証端末40の一面には認証情報入力部43があり、入力端子45と記録媒体接続端子46が備えられている。入力端子45にはケーブルCA2を介してパーソナルコンピューターPCが接続されるようになっており、記録媒体接続端子46には情報記録媒体Mが接続可能になっている。
なお、図1では認証端末40は壁WAに固定設定されているが、必ずしも固定されるものでなく、着脱可能に設置されてもよい。
【0024】
図2は、認証端末40の認証情報入力部43を正面から見た図であり、認証情報入力部43の概略構成を示している。
図2に示すように、認証情報入力部43には入力端子45、記録媒体接続端子46と、後述する第1認証情報43aの入力を開始するための入力キー431、第1端末識別情報42a、及び後述する第1認証情報43aをプロジェクター1に送信するための送信キー430、後述する第1認証情報43aを入力するための番号キー432などが備えられている。
【0025】
図3は本実施形態のプロジェクターシステム100の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクターシステム100は、プロジェクター1と認証端末40等から構成されている。
【0026】
プロジェクター1は、画像投写部10、報知部15、OSD処理部16、画像信号処理部17、画像信号入力部18、制御部20、認証情報記憶部21、受信部22、入力操作部23、光源制御部25、電源端子30、電源部31等で構成されており、これらは図示しないプロジェクター1の筐体の内部に収容されている。
【0027】
認証端末40は、送信部41、記憶部42、認証情報入力部43、入力端子45、記録媒体接続端子46等で構成されており、これらは図示しない認証端末40の筐体内に収容されている。
認証端末40は、プロジェクター1を使用可能にするための認証要求を送信する。
【0028】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0029】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0030】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
【0031】
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0032】
上述した実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0033】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、認証情報記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、認証情報記憶部21とともにコンピューターとして機能する。
【0034】
認証情報記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。認証情報記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
【0035】
認証情報記憶部21には設定データとして、プロジェクター1への認証要求を受け付ける第2端末識別情報21aと、プロジェクター1を使用可能にするための第2認証情報21bが保存される。
【0036】
受信部22は、認証端末40の送信部41と通信し、認証端末40から第1端末識別情報42a、及び第1認証情報43aを受信する。
【0037】
入力操作部23は、プロジェクター1が、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。また、入力操作部23は、プロジェクター1の本体筐体外面に備えられる本体キー、または遠隔操作で入力操作を行う図示しないリモートコントローラー(リモコン)などで構成される。
【0038】
入力操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力部18に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、また、投写を中断する画面ミュートキー等がある。
ユーザーが入力操作部23の各種操作キーを操作すると、入力操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。
【0039】
画像信号入力部18は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0040】
画像信号処理部17は、画像信号入力部18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0041】
OSD処理部16は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部16は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部16は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部16は、画像信号処理部17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0042】
液晶駆動部14は、本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0043】
光源制御部25は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0044】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、入力した電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部31は、制御部20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0045】
報知部15はLED、ブザーなどで構成され、制御部20からの指示により、認証端末40からの認証要求に基づく認証に失敗したことをユーザーに報知する。
【0046】
送信部41はプロジェクター1と通信し、記憶部42に記憶される第1端末識別情報42a、及び認証情報入力部43に入力される第1認証情報43aをプロジェクター1に送信する。
