ベッド
【課題】 寝たきり状態となっている各被介護者の希望に沿って、床ずれを防止したりストレスを和らげたりし得るベッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体1と、エアー袋体1へ所定時間毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段2と、エアー供給手段2の制御を行う制御手段3と、を備える。
【解決手段】 被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体1と、エアー袋体1へ所定時間毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段2と、エアー供給手段2の制御を行う制御手段3と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに係り、より詳しくは、床ずれ防止機能を備えたベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、健康な人は、睡眠中に数多くの体位の変換を行っている。例えば、8時間の睡眠時間が普通とすると、その間に、健康な人々は約60回体位の変換を行っている。この体位の変換は、生理的なものであって体動と呼ばれている。そして、「同じ姿勢でいるのは15分程度が限度」というのが、動物である人間の体動の原理である。
重い怪我、病気で寝たきり状態となった人や寝たきり老人等の被介護者の床ずれを防ぐ為には、この人間の体動の原理が大切である。
ところで、従来より、重い怪我、病気で寝たきり状態となった人や寝たきり老人等の被介護者用のベッドとして、種々の構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、「ベッド本体が、背もたれ部と座部と脚受け部と足載せ部に分割されると共にこれら各部を互いに回転自在に枢着したマット部材を備え、腰掛け状とベッド状とに変形する介護用のベッドに於いて、ベッド本体をマット部材と共に昇降させる昇降装置を設けたもの」が開示されている。
【特許文献1】特開2004−16370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような従来の介護用のベッドでは、腰掛け状とベッド状との2つの状態に変形できても、被介護者の床ずれ防止機能は備わっていなかった。
また、長期間に渡って自分の思うように身体を動かすことのできない被介護者には、ストレスが溜まる。このストレスは、病気や腰痛を発生させたり、病気を悪化させる要因となるが、従来の介護用ベッドでは、腰痛予防やストレスを和らげる機能を有するものが見られなかった。つまり、従来の介護用のベッドでは、被介護者の希望に充分沿った開発がされていなかった。
そこで、本発明は、寝たきり状態となっている各被介護者の希望に沿って、床ずれを防止したりストレスを和らげたりし得るベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係るベッドは、被介護者の床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体と、該エアー袋体へ所定時間毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段と、該エアー供給手段の制御を行う制御手段と、を備えた。
また、上記床ずれ発生予想部位が、上記被介護者の両踵部,骨盤部,背中部,両肘部,両肩甲骨部,後頭部の内から2箇所以上を選択して成る。
また、上記所定時間が、15分〜30分の範囲に設定されている。
また、上記エアー袋体へのエアー圧力の強弱及び上記所定時間が、上記被介護者毎に予め設定されている。
また、上記エアー袋体が配設されるマット部を備え、上記被介護者の骨盤部と背中部に対応する箇所に上記エアー袋体を配置し、かつ、該マット部の横断面形状が、左右が上方へ上昇する固定舟型又は可動舟型である。
【0005】
また、上記被介護者の上記骨盤部及び上記背中部の上記エアー袋体は、膨張状態が球形である。
また、上記被介護者の足裏部に対応して遠赤外線発生部を配置した。
また、上記被介護者の足裏部,骨盤部,背中部,肩部,頭頂部の内の2箇所以上に対応して遠赤外線発生部を配置した。
また、マッサージ機能を付加した。
また、上記エアー袋体の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部を備える。
また、各々の上記被介護者に合わせて予め有資格者により入力されて作成された治療データを記録する記録片と、該記録片が接近又は挿入されることで該記録片の上記治療データを読取可能なデータ読取部と、を備え、上記制御手段が、該データ読取部にて読み取った該記録片の該治療データに基いて上記エアー袋体の作動制御を行うように構成した。
また、上記被介護者の骨盤部に対応する箇所に設けられた上記エアー袋体は、複数個から成り、かつ、被介護者のオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係るベッドは、健康な人の体動をまねて所定時間毎に寝たきり状態の被介護者の体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を防止することができる。また、被介護者の床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所にエアー袋体を配置することによって、単にエアー袋体により体位の変換を行う場合と比較して、床ずれの発生を確実に防止し得る。
【0007】
また、被介護者の床ずれ好発部位に広く対応して床ずれ防止の機能を働かせ得る。
また、人間の体動の原理に基づいて適切に被介護者の体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を効果的に防止し得る。
また、床ずれ防止機能を有するテーラーメード型のベッドとし得る。
また、身体を支えるふくらはぎやお尻、背中等の筋肉が衰えた被介護者が、これらの筋肉を動かして鍛え直すことができる。
また、膨張状態が球形のエアー袋体によって骨盤部及び背中部が持ち上げられた被介護者の体勢をより不安定にすることができ、より多くの刺激を被介護者の筋肉に与えることができる。
【0008】
また、遠赤外線発生部により、被介護者のストレスを和らげることができる。
また、複数の場所に遠赤外線発生部を配置することによって、被介護者の交感神経と副交感神経とのバランス調節をより広範囲で同時に行うことができ、被介護者にリラックス効果をすぐに与えることができる。
また、マッサージ機能を付加することによって、被介護者の床ずれを防止するだけでなく、被介護者のストレスを和らげることができる。
また、15〜25インチサイズのディスプレイ部により、被介護者に納得感,満足感を与えつつ、エアー袋体の作動及びエアー圧力の設定等を行い得る。
【0009】
また、医療機具として、被介護者の好みに合い、かつ、専門的に判断しても適切な条件でエアー袋体を作動させることができ、被介護者の床ずれの発生を確実に防止できる。
また、床ずれ防止機能とオムツ交換機能とによりエアー袋体をより活用できる。また、安定してオムツ交換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1〜図3に於て、本発明に係るベッドは、例えば総合病院や老人ホーム等に設置され、重病人や老人等の身体不自由で寝たきり状態となっている被介護者Aの床ずれ防止を主として、使用される。
本発明の実施の一形態に係るベッドは、被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在な複数のエアー袋体1…と、エアー袋体1…へ所定時間t毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段2と、エアー供給手段2の制御を行う制御手段3と、を備えている。
【0011】
