説明

プロジェクターシステムおよび接続確立方法

【課題】 任意のコンピューターを、複数のプロジェクターに対して容易に接続可能にするプロジェクターシステムおよび接続確立方法を提供する。
【解決手段】 ネットワークに接続された複数のコンピューターおよび複数のプロジェクターを備えたプロジェクターシステムであって、複数のコンピューターのそれぞれは、ネットワークに接続された任意のプロジェクターに対して接続要求を行う接続要求部11を備え、複数のプロジェクターのそれぞれは、自装置が属するグループ内の各プロジェクターの装置IDを含むグループ情報を取得するグループ情報取得部45と、任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、グループ情報を参照し、グループ内の各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、任意のコンピューターとの接続を要求する接続要求部42と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続されたコンピューターと複数のプロジェクターとの間で接続を確立するプロジェクターシステムおよび接続確立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のプロジェクターシステムとして、単一のコンピューター(制御装置)とネットワークを介して接続された複数のプロジェクターに対し、コンピューターから同期制御を行うことで、複数のプロジェクターから同一の投写画像を一斉に投写する制御システムが知られている(特許文献1参照)。この制御システムは、コンピューターに設けられたプロジェクター管理部によりコンピューターに接続された複数のプロジェクターを検出および登録して、同期制御する複数のプロジェクターを認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−003903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば大規模な会議やプレゼンテーションにおいて複数のプロジェクターから同時投写する場合、複数の発表者が個々のコンピューターを使用して順に発表(同時投写)したいという要望がある。しかし、上記の制御システムでは、複数のコンピューターから、同じ複数のプロジェクターに同時投写させる場合、コンピューター毎に当該複数のプロジェクターを検索および登録しなければならないため、接続に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、任意のコンピューターを、複数のプロジェクターに対して容易に接続可能にするプロジェクターシステムおよび接続確立方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクターシステムは、ネットワークに接続された複数のコンピューターおよび複数のプロジェクターを備えたプロジェクターシステムであって、複数のコンピューターのそれぞれは、ネットワークに接続された任意のプロジェクターに対して接続要求を行う接続要求部を備え、複数のプロジェクターのそれぞれは、自装置が属するグループ内の各プロジェクターの装置IDを含むグループ情報を取得するグループ情報取得部と、任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、グループ情報を参照し、グループ内の各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、コンピューターとの接続を要求する接続要求部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の接続確立方法は、ネットワークに接続された複数のコンピューターおよび複数のプロジェクターの間の接続を確立する接続確立方法であって、複数のコンピューターのうちの任意のコンピューターが、複数のプロジェクターのうちの任意のプロジェクターに対して接続要求を行う接続要求ステップと、複数のプロジェクターのそれぞれが、自装置が属するグループ内の各プロジェクターの装置IDを含むグループ情報を取得するグループ情報取得ステップと、任意のプロジェクターが、任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、グループ情報を参照し、前記グループ内の各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、前記任意のコンピューターとの接続を要求する接続要求ステップと、を実行することを特徴とする接続確立方法。
【0008】
これらの構成によれば、コンピューターは、グループ化されている複数のプロジェクターのうち、任意の1台のプロジェクターに接続要求を行うだけで、自動的にグループ内の全てのプロジェクターに接続することができる。これにより、コンピューターが、複数のプロジェクターに対して同時投写を行う場合、各プロジェクターに対して検索、指定および接続要求を行う必要が無いため、迅速且つ容易に複数のプロジェクターに接続することができる。
【0009】
この場合、複数のコンピューターのうち少なくとも1のコンピューターは、ネットワークに接続された任意の複数のプロジェクターをグループ化してグループ情報を生成するグループ情報生成部を、さらに備え、各プロジェクターは、1のコンピューターからグループ情報を取得することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、コンピューターが、ネットワークに接続されたプロジェクターのうち、所望のプロジェクターを選択してグループ化することができる。また、プロジェクターは、コンピューターからグループ情報を取得することで、当該コンピューターがネットワークに接続されたどのプロジェクターに接続しているかを認識することができる。なお、プロジェクターのグループ情報の取得は、グループ情報を生成したコンピューターから接続要求を受けた際に同時に取得しても良いし、接続要求を受ける前に予め取得しておいても良い。
【0011】
また、各プロジェクターは、任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、自装置以外のプロジェクターに対して、グループ情報を送信するグループ情報送信部を、さらに備えていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、グループ内のすべてのプロジェクターにおいて、最新のグループ情報を共有することができる。すなわち、コンピューターによってグループに新たなプロジェクターが追加されて当該プロジェクターが接続要求を受けたとき、自装置以外のプロジェクターに、自装置の装置IDが含まれた最新のグループ情報を送信することで、当該プロジェクターがグループに追加されたことをグループ内で認識させることができる。言い換えれば、この構成により、既に形成されたグループの接続を維持したまま、新たなプロジェクターを当該接続に追加することができる。
【0013】
また、グループ情報には、グループ内の各コンピューターの装置IDが含まれ、各プロジェクターの接続要求部は、任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、グループ情報を参照し、グループ内の各コンピューターのうち、当該接続要求を受けたコンピューター以外のコンピューターに対して、自装置との接続を要求することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、グループ内に複数のコンピューターが存在していた場合、任意の1のコンピューターから所望のプロジェクターに対して接続要求を行うだけで、グループ内のすべてのコンピューターと当該所望のプロジェクターとの接続を確立することができる。特に、任意の1のコンピューターが属するグループに新たなプロジェクターが追加された場合(任意の1のコンピューターと当該プロジェクターとの接続が確立された場合)、自動的にその他のコンピューターと当該プロジェクターとの接続が確立されると共に、当該プロジェクターがグループに追加されたことをその他のコンピューターに認識させることができる。すなわち、この構成により、既に形成されているグループの接続を維持したまま、新たなプロジェクターを当該接続に追加することができる。なお、この場合、その他のコンピューターに接続要求を行うと共に、グループ情報を送信しても良い。
【0015】
この場合、各プロジェクターは、グループ情報を記憶するグループ情報記憶部と、任意のコンピューターからの接続要求を受けたとき、グループ情報記憶部にグループ情報が記憶されているか否かを判別するグループ情報判別部と、グループ情報判別部によりグループ情報が記憶されていないと判別された場合であって、接続要求によって自装置を含む複数のプロジェクターがグループ化された場合、当該グループ内の各プロジェクターの装置ID、および接続要求を行ったコンピューターの装置IDを、グループ情報として生成するグループ情報生成部とを、さらに備え、グループ情報記憶部は、グループ情報生成部により生成されたグループ情報を記憶することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、一度、任意の1台のコンピューターから複数のプロジェクターに接続要求を行えば、そのグループ情報をプロジェクターに記憶させておくことができる。これにより、2台目以降に接続しようとするコンピューターは、グループ内の1台のプロジェクターに対してのみ接続要求を行えば、グループ内の全てのプロジェクターに接続ができ、他のプロジェクターに接続要求をする工程を省くことができる。また、各プロジェクターに予めグループ情報を記憶させておく必要がないため、最初の1台のコンピューターからの接続要求時に、同時投写させたい複数のプロジェクターを自由に選択することができる。
