プローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システム
【課題】プローブ針の針先平面度を高い精度で調整し、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行う。
【解決手段】接続ユニットが、ポゴピンブロックと、ポゴピンブロック支持部とを有し、プローブカードが、複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記配線基板を支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記負圧に抗して上記配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板調整治具である。上記ポゴピンブロックに設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備え、上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する。また、他の発明は上記配線基板調整治具を用いた配線基板修正方法並びに検査方法及び検査システムである。
【解決手段】接続ユニットが、ポゴピンブロックと、ポゴピンブロック支持部とを有し、プローブカードが、複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記配線基板を支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記負圧に抗して上記配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板調整治具である。上記ポゴピンブロックに設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備え、上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する。また、他の発明は上記配線基板調整治具を用いた配線基板修正方法並びに検査方法及び検査システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の電子デバイス等の電極に接触する各プローブ針の針先の高さ位置を修正するプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス等の電極にプローブカードのプローブ針を接触させて検査する際に真空を利用した、真空密着方式の検査装置は一般に知られている。このような検査装置の例としては特許文献1に記載のプロービング装置がある。このプロービング装置を以下に概説する。
【0003】
プロービング装置1は、図1に示すように、検査ステージ2のチャックトップ3とカード台4に支持されたプローブカード5との間の第1の空間6及びプローブカード5とカード台4に支持されたパフォーマンスボード7との間の第2の空間10を、それぞれ、第1のシール8及び第2のシール9により外部から気密に維持し、第1の空間6及び第2の空間10をそれぞれ第1の吸引穴11及び第2の吸引穴12を介して排気可能にし、パフォーマンスボード7の下側に配置された中間体13をプローブカード5及びパフォーマンスボード7の両者に当接させている。
【0004】
これにより、接触子14の針先と被検査体15の電極とが相対的に押圧されたときに、プローブカード5の撓みが防止され、しかも接触子14に作用する押圧力が中間体13を介してパフォーマンスボード7に伝達される。これにより、被検査体15の電極と接触子14との間に作用する偏荷重が抑制される。
【0005】
その結果、偏荷重が被検査体15の電極と接触子14との間に作用することが防止される。これにより、正確な検査を可能にする。
【0006】
また、他の例として特許文献2に記載の半導体検査装置もある。この半導体検査装置は、真空密着方式ではないが、上記中間体13と同様の機能を有する結合部を備えている。この結合部は、上記中間体13と同様に、プローブ基板と支持部材との間に設けている。結合部は、プローブ基板に一体的に設けられ、レバー等で支持部材側に固定されて、複数のプローブ針を備えたプローブ基板と、このプローブ基板の撓みを抑える支持部材との間隔が所定の距離に保持される。これにより、プローブ針の針先が所定の平面高さ位置に保持される。
【0007】
この結果、偏荷重による撓みが抑えられて、正確な検査を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−295686号公報
【特許文献2】特開2008−300481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記各従来技術では、負圧や針圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能であるが、近年は、半導体ウエハ等の検査対象板の大径化、回路の高集積化等により、プローブカードの各プローブ針の針先平面度に対してより高い精度が求められるようになってきた。そして、より高い精度で検査を行うには、設定間隔に保持するための上記中間体13等が設けられた後に、プローブカードの微調整を行う必要が生じる場合がある。即ち、実際の検査中のプローブカードの変形状態を考慮して、各プローブ針の針先平面度が基準値(例えば30μm)内に入るように調整することが求められる。
【0010】
しかし、上記各従来技術では、プローブカード等を検査装置に組み込む際に微調整を行うことはできない。即ち、検査中のプローブカードの変形状態を考慮して微調整することはできない。
【0011】
このため、各プローブ針の針先平面度を基準値内に正確に調整することができる方法が望まれている。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、プローブカードの各プローブ針の針先平面度を高い精度で容易に調整することができるプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るプローブカードの配線基板調整治具は、接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板調整治具において、上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備え、上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプローブカードの配線基板修正方法は、接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板修正方法において、上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備えた配線基板調整治具を用い、当該配線基板調整治具を上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する真空引き工程と、当該真空引き工程での上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出工程と、当該平面度検出工程で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正工程とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法は、ポゴピンブロックを検査装置に供給するポゴピンブロック供給工程と、プローブカードを上記検査装置に供給するプローブカード供給工程と、上記検査装置で検査対象板の検査を行う検査工程とを備え、上記ポゴピンブロック供給工程が、平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意工程と、上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付工程と、ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整工程と、上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付工程とからなり、上記プローブカード供給工程が、針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意工程と、当該プローブカード用意工程と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意工程と、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整工程とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査システムは、半導体ウエハの各電極に検査信号を印加して検査を行う検査システムにおいて、ポゴピンブロックを検査部に供給するポゴピンブロック供給ラインと、プローブカードを上記検査部に供給するプローブカード供給ラインと、上記半導体ウエハの検査を行う検査部とを備え、上記ポゴピンブロック供給ラインが、平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意部と、上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付部と、ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整部と、上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付部とからなり、上記プローブカード供給ラインが、針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意部と、当該プローブカード用意部と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意部と、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記プローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムにより、プローブカードの各プローブ針の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧等による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来の検査装置の要部を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る検査装置の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る検査装置に用いる他の接続ユニットの例を示す平面図である。
【図4】図3の接続ユニットの断面図である。
【図5】図3の接続ユニットのポゴピンブロック支持部を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る検査装置のプローブカードを示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る配線基板調整治具をプローブカードに装着した状態を示す断面図である。
【図8】図7の配線基板調整治具で真空引きした状態を示す断面図である。
【図9】図7の配線基板調整治具で各プローブ針の針先高さの調整をした状態を示す断面図である。
【図10】従来の検査装置での検査の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係る検査装置での検査の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1実施例に係る検査装置での検査の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施例に係る検査装置での検査の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムについて、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係るプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法は、真空密着方式の検査装置のプローブカードに用いられるものである。既存の真空密着方式の検査装置すべてに、本発明のプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法を用いることができる。さらに、上記配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムは、既存の真空密着方式の検査装置すべてを用いることができる。このため、以下では、既存の真空密着方式の検査装置に用いられるプローブカードを中心に説明する。既存の真空密着方式の検査装置には種々の構成があり、それに取り付けられるプローブカードも種々の構成があるが、本発明はこれらすべてのプローブカードに適用することができるものである。以下本実施形態では、上記種々のプローブカードのうちの一例をその周辺技術と共に説明し、そのプローブカードを用いて配線基板修正方法、検査方法及び検査システムを説明する。