エアー袋体1…及びエアー供給手段2は、エアー袋体1…が配設されるマット部21とマット部21を支持するフレーム部22とヘッド部23とを備えたベッド本体20に設けられている。また、制御手段3は、ベッド本体20の脇に設置される操作ユニット30に設けられている(詳細は後述する)。
エアー供給手段2は、エアコンプレッサ,エアタンク,電磁弁等で構成されている。
エアー袋体1…は、床ずれ防止のために主として使用されるものである。本実施形態では、被介護者Aの床ずれ発生予想部位が、被介護者Aの両踵部a,骨盤部b,背中部c,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部f,腰部jから成っている。これらは、床ずれの好発部位であり、エアー袋体1…は、それらに対応して配置されている。なお、一般的に、床ずれの初発部位は両踵部aとされている。
エアー袋体1…は、床ずれ発生予想部位ごとに形状が異なっている。具体的には、被介護者Aの腰部j,骨盤部b及び背中部cのエアー袋体1j,1b,1cは、図4に示すように、膨張状態が球形となっている。これらのエアー袋体1j,1b,1cは、図5に示すように、短冊状とされる場合もある。
また、被介護者Aの両踵部a,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部fのエアー袋体1a,1d,1e,1fは、図6に示すように、膨張状態が偏平状となっている。
【0012】
各エアー袋体1は、体型や身長が相違する多くの被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応できるように、ある程度までは頭側,足側,左右に移動可能となっている。具体的に述べると、図7に示すように、各エアー袋体1にはねじ孔部を有する移動体10が取り付けられている。また、移動体10は、駆動部14(図9参照)にて回転されるねじ杆11に螺合されている。これにより、各エアー袋体1は、ねじ杆11の回転により位置を移動できるようになっている。
【0013】
ここで、本実施形態では、図1〜図3に示すように、上述したエアー袋体1…のうち特に膨張状態が球形となる腰部j,骨盤部b及び背中部cのエアー袋体1j,1b,1cを作動させる場合に、マット部21を普通のベッド状から舟型に変形させるようになっている。即ち、本実施形態では、マット部21の横断面形状が、揺動軸12を境にしてアクチュエータ8…にて左右が上方へ上昇する可動舟型となっている(図2の矢印C方向)。そして、マット部21は、可動せずかつ舟型となったときに底の部分となる固定部21aと、可動する可動部21b,21bと、を有している。
固定部21aは、マット部21を舟型にした際に被介護者Aが仰臥する場所であり、その左右の幅Wは、例えば、平均的な大人の男性の肩幅の1. 2〜1. 5倍に設定されている。
図8に於て、可動部21b,21bは、揺動角度θが例えば40°〜70°となるように、設定されている。エアー袋体1j,1b,1cを膨張させた際、持ち上げられた被介護者Aの身体は斜めに傾いてエアー袋体1j,1b,1cの上からずり落ちようとする。その際、上昇状態の可動部21b,21bは、斜めに傾いた被介護者Aの身体を受け止めるようになっている。
【0014】
上述のように、エアー袋体1…は、主に床ずれ防止のために使用されるものであるが、本実施形態に係るベッドでは、エアー袋体1…以外にも腰痛予防,血行促進,ストレス解消等のため、温熱機能やマッサージ機能等が付加されている。
温熱機能について説明すると、本実施形態では、図1〜図3に示すように、複数の遠赤外線発生部4…を備えている。遠赤外線発生部4…は、遠赤外線輻射熱を利用する板状のヒーターであり、例えば波長9〜10μmの遠赤外線が使用されている。また、これらの遠赤外線発生部4…は、被介護者Aの身体の各部(2箇所以上)に対応するようにして配置されている。具体的には、被介護者Aの足裏部gに対応して遠赤外線発生部4gが配置されている。さらに、被介護者Aの骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iに対応して遠赤外線発生部4b,4c,4h,4iが配置されている。
【0015】
また、マッサージ機能について説明すると、本実施形態では、図3及び図9に示すように、足マッサージ部13aや腕マッサージ部13bを有すると共に背中部c等をもみ玉(図示省略)でマッサージするマッサージ手段13を備えている。マッサージ手段13は、たたき,もみ,さすり背筋のばし等の動作を行うようになっている。なお、腕マッサージ部13bは、マット部21の可動部21b, 21bに設けられており、マット部21を舟型にした状態で被介護者Aを左右から挾み込むように作動する。
【0016】
上述のエアー袋体1…による床ずれ防止機能や、遠赤外線発生部4…による温熱機能や、マッサージ手段13によるマッサージ機能を働かせるには、種々の設定方法があるので、各機能の現在の作動状況,設定状況を被介護者Aにわかりやすく知らせるのが望ましい。そこで、本実施形態に係るベッドでは、図1及び図9に示すように、遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,エアー袋体1…の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部5を備えている。なお、図9に於て、複数の遠赤外線発生部4…及びエアー袋体1…は、簡略化して一つのみ描いている。また、図9の符号15は空圧ラインである。
【0017】
ディスプレイ部5は、基端部がヘッド部23に枢着される保持アーム9の先端部に取り付けられている。ディスプレイ部5は、この保持アーム9によって、水平状態と垂直状態に切換え可能に構成されている。そして、ディスプレイ部5を水平状態にした場合には、マット部21に仰臥した被介護者Aが、遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,エアー袋体1…の作動状況及び設定状況を知ることができるようになっている(図11参照)。また、遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,エアー袋体1…を使用しない場合には、ディスプレイ部5を垂直状態にして被介護者Aの動きの邪魔にならないようになっている。また、ディスプレイ部5の垂直状態においては、周囲の人がディスプレイ部5に表示された情報を確認することができるようになっている。
【0018】
次に、図1,3及び図9〜11に於て、ベッド本体20の脇に設置された操作ユニット30について説明を行う。
操作ユニット30は、被介護者Aのリハビリの指導を行ったり治療を行ったりする専門のインストラクタ,マッサージ師,医師等の有資格者Bによって、操作される。
操作ユニット30には、図10に示すように、表示部31と、条件設定部32と、上述の制御手段3と、が設けられている。
【0019】
制御手段3は、図9に示すように、エアー袋体1…にエアーを供給するエアー供給手段2の制御を行うだけでなく、駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,ディスプレイ部5とも電気的に接続され、これらの制御を行っている。
具体的に述べると、エアー供給手段2については、作動させるエアー袋体1の選択,エアー圧力の強弱,所定時間t(エアー袋体1…へ圧縮エアーを送る時間間隔)等の制御を行っている。本実施形態では、所定時間tが、15分〜30分の範囲に設定されている。また、駆動部14については、各エアー袋体1の位置を設定するために制御を行っている。また、遠赤外線発生部4については、作動させる遠赤外線発生部4の選択,温度,作動時間等の制御を行っている。また、マッサージ手段13については、マッサージ部位,マッサージの強弱の設定,マッサージ方法の設定等の制御を行っている。また、ディスプレイ部5については、エアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13等の作動状況や設定状況の変化に対応して最新の情報が表示されるように、制御を行っている。
【0020】