【0017】
この場合、グループ情報判別部によりグループ情報が記憶されていると判別された場合、任意のコンピューターが接続要求を行っている他のプロジェクターが存在するか否かを判別する接続要求判別部をさらに備え、接続要求部は、接続要求判別部により他のプロジェクターが存在すると判別された場合、当該他のプロジェクターに対しては接続要求を行わないことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、プロジェクターは、自装置に接続要求を行ったコンピューターがグループ内の他のプロジェクターに対しても同時に接続要求している場合は、他のプロジェクターに対して接続要求しないため、重複した接続要求を防ぐことができる。
【0019】
一方、各コンピューターは、グループ内の任意のプロジェクターに対して接続切断要求を行う切断要求部をさらに備え、各プロジェクターは、任意のコンピューターから接続切断要求を受けたとき、グループ内の各コンピューターのうち、当該接続切断要求を受けていないコンピューターに対して、自装置との接続切断を要求する切断要求部をさらに備えていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、グループ内に複数のコンピューターが存在していた場合、任意の1のコンピューターから所望のプロジェクターに対して接続切断要求を行うだけで、グループ内のすべてのコンピューターと当該所望のプロジェクターとの接続を切断することができる。
【0021】
また、各コンピューターは、任意のプロジェクターに対して接続切断要求を行う切断要求部をさらに備え、各プロジェクターは、任意のコンピューターから接続切断要求を受けたとき、グループ内の各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、グループ内の各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、コンピューターとの接続切断を要求する切断要求部をさらに備えていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、コンピューターは、グループ化されている複数のプロジェクターのうち、任意の1台のプロジェクターに接続切断要求を行うだけで、自動的にグループ内のすべてのプロジェクターと接続を切断することができる。なお、グループに複数のコンピューターが接続されていた場合、切断要求を行ったコンピューター以外のコンピューターと複数のプロジェクターとの接続は維持されるため、グループの接続を維持したまま、所望のコンピューターのみを切断することが可能となる。
【0023】
これらの場合、各プロジェクターは、任意のコンピューターから接続切断要求を受けたとき、グループ内の前記各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、自装置の装置IDを除いたグループ情報を送信するグループ情報送信部をさらに備えていることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、任意のプロジェクターが接続切断要求を受けたとき、グループ内のすべてのプロジェクターにおいて、最新のグループ情報を共有することができる。すなわち、自装置の装置IDを除いた最新のグループ情報を、自装置以外のプロジェクターに送信することで、当該プロジェクターがグループから切断されたことをグループ内で認識させることができる。言い換えれば、この構成により、既に形成されたグループの接続を維持したまま、任意のプロジェクターを当該接続から切断することができる。
【0025】
上記のプロジェクターシステムにおいて、各コンピューターは、グループ情報を不揮発に記憶するグループ情報記憶部と、グループ情報記憶部に記憶されたグループ情報を読み出して表示する表示部と、をさらに備えていることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、コンピューターを操作するユーザーは、このグループ情報を参考にして接続するプロジェクターを選択することができる。なお、表示部は、グループ情報に含まれる装置IDのうち、現在接続可能な装置の装置IDと接続不可能な装置の装置IDとを区別可能に表示することが望ましい。
【0027】
上記のプロジェクターシステムにおいて、各プロジェクターのグループ情報記憶部は、グループ情報を不揮発に記憶し、各コンピューターは、各プロジェクターのグループ情報記憶部に記憶されたグループ情報を読み出すグループ情報読み出し部を、さらに備えていることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、コンピューターを任意の1のプロジェクターに接続し当該1のプロジェクターからグループ情報を読み出すことによって、このグループ情報を利用して、その他のプロジェクターに接続要求を行うことができる。
【0029】
上記のプロジェクターシステムにおいて、コンピューターは、ネットワークに接続された自装置以外の装置が形成するグループのグループ情報を取得するグループ情報取得部を、さらに備えていることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、コンピューターが、自装置以外の装置が形成するグループのグループ情報を確認することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】プロジェクターシステムの接続構成を示す図である。
【図2】コンピューターの制御構成を示すブロック図である。
【図3】コンピューターのグループ情報記憶部の記憶内容を示す図である。
【図4】第1実施形態にかかるプロジェクターの制御構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は、単一のプロジェクターとの接続操作をする際のコンピューター画面の一例であり、(b)は、複数のプロジェクターをグループ化操作する際のコンピューター画面の一例であり、(c)は、複数のプロジェクターをグループ化操作した後のコンピューター画面の一例である。
【図6】(a)は、グループ接続を行った後のコンピューター画面の一例であり、(b)は、メニュー画面を表示したコンピューター画面の一例である。
【図7】(a)は、グループ接続にプロジェクターを追加する際のコンピューター画面の一例であり、(b)は、グループ接続からプロジェクターを切断する際のコンピューター画面の一例であり、(c)は、グループ接続からコンピューターを切断する際のコンピューター画面の一例である。
【図8】(a)は、グループ接続する際の各装置の動作を示した図であり、(b)は、グループ接続にコンピューターを追加する際の各装置の動作を示した図である。
【図9】グループ接続に新たなプロジェクターを追加する際の各装置の動作を示した図である。
【図10】グループ接続からプロジェクターを切断する際の各装置の動作を示した図である。
【図11】グループ接続からコンピューターを切断する際の各装置の動作を示した図である。
【図12】グループ接続解除の際の各装置の動作を示した図である。
【図13】(a)は、グループ接続を解除した後に表示されるコンピューター画面の一例であり、(b)は、保存したグループ情報を利用して次回のグループ接続を行う際のコンピューター画面の一例であり、(c)は、プロジェクターに記憶されたグループ情報を読み出した際のコンピューター画面の一例である。
【図14】第2実施形態にかかるプロジェクターの制御構成を示したブロック図である。
【図15】プロジェクターの接続処理を示すフローチャートである。
【図16】(a)は、図15のCASE1における装置間の接続動作を示す図であり、(b)は、図15のCASE2における装置間の接続動作を示す図であり、(c)は、図15のCASE3における装置間の接続動作を示す図であり、(d)は、図4のCASE4における装置間の接続動作を示す図である。
【図17】プロジェクターの接続切断処理を示すフローチャートである。
【図18】プロジェクターのグループ情報の消去処理を示すフローチャートである。
【図19】(a)は、図17のCASE5における装置間の接続切断動作を示す図であり、(b)は、図17のCASE6における装置間の接続切断動作を示す図であり、(c)は、図17のCASE7における装置間の接続切断動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照し、本発明の第1実施形態にかかるプロジェクターシステムについて説明する。図1に示すように、プロジェクターシステムSYは、複数のコンピューターPC1,PC2と複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3とが、ネットワークを介して相互に通信可能となって構成されている。プロジェクターシステムSYは、このようにネットワークに接続された状態において、各コンピューターPC1,PC2からの出力画像をグループ化された複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3によって同時投写すべく、任意のコンピューターPCと当該複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3との接続を確立する。以下、複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3がグループ化され、確立された接続を「グループ接続」と称す。なお、ネットワークNWは、インターネットやローカルネットワークを介したものが考えられ、接続の形態は、無線の通信回線でもよいし、ケーブル等を使用した有線の通信回線でもよい。
【0033】