【0020】
テスター側のテストヘッド21には、図2に示すように、接続ユニット22と、プローブカード23とが取り付けられている。
【0021】
接続ユニット22は、後述するプローブカード23の各プローブ針42と、テストヘッド21のテストヘッド配線基板25の各電極(図示せず)とを電気的に接続するための部材である。接続ユニット22は、ポゴピンブロック26と、ポゴピンブロック支持部27とを備えて構成されている。
【0022】
ポゴピンブロック26は、複数のポゴピン28を支持するための部材である。ポゴピンブロック26は、肉厚の円盤状に形成され、複数のポゴピン挿入穴29を備えている。各ポゴピン挿入穴29は、プローブカード23の上側面の電極(図示せず)の位置に合わせて設けられている。ポゴピン挿入穴29は、ポゴピンブロック26の上下に貫通して設けられている。ポゴピン28は、このポゴピン挿入穴29に装着されることで、その上下端がポゴピンブロック26の上下に突出するようになっている。ポゴピンブロック26の周囲にはフランジ部26Aが設けられている。フランジ部26Aは、ポゴピンブロック支持部27と一体的に結合するための部分である。
【0023】
ポゴピンブロック26の下側面には、後述するプローブカード23のアンカー45に当接するアンカー当接部30が設けられている。アンカー当接部30は、ポゴピンブロック26の下側面に凹状に形成して設けられたり、平坦面状に形成して設けられたりする。アンカー当接部30は、ポゴピンブロック26の下側面全面に複数設けられている。これらのアンカー当接部30は、荷重が分散してプローブカード23の撓みを抑えるように配置されている。プローブカード23のアンカー45に直接当接するアンカー当接部30の当接面30Aは、高い平面度に維持されている。例えば、すべてのアンカー当接部30の当接面30Aの高さが、互いに5μm以内に収まるように、高い平面度で仕上げられている。
【0024】
ポゴピンブロック支持部27は、テスター側のテストヘッド21にテストヘッド配線基板25を介して気密に取り付けられて上記ポゴピンブロック26をその周囲から支持するための部材である。ポゴピンブロック26のポゴピンブロック支持部27は、テストヘッド配線基板25と、図示しない位置決めピンにより位置決めされて、図示しない支持機構により支持される。これにより、ポゴピンブロック支持部27は、テストヘッド21に支持されてテストヘッド配線基板25に気密に結合される。ポゴピンブロック支持部27の上側面には環状溝32が設けられている。この環状溝32にOリング33が取り付けられている。これにより、ポゴピンブロック支持部27がテストヘッド21に一体的に結合されたときに、ポゴピンブロック支持部27とテストヘッド21のテストヘッド配線基板25との間を気密に保つようになっている。
【0025】
なお、上記接続ユニット22の構成としては種々のものがあり、例えば図3〜5に示すような構成の接続ユニット35もある。この接続ユニット35は、ポゴピンブロック36と、ポゴピンブロック支持部37とを備えて構成されている。
【0026】
ポゴピンブロック36は、そのポゴピン挿入穴38を、扇状の領域(円形を八等分して扇状に分割された領域)に配列されている。ポゴピンブロック支持部37は、外周リング39と、支持板40とからなる筺体で構成されている。支持板40は、放射状に8枚に分かれて構成され、外周リング39に一体的に結合されている。これにより、円形を八等分にした扇状の領域が形成されている。上記ポゴピンブロック36が、この外周リング39と支持板40に一体的に嵌合して接続ユニット35が構成されている。
【0027】
プローブカード23は、半導体ウエハ等の検査対象板の各回路の電極にテスターからの検査信号を印加するための装置である。プローブカード23は、図2,6に示すように、その下側面に複数のプローブ針42を備えて構成されている。各プローブ針42は、その針先を検査対象板の各回路の電極にそれぞれ整合する位置に設けられて、互いに接触するようになっている。プローブカード23は、プローブカード配線基板43と、配線基板支持部44と、アンカー45とを備えて構成されている。
【0028】
プローブカード配線基板43は、複数のプローブ針42を支持して、各プローブ針42を検査対象板の各回路の電極に接触させるための部材である。プローブカード配線基板43は、肉厚の円盤状に形成され、その下側面に複数のプローブ針42が直接装着され、その上側面に各プローブ針42の電極(図示せず)が設けられている。この各電極が上記各ポゴピン28にそれぞれ電気的に接続されて、各プローブ針42と各ポゴピン28とがそれぞれ電気的に接続される。
【0029】
これにより、各プローブ針42は、接続ユニット22の複数のポゴピン28を介してテスター側と電気的に接続される。プローブカード配線基板43の周囲にはフランジ部43Aが設けられている。フランジ部43Aは、配線基板支持部44と一体的に結合するための部分である。
【0030】
配線基板支持部44は、プローブカード配線基板43を気密に且つ一体的に支持すると共に、プローブカード配線基板43のポゴピンブロック26、36(以下「26」のみを記載する)側(上側)の空間を負圧に保つための部材である。配線基板支持部44は、リング状に形成されてプローブカード配線基板43をその外周から支持する。配線基板支持部44の上側面には環状溝47が設けられている。この環状溝47にOリング48が取り付けられている。これにより、配線基板支持部44がポゴピンブロック支持部27に一体的に結合されたときに、これら配線基板支持部44とポゴピンブロック支持部27との間を気密に保つようになっている。これにより、配線基板支持部44は、ポゴピンブロック支持部27に気密に取り付けられ、プローブカード配線基板43を気密に支持して、プローブカード配線基板43のポゴピンブロック26側の空間(アンカー45の周囲の空間)を負圧に保つようになっている。
【0031】
アンカー45は、負圧に抗してプローブカード配線基板43を支持するための部材である。アンカー45は、プローブカード配線基板43の上側面に、ポゴピンブロック26に面して取り付けられている。アンカー45は、上記ポゴピンブロック26のアンカー当接部30に対応する位置に配置されている。この配置により、プローブカード配線基板43をポゴピンブロック26側に反らせるように加わる、負圧による荷重やプローブ針42の針圧を分散して支持するようになっている。具体的には、ポゴピンブロック26に反力を得た各アンカー45が、負圧に抗してプローブカード配線基板43をポゴピンブロック26側に反らないように支持している。アンカー45は、所定厚さのシム50(図9参照)を1又は複数枚入れてその高さを微調整できるようになっている。各アンカー45の高さは、その上側面が同一平面(図6のアンカー平面B)に整合するように調整されている。
【0032】
[配線基板調整治具]
次に、配線基板調整治具について説明する。
【0033】
配線基板調整治具52(図7参照)は、プローブカード23のプローブカード配線基板43の下側に複数設けられたプローブ針42の針先平面度を修正するための治具である。ここで、針先平面度は、すべてのプローブ針42の針先の、同一平面(図6の針先平面A)に対するズレの程度である。
【0034】
配線基板調整治具52は、図7に示すように、ポゴピンブロック26と同様の肉厚円盤状に形成されている。配線基板調整治具52の下側面の周縁部は、プローブカード23のOリング48が気密に当接するように平坦面状に形成されている。配線基板調整治具52には、ポゴピン装着穴53と、ポゴピン54と、吸引手段55とが備えられている。
【0035】
ポゴピン装着穴53は、ポゴピン54を装着するための穴である。ポゴピン装着穴53は、ポゴピンブロック26に装着された各ポゴピン28に対応する位置にそれぞれ設けられている。ポゴピン装着穴53は、上記プローブカード配線基板43側へ開口して設けられている。ポゴピン54は、ポゴピンブロック26に装着されたポゴピン28と同じものが用いられる。吸引手段55は、プローブカード配線基板43のポゴピンブロック26側を負圧にするための装置である。吸引手段55は、配線基板調整治具52とプローブカード23とで囲まれた空間を真空引きする。吸引手段55は、配線基板調整治具52の下側面に開口した連通孔57と、この連通孔57に接続された連通管58と、この連通管58に接続された真空ポンプ(図示せず)とを備えて構成されている。
【0036】
この配線基板調整治具52は、上記配線基板支持部44に気密に取り付けられて、上記接続ユニット22の代わりに上記プローブカード23に装着される。そして、上記吸引手段55で真空引きして実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現して、プローブカード配線基板43の撓みによる、プローブ針42の針先高さのばらつきを再調整する。
【0037】
[配線基板修正方法]
次に、上記配線基板調整治具52を用いた配線基板修正方法について説明する。
【0038】
配線基板修正方法は、上記プローブカード23のプローブカード配線基板43の下側に複数設けられたプローブ針42の針先平面度を修正する方法である。この配線基板修正方法には、上記配線基板調整治具52を用いる。上記配線基板調整治具52のポゴピン装着穴53の深さは、上記真空引きによる負圧及び上記プローブカード配線基板43のアンカー45やポゴピン28による押圧力で生じる上記ポゴピンブロック26の撓み分を加えて設定される。
【0039】
配線基板修正方法は、真空引き工程と、平面度検出工程と、修正工程とから構成されている。この配線基板修正方法は、プローブカード23を検査装置に供給する前に行われる。
【0040】
真空引き工程は、図7に示すように、配線基板調整治具52をプローブカード23に取り付けて、上記吸引手段55で真空引きして実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現する工程である。具体的には、配線基板調整治具52を、上記配線基板支持部44に気密に装着して、上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する。
【0041】
平面度検出工程は、図8に示すように、上記真空引き工程で上記プローブカード配線基板43が変形した場合に、その変形によるプローブ針42の針先平面度の変化を検出する工程である。具体的には、複数のプローブ針42の針先が検査用の平坦な電極板に接触する際の接触順や、接触させて電圧を印加したときの抵抗値の違い等の公知技術によってプローブ針42の針先平面度を検出する。
【0042】
修正工程は、プローブ針42の針先高さ位置のずれを修正する工程である。修正工程は、図9に示すように、上記平面度検出工程で検出したプローブ針42の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカー45の高さを調整してプローブ針42の針先高さ位置のずれを修正する。上記アンカー45の高さ調整は、上記アンカー45にシム50を追加し又は取り外して行う。例えば、すべてのアンカー45に予め複数枚のシム50を取り付けておき、ずれた位置のシム50を取り外したり、新たに追加したりして調整する。
【0043】
[第1検査方法]
次に、上記検査装置、上記配線基板調整治具52及び上記配線基板修正方法を用いた第1検査方法について従来の検査方法と比較しつつ説明する。
【0044】
従来の検査方法は、図10に示すように、ウエハーステージとカードホルダのプローブカード取り付け面の平行度を調整する工程S1と、針先平面度を調整されたプローブカードを用意する工程S2と、プローブカードをカードホルダに取り付ける工程S3と、ポゴピンブロックとプローブカードを接続する工程S4と、ウエハの半導体を測定する工程S5とから構成されていた。プローブカードは、予め平面度が調整されており、再度調整されることはなかった。これに対して本発明の検査方法は、プローブカードの平面度を再度調整するようにしたものである。
【0045】
本実施形態の第1検査方法は、図11に示すように、ポゴピンブロック26を検査装置に供給するポゴピンブロック供給工程S7と、プローブカード23を上記検査装置に供給するプローブカード供給工程S8と、上記プローブカード23を上記ポゴピンブロック26に取り付けるプローブカード取付工程S9と、上記検査装置で検査対象板である半導体ウエハの検査を行う検査工程S10とを備えて構成されている。