表示部31は、図1,図9〜図11に示すように、ディスプレイ部5に表示される情報とほぼ同様の情報を表示する部分であり、有資格者Bがエアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13等の作動状況や設定状況を確認するために設けられている。
条件設定部32には、エアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4,マッサージ手段13の種々の条件設定を行うスイッチ類が設けられており、有資格者Bが設定を行うようになっている。この設定を行うことで、エアー袋体1…へのエアー圧力の強弱及び所定時間t等が、被介護者A毎に予め設定されるようになっている。
【0021】
ここで、本実施形態に係るベッドは、各々の被介護者Aに合わせて予め有資格者Bにより入力されて作成された治療データを記録する記録片6と、記録片6が挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7と、を備えている。
治療データは、上述したエアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13の種々の設定条件と、患者情報と、から成っている。患者情報としては、例えば会員番号,氏名,年齢,性別,生年月日,血液型,職業,住所,電話番号,現在患っている病気等の情報が挙げられる。
記録片6は、例えばICメモリチップ,ICメモリカード,磁気カード,光磁気カード等から成る。
また、データ読取部7は、操作ユニット30に設けられると共に制御手段3と電気的に接続されており、記録片6の治療データを制御手段3に送るようになっている。そして、制御手段3が、データ読取部7にて読み取った記録片6の治療データに基いてエアー袋体1…の作動制御を行うように、構成されている。
【0022】
上述したように、本実施形態では、記録片6に種々の設定条件や患者情報を記録するようになっているので、被介護者Aが別の病室に移動して本実施形態に係る別のベッドを使用する場合、細かい条件設定作業を始めから行わなくてすむように構成されている。
なお、記録片6に治療データを記録する場合、有資格者Bは、操作ユニット30の条件設定部32を使用して、被介護者Aとコミュニケーションをとりながら、記録片6に治療データを入力する。
【0023】
次に、図12〜図14に於て、本発明の他の実施形態に係るベッドについて説明する。
他の実施形態に係るベッドは、被介護者Aの骨盤部bに対応する箇所に設けられたエアー袋体1が、複数個から成り、かつ、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されている場合を例示している。
【0024】
具体的に説明すると、この他の実施形態に係るベッドでは、図3に示したベッドの遠赤外線部4bとエアー袋体1bに代えて、3個のエアー袋体1x,1y,1zが左右一列状に並んでいる。そして、被介護者Aのオムツ交換時、図13に示すように、エアー袋体1x,1y,1zにはエアーが供給され、被介護者Aの腰部を持ち上げるようになっている。また、エアー袋体1x,1y,1zは、被介護者Aの身体に沿ってバランスよく配置され、かつ、膨張状態での形状も被介護者Aの身体に沿った形状に形成されている。
また、エアー袋体1x,1y,1zは、夫々のエアー圧力を相違させて、図14に示すように、被介護者Aの身体の傾きを調節することができるようになっている。また、エアー袋体1xとエアー袋体1zとのエアー圧力の強弱を交互に切り換えることによって、被介護者Aの身体を左右に交互に傾けることが可能となっている。
その他の構成は、図1〜図11に示したベッドと同様である。
【0025】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本実施形態では、床ずれ発生予想部位が、被介護者Aの両踵部a,骨盤部b,背中部c,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部fである場合を例示したが、本発明はこれに限らず、床ずれ発生予想部位を、これらの内から2箇所以上の組合せを選択して成るようにするのも好ましい。
また、本実施形態では、遠赤外線発生部4が、被介護者Aの足裏部g,骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iに対応して配置されている場合を例示したが、本発明はこれに限らず、遠赤外線発生部4を被介護者Aの足裏部g,骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iの内の2箇所以上の組合せに対応して配置するも好ましい。
【0026】
また、本実施形態では、記録片6が挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7を備える場合を例示したが、本発明はこれに限らず、記録片6が接近されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7を備えるも好ましい。
また、マット部21は、左右が上方へ上昇する可動舟型とするものに限るのではなく、左右が上方へ上昇した固定舟型とするも好ましい。
【0027】
また、マット部21の表面を覆っている外皮の一部を、人のがん細胞を弱体化させる特殊材料にて形成するも好ましい。具体的には、高純度(炭酸カルシウムを99.5%以上含む)の石灰石を加熱加工して作成した合成ゴムに特殊な金属を練り込んだ材料にて、外皮の一部を形成する。この特殊材料は、ミクロ単位の無数の気泡(体積比率で90%以上の独立気泡)を内包した構造となっており、波長4〜25μm の遠赤外線を発する。このように構成すれば、被介護者Aがベッドに横になっている間に被介護者Aのがん細胞を弱体化させることが可能となる。
【0028】
以上のように本発明に係るベッドは、被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体1…と、エアー袋体1…へ所定時間t毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段2と、エアー供給手段2の制御を行う制御手段3と、を備えるので、健康な人の体動をまねて所定時間t毎に寝たきり状態の被介護者Aの体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を防止することができる。また、被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所にエアー袋体1…を配置することによって、ただ単にエアー袋体1…により体位の変換を行う場合と比較して、床ずれの発生を確実に防止し得る。
【0029】
また、床ずれ発生予想部位が、被介護者Aの両踵部a,骨盤部b,背中部c,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部fの内から2箇所以上を選択して成るので、被介護者Aの床ずれ好発部位に広く対応して床ずれ防止の機能を働かせ得る。
【0030】
また、所定時間tが、15分〜30分の範囲に設定されているので、人間の体動の原理に基づいて適切に被介護者Aの体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を効果的に防止し得る。
【0031】
また、エアー袋体1…へのエアー圧力の強弱及び所定時間tが、被介護者A毎に予め設定されているので、被介護者Aの希望に沿って、適切な刺激を床ずれ発生予想部位に与えることができ、床ずれ防止機能を有するテーラーメード型のベッドとし得る。
【0032】
また、エアー袋体1…が配設されるマット部21を備え、被介護者Aの骨盤部bと背中部cに対応する箇所にエアー袋体1を配置し、かつ、マット部21の横断面形状が、左右が上方へ上昇する固定舟型又は可動舟型であるので、身体を支えるふくらはぎやお尻,背中等の筋肉が衰えた被介護者Aが、これらの筋肉を動かして鍛え直す(リハビリを行う)ことができる。また、マット部21の横断面形状を舟型にすることによって、被介護者Aの身体が斜めに傾いてエアー袋体1…の上から完全にずり落ちるのを規制できるので、適切な刺激を被介護者Aの筋肉に与えることができる。