本実施形態では、コンピューターPC1またはPC2が、ネットワークに接続された任意の複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3をグループ化して、グループ情報を生成する。グループ情報とは、主に当該グループのグループ名と当該グループに属する装置の装置IDとで構成される(図3参照)。装置IDとは、ネットワークNWに接続された装置が互いを認識するためのものであり、本実施形態では、装置名を装置IDとして説明を進める。例えば、コンピューターPC1の装置IDは、「PC1」となる。
【0034】
図2は、コンピューターPC1の機能構成を示したブロック図である。なお、コンピューターPC2も同様の機能構成を有しているものとし、説明を省略する。コンピューターPC1は、一般的なパーソナルコンピューターを適用可能であり、図示のように、通信部1、制御部2、記憶部3、表示部4、および操作部5を備えている。通信部1は、主にネットワーク・インターフェースにより実現され、ネットワークNWに接続された自装置以外の装置と通信を行う。制御部2は、主にCPU、RAM、およびROMにより実現され、コンピューターPC1を統括制御する。記憶部3は、ROMまたはHDDにより実現され、同時投写する複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3との接続確立に関する各情報を記憶している。表示部4は、ディスプレイにより実現され、複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3への接続操作に関する画面(図5ないし図7、および図12参照)を表示する。操作部5は、キーボードやマウスによって実現され、ユーザーが複数のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3への接続操作を行うためのものである。
【0035】
通信部1は、接続要求部11、切断要求部12、グループ情報送信部13、グループ情報取得部14、および画像データ出力部15を備えている。なお、請求項における「グループ情報読み出し部」とは、グループ情報取得部により実現される。
【0036】
接続要求部11は、ネットワークNWに接続された任意のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3に対して接続要求を行う。切断要求部12は、コンピューターPC1とグループ接続されている任意のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3に対して接続切断要求を行う。グループ情報送信部13は、接続要求または切断要求を行ったプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3に対して自装置が記憶する最新のグループ情報を送信する。グループ情報取得部14は、グループ情報を有したプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3またはコンピューターPC2からグループ情報を取得する。画像データ出力部15は、接続を確立したプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3に対して、出力画像の画像データを出力する。
【0037】
制御部2は、通信部1の通信制御を行う通信制御部16と、表示部4の表示制御を行う表示制御部17と、を備えている。
【0038】
通信制御部16は、主にネットワークNWに接続された任意のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3と接続するための接続アプリケーションにより実現され、コンピューターPC1と任意のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3との接続および接続切断を制御する。また、通信制御部16は、グループ化されたネットワークNWに接続された任意のプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3を示すグループ情報を生成するグループ情報生成部18を有している。グループ情報とは、当該グループのグループ名、当該グループに属するコンピューターPCの装置ID、および当該グループに属するプロジェクターPJの装置IDで構成されている(図3参照)。グループ情報生成部18は、例えば、プロジェクターPJ1,PJ2がグループ化されてコンピューターPC1とグループ接続した場合、プロジェクターPJ1,PJ2の装置IDと自装置の装置IDとにグループ名(「グループA」)を付してグループ情報を生成する。なお、グループに属する装置が変化した場合は、それに伴ってグループ情報も変化する。すなわち、グループ情報は、どの装置によりグループ接続されているのかを示す情報である。なお、グループ情報の更新については、後に詳述する。
【0039】
記憶部3は、グループ情報を記憶するグループ情報記憶領域19と、接続を確立したプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3に対して出力する出力画像の画像データを記憶する出力画像データ記憶領域20と、表示部4に表示する表示画面の画面データを記憶する表示画面データ記憶領域21と、を有している。
【0040】
図3は、グループ情報記憶領域19の記憶内容を示している。図示のように、グループ情報記憶領域19は、グループ情報生成部18により生成されたグループ情報を、グループ情報の生成日時順に記憶する。また、グループ情報記憶領域19は、グループ情報を書き換え不能かつ不揮発に記憶する。グループ情報記憶領域19に記憶されたグループ情報は、過去のグループ情報として、次回以降の接続に利用される。このグループ情報の利用についても、後に詳述する。
【0041】
図4は、プロジェクターPJ1の制御構成を示したブロック図である。なお、プロジェクターPJ2およびPJ3も同様の構成を有しているものとし、説明を省略する。図示のように、プロジェクターPJ1は、通信部31、グループ情報記憶部32、画像処理部33、中央制御部34、操作部35、投写制御部36、および投写光学系37を備えている。
【0042】
通信部31は、ネットワークNWに接続された自装置以外の装置と通信を行うものであり、画像データ取得部41、接続要求部42、切断要求部43、グループ情報送信部44、およびグループ情報取得部45を有している。画像データ取得部41は、コンピューターPC1,PC2から出力画像データを取得する。接続要求部42は、ネットワークNWに接続された自装置以外の装置に対して接続要求を行う。切断要求部43は、グループ接続しているネットワークNWに接続された自装置以外の装置に対して接続切断要求を行う。グループ情報送信部44は、ネットワークNWに接続された自装置以外の装置に対して自装置が記憶する最新のグループ情報を送信する。グループ情報取得部45は、グループ情報を有したプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3またはコンピューターPC2からグループ情報を取得する。
【0043】
グループ情報記憶部32は、取得したグループ情報を書き換え可能に記憶する。また、グループに属していないコンピューターPCから接続要求を受けた場合は、グループ情報に当該コンピューターPCの装置IDを追加して記憶する。一方、グループに属するコンピューターPCから接続切断要求を受けた場合は、グループ情報から当該コンピューターPCの装置IDを削除して記憶部する。
【0044】
中央制御部34は、プロジェクターPJの全体を統括制御する。操作部35は、ユーザーが各種設定および操作を行うためのものであり、プロジェクターPJ本体に備えられた操作パネルやリモコン(いずれも図示省略)により実現される。
【0045】
画像処理部33は、画像データ取得部41により受信した画像データに対し、予め記憶されている画像処理プログラムに基づいて、所定の画像処理を実行する。所定の画像処理としては、キーストーン歪補正処理、画質調整処理、画像サイズ調整処理、ガンマ補正処理、画像合成処理等を行う。
【0046】
投写制御部36は、画像処理部33により処理された画像を、後述する液晶ライトバルブ54の各画素に対応する階調値を導出することにより、全画素の階調値からなる画像データを生成し、当該画像データに基づいて投写制御を行う。
【0047】
投写光学系37は、スクリーンSC上に、画像を投写するものであり、ライトバルブ駆動部51と、ランプ駆動部52と、光源部53と、3原色に対応した液晶ライトバルブ54(54R,54G,54B)と、投写レンズ55と、を有する。各液晶ライトバルブ54は、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。各透明基板の内面には、液晶に対して微小領域毎に駆動電圧を印加可能な透明電極が、画素としてマトリクス状に形成されている。ライトバルブ駆動部51は、液晶ライトバルブ54の各画素に、画像データに応じた駆動電圧を印加することにより、各画素の光透過率を設定する。つまり、光源部53から射出された照明光は、不図示の光分離光学系によって、R,G,Bの色光に分離された後、各色用の液晶ライトバルブ54を透過することによって変調される。また、変調された画像光は、不図示の光合成光学系(ダイクロイックプリズムなど)により画素毎に合成されてカラー画像化され、当該カラー画像化された画像光が投写レンズ55によって投写されることにより、スクリーンSC上にカラー画像が写し出される。なお、光源部53としては、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を採用可能である。また、これら放電発光型のランプに限らず、発光ダイオード、有機EL素子、シリコン発光素子、レーザーダイオード等の各種自己発光素子を採用しても良い。
【0048】