【0046】
上記ポゴピンブロック供給工程S7は、図12に示すように、ポゴピンブロック用意工程S11と、ポゴピンブロック取付工程S12と、ポゴピンブロック平行度調整工程S13とから構成されている。
【0047】
ポゴピンブロック用意工程S11は、上記平面度を調整された上記ポゴピンブロック26を用意する工程である。ポゴピンブロック26が製造された後、その平面度が調整されて、検査装置に供給される。
【0048】
このポゴピンブロック用意工程S11は、ポゴピンブロック平面度調整工程(図示せず)と、ポゴピンブロック組立工程(図示せず)とを備えて構成されている。ポゴピンブロック平面度調整工程では、上記ポゴピンブロック26の筺体の一側面であって上記プローブカード23側に当接する当接面30Aの平面度を調整する。ポゴピンブロック組立工程では、上記ポゴピンブロック26を組み立てる。
【0049】
ポゴピンブロック取付工程S12は、上記ポゴピンブロック26をテスター側のテストヘッド21に取り付ける工程である。ポゴピンブロック26を支持するポゴピンブロック支持部27をテストヘッド21に固定することにより、ポゴピンブロック26をテストヘッド21に気密に取り付ける。
【0050】
ポゴピンブロック平行度調整工程S13は、検査装置のウエハーステージ(図示せず)と上記ポゴピンブロック26との平行度を調整する工程である。ウエハーステージの上側面と、上記ポゴピンブロック26の下側面全面に複数設けられたアンカー当接部30の当接面30Aとが平行になるように調整する。具体的には、ウエハーステージの上側面と、上記アンカー当接部30の当接面30Aとの間隔を、複数カ所で測定して、これらの間の平行度を測定し、高い精度で調整する。この間隔の測定は、機械的な測定装置や、レーザ光を用いた光学的な測定装置等を用いて行われる。
【0051】
これにより、半導体ウエハが載置されるウエハーステージの上側面と、ポゴピンブロック26の下側の当接面30Aの平行度が保証される。また、ポゴピンブロック26の当接面30Aに当接したプローブカード23のアンカー45の平面と、プローブ針42の針先平面との平行度が後述するアンカー平行度調整工程で保障されることで、ポゴピンブロック26の下側面に取り付けられたプローブカード23のプローブ針42の針先平面と、ウエハーステージ上のウエハ上面との平行度が保証される。
【0052】
上記プローブカード供給工程S8は、プローブカード用意工程S14と、調整治具用意工程S15と、針先平面度再調整工程S16とから構成されている。
【0053】
プローブカード用意工程S14は、針先平面度が調整されたプローブカード23を用意する工程である。プローブカード23が製造された後、各プローブ針42の針先平面度が調整されて、検査装置に供給される。
【0054】
このプローブカード用意工程S14は、プローブカード製作工程(図示せず)と、針先平面度調整工程(図示せず)と、アンカー平面度調整工程(図示せず)と、アンカー平行度調整工程(図示せず)とを備えて構成されている。
【0055】
プローブカード製作工程は、上記プローブカード23を製作する工程である。プローブカード23のプローブ針42は、ある程度の針先平面度で製作される。針先平面度調整工程は、上記プローブカード23のプローブ針42の針先平面度を調整する工程である。上述した方法で針先平面度を調整する。アンカー平面度調整工程は、上記プローブカード23のアンカー45の平面度を調整する工程である。上述した方法で平面度を調整する。アンカー平行度調整工程は、上記針先平面度調整工程で調整したプローブ針42の針先平面と上記アンカー平面度調整工程で調整したアンカー45の平面との平行度を調整する工程である。上述した方法で平行度を調整する。
【0056】
調整治具用意工程S15は、上記プローブカード用意工程S14と並行して行われ、上記配線基板調整治具52を用意する工程である。配線基板調整治具52が製造される。この記配線基板調整治具52のポゴピン装着穴53は、設定された深さに形成されている。即ち、ポゴピン装着穴53は、上記真空引きによる負圧及び上記プローブカード配線基板43のアンカー45やポゴピン28による押圧力で生じる上記ポゴピンブロック26の撓み分を加えて設定された深さに形成されている。
【0057】
この調整治具用意工程S15は、当接面平面度調整工程(図示せず)と、調整治具組立工程(図示せず)とを備えて構成されている。当接面平面度調整工程は、上記配線基板調整治具52の治具本体のうち上記プローブカード23のアンカー45との当接面の平面度を調整する。調整治具組立工程は、上記治具本体にポゴピン54を入れて組み立てる工程である。このとき、ポゴピン装着穴53の深さも設定される。
【0058】
針先平面度再調整工程S16は、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現して、針先平面度を再調整する工程である。この工程は、上記プローブカード23が検査装置に供給される前に行われる。即ち、図7のように、プローブカード23を配線基板調整治具52に取り付けて真空吸着し、図8のように、実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現して、図9のように、シム50を追加したり、取り外したりして、針先平面度を再調整する。この工程は、上記プローブカード23が検査装置に供給される前に行われる。この再調整により、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で仕上げた後、プローブカード取付工程S9に供給する。これにより、各プローブ針42の針先平面度が高いプローブカード23を用いた検査装置で、検査対象板の検査が行われる。
【0059】
この針先平面度再調整工程S16は、真空引き工程(図示せず)と、平面度検出工程(図示せず)と、修正工程(図示せず)とから構成されている。真空引き工程は、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカード23のプローブカード配線基板43の変形を再現する工程である(図7参照)。平面度検出工程は、上記真空引き工程での上記プローブカード配線基板43の変形によるプローブ針42の針先平面度の変化を検出する工程である(図8参照)。修正工程は、上記平面度検出工程で検出したプローブ針42の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカー45の高さを調整してプローブ針42の針先高さ位置のずれを修正する工程である(図9参照)。
【0060】
プローブカード取付工程S9では、針先平面度再調整工程S16で再調整されたプローブカード23が、ポゴピンブロック平行度調整工程S13でウエハーステージとの平行度が調整されるポゴピンブロック26に気密に取り付けられる。
【0061】
検査工程S10では、上記検査装置のウエハーステージに載置された検査対象板に、ポゴピンブロック26に取り付けられたプローブカード23のプローブ針42が接触して検査が行われる。
【0062】
この検査方法により、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【0063】
[第2検査方法]
次に、第2検査方法について説明する。この検査方法は、プローブカード23の取付構造の違いに応じて、上記第1検査方法の一部を変更したものである。即ち、第2検査方法は、プローブカード23が図1と同様にカードホルダーに取り付けられる構造の検査装置を用いた検査方法である。具体的には、上記第1検査方法の上記ポゴピンブロック供給工程S7のポゴピンブロック平行度調整工程S13の代わりに、プローブカード平行度調整工程S18を備えると共に、上記第1検査方法のプローブカード取付工程S9の代わりに、カードホルダー取付工程S19と、接続工程S20とを備えたものである。
【0064】
プローブカード平行度調整工程S18は、上記ウエハーステージの上側面と、上記プローブカード23を支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整する工程である。
【0065】
カードホルダー取付工程S19は、上記プローブカード23を上記カードホルダーに取り付ける工程である。
【0066】
接続工程S20は、上記ポゴピンブロック26と上記プローブカード23とを接続する工程である。
【0067】
これ以外の工程は上記第1検査方法と同様である。
【0068】
この検査方法によっても上記第1検査方法と同様に、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【0069】
[第1検査システム]
次に、検査システムについて説明する。この検査システムは、上記検査方法を行うための装置である。即ち、この検査システムは、半導体ウエハ等の検査対象板の各電極に検査信号を印加して検査を行うためのシステムである。なお、本検査システムは、上記各検査方法の各工程での処理を具体的に実現するための装置であるため、本検査システムの具体的な構成は、上記各検査方法の各工程を装置に置き換えることで実現できる。このため、以下では、上記図11〜13の各処理を適宜参照しながら説明する。
【0070】
本実施形態の検査システムは、ポゴピンブロック供給ライン(S7)と、プローブカード供給ライン(S8)と、プローブカード取付部(S9)、検査部(S10)とを備えて構成されている。
【0071】
ポゴピンブロック供給ライン(S7)は、ポゴピンブロック26を検査部に供給するためのラインである。プローブカード供給ライン(S8)は、プローブカード23を上記検査部に供給するためのラインである。プローブカード取付部(S9)は、上記プローブカード23を上記ポゴピンブロック26に取り付けるための装置である。検査部(S10)は、検査対象板の検査を直接行うための装置である。これらの装置は、製造ラインでの組み立て装置やプローバ等によって構成される。
【0072】
上記ポゴピンブロック供給ライン(S7)は、ポゴピンブロック用意部(S11)と、ポゴピンブロック取付部(S12)と、ポゴピンブロック平行度調整部(S13)とを備えて構成されている。
【0073】
ポゴピンブロック用意部(S11)は、平面度を調整された上記ポゴピンブロック26を用意するための装置である。上記ポゴピンブロック用意部(S11)は、ポゴピンブロック平面度調整部と、ポゴピンブロック組立部とを備えて構成されている。ポゴピンブロック平面度調整部は、上記ポゴピンブロック26の筺体の一側面であって上記プローブカード23側に当接する当接面の平面度を調整する装置である。ポゴピンブロック組立部は、上記ポゴピンブロック26を組み立てる装置である。
【0074】
ポゴピンブロック取付部(S12)は、上記ポゴピンブロック26をテスター側のテストヘッド21に取り付けるための装置である。ポゴピンブロック平行度調整部(S13)は、ウエハーステージと上記ポゴピンブロック26との平行度を調整する装置である。
【0075】
上記プローブカード供給ライン(S8)は、プローブカード用意部(S14)と、調整治具用意部(S15)と、針先平面度再調整部(S16)とを備えて構成されている。
【0076】
調整治具用意部(S15)は、上記プローブカード用意部(S14)と並行して上記配線基板調整治具52を用意するための装置である。針先平面度再調整部(S16)は、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整するための装置である。
【0077】
プローブカード用意部(S14)は、各プローブ針42の針先平面度を調整されたプローブカード23を用意するための装置である。
【0078】
上記プローブカード用意部(S14)は、プローブカード製作部と、針先平面度調整部と、アンカー平面度調整部と、アンカー平行度調整部とを備えて構成されている。
【0079】
プローブカード製作部は、上記プローブカードを製作する装置である。針先平面度調整部は、上記プローブカード23のプローブ針42の針先平面度を調整する装置である。アンカー平面度調整部は、上記プローブカード23のアンカー45の平面度を調整する装置である。アンカー平行度調整部は、上記針先平面度調整部で調整したプローブ針42の針先平面と上記アンカー平面度調整部で調整したアンカー45の平面との平行度を調整する装置である。
【0080】
上記調整治具用意部(S15)は、当接面平面度調整部と、調整治具組立部とを備えて構成されている。
【0081】
当接面平面度調整部は、上記配線基板調整治具の治具本体のうち上記プローブカード23のアンカー45との当接面の平面度を調整するための装置である。調整治具組立部は、上記治具本体にポゴピン54を入れて組み立てる装置である。
【0082】
上記針先平面度再調整部(S16)は、真空ポンプと、平面度検出部と、修正部とを備えて構成されている。