【0033】
また、被介護者Aの骨盤部b及び背中部cのエアー袋体1b,1cは、膨張状態が球形であるので、エアー袋体1b,1cによって骨盤部b及び背中部cが持ち上げられた被介護者Aの体勢をより不安定にすることができ、より多くの刺激を被介護者Aの筋肉に与えることができる。
【0034】
また、被介護者Aの足裏部gに対応して遠赤外線発生部4を配置したので、被介護者Aの交感神経と副交感神経とのバランスを調節して、被介護者Aにリラックス効果を与え、被介護者Aのストレスを和らげることができる。また、被介護者Aの体内に蓄積された老廃物を汗と共に排出させることができ、血行や代謝を促進させることができる。
【0035】
また、被介護者Aの足裏部g,骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iの内の2箇所以上に対応して遠赤外線発生部4を配置したので、被介護者Aの交感神経と副交感神経とのバランスを調節して被介護者Aにリラックス効果を与え、被介護者Aのストレスを和らげることができる。また、被介護者Aの体内に蓄積された老廃物を汗と共に排出させることができ、血行や代謝を促進させることができる。さらに、複数の場所に遠赤外線発生部4を配置することによって、被介護者Aの交感神経と副交感神経とのバランス調節をより広範囲で同時に行うことができ、被介護者Aにリラックス効果をすぐに与えることができる。
【0036】
また、マッサージ機能を付加することによって、被介護者Aの床ずれを防止するだけでなく、被介護者Aにマッサージによるリラックス効果を与え、被介護者Aのストレスを和らげることができる。また、被介護者Aの筋肉を刺激することによって腰痛等の筋肉痛の予防にもなる。また、遠赤外線発生部4を配置すると共にマッサージ機能を付加することによって、熱と揉み,振動等で複合的に被介護者Aを癒すことができる。
【0037】
また、エアー袋体1…の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部5を備えるので、詳細な作動状況及び設定状況を被介護者Aにわかりやすく伝えることができ、被介護者Aに納得感,満足感を与えつつ、エアー袋体1…の作動及びエアー圧力の設定等を行い得る。
【0038】
また、各々の被介護者Aに合わせて予め有資格者Bにより入力されて作成された治療データを記録する記録片6と、記録片6が接近又は挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7と、を備え、制御手段3が、データ読取部7にて読み取った記録片6の治療データに基いてエアー袋体1…の作動制御を行うように構成したので、医療機具として、被介護者Aの好みに合い、かつ、専門的に判断しても適切な条件でエアー袋体1…を作動させることができ、被介護者Aの床ずれの発生を確実に防止できる。
また、記録片6に種々の設定条件や患者情報を含む治療データを記録するので、被介護者Aが別の病室に移動した場合、別の病室に設置された本発明に係る別のベッドに於いて細かい条件設定作業を最初から行わなくてすむ。
【0039】
また、被介護者Aの骨盤部bに対応する箇所に設けられたエアー袋体1は、複数個から成り、かつ、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されているので、床ずれ防止機能とオムツ交換機能とによりエアー袋体1…をより活用できる。また、骨盤部bに対応する箇所にエアー袋体1を1個のみ設ける場合よりも、より被介護者Aの身体に沿ってエアー袋体1…を配置することができ、安定してオムツ交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の一形態に係るベッドを示す斜視図である。
【図2】舟型状態にしたベッドを示す斜視図である。
【図3】平面図である。
【図4】球状のエアー袋体を示す斜視図である。
【図5】短冊状のエアー袋体を示す斜視図である。
【図6】偏平状のエアー袋体を示す斜視図である。
【図7】エアー袋体の可動機構を説明するための斜視図である。
【図8】球状のエアー袋体の使用状態を説明するための簡略図である。
【図9】全体構成を示す簡略図である。
【図10】操作ユニットの平面図である。
【図11】ディスプレイ部の表示を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るベッドを示す平面図である。
【図13】エアー袋体のオムツ交換時の動き説明するための簡略側面図である。
【図14】エアー袋体の使用状態を説明するための簡略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 エアー袋体
2 エアー供給手段
3 制御手段
4 遠赤外線発生部
5 ディスプレイ部
6 記録片
7 データ読取部
21 マット部
A 被介護者
B 有資格者
a 両踵部
b 骨盤部
c 背中部
d 両肘部
e 両肩甲骨部
f 後頭部
g 足裏部
h 肩部
i 頭頂部
t 所定時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに係り、より詳しくは、床ずれ防止機能を備えたベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、健康な人は、睡眠中に数多くの体位の変換を行っている。例えば、8時間の睡眠時間が普通とすると、その間に、健康な人々は約60回体位の変換を行っている。この体位の変換は、生理的なものであって体動と呼ばれている。そして、「同じ姿勢でいるのは15分程度が限度」というのが、動物である人間の体動の原理である。
重い怪我、病気で寝たきり状態となった人や寝たきり老人等の被介護者の床ずれを防ぐ為には、この人間の体動の原理が大切である。
ところで、従来より、重い怪我、病気で寝たきり状態となった人や寝たきり老人等の被介護者用のベッドとして、種々の構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、「ベッド本体が、背もたれ部と座部と脚受け部と足載せ部に分割されると共にこれら各部を互いに回転自在に枢着したマット部材を備え、腰掛け状とベッド状とに変形する介護用のベッドに於いて、ベッド本体をマット部材と共に昇降させる昇降装置を設けたもの」が開示されている。
【特許文献1】特開2004−16370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような従来の介護用のベッドでは、腰掛け状とベッド状との2つの状態に変形できても、被介護者の床ずれ防止機能は備わっていなかった。
また、長期間に渡って自分の思うように身体を動かすことのできない被介護者には、ストレスが溜まる。このストレスは、病気や腰痛を発生させたり、病気を悪化させる要因となるが、従来の介護用ベッドでは、腰痛予防やストレスを和らげる機能を有するものが見られなかった。つまり、従来の介護用のベッドでは、被介護者の希望に充分沿った開発がされていなかった。
そこで、本発明は、寝たきり状態となっている各被介護者の希望に沿って、床ずれを防止したりストレスを和らげたりし得るベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係るベッドは、被介護者の床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体と、該エアー袋体へ所定時間毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段と、該エアー供給手段の制御を行う制御手段と、を備えた。
また、上記床ずれ発生予想部位が、上記被介護者の両踵部,骨盤部,背中部,両肘部,両肩甲骨部,後頭部の内から2箇所以上を選択して成る。
また、上記所定時間が、15分〜30分の範囲に設定されている。
また、上記エアー袋体へのエアー圧力の強弱及び上記所定時間が、上記被介護者毎に予め設定されている。