続いて、図5ないし図13を参照して、プロジェクターシステムSYの接続確立方法について説明する。図5ないし図7は、接続時および切断時のコンピューターPC1の表示画面を示すものである。図5は、コンピューターPC1によりプロジェクターPJ1,PJ2をグループ化して接続を確立する際に表示部4に表示された接続画面の一例を示している。同図(a)に示すように、ネットワークに接続されたプロジェクターPJ1,PJ2が、接続可能なプロジェクターとして検索され、表示されている。この画面においてプロジェクターPJ1,PJ2(複数のプロジェクター)が選択された場合、画面下部に同図(b)に示すように、グループ化ボタン72が出現する。このグループ化ボタン72が押下されると、同図(c)に示すように、画面下部の「接続プロジェクターリスト」において「グループA」が表示される。そして、接続ボタン71が押下されると、プロジェクターPJ1,PJ2がグループ化され、コンピューターPC1との接続が確立される。その後、コンピューターPC1は、操作部5の操作に応じて記憶部3に記憶した出力画像データをプロジェクターPJ1,PJ2に送信し、プロジェクターPJ1,PJ2により画像が投写される。
【0049】
図6(a)は、図5(c)において接続ボタン71が押下された場合に、コンピューターPC1の表示部4に表示される画面である。画面上部には、グループ化されたプロジェクターPJ1,PJ2が表示されている。一方、画面中央には、接続を確立しているコンピューターPC1を示すユーザー名「User1」が表示され、その右方には、メニューボタン73が表示されている。画面下部には、ネットワークNWに接続されたコンピューターPC1、PC2を示すユーザー名「User1」、「User2」が表示されている。同図(b)に示すように、同図(a)においてメニューボタン73が押下されると、メニューボタン73の上部にサブウィンドウ形式でメニュー画面74が表示される。メニュー画面74には、選択項目として、現在確立している接続に新たに任意のプロジェクターPJを追加する「プロジェクター追加」、現在確立している接続から任意のプロジェクターPJを切断する「プロジェクター切断」、現在確立している接続から任意のコンピューターPCを切断する「PC切断」、およびメニュー画面74の表示を終了する「閉じる」が表示される。
【0050】
図7(a)は、メニュー画面74の選択項目のうち、「プロジェクター追加」が選択された場合の表示画面を示している。図示のように、現在グループ接続されているプロジェクターPJ1,PJ2に加え、ネットワークに接続されたプロジェクターPJ3が、接続可能なプロジェクターとして新たに検索・表示され、画面右下には、追加ボタン75が表示される。この画面において、プロジェクターPJ3が選択され、追加ボタン75が押下されると、グループにプロジェクターPJ3が追加され、コンピューターPC1とプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3との接続が確立される。その後、コンピューターPC1は、操作部5の操作に応じて記憶部3に記憶した出力画像データをプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3に送信し、プロジェクターPJ1,PJ2,PJ3により画像が投写される。
【0051】
図7(b)は、コンピューターPC1およびプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3がグループ接続されている場合に、メニュー画面74の選択項目のうち、「プロジェクター切断」が選択された場合の表示画面を示している。図示のように、現在グループ接続されているプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3が表示され、画面右下には、切断ボタン76が表示される。この画面において、例えば、プロジェクターPJ3が選択され、切断ボタン76が押下されると、グループからプロジェクターPJ3が除かれ、確立されている接続からプロジェクターPJ3が切断される。
【0052】
図7(c)は、コンピューターPC1、PC2およびプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3がグループ接続されている場合に、メニュー画面74の選択項目のうち、「PC切断」が選択された場合の表示画面を示している。図示のように、現在接続されているコンピューターPC1,PC2を示すUser1,User2が表示され、画面右下には、切断ボタン76が表示される。この画面において、例えば、コンピューターPC1が選択され、切断ボタン76が押下されると、グループからコンピューターPC1が除かれ、確立されている接続からコンピューターPC1が切断される。本実施形態では、このように自装置以外のコンピューターPCに対して切断操作を行うことができる。これによれば、自装置以外のコンピューターPCの切断のし忘れなどに対応することができ、トラフィック管理を行うことができる。また、すべてのコンピューターPC1,PC2を選択して切断操作することで、確立されている接続の全切断、すなわちグループ接続の解除を行うことができる。これによれば、任意の1のコンピューターPC1による操作のみで、接続の全切断を行うことができるため、多数のコンピューターPCおよびプロジェクターPJが接続されている場合に利便性が良い。なお、メニュー画面74に、グループ接続の解除を行うための項目を追加しても良い。
【0053】
図8ないし図12は、プロジェクターシステムSYの接続処理および切断処理における各装置の動作を示すものである。図8(a)は、コンピューターPC1とプロジェクターPJ1,PJ2とがグループ接続する際の、各装置の動作を示している。コンピューターPC1は、ネットワークNWに接続されたプロジェクターPJ1,PJ2をグループ化して、グループ情報を生成する。この場合のグループ情報は、図示のように「グループA:PC1,PJ1,PJ2」となる。そして、コンピューターPC1は、プロジェクターPJ1,PJ2に対して接続要求およびグループ情報を送信する。接続要求およびグループ情報を受信したプロジェクターPJ1,PJ2は、それぞれコンピューターPC1に対して接続完了通知を送信して、コンピューターPC1とプロジェクターPJ1,PJ2との接続が確立される。なお、例えば、PJ2との接続に失敗した場合には、接続要求を送信したPC1からPJ2に新しいグループ情報「グループA:PC1,PJ1」を送信する。
【0054】
図8(b)は、図8(a)において確立されたグループ接続に、新たなコンピューターPC2を追加する際の、各装置の動作を示している。この場合、グループ接続されているコンピューターPC1およびプロジェクターPJ1,PJ2がグループ情報を保持していることになる。コンピューターPC2は、グループ内の任意の1のプロジェクターPJ1に接続要求を送信する。接続要求を受けたプロジェクターPJ1は、コンピューターPC2に対して接続完了通知を送信すると共に、保持しているグループ情報を送信する。このとき、プロジェクターPJ1が保持しているグループ情報にコンピューターPC2の装置ID、PC2を追加して、コンピューターPC1に送信する。そして、プロジェクターPJ1は、保持しているグループ情報を参照し、グループに属する自装置以外のプロジェクターPJ2に対して、コンピューターPC2との接続要求を送信する。接続要求をうけたプロジェクターPJ2は、接続要求に従いコンピューターPC2に接続完了通知を送信する。このとき、プロジェクターPJ2は、自身の保持しているグループ情報にコンピューターPC2の装置IDを追加する。さらに、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に対してコンピューターPC2が追加されたグループ情報を送信する。
【0055】
このように、コンピューターPC2からグループ内の任意の1のプロジェクターPJ1に接続要求を行うだけで、新たなコンピューターPC2をグループ接続に追加することができる。また、接続要求を受けたプロジェクターPJ1が他のプロジェクターPJ2に対して接続要求を送信すると共に、コンピューターPC1に対してコンピューターPC2が追加されたグループ情報を送信するため、グループ内の装置に、現在のグループを構成する全装置が反映された最新のグループ情報を保持させることができる。
【0056】
図9は、グループ接続に新たなプロジェクターPJ3を追加する際の各装置の動作を示したものである。この場合、グループ接続しているコンピューターPC1,PC2およびプロジェクターPJ1,PJ2がグループ情報を保持している。先ず、コンピューターPC1が、追加するプロジェクターPJ3に対して接続要求を送信すると共に、プロジェクターにPJ3の装置IDを追加したグループ情報を送信する。接続要求を受けたプロジェクターPJ3は、コンピューターPC1に対して接続完了通知を送信する。また、プロジェクターPJ3は、コンピューターPC1から受け取ったグループ情報を参照して、コンピューターPC2に対して自装置との接続要求を送信する。接続要求を受けたコンピューターPC2は、プロジェクターPJ3に対して接続完了通知を送信する。このとき、コンピューターPC2は、自身の保持しているグループ情報にプロジェクターPJ3の装置IDを追加してもよいし、プロジェクターPJ3が接続要求と共に、グループ情報をコンピューターPC2に送信しても良い。そして、さらにプロジェクターPJ3は、グループ情報を参照して、グループに属する自装置以外のプロジェクターPJ1,PJ2に対してプロジェクターPJ3が追加されたグループ情報を送信する。
【0057】
これによれば、グループ接続の接続状態を維持したまま、任意のプロジェクターPJをグループ接続に追加することができる。また、任意の1のコンピューターPC1から所望のプロジェクターPJ3に接続要求を行うだけで、グループ内のすべてのコンピューターPCと接続を行うことができる。また、追加されたプロジェクターPJ3が、グループ内の自装置以外の装置に最新のグループ情報を送信することで、グループ接続にプロジェクターPJ3が追加されたことを全装置が認識することができる。