【0083】
真空ポンプは、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカード23のプローブカード配線基板43の変形を再現するための装置である。平面度検出部は、上記真空ポンプでの真空引きによる上記プローブカード配線基板43の変形によるプローブ針42の針先平面度の変化を検出する装置である。修正部は、上記平面度検出工程で検出したプローブ針42の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカー45の高さを調整してプローブ針42の針先高さ位置のずれを修正するための装置である。
【0084】
以上のように構成された検査システムを用いることにより、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【0085】
[第2検査システム]
次に、第2検査システムについて説明する。この検査システムは、プローブカード23の取付構造の違いに応じて、上記第1検査システムの一部を変更したものである。即ち、第2検査システムは、プローブカード23がカードホルダーに取り付けられる構造の検査部を用いたシステムである。具体的には、上記第1検査システムの上記ポゴピンブロック供給ライン(S7)のポゴピンブロック平行度調整部(S13)の代わりに、プローブカード平行度調整部(S18)を備えると共に、上記第1検査システムのプローブカード取付部(S9)の代わりに、カードホルダー取付部(S19)と、接続部(S20)とを備えたものである。
【0086】
プローブカード平行度調整部(S18)は、上記ウエハーステージの上側面と、上記プローブカード23を支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整するための装置である。カードホルダー取付部(S19)は、上記プローブカード23を上記カードホルダーに取り付けるための装置である。接続部(S20)は、上記ポゴピンブロック26と上記プローブカード23とを接続するための装置である。
【0087】
これ以外の装置は上記第1検査システムと同様である。
【0088】
この検査システムによっても上記第1検査システムと同様に、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0089】
21:テスター側のテストヘッド、22:接続ユニット22、23:プローブカード、25:テストヘッド配線基板、26:ポゴピンブロック、26A:フランジ部、27:ポゴピンブロック支持部、28:ポゴピン、29:ポゴピン挿入穴、30:アンカー当接部、30A:当接面、32:環状溝、35:接続ユニット、36:ポゴピンブロック、37:ポゴピンブロック支持部、38:ポゴピン挿入穴、39:外周リング、40:支持板、42:プローブ針、43:プローブカード配線基板、44:配線基板支持部、45:アンカー、47:環状溝、48:Oリング、50:シム、52:配線基板調整治具、53:ポゴピン装着穴、54:ポゴピン、55:吸引手段、57:連通孔、58:連通管。
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の電子デバイス等の電極に接触する各プローブ針の針先の高さ位置を修正するプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス等の電極にプローブカードのプローブ針を接触させて検査する際に真空を利用した、真空密着方式の検査装置は一般に知られている。このような検査装置の例としては特許文献1に記載のプロービング装置がある。このプロービング装置を以下に概説する。
【0003】
プロービング装置1は、図1に示すように、検査ステージ2のチャックトップ3とカード台4に支持されたプローブカード5との間の第1の空間6及びプローブカード5とカード台4に支持されたパフォーマンスボード7との間の第2の空間10を、それぞれ、第1のシール8及び第2のシール9により外部から気密に維持し、第1の空間6及び第2の空間10をそれぞれ第1の吸引穴11及び第2の吸引穴12を介して排気可能にし、パフォーマンスボード7の下側に配置された中間体13をプローブカード5及びパフォーマンスボード7の両者に当接させている。
【0004】
これにより、接触子14の針先と被検査体15の電極とが相対的に押圧されたときに、プローブカード5の撓みが防止され、しかも接触子14に作用する押圧力が中間体13を介してパフォーマンスボード7に伝達される。これにより、被検査体15の電極と接触子14との間に作用する偏荷重が抑制される。
【0005】
その結果、偏荷重が被検査体15の電極と接触子14との間に作用することが防止される。これにより、正確な検査を可能にする。
【0006】
また、他の例として特許文献2に記載の半導体検査装置もある。この半導体検査装置は、真空密着方式ではないが、上記中間体13と同様の機能を有する結合部を備えている。この結合部は、上記中間体13と同様に、プローブ基板と支持部材との間に設けている。結合部は、プローブ基板に一体的に設けられ、レバー等で支持部材側に固定されて、複数のプローブ針を備えたプローブ基板と、このプローブ基板の撓みを抑える支持部材との間隔が所定の距離に保持される。これにより、プローブ針の針先が所定の平面高さ位置に保持される。
【0007】
この結果、偏荷重による撓みが抑えられて、正確な検査を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−295686号公報
【特許文献2】特開2008−300481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記各従来技術では、負圧や針圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能であるが、近年は、半導体ウエハ等の検査対象板の大径化、回路の高集積化等により、プローブカードの各プローブ針の針先平面度に対してより高い精度が求められるようになってきた。そして、より高い精度で検査を行うには、設定間隔に保持するための上記中間体13等が設けられた後に、プローブカードの微調整を行う必要が生じる場合がある。即ち、実際の検査中のプローブカードの変形状態を考慮して、各プローブ針の針先平面度が基準値(例えば30μm)内に入るように調整することが求められる。
【0010】
しかし、上記各従来技術では、プローブカード等を検査装置に組み込む際に微調整を行うことはできない。即ち、検査中のプローブカードの変形状態を考慮して微調整することはできない。
【0011】
このため、各プローブ針の針先平面度を基準値内に正確に調整することができる方法が望まれている。
【0012】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、プローブカードの各プローブ針の針先平面度を高い精度で容易に調整することができるプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るプローブカードの配線基板調整治具は、接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板調整治具において、上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備え、上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプローブカードの配線基板修正方法は、接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板修正方法において、上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備えた配線基板調整治具を用い、当該配線基板調整治具を上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する真空引き工程と、当該真空引き工程での上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出工程と、当該平面度検出工程で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正工程とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法は、ポゴピンブロックを検査装置に供給するポゴピンブロック供給工程と、プローブカードを上記検査装置に供給するプローブカード供給工程と、上記検査装置で検査対象板の検査を行う検査工程とを備え、上記ポゴピンブロック供給工程が、平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意工程と、上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付工程と、ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整工程と、上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付工程とからなり、上記プローブカード供給工程が、針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意工程と、当該プローブカード用意工程と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意工程と、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整工程とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査システムは、半導体ウエハの各電極に検査信号を印加して検査を行う検査システムにおいて、ポゴピンブロックを検査部に供給するポゴピンブロック供給ラインと、プローブカードを上記検査部に供給するプローブカード供給ラインと、上記半導体ウエハの検査を行う検査部とを備え、上記ポゴピンブロック供給ラインが、平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意部と、上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付部と、ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整部と、上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付部とからなり、上記プローブカード供給ラインが、針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意部と、当該プローブカード用意部と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意部と、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整部とを備えて構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記プローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムにより、プローブカードの各プローブ針の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧等による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来の検査装置の要部を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る検査装置の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る検査装置に用いる他の接続ユニットの例を示す平面図である。
【図4】図3の接続ユニットの断面図である。
【図5】図3の接続ユニットのポゴピンブロック支持部を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る検査装置のプローブカードを示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る配線基板調整治具をプローブカードに装着した状態を示す断面図である。
【図8】図7の配線基板調整治具で真空引きした状態を示す断面図である。
【図9】図7の配線基板調整治具で各プローブ針の針先高さの調整をした状態を示す断面図である。