また、上記エアー袋体が配設されるマット部を備え、上記被介護者の骨盤部と背中部に対応する箇所に上記エアー袋体を配置し、かつ、該マット部の横断面形状が、左右が上方へ上昇する固定舟型又は可動舟型である。
【0005】
また、上記被介護者の上記骨盤部及び上記背中部の上記エアー袋体は、膨張状態が球形である。
また、上記被介護者の足裏部に対応して遠赤外線発生部を配置した。
また、上記被介護者の足裏部,骨盤部,背中部,肩部,頭頂部の内の2箇所以上に対応して遠赤外線発生部を配置した。
また、マッサージ機能を付加した。
また、上記エアー袋体の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部を備える。
また、各々の上記被介護者に合わせて予め有資格者により入力されて作成された治療データを記録する記録片と、該記録片が接近又は挿入されることで該記録片の上記治療データを読取可能なデータ読取部と、を備え、上記制御手段が、該データ読取部にて読み取った該記録片の該治療データに基いて上記エアー袋体の作動制御を行うように構成した。
また、上記被介護者の骨盤部に対応する箇所に設けられた上記エアー袋体は、複数個から成り、かつ、被介護者のオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係るベッドは、健康な人の体動をまねて所定時間毎に寝たきり状態の被介護者の体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を防止することができる。また、被介護者の床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所にエアー袋体を配置することによって、単にエアー袋体により体位の変換を行う場合と比較して、床ずれの発生を確実に防止し得る。
【0007】
また、被介護者の床ずれ好発部位に広く対応して床ずれ防止の機能を働かせ得る。
また、人間の体動の原理に基づいて適切に被介護者の体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を効果的に防止し得る。
また、床ずれ防止機能を有するテーラーメード型のベッドとし得る。
また、身体を支えるふくらはぎやお尻、背中等の筋肉が衰えた被介護者が、これらの筋肉を動かして鍛え直すことができる。
また、膨張状態が球形のエアー袋体によって骨盤部及び背中部が持ち上げられた被介護者の体勢をより不安定にすることができ、より多くの刺激を被介護者の筋肉に与えることができる。
【0008】
また、遠赤外線発生部により、被介護者のストレスを和らげることができる。
また、複数の場所に遠赤外線発生部を配置することによって、被介護者の交感神経と副交感神経とのバランス調節をより広範囲で同時に行うことができ、被介護者にリラックス効果をすぐに与えることができる。
また、マッサージ機能を付加することによって、被介護者の床ずれを防止するだけでなく、被介護者のストレスを和らげることができる。
また、15〜25インチサイズのディスプレイ部により、被介護者に納得感,満足感を与えつつ、エアー袋体の作動及びエアー圧力の設定等を行い得る。
【0009】
また、医療機具として、被介護者の好みに合い、かつ、専門的に判断しても適切な条件でエアー袋体を作動させることができ、被介護者の床ずれの発生を確実に防止できる。
また、床ずれ防止機能とオムツ交換機能とによりエアー袋体をより活用できる。また、安定してオムツ交換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1〜図3に於て、本発明に係るベッドは、例えば総合病院や老人ホーム等に設置され、重病人や老人等の身体不自由で寝たきり状態となっている被介護者Aの床ずれ防止を主として、使用される。
本発明の実施の一形態に係るベッドは、被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在な複数のエアー袋体1…と、エアー袋体1…へ所定時間t毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段2と、エアー供給手段2の制御を行う制御手段3と、を備えている。
【0011】
エアー袋体1…及びエアー供給手段2は、エアー袋体1…が配設されるマット部21とマット部21を支持するフレーム部22とヘッド部23とを備えたベッド本体20に設けられている。また、制御手段3は、ベッド本体20の脇に設置される操作ユニット30に設けられている(詳細は後述する)。
エアー供給手段2は、エアコンプレッサ,エアタンク,電磁弁等で構成されている。
エアー袋体1…は、床ずれ防止のために主として使用されるものである。本実施形態では、被介護者Aの床ずれ発生予想部位が、被介護者Aの両踵部a,骨盤部b,背中部c,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部f,腰部jから成っている。これらは、床ずれの好発部位であり、エアー袋体1…は、それらに対応して配置されている。なお、一般的に、床ずれの初発部位は両踵部aとされている。
エアー袋体1…は、床ずれ発生予想部位ごとに形状が異なっている。具体的には、被介護者Aの腰部j,骨盤部b及び背中部cのエアー袋体1j,1b,1cは、図4に示すように、膨張状態が球形となっている。これらのエアー袋体1j,1b,1cは、図5に示すように、短冊状とされる場合もある。
また、被介護者Aの両踵部a,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部fのエアー袋体1a,1d,1e,1fは、図6に示すように、膨張状態が偏平状となっている。
【0012】
各エアー袋体1は、体型や身長が相違する多くの被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応できるように、ある程度までは頭側,足側,左右に移動可能となっている。具体的に述べると、図7に示すように、各エアー袋体1にはねじ孔部を有する移動体10が取り付けられている。また、移動体10は、駆動部14(図9参照)にて回転されるねじ杆11に螺合されている。これにより、各エアー袋体1は、ねじ杆11の回転により位置を移動できるようになっている。
【0013】
ここで、本実施形態では、図1〜図3に示すように、上述したエアー袋体1…のうち特に膨張状態が球形となる腰部j,骨盤部b及び背中部cのエアー袋体1j,1b,1cを作動させる場合に、マット部21を普通のベッド状から舟型に変形させるようになっている。即ち、本実施形態では、マット部21の横断面形状が、揺動軸12を境にしてアクチュエータ8…にて左右が上方へ上昇する可動舟型となっている(図2の矢印C方向)。そして、マット部21は、可動せずかつ舟型となったときに底の部分となる固定部21aと、可動する可動部21b,21bと、を有している。
固定部21aは、マット部21を舟型にした際に被介護者Aが仰臥する場所であり、その左右の幅Wは、例えば、平均的な大人の男性の肩幅の1. 2〜1. 5倍に設定されている。
図8に於て、可動部21b,21bは、揺動角度θが例えば40°〜70°となるように、設定されている。エアー袋体1j,1b,1cを膨張させた際、持ち上げられた被介護者Aの身体は斜めに傾いてエアー袋体1j,1b,1cの上からずり落ちようとする。その際、上昇状態の可動部21b,21bは、斜めに傾いた被介護者Aの身体を受け止めるようになっている。
【0014】
上述のように、エアー袋体1…は、主に床ずれ防止のために使用されるものであるが、本実施形態に係るベッドでは、エアー袋体1…以外にも腰痛予防,血行促進,ストレス解消等のため、温熱機能やマッサージ機能等が付加されている。
温熱機能について説明すると、本実施形態では、図1〜図3に示すように、複数の遠赤外線発生部4…を備えている。遠赤外線発生部4…は、遠赤外線輻射熱を利用する板状のヒーターであり、例えば波長9〜10μmの遠赤外線が使用されている。また、これらの遠赤外線発生部4…は、被介護者Aの身体の各部(2箇所以上)に対応するようにして配置されている。具体的には、被介護者Aの足裏部gに対応して遠赤外線発生部4gが配置されている。さらに、被介護者Aの骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iに対応して遠赤外線発生部4b,4c,4h,4iが配置されている。