【0058】
図10は、確立されたグループ接続から、任意のプロジェクターPJ1を切断する際の各装置の動作を示している。この場合、グループ接続しているコンピューターPC1,PC2およびプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3がグループ情報を保持している。先ず、コンピューターPC1の切断要求部12は、切断するプロジェクターPJ1に対して接続切断要求を送信する。接続切断要求を受けたプロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に対して切断完了通知を送信する。また、プロジェクターPJ1は、保持しているグループ情報を参照して、グループ内のコンピューターPCのうち、接続切断要求を受けていないコンピューターPC2に対して接続切断要求を送信する。一方、接続切断要求を受けたコンピューターPC2は、プロジェクターPJ1に対して切断完了通知を送信する。さらに、プロジェクターPJ1のグループ情報送信部44は、グループ情報を参照して、グループ内の自装置以外のプロジェクターPJ2,PJ3に対してプロジェクターPJ1を除いたグループ情報を送信する。
【0059】
これによれば、グループ接続を保ったまま、任意のプロジェクターPJ1の接続を切断することができる。また、グループ内の任意の1のコンピューターPC1の切断要求部12から切断したいプロジェクターPJ1に接続切断要求を行うだけで、プロジェクターPJ1が接続しているグループ内のすべてのコンピューターPCとの接続を切断することができる。また、接続切断要求を受けたプロジェクターPJ1のグループ情報送信部44が、プロジェクターPJ2,PJ3に対して自装置を除いたグループ情報を送信することで、プロジェクターPJ2,PJ3は、グループ接続からプロジェクターPJ1が切断されたことを認識することができる。
【0060】
図11は、グループ接続から任意のコンピューターPC1を切断する際の各装置の動作を示したものである。この場合、グループ接続しているコンピューターPC1,PC2およびプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3がグループ情報を保持している。先ず、切断するコンピューターPC1の切断要求部12が、グループ内の任意のプロジェクターPJ1に対して接続切断要求を送信する。接続切断要求を受けたプロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に対して切断完了通知を送信する。さらに、プロジェクターPJ1のグループ情報送信部44は、コンピューターPC1を除いたグループ情報をコンピューターPC2に対して送信する。また、保持しているグループ情報を参照して、グループ内の自装置以外のプロジェクターPJ2,PJ3に対して、切断要求部43からコンピューターPC1との接続切断要求を送信する。一方、コンピューターPC1との接続切断要求を受けたプロジェクターPJ2,PJ3は、コンピューターPC1に対して切断完了通知を送信する。
【0061】
これによれば、グループ接続を維持したまま、任意のコンピューターPC1の接続を切断することができる。また、切断したいコンピューターPC1の切断要求部12からグループ内の任意の1のプロジェクターPJ1に切断要求を行うだけで、コンピューターPC1が接続しているグループ内のすべてのプロジェクターPJとの接続を切断することができる。また、切断要求を受けたプロジェクターPJ1のグループ情報送信部44が、コンピューターPC2に対してコンピューターPC1を除いたグループ情報を送信することで、コンピューターPC2は、グループ接続からコンピューターPC1が切断されたことを認識することができる。
【0062】
図12は、グループ接続解除の際の各装置の動作を示したものである。このグループ接続解除は、図7(c)に示すPC切断画面において、全PCを選択した場合に行われる処理である。この場合、グループ接続しているコンピューターPC1,PC2およびプロジェクターPJ1,PJ2,PJ3がグループ情報を保持している。先ず、コンピューターPC1の切断要求部12は、グループ内の任意の1のプロジェクターPJ1に自装置およびコンピューターPC2との接続切断要求を送信する。接続切断要求を受けたプロジェクターPJ1は、コンピューターPC1,PC2に対して切断完了要求を送信する。また、プロジェクターPJ1の切断要求部43は、保持しているグループ情報を参照して、グループ内の自装置以外のプロジェクターPJ2,PJ3に対して、コンピューターPC1,PC2との接続切断要求を送信する。一方、コンピューターPC1,PC2との接続切断要求を受けたプロジェクターPJ2,PJ3は、コンピューターPC1,PC2に対して切断完了通知を送信する。
【0063】
これによれば、グループ内の任意の1のコンピューターPC1から、グループ内の任意の1のプロジェクターPJ1に対して接続切断要求を行うだけで、グループ接続を全解除することができる。
【0064】
図13(a)は、グループ接続を解除した後に表示される表示画面を示している。画面中央には、サブウィンドウ形式で、グループ情報の保存の有無を確認するメッセージ画面77が表示される。メッセージ画面77には、直前に確立されていたグループ接続のグループ情報を保存するか否かを問うメッセージと、回答を示す選択肢(「はい」、「いいえ」)が表示される。選択肢「はい」が選択されると、直前に確立されていたグループ接続のグループ情報が、記憶部3のグループ情報記憶領域19に不揮発に記憶される。一方、選択肢「いいえ」が選択されると、グループ情報は保存せずに削除される。
【0065】
図13(b)は、グループ情報をグループ情報記憶領域19に記憶した場合の、次回のグループ接続の際に表示される表示画面である。当該画面には、前回確立されたグループ接続の情報を再現して表示される。なお、前回グループ接続していた装置の中で、ネットワークに接続がされていない、電源が入っていないなど、現在接続不可能な装置は、網掛表示される。また、前回のグループ接続を利用しない場合は、不図示の選択画面の操作によって図5(a)に示すような通常の接続画面が表示される。
【0066】
これによれば、過去に確立したグループ接続のグループ情報をコンピューターPCが不揮発に記憶することにより、次回の接続の際に当該グループ情報を利用することができる。前回と同様の装置構成でグループ接続を行いたい場合などに、再度プロジェクターPJを検索する必要がなく、利便性が良い。なお、プロジェクターPJのグループ情報記憶部32にグループ情報を不揮発に記憶して、次回接続の際、コンピューターPCがプロジェクターPJに記憶されたグループ情報を取得する構成としてもよい。この場合、図13(c)に示すように、プロジェクターPJが有するグループ情報に対応したプロジェクターリストが表示される。なお、プロジェクターPJはグループ情報を不揮発に記憶することが望ましい。
【0067】
なお、コンピューターPCは、グループ接続の際に、現在自装置以外の装置が構成しているグループ情報を取得し、当該グループに属する装置を図13(b)と同様の形式で示す表示画面を表示してもよい。これによれば、グループ接続に参加する前に、当該グループ接続に参加している各装置、特にコンピューターPCを確認することができる。
【0068】
また、上記の実施形態では、すべてコンピューターPCからの接続要求によって処理が開始されたが、グループ内のプロジェクターPJから任意のコンピューターPCに対して接続要求を行う構成としてもよい。
【0069】
また、上記したような複数のコンピューターおよびプロジェクターから成るグループを複数形成し、主系コンピューターから各グループに属する任意の1のコンピューターに接続要求および各グループのグループ情報を送信する構成としてもよい。この場合、接続要求およびグループ情報を受信した各コンピューターは、自装置が属するグループの複数のプロジェクターに接続要求を行う。これによれば、主系コンピューターから各グループの任意の1のコンピューターに接続要求を行うだけで、複数のグループを形成する多数のプロジェクターとの接続を容易に確立することができる。
【0070】
[第2実施形態]
以下、図14ないし図16を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記の第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0071】
図14は、本実施形態にかかるプロジェクターPJ1の構成を示すブロック図である。なお、プロジェクターPJ2,PJ3は、いずれも同様の構成を備えている。同図に示すように、プロジェクターPJ1は、ネットワークNWに接続された自装置以外の装置と接続を確立する接続確立部60、グループ情報記憶部32、画像処理部33、中央制御部34、操作部35、投写制御部36および投写光学系37を備えている。
【0072】
接続確立部60は、ネットワークNWに接続された自装置以外の装置と通信を行う通信部31と、この通信を制御する通信制御部38とを有している。
【0073】
通信部31は、ネットワークNWに接続された複数のコンピューターPC(PC1,・・・,PCn)と通信を行うPC通信部31aと、自装置以外の複数のプロジェクターPJ(PJ2,・・・,PJm)と通信を行うPJ通信部31bと、を有している。
【0074】
PC通信部31aは、コンピューターPCから画像データを受信する画像データ取得部41と、コンピューターPCと接続情報を送受信するPC接続要求部42aと、切断情報を送受信するPC接続切断要求部43aと、を有している。一方、PJ通信部31bは、自装置以外のプロジェクターPJと接続情報を送受信するPJ接続要求部42bと、切断情報を送受信するPJ接続切断要求部43bと、を有している。なお、接続情報は、接続要求、接続完了通知および装置ID、グループIDを含み、切断情報は、接続切断要求、切断完了通知および装置ID、グループIDを含んでいる。