【0047】
記憶部42は、認証端末40を識別するための第1端末識別情報42aを保存する記憶装置であり、フラッシュメモリーやFeRAM等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成される。
【0048】
認証情報入力部43は、プロジェクター1を使用可能にするための第1認証情報43aの入力を受け付けるものであり、パーソナルコンピューターPCなどの外部装置から第1認証情報43aを入力する入力端子45、情報記録媒体Mに記録された第1認証情報43aを読み取るための記録媒体接続端子46、第1認証情報43aの入力を行う各種操作キー(図2参照)などで構成される。
【0049】
プロジェクター1は、認証端末40の送信部41から送信され、受信部22により受信した、第1端末識別情報42a、及び第1認証情報43aと、認証情報記憶部21に記憶(保存)された第2端末識別情報21a、及び第2認証情報21bと、がそれぞれ一致した場合に、使用可能となる。
【0050】
次に、本実施形態のプロジェクターシステム100の動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
(プロジェクター1が認証端末40からの認証要求を受け付けた時の動作)
図4(a)に示すように、プロジェクター1において、受信部22が、認証端末40からの認証要求を受信すると(ステップS101)、制御部20は受信部22を介し、認証端末40より第1端末識別情報42a、及び第1認証情報43aを受信し(ステップS102)、ステップS103に遷移する。
【0052】
ステップS103において制御部20は、受信した第1端末識別情報42aと、認証情報記憶部21に保存されている第2端末識別情報21aとが一致するか否かを調べる。第1端末識別情報42aと第2端末識別情報21aが一致する場合(ステップS103:Y)、ステップS104に遷移する。第1端末識別情報42aと第2端末識別情報21aが一致しない場合(ステップS103:N)、ステップS107に遷移する。
【0053】
ステップS104において制御部20は、受信した第1認証情報43aと、認証情報記憶部21に保存されている第2認証情報21bとが一致するか否かを調べる。第1認証情報43aと第2認証情報21bが一致する場合(ステップS104:Y)、ステップS105に遷移する。第1認証情報43aと第2認証情報21bが一致しない場合(ステップS104:N)、ステップS107に遷移する。
【0054】
ステップS105において制御部20は、電源部31により電源オン状態に移行し、光源制御部22によって光源11を点灯し、ステップS106に遷移する。
【0055】
ステップS106において制御部20は、画像信号入力部18に入力される画像情報を画像投写部10に投写させ、プロジェクター1を投写状態にし、本動作フローを終了する。
【0056】
ステップS107において制御部20は、第2端末識別情報21a、第2認証情報21bのいずれかが一致せず、認証に失敗したことを報知部15に所定時間報知させ、ステップS108に遷移する。
【0057】
ステップS108において制御部20は、プロジェクター1をスタンバイ状態に移行させ、本動作フローを終了する。
【0058】
(認証端末40が第1認証情報43aの入力を受け付けた時の動作)
図4(b)に示すように、認証端末40において、認証情報入力部43が、操作キーなどの入力操作により、第1認証情報43aの入力を受け付けると(ステップS201)、ステップS202に遷移する。
【0059】
または、認証情報入力部43が、入力端子45を介し、パーソナルコンピューターPCからの認証要求を受け付け(受信)すると(ステップS211)、認証情報入力部43は受信した認証要求から第1認証情報43aを取得し(ステップS212)、ステップS202に遷移する。
【0060】
または、認証情報入力部43が、記録媒体接続端子46への情報記録媒体Mの接続を検出すると(ステップS221)、認証情報入力部43は情報記録媒体Mに第1認証情報43aが格納されているか否かを調べる(ステップS222)。情報記録媒体Mに第1認証情報43aが格納されている場合(ステップS222:Y)、認証情報入力部43は情報記録媒体Mより第1認証情報43aを読み取り(ステップS223)、ステップS202に遷移する。
一方、情報記録媒体Mに第1認証情報43aが格納されていない場合(ステップS222:N)、ステップS203に遷移する。
【0061】
ステップS202において認証情報入力部43は、記憶部42に記憶されている第1端末識別情報42aと、取得した第1認証情報43aとを送信部41を介し、プロジェクター1に送信し、ステップS203に遷移する。
【0062】
ステップS203において本動作フローを終了する。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態のプロジェクターシステム100によれば、プロジェクター1に保存された第2端末識別情報21a、および第2認証情報21bと、認証端末40より受信した第1端末識別情報42a、および第1認証情報43aと、がそれぞれ一致した場合にプロジェクター1を使用可能とする。
認証端末40は予め第1端末識別情報42aを記憶しており、入力された第1認証情報43aとともにプロジェクター1に送信する。これによりプロジェクター1が天吊設置されているなどユーザーから直接操作できない場合でも認証端末40を介して認証することが可能となる。
【0064】
また、認証端末40が第1端末識別情報42aを持つことにより、別の認証端末を用いて認証を行おうとする不正使用を防止することが可能となる。
【0065】
また、認証情報入力部43にユーザーが入力操作をすることで第1認証情報43aの入力を受け付ける。
これにより、認証端末40において、第1認証情報43aを知るユーザーによってのみ認証できるので、プロジェクター1の不正使用を防止することが可能となる。
【0066】
また、第1認証情報43aが記憶された情報記録媒体Mを記録媒体接続端子46に接続することで、情報記録媒体Mより第1認証情報43aを読み取って認証情報入力部43により入力することができる。
つまり情報記録媒体Mを、プロジェクター1を使用するための鍵として扱い、プロジェクター1の不正使用を防止することが可能となる。