【0015】
また、マッサージ機能について説明すると、本実施形態では、図3及び図9に示すように、足マッサージ部13aや腕マッサージ部13bを有すると共に背中部c等をもみ玉(図示省略)でマッサージするマッサージ手段13を備えている。マッサージ手段13は、たたき,もみ,さすり背筋のばし等の動作を行うようになっている。なお、腕マッサージ部13bは、マット部21の可動部21b, 21bに設けられており、マット部21を舟型にした状態で被介護者Aを左右から挾み込むように作動する。
【0016】
上述のエアー袋体1…による床ずれ防止機能や、遠赤外線発生部4…による温熱機能や、マッサージ手段13によるマッサージ機能を働かせるには、種々の設定方法があるので、各機能の現在の作動状況,設定状況を被介護者Aにわかりやすく知らせるのが望ましい。そこで、本実施形態に係るベッドでは、図1及び図9に示すように、遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,エアー袋体1…の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部5を備えている。なお、図9に於て、複数の遠赤外線発生部4…及びエアー袋体1…は、簡略化して一つのみ描いている。また、図9の符号15は空圧ラインである。
【0017】
ディスプレイ部5は、基端部がヘッド部23に枢着される保持アーム9の先端部に取り付けられている。ディスプレイ部5は、この保持アーム9によって、水平状態と垂直状態に切換え可能に構成されている。そして、ディスプレイ部5を水平状態にした場合には、マット部21に仰臥した被介護者Aが、遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,エアー袋体1…の作動状況及び設定状況を知ることができるようになっている(図11参照)。また、遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,エアー袋体1…を使用しない場合には、ディスプレイ部5を垂直状態にして被介護者Aの動きの邪魔にならないようになっている。また、ディスプレイ部5の垂直状態においては、周囲の人がディスプレイ部5に表示された情報を確認することができるようになっている。
【0018】
次に、図1,3及び図9〜11に於て、ベッド本体20の脇に設置された操作ユニット30について説明を行う。
操作ユニット30は、被介護者Aのリハビリの指導を行ったり治療を行ったりする専門のインストラクタ,マッサージ師,医師等の有資格者Bによって、操作される。
操作ユニット30には、図10に示すように、表示部31と、条件設定部32と、上述の制御手段3と、が設けられている。
【0019】
制御手段3は、図9に示すように、エアー袋体1…にエアーを供給するエアー供給手段2の制御を行うだけでなく、駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13,ディスプレイ部5とも電気的に接続され、これらの制御を行っている。
具体的に述べると、エアー供給手段2については、作動させるエアー袋体1の選択,エアー圧力の強弱,所定時間t(エアー袋体1…へ圧縮エアーを送る時間間隔)等の制御を行っている。本実施形態では、所定時間tが、15分〜30分の範囲に設定されている。また、駆動部14については、各エアー袋体1の位置を設定するために制御を行っている。また、遠赤外線発生部4については、作動させる遠赤外線発生部4の選択,温度,作動時間等の制御を行っている。また、マッサージ手段13については、マッサージ部位,マッサージの強弱の設定,マッサージ方法の設定等の制御を行っている。また、ディスプレイ部5については、エアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13等の作動状況や設定状況の変化に対応して最新の情報が表示されるように、制御を行っている。
【0020】
表示部31は、図1,図9〜図11に示すように、ディスプレイ部5に表示される情報とほぼ同様の情報を表示する部分であり、有資格者Bがエアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13等の作動状況や設定状況を確認するために設けられている。
条件設定部32には、エアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4,マッサージ手段13の種々の条件設定を行うスイッチ類が設けられており、有資格者Bが設定を行うようになっている。この設定を行うことで、エアー袋体1…へのエアー圧力の強弱及び所定時間t等が、被介護者A毎に予め設定されるようになっている。
【0021】
ここで、本実施形態に係るベッドは、各々の被介護者Aに合わせて予め有資格者Bにより入力されて作成された治療データを記録する記録片6と、記録片6が挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7と、を備えている。
治療データは、上述したエアー供給手段2,駆動部14,遠赤外線発生部4…,マッサージ手段13の種々の設定条件と、患者情報と、から成っている。患者情報としては、例えば会員番号,氏名,年齢,性別,生年月日,血液型,職業,住所,電話番号,現在患っている病気等の情報が挙げられる。
記録片6は、例えばICメモリチップ,ICメモリカード,磁気カード,光磁気カード等から成る。
また、データ読取部7は、操作ユニット30に設けられると共に制御手段3と電気的に接続されており、記録片6の治療データを制御手段3に送るようになっている。そして、制御手段3が、データ読取部7にて読み取った記録片6の治療データに基いてエアー袋体1…の作動制御を行うように、構成されている。
【0022】
上述したように、本実施形態では、記録片6に種々の設定条件や患者情報を記録するようになっているので、被介護者Aが別の病室に移動して本実施形態に係る別のベッドを使用する場合、細かい条件設定作業を始めから行わなくてすむように構成されている。
なお、記録片6に治療データを記録する場合、有資格者Bは、操作ユニット30の条件設定部32を使用して、被介護者Aとコミュニケーションをとりながら、記録片6に治療データを入力する。
【0023】
次に、図12〜図14に於て、本発明の他の実施形態に係るベッドについて説明する。
他の実施形態に係るベッドは、被介護者Aの骨盤部bに対応する箇所に設けられたエアー袋体1が、複数個から成り、かつ、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されている場合を例示している。
【0024】
具体的に説明すると、この他の実施形態に係るベッドでは、図3に示したベッドの遠赤外線部4bとエアー袋体1bに代えて、3個のエアー袋体1x,1y,1zが左右一列状に並んでいる。そして、被介護者Aのオムツ交換時、図13に示すように、エアー袋体1x,1y,1zにはエアーが供給され、被介護者Aの腰部を持ち上げるようになっている。また、エアー袋体1x,1y,1zは、被介護者Aの身体に沿ってバランスよく配置され、かつ、膨張状態での形状も被介護者Aの身体に沿った形状に形成されている。
また、エアー袋体1x,1y,1zは、夫々のエアー圧力を相違させて、図14に示すように、被介護者Aの身体の傾きを調節することができるようになっている。また、エアー袋体1xとエアー袋体1zとのエアー圧力の強弱を交互に切り換えることによって、被介護者Aの身体を左右に交互に傾けることが可能となっている。
その他の構成は、図1〜図11に示したベッドと同様である。
【0025】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、本実施形態では、床ずれ発生予想部位が、被介護者Aの両踵部a,骨盤部b,背中部c,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部fである場合を例示したが、本発明はこれに限らず、床ずれ発生予想部位を、これらの内から2箇所以上の組合せを選択して成るようにするのも好ましい。