【図10】従来の検査装置での検査の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係る検査装置での検査の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1実施例に係る検査装置での検査の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施例に係る検査装置での検査の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法並びに配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムについて、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係るプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法は、真空密着方式の検査装置のプローブカードに用いられるものである。既存の真空密着方式の検査装置すべてに、本発明のプローブカードの配線基板調整治具及び配線基板修正方法を用いることができる。さらに、上記配線基板調整治具を用いて調整されたプローブカードを用いた検査方法及び検査システムは、既存の真空密着方式の検査装置すべてを用いることができる。このため、以下では、既存の真空密着方式の検査装置に用いられるプローブカードを中心に説明する。既存の真空密着方式の検査装置には種々の構成があり、それに取り付けられるプローブカードも種々の構成があるが、本発明はこれらすべてのプローブカードに適用することができるものである。以下本実施形態では、上記種々のプローブカードのうちの一例をその周辺技術と共に説明し、そのプローブカードを用いて配線基板修正方法、検査方法及び検査システムを説明する。
【0020】
テスター側のテストヘッド21には、図2に示すように、接続ユニット22と、プローブカード23とが取り付けられている。
【0021】
接続ユニット22は、後述するプローブカード23の各プローブ針42と、テストヘッド21のテストヘッド配線基板25の各電極(図示せず)とを電気的に接続するための部材である。接続ユニット22は、ポゴピンブロック26と、ポゴピンブロック支持部27とを備えて構成されている。
【0022】
ポゴピンブロック26は、複数のポゴピン28を支持するための部材である。ポゴピンブロック26は、肉厚の円盤状に形成され、複数のポゴピン挿入穴29を備えている。各ポゴピン挿入穴29は、プローブカード23の上側面の電極(図示せず)の位置に合わせて設けられている。ポゴピン挿入穴29は、ポゴピンブロック26の上下に貫通して設けられている。ポゴピン28は、このポゴピン挿入穴29に装着されることで、その上下端がポゴピンブロック26の上下に突出するようになっている。ポゴピンブロック26の周囲にはフランジ部26Aが設けられている。フランジ部26Aは、ポゴピンブロック支持部27と一体的に結合するための部分である。
【0023】
ポゴピンブロック26の下側面には、後述するプローブカード23のアンカー45に当接するアンカー当接部30が設けられている。アンカー当接部30は、ポゴピンブロック26の下側面に凹状に形成して設けられたり、平坦面状に形成して設けられたりする。アンカー当接部30は、ポゴピンブロック26の下側面全面に複数設けられている。これらのアンカー当接部30は、荷重が分散してプローブカード23の撓みを抑えるように配置されている。プローブカード23のアンカー45に直接当接するアンカー当接部30の当接面30Aは、高い平面度に維持されている。例えば、すべてのアンカー当接部30の当接面30Aの高さが、互いに5μm以内に収まるように、高い平面度で仕上げられている。
【0024】
ポゴピンブロック支持部27は、テスター側のテストヘッド21にテストヘッド配線基板25を介して気密に取り付けられて上記ポゴピンブロック26をその周囲から支持するための部材である。ポゴピンブロック26のポゴピンブロック支持部27は、テストヘッド配線基板25と、図示しない位置決めピンにより位置決めされて、図示しない支持機構により支持される。これにより、ポゴピンブロック支持部27は、テストヘッド21に支持されてテストヘッド配線基板25に気密に結合される。ポゴピンブロック支持部27の上側面には環状溝32が設けられている。この環状溝32にOリング33が取り付けられている。これにより、ポゴピンブロック支持部27がテストヘッド21に一体的に結合されたときに、ポゴピンブロック支持部27とテストヘッド21のテストヘッド配線基板25との間を気密に保つようになっている。
【0025】
なお、上記接続ユニット22の構成としては種々のものがあり、例えば図3〜5に示すような構成の接続ユニット35もある。この接続ユニット35は、ポゴピンブロック36と、ポゴピンブロック支持部37とを備えて構成されている。
【0026】
ポゴピンブロック36は、そのポゴピン挿入穴38を、扇状の領域(円形を八等分して扇状に分割された領域)に配列されている。ポゴピンブロック支持部37は、外周リング39と、支持板40とからなる筺体で構成されている。支持板40は、放射状に8枚に分かれて構成され、外周リング39に一体的に結合されている。これにより、円形を八等分にした扇状の領域が形成されている。上記ポゴピンブロック36が、この外周リング39と支持板40に一体的に嵌合して接続ユニット35が構成されている。
【0027】
プローブカード23は、半導体ウエハ等の検査対象板の各回路の電極にテスターからの検査信号を印加するための装置である。プローブカード23は、図2,6に示すように、その下側面に複数のプローブ針42を備えて構成されている。各プローブ針42は、その針先を検査対象板の各回路の電極にそれぞれ整合する位置に設けられて、互いに接触するようになっている。プローブカード23は、プローブカード配線基板43と、配線基板支持部44と、アンカー45とを備えて構成されている。
【0028】
プローブカード配線基板43は、複数のプローブ針42を支持して、各プローブ針42を検査対象板の各回路の電極に接触させるための部材である。プローブカード配線基板43は、肉厚の円盤状に形成され、その下側面に複数のプローブ針42が直接装着され、その上側面に各プローブ針42の電極(図示せず)が設けられている。この各電極が上記各ポゴピン28にそれぞれ電気的に接続されて、各プローブ針42と各ポゴピン28とがそれぞれ電気的に接続される。
【0029】
これにより、各プローブ針42は、接続ユニット22の複数のポゴピン28を介してテスター側と電気的に接続される。プローブカード配線基板43の周囲にはフランジ部43Aが設けられている。フランジ部43Aは、配線基板支持部44と一体的に結合するための部分である。
【0030】
配線基板支持部44は、プローブカード配線基板43を気密に且つ一体的に支持すると共に、プローブカード配線基板43のポゴピンブロック26、36(以下「26」のみを記載する)側(上側)の空間を負圧に保つための部材である。配線基板支持部44は、リング状に形成されてプローブカード配線基板43をその外周から支持する。配線基板支持部44の上側面には環状溝47が設けられている。この環状溝47にOリング48が取り付けられている。これにより、配線基板支持部44がポゴピンブロック支持部27に一体的に結合されたときに、これら配線基板支持部44とポゴピンブロック支持部27との間を気密に保つようになっている。これにより、配線基板支持部44は、ポゴピンブロック支持部27に気密に取り付けられ、プローブカード配線基板43を気密に支持して、プローブカード配線基板43のポゴピンブロック26側の空間(アンカー45の周囲の空間)を負圧に保つようになっている。
【0031】
アンカー45は、負圧に抗してプローブカード配線基板43を支持するための部材である。アンカー45は、プローブカード配線基板43の上側面に、ポゴピンブロック26に面して取り付けられている。アンカー45は、上記ポゴピンブロック26のアンカー当接部30に対応する位置に配置されている。この配置により、プローブカード配線基板43をポゴピンブロック26側に反らせるように加わる、負圧による荷重やプローブ針42の針圧を分散して支持するようになっている。具体的には、ポゴピンブロック26に反力を得た各アンカー45が、負圧に抗してプローブカード配線基板43をポゴピンブロック26側に反らないように支持している。アンカー45は、所定厚さのシム50(図9参照)を1又は複数枚入れてその高さを微調整できるようになっている。各アンカー45の高さは、その上側面が同一平面(図6のアンカー平面B)に整合するように調整されている。
【0032】
[配線基板調整治具]
次に、配線基板調整治具について説明する。
【0033】
配線基板調整治具52(図7参照)は、プローブカード23のプローブカード配線基板43の下側に複数設けられたプローブ針42の針先平面度を修正するための治具である。ここで、針先平面度は、すべてのプローブ針42の針先の、同一平面(図6の針先平面A)に対するズレの程度である。
【0034】
配線基板調整治具52は、図7に示すように、ポゴピンブロック26と同様の肉厚円盤状に形成されている。配線基板調整治具52の下側面の周縁部は、プローブカード23のOリング48が気密に当接するように平坦面状に形成されている。配線基板調整治具52には、ポゴピン装着穴53と、ポゴピン54と、吸引手段55とが備えられている。
【0035】
ポゴピン装着穴53は、ポゴピン54を装着するための穴である。ポゴピン装着穴53は、ポゴピンブロック26に装着された各ポゴピン28に対応する位置にそれぞれ設けられている。ポゴピン装着穴53は、上記プローブカード配線基板43側へ開口して設けられている。ポゴピン54は、ポゴピンブロック26に装着されたポゴピン28と同じものが用いられる。吸引手段55は、プローブカード配線基板43のポゴピンブロック26側を負圧にするための装置である。吸引手段55は、配線基板調整治具52とプローブカード23とで囲まれた空間を真空引きする。吸引手段55は、配線基板調整治具52の下側面に開口した連通孔57と、この連通孔57に接続された連通管58と、この連通管58に接続された真空ポンプ(図示せず)とを備えて構成されている。
【0036】
この配線基板調整治具52は、上記配線基板支持部44に気密に取り付けられて、上記接続ユニット22の代わりに上記プローブカード23に装着される。そして、上記吸引手段55で真空引きして実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現して、プローブカード配線基板43の撓みによる、プローブ針42の針先高さのばらつきを再調整する。
【0037】
[配線基板修正方法]
次に、上記配線基板調整治具52を用いた配線基板修正方法について説明する。
【0038】
配線基板修正方法は、上記プローブカード23のプローブカード配線基板43の下側に複数設けられたプローブ針42の針先平面度を修正する方法である。この配線基板修正方法には、上記配線基板調整治具52を用いる。上記配線基板調整治具52のポゴピン装着穴53の深さは、上記真空引きによる負圧及び上記プローブカード配線基板43のアンカー45やポゴピン28による押圧力で生じる上記ポゴピンブロック26の撓み分を加えて設定される。
【0039】
配線基板修正方法は、真空引き工程と、平面度検出工程と、修正工程とから構成されている。この配線基板修正方法は、プローブカード23を検査装置に供給する前に行われる。
【0040】
真空引き工程は、図7に示すように、配線基板調整治具52をプローブカード23に取り付けて、上記吸引手段55で真空引きして実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現する工程である。具体的には、配線基板調整治具52を、上記配線基板支持部44に気密に装着して、上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する。
【0041】
平面度検出工程は、図8に示すように、上記真空引き工程で上記プローブカード配線基板43が変形した場合に、その変形によるプローブ針42の針先平面度の変化を検出する工程である。具体的には、複数のプローブ針42の針先が検査用の平坦な電極板に接触する際の接触順や、接触させて電圧を印加したときの抵抗値の違い等の公知技術によってプローブ針42の針先平面度を検出する。
【0042】
修正工程は、プローブ針42の針先高さ位置のずれを修正する工程である。修正工程は、図9に示すように、上記平面度検出工程で検出したプローブ針42の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカー45の高さを調整してプローブ針42の針先高さ位置のずれを修正する。上記アンカー45の高さ調整は、上記アンカー45にシム50を追加し又は取り外して行う。例えば、すべてのアンカー45に予め複数枚のシム50を取り付けておき、ずれた位置のシム50を取り外したり、新たに追加したりして調整する。
【0043】