【0075】
画像データ取得部41は、コンピューターPCから画像データを受信し、コンピューターPCから出力されたRGB信号を受信するインターフェースにより実現される。
【0076】
PC接続要求部42aは、コンピューターPCから送信された装置ID「PC1」および接続要求を受信すると共に、コンピューターPCに対して自身の装置ID「PJ1」および接続完了通知を送信する。また、コンピューターPCが複数のプロジェクターPJ(例えばPJ1、PJ2、PJ3)をグループ化して接続要求を送信している場合、PC接続要求部42aは、グループ化されたプロジェクターPJの装置ID「PJ1」、「PJ2」、「PJ3」も受信する。
【0077】
PC接続切断要求部43aは、コンピューターPCから送信された装置ID「PC1」および接続切断要求を受信すると共に、コンピューターPCに対して自身の装置ID「PJ1」および切断完了通知を送信する。また、PC接続切断要求部43aは、後述する通信制御部38からの指令に基づいて、接続状態にある他のコンピューターPC(例えばPC2)に対して、装置ID「PJ1」および接続切断要求を送信する。
【0078】
PJ接続要求部42bは、PC接続要求部42aにより、コンピューターPCから接続要求と共に複数のプロジェクターPJの装置IDを受信した場合、通信制御部38の指令に基づいて、IDを受信した自装置以外のプロジェクターPJ(PJ2、PJ3)に対し、コンピューターPCの装置ID「PC1」および接続要求を送信する。反対に、自装置以外のプロジェクターPJから、コンピューターPCの装置ID「PC1」および接続要求を受信すると、PJ接続要求部42bは、受信した装置ID「ID」に対応するコンピューターPC1に自身の装置IDおよび接続完了通知を送信する。
【0079】
PJ接続切断要求部43bは、後述する通信制御部38からの指令に基づいて、自装置以外のプロジェクターPJ(PJ2、PJ3)に対して、コンピューターPCの装置ID「PC1」および接続切断要求を送信する。反対に、自装置以外のプロジェクターPJから、コンピューターPCの装置ID「PC1」および接続切断要求を受信すると、PJ接続切断要求部43bは、受信した装置IDに対応するコンピューターPC1に自身の装置IDおよび切断完了通知を送信する。
【0080】
通信制御部38は、PC接続要求部42aによりコンピューターPCから自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが受信されたか否かを判別するID情報判別部61と、PC接続要求部42aによりコンピューターPCから受信した装置IDからグループ情報を生成するグループ情報生成部62と、後述するグループ情報記憶部32にグループ情報が記憶されているかを判別するグループ情報判別部63と、を有している。また、グループ情報判別部63は、グループ情報に複数のコンピューターPCの装置IDが含まれているか、および否かも判別する。これは、任意のコンピューターPCから接続切断要求を受けた際、接続状態にある全てのコンピューターPCおよびプロジェクターPJに対して接続切断要求を行うためである。
【0081】
グループ情報生成部62は、PC接続要求部42aによりコンピューターPCから装置IDを受信した場合であって、受信した装置IDに自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが含まれていた場合、コンピューターPCの装置ID「PC1)と、自装置以外のプロジェクターPJ(例えばPJ2、PJ3)の装置ID「PJ2」、「PJ3」と、自装置の装置ID「PJ1」と、にグループID「A」を付してグループ化し、グループ情報「グループA:PC1,PJ1,PJ2,PJ3」を生成する。また、グループ情報生成部62は、さらにPC接続要求部42aにより他のコンピューターPCから装置IDを受信すると、生成したクループ情報に、当該他のコンピューターPCの装置ID「PC2」をグループ情報に追加する。この場合、グループ情報は、「グループA:PC1,PC2,PJ1,PJ2,PJ3」となる。
【0082】
なお、グループ情報生成部62は、グループ情報がグループ情報記憶部32に記憶されていない場合に限り、グループ情報を生成する。つまり、本実施形態においてグループ情報記憶部32は、複数のグループ情報を記憶できないようになっている。また、グループ情報がグループ情報記憶部32に記憶されていない場合でも、PC接続要求部42aによりコンピューターPCから受信した装置IDに自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが含まれてなかった場合、グループ情報を生成しない。
【0083】
グループ情報記憶部32は、グループ情報生成部62によって生成されたグループ情報を書き換え可能に記憶する。なお、グループ情報記憶部32に記憶されたグループ情報は、PC接続切断要求部43aおよびPJ接続切断要求部43bから接続切断要求を受信した時点で、消去されるようになっている。
【0084】
中央制御部34、操作部35、画像処理部33、投写制御部36、投写光学系37は、第1実施形態と同様の構成を備えている。
【0085】
次に、図15を参照し、本実施形態のプロジェクターPJ1の接続処理(接続確立方法)について説明する。プロジェクターPJ(通信制御部38)は、PC接続要求部42aにより、任意のコンピューターPC(PC1)から装置IDおよび接続要求を受信すると(S01)、接続要求を受信したコンピューターPC1に対して自身の装置IDおよび接続完了通知を送信する(S02)。続いて、グループ情報判別部63によりグループ情報記憶部32にグループ情報が記憶されているか否かを判別する(S03)。
【0086】
グループ情報が記憶されていない場合(S03;NO)、さらに、ID情報判別部61により、コンピューターPC1から自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが受信されたか否かを判別する(S04)。自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが受信されなかった場合(S04;NO)、接続処理を終了する(S05)。これまで辿ったフローをCASE1とする(図16(a)参照)。
【0087】
一方、コンピューターPC1から自装置以外のプロジェクターPJの装置ID(例えば「PJ2」、「PJ3」)が受信された場合(S04;YES)、グループ情報生成部62により、コンピューターPC1とプロジェクターPJ1、PJ2と自装置の装置IDにグループID「A」を付して、グループ情報「グループA:PC1、PJ1、PJ2、PJ3」を生成し、グループ情報記憶部32に記憶して(S06)、接続処理を終了する(S05)。これまで辿ったフローをCASE2とする(図16(b)参照)。
【0088】
グループ情報が記憶されていた場合(S03;YES)、グループ情報生成部62により、記憶されていたグループ情報にコンピューターPC1の装置IDを加える(S07)。さらに、ID情報判別部61により、コンピューターPC1から自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが受信されたか否かを判別する(S08)。自装置以外のプロジェクターPJの装置IDが受信されなかった場合(S08;NO)、グループ情報に含まれた全ての装置IDに対応する自装置以外のプロジェクターPJ2、PJ3に対して、コンピューターPC1の装置IDと接続要求を送信し(S09)、接続処理を終了する(S05)。これまで辿ったフローをCASE3とする(図16(c)参照)。
【0089】
一方、コンピューターPC1から自装置以外のプロジェクターPJの装置ID(例えば「PJ2」)が受信された場合(S08;YES)、受信した装置IDに対応するプロジェクターPJ2を除くプロジェクターPJ3に対してのみ、コンピューターPC1の装置IDと接続要求を送信し(S10)、接続処理を終了する(S05)。これまで辿ったフローをCASE4とする(図16(d)参照)。
【0090】
続いて、図16を参照し、コンピューターPC1とプロジェクターPJ1、PJ2およびPJ3との間の接続動作について説明する。同図は、図15のCASE1、CASE2、CASE3およびCASE4における各装置の動作を示している。また、図中において、実線で示された矢印は「接続要求」を、点線で示された矢印は「接続完了通知」を示している。
【0091】
図16(a)に示すように、グループ情報が記憶されていない場合、CASE1において、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1に装置ID「PC1」および接続要求が送信されると、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に装置ID「PJ1」および接続完了通知を送信する。また、図16(b)に示すように、CASE2において、コンピューターPC1から、プロジェクターPJ1、PJ2およびPJ3に装置ID「PC1)、「PJ1」、「PJ2」、「PJ3」および接続要求が送信された場合、プロジェクターPJ1、PJ2およびPJ3は、それぞれコンピューターPC1に自装置の装置IDおよび接続完了通知を送信する。このとき、プロジェクターPJ1、PJ2およびPJ3では、「グループA:PC1、PJ1、PJ2、PJ3」というグループ情報が生成・記憶される。
【0092】