また、本実施形態では、遠赤外線発生部4が、被介護者Aの足裏部g,骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iに対応して配置されている場合を例示したが、本発明はこれに限らず、遠赤外線発生部4を被介護者Aの足裏部g,骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iの内の2箇所以上の組合せに対応して配置するも好ましい。
【0026】
また、本実施形態では、記録片6が挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7を備える場合を例示したが、本発明はこれに限らず、記録片6が接近されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7を備えるも好ましい。
また、マット部21は、左右が上方へ上昇する可動舟型とするものに限るのではなく、左右が上方へ上昇した固定舟型とするも好ましい。
【0027】
また、マット部21の表面を覆っている外皮の一部を、人のがん細胞を弱体化させる特殊材料にて形成するも好ましい。具体的には、高純度(炭酸カルシウムを99.5%以上含む)の石灰石を加熱加工して作成した合成ゴムに特殊な金属を練り込んだ材料にて、外皮の一部を形成する。この特殊材料は、ミクロ単位の無数の気泡(体積比率で90%以上の独立気泡)を内包した構造となっており、波長4〜25μm の遠赤外線を発する。このように構成すれば、被介護者Aがベッドに横になっている間に被介護者Aのがん細胞を弱体化させることが可能となる。
【0028】
以上のように本発明に係るベッドは、被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体1…と、エアー袋体1…へ所定時間t毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段2と、エアー供給手段2の制御を行う制御手段3と、を備えるので、健康な人の体動をまねて所定時間t毎に寝たきり状態の被介護者Aの体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を防止することができる。また、被介護者Aの床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所にエアー袋体1…を配置することによって、ただ単にエアー袋体1…により体位の変換を行う場合と比較して、床ずれの発生を確実に防止し得る。
【0029】
また、床ずれ発生予想部位が、被介護者Aの両踵部a,骨盤部b,背中部c,両肘部d,両肩甲骨部e,後頭部fの内から2箇所以上を選択して成るので、被介護者Aの床ずれ好発部位に広く対応して床ずれ防止の機能を働かせ得る。
【0030】
また、所定時間tが、15分〜30分の範囲に設定されているので、人間の体動の原理に基づいて適切に被介護者Aの体位の変換を行うことができ、床ずれの発生を効果的に防止し得る。
【0031】
また、エアー袋体1…へのエアー圧力の強弱及び所定時間tが、被介護者A毎に予め設定されているので、被介護者Aの希望に沿って、適切な刺激を床ずれ発生予想部位に与えることができ、床ずれ防止機能を有するテーラーメード型のベッドとし得る。
【0032】
また、エアー袋体1…が配設されるマット部21を備え、被介護者Aの骨盤部bと背中部cに対応する箇所にエアー袋体1を配置し、かつ、マット部21の横断面形状が、左右が上方へ上昇する固定舟型又は可動舟型であるので、身体を支えるふくらはぎやお尻,背中等の筋肉が衰えた被介護者Aが、これらの筋肉を動かして鍛え直す(リハビリを行う)ことができる。また、マット部21の横断面形状を舟型にすることによって、被介護者Aの身体が斜めに傾いてエアー袋体1…の上から完全にずり落ちるのを規制できるので、適切な刺激を被介護者Aの筋肉に与えることができる。
【0033】
また、被介護者Aの骨盤部b及び背中部cのエアー袋体1b,1cは、膨張状態が球形であるので、エアー袋体1b,1cによって骨盤部b及び背中部cが持ち上げられた被介護者Aの体勢をより不安定にすることができ、より多くの刺激を被介護者Aの筋肉に与えることができる。
【0034】
また、被介護者Aの足裏部gに対応して遠赤外線発生部4を配置したので、被介護者Aの交感神経と副交感神経とのバランスを調節して、被介護者Aにリラックス効果を与え、被介護者Aのストレスを和らげることができる。また、被介護者Aの体内に蓄積された老廃物を汗と共に排出させることができ、血行や代謝を促進させることができる。
【0035】
また、被介護者Aの足裏部g,骨盤部b,背中部c,肩部h,頭頂部iの内の2箇所以上に対応して遠赤外線発生部4を配置したので、被介護者Aの交感神経と副交感神経とのバランスを調節して被介護者Aにリラックス効果を与え、被介護者Aのストレスを和らげることができる。また、被介護者Aの体内に蓄積された老廃物を汗と共に排出させることができ、血行や代謝を促進させることができる。さらに、複数の場所に遠赤外線発生部4を配置することによって、被介護者Aの交感神経と副交感神経とのバランス調節をより広範囲で同時に行うことができ、被介護者Aにリラックス効果をすぐに与えることができる。
【0036】
また、マッサージ機能を付加することによって、被介護者Aの床ずれを防止するだけでなく、被介護者Aにマッサージによるリラックス効果を与え、被介護者Aのストレスを和らげることができる。また、被介護者Aの筋肉を刺激することによって腰痛等の筋肉痛の予防にもなる。また、遠赤外線発生部4を配置すると共にマッサージ機能を付加することによって、熱と揉み,振動等で複合的に被介護者Aを癒すことができる。
【0037】
また、エアー袋体1…の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部5を備えるので、詳細な作動状況及び設定状況を被介護者Aにわかりやすく伝えることができ、被介護者Aに納得感,満足感を与えつつ、エアー袋体1…の作動及びエアー圧力の設定等を行い得る。
【0038】
また、各々の被介護者Aに合わせて予め有資格者Bにより入力されて作成された治療データを記録する記録片6と、記録片6が接近又は挿入されることで記録片6の治療データを読取可能なデータ読取部7と、を備え、制御手段3が、データ読取部7にて読み取った記録片6の治療データに基いてエアー袋体1…の作動制御を行うように構成したので、医療機具として、被介護者Aの好みに合い、かつ、専門的に判断しても適切な条件でエアー袋体1…を作動させることができ、被介護者Aの床ずれの発生を確実に防止できる。
また、記録片6に種々の設定条件や患者情報を含む治療データを記録するので、被介護者Aが別の病室に移動した場合、別の病室に設置された本発明に係る別のベッドに於いて細かい条件設定作業を最初から行わなくてすむ。
【0039】
また、被介護者Aの骨盤部bに対応する箇所に設けられたエアー袋体1は、複数個から成り、かつ、被介護者Aのオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されているので、床ずれ防止機能とオムツ交換機能とによりエアー袋体1…をより活用できる。また、骨盤部bに対応する箇所にエアー袋体1を1個のみ設ける場合よりも、より被介護者Aの身体に沿ってエアー袋体1…を配置することができ、安定してオムツ交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の一形態に係るベッドを示す斜視図である。
【図2】舟型状態にしたベッドを示す斜視図である。
【図3】平面図である。
【図4】球状のエアー袋体を示す斜視図である。
【図5】短冊状のエアー袋体を示す斜視図である。
【図6】偏平状のエアー袋体を示す斜視図である。
【図7】エアー袋体の可動機構を説明するための斜視図である。