[第1検査方法]
次に、上記検査装置、上記配線基板調整治具52及び上記配線基板修正方法を用いた第1検査方法について従来の検査方法と比較しつつ説明する。
【0044】
従来の検査方法は、図10に示すように、ウエハーステージとカードホルダのプローブカード取り付け面の平行度を調整する工程S1と、針先平面度を調整されたプローブカードを用意する工程S2と、プローブカードをカードホルダに取り付ける工程S3と、ポゴピンブロックとプローブカードを接続する工程S4と、ウエハの半導体を測定する工程S5とから構成されていた。プローブカードは、予め平面度が調整されており、再度調整されることはなかった。これに対して本発明の検査方法は、プローブカードの平面度を再度調整するようにしたものである。
【0045】
本実施形態の第1検査方法は、図11に示すように、ポゴピンブロック26を検査装置に供給するポゴピンブロック供給工程S7と、プローブカード23を上記検査装置に供給するプローブカード供給工程S8と、上記プローブカード23を上記ポゴピンブロック26に取り付けるプローブカード取付工程S9と、上記検査装置で検査対象板である半導体ウエハの検査を行う検査工程S10とを備えて構成されている。
【0046】
上記ポゴピンブロック供給工程S7は、図12に示すように、ポゴピンブロック用意工程S11と、ポゴピンブロック取付工程S12と、ポゴピンブロック平行度調整工程S13とから構成されている。
【0047】
ポゴピンブロック用意工程S11は、上記平面度を調整された上記ポゴピンブロック26を用意する工程である。ポゴピンブロック26が製造された後、その平面度が調整されて、検査装置に供給される。
【0048】
このポゴピンブロック用意工程S11は、ポゴピンブロック平面度調整工程(図示せず)と、ポゴピンブロック組立工程(図示せず)とを備えて構成されている。ポゴピンブロック平面度調整工程では、上記ポゴピンブロック26の筺体の一側面であって上記プローブカード23側に当接する当接面30Aの平面度を調整する。ポゴピンブロック組立工程では、上記ポゴピンブロック26を組み立てる。
【0049】
ポゴピンブロック取付工程S12は、上記ポゴピンブロック26をテスター側のテストヘッド21に取り付ける工程である。ポゴピンブロック26を支持するポゴピンブロック支持部27をテストヘッド21に固定することにより、ポゴピンブロック26をテストヘッド21に気密に取り付ける。
【0050】
ポゴピンブロック平行度調整工程S13は、検査装置のウエハーステージ(図示せず)と上記ポゴピンブロック26との平行度を調整する工程である。ウエハーステージの上側面と、上記ポゴピンブロック26の下側面全面に複数設けられたアンカー当接部30の当接面30Aとが平行になるように調整する。具体的には、ウエハーステージの上側面と、上記アンカー当接部30の当接面30Aとの間隔を、複数カ所で測定して、これらの間の平行度を測定し、高い精度で調整する。この間隔の測定は、機械的な測定装置や、レーザ光を用いた光学的な測定装置等を用いて行われる。
【0051】
これにより、半導体ウエハが載置されるウエハーステージの上側面と、ポゴピンブロック26の下側の当接面30Aの平行度が保証される。また、ポゴピンブロック26の当接面30Aに当接したプローブカード23のアンカー45の平面と、プローブ針42の針先平面との平行度が後述するアンカー平行度調整工程で保障されることで、ポゴピンブロック26の下側面に取り付けられたプローブカード23のプローブ針42の針先平面と、ウエハーステージ上のウエハ上面との平行度が保証される。
【0052】
上記プローブカード供給工程S8は、プローブカード用意工程S14と、調整治具用意工程S15と、針先平面度再調整工程S16とから構成されている。
【0053】
プローブカード用意工程S14は、針先平面度が調整されたプローブカード23を用意する工程である。プローブカード23が製造された後、各プローブ針42の針先平面度が調整されて、検査装置に供給される。
【0054】
このプローブカード用意工程S14は、プローブカード製作工程(図示せず)と、針先平面度調整工程(図示せず)と、アンカー平面度調整工程(図示せず)と、アンカー平行度調整工程(図示せず)とを備えて構成されている。
【0055】
プローブカード製作工程は、上記プローブカード23を製作する工程である。プローブカード23のプローブ針42は、ある程度の針先平面度で製作される。針先平面度調整工程は、上記プローブカード23のプローブ針42の針先平面度を調整する工程である。上述した方法で針先平面度を調整する。アンカー平面度調整工程は、上記プローブカード23のアンカー45の平面度を調整する工程である。上述した方法で平面度を調整する。アンカー平行度調整工程は、上記針先平面度調整工程で調整したプローブ針42の針先平面と上記アンカー平面度調整工程で調整したアンカー45の平面との平行度を調整する工程である。上述した方法で平行度を調整する。
【0056】
調整治具用意工程S15は、上記プローブカード用意工程S14と並行して行われ、上記配線基板調整治具52を用意する工程である。配線基板調整治具52が製造される。この記配線基板調整治具52のポゴピン装着穴53は、設定された深さに形成されている。即ち、ポゴピン装着穴53は、上記真空引きによる負圧及び上記プローブカード配線基板43のアンカー45やポゴピン28による押圧力で生じる上記ポゴピンブロック26の撓み分を加えて設定された深さに形成されている。
【0057】
この調整治具用意工程S15は、当接面平面度調整工程(図示せず)と、調整治具組立工程(図示せず)とを備えて構成されている。当接面平面度調整工程は、上記配線基板調整治具52の治具本体のうち上記プローブカード23のアンカー45との当接面の平面度を調整する。調整治具組立工程は、上記治具本体にポゴピン54を入れて組み立てる工程である。このとき、ポゴピン装着穴53の深さも設定される。
【0058】
針先平面度再調整工程S16は、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現して、針先平面度を再調整する工程である。この工程は、上記プローブカード23が検査装置に供給される前に行われる。即ち、図7のように、プローブカード23を配線基板調整治具52に取り付けて真空吸着し、図8のように、実際の検査使用時の上記プローブカード配線基板43の変形を再現して、図9のように、シム50を追加したり、取り外したりして、針先平面度を再調整する。この工程は、上記プローブカード23が検査装置に供給される前に行われる。この再調整により、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で仕上げた後、プローブカード取付工程S9に供給する。これにより、各プローブ針42の針先平面度が高いプローブカード23を用いた検査装置で、検査対象板の検査が行われる。
【0059】
この針先平面度再調整工程S16は、真空引き工程(図示せず)と、平面度検出工程(図示せず)と、修正工程(図示せず)とから構成されている。真空引き工程は、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカード23のプローブカード配線基板43の変形を再現する工程である(図7参照)。平面度検出工程は、上記真空引き工程での上記プローブカード配線基板43の変形によるプローブ針42の針先平面度の変化を検出する工程である(図8参照)。修正工程は、上記平面度検出工程で検出したプローブ針42の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカー45の高さを調整してプローブ針42の針先高さ位置のずれを修正する工程である(図9参照)。
【0060】
プローブカード取付工程S9では、針先平面度再調整工程S16で再調整されたプローブカード23が、ポゴピンブロック平行度調整工程S13でウエハーステージとの平行度が調整されるポゴピンブロック26に気密に取り付けられる。
【0061】
検査工程S10では、上記検査装置のウエハーステージに載置された検査対象板に、ポゴピンブロック26に取り付けられたプローブカード23のプローブ針42が接触して検査が行われる。
【0062】
この検査方法により、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【0063】
[第2検査方法]
次に、第2検査方法について説明する。この検査方法は、プローブカード23の取付構造の違いに応じて、上記第1検査方法の一部を変更したものである。即ち、第2検査方法は、プローブカード23が図1と同様にカードホルダーに取り付けられる構造の検査装置を用いた検査方法である。具体的には、上記第1検査方法の上記ポゴピンブロック供給工程S7のポゴピンブロック平行度調整工程S13の代わりに、プローブカード平行度調整工程S18を備えると共に、上記第1検査方法のプローブカード取付工程S9の代わりに、カードホルダー取付工程S19と、接続工程S20とを備えたものである。
【0064】
プローブカード平行度調整工程S18は、上記ウエハーステージの上側面と、上記プローブカード23を支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整する工程である。
【0065】
カードホルダー取付工程S19は、上記プローブカード23を上記カードホルダーに取り付ける工程である。
【0066】
接続工程S20は、上記ポゴピンブロック26と上記プローブカード23とを接続する工程である。
【0067】
これ以外の工程は上記第1検査方法と同様である。
【0068】
この検査方法によっても上記第1検査方法と同様に、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【0069】
[第1検査システム]
次に、検査システムについて説明する。この検査システムは、上記検査方法を行うための装置である。即ち、この検査システムは、半導体ウエハ等の検査対象板の各電極に検査信号を印加して検査を行うためのシステムである。なお、本検査システムは、上記各検査方法の各工程での処理を具体的に実現するための装置であるため、本検査システムの具体的な構成は、上記各検査方法の各工程を装置に置き換えることで実現できる。このため、以下では、上記図11〜13の各処理を適宜参照しながら説明する。
【0070】
本実施形態の検査システムは、ポゴピンブロック供給ライン(S7)と、プローブカード供給ライン(S8)と、プローブカード取付部(S9)、検査部(S10)とを備えて構成されている。
【0071】
ポゴピンブロック供給ライン(S7)は、ポゴピンブロック26を検査部に供給するためのラインである。プローブカード供給ライン(S8)は、プローブカード23を上記検査部に供給するためのラインである。プローブカード取付部(S9)は、上記プローブカード23を上記ポゴピンブロック26に取り付けるための装置である。検査部(S10)は、検査対象板の検査を直接行うための装置である。これらの装置は、製造ラインでの組み立て装置やプローバ等によって構成される。
【0072】
上記ポゴピンブロック供給ライン(S7)は、ポゴピンブロック用意部(S11)と、ポゴピンブロック取付部(S12)と、ポゴピンブロック平行度調整部(S13)とを備えて構成されている。
【0073】
ポゴピンブロック用意部(S11)は、平面度を調整された上記ポゴピンブロック26を用意するための装置である。上記ポゴピンブロック用意部(S11)は、ポゴピンブロック平面度調整部と、ポゴピンブロック組立部とを備えて構成されている。ポゴピンブロック平面度調整部は、上記ポゴピンブロック26の筺体の一側面であって上記プローブカード23側に当接する当接面の平面度を調整する装置である。ポゴピンブロック組立部は、上記ポゴピンブロック26を組み立てる装置である。
【0074】
ポゴピンブロック取付部(S12)は、上記ポゴピンブロック26をテスター側のテストヘッド21に取り付けるための装置である。ポゴピンブロック平行度調整部(S13)は、ウエハーステージと上記ポゴピンブロック26との平行度を調整する装置である。
【0075】
上記プローブカード供給ライン(S8)は、プローブカード用意部(S14)と、調整治具用意部(S15)と、針先平面度再調整部(S16)とを備えて構成されている。
【0076】
調整治具用意部(S15)は、上記プローブカード用意部(S14)と並行して上記配線基板調整治具52を用意するための装置である。針先平面度再調整部(S16)は、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整するための装置である。
【0077】
プローブカード用意部(S14)は、各プローブ針42の針先平面度を調整されたプローブカード23を用意するための装置である。
【0078】
上記プローブカード用意部(S14)は、プローブカード製作部と、針先平面度調整部と、アンカー平面度調整部と、アンカー平行度調整部とを備えて構成されている。