【0067】
また、パーソナルコンピューターPCを認証端末40に接続し、第1認証情報43aを入力することができる。
つまり、パーソナルコンピューターPCを用いて第1認証情報43aを認証端末40に入力することができるユーザーにのみプロジェクター1を使用させることが可能となる。
【0068】
また、認証端末40をプロジェクター1の近傍に設置することにより、認証端末40が第三者によって容易に持ち出されたり、紛失したりすることを防止することが可能となる。
【0069】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態のプロジェクターシステム100において、プロジェクター1の認証情報記憶部21は、複数の第2端末識別情報21aを記憶するようにしてもよい。
これによりプロジェクター1を移動した場合、複数の第2端末識別情報21aの、いずれかと一致する第1端末識別情報42a、を記憶する認証端末40が設置してある場所においても、プロジェクター1を使用することが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
100…プロジェクターシステム、1…プロジェクター、2…天吊装置、18…画像信号入力部、17…画像信号処理部、16…OSD処理部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、15…報知部、20…制御部、21…認証情報記憶部、21a…第2端末識別情報、21b…第2認証情報、22…受信部、23…入力操作部、25…光源制御部、30…電源端子、31…電源部、40…認証端末、41…送信部、42…記憶部、42a…第1端末識別情報、43…認証情報入力部、43a…第1認証情報、45…入力端子、46…記録媒体接続端子、M…情報記録媒体、CE…天井、WA…壁、CA1,CA2…ケーブル、PC…パーソナルコンピューター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を投写するプロジェクターと、
当該プロジェクターとの間で認証情報の通信を行う認証端末と、を有するプロジェクターシステムであって、
前記認証端末は、
当該認証端末を識別する第1端末識別情報を記憶する記憶部と、
前記プロジェクターを使用可能にするための第1認証情報の入力を受け付ける認証情報入力部と、
前記プロジェクターに前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報を送信する送信部と、
を備え、
前記プロジェクターは、
当該プロジェクターを使用可能にするための第2認証情報、及び当該プロジェクターへの認証要求を受け付ける第2端末識別情報を記憶する認証情報記憶部と、
前記認証端末から前記第1端末識別情報と、前記第1認証情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報と、前記認証情報記憶部に記憶された前記第2端末識別情報、及び前記第2認証情報と、がそれぞれ一致した場合に、当該プロジェクターを使用可能にする制御部と、
を備えたことを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターシステムであって、
前記認証情報入力部はユーザーの入力操作により、前記第1認証情報の入力を受け付けることを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項3】
請求項1から2のいずれか一項に記載のプロジェクターシステムであって、
前記認証情報入力部は、情報記録媒体に記録された前記第1認証情報を読み取り、入力を受け付けることを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターシステムであって、
前記認証情報入力部は、外部機器より前記第1認証情報の入力を受け付けることを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクターシステムであって、
前記認証端末は、前記プロジェクターの設置場所の近傍に設置されることを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のプロジェクターシステムであって、
前記プロジェクターは、前記受信部で受信した前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報と、前記認証情報記憶部に記憶された前記第2端末識別情報、及び前記第2認証情報との、いずれかが一致しなかった場合に報知する報知部をさらに備えたことを特徴とする、プロジェクターシステム。
【請求項7】
画像を投写して表示するプロジェクターと、
当該プロジェクターとの間で認証情報の通信を行う認証端末と、を有するプロジェクターシステムの制御方法であって、
前記認証端末は、
当該認証端末を識別する第1端末識別情報を記憶する記憶部と、
前記プロジェクターを使用可能にするための第1認証情報の入力を受け付ける認証情報入力ステップと、
前記プロジェクターに前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報を送信する認証情報送信ステップと、
を有し、
前記プロジェクターは、
当該プロジェクターを使用可能にするための第2認証情報、及び当該プロジェクターへの認証要求を受け付ける第2端末識別情報を記憶する認証情報記憶部と、
前記認証端末から前記第1端末識別情報と、前記第1認証情報と、を受信する認証情報受信ステップと、
前記認証情報受信ステップにより受信した前記第1端末識別情報、及び前記第1認証情報と、前記認証情報記憶部に記憶された前記第2端末識別情報、及び前記第2認証情報と、がそれぞれ一致した場合に、当該プロジェクターを使用可能にする認証ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−226034(P2012−226034A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91809(P2011−91809)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】