【図8】球状のエアー袋体の使用状態を説明するための簡略図である。
【図9】全体構成を示す簡略図である。
【図10】操作ユニットの平面図である。
【図11】ディスプレイ部の表示を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るベッドを示す平面図である。
【図13】エアー袋体のオムツ交換時の動き説明するための簡略側面図である。
【図14】エアー袋体の使用状態を説明するための簡略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 エアー袋体
2 エアー供給手段
3 制御手段
4 遠赤外線発生部
5 ディスプレイ部
6 記録片
7 データ読取部
21 マット部
A 被介護者
B 有資格者
a 両踵部
b 骨盤部
c 背中部
d 両肘部
e 両肩甲骨部
f 後頭部
g 足裏部
h 肩部
i 頭頂部
t 所定時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者(A)の床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体(1)と、該エアー袋体(1)へ所定時間(t)毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段(2)と、該エアー供給手段(2)の制御を行う制御手段(3)と、を備えたことを特徴とするベッド。
【請求項2】
上記床ずれ発生予想部位が、上記被介護者(A)の両踵部(a),骨盤部(b),背中部(c),両肘部(d),両肩甲骨部(e),後頭部(f)の内から2箇所以上を選択して成る請求項1記載のベッド。
【請求項3】
上記所定時間(t)が、15分〜30分の範囲に設定されている請求項1又は2記載のベッド。
【請求項4】
上記エアー袋体(1)へのエアー圧力の強弱及び上記所定時間(t)が、上記被介護者(A)毎に予め設定されている請求項1,2又は3記載のベッド。
【請求項5】
上記エアー袋体(1)が配設されるマット部(21)を備え、上記被介護者(A)の骨盤部(b)と背中部(c)に対応する箇所に上記エアー袋体(1)を配置し、かつ、該マット部(21)の横断面形状が、左右が上方へ上昇する固定舟型又は可動舟型である請求項1,2,3又は4記載のベッド。
【請求項6】
上記被介護者(A)の上記骨盤部(b)及び上記背中部(c)の上記エアー袋体 (1b)(1c) は、膨張状態が球形である請求項5記載のベッド。
【請求項7】
上記被介護者(A)の足裏部(g)に対応して遠赤外線発生部(4)を配置した請求項1,2,3,4,5又は6記載のベッド。
【請求項8】
上記被介護者(A)の足裏部(g),骨盤部(b),背中部(c),肩部(h),頭頂部(i)の内の2箇所以上に対応して遠赤外線発生部(4)を配置した請求項1,2,3,4,5,6又は7記載のベッド。
【請求項9】
マッサージ機能を付加した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載のベッド。
【請求項10】
上記エアー袋体(1)の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部(5)を備える請求項1,2,3,4,5,7,8又は9記載のベッド。
【請求項11】
各々の上記被介護者(A)に合わせて予め有資格者(B)により入力されて作成された治療データを記録する記録片(6)と、該記録片(6)が接近又は挿入されることで該記録片(6)の上記治療データを読取可能なデータ読取部(7)と、を備え、
上記制御手段(3)が、該データ読取部(7)にて読み取った該記録片(6)の該治療データに基いて上記エアー袋体(1)の作動制御を行うように構成した1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載のベッド。
【請求項12】
上記被介護者(A)の骨盤部(b)に対応する箇所に設けられた上記エアー袋体(1)は、複数個から成り、かつ、被介護者(A)のオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されている1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載のベッド。
【請求項1】
被介護者(A)の床ずれ発生予想部位に対応する所定箇所に配置される膨縮自在なエアー袋体(1)と、該エアー袋体(1)へ所定時間(t)毎に圧縮エアーを送って膨張させるエアー供給手段(2)と、該エアー供給手段(2)の制御を行う制御手段(3)と、を備えたことを特徴とするベッド。
【請求項2】
上記床ずれ発生予想部位が、上記被介護者(A)の両踵部(a),骨盤部(b),背中部(c),両肘部(d),両肩甲骨部(e),後頭部(f)の内から2箇所以上を選択して成る請求項1記載のベッド。
【請求項3】
上記所定時間(t)が、15分〜30分の範囲に設定されている請求項1又は2記載のベッド。
【請求項4】
上記エアー袋体(1)へのエアー圧力の強弱及び上記所定時間(t)が、上記被介護者(A)毎に予め設定されている請求項1,2又は3記載のベッド。
【請求項5】
上記エアー袋体(1)が配設されるマット部(21)を備え、上記被介護者(A)の骨盤部(b)と背中部(c)に対応する箇所に上記エアー袋体(1)を配置し、かつ、該マット部(21)の横断面形状が、左右が上方へ上昇する固定舟型又は可動舟型である請求項1,2,3又は4記載のベッド。
【請求項6】
上記被介護者(A)の上記骨盤部(b)及び上記背中部(c)の上記エアー袋体 (1b)(1c) は、膨張状態が球形である請求項5記載のベッド。
【請求項7】
上記被介護者(A)の足裏部(g)に対応して遠赤外線発生部(4)を配置した請求項1,2,3,4,5又は6記載のベッド。
【請求項8】
上記被介護者(A)の足裏部(g),骨盤部(b),背中部(c),肩部(h),頭頂部(i)の内の2箇所以上に対応して遠赤外線発生部(4)を配置した請求項1,2,3,4,5,6又は7記載のベッド。
【請求項9】
マッサージ機能を付加した請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載のベッド。
【請求項10】
上記エアー袋体(1)の作動状況及び設定状況を知らせる15〜25インチサイズのディスプレイ部(5)を備える請求項1,2,3,4,5,7,8又は9記載のベッド。
【請求項11】
各々の上記被介護者(A)に合わせて予め有資格者(B)により入力されて作成された治療データを記録する記録片(6)と、該記録片(6)が接近又は挿入されることで該記録片(6)の上記治療データを読取可能なデータ読取部(7)と、を備え、
上記制御手段(3)が、該データ読取部(7)にて読み取った該記録片(6)の該治療データに基いて上記エアー袋体(1)の作動制御を行うように構成した1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載のベッド。
【請求項12】
上記被介護者(A)の骨盤部(b)に対応する箇所に設けられた上記エアー袋体(1)は、複数個から成り、かつ、被介護者(A)のオムツ交換時の腰部持ち上げ作動用に兼用されている1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載のベッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−37683(P2007−37683A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−223831(P2005−223831)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(598103716)有限会社 健康百二十才 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(598103716)有限会社 健康百二十才 (7)
【Fターム(参考)】
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