【0079】
プローブカード製作部は、上記プローブカードを製作する装置である。針先平面度調整部は、上記プローブカード23のプローブ針42の針先平面度を調整する装置である。アンカー平面度調整部は、上記プローブカード23のアンカー45の平面度を調整する装置である。アンカー平行度調整部は、上記針先平面度調整部で調整したプローブ針42の針先平面と上記アンカー平面度調整部で調整したアンカー45の平面との平行度を調整する装置である。
【0080】
上記調整治具用意部(S15)は、当接面平面度調整部と、調整治具組立部とを備えて構成されている。
【0081】
当接面平面度調整部は、上記配線基板調整治具の治具本体のうち上記プローブカード23のアンカー45との当接面の平面度を調整するための装置である。調整治具組立部は、上記治具本体にポゴピン54を入れて組み立てる装置である。
【0082】
上記針先平面度再調整部(S16)は、真空ポンプと、平面度検出部と、修正部とを備えて構成されている。
【0083】
真空ポンプは、上記配線基板調整治具52に上記プローブカード23を取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカード23のプローブカード配線基板43の変形を再現するための装置である。平面度検出部は、上記真空ポンプでの真空引きによる上記プローブカード配線基板43の変形によるプローブ針42の針先平面度の変化を検出する装置である。修正部は、上記平面度検出工程で検出したプローブ針42の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカー45の高さを調整してプローブ針42の針先高さ位置のずれを修正するための装置である。
【0084】
以上のように構成された検査システムを用いることにより、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【0085】
[第2検査システム]
次に、第2検査システムについて説明する。この検査システムは、プローブカード23の取付構造の違いに応じて、上記第1検査システムの一部を変更したものである。即ち、第2検査システムは、プローブカード23がカードホルダーに取り付けられる構造の検査部を用いたシステムである。具体的には、上記第1検査システムの上記ポゴピンブロック供給ライン(S7)のポゴピンブロック平行度調整部(S13)の代わりに、プローブカード平行度調整部(S18)を備えると共に、上記第1検査システムのプローブカード取付部(S9)の代わりに、カードホルダー取付部(S19)と、接続部(S20)とを備えたものである。
【0086】
プローブカード平行度調整部(S18)は、上記ウエハーステージの上側面と、上記プローブカード23を支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整するための装置である。カードホルダー取付部(S19)は、上記プローブカード23を上記カードホルダーに取り付けるための装置である。接続部(S20)は、上記ポゴピンブロック26と上記プローブカード23とを接続するための装置である。
【0087】
これ以外の装置は上記第1検査システムと同様である。
【0088】
この検査システムによっても上記第1検査システムと同様に、プローブカード23の各プローブ針42の針先平面度を高い精度で容易に調整でき、負圧による撓みを抑えて正確な検査を行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0089】
21:テスター側のテストヘッド、22:接続ユニット22、23:プローブカード、25:テストヘッド配線基板、26:ポゴピンブロック、26A:フランジ部、27:ポゴピンブロック支持部、28:ポゴピン、29:ポゴピン挿入穴、30:アンカー当接部、30A:当接面、32:環状溝、35:接続ユニット、36:ポゴピンブロック、37:ポゴピンブロック支持部、38:ポゴピン挿入穴、39:外周リング、40:支持板、42:プローブ針、43:プローブカード配線基板、44:配線基板支持部、45:アンカー、47:環状溝、48:Oリング、50:シム、52:配線基板調整治具、53:ポゴピン装着穴、54:ポゴピン、55:吸引手段、57:連通孔、58:連通管。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板調整治具において、
上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備え、
上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現することを特徴とするプローブカードの配線基板調整治具。
【請求項2】
接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板修正方法において、
上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備えた配線基板調整治具を用い、
当該配線基板調整治具を上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する真空引き工程と、当該真空引き工程での上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出工程と、当該平面度検出工程で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正工程とを備えて構成されたことを特徴とするプローブカードの配線基板修正方法。
【請求項3】
請求項2に記載のプローブカードの配線基板修正方法において、
上記アンカーの高さ調整が、上記アンカーにシムを追加し又は取り外して行われることを特徴とするプローブカードの配線基板修正方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のプローブカードの配線基板修正方法において、
上記調整治具のポゴピン装着穴の深さが、上記真空引きによる負圧及び上記配線基板の上記アンカーによる押圧力で生じる上記ポゴピンブロックの撓み分を加えて設定されたことを特徴とするプローブカードの配線基板修正方法。
【請求項5】
ポゴピンブロックを検査装置に供給するポゴピンブロック供給工程と、
プローブカードを上記検査装置に供給するプローブカード供給工程と、
上記検査装置で半導体ウエハの検査を行う検査工程とを備え、
上記ポゴピンブロック供給工程が、
平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意工程と、
上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付工程と、
ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整工程と、
上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付工程とからなり、
上記プローブカード供給工程が、
針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意工程と、
当該プローブカード用意工程と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意工程と、
上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項6】
請求項5に記載の検査方法において、
上記ポゴピンブロック供給工程のポゴピンブロック平行度調整工程及びプローブカード取付工程の代わりに、
上記ウエハーステージの上側面と上記プローブカードを支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整するプローブカード平行度調整工程と、
上記プローブカードを上記カードホルダーに取り付けるカードホルダー取付工程と、
上記ポゴピンブロックと上記プローブカードとを接続する接続工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記ポゴピンブロック用意工程が、上記ポゴピンブロックの筺体の一側面であって上記プローブカード側に当接する当接面の平面度を調整するポゴピンブロック平面度調整工程と、上記ポゴピンブロックを組み立てるポゴピンブロック組立工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記プローブカード用意工程が、
上記プローブカードを製作するプローブカード製作工程と、
上記プローブカードのプローブ針の針先平面度を調整する針先平面度調整工程と、
上記プローブカードのアンカーの平面度を調整するアンカー平面度調整工程と、
上記針先平面度調整工程で調整したプローブ針の針先平面と上記アンカー平面度調整工程で調整したアンカーの平面との平行度を調整するアンカー平行度調整工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記調整治具用意工程が、上記配線基板調整治具の治具本体のうち上記プローブカードのアンカーとの当接面の平面度を調整する当接面平面度調整工程と、上記治具本体にポゴピンを入れて組み立てる調整治具組立工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記針先平面度再調整工程が、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカードの配線基板の変形を再現する真空引き工程と、当該真空引き工程での上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出工程と、当該平面度検出工程で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項11】
半導体ウエハの各電極に検査信号を印加して検査を行う検査システムにおいて、
ポゴピンブロックを検査部に供給するポゴピンブロック供給ラインと、
プローブカードを上記検査部に供給するプローブカード供給ラインと、
上記半導体ウエハの検査を行う検査部とを備え、
上記ポゴピンブロック供給ラインが、
平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意部と、
上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付部と、
ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整部と、
上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付部とからなり、
上記プローブカード供給ラインが、
針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意部と、
当該プローブカード用意部と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意部と、
上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検査システムにおいて、
上記ポゴピンブロック供給ラインのポゴピンブロック平行度調整部及びプローブカード取付部の代わりに、
上記ウエハーステージの上側面と上記プローブカードを支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整するプローブカード平行度調整部と、
上記プローブカードを上記カードホルダーに取り付けるカードホルダー取付部と、
上記ポゴピンブロックと上記プローブカードとを接続する接続部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記ポゴピンブロック用意部が、上記ポゴピンブロックの筺体の一側面であって上記プローブカード側に当接する当接面の平面度を調整するポゴピンブロック平面度調整部と、上記ポゴピンブロックを組み立てるポゴピンブロック組立部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項14】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記プローブカード用意部が、
上記プローブカードを製作するプローブカード製作部と、
上記プローブカードのプローブ針の針先平面度を調整する針先平面度調整部と、
上記プローブカードのアンカーの平面度を調整するアンカー平面度調整部と、