また、図16(c)に示すように、グループ情報「グループA:PC1、PJ1、PJ2、PJ3」が記憶されている場合、CASE3において、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1に装置ID「PC1」および接続要求が送信された場合、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に装置ID「PJ1」および接続完了通知を送信すると共に、グループに属しているプロジェクターPJ2およびPJ3に対して、装置ID「PC1」および接続要求を送信する。プロジェクターPJ1から装置ID「PC1」および接続要求を受けたプロジェクターPJ2およびPJ3は、それぞれコンピューターPC1に対して装置ID「PJ2」または「PJ3」および接続完了通知をそれぞれ送信する。
【0093】
これは、CASE2において、グループ情報が生成された後、他のコンピューターPC(例えばPC2)が、プロジェクターPJ1に接続要求を送信した場合のフローと同様となる。すなわち、2台目以降に接続したコンピューターPCは、グループ内の任意の1台のプロジェクターPJ(例えばPJ1)のみに接続要求を行えば、グループ内の全てのプロジェクターPJ(例えばPJ2、PJ3)に接続することができる。
【0094】
図16(d)に示すように、CASE4において、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1、PJ2に装置ID「PC1)、「PJ1」、「PJ2」および接続要求が送信された場合、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に装置ID「PC1」および接続完了通知を送信すると共に、コンピューターPC1から装置IDが送信されたプロジェクターPJ2には接続要求を送信せず、装置IDが送信されなかったプロジェクターPJ3に対してのみ、装置ID「PC1」および接続要求を送信する。同様に、プロジェクターPJ2は、コンピューターPC1に装置ID「PJ2」および接続完了通知を送信すると共に、コンピューターPC1から装置IDが送信されたプロジェクターPJ1には接続要求を送信せず、装置IDが送信されなかったプロジェクターPJ3に対してのみ、装置ID「PC1」および接続要求を送信する。このように、プロジェクターPJ1およびプロジェクターPJ2に対する重複した接続要求を防ぐことができる。
【0095】
しかし、この場合プロジェクターPJ3に対する他のプロジェクターPJ(PJ1、PJ2)からの接続要求が重複するため、グループ内のプロジェクターPJに優先順位を付けて、グループ情報が記憶されている場合であって、コンピューターPCから同時に複数のプロジェクターPJに接続要求が送信された場合、優先順位の高いプロジェクターPJからのみ、他のプロジェクターPJに対して接続要求を送信するようにしても良い。
【0096】
次に、図17を参照して、プロジェクターPJ(PJ1)の接続切断処理について説明する。プロジェクターPJ1(通信制御部38)は、PC接続切断要求部43aにより、任意のコンピューターPC(PC1)から装置IDおよび接続切断要求を受信すると(S11)、切断要求を受信したコンピューターPC1に対して自身の装置IDおよび接続完了通知を送信する(S12)。続いて、グループ情報判別部63によりグループ情報記憶部32にグループ情報が記憶されているか否かを判別する(S13)。グループ情報が記憶されていなかった場合(S13;NO)、切断処理を終了する(S14)。これまで辿ったフローをCASE5とする(図19(a)参照)。
【0097】
一方、グループ情報が記憶されていた場合(S13;YES)、さらに、グループ情報判別部63により、グループ情報内に複数のコンピューターPCの装置IDが含まれているか否かを判別する(S15)。複数のコンピューターPCの装置IDが含まれていない場合(S15;NO)、グループ情報に含まれた全ての装置IDに対応する自装置以外のプロジェクターPJ2、PJ3に対して、コンピューターPC1の装置IDと接続切断要求を送信し(S16)、グループ情報記憶部32に記憶したグループ情報を消去して(S17)、切断処理を終了する(S14)。これまで辿ったフローをCASE6とする(図19(b)参照)。
【0098】
グループ情報内に複数のコンピューターPCの装置IDが含まれていた場合(S15;YES)、切断要求を受信したコンピューターPC1以外のコンピューターPC2に対して、自身の装置IDと接続切断要求を送信する(S18)。そして、グループ情報に含まれている全ての装置IDに対応する自装置以外のプロジェクターPJ2、PJ3に対して、コンピューターPC1の装置IDと接続切断要求を送信し(S16)、グループ情報記憶部32に記憶したグループ情報を消去して(S17)、切断処理を終了する(S14)。これまで辿ったフローをCASE7とする(図19(c)参照)。
【0099】
一方、図18に示すように、プロジェクターPJ(通信制御部38)は、自装置以外のプロジェクターPJから装置ID(例えば「PC1」、「PC2」)および接続切断要求を受信すると(S19)、受信した装置IDに対応する全てのコンピューターPC(PC1,PC2)に対して、自身の装置IDおよび切断完了通知を送信する(S20)。そして、グループ情報記憶部32に記憶したグループ情報を消去して(S21)、切断処理を終了する(S22)。
【0100】
続いて、図19を参照し、コンピューターPC1、PC2とプロジェクターPJ1、PJ2およびPJ3との間の切断動作について説明する。同図は、CASE5、CASE6およびCASE7における各装置の動作を示している。また、図中において、実線で示された矢印は「接続切断要求」を、点線で示された矢印は「切断完了通知」を示している。
【0101】
図19(a)に示すように、グループ情報が記憶されていない場合、CASE5において、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1に装置ID「PC1」および接続切断要求が送信されると、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に装置ID「PJ1」および切断完了通知を送信する。
【0102】
図19(b)に示すように、グループ情報が記憶されている場合であって、グループ情報に複数のコンピューターPCのIDが含まれていなかった場合(例えば、グループ情報「グループA:PC1、PJ1、PJ2、PJ3」)、CASE6において、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1に装置ID「PC1」および接続切断要求が送信されると、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に対して装置ID「PC1」および切断完了通知を送信すると共に、プロジェクターPJ2およびPJ3に対して、装置ID「PC1」および接続切断要求を送信する。装置ID「PC1」および接続切断要求を受けたプロジェクターPJ2およびPJ3は、それぞれコンピューターPC1に対して装置ID「PC2」または「PJ3」および切断完了通知を送信する。
【0103】
一方、図19(c)に示すように、グループ情報に複数のコンピューターPCの装置IDが含まれていた場合(例えば、グループ情報「グループA:PC1、PC2、PJ1、PJ2、PJ3」)、CASE7において、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1に装置ID「PC1」および接続切断要求が送信されると、プロジェクターPJ1は、コンピューターPC1に装置ID「PJ1」および切断完了通知を送信すると共に、接続切断要求を受けていないコンピューターPC2に対して、装置ID「PJ1」および接続切断要求を送信する。装置ID「PJ1」および接続切断要求を受信したコンピューターPC2は、プロジェクターPJ1に対して、切断完了通知を送信する。また、プロジェクターPJ1は、プロジェクターPJ2およびPJ3に対して装置ID「PC1」、「PC2」および接続切断要求を送信する。装置ID「PC1」、「PC2」および接続切断要求を受信したプロジェクターPJ2およびPJ3は、コンピューターPC1、PC2に対して装置ID「PJ2」または「PJ3」および切断完了通知をそれぞれ送信する。
【0104】
このように、プロジェクターPJにグループ情報が記憶され、複数のコンピューターPCと複数のプロジェクターPJが接続状態にある場合、任意の1台のコンピューターPCから、任意の1台のプロジェクターPJに接続切断要求を送信すれば、グループ内の全ての装置間の接続を切断することができる。
【0105】
以上、これまで、説明してきたプロジェクターシステムSYによれば、各プロジェクターPJが、グループ情報として、グループ内の複数のプロジェクターPJおよびコンピューターPCの装置IDを記憶しておくため、コンピューターPCは、グループ内の任意の1台のプロジェクターPJに接続要求を送信すれば、当該任意のプロジェクターPJが、記憶している装置IDを参照し、コンピューターPCの代わりに自装置以外のプロジェクターPJに接続要求を送信するため、容易に接続を確立することができる。特に複数のコンピューターPCが、ネットワークNWに接続された複数のプロジェクターPJに接続させたい場合に、容易に接続を確立することができ、利便性が良い。
【0106】
また、上記のプロジェクターシステムSYによれば、一度接続を確立したグループ接続を維持したまま、所望のプロジェクターPJやコンピューターPCを追加接続させたり、切断させたりすることができる。
【0107】
なお、上記の実施形態では、1台目のコンピューターPCは各プロジェクターPJに対して接続要求を行う必要があるとしたが、予め各プロジェクターPJにグループ情報を記憶させておく構成としても良い。この構成によれば、コンピューターPCから、グループ化させる各プロジェクターPJに対して接続要求を行う必要がなく、1台目のコンピューターPCから、簡単にグループ化された複数のプロジェクターPJに接続することができる。さらに、1台のプロジェクターPJにグループ情報を記憶させておき、当該プロジェクターPJが任意のコンピューターPCから接続要求を受信した際に、当該プロジェクターPJが自装置以外のプロジェクターPJにグループ情報を送信する構成にすれば、グループ情報を記憶させておくプロジェクターPJは1台で済むため、接続をより簡単にすることができる。