上記針先平面度調整部で調整したプローブ針の針先平面と上記アンカー平面度調整部で調整したアンカーの平面との平行度を調整するアンカー平行度調整部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項15】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記調整治具用意部が、上記配線基板調整治具の治具本体のうち上記プローブカードのアンカーとの当接面の平面度を調整する当接面平面度調整部と、上記治具本体にポゴピンを入れて組み立てる調整治具組立部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項16】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記針先平面度再調整部が、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカードの配線基板の変形を再現する真空ポンプと、当該真空ポンプでの真空引きによる上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出部と、当該平面度検出部で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍のアンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項1】
接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板調整治具において、
上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備え、
上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現することを特徴とするプローブカードの配線基板調整治具。
【請求項2】
接続ユニットと、当該接続ユニットに取り付けられたプローブカードとを備えた検査装置であって、上記接続ユニットが、複数のポゴピンが装着されたポゴピンブロックと、テスター側のテストヘッドに気密に取り付けられて上記ポゴピンブロックをその周囲から支持するポゴピンブロック支持部とを有し、上記プローブカードが、上記複数のポゴピンにそれぞれ電気的に接続される複数のプローブ針が装着された配線基板と、上記ポゴピンブロック支持部に気密に取り付けられて上記配線基板をその周囲から支持して上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧に保つ配線基板支持部と、上記配線基板に取り付けられ上記ポゴピンブロックに反力を得て上記負圧に抗して当該配線基板を支持するアンカーとを有する上記検査装置の、上記プローブ針の針先平面度を修正する配線基板修正方法において、
上記ポゴピンブロックに装着された上記各ポゴピンに対応する位置に上記配線基板側へ開口して設けられたポゴピン装着穴と、当該ポゴピン装着穴に装着されたポゴピンと、上記配線基板の上記ポゴピンブロック側を負圧にする吸引手段とを備えた配線基板調整治具を用い、
当該配線基板調整治具を上記配線基板支持部に気密に装着して上記接続ユニットの代わりに上記プローブカードに取り付けられ上記吸引手段で真空引きして実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現する真空引き工程と、当該真空引き工程での上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出工程と、当該平面度検出工程で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正工程とを備えて構成されたことを特徴とするプローブカードの配線基板修正方法。
【請求項3】
請求項2に記載のプローブカードの配線基板修正方法において、
上記アンカーの高さ調整が、上記アンカーにシムを追加し又は取り外して行われることを特徴とするプローブカードの配線基板修正方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のプローブカードの配線基板修正方法において、
上記調整治具のポゴピン装着穴の深さが、上記真空引きによる負圧及び上記配線基板の上記アンカーによる押圧力で生じる上記ポゴピンブロックの撓み分を加えて設定されたことを特徴とするプローブカードの配線基板修正方法。
【請求項5】
ポゴピンブロックを検査装置に供給するポゴピンブロック供給工程と、
プローブカードを上記検査装置に供給するプローブカード供給工程と、
上記検査装置で半導体ウエハの検査を行う検査工程とを備え、
上記ポゴピンブロック供給工程が、
平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意工程と、
上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付工程と、
ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整工程と、
上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付工程とからなり、
上記プローブカード供給工程が、
針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意工程と、
当該プローブカード用意工程と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意工程と、
上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項6】
請求項5に記載の検査方法において、
上記ポゴピンブロック供給工程のポゴピンブロック平行度調整工程及びプローブカード取付工程の代わりに、
上記ウエハーステージの上側面と上記プローブカードを支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整するプローブカード平行度調整工程と、
上記プローブカードを上記カードホルダーに取り付けるカードホルダー取付工程と、
上記ポゴピンブロックと上記プローブカードとを接続する接続工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記ポゴピンブロック用意工程が、上記ポゴピンブロックの筺体の一側面であって上記プローブカード側に当接する当接面の平面度を調整するポゴピンブロック平面度調整工程と、上記ポゴピンブロックを組み立てるポゴピンブロック組立工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項8】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記プローブカード用意工程が、
上記プローブカードを製作するプローブカード製作工程と、
上記プローブカードのプローブ針の針先平面度を調整する針先平面度調整工程と、
上記プローブカードのアンカーの平面度を調整するアンカー平面度調整工程と、
上記針先平面度調整工程で調整したプローブ針の針先平面と上記アンカー平面度調整工程で調整したアンカーの平面との平行度を調整するアンカー平行度調整工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記調整治具用意工程が、上記配線基板調整治具の治具本体のうち上記プローブカードのアンカーとの当接面の平面度を調整する当接面平面度調整工程と、上記治具本体にポゴピンを入れて組み立てる調整治具組立工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の検査方法において、
上記針先平面度再調整工程が、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカードの配線基板の変形を再現する真空引き工程と、当該真空引き工程での上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出工程と、当該平面度検出工程で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍の上記アンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正工程とを備えて構成されたことを特徴とする検査方法。
【請求項11】
半導体ウエハの各電極に検査信号を印加して検査を行う検査システムにおいて、
ポゴピンブロックを検査部に供給するポゴピンブロック供給ラインと、
プローブカードを上記検査部に供給するプローブカード供給ラインと、
上記半導体ウエハの検査を行う検査部とを備え、
上記ポゴピンブロック供給ラインが、
平面度を調整された上記ポゴピンブロックを用意するポゴピンブロック用意部と、
上記ポゴピンブロックをテスター側のテストヘッドに取り付けるポゴピンブロック取付部と、
ウエハーステージと上記ポゴピンブロックとの平行度を調整するポゴピンブロック平行度調整部と、
上記プローブカードを上記ポゴピンブロックに取り付けるプローブカード取付部とからなり、
上記プローブカード供給ラインが、
針先平面度を調整されたプローブカードを用意するプローブカード用意部と、
当該プローブカード用意部と並行して請求項1に記載の配線基板調整治具を用意する調整治具用意部と、
上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記配線基板の変形を再現して、針先平面度を再調整する針先平面度再調整部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検査システムにおいて、
上記ポゴピンブロック供給ラインのポゴピンブロック平行度調整部及びプローブカード取付部の代わりに、
上記ウエハーステージの上側面と上記プローブカードを支持するカードホルダーのプローブカード取り付け面との平行度を調整するプローブカード平行度調整部と、
上記プローブカードを上記カードホルダーに取り付けるカードホルダー取付部と、
上記ポゴピンブロックと上記プローブカードとを接続する接続部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記ポゴピンブロック用意部が、上記ポゴピンブロックの筺体の一側面であって上記プローブカード側に当接する当接面の平面度を調整するポゴピンブロック平面度調整部と、上記ポゴピンブロックを組み立てるポゴピンブロック組立部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項14】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記プローブカード用意部が、
上記プローブカードを製作するプローブカード製作部と、
上記プローブカードのプローブ針の針先平面度を調整する針先平面度調整部と、
上記プローブカードのアンカーの平面度を調整するアンカー平面度調整部と、
上記針先平面度調整部で調整したプローブ針の針先平面と上記アンカー平面度調整部で調整したアンカーの平面との平行度を調整するアンカー平行度調整部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項15】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記調整治具用意部が、上記配線基板調整治具の治具本体のうち上記プローブカードのアンカーとの当接面の平面度を調整する当接面平面度調整部と、上記治具本体にポゴピンを入れて組み立てる調整治具組立部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【請求項16】
請求項11又は12に記載の検査システムにおいて、
上記針先平面度再調整部が、上記配線基板調整治具に上記プローブカードを取り付けて真空吸着して実際の検査使用時の上記プローブカードの配線基板の変形を再現する真空ポンプと、当該真空ポンプでの真空引きによる上記配線基板の変形によるプローブ針の針先平面度の変化を検出する平面度検出部と、当該平面度検出部で検出したプローブ針の針先平面度が基準値からずれている位置の近傍のアンカーの高さを調整してプローブ針の針先高さ位置のずれを修正する修正部とを備えて構成されたことを特徴とする検査システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−163410(P2012−163410A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23110(P2011−23110)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】
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