【0108】
また、上記の実施形態では、コンピューターPC1からプロジェクターPJ1に接続切断要求を行った場合、プロジェクターPJ1がグループ内の全てのコンピューターPCおよびプロジェクターPJに対して接続切断要求を行うとしたが、コンピューターPC1による切断動作に伴い、コンピューターPC1からグループ内の全コンピューターPCとプロジェクターPJ1に接続切断要求を出し、プロジェクターPJ1はグループ内の自装置以外のプロジェクターPJに対して接続切断要求を出すようにしても良い。
【0109】
なお、最初に接続を確立したコンピューターPCとプロジェクターPJとをメインのコンピューターPCとプロジェクターPJとし、後から接続を確立したコンピューターPCとプロジェクターPJと区別して記憶しても良い。この構成によれば、メインのコンピューターPCから切断要求を行った場合のみ、グループ内の全ての接続を解除するような構成としたり、メインのプロジェクターPJに接続要求を行った場合のみ、グループ内の全てのプロジェクターPJとの接続を確立するような構成とすることで、メインのコンピューターPCおよびプロジェクターPJにより装置間の接続状態を管理することができる。
【0110】
また、上記の実施形態では、透過型液晶表示方式を採用しているが、反射型液晶表示方式、CRT表示方式やライトスイッチ表示方式(マイクロミラーデバイス方式)など、プロジェクターPJの表示原理は問わない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
1:通信部 2:制御部 3:記憶部 4:表示部 5:操作部 11:接続要求部 12:切断要求部 13:グループ情報送信 14:グループ情報取得部 18:グループ情報生成部 19:グループ情報記憶領域 32:グループ情報記憶部 NW:ネットワーク PC:コンピューター PJ:プロジェクター SY:プロジェクターシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された複数のコンピューターおよび複数のプロジェクターを備えたプロジェクターシステムであって、
前記複数のコンピューターのそれぞれは、前記ネットワークに接続された任意のプロジェクターに対して接続要求を行う接続要求部を備え、
前記複数のプロジェクターのそれぞれは、自装置が属するグループ内の各プロジェクターの装置IDを含むグループ情報を取得するグループ情報取得部と、任意の前記コンピューターから接続要求を受けたとき、前記グループ情報を参照し、前記グループ内の前記各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、前記任意のコンピューターとの接続を要求する接続要求部と、を備えたことを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項2】
前記複数のコンピューターのうち少なくとも1のコンピューターは、前記ネットワークに接続された任意の複数のプロジェクターをグループ化して前記グループ情報を生成するグループ情報生成部を、さらに備え、
前記各プロジェクターは、前記1のコンピューターから前記グループ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクターシステム。
【請求項3】
前記各プロジェクターは、前記任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、前記自装置以外のプロジェクターに対して、前記グループ情報を送信するグループ情報送信部を、さらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクターシステム。
【請求項4】
前記グループ情報には、前記グループ内の各コンピューターの装置IDが含まれ、
前記各プロジェクターの前記接続要求部は、前記任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、前記グループ情報を参照し、前記グループ内の前記各コンピューターのうち、当該接続要求を受けたコンピューター以外のコンピューターに対して、自装置との接続を要求することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプロジェクターシステム。
【請求項5】
前記各プロジェクターは、前記グループ情報を記憶するグループ情報記憶部と、
前記任意のコンピューターからの接続要求を受けたとき、前記グループ情報記憶部に前記グループ情報が記憶されているか否かを判別するグループ情報判別部と、
前記グループ情報判別部により前記グループ情報が記憶されていないと判別された場合であって、前記接続要求によって前記自装置を含む前記複数のプロジェクターがグループ化された場合、当該グループ内の前記各プロジェクターの装置ID、および前記接続要求を行ったコンピューターの装置IDを、前記グループ情報として生成するグループ情報生成部とを、さらに備え、
前記グループ情報記憶部は、前記グループ情報生成部により生成された前記グループ情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクターシステム。
【請求項6】
前記グループ情報判別部により前記グループ情報が記憶されていると判別された場合、前記任意のコンピューターが接続要求を行っている他のプロジェクターが存在するか否かを判別する接続要求判別部をさらに備え、
前記接続要求部は、前記接続要求判別部により前記他のプロジェクターが存在すると判別された場合、当該他のプロジェクターに対しては接続要求を行わないことを特徴とする請求項5に記載のプロジェクターシステム。
【請求項7】
前記各コンピューターは、前記グループ内の前記任意のプロジェクターに対して接続切断要求を行う切断要求部をさらに備え、
前記各プロジェクターは、前記任意のコンピューターから接続切断要求を受けたとき、前記グループ内の各コンピューターのうち、当該接続切断要求を受けていないコンピューターに対して、自装置との接続切断を要求する切断要求部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクターシステム。
【請求項8】
前記各コンピューターは、前記任意のプロジェクターに対して接続切断要求を行う切断要求部をさらに備え、
前記各プロジェクターは、前記任意のコンピューターから接続切断要求を受けたとき、前記グループ内の前記各プロジェクターのうち、前記自装置以外のプロジェクターに対して、前記コンピューターとの接続切断を要求する切断要求部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクターシステム。
【請求項9】
前記各プロジェクターは、前記任意のコンピューターから接続切断要求を受けたとき、
前記グループ内の前記各プロジェクターのうち、前記自装置以外のプロジェクターに対して、自装置の装置IDを除いたグループ情報を送信するグループ情報送信部をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載のプロジェクターシステム。
【請求項10】
前記各コンピューターは、前記グループ情報を不揮発に記憶するグループ情報記憶部と、
前記グループ情報記憶部に記憶された前記グループ情報を読み出して表示する表示部と、を、さらに備えていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のプロジェクターシステム。
【請求項11】
前記各プロジェクターの前記グループ情報記憶部は、前記グループ情報を不揮発に記憶し、
前記各コンピューターは、前記各プロジェクターの前記グループ情報記憶部に記憶された前記グループ情報を読み出すグループ情報読み出し部を、さらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のプロジェクターシステム。
【請求項12】
前記コンピューターは、前記ネットワークに接続された前記自装置以外の装置が形成するグループのグループ情報を取得するグループ情報取得部を、さらに備えていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のプロジェクターシステム。
【請求項13】
ネットワークに接続された複数のコンピューターおよび複数のプロジェクターの間の接続を確立する接続確立方法であって、
前記複数のコンピューターのうちの任意のコンピューターが、前記複数のプロジェクターのうちの任意のプロジェクターに対して接続要求を行う接続要求ステップと、
前記複数のプロジェクターのそれぞれが、自装置が属するグループ内の各プロジェクターの装置IDを含むグループ情報を取得するグループ情報取得ステップと、
前記任意のプロジェクターが、任意のコンピューターから接続要求を受けたとき、前記グループ情報を参照し、前記グループ内の各プロジェクターのうち、自装置以外のプロジェクターに対して、前記任意のコンピューターとの接続を要求する接続要求ステップと、を実行することを特徴とする接続確立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−150536(P2012−150536A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6678(P2011−6678)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】